説明

内燃機関のオイル回収装置

【課題】オイル戻し通路内にオイルが停留することにより許容レベルを超えてオイルがシリンダヘッドに溜ることを防止できる内燃機関のオイル回収装置を提供する。
【解決手段】オイル回収装置30は、シリンダヘッド4に供給されたオイルをオイルパンに導くオイル戻し通路24が鉛直方向と交差した状態で車両に搭載される内燃機関に適用される。オイル回収装置30は、シリンダヘッド4内又はオイル戻し通路24内のオイルを導くことができるオイル回収通路31と、オイル回収通路31内のオイルを吸引するジェットポンプ32とを備え、シリンダヘッドに供給されたオイルを回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに供給されたオイルを回収する内燃機関のオイル回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関にはシリンダヘッドに供給されたオイルをオイルパンへ導くためにオイル戻し通路が設けられている。シリンダヘッドに供給されたオイルは各部の潤滑を終えた後にオイル戻し通路に導かれながら重力によってオイルパンに戻される。なお、本発明に関連する先行技術文献として特許文献1及び特許文献2が存在する。
【0003】
【特許文献1】特開平3−175109号公報
【特許文献2】特開2001−80372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのようなオイル戻し通路が鉛直方向と交差する状態で車両に搭載される内燃機関、典型的にはV型内燃機関が車両に対して縦置き状態で搭載されている場合、その車両の旋回によって旋回方向外側に向かう慣性力がオイル戻し通路内のオイルに作用する。それにより、オイルに作用する慣性力と重力とがオイル戻し通路に沿う方向に関して釣り合う、又はその慣性力が重力に打ち勝つことで、オイルがオイル戻し通路に沿って落下できずにオイル戻し通路に停留する。
【0005】
このような状態が維持されてオイル戻し通路の流れが滞ると、シリンダヘッドには絶えずオイルが供給されるので、シリンダヘッドに溜るオイルは次第に増えてゆく。特に、シリンダヘッドへのオイルの供給量が増加する高速回転時などでは、車両旋回状態が比較的短時間維持されただけでもオイルが溜り易い。その結果、液位が許容レベルを超える程オイルがシリンダヘッドに溜まり、条件が悪ければシリンダヘッド内にオイルが充満するおそれがある。なお、このようなV型内燃機関を車両に横置きした場合にも加速時や減速時等に上記と同様の問題が生じるおそれがある。
【0006】
これらの問題が生じると、例えばシリンダヘッド内に開口するブローバイガス還元通路(PCV通路)の開口位置をオイルの液位が超えることにより、PCV通路がオイルで塞がれてPCV弁からオイルが吹き上がるおそれがある。また、シリンダヘッドカバーからオイルが漏出したり、オイルパンに戻されるオイル量が不足する結果、内燃機関の各部へのオイル供給量が不足するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、オイル戻し通路内にオイルが停留することにより許容レベルを超えてオイルがシリンダヘッドに溜ることを防止できる内燃機関のオイル回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のオイル回収装置は、シリンダヘッドに供給されたオイルをオイルパンに導くオイル戻し通路が鉛直方向と交差した状態で車両に搭載される内燃機関に適用され、前記シリンダヘッドに供給されたオイルを回収する内燃機関のオイル回収装置であって、前記シリンダヘッド内又は前記オイル戻し通路内のオイルを導くことができるオイル回収通路と、前記オイル回収通路内のオイルを吸引するオイル吸引手段と、を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0009】
このオイル回収装置によれば、内燃機関を搭載した車両の走行状態によってオイル戻し通路内にオイルが停留した場合でも、シリンダヘッド内又はオイル戻し通路内のオイルはオイル吸引手段によってオイル回収通路に導かれて回収される。そのため、オイル戻し通路内にオイルが停留することにより許容レベルを超える程オイルがシリンダヘッドに溜ることを防止できる。このオイル回収装置が適用される内燃機関は、シリンダヘッドに供給されたオイルをオイルパンに導くオイル戻し通路が鉛直方向と交差した状態で車両に搭載される内燃機関であればよく、その形式に制限はない。本発明のオイル回収装置は典型的にはV型内燃機関に適用されるが、水平対向型内燃機関に適用することもできる。本発明のオイル回収装置を適用する上でシリンダの配置方向が重要であるのではなく、オイル戻し通路が鉛直方向と交差する状態で車両に搭載される内燃機関であればよい。
【0010】
本発明のオイル回収装置においては、前記オイル回収通路に接続されてオイルを溜めることができるオイル溜め部を更に備えていてもよい(請求項2)。この場合、オイル溜め部に有る程度のオイルを溜めておくことができるので、オイルの油面の上昇速度が緩和される。そのため、オイル吸引手段によるオイルの吸引が間に合わなくなる機会が減る。言い換えれば、オイル吸引手段によるオイルの吸引操作に対して余裕を与えることができるので、許容レベルを超えてオイルがシリンダヘッドに溜ることを確実に防止できるようになる。オイル溜め部を設ける位置はシリンダヘッド又はオイル戻し通路と連通できる位置であれば特段の制限はないが、例えばオイル溜め部が前記シリンダヘッドに設けられていてもよい(請求項3)。この場合は、シリンダヘッド内のオイルをオイル溜め部に確実に溜めることができる。
【0011】
本発明のオイル回収装置においては、オイル吸引手段の構成に制限はなく種々の態様で実施できる。例えば、内燃機関や電動機等を駆動源とした吸引ポンプでオイル吸引手段を実現してもよい。
【0012】
また、オイル吸引手段を実現する他の態様としては、前記シリンダヘッドにオイルを供給するためのオイルポンプと、前記オイルポンプに接続されて前記オイルポンプから吐出されたオイルを導くオイル吐出通路とが内燃機関に設けられている場合には、前記オイル吸引手段として、前記オイル吐出通路に設けられるとともに前記オイル回収通路に接続され、かつ前記オイル吐出通路のオイルの流れを利用して前記オイル回収通路内のオイルを吸引するジェットポンプが設けられていてもよい(請求項4)。更に、前記オイルパンからオイルを汲み出すスカベンジポンプと、オイルを溜めることができるオイルタンクと、前記スカベンジポンプと前記オイルタンクとを接続するオイル排出通路とが内燃機関に設けられている場合には、前記オイル吸引手段として、前記潤滑装置の前記オイル排出通路に設けられるとともに前記オイル回収通路に接続され、かつ前記オイル排出通路のオイルの流れを利用して前記オイル回収通路内のオイルを吸引するジェットポンプが設けられていてもよい(請求項5)。
【0013】
これらの態様によれば、内燃機関に設けられたオイルポンプやスカベンジポンプを利用して吸引手段を実現できるので、オイル回収用に専用の吸引ポンプを設ける上述の態様と比べて、オイルの回収に要するエネルギを低減できるのみならず、部品点数が削減されるので装置を小型化することも容易である。また、内燃機関を駆動源とした専用の吸引ポンプを設ける態様と比べた場合にはフリクションロスを低減できるので、燃費向上に寄与できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のオイル回収装置によれば、シリンダヘッド内又はオイル戻し通路内のオイルを導くことができるオイル回収通路と、そのオイル回収通路内のオイルを吸引するオイル吸引手段とを備えているので、内燃機関を搭載した車両の走行状態によってオイル戻し通路内にオイルが停留した場合でも、そのオイルはオイル吸引手段によってオイル回収通路に導かれて回収される。従って、オイル戻し通路内にオイルが停留することにより許容レベルを超える程にオイルがシリンダヘッドに溜ることを防止できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の形態)
図1は本発明のオイル回収装置を内燃機関に適用した形態を示す全体構成図である。内燃機関1は、図示しない車両の走行用動力源として設けられている。内燃機関1は4つの気筒2が一列に並ぶ2つの気筒群2A、2Bを有し、これらの気筒群2A、2Bが所定のバンク角を形成するように配置されたV型8気筒の内燃機関である。なお、図1では気筒群2A、2Bのそれぞれに対して一つずつ合計2つの気筒2が示されている。内燃機関1は車両に対して縦置き、つまり車両の走行方向(図1の紙面に垂直な方向)と気筒2の並び方向とが互いに平行な状態で車両に搭載されている。
【0016】
内燃機関1は各気筒2が形成されたシリンダブロック3と、二つの気筒群2A、2Bに対してそれぞれ設けられてシリンダブロック3の上方に接続されるシリンダヘッド4と、シリンダブロック3の下方に接続されて潤滑用のオイルを保持するオイルパン5とを有している。各気筒2に往復運動可能な状態で配置されたピストン6はコネクティングロッド8を介してクランク軸7に連結されていて、ピストン6の往復運動はクランク軸7の回転運動に変換される。内燃機関1の気筒群2A、2Bのそれぞれに関する構成は互いに同等である。従って、以下では説明の重複を避けるため内燃機関1の気筒群2Aに関する構成を説明し、気筒群2Bに関する構成の説明は省略する。シリンダヘッド4には、各気筒2に連通する吸気通路10と排気通路11とが設けられるとともに、吸気通路10を開閉する吸気弁12と、排気通路11を開閉する排気弁13とが設けられている。各弁12、13はクランク軸7の出力を駆動源とした動弁機構15にて駆動される。
【0017】
内燃機関1には、各部の潤滑を行うため所定経路でオイルを循環させる潤滑装置20が設けられている。潤滑装置20はオイルパン5内のオイルを汲み上げて各部へ圧送するためのオイルポンプ21を有しており、そのオイルポンプ21はクランク軸7の出力にて駆動される。オイルポンプ21から吐出されたオイルはオイル供給通路22に導かれる一方で、オイル供給通路22へのオイル供給量を調整するためにリリーフ通路23へ導かれる。オイル供給通路22は複数の分岐通路(不図示)に分岐されており、これらの分岐通路にはシリンダヘッド4へオイルを導く通路が含まれている。シリンダヘッド4に供給されたオイルは、例えば動弁機構15のカムやバルブリフタ等の可動部の潤滑に用いられる。そのような可動部に対する潤滑を終えたオイルは、シリンダヘッド4を経由してからシリンダブロック3に形成されたオイル戻し通路24に導かれる。オイル戻し通路24は、気筒2の中心線と略平行に延びるように配置されている。つまり、この形態のオイル戻し通路24は水平に保持された車両に内燃機関1が搭載された状態を基準としてバンク角の略半分の角度で鉛直方向と交差している。そのため、車両が水平面を定速走行する場合に代表される通常時には、オイル戻し通路24に導かれたオイルはオイル戻し通路24に沿うように重力によって落下してオイルパン5に戻される。
【0018】
車両が旋回した場合には、旋回方向外向きの慣性力(いわゆる横G)が作用する。その慣性力が、オイル戻し通路24の傾き角の大きさによって決まる限界以上になると、オイル戻し通路24内でオイルが停留してオイルパン5へ落下できなくなり、シリンダヘッド4にオイル100が溜る。図2は内燃機関1のシリンダヘッド4の内部構造を図1のA方向から模式的に示した説明図である。内燃機関1はシリンダヘッド4に溜るオイルの液面Lの許容レベルLpがPCV通路16の開口位置16aの高さに設定される。内燃機関1にはブローバイガス還元装置(PCV装置)17が設けられており、PCV装置17はクランクケース側に漏れ出たブローバイガスをPCV通路16に導き、シリンダヘッド4に設けられた不図示のPCV弁を開閉することにより吸気通路10にブローバイガスを強制的に導入する周知のものである。仮に、シリンダヘッド4に溜ったオイル100のレベルLが許容レベルLpを超えた場合、PCV通路16がオイル100に塞がれてPCV弁からオイルが吹き上がる。そこで、図1に示すように、本実施形態ではシリンダヘッド4に溜るオイルが許容レベルを超えることを防止するためにシリンダヘッド4内のオイルを回収するオイル回収装置30が内燃機関1に設けられている。
【0019】
オイル回収装置30は、シリンダヘッド4内のオイルを導くことが可能なオイル回収通路31と、そのオイル回収通路31内のオイルを吸引するオイル吸引手段としてのジェットポンプ32とを備えている。オイル回収通路31の一方の端部31aはオイルを溜めることができるオイル溜め部33に接続され、他方の端部31bはジェットポンプ32に接続されている。オイル溜め部33はシリンダヘッド4の内部に開口し、かつ気筒群2Aの気筒の並び方向に延びるように形成されている(図2参照)。ジェットポンプ32はオイルポンプ21に接続されたリリーフ通路23に設けられており、リリーフ通路23に導かれるオイルの流れを利用してオイル回収通路31内のオイルを吸引できるように構成されている。
【0020】
図3はジェットポンプ32の詳細を説明する説明図である。ジェットポンプ32はリリーフ通路23に形成された先細のノズル部32aと、リリーフ通路23に形成されてノズル部32aの側方に位置する開口部32cを覆うようにしてリリーフ通路23を取り囲むハウジング部32bとを有している。ハウジング部32bはリリーフ通路23の外周面に接合されており、ハウジング部32bの内部にはオイル回収通路31の端部31bが開口している。ジェットポンプ32によれば、オイルポンプ21から吐き出されてリリーフ通路23に導かれるオイルの流速がノズル部32aによって速められることにより、ハウジング部32b内の圧力が低下するのでオイル回収通路31内のオイルを吸引できる。オイル回収通路31から吸引されたオイルは図3の矢印で示すように開口部32cを通じてリリーフ通路23に導かれてオイルパン5へ回収される。
【0021】
以上の形態によれば、内燃機関1を搭載した車両の走行状態によってオイル戻し通路24内にオイルが停留した場合でも、シリンダヘッド4内のオイルはオイル回収装置30によってオイルパン5に回収される。そのため、シリンダヘッド4に溜るオイル100が許容レベルLpを超えることを防止できる。また、オイル回収装置30のジェットポンプ32は、リリーフ通路23のオイルの流れを利用してオイル回収通路31内のオイルを吸引できる。つまり内燃機関1に設けられているオイルポンプ21を駆動源としてオイルを吸引することができる。そのため、オイルを吸引するための専用の駆動源(例えば内燃機関にて駆動される吸引ポンプや電動ポンプ等)を用意する必要がないので、オイルの回収に要するエネルギを低減できるのみならず、部品点数が削減されるので装置を小型化することも容易である。また、内燃機関を駆動源とした専用の吸引ポンプを設ける態様と比べた場合にはフリクションロスを低減できるので、燃費向上にも寄与できる。
【0022】
また、ジェットポンプ32はオイルポンプ21のリリーフ通路23に導かれるオイルの流れを利用するものであるので、潤滑装置20の機能に悪影響を及ぼすおそれがない。つまり、以上の形態では、内燃機関1の各部へオイルを供給するオイル供給通路22又はオイル供給通路22から分岐した分岐通路のオイルの流れを利用する場合と比べて、内燃機関1の各部へのオイル供給量が減る、又はそのようなオイル供給量の減少を補うためにオイルポンプ21の容量を増加させるといった問題が生じない。なお、本形態においてはリリーフ通路23が本発明のオイル吐出通路に相当する。また、上述のようにオイル供給通路22から分岐する分岐通路にジェットポンプ32を配置して、分岐通路内のオイルの流れを利用する形態で本発明を実施した場合には、分岐通路が本発明のオイル吐出通路に相当する。
【0023】
(第2の形態)
次に本発明の第2の形態を図4を参照して説明する。この形態は内燃機関に設けられた潤滑装置とオイル回収装置の構成が第1の形態と相違している。第1の形態と共通する構成には同一の参照符号を図4に付して重複する説明を省略する。図4に示すように、内燃機関1にはドライサンプ式の潤滑装置220が設けられている。オイルパン205は図1のオイルパン5よりも容積が小さく全体の大きさもオイルパンよりも小さく構成されている。潤滑装置220は、オイルパン205からオイルを汲み出すスカベンジポンプ26と、所定量のオイルを溜めることができるオイルタンク27と、スカベンジポンプ26とオイルタンク27を接続するオイル排出通路28と、オイルタンク27からオイルを汲み出して内燃機関1の各部へオイルを供給するためのフィードポンプ29とを有している。スカベンジポンプ26及びフィードポンプ29は電動機や内燃機関1等の所定の駆動源にてそれぞれ駆動される。
【0024】
フィードポンプ29から吐出されたオイルは内燃機関1が有するオイル供給通路22に導かれる。オイル供給通路22を介してシリンダヘッド4に供給されたオイルはオイル戻し通路24に導かれてオイルパン205に一旦集められる。オイルパン205に集められたオイルはスカベンジポンプ26により汲み出され、オイル排出通路28を通じてオイルタンク27へ導かれる。なお、排出通路28には異物を除去するオイルフィルタや気泡を除去する消泡器等の各種の装置が配置されているが図示を省略した。
【0025】
オイル回収装置230は、オイル吸引手段としてのジェットポンプ32がオイル排出通路28に設けられていることを除き第1の形態と同様である。従って、ジェットポンプ32の詳細については図3が参照される。ジェットポンプ32はオイル排出通路28に導かれるオイルの流れを利用してオイル回収通路31内のオイルを吸引でき、ジェットポンプ32にて吸引されたオイルはオイル排出通路28を通じてオイルタンク27に回収される。このようにして、オイル回収装置230は第1の形態と同様の効果を発揮できる。
【0026】
本発明は以上の各形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実施できる。本発明の適用対象となる内燃機関は、シリンダヘッドに供給されたオイルをオイルパンに導くオイル戻し通路が鉛直方向と交差した状態で車両に搭載される内燃機関であればよく、その形式に制限はない。例えばバンク角が180°である水平対向型内燃機関に本発明を適用することもできる。
【0027】
また、オイルの回収位置、即ちオイル回収通路31の接続位置は、シリンダヘッド4に設けることに限らず、図1及び図4の想像線で示すようにシリンダブロック3に設けることにより、オイル回収通路31にオイル戻し通路24内のオイルを導いてもよい。この場合、オイル溜め部33はオイル戻し通路24に開口するように構成する。
【0028】
以上の形態において、オイル溜め部33を設けることによりオイルの油面の上昇速度が緩和される利点があるが、オイル溜め部33は本発明の必須の構成ではない。従って、オイル溜め部33を省略してオイル回収通路31をシリンダヘッド4又はシリンダブロック3のオイル戻し通路24に直接接続してもよい。
【0029】
また、オイル吸引手段の構成は以上の形態に限定されず、例えば電動機や内燃機関等を駆動源とする専用の吸引ポンプで実現してもよい。また、オイル吸引手段によるオイルの吸引量や吸引の実行及び停止等の吸引操作を制御できるように構成してもよい。例えばオイル回収通路31を開閉する制御バルブ(不図示)を設けそのバルブの開度を内燃機関1の運転状態を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)を利用して制御することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のオイル回収装置を内燃機関に適用した形態を示す全体構成図。
【図2】シリンダヘッドの内部構造を図1のA方向から模式的に示した説明図。
【図3】ジェットポンプの詳細を説明する説明図。
【図4】本発明の第2の形態に係る全体構成図。
【符号の説明】
【0031】
1 内燃機関
4 シリンダヘッド
5、205 オイルパン
21 オイルポンプ
23 リリーフ通路(オイル吐出通路)
24 オイル戻し通路
26 スカベンジポンプ
27 オイルタンク
28 オイル排出通路
30 オイル回収装置
31 オイル回収通路
32 ジェットポンプ(オイル吸引手段)
33 オイル溜め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドに供給されたオイルをオイルパンに導くオイル戻し通路が鉛直方向と交差した状態で車両に搭載される内燃機関に適用され、前記シリンダヘッドに供給されたオイルを回収する内燃機関のオイル回収装置であって、
前記シリンダヘッド内又は前記オイル戻し通路内のオイルを導くことができるオイル回収通路と、前記オイル回収通路内のオイルを吸引するオイル吸引手段と、を備えることを特徴とする内燃機関のオイル回収装置。
【請求項2】
前記オイル回収通路に接続されてオイルを溜めることができるオイル溜め部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイル回収装置。
【請求項3】
前記オイル溜め部が前記シリンダヘッドに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のオイル回収装置。
【請求項4】
前記内燃機関には、前記シリンダヘッドにオイルを供給するためのオイルポンプと、前記オイルポンプに接続されて前記オイルポンプから吐出されたオイルを導くオイル吐出通路とが設けられており、
前記オイル吸引手段として、前記オイル吐出通路に設けられるとともに前記オイル回収通路に接続され、かつ前記オイル吐出通路のオイルの流れを利用して前記オイル回収通路内のオイルを吸引するジェットポンプが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のオイル回収装置。
【請求項5】
前記内燃機関には、前記オイルパンからオイルを汲み出すスカベンジポンプと、オイルを溜めることができるオイルタンクと、前記スカベンジポンプと前記オイルタンクとを接続するオイル排出通路とが設けられており、
前記オイル吸引手段として、前記潤滑装置の前記オイル排出通路に設けられるとともに前記オイル回収通路に接続され、かつ前記オイル排出通路のオイルの流れを利用して前記オイル回収通路内のオイルを吸引するジェットポンプが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のオイル回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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