説明

内燃機関のクランクケース構造

【課題】実質的に重量増加を抑えながら、有効にクランクケースの剛性強化を実現する内燃機関のクランクケース構造を提供する。
【解決手段】クランクケース11内にベアリングを介してクランクシャフト12を回転自在に支持し、ベアリングを嵌合保持するベアリング保持部30が形成される。ベアリング保持部30におけるクランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線の方向に沿った第1の断面よりも、クランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線と直交方向に沿った第2の断面S2の断面積が大きく設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車等の車両に搭載されるエンジンのクランクケース構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジン等の内燃機関において、ピストン上部で発生する爆発エネルギがコンロッドを介してクランクシャフトに伝達され、これによりクランクシャフトが回転する。クランクシャフトはベアリングを介してクランクケースに支持されるが、そのベアリングばかりでなく、クランクケースのベアリング保持部に対しても、エンジン爆発による極めて大きな荷重が作用する。クランクシャフトはかかる大荷重を受けながら高速回転するため、これを支持する軸受ベアリングやベアリング保持部まわりに高い剛性強度が必要となる。
【0003】
ここで、この種のエンジンの具体的な例で説明する。例えば図8及び図9に示すような4サイクル単筒エンジン10において、クランクシャフト12を回転可能に収容支持するクランクケース11と、コンロッド13を介してクランクシャフト12と連結されたピストン14を上下動可能に収容するシリンダ15と、動弁装置16を収容するシリンダヘッド17と、シリンダヘッド17に蓋着するシリンダヘッドカバー18とが略上下方向に連接される。
【0004】
図9に示されるようにシリンダヘッド17には、それぞれ燃焼室21に連通するインテークポート19及びエキゾーストポート20が形成される。これらインテークポート19及びエキゾーストポート20は、動力装置16により駆動される吸気バルブ22及び排気バルブ23によって所定のタイミングで開閉される。
【0005】
この例ではクランクケース11は図8に示すように、割り面Sに沿って左右2つ割りに構成されている。この場合、図10のように右側クランクケース11Rと左側クランクケース11Lによってクランク室24が形成され、このクランク室24内にクランクシャフト12及びクランクシャフト12と一体化して回転する左右一対のクランクウェブ12Aが回転自在に軸支されている。クランクウェブ12A相互間には、クランクピン25を介してコンロッド13が連結される。なお、クランク室24の周囲においてケース隔壁を隔てて後側にはミッション室26が、その右側にクラッチ室27が、また左側にはマグネト室28がそれぞれ隣接配置される。
【0006】
クランクシャフト12は一対のベアリング29によって支持される。この例ではベアリング29として玉ころ軸受を用いるが、円筒ころ軸受あるいはメタル滑り軸受であってもよい。各ベアリング29は、右側クランクケース11R及び左側クランクケース11Lにそれぞれ設けたベアリング保持部30に嵌め込まれ、これらのベアリング保持部30内に固定支持される。ベアリング保持部30はベアリング29に対する締め代、即ち圧入代あるいは変形代を均等にするためにその断面は図10で一点鎖線により示すように概略帯形状となっている。
【0007】
エンジン爆発時、図9のようにその爆発圧Pはピストン14で受け、そのピストン14からコンロッド13を介してクランクシャフト12に伝わる。クランクシャフト12は回転運動するが、その爆発力は同時にクランクシャフト12からベアリング保持部30に対して、図11に示すように荷重F1となって作用する。爆発圧Pはシリンダヘッド17側にも作用する。ここで、シリンダヘッド17は図8に示すように、シリンダヘッドボルト31によってクランクケース11に締結される。この場合、シリンダヘッドボルト31は、クランクケース11に設けたボス部32に形成された雌ネジ33に螺着する。シリンダヘッド17側に作用する爆発圧Pはシリンダヘッドボルト31を介して、荷重F2となってクランクケース11に作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−243440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
エンジン爆発時に上記のような荷重F1や荷重F2が作用することで、そのままではクランクケース11にシリンダ軸線方向の応力歪E1やシリンダ軸線と直交方向の応力歪E2を発生させる原因となる。かかる応力歪E1,E2に起因してクランクケース11に亀裂や変形が生じるのを抑制すべく、ベアリング保持部30とボス部32の間にリブ34が設けられる。リブ34を設けることで剛性強化を図ることができるが、必ずしも十分でない場合があった。つまり、ベアリング保持部30やリブ34が図11の二点鎖線により示すように、応力歪E1,E2に対応して変形するのを完全に抑制するのは困難であった。
なお、特許文献1にはこの種のリブの例が開示されている。
【0010】
本発明はかかる実情に鑑み、実質的に重量増加を抑えながら、有効にクランクケースの剛性強化を実現する内燃機関のクランクケース構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の内燃機関のクランクケース構造は、クランクケース内にベアリングを介してクランクシャフトを回転自在に支持し、該ベアリングを嵌合保持するベアリング保持部が形成された内燃機関のクランクケース構造であって、前記ベアリング保持部におけるクランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線の方向に沿った第1の断面よりも、前記クランクシャフト軸線を通り前記シリンダ軸線と直交方向に沿った第2の断面の断面積が大きく設定されたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の内燃機関のクランクケース構造において、前記第1の断面の前記シリンダ軸線の方向に沿った長さよりも、前記第2の断面の前記シリンダ軸線と直交方向に沿った長さが大きく設定されたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の内燃機関のクランクケース構造において、一対の前記ベアリング保持部が前記シリンダ軸線を挟んで、前記クランクシャフト軸線の方向に隔置され、少なくともいずれか一方の前記ベアリング保持部における前記第2の断面の断面積が前記第1の断面よりも大きく設定されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の内燃機関のクランクケース構造において、シリンダヘッドボルトが螺着する複数のボス部と、このボス部と前記ベアリング保持部と繋ぐように形成された第1のリブとを有し、前記第1のリブの相互間隔が前記ベアリング保持部よりも幅広であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の内燃機関のクランクケース構造において、前記ボス部の下端部付近の相互間を繋ぐように形成された第2のリブを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の内燃機関のクランクケース構造において、前記クランクケースは前記シリンダ軸線に関して左右2つ割りに構成され、それぞれが前記ベアリング保持部を持つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ベアリング保持部においてクランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線と直交方向に沿った断面をシリンダ軸線の方向に沿った断面よりも大きくことにより、ベアリング保持部全体としての重量増加を可能な限り抑えながら剛性強化を図ることができる。これによりエンジン爆発時に作用する荷重によってベアリング保持部まわりが変形等するのを有効に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る自動二輪車の全体構成を示す前方斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエンジンにおけるシリンダ軸線方向に沿う縦断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るエンジンのクランクケースを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るエンジンの右側クランクケースを示す側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るエンジンの左側クランクケースを示す側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るエンジンのクランクケースを示す一部破断斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るエンジンのクランクケースにおけるベアリング保持部まわりを示す部分側面図である。
【図8】従来のクランクケース構造に係るエンジンの分解斜視図である。
【図9】従来のクランクケース構造に係るエンジンの縦断面図及び部分拡大図である。
【図10】従来のクランクケース構造に係るエンジンにおけるシリンダ軸線方向に沿う縦断面図である。
【図11】従来のクランクケース構造におけるベアリング保持部まわりを示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、本発明による内燃機関のクランクケース構造の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る自動二輪車の前方斜視図である。先ず、図1を用いて自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、以下の説明において図1を含めた各図において、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrによりそれぞれ示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lによりそれぞれ示す。
【0020】
図1の自動二輪車100は典型的には所謂オフロード用であってよく、図示を省略するがその車体前方上部にはステアリングヘッドパイプが配置されており、該ステアリングヘッドパイプ内にはステアリング軸が回動可能に挿通している。そして、このステアリング軸の上端にはハンドル101が結着されており、同ステアリング軸の下端にはフロントフォーク102が取り付けられ、該フロントフォーク102の下端には操向輪である前輪103が回転可能に軸支されている。
【0021】
また、ステアリングヘッドパイプからは左右一対のメインフレーム104が、車体後方に向かって斜め下方に傾斜して延出すると共に、ダウンチューブ105が略垂直下方に延びている。そして、ダウンチューブ105はその下部付近でロアフレーム106として左右に分岐し、これら一対のロアフレーム106は下方に延びた後に、車体後方に向かって略直角に曲げられ、その後端部は左右一対のボディフレーム107を介してメインフレーム104の各後端部に連結されている。
【0022】
左右一対のメインフレーム104とダウンチューブ105及びロアフレーム106とボディフレーム107とによって囲まれる空間には、駆動源である水冷式のエンジン10が搭載されている。エンジン10の上方には燃料タンク108が配され、その燃料供給口はキャップ109によって栓止されている。燃料タンク108の後方にはシート110が配されている。また、エンジン10の前方にはラジエータ111が配置されている。
【0023】
車体の前後方向略中央の下部に設けられた左右一対のボディフレーム107には、リヤスイングアーム112の前端部がピボット軸113によって上下に揺動可能に支持されている。リヤスイングアーム112の後端部には駆動輪である後輪114が回転可能に軸支されている。なお、図示を省略するがリヤアーム112は、リンク機構とこれに連結されたショックアブソーバ(後輪懸架装置)を介して車体に懸架されている。
【0024】
また、燃料タンク108内には燃料ポンプユニットが配置され、この燃料ポンプユニットによってエンジン10に燃料を供給する。一方、上述のショックアブソーバの後側にはエアクリーナボックスが配置され、エアクリーナボックスとエンジン10の間が吸気通路を介して連結される。この吸気通路はエンジン10のシリンダヘッドに設けられたインテークポートに接続され、その途中で吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。このスロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料ポンプユニットから所定圧力の燃料が供給されるようになっている。
【0025】
次に、エンジン10の構成について説明する。ここで、この例ではエンジン10の基本構成は、既に従来例として説明した図8〜図10に記載のものと同様とし、以下の説明において従来例と実質的に同一又は対応する部材には同一符号を付し、必要に応じて適宜、図8〜図10を参照するものとする。本実施形態においてもエンジン10は、クランクシャフト12を回転可能に収容支持するクランクケース11と、ピストン14を上下動可能に収容するシリンダ15と、動弁装置16を収容するシリンダヘッド17と、シリンダヘッド17に蓋着するシリンダヘッドカバー18とを有し、これらが略上下方向に連接される。
【0026】
図2は、クランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線方向に沿う縦断面図を示している。本例でもクランクケース11は図2に示すように、左右2つ割りに構成される。右側クランクケース11Rと左側クランクケース11Bによってクランク室24が形成され、このクランク室24内にクランクシャフト12及びクランクシャフト12と一体化して回転する左右一対のクランクウェブ12Aが回転自在に軸支されている。クランクウェブ12A相互間には、クランクピン25を介してコンロッド13が連結される。なお、クランク室24の周囲においてケース隔壁を隔てて後側にはミッション室26が、その右側にクラッチ室27が、また左側にはマグネト室28がそれぞれ隣接配置される。
【0027】
クランクシャフト12は一対のベアリング29によって支持される。この図示例ではベアリング29として玉ころ軸受を用いるが、円筒ころ軸受あるいはメタル滑り軸受であってもよい。各ベアリング29は、右側クランクケース11R及び左側クランクケース11Bのそれぞれ側壁に設けたベアリング保持部30に圧入状態で嵌め込まれ、これらのベアリング保持部30内に固定支持される。シリンダ軸線Z(図3参照)を挟んで、クランクシャフト軸線の方向に隔置されるベアリング保持部30の断面は、図2において一点鎖線により示すように概略帯形状となっている。以上の基本構成は、従来例の場合と実質的に同様である。
【0028】
図3は、本実施形態におけるエンジン10のクランクケース11を示しており、割り面Sに沿って右側クランクケース11Rと左側クランクケース11Lとにより左右2つ割りで構成されている。なお、図4は右側クランクケース11Rを右外側から見た図、図5は左側クランクケース11Lを左外側から見た図である。ここでは主に右側クランクケース11Rに関して説明するが、左側クランクケース11Lの場合も実質的に同様である。シリンダヘッド17をクランクケース11に締結するためのシリンダヘッドボルト31が螺着する複数の雌ネジ33、この例ではシリンダ13を囲むようにシリンダ軸線Zに関して周囲対角位置に4つの雌ネジ33を有する。各雌ネジ33はシリンダ軸線Z方向に沿って下方、即ちクランクケース11側へ延設したボス部32に形成される。また、ベアリング保持部30とボス部32の間にリブ34(第1のリブ)が設けられる。
【0029】
ベアリング保持部30はベアリング29の周囲を囲むように、その全外周に亘って概略リング状に形成される。ここで、本発明では特にベアリング保持部30のクランクシャフト軸線を通る断面積はそのリング状に沿って一定でなく、所定の関係で変化する。即ち、図2に示されるようにベアリング保持部30におけるクランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線Zの方向に沿った断面を第1の断面S1とし、また、図6に示されるようにクランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線Zと直交方向に沿った断面を第2の断面S2とする。そして、第1の断面S1よりも第2の断面S2が大きく設定される。
【0030】
上記のような断面積変化を持たせるためにこの例では、図7に示されるように第1の断面S1におけるシリンダ軸線Zの方向に沿った長さAよりも、第2の断面S2におけるシリンダ軸線Zと直交方向に沿った長さBが大きく設定される。このように第2の断面S2の長さBを第1の断面S1の長さAよりも長くすることで、ベアリング29を囲む保持部30のリング状は真円ではなく、全体として見るとシリンダ軸線Z方向に適度に潰れた形状を呈する。この場合、シリンダ軸線Z方向の長さAは、実質的に通常のクランクケースの寸法に準拠し、シリンダ軸線Zと直交方向の長さBを通常の場合よりも長く設定することで対応している。なお、保持部30のかかる形状は、図7では右側クランクケース11Rについて図示されているが、左側クランクケース11Lの場合も実質的に同様である。
【0031】
上記のように保持部30におけるシリンダ軸線Zと直交方向の第2の断面S2を増大することで、エンジン爆発時に作用する荷重によって保持部30が変形等するのを有効に抑制することができる。この場合、保持部30のシリンダ軸線Zの方向に沿った長さAについては実質的に長くしておらず、また長くしないでもエンジン爆発時の荷重による変形要因とならず、保持部30全体としての重量増加を可能な限り抑えながら剛性強化を図ることができる。一方、ベアリング29の圧入代に関して、エンジン始動後、十分に暖機運転が行われるとアルミニウム合金製のクランクケース11はベアリング29よりも熱膨張することで、圧入代は殆どなくなり、従ってベアリング保持部30が均一でなくても何ら差し支えない。
【0032】
また、ボス部32とベアリング保持部30がリブ34によって繋がれ、図7のようにリブ34の相互間隔Wがベアリング保持部30よりも幅広となっている。
先ず、エンジン爆発時に作用する荷重によって、ベアリング29直上のボス部32が引っ張られ、そのままではボス部32同士が内側に変形してしまうが、ボス部32の下端から比較的大径のリブ34を延設することで、そのような変形を有効に防止することができる。これによりクランクケース11に亀裂や変形が生じるのを抑制することができる。更に、リブ34の相互間隔Wをベアリング保持部30の長さBよりも幅広とすることで、荷重が直接ベアリング保持部30に作用するのを抑止し、この点でもベアリング保持部30まわりの変形を防ぐことができる。
【0033】
更に、図2〜図4あるいは図7等に示されるようにボス部32の下端部付近の相互間を繋ぐように形成されたリブ35(第2のリブ)を有する。
リブ35を付設することで、エンジン爆発時に作用する荷重によってボス部32が互いに近づくように変形し、またこれに対応してリブ34が内側に変形するのをより確実に防止することができる。
【0034】
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、ボス部32の下端部付近の相互間を繋ぐリブ35の断面形状は、図2に示すように円形状の場合をはじめ、概略矩形状等その他の形状であってもよい。また、リブ35は均一断面でなくてもよく、2本もしくは2つ以上設けてもよい。
【0035】
また、右側クランクケース11R及び左側クランクケース11Lのそれぞれベアリング保持部30に適用する場合を説明したが、いずか一方でもクランクケース11の変形防止に有効に機能する。
更に、クランクケース11が左右2つ割りの例を説明したが、クランクシャフト軸線に関して上下割りのクランクケースの場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 エンジン、11 クランクケース、11R 右側クランクケース、11L 左側クランクケース、12 クランクシャフト、13 コンロッド、14 ピストン、15 シリンダ、16 動弁装置、17 シリンダヘッド、18 シリンダヘッドカバー、19 インテークポート、20 エキゾーストポート、21 燃焼室、22 吸気バルブ、23 排気バルブ、24 クランク室、25 クランクピン、26 ミッション室、27 クラッチ室、28 マグネト室、29 ベアリング、30 ベアリング保持部、31 シリンダヘッドボルト、32 ボス部、33 雌ネジ、34 リブ(第2のリブ)、35 リブ(第2のリブ)、100 自動二輪車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケース内にベアリングを介してクランクシャフトを回転自在に支持し、該ベアリングを嵌合保持するベアリング保持部が形成された内燃機関のクランクケース構造であって、
前記ベアリング保持部におけるクランクシャフト軸線を通りシリンダ軸線の方向に沿った第1の断面よりも、前記クランクシャフト軸線を通り前記シリンダ軸線と直交方向に沿った第2の断面の断面積が大きく設定されたことを特徴とする内燃機関のクランクケース構造。
【請求項2】
前記第1の断面の前記シリンダ軸線の方向に沿った長さよりも、前記第2の断面の前記シリンダ軸線と直交方向に沿った長さが大きく設定されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランクケース構造。
【請求項3】
一対の前記ベアリング保持部が前記シリンダ軸線を挟んで、前記クランクシャフト軸線の方向に隔置され、少なくともいずれか一方の前記ベアリング保持部における前記第2の断面の断面積が前記第1の断面よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のクランクケース構造。
【請求項4】
シリンダヘッドボルトが螺着する複数のボス部と、このボス部と前記ベアリング保持部と繋ぐように形成された第1のリブとを有し、前記第1のリブの相互間隔が前記ベアリング保持部よりも幅広であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関のクランクケース構造。
【請求項5】
前記ボス部の下端部付近の相互間を繋ぐように形成された第2のリブを有することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のクランクケース構造。
【請求項6】
前記クランクケースは前記シリンダ軸線に関して左右2つ割りに構成され、それぞれが前記ベアリング保持部を持つことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関のクランクケース構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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