説明

内燃機関のピストン

【課題】高面圧部位における潤滑油の導入及び保持特性を良好に維持すると共に、フリクション(摩擦損失)の低減を図ることができる内燃機関のピストンを提供する。
【解決手段】ピストン10のスカート部20の少なくともスラスト方向外周面に、ピストン10の上下運動方向において、スカート部20のほぼ中央の高面圧領域20Aを挟む少なくとも上側領域及び下側領域に撥油膜層40U及び撥油膜層40Lが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内燃機関のピストンは、該ピストンの周囲に刻設されるピストンリング溝に保持されるピストンリングを介してシリンダーボア内に嵌挿され、該ピストンがピストンピン、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結されることによって、ピストンの往復運動とクランクシャフトの回転運動との間で運動変換が行なわれる。
【0003】
なお、ピストンリングとシリンダーボア内面との間、及びピストンピン廻りに揺動されるピストンのスカート部とシリンダーボア内面との間には潤滑油を存在させ、該潤滑油によって各両者間の潤滑を良好に行うことにより、フリクション(摩擦損失)の低減などが図られている。
【0004】
ここで、シリンダ内の空気を圧縮する圧縮行程や燃焼行程などにおいては、ピストン上面側から圧力が作用するが、ピストンに連結されているコネクティングロッドはクランク角度に応じて往復運動方向におけるシリンダ中心軸に対して傾く。結果として、力の釣り合いより、ピストンをシリンダーボア内面に向けて押圧する側圧(スラスト力)が発生し、それによってピストンのスカート部がシリンダーボア内面へ押し付けられてスカート部のシリンダーボア内面への接触面における面圧が上昇する。このため、ピストンのスカート部とシリンダーボア内面との間の特に面圧上昇による高面圧部位の潤滑特性を改善して、ピストンのスカート部とシリンダーボア内面との間で発生するフリクションを低減し、スカッフィング(溶着)の発生や、長期に亘る摩耗を抑制することなどが要求されている。
【0005】
このような要求を満たすために、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ピストンのスカート部の所定範囲内に、固体潤滑膜が存在する凸状部分と、固体潤滑膜が存在しない凹状部分とを含み、凸状部分間に存在する凹状部分に潤滑油を保持させることができる、例えば、多数の平行横波線、多数の平行横直線、又は格子状のパターンからなる固体潤滑膜を、印刷方法により形成するようにしたピストンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−320934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の、ピストンのスカート部とシリンダーボア内面との間で発生するフリクションを低減し、スカッフィング(溶着)の発生や、長期に亘る摩耗を抑制するという要求を満たすためには、以下の事項が必要である。すなわち、1)特に、面圧上昇による高面圧部位に対し、適切に潤滑油の導入を行うこと、2)上記高面圧部位に導入された潤滑油を保持すること、及び、3)上記高面圧部位における油膜厚さの増大を図ることである。
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されたピストンでは、固体潤滑膜を印刷方法により形成するようにしていることから、経年劣化により固体潤滑膜の摩減ないしは剥離により、固体潤滑膜による潤滑作用及び潤滑油保持作用が失われるおそれがあった。特に、フリクション(摩擦損失)の低減のために最も十分な潤滑作用が必要とされる面圧上昇による高面圧部位において、この固体潤滑膜の摩減ないしは剥離の可能性が大きいことから、さらなる改善が要望されている。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記従来の実情に鑑みなされたもので、高面圧部位における潤滑油の導入及び保持特性を良好に維持すると共に、フリクション(摩擦損失)の低減を図ることができる内燃機関のピストンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係る内燃機関のピストンの一形態は、ピストンのスカート部の少なくともスラスト方向外周面に、ピストンの上下運動方向において、前記スカート部のほぼ中央の高面圧領域を挟む少なくとも上側領域及び下側領域に撥油膜層が形成されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記撥油膜層は、前記スカート部のほぼ中央の高面圧領域を除いて、前記上側領域及び下側領域と周方向の両側に形成されていてもよい。
【0012】
また、前記撥油膜層は、前記ピストンのスカート部の反スラスト方向外周面にも形成され、該撥油膜層が形成されない領域の面積は、スラスト方向側が反スラスト方向側よりも広くされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明に係る内燃機関のピストンの一形態によれば、ピストンのスカート部の少なくともスラスト方向外周面に、ピストンの上下運動方向において、前記スカート部のほぼ中央の高面圧領域を挟む少なくとも上側領域及び下側領域に撥油膜層が形成されている。かくて、ピストンの上昇行程時においては、ピストン及びシリンダーボア内面の間に存在する潤滑油とスカート部のほぼ中央の高面圧領域の上側領域に形成されている撥油膜層との間に滑りが発生し、高面圧領域に積極的に潤滑油が導入される。したがって、この高面圧領域において油膜厚さが増大ないしは確保され高い油膜圧力が得られる。そして、高面圧領域とその下側領域との境界付近では、潤滑油と下側領域に形成されている撥油膜層との間に発生する滑りにより、高面圧領域の下端部での油膜の剥離が促進されて粘性抵抗が低減される。
【0014】
一方、ピストンの下降行程時においても、ピストン及びシリンダーボア内面の間に存在する潤滑油とスカート部のほぼ中央の高面圧領域の下側領域に形成されている撥油膜層との間に滑りが発生し、高面圧領域に積極的に潤滑油が導入される。したがって、この高面圧領域において油膜厚さが増大ないしは確保され高い油膜圧力が得られる。そして、高面圧領域とその上側領域との境界付近では、潤滑油と上側領域に形成されている撥油膜層との間に発生する滑りにより、高面圧領域の上端部での油膜の剥離が促進されて粘性抵抗が低減される。この結果、ピストンの上昇時及び下降時のいずれにおいても、高面圧領域での潤滑油の導入及び保持特性が良好に維持され、油膜厚さが増大ないしは確保され高い油膜圧力が得られると共に、粘性抵抗が低減されることにより、フリクション(摩擦損失)の低減を図ことができる内燃機関のピストンが得られる。
【0015】
加えて、撥油膜層は、摩減ないしは剥離の可能性の高い高面圧領域に形成する必要がないことから、耐久上も優れている。
【0016】
また、前記撥油膜層は、前記ピストンのスカート部の反スラスト方向外周面にも形成され、該撥油膜層が形成されない領域の面積が、スラスト方向側が反スラスト方向側よりも広くされている形態によれば、燃焼行程でのピストン下降時にスラスト力が作用するスラスト方向外周面とその逆側の反スラスト方向外周面とでは、その力の大きさが異なり、高面圧領域のシリンダーボア内面との接触面積が変化することになるが、撥油膜層が形成されない領域の面積をスラスト力の大きさに応じて広くして、最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用されるピストンの基本構成を説明するための図であり、(A)はピストンピン孔方向から見た側面図、(B)は(A)の丸で囲った部分の拡大断面図である。
【図2】(A)は同上のピストンのA―A線断面図であり、(B)は(A)の丸で囲った部分の拡大断面図である。
【図3】同上のピストンのスラスト方向から見た正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るピストンのスラスト方向から見た正面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るピストンのスラスト方向から見た正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るピストンのスラスト方向から見た正面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るピストンを示し、(A)はスラスト方向から見た正面図、(B)は反スラスト方向から見た背面図である。
【図8】本発明に係るピストンの作動を説明するための説明図であり、(A)はシリンダーボア内面とピストンスカート部の高面圧部位付近の関係を誇張して示す断面図、(B)は高面圧部位に生ずる油膜圧力、(C)は高面圧部位付近での潤滑油の速度分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
まず、本発明が適用される基本構成を有するピストン10は、図1及び図2に示すように、ピストンリングが順にそれぞれ装着される複数の外周溝14、16、18が形成されたピストンランド12を有し、その下方にスカート部20及び不図示のピストンピンが嵌合されるピンボス22を有している。ピンボス22にはクランク軸の長手方向と略平行な軸線を有するピストンピン孔24が開設されている。そして、ピンボス22はピストンピン孔24の軸線に直交して平行に配置されたサイドウォール26と一体に形成され、該サイドウォール26の両端がそれぞれスカート部20に連続して形成されている。
【0020】
なお、3つのピストンリングのうち、ピストン頂面(燃焼室)に最も近い部位の外周溝14に取り付けられるトップリング及びトップリングの次にピストン頂面に近い部位の外周溝16に取り付けられるセカンドリングは、主に燃焼室からシリンダーボア内に圧縮ガスや燃焼ガスが漏出するのを防止するコンプレッションリングとして機能し、また、ピストン頂面に最も遠い部位の外周溝18に取り付けられるオイルリングは、シリンダーボア(クランクケース)から燃焼室にオイルが持ち込まれるのを防止すべく機能する。
【0021】
ここで、ピストン10はその母材として、例えば、アルミニウム合金で形成され、このピストン10の冷間時でのスカート部20の外周面は、図1(B)に誇張して示すように、ピストン10の軸線Xに関して、ピストンピン孔24の軸線を含む平面内の最大径Rmax位置から上下方向に進むにつれ径Rが縮小するように、いわゆるバレル状に形成されている。さらに、スカート部20の外周面は、図2(B)に示すように、ピストン10の軸線Xを含み、ピンボス22のピストンピン孔24の軸線Yに直交する平面内の最大径Rmax位置から周方向左右に進むにつれ径Rが真円(破線で示す)の径から縮小するように、換言すると、ピンボス22のピストンピン孔24の軸線方向が短径で、これに直交するスラスト方向が長径となる断面楕円形状の一部となる、いわゆるオーバル状に形成されている。かくて、図3に示すように、スカート部20のほぼ中央部に、不図示のシリンダーボア内面に対して、周りに比べ相対的に高い面圧で接触するほぼ円形ないしは楕円形の高面圧領域20Aが存在することになる。なお、この高面圧領域20Aのシリンダーボア内面との接触面積は、上述のように、ピストン10に加わる力に応じ、スカート部20の弾性変形により変化する。
【0022】
そして、本発明の第1の実施形態では、まず、図4に示すように、母材として例えばアルミニウム合金で形成されたピストン10におけるスカート部20のスラスト及び反スラスト方向外周面に、ピストン10の上下運動方向において、スカート部20の上述のほぼ中央の高面圧領域20Aを挟む上側領域及び下側領域に例えばスクリーン法により上側撥油膜層40U及び下側撥油膜層40Lが形成されている。
【0023】
なお、上述の実施形態における高面圧領域20Aは、ピストン10の母材表面のままで非撥油性面とされるか、又は、撥油膜層よりも撥油性の低い低撥油膜層が形成されて低撥油性面とされてもよい。
【0024】
ここで、上述した本発明の第1の実施形態における、スカート部20のほぼ中央の高面圧領域20Aの非撥油性面と、その上側領域及び下側領域に形成されている上側撥油膜層40U及び下側撥油膜層40Lの撥油性面とによりもたらされる作用効果について、図8を参照して説明する。
【0025】
今、図8(A)において、CBをシリンダーブロック、CBSをシリンダーボア内面とし、これに対してピストン10のスカート部20が、それらの隙間Gに潤滑油LUが介在されて摺動しているものとする。ここで、図8(A)に示すピストン10のスカート部20は実際には上昇行程にあるが、説明の便宜上、ピストン10のスカート部20が固定であり、シリンダーブロックCB(シリンダーボア内面CBS)が白抜き矢印で示すように相対速度Vで下降しているものとする。
【0026】
そうすると、隙間Gに介在されている潤滑油LUは、シリンダーボア内面CBSの下降に伴い、シリンダーボア内面CBSとピストン10のスカート部20との間に形成された隙間G内を同じく下方向に流動するとみなすことができる。このとき、シリンダーボア内面CBSの下降方向の上流側においては、潤滑油LUとスカート部20の撥油性面の上側撥油膜層40Uとの間に滑りが生じることから、図8(C)に示すように、スカート部20の撥油性面の上側撥油膜層40Uに接触している側の潤滑油LUの速度がシリンダーボア内面CBSに接触している側の速度Vとほぼ等しくなる一様な速度分布となり、隙間Gでの平均速度が大きく、延いては、流量も多くなる。
【0027】
これに対し、非撥油性面とされている高面圧領域20Aでは、潤滑油LUとの間に滑りがなく、スカート部20の非撥油性面の高面圧領域20Aに接触している側の潤滑油LUの速度は、ピストン10が固定とみなされていることから、ほぼ0となり、シリンダーボア内面CBSに接触している側の速度Vに対して、図8(C)に示すような傾斜した速度分布となる。この結果、隙間Gでの平均速度は高面圧領域20Aにおいて低下する。かくて、一定の断面積の隙間Gを流れる潤滑油LUの流量の釣り合いの結果として、高面圧領域20Aにおいて油膜厚さが増大ないしは確保され、図8(B)に示すように、隙間Gの高面圧領域20Aに対応する部位に、撥油膜層を備えない場合の従来の油膜圧力Pa(破線)に比べ大きな油膜圧力Pb(実線)を発生させることができる。この大きな油膜圧力Pbによりスカート部20の高面圧領域20Aがシリンダーボア内面CBSから半径方向内方に離間されるので、ピストン10のスカート部20とシリンダーボア内面CBSとのフリクション(摩擦損失)が低減される。
【0028】
一方、高面圧領域20Aとその下側領域との境界付近では、潤滑油LUと下側領域に形成されている下側撥油膜層40Lとの間に発生する滑りにより、潤滑油LUのスカート部20の撥油性面の下側撥油膜層40Lに接触している側の速度とシリンダーボア内面CBSに接触している側の速度Vとがほぼ等しい一様な速度分布となり、隙間Gでの平均速度が大きく、延いては、流量も多くなる。かくて、高面圧領域20Aの下端部での油膜の剥離が促進されて、負圧(図8(B)の破線)の発生が抑制され、潤滑油LUによる粘性抵抗が低減され、フリクション(摩擦損失)が低減される。
【0029】
なお、上記の作用効果についての説明は、ピストン10のスカート部20が上昇行程にある場合について行ったが、ピストン10のスカート部20が下降行程にある場合も同様であるので、重複説明を避ける。但し、この下降行程にある場合には、上記の説明において、ピストン10のスカート部20が固定であることは同じであるが、シリンダーブロックCB(シリンダーボア内面CBS)が図8(A)に示すのとは逆に相対速度Vで上昇しているものとし、上記の説明中の上側撥油膜層40Uと下側撥油膜層40Lとを置き換えて読むと共に、図8(C)の速度分布については180度反転させればよい。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態を図5に示す。この第2の実施形態では、ピストン10におけるスカート部20のスラスト及び反スラスト方向外周面に、スカート部20の上述のほぼ中央の楕円形の高面圧領域20Aを除き、上側領域及び下側領域と周方向の両側に連続して、例えばスクリーン法や撥油フィルムの貼付法により撥油膜層40Aが形成されている。なお、図5にはスカート部20のスラスト方向外周面のみを示す。この第2の実施形態によれば、撥油膜層40Aを簡単に形成することができる。
【0031】
また、本発明の第3の実施形態を図6に示す。なお、図6にはスカート部20のスラスト方向外周面のみを示す。この第3の実施形態では、ピストン10におけるスカート部20のスラスト及び反スラスト方向外周面に、上述の第2の実施形態における連続する撥油膜層40Aの周方向の両側を除去し、高面圧領域20Aに連なる間隙通路20P、20Pを形成する形態で、上側撥油膜層40UA及び下側撥油膜層40LAが形成されている。この第3の実施形態によれば、上述のようにして非撥油性面の高面圧領域20Aに導入された潤滑油LUが、同じく非撥油性面の間隙通路20P、20Pを介して流出することが抑制されるので、高面圧領域20Aにおける油膜厚を確保することができる。
【0032】
さらに、本発明の第4の実施形態を、図7(A)及び(B)に示す。この第4の実施形態では、ピストン10におけるスカート部20のスラスト及び反スラスト方向外周面に、それぞれ、上述の第2の実施形態における撥油膜層40Aと同じ形態の連続する撥油膜層40AT及び撥油膜層40AATが形成されている。但し、図7(A)に示すスラスト方向外周面に形成された撥油膜層40ATと図7(B)に示す反スラスト方向外周面に形成された撥油膜層40AATとは、撥油膜層が形成されない領域の面積が、スラスト方向側が反スラスト方向側よりも広くなるようにされている。換言すると、スラスト方向側の高面圧領域20Aと反スラスト方向側の高面圧領域20Bとの面積はスラスト方向側が反スラスト方向側よりも広くなるようにされている。かくて、燃焼行程でのピストン下降時と圧縮行程でのピストンの上昇時とで異なるスラスト力の大きさに応じて、撥油膜層が形成されない領域の面積を広くすることにより、スラスト方向側の高面圧領域20Aと反スラスト方向側の高面圧領域20Bとの面積を最適化することができる。
【符号の説明】
【0033】
10 ピストン
20 スカート部
20A 高面圧領域
20P 間隙通路
40A 撥油膜層
40U 上側撥油膜層
40L 下側撥油膜層
CB シリンダーブロック
CBS シリンダーボア内面
G 隙間
LU 潤滑油
V 相対速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンのスカート部の少なくともスラスト方向外周面に、ピストンの上下運動方向において、前記スカート部のほぼ中央の高面圧領域を挟む少なくとも上側領域及び下側領域に撥油膜層が形成されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
【請求項2】
前記撥油膜層は、前記スカート部のほぼ中央の高面圧領域を除いて、前記上側領域及び下側領域と周方向の両側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
【請求項3】
前記撥油膜層は、前記ピストンのスカート部の反スラスト方向外周面にも形成され、該撥油膜層が形成されない領域の面積は、スラスト方向側が反スラスト方向側よりも広くされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のピストン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−52607(P2011−52607A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202707(P2009−202707)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000207791)大豊工業株式会社 (152)
【Fターム(参考)】