説明

内燃機関の排気装置

【課題】 排気制御弁A、Bの低開度域における開度制御性を改善する。
【解決手段】 排気制御弁A、Bの全閉時におけるアーム23、24の第1回転軸61の回転中心C1とバルブ21、22の結合リング25、26(アーム23、24の第2回転軸62)の回転中心C2とを結ぶ直線AL1を、バルブシート17、18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2に対して鋭角な交差角度θ0で交差するように配置している。特に、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度(θ0)を、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に設定している。これにより、アーム23、24の第1回転軸61の回転角度θ1の変化に対する、排気制御弁A、Bの開度変化(開弁初期段階の立ち上がり)が緩やかになる。したがって、排気制御弁A、Bの低開度域、特にバルブ21、22の開弁初期段階における開度制御性を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気装置に関するもので、特にターボ過給機を備えた内燃機関の過給圧を制御する過給圧制御装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来より、内燃機関(エンジン)のターボチャージャ(過給機)には、コンプレッサのサージングを防止するという目的で、タービンを迂回(バイパス)する貫通孔(バイパス流路)を開閉するウェイストゲート弁(図13参照)が設置されている。
このように、ウェイストゲート弁の弁体101のシール面102が、バルブシート103のシート面104に着座することによってバルブシート103をその板厚方向に貫通する貫通孔105を閉鎖し、バルブシート103のシート面104より離脱することによって貫通孔105を開放するように構成した排気装置(内燃機関の排気装置)が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のターボチャージャは、ウェイストゲート弁およびバルブシート103を備えている。
ウェイストゲート弁は、コンプレッサで圧縮された圧縮空気によって作動するダイヤフラムシリンダを備えている。このダイヤフラムシリンダのピストンロッドの先端側には、弁体支持部材106およびリンク部材を介して、弁体101が設置されている。
バルブシート103には、ターボチャージャのタービンの上流側流体経路と下流側流体経路とを連通する貫通孔105が設けられている。
弁体支持部材106は、弁体101を支持し、貫通孔105を開閉するために貫通孔105に対して、弁体101を移動させるものである。
【0004】
ウェイストゲート弁は、弁体101と弁体支持部材106との間に僅かな隙間が形成されており、弁体支持部材106の回転中心軸CL1と垂直な平面上に形成された中心軸を回転中心軸CL3として弁体101が弁体支持部材106に対して回転しても、この回転角度にかかわらず貫通孔105を閉じることが可能な円形状に弁体101が形成されていると共に、回転中心軸CL3を回転中心として弁体支持部材106に対し弁体101が僅かな角度以上回転しないように構成されている。
ウェイストゲート弁は、弁体101と弁体支持部材106との間に僅かな隙間が形成されていることにより、弁体101が弁体支持部材106に対して、相対的に僅かに移動可能となっている。
弁体101のシール面102およびバルブシート103のシート面104は、互いに平面接触するように構成されている。
【0005】
また、弁体支持部材106の回転中心軸CL3に垂直な平面と弁体101のシール面102の平面とが互いに交差することにより生成される直線に平行な中心軸を第1の回転中心軸CL5とし、回転中心軸CL1と平行な中心軸を第2の回転中心軸CL7とし、弁体101のシール面102の平面に対して垂直な中心軸を第3の回転中心軸CL3とした場合、第1の回転中心軸CL5を回転中心とした弁体支持部材106に対する弁体101の回転量が、第2の回転中心軸CL7を回転中心とした弁体支持部材106に対する弁体101の回転量よりも小さく構成されており、また、第3の回転中心軸CL3を回転中心とした弁体支持部材106に対する弁体101の回転量よりも小さく構成されている。
また、ウェイストゲート弁の弁体101の一端側には、第2の回転中心軸CL7の延伸方向に延伸している円柱形状の係合部111が設けられ、また、弁体支持部材106には、係合部111と係合する円柱形状に貫通孔が設けられている。
また、係合部111には、キー112が設けられ、弁体支持部材106には、キー112と係合し、キー112の幅よりも広い幅の係合部113が設けられている。
【0006】
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載のウェイストゲート弁においては、2つの回転中心軸CL1、CL7を持ち、それらが互いに平行で構成され、「バルブシート103のシート面104に垂直な軸線」と「回転中心軸CL1と回転中心軸CL7とを結ぶ軸線」とが、直角に交差している。この場合、弁体支持部材106の回転中心軸CL1の回転角度が小さい時、弁体支持部材106の回転中心軸CL1の回転角度の変化に対する、開弁初期段階における流量の立ち上がりが急となり、ウェイストゲート弁の開度が所定開度以下の低開度域における開度制御性が悪いという問題がある。すなわち、ウェイストゲート弁の開度が低開度域において、弁体支持部材106の回転中心軸CL1の回転角度変化に対する、貫通孔105の開口面積の変化が大きく、細やかな流量制御が難しいという問題がある。
【0007】
ところで、「バルブシート103のシート面104に垂直な軸線」と「弁体101の全閉時における回転中心軸CL1と回転中心軸CL7とを結ぶ軸線」とが、同一直線上に配置されている場合、弁体101に閉弁力が発生しないため、弁体101により貫通孔105を開閉することが難しいという問題がある。
また、タービンの上流側流体経路および貫通孔105内の排気ガスの圧力(排気圧)が所定値以上に高圧力の場合、排気圧によって弁体101が開弁方向に押される。これにより、弁体101を開弁状態から全閉作動させる際に、弁体101の全閉動作を開始してから弁体101がバルブシート103のシート面104に着座するまでに時間(全閉作動時間)がかかってしまう。したがって、弁体101の全閉作動時における、ウェイストゲート弁の閉弁応答性が悪いという問題がある。なお、ウェイストゲート弁の閉弁応答性を向上させるためには、ダイヤフラムシリンダ(アクチュエータ)の体格を大型化する必要がある。
また、弁体101を開弁状態から全閉作動させる際に、回転中心軸CL1での必要トルクが大きく、ダイヤフラムシリンダ(アクチュエータ)への駆動負荷が大きい。
また、タービンの上流側流体経路および貫通孔105内の排気ガスの圧力脈動が大きい場合、周期的に大きなトルクが回転中心軸CL1に発生するため、ウェイストゲート弁の全閉時において、弁体101のシール面102とバルブシート103のシート面104との間のシール性が低下する懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−226591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、排気制御弁の開度が所定開度以下の低開度域における開度制御性を改善することのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。また、流路の入口よりも上流側が高圧力または高脈動の場合であっても、アクチュエータへの負荷を軽減することのできる内燃機関の排気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明(内燃機関の排気装置)は、排気ガスが流入する入口と排気ガスが流出する出口とを連通する流路、およびこの流路の出口が開口した弁座を有するハウジングと、流路の出口を開閉する排気制御弁とを備えている。
排気制御弁は、ハウジングに対して相対的な回転運動を行う弁体支持部材、この弁体支持部材に対して相対的な回転運動を行う弁体、および弁体支持部材を介して弁体を駆動するアクチュエータを有している。
排気制御弁の弁体は、弁体支持部材に係合支持されている。
弁座は、弁体が着座可能な平面状のシート面(PL1)を有している。
そして、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)は、弁座のシート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)に対して鋭角な角度(θ)で交差するように配置されている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)を、弁座のシート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)に対して鋭角な角度(θ)で交差するように配置したことにより、排気制御弁の開度が所定開度以下の低開度域、つまり回転中心(C1)を中心にして、ハウジングに対して相対的な回転運動を行う弁体支持部材の回転角度が小さい時、弁体支持部材の回転角度の変化に対する、排気制御弁の開度変化が緩やかとなる。これにより、排気制御弁の開度が所定開度以下の低開度域、特に弁体の開弁初期段階における開度制御性を改善することができる。
【0012】
また、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)と、弁座のシート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)とが、同一直線上に存在しないので、弁座のシート面(PL1)に対して垂直方向に弁体が移動可能となる。
また、弁体の回転中心(C2)を中心にして、弁体支持部材に対して弁体が相対的な回転運動を行うことにより、弁座のシート面(PL1)から弁体が離脱して流路の出口を開放(開弁)する開弁動作が可能となる。例えば排気制御弁の開度が所定開度以下の低開度域、特に弁体の開弁初期段階における弁体の開弁動作が可能となる。
なお、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)と、弁座のシート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)とが、同一直線上であると、弁座のシート面(PL1)に対して弁体を密着させる方向に作用する閉弁力が発生しない、あるいは弱いため、そのような構成は不適(不可)である。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、弁体支持部材に、流路の中心線方向に垂直な方向に延びる第1回転軸を設けている。また、弁体支持部材または弁体に、流路の中心線方向に垂直な方向に延びる第2回転軸を設けている。
2つの第1、第2回転軸は、相互に平行配置されている。
請求項3に記載の発明によれば、第1回転軸の中心線の位置を弁体支持部材および弁体の回転中心軸線(CL1)とし、第2回転軸の中心線の位置を弁体の回転中心軸線(CL2)としたとき、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)とは、排気制御弁の全閉時における回転中心軸線(CL1)と回転中心軸線(CL2)とを結ぶ直線のことである。
ここで、請求項1〜3に記載の排気制御弁は、ハウジングの弁座に対して着座、離脱して流路の出口を閉鎖、開放する弁体(バルブ)を備えている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)と、弁座のシート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)とが交差する鋭角な角度(θ)が、0°よりも大きく、45°未満で構成されている。
0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に鋭角な角度(θ)を設定した場合には、弁体支持部材の回転角度の変化に対する、排気制御弁の開度変化(立ち上がり)が緩やかになる。これにより、排気制御弁の開度が所定開度以下の低開度域、特に弁体の開弁初期段階における開度制御性を改善することができる。
また、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に鋭角な角度(θ)を設定した場合には、弁体支持部材を回す力<回転力にならない力となるため、流路の入口よりも上流側が高圧力または高脈動の場合であっても、弁体を閉弁動作させる際のアクチュエータへの駆動負荷を軽減することができる。
【0015】
これによって、流路の入口よりも上流側が高圧力の時、排気圧により弁体が開弁側に押された場合であっても、弁体を開弁状態から全閉作動させる際の、第1回転軸での必要トルクが小さくなる。つまり「弁体支持部材を回す力」が「回転力にならない力」よりも小さくなるので、排気制御弁の全閉作動時、つまりアクチュエータの動力を利用して弁体を全閉作動させる際に、アクチュエータを大型化することなく、排気制御弁の閉弁応答性を向上させることができる。
また、流路の入口よりも上流側が高脈動の時、周期的に大きなトルクが第1回転軸に発生した場合であっても、「弁体支持部材を回す力」が「回転力にならない力」よりも小さくなるので、排気制御弁の全閉時における、弁体と弁座のシート面(PL1)との間のシール性を向上することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、排気制御弁(特に弁体支持部材)に、弁体における、弁体支持部材に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限する可動域制限部を設けている。
請求項6に記載の発明によれば、可動域制限部とは、弁体における、弁体支持部材に対する一方向への相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限するストッパ(規制部)のことである。
請求項7に記載の発明によれば、弁体における、弁体支持部材に対する一方向への相対回転動作が可能な領域(可動域)は、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心(C1)と弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)と、弁座のシート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)とが交差する鋭角な角度(θ)以上とする。
【0017】
ところで、弁体支持部材に対して弁体が自由に相対回転すると、弁体が弁座に片当たりする等して、弁体のシール面(PL2)が弁座のシート面(PL1)に着座(平面接触)できず、弁体が流路の出口を全閉できなくなる懸念がある。
また、弁体のシール面(PL2)が弁座のシート面(PL1)に着座(平面接触)して、弁体が流路の出口を全閉するには、弁体支持部材に対して弁体がある角度以上で相対回転する必要がある。
そこで、請求項5〜7に記載の発明によれば、弁体が流路の出口を全閉するのに必要な鋭角な角度(θ)以上、弁体支持部材に対して弁体が相対回転できるように、可動域制限部(ストッパ)を排気制御弁(特に弁体支持部材)に設けることで、弁体における、弁体支持部材に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限することにより、弁体のシール面(PL2)が弁座のシート面(PL1)に着座(平面接触)して、弁体が流路の出口を全閉することができる。
【0018】
請求項8に記載の発明によれば、可動域制限部とは、弁体における、弁体支持部材に対する一方向に対して逆方向への相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限するストッパ(規制部)のことである。
請求項9に記載の発明によれば、弁体における、弁体支持部材に対する一方向に対して逆方向への相対回転動作が可能な領域(可動域)は、弁体が開弁するのに必要な最小角度(θ2)の最大値(θmax)以上とする。
【0019】
ところで、弁体のシール面(PL2)が弁座のシート面(PL1)に対して相対的に大きく傾いていると、弁体のシール面(PL2)が弁座のシート面(PL1)に着座(平面接触)して、弁体が流路の出口を全閉する時に騒音が発生する懸念がある。
そこで、請求項8及び9に記載の発明によれば、騒音防止のために、可動域を制限している。
弁体(のシール面(PL2))を弁座のシート面(PL1)より離脱させて、弁体が流路の出口を開放(開弁)するためには、弁体が回転中心(C2)を中心に、弁体支持部材に対して相対回転する必要があるが、弁体が開弁するのに必要な最小角度(θ2)は、最大値(θmax)を持つので、最大値(θmax)以上の可動域を確保しながら弁体支持部材の可動域制限部(ストッパ)で可動域を制限する。
【0020】
請求項10に記載の発明によれば、ハウジングの弁座に、弁体をその移動方向に誘導するガイドを設けている。
これによって、弁体をその移動方向(開弁方向または閉弁方向)に案内(誘導)するガイドを設けることにより、弁体と弁体支持部材とを止め輪等を用いて連結(結合)する必要がない。つまり、弁体と弁体支持部材とを単純な嵌合方法を用いて連結(結合)できるので、排気制御弁の製造コストを低減でき、且つ生産性を向上することができる。
【0021】
請求項11に記載の発明によれば、弁体支持部材に、弁体を相対回転可能に係合支持する係合部を設けている。
請求項12に記載の発明によれば、排気制御弁に、弁体支持部材(の係合部)と弁体(の結合部)との間に、熱歪みによる変形を吸収するための隙間(ガタ)を設けることにより、高温の排気ガスが流通する流路のような高温環境下で弁体および弁体支持部材が使用された場合であっても、弁体と弁体支持部材との間の隙間(ガタ)により熱歪みによる変形(材料の熱膨張)を吸収することができる。なお、排気制御弁は、その使用温度が、常温から約1000℃までの高温環境であるため、弁体支持部材を形成する材料(金属材料)や弁体を形成する材料(金属材料)の熱膨張を吸収することができる。
請求項13に記載の発明によれば、弁体に、弁体支持部材(の係合部)に対して相対回転可能となるように結合する結合部を設けている。
【0022】
請求項14に記載の発明によれば、弁体支持部材に、弁体の結合部を弁体の回転軸方向の両側から挟み込む一対の支持部を有している。これらの支持部は、互いに対向して配置されている。
請求項15に記載の発明によれば、弁体支持部材(の係合部)に、一対の支持部間に掛け渡されるピンを設けている。また、弁体の結合部に、ピンに対して相対回転可能となるように係合支持されるローラを設けている。このローラは、ピンの周囲を周方向に取り囲むように設置されている。
【0023】
請求項16に記載の発明によれば、弁体支持部材に、弁体の結合部を支持する支持部を設けている。
請求項17に記載の発明によれば、弁体支持部材(の係合部)に、支持部から弁体の回転軸方向に突出するピンを設けている。このピンは、弁体支持部材の支持部に支持固定されている。また、弁体の結合部に、ピンに対して相対回転可能となるように係合支持されるローラを設けている。このローラは、ピンの周囲を周方向に取り囲むように設置されている。
【0024】
請求項18に記載の発明によれば、弁体の中心線または流路の中心線に対して、弁体の中心線方向または流路の中心線方向に垂直な方向に、弁体の回転中心(C2)をオフセットして配置することにより、弁体支持部材の回転中心(C1)の位置を自由に変更することができる。したがって、例えば車両に対する搭載性を向上することができる。
請求項19に記載の発明によれば、流路の出口の延長線に対して、流路の中心線方向に垂直な方向に、弁体支持部材をオフセットして配置することにより、流路の出口の延長線上から弁体支持部材を逃がす(外す)ことができる。これにより、損失(圧力および温度)を低減することができる。すなわち、流路の出口の延長線上から弁体支持部材を逃がす(外す)ことができるので、流路の出口から流出した排気ガスが弁体支持部材に衝突することはなく、圧力損失による排気圧の上昇の懸念がなくなる。また、流路の出口から流出した排気ガスが弁体支持部材に衝突することがないので、弁体支持部材に熱を奪われ難くなり、弁体支持部材からの放熱による三元触媒の暖機が遅くなる懸念がなくなる。
【0025】
請求項20に記載の発明によれば、ハウジングに、内燃機関の排気ポートに連通する2つの第1、第2排気通路、およびこれらの第1、第2排気通路を区画する隔壁を設けている。
流路の入口は、第1排気通路から排気ガスが流入する第1開口部である。
流路の出口は、第2排気通路へ排気ガスが流出する第2開口部である。
流路は、第1排気通路と第2排気通路とを連通するように隔壁を貫通する連通路である。
排気制御弁は、(第1排気通路から)連通路を通過(して第2排気通路へ流出)する排気ガスの流量を弁体の開閉動作により制御する排気ガス流量制御弁である。なお、第1排気通路から連通路を通過して第2排気通路へ流出する排気ガスの流量を弁体の開閉動作により制御する排気ガス流量制御弁としても良い。
【0026】
請求項21に記載の発明によれば、弁座のシート面(PL1)が、連通路の第2開口部の周縁に形成されている。
請求項22に記載の発明によれば、弁座のシート面(PL1)より離脱して流路の出口を開放(開弁)する弁体を有している。
請求項23に記載の発明によれば、弁体に、弁座のシート面(PL1)に着座(平面接触)して流路の出口を閉鎖(全閉)するシール面(PL2)を設けている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】排気制御弁の全閉時における交差角度θ0を示した説明図である(実施例1)。
【図2】ターボチャージャを示した断面図である(実施例1)。
【図3】図2のX−X断面図である(実施例1)。
【図4】(a)〜(c)はバルブシートと排気制御弁(バルブ、アーム)との位置関係を示した平面図である(実施例1)。
【図5】(a)、(b)は排気制御弁の全閉状態を示した断面図で、(c)は排気制御弁の半開状態を示した断面図で、(d)は排気制御弁の全開状態を示した断面図である(実施例1)。
【図6】(a)は直線AL1と直線AL2の交差角度θ0と、排気圧によるバルブにかかる荷重Pとの関係を示したグラフで、(b)はアームの第1回転軸の回転角度θ1と、排気制御弁の開度と直線AL1と、直線AL2の交差角度θ0との関係を示したグラフである(実施例1)。
【図7】バルブの全閉作動時の不具合を説明するための説明図である(実施例1)。
【図8】開弁するのに必要な最小角度θ2を説明するための説明図である(実施例1)。
【図9】アームの第1回転軸の回転角度θ1と、開弁するのに必要な最小角度θ2との関係を示したグラフである(実施例2)。
【図10】(a)は排気制御弁の半開状態を示した断面図で、(b)は排気制御弁の全閉状態を示した断面図で、(c)、(d)はストッパを有するアームを示した拡大図である(実施例2)。
【図11】(a)〜(d)及び(e)は排気制御弁を示した断面図及び側面図である(実施例3)。
【図12】バルブをオフセット配置した状態を示した断面図である(実施例4)。
【図13】(a)〜(c)はウェイストゲート弁を示した説明図である(従来例1)。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、排気制御弁の開度が所定開度以下の低開度域、特に弁体の開弁初期段階における開度制御性を改善するという目的を、排気制御弁の全閉時における弁体支持部材の回転中心C1と弁体の回転中心C2とを結ぶ直線AL1を、弁座のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2に対して鋭角な交差角度θ0で交差するように配置したことで実現した。
【実施例1】
【0029】
[実施例1の構成]
図1ないし図6は本発明の実施例1を示したもので、図1は排気制御弁の全閉時における交差角度θ0を示した図で、図2および図3はターボチャージャを示した図で、図4(a)〜(c)はバルブシートと排気制御弁(バルブ、アーム)との位置関係を示した図で、図5(a)、(b)は排気制御弁の全閉状態を示した図で、図5(c)は排気制御弁の半開状態を示した図で、図5(d)は排気制御弁の全開状態を示した図である。
【0030】
本実施例の内燃機関の過給システム(過給装置、内燃機関の排気装置)は、複数の気筒(シリンダボア)を有する内燃機関(エンジン)から排出される排気ガスの圧力(排気圧)を利用して吸気を過給(圧縮)するターボチャージャを備えている。
ターボチャージャは、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸い込まれる吸気が流れる吸気管の途中に設けられたコンプレッサ(インペラ1、コンプレッサハウジング2)と、エンジンの各気筒毎の燃焼室から排出される排気ガスが流れる排気管の途中に設けられたタービン(ホイール3、タービンハウジング4、タービンシャフト5)とを備えている。
【0031】
本実施例のターボチャージャのタービンハウジング4には、排気入口部である排気導入流路(2つの第1、第2排気分岐流路6、7)、外部から導入された排気ガスをホイール3へ導くための2つの第1、第2スクロール8、9、ホイール3を収容する円形状のホイール収容室10、第1排気分岐流路6と第2排気分岐流路7とを連通する流路孔11、ホイール収容室10より排気ガスを迂回(バイパス)させる流路孔12、および排気出口部である排気排出流路13等が設けられている。
また、タービンハウジング4には、隔壁14〜16が一体的に設けられている。
また、タービンハウジング4は、タービン入口ケース、第1、第2スクロールケースおよびタービン出口スリーブを備えている。
【0032】
隔壁14は、タービンハウジング4の内部空間(1つの排気導入流路)を、少なくとも一部が互いに隣り合うように並列して配置される2つの第1、第2排気分岐流路6、7に区画する第1仕切り壁(仕切り部)である。この隔壁14には、図3に示したように、内部に流路孔11が形成される円環状(または角環状)のバルブシート(第1弁座)17が一体的に設けられている。このバルブシート17は、流路孔11の出口の周囲を取り囲む周方向に延びる第1突条リブである。
【0033】
隔壁15は、タービンハウジング4の内部空間を、第2排気分岐流路7と排気排出流路13とに区画する第2仕切り壁(仕切り部)である。この隔壁15には、図2および図3に示したように、内部に流路孔12が形成される円環状(または角環状)のバルブシート(第2弁座)18が一体的に設けられている。このバルブシート18は、流路孔12の出口の周囲を取り囲む周方向に延びる第2突条リブである。
隔壁16は、タービンハウジング4の内部空間(1つのスクロール流路)を、少なくとも一部が互いに隣り合うように並列して配置される2つの第1、第2スクロール8、9に区画する第3仕切り壁(仕切り部)である。
【0034】
本実施例のタービンハウジング4の内部には、流路孔11の出口を開閉するスクロール切替弁(流量調整バルブ、第1排気制御弁:以下排気制御弁Aと言う)が搭載されている。
排気制御弁Aは、隔壁14のバルブシート17のシート面PL1に対して着座、離脱して流路孔(第1流路)11を閉鎖、開放するバルブ(第1弁体)21と、このバルブ21を係合支持するアーム(第1弁体支持部材)23と、このアーム23のシャフト(後述する第1回転軸)を回転方向に摺動自在に支持するベアリング(図示せず)と、アーム23を介してバルブ21を開弁方向または閉弁方向に回転駆動するアクチュエータとを備えている。
なお、排気制御弁Aの詳細は後述する。
【0035】
本実施例のタービンハウジング4の内部には、流路孔12の出口を開閉するウェイストゲート弁(ウェイストゲートバルブ、第2排気制御弁:以下排気制御弁Bと言う)が搭載されている。
排気制御弁Bは、隔壁15のバルブシート18のシート面PL1に対して着座、離脱して流路孔(第2流路)12を閉鎖、開放するバルブ(第2弁体)22と、このバルブ22を係合支持するアーム(第2弁体支持部材)24と、このアーム24のシャフト(後述する第2回転軸)を回転方向に摺動自在に支持するベアリング(図示せず)と、アーム24を介してバルブ22を開弁方向または閉弁方向に回転駆動するアクチュエータとを備えている。
なお、排気制御弁Bの詳細は後述する。
【0036】
ここで、エンジンとして、複数の気筒(シリンダボア)を有する多気筒ディーゼルエンジン(例えば直列4気筒エンジン)が採用されている。但し、多気筒ディーゼルエンジンに限定されず、多気筒ガソリンエンジンを適用しても良い。
エンジンは、自動車等の車両のエンジンルーム内にターボチャージャと共に設置されている。また、エンジンの各気筒には、燃焼室内に燃料を噴射供給するインジェクタが搭載されている。また、エンジンには、エアクリーナ等が搭載されている。
【0037】
エアクリーナは、インレットダクト(外気導入ダクト)の上流端で開口した外気導入口より空気導入流路に導入される外気(吸気)を濾過するフィルタエレメント(濾過エレメント)を有している。エアクリーナの出口端は、エアクリーナを通過した吸気が流れる吸気通路を形成するインテークダクトを介して、ターボチャージャのコンプレッサハウジング2に接続している。
コンプレッサハウジング2の出口端は、コンプレッサハウジング2から流出した吸気が流れる吸気通路を形成するインテークダクトを介して、インタークーラに接続している。 インタークーラの出口端は、インタークーラを通過した吸気が流れる吸気通路を形成するインテークダクトを介して、スロットルボディに接続している。
【0038】
スロットルボディの出口端は、スロットルボディを通過した吸気が流れる吸気通路を形成するインテークマニホールドを介して、エンジンの各気筒毎の吸気ポートに接続している。
これらのインレットダクト、エアクリーナ、インテークダクト、コンプレッサハウジング2、インテークダクト、インタークーラ、インテークダクト、スロットルボディ、インテークマニホールド等によって、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸い込まれる吸気が流れる吸気通路を形成する吸気管(内燃機関の吸気管、吸気ダクト)が構成される。
吸気管の内部に形成される吸気通路は、エンジンの各気筒毎の燃焼室および吸気ポートに連通している。
【0039】
一方、エンジンの各気筒毎の排気ポートの出口端は、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスが流れる排気通路を形成するエキゾーストマニホールドを介して、ターボチャージャのタービンハウジング4に接続している。
タービンハウジング4の出口端は、タービンハウジング4より流出した排気ガスが流れる排気通路を形成するエキゾーストダクトを介して、排気浄化装置(触媒)に接続している。
ここで、排気浄化装置は、排気ガス中の有害成分とされる、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の3つの元素を一括して化学反応により、無害な成分に変化させる、特に酸化作用によりHCを無害な水(H2 O)に変化させる三元触媒コンバータである。
【0040】
排気浄化装置の出口端は、触媒を通過した排気ガスが流れる排気通路を形成するエキゾーストダクトを介して、排気消音器であるマフラに接続している。
これらのエキゾーストマニホールド、タービンハウジング4、エキゾーストダクト、排気浄化装置(触媒)、エキゾーストダクト、マフラ等によって、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスが流れる排気通路を形成する排気管(内燃機関の排気管、排気ダクト)が構成される。
排気管の内部に形成される排気通路は、エンジンの各気筒毎の燃焼室および排気ポートに連通している。
【0041】
ターボチャージャは、コンプレッサとタービンとを備え、吸気管を流れる吸気をコンプレッサ(インペラ1、コンプレッサハウジング2)で圧縮し、圧縮された圧縮空気(吸気)をエンジンの各気筒毎の燃焼室へ送り込むターボ過給機である。このターボチャージャは、タービン(ホイール3、タービンハウジング4、タービンシャフト5)が排気ガスにより回転駆動されると、タービンのホイール3に一体回転可能に連結したコンプレッサのインペラ1も回転し、このインペラ1が吸気を圧縮する。
コンプレッサは、タービンシャフト5の中心線(回転中心)を中心にして回転するインペラ1、およびこのインペラ1の周囲を円周方向に取り囲むように設置されたコンプレッサハウジング2を備えている。
【0042】
コンプレッサのインペラ1は、複数のコンプレッサブレード(翼)が円周方向に設置されている。このインペラ1は、タービンシャフト5を介して、タービンのホイール3と一体回転可能に連結している。
コンプレッサハウジング2の内部には、吸気導入流路31、インペラ収容室32、スクロール33および吸気排出流路(図示せず)等が形成されている。
また、コンプレッサハウジング2は、コンプレッサ入口スリーブ、スクロールケースおよびコンプレッサ出口ケース(図示せず)を備えている。
【0043】
吸気導入流路31は、コンプレッサハウジング2の上流側端面で開口する開口部である吸気導入ポート(図示せず)を介して、コンプレッサハウジング2の外部から流入した吸気をインペラ1を回転自在に収容するインペラ収容室32へ導く吸気入口流路である。
スクロール33は、インペラ1およびインペラ収容室32の周囲を渦巻き状に囲むように設置されて、インペラ収容室32から流入した吸気を吸気排出流路へ導出するように構成されている。
吸気排出流路は、コンプレッサハウジング2の下流側端面で開口する開口部である吸気排出ポート(図示せず)を介して、スクロール33から流入した吸気をコンプレッサハウジング2の外部(インタークーラ)へ排出する吸気出口流路である。
【0044】
タービンは、エンジンの排気圧により回転駆動されるホイール3、およびこのホイール3の周囲を円周方向に取り囲むように設置されたタービンハウジング4を備えている。
タービンのホイール3は、複数のタービンブレード(翼)が円周方向に設置されている。
タービンハウジング4は、例えば耐熱アルミニウム合金や耐熱鋼等の耐熱性金属により形成されている。このタービンハウジング4は、エキゾーストマニホールドの集合部とエキゾーストダクトとの間に接続されている。
タービンハウジング4の内部には、2つの第1、第2排気分岐流路6、7、2つの第1、第2スクロール8、9、ホイール収容室10、流路孔11、12および排気排出流路13等が形成されている。また、2つの第1、第2排気分岐流路6、7および2つの第1、第2スクロール8、9は、タービンのホイール3の回転中心軸線方向に2分割して設けられている。
【0045】
第1排気分岐流路6は、タービンハウジング4の上流側端面で開口する開口部である排気導入ポート46を介して、タービンハウジング4の外部から流入した排気ガスを第1スクロール8を経由して、ホイール3を回転自在に収容するホイール収容室10へ導く排気入口流路(第1排気通路)である。
第2排気分岐流路7は、流路孔11を介して、第1排気分岐流路6から流入した排気ガスを第2スクロール9を経由して、ホイール収容室10へ導く排気入口流路(第2排気通路、第1排気通路)である。この第2排気分岐流路7の内部には、排気制御弁Aのバルブ21を開閉自在に収容(収納)するためのバルブ収納空間(第1収納空間)34が形成されている。
【0046】
第1スクロール8は、第1排気分岐流路6とホイール収容室10とを連通し、ホイール収容室10の周囲を渦巻き状に囲むように設置された渦巻き形状の第1スクロール流路のことである。この第1スクロール8は、ホイール収容室10よりも排気流方向の上流側に設けられている。
また、第1スクロール8は、第1排気分岐流路6の出口端部から排気ガスを導入する第1導入部(図示せず)、および第1スクロール8からホイール収容室10へ排気ガスを導入する第1ノズル41を有している。
なお、第1ノズル41は、ホイール収容室10の周囲を部分円形状(円弧形状)に囲むように開口したスリット状の開口部である。
【0047】
第2スクロール9は、第2排気分岐流路7とホイール収容室10とを連通し、ホイール収容室10の周囲を渦巻き状に囲むように設置された渦巻き形状の第2スクロール流路のことである。この第2スクロール9は、ホイール収容室10よりも排気流方向の上流側に設けられている。
また、第2スクロール9は、第2排気分岐流路7の出口端部から排気ガスを導入する第2導入部(図示せず)、および第2スクロール9からホイール収容室10へ排気ガスを導入する第2ノズル42を有している。
なお、第2ノズル42は、ホイール収容室10の周囲を部分円形状(円弧形状)に囲むように開口したスリット状の開口部である。
【0048】
ここで、バルブシート17に形成される流路孔11の上流端には、第1排気分岐流路6から排気ガスが流入する第1開口部(流路の入口)が設けられている。また、流路孔11の下流端には、第2排気分岐流路7へ排気ガスが流出する第2開口部(流路の出口)が設けられている。つまり流路孔11は、バルブシート17を有する板状の隔壁14の板厚方向の一端面で開口する第1開口部と、隔壁14の板厚方向の他端面で開口する第2開口部とを連通する第1流路である。
流路孔11の第2開口部の周縁には、排気制御弁Aのバルブ21が着座可能な平面状のシート面PL1が形成されている。
流路孔11は、第1排気分岐流路6と第2排気分岐流路7とを連通するようにバルブシート17をその板厚方向に貫通する第1連通孔である。
【0049】
ここで、バルブシート18に形成される流路孔12の上流端には、第2排気分岐流路7から排気ガスが流入する第1開口部(流路の入口)が設けられている。また、流路孔12の下流端には、排気排出流路13へ排気ガスが流出する第2開口部(流路の出口)が設けられている。つまり流路孔12は、バルブシート18を有する板状の隔壁15の板厚方向の一端面で開口する第1開口部と、隔壁15の板厚方向の他端面で開口する第2開口部とを連通する第2流路である。
流路孔12の第2開口部の周縁には、排気制御弁Bのバルブ22が着座可能な平面状のシート面PL1が形成されている。
【0050】
流路孔12は、第2排気分岐流路7と排気排出流路13とを連通するようにバルブシート18をその板厚方向に貫通する第2連通孔である。
流路孔12は、第2排気分岐流路7から流入した排気ガスを2つの第1、第2スクロール8、9およびホイール収容室10を迂回(バイパス)して、排気排出流路13へ導くウェイストゲート流路(バイパス流路)である。
排気排出流路13は、ホイール収容室10よりも排気流方向の下流側に設けられている。この排気排出流路13は、タービンハウジング4の下流側端面で開口する開口部である排気排出ポート43を介して、タービンハウジング4の内部から外部(触媒側)へ排気ガスを排出する排気出口流路(第2排気通路)である。また、排気排出流路13の内部には、排気制御弁Bのバルブ22を開閉自在に収容(収納)するためのバルブ収納空間(第2収納空間)44が形成されている。
【0051】
次に、本実施例の排気制御弁Aの詳細を図1ないし図5に基づいて説明する。
排気制御弁Aは、排気ガスの流量が少ない、エンジン回転速度(以下エンジン回転数と言う)が低速回転領域の際に閉弁(全閉)して、ホイール収容室10へ排気ガスを導入するスクロール流路として第1スクロール8のみを使用することで、ホイール3へ導入される排気ガスの流速を高めて、エンジンの低速回転領域での過給性能を確保し、排気ガスの流量が増えた中速回転領域の際に開弁(例えば半開または全開)して、スクロール流路として2つの第1、第2スクロール8、9を併用して排気ガスの流量を調整して、エンジンの中速回転領域での過給性能を向上する過給圧制御装置を構成する。
【0052】
排気制御弁Aは、第1排気分岐流路6から流路孔11、第2排気分岐流路7および第2スクロール9を通ってホイール収容室10へ導かれる排気ガスの流量、つまり流路孔11を通過する排気ガスの流量をバルブ21の開閉動作により制御(調整)する排気ガス流量制御弁を構成している。
また、排気制御弁Aは、バルブ21の開度変化(バルブ角度変化)に対して流路孔11の出口(第2開口部)の開口面積が変化する開口特性(バルブ開度−流量特性)を備えている。
【0053】
排気制御弁Aは、バルブ21、アーム23、ベアリングおよびアクチュエータを備えている。
バルブ21は、タービンハウジング4と同様に、耐熱性金属により形成されている。このバルブ21は、タービンハウジング4のバルブシート17のシート面PL1に対して着座、離脱して流路孔11の出口(第2開口部)を閉鎖、開放する円板状(または矩形板状または方形板状)の弁体である。すなわち、バルブ21は、バルブシート17のシート面PL1より離脱(離座)して流路孔11の出口(第2開口部)を開放(開弁)するように構成されている。
バルブ21の表面には、バルブシート17のシート面PL1に着座(平面接触)して流路孔11の出口(第2開口部)を閉鎖(全閉)する平面状のシール面PL2が形成されている。
【0054】
バルブ21は、その裏面より突出した筒状の結合リング25を備えている。この結合リング25は、アーム23の支持部27に対して相対回転可能となるように結合する結合部である。
アーム23は、バルブ21およびタービンハウジング4と同様に、耐熱性金属により形成されている。このアーム23は、アクチュエータの動力をバルブ21に伝達すると共に、バルブ21を相対回転可能に係合支持する弁体支持部材である。
アーム23は、流路孔11の出口(第2開口部)の中心線方向に対して垂直な方向に延びる2つの第1、第2回転軸61、62を有している。これらの第1、第2回転軸61、62は、所定の距離を隔てた位置に、相互に平行配置されている。
【0055】
アーム23の軸線方向の一端部には、回転中心軸線CL1方向に真っ直ぐに延びる第1回転軸61が一体回転可能に連結されている。この第1回転軸61の入力部には、アクチュエータの出力軸またはリンク機構が一体回転可能に連結されている。なお、アーム23の第1回転軸61は、ベアリングを介して、タービンハウジング4のタービン入口ケースの軸受け部63の軸受け孔壁面に回転自在に支持されている。
アーム23の軸線方向の他端部には、バルブ21の結合リング25を支持する支持部27が一体的に設けられている。この支持部27には、回転中心軸線CL2方向に真っ直ぐに延びる第2回転軸(ピン)62が一体回転可能に連結されている。この第2回転軸62は、支持部27から第1回転軸61の突出方向に対して逆方向(バルブ21の回転軸方向)に突出している。また、第2回転軸62は、支持部27に支持固定されて、バルブ21を相対回転可能に係合支持する係合部(出力部)である。
【0056】
第2回転軸62の外周には、円環状の周方向溝(図示せず)が形成されている。この周方向溝には、第2回転軸62の外周にバルブ21の結合リング25を嵌め合わせた際に、第2回転軸62からのバルブ21の抜け止めを行う止め輪等のバルブ抜け止め手段64が装着されている。なお、止め輪の代わりに、ワッシャまたはCリング等のバルブ抜け止め手段を採用しても良い。
なお、バルブ21の結合リング25は、第2回転軸62の周囲を円周方向に取り囲むように設置されている。この結合リング25は、第2回転軸62に対して相対回転可能となるように係合支持される円筒ローラである。
また、バルブ21の結合リング25とアーム23の第2回転軸62との間には、熱歪みによる変形を吸収するための隙間(ガタ)65が設けられている。
【0057】
アクチュエータは、モータの動力(トルク)を利用してバルブ21をアーム23の回転中心軸線CL1を中心にして回転方向(開弁方向または閉弁方向)に駆動するように構成されている。このアクチュエータは、バルブ21およびアーム23を駆動する動力を発生するモータ、およびこのモータの回転を減速する減速機構を含んで構成される電動アクチュエータである。
なお、モータは、ECU(エンジン制御ユニット)によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
【0058】
ここで、本実施例の排気制御弁Aは、図5(a)、(b)に示したように、モータへの通電を停止(オフ:OFF)することで、バルブ21がバルブシート17に着座して流路孔11の出口(第2開口部)を閉鎖(例えば全閉)する。
また、排気制御弁Aは、図5(c)、(d)に示したように、モータを通電(オン:ON)することで、バルブ21がバルブシート17より離脱して流路孔11の出口(第2開口部)を開放(例えば開弁、半開または全開)する。
また、アーム23の入力部は、リンク機構を介して、減速機構の最終ギヤと一体回転可能に連結されている。なお、アーム23の入力部を、リンク機構を介することなく、減速機構の最終ギヤに直結しても良い。また、アーム23の入力部を、モータの出力軸に直結しても良い。
【0059】
次に、本実施例の排気制御弁Bの詳細を図1ないし図5に基づいて説明する。
排気制御弁Bは、ターボチャージャのコンプレッサの過給圧が設定値を越えた際に開弁(例えば半開または全開)して、コンプレッサの過給圧を設定値以下に抑える過給圧制御装置を構成する。
この排気制御弁Bは、第2排気分岐流路7から流路孔12を通って排気排出流路13へ導かれる排気ガスの流量、つまりバイパス流路を形成する流路孔12を通過する排気ガスの流量をバルブ22の開閉動作により制御(調整)する排気ガス流量制御弁を構成している。
また、排気制御弁Bは、バルブ22の開度変化(バルブ角度変化)に対して流路孔12の出口(第2開口部)の開口面積が変化する開口特性(バルブ開度−流量特性)を備えている。
【0060】
排気制御弁Bは、バルブ22、アーム24、ベアリングおよびアクチュエータを備えている。
バルブ22およびアーム24は、排気制御弁Aと同様に、耐熱性金属により形成されている。このバルブ22は、タービンハウジング4のバルブシート18のシート面PL1に対して着座、離脱して流路孔12の出口(第2開口部)を閉鎖、開放する円板状(または矩形板状または方形板状)の弁体である。そして、バルブ22の表面には、バルブシート18のシート面PL1に着座(平面接触)して流路孔12の出口(第2開口部)を閉鎖(全閉)する平面状のシール面PL2が形成されている。
バルブ22は、バルブ21と同様に筒状の結合リング26を備えている。この結合リング26は、アーム24の支持部28に対して相対回転可能となるように結合する結合部である。
アーム24は、アーム23と同様に、バルブ22を相対回転可能に係合支持する弁体支持部材である。
【0061】
アーム24は、アーム23と同様に、流路孔12の出口(第2開口部)の中心線方向に対して垂直な方向に延びる2つの第1、第2回転軸61、62を有している。
アーム24の軸線方向の一端部には、アーム23と同様に、回転中心軸線CL1方向に真っ直ぐに延びる第1回転軸61が一体回転可能に連結されている。また、アーム24の軸線方向の他端部には、アーム23と同様に、バルブ22の結合リング26を支持する支持部28が一体的に設けられている。この支持部28には、アーム23と同様に、回転中心軸線CL2方向に真っ直ぐに延びる第2回転軸(ピン)62が一体回転可能に連結されている。
バルブ22の結合リング26、アーム24の第1、第2回転軸61、62は、排気制御弁Aと同様な構成を備えている。
【0062】
アクチュエータは、排気制御弁Aと同様に、モータの動力(トルク)を利用してバルブ22をアーム24の回転中心軸線CL1を中心にして回転方向(開弁方向または閉弁方向)に駆動するように構成されている。このアクチュエータは、バルブ22およびアーム24を駆動する動力を発生するモータ、およびこのモータの回転を減速する減速機構を含んで構成される電動アクチュエータである。
なお、モータは、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
【0063】
ここで、本実施例の排気制御弁Bは、図5(a)、(b)に示したように、モータへの通電を停止(オフ:OFF)することで、バルブ22がバルブシート18に着座して流路孔12の出口(第2開口部)を閉鎖(例えば全閉)する。
また、排気制御弁Bは、図5(c)、(d)に示したように、モータを通電(オン:ON)することで、バルブ22がバルブシート18より離脱して流路孔12の出口(第2開口部)を開放(例えば開弁、半開または全開)する。
また、アーム24の入力部は、リンク機構を介して、減速機構の最終ギヤと一体回転可能に連結されている。なお、アーム24の入力部を、リンク機構を介することなく、減速機構の最終ギヤに直結しても良い。また、アーム24の入力部を、モータの出力軸に直結しても良い。
【0064】
[実施例1の特徴]
次に、本実施例の排気制御弁A、Bの特徴を図1ないし図6に基づいて説明する。
本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、相互に平行で構成される2つの第1、第2回転軸61、62をそれぞれ有している。
また、排気制御弁A、Bの全閉時におけるアーム23、24の回転中心C1とバルブ21、22の回転中心C2とを結ぶ直線AL1と、バルブシート17、18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2とが、同一直線上に存在しない構造を採用している。
【0065】
また、排気制御弁A、Bにおいては、バルブシート17、18とバルブ21、22とのシール構造として、バルブシート17、18のシート面PL1とバルブ21、22のシール面PL2とを平面接触させて流路孔11、12の出口から第2排気分岐流路7または排気排出流路13へ流出する排気ガスの流れをシールする平面シール構造を採用している。 また、排気制御弁A、Bの全閉時におけるアーム23、24の第1回転軸61の回転中心C1とバルブ21、22の結合リング25、26(アーム23、24の第2回転軸62)の回転中心C2とを結ぶ直線AL1を、バルブシート17、18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2に対して鋭角な交差角度θ0で交差するように配置している。
【0066】
具体的には、図1に示したように、排気制御弁A、Bの全閉時におけるアーム23、24の回転中心C1とバルブ21、22の回転中心C2とを結ぶ直線AL1が、バルブシート17、18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2に対して鋭角な交差角度θ0で交差するように配置されている。
ここで、直線AL1とは、第1回転軸61の中心線の位置をバルブ21、22およびアーム23、24の回転中心軸線CL1とし、第2回転軸62の中心線の位置をバルブ21、22の回転中心軸線CL2としたとき、排気制御弁A、Bの全閉時における回転中心軸線CL1と回転中心軸線CL2とを結ぶ直線のことである。
【0067】
ここで、図1は、排気制御弁A、Bのバルブ21、22がバルブシート17、18のシート面PL1に着座(平面接触)している全閉状態を示した図である。また、図6(a)は直線AL1と直線AL2の交差角度θ0と、排気圧によるバルブ21、22にかかる荷重Pとの関係を示したグラフで、図6(b)はアーム23、24の第1回転軸61の回転角度θ1と、排気制御弁A、Bのバルブ開度と直線AL1と、直線AL2の交差角度θ0との関係を示したグラフである。
【0068】
ところで、タービンハウジング4の隔壁14、15をその板厚(肉厚)方向に貫通する流路孔11、12よりも排気流方向の上流側の第1排気分岐流路6または第2排気分岐流路7の排気圧が所定値以上の高圧力の場合、図1および図6(a)に示したように、その排気圧の影響によりバルブ21、22の表面(図示下端面、PL2)に荷重Pがかかる(作用する)。
そして、排気制御弁A、Bの全閉時にバルブ21、22の表面に排気圧による荷重Pを受けると、バルブ21、22の回転中心軸線CL2である、アーム23、24の第2回転軸62に発生する力は、軸線方向の分力(「回転力にならない力」:矢印Fy)を表すベクトルと、半径方向の分力(「アーム23、24を回す力」:矢印Fx)を表すベクトルとを2辺とする平行四辺形の対角線(「排気圧による(シート面PL1、シール面PL2に垂直な)鉛直方向の力」:矢印F)で表される。
【0069】
次に、上記構造の排気制御弁A、Bにおいて、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を種々変化させて、「回転力にならない力」と「アーム23、24を回す力」とがどのように変化するかについて調査し、その結果を図6(a)のグラフに示した。
この図6(a)のグラフからも確認できるように、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0が、45°よりも大きい角度になると、「アーム23、24を回す力」>「回転力にならない力」となる。
【0070】
また、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0が、45°よりも小さい角度になると、「アーム23、24を回す力」<「回転力にならない力」となる。
これによって、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に設定した場合には、流路孔11(または流路孔12)よりも排気流方向の上流側の第1排気分岐流路6(または第2排気分岐流路7)の排気圧が高圧力または高脈動であっても、排気制御弁A、Bの全閉時における、バルブシート17、18のシート面PL1とバルブ21、22のシール面PL2との間のシール性を十分維持できる。また、流路孔11(または流路孔12)よりも排気流方向の上流側の第1排気分岐流路6(または第2排気分岐流路7)の排気圧が高圧力または高脈動であっても、バルブ21、22を全閉動作(閉弁動作)させる際のアクチュエータへの駆動負荷を軽減できる。
【0071】
次に、上記構造の排気制御弁A、Bにおいて、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を種々変化(1°、30°、45°、90°)させて、アーム23、24の第1回転軸61の回転角度θ1と排気制御弁A、Bのバルブ開度とがどのように変化するかについて調査し、その結果を図6(b)のグラフに示した。
この図6(b)のグラフからも確認できるように、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を、45°以上に設定した場合には、アーム23、24の第1回転軸61の回転角度θ1が小さい時、アーム23、24の第1回転軸61の回転角度θ1の変化に対する、排気制御弁A、Bの開度変化(開弁初期段階の立ち上がり)が急である(θ0=45°、90°参照)。なお、直線AL1と直線AL2との交差角度θ0が45°の場合には、図6(b)に示したように、特性線は直線になる。
【0072】
しかるに、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を、45°未満に設定した場合には、アーム23、24の第1回転軸61の回転角度θ1の変化に対する、排気制御弁A、Bの開度変化(開弁初期段階の立ち上がり)が緩やかになる。これにより、排気制御弁A、Bの開度が所定開度以下の低開度域、特にバルブ21、22の開弁初期段階における開度制御性を改善することができる。
以上により、本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を設定している(0°<θ0<45°)。
【0073】
[実施例1の作用]
次に、本実施例の内燃機関の過給システム(ターボチャージャ)の動作を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。
【0074】
ターボチャージャのコンプレッサから吸気管(スロットルボディ、インテークマニホールド)の吸気通路、吸気ポートを経て燃焼室内に供給された吸気とインジェクタから噴射された燃料との混合気が燃焼室内で燃焼すると、この燃焼により生じた排気ガスが排気ポートから排出される。排気ポートから排出された排気ガスは、排気管(エキゾーストマニホールド)の排気通路を経てターボチャージャのタービンへ導かれる。
エンジンの全負荷の低速運転時、つまりエンジン回転数が1500rpm未満の低速回転領域の場合には、アクチュエータの動力を利用して排気制御弁Aと排気制御弁Bとを共に全閉する。これによって、バルブシート17、18のシート面PL1にバルブ21、22のシール面PL2が着座(平面接触)して、バルブシート17、18を貫通する流路孔11、12が閉鎖(全閉)される。
【0075】
この結果、エンジンの排気ポートより排出された排気ガスの全量は、タービンハウジング4の上流側端面で開口した排気導入ポート46から第1排気分岐流路6に流入する。第1排気分岐流路6に流入した排気ガスは、第1導入部から第1スクロール8に流入し、第1ノズル41からホイール収容室10に導入される。ホイール収容室10に導入された排気ガスは、タービンのホイール3を回転駆動した後に、タービンハウジング4の排気排出流路13を通って、タービンハウジング4の下流側端面で開口した排気排出ポート43から外部(触媒側)へ排出される。
【0076】
一方、吸気管の吸気通路からコンプレッサハウジング2の内部に流入した吸気は、吸気導入流路31を通ってインペラ収容室32に導かれる。そして、インペラ収容室32に導入された吸気は、ホイール3の回転により駆動されるインペラ1の遠心力によって圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した吸気は、インペラ収容室32、スクロール33、吸気排出流路を通って吸気管の吸気通路に流入する。吸気管の吸気通路に流入した吸気は、吸気ポートを通ってエンジンの燃焼室内に吸い込まれる。
したがって、少ない排気流量でも十分高速な吸気の流れが得られるので、エンジンの低速運転時における過給圧を高めることができる。
【0077】
エンジンの中速運転時、つまりエンジン回転数が1500rpm以上で、且つ2500rpm未満の中速回転領域の場合には、排気制御弁Bを全閉状態に維持すると共に、アクチュエータの動力を利用して排気制御弁Aを開弁(例えば半開状態または全開状態)する。これによって、バルブシート17のシート面PL1からバルブ21が離脱して、流路孔11の出口が開放(開弁)される。また、バルブ22の全閉状態が継続されるため、流路孔12が閉鎖(全閉)される。
【0078】
この結果、排気導入ポート46から第1排気分岐流路6に流入した排気ガスの一部は、第1導入部から第1スクロール8に流入し、第1ノズル41からホイール収容室10に導入される。
また、第1排気分岐流路6に流入した排気ガスの残部は、第1排気分岐流路6から流路孔11を通って第2排気分岐流路7に流入する。第2排気分岐流路7に流入した排気ガスは、第2導入部から第2スクロール9に流入し、第2ノズル42からホイール収容室10に導入される。
これにより、2つの第1、第2排気分岐流路7、7および2つの第1、第2スクロール8、9の双方を通ってホイール収容室10に導入された排気ガスは、タービンのホイール3を回転駆動した後に、タービンハウジング4の排気排出流路13を通って、排気排出ポート43から外部(触媒側)へ排出される。
【0079】
一方、吸気管の吸気通路からコンプレッサハウジング2の内部に流入した吸気は、吸気導入流路31を通ってインペラ収容室32に導かれる。そして、インペラ収容室32に導入された吸気は、ホイール3の回転により駆動されるインペラ1の遠心力によって圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した吸気は、吸気管の吸気通路および吸気ポートを通ってエンジンの燃焼室内に吸い込まれる。
したがって、排気流量が増大し、エンジンの中速運転時における過給圧を高めることができる。
なお、エンジン回転数または目標過給圧に応じて排気制御弁Aの開度制御を行うことができる。すなわち、エンジン回転数または目標過給圧に応じてアーム23の第1回転軸61の回転角度を連続的または段階的に変更することで、アーム23の第1回転軸61の角度変化に伴ってバルブ21の開度、つまり流路孔11の出口の開口面積が徐々に変化する開口特性となる。この場合、ターボチャージャのコンプレッサの過給圧をエンジンの運転状況に応じて最適化することができる。
【0080】
エンジンの高速運転時、つまりエンジン回転数が2500rpm以上の高速回転領域の場合には、排気制御弁Aと排気制御弁Bとを共に開弁(例えば半開状態または全開状態)する。これによって、バルブシート17、18のシート面PL1からバルブ21、22が離脱して、流路孔11、12の出口が開放(開弁)される。
この結果、排気導入ポート46から第1排気分岐流路6に流入した排気ガスの一部は、第1導入部から第1スクロール8に流入し、第1ノズル41からホイール収容室10に導入される。
【0081】
また、第1排気分岐流路6に流入した排気ガスの残部は、第1排気分岐流路6から流路孔11を通って第2排気分岐流路7に流入する。第2排気分岐流路7に流入した排気ガスの一部は、第2導入部から第2スクロール9に流入し、第2ノズル42からホイール収容室10に導入される。
これにより、2つの第1、第2排気分岐流路7、7および2つの第1、第2スクロール8、9の双方を通ってホイール収容室10に導入された排気ガスは、タービンのホイール3を回転駆動した後に、タービンハウジング4の排気排出流路13を通って、排気排出ポート43から外部(触媒側)へ排出される。
【0082】
一方、吸気管の吸気通路からコンプレッサハウジング2の内部に流入した吸気は、吸気導入流路31を通ってインペラ収容室32に導かれる。そして、インペラ収容室32に導入された吸気は、ホイール3の回転により駆動されるインペラ1の遠心力によって圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した吸気は、吸気管の吸気通路および吸気ポートを通ってエンジンの燃焼室内に吸い込まれる。
また、第2排気分岐流路7に流入した排気ガスの残部は、第2排気分岐流路7から流路孔12を通って排気排出流路13に逃がされる。これにより、ターボチャージャの過給圧が設定値以下に抑えられる。
【0083】
すなわち、排気制御弁Bのバルブ22を開弁して流路孔12を開放することにより、ホイール収容室10に導かれる排気ガスの流量が減るので、タービンのホイール3に作用する排気エネルギーが減少する。これにより、ホイール3の回転速度が低下するので、ターボチャージャのコンプレッサのインペラ1の過回転が抑制され、ターボチャージャのコンプレッサの過給圧が設定値以下に抑えられる。
なお、エンジン回転速度または目標過給圧に応じて排気制御弁A、Bの開度制御を行うことができる。すなわち、エンジン回転数または目標過給圧に応じてアーム23、24の第1回転軸61の回転角度を連続的または段階的に変更することで、アーム23、24の第1回転軸61の角度変化に伴ってバルブ21、22の開度、つまり流路孔11、12の出口の開口面積が徐々に変化する開口特性となる。この場合、ターボチャージャのコンプレッサの過給圧をエンジンの運転状況に応じて最適化することができる。
【0084】
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、バルブシート17、18とバルブ21、22とのシール構造として、バルブシート17、18のシート面PL1とバルブ21、22のシール面PL2とを平面接触させて流路孔11、12の出口から第2排気分岐流路7または排気排出流路13へ流出する排気ガスの流れをシールする平面シール構造を採用している。
また、排気制御弁A、Bの全閉時におけるアーム23、24の第1回転軸61の回転中心C1とバルブ21、22の結合リング25、26(アーム23、24の第2回転軸62)の回転中心C2とを結ぶ直線AL1を、バルブシート17、18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2に対して鋭角な交差角度θ0で交差するように配置している。特に、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度(θ)を、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に設定している。
【0085】
これによって、本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、排気制御弁A、Bの開度が所定開度以下の低開度域、つまり回転中心C1を中心にして、タービンハウジング4に対して相対的な回転運動を行うアーム23、24の第1回転軸61の回転角度が小さい時、アーム23、24の第1回転軸61の回転角度の変化に対する、排気制御弁A、Bの開度変化が緩やかとなる。これにより、排気制御弁A、Bの開度が所定開度以下の低開度域、特にバルブ21、22の開弁初期段階における開度制御性を改善することができる。
すなわち、排気制御弁A、Bの全閉時におけるアーム23、24の第1回転軸61の回転中心C1とバルブ21、22の結合リング25、26の回転中心C2とを結ぶ直線AL1と、バルブシート17、18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2とが、同一直線上に存在しないので、バルブシート17、18のシート面PL1に対して垂直方向にバルブ21、22が移動可能となる。
【0086】
また、回転中心C2を中心にして、アーム23、24の第2回転軸62に対してバルブ21、22が相対的な回転運動を行うことにより、バルブシート17、18のシート面PL1からバルブ21、22が離脱して流路孔11、12の出口を開放(開弁)する開弁動作が可能となる。例えば排気制御弁A、Bの開度が所定開度以下の低開度域、特にバルブ21、22の開弁初期段階におけるバルブ21、22の開弁動作が可能となる。
なお、直線AL1と直線AL2とが、同一直線上であると、バルブシート17、18のシート面PL1に対してバルブ21、22のシール面PL2を密着させる方向に作用する閉弁力が発生しない、あるいは弱いため、そのような構成は不適(不可)である。
【0087】
また、本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0が、0°よりも大きく45°未満で構成されている。
これによって、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0を設定した場合には、「アーム23、24を回す力」<「回転力にならない力」となるため、流路孔11(または流路孔12)よりも排気流方向の上流側の第1排気分岐流路6(または第2排気分岐流路7)の排気圧が高圧力または高脈動であっても、バルブ21、22を全閉動作(閉弁動作)させる際のアクチュエータへの駆動負荷を軽減できる。
【0088】
したがって、流路孔11(または流路孔12)よりも排気流方向の上流側の第1排気分岐流路6(または第2排気分岐流路7)の排気圧が高圧力の時、排気圧によりバルブ21、22が開弁側に押された場合であっても、バルブ21、22を開弁状態から全閉作動させる際の、アーム23、24の第1回転軸61での必要トルクが小さくなる。つまり「アーム23、24を回す力」が「回転力にならない力」よりも小さくなるので、排気制御弁A、Bの全閉作動時、つまりアクチュエータの動力を利用してバルブ21、22を全閉作動させる際に、アクチュエータを大型化することなく、排気制御弁A、Bの閉弁応答性を向上させることができる。
また、流路孔11(または流路孔12)よりも排気流方向の上流側の第1排気分岐流路6(または第2排気分岐流路7)の排気圧が高脈動であっても、排気制御弁A、Bの全閉時における、バルブシート17、18のシート面PL1とバルブ21、22のシール面PL2との間のシール性を向上することができる。
【0089】
また、本実施例の排気制御弁A、Bの各バルブ21、22には、アーム23、24に対して相対回転可能に結合する結合リング25、26が一体的に設けられている。また、アーム23、24の支持部27、28には、バルブ21、22の結合リング25、26を、相対回転可能となるように係合支持する第2回転軸62が一体的に設けられている。
そして、本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、バルブ21、22の結合リング25、26とアーム23、24の第2回転軸62との間に、熱歪みによる変形を吸収するためのガタ65を設けている。これによって、高温の排気ガスが流通する流路孔11、12、第2排気分岐流路7または排気排出流路13のような高温環境下(例えば常温から約1000℃までの高温環境下)でバルブ21、22およびアーム23、24が使用された場合であっても、バルブ21、22の結合リング25、26とアーム23、24の第2回転軸62との間のガタ65により熱歪みによる変形(金属材料の熱膨張)を吸収することができる。
【0090】
ところで、排気浄化装置に使用される排気浄化用の触媒は、その温度が活性温度に達している(活性化している)場合に排気ガス中の有害物質を効率よく浄化することができるようになっている。通常、エンジンの暖機に伴い、触媒は活性温度まで加熱される。このため、エンジンの冷間始動時に触媒が活性温度に達していない場合には、その触媒を早期に活性化させるべく、触媒の暖機を促進する所定の制御(触媒暖機制御)、例えば触媒に2次空気を導く等することで、エンジンの冷間始動時におけるエミッションの悪化を抑制している。
しかしながら、ターボチャージャを備えたエンジンでは、そのターボチャージャにおいて熱損失が発生すること等に起因して、触媒を早期に暖機させることが困難になる。このため、エンジンの冷間始動時においては、上記の触媒暖機制御を実施しても、その制御を開始してから触媒温度が活性温度に達するまでには時間がかかってしまい、その間のエミッションについては十分なものが得られなくなる懸念がある。
【0091】
また、特許文献1に記載のウェイストゲート弁においては、その全開時に、タービンの上流側流体経路および貫通孔105の延長線上に弁体101が留まるため、バルブシート103の貫通孔105からタービンの下流側流体経路へ流出した排気ガスが弁体101に衝突することで、圧力損失による排気圧の上昇の懸念がある。また、弁体101に熱を奪われるので、触媒の暖機が遅くなる懸念がある。
そこで、本実施例の排気制御弁A、Bにおいては、図5(d)に示したように、排気制御弁A、Bの全開時に、バルブ21、22を、流路孔11、12の出口の延長線に対して、流路孔11、12の中心線方向に垂直な方向にオフセットして配置している。これにより、排気制御弁A、Bの全開時に、流路孔11、12の出口の延長線上にバルブ21、22が存在しないため、流路孔11、12の出口から第2排気分岐流路7または排気排出流路13へ流出した排気ガスがバルブ21、22に衝突することはない。したがって、排気ガスの排気圧の上昇を抑えることができるので、タービンハウジング4よりも下流側に設置される触媒を早期に暖機させることができる。
【0092】
なお、本実施例の排気制御弁A、Bにおいて、図4(c)に示したように、流路孔11、12の出口の延長線に対して、流路孔11、12の中心線方向に垂直な方向に、アーム23、24をオフセットして配置しても良い。この場合には、流路孔11、12の出口の延長線上からアーム23、24を逃がす(外す)ことができる。これにより、損失(圧力および温度)を低減することができる。すなわち、流路孔11、12の出口の延長線上からアーム23、24を逃がす(外す)ことができるので、流路孔11、12の出口から流出した排気ガスがアーム23、24に衝突することはなく、圧力損失による排気圧の上昇の懸念がなくなる。また、流路孔11、12の出口から流出した排気ガスがアーム23、24に衝突することがないので、アーム23、24に熱を奪われ難くなる。したがって、排気ガスの温度の低下を抑えることができるので、三元触媒の暖機が遅くなる懸念がなくなる。
【実施例2】
【0093】
図7ないし図10は本発明の実施例1及び2を示したもので、図7はバルブの全閉作動時の不具合を説明するための図で、図8は開弁するのに必要な最小角度θ2を説明するための図である。また、図9はアームの第1回転軸の回転角度θ1と、閉弁するのに必要な最小角度θ2との関係を示したグラフで、図10(a)は排気制御弁の半開状態を示した図で、図10(b)は排気制御弁の全閉状態を示した図で、図10(c)、(d)はストッパを有するアームを示した図である。
【0094】
排気制御弁Bのバルブ22の表面には、バルブシート18のシート面PL1に着座(平面接触)して流路孔12の出口(第2開口部)を閉鎖(全閉)する平面状のシール面PL2が形成されている。
バルブ22の結合リング26は、アーム24の支持部28に対して相対回転可能となるように結合する結合部である。
排気制御弁のアーム24は、バルブ22を相対回転可能に係合支持する弁体支持部材であって、流路孔12の出口(第2開口部)の中心線方向に対して垂直な方向に延びる2つの第1、第2回転軸61、62を有している。
【0095】
アーム24の軸線方向の一端部には、第1回転軸61の中心線上に位置する回転中心軸線CL1方向に真っ直ぐに延びる第1回転軸61が一体回転可能に連結されている。また、アーム24の軸線方向の他端部には、バルブ22の結合リング26を支持する支持部28が一体的に設けられている。この支持部28には、第2回転軸62の中心線上に位置する回転中心軸線CL2方向に真っ直ぐに延びる第2回転軸(ピン)62が一体回転可能に連結されている。
また、排気制御弁においては、その全閉時におけるアーム24の第1回転軸61の回転中心C1とバルブ22の結合リング26(アーム24の第2回転軸62)の回転中心C2とを結ぶ直線AL1を、バルブシート18のシート面PL1に垂直な方向に延びる直線AL2に対して鋭角な交差角度θ0で交差するように配置している。特に、直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度(θ)を、0°よりも大きく、45°未満の角度範囲内に設定している。
【0096】
ここで、排気制御弁において、アーム24の第1回転軸61の回転角度θ1を種々変化させて、バルブシート18のシート面PL1よりバルブ22が離脱(開弁)するのに必要な最小角度θ2がどのように変化するかについて調査し、その結果を図9のグラフに示した。
この図9のグラフからも確認できるように、開弁するのに必要な最小角度θ2と直線AL1と直線AL2とが鋭角的に交差する交差角度θ0とが一致(θ2=θ0)していると、バルブシート18のシート面PL1よりバルブ22が離脱(開弁)することができない。また、開弁するのに必要な最小角度θ2の特性曲線には、最大値θmaxを持つことが分かる。
【0097】
ここで、バルブ22の結合リング26とアーム24の支持部28との相対的な可動域は、直線AL1と結合リング26の図示上端面とが交差し、且つ直線AL1に対して垂直な方向に延びる直線AL3に対して、図示左回転方向に回転した角度θ4が、−θ0よりも小さい角度(θ4<−θ0)であることが、バルブ22を閉弁するために必要である。
また、バルブ22の結合リング26とアーム24の支持部28との相対的な可動域は、直線AL3に対して、図示右回転方向に回転した角度θ5が、最大値θmaxよりも大きい角度(θ5>θmax)であることが、バルブ22を開弁するために必要である。
以上のことから、本実施例の排気制御弁7においては、図10に示したように、バルブ22の結合リング26における、アーム24の支持部28に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限する可動域制限部(ストッパ71、72)を備えている。
【0098】
ストッパ71は、図10(a)〜(c)に示したように、アーム24の支持部28の端面から第2回転軸62の突出方向に突出したV字状の突条リブである。このストッパ71は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28(第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)に対する図示左回転方向(一方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第1規制部71aを有している。また、ストッパ71は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28に対する図示右回転方向(一方向に対して逆方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第2規制部71bを有している。
2つの第1、第2規制部71a、71bは、バルブ22の結合リング26のシール面側に対して逆側面(図示上端面)に面接触(または線接触)してバルブ22の結合リング26の可動域を制限している。
また、第1規制部71aと第2規制部71bとの間には、直線AL1上に位置する屈曲部71cが設けられている。
【0099】
ストッパ72は、図10(b)、(d)に示したように、アーム24の支持部28の端面から第2回転軸62の突出方向に突出したI字状の突条リブである。このストッパ72は、アーム24の支持部28の幅方向に対して所定の傾斜角度分だけ傾斜して真っ直ぐに延びている。また、ストッパ72は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28(第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)に対する図示左回転方向(一方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第1規制部72aを有している。また、ストッパ71は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28に対する図示右回転方向(一方向に対して逆方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第2規制部72bを有している。
2つの第1、第2規制部72a、72bは、バルブ22の結合リング26のシール面側に対して逆側面(図示上端面)に点接触(または線接触)してバルブ22の結合リング26の可動域を制限している。
【0100】
ここで、実施例1の排気制御弁の場合には、バルブ22の結合リング26が、アーム24の支持部28(第2回転軸62)に対して自由に相対回転するように構成されている。この場合、図7に示したように、バルブ22を開弁状態から全閉作動させるために、アーム24の第1回転軸61を図示右回転方向に回転駆動した際に、バルブ22がアーム24の支持部28(第2回転軸62)に対して逆方向(図示左回転方向)に回転し、バルブ22を全閉できない。つまりバルブ22をバルブシート18のシート面PL1に着座(平面接触)させることが困難になる。
しかるに、図8および図9に示したように、バルブ22を全閉(閉弁)するには、バルブ22の結合リング26が、アーム24の支持部28(第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)に対して回転できるようにする必要がある。
そこで、本実施例の排気制御弁においては、アーム24の支持部28に、バルブ22の結合リング26が、閉弁に必要な交差角度θ0以上回転できるように、第1規制部71a、72aを有するストッパ71、72を設けることで、バルブ22の可動域を制限している。
【0101】
また、バルブ22を開弁状態から全閉作動させる際(閉弁時)に、バルブ22のシール面PL2が、バルブシート18のシート面PL1に対して相対的に大きく傾いていると、バルブ22をバルブシート18のシート面PL1に着座させる際に、バルブ22のエッジ部分がバルブシート18のシート面PL1に衝突して騒音が発生する懸念がある。
そこで、騒音を防止するために、バルブ22の可動域を制限する。
しかるに、図8および図9に示したように、バルブ22を開弁させるには、バルブ22の結合リング26が、アーム24の支持部28(第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)に対して回転できるようにする必要がある。
上述したように、開弁するのに必要な最小角度θ2の特性曲線には、最大値θmaxを有しているので、最大値θmax以上の可動域を確保しながら、第2規制部71b、72bを有するストッパ71、72を設けることで、バルブ22の可動域を制限する。
【実施例3】
【0102】
図11は本発明の実施例3を示したもので、図11(a)〜(e)は排気制御弁を示した図である。
本実施例の排気制御弁Bは、図11(a)、(b)に示したように、バルブ22の結合リング26における、アーム24の支持部28に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限する可動域制限部(ストッパ73)を備えている。
また、本実施例のバルブシート18は、図11(b)に示したように、バルブ22をその移動方向に誘導する突起(ガイド)74を備えている。
【0103】
以上のように、本実施例の排気制御弁においては、バルブ22をその移動方向(開弁方向または閉弁方向)に案内(誘導)する突起74を設けたことにより、バルブ22の結合リング26とアーム24の第2回転軸62とを止め輪等のバルブ抜け止め手段64を用いて連結(結合)する必要がない。つまり、バルブ22の結合リング26とアーム24の第2回転軸62とを単純な嵌合方法を用いて連結(結合)できるので、排気制御弁の製造コストを低減でき、且つ生産性を向上することができる。
なお、ガイドとして、流路孔12の中心線方向に突出し、且つバルブ22の移動方向に延びる突条リブを設けても良い。この場合、バルブシート18のシート面PL1からの突条リブの高さを、バルブ22の全開時においても、バルブ22をその移動方向にガイド(案内)可能な高さとすることで、排気制御弁の全閉時から全開時に至るまでの全作動域に渡って、バルブ22がアーム24の支持部28(第2回転軸62)から脱落しないようになる。
【0104】
本実施例の排気制御弁は、図11(c)に示したように、バルブ22の結合リング26a、26bにおける、アーム24の支持部28に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限する可動域制限部(ストッパ73)を備えている。
バルブ22は、アーム24の支持部28に対して相対回転可能となるように結合する一対の結合リング(結合部)26a、26bを有している。一対の結合リング26a、26bは、アーム24の支持部28をバルブ22の回転軸方向の両側から挟み込むように、互いに対向して配置されている。
アーム24の支持部28には、その板厚方向に貫通する貫通孔75が形成されている。 アーム24は、支持部28の貫通孔75に圧入されることで支持部28に支持固定されて、支持部28の両端面からバルブ22の回転軸方向の両側に突出するピン76を有している。このピン76は、バルブ22の各結合リング26a、26bを相対回転可能に係合支持する係合部である。
【0105】
ピン76の軸線方向の一端側には、一対の結合リング26a、26bを貫通する貫通孔77の孔径よりも大きい外径を有する鍔状の頭部(フランジ)78が形成されている。
ピン76の軸線方向の他端側の外周には、円環状の周方向溝(図示せず)が形成されている。これらの周方向溝には、ピン76の外周にバルブ22の各結合リング26a、26bを嵌め合わせた際に、ピン76からのバルブ22の抜け止めを行う止め輪等のバルブ抜け止め手段79が装着されている。なお、止め輪の代わりに、ワッシャまたはCリング等のバルブ抜け止め手段を採用しても良い。
なお、バルブ22の各結合リング26a、26bは、ピン76の周囲を円周方向に取り囲むように設置されている。一対の結合リング26a、26bは、ピン76に対して相対回転可能となるように係合支持される円筒ローラである。
また、バルブ22の各結合リング26a、26bとアーム24のピン76との間には、熱歪みによる変形を吸収するための隙間(ガタ)が設けられている。
【0106】
本実施例の排気制御弁は、図11(d)に示したように、バルブ22の結合リング26における、アーム24の支持部28に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限する可動域制限部81を備えている。
可動域制限部81は、一対の支持部28の先端(弁体側端部)に設けられている。この可動域制限部81は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28(第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)に対する図示左回転方向(一方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第1規制部を有している。また、可動域制限部81は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28に対する図示右回転方向(一方向に対して逆方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第2規制部を有している。
これにより、アーム24の各支持部28の先端に設けられる可動域制限部81(2つの第1、第2規制部)が、ストッパの代わりを担い、ストッパ無しで、バルブ22の結合リング26の可動域を制限することができる。
なお、2つの第1、第2規制部のうちいずれか一方の規制部のみを設けるようにしても良い。
【0107】
アーム24は、互いに対向して配置される一対の支持部28、および一対の支持部28間に掛け渡されるピン82を有している。一対の支持部28は、バルブ22の結合リング26をバルブ22の回転軸方向の両側から挟み込んでいる。また、ピン82は、バルブ22の結合リング26を相対回転可能に係合支持する係合部である。また、ピン82は、一対の支持部28の貫通孔75に圧入されることで一対の支持部28に支持固定されている。
バルブ22の結合リング26は、ピン82の周囲を円周方向に取り囲むように設置されて、ピン82に対して相対回転可能となるように係合支持される円筒ローラである。
なお、バルブ22の結合リング26とアーム23のピン82との間には、熱歪みによる変形を吸収するための隙間(ガタ)が設けられている。
【0108】
本実施例の排気制御弁は、図11(e)に示したように、バルブ22の結合リング26における、アーム24の支持部28に対する相対回転動作が可能な領域(可動域)を制限する可動域制限部83を備えている。
可動域制限部83は、支持部28の先端(弁体側底面(側面))に設けられている。この可動域制限部83は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28(第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)に対する図示左回転方向(一方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第1規制部83aを有している。また、可動域制限部83は、バルブ22の結合リング26におけるアーム24の支持部28に対する図示右回転方向(一方向に対して逆方向)への相対回転動作が可能な領域(可動域)を規制する第2規制部83bを有している。
これにより、アーム24の各支持部28の先端に設けられる可動域制限部83(2つの第1、第2規制部83a、83b)が、ストッパの代わりを担い、ストッパ無しで、バルブ22の結合リング26の可動域を制限することができる。
なお、2つの第1、第2規制部83a、83bのうちいずれか一方の規制部のみを設けるようにしても良い。
【実施例4】
【0109】
図12は本発明の実施例4を示したもので、バルブをオフセット配置した状態を示した図である。
本実施例の排気制御弁Bにおいては、バルブ22の中心線または流路孔12の中心線に対して、バルブ22の中心線方向または流路孔12の中心線方向に垂直な方向に、バルブ22の回転中心C2(アーム24の第2回転軸62の中心線である回転中心軸線CL2)をオフセットして配置している。
これにより、アーム24の回転中心C1(アーム24の第1回転軸61の中心線である回転中心軸線CL1)の位置を自由に変更することができる。したがって、例えば自動車等の車両に対する搭載性を向上することができる。
【0110】
[変形例]
本実施例では、排気制御弁A、Bの弁体であるバルブ21、22および排気制御弁A、Bの弁体支持部材であるアーム23、24を第1回転軸61の中心線(回転中心軸線CL1)を中心にして回転方向に駆動するアクチュエータとして、動力源であるモータ、およびこのモータの回転を減速する減速機構を有する電動アクチュエータを用いているが、排気制御弁の弁体および排気制御弁の弁体支持部材を回転中心軸線CL1を中心にして回転方向に駆動するアクチュエータとして、電磁力または流体圧力を利用してバルブを回転方向(開弁方向または閉弁方向)に駆動する電磁アクチュエータまたは流体圧アクチュエータを用いても良い。
【0111】
本実施例では、本発明の排気制御弁を、第1排気制御弁(流路孔11の出口を開閉するスクロール切替弁)、および第2排気制御弁(バイパス流路である流路孔12の出口を開閉するウェイストゲート弁)の排気ガス流量制御弁に適用しているが、本発明の排気制御弁を、流路の開口面積を変化させることで、流路を流れる排気ガスの圧力を調整(調圧)する排気ガス圧力制御弁に適用しても良い。また、2つの第1、第2排気制御弁のうちのいずれか一方の排気制御弁のみに本発明を適用しても良い。
【0112】
なお、本発明の排気装置を、排気ガス再循環装置に適用しても良い。また、ハウジングは、タービンハウジング4に限定されず、排気管の一部を構成する排気ダクトであっても構わない。
なお、弁体支持部材の支持部に対する弁体の回転角度を規制することができれば、ストッパの形状が折れ曲がっていても、直線でも構わない。
【符号の説明】
【0113】
A 排気制御弁(第1排気制御弁、スクロール切替弁)
B 排気制御弁(第2排気制御弁、ウェイストゲート弁)
1 インペラ
2 コンプレッサハウジング
3 ホイール
4 タービンハウジング
5 タービンシャフト
6 第1排気分岐流路(第1排気通路)
7 第2排気分岐流路(第1排気通路、第2排気通路)
8 第1スクロール
9 第2スクロール
11 流路孔(第1流路、第1連通孔)
12 流路孔(第2流路、第2連通孔)
13 排気排出流路(第2排気通路)
17 バルブシート(第1弁座)
18 バルブシート(第2弁座)
21 バルブ(第1弁体)
22 バルブ(第2弁体)
23 アーム(第1弁体支持部材)
24 アーム(第2弁体支持部材)
25 結合リング(第1結合部、ローラ)
26 結合リング(第2結合部、ローラ)
27 支持部(第1支持部)
28 支持部(第2支持部)
61 第1回転軸
62 第2回転軸(係合部、ピン)
65 ガタ(隙間)
71 ストッパ(可動域制限部)
72 ストッパ(可動域制限部)
73 ストッパ(可動域制限部)
74 突起(ガイド)
76 ピン
79 バルブ抜け止め手段
81 可動域制限部
82 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)排気ガスが流入する入口と排気ガスが流出する出口とを連通する流路、およびこの流路の出口が開口した弁座を有するハウジングと、
(b)前記流路の出口を開閉する排気制御弁と
を備えた内燃機関の排気装置において、
前記排気制御弁は、前記ハウジングに対して相対的な回転運動を行う弁体支持部材、この弁体支持部材に係合支持されて、前記弁体支持部材に対して相対的な回転運動を行う弁体、および前記弁体支持部材を介して前記弁体を駆動するアクチュエータを有し、
前記弁座は、前記弁体が着座可能な平面状のシート面(PL1)を有し、
前記排気制御弁の全閉時における前記弁体支持部材の回転中心(C1)と前記弁体の回転中心(C2)とを結ぶ直線(AL1)は、前記シート面(PL1)に垂直な方向に延びる直線(AL2)に対して鋭角な角度(θ)で交差するように配置されていることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、前記流路の中心線方向に垂直な方向に延びる第1回転軸を有し、 前記弁体支持部材または前記弁体は、前記第1回転軸に対して平行して配置されて、前記流路の中心線方向に垂直な方向に延びる第2回転軸を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関の排気装置において、
前記第1回転軸の中心線の位置を前記弁体支持部材および前記弁体の回転中心軸線(CL1)とし、
前記第2回転軸の中心線の位置を前記弁体の回転中心軸線(CL2)としたとき、
前記直線(AL1)とは、前記排気制御弁の全閉時における前記回転中心軸線(CL1)と前記回転中心軸線(CL2)とを結ぶ直線のことであることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、 前記直線(AL1)と前記直線(AL2)とが交差する鋭角な角度(θ)が、0°よりも大きく、45°未満で構成されていることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、 前記排気制御弁は、前記弁体における前記弁体支持部材に対する相対回転動作が可能な領域を制限する可動域制限部を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項6】
請求項5に記載の内燃機関の排気装置において、
前記可動域制限部とは、前記弁体における前記弁体支持部材に対する一方向への相対回転動作が可能な領域を制限するストッパのことであることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項7】
請求項6に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体における前記弁体支持部材に対する一方向への相対回転動作が可能な領域は、 前記直線(AL1)と前記直線(AL2)とが交差する鋭角な角度(θ)以上とすることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の内燃機関の排気装置において、
前記可動域制限部とは、前記弁体における前記弁体支持部材に対する一方向に対して逆方向への相対回転動作が可能な領域を制限するストッパのことであることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体における前記弁体支持部材に対する一方向に対して逆方向への相対回転動作が可能な領域は、
前記弁体が開弁するのに必要な最小角度の最大値(θmax)以上とすることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、 前記弁座は、前記弁体をその移動方向に誘導するガイドを有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、前記弁体を相対回転可能に係合支持する係合部を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記排気制御弁は、前記弁体支持部材と前記弁体との間に、熱歪みによる変形を吸収するための隙間を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体は、前記弁体支持部材に対して相対回転可能となるように結合する結合部を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項14】
請求項13に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、互いに対向して配置されて、前記結合部を前記弁体の回転軸方向の両側から挟み込む一対の支持部を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項15】
請求項14に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、前記一対の支持部間に掛け渡されるピンを有し、
前記結合部は、前記ピンの周囲を周方向に取り囲むように設置されて、前記ピンに対して相対回転可能となるように係合支持されるローラを有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項16】
請求項13に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、前記結合部を支持する支持部を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項17】
請求項16に記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、前記支持部に支持固定されて、前記支持部から前記弁体の回転軸方向に突出するピンを有し、
前記結合部は、前記ピンの周囲を周方向に取り囲むように設置されて、前記ピンに対して相対回転可能となるように係合支持されるローラを有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項18】
請求項1ないし請求項17のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体の回転中心(C2)は、前記弁体の中心線または前記流路の中心線に対して、前記弁体の中心線方向または前記流路の中心線方向に垂直な方向にオフセットして配置されていることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項19】
請求項1ないし請求項18のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体支持部材は、前記流路の出口の延長線に対して、前記流路の中心線方向に垂直な方向にオフセットして配置されていることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項20】
請求項1ないし請求項19のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記ハウジングは、内燃機関の排気ポートに連通する2つの第1、第2排気通路、およびこれらの第1、第2排気通路を区画する隔壁を有し、
前記流路の入口は、前記第1排気通路から排気ガスが流入する第1開口部であって、
前記流路の出口は、前記第2排気通路へ排気ガスが流出する第2開口部であって、
前記流路は、前記第1排気通路と前記第2排気通路とを連通するように前記隔壁を貫通する連通路であって、
前記排気制御弁は、前記連通路を通過する排気ガスの流量を前記弁体の開閉動作により制御することを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項21】
請求項20に記載の内燃機関の排気装置において、
前記シート面(PL1)は、前記第2開口部の周縁に形成されていることを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項22】
請求項1ないし請求項21のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体は、前記シート面(PL1)より離脱して前記流路の出口を開放することを特徴とする内燃機関の排気装置。
【請求項23】
請求項1ないし請求項22のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の排気装置において、
前記弁体は、前記シート面(PL1)に着座して前記流路の出口を閉鎖するシール面(PL2)を有していることを特徴とする内燃機関の排気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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