説明

内燃機関

【課題】コスト増加を抑えながらもオイルポンプの小型化を図る。
【解決手段】クランクシャフト2にワンウェイクラッチ4を介して取り付けられたリングギヤ6とスタータモータ12とを接続するとともに、第2オイルポンプ16とスタータモータ12とを接続する。第2オイルポンプ16は、内燃機関1の始動時のみならずリングギヤ6の回転数がクランクシャフト2の回転数を超えない範囲であれば内燃機関1が始動後も駆動することができる。これにより、両オイルポンプ10,16の容量を抑えることができ、小型化が図れる。しかも、第2オイルポンプ16の駆動源としてスタータモータ12を用いるから、第2オイルポンプ16を駆動するための駆動源(電動機)を別途設ける必要がなく、コスト増加を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関し、特に、スタータモータによるクランクシャフトの回転に基づき始動する内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内燃機関としては、クランクシャフトの回転力を利用して駆動される機械式オイルポンプと、電子制御装置などの指令に基づいて駆動される電動式オイルポンプとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この内燃機関では、機械式オイルポンプと電動式オイルポンプとの特性を効率よく活用してオイル供給することによって、これら各ポンプの小型化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−218468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした内燃機関では、電動式オイルポンプの駆動源として電動機が別途必要となり、コスト増加となってしまう。
本発明の内燃機関は、コスト増加を抑えながらもオイルポンプの小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の内燃機関は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
スタータモータによるクランクシャフトの回転に基づき始動する内燃機関であって、
前記スタータモータと第1のギヤ比をもって接続されたリングギヤと、
該リングギヤから前記クランクシャフトへの回転力を伝達する一方、該クランクシャフトから前記リングギヤへの回転力の伝達を阻止するよう前記リングギヤと前記クランクシャフトとを接続する一方向クラッチと、
前記クランクシャフトの回転に基づき駆動する第1オイルポンプと、
前記スタータモータと第2のギヤ比をもって接続され、該スタータモータの回転に基づき駆動する第2オイルポンプと、
を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
この本発明の内燃機関では、第2オイルポンプの駆動源をスタータモータとするから、第2オイルポンプを駆動するためだけに別途電動機を用意する必要がなく、コスト増加を抑えることができる。しかも、スタータモータに接続するリングギヤが、クランクシャフトに一方向クラッチを介して接続されているから、リングギヤの回転数がクランクシャフトの回転数を超えない程度の回転数でスタータモータを回転することにより、内燃機関の始動後も第2オイルポンプを駆動することができる。この結果、第1および第2オイルポンプそれぞれの小型化を図ることができる。もとより、スタータモータによる第2オイルポンプを駆動するから、内燃機関の始動時からオイルを送給することができる。
【0007】
こうした本発明の内燃機関において、前記クランクシャフトの回転数を検知する回転数検出手段と、検出した前記クランクシャフトの回転数を超えて前記スタータモータが前記リングギヤを回転しないよう前記スタータモータを駆動制御する駆動制御手段と、を備えるものとすることもできる。
こうすれば、スタータモータが、検出したクランクシャフトの回転数を越えてリングギヤを回転しないようスタータモータを駆動制御することができる。即ち、リングギヤの回転数がクランクシャフトの回転数を越えることにより不都合を確実に防止することができる。
【0008】
また、本発明の内燃機関において、前記第1オイルポンプおよび/または前記第2オイルポンプにより送給される前記オイルにより生ずる油圧が、要求油圧に達しているか否かを判定する油圧判定手段を備え、前記駆動制御手段は、前記油圧が前記要求油圧に達していないときに該要求油圧となるまで前記第2オイルポンプを駆動制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、各オイルポンプの小型化を効果的に図ることができる。
【0009】
さらに、本発明の内燃機関において、前記スタータモータの回転軸と前記リングギヤとを接続する第1ギヤ機構と、該第1ギヤ機構の回転軸と前記第2オイルポンプの駆動軸とを直接または間接的に接続する第2ギヤ機構とを備えるものとすることもできる。
こうすれば、第1のギヤ比や第2のギヤ比の設定自由度の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の内燃機関において、前記第2ギヤ機構は、前記第1ギヤ機構の回転軸と前記第2オイルポンプの駆動軸とをチェーンを介して接続してなるものとすることもできる。
こうすれば、第2オイルポンプの配置自由度の向上を図ることができる。
【0011】
また、本発明の内燃機関において、油圧駆動により吸気バルブおよび/または排気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構を備え、前記第2オイルポンプは、前記可変バルブタイミング機構へ前記オイルを供給してなるものとすることもできる。
こうすれば、内燃機関の始動時から可変バルブタイミング機構を作動可能となり、始動性能や出力性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関1の構成の概略を示す構成図である。
【図2】図1のX−X断面を示す断面図である。
【図3】油圧回路の構成の概略を示す構成図である。
【図4】電子制御ユニット50により実行されるスタータモータ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】変形例の内燃機関1Aにおける油圧回路の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である内燃機関1の構成の概略を示す構成図であり、図2は、図1のX−X断面を示す断面図である。
【0014】
実施例の内燃機関1は、図1および図2に示すように、クランクシャフト2と、クランクシャフト2上にワンウェイクラッチ4を介して取り付けられたリングギヤ6と、チェーン8を介してクランクシャフト2と接続された第1オイルポンプ10と、リングギヤに第1ギヤ機構30を介して接続されたスタータモータ12と、第1ギヤ機構30のうちスタータモータ12の回転軸12aに固定されたピニオンギヤ12bと噛合う第1アイドラギヤ35aの回転軸35bに第2ギヤ機構31および第2ギヤ機構31に巻き掛けられたチェーン14を介して接続された第2オイルポンプ16と、チェーン18を介してクランクシャフト2に接続された吸気側カムシャフト20および排気側カムシャフト22と、エンジンの始動や停止,可変バルブタイミングコントロール機構(以下、VTCという)24の作動をコントロールする電子制御ユニット50とを備える。
なお、クランクシャフト2にはクランクプーリー60が取り付けられており、図示はしないがベルトを介してオルタネータやエアコンプレッサなどが接続されている。
【0015】
リングギヤ6は、外周面に歯が形成されてクランクシャフト2に対して同軸のリング形状に形成されており、内燃機関1を始動する際およびアイドリングストップ状態から内燃機関を再始動する際に、スタータモータ12から第1ギヤ機構30に伝達された動力をワンウェイクラッチ4を介してクランクシャフト2に伝達する。
【0016】
ワンウェイクラッチ4は、クランクシャフト2の外周面に取り付けられた内輪(図示せず)と、リングギヤ6の内周面に取り付けられた外輪(図示せず)と、内輪と外輪との間に配置されたスプラグ(図示せず)とから構成されており、外輪の回転数が内輪の回転数よりも高い場合にのみスプラグが傾倒して外輪から内輪への動力伝達が行われる。即ち、ワンウェイクラッチ4は、内燃機関1を始動あるいは再始動する際には、リングギヤ6からの動力をクランクシャフト2に伝達する一方、内燃機関1が始動後はクランクシャフト2からはリングギヤ6に動力を伝達しないスタータクラッチとして機能する。
【0017】
第1オイルポンプ10は、クランクシャフト2に同軸に取り付けられたクランクスプロケット40にチェーン8を介して接続されたポンプスプロケット42と、ポンプスプロケット42を回転する回転軸10aと、回転軸10aに同軸に取り付けられた図示しないインナーギヤと、インナーギヤと噛合う図示しないアウターギヤとを備えた周知の内接歯車ポンプとして構成されており、クランクシャフト2の回転に伴いオイルパン26に貯められた潤滑油を内燃機関1内の摺動部等の潤滑必要部位やVTC24などに供給する。
【0018】
第2オイルポンプ16は、回転軸16aに同軸に取り付けられた図示しないインナーギヤと、インナーギヤと噛合う図示しないアウターギヤとを備えた周知の内接歯車ポンプとして構成されており、スタータモータ12により駆動する。第2オイルポンプ16は、オイルパン26に貯められた潤滑油をVTC24に供給する。
【0019】
図3は、油圧回路の構成の概略を示す構成図である。
第1オイルポンプ10および第2オイルポンプ16は、クランクケースやシリンダブロック,シリンダヘッドなど(いずれも図示せず)に設けられた図示しない油路により構成される第1オイル通路10dおよび第2オイル通路16dを介してVTC24や潤滑必要部位に接続されている。第1オイル通路10d中の潤滑必要部位への分岐点よりも下流であってVTC24よりも上流側の位置および第2オイル通路16d中のVTC24よりも上流側の位置には、それぞれ逆支弁10eおよび逆支弁16eが設けられており、VTC24に向かうオイルの流れを許容する一方、その逆流を防止している。なお、VTC24に供給されたオイルや潤滑必要部位に供給されたオイルは、オイル排出通路10f,16fを通って、オイルパン26に戻される。
【0020】
第1ギヤ機構30は、スタータモータ12の回転軸12aに同軸に取り付けられたピニオンギヤ12bと、ピニオンギヤ12bと噛合う第1アイドラギヤ35aと、第1アイドラギヤ35aを回転する回転軸35bとから構成されており、スタータモータ12の回転をギヤ比i1で減速してリングギヤ6に伝達する。即ち、クランクシャフト2には、スタータモータ12の回転が、第1ギヤ機構30のギヤ比i1に第1アイドラギヤ35aとリングギヤ6とのギヤ比を乗じたギヤ比i1’で減速されて伝達される。
【0021】
第2ギヤ機構31は、第2オイルポンプ16の回転軸16aに同軸に取り付けられたピニオンギヤ16bと、ピニオンギヤ16bにチェーン14を介して接続されるとともに回転軸35bに同軸に取り付けられた第2アイドラギヤ35cとから構成されており、回転軸35bにギヤ比i1に減速されて伝達されたスタータモータ12の回転をギヤ比i2に減速して第2オイルポンプ16に伝達する。
【0022】
電子制御ユニット50は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサにより構成されており、CPU72の他に処理プログラムやデータなどを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76や図示しない入出力ポートおよび通信ポートを備えている。
電子制御ユニット50には、内燃機関1の状態を検出する種々のセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、電子制御ユニット50には、クランクシャフト2の回転数を検出する回転数センサ80からのクランクシャフト回転数や、油圧回路のオイルの油圧を検出する油圧センサ82からの油圧などが図示しない入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット50からは、スタータモータ12への駆動信号やVTC24への駆動信号などが図示しない出力ポートを介して出力されている。
【0023】
次に、こうして構成された実施例の内燃機関1の動作、特に、スタータモータにより第2オイルポンプ16が駆動される際の動作について説明する。
図4は、電子制御ユニット50により実行されるスタータモータ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、100msec毎)に繰り返し実行される。
【0024】
スタータモータ駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU72は、先ず、内燃機関1の始動が要求されたか否かを判定し(ステップS100)、始動が要求されたと判定されたときには、スタータモータ12を駆動してクランキングに必要なトルクを出力して内燃機関1を始動制御する(ステップS102)。このとき、スタータモータ12から出力されたクランキングトルクは、第1ギヤ機構30を介してリングギヤ6に入力され、クランクシャフト2がワンウェイクラッチ4を介してクランキングされる。
一方、スタータモータ12から出力されたクランキングトルクは、第1ギヤ機構30および第2ギヤ機構31を介して第2オイルポンプ16に入力されて、第2オイルポンプ16を駆動する。
【0025】
続いて、内燃機関1が始動しているか否かを判定し(ステップS104)、内燃機関1が始動していれば、油圧センサ82からの油圧(ここでは、第2オイル通路16d内の油圧)を読み込み(ステップS106)、読み込んだ油圧が要求油圧であるか否かを判定する(ステップS108)。ここで、要求油圧は、第1オイル通路10dにおいては潤滑必要部位に十分なオイルを供給できる程度の値として設定され、第2オイル通路16dにおいてはVTC24が安定して作動する程度の値として設定されている。従って、ここでは第2オイル通路16d内の油圧がVTC24を安定して作動することができる値であるか否かが判定されることになる。そして、第2オイル通路16d内の油圧が要求油圧であると判断されると、スタータモータ12の駆動を停止して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS104やステップS108で、内燃機関1が始動していないと判定されたり、要求油圧でないと判断されたときには、ステップS102に戻って、内燃機関1が始動し、かつ油圧が要求油圧となるまでスタータモータ12を駆動し続ける。
このように、内燃機関1の始動時から第2オイルポンプ16を駆動することにより、内燃機関1の始動時からVTC24を安定して作動することができ、内燃機関1の始動性能や出力性能を向上することができる。
【0026】
一方、ステップS100で内燃機関1の始動が要求されていないと判定されたときには、第2オイルポンプ16の駆動が要求されているか否かを判定する(ステップS112)。第2オイルポンプ16の駆動が要求されているか否かの判定は、油圧センサ82からの油圧に基づいて行う。即ち、第1オイル通路10d内や第2オイル通路16d内の油圧が、要求油圧よりも小さいときには第2オイルポンプ16を駆動する必要があると判定し、第1オイル通路10d内や第2オイル通路16d内の油圧が、要求油圧以上であるときには、第2オイルポンプ16を駆動する必要がないと判定して、本ルーチンを終了する。
【0027】
ステップ112で第2オイルポンプ16の駆動が要求されたと判定されたときには、回転数センサ80からのクランクシャフト2の回転数を読み込むとともに(ステップS114)、リングギヤ6の回転数が、読み込んだクランクシャフト2の回転数を超えないようにスタータモータ12を駆動制御する(ステップS116)。そして、油圧センサ82からの油圧(ここでは、第1および第2オイル通路10d,16d内の油圧)を読み込み(ステップS118)、読み込んだ油圧が要求油圧であるか否かを判定する(ステップS120)。要求油圧であるか否かの判定は、ここでは、第1および第2オイル通路10d,16d両方のオイル通路内の油圧が要求油圧であるか否か、即ち、潤滑必要部位に十分なオイルを供給できる油圧であるか否か、および、VTC24を安定して作動することができる油圧であるか否かが判定されることになる。そして、第1および第2オイル通路10d,16d内の油圧が要求油圧であると判断されると、スタータモータ12の駆動を停止して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。
【0028】
このように、内燃機関1が始動して以降は、VTC24へのオイルの供給および潤滑必要部位へのオイルの供給は、基本的にはクランクシャフト2の回転に伴い駆動する第1オイルポンプ10が発生する油圧により行うが、第1オイルポンプ10が発生する油圧では不足する場合に限って、第2オイルポンプ16を駆動して不足する油圧を補うのである。従って、第1オイルポンプ10や第2オイルポンプ16の容量を必要以上に大きくする必要がなく、両オイルポンプ10,16の小型化を図ることができる。しかも、第2オイルポンプ16の駆動源にスタータモータ12を用いるから電動機を別途用意する必要がなく、コスト増加を抑えることができる。
【0029】
以上説明した実施例の内燃機関1によれば、クランクシャフト2にワンウェイクラッチ4を介して取り付けられたリングギヤ6とスタータモータ12とを接続するとともに、第2オイルポンプ16とスタータモータ12とを接続するから、スタータモータ12のクランキングの際、即ち、内燃機関1の始動時から2つのオイルポンプ10,12を駆動することができる。しかも、内燃機関1が始動後もリングギヤ6の回転数がクランクシャフト2の回転数を超えない範囲でスタータモータ12を駆動することにより第2オイルポンプ16を駆動し続けることができる。従って、第1オイルポンプ10と第2オイルポンプ16との容量を抑えることができ、両オイルポンプ10,16の小型化が図れる。しかも、第2オイルポンプ16の駆動源としてスタータモータ12を用いるから、第2オイルポンプ16を駆動するための駆動源(電動機)を別途設ける必要がなく、コスト増加を抑制できる。もとより、内燃機関1の始動時からVTC24にオイルを供給するから、内燃機関1の始動性能や出力性能を向上することができる。
【0030】
また、実施例の内燃機関1によれば、リングギヤ6とスタータモータ12とを第1ギヤ機構30を介して接続し、第2オイルポンプ16とスタータモータ12とを第1ギヤ機構30および第2ギヤ機構31を介して接続するから、ギヤ比の設定自由度を向上することができる。しかも、第2ギヤ機構31を構成する第2アイドラギヤ35cと駆動ギヤ16bとをチェーン14を介して接続するから、第2オイルポンプ16の配置自由度の向上を図ることができる。
【0031】
実施例の内燃機関1では、第2オイルポンプ16は、VTC24のみにオイルを供給するものとしたが、図5の変形例の内燃機関1Aの油圧回路図に例示するように、第2オイルポンプ16は、VTC24および潤滑必要部位の両方にオイルを供給するものとしても構わない。この場合、第2オイル通路16dにおける逆支弁16eよりも上流側の位置から第2オイル通路16dと潤滑必要部位とを接続する分岐オイル通路16gを設けるとともに、分岐オイル通路16g中の潤滑必要部位よりも上流側の位置に逆支弁16hを設けるものとすれば良い。
【0032】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
1,1A 内燃機関
2 クランクシャフト
4 ワンウェイクラッチ
6 リングギヤ
8 チェーン
10 第1オイルポンプ
10a 回転軸
10d 第1オイル通路
10e 逆支弁
12 スタータモータ
12a 回転軸
12b ピニオンギヤ
14 チェーン
16 第2オイルポンプ
16a 回転軸
16b 駆動ギヤ
16d 第2オイル通路
16e 逆支弁
18 チェーン
20 吸気側カムシャフト
22 排気側カムシャフト
24 可変バルブタイミングコントロール機構(VTC)
26 オイルパン
30 第1ギヤ機構
31 第2ギヤ機構
35a 第1アイドラギヤ
35b 回転軸
35c 第2アイドラギヤ
40 クランクスプロケット
42ポンプスプロケット
50 電子制御ユニット
72 CPU
74 ROM
76 RAM
60 クランクプーリー
80 回転数センサ
82 油圧センサ
i1,i1’,i2 ギヤ比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタータモータによるクランクシャフトの回転に基づき始動する内燃機関であって、
前記スタータモータと第1のギヤ比をもって接続されたリングギヤと、
該リングギヤから前記クランクシャフトへの回転力を伝達する一方、該クランクシャフトから前記リングギヤへの回転力の伝達を阻止するよう前記リングギヤと前記クランクシャフトとを接続する一方向クラッチと、
前記クランクシャフトの回転に基づき駆動する第1オイルポンプと、
前記スタータモータと第2のギヤ比をもって接続され、該スタータモータの回転に基づき駆動する第2オイルポンプと、
を備える内燃機関。
【請求項2】
前記クランクシャフトの回転数を検知する回転数検出手段と、
検出した前記クランクシャフトの回転数を超えて前記スタータモータが前記リングギヤを回転しないよう前記スタータモータを駆動制御する駆動制御手段と、
を備える請求項1記載の内燃機関。
【請求項3】
前記第1オイルポンプおよび/または前記第2オイルポンプにより送給される前記オイルにより生ずる油圧が、要求油圧に達しているか否かを判定する油圧判定手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記油圧が前記要求油圧に達していないときに該要求油圧となるまで前記第2オイルポンプを駆動制御する手段である
請求項2記載の内燃機関。
【請求項4】
前記スタータモータの回転軸と前記リングギヤとを接続する第1ギヤ機構と、
該第1ギヤ機構の回転軸と前記第2オイルポンプの駆動軸とを直接または間接的に接続する第2ギヤ機構と、
を備える請求項1ないし3いずれか記載の内燃機関。
【請求項5】
前記第2ギヤ機構は、前記第1ギヤ機構の回転軸と前記第2オイルポンプの駆動軸とをチェーンを介して接続してなる請求項4記載の内燃機関。
【請求項6】
油圧駆動により吸気バルブおよび/または排気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構を備え、
前記第2オイルポンプは、前記可変バルブタイミング機構へ前記オイルを供給してなる
請求項1ないし5いずれか記載の内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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