説明

内視鏡の光源装置、および内視鏡システム

【課題】内視鏡の光源装置のロータリーシャッタや同期信号に異常が生じた場合、ロータリーシャッタを適切な位置で停止させて容易に内視鏡を抜去可能とする。
【解決手段】光源装置12は、光源51、ロータリーシャッタ53、モータ54、モータドライバ55、位置検出器56、コントローラ57を備える。光源51から照射された光は、被観察部位へ照射される。コントローラ57は、同期処理回路61、故障検出回路62、カウンタ63、比較値格納部64、比較回路65、停止スイッチ66、回転制御回路67を備える。ロータリーシャッタ53の位置検出信号及び読み出しパルスが所定期間検出されなかった場合、故障検出回路62は、故障検出信号を停止スイッチ66へ出力し、比較回路65と回転制御回路67を接続状態とする。比較回路65は、比較値格納部64から読み出した比較値とカウンタ出力値とが一致するまでモータ54を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内を照明する照明光を通過および遮光するロータリーシャッタを備える内視鏡の光源装置、および内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡の光源装置は、光源と、被検体内に挿入される内視鏡の挿入部先端の照明窓に光源からの光を導光するライトガイドとを備え、照明窓から発せられる光で被検体内を照明している。照明光があてられた部位の像光を挿入部先端に配された固体撮像素子で撮像することで被検体内の画像を得、得られた画像をモニタに表示させて被検体内の様子を観察することができる。
【0003】
照明光には、固体撮像素子で被検体内を撮像するのに十分な光量が求められるが、そのために光量を増やすと、発熱により、たとえば内視鏡先端の素材の劣化などが問題となることがある。逆に光量を減らすと、発熱は減るが、光量不足で暗くなり、固体撮像素子から得られる画像の画質が著しく劣化してしまう。こうした問題を解決するために、円板の一部を切り欠いたロータリーシャッタを用いる電子内視鏡の光源装置が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1、2に記載の発明では、照明光の光路上にロータリーシャッタを回転可能に取り付け、切り欠き部分が光路内に進入したときに照明光を通過させ、その他の部分が光路内に進入したときに照明光を遮光している。そして、ロータリーシャッタの回転位置をセンサで検出し、その検出位置に基づいて、固体撮像素子の電荷蓄積期間に照明光を通過させ、それ以外の期間では照明光を遮光するように、ロータリーシャッタの回転を制御している。電荷蓄積期間以外は照明光を遮光するため、連続的に照明光をあてた場合よりも積算光量が減少し、発熱量を低下させることができる。そのうえ、固体撮像素子で被検体内を撮像するのに十分な光量を確保することができ、光量減による画質の劣化も防止することができる。
【0005】
また、可視光と蛍光とを照明光として用い、可視光による画像と蛍光による蛍光画像とを得る電子内視鏡システムにおいて、可視光と蛍光の切り替えにロータリーシャッタを用いる例が開示されている(特許文献3参照)。特許文献3では、ロータリーシャッタで可視光を遮光している間に、蛍光の励起光源を駆動させている。
【特許文献1】特許第3403596号
【特許文献2】特許第3370871号
【特許文献3】特開2006−187426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ロータリーシャッタを用いる内視鏡の光源装置では、上述のように、ロータリーシャッタの回転位置をセンサで検出し、この検出信号を元に、ロータリーシャッタの回転周期を読み出しパルスの周期に同期させた同期パルスに同期させている。このため、センサが故障したり、センサに接続された配線が断線するなどして検出信号が出力されなくなったり、同期パルスを伝達する同期パルスドライバの故障や配線が断線して同期パルスが得られなくなると、上述の制御が不能となり、電荷蓄積期間の全部で照明光が遮光されてしまうことが起こり得る。このようなことが起こると、画像が全く映らなくなるので、被検体内の観察ができない状況になる。
【0007】
上記のような状況に陥った場合、検査を中止して挿入部を被検体内から抜去しなければならないが、挿入部先端の状況を把握することができないため、抜去作業に支障を来たしていた。従来は、このような場合の対応方法として、挿入部先端を湾曲させるためのワイヤを切断し、挿入部先端を真っ直ぐにしていた。しかしながら、ワイヤを切断してしまうと、以降はその内視鏡を使用することができなくなるため、新品を買わざるを得ない。
【0008】
上記問題を解決する方法として、センサが故障したときに、照明光を通過させる位置にロータリーシャッタを停止させることが考えられる。しかしながら、検出信号や同期パルスが得られなければ、そもそも、照明光を通過させる位置に丁度ロータリーシャッタを停止させることは不可能であり、この方法は論外である。また、たとえ偶然に照明光を通過させる位置にロータリーシャッタが停止したとしても、照明光があたり続けるため、発熱量を低下させることができない。
【0009】
特許文献1〜3に記載の発明は、上記問題について論じておらず、その対策も当然ながら講じていない。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ロータリーシャッタの回転位置を検出する位置検出手段、または固体撮像素子の蓄積電荷の読み出しタイミングを規定する読み出しパルスに同期させた同期パルスを伝達する伝達手段が検査中に故障、または断線したときに、被検体内から内視鏡を容易に抜去することができる内視鏡の光源装置、および内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被検体内を撮像する固体撮像素子を有する内視鏡の光源装置であって、前記被検体内を照明する照明光の光路上に回転可能に取り付けられ、前記照明光を通過させる照明期間、および前記照明光を遮光する遮光期間を一定周期で交互に設けるためのロータリーシャッタと、前記ロータリーシャッタの回転位置を検出する回転位置検出手段と、 前記回転位置検出手段からの検出信号に基づいて、前記ロータリーシャッタの回転周期を、前記固体撮像素子の蓄積電荷の読み出しタイミングを規定する読み出しパルスの周期に同期させた同期パルスに同期させ、前記照明期間が前記固体撮像素子の電荷蓄積期間に一致するように、前記ロータリーシャッタの回転を制御する制御手段と、前記ロータリーシャッタの回転量を測定する回転量測定手段と、前記回転量と前記回転位置の対応関係を表す対応情報を記憶する記憶手段と、前記位置検出手段の故障、または前記同期パルスを伝達する同期パルス伝達手段の故障のうち、少なくともいずれか一つの故障を検出する故障検出手段とを備え、前記故障検出手段で故障検出された場合、前記制御手段は、前記対応情報および前記回転量測定手段の測定値に基づいて、予め設定された停止位置に前記ロータリーシャッタを停止させることを特徴とする。なお、位置検出手段の故障とは、位置検出手段自体の故障は勿論のこと、位置検出手段に接続された配線の断線も含まれ、同期パルス伝達手段の故障とは、同期パルス伝達手段自体の故障は勿論のこと、同期パルス伝達手段に接続された配線の断線も含まれる。
【0012】
前記制御手段は、前記停止位置に相当する前記対応情報の前記回転量、または前記回転量の範囲と、前記測定値とを比較する比較器を有し、前記故障検出手段で故障検出された場合、前記比較器の比較結果を元に、前記停止位置に相当する前記対応情報の前記回転量、または前記回転量の範囲と前記測定値とが一致する前記回転位置に、前記ロータリーシャッタを停止させることが好ましい。あるいは、前記停止位置は、前記照明期間、前記遮光期間、またはこれらの期間の中間にあたる位置であることが好ましい。
【0013】
また、前記内視鏡のスペック、前記照明光を発する光源のスペック、または操作入力のうち、少なくともいずれか一つに応じて、前記停止位置の設定を変更する設定変更手段を備えることが好ましい。さらにまた、前記回転量測定手段は、前記回転位置に応じて割り振られた数値をカウントすることで、前記回転量を測定することが好ましい。
【0014】
前記回転量測定手段は、前記測定値を一定のタイミングで初期値にリセットすることが好ましい。また、前記一定のタイミングは、前記ロータリーシャッタが一回転する毎であることが好ましい。さらにまた、前記故障検出手段で前記位置検出手段の故障が検出され、前記同期パルス伝達手段の故障が検出されていない場合、前記制御手段は、前記ロータリーシャッタの回転周期を前記同期パルスの周期と異ならせることが好ましい。前記故障検出手段は、前記検出信号が正常に出力されているか否かを監視することで、前記位置検出手段の故障を検出すること、あるいは前記同期パルス信号が正常に出力されているか否かを監視することで、前記同期パルス伝達手段の故障を検出することが好ましい。
【0015】
本発明の内視鏡システムは、請求項1ないし10のいずれかに記載の内視鏡の光源装置と、この光源装置に接続される内視鏡とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の内視鏡の光源装置、および内視鏡システムによれば、ロータリーシャッタの回転位置を検出する位置検出手段の故障、または固体撮像素子の蓄積電荷の読み出しタイミングを規定する読み出しパルスに同期させた同期パルスを伝達する同期パルス伝達手段の故障のうち、少なくともいずれか一つを検出したときに、ロータリーシャッタの回転量と回転位置の対応関係、およびロータリーシャッタの回転量の実測値に基づいて、予め設定された停止位置にロータリーシャッタが停止されるようにロータリーシャッタの回転を制御するので、停止位置がロータリーシャッタの照明期間にあたる場合は、挿入部の抜去作業に十分な視野を確保することができる。また、停止位置がロータリーシャッタの遮光期間にあたる場合は、照明光があたり続けることによって発熱を防止できる。さらに、停止位置が照明期間と遮光期間の中間にあたる場合は、挿入部の抜去作業に支障を来たさない程度の視野を確保することができ、且つ発熱を防止できる。したがって、ロータリーシャッタの回転位置を検出する位置検出手段、または同期パルスを伝達する同期パルス伝達手段が検査中に故障したときに、被検体内から内視鏡を容易に抜去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1において、電子内視鏡システム2は、電子内視鏡10、プロセッサ装置11、光源装置12などから構成される。電子内視鏡10は、体腔内に挿入される可撓性の挿入部14と、挿入部14の基端部分に連設された操作部15と、プロセッサ装置11、光源装置12などに接続されるコネクタ16と、操作部15とコネクタ16とを繋ぐユニバーサルコード17とを備えている。
【0018】
挿入部14の先端には、体腔内撮影用のCCD33(図2参照)などが内蔵された先端部14aが連設されている。先端部14aの後方には、複数の湾曲駒を連結した湾曲部14bが設けられている。湾曲部14bは、操作部15に設けられたアングルノブ19が操作されて、挿入部14内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部14aが体腔内の所望の方向に向けられる。
【0019】
図2において、先端部14aには、観察窓30、照明窓31が設けられている。観察窓30の奥には、被検体内の像光を取り込むための光学系32が取り付けられ、さらに光学系32の奥には、CCD33が取り付けられている。CCD33は、例えばインターライントランスファ型のCCDからなる。CCD33には、ユニバーサルコード17を介してプロセッサ装置11との各種信号の遣り取りを媒介するための信号線34,35が接続されている。信号線34,35は、ユニバーサルコード17及びコネクタ16を介してプロセッサ装置11に接続される。
【0020】
一方、照明窓31の奥には、照射レンズ36が設けられる。この照射レンズ36には、ライトガイドとしての光ファイバー(例えば、石英からなる)37の出射端が面している。光源装置12から光ファイバー37によって照射レンズ36まで導かれた光は、照明窓31を通して被検体内へ照射される。
【0021】
プロセッサ装置11は、電子内視鏡10、光源装置12、モニタ21、キーボード(図示せず)、プリンタ(図示せず)などと電気的に接続しており、電子内視鏡システム2全体の動作を統括的に制御する。このプロセッサ装置11には、CCDドライバ41、タイミングジェネレータ(以下、TGと略す)42、信号処理部43、同期パルスドライバ44、及びこれらを制御するCPU50が設けられている。CCD33は、信号線34を介してCCDドライバ41に接続されており、CCDドライバ41には、CPU50によって制御されるTG42が接続されている。CCDドライバ41は、TG42から入力されるタイミング信号に基づいて、CCD33の蓄積電荷の読み出しタイミングを規定する読み出しパルスおよび、CCD33の電子シャッタのシャッタ速度を決める電子シャッタパルスを生成し、これをもとにCCD33を制御する。同期パルスドライバ44はTG42と接続されており、TG42から入力される読み出しパルスと同じタイミングを含むタイミング信号に基づいて読み出しパルスの周期に同期した同期パルスを光源装置12の後述するコントローラ57に送出する。信号処理部43は、信号線35を介してCCD33に接続されている。CCD33から出力された撮像信号は、信号処理部43で増幅、A/D変換、各種画像処理が施されて映像信号とされ、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ21(図1参照)に内視鏡画像として表示される。
【0022】
光源装置12は、光源51、レンズ52、ロータリーシャッタ53、モータ54、モータドライバ55、位置検出器56、これらを制御するコントローラ57、及び停止位置選択スイッチ58(図1参照、以下、選択スイッチと略す)を備える。光源51は、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、LED(発光ダイオード)、蛍光発光素子ランプ、またはLD(レーザーダイオード)などが使用される。光源51から発せられる光は、レンズ52で集光されて光ファイバー37の入射端に導かれる。
【0023】
ロータリーシャッタ53は、図3に示すように、円板形状で一部が扇形に切り欠かれている。符号53a,53bは、切り欠き部分が光通過部53b、残りの部分が遮光部53aとなっている。このロータリーシャッタ53は、光源51の光軸と平行に配されたモータ54の回転軸54aに接続され、モータ54の回転によって遮光部53aと光通過部53bとが交互に、光源51の光路P内に進入する。光通過部53bが光路P内に進入すると、光ファイバー37、照射レンズ36及び照明窓31を通して被検体内へ光が照射される照射期間となり(図3(A)に示す状態)、遮光部53aが光路P内に進入すると、被検体内への光が遮光される遮光期間となる(図3(B)に示す状態)。よって、遮光部53aの中心角と、光通過部53bの中心角との比率は、遮光期間と照射期間との比率に等しい。これら遮光部53a及び光通過部53bの中心角は、ロータリーシャッタ53の回転周期が、同期パルスの周期に等しくなるように回転制御された場合に、照射期間が電荷蓄積期間と等しくなるように角度の設定がなされている。
【0024】
モータ54は、パルスモータであり、モータドライバ55から駆動パルスが供給されると所定角度ずつ回転する。本実施形態では、48回の駆動パルスで1回転、すなわち1ステップ分(1個の駆動パルスにおける回転角度)で7.5°回転する。
【0025】
位置検出器56は、フォトセンサなどから構成され、ロータリーシャッタ53の外周近傍に配される。この位置検出器56は、遮光部53aが通過するときはオン信号、光通過部53bが通過するときはオフ信号を、後述する同期処理回路61へ出力する。また、位置検出器56はロータリーシャッタ53の外周近傍以外に配されても良く、例えばロータリシャッタ53の内部に配されてもよい。
【0026】
選択スイッチ58はロータリーシャッタ53の停止位置を開放位置、遮光位置、半遮光位置のいずれかから選択可能であり、この選択スイッチ58で選択された停止位置は、後述する比較値格納部64に記憶される。なお選択スイッチ58はプロセッサ装置11や操作部15にあっても良い。また、プロセッサ装置11や光源装置12に外部接続されたキーボード(図示せず)などに設けても良い。
【0027】
コントローラ57は、同期処理回路61、故障検出回路62、カウンタ63、比較値格納部64、比較回路65、停止スイッチ66、回転制御回路67とを備える。
【0028】
同期処理回路61は、位置検出信号及びプロセッサ装置11内の同期パルスドライバ44からの同期パルスに基づき、モータ54を制御する同期処理を行う。この同期処理回路61は、位置検出器56から送られるオン・オフ信号に基づき位置検出信号を検出している。本実施形態では、オフ信号からオン信号に切り替わるエッジを位置検出信号として検出しており、すなわち図3(A)に示す状態のとき、光通過部53bから遮光部53aに切り替わる境界線53cの位置がオフ信号からオン信号に切り替わる位置である。よって、同期処理回路61は、遮光開始のタイミングを位置検出信号として検出している。なお、これに限らず、遮光部53aから光通過部53bに切り替わる境界線53d(図3(B)参照)の位置、すなわち位置検出器56の出力がオン信号からオフ信号に切り替わる照射開始のタイミングを位置検出信号として検出してもよい。
【0029】
図4は、位置検出信号及び同期パルスに基づいて、同期処理回路61による同期処理が正常に行われている場合を示すタイミングチャートである。CCD33は、CCDドライバ41で生成された電子シャッタパルス及び読み取りパルスに応じて電荷蓄積、及び読み出し、撮像信号の出力を行っており、図4には、電荷蓄積期間と撮像信号出力期間を図示している。そして、同期処理回路61は、位置検出信号及び同期パルスに基づき、同期パルスの出力タイミングに、照射期間から遮光期間への切り替わりのタイミングを合わせるようにモータ54の回転制御を行う。これにより、CCD33の電荷蓄積期間と、光源装置12の照射期間が同期されている。本実施形態では、上述したように、遮光開始のタイミングを位置検出信号として検出しているが、この位置検出信号の検出タイミングから、一定の間隔tdを置いて同期パルスが出力されるように回転制御を行っており、この間隔tdはすなわち、遮光開始のタイミングから、光源51が完全に遮光されるタイミングまでのタイムラグであり、位置検出器56の位置及び遮光期間開始のタイミングにおけるロータリーシャッタ53の回転位置によって間隔tdの長さが設定されている。
【0030】
故障検出回路62は、位置検出器56からの出力及び同期パルスドライバ44から出力される同期パルスが正常に出力されているか否かを監視し、位置検出器56からの出力及び同期パルスの少なくとも一方が所定期間検出されなかった場合、故障検出信号を停止スイッチ66へ出力する。本実施形態では、位置検出器56からの出力が検出されない場合は、位置検出器56に異常があったことを想定しており、同期パルスが検出されない場合は、同期パルスドライバ44に故障があったことを想定している。なお、位置検出器56の故障とは、位置検出器56自体の故障と、位置検出器56に接続された配線の断線とを指し、同期パルスドライバ44の故障とは、同期パルスドライバ44自体の故障及び同期パルスドライバ44から同期パルスを伝達する配線のいずれかに断線があったときを想定している。
【0031】
カウンタ63は、モータドライバ55からモータ54へ供給される駆動パルスをカウントして、そのカウンタ出力値を出力する。さらに、カウンタ63は、ロータリーシャッタ53の1回転分の駆動パルスがカウントされたとき、カウンタ出力値を0にリセットする。本実施形態では、上述したように、48回の駆動パルスで、ロータリーシャッタ53が一回転するので、カウンタ63は1から48までカウントすると0にリセットし、また1からカウントを開始する。
【0032】
比較値格納部64は、ロータリーシャッタ53を停止させるときのそれぞれの停止位置に応じたカウンタ出力値、すなわち1〜48までのいずれかの値が比較値として予め記憶されており、本実施形態では、表1に示すように、比較値格納部64に格納された停止位置として、光通過部53bが光源51の前方を開放して光を全て通過させる光通過位置、遮光部53aが光源51からの光を全て遮光する全遮光位置、及び遮光部53aが光源51からの光を約半分遮光する半遮光位置が設定されており、これらの停止位置に応じた比較値の一例として、「48」、「10」、「20」が記憶されている。さらに、比較値格納部64には、光通過位置、全遮光位置、半遮光位置のうち、どれが選択されているかを表す選択情報が記録される。そして、選択スイッチ58によって光通過位置、全遮光位置、半遮光位置のいずれかが選択され、選択された停止位置を示す選択情報が記録される。表1では、光通過位置が停止位置として選択された状態を示す。
【0033】
【表1】

【0034】
比較回路65は、停止スイッチ66がオン状態となったとき、比較値格納部64から設定された比較値を読み出し、カウンタ63の出力値が比較値と一致したとき、回転制御回路67に回転停止信号を出力する。
【0035】
回転制御回路67は、正常時は、同期処理回路61で行われた同期処理に従い、モータタイミングパルスをモータドライバ55に出力し、故障検出回路62から故障検出信号が送られたときは、比較回路65からの回転停止信号に従ってモータタイミングパルスの生成または出力を停止する。
【0036】
停止スイッチ66は、比較回路65と回転制御回路67との接続/非接続状態切り替えを行うものであり、故障検出回路62から故障検出信号が送られたときのみオン状態(接続)となり、それ以外はオフ状態(未接続)となっている。
【0037】
上記構成の作用について図5のフローチャートを用いて説明する。電子内視鏡システム2で検査を行う際には、電子内視鏡10、および各装置11,12の電源をオンして、挿入部14を体腔内に挿入し、光源装置12からの照明光で体腔内を照明しながら、固体撮像素子33による体腔内の画像をモニタ21で観察する。また、ロータリーシャッタ53の停止位置が選択スイッチ58によって光通過、遮光、半遮光のいずれかの位置に選択される。
【0038】
光源装置12が電源オンとなったときは(st1)、光源51が発光、ロータリーシャッタ53が回転し、さらに、位置検出器56及び故障検出回路62が作動を開始する(st2)。
【0039】
回転制御回路67は、回転停止信号の有無を判断し(st3)、回転停止信号が検出されないときは同期処理回路61に応じたモータタイミングパルスを生成し、モータドライバ55に出力する(st4)。モータドライバ55は、モータタイミングパルスが入力されると駆動パルスを生成し、モータ54とカウンタ63に対し駆動パルスを出力する。
【0040】
モータドライバ55からの駆動パルスが1回出力されるごとに、モータ54が1ステップ分回転するとともに、カウンタ63がカウントを1つ加算する(st5)。
【0041】
故障検出回路62は位置検出器56からの出力及び同期パルスドライバ44からの同期パルスを監視しており、位置検出器56からの出力、及び同期パルスが有る場合は、故障検出信号を出力しない(st6)。そして、位置検出信号が検出されたとき(st7)一回転と判断してカウンタ63をリセットする(st8)。このように位置検出信号の検出でカウンタ63をリセットすることにより、ロータリーシャッタ53の実際の回転位置と、カウンタ63の値とを一致させることができる。
【0042】
上述した同期処理によってCCD33の電荷蓄積期間と、光源装置12の照射期間が同期されているため、CCD33は十分な光量を得ることができ、良好な画質で画像を観察することができる。位置検出器56、及び同期パルスドライバ44に故障が無いまま観察が終了すると、使用者はモニタ21で画像を観察しながら、電子内視鏡10の挿入部14を被検体内から内視鏡を容易に抜去するとことができる。そして、電源がオフされて(st9)検査が終了する。
【0043】
一方、位置検出器56からの出力及び同期パルスのいずれか一方が所定期間検出されなくなった場合、故障検出回路62が故障検出信号を出力し(st6)、停止スイッチ66がオン状態となる(st10)。停止スイッチ66がオン状態になると、比較回路65が比較値格納部64から、予め選択された停止位置に応じた比較値を読み出し、この比較値とカウンタ出力値とを比較する(st11)。そして、比較値と異なるときは、電源オン/オフの選択(st9)を経由して回転停止信号の有無を判断する処理(st3)に戻る。このとき、回転停止信号が検出されないので、回転制御回路67は、同期処理回路61の信号に応じたモータタイミングパルスを生成しモータドライバ55に出力する(st4)。モータドライバ55は、モータタイミングパルスに応じて駆動パルスを生成し、モータ54とカウンタ63に対し駆動パルスを出力してモータ54を回転させるとともにカウンタ63のカウントを1つ加算する(st5)。このように、比較値とカウンタ出力値が異なっている間は、st3,st4,st5,st6,st10,st11,st9,st3の順番が繰り返され、モータ54の1ステップ回転とカウンタ63のカウントの加算が繰り返される。モータ54の回転とカウンタ63のカウントの加算が進み比較値とカウンタ出力値が一致すると(st11)、比較回路65は回転停止信号を出力する(st12)。この回転停止信号を回転制御回路67が検出し(st3)、回転制御回路67によるモータタイミングパルスの生成または出力が停止するため、モータドライバ55による駆動パルスの出力が停止してモータ54が停止する。これによって、ロータリーシャッタ53が所定の位置で停止する(st13)。
【0044】
このように、ロータリーシャッタ53を回転させるときの駆動パルスをカウントしてこのカウンタ出力値と、停止位置に応じた比較値とを比較し、ロータリーシャッタ53が予め選択された停止位置に到達したときに停止させる制御を行っているので、検査を中止して電子内視鏡10の挿入部14を被検体内から抜去したいときは、先端部14aの状況を把握するために光通過位置又は半遮光位置を選択して停止させ、画像を確認することが可能であり、また、光源装置12による照射期間が長くなった場合は、全遮光位置を選択するなどロータリーシャッタ53を適切な位置に停止させることができるため、挿入部14を被検体内から内視鏡を容易に抜去することができる。そして内視鏡を抜去すると電源がオフされ(st9)、検査終了または別の電子内視鏡システムで検査が行われる。
【0045】
なお、上記第1実施形態においては、選択スイッチ58による入力設定で停止位置を決定し、この停止位置に応じた比較値を読み出してロータリーシャッタ53の停止制御を行っているが、本発明はこれに限らず、例えば、電子内視鏡10や、光源51のスペックに応じて停止位置を予め設定し、比較値格納部64に記憶させてもよい。この場合、例えば電子内視鏡10や、光源51にそれぞれのスペックを記憶するメモリを設けておき、プロセッサ装置11と接続及び電源オンにしたときに、これらのメモリから情報を読み取ることでスペックを取得するようにする。また、上記第1実施形態においては、光通過、全遮光、半遮光の3つの停止位置から選択する構成としているが、これに限らず、光源51からの光を約半分遮光する半遮光位置以外に、光源51の少なくとも一部、例えば1/3、1/4を遮光する停止位置を設定してもよく、また、選択する停止位置は3つだけに限らず、4つ以上から選択するようにしてもよい。さらにまた、上記第1実施形態では、停止位置に応じた比較値がそれぞれ一つずつ(「48」、「10」、「20」)に設定されているが、光通過、全遮光、半遮光の状態のときのカウンタ出力値は、それぞれ1つずつでは無いため、各停止位置に応じた比較値を1つずつに限定せず、例えば各停止位置に応じた比較範囲として「31〜48」、「1〜19」、「20〜30」と設定し、この比較範囲内のどこかにカウンタ出力値が一致したとき、停止するように制御してもよい。
【0046】
上記実施形態においては、位置検出器からの出力及び同期パルスのいずれか一方が検出されなくなった場合、停止スイッチがオン状態となり、停止動作を開始する構成としているが本発明はこれに限るものではなく、位置検出器からの出力のみを監視して、停止動作を開始する構成としてもよい。この場合、上記第1実施形態の構成から故障検出回路を省略し、停止スイッチ66は、位置検出器56からの出力を監視し、出力がある場合はオフ状態とし、出力が無くなった場合にオン状態となる機能を有する構成とすればよい。
【0047】
また、同期パルスは正常に出力され、位置検出器からの出力のみが無くなった場合には、ロータリーシャッタの回転周期と、同期パルスが出力される周期とを異ならせるようにモータの回転制御を行った後、停止動作を開始させてもよい。この場合には、図6に示す光源装置80のように、コントローラ81の構成として、同期処理回路61、故障検出回路62、カウンタ63、比較値格納部64、比較回路65、回転制御回路67、及び周期切替回路83と、停止スイッチ84とを備える。なお、上記第1実施形態と同じ部品を用いているものについては同符号を付して説明を省略する。また、本実施形態においては、故障検出回路62は、位置検出器56からの出力のみを監視し、位置検出器56からの出力が所定期間検出されなかった場合、故障検出信号を周期切替回路83へ出力する。
【0048】
周期切替回路83は、通常時、故障検出回路62から故障検出信号が出力されないときは作動せず、故障検出回路62から故障検出信号が出力され、且つ同期パルスドライバ44から同期パルスが入力されたときは、同期パルスの周期と、ロータリーシャッタ53の回転周期とを異ならせるようにモータ54の回転制御を行う。周期切替回路83の制御によりモータドライバ55の回転周期が、同期パルスが出力される周期より短く変更されると、図7に示す状態となり、照射期間と遮光期間とが同じ比率のまま、同期処理のときよりも照射期間及び遮光期間がそれぞれ短くなる。これによって、電荷蓄積期間内の何処かのタイミングでロータリーシャッタ53が照射状態となり被検体に光が照射されるため、画像を観察することが可能となる。このとき、電荷蓄積期間内における光量にバラツキがあり、モニタ21に表示される画像がフリッカー状態となるものの、画像の観察を妨げるほどではない。なお、周期切替回路83が作動したとき、同期パルスの周期と同期していたときのモータ54の回転周期に対して、85%〜99%及び101%〜115%の範囲内にモータ54の回転周期を変更させることが好ましく、さらに約95%または約105%の範囲内にモータ54の回転周期を変更させることが好ましい。これによって、画像のフリッカー状態を少なくすることが可能となる。
【0049】
このように、位置検出器56からの出力が無くなり同期処理が不可能な状態になっても、同期パルスが出力される周期とロータリーシャッタ53の回転周期とを異ならせるようにモータ54の回転制御を行うことで、図7に示す画像観察可能な状態へ復帰することができる。
【0050】
停止スイッチ84は、同期パルスドライバ44からの同期パルスの出力を検出しており、同期パルスの出力が有る場合はオフ状態(未接続)で、出力が無くなった場合にオン状態(接続)となる機能を有する。
【0051】
上記構成の作用について図8に示すフローチャートを用いて説明する。各装置80、12の電源がオン(st1)となったとき、光源51が発光、ロータリーシャッタ53が回転し、さらに、位置検出器56及び故障検出回路62が作動を開始する(st2)。
【0052】
回転制御回路67は、回転停止信号の有無を判断し(st3)、回転停止信号が検出されず、且つ位置検出器56の出力を監視している故障検出回路62からの故障検出信号が検出されない場合(st4)、同期処理回路61に応じたモータタイミングパルスを生成しモータドライバ55に出力する(st5)。モータドライバ55は、モータタイミングパルスが入力されると駆動パルスを生成し、モータ54とカウンタ63に対し駆動パルスを出力する。
【0053】
位置検出器56からの出力が無くなった場合、故障検出回路62が故障検出信号を出力すると(st4)、周期切替回路83が作動して、同期パルスドライバ44から出力される同期パルスの周期と、ロータリーシャッタ53の回転周期とを異ならせるように回転制御を行う制御信号を回転制御回路67に送る(st6)。
【0054】
一方、カウンタ53は、駆動パルスが1回出力される毎に、カウントを1つ加算し(st7)、位置検出信号が検出されたとき(st8)一回転と判断してカウンタ63をリセットする(st9)。位置検出信号でカウンタ63をリセットすることにより、ロータリーシャッター53の実際の回転とカウンタ63の値を一致させることが可能となる。
【0055】
そして、同期処理回路61及び停止スイッチ84への同期パルスの入力がある場合(st10)は、同期処理、又は周期変更が行われた状態でモニタ21の画像を観察することが可能であり、内視鏡を容易に抜去するとことができる。そして、電源がオフされて(st11)検査が終了する。一方、同期パルスドライバ44が故障して、同期処理回路61及び停止スイッチ84への同期パルスの入力がなくなった場合(st10)、同期処理回路61は同期パルスの入力が無くなる直前の状態を維持し、停止スイッチ84はオン状態となる(st12)。停止スイッチ84がオン状態になると、比較回路65が比較値格納部64から、予め選択された停止位置に応じた比較値を読み出し、この比較値とカウンタ出力値とを比較する(st13)。そして、比較値と異なっているときは、電源オン/オフの選択(st11)を経由して回転停止信号の有無を判断する処理(st3)に戻る。このとき、回転停止信号が検出されず、且つ故障検出信号が検出されている(st4)ので回転制御回路67は周期切替回路83からの制御信号に合わせて(st6)モータタイミングパルスを生成し、モータードライバ55に出力する。モータドライバ55は、モータタイミングパルスに応じて駆動パルスを生成し、モータ54とカウンタ63に対し駆動パルスを出力してモーター54を回転させるとともにカウンタ63のカウントを1つ加算する(st7)。このように、比較値とカウンタ出力値が異なっている間は、st3,st4,st6,st7,st8,(st9),st10,st12,st13,st11,st3の順番が繰り返され、モータ54の回転とカウンタ63のカウントの加算が繰り返される。モータ54の回転とカウンタ63のカウントの加算が進み比較値とカウンタ出力値が一致すると(st13)、比較回路65は回転停止信号を出力する(st14)。この回転停止信号を回転制御回路67が検出し(st3)、回転制御回路67によるモータタイミングパルスの生成または出力が停止するため、モータードライバ55による駆動パルスが停止してモータ54が停止する。これによって、ロータリーシャッタ53が所定の位置で停止して(st15)電源がオフされる(st11)。
【0056】
上記実施形態においては、位置検出器からの出力または同期パルスが無くなったとき、自動的に停止動作を開始する構成としているが、本発明はこれに限らず、位置検出器からの出力または同期パルスが無くなったとき、選択スイッチ58を操作することによって、ロータリーシャッタ53を停止させるタイミングを外部から入力する構成としてもよい。この場合、使用者の任意のタイミングで選択スイッチ58を操作すると、停止スイッチ66,84がオン状態となり、選択された停止位置にロータリーシャッタ53が到達して停止する。
【0057】
なお、上記実施形態においては、パルスモータを駆動させるための駆動パルスを用いて、ロータリーシャッタ53の停止位置に応じたカウンタ出力値をカウントしているが、本発明はこれに限るものではなく、ロータリーシャッタ53またはモータ54の回転軸が所定角度回転するごとに信号が出力される構成であればどのようなものでもよく、例えば、ロータリーシャッタ53またはモータ54の回転を検出するロータリエンコーダを別に設ける構成でもよく、また、上記実施形態で用いた位置検出部を所定角度間隔ごとに設け、これらから出力される位置検出信号をカウントするようにしてもよい。
【0058】
なお、上記実施形態においては、体腔内撮影用のCCD33を備えた電子内視鏡を例示しているが、これに限らず、撮影用の固体撮像素子としてCMOSを備えた電子内視鏡に適用してもよく、また電子内視鏡に限らず、超音波内視鏡にも適用することができる。あるいは、生体観察用ではなく、工業用の内視鏡にも適用することができる。この場合、内視鏡の挿入部を抜去するとき、内視鏡自体が破損することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】電子内視鏡システムの構成を示す図である。
【図2】電子内視鏡及び光源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ロータリーシャッタ、光源及び位置検出器の位置関係を示す説明図である。
【図4】通常モード時の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図5】光源装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態を適用した光源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】周期変更モード時の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図8】第2実施形態を適用した光源装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
2 電子内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 プロセッサ装置
12 光源装置
21 モニタ
33 固体撮像素子
39 光ファイバー
41 CCDドライバ
42 タイミングジェネレータ
50 CPU
51 光源
53 ロータリーシャッタ
54 モータ
57 コントローラ
61 同期処理回路
62 故障検出回路
63 カウンタ
64 比較値格納部
65 比較回路
66,84 停止スイッチ
67 回転制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内を撮像する固体撮像素子を有する内視鏡の光源装置であって、
前記被検体内を照明する照明光の光路上に回転可能に取り付けられ、前記照明光を通過させる照明期間、および前記照明光を遮光する遮光期間を一定周期で交互に設けるためのロータリーシャッタと、
前記ロータリーシャッタの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段からの検出信号に基づいて、前記ロータリーシャッタの回転周期を、前記固体撮像素子の蓄積電荷の読み出しタイミングを規定する読み出しパルスの周期に同期させた同期パルスに同期させ、前記照明期間が前記固体撮像素子の電荷蓄積期間に一致するように、前記ロータリーシャッタの回転を制御する制御手段と、
前記ロータリーシャッタの回転量を測定する回転量測定手段と、
前記回転量と前記回転位置の対応関係を表す対応情報を記憶する記憶手段と、
前記位置検出手段の故障、または前記同期パルスを伝達する同期パルス伝達手段の故障のうち、少なくともいずれか一つの故障を検出する故障検出手段とを備え、
前記故障検出手段で故障検出された場合、前記制御手段は、前記対応情報および前記回転量測定手段の測定値に基づいて、予め設定された停止位置に前記ロータリーシャッタを停止させることを特徴とする内視鏡の光源装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記停止位置に相当する前記対応情報の前記回転量、または前記回転量の範囲と、前記測定値とを比較する比較器を有し、
前記故障検出手段で故障検出された場合、前記比較器の比較結果を元に、前記停止位置に相当する前記対応情報の前記回転量、または前記回転量の範囲と前記測定値とが一致する前記回転位置に、前記ロータリーシャッタを停止させることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の光源装置。
【請求項3】
前記停止位置は、前記照明期間、前記遮光期間、またはこれらの期間の中間にあたる位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡の光源装置。
【請求項4】
前記内視鏡のスペック、前記照明光を発する光源のスペック、または操作入力のうち、少なくともいずれか一つに応じて、前記停止位置の設定を変更する設定変更手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡の光源装置。
【請求項5】
前記回転量測定手段は、前記回転位置に応じて割り振られた数値をカウントすることで、前記回転量を測定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡の光源装置。
【請求項6】
前記回転量測定手段は、前記測定値を一定のタイミングで初期値にリセットすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡の光源装置。
【請求項7】
前記一定のタイミングは、前記ロータリーシャッタが一回転する毎であることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡の光源装置。
【請求項8】
前記故障検出手段で前記位置検出手段の故障が検出され、前記同期パルス伝達手段の故障が検出されていない場合、前記制御手段は、前記ロータリーシャッタの回転周期を前記同期パルスの周期と異ならせることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡の光源装置。
【請求項9】
前記故障検出手段は、前記検出信号が正常に出力されているか否かを監視することで、前記位置検出手段の故障を検出することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡の光源装置。
【請求項10】
前記故障検出手段は、前記同期パルス信号が正常に出力されているか否かを監視することで、前記同期パルス伝達手段の故障を検出することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡の光源装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の内視鏡の光源装置と、この光源装置に接続される内視鏡とを備えることを特徴とする内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−165711(P2009−165711A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8480(P2008−8480)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】