説明

内部目標物の自動相関モデリング

患者内の目標物の動きの相関モデルを生成するときに、撮像システムによる画像収集のタイミングを自動的に制御する方法および装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線処置に関し、特に、放射線処置において目標物の動きを追跡することに関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍および病変などの病理解剖学的構造は、手術などの侵襲的手技によって処置されうるが、患者にとっては有害でありかつリスクに満ちている可能性がある。病理解剖学的構造(たとえば、腫瘍、病変、血管奇形、神経障害など)を処置するための無侵襲的方法は、外部ビーム放射線治療である。1つのタイプの外部ビーム放射線治療では、外部放射線源が使用されて、腫瘍がビームの回転中心(アイソセンタ)にあるように患者を位置決めした状態で、複数の角度から腫瘍部位にX線(X-ray)ビームが当てられる。放射線源の角度が変化するため、全てのビームは、腫瘍部位を通過するが、腫瘍へ行く途中で異なるエリアの健康組織を通過する。結果として、腫瘍における累積放射線線量は高く、健康組織に対する平均放射線線量は低い。
【0003】
用語「放射線治療(radiotherapy)」は、放射線が、壊死目的ではなく、治療のために目標物に適用される手技を指す。放射線治療処置セッションは、通常、放射線手術セッションで使用される量と比較すると、ほぼ1桁小さい。放射線治療は、通常、1処置当たりの線量の低さ(たとえば、100〜200センチグレイ(cGy))、短い処置時間(たとえば、1処置当たり10〜30分)、および多分割放射線療法(たとえば、30〜45日の処置)を特徴とする。便宜上、用語「放射線処置(radiation treatment)」は、別途注記しない限り、放射線手術および/または放射線治療を意味するために本明細書で使用される。
【0004】
多くの医療用途において、人の解剖学的構造内の可動目標物の動きを正確に追跡することが有用である。たとえば、放射線手術では、処置中の呼吸および他の患者の動きのために、目標物の動きを正確に位置特定し追跡することが有用である。従来の方法およびシステムは、患者の呼吸および/または他の動きを測定し、かつ/または、補償しながら、内部目標物に関する目標物処置(たとえば、放射線手術処置)の追跡を実施するために開発されてきた。たとえば、本出願の譲受人によって共通に所有される米国特許第6,144,875号および米国特許第6,501,981号は、こうした従来システムを記載する。Accuray, Inc.(カルフォルニア州サニーベール(Sunnyvale, California)所在)によって開発されたSYNCHRONY(登録商標)システムは、上記用途で述べる方法およびシステムを実施しうる。
【0005】
これらの従来の方法およびシステムは、相関モデルにおいて内部器官の動きを呼吸と相関付ける。相関モデルは、外部マーカの外側での動きをX線撮像によって取得される内部腫瘍ロケーションにマッピングすることを含む。処置の前に相関モデルをセットアップするときに、これらの従来の方法およびシステムは、患者の呼吸サイクルを通してX線画像を取得する。しかし、これらの従来の方法およびシステムは、画像を収集するように撮像システムを手動でトリガーするオペレータに依存する。オペレータが相関モデルについて呼吸サイクルの均等に分布したモデル点を手動で収集することは課題であった。画像を手動でトリガーすることは、患者の呼吸サイクルのモデル点の一貫性がない分布をもたらす。均等に分布したモデル点を有する相関モデルは、外部マーカの外側での動きを内部腫瘍ロケーションにマッピングする、より現実的なモデルを提供する。したがって、従来の方法およびシステムを使用して、画像を収集するように撮像システムを手動でいつトリガーすべきかを推測するオペレータの能力に依存する初期相関モデルの品質は、均等に分布したモデル点を有する相関モデルの品質ほどにはよくない。
【0006】
1つの従来の方法では、オペレータは、撮像タイミングパターンを見出すために、ディスプレイなどで、外部マーカの動きおよび画像履歴を手動で注視して、外部マーカの動きおよび画像履歴に基づいて次の画像を取込むためにボタンをクリックする。オペレータは、その後、画像が呼吸サイクルの所望のロケーションで収集されたかどうかを判断するために結果を待つ。ある事例では、モデル点の不均等な分布を克服するために、オペレータは、所望のロケーションでモデル点(たとえば、画像)を得るためにさらなる画像を収集し、不必要な撮像の発生の増加をもたらす。さらに、従来の方法およびシステムでは、画像を収集するように撮像システムをオペレータが手動でトリガーするときと、撮像システムが画像を実際に収集するときとの間にかなりの遅延が存在する可能性がある。この遅延は、呼吸サイクルにおいて、呼吸サイクルの所望のロケーションで画像を収集するように撮像システムをオペレータが手動でトリガーすべきときを確定するための手動のタイミングプロセスを複雑にする。
【0007】
本発明は、添付図面の図において、制限としてではなく、例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】処置追跡環境の断面図である。
【図2】呼吸期間中に内部目標物の動きの例示的な2次元経路のグラフ表現である。
【図3】時間の関数としての、呼吸期間中に内部目標物の動きの例示的な経路のグラフ表現である。
【図4】図2に示す動きの経路に関連するデータ点の例示的なセットのグラフ表現である。
【図5】図3に示す動きの経路に関連するデータ点の例示的なセットのグラフ表現である。
【図6】それぞれが呼吸サイクルの位相を表す、複数のロケーションにおいて複数のモデル点を含む呼吸サイクルを表す例示的な波形の一実施形態を示す図である。
【図7A】画像収集のタイミングを手動で制御することによって、画像の収集を手動でトリガーするフローチャートである。
【図7B】画像収集のタイミングを自動的に制御することによって、画像の収集を自動的にトリガーする一実施形態のフローチャートである。
【図8A】図7Aの方法を使用する呼吸サイクルの例示的なモデル点を示す図である。
【図8B】図7Bの方法を使用する呼吸サイクルの所望のロケーションに複数のモデル点を有する例示的な波形の一実施形態を示す図である。
【図9】自動モデリングのための目標物位置特定システムの一実施形態のブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態によるクライアント−サーバ環境における自動モデリングのためのクライアント上の別個の処理スレッドを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による呼吸サイクルの指定された位相で画像収集を自動的にトリガーするウィンドウを示す図である。
【図12】あるウィンドウ中に呼吸サイクルの指定された時間に画像収集を自動的にトリガーする2つの実施形態を示す図である。
【図13】画像収集のための指定される時間を確定する一実施形態を示す図である。
【図14】モデリング方法の一実施形態を示す図である。
【図15】追跡方法の一実施形態を示す図である。
【図16】本発明の実施形態が実施されてもよい放射線処置を実施するのに使用されてもよい処置システムの一実施形態を示す図である。
【図17】処置送出システムの一実施形態を示す概略的なブロック図である。
【図18】放射線処置プロセスの3次元斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、特定のシステム、コンポーネント、方法などのような多数の特定の詳細を述べて、本発明のいくつかの実施形態のよりよい理解を提供する。しかし、本発明の少なくとも一部の実施形態が、これらの特定の詳細無しで実施されてもよいことが当業者に明らかになるであろう。他の事例では、よく知られているコンポーネントまたは方法は、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に説明されないか、または、簡単なブロック図形式で提示される。そのため、述べる特定の詳細は例示に過ぎない。特定の実施態様は、これらの例示的な詳細から変動してもよく、それでも、本発明の精神および範囲内にあると考えられてもよい。
【0010】
本発明の実施形態は、以下で述べることになる種々のオペレーションを含む。これらのオペレーションは、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組合せによって実施されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態は、機械読取り可能媒体上に記憶された命令を含んでもよいコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。これらの命令は、述べたオペレーションを実施するように汎用または専用プロセッサをプログラムするのに使用されてもよい。機械読取り可能媒体は、機械(たとえば、コンピュータ)によって読取り可能な形態(たとえば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するかまたは送信する任意の機構を含む。機械読取り可能媒体は、磁気記憶媒体(たとえば、フロッピディスケット)、光記憶デバイス(たとえばCD−ROM)、光磁気記憶媒体、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(たとえば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、電気、光、音響、または他の形態の伝播信号(たとえば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、あるいは、電子命令を記憶するための別のタイプの媒体を含んでもよいが、それに限定されない。
【0012】
さらに、一部の実施形態は、分散コンピューティング環境で実施されてもよく、機械読取り可能媒体は、2つ以上のコンピュータシステム上に保管される、かつ/または、それによって実行される。さらに、コンピュータシステム間で転送される情報は、遠隔診断または監視システムなどにおいて、コンピュータシステムを接続する通信媒体にわたってプルされるかまたはプッシュされてもよい。遠隔診断または監視では、ユーザは、ユーザと患者との間に物理的分離が存在しても患者を診断するかまたは監視してもよい。さらに、処置送出システムは、処置計画システムから遠隔にあってもよい。
【0013】
患者の周期的サイクル、たとえば、呼吸サイクル、心拍サイクルまたは同様なものの所望の時間に撮像を自動的にトリガーする方法およびシステムの実施形態。上述したように、患者内の目標物は、呼吸の動き、心臓の動き、または他の患者の動きによって動く可能性がある。これらの患者の動きは、本質的に周期的である可能性がある。これらの動きの周期的サイクルは、患者に関連する内部または外部マーカを追跡する追跡センサ、心拍モニタ、または同様なものなどの外部センサによって測定されうる。外部センサによって測定された以前の周期的サイクルの履歴データが使用されて、相関モデルを生成するための均等に分布する画像のセットを生成するために、1つまたは複数の後続のサイクルにおいて画像をいつ自動的に収集すべきかが予測されうる。相関モデルが使用されて、処置中に内部目標物の動きが追跡されてもよい。
【0014】
上述したように、手動トリガーを使用すると、X線撮像の結果はランダムに起こる、すなわち、ユーザは収集ボタンをランダムにクリックし、ユーザが収集ボタンをクリックするときと、画像が取得されるときとの間にランダムなシステム遅延が存在する。本明細書で述べる自動トリガーの実施形態を使用すると、X線撮像の結果は、目下のLED信号(たとえば、外部マーカの動きを表す)によって制御され、LEDが所望のトリガー用ロケーションに動くと、トリガーイベントが起こり、画像は、所望のトリガー用ロケーションで収集される。本明細書で述べる実施形態は、周期的サイクルの指定された時間にリアルタイムに撮像を自動的にトリガーするための新しい通信チャネルを提供する。本明細書で述べる実施形態はまた、自動モデリングのために呼吸サイクルにおける所望の時間を計算するための新しいアルゴリズムを提供する。本明細書で述べる実施形態はまた、呼吸サイクル中の目標物の実質的に均等に分布する画像(たとえば、モデル点)によって自動モデリングをユーザが達成するのに役立つユーザインタフェースを提供してもよい。本明細書で述べる実施形態は、目標物の動きを追跡するための、目標物の動きの自動モデリングを達成するためにユーザ相互作用を最小にした機構を提供することを対象とする。本明細書で述べる実施形態は、以前から存在するアーキテクチャに及ぼす影響を最小にして既に存在する目標物位置特定システムにおいて、または別法として、新しく開発される目標物位置特定システムにおいて実施されてもよい。
【0015】
上述したように、相関モデルは、内部器官の動きを呼吸と相関付けるために生成される。相関モデルは、1つまたは複数の外部マーカを、リアルタイムX線撮像によって取得される内部目標物位置(たとえば、腫瘍ロケーション)にマッピングすることを含む。しかし、本明細書で述べる実施形態は、モデル点を追加するために各X線画像の収集を手動でトリガーすることによって相関モデルを手動で生成せず、また、次のモデル点の周期的サイクルを表す呼吸波形における所望のロケーションのモデル点を収集するためにX線画像収集のタイミングを手動で制御しない。代わりに、一部の実施形態では、相関モデルは、次のモデル点の周期的サイクルを表す呼吸波形における所望のロケーションのモデル点を収集するためにX線画像収集のタイミングを自動的に制御することによって、モデル点を追加するために各X線画像の収集を自動的にトリガーすることによって自動的に生成される。一実施形態では、方法およびシステムは、次のX線画像のタイミングと呼吸波形のモデル点のロケーション(たとえば、呼吸サイクルの位相)の両方を制御する。別の実施形態では、オペレータは、呼吸波形のモデル点の所望のロケーション(たとえば、呼吸サイクルの位相)を指定し、方法およびシステムは、その所望のロケーションのモデル点を収集するために次のX線画像のタイミングを制御する。以下で述べる実施形態の一部は、呼吸波形(たとえば、呼吸サイクル)のモデル点について画像を自動的に収集するタイミングを制御することを対象とするが、他の実施形態では、自動画像収集は、患者の心拍サイクルなどの他のタイプの波形または患者の他の周期的動きの他の波形について実施されうる。
【0016】
一実施形態では、方法およびシステムは、処置の前に患者の内部目標物の処置前画像を自動的に収集すること、および、処置前画像を使用して、外部マーカの動きを目標物の目標物ロケーションにマッピングする相関モデルを生成することを述べる。一実施形態では、方法およびシステムは、内部器官などの目標物の動き(複数可)と患者の呼吸(または、心拍などの他の動き)との間の相関を特定するために提示される。これらの動きは、直線的動き、非直線的動き、および非対称的動きを含んでもよい。一実施形態では、方法およびシステムは、吸気および呼気中に異なる経路に沿ってそれぞれ動く目標物の動き経路をモデル化することを容易にしてもよい。処置前画像を自動的にトリガーする一実施形態は、患者の周期的サイクルを自動的に確定すること、処置前画像を収集すべき周期的サイクルの指定された時間を自動的に確定すること、指定された時間に処置前画像を収集するためのコマンドを撮像システムに自動的に送出することを含む。
【0017】
一実施形態では、相関モデルを生成することは、患者に関連する外部マーカの所定期間にわたる位置を表すデータ点を収集することを含む。一実施形態では、外部マーカは、患者の呼吸サイクル中の外部マーカの動きの外部経路を規定する。データ点は処置前画像に相当する。方法およびシステムは、データ点および処置前画像に基づいて目標物の動きの経路を特定し、目標物の動きの経路を使用して相関モデルを生成する。
【0018】
方法およびシステムは、1つまたは複数の相関モデルを生成するために、呼吸または内部対象物の位置、速度、および/または方向を考慮してもよい。方法およびシステムはまた、目標物の位置がそれについてわかっている時間的なデータ点を使用してもよい。呼吸は、目標物の位置の監視と平行して監視されてもよい。位置および呼吸の速度/方向に関する情報は、関心のある時間に取得されてもよい。一旦確立されると、相関モデルは、呼吸監視システムと共に使用されて、器官、領域、病変、腫瘍などのような目標物の内部での動きが位置特定され、追跡されてもよい。
【0019】
図1は、処置追跡環境の断面図を示す。処置追跡環境は、患者内の内部目標物10、直線加速器(linear accelerator)(LINAC)20、および外部マーカ25の対応する動きを示す。示す処置追跡環境は、たとえば患者胸部領域、または、内部器官が患者の呼吸サイクル中に動く可能性がある患者の別の領域を表す。一般に、患者の呼吸サイクルは、吸気間隔と呼気間隔によって記述されることになるが、呼吸サイクルを記述するのに他の命名および/または叙述が使用されてもよい。
【0020】
一実施形態では、LINAC20は、1次元または多次元で動き、放射線ビーム12を目標物10に送出するように、自分自身を位置決めし、向きを調節する。実質的に平行な放射線ビーム12が述べられるが、LINAC20は、患者の周りを多次元で動いて、いくつかの異なるロケーションおよび角度から放射線ビーム12を投影する。LINAC20は、たとえば患者が呼吸するにつれて、目標物10の動きを追跡する。1つまたは複数の外部マーカ25は、患者の呼吸サイクルを監視するために、患者の外部30に固定されるか、または、その他の方法で配設される。一実施形態では、外部マーカ25は、光源(たとえば、発光ダイオード(LED))などのデバイスまたは患者が装着するベストに取付けられる金属ボタンであってよい。あるいは、外部マーカ25は、別の方法で患者の衣服または皮膚に取付けられてもよい。
【0021】
患者が呼吸するにつれて、追跡センサ32が外部マーカ25のロケーションを追跡する。たとえば、追跡センサは、吸気間隔中に外部マーカ25の上方への動きを、また、呼気間隔中に外部マーカ25の下方への動きを追跡してもよい。外部マーカ25の相対的な位置は、以下に述べるように、目標物10のロケーションと相関付けられてもよいため、LINAC20は、外部マーカ25のロケーションおよび目標物10の相関付けられたロケーションに対して動いてもよい。別の実施形態では、ここに示す外部マーカ25の代わりに、または、それに加えて、他のタイプの外部または内部マーカが使用されてもよい。
【0022】
一例では、ここに示す目標物10は、D0、D3、D5、およびD7として示される4つの位置で示される。第1位置D0は、吸気間隔のほぼ始めに相当してもよい。第2位置D3は、吸気間隔中のある時間に相当してもよい。第3位置D5は、ほぼ吸気間隔の終わりでかつ呼気間隔の始めに相当してもよい。第4位置D7は、呼気間隔中のある時間に相当してもよい。動きの経路上の目標物10のさらなる位置は、グラフで示され、以下の図を参照してより詳細に述べられる。患者が呼吸するにつれて、目標物10は、患者の身体内の経路に沿って動いてもよい。一実施形態では、目標物10の経路は、目標物10が吸気間隔および呼気間隔中に異なる経路に沿って移動するという意味で非対称性である。別の実施形態では、目標物10の経路は、少なくとも部分的に非直線である。目標物10の経路は、目標物10のサイズおよび形状、目標物10を囲む器官および組織、患者の呼吸の深さまたは浅さなどによって影響を受ける可能性がある。
【0023】
同様に、外部マーカ25は、目標物10の位置に相当する、第1位置D0、第2位置D3、第3位置D5、および第4位置D7で示される。外部マーカ25の位置を目標物10と相関付けることによって、外部マーカ25が目標物10の経路および方向と実質的に異なる経路に沿ってまたは実質的に異なる方向に動いても、目標物10の位置は、外部マーカ25の位置から導出される可能性がある。LINAC20はまた、同様に目標物10の位置に相当する、第1位置D0、第2位置D3、第3位置D5、および第4位置D7で示される。こうして、目標物10の位置が外部マーカ25の検知される位置と相関付けられるため、LINAC20の動きは、目標物10の動きと実質的に同期する可能性がある。
【0024】
図2は、吸気期間中の内部目標物10の動きの例示的な2次元経路のグラフ表現35である。水平軸は、第1次元(x)における目標物10の変位(たとえば、ミリメートル単位)を表す。垂直軸は、第2次元(z)における目標物10の変位(たとえば、ミリメートル単位)を表す。目標物10は、同様に、第3次元(y)において動く。グラフ35に示すように、目標物10の動きの経路は非直線である。さらに、動きの経路は、吸気期間中と呼気期間中で異なる。ある例として、吸気経路は、x方向に、ゼロと25との間のグラフ35の上側部分に相当してもよく、ゼロは、開始参照位置D0であり、25は、吸気と呼気との間の瞬間における最大変位位置D5である。対応する呼気期間は、D5とD0との間のグラ35の下側部分であってよい。ここに示す実施形態では、変位位置D3は、ほぼD0とD5との間の吸気経路上にある。同様に、変位位置D7は、ほぼD5とD0との間の呼気経路上にある。これらの変位点は、図4のさらなる変位点と共に示される。
【0025】
図3は、時間の関数としての、吸気期間中の内部目標物10の動きの例示的な経路のグラフ表現40である。グラフ40は、x方向(点線)およびz方向(実線)における所定期間(たとえば、秒単位)にわたる目標物10の変位(たとえば、ミリメートル単位)を示す。グラフ40はまた、吸気期間(点線)を特定するために、たとえば外部マーカ10の変位(たとえば、秒単位)を示す。ここに示す実施形態では、外部マーカ25は、x方向の目標物10(約25mm)またはz方向の目標物10(約8mm)に比べて大きく、最大に変位する(約30mm)。しかし、種々の方向の目標物10の最大変位は、呼吸サイクルに関連する外部マーカ25の最大変位に必ずしも揃わない(align)。さらに、1つの方向の目標物10の最大変位は、別の方向の最大変位に必ずしも揃わない。たとえば、外部マーカ25の最大変位は、約1.75秒で起こり、一方、x方向およびz方向の内部器官10の最大変位は、それぞれ、約2.0秒および1.5秒で起こる可能性がある。これらのミスアライメントは、吸気経路と呼気経路の両方に存在する可能性がある。
【0026】
図4は、図2に示す動きの経路に関連するデータ点D0〜D9の例示的なセットのグラフ表現45である。特に、データ点D0〜D9は、目標物10の動きの経路上に重ね合わされている。データ点D0〜D9は、吸気期間中の種々の時点に相当する。ここに示す実施形態では、1つのデータ点D0は、吸気間隔の前の目標物10の初期参照ロケーションを示す。4つのデータ点D1〜D4は、吸気間隔中の目標物10の動きを示す。データ点D5は、吸気間隔と呼気間隔との間の動きを示す。データ点D6〜D9は、呼気間隔中の目標物10の動きを示す。以下の表は、データ点D0〜D9のそれぞれについてのおよその座標を提供する。同様な座標は、別の方向における、外部マーカ25の変位または目標物10の変位に提供されてもよい。
表1.データ点座標
データ点 (x,z)(mm)
0 (0,1)
1 (2,3)
2 (8,5)
3 (14,7)
4 (24,8)
5 (25,7)
6 (23,5)
7 (16,2)
8 (8,0)
9 (1,0)
【0027】
図5は、図3に示す動きの経路に関連するデータ点D0〜D9の例示的なセットのグラフ表現50である。データ点D0〜D9は、目標物10および外部マーカ25の動きの経路上に重ね合わされた垂直線で表される。以下の表は、データ点D0〜D9のそれぞれに相当するおよその時間ならびに外部マーカ25についてのおよその変位値rを提供する。
表2.データ点時間
データ点 時間(秒) r(mm)
0 0.0 1
1 0.4 6
2 0.8 16
3 1.1 22
4 17 30
5 2.4 28
6 2.8 23
7 3.2 14
8 3.7 5
9 4.0 0
【0028】
図6は、それぞれが呼吸サイクルの位相を表す、複数のロケーションにおいて複数のモデル点を含む呼吸サイクルを表す例示的な波形の一実施形態を示す。呼吸サイクル波形は、所望のロケーション601における8つのモデル点を含む。8つのモデル点はそれぞれ、呼吸サイクル600の異なる位相を表す。線より上のモデル点は、吸気または呼気を表し、線より下のモデル点は、線より上のモデル点の反対物を表す。最大モデル点と最小モデル点との間の距離が、呼吸サイクルの振幅を表すことが留意されるべきである。一実施形態では、所望のロケーション601は、オペレータによって選択され、システムは、所望の時間602における画像の収集を自動的にトリガーして、所望のロケーション601におけるモデル点のそれぞれについての画像を取得する。たとえば、オペレータは、4つの所望のロケーション601(0)、601(2)、601(4)、および601(6)を指定してもよく、それに応じて、システムは、所望のロケーション601(0)、601(2)、601(4)、および601(6)のモデル点について、時間602(0)、602(2)、602(4)、および602(6)に画像を収集することを確定する。別の実施形態では、所望のロケーション601は、システムによって自動的に選択され、システムは、所望の時間に画像の収集を自動的にトリガーする。これらの実施形態では、システムは、所望の時間に画像の収集を自動的にトリガーすることによって、呼吸サイクル600においてモデル点の最適分布を達成しようと試みる。
【0029】
図6に関して、8つのモデル点が示され、述べられるが、他の実施形態では、8つより多いかまたは少ないモデル点が使用されてもよく、たとえば、一実施形態では、相関モデルを生成するのに、3つのモデル点が使用されてもよいことが留意されるべきである。
【0030】
モデル点は、X線画像が指定された時間に収集される呼吸サイクル600の異なる位相を表す。モデル点のそれぞれについての画像は、必ずしも同じ呼吸サイクルにおいて収集されないが、呼吸サイクル600のモデル点は、画像が収集されるべき呼吸サイクルの所望のロケーションにおける異なる位相を表すことが留意されるべきである。同様に、指定された時間602は、画像が収集されるべき呼吸サイクルの時間であって、1つまたは複数の異なる呼吸サイクル内にあってよい、呼吸サイクルの時間を表す。たとえば、所望のロケーション601(0)における第1モデル点は、時間602(0)の第1呼吸サイクル中に収集されてもよく、所望のロケーション601(1)における第2モデル点は、時間602(1)の第2呼吸サイクル中に収集されてもよい。
【0031】
一実施形態では、オペレータは、ユーザインタフェース内の「Acquire」ボタンなどのボタンをクリックし、システムは、X線画像収集のタイミングを自動的に制御して、所望のロケーションにおけるモデル点を追加する。モデル点は、システムによって自動的に選択される。別の実施形態では、オペレータは、モデル点をクリックすることによって、呼吸サイクル600上の所望のロケーションを選択し、ユーザインタフェース内のボタン(たとえば、「Acquire」ボタン)をクリックし、システムは、X線画像収集のタイミングを自動的に制御して、ユーザによって選択された所望のロケーションにおけるモデル点を追加する。別の実施形態では、ユーザインタフェースは、呼吸サイクルにおいて画像が収集された視覚フィードバックを提供する。
【0032】
一実施形態では、呼吸サイクル600は、図1の追跡センサ32および外部マーカ25に関して述べたように、所定期間にわたる患者に関連する外部マーカの位置の複数のデータ点を使用して確定される。外部マーカの位置は、呼吸サイクルを規定するのに使用されてもよい、外部マーカの動きの外部経路を規定する。所望のロケーション601におけるモデル点は、波形上のデータ点に相当する。追跡センサ32を含む動き追跡システムは、1つまたは複数の外部マーカの動きを追跡し、1つまたは複数の外部マーカ25の位置を規定する。1つまたは複数の外部マーカの動きは、患者の呼吸サイクル600を規定するのに使用されてもよい。その後、呼吸サイクル600が使用されて、実質的に均等に分布するモデル点を有する相関モデルを生成するために、画像がそこで収集されるべきである所望のロケーション(たとえば、呼吸サイクルの異なる位相)が確定されうる。所望のロケーションにおけるデータ点および画像(たとえば、モデル点)を使用して、患者内の目標物の動きの経路が特定され、目標物の動きの経路に基づいて相関モデルが生成される。相関モデルを生成するために、種々のタイプの曲線あてはめ近似が使用されてもよい。一実施形態では、相関モデルは、本出願の譲受人によって共通に所有される、共に2005年9月29日に出願された出願第11/239,789号および第11/240,593号に記載されるように、目標物の動きの経路についての多項式近似を使用して生成される。一実施形態では、多項式近似は2次多項式である。あるいは、相関モデルを生成するために、他のタイプの近似が使用されてもよい。
【0033】
一実施形態では、相関モデルは線形相関モデルである。この実施形態では、2つのモデル点が使用されて、線形相関モデルのための原点および主軸が確定される。直線状である目標物の動きは、このモデルタイプを使用する。別の実施形態では、相関モデルは曲線相関モデルである。曲線相関モデルは、目標物が弧に沿って前後に動く、すなわち、曲線の動きを有するときに使用される。通常、4つ以上のモデル点が使用されて、このタイプのモデルが確立される。別の実施形態では、相関モデルは、2重曲線相関モデルである。2重曲線相関モデルは、目標物が弧に沿って動くときに使用され、呼吸のために、たとえば、吸気中と呼気中に異なる経路を使用する。目標物の動きは、2つの曲線経路によって表されて、吸気中と呼気中に起こったモデル点が識別される。通常、7つ以上のモデル点が使用されて、このタイプのモデルが確立される。あるいは、相関モデルは、当業者に知られている他のタイプのモデルであってよい。モデルのタイプは、外部マーカのそれぞれの間で変動する可能性があることも留意されるべきである。
【0034】
一実施形態では、呼吸サイクル600の波形は、呼吸による1つまたは複数の外部マーカ(たとえば、マーカLED)の動きを表す。波形のピークおよび谷は、開始吸気/呼気および終了吸気/呼気などの、患者の呼吸サイクルの2つの端部を表す。1つまたは複数の外部マーカのそれぞれの動きに応じて、ピークは、1つの波形では最大限吸気に、別の波形では最大限呼気に相当してもよい。処置送出システム(撮像システムを含む)によって収集される各X線画像は、相関モデルにモデル点を追加する。正確でかつ頑健なモデルを生成するために、モデル点は、均等に分布し、呼吸の動きの全範囲をカバーすべきである。モデル点を均等に分布させるために、X線画像収集のタイミングは、1つまたは複数の外部マーカによって監視される呼吸の動きによって自動的に制御される。一実施形態では、3つの画像が収集されて、相関モデルが生成される。特に、2つの画像が使用されて、相関モデルが構築され、1つの画像が使用されて、生成された相関モデルが確認される。別の実施形態では、15の画像が、一度に収集され、モデルデータセットで記憶されて、相関モデルが生成される。あるいは、他の数の画像が使用されて、相関モデルが生成されてもよい。一実施形態では、追加の画像が収集されるにつれて、モデルデータが更新され、更新されたモデルデータセットが使用されて、相関モデルが更新されてもよい。一実施形態では、ファーストインファーストアウト(FIFO)手法が使用されて、データセットが更新される。あるいは、他のタイプの手法が使用されて、相関モデルが生成され更新される。
【0035】
一実施形態では、図6に示すように、8つの画像が、8つの指定された時間602に8つの異なるロケーション601で収集される。8つの画像を収集することは、目標物の動きが20ミリメートル(mm)を超えること、目標物の動きが本質的に複雑であると推測されること、目標物の動きが呼吸の動きと位相がずれていること、または同様なものなど、種々の状態であっても、相関モデルの精度を保証するために実施されてもよい。図6は、X線画像が、呼吸サイクル600を通して実質的に均等に分布するときを示す。たとえば、所望のロケーション601(2)および602(6)におけるモデル点(たとえば、X線画像)は、最大限吸気および最大限呼気において収集されたモデル点であり、所望のロケーション601(0)および601(4)におけるモデル点は、吸気および呼気の中間点において収集されたモデル点である。所望のロケーション601(1)、601(3)、601(5)、および601(7)における残りのモデル点は、呼吸サイクル600の最大限モデル点と中間点モデル点との間の中間の振幅で収集されたモデル点である。所望のロケーション601(0)〜601(7)におけるモデル点は、呼吸サイクル600にわたって実質的に均等に分布する。
【0036】
図7Aは、画像収集のタイミングを手動で制御することによって、画像の収集を手動でトリガーするフローチャートを示す。方法700は、呼吸サイクルの所望のロケーションについて画像を収集するタイミングを手動で制御するための種々のオペレーションを含む。撮像システムは、目標物位置特定システム(target location system)(TLS)から、撮像をトリガーするためのメッセージを受信する、オペレーション701。メッセージは、オペレータが画像を収集するためにユーザインタフェースのボタンをクリックすることなど、ユーザインタフェース上での操作に応答して撮像システムに送出されてもよい。撮像システムは、両方のイメージャを準備し、待つ、オペレーション702。方法700は、その後、両方のイメージャが準備できたかどうかを判定する、オペレーション703。両方のイメージャが準備できていない場合、方法700は、オペレーション702に戻る。両方のイメージャが準備できているとき、撮像システムは、時間スタンプを記録し、画像を収集するようにイメージャをトリガーする、オペレーション704。時間スタンプは、TLSに返送されてもよい。
【0037】
図7Bは、画像収集のタイミングを自動的に制御することによって、画像の収集を自動的にトリガーする一実施形態のフローチャートを示す。方法750は、呼吸サイクルの所望のロケーションについて画像を収集するタイミングを自動的に制御するための種々のオペレーションを含む。撮像システムは、TLSから、撮像をトリガーするためのメッセージを受信する、オペレーション751。上述したように、メッセージは、ユーザインタフェース上での操作に応答して撮像システムに送出されてもよい。しかし、オペレーション751と違って、撮像システムは、以下で述べるように、呼吸サイクルの指定された時間に基づく別個のトリガー信号(またはコマンド)が受信されるまで、画像を収集しない。撮像システムは、両方のイメージャを準備し、待つ、オペレーション752。方法750は、その後、両方のイメージャが準備できたかどうかを判定する、オペレーション753。両方のイメージャが準備できていない場合、方法750は、オペレーション752に戻る。両方のイメージャが準備できているとき、方法750は、トリガー信号(またはコマンド)を待ち、トリガー信号タイムアウトが起こったかどうかを判定する、オペレーション754。トリガー信号タイムアウトが起こった場合、方法750は、トリガー信号がTLSから来ているかどうかを判定する、オペレーション755。トリガー信号が受信されなかった場合、方法750オペレーションは、オペレーション754に戻って、トリガー信号タイムアウトがオペレーション754にて起こったかどうかを判定する。しかし、トリガー信号がオペレーション755にて受信された場合、撮像システムは、時間スタンプを記録し、画像を収集するようにイメージャをトリガーする、オペレーション756。時間スタンプは、TLSに返送されてもよい。しかし、トリガー信号タイムアウトがオペレーション754にて起こったと判定される場合、撮像システムは、時間スタンプを記録し、画像を収集するようにイメージャをトリガーする、オペレーション756。タイムアウトが起こると、イメージャは依然として画像を収集するが、収集は、指定された時間においてではないことになる。この実施形態では、トリガー信号(またはコマンド)は、TLSによって確定される所望の時間に、TLSと撮像システムとの間の通信チャネル上をリアルタイムに送出される。TLSは、自動モデリングのために画像を収集するための、呼吸サイクルの所望の時間を計算する。方法750は、ユーザ相互作用を最小にした状態で、相関モデルのための実質的に均等に分布するモデル点をユーザが収集するための自動機構を提供する。
【0038】
図8Aは、図7Aの方法を使用する呼吸サイクル800の例示的なモデル点を示す。呼吸サイクル800は、実際のロケーション801において複数のモデル点を含む。実際のロケーション801におけるモデル点は、手動タイミングプロセスを使用して画像が実際に収集された、呼吸サイクル800のロケーションを表す。画像収集のタイミングが手動で制御されるため、モデル点の分布は、呼吸サイクル800にわたって均等に分布しない。同様に、この例では、呼吸サイクルの指定された位相においてモデル点を取得しようと試みて、9以上のモデル点がモデルデータセットに追加され、不必要な撮像の発生の増加がもたらされることが留意されるべきである。同様に、画像収集のタイミングが手動で制御されるため、オペレータが撮像システムを手動でトリガーするときと、撮像システムが画像を実際に収集するときとの間の遅延は、図6に示すように、所望のロケーション601以外のロケーションにおけるモデル点の収集をもたらす。この遅延は、呼吸サイクルにおいて、オペレータが、画像を収集するように撮像システムを手動でいつトリガーすべきかを判定する推測プロセスを複雑にする。
【0039】
図8Bは、図7Bの方法を使用する呼吸サイクル850の所望のロケーションに複数のモデル点を有する例示的な波形の一実施形態を示す。呼吸サイクル850は、指定された時間852において実際のロケーション851に複数のモデル点を含む。実際のロケーション851のモデル点は、自動タイミングプロセスを使用して画像が実際に収集された、呼吸サイクル850のロケーションを表す。この実施形態では、実際のロケーション851のモデル点は、指定された時間852に収集される。たとえば、実際のロケーション851(0)〜851(7)のモデル点は、それぞれ、指定された時間852(0)〜852(7)に収集される。この実施形態では、モデル点の実際のロケーション851は、所望のロケーション601(図6に示す)に相当し、指定された時間852は、所望の時間602(図6に示す)に相当する。画像収集のタイミングが自動的に制御されるため、呼吸サイクル800のモデル点と違って、モデル点の分布は、呼吸サイクル850にわたって実質的に均等に分布する。同様に、この実施形態では、8つのモデル点だけがモデルデータセットに追加されており、8つの画像が指定された位相において指定された時間852で収集されたため、図8Aの例と違って、呼吸サイクルの指定された位相においてモデル点を取得するために、さらなる画像が必要とされないことが留意されるべきである。結果として、不必要な撮像の発生の増加は存在しない。同様に、画像収集のタイミングが自動的に制御されるため、オペレータが撮像システムをトリガーするときと、撮像システムが画像を実際に収集するときとの間の遅延は無関係になる。その理由は、システムが、呼吸サイクル850の所望のロケーションにおいて画像収集のタイミングを自動的に制御するからである。システムは、指定された時間における画像収集のタイミングを自動的に制御して、呼吸サイクル600の所望の時間602(図6に示す)において所望のロケーション601でモデル点を取得する。時間を自動的に制御することによって、システムは、呼吸サイクルにおいて、オペレータが、画像を収集するように撮像システムを手動でいつトリガーすべきかを判定するための、オペレータによる推測をなくしうる。
【0040】
図9は、自動モデリングのための目標物位置特定システム900の一実施形態のブロック図を示す。目標物位置特定システム900は、ユーザインタフェース901、処理デバイス902、データ記憶デバイス903、および動き追跡システム904を含む。ユーザインタフェース906、データ記憶デバイス903、および動き追跡システム904はそれぞれ、インタフェース906、907、および908によって処理デバイス902に結合される。目標物位置特定システム900は、インタフェース909によって撮像システム905に結合される。撮像システム905は、1つまたは複数の撮像用線源910、1つまたは複数の対応する撮像用検出器911、および画像コントローラ912を含む。撮像用線源910、撮像検出器911、および画像コントローラ912は、バスなどの通信チャネル(示さず)によって互いに結合される。
【0041】
ユーザインタフェース901は、情報を伝達し、処理デバイス902のためのコマンドを選択し、ディスプレイ上でのカーソル移動を制御するなどのために、図16に示すディスプレイ538などのディスプレイ、キーボード、マウス、トラックボール、または同様なデバイスなどの1つまたは複数の入力デバイスを含んでもよい。ユーザインタフェース901は、ユーザ相互作用を最小にした状態で、呼吸サイクル中の目標物の実質的に均等に分布する画像によって自動モデリングをユーザが達成するのに役立つよう構成される。一実施形態では、ユーザインタフェース901は、「Acquire」ボタンを含むグラフィカルユーザインタフェース(GUI)である。「Acquire」ボタンを選択すると、ユーザインタフェース901は、収集コマンドを処理デバイス902に送出する。処理デバイス902は、応答して、画像を収集する呼吸サイクルの位相を自動的に確定し、確定された指定時間に画像を収集するように撮像システム905を自動的にトリガーする。別の実施形態では、ユーザインタフェース901は、呼吸サイクルの位相(たとえば、ロケーション)を選択するために、複数の入力デバイス(たとえば、ラジオ入力ボタン)に呼吸サイクルの汎用グラフを有するウィンドウを提供する。汎用グラフは、図6の波形およびモデル点と同様に見える。応答して、処理デバイス902は、呼吸サイクルの指示された位相でモデル点(たとえば、画像)を自動的に収集する。これは、呼吸サイクルの他の位相について繰返されてもよい。別の実施形態では、ユーザインタフェース901は、1つまたは複数の外部マーカの位置データ、画像が収集された呼吸サイクルの実際のロケーション、または同様なものの視覚フィードバックを提供する。別の実施形態では、ユーザインタフェース901は、呼吸サイクルの実質的に均等に分布する位相で画像を自動的に収集し、自動的に収集された画像に基づいて相関モデルを自動的に生成するボタンを含む。あるいは、ユーザインタフェース901は、指定された時間に画像を自動的に収集するときにユーザが目標物位置特定システム900と相互作用することを可能にするために、上述したものより多いかまたは少ないユーザインタフェース機構を含んでもよい。
【0042】
一実施形態では、撮像用線源910は、撮像ビーム(たとえば、X線、超音波、無線周波数波など)を発生し、撮像用検出器911は、撮像ビームを検出し受取る。あるいは、撮像用検出器911は、2次撮像ビームまたは(たとえば、MRIまたはPETスキャンにおいて)撮像用線源からの撮像ビームによって励起された放出を検出し受取ってもよい。一実施形態では、画像診断システム510は、2つ以上の画像診断用線源910および2つ以上の対応する撮像用検出器911を含んでもよい。たとえば、2つのX線源910が、撮像される患者の周りに配設され、互いからある角度分離(たとえば、90°、45°など)で固定され、撮像用線源911と正反対にあってもよい、対応する撮像用検出器911に向かって患者を通して照準されてもよい。単一の大型撮像用検出器911または複数の撮像用検出器911もまた、各X線撮像用線源911によって照射されてもよい。あるいは、他の数のまた他の構成の撮像用線源910および撮像用検出器911が使用されてもよい。
【0043】
撮像用線源910および撮像用検出器911は、撮像システム905内で撮像動作を制御し、画像データを処理する画像コントローラ912に結合される。一実施形態では、処理デバイス516は、撮像用線源512および撮像用検出器514と通信する。処理デバイス516の実施形態は、1つまたは複数の汎用プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいは、コントローラまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの他のタイプのデバイスを含んでもよい。処理デバイス516はまた、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタ、および同様なものなどの他のコンポーネント(図示せず)を含んでもよい。一実施形態では、処理デバイス516は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)形式などの標準的な形式で画像(たとえば、診断画像および/または処置中画像)を生成する。他の実施形態では、処理デバイス516は、他の標準的なまたは非標準的なデジタル画像形式を生成してもよい。
【0044】
動き追跡システム904は、LINAC20(図9に示さず)の放射線源に対する目標物10の動きを追跡し補償するよう構成される。動き追跡システム904は、1つまたは複数の外部マーカ25のロケーションを追跡する1つまたは複数の追跡センサ32を含む。たとえば、追跡センサ32は、吸気間隔中に外部マーカ25の上方への動きを、また、呼気間隔中に外部マーカ25の下方への動きを追跡してもよい。外部マーカ25の相対的な位置は、目標物10のロケーションと相関付けられてもよいため、LINAC20は、外部マーカ25のロケーションおよび目標物10の相関付けられたロケーションに対して動いてもよい。別の実施形態では、ここに示す外部マーカ25の代わりに、または、それに加えて、他のタイプの外部または内部マーカが使用されてもよい。
【0045】
一例として、ここに示す目標物10は、図1に関して示し述べられるように、D0、D3、D5、およびD7として示す4つの位置で示される。患者が呼吸するにつれて、目標物10は、患者の身体内の経路に沿って動く可能性がある。一実施形態では、目標物10の経路は、目標物10が吸気間隔および呼気間隔中に異なる経路に沿って動くという意味で非対称性である。別の実施形態では、目標物10の経路は、少なくとも部分的に非直線である。目標物10の経路は、目標物10のサイズおよび形状、目標物10を囲む器官および組織、患者の呼吸の深さまたは浅さなどによって影響を受ける可能性がある。外部マーカ25の位置を目標物10と相関付けることによって、外部マーカ25が目標物10の経路および方向と実質的に異なる経路に沿ってまたは実質的に異なる方向に動いても、目標物10の位置は、外部マーカ25の位置から導出される可能性がある。LINAC20はまた、図1に関して述べ示したように、同様に目標物10の位置に相当する、第1位置D0、第2位置D3、第3位置D5、および第4位置D7で示される。こうして、目標物10の位置が外部マーカ25の検知される位置と相関付けられるため、LINAC20の動きは、目標物10の動きと実質的に同期する可能性がある。
【0046】
動き追跡システム904を使用して目標物10の位置を追跡することは、いくつかの方法で実施されてもよい。一部の例示的な追跡技術は、当技術分野で知られている、フィデューシャル追跡、軟部組織追跡、および骨格構造追跡を含む。したがって、詳細な説明が提供されない。
動き追跡システム904は、Accuracy, Inc.(カルフォルニア州サニーベール所在)によって開発されたSYNCHRONY(登録商標)呼吸追跡システムである。あるいは、他の動き追跡システムが用いられてもよい。
【0047】
一実施形態では、動き追跡システム904は、その周囲組織が処置送出中に呼吸に伴って動く目標物に対して放射線ビームを送出するために、処置送出システム900の処理デバイス902と連携して使用される。動き追跡システム904は、患者の上に配設される1つまたは複数の外部マーカ(図9には示さず)の動きを追跡する。動き追跡システム904はまた、処置送出の直前または処置送出中に目標物の動きを補償するよう構成される。目標物の動きを補償するときに、動き追跡システム904は、所定期間にわたって1つまたは複数の外部マーカの動きを確定する。1つまたは複数の外部マーカの動きは、処理のための処理デバイス902および記憶デバイス903に送出されて、相関モデル用のデータセットに記憶されてもよい。一実施形態では、放射線源106を含むLINAC20は、TLS900によって確定されるように、目標物10の動きを補償するように動く。たとえば、LINAC20は、動き追跡システム904または処理デバイス902によって行われる計算に基づいて、線源回転軸間距離(source-to-axis distance)(SAD)を一定に維持するように動いてもよい。あるいは、LINAC20は固定であり、動き追跡システム904は、SADのための差分値を確定する。
【0048】
一実施形態では、データ記憶デバイス903は、監視される外部マーカの複数の変位点を記憶する。変位点は、患者の呼吸サイクル中の外部マーカの動きを示す。処理デバイス902は、記憶された変位点に基づいて目標物の画像を収集するための、呼吸サイクルの第1位相に相当する呼吸サイクルの指定された時間を確定する。処理デバイス902はまた、呼吸サイクルの第1位相において目標物の画像を収集するように撮像システム905を自動的にトリガーする。処理デバイス902はまた、呼吸サイクルの他の位相に相当する、目標物のさらなる画像を収集するための第1の指定された時間と同じ呼吸サイクルまたは後続の呼吸サイクルのさらなる指定された時間を確定し、呼吸サイクルの他の位相に相当するモデル点を取得するために、指定された時間において目標物のさらなる画像を収集するように撮像システムを自動的にトリガーする。変位点を記憶することに加えて、記憶デバイス903は、撮像システム905によって収集される画像の画像データを記憶するよう構成されてもよい。処理デバイス902は、画像および変位点を使用して、相関モデルを生成する。
【0049】
上記実施形態では、呼吸サイクルの異なる位相は実質的に均等に分布しており、また、画像収集のタイミングが処理デバイス902によって自動的に制御されるため、モデル相関のためのモデル点の役をする収集された画像は、実質的に均等に分布し、実質的に均等に分布しないモデル点を有する相関モデルと比べてよりよい相関をもたらすことが留意されるべきである。
【0050】
別の実施形態では、撮像システム905は、処理デバイス902または画像コントローラ912の制御下で、処置中に目標物の画像を自動的に収集することによって、目標物に関する位置データを周期的に生成し、動き追跡システム904は、処置中に1つまたは複数の外部マーカの外部の動きに関する位置データを連続して生成する。目標物に関する位置データおよび外部マーカの外部の動きに関する位置データが使用されて、相関モデルが更新される。処置中の画像の画像収集のタイミングは、画像が呼吸サイクルの(指定された位相に相当する)指定された時間に収集されるように、処理デバイス902によって自動的に制御されてもよい。一実施形態では、指定された時間に撮像システム905によって収集される処置前画像および動き追跡システム904によって収集される変位点を使用して、相関モデルは処置の直前に生成される。処置中、目標物の目下の位置は、相関モデルを使用して確定される。さらなる画像および変位点が収集され、相関モデルは、さらなる画像および変位点に基づいて更新される。
【0051】
一実施形態では、指定された時間に画像を自動的に収集するために、処理デバイス902は、インタフェース909上で、撮像システム905にトリガーコマンドまたは信号を送出する。トリガーコマンドはさらに、画像収集のために撮像用線源910を準備するための、処理デバイス902によって撮像システム905に送出されるコマンドまたは信号であってよい。撮像システム905は、画像を収集する準備ができると、画像を実際に収集するためのトリガーコマンドまたは信号を受信するために待つ。トリガーコマンドまたは信号を使用することによって、処理デバイス210は、呼吸サイクルの指定された時間に実施される撮像システム905による画像収集のタイミングを自動的に制御しうる。
【0052】
処理デバイス210はまた、相関モデルに基づいて目標物の目標物位置を導出し、目標物位置に関連する位置信号を、目標物にビームを当てるようにLINAC20の放射線源を制御するビーム発生器コントローラ913にインタフェース914を介して送出するよう構成される。こうして、目標物10の位置が外部マーカ25の検知される位置と相関付けられるため、LINAC20の動きは、目標物10の動きと実質的に同期する可能性がある。
【0053】
別の実施形態では、処理デバイス902は、動き追跡システム904の一部であり、撮像システム905とインタフェースして、上述したように、画像の収集のタイミングを自動的に制御する。あるいは、処理デバイス902、動き追跡システム904、および撮像システム905の他の構成が使用されてもよい。
【0054】
図10は、本発明の一実施形態によるクライアント−サーバ環境における自動モデリングのためのクライアント1002上の別個の処理スレッド1000を示す。自動モデリングクライアントは、クライアント1002上の別個のスレッド1000において実行されて、画像収集のタイミングの自動制御を提供する。目標物位置特定システム900であってよいサーバ1001は、撮像システム905であってよいクライアント1002と相互作用する。サーバ1001およびクライアント1002は、上述したインタフェース909などのインタフェースを通じて通信情報1003と相互作用する。たとえば、サーバ1001は、呼吸サイクルの指定された時間に1つまたは複数の画像を自動的に収集するメッセージをクライアント1002に送出する。クライアント1002が通信1003内のメッセージに応答すると、画像コントローラ912が、図7Bのオペレーション752に関して上述したように、イメージャA 910(A)およびイメージャB910(B)に放出信号(またはコマンド)1004を送出する。イメージャ910(A)およびイメージャ910(B)は、画像を収集する準備をし、イメージャ910(A)およびイメージャ910(B)が、それぞれ準備ができると、イメージャ910(A)および910(B)が画像を収集する準備ができたことを示すReady/Wait信号(1005(A)および1005(B))が、画像コントローラ912に送出される。上述した方法700と違って、イメージャ910(A)および910(B)は、この時点で画像を収集するのではなく、別個のトリガー信号1007が、画像コントローラ912から受信されるまで待つ。別個のトリガー信号1007は、本明細書で述べるように、画像収集が、呼吸サイクルの指定された時間に実施されることを可能にする。この実施形態では、クライアント1002は、トリガー信号1007を出すべきときを確定するためのウィンドウゲート制御情報1006を受信する。ウィンドウゲート制御情報1006は、外部マーカ解析(たとえば、LED解析)を含み、外部マーカ解析は、撮像用ウィンドウであって、画像コントローラ912が撮像用ウィンドウ内でトリガー信号1007を出すことを可能にする撮像用ウィンドウを含む。撮像用ウィンドウ内で撮像することによって、画像が、呼吸サイクルの指定されたロケーションで収集されてもよい。トリガー信号1007に応答して、イメージャ910(A)および910(B)は、目下の時間スタンプ1009(A)および1009(B)を記録し、指定された時間に画像を収集するための画像収集1010(A)および1010(B)を実施する。イメージャ910(A)および910(B)はまた、別個のスレッド1000の一部として、イベント1008(A)および1008(B)を画像コントローラ912に登録する。
【0055】
トリガー信号1007を含む別個のスレッド1000が使用されて、指定された時間にイメージャ910(A)および910(B)による画像収集のタイミングを自動的に制御する。タイミングを自動的に制御することによって、画像が、呼吸サイクルの実質的に均等に分布する位相で収集される可能性がある。
【0056】
別の実施形態では、ウィンドウゲート制御情報1006は、サーバ1001によって確定され、画像を収集すべき撮像用ウィンドウに関する情報1006をサーバがクライアント1002に送出する。別の実施形態では、画像コントローラ912は、外部マーカの未処理データを受信し、呼吸サイクルの特定の時間に画像を収集するための撮像用ウィンドウを確定する。
【0057】
サーバ1002は、目標物位置特定システム900であるとして述べられるが、動き追跡システム904であってよく、または、クライアント1002用のウィンドウゲート制御情報1006を確定しうる他のシステムであってよい。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態による呼吸サイクルの指定された位相で画像収集を自動的にトリガーするウィンドウを示す。図7Bのオペレーション753の場合のように、イメージャ910(A)および910(B)が共に準備できると、外部マーカ解析1107が使用されて、外部マーカ解析1107に基づいて画像収集1111をトリガーするための、上述したウィンドウゲート制御情報1006が確定されてもよい。ウィンドウゲート制御情報1006が使用されて、呼吸サイクルの指定された位相1108で画像収集をトリガーする撮像用ウィンドウ(たとえば、ウィンドウ1101〜1103)が確定される。ウィンドウゲート制御情報1006はまた、外部マーカ解析1107に基づいて画像を収集すべきウィンドウがグッドウィンドウであるかまたはバッドウィンドウであるかを示すグッドおよびバッドウィンドウ1112および1113(全てが表示されるわけではない)に関する情報を含んでもよい。外部マーカ解析1107は、3つの外部マーカに関する位置データを含む。3つの外部マーカに関する位置データは、呼吸サイクル1104〜1106を規定する。位置データを使用して、システム(たとえば、処理デバイス902)は、画像を収集すべき指定された位相1108を自動的に選択しうる、または、システムは、ユーザが、指定された位相1108を選択することを可能にしうる。指定された位相1108が選択されると、システムは、指定された位相1108についてイメージャ910(A)および910(B)が画像を収集すべきであるウィンドウ1101〜1103を確定する。イメージャ910(A)および910(B)は、準備できているため、ウィンドウ1103内のトリガー信号を受信することができ、それぞれが、指定された位相1108についてグッドウィンドウ1112として指定されるウィンドウ1103中に画像を収集する(たとえば、画像収集1109)。画像がウィンドウ1103内で収集されない場合、イメージャ910(A)および910(B)は、ウィンドウ1104内のトリガー信号を受信することができ、それぞれが、指定された位相1108についてグッドウィンドウ1112として指定されるウィンドウ1104中に画像を収集する(たとえば、画像収集1110)。同様に、画像がウィンドウ1104内で収集されない場合、画像は、指定された位相1108についてグッドウィンドウ1112として同様に指定されるウィンドウ1105内で収集されてもよい。ウィンドウ1103〜1105はそれぞれ、指定された位相1108についてグッドウィンドウ1112を表す。したがって、画像は、呼吸サイクルの指定された時間およびロケーションにおいて自動的に収集されうる。
【0059】
図12は、あるウィンドウ1201中に呼吸サイクルの指定された時間に画像収集を自動的にトリガーする2つの実施形態を示す。上述したように、イメージャ910(A)および910(B)が共に準備できると、外部マーカ解析1207が使用されて、画像を種集すべきウィンドウ1201が確定される。一実施形態では、外部マーカ解析1207は、呼吸サイクルの周波数より実質的に高いレートでサンプリングされて、サンプル1202が、イメージャ910(A)および910(B)をいつトリガーすべきかに関するリアルタイムのまたはほぼリアルタイムの情報を表すことを可能にする。サンプルの各更新は、イメージャ910(A)および910(B)をトリガーするための可能性がある時点を表す。サンプル1202のパターンによって、所望の位相(たとえば、ウィンドウ1201)が、更新されたサンプル1202を使用して推定されうる。サンプル1202の目下のロケーションにおいて、(たとえば、ウィンドウ1201内で)画像を収集することが望まれる場合、X線撮像をトリガーするための撮像メッセージが、イメージャ910(A)および910(B)に出される。
【0060】
他の実施形態では、外部マーカ解析1208のサンプリングレートは、外部マーカ解析1207のサンプリングレートより低い。外部マーカ解析1208のサンプリングレートが低いため、画像収集のタイミングが予測される必要がある可能性がある。たとえば、外部マーカ解析1208のパターンを使用して、ウィンドウ1201が、サンプル1208を内挿することによって予測されて、画像収集をトリガーするためのウィンドウ1201が確定されてもよい。これらの実施形態では、X線曝射は、トリガリング後の瞬時の反応ではなく、遅延応答トリガリングであることが留意されるべきである。サンプル1203が使用されて、サンプル1208間で画像を収集すべき時間が予測される。予測は、外部マーカ解析1208で示される推定された呼吸期間および最後のサンプル1203後の公称遅延に基づく。予測を使用することは、外部マーカのサンプリングレートが、リアルタイムに更新されるか、リアルタイムより遅く更新されるかによらず、呼吸サイクル中の指定された時間(たとえば、ウィンドウ1201)における自動画像収集を可能にする。
【0061】
一実施形態では、履歴データ1302は、時間的に適応的に前に移動するよう構成される履歴データウィンドウに示される。履歴データの各更新(たとえば、LEDの動きの各サンプル)時に、システムは、履歴データ1302を再評価することによって履歴データウィンドウを更新する。
【0062】
図13は、画像収集のための指定される時間を確定する一実施形態を示す。この実施形態では、モデルメトリックが、最初に、最新のサンプル1303に先行する履歴サンプルデータ1302(たとえば、10〜12秒)を採取し、次に、サンプルデータを、動き範囲の5つの領域1301に均等に分割すること(1301)によって確定される。5つの領域1301は、呼吸サイクルのその部分の間の動き(たとえば、LEDの動き波形)の範囲(r)を表し、5つの領域1301は、最小と最大に基づいて0と100との間にスケーリングされる。0は最小に割当てられ、100は最大に割当てられる。この実施形態では、領域Iは80と100との間であり、領域IIは60と80との間であり、領域IIIは40と60との間であり、領域IVは20と40との間であり、領域Vは0と20との間である。次に、動きの範囲は、それぞれ、吸気および呼気についてr'(+)およびr'(−)で示される導関数r'を使用して、吸気および呼気について識別されるか、または、その逆である。最新のサンプル1303は、その後、8つのモデルメトリック領域の以下の表に分類されうる。
表3.モデルメトリック領域
1)I(r'≒0)
2)II(r'(+)) 6)II(r'(−))
3)III(r'(+)) 7)III(r'(−))
4)IV(r'(+)) 8)IV(r'(−))
5)V(r'≒0)
8つのモデルメトリック領域は、呼吸サイクルの8つの位相に相当する。一実施形態では、画像は、呼吸サイクルの8つの位相のそれぞれについて収集される。
【0063】
モデルメトリック領域がオペレーション1301にて確定されると、システムは、オペレーション1302にて、最新のLEDの読み(たとえば、最新のサンプル1303)を確定し、rおよびr'を使用して、最新のLEDの読みが8つのモデルメトリック領域のどれに属するかを判定する、オペレーション1303。次に、システムは、最新のサンプル1303の目下のロケーションが、相関モデルについての所望のモデル点であるかどうかを判定する、オペレーション1304。目下のロケーションが所望のモデル点でない場合、システムは、オペレーション1302にて最新のLEDの読みを取得することに戻る。しかし、目下のロケーションが所望のモデル点である場合、システムは、画像を取得するためにイメージャ910(A)および910(B)を自動的にトリガーするためのトリガリングメッセージ(たとえば、トリガリング信号またはコマンド)を送出する。
【0064】
5つの領域を使用する実施形態が述べられるが、あるいは、それより多いかまたは少ない領域が使用されて、動きの範囲が種々のモデルメトリック領域に分類されてもよいことが留意されるべきである。同様に、別の実施形態では、上述したように、システムは、遅延応答トリガリングについてサンプル点間で画像を収集すべき遅延を確定しうる。
【0065】
図14は、モデリング方法150の一実施形態を示す。一実施形態では、モデリング方法150は、図16の処置システム500などの処置システムと連携して実施されてもよい。さらに、ここに示すモデリング方法150は、処置計画システム530または処置送出システム550などの処置システム500上のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアで実施されてもよい。モデリング方法150は処置システム500によって述べられるが、モデリング方法150の実施形態は、別のシステム上でまたは処置システム500と無関係に実施されてもよい。一実施形態では、ここに示すモデリング方法150は、図16の処置計画システム530などの処置計画システム上のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアで実施される。モデリング方法150は処置計画システム530によって述べられるが、モデリング方法150の実施形態は、別のシステム上でまたは処置計画システム530と無関係に実施されてもよい。
【0066】
ここに示すモデリング方法150が始まり、処置計画システム530が、外部マーカ25のロケーションの初期データセットを収集する、オペレーション155。オペレーション155の一部として、処置計画システム530はまた、目標物10の1つまたは複数の画像を自動的に収集する。これらの画像は、本明細書に述べるように呼吸サイクルの(指定された位相に相当する)指定された時間に自動的に収集されることが留意されるべきである。目標物10のロケーションは、これらの画像から導出されてもよい。目標物10の位置はまた、外部マーカ25のロケーションに対して確定されてもよい。
【0067】
処置計画システム530は、その後、データセットおよび画像を使用して、上述したように線形相関モデルを生成する、オペレーション160。処置計画システム530はまた、データセットおよび画像を使用して、上述したように非線形多項式相関モデルを生成する、オペレーション165。処置計画システム530はまた、データセットおよび画像を使用して、上述したように複数多項式相関モデルを生成する、オペレーション170。処置計画システム530はまた、データセットおよび画像を使用して、多重線形相関モデルを生成する、オペレーション175。多重線形相関モデルは、吸気用の線形モデルおよび呼気用の線形モデルを含む。ここに示すモデリング方法150はいくつかのタイプの相関モデルを生成するが、モデリング方法150の他の実施形態は、本明細書で述べる相関モデルの一部または全てを含む、より少ないかまたはより多い相関モデルを生成してもよい。異なるタイプの相関モデルが、当業者に知られており、本発明の実施形態を曖昧にしないために、これらのタイプの相関モデルに関するさらなる詳細は含まれなかった。
【0068】
処置計画システム530は、これらの相関モデルを維持し、いくつかの実施形態では、新しいデータおよび/または画像を監視するかまたは収集する。新しいデータまたは画像が受信されると(オペレーション180)、処置計画システムは、データセットおよび/または画像を更新し(オペレーション185)、新しい情報に基づいて新しいモデルを反復して生成してもよい。こうして、モデリング方法150は、相関モデルをリアルタイムに維持してもよい。
【0069】
方法150は、図16に関して述べる処置送出システム550で実施されてもよく、または、図9に関して述べる目標物位置特定システムで実施されてもよいことが留意されるべきである。
【0070】
別の実施形態における方法の一部として、処置計画システム530は、外部マーカ25の変位が、種々の相関モデルの境界内にあるかどうかを判定する。たとえば、上述した相関モデルの多くは、約0と30mmとの間の変位範囲を有する。患者は、相関モデル範囲外で外部マーカ25を動かすように、吸入するかまたは吐出す可能性がある。外部マーカ25の変位が、相関モデルの範囲内にない場合、処置計画システム530は、線形相関モデルを選択し、モデル境界外を外挿してもよい。あるいは、処置計画システム530は、多重線形相関モデルなどの別の相関モデルを選択し、選択された相関モデルから目標物10の推定ロケーションを確定してもよい。
【0071】
図15は、追跡方法250の一実施形態を示す。一実施形態では、追跡方法250は、図16の処置システム500などの処置システムと連携して実施される。さらに、ここに示す追跡方法250は、処置システム500上でハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアで実施されてもよい。追跡方法250は処置システム500によって述べられるが、追跡方法250の実施形態は、別のシステム上でまたは処置システム500と無関係に実施されてもよい。
【0072】
ここに示す追跡方法250が始まり、処置システム500が、モデル生成および選択を初期化するための較正を実施する、オペレーション255。一実施形態では、こうした較正は、処置送出の前にモデリング方法150を実施することを含む。別の実施形態では、モデリング方法150は、履歴データを確立するために複数回実施される。
【0073】
追跡システム500は、較正された後、選択された相関モデルに基づいて目標物10の目標物位置を導出する、オペレーション260。上述したように、目標物10の目標物位置は、外部マーカ25の既知の位置に関連し、相関モデルのうちの1つから導出されてもよい。追跡システムは、その後、目標物位置を示す位置信号をビーム発生器コントローラ(たとえば、図9のビーム発生器コントローラ913)に送出する、オペレーション265。一実施形態では、処置システム500は、図16の処置送出システム550などの処置送出システムに位置信号を送出する。処置送出システム550は、その後、図16の放射線源552などのビーム発生器を動かし向き調節する、オペレーション270。処置送出システム550および放射線源552は、以下でより詳細に述べられる。
【0074】
処置計画システム530は、呼吸サイクルのランダムな位相でまたは指定された位相で外部マーカ25のデータ点および目標物10の新しい画像を収集し続ける。一実施形態では、処置計画システム530は、モデリング方法150に従ってモデルを反復して生成し、上述したようにモデルを選択してもよい。別の実施形態では、処置計画システム530は、1つのモデルを選択し使用して、複数の目標物位置を導出してもよい。追跡方法250は、こうして、1つまたは複数のモデルを生成し、モデルを選択し、処置セッションの継続時間の間に選択されたモデルに従って処置を送出し続けてもよい。
【0075】
図16は、本発明の特徴が実施されてもよい放射線処置を実施するのに使用されてもよい処置システム500の一実施形態を示す。ここに示す処置システム500は、画像診断システム510、処置計画システム530、および処置送出システム550を含む。他の実施形態では、処置システム500は、より少ないかまたはより多いコンポーネントシステムを含んでもよい。
【0076】
画像診断システム510は、患者内の関心体積(a volume of interest)(VOI)の医療診断画像を生成することが可能な任意のシステムを表し、その画像は、その後の医療診断、処置計画、および/または処置送出のために使用されてもよい。たとえば、画像診断システム510は、コンピュータ断層撮影(computed tomography)(CT)システム、磁気共鳴撮像(magnetic resonance imaging)(MRI)システム、陽電子放出断層撮影(positron emission tomography)(PET)システム、超音波システム、または別の同様な撮像システムであってよい。説明を容易にするために、CT、X線撮像システムなどの特定の撮像システムに対する本明細書における任意特定の参照は、一般的に、画像診断システム510を表し、別途注記しない限り、他の撮像モダリティを排除しない。一実施形態では、画像診断システム510は、図9および14に関して述べた撮像システム905と同様である。別の実施形態では、画像診断システム510および撮像システム905は、同じ撮像システムである。
【0077】
ここに示す画像診断システム510は、撮像用線源512、撮像用検出器514、および処理デバイス516を含む。撮像用線源512、撮像用検出器514、および処理デバイス516は、バスなどの通信チャネル518を介して互いに結合する。一実施形態では、撮像用線源512は、撮像ビーム(たとえば、X線、超音波、無線周波数波など)を発生し、撮像用検出器514は、撮像ビームを検出し受取る。あるいは、撮像用検出器514は、2次撮像ビームまたは(たとえば、MRIまたはPETスキャンにおいて)撮像用線源からの撮像ビームによって励起された放出を検出し受取ってもよい。一実施形態では、画像診断システム510は、2つ以上の画像診断用線源512および2つ以上の対応する撮像用検出器514を含んでもよい。たとえば、2つのX線源512が、撮像される患者の周りに配設され、互いからある角度分離(たとえば、90°、45°など)で固定され、撮像用線源514と正反対にあってもよい、対応する撮像用検出器514に向かって患者を通して照準されてもよい。単一の大型撮像用検出器514または複数の撮像用検出器514もまた、各X線撮像用線源514によって照射されてもよい。あるいは、他の数のまた他の構成の撮像用線源512および撮像用検出器514が使用されてもよい。
【0078】
撮像用線源512および撮像用検出器514は、画像診断システム510内で撮像動作を制御し画像データを処理する処理デバイス516に結合される。一実施形態では、処理デバイス516は、撮像用線源512および撮像用検出器514と通信してもよい。処理デバイス516の実施形態は、1つまたは複数の汎用プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいは、コントローラまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの他のタイプのデバイスを含んでもよい。処理デバイス516はまた、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタ、および同様なものなどの他のコンポーネント(図示せず)を含んでもよい。一実施形態では、処理デバイス516は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)形式などの標準的な形式でデジタル診断画像(本明細書で処置前画像とも呼ばれる)を生成する。他の実施形態では、処理デバイス516は、他の標準的なまたは非標準的なデジタル画像形式を生成してもよい。
【0079】
さらに、処理デバイス516は、DICOMファイルなどの診断画像ファイルを、データリンク560を通じて処置計画システム530に送信してもよい。一実施形態では、データリンク560は、ダイレクトリンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)リンク、または別のタイプのデータリンクであってよい。さらに、画像診断システム510と処置計画システム530との間で転送される情報は、遠隔診断または処置計画構成などにおいて、データリンク560にわたってプルされるかまたはプッシュされてもよい。たとえば、システムユーザと患者との間に物理的分離が存在しても、ユーザは、本発明の実施形態を利用して、遠隔で診断するかまたは処置を計画する可能性がある。
【0080】
ここに示す処置計画システム530は、処理デバイス532、システムメモリデバイス534、電子データ記憶デバイス536、ディスプレイデバイス538、および入力デバイス540を含む。処理デバイス532、システムメモリ534、記憶部536、ディスプレイ538、および入力デバイス540は、バスなどの1つまたは複数の通信チャネル542によって共に結合されてもよい。
【0081】
処理デバイス532は、画像データを受信し処理する。処理デバイス532はまた、処置計画システム530内で命令およびオペレーションを処理する。いくつかの実施形態では、処理デバイス532は、1つまたは複数の汎用プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいは、コントローラまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの他のタイプのデバイスを含んでもよい。
【0082】
特に、処理デバイス532は、本明細書で説明するオペレーションを実施するための命令を実行するよう構成されてもよい。たとえば、処理デバイス532は、画像収集のタイミングを自動的に制御するよう、指定された時間を自動的に確定するよう、指定された時間に画像を収集するように撮像システムを自動的にトリガーするよう構成されてもよい。処理デバイス532はまた、たとえば、処理デバイス532が、患者内で目標物の動きの非線形経路を特定し、動きの非線形経路の非線形モデルを生成することなどの、他のオペレーションを実施するための命令を実行するよう構成されてもよい。別の実施形態では、処理デバイス532は、複数の位置点および複数の方向インジケータに基づいて非線形モデルを生成してもよい。別の実施形態では、処理デバイス532は、複数の相関モデルを生成し、モデルのうちの1つを選択して、目標物の位置を導出してもよい。さらに、処理デバイス532は、本明細書に述べるオペレーションに関連する他の診断、計画、および処置オペレーションを容易にしてもよい。
【0083】
一実施形態では、処理デバイス532は、相関モデルを自動的に生成するために、呼吸サイクルの指定された時間に画像を収集するように撮像システム905を自動的に制御することなどのために、上述したように、処理デバイス902のオペレーションを実施するよう構成される。
【0084】
一実施形態では、システムメモリ534は、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミック記憶デバイスを含んでもよい。上述したように、システムメモリ534は、通信チャネル542によって処理デバイス532に結合してもよい。一実施形態では、システムメモリ534は、処理デバイス532によって実行される情報および命令を記憶する。システムメモリ534はまた、処理デバイス532による命令の実行中に、一時的な変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。別の実施形態では、システムメモリ534はまた、読取り専用メモリ(ROM)または処理デバイス532用の静的情報および命令を記憶するための他のスタティック記憶デバイスを含んでもよい。
【0085】
一実施形態では、記憶部536は、情報および命令を記憶するための、1つまたは複数の大容量記憶デバイス(たとえば、磁気ディスクドライブ、テープドライブ、光ディスクドライブなど)を表す。記憶部536および/またはシステムメモリ534はまた、機械読取り可能媒体と呼ばれてもよい。特定の実施形態では、記憶部536は、本明細書で説明するモデリングオペレーションを実施するための命令を記憶してもよい。たとえば、記憶部536は、データ点を収集し記憶し、画像を収集し記憶し、非線形経路を特定し、線形および/または非線形相関モデルを生成し、複数のモデルから相関モデルを選択することなどのための命令を記憶してもよい。別の実施形態では、記憶部536は、1つまたは複数のデータベースを含んでもよい。一実施形態では、図9の記憶デバイス903に記憶されるデータは、システムメモリ534または記憶部536に記憶される。
【0086】
一実施形態では、ディスプレイ538は、陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、または別のタイプのディスプレイデバイスであってよい。ディスプレイ538は、ユーザに情報(たとえば、VOIの2次元または3次元表現)を表示する。入力デバイス540は、キーボード、マウス、トラックボール、または同様なデバイスなどの1つまたは複数のユーザインタフェースデバイスを含んでもよい。入力デバイス(複数可)540はまた、方向情報を伝達すること、処理デバイス532用のコマンドを選択すること、ディスプレイ538上でのカーソルの動きを制御することなどのために使用されてもよい。一実施形態では、ディスプレイ538および入力デバイス540は、図9に関して上述したユーザインタフェース901の一部である。
【0087】
処置計画システム530の一実施形態が本明細書で述べられるが、ここに述べる処置計画システム530は、例示的な処置計画システム530を表すだけである。処置計画システム530の他の実施形態は、多くの異なる構成およびアーキテクチャを有してもよく、また、より少ないかまたはより多いコンポーネントを含んでもよい。たとえば、他の実施形態は、周辺バスまたは専用キャッシュバスなどの複数のバスを含んでもよい。さらに、処置計画システム530はまた、DICOMインポートをサポートするための医療画像レビューおよびインポートツール(Medical Image Review and Import Tool)(MIRIT)を含んでもよいため、画像が融合され、目標物が異なるシステム上で描写され、その後、計画および線量計算のために処置計画システム530内にインポートされうる。別の実施形態では、処置計画システム530はまた、ユーザが、処置を計画し、MRI、CT、PETなどのような種々の撮像モダリティの任意のモダリティに関する線量分布を閲覧することを可能にする拡張画像融合能力を含んでもよい。さらに、処置計画システム530は、従来の処置計画システムの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。
【0088】
一実施形態では、処置計画システム530は、記憶部536上のデータベースを処置送出システム550と共有してもよいため、処置送出システム550は、処置送出前にまたは処置送出中にデータベースにアクセスしてもよい。処置計画システム530は、データリンク560に関して先に説明したダイレクトリンク、LANリンク、またはWANリンクであってよいデータリンク570を介して処置送出システム550にリンクしてもよい。LAN、WAN、または他の分散接続が実施される場合、処置システム500のコンポーネントのうちの任意のコンポーネントが、分散したロケーションにあってもよいため、個々のシステム510、530、550は、互いに物理的に遠隔にあってよい。あるいは、画像診断システム510、処置計画システム530、または処置送出システム550の機能的特徴の一部または全ては、処置システム500内に互いに統合されてもよい。
【0089】
ここに示す処置送出システム550は、放射線源552、撮像システム905、処理デバイス902、および処置カウチ558を含む。放射線源552、撮像システム905、処理デバイス902、および処置カウチ558は、1つまたは複数の通信チャネル560を介して互いに結合してもよい。処置送出システム550の一例が、図17を参照してより詳細に示され述べられる。
【0090】
一実施形態では、放射線源552は、処置計画に適合するよう、処方放射線線量を目標物に投与するための治療または手術放射線源552である。たとえば、目標物は、内部器官、腫瘍、領域であってよい。便宜上、目標物に対する本明細書での参照または目標物は、任意の全体のまたは部分的な器官、腫瘍、領域、または処置計画の被検体である他の描写された体積を指す。
【0091】
一実施形態では、処置送出システム550の撮像システム905は、上述した診断画像との位置合わせまたは相関のために目標物体積を含む患者体積の処置中画像を取込んで、放射線源に対して患者を位置決めする。画像診断システム510と同様に、処置送出システム550の撮像システム905は、図9に関して述べたように、1つまたは複数の線源、1つまたは複数の検出器、および処理デバイスを含んでもよい。
【0092】
処置送出システム550はまた、放射線源552、撮像システム905、および処置カウチ558(任意の患者支持デバイスを表す)を制御するために、図9に述べる処理デバイス902を含んでもよい。処理デバイス902は、1つまたは複数の汎用プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などの専用プロセッサ、あるいは、コントローラまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの他のデバイスを含んでもよい。さらに、処理デバイス902は、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタ、および同様なものなどの他のコンポーネント(図示せず)を含んでもよい。
【0093】
図17は、処置送出システム550の一実施形態を示す概略的なブロック図である。ここに示す処置送出システム550は、上述したように、線形加速器(LINAC)20の形態の放射線源552および処置カウチ558を含む。処置送出システム550はまた、複数の撮像用X線源910および検出器911を含む。2つのX線源910が、少なくとも2つの異なる角度位置から(たとえば、90°、45°などだけ分離して)患者を通して撮像用X線ビームを投影するように名目上整列し、対応する検出器911に向かって処置カウチ558上の患者を通して照準されてもよい。別の実施形態では、単一の大型イメージャが使用されて、各X線撮像用線源910によって照射されてもよい。あるいは、他の数および構成の撮像用線源910および検出器911が使用されてもよい。ここに示す処置送出システム550はまた、図9に関して上述したように、外部マーカ25の動きを追跡する動き追跡システム904を含む。一実施形態では、処置送出システム550は、Accuray, Inc.(カルフォルニア州サニーベール所在)によって開発されたCYBERKNIFE(登録商標)システムなどの(たとえば、放射線手術を実施するための)画像誘導式ロボットベース放射線処置システムであってよい。
【0094】
ここに示す実施形態では、LINAC20は、ロボットアーム590上に搭載される。ロボットアーム590は、LINAC20を適切に位置決めして、患者の周りの手術体積内の多数の角度から送出されるビームによって、病理解剖学的構造などの目標物を照射するために、複数の(たとえば、5以上の)自由度を有してもよい。処置送出システム550によって送出される処置は、単一のアイソセンタ(収束点)を有する、複数アイソセンタを有する、または、任意特定のアイソセンタが無い(すなわち、ビームは、病理目標物体積に交差する必要があるだけであり、目標物内の単一点またはアイソセンタ上に必ずしも収束しない)ビーム経路を含んでもよい。さらに、処置は、処置計画中に確定された、単一セッション(単分割放射線療法)または少数のセッション(多分割放射線療法)で送出されてもよい。一実施形態では、処置送出システム550は、剛性外部フレームに患者を固定することなく、処置計画に従って放射線ビームを送出して、目標物体積の手術中位置を、手術前処置計画段階中の目標物体積の位置と合わせる。
【0095】
上述したように、処理デバイス902は、処置送出システム550内の処置カウチ558上で患者を位置合わせするために、撮像システム905から取得される画像を、画像診断システム510から取得される手術前処置計画画像と位置合わせするアルゴリズムを実施してもよい。さらに、これらの画像が使用されて、目標物体積または目標物に対して放射線源552が精密に位置決めされてもよい。
【0096】
一実施形態では、処置カウチ558は、複数の自由度を有する第2のロボットアーム(図示せず)に結合してもよい。たとえば、第2のアームは、5つの回転自由度および1つの実質的に垂直な直線自由度を有してもよい。あるいは、第2のアームは、6つの回転自由度および1つの実質的に垂直な直線自由度を有してもよい。別の実施形態では、第2のアームは、少なくも4つの回転自由度を有してもよい。さらに、第2のアームは、柱または壁に垂直に搭載されてもよく、または、ペデスタル、床、または天井に水平に搭載されてもよい。あるいは、処置カウチ558は、Accuray, Inc.(カルフォルニア州サニーベール所在)によって開発されたAXUM(登録商標)処置カウチなどの別の機構のコンポーネントであってよい。別の実施形態では、処置カウチ558は、従来の処置テーブルを含む別のタイプの処置テーブルであってよい。
【0097】
1つの例示的な処置送出システム550が上述されるが、処置送出システム550は、別のタイプの処置送出システムであってよい。たとえば、処置送出システム550は、放射線源552(たとえば、LINAC20)が患者の軸スライスに対応する平面内で回転するようにガントリ上に搭載される、ガントリベース(アイソセントリック)強度変調放射線治療(intensity modulated radiotherapy)(IMRT)システムであってよい。放射線は、回転の円形平面上のいくつかの位置から送出されてもよい。別の実施形態では、処置送出システム550は、スウェーデンのElektaから入手可能なGAMMAKNIFE(登録商標)などの定位フレームシステムであってよい。
【0098】
図18は、放射線処置プロセスの3次元斜視図を示す。特に、図18は、目標物10に当てるいくつかの放射線ビームを示す。一実施形態では、目標物10は、内部器官、患者内のある領域、腫瘍または病変などの病理解剖学的構造、あるいは、別のタイプの患者の対象物またはエリアを表してもよい。目標物10はまた、本明細書で、目標物領域、目標物体積などと呼ばれてもよいが、これらの参照はそれぞれ、特に指示しない限り、一般に目標物10を指すものと理解される。
【0099】
ここに示す放射線処置プロセスは、第1放射線ビーム12、第2放射線ビーム14、第3放射線ビーム16、および第4放射線ビーム18を含む。4つの放射線ビーム12〜18が示されるが、他の実施形態は、より少ないかまたはより多い放射線ビームを含んでもよい。便宜上、1つの放射線ビーム12に対する参照は、特に指示しない限り、放射線ビーム12〜18の全てを表す。さらに、放射線ビーム12〜18の適用についての処置シーケンスは、それぞれの順序指定と無関係であってよい。
【0100】
一実施形態では、4つの放射線ビーム12は、放射線ビーム12が目標物10内の種々の地点を通過するかまたは種々の地点で終端するコンフォーマル計画に基づくビームを表す。コンフォーマル計画では、一部の放射線ビーム12は、3次元空間内の共通点を横切っても横切らなくてもまたは共通点に収束してもしなくてもよい。換言すれば、放射線ビーム12は、必ずしも単一点またはアイソセンタに収束しない点で、非アイソセントリックであってよい。しかし、放射線ビーム12は、1つまたは複数の他の放射線ビーム12によって、目標物10に全体的にまたは部分的に横切ってもよい。
【0101】
別の実施形態では、各放射線ビーム12の強度は、オペレータまたは処置計画ソフトウェアによって設定されてもよいビーム重みによって確定されてもよい。個々のビーム重みは、少なくとも部分的に、目標物10に送出される総処方放射線線量ならびに放射線ビーム12の一部または全てによって送出される累積放射線線量に依存してもよい。たとえば、3500cGyの総処方線量が目標物10について設定される場合、処置計画ソフトウェアは、その処方線量を達成するようにコンフォーマリティおよびホモジニティを均衡させるために、各放射線ビーム12についてのビーム重みを自動的に予め確定してもよい。コンフォーマリティは、重要な隣接構造に対する損傷を回避するために、放射線線量が目標物10(たとえば、腫瘍)の形状および程度に一致する(合致する)程度である。ホモジニティは、目標物10の体積にわたる放射線線量の不均一性である。ホモジニティは、線量体積ヒストグラム(dose volume histogram)(DVH)を特徴としてもよく、線量体積ヒストグラム(DVH)は、理想的には、100パーセントの処方線量が目標物10の体積にわたって存在し、その他の所ではゼロである矩形関数である可能性がある。
【0102】
上述した方法は、画像収集のタイミングを手動で制御することに制限される現在知られている方法と比較すると、多くの利点を提供する。第1の利点は、もちろん、本方法が、実質的に均等に分布しないモデル点を使用して生成される相関モデルに比べて、よりよい相関モデルを取得するように実質的に均等に分布するモデル点を取得するために画像収集のタイミングを自動的に制御することである。第2の利点は、本方法が、呼吸サイクルの指定された位相に相当する呼吸サイクルの指定された時間を自動的に確定しうることである。
【0103】
要約すると、呼吸サイクルの(指定された位相に相当する)指定された時間に目標物の画像を自動的に収集する方法およびシステムが提示される。上述した方法およびシステムは、患者の内部器官が、それぞれ、呼吸の吸気相中および呼気相中に異なる経路に沿って(患者の吸気中に)動くかどうかを検出し特定しうる。上述した方法は、自動的に収集された画像を使用して相関モデルが構築されることを可能にし、相関モデルは、曲線的動きを受けるか、または、呼吸の吸気相中および呼気相中に異なる経路に沿って動く内部器官の位置を正確に推定しうる。任意の他のタイプの器官の非直線の動きはまた、適切なパラメータ当てはめモデル、たとえば、(ほんの一例として)高次多項式当てはめモデルを選択することによる、上述した曲線モデルを使用して当てはめられうる。上述した方法は、病変および腫瘍に治療放射線を送出するために、呼吸(または患者の他の動き)に伴って動く内部病変および/または腫瘍に標的を定めることを可能にする。
【0104】
上述した方法およびシステムは、患者の呼吸の動きに関連して述べられたが、他の実施形態は、任意の他のタイプの患者の動きの最中、たとえば、心拍中に起こる内部器官の非対称な曲線(またはその他の非直線)の動きを追跡してもよい。同様に、以下に述べる実施形態の一部は、呼吸波形(たとえば、呼吸サイクル)内のモデル点について画像を自動的に収集するタイミングを制御することを対象とするが、他の実施形態では、自動画像収集は、患者の心拍サイクルなどの他のタイプの波形または患者の他の周期的な動きの他のタイプの波形について実施されうる。たとえば、呼吸サイクルの特定の時間または位相を確定する代わりに、方法およびシステムは、心拍のサイクルまたは患者の動きの他の周期的サイクルの特定の時間または位相を確定しうる。
【0105】
自動相関方法およびシステムが、特定の実施形態を参照して特に示され述べられたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更が行われてもよいことが当業者によって理解されるべきである。
【0106】
本明細書に述べる方法および装置は、医療画像診断および処置に関する使用だけに限定されないことが留意されるべきである。代替の実施形態では、本明細書の方法および装置は、材料(たとえば、自動車産業のモータブロック、航空機産業の機体、建築産業の溶接、および石油産業の掘削コア)の産業用撮像および非破壊検査および地震探査などの、医療技術分野以外の用途で使用されてもよい。こうした用途では、たとえば、「処置(treatment)」は、ビーム(たとえば、放射線、超音波など)の適用などの、処置計画ソフトウェアによって制御されるオペレーションの実施を一般に指してもよい。
【0107】
本明細書の方法(複数可)のオペレーションが、特定の順序で示され述べられたが、各方法のオペレーションの順序は、変更されてもよいため、いくつかのオペレーションは逆の順序で実施されてもよく、または、あるオペレーションは、少なくとも部分的に他のいくつかのオペレーションと同時に実施されてもよい。別の実施形態では、個別のオペレーションの命令またはサブオペレーションは、断続的方式および/または交互方式であってよい。
【0108】
上記仕様では、本発明は、本発明の特定の例示的な実施形態を参照して述べられた。しかし、添付特許請求の範囲に述べる本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正および変更が例示的な実施形態に対して行われてもよいことが明らかになるであろう。したがって、仕様および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物の複数の処置前画像の画像収集を自動的にトリガーすることであって、前記複数の処置前画像はそれぞれ、指定された時間に収集される、自動的にトリガーすること、および、
前記複数の処置前画像を使用して、前記目標物の目標物ロケーションに対して外部マーカの動きをマッピングする相関モデルを生成することを含む方法。
【請求項2】
前記複数の処置前画像のそれぞれを前記自動的にトリガーすることは、
画像を収集すべき周期的サイクルの所望の位相を選択すること、
前記目標物が前記周期的サイクルの所望の位相にあるかどうかを自動的に判定すること、および、
前記目標物が前記周期的サイクルの所望の位相にあるときに、処置前画像を収集するためのコマンドを撮像システムに送出することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択することは、ユーザによって実施される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記自動的にトリガーすることは、周期的サイクルの実質的に均等に分布した時点で画像収集を自動的にトリガーすることを含み、前記複数の処置前画像のそれぞれを前記自動的にトリガーすることは、
1つまたは複数の以前の周期的サイクルにおける前記目標物の動きの履歴データを取得すること、
前記目標物の動きの大きさに基づいて前記履歴データを複数の領域に分割すること、
前記履歴データの吸気の動きと呼気の動きを識別すること、
前記複数の領域ならびに前記識別された吸気の動きおよび呼気の動きを使用して、複数のモデルメトリック領域を確立することであって、前記複数のモデルメトリック領域は前記周期的サイクルの複数の位相に対応する、確立すること、
目下のサンプルを前記複数のモデルメトリック領域の1つに分類することによって、前記目標物の動きの目下のサンプルが前記周期的サイクルの所望の位相にあるかどうかを判定すること、および、
前記目下のサンプルが前記周期的サイクルの所望の位相にあるときに、処置前画像を収集するという撮像コマンドを撮像システムに送出することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記取得することは、患者に関連する外部マーカの所定期間にわたって、対応する複数の位置を表す複数のデータ点を収集することを含み、前記外部マーカの前記複数の位置は前記外部マーカの動きの外部経路を規定し、動きの前記外部経路は前記患者の前記周期的サイクルを規定する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記相関モデルを前記生成することは、
前記複数のデータ点および前記周期的サイクルの前記実質的に均等に分布した点における前記複数の処置前画像に基づいて前記目標物の動きの経路を特定すること、および、
前記目標物の動きの前記経路を使用して前記相関モデルを生成することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記相関モデルに基づいて前記目標物の目標物位置を導出すること、
前記目標物位置に関連する位置信号をビーム発生器コントローラに送出すること、および、
前記目標物にビームを当てるように前記ビーム発生器コントローラを制御することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
新しいデータ点の収集に応答して前記相関モデルを更新することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
処置中に前記目標物のさらなる画像を自動的に収集することによって、前記目標物に関する位置データを周期的に生成すること、および、
処置中に前記外部マーカの外部の動きに関する位置データを連続して生成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
周期的サイクル中に、外部マーカの動きを示す外部マーカの複数の変位点を記憶するデータ記憶デバイスと、
前記データ記憶デバイスに結合する処理デバイスと
を備え、前記処理デバイスは、前記複数の変位点に基づいて目標物の画像を収集すべき前記周期的サイクルの第1位相に相当する前記周期的サイクルの指定された時間を確定し、また、前記周期的サイクルの前記第1位相において前記目標物の画像を収集するように撮像システムを自動的にトリガーするための信号を送信する装置。
【請求項11】
前記処理デバイスは、前記周期的サイクルの前記第1位相を選択し、前記目標物が前記周期的サイクルの前記第1位相内にあるかどうかを自動的に判定し、前記目標物が前記周期的サイクルの前記第1位相内にあるときに、前記目標物の画像を収集するように前記撮像システムを自動的にトリガーするための前記信号を送出するよう構成される請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記処理デバイスは、ユーザが前記周期的サイクルの前記第1位相を選択することを可能にし、前記目標物が前記周期的サイクルの前記第1位相内にあるかどうかを自動的に判定し、前記目標物が前記周期的サイクルの前記第1位相内にあるときに、前記目標物の画像を収集するように前記撮像システムを自動的にトリガーするための前記信号を送出するよう構成される請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記処理デバイスに結合する前記撮像システムをさらに備え、前記撮像システムは、前記処理デバイスから前記信号を受信し、前記撮像システムが前記信号を受信すると、前記目標物の画像を収集するよう構成される請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記処理デバイスは、前記周期的サイクルの第2位相に相当する前記目標物の第2画像を収集すべき前記周期的サイクルの第2の指定された時間を確定し、また、前記周期的サイクルの前記第2位相において前記目標物の前記第2画像を収集するように前記撮像システムをトリガーするよう構成される請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記データ記憶デバイスは、前記目標物の画像および前記目標物の第2画像を記憶するよう構成される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記処理デバイスは、前記画像、前記第2画像、および前記複数の変位点に基づいて相関モデルを生成するよう構成される請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記処理デバイスは、前記目標物の動きの経路を特定して、前記相関モデルを生成するよう構成される請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記処理デバイスは、
前記周期的サイクル中の前記指定された時間に前記目標物の画像を収集するように前記撮像システムを自動的にトリガーするためのコマンドを前記撮像システムに送出する第1インタフェースと、
動き追跡システムによって測定される前記外部マーカの複数の変位点を受信する第2インタフェースとを備える請求項10に記載の装置。
【請求項19】
患者に関連する外部マーカの、所定期間にわたって対応する複数の位置を表す複数のデータ点を受信する手段であって、前記外部マーカの前記複数の位置は、前記外部マーカの動きの外部経路を規定し、動きの前記外部経路は前記患者の周期的サイクルを規定する、受信する手段と、
前記複数のデータ点に基づいて前記周期的サイクルの指定された時間に前記患者内の目標物の画像を収集するように撮像システムを自動的にトリガーする手段と
を備える装置。
【請求項20】
前記複数のデータ点を使用して前記周期的サイクル中に均等に分布したモデル点を生成する手段と、
前記均等に分布したモデル点を使用して相関モデルを生成する手段と
をさらに備える請求項19に記載の装置。
【請求項21】
自動的にトリガーする手段は、前記相関モデルを生成するために収集される画像の数を減少させる請求項20に記載の装置。
【請求項22】
自動的にトリガーする手段は、前記相関モデルを生成するための時間量を減少させる請求項20に記載の装置。
【請求項23】
患者に関連する外部マーカの動きを追跡する動き追跡システムであって、前記外部マーカの動きは前記患者の周期的サイクルを示す、動き追跡システムと、
前記患者内の目標物の画像を収集する撮像システムと、
前記動き追跡システムおよび前記撮像システムに結合する目標物位置特定システムと
を備え、前記目標物位置特定システムは、指定された時間に前記画像の収集をトリガーするように前記撮像システムを自動的にトリガーするシステム。
【請求項24】
前記目標物位置特定システムは、前記外部マーカの動きに基づいて前記周期的サイクルを確定し、前記周期的サイクルの位相を自動的に選択し、前記目標物が前記周期的サイクルの選択された位相内にあるときを確定し、前記目標物が前記周期的サイクルの選択された位相内にあるときに、前記撮像システムによる画像収集を自動的にトリガーするよう構成される請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記目標物位置特定システムは、前記外部マーカの動きに基づいて前記周期的サイクルを確定し、ユーザが前記周期的サイクルの位相を選択することを可能にし、前記目標物が前記周期的サイクルの前記選択された位相内にあるときを確定し、前記目標物が前記周期的サイクルの前記選択された位相内にあるときに、前記撮像システムによる画像収集を自動的にトリガーするよう構成される請求項23に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2011−500263(P2011−500263A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530996(P2010−530996)
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/010749
【国際公開番号】WO2009/054879
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】