説明

円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法

【課題】円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法を提供する。
【解決手段】円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法は、画像捕捉装置が異なる撮影位置にあるとき、それぞれ、撮影角度調整を実行する。本発明は二種の方式があり、一つは、予め設けられた自動角度オフセット方式(Auto Angle Offset)、もう一つは撮影角度の記憶教育(Memory Teaching)方式で、球状立体動画ファイル(Spherical 3D Animation Files)の全画像を撮影範囲内で合成し、球状立体動画のいかなる部分も切断されないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法に関するものであって、特に、角度オフセットの方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ(Digital Camera)は既に幅広く使用されているが、コンピュータ全自動同期制御ターンテーブル(Turntable)、及び、デジタルカメラにより撮影するのは初期の段階で、多くがターンテーブル上で360度旋転する毎に撮影したい枚数を設定するもので、モニター(Monitor)上で直接撮影枚数を選択するものではない。少数のデジタルカメラメーカーは完全な制御功能を有するソフトウェア開発キット(Software Development Kits,SDK)を提供しているが、システムインテグレーター(System Integrator)がSDKによってアプリケーションソフトの開発を実行し、コンピュータ同期制御ターンテーブル、及び、デジタルカメラにより、自動360度撮影の動画GIF、及び、Flash(SWF)画像フォーマットを得るものはまだない。
【0003】
コンピュータ整合制御ターンテーブル、デジタルカメラ、及び、円形路に沿って移動する画像捕捉装置により、球状立体動画ファイルを完成するのはまだ開発段階である。立体画像の応用は、主に、機械加工用のレーザースキャンに偏重して、加工用の立体模型を形成するのを主とし、インターネット上で、動画ファイルにより商品の各方面の容貌を表現するのが普遍的であり、特に、コンピュータ整合制御ターンテーブル、デジタルカメラ、及び、円形路に沿って移動する画像捕捉装置が欠乏している。少数の一眼レフデジタルカメラ(SLR)メーカーにより提供されるSDKはスナップ(snap)、及び、画像伝送功能だけを有し、カメラメーカーはコンパクトデジタルカメラ(Compact Digital Camera/Consumer Camera)の完全な制御功能(プレビュー, ズームイン/アウト, 口径, シャッター速度, ISO、及び、ホワイトバランス等)を有する。提供する一眼レフカメラのSDKは、レンズの(ズームイン/アウト)を制御することができず、且つ、撮影レンズの組み合わせが複雑で、撮影自動化は依然として困難である。
【0004】
被写体(Photographed Object)形状はおそらく不相同で、画像捕捉装置が円形路に沿って撮影する時、カメラレンズがターンテーブル中心にだけ照準する場合、一部に画像の切断が生じるので、完全な画像を得るためには、各撮影位置で撮影角度(Shooting Angle)の調整が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法を提供し、完成した画像が撮影範囲を超過しないよう確保して、完全な球状の立体動画ファイルに編成(Stitching)することを目的とする。
【0006】
本発明は、予め設けられた自動確保補償を提供し、撮影者自身が被写体の高度を選択し、各異なる撮影位置の角度調整を自動的に迅速に完成して、画像が切断される可能性を減少させることをもう一つの目的とする。
【0007】
本発明は、各異なる撮影位置に対し、撮影角度の記憶教育を実行し、被写体が各画像内で完全に表現されるよう確保することを更なる目的とする。
【0008】
本発明は、球状立体動画撮影前に、各撮影位置の角度に対し調整したか確認し、各位置の360度の撮影作業を自動的に順に完成することを最後の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法は、画像捕捉装置が異なる撮影位置にあるとき、それぞれ、撮影角度調整を実行する。本発明は二種の方式があり、一つは、予め設けられた自動角度オフセット方式(Auto Angle Offset)、もう一つは撮影角度の記憶教育(Memory Teaching)方式で、球状立体動画ファイル(Spherical 3D Animation Files)の全画像を撮影範囲内で合成し、球状立体動画のいかなる部分も切断されないようにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法により、完成した画像が撮影範囲を超過しないよう確保して、完全な球状の立体動画ファイルに編成(Stitching)する。また、撮影者自身が被写体の高度を選択し、各異なる撮影位置の角度調整を自動的に迅速に完成して、画像が切断される可能性を減少させる。更に、各異なる撮影位置に対し、撮影角度の記憶教育を実行し、被写体が各画像内で完全に表現されるよう確保する。最後に、球状立体動画撮影前に、各撮影位置の角度に対し調整したか確認し、各位置の360度の撮影作業を自動的に順に完成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の実施例によるシステム制御図である。本発明は、撮影角度傾斜機構16の撮影角度調整が重点である。電源14は電源をコンピュータ10、画像捕捉装置12、及び、制御カード13に提供し、コンピュータ10はUSB18、及び、19により、それぞれ、画像捕捉装置12、及び、制御カード13と連接し、更に、コンピュータ10内のアプリケーション、及び、アプリケーションと制御プログラム11により、それぞれ、画像捕捉装置12、及び、制御カード13を制御すると共に、画像捕捉装置12が生成する画像をコンピュータ10に伝送する。制御カード13は電源線/信号線23により、円形路移動機構15、撮影角度傾斜機構16、及び、ターンテーブル回転機構17を制御する。
【0012】
図2は、本発明の方法の撮影角度記憶教育システムを示す図である。被写体31はターンテーブル回転機構17の中央に配置され、画像捕捉装置12が、円形路移動機構15により移動され、円形路上で移動する。位置A、B、C、D、Eは五個の異なる撮影位置で、且つ、それぞれ、第一列(Row#1)、第二列(Row#2)、、、第五列(Row#5)の撮影位置を示す。異なる位置で、ターンテーブル回転機構17は指定の各列の撮影枚数によって、一回転する。同時に、異なる位置で、画像捕捉装置12の撮影角度は、撮影角度傾斜機構16の調整を受けて、被写体31は図3の撮影範囲32内に位置する。
【0013】
図3は、本発明の方法の撮影角度未調整の画像が切断される状態を示す図である。位置Aは水平撮影で、被写体31は撮影範囲32の捕捉により、画像切断がひどく、位置B、及び、Cの画像も、異なる程度の切断があり、位置Dは画像が切断されていないが、撮影範囲32の中央に表示されず、上方の撮影位置Eも被写体31が不規則形状で、画像も撮影範囲32の中央に表示されない。よって、撮影位置それぞれに対し角度調整を行うことが必要である。
【0014】
図4は、本発明の方法の撮影角度を調整した完全な画像を示す図で、水平撮影位置Aから上方の撮影位置Eは、撮影角度の調整を実行するので、生成される画像は撮影範囲32の中央で表示される。
【0015】
各撮影位置に対し、撮影角度を調整するのは二種の方式がある。一つは、図5で示される自動角度オフセット(Auto Angle Offset)、もう一つは、図2で示される撮影角度の記憶教育(Memory Teaching)である。
【0016】
図5は、本発明の自動角度オフセットシステムを示す図で、図6は、本発明の方法の自動確保補償の工程図である。図5の各実行工程を参照すると、まず、工程10で実行を開始し、ターンテーブル回転機構17の中心点Oの尺33は、ターンテーブル回転機構17の中心点Oが、距離rの円形路移動機構15上で、画像捕捉装置12の最大撮影可能高度L(即ち、O点からR点の長さで、同時に、被写体の最大許容高度であり、Lは24センチであるとする)を測定し、S点はO点からR点の中間点である(工程11)。
【0017】
その後、円形路移動機構15により画像捕捉装置12を移動させ、A、B、C、D、Eでそれぞれ撮影作業を実行し、A、B、C、D、Eにより、それぞれ、O点とS点と連接し、形成されるθ1〜θ5角度、即ち、被写体高度がLの時、A、B、C、D、E各位置で、撮影角度を補償する(工程12)。生成されるθ1〜θ5は、「撮影角度の自動補償チェック表」D10に記入される。更に、被写体31、或いは、尺33の高度は3センチ低く、即ち、Lは21センチであり、新たに中間点S1の10.5センチを表示して、前の連接工程を重複し、θ6〜θ10を形成すると共に、「撮影角度の自動補償チェック表」D10に記入される。同時に、Lが0になるまで工程S12〜S14を重複し、異なる高度が対応する異なる位置の完全な「撮影角度自動補償チェック表」D10を完成する(工程15)。
【0018】
図7は、本発明の方法の「撮影角度の記憶教育」工程を示す図で、図2の各実行工程が図8の工程42、43を実行工程であることを説明する。まず、工程20で開始し、図2の水平位置Aの画像捕捉装置12を回転させて、図4の位置Aで示されるように、被写体31を撮影範囲32内の中央に配置する(工程21)。工程22で、被写体31が撮影範囲32内か確認し、もし、範囲内でない場合、a点から図8のa点に連接してプレビューし(工程34)、ズームアウトを実行する(工程35)。更に、位置Aから工程21を再実行する。もし、範囲内である場合、補償角度α1を「撮影角度の記憶境域チェック表」D20に記録し(工程23)、更に、位置B、C、D、Eでそれぞれ、前述の三工程を重複すると共に、それぞれ生成される補償角度α2、α3、α4、及び、α5を「撮影角度の記憶境域チェック表」D20に記憶し(工程24)、「撮影角度の記憶境域チェック表」D20の構築を完成する(工程25)。
【0019】
図8は、本発明の方法による球状立体動画ファイルの生成の工程図である。まず、工程30で開始し、生成する球状立体動画ファイルを選択する(工程31)。動画ファイルの画像名称(Image Name)、画像尺寸(Image Size)、及び、画像解像度(Image Resolution)を入力して、同時に、画像捕捉装置12が、円形路上で、何列(No. of Row)撮影するか、各列何枚撮影するか(No. of Images/Row)選択する(工程33)と共に、コンピュータ10のモニター上でプレビューし(工程34)、ズームイン/アウトする(工程35)。
【0020】
続いて、撮影角度調整を実行する方式の選択は工程36である。
【0021】
方式1:自動角度オフセットを採用し(工程37)、被写体の高度を選択する(工程38)。図6の撮影角度の自動補償チェック表D10は、被写体31の高度と対応する補償角度を選択する(工程39)。最後に、異なる位置の対応補償角度を各異なる位置の撮影上に応用する(工程40)。
【0022】
方式2:記憶教育を採用し(工程41)、記憶教育を実行し(工程42)、「撮影角度の記憶教育チェック表」D20を構築する(工程43)。最後に、異なる位置で生成される補償角度をそれぞれ、各異なる位置の撮影上に応用する(工程44)。球状立体動画の組成画像の撮影を開始し、球状立体動画ファイルを編成する(工程45)。同時に、球状立体動画ファイルの各画像が切断されたか確認する(工程46)。切断された場合、工程34に戻り、撮影角度調整と撮影工程全体を重複する。切断されない場合、球状立体動画ファイルの画像尺寸を変更するか検査する(工程47)。もし、画像尺寸を変更する場合、工程34に戻る。尺寸を変更しない場合、球状立体動画ファイルの生成を完成する(工程48)。
【0023】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の方法の実施例のシステム制御図である。
【図2】本発明の方法の撮影角度の記憶教育システム図である。
【図3】本発明の撮影角度調整を実行しない切断画像を示す図である。
【図4】本発明の撮影角度調整を実行した完全な画像を示す図である。
【図5】本発明の方法の「自動角度オフセット」システム図である。
【図6】本発明の方法の「自動角度オフセット」工程図である。
【図7】本発明の方法の「撮影角度の記憶教育」工程図である。
【図8】本発明の方法の球状立体動画ファイルの生成の工程図である。
【符号の説明】
【0025】
10 コンピュータ(Computer)
11 アプリケーションと制御プログラム(Application and Control Program)
12 画像捕捉装置(Image Capturing Device)
13 制御カード(Control Card)
14 電源(Power Source)
15 円形路移動機構(Circular Path Moving Mechanism)
16 撮影角度傾斜機構(Shooting Angle Tilting Mechanism)
17 ターンテーブル回転機構(Turntable Rotation Mechanism)
18,19 ユニバーサルバス(USB)
20,21,22 電源線(Power Cable)
31 被写体(Photographed Object)
32 撮影範囲(Shooting Area)
33 尺(Ruler)
S10、S11、S12、S13、S14、S15、S20、S21、S22、S23、S24、S25、S30、S31、S32、S33、S34、S35、S36、S37、S38、S39、S40、S41、S42、S43、S44、S45、S46、S47、S48 工程
D10 撮影角度の自動補償チェック表
D20 撮影角度の記憶教育チェック表
O ターンテーブル中心点
P 上方中心点
Q 側面中心点
R 量測頂点
S 量測中心点
A、B、C、D、E 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法であって、撮影角度調整の方法を実行し、
(1) 制御器により画像捕捉装置の移動、及び、回転を制御する工程と、
(2) 円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対し、異なる被写体の高度によって、異なる撮影位置で、予め設けられた「撮影角度の自動補償チェック表」から、前記位置と対応する撮影補償角度を選択する工程と、
(3) 前記画像捕捉装置が円形路に沿って各異なる位置で撮影を実行する時、前記の各位置で選択された前記撮影補償角度だけ前記画像捕捉装置の撮像角度を補償する工程と、
からなることを特徴とする円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法。
【請求項2】
前記の各位置が選択する撮影補償角度の応用は、異なる位置の順序により自動的に応用することを特徴とする請求項1に記載の円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法。
【請求項3】
前記制御器はコンピュータを含むことを特徴とする請求項1に記載の円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法。
【請求項4】
円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法であって、
(1) 制御器により画像捕捉装置の移動、及び、回転を制御する工程と、
(2) 円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対し、異なる撮影位置によって、撮影角度の記憶教育を実行して、各撮影位置の「撮影角度の記憶教育チェック表」を構築し、異なる撮影位置の撮影補償角度を得る工程と、
(3) 前記画像捕捉装置が円形路に沿って各異なる位置で撮影を実行する時、前記の各位置が選択する撮影補償角度を応用する工程と、
からなることを特徴とする円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法。
【請求項5】
前記各位置が選択する撮影補償角度の応用は、異なる位置の順序により自動的に応用することを特徴とする請求項4に記載の円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法。
【請求項6】
前記制御器はコンピュータを含むことを特徴とする請求項4に記載の円形路に沿って移動する画像捕捉装置に対して撮影角度調整を実行する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−68043(P2010−68043A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230113(P2008−230113)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(507005171)オルテリー テクノロジーズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】