説明

円筒状紙容器の成形装置

【課題】リッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置で、たとえサック貼りされた胴部材にサック貼り誤差があっても、円筒状胴部を胴部保持具内に容易に収納でき、且つ胴部保持具の外周が膨らまずリッド成形が可能な円筒状紙容器の成形装置の提供にある。
【解決手段】胴部保持具50と、両側端にリッド成形雌型40と該リッド成形雌型内に嵌合するリッド成形雄型44とでなり、該胴部保持具50内にはサック貼り円筒状胴部10が保持され、一方側端のリッド成形雌型40の開口部42には、メンコ状の蓋部材30aが、他方側端のリッド成形雌型40の開口部42には、メンコ状の底部材20aが載置されているリッド成形部100を備えた円筒状紙容器の成形装置において、前記胴部保持具50がサック貼りされた円筒状胴部10の中間部10cのみを保持している円筒状紙容器の成形装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙を主体とした積層材料によって形成された円筒状の容器、すなわち金属缶代替の円筒状紙容器の成形装置に関するものであり、特に円筒状紙容器を構成する円筒状胴部内面に円形トレー状底部および蓋部を成形しながら嵌合貼着するリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、個包装されたチョコレートや飴等菓子類の二次容器として、あるいは果汁飲料・野菜ジュース、お茶類、コーヒー等飲料の容器として、金属缶が広く使用されているが、近年の環境保護の観点から、この金属缶の代替容器として、紙を主体とした積層材料によって形成された円筒状の紙容器が実用化され使用されるようになってきた。
【0003】
上記従来の円筒状紙容器のうち、菓子類の二次容器の一事例として、例えば、図1(a)の斜視図および図1(b)の側断面図に示すように、紙を主体とし、その表面に印刷層が施された円筒状胴部(10)の下端に円形トレー状底部(20)が嵌合・貼着され、上端には円形トレー状蓋部(30)が嵌合・貼着されているもので、その円筒状胴部(10)の上部には開封用切り込み線(16)が刻設されている円筒状紙容器(1)がある。
【0004】
あるいは飲料の容器の一事例として、例えば、図1(a)の斜視図および図1(b)の側断面図に示すように、紙を主体とし内面がポリエチレンでなる円筒状胴部(10)の下端に円形トレー状底部(20)と、上端にタブテープ(32)が貼着され、飲み口(34)が刻設されている円形トレー状蓋部(30)が嵌合され貼着されて、さらにその上下端でインカールされ巻き締めされているものがある。
【0005】
上記円筒状紙容器の製造は、紙を主体とし、ロール状胴部材をカットし、必要に応じエッジプロシール(エッジの液漏れ防止処理)等を経て、サック貼りして円筒状胴部(10)を作製し、この円筒状胴部(10)の内面上端に、円形トレー状蓋部(30)の嵌合貼着と、円筒状胴部(10)の内面下端に、円形トレー状底部(30)の嵌合貼着を行うリッド成形部を経て、さらに必要に応じ(飲料の容器の場合)上下端でインカールされ巻き締めされて円筒状紙容器(1)とする方法が一般的である。なお、ここでいうリッドとは、円形トレー状蓋部(30)と円形トレー状底部(20)を指している。
【0006】
上記リッド成形部をさらに詳しく説明すると、例えば、図5(a)の側断面図に示すように、円筒状の胴部保持具(50)と、その両側端にリッド成形雌型(40)とこのリッド成形雌型(40)内に嵌合されているリッド成形雄型(44)とでなり、前記胴部保持具(50)内には、この胴部保持具(50)と同じ長さ(H)のサック貼りされ起函(開口)された円筒状胴部(10)が保持されている。
【0007】
そして、その一方側端のリッド成形雌型(40)の開口部(42)には、この開口部(42)を塞ぐようにメンコ状の蓋部材(30a)が載置され、もう一方の側端のリッド成形雌型(40)の開口部(42)には、この開口部(42)を塞ぐようにメンコ状の底部材(20a)が載置されている。
【0008】
さらに、例えば、図5(b)に示すように、両側端のリッド成形雌型(40)に上記円筒状胴部(10)が保持されている胴部保持具(50)が嵌合されると同時に、両側端のリッド成形雄型(44)がリッド成形雌型(40)の開口部(42)に挿入されると、図5(a)に示すメンコ状の蓋部材(30a)およびメンコ状の底部材(20a)が、図5
(b)に示すように、円形トレー状蓋部(30)および円形トレー状底部(20)に成形しながら、例えば、図5(c)に示すように、胴部保持具(50)内に保持されている円筒状胴部(10)内に押し込み、円形トレー状蓋部(30)および円形トレー状底部(20)を所定の位置に嵌合・貼着するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、例えば、図3の正面図に示すように、側端縁にシール部(18)を有しサック貼りされた胴部材(10a)は、天地間で0.3〜1mm程度のサック貼り誤差(K)があるのが一般的であり、このサック貼り誤差(K)が、サック貼りされた胴部材(10a)を開口したときの円筒状胴部(10)の外周寸法に現れ、その外周に太い部分ができ、よって円筒状の胴部保持具(50)内に収納することができなくなるか、あるいは無理に収納すると胴部保持具(50)の外周も膨らんでしまうという問題があり、その場合自ずとリッド成形雌型(40)への嵌合ができなくなってリッド(円形トレー状蓋部等)の成形が不可能になるという問題点があった。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、金属缶代替の円筒状紙容器を構成する円筒状胴部の内面に円形トレー状底部および蓋部を成形しながら嵌合貼着するリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置において、たとえサック貼りされた胴部材に天地間で0.3〜1mm程度のサック貼り誤差があっても、円筒状胴部を、これを保持する胴部保持具内に容易に収納することができ、かつ該胴部保持具の外周が膨らんでしまうという問題もなく、よって円筒状胴部の内面に円形トレー状底部および蓋部を成形しながら嵌合貼着することができるリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、円筒状の胴部保持具と、その両側端にリッド成形雌型と該リッド成形雌型内に嵌合されているリッド成形雄型とでなり、前記胴部保持具内にはサック貼りされ起函された円筒状胴部が保持されていて、その一方側端のリッド成形雌型の開口部には、この開口部を塞ぐようにメンコ状の蓋部材が載置され、他方側端のリッド成形雌型の開口部には、この開口部を塞ぐようにメンコ状の底部材が載置されているリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置において、前記胴部保持具がサック貼りされ起函された円筒状胴部の中間部のみを保持していることを特徴とする円筒状紙容器の成形装置としたものである。
【0012】
また、請求項2の発明では、前記胴部保持具が保持する円筒状胴部の中間部は、少なくとも円形トレー状蓋部および底部が嵌合貼着される部位より中心側であることを特徴とする請求項1記載の円筒状紙容器の成形装置としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0014】
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、リッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置において、胴部保持具がサック貼りされ開口された円筒状胴部の中間部のみを保持しているので、たとえサック貼りされた胴部材に天地間で0.3〜1mm程度のサック貼り誤差があり、円筒状胴部の外周に太い部分があったとしても、この円筒状胴部を胴部保持具内に容易に収納することができ、あるいは外周が変化した円筒状胴部を収納しても胴部保持具の外周が膨らんでしまうという問題もなく、よって円筒状胴部の内面に円形トレー状底部および円形トレー状蓋部を成形しながら嵌合貼着することができるリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置とすることができる。
【0015】
さらにまた、上記請求項2に係る発明によれば、胴部保持具が保持する円筒状胴部の中間部を、少なくとも円形状蓋部および底部が嵌合貼着される部位より中心側とすることによって、この嵌合貼着される部位に胴部保持具がないので、この胴部保持具が膨らむことがなく、従ってこの胴部保持具内に収納され保持される円筒状胴部に円形トレー状蓋部および底部が容易に嵌合され貼着されるリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置とすることができる。
【0016】
従って本発明は、個包装されたチョコレート等菓子類あるいはジュース等飲料類を収納し、紙を主体とした積層材料によって形成された円筒状紙容器の成形装置として、優れた実用上の効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の円筒状紙容器の成形装置で得られる円筒状紙容器の一事例を示す説明図であり、図2は、本発明の円筒状紙容器の成形装置で得られる円筒状紙容器の他の事例を示す説明図である。また、図3は、本発明の円筒状紙容器の成形装置の一部を示す説明図であり、図4は、本発明の円筒状紙容器の成形装置に使用する円筒状胴部材の一事例を示す説明図であり、図5は、本発明の円筒状紙容器の成形装置に使用する円筒状胴部材の一事例を側断面で表した説明図である。
【0019】
本発明は、例えば、図1(a)および図2(a)の斜視図に示すような、紙を主体とした積層材料でサック貼りされてなる円筒状胴部(10)の上端に円形状蓋部(30)と、下端には円形状底部(20)が嵌合貼着された金属缶代替の円筒状紙容器(1)を製造する成形装置に関するものである。
【0020】
上記請求項1に係る発明は、図3(a)の側断面図に示すように、円筒状の胴部保持具(50)と、その両側端にリッド成形雌型(40)とこのリッド成形雌型(40)内に嵌合されているリッド成形雄型(44)とでなり、前記胴部保持具(50)内には、例えば、図4の正面図に示すようなサック貼りされた胴部材(10a)を起函(開口)し、起函された円筒状胴部(10)が保持されていて、その右側端のリッド成形雌型(40)の開口部(42)には、この開口部(42)を塞ぐようにメンコ状の蓋部材(30a)が載置され、左側端のリッド成形雌型(40)の開口部(42)には、この開口部(42)を塞ぐようにメンコ状の底部材(20a)が載置されているリッド成形部(100)を備えた円筒状紙容器の成形装置において、前記胴部保持具(50)がサック貼りされ起函された円筒状胴部(10)の中間部(10c)のみを保持し、左右の先端部(10b)が保持されていないリッド成形部(100)を備えた円筒状紙容器の成形装置である。
【0021】
また、上記請求項2に係る発明は、例えば、図3(c)の側断面図に示すように、胴部保持具(50)が保持する円筒状胴部(10)の中間部(10c)を、円形トレー状蓋部(30)および円形トレー状底部(20)が嵌合貼着される部位(30c、20c)より中心側としたリッド成形部(100)を備えた円筒状紙容器の成形装置である。
【0022】
以上のように、リッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置において、例えば、図2(a)に示すように、胴部保持具(50)がサック貼りされ起函された円筒状胴部(10)の中間部(10c)のみを保持しているので、図4に示すように、たとえサック貼りされた胴部材(10a)に天地間で0.3〜1mm程度のサック貼り誤差(K)があって円筒状胴部(10)の外周が変わったとしても、この外周が変わった円筒状胴部(10)の細い方から、これを保持する胴部保持具(50)内に容易に収納することができ、あるい
は外周が変わった円筒状胴部(10)が収納される胴部保持具(50)の外周が膨らんでしまうという問題もなく、よって円筒状胴部(10)の内面に円形トレー状底部(20)および円形トレー状蓋部(30)を成形しながら嵌合貼着することができるリッド成形部(100)を備えた円筒状紙容器の成形装置とすることができる。
【0023】
また、例えば、図3(c)に示すように、胴部保持具(50)が保持する円筒状胴部(10)の中間部(10c)を、円形トレー状蓋部(30)および円形トレー状底部(20)が嵌合貼着される部位(30c、20c)より中心側とすることによって、この嵌合貼着される部位(30c、20c)に胴部保持具(50)がないので、たとえサック貼りされた胴部材(10a)に天地間で0.3〜1mm程度のサック貼り誤差(K)があって円筒状胴部(10)の外周が変わったとしても、この外周が変わった円筒状胴部(10)を保持する胴部保持具(50)が膨らむことがなく、従ってこの胴部保持具(50)内に収納され保持される円筒状胴部(10)に円形トレー状蓋部(30)および円形トレー状底部(20)が容易に嵌合され貼着されるリッド成形部(100)を備えた円筒状紙容器の成形装置とすることができる。
【0024】
以下に、本発明の円筒状紙容器の成形装置を用いた円筒状紙容器の成形について詳細に説明する。
【0025】
まず、図4に示すようなサック貼りされた胴部材(10a)を起函(開口)し、図3(a)に示すように、円筒状胴部(10)とし、この円筒状胴部(10)の中間部(10c)のみを胴部保持具(50)内に収納し保持される。
【0026】
この状態の円筒状胴部(10)の両側先端部(10b)内面に、個包装された菓子類の二次容器の場合はホットメルト接着剤(図示せず)を塗布する。
【0027】
上記円筒状胴部(10)が保持された胴部保持具(50)の両側端に、リッド成形雌型(40)とこのリッド成形雌型(40)内に嵌合されているリッド成形雄型(44)があり、その右側端のリッド成形雌型(40)の開口部(42)には、この開口部(42)を塞ぐようにメンコ状の蓋部材(30a)が載置され、左側端のリッド成形雌型(40)の開口部(42)には、この開口部(42)を塞ぐようにメンコ状の底部材(20a)が載置される。
【0028】
続いて、図3(b)に示すように、円筒状胴部(10)の両先端部(10b)がリッド成形雌型(40)の開口部(42)周縁に嵌合すると同時に、両側端のリッド成形雄型(44)がリッド成形雌型(40)の開口部(42)にメンコ状の蓋部材(30a)とメンコ状の底部材(20a)を円形トレー状蓋部と円形トレー状底部に成形しながら挿入される。
【0029】
さらに、図3(c)に示すように、リッド成形雄型(44)を挿入して、円形トレー状蓋部(30)と円形トレー状底部(20)に成形し、円筒状胴部(10)の両先端部の所定の位置(貼着される部位(30c、20c))に円形トレー状蓋部(30)と円形トレー状底部(20)を嵌合し貼着して円筒状紙容器とする。
【0030】
なお、上記のような円筒状紙容器(1)の製造に際し、例えば、図2(b)に示すように、飲料の容器とする場合で円筒状胴部(10)の上下端部にインカールを施し巻き締めを要する場合は、この成形装置のリッド成形部(100)とは別ラインにて行うことができる。
【0031】
また、個包装されたチョコレート等の場合の充填は、例えば、図3(a)に示すように
、円筒状胴部(10)の中間部(10c)のみを胴部保持具(50)内に収納し保持した後に行い、その後に、ホットメルト接着剤を塗布し、図3(c)に示すように、円形トレー状蓋部(30)および円形トレー状底部(20)を嵌合・貼着して封止し、商品とするものである。
【0032】
また、ジュース等飲料の場合の充填は、上記インカール・巻き締め工程を経た円筒状紙容器(1)に無菌室の別装置で行うもので、例えば、図2(a)に示すような円形状蓋部(30)に刻設されている飲み口(34)から充填し、その飲み口(34)をタブテープ(32)で封止して商品とするものである。
【0033】
以下に、上記円筒状紙容器の簡易成形装置で得られる円筒状紙容器(1)の材料等を説明する。
【0034】
上記菓子類の二次容器としての円筒状紙容器(1)を構成する場合の胴部材(10a)としては、200g/m2 程度のアイボリー等紙基材の表面に印刷層が施され、この印刷層を保護するとともに光沢性を持たせるための光沢ニス層が施され、2本の押し罫と開封用切り込み線(16)が施されているものが挙げられる。
【0035】
また、上記二次容器としてのメンコ状の底部材(20a)および蓋部材は、押し罫および開封用切り込み線が施されていない以外は、上記円筒状胴部材(10a)とほぼ同様の構成となっている。
【0036】
さらにまた、上記菓子類の二次容器としての円筒状紙容器(1)を構成する場合の円筒状胴部(10)の上下端内面に塗布するホットメルト接着剤としては、熱可塑性樹脂を比較的低温(200℃以下)で加熱溶融させて塗布するもので、その組成は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)を主体とし、これにワックス、粘着付与樹脂、可塑剤、充填剤等をブレンドしている。ここで使用されるものとしては、軟化点103〜104℃で、粘度1,000/170cP/℃、750〜850/180cP/℃のカートン封缶用タイプが好適に使用される。
【0037】
また、ジュース等飲料の容器としての円筒状紙容器(1)を構成する場合の胴部材(10a)としては、例えば、図5の積層側断面図に示すように、320g/m2 程度の紙基材(70)の表面に印刷層(72)が施され、この印刷層(72)を保護するとともに耐水性を持たせるためのポリエチレン層(74)が施され、内面にはサンドポリエチレン層(75)を介してガスバリア層(76)が施され、最内面には食品衛生性を考慮したポリエチレン層(74)が積層されたものが一般的である。
【0038】
上記ガスバリア層(76)は、飲料等の酸化を防止するためのもので、例えば、厚み10μm程度のアルミニウム箔が用いられていたが、近年の環境問題に鑑み、この円筒状紙容器(1)のリサイクルあるいは廃棄処理において、このガスバリア層(76)として使用していたアルミニウム箔は、分別回収が極めて困難であり、廃棄処理してもアルミニウム箔が残留して環境破壊を引起し、また、焼却処理に際しても、焼却炉を傷めたり、埋め立て処分場での焼却灰から有毒ガスが発生するなどがあり、さらに金属系の異物混入を検査する金属探知機が使用できないなどの問題点があるため、最近では、このアルミニウム箔に代え、プラスチック基材(例えば、厚み12μm程度)の表面に、酸化珪素、酸化アルミニウムあるいは酸化マグネシウム等無機酸化物を、真空蒸着法、スパッタリング法等物理気相成長法(PVD法)、あるいはプラズマ化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を利用し、その無機酸化物の蒸着膜を形成してなる透明ガスバリアフィルムがガスバリア層(76)としはて使用されるようになってきた。
【0039】
また、上記飲料の容器としてのメンコ状の底部材(20a)およびメンコ状の蓋部材(30a)は、紙基材(70)を200g/m2 程度としている以外は、上記円筒状の胴部材(10a)とほぼ同様の構成となっていて、その蓋部材(30a)には、飲み口(34)が貫設されているものが一般的である。
【0040】
また、飲み口(34)を封止するタブテープ(32)としては、特に限定するものではないが、例えば、坪量80g/m2 程度の紙の表面に印刷を施し、その上に厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが施され、裏面には厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化アルミニウム等の蒸着薄膜が施された透明バリア層が施され、最内面には無延伸ポリプロピレンでなるシーラント層が施されているものが好適に使用されている。
【0041】
さらにまた、円筒状胴部(10)の上下端内面に塗布するホットメルト接着剤としては、熱可塑性樹脂を比較的低温(200℃以下)で加熱溶融させて塗布するもので、その組成は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)を主体とし、これにワックス、粘着付与樹脂、可塑剤、充填剤等をブレンドしている。ここで使用されるものとしては、軟化点103〜104℃で、粘度1,000/170cP/℃、750〜850/180cP/℃のカートン封缶用タイプが好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の円筒状紙容器の成形装置で得られる円筒状紙容器の一事例の説明で、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その側断面図である。
【図2】本発明の円筒状紙容器の成形装置で得られる円筒状紙容器の他の事例の説明で、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その側断面図である。
【図3】本発明の円筒状紙容器の成形装置の一部の一事例を説明するもので、(a)は、リッド成形前の状態を示す側断面図であり、(b)は、成形中の状態を示す側断面図であり、(c)は、成形後の状態を示す側断面図である。
【図4】本発明の円筒状紙容器の成形装置に挿入されるサック貼りされた胴部材の一事例を示す正面図である。
【図5】本発明の円筒状紙容器の成形装置に使用される胴部材の一事例を側断面で表した説明図である。
【図6】従来の円筒状紙容器の成形装置の一部の一事例を説明するもので、(a)は、リッド成形前の状態を示す側断面図であり、(b)は、成形中の状態を示す側断面図であり、(c)は、成形後の状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1‥‥円筒状紙容器
5‥‥支持台
6‥‥移動プレート
10‥‥円筒状胴部
10a‥‥円筒状胴部材
10b‥‥円筒状胴部材の先端部
10c‥‥円筒状胴部材の中間部
16‥‥開封用切り込み線
20‥‥円形トレー状底部
20a‥‥メンコ状の底部材
30‥‥円形トレー状蓋部
30a‥‥メンコ状の蓋部材
32‥‥タブテープ
34‥‥飲み口
40‥‥リッド成形雌型
42‥‥リッド成形雌型の開口部
44‥‥リッド成形雄型
50‥‥胴部保持具
70‥‥紙基材
72‥‥印刷層
74‥‥ポリエチレン層
75‥‥サンドポリエチレン層
76‥‥ガスバリア層
100‥‥リッド成形部
H‥‥円筒状胴部の長さ
K‥‥サック貼り誤差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の胴部保持具と、その両側端にリッド成形雌型と該リッド成形雌型内に嵌合されているリッド成形雄型とでなり、前記胴部保持具内にはサック貼りされ起函された円筒状胴部が保持されていて、その一方側端のリッド成形雌型の開口部には、この開口部を塞ぐようにメンコ状の蓋部材が載置され、他方側端のリッド成形雌型の開口部には、この開口部を塞ぐようにメンコ状の底部材が載置されているリッド成形部を備えた円筒状紙容器の成形装置において、前記胴部保持具がサック貼りされ起函された円筒状胴部の中間部のみを保持していることを特徴とする円筒状紙容器の成形装置。
【請求項2】
前記胴部保持具が保持する円筒状胴部の中間部は、少なくとも円形トレー状蓋部および底部が嵌合貼着される部位より中心側であることを特徴とする請求項1記載の円筒状紙容器の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−272820(P2006−272820A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−97443(P2005−97443)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】