再狭窄の検出用装置
医療器具が、ステントの再狭窄の程度を測定するために開示されており、当該雨量危惧は、ステント,エネルギー送信器,エネルギー受信器および送信エネルギーと受信エネルギーとを比較するためのプロセッサを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの実施例において、狭窄症および再狭窄の検出方法に関し、特に再狭窄を検出するようになされたステントに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用ステントは、一般的に、例えば血管のような、閉鎖したまたは閉塞した管腔を処置するために使用される。かかる閉塞は、狭窄症としてよく言及される。ステントは、心血管,胃腸病学および泌尿器学等を含む、多くの医療分野での使用が見出されている。
【0003】
ステント技術についての1つの重大な欠点は、再狭窄による管腔の再閉塞である。ステントが挿入された後、平滑筋細胞および/または血小板が、ステント表面上に増殖する傾向があり、その結果、管腔の閉塞を引き起こす。
【0004】
再狭窄に対する現在の治療は、一般に、血小板の蓄積を物理的に除去する侵襲的処置を伴う。他の方法は、閉塞したステントを交換用ステントで完全に置換することを含む。
【0005】
Schwartzなどによる米国特許第6,015,387号は、血流を測定するようになされたステントについて説明しており且つ特許請求の範囲としている。装置は、血管に向かって方向付けられる超音波を発生させるための圧電性結晶を含む。同一のまたは第2の圧電性結晶が、血管からの反射振動波を検出するために使用され、血管内の血流を示すRF信号を生成する。当該米国特許は、ステントは、血液に熱または振動を与えることによって治療機能も与え、再狭窄を阻止することができる、ということをも教示している。1つの実施例において、フィードバック制御ループは、血流測定に基づく治療機能を調節する。従って、この特許は、再狭窄を間接的に測定するための1つの方法を示しているが、血小板の蓄積についての直接的な測定方法を教示または示唆していない。米国特許第6,015,387号の内容は、本願に引用して援用される。
【0006】
Splillmanなどによる米国特許第6,170,488号は、音響高調波(acoustic harmonics)に基づく、埋め込み型医療機器の状態を検出する方法を開示している。例えば、ステント32における高調波は、ステント内で起こる再狭窄の程度に応じて増大させたり減少させたりし得る。従って、定期検査(例えば趨勢分析(trending))にわたって高調波の存在をモニタリングすることによって、再狭窄が悪化するのを監視することが可能となる。従って、この特許は、血小板の蓄積を間接的に測定するための1つの方法を示しているが、再狭窄の直接的な測定方法を教示または示唆していない。さらに、かなりの量の再狭窄は、ステントの音響高調波が大きく変化する前に生じるに違いない。ステントを振動エネルギーに頻繁にさらすことによって、ステントおよび周囲の組織に損傷を与える原因ともなる。米国特許第6,170,488号の内容は、本願に引用して援用される。
【0007】
Kasinkasなどによる米国特許第6,200,307号は、ステント内再狭窄の治療方法を示している。明細書は、「実質的に周囲の管腔壁またはステント自体に損傷を与えないが、平滑筋細胞量の減少をもたらす態様で、埋め込みステント内または埋め込みステント周囲に成長した平滑筋細胞に放射線を加えることによって、ステント内再狭窄を治療する方法」を示している。放射線は、フレキシブルカテーテルを通じてステント中に導入される。従って、この特許は蓄積した血小板を除去する1つの方法を示しているが、血小板蓄積の程度を検出する手段を教示または示唆していない。先行技術も、外部装置の補助なしに再狭窄を除去するステントについての利用法を教示または示唆していない。米国特許第6,200,307号の内容は、本願明細書の内容に取り込まれる。
【0008】
Connellyなどによる米国特許第6,488,704号は、フローサイトメータとして機能するようになされたステントを説明している。埋め込み型ステントは、「チューブの内面上に配される幾つかの光エミッタおよびチューブの内面上に配される幾つかの光検出器」を含む。標識された粒子がステントを通過するとき、光エミッタおよび光検出器は標識された細胞を検出することができる。従って、この特許は、ステントを流れる粒子を検出するための1つの方法を示している。米国特許第6,488,704号の内容は、本願に引用して援用される。
【0009】
Santiniなどによる米国特許第6,491,666号および米国特許第6,656,162号のそれぞれは、ステント表面に取り付けられたマイクロチップからの信号に応じて、分子を放出するようになされた医療用ステントを開示し且つ特許請求の範囲としている。ステント中へのマイクロチップデバイスの組込みが、この特許において説明されている。1つの実施例において、ステントによって放出される分子は、抗再狭窄薬剤である。米国特許第6,491,666号および米国特許第6,656,162号の内容は、本願に引用して援用される。
【0010】
ステント内の血小板の存在を、直接的に検出することができるステント,ステント内の血小板を除去することができるステントおよびステント内の血小板の直接検出のための工程、のうちの少なくとも1つを提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【0011】
本発明によると、送信波および受信波の強度の比較による、ステント内再狭窄の検出用装置および方法が提供されている。流体が閉塞していないステントを通って流れるときに、基準値測定が行われる。ステントに血小板が蓄積するにつれて、受信波の強度は、送信波の強度に対して徐々に減少する。この減少は、状況に応じて治療上の処置に連関し、再狭窄を阻止する。
【0012】
上述の技術は、従来技術のステントよりも単純であるので有利である。低強度の電磁波を使用することによって、ステントまたは周囲組織への損傷を引き起こさない。従って、この技術は、再狭窄の程度をモニタするために頻繁にまたは連続的にさえ使用され得る。さらに、本発明は、侵襲技術を使用することなしに、再狭窄のモニタリングを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、好ましい実施例に関連して説明されるが、説明される実施例に本発明を限定することを意図するものではない、ということが理解されるであろう。これに反して、特許請求の範囲によって定義された本発明の精神および範囲内に含まれ得る、全ての置き換え,変更および均等物を包含することを意図している。
【0014】
本発明を説明するにあたって、さまざまな用語が詳細な説明において使用されている。ステントという用語は、血管形成手段を通じて血管中に永久的に埋め込まれ得る、金属またはポリマーから作られるシリンダーまたはやぐら(scaffold)について言及するものである。引例は、米国特許第6,190,393号であることができ、その開示内容は、本願に引用して援用される。ステントという用語は、血管以外の管腔において使用される、かかるシリンダまたはやぐらについても言及する。
【0015】
狭窄(stenosis)という用語は、例えば血管のような通路,導管,狭窄部または管腔の狭窄または狭小化について言及するものである。最狭窄は、管腔(または埋め込み型医療機器)における狭窄の再発について言及する。
【0016】
基準値という用語は、指定時間に測定される測定値について言及するものであり、後に第2の測定値に対する比較のための基準点として使用される。基準値の測定は、通常はステントが新品状態であるときに行われる。基準測定値は、ステントを満たし得る流体に起因した、エネルギー読み取りの変動を、使用者が補正することを可能にする。基準値の読み取りに由来する一定量の変動は、許容範囲である。その理由は、このことは多くの流体の不均質性からなり得るからである。
【0017】
図1Aは、本発明の1つの実施例を利用する器具の断面図である。図1Aに示された実施例において、ステント14を含む器具10は、管腔12内に配置される。1つの実施例において、流体が、矢印11の方向で管腔12を通って流れる。1つの実施例において、ステント14は、実質的に弾力性がある。他の実施例において、ステント14は、実質的に弾力性がない。
【0018】
図1Bは、ステント14の部分断面図である。図1Bに示された実施例において、ステント14は、空洞20,外壁16および内壁18を含む。図1Cに示される実施例において、ステント14には、血小板22が蓄積してしまっている。この再狭窄は、空洞20の閉塞の原因となる。1つの実施例において、内壁18は任意的である。ステントが生体内に埋め込まれる場合に、組織への接触面は生体適合性を有していることが好ましい。図1Bに示された実施例において、外壁16および内壁18は生体適合性を有している。1つの実施例において、当該壁は、米国特許第6,124,523号に開示された生体適合性材料のうちの1または2以上の材料から構成されており、この米国特許の内容は、本願に引用して援用される。他の実施例において、当該壁は、ポリテトラフルオロエチレンから構成されている。さらなる実施例においては、他のフッ化プラスチックが使用される。
【0019】
図2は、本発明の他の実施例の断面図である。図2に示された実施例において、ステント25は、空洞20,外壁28,内壁30および中間層26を含む。中間層26内には、エレメント24a〜24eおよび32a〜32eが配置されている。1つの実施例において、エレメント24a〜24eは、電磁エネルギーの送信器として機能するが、エレメント32a〜32eは、電磁エネルギーの受信器として機能する。他の実施例において、エレメント24a〜24eおよび32a〜32eは、電磁エネルギーの送信器としても受信器としても機能する。1つの実施例において、送信器24および受信器32は、米国特許第6,488,704号に開示された送信器および受信器のうちの1または2以上の送信器および受信器から構成されている。他の実施例において、送信器24および受信器32は、VCSEL(面発光レーザ)から構成される。引例は、例えば米国特許第6,686,216号(制御された側方漏洩を有する電気光学トランシーバシステムおよびその作製方法)である。本発明の1つの実施例において、エレメント24a〜24eは、振動エネルギーの送信器として機能する。他の実施例においては、振動エネルギーおよび電磁エネルギーの両方が発生する。他の実施例おいて、エネルギー波は圧電性結晶を使用して発生する。この実施例において、エネルギー波は振動エネルギー波である。さらに他の実施例において、エレメント24aは第1タイプのエネルギーを放射するが、エレメント24bは第2タイプのエネルギーを放射する。実例として(但し限定するものではない)、エレメント24aは任意の波長の光を放射し得るが、エレメント24bは第2の波長の光を放射する。或いはまたはさらに、1つのかかる送信エレメントは、電磁エネルギーを放射するが、第2のエレメントは振動エネルギーを放射し得る。1つの実施例において、送信エレメントは同時に作動される。他の実施例においては、送信エレメントは順次に作動される。
【0020】
受信器32は、いろいろな材料から構成され得る。1つの実施例において、受信エレメントは、当業者によって通常利用される従来のアンテナである。1つの実施例において、受信器は壁26,28および/または30上またはその内部に与えられるコイルまたは回路である。引例は、米国特許第5,737,699号および米国特許第5,627,552号(計時器に用いるアンテナ構造),米国特許第5,495,260号(プリント回路ダイポールアンテナ),米国特許第5,206,657号(プリント回路ラジオ周波数アンテナ),米国特許第6,650,301号(導電性パターン,アンテナおよび製造方法),米国特許第5,535,304号(光学トランシーバユニット)および米国特許第4,549,314号(光通信装置)等である。他の実施例において、受信エレメントは、米国特許第5,602,647号(構成要素の濃度を光学的に測定する装置および方法)に説明されているものである。これらの特許それぞれの内容は、本願に引用して援用される。
【0021】
図2に示される実施例において、かかるエレメントの10個のみが示されている。実施例は、例図を簡略化し且つ図面が密集することを防ぐように示されている。当業者に明らかであるように、送信エレメントおよび受信エレメントの幾つでも、使用され得る。1つの実施例において、内壁30の表面1cm2につき、かかるエレメントが少なくとも1つ存在する。他の実施例においては、表面1mm2につき、かかるエレメントが少なくとも1つ存在する。発生し始める再狭窄が検出されることを確実にするために、ステント38内に十分な数の送信エレメントおよび受信エレメントが配置されることが好ましい。1つの実施例において、内壁30は、フィルタエレメントをさらに含み、当該フィルタエレメントは、エレメント24および32から送信されたエネルギーの波長に選択的にフィルタをかけるようになされている。例図の壁によって(但し限定するものではない)、送信エレメント24は、400nmから750nmの波長のエネルギーを放射し、内壁30は、フィルタとして機能し、600nmから700nmの間の波長のみが空洞20中に許容されるようになる。
【0022】
図3は、本発明の1つの実施例の部分断面図であり、ステント34は、電磁エネルギー36を受信エレメント32a〜32eに送信するエレメント24a〜24eを含む。ステント34は、空洞20,外壁28,内壁30および中間層26をさらに含む。図3に示された実施例において、電磁波36は実質的に平行波から構成されている。1つの実施例においては、偏光が使用される。他の実施例においては、レーザ光が使用される。図3から明らかであるように、送信エレメントおよび受信エレメントは、それらが互いに対向するように位置合わせされる。従って、示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を受信エレメント32aに送信する。送信エレメント24aから送信されたエネルギーは、受信エレメント32b〜32eに対して最小限の影響を与える。1つの実施例において、送信エレメント24a〜24eは、同時に作動される。他の実施例おいては、送信エレメント24a〜24eは順次に作動される。さらに他の実施例において、送信エレメント24a〜24eは、グループで順次に作動される。例えば、送信エレメント24aおよび24eがエネルギー波を送信した後、送信エレメント24b〜24dがエネルギー波を送信する。
【0023】
本発明の1つの実施例において、空洞20がその初期状態にあるときに、基準値測定が行われる。空洞20が粒子(図示せず)で満たされている場合は、エネルギー36が粒子と相互作用するので、これらの粒子はエネルギー36を吸収しおよび/または散乱させるであろう。かかるように、受信エレメント32によって受信されるエネルギーは、送信エレメント24によって送信されるエネルギーより小さいであろう。空洞20内の環境が相対的に一定である場合に、基準値測定が行われ、受信エレメント32によって無事に受信されたエネルギーの量が記録される。当業者によって理解されるように、動的管腔(dynamic lumen)の環境は、僅かな変化を受ける。実例として(但し限定するものではない)、血液がステントを通って流れるとき、血液の正確な組成は、正確には一定ではないかもしれない。かかるように、受信エレメント32によって受信されるエネルギーの量は、一定ではないかもしれない。それにも関わらず、ある期間にわたったデータポイントのサンプリングは、基準測定値を得ることを可能にすると同様に、基準値からの一連の典型的な偏差を得ることを可能にする。かかる偏差は、心臓の鼓動,赤血球または他の粒子の局在濃度等による血流変化に起因し得る。
【0024】
図4は、図3に示された実施例と同様な、他の実施例の端面図を示している。示された実施例において、ステント38は、内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図4に示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を送信し、当該エネルギーは受信エレメント32aによって検出される。
【0025】
図5は、ステントの再狭窄を示す、ステント34の部分断面図34である。示された実施例において、ステント34は、空洞20,内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、送信エレメント24a〜24eおよび受信エレメント32a〜32eが配置されている。図5に示されているように、ステント34は、血小板22および23をさらに含む。送信エレメント24aから受信エレメント32aに送信されるエネルギー36は、血小板22によって妨害されないということは、図から明らかである。かかるように、32aで検出されるエネルギー36の強度は、空洞20における環境へのエネルギー損失(例えば、空洞20中の血液の存在による、エネルギーの散乱)を差し引いて、24aから送信されるエネルギー強度に等しい。その後、32aによって受信されたエネルギーは、ステント38が初期状態にあるときに測定された基準測定値と比較される。図5に示された実施例において、32aによって受信されるエネルギーは、基準測定値と比較すると、許容できる偏差限界の範囲内であろう。相対的に、受信エレメント32bによって受信されるエネルギーは、事前に測定された基準値に対して予想される偏差の範囲外である、ということは明らかである。このことは、血小板22によるさらなる散乱に起因するものである。同様に、血小板の薄層によって、エレメント32bは、基準値と比較するといくらか少ないエネルギーを受信するであろう。血小板は、受信エレメントに存在する必要はない。例えば、たとえ血小板23が、送信エレメント24dを少なくとも部分的に被覆していたとしても、血小板23は、受信エレメント32dで受信されるエネルギーを減少させる。
【0026】
図6は、図5に示された実施例と同様な実施例の端面図を示している。ステント38は、内壁30,外壁28,中間層26および血小板22を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図6に示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を送信し、当該エネルギーは、受信エレメント32aによって受信される。受信エレメント32aによって受信されるエネルギーは、血小板22の存在によって基準値未満である、ということが図6から明らかである。同様に、受信エレメント32bによって受信されるエネルギーは、血小板22の薄層に起因して基準値未満である。それに反して、受信エレメント32cで受信されるエネルギーは、異物に起因したエネルギーの顕著な散乱または吸収がないので、基準値の標準的な偏差の範囲内であろう。
【0027】
図7は、図3に示した実施例と同様である、本発明の他の実施例の部分断面図である。この実施例において、エレメント24a〜24eおよびエレメント32a〜32eは、送信エレメントとしても受信エレメントとしても機能する。従って、エネルギー36は、2方向に送信され得る。
【0028】
図8は、図7に示された実施例と同様な実施例の端面図である。エレメント24aおよび32aは、電磁エネルギーの送信器としても受信器としても機能する。示された実施例において、使用されるエネルギーは、エネルギーの平行波を含む。他の実施例においては、波は非平行である。
【0029】
図9は、エネルギーの非平行波を使用した、本発明の他の実施例の部分断面図である。図9に示された実施例において、エレメント24a〜24eおよび32a〜32eは、エネルギーを送信するようにも受信するようにもなされている。図9に示されるように、エレメント24bは非平行波エネルギーの波を送信し、当該波は、受信エレメント32a〜32eによって検出される。当業者に明らかであるように、受信エレメント32bでのエネルギーが最も強いが、一部のエネルギーは、他の受信エレメントで検出される。1つの実施例において、一部のエネルギーは、エレメント32の表面に反射して、エレメント24に戻ってくる。1つの実施例においては、エネルギーは全く戻ってこない。他の実施例において、0.01%から10%の間の光が反射して戻ってくる。他の実施例においては、10%から50%の間の光が反射して戻ってくる。さらに他の実施例においては、50%から90%の間の光が反射して戻ってくる。示された実施例において、エレメント24bは送信器として機能しているが、エレメント24a,24c〜24eおよび32a〜32eは、全て受信モードにある。他の時点では、例えばエレメント32dは送信モードにあり、他のエレメントは受信モードにある。同様の態様で、エレメントは順次に作動されることができ、ステント34の内壁のマップが構成される。ステントが初期状態にあるときにかかる測定を行うことによって、基準測定値が得られ得る。
【0030】
図10は、図9に示された実施例と同様なデバイスの実施例の端面図である。ステント38は、内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図10に示された実施例において、送信エレメント24aは、非平行エネルギー36を送信し、当該非平行エネルギー36は、受信エレメント32aで最も強く検出されるが、他の受信エレメントによっても検出される。エネルギー36の一部は、内壁30に反射し、他のエレメントによって検出される。例えば、再狭窄中の血小板堆積物のような妨害物は、基準エネルギー値に対して比較がなされるときに検出される、ということは前述の考察から明らかである。
【0031】
図11は、本発明のさらに他の実施例の端面図であり、ここでは電源40が示されている。示された実施例において、ステント38は、内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図11に示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を送信し、当該エネルギーは受信エレメント32aによって検出される。1つの実施例において、電源40は、従来の電源装置である。電源装置40は、電力源をエレメント24および32に与える。従って、実例として、リチウムヨウ素電池および/またはそれに化学的に等しい電池が使用され得る。使用される電池は、例えば、リチウムまたは炭素の陽極、ヨウ素,炭素または酸化バナジウム銀等の陰極を有する。さらなる実例として、米国特許第5,658,688号(リチウム−酸化銀電池およびリチウム−酸化第2水銀電池),米国特許第4,117,212号(リチウムヨウ素電池)等に開示された電池のうち、1または2以上の電池が使用され得る。図11において、電源40は中間層26内に配置されている。電源は、本発明の教示から逸脱することなしに何処にでも配置され得る、ということが当業者に明らかである。
【0032】
図11は、遠隔ユニット44がアンテナ42と通信する実施例を示している。アンテナ42は、遠隔ユニット44からの信号を送信するようにも受信するようにもなされている。示された実施例において、アンテナ42は、中間層26内に配置されている。他の実施例において、アンテナは外壁28中に配置されている。1つの実施例において、ステント28は、マイクロプロセッサ43を含み、当該マイクロプロセッサは、送信エレメント24,受信エレメント32,電源40およびアンテナ42に連動連結している。1つの実施例において、遠隔ユニット44はデータ収集ユニットである。他の実施例において、遠隔ユニット44は制御ユニットである。さらに他の実施例において、遠隔ユニット44はデータ収集ユニットでもあり且つ制御ユニットでもある。例えば、米国特許第5,843,139号(遠隔操作可能なステント)に開示された遠隔測定システムが使用され得る。さらなる実例として、米国特許第5,843,139号等に開示された遠隔システムが使用され得る。音響エネルギーも使用され得る。例えば、米国特許第6,170,488号(音響に基づく、遠隔で信号送信する診断用埋め込みデバイスおよびシステム)が参照される。
【0033】
図12は、本発明の1つの工程を示すフローチャートである。ステップ46から54において、基準測定値が取得される。ステップ46において、ステントは動作状況に置かれる。実例として、ステントが血管中に配置されると、その後、血液はステントを通って流れることが可能になる。ステップ48において、エネルギー波がステントの管腔にわたって送信される。この波の強度は、ステントのマイクロプロセッサにおいて記録される。ステップ50において、エネルギー波が受信される。その後、ステップ52において、ステップ50で受信されたエネルギー波の強度を、ステップ48において送信されたエネルギー波の強度と比較する。ステップ54において、この比較値(すなわち基準値)がステントのマイクロチップに記録される。或いはまたはさらに、記録された数値データが遠隔ユニット(例えば図11を参照)に送信され得る。1つの実施例において、幾つかの基準値が記録され、許容できる基準値範囲が得られる。
【0034】
図12に示されるステップ56から66において、ステントは診断的方法を行い、基準値が記録された後に生じ得る再狭窄を検出することとなる。ステップ56において、ステントは、しばらくの間普通に動作される。ステップ58において、波がステントの管腔にわたって送信される。この波の強度は、ステントのマイクロプロセッサに記録される。ステップ60において、エネルギー波が受信される。その後、ステップ62では、ステップ60で受信された波の強度を、ステップ58で送信された波の強度と比較する。ステップ64では、ステップ62から得られた値を基準値(または基準範囲)と比較する。任意であるステップ66は、ステントがステップ64で得られた値に応じて作動するステップである。
【0035】
図13は、ステップ64をより詳細に示すフローチャートである。ステップ68において、ステップ64から得られた値を、ステップ54で得られた基準値と比較する。値が許容範囲内にある場合は、その後、経路78が続いて行われる。1つの実施例において、ステップ70が実行され、ここでは何の動作もなされない。他の実施例においては、ステップ72が続いて行われ、ここではステップ64で得られた値が遠隔ユニットに送信される。ステップ64で得られた値が許容範囲外である場合には、その後、経路80が続いて行われる。1つの実施例においては、何の動作もなされない(図示せず)。他の実施例においては、ステップ74が行われ、ここではステップ64で得られた値が遠隔ユニット(ステップ74)に送信される。他の実施例においては、治療反応がトリガーされる(ステップ76)。さらに他の実施例において、ステップ74および76の両方が実行される。
【0036】
多くの治療反応がトリガーされ得る。1つの実施例において、抗凝血剤が再狭窄の影響を弱めるために放出される。他の実施例においては、治療薬が放出される。他の実施例においては、放出された治療薬が再狭窄の影響を弱めるように機能する。引例は、例えば米国特許第5,865,814号,米国特許第6,613,084号,米国特許第6,613,082号,米国特許第6,656,162号,米国特許第6,589,546号,米国特許第6,545,097号,米国特許第6,491,666号,米国特許第6,379,382号,米国特許第6,344,028号および米国特許第5,865,814号等である。これらの特許それぞれの内容は、本願に引用して援用される。当業者に明らかであるように、薬剤の放出は、遠隔ユニット44によって遠隔的にトリガーされても良く、必ずしもステップ64で得られた値と連関している必要はない。
【0037】
他の実施例において、治療反応は、再狭窄の影響を弱めるのに十分な強度のエネルギーの放出を含む。引例は、米国特許第6,709,693号,米国特許第6,200,307号および米国特許第5,964,751号等である。これらの特許それぞれの内容は、本願に引用して援用される。
【0038】
上記で教示される遠隔測定方法は、生体内でマイクロプロセッサ43を再プログラムするためにも使用され得る。従って、ステップ46から54までの遠隔起動を、体内からステントを除去することなしにトリガーすることが可能になる。さらにまたは或いは、許容できる偏差値の範囲は、遠隔ユニット44を経由して遠隔的にプログラムされまたは再プログラムされ得る。
【0039】
当業者に明らかであるように、さまざまな形態のエネルギーが本発明で使用され得る。1つの実施例においては、振動エネルギーが使用され得る。他の実施例においては、音響エネルギーが使用される。1つの実施例においては、圧電性結晶が音響エネルギーを発生させるために使用される。他の実施例においては、電磁放射が使用される。1つの実施例においては、使用される電磁放射は真空紫外放射である。他の実施例においては、使用されるエネルギーは近紫外エネルギーである。他の実施例においては、使用されるエネルギーは可視光である。他の実施例においては、使用されるエネルギーは赤外線である。さらに他の実施例においては、使用されるエネルギーはラジオ周波数エネルギーである。1つの実施例においては、使用されるエネルギーは、約400nmから約750nmの間の波長を有する。他の実施例においては、使用されるエネルギーは、約600nmから約700nmの間の波長を有する。他の実施例においては、エネルギーの波長は、約1nmから約400nmの間である。他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約750nmから約3μmの間である。さらに他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約750nmから約3μmの間である。さらに他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約3μmから約30μmの間である。さらに他の実施例において、使用されるエネルギーの波長は、30μmから1mmの間である。他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約1mから約105mの間であるが1mから約103mの間であることが好ましい。さらに他の実施例において、使用されるエネルギーの波長は、10-3mから約1mの間である。
【0040】
ステントおよび改良されたステントの製造および埋め込みに対する多数の方法が、当業者に周知である。引例は、米国特許第6,527,919号,米国特許第6,190,393号,米国特許第6,124,523号および米国特許第6,096,175号等である。
【0041】
従って、ステント内の再狭窄の検出方法および検出装置が、本発明によって与えられている、ということは明らかである。本発明は、その好ましい実施例とともに説明されているが、多くの置き換え,変更および変形が当業者に明らかであろう。従って、本発明の精神および特許請求の範囲内に含まれる、かかる置き換え,変更および変形の全てを包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明は、以下の図面を参照することにより説明され、同様の参照番号は同様の要素を示している。
【図1A】本発明の1つの実施例を使用する装置の断面図である。
【図1B】ステントの端面図である。
【図1C】再狭窄を患っているステント端面図である。
【図2】本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図3】一方向への平行エネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図4】図3に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図5】血小板を通り抜けるエネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図6】図5に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図7】多方向への平行エネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図8】図7に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図9】非平行エネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図10】図9に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図11】遠隔ユニットとの通信を示す、ステントの端面図である。
【図12】本発明の1つの工程を示すフローチャートである。
【図13】本発明の他の工程を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの実施例において、狭窄症および再狭窄の検出方法に関し、特に再狭窄を検出するようになされたステントに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用ステントは、一般的に、例えば血管のような、閉鎖したまたは閉塞した管腔を処置するために使用される。かかる閉塞は、狭窄症としてよく言及される。ステントは、心血管,胃腸病学および泌尿器学等を含む、多くの医療分野での使用が見出されている。
【0003】
ステント技術についての1つの重大な欠点は、再狭窄による管腔の再閉塞である。ステントが挿入された後、平滑筋細胞および/または血小板が、ステント表面上に増殖する傾向があり、その結果、管腔の閉塞を引き起こす。
【0004】
再狭窄に対する現在の治療は、一般に、血小板の蓄積を物理的に除去する侵襲的処置を伴う。他の方法は、閉塞したステントを交換用ステントで完全に置換することを含む。
【0005】
Schwartzなどによる米国特許第6,015,387号は、血流を測定するようになされたステントについて説明しており且つ特許請求の範囲としている。装置は、血管に向かって方向付けられる超音波を発生させるための圧電性結晶を含む。同一のまたは第2の圧電性結晶が、血管からの反射振動波を検出するために使用され、血管内の血流を示すRF信号を生成する。当該米国特許は、ステントは、血液に熱または振動を与えることによって治療機能も与え、再狭窄を阻止することができる、ということをも教示している。1つの実施例において、フィードバック制御ループは、血流測定に基づく治療機能を調節する。従って、この特許は、再狭窄を間接的に測定するための1つの方法を示しているが、血小板の蓄積についての直接的な測定方法を教示または示唆していない。米国特許第6,015,387号の内容は、本願に引用して援用される。
【0006】
Splillmanなどによる米国特許第6,170,488号は、音響高調波(acoustic harmonics)に基づく、埋め込み型医療機器の状態を検出する方法を開示している。例えば、ステント32における高調波は、ステント内で起こる再狭窄の程度に応じて増大させたり減少させたりし得る。従って、定期検査(例えば趨勢分析(trending))にわたって高調波の存在をモニタリングすることによって、再狭窄が悪化するのを監視することが可能となる。従って、この特許は、血小板の蓄積を間接的に測定するための1つの方法を示しているが、再狭窄の直接的な測定方法を教示または示唆していない。さらに、かなりの量の再狭窄は、ステントの音響高調波が大きく変化する前に生じるに違いない。ステントを振動エネルギーに頻繁にさらすことによって、ステントおよび周囲の組織に損傷を与える原因ともなる。米国特許第6,170,488号の内容は、本願に引用して援用される。
【0007】
Kasinkasなどによる米国特許第6,200,307号は、ステント内再狭窄の治療方法を示している。明細書は、「実質的に周囲の管腔壁またはステント自体に損傷を与えないが、平滑筋細胞量の減少をもたらす態様で、埋め込みステント内または埋め込みステント周囲に成長した平滑筋細胞に放射線を加えることによって、ステント内再狭窄を治療する方法」を示している。放射線は、フレキシブルカテーテルを通じてステント中に導入される。従って、この特許は蓄積した血小板を除去する1つの方法を示しているが、血小板蓄積の程度を検出する手段を教示または示唆していない。先行技術も、外部装置の補助なしに再狭窄を除去するステントについての利用法を教示または示唆していない。米国特許第6,200,307号の内容は、本願明細書の内容に取り込まれる。
【0008】
Connellyなどによる米国特許第6,488,704号は、フローサイトメータとして機能するようになされたステントを説明している。埋め込み型ステントは、「チューブの内面上に配される幾つかの光エミッタおよびチューブの内面上に配される幾つかの光検出器」を含む。標識された粒子がステントを通過するとき、光エミッタおよび光検出器は標識された細胞を検出することができる。従って、この特許は、ステントを流れる粒子を検出するための1つの方法を示している。米国特許第6,488,704号の内容は、本願に引用して援用される。
【0009】
Santiniなどによる米国特許第6,491,666号および米国特許第6,656,162号のそれぞれは、ステント表面に取り付けられたマイクロチップからの信号に応じて、分子を放出するようになされた医療用ステントを開示し且つ特許請求の範囲としている。ステント中へのマイクロチップデバイスの組込みが、この特許において説明されている。1つの実施例において、ステントによって放出される分子は、抗再狭窄薬剤である。米国特許第6,491,666号および米国特許第6,656,162号の内容は、本願に引用して援用される。
【0010】
ステント内の血小板の存在を、直接的に検出することができるステント,ステント内の血小板を除去することができるステントおよびステント内の血小板の直接検出のための工程、のうちの少なくとも1つを提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【0011】
本発明によると、送信波および受信波の強度の比較による、ステント内再狭窄の検出用装置および方法が提供されている。流体が閉塞していないステントを通って流れるときに、基準値測定が行われる。ステントに血小板が蓄積するにつれて、受信波の強度は、送信波の強度に対して徐々に減少する。この減少は、状況に応じて治療上の処置に連関し、再狭窄を阻止する。
【0012】
上述の技術は、従来技術のステントよりも単純であるので有利である。低強度の電磁波を使用することによって、ステントまたは周囲組織への損傷を引き起こさない。従って、この技術は、再狭窄の程度をモニタするために頻繁にまたは連続的にさえ使用され得る。さらに、本発明は、侵襲技術を使用することなしに、再狭窄のモニタリングを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、好ましい実施例に関連して説明されるが、説明される実施例に本発明を限定することを意図するものではない、ということが理解されるであろう。これに反して、特許請求の範囲によって定義された本発明の精神および範囲内に含まれ得る、全ての置き換え,変更および均等物を包含することを意図している。
【0014】
本発明を説明するにあたって、さまざまな用語が詳細な説明において使用されている。ステントという用語は、血管形成手段を通じて血管中に永久的に埋め込まれ得る、金属またはポリマーから作られるシリンダーまたはやぐら(scaffold)について言及するものである。引例は、米国特許第6,190,393号であることができ、その開示内容は、本願に引用して援用される。ステントという用語は、血管以外の管腔において使用される、かかるシリンダまたはやぐらについても言及する。
【0015】
狭窄(stenosis)という用語は、例えば血管のような通路,導管,狭窄部または管腔の狭窄または狭小化について言及するものである。最狭窄は、管腔(または埋め込み型医療機器)における狭窄の再発について言及する。
【0016】
基準値という用語は、指定時間に測定される測定値について言及するものであり、後に第2の測定値に対する比較のための基準点として使用される。基準値の測定は、通常はステントが新品状態であるときに行われる。基準測定値は、ステントを満たし得る流体に起因した、エネルギー読み取りの変動を、使用者が補正することを可能にする。基準値の読み取りに由来する一定量の変動は、許容範囲である。その理由は、このことは多くの流体の不均質性からなり得るからである。
【0017】
図1Aは、本発明の1つの実施例を利用する器具の断面図である。図1Aに示された実施例において、ステント14を含む器具10は、管腔12内に配置される。1つの実施例において、流体が、矢印11の方向で管腔12を通って流れる。1つの実施例において、ステント14は、実質的に弾力性がある。他の実施例において、ステント14は、実質的に弾力性がない。
【0018】
図1Bは、ステント14の部分断面図である。図1Bに示された実施例において、ステント14は、空洞20,外壁16および内壁18を含む。図1Cに示される実施例において、ステント14には、血小板22が蓄積してしまっている。この再狭窄は、空洞20の閉塞の原因となる。1つの実施例において、内壁18は任意的である。ステントが生体内に埋め込まれる場合に、組織への接触面は生体適合性を有していることが好ましい。図1Bに示された実施例において、外壁16および内壁18は生体適合性を有している。1つの実施例において、当該壁は、米国特許第6,124,523号に開示された生体適合性材料のうちの1または2以上の材料から構成されており、この米国特許の内容は、本願に引用して援用される。他の実施例において、当該壁は、ポリテトラフルオロエチレンから構成されている。さらなる実施例においては、他のフッ化プラスチックが使用される。
【0019】
図2は、本発明の他の実施例の断面図である。図2に示された実施例において、ステント25は、空洞20,外壁28,内壁30および中間層26を含む。中間層26内には、エレメント24a〜24eおよび32a〜32eが配置されている。1つの実施例において、エレメント24a〜24eは、電磁エネルギーの送信器として機能するが、エレメント32a〜32eは、電磁エネルギーの受信器として機能する。他の実施例において、エレメント24a〜24eおよび32a〜32eは、電磁エネルギーの送信器としても受信器としても機能する。1つの実施例において、送信器24および受信器32は、米国特許第6,488,704号に開示された送信器および受信器のうちの1または2以上の送信器および受信器から構成されている。他の実施例において、送信器24および受信器32は、VCSEL(面発光レーザ)から構成される。引例は、例えば米国特許第6,686,216号(制御された側方漏洩を有する電気光学トランシーバシステムおよびその作製方法)である。本発明の1つの実施例において、エレメント24a〜24eは、振動エネルギーの送信器として機能する。他の実施例においては、振動エネルギーおよび電磁エネルギーの両方が発生する。他の実施例おいて、エネルギー波は圧電性結晶を使用して発生する。この実施例において、エネルギー波は振動エネルギー波である。さらに他の実施例において、エレメント24aは第1タイプのエネルギーを放射するが、エレメント24bは第2タイプのエネルギーを放射する。実例として(但し限定するものではない)、エレメント24aは任意の波長の光を放射し得るが、エレメント24bは第2の波長の光を放射する。或いはまたはさらに、1つのかかる送信エレメントは、電磁エネルギーを放射するが、第2のエレメントは振動エネルギーを放射し得る。1つの実施例において、送信エレメントは同時に作動される。他の実施例においては、送信エレメントは順次に作動される。
【0020】
受信器32は、いろいろな材料から構成され得る。1つの実施例において、受信エレメントは、当業者によって通常利用される従来のアンテナである。1つの実施例において、受信器は壁26,28および/または30上またはその内部に与えられるコイルまたは回路である。引例は、米国特許第5,737,699号および米国特許第5,627,552号(計時器に用いるアンテナ構造),米国特許第5,495,260号(プリント回路ダイポールアンテナ),米国特許第5,206,657号(プリント回路ラジオ周波数アンテナ),米国特許第6,650,301号(導電性パターン,アンテナおよび製造方法),米国特許第5,535,304号(光学トランシーバユニット)および米国特許第4,549,314号(光通信装置)等である。他の実施例において、受信エレメントは、米国特許第5,602,647号(構成要素の濃度を光学的に測定する装置および方法)に説明されているものである。これらの特許それぞれの内容は、本願に引用して援用される。
【0021】
図2に示される実施例において、かかるエレメントの10個のみが示されている。実施例は、例図を簡略化し且つ図面が密集することを防ぐように示されている。当業者に明らかであるように、送信エレメントおよび受信エレメントの幾つでも、使用され得る。1つの実施例において、内壁30の表面1cm2につき、かかるエレメントが少なくとも1つ存在する。他の実施例においては、表面1mm2につき、かかるエレメントが少なくとも1つ存在する。発生し始める再狭窄が検出されることを確実にするために、ステント38内に十分な数の送信エレメントおよび受信エレメントが配置されることが好ましい。1つの実施例において、内壁30は、フィルタエレメントをさらに含み、当該フィルタエレメントは、エレメント24および32から送信されたエネルギーの波長に選択的にフィルタをかけるようになされている。例図の壁によって(但し限定するものではない)、送信エレメント24は、400nmから750nmの波長のエネルギーを放射し、内壁30は、フィルタとして機能し、600nmから700nmの間の波長のみが空洞20中に許容されるようになる。
【0022】
図3は、本発明の1つの実施例の部分断面図であり、ステント34は、電磁エネルギー36を受信エレメント32a〜32eに送信するエレメント24a〜24eを含む。ステント34は、空洞20,外壁28,内壁30および中間層26をさらに含む。図3に示された実施例において、電磁波36は実質的に平行波から構成されている。1つの実施例においては、偏光が使用される。他の実施例においては、レーザ光が使用される。図3から明らかであるように、送信エレメントおよび受信エレメントは、それらが互いに対向するように位置合わせされる。従って、示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を受信エレメント32aに送信する。送信エレメント24aから送信されたエネルギーは、受信エレメント32b〜32eに対して最小限の影響を与える。1つの実施例において、送信エレメント24a〜24eは、同時に作動される。他の実施例おいては、送信エレメント24a〜24eは順次に作動される。さらに他の実施例において、送信エレメント24a〜24eは、グループで順次に作動される。例えば、送信エレメント24aおよび24eがエネルギー波を送信した後、送信エレメント24b〜24dがエネルギー波を送信する。
【0023】
本発明の1つの実施例において、空洞20がその初期状態にあるときに、基準値測定が行われる。空洞20が粒子(図示せず)で満たされている場合は、エネルギー36が粒子と相互作用するので、これらの粒子はエネルギー36を吸収しおよび/または散乱させるであろう。かかるように、受信エレメント32によって受信されるエネルギーは、送信エレメント24によって送信されるエネルギーより小さいであろう。空洞20内の環境が相対的に一定である場合に、基準値測定が行われ、受信エレメント32によって無事に受信されたエネルギーの量が記録される。当業者によって理解されるように、動的管腔(dynamic lumen)の環境は、僅かな変化を受ける。実例として(但し限定するものではない)、血液がステントを通って流れるとき、血液の正確な組成は、正確には一定ではないかもしれない。かかるように、受信エレメント32によって受信されるエネルギーの量は、一定ではないかもしれない。それにも関わらず、ある期間にわたったデータポイントのサンプリングは、基準測定値を得ることを可能にすると同様に、基準値からの一連の典型的な偏差を得ることを可能にする。かかる偏差は、心臓の鼓動,赤血球または他の粒子の局在濃度等による血流変化に起因し得る。
【0024】
図4は、図3に示された実施例と同様な、他の実施例の端面図を示している。示された実施例において、ステント38は、内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図4に示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を送信し、当該エネルギーは受信エレメント32aによって検出される。
【0025】
図5は、ステントの再狭窄を示す、ステント34の部分断面図34である。示された実施例において、ステント34は、空洞20,内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、送信エレメント24a〜24eおよび受信エレメント32a〜32eが配置されている。図5に示されているように、ステント34は、血小板22および23をさらに含む。送信エレメント24aから受信エレメント32aに送信されるエネルギー36は、血小板22によって妨害されないということは、図から明らかである。かかるように、32aで検出されるエネルギー36の強度は、空洞20における環境へのエネルギー損失(例えば、空洞20中の血液の存在による、エネルギーの散乱)を差し引いて、24aから送信されるエネルギー強度に等しい。その後、32aによって受信されたエネルギーは、ステント38が初期状態にあるときに測定された基準測定値と比較される。図5に示された実施例において、32aによって受信されるエネルギーは、基準測定値と比較すると、許容できる偏差限界の範囲内であろう。相対的に、受信エレメント32bによって受信されるエネルギーは、事前に測定された基準値に対して予想される偏差の範囲外である、ということは明らかである。このことは、血小板22によるさらなる散乱に起因するものである。同様に、血小板の薄層によって、エレメント32bは、基準値と比較するといくらか少ないエネルギーを受信するであろう。血小板は、受信エレメントに存在する必要はない。例えば、たとえ血小板23が、送信エレメント24dを少なくとも部分的に被覆していたとしても、血小板23は、受信エレメント32dで受信されるエネルギーを減少させる。
【0026】
図6は、図5に示された実施例と同様な実施例の端面図を示している。ステント38は、内壁30,外壁28,中間層26および血小板22を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図6に示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を送信し、当該エネルギーは、受信エレメント32aによって受信される。受信エレメント32aによって受信されるエネルギーは、血小板22の存在によって基準値未満である、ということが図6から明らかである。同様に、受信エレメント32bによって受信されるエネルギーは、血小板22の薄層に起因して基準値未満である。それに反して、受信エレメント32cで受信されるエネルギーは、異物に起因したエネルギーの顕著な散乱または吸収がないので、基準値の標準的な偏差の範囲内であろう。
【0027】
図7は、図3に示した実施例と同様である、本発明の他の実施例の部分断面図である。この実施例において、エレメント24a〜24eおよびエレメント32a〜32eは、送信エレメントとしても受信エレメントとしても機能する。従って、エネルギー36は、2方向に送信され得る。
【0028】
図8は、図7に示された実施例と同様な実施例の端面図である。エレメント24aおよび32aは、電磁エネルギーの送信器としても受信器としても機能する。示された実施例において、使用されるエネルギーは、エネルギーの平行波を含む。他の実施例においては、波は非平行である。
【0029】
図9は、エネルギーの非平行波を使用した、本発明の他の実施例の部分断面図である。図9に示された実施例において、エレメント24a〜24eおよび32a〜32eは、エネルギーを送信するようにも受信するようにもなされている。図9に示されるように、エレメント24bは非平行波エネルギーの波を送信し、当該波は、受信エレメント32a〜32eによって検出される。当業者に明らかであるように、受信エレメント32bでのエネルギーが最も強いが、一部のエネルギーは、他の受信エレメントで検出される。1つの実施例において、一部のエネルギーは、エレメント32の表面に反射して、エレメント24に戻ってくる。1つの実施例においては、エネルギーは全く戻ってこない。他の実施例において、0.01%から10%の間の光が反射して戻ってくる。他の実施例においては、10%から50%の間の光が反射して戻ってくる。さらに他の実施例においては、50%から90%の間の光が反射して戻ってくる。示された実施例において、エレメント24bは送信器として機能しているが、エレメント24a,24c〜24eおよび32a〜32eは、全て受信モードにある。他の時点では、例えばエレメント32dは送信モードにあり、他のエレメントは受信モードにある。同様の態様で、エレメントは順次に作動されることができ、ステント34の内壁のマップが構成される。ステントが初期状態にあるときにかかる測定を行うことによって、基準測定値が得られ得る。
【0030】
図10は、図9に示された実施例と同様なデバイスの実施例の端面図である。ステント38は、内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図10に示された実施例において、送信エレメント24aは、非平行エネルギー36を送信し、当該非平行エネルギー36は、受信エレメント32aで最も強く検出されるが、他の受信エレメントによっても検出される。エネルギー36の一部は、内壁30に反射し、他のエレメントによって検出される。例えば、再狭窄中の血小板堆積物のような妨害物は、基準エネルギー値に対して比較がなされるときに検出される、ということは前述の考察から明らかである。
【0031】
図11は、本発明のさらに他の実施例の端面図であり、ここでは電源40が示されている。示された実施例において、ステント38は、内壁30,外壁28および中間層26を含む。中間層26内には、例えば24aのような送信エレメントおよび例えば32aのような受信エレメントが配置されている。図11に示された実施例において、送信エレメント24aは、エネルギー36を送信し、当該エネルギーは受信エレメント32aによって検出される。1つの実施例において、電源40は、従来の電源装置である。電源装置40は、電力源をエレメント24および32に与える。従って、実例として、リチウムヨウ素電池および/またはそれに化学的に等しい電池が使用され得る。使用される電池は、例えば、リチウムまたは炭素の陽極、ヨウ素,炭素または酸化バナジウム銀等の陰極を有する。さらなる実例として、米国特許第5,658,688号(リチウム−酸化銀電池およびリチウム−酸化第2水銀電池),米国特許第4,117,212号(リチウムヨウ素電池)等に開示された電池のうち、1または2以上の電池が使用され得る。図11において、電源40は中間層26内に配置されている。電源は、本発明の教示から逸脱することなしに何処にでも配置され得る、ということが当業者に明らかである。
【0032】
図11は、遠隔ユニット44がアンテナ42と通信する実施例を示している。アンテナ42は、遠隔ユニット44からの信号を送信するようにも受信するようにもなされている。示された実施例において、アンテナ42は、中間層26内に配置されている。他の実施例において、アンテナは外壁28中に配置されている。1つの実施例において、ステント28は、マイクロプロセッサ43を含み、当該マイクロプロセッサは、送信エレメント24,受信エレメント32,電源40およびアンテナ42に連動連結している。1つの実施例において、遠隔ユニット44はデータ収集ユニットである。他の実施例において、遠隔ユニット44は制御ユニットである。さらに他の実施例において、遠隔ユニット44はデータ収集ユニットでもあり且つ制御ユニットでもある。例えば、米国特許第5,843,139号(遠隔操作可能なステント)に開示された遠隔測定システムが使用され得る。さらなる実例として、米国特許第5,843,139号等に開示された遠隔システムが使用され得る。音響エネルギーも使用され得る。例えば、米国特許第6,170,488号(音響に基づく、遠隔で信号送信する診断用埋め込みデバイスおよびシステム)が参照される。
【0033】
図12は、本発明の1つの工程を示すフローチャートである。ステップ46から54において、基準測定値が取得される。ステップ46において、ステントは動作状況に置かれる。実例として、ステントが血管中に配置されると、その後、血液はステントを通って流れることが可能になる。ステップ48において、エネルギー波がステントの管腔にわたって送信される。この波の強度は、ステントのマイクロプロセッサにおいて記録される。ステップ50において、エネルギー波が受信される。その後、ステップ52において、ステップ50で受信されたエネルギー波の強度を、ステップ48において送信されたエネルギー波の強度と比較する。ステップ54において、この比較値(すなわち基準値)がステントのマイクロチップに記録される。或いはまたはさらに、記録された数値データが遠隔ユニット(例えば図11を参照)に送信され得る。1つの実施例において、幾つかの基準値が記録され、許容できる基準値範囲が得られる。
【0034】
図12に示されるステップ56から66において、ステントは診断的方法を行い、基準値が記録された後に生じ得る再狭窄を検出することとなる。ステップ56において、ステントは、しばらくの間普通に動作される。ステップ58において、波がステントの管腔にわたって送信される。この波の強度は、ステントのマイクロプロセッサに記録される。ステップ60において、エネルギー波が受信される。その後、ステップ62では、ステップ60で受信された波の強度を、ステップ58で送信された波の強度と比較する。ステップ64では、ステップ62から得られた値を基準値(または基準範囲)と比較する。任意であるステップ66は、ステントがステップ64で得られた値に応じて作動するステップである。
【0035】
図13は、ステップ64をより詳細に示すフローチャートである。ステップ68において、ステップ64から得られた値を、ステップ54で得られた基準値と比較する。値が許容範囲内にある場合は、その後、経路78が続いて行われる。1つの実施例において、ステップ70が実行され、ここでは何の動作もなされない。他の実施例においては、ステップ72が続いて行われ、ここではステップ64で得られた値が遠隔ユニットに送信される。ステップ64で得られた値が許容範囲外である場合には、その後、経路80が続いて行われる。1つの実施例においては、何の動作もなされない(図示せず)。他の実施例においては、ステップ74が行われ、ここではステップ64で得られた値が遠隔ユニット(ステップ74)に送信される。他の実施例においては、治療反応がトリガーされる(ステップ76)。さらに他の実施例において、ステップ74および76の両方が実行される。
【0036】
多くの治療反応がトリガーされ得る。1つの実施例において、抗凝血剤が再狭窄の影響を弱めるために放出される。他の実施例においては、治療薬が放出される。他の実施例においては、放出された治療薬が再狭窄の影響を弱めるように機能する。引例は、例えば米国特許第5,865,814号,米国特許第6,613,084号,米国特許第6,613,082号,米国特許第6,656,162号,米国特許第6,589,546号,米国特許第6,545,097号,米国特許第6,491,666号,米国特許第6,379,382号,米国特許第6,344,028号および米国特許第5,865,814号等である。これらの特許それぞれの内容は、本願に引用して援用される。当業者に明らかであるように、薬剤の放出は、遠隔ユニット44によって遠隔的にトリガーされても良く、必ずしもステップ64で得られた値と連関している必要はない。
【0037】
他の実施例において、治療反応は、再狭窄の影響を弱めるのに十分な強度のエネルギーの放出を含む。引例は、米国特許第6,709,693号,米国特許第6,200,307号および米国特許第5,964,751号等である。これらの特許それぞれの内容は、本願に引用して援用される。
【0038】
上記で教示される遠隔測定方法は、生体内でマイクロプロセッサ43を再プログラムするためにも使用され得る。従って、ステップ46から54までの遠隔起動を、体内からステントを除去することなしにトリガーすることが可能になる。さらにまたは或いは、許容できる偏差値の範囲は、遠隔ユニット44を経由して遠隔的にプログラムされまたは再プログラムされ得る。
【0039】
当業者に明らかであるように、さまざまな形態のエネルギーが本発明で使用され得る。1つの実施例においては、振動エネルギーが使用され得る。他の実施例においては、音響エネルギーが使用される。1つの実施例においては、圧電性結晶が音響エネルギーを発生させるために使用される。他の実施例においては、電磁放射が使用される。1つの実施例においては、使用される電磁放射は真空紫外放射である。他の実施例においては、使用されるエネルギーは近紫外エネルギーである。他の実施例においては、使用されるエネルギーは可視光である。他の実施例においては、使用されるエネルギーは赤外線である。さらに他の実施例においては、使用されるエネルギーはラジオ周波数エネルギーである。1つの実施例においては、使用されるエネルギーは、約400nmから約750nmの間の波長を有する。他の実施例においては、使用されるエネルギーは、約600nmから約700nmの間の波長を有する。他の実施例においては、エネルギーの波長は、約1nmから約400nmの間である。他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約750nmから約3μmの間である。さらに他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約750nmから約3μmの間である。さらに他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約3μmから約30μmの間である。さらに他の実施例において、使用されるエネルギーの波長は、30μmから1mmの間である。他の実施例においては、使用されるエネルギーの波長は、約1mから約105mの間であるが1mから約103mの間であることが好ましい。さらに他の実施例において、使用されるエネルギーの波長は、10-3mから約1mの間である。
【0040】
ステントおよび改良されたステントの製造および埋め込みに対する多数の方法が、当業者に周知である。引例は、米国特許第6,527,919号,米国特許第6,190,393号,米国特許第6,124,523号および米国特許第6,096,175号等である。
【0041】
従って、ステント内の再狭窄の検出方法および検出装置が、本発明によって与えられている、ということは明らかである。本発明は、その好ましい実施例とともに説明されているが、多くの置き換え,変更および変形が当業者に明らかであろう。従って、本発明の精神および特許請求の範囲内に含まれる、かかる置き換え,変更および変形の全てを包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明は、以下の図面を参照することにより説明され、同様の参照番号は同様の要素を示している。
【図1A】本発明の1つの実施例を使用する装置の断面図である。
【図1B】ステントの端面図である。
【図1C】再狭窄を患っているステント端面図である。
【図2】本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図3】一方向への平行エネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図4】図3に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図5】血小板を通り抜けるエネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図6】図5に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図7】多方向への平行エネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図8】図7に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図9】非平行エネルギーの伝送を示す、本発明の1つの実施例の部分断面図である。
【図10】図9に示される実施例と同様なステントの端面図である。
【図11】遠隔ユニットとの通信を示す、ステントの端面図である。
【図12】本発明の1つの工程を示すフローチャートである。
【図13】本発明の他の工程を示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントと、
電磁波を発生するように構成されて送信波を生成する送信器と、
前記送信波を受信するように構成されて受信波を生成する受信器と、
前記送信波と前記受信波とを比較するように構成されて比較値を生成するプロセッサと、
を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記比較値を基準値と比較するように構成されて補正値を生成することを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記補正値は、前記ステント内の再狭窄を示すことを特徴とする請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
治療反応は、前記補正値が前記基準値から逸脱したときにトリガーされることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記補正値を遠隔ユニットに送信するように構成され、前記遠隔ユニットは、前記ステントの外部にあることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記遠隔ユニットからの送信を受信するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の医療器具。
【請求項7】
当該送信されるエネルギーは、平行エネルギーからなることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項8】
前記送信器は、面発光レーザであることを特徴とする請求項7に記載の医療器具。
【請求項9】
前記送信されるエネルギーは、非平行エネルギーからなることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項10】
前記ステントは、生体内に配置されることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項11】
前記送信器および前記受信器は、前記ステント内に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項12】
前記送信波は、約400nmから約750nmまでの波長を有する電磁波であることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項13】
前記送信波は、約600nmから約700nmまでの波長を有することを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項14】
医療器具の再狭窄を検出する方法であって、
a)ステントが第1の環境状態に曝されている間に、前記ステントに対する基準測定値を得るステップと、
b)前記ステントを第2の環境状態に曝すステップと、
c)前記ステント内に配置された送信エレメントからのエネルギーを送信して送信エネルギーを生成するステップと、
d)前記ステント内に配置された受信エレメントで前記送信エネルギーを受信して受信エネルギーを生成するステップと、
e)前記送信エネルギー,前記受信エネルギーおよび前記基準測定値の比較に基づいて、前記第2の環境状態における前記ステントの狭窄度を測定するステップと、
を含むことを特徴とする医療器具の再狭窄を検出する方法。
【請求項15】
前記ステントは、生体内に配置されることを特徴とする請求項14に記載の工程。
【請求項16】
ステントと、
エネルギー波を発生させて送信波を生成する手段と、
前記送信波を受信して受信波を生成する手段と、
前記送信波と前記受信波とを比較して比較値を生成する手段と、
を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項17】
当該前記送信波と前記受信波とを比較する手段は、前記比較値を基準値と比較して補正値を生成する手段をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の医療器具。
【請求項18】
前記補正値は、前記ステント内の再狭窄を示すことを特徴とする請求項17に記載の医療器具。
【請求項19】
前記送信波は、振動波であることを特徴とする請求項16に記載の医療器具。
【請求項20】
前記送信波は、電磁波であることを特徴とする請求項18に記載の医療器具。
【請求項1】
ステントと、
電磁波を発生するように構成されて送信波を生成する送信器と、
前記送信波を受信するように構成されて受信波を生成する受信器と、
前記送信波と前記受信波とを比較するように構成されて比較値を生成するプロセッサと、
を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記比較値を基準値と比較するように構成されて補正値を生成することを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記補正値は、前記ステント内の再狭窄を示すことを特徴とする請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
治療反応は、前記補正値が前記基準値から逸脱したときにトリガーされることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記補正値を遠隔ユニットに送信するように構成され、前記遠隔ユニットは、前記ステントの外部にあることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記遠隔ユニットからの送信を受信するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の医療器具。
【請求項7】
当該送信されるエネルギーは、平行エネルギーからなることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項8】
前記送信器は、面発光レーザであることを特徴とする請求項7に記載の医療器具。
【請求項9】
前記送信されるエネルギーは、非平行エネルギーからなることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項10】
前記ステントは、生体内に配置されることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項11】
前記送信器および前記受信器は、前記ステント内に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項12】
前記送信波は、約400nmから約750nmまでの波長を有する電磁波であることを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項13】
前記送信波は、約600nmから約700nmまでの波長を有することを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項14】
医療器具の再狭窄を検出する方法であって、
a)ステントが第1の環境状態に曝されている間に、前記ステントに対する基準測定値を得るステップと、
b)前記ステントを第2の環境状態に曝すステップと、
c)前記ステント内に配置された送信エレメントからのエネルギーを送信して送信エネルギーを生成するステップと、
d)前記ステント内に配置された受信エレメントで前記送信エネルギーを受信して受信エネルギーを生成するステップと、
e)前記送信エネルギー,前記受信エネルギーおよび前記基準測定値の比較に基づいて、前記第2の環境状態における前記ステントの狭窄度を測定するステップと、
を含むことを特徴とする医療器具の再狭窄を検出する方法。
【請求項15】
前記ステントは、生体内に配置されることを特徴とする請求項14に記載の工程。
【請求項16】
ステントと、
エネルギー波を発生させて送信波を生成する手段と、
前記送信波を受信して受信波を生成する手段と、
前記送信波と前記受信波とを比較して比較値を生成する手段と、
を含むことを特徴とする医療器具。
【請求項17】
当該前記送信波と前記受信波とを比較する手段は、前記比較値を基準値と比較して補正値を生成する手段をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の医療器具。
【請求項18】
前記補正値は、前記ステント内の再狭窄を示すことを特徴とする請求項17に記載の医療器具。
【請求項19】
前記送信波は、振動波であることを特徴とする請求項16に記載の医療器具。
【請求項20】
前記送信波は、電磁波であることを特徴とする請求項18に記載の医療器具。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−537787(P2007−537787A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510808(P2007−510808)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/013595
【国際公開番号】WO2005/110526
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505298412)バイオファン テクノロジーズ インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/013595
【国際公開番号】WO2005/110526
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(505298412)バイオファン テクノロジーズ インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
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