説明

再生装置、再生方法およびプログラム

【課題】多層記録媒体において、記録層に応じて異なる再生パワーでもデータを安全に再生可能な、再生装置、再生方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】再生対象となる記録層Lを示す再生条件の切替えの必要性を検知し、切替えの必要性を検知すると、多層ディスクDに記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーPminに再生パワーPcurを切替え、再生条件を切替えた後に、再生対象となるデータのアドレスを最低パワーで読出し、読出したアドレスと再生対象となるデータのアドレスとの一致を確認し、アドレスの一致を確認すると、再生条件に応じた最適なパワーPoを設定するパワー設定情報Tに基づき、切替え後の再生条件に適合する最適パワーに再生パワーに切替え、再生対象となるデータを最適パワーで読出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置、再生方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVD、HD−DVD、ブルーレイディスク等、光ディスクの大容量化が要望されている。特にブルーレイディスクでは、記録容量50GBを有する2層ディスクが実現されているが、大容量化の要望に十分に応えきれていないのが実情である。このため、今日、大容量化をさらに進展すべく、3層、4層等の多層ディスクの実用化が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−140580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ブルーレイディスクの多層ディスク規格では、記録層に応じて異なる再生パワーのレーザ光によるデータ再生が推奨されている。そして、記録層間には、比較的大きな再生パワーのギャップが設定されている。このため、例えば、高い再生パワーで再生されるべき記録層から、低い再生パワーで再生されるべき記録層へ再生対象が遷移した場合、低い再生パワーで再生されるべき記録層に一時的に高い再生パワーのレーザ光が照射されてしまう場合がある。この場合、記録層間における再生パワーのギャップに応じて、記録層に記録されているデータが損傷(消去または変更)してしまう場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、多層記録媒体において、記録層に応じて異なる再生パワーでもデータを安全に再生可能な、再生装置、再生方法およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある観点によれば、再生対象となる記録層を示す再生条件に応じた最適なパワーを設定するパワー設定情報を記憶する記憶部と、再生条件の切替えの必要性を検知する検知部と、再生条件の切替えの必要性に応じて再生条件を切替える再生条件切替え部と、多層記録媒体に記録されているデータおよびデータのアドレスを読出す読出部と、読出したアドレスと再生対象となるデータのアドレスとの一致を確認する確認部と、再生条件の切替えに応じて再生パワーを切替えるパワー切替え部と、再生条件の切替えの必要性が検知されると、多層記録媒体に記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーに再生パワーを切替え、再生条件の切替えの後に、最低パワーで読出されたアドレスと再生対象となるデータのアドレスとの一致が確認されると、パワー設定情報に基づき、切替え後の再生条件に適合する最適パワーに再生パワーを切替えるパワー切替え部とを備える再生装置が提供される。
【0007】
上記パワー設定情報は、再生対象となる記録層および再生対象となるトラックの回転速度を示す再生条件に応じた最適なパワーを設定してもよい。
【0008】
上記最低パワーは、パワー設定情報として設定されているパワーのうち最低のパワーとして設定されてもよい。
【0009】
上記最低パワーは、再生条件の切替え範囲に含まれる再生条件について設定されているパワーのうち、最低のパワーとして設定されてもよい。
【0010】
上記多層記録媒体は、3層以上の記録層を有し、少なくとも1の層と1の層に隣接する他の層の間で異なる再生パワーが推奨されてもよい。
【0011】
また、本発明の別の観点によれば、再生対象となる記録層を示す再生条件の切替えの必要性を検知し、切替えの必要性を検知すると、多層記録媒体に記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーに再生パワーを切替え、再生条件を切替えた後に、再生対象となるデータのアドレスを最低パワーで読出し、読出したアドレスと再生対象となるデータのアドレスとの一致を確認し、アドレスの一致を確認すると、再生条件に応じた最適なパワーを設定するパワー設定情報に基づき、切替え後の再生条件に適合する最適パワーに再生パワーに切替え、再生対象となるデータを最適パワーで読出すことを含む再生方法が提供される。
【0012】
上記再生条件は、再生対象となる記録層および再生対象となるトラックの回転速度を示してもよい。
【0013】
上記再生方法は、切替えの必要性を検知した後に、切替えの前後の再生条件に適合する最適パワーが異なるかをパワー設定情報に基づき確認することをさらに含み、最適パワーが異なる場合にのみ、再生パワーを最低パワーに切替えることを含む後続の処理を実行してもよい。
【0014】
また、本発明の別の観点によれば、上記再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。ここで、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体を用いて提供されてもよく、通信手段等を介して提供されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、多層記録媒体において、記録層に応じて異なる再生パワーでもデータを安全に再生可能な、再生装置、再生方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る再生方法の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るディスクドライブ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ディスクドライブ装置のピックアップ構造を示す図である。
【図4】多層ディスクの層構造を示す図である。
【図5】ディスクドライブ装置の動作を示すフロー図である。
【図6】再生条件のパワー設定情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
[1.再生方法の概要]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る再生方法の概要について説明する。本発明の実施形態に係る再生方法は、多層ディスクDにおいて、記録層L(L:記録層の総称)に応じて異なる再生パワーP(P:再生パワーの総称)でもデータを安全に再生可能とするものである。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る再生方法では、再生対象となる記録層Lを示す再生条件に応じた最適な再生パワーPを設定するパワー設定情報Tが予め設定されている。パワー設定情報Tは、記録層Lが最も上層(後述するピックアップ13から最も近い層)の再生パワーが最も低く、それ以外の層は同一の再生パワーでピックアップ13がレーザ光を出射するように設定されている。
【0020】
再生方法では、まず、再生条件の切替えの必要性が検知される。つまり、再生対象となる記録層Lの切替えの必要性が検知される。切替えの必要性が検知されると、切替え前の再生パワーPcurが最低パワーPminに切替えられる。ここで、最低パワーPminは、多層ディスクDに記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せるパワーとして設定されている。
【0021】
つぎに、再生条件を切替えた後に、再生対象となるデータのアドレスが最低パワーPminで読出され、実際に読出されたアドレスと再生対象となるデータのアドレスとの一致が確認される。アドレスの一致が確認されると、パワー設定情報Tに基づき、切替え後の再生条件に適合する最適パワーPoptに再生パワーPが切替えられる。そして、再生対象となるデータが最適パワーPoptで読出される。
【0022】
つまり、再生条件の切替えに際して、切替え前の再生パワーPcurが最低パワーPminに一旦切替えられ、再生パワーPを適切に切替え可能な状態が確認された後に始めて再生条件が切替えられて、再生パワーPが最適パワーPoptに切替えられる。よって、再生パワーPを適切に切替え可能な状態が確認されるまでは、多層ディスクDに記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーPminのレーザ光が記録面に照射される。
【0023】
このため、例えば、高い再生パワーPで再生されるべき記録層Lから、低い再生パワーPで再生されるべき記録層Lへ再生対象が遷移した場合でも、低い再生パワーPで再生されるべき記録層Lに高い再生パワーPのレーザ光が照射されることがない。よって、記録層L間における再生パワーPのギャップが大きくても、記録層Lに記録されているデータが損傷(消去または変更)することがなく、記録層Lに応じて異なる再生パワーPでもデータを安全に再生することができる。
【0024】
また、記録層Lに応じて異なる再生パワーPでもデータを安全に再生するとともに、異なる回転速度V(V:回転速度の総称)でもデータを確実に再生するために、パワー設定情報Tとして、再生対象となる記録層Lおよび再生トラックの回転速度Vからなる再生条件に応じた最適な再生パワーPが設定されてもよい。
【0025】
[2.ディスクドライブ装置1の構成]
つぎに、図2から図4を参照して、本発明の実施形態に係るディスクドライブ装置1の構成について説明する。
【0026】
図2に示すように、ディスクドライブ装置1は、コントローラ11、ピックアップ13、スピンドルモータ15、スレッド17、マトリクス回路19、データ信号処理回路21、データ復調回路23、ECCエンコーダ/デコーダ25、アドレスデコーダ27、光学ブロックサーボ回路29、スピンドルサーボ回路31、レーザドライバ33、記録パルス変換回路35、ウォブル信号処理回路37、ADIP復調回路39、スピンドルドライバ41、2軸ドライバ43、スレッドドライバ45を含んで構成される。
【0027】
多層ディスクDは、データ記録/再生時にスピンドルモータ15により一定線速度(CLV)で回転駆動される。ピックアップ13は、データ記録時に、多層ディスクDの記録層Lへレーザ光を照射し、ピットマークの形成によりデータを記録し、データ再生時に、ピットマークの読取りによりデータを再生する。また、ピックアップ13は、多層ディスクD上にウォブリンググルーブとして埋め込まれたアドレス情報(ADIP情報:Address In Pregroove)を読出す。
【0028】
ピックアップ13は、レーザ光源51、反射光を検出するフォトディテクタ63、レーザ光の出力端となる対物レンズ57、対物レンズ57を介してレーザ光を記録面に照射し、記録面からの反射光をフォトディテクタ63に導く光学系を含んでいる(図3参照)。ピックアップ13には、対物レンズ57が二軸アクチュエータ65によりトラッキング方向およびフォーカス方向に移動可能に保持されている。ピックアップ13は、スレッド17によりディスク半径方向に移動可能に保持されている。ピックアップ13のレーザ光源51は、レーザドライバ33からの駆動信号により発光駆動される。フォトディテクタ63は、多層ディスクDからの反射光情報を検出し、受光光量に応じた電気信号としてマトリクス回路19に供給する。
【0029】
マトリクス回路19は、フォトディテクタ63としての複数の受光素子からの出力電流に対応した電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を含み、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。マトリクス回路19は、例えば、再生データに相当する高周波信号(RF信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、ウォブリングを検出するためのプッシュプル信号等を生成する。RF信号(再生データ信号)は、データ信号処理回路21に供給され、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号は、光学ブロックサーボ回路29に供給され、プッシュプル信号は、ウォブル信号処理回路37に供給される。
【0030】
データ信号処理回路21は、RF信号に対して2値化処理、PLL(Phase Locked Loop)処理による再生クロック生成処理等を行い、読出されたデータをデータ復調回路23に供給する。データ復調回路23は、データ再生時に、再生クロックに基づきランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。復調されたデータは、ECCエンコーダ/デコーダ25に供給される。
【0031】
ECCエンコーダ/デコーダ25は、データ記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理を行い、データ再生時にエラー訂正コードに基づきエラーを訂正するECCデコード処理を行う。ECCエンコーダ/デコーダ25は、データ再生時に、データ復調回路23で復調されたデータを内部メモリに取込み、エラー検出/訂正処理およびデインターリーブ処理等を行い、再生データを取得する。ECCエンコーダ/デコーダ25では、デコードされたデータがコントローラ11の指示に基づき読出され、再生データとして出力される。
【0032】
ウォブル信号処理回路37は、マトリクス回路19から出力されるプッシュプル信号をデジタル化してウォブルデータに変換し、PLL処理によりプッシュプル信号に同期したクロックを生成する。ADIP復調回路39は、ウォブルデータをADIPアドレスを構成するデータストリームに復調し、アドレスデコーダ27に供給する。アドレスデコーダ27は、供給されるデータをデコードしてアドレス値を取得し、コントローラ11に供給する。
【0033】
データ記録時には、ディスクドライブ装置1に供給される記録データがECCエンコーダ/デコーダ25のメモリにバッファリングされる。この場合、ECCエンコーダ/デコーダ25は、バッファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コードの付加、インターリーブ、サブコード等の付加を行う。記録パルス変換回路35は、ECCエンコードされたデータを所定のランレングスリミテッドコードで変調する。なお、エンコード処理時の基準クロックとなるエンコードクロックとしては、ウォブル信号から生成したクロックが用いられる。
【0034】
レーザドライバ33は、記録・再生補償処理として、記録層Lの特性、レーザ光のスポット形状、記録・再生線速度に対する最適な記録・再生パワーの調整やレーザ駆動パルス波形の調整等を行う。そして、レーザドライバ33は、記録補償処理したレーザ駆動パルスをピックアップ13のレーザ光源51に供給して発光駆動を行わせ、多層ディスクDの記録面に記録データに応じたピットマークを形成させる。同様に、レーザドライバ33は、再生補償処理したレーザ駆動パルスをピックアップ13のレーザ光源51に供給して発光駆動を行わせ、多層ディスクDの記録面から記録データに応じたピットマークを読取らせる。
【0035】
光学ブロックサーボ回路29は、コントローラ11からのフォーカスサーチ指令やフォーカスジャンプ指令に応じて、フォーカス引き込みのためのサーチ駆動信号や、多層ディスクDに対する記録層Lの移動のためのジャンプ駆動信号を出力することで、フォーカスサーチ動作やフォーカスジャンプ動作を実行させる。また、光学ブロックサーボ回路29は、コントローラ11からのトラックジャンプ指令やシーク指令に応じて、トラッキングサーボループをオフにし、ジャンプ/シークのためのトラッキング駆動信号を出力することで、トラックジャンプ動作やシーク動作を実行させる。
【0036】
光学ブロックサーボ回路29は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッド信号や、コントローラ11からのアクセス実行制御等に基づきスレッド駆動信号を生成し、スレッドドライバ45によりスレッド17を駆動する。スレッド17は、ピックアップ13を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッド駆動信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ13の所要のスライド移動が行われる。
【0037】
スピンドルサーボ回路31は、スピンドルモータ15をCLV回転させる制御を行う。スピンドルサーボ回路31は、ウォブル信号をPLL処理して生成されるクロックを、スピンドルモータ15の回転速度情報として取得し、所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成する。データ再生時には、データ信号処理回路21のPLL処理により生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が現在のスピンドルモータ15の回転速度情報となるので、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
【0038】
そして、スピンドルサーボ回路31は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドル駆動信号を出力し、スピンドルドライバ41にスピンドルモータ15のCLV回転を実行させる。また、スピンドルサーボ回路31は、コントローラ11からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドル駆動信号を発生させ、スピンドルモータ15の起動、停止、加速、減速等の動作も実行させる。
【0039】
以上のようなサーボ系および記録再生系の動作は、マイクロコンピュータとして形成されたコントローラ11により制御される。コントローラ11には、後述するパワー設定情報Tを記憶するための不揮発性メモリ12が付随して設けられる。コントローラ11は、プロセッサ上で実行されるプログラムを通じて、ディスクドライブ装置1の動作に必要な演算処理および制御を行う。
【0040】
ここで、コントローラ11は、検知部および確認部として機能する。不揮発性メモリ12は、記憶部として機能する。光学ブロックサーボ回路29およびスピンドルサーボ回路31は、コントローラ11の制御により再生条件切替え部として機能する。光ピックアップ13は、データ再生処理系列とともに、コントローラ11の制御により読出部として機能する。レーザドライバ33は、コントローラ11の制御によりパワー切替え部として機能する。
【0041】
図3に示すように、ピックアップ13では、レーザ光源51からのレーザ光がコリメートレンズ53、ビームスプリッタ55に達し、対物レンズ57によって多層ディスクDの記録層Lに集光される。対物レンズ57は、二軸アクチュエータ65によりフォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能に保持されており、上述したサーボ動作により制御される。多層ディスクDからの反射光は、対物レンズ57、ビームスプリッタ55を介して検出光学系に導かれ、レンズ系59、ピンホール61により所望の記録層Lの反射光がフォトディテクタ63により検出される。フォトディテクタ63では、検出された反射光に応じた信号が生成され、再生データ信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等を生成するためにマトリクス回路19に供給される。
【0042】
図4には、ディスクドライブ装置1に装填される多層ディスクDの構成が示されている。図4に示すように、多層ディスクDには、レーザ光の入射側に位置するカバー層CLからベース層BLまでの間に、バッファ層BUを介して4層の記録層L0−L3が形成されている。なお、記録層Lは、3層または5層以上に形成されてもよい。各記録層Lは、グルーブ(groove)/ランド(land)構造として形成され、グルーブまたはランドの一方または両方が記録トラックとなる。各記録層Lは、レーザ光源51のレーザ光の波長(390nm−410nm)において所定の反射率および/または吸収率を有している。
【0043】
レーザ光源51からのレーザ光は、コリメートレンズ53を通過後、ビームスプリッタ55で反射され、対物レンズ57に導かれ、多層ディスクDの記録層Lに照射される。ここで、各記録層Lが390−410nmの波長に対して所定の反射率を有するので、多層ディスクDの各記録層Lから反射光が得られる。
【0044】
記録層Lからの反射光は、再び対物レンズ57、ビームスプリッタ55を介して検出光学系に至り、フォトディテクタ63により電気信号として検出される。よって、検出光学系により所望の記録層Lを選択でき、所望の記録層Lに対する再生データ信号を取得することができる。
【0045】
同様に、記録層Lからの反射光からは、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号が取得される。各記録層Lには、ランドまたはグルーブとして記録トラックが形成されているので、フォトディテクタ63により検出される記録層Lからの反射光には、フォーカス情報およびトラッキング情報が含まれるためである。よって、反射光から各エラー信号を取得することで、レーザ光源51からのレーザ光を所望の記録層Lの所望のトラックに焦点を結ばせることができる。
【0046】
[3.ディスクドライブ装置1の動作]
以下では、図5から図6を参照して、ディスクドライブ装置1の動作について説明する。以下では、記録層Lに応じて異なる再生パワーPでもデータを安全に再生するとともに、異なる回転速度Vでもデータを確実に再生する場合について説明する。
【0047】
図5に示すように、ディスクドライブ装置1には、再生条件に応じた最適な再生パワーPを設定するパワー設定情報Tが予め設定されている(ステップS11)。パワー設定情報Tは、再生対象となる記録層Lおよび再生対象となるトラックの回転速度V(線速度)を示す再生条件に応じて設定される。パワー設定情報Tは、コントローラ11に付随する不揮発性メモリ12等に記憶されている。
【0048】
図6には、記録層L0−L3からなる4層の多層ディスクDを速度V1、V2、V3、V4からなる4段階の回転速度Vで再生するためのパワー設定情報Tが示されている。図6には、1パターンのパワー設定情報Tのみが示されているが、パワー設定情報Tは、ディスクドライブ装置1で再生可能な多層ディスクDの種類毎に設定される。ここで、速度V1―V4は、V1<V2<V3<V4の関係をなす。
【0049】
なお、パワー設定情報Tでは、トラックの回転速度Vに代えて、多層ディスクDの再生速度が設定されてもよい。この場合、多層ディスクDの再生速度および再生対象となるトラックの位置に基づき、トラックの回転速度Vを算出するようにしてもよい。
【0050】
図6に示す例では、速度V1で記録層L0−L2または記録層L3を再生する場合の再生パワーPがP2またはP1と設定されている。つまり、回転速度Vが等しい場合、記録層L0−L2と記録層L3の間、つまり記録層L2と記録層L2に隣接する記録層L3の間に再生パワーPのギャップが設定されている。同様に、速度V2で再生パワーPがP3またはP4、速度V3で再生パワーPがP5またはP6、速度V4で再生パワーPがP7またはP8に設定されている。ここで、再生パワーP1−P8は、P1<P2<P3<P4<P5<P6<P7<P8の関係をなす。
【0051】
なお、図6に示す再生パワーPの区分は、あくまでも一例であり、4層以外の記録層L、4段階以外の回転速度Vで区分されてもよい。再生パワーPのギャップは、記録層L0−L2と記録層L3の間以外に形成されてもよい。再生パワーP1−P8の大小関係は、あくまでも一例であり、例えば、P2=P3またはP2>P3となるように設定されてもよい。
【0052】
ディスクドライブ装置1に多層ディスクDが装填されると、多層ディスクDの種類が判定される(ステップS13)。多層ディスクDの種類は、例えばディスク種別判定動作によって多層ディスクDの反射率や記録層の数のカウントなどの物理情報による推測結果や、多層ディスクDから読出されたディスク情報による論理情報により判定される。ディスクドライブ装置1で再生可能な多層ディスクDの種類が複数ある場合、判定結果に基づき、ディスクドライブ装置1に装填されている多層ディスクDに対応するパワー設定情報Tが選択される。
【0053】
多層ディスクDの種類が判定されると、データ再生動作が開始される(ステップS15)。コントローラ11は、再生開始時の目標アドレスおよび目標速度を指定して、スピンドルサーボ回路31および光学ブロックサーボ回路29に再生開始を指示する。スピンドルサーボ回路31は、目標速度を達成するためにスピンドルモータ15のCLV回転を制御し、光学ブロックサーボ回路29は、目標アドレスにアクセスするためにスレッド17およびピックアップ13の動作を制御する。
【0054】
ここで、コントローラ11は、目標アドレスおよび目標速度から再生条件(再生対象となる記録層Lおよび再生対象となるトラックの回転速度V)を特定し、パワー設定情報Tに基づき再生条件に対応する最適パワーPoptを決定する。コントローラ11は、最適パワーPoptをレーザドライバ33に指示し、レーザドライバ33は、最適パワーPoptでレーザ光を照射するようにレーザ光源51を駆動する。ピックアップ13は、レーザ光源51から記録層Lに最適パワーPoptでレーザ光を照射し、記録層Lからの反射光を検出してマトリクス回路19に供給する。
【0055】
マトリクス回路19では、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびプッシュプル信号が生成される。データ信号処理回路21、データ復調回路23およびECCエンコーダ/デコーダ25からなる再生処理系列では、RF信号から再生データが生成されて上位装置(不図示)等に出力される。光学ブロックサーボ回路29では、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づき光学ブロックサーボ処理が行われる。ウォブル信号処理回路37、ADIP復調回路39およびアドレスデコーダ27からなるアドレス処理系列では、プッシュプル信号から現在アドレスが取得されてコントローラ11に供給される。
【0056】
データ再生動作が開始されると、再生条件の切替えの必要性が判定される(ステップS17)。コントローラ11は、再生動作中に切替えの必要性を適宜判定する。切替えの必要性は、再生アドレスの変更または再生速度の変更に応じて生じる。再生条件の切替えは、例えば、以下の場合に必要となる。
1)再生アドレスの変更により再生対象となる記録層Lの変更が必要となる場合
2)再生アドレスの変更により再生対象となるトラックのゾーンが変更され、再生対象となるトラックの回転速度V(線速度)の変更が必要となる場合(多層ディスクDの内周に位置するトラックほど回転速度(線速度)が大きくなる。)
3)再生速度の変更により再生対象となるトラックの回転速度Vの変更が必要となる場合
【0057】
コントローラ11は、アドレスデコーダ27から供給される現在アドレスと、切替え後に再生対象となる目標アドレスを比較することで、再生アドレスの変更を判定することができる。また、コントローラ11は、現在の回転速度Vと現在アドレスの関係と、切替え後に再生対象となるトラックの目標回転速度Vと目標アドレスの関係とを比較することで、再生速度の変更を判定することができる。
【0058】
1)、2)としては、ユーザーによる再生トラックの切替え操作、またはデータ再生動作の継続により自動的に再生アドレスを変更する場合が想定される。3)としては、ユーザーによる倍速モードの切替え操作等に応じて再生速度を変更する場合が想定される。なお、1)、2)、3)のケースは、各々に単独に生じる場合もあり、複合的に生じる場合もある。
【0059】
切替えの必要性が検知されると、切替えの前後で再生パワーPの切替えが必要であるかが判定される(ステップS19)。コントローラ11は、パワー設定情報Tに基づき、切替えの前後の再生条件に対応する最適パワーPoptを比較することで、切替えの前後で再生パワーPの切替えが必要であるかを判定する。なお、切替えの必要性が検知されなかった場合、ステップS17の処理に復帰する。
【0060】
図6に示す例では、例えば、記録層L0、速度V1から記録層L3、速度V1に再生条件を切替える場合、再生パワーP2からP1への切替えが必要となる。同様に、記録層L0、速度V1から記録層L0、速度V2に再生条件を切替える場合、再生パワーP2からP4への切替えが必要となる。また、記録層L0、速度V1から記録層L1、速度V3に再生条件を切替える場合、再生パワーP2からP6への切替えが必要となる。
【0061】
再生パワーPの切替えが必要であると判定されると、再生パワーPが最低パワーPminに切替えられる(ステップS21)。最低パワーPminの設定値は、パワー設定情報Tとともに不揮発性メモリ12等に記憶されている。コントローラ11は、最低パワーPminをレーザドライバ33に指示し、レーザドライバ33は、最低パワーPminでレーザ光を照射するようにレーザ光源51を駆動する。なお、再生パワーPの切替えが必要でない場合、ステップS17の処理に復帰する。
【0062】
ここで、最低パワーPminは、記録層L0−L3に記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せるパワーとして設定されている。最低パワーPminは、パワー設定情報Tとして指定されている最低のパワー(例えば再生パワーP1)でもよく、パワー設定情報Tとして指定されていないパワーでもよい。なお、再生パワーPの切替えが必要でない場合でも、再生パワーPが最低パワーPminに切替えられてもよい。これにより、本来の再生条件ではなく再生パワーPの切替えが必要となる再生条件に誤って切替えられた場合でも、多層ディスクDに記録されているデータが損傷されずにすむ。
【0063】
再生パワーPが最低パワーPminに切替えられると、再生条件が切替えられる(ステップS23)。コントローラ11は、目標アドレスおよび目標速度を指定して、スピンドルサーボ回路31および光学ブロックサーボ回路29に再生継続を指示する。スピンドルサーボ回路31は、切替え後の目標速度を達成するために、必要に応じてスピンドルモータ15のCLV回転を制御し、光学ブロックサーボ回路29は、切替え後の目標アドレスにアクセスするために、必要に応じてスレッド17およびピックアップ13の動作を制御する。
【0064】
再生条件を切替えると、再生対象となるデータのアドレスが最低パワーPminで読出される(ステップS25)。ピックアップ13は、レーザ光源51から記録層Lに最低パワーPminでレーザ光を照射し、記録層Lからの反射光を検出してマトリクス回路19に供給する。マトリクス回路19では、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびプッシュプル信号が生成される。アドレス処理系列では、プッシュプル信号から現在アドレスが取得されてコントローラ11に供給される。
【0065】
ここで、再生条件の切替え後に、アドレスが最低パワーPminで読出される。このため、本来の再生条件よりも低い再生パワーPが要求される再生条件となるように再生条件が切替えられた場合でも、アドレスの読出しに際して、記録層Lに記録されているデータがレーザ光の照射により損傷することがない。
【0066】
再生対象となるデータのアドレスが読出されると、読出されたアドレスと再生対象となるデータのアドレスが一致するかが判定される(ステップS27)。コントローラ11は、現在アドレスと目標アドレスが一致するかを判定する。アドレスの一致が確認されると、目標アドレスに対するアクセスが実現されていること、再生対象となるトラックの回転速度Vが目標速度に達していることが確認される。なお、アドレス自体が読出されない場合、またはアドレスの一致が確認されない場合には、ステップS25に復帰して読出し動作が繰返される等のエラー対応処理が行われる。
【0067】
アドレスの一致が確認されると、パワー設定情報Tに基づき、再生パワーPが切替え後の再生条件に対応する最適パワーPoptに切替えられる(ステップS29)。コントローラ11は、目標アドレスおよび目標速度から再生条件(記録層Lおよび回転速度V)を特定し、パワー設定情報Tに基づき再生条件に対応する最適パワーPoptを決定する。コントローラ11は、最適パワーPoptをレーザドライバ33に指示し、レーザドライバ33は、最適パワーPoptでレーザ光を照射するようにレーザ光源51を駆動する。
【0068】
再生パワーPが最適パワーPoptに切替えられると、再生対象となるデータが最適パワーPoptで読出される(ステップS31)。ピックアップ13は、レーザ光源51から記録層Lに最適パワーPoptでレーザ光を照射し、記録層Lからの反射光を検出してマトリクス回路19に供給する。
【0069】
マトリクス回路19では、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびプッシュプル信号が生成される。再生処理系列では、RF信号から再生データが生成されて上位装置等に出力される。光学ブロックサーボ回路29では、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づき、光学ブロックサーボ処理が行われる。アドレス処理系列では、プッシュプル信号から現在アドレスが取得されてコントローラ11に供給される。そして、ステップS17からS31の処理は、ユーザー操作や装置の判断により再生動作が終了されるまで繰返される(ステップS33)。
【0070】
[4.まとめ]
以上説明したように、本発明の実施形態に係る再生方法によれば、再生条件の切替えに際して、切替え前の再生パワーPcurが最低パワーPminに一旦切替えられ、再生パワーPを適切に切替え可能な状態が確認された後に初めて再生条件が切替えられて、再生パワーPが最適パワーPoptに切替えられる。よって、再生パワーPを適切に切替え可能な状態が確認されるまでは、多層ディスクDに記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーPminのレーザ光が記録面に照射される。
【0071】
このため、例えば、高い再生パワーPで再生されるべき記録層Lから、低い再生パワーPで再生されるべき記録層Lへ再生対象が遷移した場合でも、低い再生パワーPで再生されるべき記録層Lに高い再生パワーPのレーザ光が照射されることがない。よって、記録層L間における再生パワーPのギャップが大きくても、記録層Lに記録されているデータが損傷(消去または変更)することがなく、記録層Lに応じて異なる再生パワーPでもデータを安全に再生することができる。さらに、再生トラックの回転速度V(線速度)に応じた最適な再生パワーPを設定することで、異なる回転速度Vでもデータを確実に再生することができる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0073】
例えば、上記説明では、多層ディスクDに記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる再生パワーPとして最低パワーPminを設定する場合について説明した。しかし、最低パワーPminは、再生条件の切替え範囲に含まれる再生条件について設定されている再生パワーPのうち、最低の再生パワーPとして設定されてもよい。これにより、データの損傷を抑制しつつ、再生パワーPの切替え幅を抑制することができる。
【0074】
例えば、記録層L1、速度V3から記録層L2、速度V4へ再生条件を切替える場合について説明する。この場合、記録層L間の切替え誤差を記録層L1段階および回転速度Vの誤差を速度V1段階と仮定し、記録層L0−L2、速度V2−V4の範囲内で切替えが行われると想定する。そして、切替え範囲に含まれる再生条件について設定されている再生パワーPのうちの最低パワーPmin、つまり記録層L3、速度V2の再生条件に相当する再生パワーP3を最低パワーPminとして設定する。これにより、データの損傷を抑制しながらも、パワー設定情報Tにおける最低の再生パワーP1を設定するよりも、再生パワーPの切替え幅を抑制することができる。
【0075】
また、上記説明では、データ再生動作を開始した後に検知された再生条件の切替えの必要性に応じて、再生パワーPを最低パワーPminに切替える場合について説明した。しかし、データ再生動作の開始時にも、再生パワーPを最低パワーPminに一旦切替え、再生パワーPを適切に切替え可能な状態が確認された後に初めて再生パワーPを最適パワーPoptに切り替えてもよい。これにより、データ再生動作の開始時に再生条件の設定を誤った場合でも、多層ディスクDに記録されているデータが損傷されずにすむ。
【0076】
また、上記説明では、本発明をブルーレイディスクの多層ディスクDに適用する場合について説明した。しかし、本発明は、記録層Lに応じて異なる再生パワーPのレーザ光によるデータ再生が推奨され、かつ記録層L間に比較的大きな再生パワーPのギャップが設定されている他の多層記録媒体にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 ディスクドライブ装置
11 コントローラ
12 不揮発性メモリ
13 ピックアップ
15 スピンドルモータ
17 スレッド
19 マトリクス回路
21 データ信号処理回路
23 データ復調回路
25 ECCエンコーダ/デコーダ
27 アドレスデコーダ
29 光学ブロックサーボ回路
31 スピンドルサーボ回路
33 レーザドライバ
35 記録パルス変換回路
37 ウォブル信号処理回路
39 ADIP復調回路
41 スピンドルドライバ
43 2軸ドライバ
45 スレッドドライバ
P 再生パワー
L 記録層
V 回転速度
T パワー設定情報
D 多層ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生対象となる記録層を示す再生条件に応じた最適なパワーを設定するパワー設定情報を記憶する記憶部と、
前記再生条件の切替えの必要性を検知する検知部と、
前記再生条件の切替えの必要性に応じて前記再生条件を切替える再生条件切替え部と、
多層記録媒体に記録されているデータおよびデータのアドレスを読出す読出部と、
前記読出したアドレスと再生対象となるデータのアドレスとの一致を確認する確認部と、
前記再生条件の切替えに応じて前記再生パワーを切替えるパワー切替え部と、
前記再生条件の切替えの必要性が検知されると、前記多層記録媒体に記録されているデータに損傷を与えず、かつ前記再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーに前記再生パワーを切替え、前記再生条件の切替えの後に、前記最低パワーで読出されたアドレスと前記再生対象となるデータのアドレスとの一致が確認されると、前記パワー設定情報に基づき、前記切替え後の再生条件に適合する最適パワーに前記再生パワーを切替えるパワー切替え部と
を備える再生装置。
【請求項2】
前記パワー設定情報は、前記再生対象となる記録層および再生対象となるトラックの回転速度を示す再生条件に応じた最適なパワーを設定する、請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記最低パワーは、前記パワー設定情報として設定されているパワーのうち最低のパワーとして設定される、請求項1または2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記最低パワーは、前記再生条件の切替え範囲に含まれる前記再生条件について設定されているパワーのうち、最低のパワーとして設定される、請求項3に記載の再生装置。
【請求項5】
前記多層記録媒体は、3層以上の記録層を有し、少なくとも1の層と前記1の層に隣接する他の層の間で異なる再生パワーが推奨されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の再生装置。
【請求項6】
再生対象となる記録層を示す再生条件の切替えの必要性を検知し、
前記切替えの必要性を検知すると、多層記録媒体に記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーに再生パワーを切替え、
前記再生条件を切替えた後に、前記再生対象となるデータのアドレスを前記最低パワーで読出し、
前記読出したアドレスと前記再生対象となるデータのアドレスとの一致を確認し、
前記アドレスの一致を確認すると、前記再生条件に応じた最適なパワーを設定するパワー設定情報に基づき、前記切替え後の再生条件に適合する最適パワーに前記再生パワーに切替え、
前記再生対象となるデータを前記最適パワーで読出すこと
を含む再生方法。
【請求項7】
前記再生条件は、前記再生対象となる記録層および再生対象となるトラックの回転速度を示す、請求項6に記載の再生方法。
【請求項8】
前記切替えの必要性を検知した後に、前記切替えの前後の前記再生条件に適合する前記最適パワーが異なるかを前記パワー設定情報に基づき確認することをさらに含み、
前記最適パワーが異なる場合にのみ、前記再生パワーを前記最低パワーに切替えることを含む前記後続の処理を実行する、請求項6または7に記載の再生方法。
【請求項9】
再生対象となる記録層を示す再生条件の切替えの必要性を検知し、
前記切替えの必要性を検知すると、多層記録媒体に記録されているデータに損傷を与えず、かつ再生対象となるデータのアドレスを読出せる最低パワーに再生パワーを切替え、
前記再生条件を切替えた後に、前記再生対象となるデータのアドレスを前記最低パワーで読出し、
前記読出したアドレスと前記再生対象となるデータのアドレスとの一致を確認し、
前記アドレスの一致を確認すると、前記再生条件に応じた最適なパワーを設定するパワー設定情報に基づき、前記切替え後の再生条件に適合する最適パワーに前記再生パワーに切替え、
前記再生対象となるデータを前記最適パワーで読出すこと
を含む再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−14757(P2012−14757A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147634(P2010−147634)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】