説明

再生装置およびコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法

【課題】再生することが出来ないコンテンツを自動的に削除し、記憶装置の容量を増やす。
【解決手段】コンテンツ鍵の使用条件を参照し、コンテンツ鍵を用いて暗号化コンテンツを復号することができない場合、たとえば再生期限切れの場合に、記憶装置から前記コンテンツ鍵および前記コンテンツを削除し、使用可能な記憶容量を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号化されているコンテンツを復号して再生する再生装置およびコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子書籍などの貸与コンテンツで、貸出期限情報を含む時限鍵で暗号化したコンテンツに関し、貸与期限を過ぎると時限鍵を無効化または削除し、コンテンツの閲覧を不許可にする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−25438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した文献に記載されている技術では、閲覧(再生)することが出来ないコンテンツが残っており、装置の記憶装置の資源の無駄に使用しているという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、再生することが出来ないコンテンツを自動的に削除し、記憶装置の容量を増やすことが可能な再生装置およびコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一例に係わる再生装置は、暗号化されている暗号化コンテンツと、使用条件が設定されている前記暗号化コンテンツを複合するためのコンテンツ鍵とが格納されている記憶メディアから前記暗号化コンテンツおよび前記コンテンツ鍵を読み出し、前記暗号化コンテンツを前記コンテンツ鍵を用いて復号し、復号されたコンテンツを再生する再生装置であって、前記コンテンツ鍵の使用条件を参照し、前記コンテンツ鍵を用いて暗号化コンテンツを復号することができない場合に、前記記憶メディアから前記コンテンツ鍵および前記コンテンツを削除する削除手段を具備することを特徴とする。
【0006】
本発明の一例に係わるコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法は、暗号化されている暗号化コンテンツと、使用条件が設定されている前記暗号化コンテンツを複合するためのコンテンツ鍵とが格納されている記憶メディアから前記暗号化コンテンツおよび前記コンテンツ鍵を読み出し、前記暗号化コンテンツを前記コンテンツ鍵を用いて復号し、復号されたコンテンツを再生する再生装置におけるコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法であって、前記コンテンツ鍵の使用条件を参照し、前記コンテンツ鍵を用いて暗号化コンテンツを復号することができない場合に、前記記憶メディアから前記コンテンツ鍵および前記コンテンツを削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
再生することが出来ないコンテンツを自動的に削除し、記憶装置の容量を増やすことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるコンテンツ再生装置のシステム構成を示すブロック図である。
コンテンツ再生装置10は、SDカード等のメディア20に格納されているコンテンツ21を復号するためのコンテンツ鍵22を読み出し、再生可能期限、再生可能回数、再生可能スパン(初回の再生開始時から再生可能な時間)等の権利情報の確認を行う権利情報確認部11と、メディアに格納されているコンテンツ21をコンテンツ鍵22を用いて復号するための復号処理部12と、復号されたコンテンツ21を再生するための再生処理部13とを有する。また、再生処理部13は、再生を行ったコンテンツ21の再生完了の有無、中断位置等の情報を再生情報23としてメディアに格納する。
【0009】
なお、権利情報確認部11は、再生期限が過ぎた等の理由でメディアに格納されているコンテンツ鍵22を用いてコンテンツ21を復号することが出来ない場合に、メディアに格納されているコンテンツ鍵22を自動的に削除する機能を有する。
【0010】
権利情報確認部11は、図2に示されているように、コンテンツ鍵22および再生情報23を取得して鍵の使用ルールを確認する(ステップS11)。そして、使用ルールがコンテンツ鍵22を用いてコンテンツ21を復号できない状態であれば、権利情報確認部11は、コンテンツ鍵22およびコンテンツ21を削除する(ステップS12)。
【0011】
なお、権利情報確認部11は、以下のルールに基づいて、コンテンツ鍵22の削除を行う。
1.レンタルコンテンツ等で期限や回数などの条件で再生できない場合は、コンテンツ鍵22を自動的に削除する。
2.上記1に加えてコンテンツ21も削除する。
3.コンテンツ鍵22が複数ある場合は2が適用されず、鍵が最後の1つになった場合は適用される。
【0012】
上述したルール1〜3に基づいたコンテンツ鍵22およびコンテンツ21の削除の例について以下に説明する。
図3は、メディア20に格納されているコンテンツ21とコンテンツ鍵22の状態を示している。コンテンツAを複合するにはコンテンツ鍵A1を用い、コンテンツB1、B2を複合するには、コンテンツ鍵B1、B2を用いるとする。なお、現在を2008年6月1日とする。
【0013】
コンテンツ鍵A1には、再生期限(2008年1月1日)が設定されている。また、コンテンツ鍵B1には、再生期限(2009年1月1日)が設定されている。コンテンツ鍵B2には、再生期限(2009年1月1日)が設定されている。
【0014】
権利情報確認部11は、再生可能期限が過ぎている、再生可能回数が0である、再生可能スパンが過ぎている等の場合に、図4に示されているように、コンテンツ鍵22を削除する。また、権利情報確認部11は、復号可能なコンテンツ鍵22がメディア20内に存在しないコンテンツ21のファイルも削除する。
【0015】
例えば、現在が2008年6月1日とすると、再生期限が2008年1月1日に設定されているコンテンツ鍵A1を用いてコンテンツAを復号することが出来ない。この場合、権利情報確認部11は、図4に示されているように、コンテンツ鍵A1を削除する。また、コンテンツAは、復号可能なコンテンツ鍵22が削除され、復号することが出来ない。よって、権利情報確認部11は、コンテンツ鍵A1を削除する。
【0016】
また、再生期限が2008年1月1日に設定されているコンテンツ鍵B2を用いてコンテンツB1,B2を復号することが出来ない。よって、権利情報確認部11は、図4に示されているように、コンテンツ鍵B2を削除する。コンテンツB1,B2は、コンテンツ鍵B1を用いて復号すること可能である。よって、権利情報確認部11は、図4に示されているように、コンテンツAおよびコンテンツ鍵A1の削除の場合と異なって、コンテンツB1,B2を削除しない。但し、コンテンツ鍵B1に設定されている再生期限(2009年1月1日)が過ぎたら、コンテンツ鍵B1、コンテンツB1,B2を削除する。
【0017】
なお、上述したルール1〜3、以下に定義するルール4〜6を付け加えても良い。
4.上記2のコンテンツ21を削除する場合に付加的な条件を加える。
例えば、上記ルール2,3においてコンテンツ21を最後まで再生していないなどの場合は削除を行わない。
【0018】
更に、ルール4について説明する。コンテンツ21を自動削除を行う場合、鍵自身が削除され再生出来なくなったコンテンツ21であっても使用者は意図的に消して欲しくない場合がある。例えば、コンテンツ21の提供をレンタルとした場合、使用者は再度鍵を取得する場合が考えれられる。
【0019】
コンテンツ21自身を視聴し終わっていない状態で再生期限を過ぎてしまった場合、使用者は今後そのコンテンツ21の鍵のみを購入すれば、再生することができる。コンテンツ21自身を削除してしまうと使用者が再度、再生するための鍵を手に入れた場合にまたダウンロードなどの取得を行わなければならない。よって使用者は現在のレンタルビデオの延長に近いイメージでコンテンツ21の視聴を行うことが出来る。また鍵削除後に指定期間は消さないでおくようにしても良い。
【0020】
5.また、ルール4の組み合わせを使用者を選択することができるようにしても良い。
【0021】
ア) コンテンツ鍵22を削除する/しない
イ) ア)で削除する場合の条件
(例)再生可能期限が過ぎたかなど
ウ)コンテンツ21を削除する/しない
エ)コンテンツ21を削除する場合の条件
(例)コンテンツ21を最後まで視聴したかどうか
逆にコンテンツ21を何回も観ている(今後も同じコンテンツ21を観る可能性が高い)など。
【0022】
6.ルール4のコンテンツ21削除を行わないとした場合と同じ条件で、ユーザに対して、再度コンテンツ鍵22をレンタル(延長)や購入することを提示するようにしても良い。
【0023】
例えば、ルール4でのコンテンツ21削除はユーザがまだ観る可能性があるので、コンテンツ鍵22は消してもコンテンツ21は消さないという技術であるが、消さないと判断した場合は同時にユーザにレンタルを延長することや、購入することなどを、再生装置10に設けられたディスプレイに表示することによって、伝えるようにしても良い。
【0024】
上述したように、再生することが出来ないコンテンツを自動的に削除することができ、記憶装置の容量を増やすことが可能になる。
【0025】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係わるコンテンツ再生処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係わるコンテンツ鍵およびコンテンツの削除の手順を説明するための図。
【図3】メディアに格納されているコンテンツとコンテンツ鍵の例を示す図。
【図4】メディアに格納されているコンテンツとコンテンツ鍵の削除例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
10…コンテンツ再生装置,11…権利情報確認部,12…復号処理部,13…再生処理部,20…メディア,21…コンテンツ,22…コンテンツ鍵,23…再生情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化されている暗号化コンテンツと、使用条件が設定されている前記暗号化コンテンツを複合するためのコンテンツ鍵とが格納されている記憶メディアから前記暗号化コンテンツおよび前記コンテンツ鍵を読み出し、前記暗号化コンテンツを前記コンテンツ鍵を用いて復号し、復号されたコンテンツを再生する再生装置であって、
前記コンテンツ鍵の使用条件を参照し、前記コンテンツ鍵を用いて暗号化コンテンツを復号することができない場合に、前記記憶メディアから前記コンテンツ鍵および前記コンテンツを削除する削除手段を具備することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記削除手段は、暗号化コンテンツを復号することができないコンテンツ鍵の削除時、前記コンテンツを復号可能な別のコンテンツ鍵に設定されている使用条件が、削除されるコンテンツ鍵に対応する前記コンテンツを復号可能なことを示している場合に、前記コンテンツを削除しないことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記記憶メディアには、前記コンテンツを再生し終わったか否かを示す再生情報が格納され、
前記再生情報が前記コンテンツを再生し終わっていないことを示している場合に、前記削除手段は前記コンテンツを削除しないことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
前記コンテンツを復号するための新たなコンテンツ鍵の入手をユーザに提示するための手段を更に具備することを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項5】
前記記憶メディアには、前記コンテンツの再生回数を示す再生情報が格納され、
前記削除手段は、前記再生回数が設定値を超えている場合に、前記コンテンツを削除しないことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項6】
暗号化されている暗号化コンテンツと、使用条件が設定されている前記暗号化コンテンツを複合するためのコンテンツ鍵とが格納されている記憶メディアから前記暗号化コンテンツおよび前記コンテンツ鍵を読み出し、前記暗号化コンテンツを前記コンテンツ鍵を用いて復号し、復号されたコンテンツを再生する再生装置におけるコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法であって、
前記コンテンツ鍵の使用条件を参照し、前記コンテンツ鍵を用いて暗号化コンテンツを復号することができない場合に、前記記憶メディアから前記コンテンツ鍵および前記コンテンツを削除することを特徴とするコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法。
【請求項7】
暗号化コンテンツを復号することができないコンテンツ鍵の削除時、前記コンテンツを復号可能な別のコンテンツ鍵に設定されている使用条件が、削除されるコンテンツ鍵に対応する前記コンテンツを復号可能なことを示している場合に、前記コンテンツを削除しないことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法。
【請求項8】
前記記憶メディアには、前記コンテンツを再生し終わったか否かを示す再生情報が格納され、
前記再生情報が前記コンテンツを再生し終わっていないことを示している場合に、前記コンテンツを削除しないことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法。
【請求項9】
前記削除されなかったコンテンツを復号するための新たなコンテンツ鍵の入手をユーザに提示することを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法。
【請求項10】
前記記憶メディアには、前記コンテンツの再生回数を示す再生情報が格納され、
前記再生回数が設定値を超えている場合に、前記コンテンツを削除しないことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ/コンテンツ鍵管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−39568(P2010−39568A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198743(P2008−198743)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】