説明

再生装置

【課題】所望の再生開始位置をより容易に選択して、再生開始を行うことができる再生装置を提供する。
【解決手段】DVDプレーヤ100において、入力手段はキー操作部21におけるキー操作に基づいて現在の処理位置からスキップする任意の時間情報をユーザに入力させ、選択手段はDVD11aに記録された画像データから、入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータを選択するとともに、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択し、表示制御手段は選択された特定フレームデータ及び複数のフレームデータをサムネイル画像に変換して表示部に一覧表示し、指定手段は一覧表示されたサムネイル画像の中から一のサムネイル画像をユーザに指定させ、再生手段は指定された一のサムネイル画像に対応するフレームデータを再生開始位置として再生を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体に記録された画像データの再生を行う再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データが記録された情報記録媒体を再生する再生装置が知られている。
例えば、特許文献1には、早送り、巻き戻し再生時に、再生画像を一定間隔でインデックス画像として動画像表示部に残し、指定されたインデックス画像に対応する再生位置から通常再生を開始することで、利用者がより正確に再生開始位置を指定できる動画像再生装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、動画ファイルを均等に分割し、分割されたフレームの集合である分割動画データから1フレームずつとって合成した合成フレームを作成し、これらをつなぎ合わせた動画インデックスを作成して再生することにより、迅速に動画全体の内容を把握して、動画編集を行う前に編集したい動画シーンを的確に見つけ出すことができる動画像管理方法が提案されている。
また、特許文献3には、一覧画像表示部に表示される縮小画像により、映像の内容把握や、見たいフレームの検索が容易になるとともに、一覧画像表示部の縮小画像から所望の縮小画像が選択された場合に、視聴中のアドレスをその縮小画像の示すアドレスへスキップすることにより、素早く見たいフレームにスキップして再生することができる映像記録再生装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−277803号公報
【特許文献2】特開2005−86344号公報
【特許文献3】特開2000−125243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現在の処理位置からスキップして再生を行いたい場合に、予めユーザがスキップしたい位置までの再生にかかる時間を把握又は予想している場合がある。このような場合には、上記特許文献1のように、早送り再生を行いながら生成されるインデックス画像により再生開始位置を指定する方法では、目的の再生開始位置まで早送り再生で到達するのに時間がかかってしまうという問題があった。また、早送り再生を高速で行う技術もあるが、高速で早送り再生を行った場合には目的の位置で停止できずに巻き戻すことになる等、結局時間がかかってしまうことが多かった。さらに、上述した特許文献2又は特許文献3のように、選択したいフレームデータを動画ファイル全体から作成されたインデックス画像の中から探し出して選択するのでは、目的のインデックス画像を探し出す時間や手間がかかってしまうという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、所望の再生開始位置をより容易に選択して、再生開始を行うことができる再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、情報記録媒体に記録された画像データを再生する再生装置において、
ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記情報記録媒体における現在の処理位置からスキップする任意の時間情報を、ユーザに入力させる入力手段と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記入力手段により入力された前記任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から複数のフレームデータを選択する際のフレーム間隔を、一定間隔又は前記特定フレームデータから段階的に広がる間隔のうちから、ユーザに選択させるフレーム間隔選択手段と、
前記情報記録媒体に記録された前記画像データから、前記入力手段により入力された前記任意の時間情報に相当する位置の前記特定フレームデータを選択するとともに、前記フレーム間隔選択手段により選択されたフレーム間隔に基づいて、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記特定フレームデータ及び前記複数のフレームデータを、それぞれサムネイル画像に変換して、表示部に一覧表示させる表示制御手段と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記表示制御手段により前記表示部に一覧表示された前記サムネイル画像の中から、一のサムネイル画像をユーザに指定させる指定手段と、
前記指定手段により指定された前記一のサムネイル画像に対応するフレームデータを再生開始位置として、再生を行う再生手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、情報記録媒体に記録された画像データを再生する再生装置において、
ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記情報記録媒体における現在の処理位置からスキップする任意の時間情報を、ユーザに入力させる入力手段と、
前記情報記録媒体に記録された前記画像データから、前記入力手段により入力された前記任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータを選択するとともに、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記特定フレームデータ及び前記複数のフレームデータを、それぞれサムネイル画像に変換して、表示部に一覧表示させる表示制御手段と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記表示制御手段により前記表示部に一覧表示された前記サムネイル画像の中から、一のサムネイル画像をユーザに指定させる指定手段と、
前記指定手段により指定された前記一のサムネイル画像に対応するフレームデータを再生開始位置として、再生を行う再生手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の再生装置において、前記選択手段は、前記特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータを、一定間隔で選択することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の再生装置において、前記選択手段は、前記特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータを、当該特定フレームデータから段階的に間隔を広げて選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、情報記録媒体に記録された画像データを再生する再生装置において、ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部が備わり、入力手段により、キー操作部におけるキー操作に基づいて、情報記録媒体における現在の処理位置からスキップする任意の時間情報が、ユーザにより入力され、フレーム間隔選択手段により、キー操作部におけるキー操作に基づいて、入力手段により入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から複数のフレームデータを選択する際のフレーム間隔が、一定間隔又は特定フレームデータから段階的に広がる間隔のうちから、ユーザにより選択され、選択手段により、情報記録媒体に記録された画像データから、入力手段により入力された任意の時間情報に相当する位置の前記特定フレームデータが選択されるとともに、フレーム間隔選択手段により選択されたフレーム間隔に基づいて、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータが複数選択され、表示制御手段により、選択手段により選択された特定フレームデータ及び複数のフレームデータが、それぞれサムネイル画像に変換されて、表示部に一覧表示され、指定手段により、キー操作部におけるキー操作に基づいて、表示制御手段により表示部に一覧表示されたサムネイル画像の中から、一のサムネイル画像がユーザにより指定され、再生手段により、指定手段により指定された一のサムネイル画像に対応するフレームデータが再生開始位置とされて、再生が行われる。
したがって、ユーザにより入力された任意の時間分だけスキップした位置のフレームデータと、そのフレームデータの前及び/又は後の所定範囲内のフレームデータとがサムネイル画像に変換されてユーザに提示されるため、所望の再生開始位置をより容易に選択して、再生開始を行うことができる再生装置を提供することができる。また、ユーザにより入力された任意の時間情報に相当する位置の所定範囲内から、ユーザの希望に沿った方法で選択されたフレームデータに基づくサムネイル画像がユーザに提示されるため、使い勝手が向上することとなる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、情報記録媒体に記録された画像データを再生する再生装置において、ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部が備わり、入力手段により、キー操作部におけるキー操作に基づいて、情報記録媒体における現在の処理位置からスキップする任意の時間情報が、ユーザにより入力され、選択手段により、情報記録媒体に記録された画像データから、入力手段により入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータが選択されるとともに、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータが複数選択され、表示制御手段により、選択手段により選択された特定フレームデータ及び複数のフレームデータが、それぞれサムネイル画像に変換されて、表示部に一覧表示され、指定手段により、キー操作部におけるキー操作に基づいて、表示制御手段により表示部に一覧表示されたサムネイル画像の中から、一のサムネイル画像がユーザにより指定され、再生手段により、指定手段により指定された一のサムネイル画像に対応するフレームデータを再生開始位置として、再生が行われる。
したがって、ユーザにより入力された任意の時間分だけスキップした位置のフレームデータと、そのフレームデータの前及び/又は後の所定範囲内のフレームデータとがサムネイル画像に変換されてユーザに提示されるため、所望の再生開始位置をより容易に選択して、再生開始を行うことができる再生装置を提供することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、選択手段により、特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータが、一定間隔で選択される。
したがって、ユーザは、入力した任意の時間情報に相当する位置の所定範囲内から均等に取得されたフレームデータに基づくサムネイル画像の中から、再生開始位置を選択することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、選択手段により、特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータが、当該特定フレームデータから段階的に間隔を広げて選択される。
したがって、ユーザにより入力された任意の時間情報に相当する位置に近い位置に存在するフレームデータに基づくサムネイル画像が、より多く提示されるため、ユーザは、入力した任意の時間情報付近を再生開始位置としてより細かく選択することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0014】
本実施の形態では、情報記録媒体に記録された画像データの再生を行う再生装置として、DVD(Digital Versatile Disc)に記録された映像データ(画像データ)を含むコンテンツデータの再生を行うDVDプレーヤを例示して説明を行う。
【0015】
まず、図1を参照しながら、本実施形態におけるDVDプレーヤ100の全体構成について説明する。
図1に示すように、再生装置としてのDVDプレーヤ100は、DVD11aに記録された映像データ・音声データ・副映像データ等から成るコンテンツデータの再生を行う装置本体1と、ユーザが各種操作指示を入力して装置本体1を遠隔操作するためのリモートコントローラ2等を備えて構成されている。また、装置本体1には、装置本体1において再生されたコンテンツデータに基づく映像・音声を出力するテレビジョン受像機3が接続されている。
【0016】
リモートコントローラ(以下、リモコンと称する)2は、複数の操作キーを備えるキー操作部21を備えて構成され、DVDプレーヤ100の装置本体1を遠隔操作する。具体的には、リモコン2等に備わる当該キー操作部21において、ユーザによりキーの押下操作がなされると、押下操作されたキーに対応する赤外線等の入力操作信号が出力され、当該入力操作信号が装置本体1に設けられたリモコン信号受光部17を介して、制御部18に出力されることとなる。
キー操作部21は、例えば、フレーム間隔選択画面D1(後述)を表示させるためのフレーム間隔選択キー21a、スキップ時間入力画面D2(後述)を表示させるためのスキップ時間入力キー21b、スキップ時間入力画面D2におけるスキップ時間(後述)の指示入力や、チャンネル番号の指示入力等を行うための数字(0〜9)が割り当てられたテンキー21c、アップ/ダウンキー21d、決定キー21e等を備えており、更に、図示は省略するが、DVDプレーヤ100の電源をオン/オフするための電源キー、再生を指示入力するための再生キー、停止を指示入力するための停止キー、各種メニュー画面を表示させるためのメニューキー、等を備えている。
なお、キー操作部21は装置本体1に設けられる構成であっても良い。
【0017】
装置本体1は、DVD11aに記録されたコンテンツデータの再生を行うDVDドライブ部11と、DVDドライブ部11から取り込んだコンテンツデータを各部に出力するデータプロセッサ12と、DVDドライブ部11から出力されたコンテンツデータに所定のデコード処理を行うデコーダ部13と、映像データに対してOSDデータ1822bを付加するOSD(On Screen Display)回路14と、デコーダ部13から出力されたコンテンツデータに対して所定の信号出力処理を行う出力インターフェース部16と、キー操作部21からの入力操作信号を受信するとともに、受信した入力操作信号を制御部18に出力するリモコン信号受光部17と、装置本体1の各部を統括制御する制御部18と、装置本体1の各部を接続する制御バス19と、等を備えている。
【0018】
DVDドライブ部11は、例えば、DVDドライブ部11のディスクトレイ(図示省略)に装填されるDVD11aと、DVD11aに記録されたデータの読み出しを行う光ピックアップ11bと、ディスクトレイに装填されたDVD11aを回転駆動させるスピンドルモータ11cと、光ピックアップ11bをDVD11aの半径方向に移動させる送りモータ11dと、等を備えて構成されている。
【0019】
具体的には、DVD11aは、再生専用のDVD−Video・DVD−ROM(DVD-Read Only Memory)、追記型のDVD−R(DVD-Recordable)・DVD−RW(DVD-ReWritable)、書き換え可能なDVD−RAM(DVD-Random Access Memory)等であり、ディスク基盤(図示省略)と、レーザ光の照射による加熱で結晶構造が変化する物質によって形成された記録層(図示省略)と、レーザ光を反射するための反射層(図示省略)等を備えて成る。
このように構成されたDVDドライブ部11では、DVD11aに記録されたコンテンツデータの再生処理において、光ピックアップ11bによりDVD11aの反射層にレーザ光を照射し、光電変換及び電流電圧変換によって反射光に応じた電圧信号を生成することにより、DVD11aに記録されたデータの読み出しを行い、後段のデータプロセッサ12に出力する。
【0020】
ここで、後述の選択プログラム183cにおいて、DVD11aに記録された画像データのうちから所定のフレームデータを取得する場合には、DVDプレーヤ100によるファイル管理システムに対応する領域であり、VTS領域に記録したコンテンツデータを管理する管理情報が記録されるVMG(Video Manager:ビデオマネージャー)領域やビデオタイトルセット情報(VTSI)等から、目的のフレームデータが記録された領域のアドレス情報等が読み出され、読み出されたアドレス情報等に基づいてフレームデータの取得が行われることとなる。
【0021】
データプロセッサ12は、例えば、バッファメモリ12aを備えて構成され、制御部18からの制御に基づいて、DVD11aから読み出されたコンテンツデータに対して所定の信号処理を行う。当該データプロセッサ12では、例えば、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)方式が採用されている。
具体的には、データプロセッサ12は、DVDドライブ部11から入力されるコンテンツデータに対して波形等価処理を行った後に、A/D変換を行ってデジタル信号に変換する。その後、8/16復調を行い、コンテンツデータに付加された誤り訂正符号(ECC:Error Correcting Code)に基づく誤り訂正処理を行う。
また、当該データプロセッサ12では、DVDドライブ部11から入力されるコンテンツデータが一旦バッファメモリ12aに蓄積され、一定のレートで後段に出力されるように制御される。
【0022】
デコーダ部13は、例えば、分離部13aと、ビデオデコーダ13bと、オーディオデコーダ13cと、サブピクチャデコーダ13dと、等を備えて構成されている。
分離部13aは、データプロセッサ12から入力されたコンテンツデータを映像データ(画像データ)、音声データ、副映像データ等の複数のデータに分離し、分離した映像データをビデオデコーダ13bに、映像データをオーディオデコーダ13cに、副映像データをサブピクチャデコーダ13dに出力する。ビデオデコーダ13bは、分離部13aにおいて分離された映像データをMPEG方式に従ってデコードし、オーディオデコーダ13cは、分離部13aにおいて分離された音声データをMPEGオーディオ方式に従ってデコードする。また、サブピクチャデコーダ13dは、分離部13aにおいて分離された副映像データをデコードする。
【0023】
サムネイル画像作成部14は、例えば、制御部18からの制御に従い、ビデオデコーダ13bにおいてデコードされた映像データから、サムネイル画像Tnを生成するための1フレーム分の画像データ(フレームデータ)を取得して、取得したフレームデータを、所定の縮小サイズにスケーリングしてサムネイル画像Tnを生成し、出力インターフェース部16に出力する。
【0024】
OSD回路15は、コンテンツデータを構成する映像データに対して、後述するメモリ部182やROM183に格納されたOSDデータ1822bを合成する処理を行う。
【0025】
出力インターフェース部16は、例えば、D/A変換器16a等を備え、再生処理においてデコーダ部13から入力されるコンテンツデータに対して各種の出力インターフェース処理を施し、NTSC方式やPAL方式等のテレビジョン受像機3に適合したデータに変換する。出力インターフェース部16において出力インターフェース処理が行われた映像データ、音声データ、副映像データは、装置本体1に接続されたテレビジョン受像機3に出力され、テレビジョン受像機3の表示部31に映像データに基づく映像が表示されるとともに、スピーカ32から音声データに基づく音声が出力され、さらに、副映像データに基づく副映像が表示部31に表示されることとなる。
【0026】
具体的には、例えば、出力インターフェース部16は、制御部18の制御に従い、OSD回路15から出力されるフレーム間隔選択画面テンプレート用のOSDデータ1822bに基づいて、後述のフレーム間隔選択画面D1を作成して、テレビジョン受像機3の表示部31に出力する。また、出力インターフェース部16は、制御部18の制御に従い、OSD回路15から出力されるスキップ時間入力画面テンプレート用のOSDデータ1822bに基づいて、後述のスキップ時間入力画面D2を作成して、表示部31に出力する。さらに、出力インターフェース部16は、制御部18の制御に従い、サムネイル画像作成部14から入力されるサムネイル画像Tnを、OSD回路15から出力される再生開始位置指定画面テンプレート用のOSDデータ1822bと重ね合わせることにより、後述の再生開始位置指定画面D3を作成して、表示部31に出力する。
【0027】
リモコン信号受光部17は、リモコン2のキー操作部21に備わる各種キーがユーザにより押下操作されることにより出力された赤外線等の入力操作信号を受信し、受信した入力操作信号を制御部18に対して出力する。
【0028】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)181、メモリ部182、ROM(Read Only Memory)183等を備えて構成されている。
【0029】
CPU181は、装置本体1の各部から入力された入力信号や、キー操作部21の各種キーの押下操作によってリモコン信号受光部17を介して入力された入力操作信号等に応じて、ROM183に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて装置本体1の各部に出力信号を出力することによって、DVDプレーヤ100の動作全般を統括制御する。
【0030】
メモリ部182は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア1821を備えており、CPU181によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等がこのワークエリア1821に記憶される。
また、メモリ部182は、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア1822を備えている。
このデータエリア1822には、後述するフレーム間隔選択プログラム183aにおいてユーザにより選択されたモード等の設定データ1822aが記憶される。
また、データエリア1822には、テレビジョン受像機3の表示部31に表示するOSD表示に関するOSDデータ1822bが格納される。OSDデータ1822bとしては、図示は省略するものの、フレーム間隔選択画面D1を作成するためのフレーム間隔選択画面テンプレート用のOSDデータ、現在の処理位置からスキップする任意の時間情報を入力ユーザに入力させるためのスキップ時間入力画面D2を作成するためのスキップ時間入力画面テンプレート用のOSDデータ、再生開始位置指定画面D3を作成するための再生開始位置指定画面テンプレート用のOSDデータ等である。
さらに、データエリア1822には、後述する表示制御プログラム183bの実行において、サムネイル画像Tnの作成と同時に作成されるサムネイル画像情報テーブル1822(図5参照)が記憶される。
【0031】
ROM183は、例えば、不揮発性メモリからなるプログラム格納エリアを有しており、具体的には、フレーム間隔選択プログラム183a、スキップ時間入力プログラム183b、選択プログラム183c、表示制御プログラム183d、指定プログラム183e、再生プログラム183f等を備えている。
【0032】
フレーム間隔選択プログラム183aは、例えば、CPU181に、キー操作部21におけるキー操作に基づいて、後述するスキップ時間入力プログラム183bの実行により、ユーザにより入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータSfより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータを選択する際のフレーム間隔を、一定間隔又は特定フレームデータSfから段階的に広がる間隔のうちから、ユーザに選択させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、ユーザによる、リモコン2等に備わるキー操作部21におけるフレーム間隔選択キー21aのキー操作により、テレビジョン受像機3の表示部31にフレーム間隔選択画面D1を表示させるための入力操作信号がリモコン信号受光部17を介して制御部18に入力されると、CPU181は、メモリ部182に記憶されたフレーム間隔選択画面テンプレート用のOSDデータ1822bを読み出し、読み出したOSDデータ1822bを、OSD回路15により出力インターフェース部16に出力されるデータに付加することにより、表示部31にフレーム間隔選択画面D1を表示させる。
図2は、表示部31に表示されるフレーム間隔選択画面D1を例示する図である。図2に示すように、フレーム間隔選択画面D1には、後述する再生開始位置指定画面D3にサムネイル画像Tnとして表示させる複数のフレームデータを一定間隔で取得するモード1と、再生開始位置指定画面D3にサムネイル画像Tnとして表示させる複数のフレームデータを特定フレームデータSf(後述)から段階的に間隔を広げて取得するモード2と、の何れかのモードをユーザに選択させるようになっている。このようなフレーム間隔選択画面D1において、リモコン2等に備わるキー操作部21におけるキー操作によりモード1又はモード2が選択されると、選択されたモードがユーザにより選択されたフレーム間隔として、メモリ部182のデータエリア1822に設定データ1822aとして記憶されることとなる。
CPU181は、かかるフレーム間隔選択プログラム183aを実行することにより、フレーム間隔選択手段として機能する。
【0033】
スキップ時間入力プログラム183bは、例えば、CPU181に、キー操作部21におけるキー操作に基づいて、DVD11aにおける現在の処理位置からスキップする任意の時間情報をユーザに入力させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、ユーザによる、リモコン2等に備わるキー操作部21におけるスキップ時間入力キー21b等のキー操作により、テレビジョン受像機3の表示部31にフレーム間隔選択画面D1を表示させるための入力操作信号がリモコン信号受光部17を介して制御部18に入力されると、CPU181は、メモリ部182に記憶されたスキップ時間入力画面テンプレート用のOSDデータ1822bを読み出し、読み出したOSDデータ1822bを、OSD回路15により出力インターフェース部16に出力されるデータに付加することにより、表示部31にスキップ時間入力画面D2を表示させる。
図3は、表示部31に表示されるスキップ時間入力画面D2を例示する図である。図3に示すように、スキップ時間入力画面D2には、DVD11aにおける現在の処理位置からスキップする任意の時間情報(以下、「現在の処理位置からスキップする任意の時間情報」を「スキップ時間」とする)を、時間・分・秒単位で入力できるようになっており、さらに、現在の処理位置より後方向にスキップするか或いは前方向にスキップするかを選択できる。ユーザは、再生開始前や、コンテンツデータの再生中・一時停止中等に、スキップして再生を行いたい場合、リモコン2等のキー操作部21における所定のキーを操作して、表示部31にスキップ時間入力画面D2を表示させ、キー操作部21に備わるテンキー21cや、アップ/ダウンキー21d等の操作により、当該スキップ時間入力画面D2にスキップ時間(例えば、「30分」)と、スキップする方向(例えば、「後方向」)を入力する。ユーザにより入力されたスキップ時間及びスキップ方向は、メモリ部182のワークエリア1821に一時的に記憶され、当該スキップ時間及びスキップ方向に基づいて後述の選択プログラム183cが実行されることとなる。
CPU181は、かかるスキップ時間入力プログラム183bを実行することにより、入力手段として機能する。
【0034】
なお、ここでいうスキップ方向のうち、「後方向」とは、特殊再生処理における早送り方向を意味し、また、「前方向」とは特殊再生処理における早戻し方向を意味する。
【0035】
選択プログラム183cは、例えば、CPU181に、DVD11aに記録された映像データから、スキップ時間入力プログラム183bの実行により入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータSfを選択するとともに、フレーム間隔選択プログラム183aの実行により選択されたフレーム間隔に基づいて、当該特定フレームデータSfより前及び/又は後の所定範囲内Rに存在するフレームデータを複数選択する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU181は、前述したスキップ時間入力プログラム183bの実行において、ユーザにより現在の処理位置からスキップする任意の時間情報であるスキップ時間及びスキップ方向が入力されると、当該スキップ時間・スキップ方向に基づいて、DVD11aに記録された映像データから、現在の処理位置からスキップ方向にスキップ時間分だけスキップした位置に存在する特定フレームデータSfを選択し、さらに、当該特定フレームデータSfより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択する。
CPU181は、かかる選択プログラム183cを実行することにより、選択手段として機能する。
【0036】
ここで、選択プログラム183cの実行におけるフレームデータの選択処理について、より具体的に説明する。
図4(a)は、フレーム間隔選択プログラム183aの実行において、再生開始位置指定画面D3にサムネイル画像Tnとして表示させる複数のフレームデータを一定間隔で取得するモード1のフレーム間隔がユーザにより選択された場合に、選択プログラム183cの実行により行われるフレームデータの選択処理を説明するための図である。また、図4(b)は、フレーム間隔選択プログラム183aの実行において、再生開始位置指定画面D3にサムネイル画像Tnとして表示させる複数のフレームデータを、特定フレームデータSfから段階的に間隔を広げて取得するモード2のフレーム間隔がユーザにより選択された場合に、選択プログラム183cの実行により行われるフレームデータの選択処理を説明するための図である。
【0037】
まず、図4(a)を参照しながら、フレーム間隔選択プログラム183aの実行によりフレームデータを一定間隔で取得するモード1が選択され、当該モード1が設定データ1822aとしてメモリ部182のデータエリア1822に記憶されていた場合のフレームデータ選択処理について説明する。
例えば、ユーザが、コンテンツデータの再生処理を一時停止する等した位置p1(現在の処理位置)において、リモコン2等のキー操作部21におけるキー操作により、スキップ時間入力画面D2を表示部31に表示させて、スキップ時間として「30分」、スキップ方向として「後方向」を入力した場合、CPU181は、図4(a)に示すように、現在の処理位置である位置p1から、ユーザにより入力されたスキップ時間である30分だけ後方向の位置p2に存在する特定フレームデータSf1を、DVDドライブ部11においてDVD11aに記録された画像データから選択して取得する。
さらに、CPU181は、当該特定フレームデータSf1より前及び後の所定範囲内R1に存在するフレームデータを、一定間隔で複数選択して取得する。例えば、CPU181は、特定フレームデータSf1の前方向20分・後方向10分の範囲内R1に、5分間隔で存在する6枚のフレームデータA〜Fを選択して取得する。
これにより、DVD11aに記録されたコンテンツデータを構成する画像データから、現在の処理位置である位置p1からユーザにより入力されたスキップ時間だけスキップした位置p2に存在する特定フレームデータSf1と、当該特定フレームデータSf1の前方向20分・後方向10分の範囲内R1に5分間隔で存在する6枚のフレームデータA〜Fと、が読み出されることとなる。
【0038】
次に、図4(b)を参照しながら、前述のフレーム間隔選択プログラム183aの実行により、フレームデータを特定フレームデータSfから段階的に間隔を広げて取得するモード2が選択され、当該モード2が設定データ1822aとしてメモリ部182のデータエリア1822に記憶されていた場合のフレームデータ選択処理について説明する。
例えば、ユーザが、コンテンツデータの再生処理を一時停止する等した位置p3(現在の処理位置)において、リモコン2等のキー操作部21におけるキー操作により、スキップ時間入力画面D2を表示部31に表示させて、スキップ時間として「40分」、スキップ方向として「前方向」を入力した場合、CPU181は、図4(b)に示すように、現在の処理位置である位置p3から、ユーザにより入力されたスキップ時間である40分だけ前方向の位置p3に存在する特定フレームデータSf2を、DVDドライブ部11においてDVD11aに記録された画像データから選択して取得する。
さらに、CPU181は、当該特定フレームデータSf2より前及び後の所定範囲内R2に存在するフレームデータを、特定フレームデータSf2から段階的に間隔を広げて複数取得する。例えば、CPU181は、特定フレームデータSf2を中心とする30分の範囲内R2に、特定フレームデータSf2を中心に1分間隔、2分間隔、3分間隔、4分間隔、5分間隔で存在する10枚のフレームデータG〜Pを選択して取得する。
これにより、DVD11aに記録されたコンテンツデータを構成する画像データから、現在の処理位置である位置p3からユーザにより入力されたスキップ時間だけスキップした位置p4に存在する特定フレームデータSf2と、当該特定フレームデータSf2を中心とする30分の範囲内R2に1分間隔、2分間隔、3分間隔、4分間隔、5分間隔等の段階的に広がる間隔で存在するフレームデータG〜Pとが、読み出されることとなる。
【0039】
表示制御プログラム183dは、例えば、CPU181に、選択プログラム183cの実行により選択された特定フレームデータSf及び複数のフレームデータを、それぞれサムネイル画像Tnに変換して、表示部31に一覧表示させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、フレーム間隔選択プログラム183aの実行により選択されたフレーム間隔を示すモード1又はモード2の設定に基づいて、選択プログラム183cが実行され、DVDドライブ部11において、DVD11aに記録された画像データから特定フレームデータSfと、特定フレームデータSfの所定範囲内Rに存在する複数のフレームデータとが読み出されると、CPU181は、読み出されたフレームデータを、データプロセッサ12を介してデコーダ部13に出力させ、デコーダ部13におけるビデオデコーダ13bにデコード処理を行わせる。さらに、デコードされたフレームデータをサムネイル画像作成部14に出力させ、サムネイル画像作成部14において、それぞれのフレームデータに対して縮小処理等を行ってサムネイル画像Tnに変換する。
さらに、CPU181は、サムネイル画像作成部14において作成されたサムネイル画像Tnを、出力インターフェース部16に出力して所定の出力処理を行わせるとともに、出力インターフェース部16に出力されるサムネイル画像Tnに対して、OSD回路15により、メモリ部182から読み出された再生開始位置指定画面テンプレート用のOSDデータ1822bを付加させる処理を行うことにより、サムネイル画像Tnが一覧表示された再生開始位置指定画面D3を作成して、表示部31に表示させる。
CPU181は、かかる表示制御プログラム183dを実行することにより、表示制御手段として機能する。
【0040】
ここで、表示制御プログラム183dの実行におけるサムネイル画像作成・一覧表示処理について、より具体的に説明する。
例えば、前述した選択プログラム183cの実行により、DVD11aに記録されたコンテンツデータを構成する映像データ(画像データ)から、特定フレームデータSf1と、当該特定フレームデータSf1の前方向20分・後方向10分の範囲内R1に5分間隔で存在する6枚のフレームデータA〜Fと、が読み出された場合、CPU181は、これらの特定フレームデータSf・フレームデータA〜Fを、サムネイル画像作成部14に出力させて、サムネイル画像Tn1〜7に変換させる。
また、CPU181は、サムネイル画像作成部14におけるサムネイル画像Tnの作成処理に際して、作成されるサムネイル画像Tnの各々に、識別IDと、当該サムネイル画像Tnの元となった画像データが記録されているDVD11aのアドレス情報と、現在の処理位置からの通常再生処理にかかる時間情報と、を割り当てるサムネイル画像情報テーブル1822c(図5参照)を作成し、作成したサムネイル画像情報テーブル1822cをメモリ部182のデータエリア1822に一時的に記憶させる。
次に、CPU181は、選択プログラム183cの実行によりDVD11aから選択されて読み出された特定フレームデータSf及びフレームデータA〜Fに基づいて、サムネイル画像作成部14において、サムネイル画像Tn1〜7が作成されると、作成されたサムネイル画像Tn1〜7を、出力インターフェース部16に出力させるとともに、メモリ部182から再生開始位置指定画面テンプレート用のOSDデータ1822bを読み出し、読み出したOSDデータ1822bを、OSD回路15により出力インターフェース部16に出力されるサムネイル画像Tn1〜7に重ね合わせる処理を行うことにより、サムネイル画像Tn1〜7が一覧表示された再生開始位置指定画面D3を作成させて、表示部31に表示させる。
【0041】
指定プログラム183eは、例えば、CPU181に、キー操作部21におけるキー操作に基づいて、表示制御プログラム183dの実行により表示部31に一覧表示されたサムネイル画像Tnの中から、一のサムネイル画像Tnをユーザに指定させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、前述の表示制御プログラム183dの実行により、サムネイル画像Tnが識別IDとともに一覧表示される再生開始位置指定画面D3が表示部31に表示されると、ユーザは、リモコン2等のキー操作部21におけるキー操作を行い、再生開始位置指定画面D3に一覧表示されたサムネイル画像Tnの中から、再生開始位置として指定したい一のサムネイル画像Tnを選択する。当該識別ID及び時間情報は、例えば、メモリ部182に記憶されたサムネイル画像情報テーブル1822cにおいてサムネイル画像Tnに割り当てられた識別ID及び時間情報と対応付けられるものとなっている。
【0042】
図6は、前述したCPU181による表示制御プログラム183dの実行に基づくサムネイル画像作成・一覧表示処理により、表示部31に表示される再生開始位置指定画面D3を例示する図である。
図6に示すように、再生開始位置指定画面D3には、例えば、選択プログラム183cの実行により選択されたフレームデータ(例えば、特定フレームデータSf1と、特定フレームデータSf1の前方向20分・後方向10分の範囲内R1に5分間隔で存在する6枚のフレームデータA〜F)に基づいて作成されたサムネイル画像Tn1〜7が、時間情報とともに表示されている。時間情報は、例えば、現在の処理位置(例えば、図4(a)におけるp1)からの通常再生処理にかかる時間であり、現在の処理位置に対して後方向に存在するサムネイル画像Tnはプラスの時間、前方向に存在するサムネイル画像Tnはマイナスの時間が割り当てられる。すなわち、例えば、特定フレームデータSfにはユーザにより入力されたスキップ時間(例えば、「+30分」)が割り当てられることとなる。
このような再生開始位置指定画面D3において、ユーザは、リモコン2等のキー操作部21におけるキー操作により、再生開始位置として選択したいサムネイル画像Tnを指定する。
CPU181は、かかる指定プログラム183eを実行することにより、指定手段として機能する。
【0043】
再生プログラム183fは、例えば、CPU181に、指定プログラム183eの実行により指定された一のサムネイル画像Tnが対応するフレームデータを再生開始位置として、再生を行う機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、前述した指定プログラム183eの実行により、再生開始位置指定画面D3においてユーザにより一のサムネイル画像Tnが指定されると、CPU181は、選択されたサムネイル画像Tnの識別IDに基づいて、表示制御プログラム183dの実行においてサムネイル画像Tnの作成と同時に作成され、メモリ部182に記憶されたサムネイル画像情報テーブル1822cを参照し、ユーザにより選択されたサムネイル画像Tnの元となるフレームデータが記録されているDVD11aのアドレス情報を読み出す。そして、DVDドライブ部11において、読み出したアドレス情報を再生開始位置として、再生処理を開始する。
例えば、再生開始位置指定画面D3において、リモコン2等のキー操作部21におけるユーザのキー操作により、現在の処理位置から後方向に25分スキップした位置に存在するサムネイル画像Tnが選択されると、CPU181は、当該サムネイル画像Tnに割り当てられた識別ID(例えば、「004」)等に基づいて、サムネイル画像情報テーブル1822cを参照し、当該サムネイル画像Tnの元のフレームデータが記録されているDVD11aのアドレス情報(例えば、「xxxxxxxx004」)を読み出し、読み出したアドレス情報を再生開始位置として、DVD11aに記録されたコンテンツデータの再生を開始する。
CPU181は、かかる再生プログラム183fを実行することにより、再生手段として機能する。
【0044】
次に、図7のフローチャートを参照しながら、CPU181により行われるスキップ処理について説明する。
まず初めに、CPU181は、リモコン2等のキー操作部21におけるキー操作の有無を監視しており、ステップS1において、キー操作部21においてスキップ時間入力キー21bが操作されたか否かを判断する。ユーザによりスキップ時間入力キー21bが押下操作され、当該キー操作に対応する入力操作信号が制御部18に入力されると、CPU181は、ステップS1において、スキップ時間入力キー21bが操作されたと判断して(ステップS1;Yes)、ステップS2において、メモリ部182に記憶されたスキップ時間入力画面テンプレート用のOSDデータ1822bをOSD回路15に出力し、OSD回路15において、当該OSDデータ1822bを出力インターフェース部16に出力されるデータに付加することにより、表示部31にスキップ時間入力画面D2を表示させる。次に、表示部31に表示されたスキップ時間入力画面D2に基づいて、ステップS3において、キー操作部21におけるテンキー21c等のキー操作により、ユーザによりスキップ時間及びスキップ方向が入力されると、CPU181は、ステップS4において、現在の処理位置からユーザにより入力されたスキップ時間分だけスキップした位置に存在する特定フレームデータSfを選択して、DVDドライブ部11に装填されたDVD11aから読み出す。さらに、CPU181は、ステップS5において、メモリ部182のデータエリア1822に記憶された設定データ1822aを参照して、サムネイル画像Tnとして表示させる複数のフレームデータを、一定間隔で取得するモード1と、特定フレームデータSf(後述)から段階的に間隔を広げてフレームデータを取得するモード2の何れが設定されているかを読み出し、読み出したモードに基づくフレーム間隔で、ステップS4において選択した特定フレームデータSfより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択し、DVD11aから読み出す。
【0045】
ステップS6において、CPU181は、ステップS4及びステップS5において読み出したフレームデータを、データプロセッサ12を介してデコーダ部13に出力させ、ビデオデコーダ13bによりデコード処理を行う。さらに、ステップS7において、CPU181は、デコードされたフレームデータをサムネイル画像作成部14に出力し、サムネイル画像作成部14において、それぞれのフレームデータに対してスケーリングを行ってサムネイル画像Tnに変換する。そして、ステップS8において、CPU181は、サムネイル画像作成部14において作成された複数のサムネイル画像Tnを出力インターフェース部16に出力して出力処理を行うとともに、OSD回路15により、出力インターフェース部16に出力されるサムネイル画像Tnに対して、再生開始位置指定画面テンプレート用のOSDデータ1822bを重ね合わせることにより、サムネイル画像Tnが一覧表示される再生開始位置指定画面D3を作成して、作成した再生開始位置指定画面D3を表示部31に表示させる。
【0046】
次に、ステップS9において、表示部31に表示された再生開始位置指定画面D3において、キー操作部21におけるキー操作により、ユーザにより一のサムネイル画像Tnが選択されると、CPU181は、選択されたサムネイル画像Tnの元となる画像データが記録されたDVD11aのアドレス情報をサムネイル画像情報テーブル1822cから読み出して、ステップS10において、読み出したアドレス情報に基づいて、サムネイル画像Tnの元となるフレームデータが記録された位置を再生開始位置として、再生を開始し、本処理を終了する。
【0047】
以上説明した本発明にかかる本実施形態のDVDプレーヤ100によれば、ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部21が備わり、CPU181によるスキップ時間入力プログラム183bの実行により、キー操作部21におけるキー操作に基づいて、DVD11aにおける現在の処理位置からスキップする任意の時間情報が、ユーザにより入力され、フレーム間隔選択手段により、キー操作部21におけるキー操作に基づいて、スキップ時間入力プログラム183bの実行により入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータSfより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から複数のフレームデータを選択する際のフレーム間隔が、一定間隔又は前記特定フレームデータから段階的に広がる間隔のうちから、ユーザに選択され、選択プログラム183cの実行により、情報記録媒体に記録された画像データから、スキップ時間入力プログラム183bの実行により入力された任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータSfが選択されるとともに、フレーム間隔選択プログラム183aの実行により選択されたフレーム間隔に基づいて、当該特定フレームデータSfより前及び/又は後の所定範囲内Rに存在するフレームデータが複数選択され、表示制御プログラム183dの実行により、選択プログラム183cの実行により選択された特定フレームデータSf及び複数のフレームデータが、それぞれサムネイル画像Tnに変換されて、表示部31に一覧表示される。さらに、CPU181による指定プログラム183eの実行により、キー操作部21におけるキー操作に基づいて、表示制御プログラム183dの実行により表示部31に一覧表示されたサムネイル画像Tnの中から、一のサムネイル画像Tnがユーザにより指定され、再生手段により、指定手段により指定された一のサムネイル画像Tnに対応するフレームデータを再生開始位置として、再生が行われる。
したがって、ユーザにより入力された任意の時間分だけスキップした位置のフレームデータと、そのフレームデータの前及び/又は後の所定範囲内のフレームデータとがサムネイル画像に変換されてユーザに提示されるため、所望の再生開始位置をより容易に選択して、再生開始を行うことができる再生装置を提供することができる。また、ユーザにより入力された任意の時間情報に相当する位置の所定範囲内から、ユーザの希望に沿った方法で選択されたフレームデータに基づくサムネイル画像がユーザに提示されるため、使い勝手が向上することとなる。
【0048】
なお、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、情報記録媒体及び再生装置は、DVD11a・DVDプレーヤ100に限られることなく、例えば、ハードディスクに記録された画像データの再生を行うハードディスク装置等であっても良い。
また、特定フレームデータの所定範囲内に存在する複数のフレームデータを選択する際におけるフレーム間隔やフレームデータの数等は、上記実施の形態で例示したものに限られず、任意に設定可能である。また、複数のフレームデータを選択する範囲も上記実施の形態で例示したものに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態におけるDVDプレーヤの全体構成を示すブロック図である。
【図2】表示部に表示されるフレーム間隔選択画面を例示する図である。
【図3】表示部に表示されるスキップ時間入力画面を例示する図である。
【図4】選択プログラムの実行におけるフレームデータの選択処理を説明するための図である。
【図5】サムネイル画像情報テーブルの例示である。
【図6】表示部に表示される再生開始位置指定画面を例示する図である。
【図7】CPUにより行われるスキップ処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
100 DVDプレーヤ(再生装置)
11a DVD(情報記録媒体)
21 キー操作部
181 CPU(フレーム間隔選択手段、入力手段、選択手段、表示制御手段、指定手段、再生手段)
183a フレーム間隔選択プログラム(フレーム間隔選択手段)
183b スキップ時間入力プログラム(入力手段)
183c 選択プログラム(選択手段)
183d 表示制御プログラム(表示制御手段)
183e 指定プログラム(指定手段)
183f 再生プログラム(再生手段)
Sf 特定フレームデータ
Tn サムネイル画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体に記録された画像データを再生する再生装置において、
ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記情報記録媒体における現在の処理位置からスキップする任意の時間情報を、ユーザに入力させる入力手段と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記入力手段により入力された前記任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から複数のフレームデータを選択する際のフレーム間隔を、一定間隔又は前記特定フレームデータから段階的に広がる間隔のうちから、ユーザに選択させるフレーム間隔選択手段と、
前記情報記録媒体に記録された前記画像データから、前記入力手段により入力された前記任意の時間情報に相当する位置の前記特定フレームデータを選択するとともに、前記フレーム間隔選択手段により選択されたフレーム間隔に基づいて、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記特定フレームデータ及び前記複数のフレームデータを、それぞれサムネイル画像に変換して、表示部に一覧表示させる表示制御手段と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記表示制御手段により前記表示部に一覧表示された前記サムネイル画像の中から、一のサムネイル画像をユーザに指定させる指定手段と、
前記指定手段により指定された前記一のサムネイル画像に対応するフレームデータを再生開始位置として、再生を行う再生手段と、
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
情報記録媒体に記録された画像データを再生する再生装置において、
ユーザによるキー操作を受け付けるキー操作部と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記情報記録媒体における現在の処理位置からスキップする任意の時間情報を、ユーザに入力させる入力手段と、
前記情報記録媒体に記録された前記画像データから、前記入力手段により入力された前記任意の時間情報に相当する位置の特定フレームデータを選択するとともに、当該特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータを複数選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記特定フレームデータ及び前記複数のフレームデータを、それぞれサムネイル画像に変換して、表示部に一覧表示させる表示制御手段と、
前記キー操作部におけるキー操作に基づいて、前記表示制御手段により前記表示部に一覧表示された前記サムネイル画像の中から、一のサムネイル画像をユーザに指定させる指定手段と、
前記指定手段により指定された前記一のサムネイル画像に対応するフレームデータを再生開始位置として、再生を行う再生手段と、
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータを、一定間隔で選択することを特徴とする請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記特定フレームデータより前及び/又は後の所定範囲内に存在するフレームデータの中から、複数のフレームデータを、当該特定フレームデータから段階的に間隔を広げて選択することを特徴とする請求項2に記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−167013(P2008−167013A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352672(P2006−352672)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】