説明

写真シール払出装置およびその制御方法

【課題】 遊遊戯者の遊戯に対する満足度を低下させることなく回転率のさらなる向上を図れると同時に集客効果の低下を防止できるようにする。
【解決手段】 第2の撮影処理において、1回の撮影で得られる全身画像に加えて、この全身画像をデジタル処理によりトリミングして被写体である遊戯者の顔をズームアップしたズームアップ画像を作成し、作成したズームアップ画像も一緒に撮影モニタに撮影画像として表示するため、落書きの対象とすべき撮影画像の選択範囲が広がり、遊戯者の遊戯に対する満足度は低下させずに集客効果の低下を防止できると同時に、撮影プレイに要する時間を短縮して1回の遊戯全体に要する遊戯時間を短縮することができ、回転率をさらに向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定の遊戯代金の投入により撮影プレイ、編集プレイのプログラムを実行し、撮影画像に落書きを施した写真のシールを印刷して払い出す写真シール払出装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリクラと称されるこの種の写真シール払出装置は、コンピュータ制御で動作し、遊戯者が所定代金のコインを投入すると、時間制限された遊戯を開始し、所定の撮影プレイ、編集プレイのプログラムを順に実行する。
【0003】
そして、撮影プレイにおいては、撮影手段であるデジタルカメラ等のカメラの前でポーズを取る遊戯者(1人あるいは友人同士等の複数人)を被写体として撮影し、この撮影により被写体のカラーの撮影写真が得られると、落書きプレイとも呼ばれる編集プレイに移行する。
【0004】
この編集プレイにおいては、撮影プレイで得られた撮影画像に、落書き入力手段であるタッチペン等による描画やスタンプ、シールの貼り付け等の落書きを含む編集画像が重畳され、この編集画像が重畳された撮影画像が写真シール台紙に印刷されて払い出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−125348号公報(段落0048〜0053、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種の写真シール払出装置においては、例えば単位時間当たりの利用客数で定義される回転率を高めるために、撮影プレイと落書きプレイとを別々のブースで実行し、撮影と落書き編集とを同時に行えるようにしたものが提案されている。
【0007】
しかしながら、撮影プレイと落書きプレイとを別々のブースで行う構成としても、回転率の向上には限度があり、さらに回転率を上げるには撮影時間を短くして遊戯時間を短縮するなどの対策が考えられるが、撮影時間を短縮すると撮影枚数も減って落書きかけ得る時間も短くなるものの、遊戯者の遊戯に対する満足度は低下することから、逆に集客効果が低下して写真シール払出装置の管理者にとっては利益の減少を招くおそれがある。
【0008】
本発明は、この種の写真シール払出装置において、遊戯者の遊戯に対する満足度を低下させることなく回転率のさらなる向上を図れると同時に集客効果の低下を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明の写真シール払出装置は、所定の遊戯代金の投入に基づく遊戯開始により、記憶手段の撮影プレイ、編集プレイのプログラムを実行し、前記撮影プレイにおいて撮影手段により遊戯者を撮影し、前記編集プレイにおいて表示手段の表示画面に表示される前記遊戯者の撮影画像に該遊戯者が落書き入力手段により入力した落書きを含む編集画像を重畳し、前記編集画像が重畳された前記撮影画像を写真シール台紙に印刷して払い出す写真シール払出装置において、前記撮影手段により前記遊戯者のほぼ全身を撮影した全身画像を基に、該全身画像をトリミングして少なくとも上半身をズームアップしたズームアップ画像を作成する作成手段を備え、前記表示手段は、前記作成手段により作成した前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記撮影手段による前記撮影画像として前記表示画面に表示することを特徴としている(請求項1)。
【0010】
また、本発明の写真シール払出装置は、前記作成手段は、前記上半身画像に加えて前記全身画像をトリミングして顔をズームアップしたズームアップ画像も作成し、前記表示手段は、前記作成手段により作成した上半身と顔の2つの前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記撮影手段による前記撮影画像として表示画面に表示するようにしたものであってよい(請求項2)。
【0011】
また、本発明の写真シール払出装置は、前記撮影手段による予め定められた規定回数の撮影のうち少なくとも1回の撮影での撮影画像として、前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記表示手段の前記表示画面に表示するようにしたものであってもよい(請求項3)。
【0012】
さらに、本発明の写真シール払出装置の制御方法は、所定の遊戯代金の投入に基づく遊戯開始により、記憶手段の撮影プレイ、編集プレイのプログラムを実行し、前記撮影プレイにおいて撮影手段により遊戯者を撮影し、前記編集プレイにおいて表示手段の表示画面に表示される前記遊戯者の撮影画像に該遊戯者が落書き入力手段により入力した落書きを含む編集画像を重畳し、前記編集画像が重畳された前記撮影画像を写真シール台紙に印刷して払い出す写真シール払出装置の制御方法において、前記撮影手段により前記遊戯者のほぼ全身を撮影した全身画像を基に、該全身画像をトリミングして少なくとも上半身をズームアップしたズームアップ画像を作成する作成工程を備え、前記作成工程により作成した前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記撮影手段による前記撮影画像として前記表示画面に表示するように前記表示手段を制御することを特徴としている(請求項4)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,4に記載の発明によれば、撮影プレイにおいて、撮影手段により撮影された遊戯者の全身画像を基にして、作成手段により全身画像がトリミングされて上半身をズームアップしたズームアップ画像が作成され、ズームアップ画像および全身画像が撮影画像として表示手段の表示画面に表示されるため、撮影回数は減らしつつも撮影画像の枚数が減ることはなく、撮影時間の短縮を図ることができる。
【0014】
したがって、撮影回数と撮影枚数とが同じ場合に比べ、遊戯者は少ない撮影回数でその回数より多い枚数の撮影画像を得ることができるため、落書きの対象とすべき撮影画像の選択範囲が広がり、遊戯者の遊戯に対する満足度は低下させずに集客効果の低下を防止できると同時に、撮影プレイに要する時間を短縮して1回の遊戯全体に要する遊戯時間を短縮することができ、回転率をさらに向上することが可能になる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、上半身と顔の2つのズームアップ画像および全身画像が撮影画像として表示画面に表示されることから、遊戯者は少ない撮影回数でより多くの撮影画像を得ることができるため、遊戯者の落書きの対象とすべき撮影画像の選択範囲がいっそう広げることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の本発明によれば、予め定められた規定回数の撮影のうち少なくとも1回の撮影での撮影画像としてズームアップ画像および全身画像を表示するため、ズームアップ画像および全身画像を撮影画像として表示する頻度の設定次第では、より少ない撮影回数でより多くの撮影枚数が得られることになり、撮影プレイに要する時間をよりいっそう短縮することができ、1回の遊戯全体の遊戯時間を短縮して回転率をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態における写真シール払出装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における写真シール払出装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における写真シール払出装置の動作説明用フローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における写真シール払出装置の動作説明用フローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における写真シール払出装置の動作説明用フローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態における写真シール払出装置の動作説明用フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。まず、写真シール払出装置の構成について、図1および図2を参照して説明する。なお、図1は写真シール払出装置1の全体構成を示す模式図、図2はブロック図である。
【0019】
(構成)
図1に示すように、この写真シール払出装置1は、例えばカーテンや仕切り板等の仕切り部材により仕切られた撮影プレイを行なう1個の撮影ブース3と、編集プレイを行う3個の第1、第2、第3編集ブース5a,5b,5cと、印刷ブース7とを備えている。
【0020】
そして、撮影ブース3においては、同ブース3に入った遊戯者(単数だけでなく複数もあり)の前方位置の適当な高さの位置に撮影手段としてのカラーCCDデジタルカメラ等のカメラ31とその撮影モニタとからなる撮影ユニットが高さや向きを調整自在に設けられ、その下方には、タッチパネル式の液晶ディスプレイ(LCD)パネル等の画面表示部や種々の選択ボタンを設けた撮影モニタ32が設けられている。
【0021】
また、撮影ブース3内には、蛍光灯33、ストロボ34などの各種照明機器が遊戯者を前後上下から照明すべく複数個所に配設されるとともに、撮影手順のガイダンスやBGM出力等を行う撮影用スピーカ35が配設され、硬貨投入口に遊戯のための規定金額の硬貨が投入されたことを検出するコイン制御部36が設けられ、撮影時の背景用のカーテンも設けられている。
【0022】
つぎに、各編集ブース5a,5b,5cには、第1編集ブース5aを例にとると、適当な高さ位置に落書き対象となる撮影画像を表示する編集モニタ51が設けられ、この落編集モニタ51は例えばLCDパネル等の画面表示パネルおよびその接触位置検出用のデジタイザ等からなり、編集モニタ51の近傍に落書き用のタッチ式の入力ペン51およびスタンプ、シールのような落書きアイテムの選択等を行なうための各種操作ボタンからなる落書き入力手段が配設され、編集手順のガイダンスやBGM出力等を行う編集用スピーカ53が配設されている。なお、第2、第3編集ブース5b,5cも、上記した第1編集ブース5aと同様に構成されている。
【0023】
さらに、印刷ブース7には、印刷する画像や遊戯者へのメッセージなどを表示する印刷モニタ71が設けられるとともに、印刷手順のガイダンスやBGM出力等を行う印刷用スピーカ72が配設され、写真シール台紙に画像(写真)を印刷するフルカラー式のプリンタ73が設けられている。そして、このプリンタ73により、入力ペン51などの落書き入力手段により入力された落書きを含む編集画像が重畳された遊戯者の撮影画像が写真をシール台紙に印刷されてシール排出口から排出される。なお、図1中、破線で示す部分は主にカーテンで仕切られたブース内への出入口を表わしている。
【0024】
そして、すべてのブース3,5a〜5c,7の各部、各機器はコントローラ部9のいわゆるマイコン制御によって制御される。このコントローラ部9は、予め設定されたプログラムを実行するCPU91、このCPU91が実行する装置制御の基本プログラムや撮影プログラム、編集プログラム、印刷プログラム、必要な画像データなどを書き換え自在に保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、および、各種データを一時記憶するRAMからなるメモリ部92、各種画像データ等を保存記憶するハードディスク(HD)装置やレーザディスク装置等の大容量記憶装置93を備えるほか、撮影・落書き・印刷それぞれにおけるプレイ時間および遊戯全体の遊戯時間を計時するタイマ、音声によるガイダンスに出力を制御する音声制御部94を備えている。
【0025】
さらに、例えばインターネットを介して遊戯者の携帯電話とコントローラ部9とを接続する通信部11が設けられるとともに、コントローラ部9と各ブース3,5a〜5c,7とを接続して信号の入出力制御をおこなう入出力制御部13が設けられている。
【0026】
つぎに、1回の遊戯代金の投入に基づく1回の遊戯(ゲーム)におけるコントローラ部9の制御処理手順について図3〜図6を参照して説明する。
【0027】
(撮影プレイの制御)
図3に示すように、撮影ブース3において、コントローラ部9の制御により撮影モニタ32にデモムービーが表示され(ステップS1)、コイン制御部36により1回分の遊戯に要する規定金額の硬貨がコイン投入口に投入されたか否かの判定がなされ(ステップS2)、所定額の硬貨の投入が検出されてこの判定結果がYESになるまでステップS1,S2の処理が繰り返され、ステップS2の判定結果がYESであれば、第1〜第3編集ブース5a,5b,5cのうちいずれのブースが空いているかの編集ブース空き判定の処理が行われ(ステップS3)、撮影用スピーカ35を介した音声の出力および/または撮影モニタ32による表示によって撮影終了後に移動すべき編集ブースの案内がなされる(ステップS4)。なお、この移動案内は専用の表示器具、例えば各編集ブース5a〜5cそれぞれに対応して設けたランプの点灯やセグメント表示器による文字表示などにより行うようにしてもよい。
【0028】
続いて、「ふんわり」「くっきり」といった写真の写りイメージの選択画面が撮影モニタ32に表示され、遊戯者により写りイメージの選択がなされると(ステップS5)、写真の明るさの選択画面が撮影モニタ32に表示され、遊戯者により写真の明るさ選択がなされると(ステップS6)、選択された写真の写りイメージおよび明るさが設定され(ステップS7)、後述する第1の撮影処理が実行される(ステップS8)。
【0029】
第1の撮影が終了すると、次の第2の撮影処理のための撮影ガイダンスが撮影モニタ32に表示され(ステップS9)、後述する第2の撮影処理が実行され(ステップS10)、タイマにより計時される撮影開始からの経過時間が予め設定された撮影時間になったか否かの判定がなされ(ステップS11)、判定結果がNO、つまり経過時間が設定された撮影時間に達していなければ、ボーナスショットとしてもう1枚の撮影が許容され、撮影背景の選択画面が撮影モニタ32に表示され、遊戯者によりボーナスショットの背景の選択がなされると(ステップS12)、ボーナスショットの撮影が行われる(ステップS13)。
【0030】
その後、上記したステップS11の判定結果がNOの場合とともにステップS14に移行し、コントローラ部9のCPU91から、移動案内された編集ブースの編集モニタ52に対して編集開始信号が送信され(ステップS14)、撮影モニタ32に撮影が終了した旨の案内表示がなされ(ステップS15)、撮影処理は終了する。
【0031】
ところで、上記したステップS8およびS10の撮影処理はそれぞれ図4(a)、(b)に示す手順により行われる。
【0032】
まず、ステップS8の第1の撮影処理では、4回分の写真撮影が許容されており、そのために図4(a)に示すように、4種類の撮影背景を選択するための選択画面が撮影モニタ32に表示され(ステップS21)、選択された背景ごとに4回の連続撮影が行われ(ステップS22)、撮影により得られた撮影画像が撮影モニタ32に設定された撮影画像表示領域に表示され(ステップS23)、第1の撮影処理が終了する。なお、4回の撮影の間、遊戯者が所望のポーズ取りを行うのに十分な時間が設けられており、ポーズ決めを行うのに十分な設定時間が経過すると「撮影するよ、3,2,1」などのシャッターのタイミングを報知する音声案内がなされる。
【0033】
つぎに、ステップS10の第2の撮影処理では、2回の写真撮影が許容されており、そのために図4(b)に示すように、所定の背景での撮影が行われ(ステップS31)、この撮影では遊戯者のほぼ全身が含まれるような画角での撮影が行われ、得られた全身画像のデジタル処理によるトリミングにより、遊戯者(単数、複数の両方あり)の顔をズームアップしたズームアップ画像が得られ(ステップS32)、1回の撮影で全身画像と顔にスームアップしたズームアップ画像の2枚が今回の撮影画像として撮影モニタ32に表示され(ステップS33)、その後2回撮影したか否かの判定がなされ(ステップS34)、この判定結果がNOであれば、ステップS31に戻ってもう1回撮影が行われ、判定結果がYESであれば第2の撮影処理は終了する。したがって、第2の撮影処理により、2回の撮影によって2枚ずつの画像が得られることになる。すなわち、第1の撮影処理による4回の撮影で4枚の画像が得られ、第2の撮影処理による2回の撮影で2枚ずつの計4枚の画像が得られ、1回の遊戯における6回の撮影で合計8枚の画像が得られることになる。
【0034】
(編集プレイの制御)
上記した撮影プレイが終了すると編集プレイに移行するが、ここでは上記したステップS4の処理により、例えば第1編集ブース5への移動案内がなされていたとして説明する。図5に示すように、第1編集ブース5aにおいて、コントローラ部9の制御により編集モニタ52にデモムービーが表示され(ステップS41)、編集開始信号を受信したか否かの判定がなされ(ステップS42)、編集開始信号を受信していなければこの判定結果がYESになるまでステップS41,S42の処理が繰り返され、ステップS42の判定結果がYESであれば、編集用スピーカ53を介した音声の出力および/または編集モニタ52による表示によって編集開始の案内がなされる(ステップS43)。
【0035】
続いて、コントローラ部9の制御により、撮影ブース3での撮影により得られた規定枚数の撮影画像のデータが編集モニタ52に送信されて編集モニタ52の表示画面に表示されて編集準備が行われ(ステップS44)、編集モニタ52に表示中の撮影画像のなかから遊戯者により落書きの対象として所望のものが予め定められた所定の枚数だけ選択され(ステップS45)、遊戯者により、目の大きさやまつ毛のボリュームを増やしたり、顔の輪郭を変えたり、髪の毛の色を変えるなどのメークアップイメージを選択させるべくメークアップ画面が編集モニタ52の所定の表示領域に表示され、遊戯者による所望のメークアップイメージの選択がなされ(ステップS46)、このメークアップイメージの選択に加えて、入力ペン51などによる落書きが遊戯者により行われる(ステップS47)。
【0036】
その後、タイマにより計時される編集開始からの経過時間が予め設定された編集時間になったか否か、或いは順番待ちの次の遊戯者がいるか否かの編集終了判定がなされ(ステップS48)、判定結果がNO、つまり経過時間が設定された編集時間に達していないか或いは順番待ちの次の遊戯者がいなければ、上記したステップS47に戻って遊戯者による落書き編集が継続され、ステップS48の判定結果がYESになれば、編集時間が経過したか或いは順番待ちの次の遊戯者がいるとして、次のステップS49に移行する。
【0037】
ステップS49では、1枚の写真シール台紙にどのような分割パターンで複数の落書き済みの画像(写真)を印刷するかを遊戯者に選択させるために、予め準備した複数種類の分割パターンに画像(写真)を貼り付けたと仮定した印刷イメージが編集モニタ52に順次表示され、遊戯者により所望の印刷イメージが選択されると(ステップS49)、コントローラ部9のCPU91から印刷ブース7の印刷モニタ71に対して印刷開始信号が送信され(ステップS50)、編集モニタ52に編集が終了した旨の案内表示がなされ(ステップS51)、編集処理は終了する。なお、第2、第3の編集ブース5b,5cでも上記と同様の編集制御の処理が行われる。
【0038】
(印刷処理の制御)
上記した編集プレイが終了すると印刷処理に移行する。そして、図6に示すように、印刷ブース7において、コントローラ部9の制御により印刷モニタ71にデモムービーが表示され(ステップS71)、印刷開始信号を受信したか否かの判定がなされ(ステップS72)、印刷開始信号を受信していなければこの判定結果がYESになるまでステップS71,S72の処理が繰り返され、ステップS72の判定結果がYESであれば、印刷用スピーカ73を介した音声の出力および/または編集モニタ52による表示によって印刷開始の案内がなされるとともに、上記したステップS47の処理で得られた落書き済みの編集画像と、落書き対象として選択された撮影画像とが合成され(ステップS73)、さらに上記したステップS49で選択された分割パターンに従って、編集画像と撮影画像とを合成した合成画像が貼り付けられて実際の印刷イメージが生成される(ステップS74)。
【0039】
そして、プリンタ73が起動されて印刷処理が開始され(ステップS75)、印刷モニタ71には印刷中である旨の案内表示がなされる(ステップS76)。その後、印刷が終了したか否かの判定がなされ(ステップS77)、判定結果がNOであって印刷が終了していなければステップS76に戻り、印刷が終了して判定結果がYESになれば、印刷モニタ71に印刷終了を知らせる案内表示がなされ(ステップS78)、印刷処理が終了する。
【0040】
このように、上記したステップS10の第2の撮影処理において、1回の撮影で得られる全身画像に加えて、この全身画像をデジタル処理によりトリミングして被写体である遊戯者の顔をズームアップしたズームアップ画像を作成し、作成したズームアップ画像も一緒に撮影モニタ32に撮影画像として一緒に表示することにより、遊戯者にとっては、少ない撮影回数にもかかわらず多くの枚数の撮影画像を得ることができるため、撮影回数が減ってもその回数よりも多い枚数の撮影画像を得ることにより、落書きの対象とすべき撮影画像の選択範囲が減ることがなく、遊戯者にとっては遊戯に対する満足度の低下を招くことがなく、集客効果の低下を防止できる。
【0041】
一方、写真シール払出装置の管理者にとっては、撮影回数は減らしつつも撮影画像の枚数は減ることがなく、撮影時間の短縮を図ることができ、撮影時間が短くなるため、1回の遊戯全体に要する遊戯時間を短縮することができて回転率をさらに向上することができる。
【0042】
したがって、上記した実施形態によれば、撮影回数と撮影枚数とが同じ場合に比べ、遊戯者は少ない撮影回数でその回数より多い枚数の撮影画像を得ることができるため、落書きの対象とすべき撮影画像の選択範囲が広がり、遊戯者の遊戯に対する満足度は低下させずに集客効果の低下を防止できると同時に、撮影プレイに要する時間を短縮して1回の遊戯全体に要する遊戯時間を短縮することができ、回転率をさらに向上することができる。
【0043】
また、従来のプリクラでは、撮影時間と編集時間とはほぼ同じか、或いは後者の方が少し長く設定されることが一般的であり、このような状況下で、編集ブースが2個の場合に集客率を上げるために撮影時間を短縮したとすると、これに連動して落書き(編集)に要する編集時間も短くなってしまうため、遊戯者は編集プレイでの満足度を得ることができなかった。すなわち、2個の編集ブースの両方が使用中の状態で他の遊戯者が撮影プレイを開始すると、撮影プレイが早く終了することから、撮影プレイが終了した遊戯者を待ち時間なく編集ブースに案内するには、実質的に編集時間を短くして先に編集プレイを開始した遊戯者に対して落書き(編集)を急がせざるを得ないことになり、編集プレイにおいて満足が得られないこととなって集客効果の低下につながっていた。
【0044】
これに対し、上記した実施形態では3個の編集ブース5a,5b,5cを設けたため、撮影時間を短くしても、撮影プレイが終了した遊戯者を編集ブースに案内するころには、最初に編集プレイを開始した遊戯者の編集プレイが終了している状況になるため、編集時間を短縮する必要がなく、遊戯者の編集プレイにおける満足度を低下させることがなく、集客効果の低下を防止することができる。
【0045】
さらに、上記した実施形態では、撮影ブース3や第1〜第3編集ブース5a〜5cのほか、印刷専用に印刷ブース7を設けたため、撮影ブース3または編集ブース5a〜5cに印刷したシール台紙の排出口がある場合のように、遊戯者同士が印刷のために撮影ブースや編集ブースの空き待ちをすることがなく、満足した遊戯を楽しむことができる。
【0046】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第2の撮影処理におけるズームアップ画像は、上記した遊戯者の顔に代えて上半身をズームアップしたものでもよく、顔のズームアップ画像および上半身のズームアップ画像と全身画像の3枚を撮影画像として撮影モニタ32に表示するようにしてもよい。
【0047】
また、上記した実施形態における第2の撮影処理では、2回の撮影を行う場合について説明したが、1回の撮影あるいは3回以上の撮影を行うものとしてもよいのは勿論であり、第1の撮影処理に先立って第2の撮影処理を行うようにしてもよいし、第1の撮影処理ののち第2の撮影処理を実行し、さらにもう1回第1の撮影処理を行うようにしてもよい。
【0048】
また、編集ブースは2個でもよく、4個以上であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 写真シール払出装置
3 撮影ブース
5a,5b,5c 第1、第2、第3編集ブース
9 コントローラ部(作成手段)
31 カメラ(撮影手段)
32 撮影モニタ(表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の遊戯代金の投入に基づく遊戯開始により、記憶手段の撮影プレイ、編集プレイのプログラムを実行し、前記撮影プレイにおいて撮影手段により遊戯者を撮影し、前記編集プレイにおいて表示手段の表示画面に表示される前記遊戯者の撮影画像に該遊戯者が落書き入力手段により入力した落書きを含む編集画像を重畳し、前記編集画像が重畳された前記撮影画像を写真シール台紙に印刷して払い出す写真シール払出装置において、
前記撮影手段により前記遊戯者のほぼ全身を撮影した全身画像を基に、該全身画像をトリミングして少なくとも上半身をズームアップしたズームアップ画像を作成する作成手段を備え、
前記表示手段は、前記作成手段により作成した前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記撮影手段による前記撮影画像として前記表示画面に表示する
ことを特徴とする写真シール払出装置。
【請求項2】
前記作成手段は、前記上半身画像に加えて前記全身画像をトリミングして顔をズームアップしたズームアップ画像も作成し、
前記表示手段は、前記作成手段により作成した上半身と顔の2つの前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記撮影手段による前記撮影画像として表示画面に表示する
ことを特徴とする請求項1記載の写真シール払出装置。
【請求項3】
前記撮影手段による予め定められた規定回数の撮影のうち少なくとも1回の撮影での撮影画像として、前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記表示手段の前記表示画面に表示することを特徴とする請求項1または2記載の写真シール払出装置。
【請求項4】
所定の遊戯代金の投入に基づく遊戯開始により、記憶手段の撮影プレイ、編集プレイのプログラムを実行し、前記撮影プレイにおいて撮影手段により遊戯者を撮影し、前記編集プレイにおいて表示手段の表示画面に表示される前記遊戯者の撮影画像に該遊戯者が落書き入力手段により入力した落書きを含む編集画像を重畳し、前記編集画像が重畳された前記撮影画像を写真シール台紙に印刷して払い出す写真シール払出装置の制御方法において、
前記撮影手段により前記遊戯者のほぼ全身を撮影した全身画像を基に、該全身画像をトリミングして少なくとも上半身をズームアップしたズームアップ画像を作成する作成工程を備え、
前記作成工程により作成した前記ズームアップ画像および前記全身画像を前記撮影手段による前記撮影画像として前記表示画面に表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする写真シール払出装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−168250(P2012−168250A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27167(P2011−27167)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(598130929)株式会社アイ・エム・エス (14)
【Fターム(参考)】