冶金炉スラグ・ドア密閉装置
冶金炉のスラグ・ドアのための密閉装置であって、炉にこの装置を取り付ける取り付け部品、及び、スラグ・ドア開口部の外部である開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉し閉鎖要素の後部パネルを炉内壁と同一面にしてスラグ・ドア開口部内に入る閉鎖位置まで動作可能な閉鎖要素を備える密閉装置である。この装置はまた、スラグ・ドアの底面を掃いて障害物を除去するために動作可能な少なくとも一つの拭き取り要素を備えることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金炉に関する。さらに詳しくは、本発明は製鋼に用いられるアーク炉といったスラグ・ドアを有する形式の冶金炉に関する。
【背景技術】
【0002】
スラグ・ドアを有する形式の冶金炉は良く知られている。このスラグ・ドアは一般的に炉殻側面に位置し、炉内部へ通じるトンネル部および炉外部の開口部下に延設されるエプロンを有している。スラグ・ドアは定期的に炉を傾けてスラグを取り出す際に利用されるが、それ以外にも添加物の投入、サンプルの採取、温度測定、バーナーや酸素ランスの挿入、炉内部の目視点検等の多くの作業に利用される。
【0003】
製鋼工程において、未融解のスクラップ・メタルは炉内部から炉壁を通り、スラグ・ドア開口部へと通じるトンネル内部に溜り易い。またスラグは多くの量がトンネル部およびスラグ・ドア開口部の敷居部に固化する。通常、作業員は定期的にこれらの部位を長く突き出した破砕具を装備した清掃トラクターを使って清掃しなければならないが、これは効果が限定的で作業員にとって潜在的に非常に危険な作業である。
【0004】
一般的なスラグ・ドアの閉鎖装置は基本的に摺動板から成り、これを油圧または空気圧シリンダにより駆動されるプーリ、スプロケット、連結器、ローラ・チェーンを有する機械装置により上下動させる。このような閉鎖機構は引っかかり易く、しばらく稼動を続けていると、スラグ・ドア開口部を部分的にしか覆うことができなくなることが多い。
【0005】
その結果、外気がそのスラグ・ドアから炉の内部へ吸引され、以下のような不具合を引き起こすと考えられる。
○ 過度の排出ガス量による熱損失
○ 過度に汚染された排出ガス
○ 多大なエネルギー消費
○ 制御困難なスラグ・ドアからのスラグの取り出し
【0006】
そのため本発明の目的は、スラグ・ドアを有する冶金炉において既知の不都合を解消、あるいは実用的な代替物を提供しようとするものである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の第一の目的は、本密閉装置を炉に取り付ける取り付け装置および、背面高温パネルを有する少なくとも一つの閉鎖要素であって、スラグ・ドア開口部外部の開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉しその高温面を炉の内壁にほぼ一致させスラグ・ドア開口部に入る閉位置まで動作可能に取り付け装置に保持された閉鎖要素からなる、冶金炉のスラグ・ドア用密閉装置を提供することである。
【0008】
また好ましくは、本装置はさらにスラグ・ドア下面を掃くために、スラグ・ドア開口部外部の開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉しその高温面を炉の内壁にほぼ一致させスラグ・ドア開口部に入る閉位置まで動作できる、少なくとも一つの拭き取り要素を備え、この拭き取り要素がスラグ・ドアの下部表面から障害物を除去する。
【0009】
さらに好ましくは、この拭き取り要素は対向した、通常水平に旋回する一対のアームを持ち、閉鎖要素には下方及びスラグ・ドア開口部内部へ可動なように取り付けられたゲートをそのアーム上部に備える。これらアームは好ましくはそれぞれ独立して可動であり、水冷式である。これらアームは、ある実施例においては少なくとも一つのリニア式またはロータリー式油圧アクチュエータにより制御されることもできる。
【0010】
ある実施例においては、閉鎖要素は駆動軸へ連結された動力レバーを備えるタイプや、動力レバーと閉鎖要素を連結する追従レバーを備えるタイプといった、少なくとも一つの平行リンク機構により保持されたゲート部を備える。ゲートの高温パネルは好ましくは水冷式であり、またこのゲートはさらに水冷式底板を備えることもある。ある実施例においてはこのゲートの水冷式底板は枢着され、障害物を砕き、スラグ・ドアから除去する補助として駆動される。
【0011】
ある実施例においては、本装置は炉の外部にフレームを備え、スラグ・ドア開口部を取り囲み、閉鎖要素が閉鎖位置においてこのフレームに接触する。このフレームは好ましくは水冷式である。
【0012】
本発明の他の実施例においては、この閉鎖要素は対向し、一般的には水平に旋回する一対のドアを備える。拭き取り要素をこの旋回ドアとすることもできる。またこの拭き取り要素はさらに下方及び前記ドア下部のスラグ・ドア開口部内部方向に動作可能なように取り付けられたパネルとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明をより明確に理解できるよう、本願発明の実施例を示す添付図面について説明する。
【図1】本発明の第一の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の正面図であり、全閉状態を示す。
【図2】同密閉装置の正面図であり、全開状態を示す。
【図3】図1の密閉装置をIII―III線で区切った側断面図である。図中(3a)は図3の密閉装置の円で囲った部分の拡大図である。
【図4】図2の密閉装置をIV―IV線で区切った側断面図である。図中(4a)は図4の密閉装置の円で囲った部分の拡大図である。
【図5】図1の密閉装置をV―V線で区切った断面平面図である。
【図6】図2の密閉装置をVI―VI線で区切った断面平面図である。
【図7】同密閉装置が全閉状態の等角投影図である。
【図8】本発明の第二の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の等角投影図であり、密閉部を外部から見た炉壁部と合せて示す。
【図9】図8の密閉装置を炉の内側から見た等角投影図である。
【図10】同密閉装置が全開状態の等角投影図である。
【図11】本発明の第三の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の側断面図である。
【図12】本発明の第四の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の平面図である。
【図13】図12の密閉装置の正面図である。
【図14】本発明の第五の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の側断面図である。
【図15】本発明の第六の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の側断面図である。
【実施例】
【0014】
図1ないし図7、なかでも図1に関し、本密閉装置は二つの主要なサブアセンブリを備えており、一つは中央に配置され、回動する2組の平行リンク(4,8)により制御される回動式及び格納式のゲート2であり、もう一つは通常水平に旋回し、ゲート2の下方に位置する一組のフリッパー・アーム28である。
【0015】
各動力レバー4の一端は二つの固定キーを持つハブ7を介し、駆動軸14に固定されている。各動力レバー4の他の一端はハブ5を備え、ハブ5は潤滑摩擦軸受け6が装着されている。各追従レバー8の固定された一端はハブ11を備え、潤滑摩擦軸受け12が装着され、ピン19を中心に回動する。追従レバー8の回動するもう一端はハブ9を備え、潤滑軸受け10が装着され、中空ピン34を中心に回動する。動力レバー4は二重取付金具3に固定されたピン33を介し、ゲート2の二重取付金具3に連結される。追従レバー8は二重取付金具3に固定されたピン34を介し、ゲート2の二重取付金具3に連結される。二重取付金具3はゲート2に恒久的に接続されている。
【0016】
水冷装置駆動軸14は、2つの軸受台15を介しその位置に保持され、潤滑摩擦軸受16を備えている。軸を冷却する冷媒である水は、回転継ぎ手17及び18を介し、駆動軸14から補給または抜き取られる。軸受台15は取付金具31の頭頂部に位置され、ボルト固定されている。取付金具31は炉殻フレーム構造体1に溶接され、追従レバー8の基部ともなっている。レバー52は二つの固定キーを持つハブ53を備え、駆動軸14の一端に取り付けられている。レバー52の延長された一端はU字型取付金具22及びピン23を介してリニア式油圧シリンダ13に連結され、リニア式油圧シリンダ13は炉殻フレーム構造体1に溶接された取付金具20及びピン21を介し、炉殻フレーム構造体1に取り付けられている。
【0017】
全体的に水平旋回する2枚の水冷式フリッパー・アーム28はそれぞれ特殊油圧ロータリー式アクチュエータ29により保持、回動させられる。フリッパー・アーム28の回動はそれぞれ独立して、または同時に、希望する角度で行え、油圧ロータリー式アクチュエータのポート30及び32を介して加圧及び非加圧流体の切り替えを遠隔制御することにより操作される。消耗品の耐火敷居35は長寿命の方形グラファイト板36により好ましく延設されている。
【0018】
密閉フランジ39を備えた逆U字型の水冷式フレーム37(図3及び図4により明確に記載)はスラグ・ドア開口部周囲に密着し、炉殻構造体1に取り付けられた突起50及び炉殻構造体1に恒久的に取り付けられた穴あきピン25並びにくさび38により強固にその位置に保持されている。
【0019】
図2では、密閉装置は全開状態であり、ゲート2は2組の回動する平行リンク4及び8で制御され、旋回式フリッパー・アーム・サブアセンブリ28はアクチュエータ29により制御され、ゲート2の下方に位置する。
放熱遮蔽板41はゲート2が第一の閉鎖位置と第二の開位置の間を移動中、ゲート2を保護する。
【0020】
図3では、ゲート2は水冷パネル26及び27を備え、2本の動力レバー4及び2本の追従レバー8からなる平行リンク機構によりその位置に保持される。
【0021】
水冷式フレーム37により、回動及び格納式ゲート2は合成運動曲線を描いて移動し、固定部品と動作部品間の間隙を最小限に抑え、中間位置においても炉内への冷気の侵入を減少させる事が可能である。さらに閉鎖状態でゲート2の固定部品と動作部品間の好ましい相互関係を維持するのが逆U字型水冷式フレーム37の水冷側要素43の形状である。この形状は水冷パネル27の輪郭及び位置に適合している。そのためゲートが閉じられると侵入する冷気に対する流入抵抗を増大させ、その吸入量を減少させる。さらにこの水冷式高温パネル27は炉の内壁と略同一面となっている。
【0022】
密閉フランジ39を備えた逆U字型の水冷式フレーム37(図3及び図4により明確に記載)は炉殻1のスラグ・ドア開口部に嵌合し、フランジ39の方形開口部24及び突起50、穴あきピン25並びにくさび38、及びピンが炉殻1に恒久的に取り付けられる長円形の穴により、その位置に強固に保持されている。ゲート2が全閉状態の場合、逆U字型周縁プレート40は完全に格納された油圧シリンダ13により逆U字型水冷プレート39に強く圧接される。
【0023】
逆U字型水冷プレート39は逆U字型水冷式フレーム37固有の部品である。部品40と39間の気密性により、高温で稼働中の炉室内への冷気の侵入を完全に遮断するという本願発明の主要目的が確保されている。
【0024】
遠隔制御されるリニア式油圧シリンダ13の伸長作動により駆動軸14が回転運動を行い、同時に平行回転運動動力レバー4及び追従レバー8が平行回転運動を行う。中央に配置されたゲート2が二重取付金具3、ピン33及び34を介して動力レバー4及び追従レバー8に連結されていることにより、中央に配置されたゲート構造体サブアセンブリ2は所定の曲線運動で図1、図3に示される全閉状態から図2、図4に示される全開状態までその位置を変化させる。
【0025】
図4に示す通り、ゲート2が全開状態時は、既知の先行技術によるスラグ・ドアと比較し、冶金炉内部の点検やいずれ必要となる修理の際、非常に楽な作業が行える。
【0026】
図5ないし図7では、炉底部の耐火内張り材35は開口部内側に配置されている。水冷式で通常水平に旋回するフリッパー・アーム28の主機能は、旋回運動により耐火敷居35の状態を適切に維持することであるが、外気の過剰な侵入から炉内部を保護する密閉装置としての封止効果にも大きく寄与している。炉殻フレームの支柱47の形状は水平旋回式フリッパー・アーム28の形状に一致し、その間にごくわずかな間隙しか残さない。ロータリー式油圧アクチュエータ29は水冷式で、ボルト46により炉殻フレームに固定されている。
【0027】
方形グラファイト板36は非固着スラグ案内エプロンとして機能する。旋回式フリッパー・アーム28が閉鎖位置に保持されている場合、溶鋼、溶融スラグ、固化スラグ、浮遊耐火物といった物質が公称閾値レベルからオーバーフローし、炉室内から勝手に流出するのを防ぐ。そのため、旋回式フリッパー・アーム28が閉鎖状態では炉内により多くのスラグを保持でき、炉から排出されるスラグ内の酸化第一鉄の残留量減少に大きく寄与する。フリッパー・アーム28を閉鎖位置から中間位置、全開位置へと旋回させることにより、スラグやその他の物質の流出を連続して制御できる。
【0028】
図6で見られるように、必要な場合、水平旋回式フリッパー・アーム28が全開位置にあると、耐火敷居の公称レベルを越えた溶融スラグは何らの障害もなく流出する事ができる。
【0029】
図1及び図7に見られるように、リニア式油圧シリンダ13は平行リンク4及び8の制御に用いられ、ロータリー式アクチュエータ29は旋回式フリッパー・アーム28の制御に用いられる。
【0030】
図8に示す密閉装置の実施例では、水冷式ロータリー式アクチュエータ48Aが平行リンク4及び8の制御に用いられ、リニア式油圧シリンダ49が旋回式フリッパー・アーム28の制御に用いられている。
【0031】
図9及び図10に見られるように、密閉装置はスラグ境界線上方のスラグ・ドア開口部範囲内における炉壁の水冷式内張りの空間を効率的に消滅させ、またスラグ・ドア開口部へと続くトンネルをも効率的に消滅させている。特に、ゲート2が閉鎖位置のとき、水冷パネル27は炉内壁の水冷パネルと通常同一面になっている。2本の水平旋回式フリッパー・アーム28はその底縁が通常スラグ・ドアの突き出し部上の敷居線の高さにあり、ゲート2下方の開口部を最小限の隙間で効率的にふさいでいる。
【0032】
図11の密閉装置実施例では、水冷パネル50aはゲート2に枢動ピン51の周囲を回動するよう取り付けられている。レバー52aはパネル50に取り付けられ、ゲート2に軸回転連結部55を通して取り付けられている取付金具54に保持される油圧シリンダ53aに連結されている。水冷式清掃パネル50はフリッパー・アーム28前面の固化スラグを粉砕する付加手段である。
【0033】
図12及び図13に示される密閉装置の実施例では、閉鎖要素は対向する一対の通常水平に旋回するドア56とされ、それぞれが油圧シリンダ63に連結され、制御されている。レバー57は両ドア56それぞれに装着され、ピン58を介して油圧シリンダ63に連結されている。次に、油圧シリンダは旋回軸60を通し取付金具59により保持されている。取付金具59は炉殻61に取り付けられている。炉構造体は開口部範囲内を水冷パネル62で保護されている。
【0034】
図14に示す実施例では、こちらも対向する一対の全体的に水平旋回するドア56が用いられている。しかしながら、本実施例では中央に配置された水冷パネル69が追加され、一組の回動平行アーム70及び71により制御されている。それぞれの動力レバー71の一端は固定キー付きハブ73を介し、動力軸72に取り付けられている。それぞれの動力レバー71の他の一端はハブ74を備え、潤滑摩擦軸受75が装着されている。
【0035】
各追従レバー70の固定された一端はハブ76を備え、潤滑摩擦軸受け77が装着され、ピン78を中心に回動する。追従レバー70の回動するもう一端はハブ85を備え、潤滑摩擦軸受け79が装着され、ピン82を中心に回動する。
【0036】
動力レバー71は二重取付金具81に固定されたピン80を介し、パネル69の二重取付金具81に連結される。追従レバー70は二重取付金具81に固定されたピン82を介し、二重取付金具81に連結される。二重取付金具81はパネル69に接続されている。駆動軸72は水冷式で、2つの軸受台83を介しその位置に保持され、潤滑摩擦軸受84を備えている。ブラケットは炉殻構造体1に配置される。駆動軸72は油圧シリンダ又は油圧アクチュエータのいずれかにより駆動される。
【0037】
図15に示す密閉装置の実施例では、閉鎖要素は中央に配置された水冷式のパネル69であり、一組の回動平行リンク・レバー70及び71により制御される。
パネル69の構造及び作動は図14に示される実施例と同様である。しかし、本実施例では対向し全体的に水平旋回するドアは含まれない。
【0038】
上述の説明及びさまざまな添付図は発明者の意図する本願発明の実施例に関連して記載、作成されているが、本願発明の範囲内でこれら実施例に変更や追加を行うことができる。そのため、本願発明は本願に記載された特定の実施例に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるべきものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金炉に関する。さらに詳しくは、本発明は製鋼に用いられるアーク炉といったスラグ・ドアを有する形式の冶金炉に関する。
【背景技術】
【0002】
スラグ・ドアを有する形式の冶金炉は良く知られている。このスラグ・ドアは一般的に炉殻側面に位置し、炉内部へ通じるトンネル部および炉外部の開口部下に延設されるエプロンを有している。スラグ・ドアは定期的に炉を傾けてスラグを取り出す際に利用されるが、それ以外にも添加物の投入、サンプルの採取、温度測定、バーナーや酸素ランスの挿入、炉内部の目視点検等の多くの作業に利用される。
【0003】
製鋼工程において、未融解のスクラップ・メタルは炉内部から炉壁を通り、スラグ・ドア開口部へと通じるトンネル内部に溜り易い。またスラグは多くの量がトンネル部およびスラグ・ドア開口部の敷居部に固化する。通常、作業員は定期的にこれらの部位を長く突き出した破砕具を装備した清掃トラクターを使って清掃しなければならないが、これは効果が限定的で作業員にとって潜在的に非常に危険な作業である。
【0004】
一般的なスラグ・ドアの閉鎖装置は基本的に摺動板から成り、これを油圧または空気圧シリンダにより駆動されるプーリ、スプロケット、連結器、ローラ・チェーンを有する機械装置により上下動させる。このような閉鎖機構は引っかかり易く、しばらく稼動を続けていると、スラグ・ドア開口部を部分的にしか覆うことができなくなることが多い。
【0005】
その結果、外気がそのスラグ・ドアから炉の内部へ吸引され、以下のような不具合を引き起こすと考えられる。
○ 過度の排出ガス量による熱損失
○ 過度に汚染された排出ガス
○ 多大なエネルギー消費
○ 制御困難なスラグ・ドアからのスラグの取り出し
【0006】
そのため本発明の目的は、スラグ・ドアを有する冶金炉において既知の不都合を解消、あるいは実用的な代替物を提供しようとするものである。
【発明の開示】
【0007】
本発明の第一の目的は、本密閉装置を炉に取り付ける取り付け装置および、背面高温パネルを有する少なくとも一つの閉鎖要素であって、スラグ・ドア開口部外部の開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉しその高温面を炉の内壁にほぼ一致させスラグ・ドア開口部に入る閉位置まで動作可能に取り付け装置に保持された閉鎖要素からなる、冶金炉のスラグ・ドア用密閉装置を提供することである。
【0008】
また好ましくは、本装置はさらにスラグ・ドア下面を掃くために、スラグ・ドア開口部外部の開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉しその高温面を炉の内壁にほぼ一致させスラグ・ドア開口部に入る閉位置まで動作できる、少なくとも一つの拭き取り要素を備え、この拭き取り要素がスラグ・ドアの下部表面から障害物を除去する。
【0009】
さらに好ましくは、この拭き取り要素は対向した、通常水平に旋回する一対のアームを持ち、閉鎖要素には下方及びスラグ・ドア開口部内部へ可動なように取り付けられたゲートをそのアーム上部に備える。これらアームは好ましくはそれぞれ独立して可動であり、水冷式である。これらアームは、ある実施例においては少なくとも一つのリニア式またはロータリー式油圧アクチュエータにより制御されることもできる。
【0010】
ある実施例においては、閉鎖要素は駆動軸へ連結された動力レバーを備えるタイプや、動力レバーと閉鎖要素を連結する追従レバーを備えるタイプといった、少なくとも一つの平行リンク機構により保持されたゲート部を備える。ゲートの高温パネルは好ましくは水冷式であり、またこのゲートはさらに水冷式底板を備えることもある。ある実施例においてはこのゲートの水冷式底板は枢着され、障害物を砕き、スラグ・ドアから除去する補助として駆動される。
【0011】
ある実施例においては、本装置は炉の外部にフレームを備え、スラグ・ドア開口部を取り囲み、閉鎖要素が閉鎖位置においてこのフレームに接触する。このフレームは好ましくは水冷式である。
【0012】
本発明の他の実施例においては、この閉鎖要素は対向し、一般的には水平に旋回する一対のドアを備える。拭き取り要素をこの旋回ドアとすることもできる。またこの拭き取り要素はさらに下方及び前記ドア下部のスラグ・ドア開口部内部方向に動作可能なように取り付けられたパネルとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明をより明確に理解できるよう、本願発明の実施例を示す添付図面について説明する。
【図1】本発明の第一の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の正面図であり、全閉状態を示す。
【図2】同密閉装置の正面図であり、全開状態を示す。
【図3】図1の密閉装置をIII―III線で区切った側断面図である。図中(3a)は図3の密閉装置の円で囲った部分の拡大図である。
【図4】図2の密閉装置をIV―IV線で区切った側断面図である。図中(4a)は図4の密閉装置の円で囲った部分の拡大図である。
【図5】図1の密閉装置をV―V線で区切った断面平面図である。
【図6】図2の密閉装置をVI―VI線で区切った断面平面図である。
【図7】同密閉装置が全閉状態の等角投影図である。
【図8】本発明の第二の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の等角投影図であり、密閉部を外部から見た炉壁部と合せて示す。
【図9】図8の密閉装置を炉の内側から見た等角投影図である。
【図10】同密閉装置が全開状態の等角投影図である。
【図11】本発明の第三の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の側断面図である。
【図12】本発明の第四の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の平面図である。
【図13】図12の密閉装置の正面図である。
【図14】本発明の第五の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の側断面図である。
【図15】本発明の第六の実施例に係る冶金炉のスラグ・ドア密閉装置の側断面図である。
【実施例】
【0014】
図1ないし図7、なかでも図1に関し、本密閉装置は二つの主要なサブアセンブリを備えており、一つは中央に配置され、回動する2組の平行リンク(4,8)により制御される回動式及び格納式のゲート2であり、もう一つは通常水平に旋回し、ゲート2の下方に位置する一組のフリッパー・アーム28である。
【0015】
各動力レバー4の一端は二つの固定キーを持つハブ7を介し、駆動軸14に固定されている。各動力レバー4の他の一端はハブ5を備え、ハブ5は潤滑摩擦軸受け6が装着されている。各追従レバー8の固定された一端はハブ11を備え、潤滑摩擦軸受け12が装着され、ピン19を中心に回動する。追従レバー8の回動するもう一端はハブ9を備え、潤滑軸受け10が装着され、中空ピン34を中心に回動する。動力レバー4は二重取付金具3に固定されたピン33を介し、ゲート2の二重取付金具3に連結される。追従レバー8は二重取付金具3に固定されたピン34を介し、ゲート2の二重取付金具3に連結される。二重取付金具3はゲート2に恒久的に接続されている。
【0016】
水冷装置駆動軸14は、2つの軸受台15を介しその位置に保持され、潤滑摩擦軸受16を備えている。軸を冷却する冷媒である水は、回転継ぎ手17及び18を介し、駆動軸14から補給または抜き取られる。軸受台15は取付金具31の頭頂部に位置され、ボルト固定されている。取付金具31は炉殻フレーム構造体1に溶接され、追従レバー8の基部ともなっている。レバー52は二つの固定キーを持つハブ53を備え、駆動軸14の一端に取り付けられている。レバー52の延長された一端はU字型取付金具22及びピン23を介してリニア式油圧シリンダ13に連結され、リニア式油圧シリンダ13は炉殻フレーム構造体1に溶接された取付金具20及びピン21を介し、炉殻フレーム構造体1に取り付けられている。
【0017】
全体的に水平旋回する2枚の水冷式フリッパー・アーム28はそれぞれ特殊油圧ロータリー式アクチュエータ29により保持、回動させられる。フリッパー・アーム28の回動はそれぞれ独立して、または同時に、希望する角度で行え、油圧ロータリー式アクチュエータのポート30及び32を介して加圧及び非加圧流体の切り替えを遠隔制御することにより操作される。消耗品の耐火敷居35は長寿命の方形グラファイト板36により好ましく延設されている。
【0018】
密閉フランジ39を備えた逆U字型の水冷式フレーム37(図3及び図4により明確に記載)はスラグ・ドア開口部周囲に密着し、炉殻構造体1に取り付けられた突起50及び炉殻構造体1に恒久的に取り付けられた穴あきピン25並びにくさび38により強固にその位置に保持されている。
【0019】
図2では、密閉装置は全開状態であり、ゲート2は2組の回動する平行リンク4及び8で制御され、旋回式フリッパー・アーム・サブアセンブリ28はアクチュエータ29により制御され、ゲート2の下方に位置する。
放熱遮蔽板41はゲート2が第一の閉鎖位置と第二の開位置の間を移動中、ゲート2を保護する。
【0020】
図3では、ゲート2は水冷パネル26及び27を備え、2本の動力レバー4及び2本の追従レバー8からなる平行リンク機構によりその位置に保持される。
【0021】
水冷式フレーム37により、回動及び格納式ゲート2は合成運動曲線を描いて移動し、固定部品と動作部品間の間隙を最小限に抑え、中間位置においても炉内への冷気の侵入を減少させる事が可能である。さらに閉鎖状態でゲート2の固定部品と動作部品間の好ましい相互関係を維持するのが逆U字型水冷式フレーム37の水冷側要素43の形状である。この形状は水冷パネル27の輪郭及び位置に適合している。そのためゲートが閉じられると侵入する冷気に対する流入抵抗を増大させ、その吸入量を減少させる。さらにこの水冷式高温パネル27は炉の内壁と略同一面となっている。
【0022】
密閉フランジ39を備えた逆U字型の水冷式フレーム37(図3及び図4により明確に記載)は炉殻1のスラグ・ドア開口部に嵌合し、フランジ39の方形開口部24及び突起50、穴あきピン25並びにくさび38、及びピンが炉殻1に恒久的に取り付けられる長円形の穴により、その位置に強固に保持されている。ゲート2が全閉状態の場合、逆U字型周縁プレート40は完全に格納された油圧シリンダ13により逆U字型水冷プレート39に強く圧接される。
【0023】
逆U字型水冷プレート39は逆U字型水冷式フレーム37固有の部品である。部品40と39間の気密性により、高温で稼働中の炉室内への冷気の侵入を完全に遮断するという本願発明の主要目的が確保されている。
【0024】
遠隔制御されるリニア式油圧シリンダ13の伸長作動により駆動軸14が回転運動を行い、同時に平行回転運動動力レバー4及び追従レバー8が平行回転運動を行う。中央に配置されたゲート2が二重取付金具3、ピン33及び34を介して動力レバー4及び追従レバー8に連結されていることにより、中央に配置されたゲート構造体サブアセンブリ2は所定の曲線運動で図1、図3に示される全閉状態から図2、図4に示される全開状態までその位置を変化させる。
【0025】
図4に示す通り、ゲート2が全開状態時は、既知の先行技術によるスラグ・ドアと比較し、冶金炉内部の点検やいずれ必要となる修理の際、非常に楽な作業が行える。
【0026】
図5ないし図7では、炉底部の耐火内張り材35は開口部内側に配置されている。水冷式で通常水平に旋回するフリッパー・アーム28の主機能は、旋回運動により耐火敷居35の状態を適切に維持することであるが、外気の過剰な侵入から炉内部を保護する密閉装置としての封止効果にも大きく寄与している。炉殻フレームの支柱47の形状は水平旋回式フリッパー・アーム28の形状に一致し、その間にごくわずかな間隙しか残さない。ロータリー式油圧アクチュエータ29は水冷式で、ボルト46により炉殻フレームに固定されている。
【0027】
方形グラファイト板36は非固着スラグ案内エプロンとして機能する。旋回式フリッパー・アーム28が閉鎖位置に保持されている場合、溶鋼、溶融スラグ、固化スラグ、浮遊耐火物といった物質が公称閾値レベルからオーバーフローし、炉室内から勝手に流出するのを防ぐ。そのため、旋回式フリッパー・アーム28が閉鎖状態では炉内により多くのスラグを保持でき、炉から排出されるスラグ内の酸化第一鉄の残留量減少に大きく寄与する。フリッパー・アーム28を閉鎖位置から中間位置、全開位置へと旋回させることにより、スラグやその他の物質の流出を連続して制御できる。
【0028】
図6で見られるように、必要な場合、水平旋回式フリッパー・アーム28が全開位置にあると、耐火敷居の公称レベルを越えた溶融スラグは何らの障害もなく流出する事ができる。
【0029】
図1及び図7に見られるように、リニア式油圧シリンダ13は平行リンク4及び8の制御に用いられ、ロータリー式アクチュエータ29は旋回式フリッパー・アーム28の制御に用いられる。
【0030】
図8に示す密閉装置の実施例では、水冷式ロータリー式アクチュエータ48Aが平行リンク4及び8の制御に用いられ、リニア式油圧シリンダ49が旋回式フリッパー・アーム28の制御に用いられている。
【0031】
図9及び図10に見られるように、密閉装置はスラグ境界線上方のスラグ・ドア開口部範囲内における炉壁の水冷式内張りの空間を効率的に消滅させ、またスラグ・ドア開口部へと続くトンネルをも効率的に消滅させている。特に、ゲート2が閉鎖位置のとき、水冷パネル27は炉内壁の水冷パネルと通常同一面になっている。2本の水平旋回式フリッパー・アーム28はその底縁が通常スラグ・ドアの突き出し部上の敷居線の高さにあり、ゲート2下方の開口部を最小限の隙間で効率的にふさいでいる。
【0032】
図11の密閉装置実施例では、水冷パネル50aはゲート2に枢動ピン51の周囲を回動するよう取り付けられている。レバー52aはパネル50に取り付けられ、ゲート2に軸回転連結部55を通して取り付けられている取付金具54に保持される油圧シリンダ53aに連結されている。水冷式清掃パネル50はフリッパー・アーム28前面の固化スラグを粉砕する付加手段である。
【0033】
図12及び図13に示される密閉装置の実施例では、閉鎖要素は対向する一対の通常水平に旋回するドア56とされ、それぞれが油圧シリンダ63に連結され、制御されている。レバー57は両ドア56それぞれに装着され、ピン58を介して油圧シリンダ63に連結されている。次に、油圧シリンダは旋回軸60を通し取付金具59により保持されている。取付金具59は炉殻61に取り付けられている。炉構造体は開口部範囲内を水冷パネル62で保護されている。
【0034】
図14に示す実施例では、こちらも対向する一対の全体的に水平旋回するドア56が用いられている。しかしながら、本実施例では中央に配置された水冷パネル69が追加され、一組の回動平行アーム70及び71により制御されている。それぞれの動力レバー71の一端は固定キー付きハブ73を介し、動力軸72に取り付けられている。それぞれの動力レバー71の他の一端はハブ74を備え、潤滑摩擦軸受75が装着されている。
【0035】
各追従レバー70の固定された一端はハブ76を備え、潤滑摩擦軸受け77が装着され、ピン78を中心に回動する。追従レバー70の回動するもう一端はハブ85を備え、潤滑摩擦軸受け79が装着され、ピン82を中心に回動する。
【0036】
動力レバー71は二重取付金具81に固定されたピン80を介し、パネル69の二重取付金具81に連結される。追従レバー70は二重取付金具81に固定されたピン82を介し、二重取付金具81に連結される。二重取付金具81はパネル69に接続されている。駆動軸72は水冷式で、2つの軸受台83を介しその位置に保持され、潤滑摩擦軸受84を備えている。ブラケットは炉殻構造体1に配置される。駆動軸72は油圧シリンダ又は油圧アクチュエータのいずれかにより駆動される。
【0037】
図15に示す密閉装置の実施例では、閉鎖要素は中央に配置された水冷式のパネル69であり、一組の回動平行リンク・レバー70及び71により制御される。
パネル69の構造及び作動は図14に示される実施例と同様である。しかし、本実施例では対向し全体的に水平旋回するドアは含まれない。
【0038】
上述の説明及びさまざまな添付図は発明者の意図する本願発明の実施例に関連して記載、作成されているが、本願発明の範囲内でこれら実施例に変更や追加を行うことができる。そのため、本願発明は本願に記載された特定の実施例に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるべきものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冶金炉のスラグ・ドアのための密閉装置であって、前記装置を炉に取り付ける取り付け部品、及び少なくとも一つの閉鎖要素であって後部高温パネルを備えると共に前記少なくとも一つの閉鎖要素は前記取り付け部品により、スラグ・ドア開口部の外部である開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉し前記少なくとも一つの閉鎖要素がその前記高温パネルを炉内壁と同一面にしてスラグ・ドア開口部内に入る閉鎖位置まで動作可能に保持された少なくとも一つの閉鎖要素からなる密閉装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの拭き取り装置がスラグ・ドア底面から障害物を取り除けるよう、スラグ・ドア底面をスラグ・ドア開口部から離れた開位置から中間位置を通りスラグ・ドア開口部内の閉鎖位置まで掃くように動作可能な、少なくとも一つの拭き取り装置をさらに含む請求項1に記載の密閉装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの拭き取り装置は、対向する一対の通常水平に旋回するアームを備える請求項2に記載の密閉装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの閉鎖要素は下方及び前記アーム上部のスラグ・ドア開口部内部方向に動作可能なように取り付けられたゲートを備える請求項3に記載の密閉装置。
【請求項5】
前記ゲートは駆動軸に連結された動力レバー、及び前記動力レバーと前記少なくとも一つの閉鎖要素の間に連結された追従レバー、を備える少なくとも一つの平行リンク機構により保持される請求項4に記載の密閉装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの閉鎖要素は少なくとも一つの平行リンクにより保持される請求項1に記載の密閉装置。
【請求項7】
前記アームは個別に動作可能な請求項5に記載の密閉装置。
【請求項8】
前記アームは少なくとも一つのロータリー式油圧アクチュエータにより制御される請求項7に記載の密閉装置。
【請求項9】
前記ゲートの前記高温パネルは水冷式である請求項5または請求項7に記載の密閉装置。
【請求項10】
前記ゲートはさらに水冷式底板を備える請求項9に記載の密閉装置。
【請求項11】
請求項1または請求項3の装置であって、炉外部に位置しスラグ・ドア開口部を取り囲むフレームを備え、前記少なくとも一つの閉鎖要素は前記フレームに前記閉鎖位置で接している請求項1または請求項3に記載の密閉装置。
【請求項12】
前記フレームは水冷式である請求項11に記載の密閉装置。
【請求項13】
前記アームは水冷式である請求項7に記載の密閉装置。
【請求項14】
前記水冷式底板は前記ゲートに枢動可能に取り付けられ、前記スラグ・ドアの障害物を粉砕し除去する補助をするために駆動可能な請求項10に記載の密閉装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つの閉鎖要素は一対の対向する全体的に水平旋回するドアを備える請求項2に記載の密閉装置。
【請求項16】
前記拭き取り装置は前記旋回式ドアである請求項15に記載の密閉装置。
【請求項17】
前記拭き取り装置はさらに下方及び前記ドア下部のスラグ・ドア開口部内部方向に動作可能なように取り付けられたパネルである請求項15に記載の密閉装置。
【請求項1】
冶金炉のスラグ・ドアのための密閉装置であって、前記装置を炉に取り付ける取り付け部品、及び少なくとも一つの閉鎖要素であって後部高温パネルを備えると共に前記少なくとも一つの閉鎖要素は前記取り付け部品により、スラグ・ドア開口部の外部である開位置から、スラグ・ドアを効率的に密閉し前記少なくとも一つの閉鎖要素がその前記高温パネルを炉内壁と同一面にしてスラグ・ドア開口部内に入る閉鎖位置まで動作可能に保持された少なくとも一つの閉鎖要素からなる密閉装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの拭き取り装置がスラグ・ドア底面から障害物を取り除けるよう、スラグ・ドア底面をスラグ・ドア開口部から離れた開位置から中間位置を通りスラグ・ドア開口部内の閉鎖位置まで掃くように動作可能な、少なくとも一つの拭き取り装置をさらに含む請求項1に記載の密閉装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの拭き取り装置は、対向する一対の通常水平に旋回するアームを備える請求項2に記載の密閉装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの閉鎖要素は下方及び前記アーム上部のスラグ・ドア開口部内部方向に動作可能なように取り付けられたゲートを備える請求項3に記載の密閉装置。
【請求項5】
前記ゲートは駆動軸に連結された動力レバー、及び前記動力レバーと前記少なくとも一つの閉鎖要素の間に連結された追従レバー、を備える少なくとも一つの平行リンク機構により保持される請求項4に記載の密閉装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの閉鎖要素は少なくとも一つの平行リンクにより保持される請求項1に記載の密閉装置。
【請求項7】
前記アームは個別に動作可能な請求項5に記載の密閉装置。
【請求項8】
前記アームは少なくとも一つのロータリー式油圧アクチュエータにより制御される請求項7に記載の密閉装置。
【請求項9】
前記ゲートの前記高温パネルは水冷式である請求項5または請求項7に記載の密閉装置。
【請求項10】
前記ゲートはさらに水冷式底板を備える請求項9に記載の密閉装置。
【請求項11】
請求項1または請求項3の装置であって、炉外部に位置しスラグ・ドア開口部を取り囲むフレームを備え、前記少なくとも一つの閉鎖要素は前記フレームに前記閉鎖位置で接している請求項1または請求項3に記載の密閉装置。
【請求項12】
前記フレームは水冷式である請求項11に記載の密閉装置。
【請求項13】
前記アームは水冷式である請求項7に記載の密閉装置。
【請求項14】
前記水冷式底板は前記ゲートに枢動可能に取り付けられ、前記スラグ・ドアの障害物を粉砕し除去する補助をするために駆動可能な請求項10に記載の密閉装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つの閉鎖要素は一対の対向する全体的に水平旋回するドアを備える請求項2に記載の密閉装置。
【請求項16】
前記拭き取り装置は前記旋回式ドアである請求項15に記載の密閉装置。
【請求項17】
前記拭き取り装置はさらに下方及び前記ドア下部のスラグ・ドア開口部内部方向に動作可能なように取り付けられたパネルである請求項15に記載の密閉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−541697(P2009−541697A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515678(P2009−515678)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001102
【国際公開番号】WO2007/147248
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508372456)エプコ(カナダ)リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001102
【国際公開番号】WO2007/147248
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508372456)エプコ(カナダ)リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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