説明

冷凍固形食品を解凍して容器に収容する装置及び該装置を内臓した食品自動販売機

【課題】自動販売機とした場合に1分以内の短時間で供することができる冷凍固形食品を解凍蒸上げして容器に収容する装置を提供する。
【解決手段】冷凍食品を1個づつ下端の開閉し得る開口から自動的に取り出すことができる冷凍庫と、取り出した冷凍食品を解凍する移動し得る解凍蒸上げ器と、該解凍蒸上器内に蒸気を噴出する蒸気発生器と、解凍蒸上げ後食品容器の上方に前記解凍蒸上器を移動させる通路と、該通路の解凍蒸上器と前記食品容器との対向部に形成された投入口とを具備し、該解凍蒸上器の底部を開いて、前記投入口から解凍蒸上げした食品を前記食品容器内に落下させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷凍固形食品を食べることができるように解凍して容器に収容する装置及び該装置を内蔵したパスタ、ラーメン及びカレーライス等の食品自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍固形食品を解凍して販売に供するようにした自動販売機としては、食器に冷凍または冷蔵された「茹で麺」を盛り付けて自販機内の保冷庫に保管し、販売の都度、保冷庫から取り出して、電子レンジで加熱し、これに給湯して販売する食品自動販売機が知られていた(特許文献1)。
【0003】
上記のように電子レンジを使用する調理方法は、1分以上の加熱調理時間を必要とするので、自動販売機としては商品が出来るまでの販売待ち時間が長くなる問題がある。
【0004】
更に、冷凍固形食品を使用した無人の自販機とするには、多数の商品を冷凍庫内に収容し、これを1個づつ取り出せないと品切れの恐れが生じるが、従来このような装置は全く知られていない。
また、パスタ、カレーライス、ラーメンのように、麺類及びご飯類に液状の具入り流動物若しくはスープをかける調理食品の自動販売機は全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−220162
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のうち請求項1に記載の発明は、自動販売機とした場合に1分以内の短時間で供することができる冷凍固形食品を解凍蒸上げして容器に収容する装置を提供することを目的とする。
また、請求項9に記載の発明は、多数の商品を冷凍庫内に収容し、これを1個づつ自動的に取り出すことができる冷凍庫を提供することを目的とする。
また、請求項11に記載の発明は、解凍した食品に、具入り液状物若しくは液状スープを混合して、料理した食品として供する食品の自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記請求項1に記載の発明の目的に沿う本発明の構成は、冷凍食品を1個づつ下端の開閉し得る開口から自動的に取り出すことができる冷凍庫と、取り出した冷凍食品を解凍する移動し得る解凍蒸上げ器と、該解凍蒸上器内に蒸気を噴出する蒸気発生器と、解凍蒸上げ後食品容器の上方に前記解凍蒸上器を移動させる通路と、該通路の解凍蒸上器と前記食品容器との対向部に形成された解凍蒸上げ食品投入口とを具備し、該解凍蒸上器の底部を開いて、前記投入口から解凍蒸上げした食品を前記食品容器内に落下させることを特徴とする。
【0008】
前記冷凍食品を前記冷凍庫の開口を開いて案内体(取り出しシュート)を介して、直接若しくは移送した後、前記解凍蒸上器中に落下させ、該解凍蒸上器を蒸気を噴出する蒸気発生器上に位置させるのが好ましい(請求項2)。
前記解凍蒸上器上端開口は、自動開閉扉で密閉し得るように形成され、前記冷凍食品が投入されて、前記蒸気発生器上に位置すると、その位置で水平方向に前進・後進する自動開閉扉で閉まるようになっている(請求項3)。
【0009】
前記解凍蒸上器の底部は、進行方向後端で、好ましくは蝶番を使用し、開閉自在に連結するのが好ましい(請求項4)。このように形成すると、解凍蒸上器が前記通路の投入口の上に達すると底部は自重で下方に開き、食品投入後、後退させると、通路に持ち上げられて自動的に底部は閉じることができ、底部の自動開閉が達成できる。
前記底部は、多数の蒸気の噴出する孔を形成した底部とするのが好ましい(請求項5)。このように構成すると、解凍蒸上室内を蒸気で瞬時に充満できると共に解凍により生じた水は、底部から下に落下し、ドレインから排出することが出来、容易に水の除去が出来る。
【0010】
前記蒸気発生器は、内部に蒸気化する水を注入する給水管を貫挿させ、ヒーターを埋設した金属製蒸気化容器と、該容器上端に連設した底部に蒸気噴出口を形成した解凍蒸上器への蒸気供給器とを具備するように構成したものを使用するのが好ましい(請求項6)。
前記蒸気供給器の側壁には、解凍により生じた水を排出するドレインを設けるのが好ましい(請求項7)。
前記蒸気発生器と前記解凍蒸上器底面外周部とが接する部分には、蒸気の漏れを防ぐためパッキン、好ましくはO−リングを介在させるのが良い(請求項8)。
【0011】
請求項9に記載の目的に沿う本発明の冷凍庫は、冷凍庫に内装された回転体と該回転体を回動自在に内装するカバーとを具備する冷凍食品収納体であって、該カバーの下端には、冷凍食品を冷凍庫外に取り出す開口が形成され、前記回転体の外周には、多数の冷凍食品収容室が形成され、該冷凍食品収容室が前記開口の位置で停止すると、この開口と連通する冷凍庫の開口を弁で開いて、冷凍食品を1個づつ自動的に取り出すことを特徴とする(請求項9)。
【0012】
前記回転体は、回転軸の外側に水車状に多数の隔壁を立設し、前記回転軸の外周に多数の前記隔壁と交差(好ましくは直交)するリング状隔壁を、両隔壁間で冷凍食品収納庫を形成するように設けるのが、冷凍食品を多数収容できることから好ましい(請求項10)。
【0013】
請求項11に記載の発明の目的に沿う本発明の構成は、冷凍食品を1個づつ下端の開閉し得る開口から自動的に取り出す冷凍庫と、取り出した冷凍食品を解凍する解凍蒸上器と、該解凍蒸上器内に蒸気を噴出する蒸気発生器と、解凍蒸上げ後食品容器の上方に前記解凍蒸上器を移動させる通路と、該通路の解凍蒸上器と食品容器との対向部に形成された投入口とを具備し、該解凍蒸上器が該投入口上に停止すると、解凍蒸上器の底部が開いて、前記投入口から解凍蒸上げした食品を前記食品容器に落下させる解凍装置と、スープ類を攪拌混合する容器と該容器の下端開口に連通するスープ類を一定量吐出する定量弁とを具備するスープ類の小分け装置とを具備し、前記解凍蒸上した食品を収容する食品容器に、前記定量弁が開いてスープ類を吐出することを特徴とする(請求項11)。
【0014】
前記定量弁は、前記容器の下端開口に連通する吸引口と小分け充填する容器への吐出口とを有し、先端が閉鎖した円筒状内面を有する定量切出弁本体と、該定量切出弁本体に回動自在に嵌合させた内筒と、該内筒内に摺動自在に嵌合させたピストンと、前記内筒に形成された貫通孔とを具備し、該内筒の貫通孔が前記定量切出弁本体の吸引孔と連通すると、前記ピストンは後退して内筒内に所定量の具入りスープ類を充填し、前記内筒の貫通孔が前記定量切出弁本体の吐出孔と連通すると、前記ピストンは前進して、前記連通した吐出孔から具入りスープ類を吐出するように構成するのが好ましい(請求項12)。
【0015】
前記スープ類を攪拌混合する容器の重量を測る秤と、一定の重量に減じたことを該秤が検知すると、モータのオン信号を発し、このオン信号でスープ類を攪拌しながら収容した容器の移送ポンプをオンし、具入りスープ類を配管を通して、前記スープ類を攪拌混合する容器内に一定量注入充填し、一定量注入充填すると、前記秤がこれを検知しオフ信号を発して前記移送ポンプをオフするように構成するのが好ましい(請求項13)。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、−20℃程度の冷凍食品を1分以内の短時間で解凍蒸上げして食することができるので、この解凍装置を内装すれば、冷凍固形食品を解凍して食用に供する待ち時間の短い食品の自動販売機とすることができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、多数の商品を冷凍庫内に収容し、これを1個づつ容易に取り出すことができるので、これを使用すれば長時間の品切れを防止できるから、解凍して食用に供する無人の自動販売機として極めて好適である。
また、請求項11に記載の発明によれば、解凍した食品に、具入り液状物若しくは液状スープを容易に混ぜた食品を提供できるので、カレーライス、ラーメン、パスタ等の従来に無い自動販売機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の自動販売機の内部の状態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の自動販売機の内部の状態を示す概略側面図である。
【図3】本発明の冷凍庫の内部の状態を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の解凍装置の斜視図である。
【図5】本発明の解凍蒸上げ状態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の自動販売機の調理の全工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の自動販売機の内部構造を示すものであり、図3は、本発明の冷凍庫の内部構造を示す斜視図である。
冷凍庫1内には、冷凍食品収納体2が内装されている。冷凍食品収納体2は、図3に示すように、回転軸(車軸)3の外側に水車状に多数の隔壁4を立設し、前記回転軸3の外周に前記隔壁4と交差(好ましくは直交)する隔壁5を、両隔壁間で冷凍食品収納庫7を形成するように一定の間隔で多数設けた水車状回転体18と、該回転体18を内装するカバー8とから形成されている。水車状回転体18は、駆動モータ9を回転させ、伝達ベルト10を介して車軸3を回転させることにより回転するようになっている。尚、カバー8は、冷凍庫1に固定され回転しないようになっており、下端は開口し、冷凍食品収納庫7と開閉弁11とが接している。
【0019】
冷凍庫の底板には、板状の取出し開閉弁11で開閉できるようにした冷凍食品6を取り出す開口が間隔付けて形成され、開閉弁11で該開口を開くと、冷凍食品収納庫7から冷凍食品6が案内体(取り出しシュート)12内を内部のスロープを滑って落下し、移送コンベヤ13で搬送されるようになっている。
開閉弁11は、シリンダー14によって前進・後進し、リニアガイド15に嵌合して閉じるようになっている。
【0020】
上記実施例では、冷凍食品収納庫7は、車軸3の外側に水車状に多数の隔壁4を形成し、前記車軸3の外周に多数の前記隔壁4と交差(好ましくは直交)する隔壁5を形成することにより形成されている。
開閉弁11及び冷凍食品を取出す冷凍庫底板の開口は、長さ方向の冷凍食品収納庫7の数(上記実施例では6個)だけ設けられ、最初に第一の円周方向の冷凍食品収納庫7からの冷凍食品6を、次の冷凍食品収納庫7が下端にくるだけの僅か(1収納庫7の長さ)ずつ回転させ、全部(図3の実施例では25個)取り出すと、次に長さ方向2列目の冷凍食品収納庫7から、2列目の開閉弁11を使用して取り出す。
【0021】
このようにして、冷凍食品6を全部取り出すと、図3に示すように、カバー8の冷凍食品収納用開閉扉16を開けて、冷凍食品収納庫7に冷凍食品6を1個づつ収容する。全部収容したら、水車状回転体18を90°位回転させて同様に収容し、順次同様に回転させて同様にして全部の冷凍食品6を収容する。尚、図中17は、冷凍庫扉であり、19は、上端の冷凍庫スライド扉である。
【0022】
このようにして、コンベア13で運ばれた冷凍食品6は、図1に示すように解凍蒸上器20内に落下する。同時に開閉扉21が断面凹状のリニアガイド22,22´に案内されて水平方向に移動し、解凍蒸上器20上端開口を密閉し、解凍蒸上器20内に蒸気を噴出させて、解凍、蒸上げする。
解凍蒸上器20は、後部に連結されたシリンダー23の前進・後進運動により、通路24上を前進・後進するようになっている。
図6に示すように、冷凍食品6が案内体(取り出しシュート)12内を内部のスロープを滑って直接通路25上の解凍蒸上器20内に落下させることも出来る。このようにすれば、コンベア13を不要とすることが出来る。
【0023】
解凍蒸上器20両側部上端には、断面凹状のリニアガイド22が連結され、解凍蒸上器20が蒸気発生器上にあるときは、解凍器開閉扉21のシリンダー25による前進・後進を案内する断面凹状のリニアガイド22´と連通し、解凍器開閉扉21が前進して解凍蒸上器20を密閉するようになっている。解凍蒸上器20底部は、金網26で形成され、蒸気は金網26を通して解凍蒸上器20内に噴出するようになっている。これは、金網でなく、蒸気が自由に噴出入する多孔板であれば差し支えないが、金網で形成するのが、蒸気が瞬時に噴出し、水切れも良いことから好ましい。
【0024】
蒸気発生器と解凍器底面外周部とが接する部分には、蒸気の漏れを防ぐためO−リング(パッキン)27を介在させている。
図5に示すように、蒸気発生器28は、四角形の凹部29を形成した四角形の金属製蒸気化容器30と、該容器30上端に連設した底面に縦に細長い蒸気噴出孔31を形成した四角形の鋳物製蒸気供給器32とから形成されている。蒸気化容器30には、凹部29に達するように給水管33が貫挿し、シーズヒータ34が埋設されている。ヒータ34は、250℃程度になるように、自動的にオン・オフするように制御されている。
【0025】
給水タンク35からの水は給水制御自動弁36で制御され、1回に例えば3〜7cc程度の所定量給水管33から投入され、金属製蒸気化容器30で瞬時に気化し、蒸気噴出孔31から蒸気供給器32に噴出して金網26を通った蒸気は、冷凍固形食品6を解凍する。解凍により生成した水は、蒸気供給器32に形成したドレン出口37から外部に放出される。
給水管35から金属製蒸気化容器30内へ供給する水の量及び回数は、冷凍食品に応じて予め決めておくが、一般には3〜7cc前後、2〜5回前後で充分である。
上記のような蒸気発生器を使用することによって、冷凍食品を極めて短時間で解凍蒸上げすることができる。
【0026】
上記のように解凍蒸上げが終わった解凍蒸上器20は、図1に示すように、シリンダー23に押されて通路24上を前進し、食品容器39上部の対向位置の投入口38上に来ると停止する。解凍蒸上器20底部の金網26は、金網後端で蝶番により連結されているだけなので、投入口38を落下するように開いて、解凍蒸上げした食品は容器39中に落下する。
【0027】
それから解凍蒸上器20は、シリンダー23により引っ張られて後進すると、金網26は通路(金網用レール)に当たって上昇し、元の位置に復帰し、解凍蒸上器20は、元の位置(案内体12の下又はコンベアの下)に停止する。
図4の実施例では、レール(通路)24´上を解凍蒸上器20が前進・後進するようになっている。図示していないが、レール24´の内側対向面の図1の開口38に相当する部分より後ろに、金網用レールが設けられている。従って、金網26は、食品容器39上部に達するまでは、金網用レールに乗っているので開かないようになっている。
【0028】
上記のように解凍蒸上げした食品は、食品によっては、そのまま客に供することもできる。冷凍食品には、予め冷凍野菜、冷凍肉或いは調味料等を混入させることも出来るからである。しかしながら、通常は、以下に述べるように、これにスープ類を投入するのが、種々の調理品を提供できることから好ましい。
【0029】
上記のように食品容器39内に解凍蒸上げした食品が投入されるとそれから予めプログラミングされているようにモーターのオン、オフが行われて、図1及び図2に示すように、スープ類を収容した容器40から、定量弁41に一定量のスープを収容し、定量弁41の吐出口からパイプ42を通って容器39に一人前のスープ類が注入される。麺類の場合は、単なる具を含まないスープを投入する場合もあるが、その場合は、単に弁41が一定量投入するように開閉するだけでよい。尚、図1においても、図2のように定量弁の吐出口にはパイプ42が連結されているが、図1では省略した。
【0030】
しかしながら、スパゲッテイ、カレーライス、中華丼、湯麺などの場合は、具入りスープを投入する。
この場合は、定量弁41を、容器1の下端開口に連通する吸引口と小分け充填する容器への吐出口とを有する先端が閉鎖した円筒状の内面を有する定量切出弁本体と、該定量切出弁本体に回動自在に嵌合させた内筒と、該内筒内に摺動自在に嵌合させたピストンと、前記内筒に形成された貫通孔とを具備し、該内筒の貫通孔が前記定量切出弁本体の吸引孔と連通すると、前記ピストンは後退して内筒内に所定量の具入りスープ類を充填し、前記内筒の貫通孔が前記定量切出弁本体の吐出孔と連通すると、前記ピストンは前進して、前記連通した吐出孔20から具入りスープ類を吐出するように構成すると良い。
【0031】
容器の下には、小分け装置の重量がかかるロードセル(秤)43が配置されている。容器内のスープ類が、予め設定した一定の重量に減ずると前記ロードセル43から発したオン信号で具入りスープ類を攪拌機47で攪拌しながらIHヒーター47で保温収容したストレージホッパー44のスープ移送ポンプ45をモータで駆動し、具入りスープ類を配管46を通して、継ぎ足し開口口から攪拌混合する容器内に一定量注入充填する。ロードセル43が一定の重量になったことを検知すると、オフ信号を発し、モータ、移送ポンプ45は停止する。
このようにすることによって、容器内のスープは、ストレージホッパー44内のスープ類が空になるまで、無くなりかけると自動的に充填される。
【0032】
次に、上記装置を使用し、パスタ、ラーメン、カレーライス等を調理する自動販売機の作用を説明する。
図6(A)は、取出と移送工程を示すもので、冷凍庫内の冷凍食品収納体2の水車状に多数形成した冷凍食品収納庫17から、冷凍庫下端の開口を弁で開くと、冷凍食品6が案内体(取り出しシュート)12内を内部のスロープを滑って通路24上の解凍蒸上器20内に落下する。
【0033】
それから、シリンダー23により解凍蒸上器20を蒸気発生器28上に移送し、図6(B)に示すように、解凍と蒸上げを行う。解凍蒸上器20が蒸気発生器28上の所定の位置で停止すると、解凍器開閉扉21がリニアガイド22に案内されて前進し、解凍器開閉扉21が解凍蒸上器20を密閉する。同時に所定量の水が給水管33から高温(250℃程度)の金属製蒸気化容器30内に投入され、瞬時に水は気化し、蒸気噴出孔31から蒸気供給器32に噴出して金網26から解凍蒸上器20内に噴き出した蒸気は、冷凍固形食品6を解凍する。解凍により生成したドレインは、蒸気供給器32に形成したドレイン出口37から外部に放出される。この蒸気噴出工程を数回繰り返す。
【0034】
解凍蒸上が終わると、解凍蒸上器21は、シリンダー23に押されて通路(レール)24上を前進し、食品容器上部の対向位置の開口38上に来ると停止し、金網26は投入口38を落下するように下方に開いて、解凍蒸上げした食品は容器39中に落下する。
上記のように食品容器内に解凍蒸上げした食品が投入されると、スープ類を収容した容器40から、定量弁41に一定量のスープ類を収容し、定量弁41の吐出口からパイプ42を通って容器39に一人前の具入りスープが注入される。
このようにして、パスタとパスタソースを混入したり、ラーメンの麺とスープを混入したり、ライスとカレースープを混入したりして、パスタ、ラーメン、カレーライス等の調理品を自動販売機で供することができる。
【0035】
容器40内のスープ類が予め設定した一定の重量に減ずるとロードセル43から発したオン信号で具入りスープ類を攪拌しながら収容したストレージホッパー44の移送ポンプ45をモータで駆動し、スープ類を配管46を通して、継ぎ足し開口口から攪拌混合する容器1内に一定量注入充填する。ロードセル43が一定の重量になったことを検知すると、オフ信号を発し、モータ、移送ポンプ45は停止する。
このようにすることによって、容器40内のスープは、ストレージホッパー44内のスープ類が空になるまで、無くなりかけると自動的に充填される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、パスタ、ラーメン、カレーライス等の本格的調理品を世界で初めて自動販売機で供することに成功したものであるから、新しい食事形態を提供することができる。
【符号の説明】
【0037】
1・・・・・・・・・・・冷凍庫
2・・・・・・・・・・・冷凍食品収納体
7・・・・・・・・・・・冷凍食品収納庫
11・・・・・・・・・・取出し開閉弁
12・・・・・・・・・・案内体(取り出しシュート)
18・・・・・・・・・・水車状回転体
20・・・・・・・・・・解凍蒸上げ器
24・・・・・・・・・・通路
24´・・・・・・・・・レール(通路)
26・・・・・・・・・・金網
27・・・・・・・・・・Oーリング
28・・・・・・・・・・蒸気発生器
30・・・・・・・・・・蒸気化容器
33・・・・・・・・・・給水管
34・・・・・・・・・・シーズヒータ
38・・・・・・・・・・投入口
39・・・・・・・・・・容器
41・・・・・・・・・・定量弁
43・・・・・・・・・・ロードセル
44・・・・・・・・・・ストレージホッパー








【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍食品を1個づつ下端の開閉し得る開口から自動的に取り出すことができる冷凍庫と、取り出した冷凍食品を解凍する移動し得る解凍蒸上げ器と、該解凍蒸上器内に蒸気を噴出する蒸気発生器と、解凍蒸上げ後食品容器の上方に前記解凍蒸上器を移動させる通路と、該通路の解凍蒸上器と前記食品容器との対向部に形成された投入口とを具備し、該解凍蒸上器の底部を開いて、前記投入口から解凍蒸上げした食品を前記食品容器内に落下させることを特徴とする解凍装置。
【請求項2】
前記冷凍食品を前記冷凍庫の開口を開いて案内体(取り出しシュート)を介して、直接若しくは移送した後、前記解凍蒸上器中に落下させ、該解凍蒸上器を蒸気を噴出する蒸気発生器上に位置させる請求項1記載の解凍装置。
【請求項3】
前記解凍蒸上器上端開口は、自動開閉扉で密閉し得るように形成され、前記冷凍食品が投入されて、前記蒸気発生器上に位置すると、その位置で水平方向に前進・後進する自動開閉扉で閉まるように構成する請求項1又は2記載の解凍装置。
【請求項4】
前記解凍蒸上器の底部は、進行方向後端で、開閉自在に連結されている請求項1〜3のいずれかに記載の、解凍装置。
【請求項5】
前記解凍蒸上器の底部は、多数の蒸気の噴出する孔を形成した底部に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の解凍装置。
【請求項6】
前記蒸気発生器は、内部に蒸気化する水を注入する給水管を貫挿させ、ヒーターを埋設した金属製蒸気化容器と、該容器上端に連設した底部に蒸気噴出口を形成した解凍蒸上器への蒸気供給器を具備する請求項1〜5のいずれかに記載の解凍装置。
【請求項7】
前記蒸気供給器の側壁には、解凍により生じた水を排出するドレインが形成されている請求項6に記載の解凍装置。
【請求項8】
前記蒸気発生器と前記解凍蒸上器底面外周部とが接する部分には、パッキンが介装されている請求項1〜7のいずれかに記載の解凍装置。
【請求項9】
冷凍庫に内装された回転体と該回転体を内装するカバーとを具備する冷凍食品収納体であって、該カバーの下端には、冷凍食品を冷凍庫外に取り出す開口が形成され、前記回転体の外周には、多数の冷凍食品収容室が形成され、該冷凍食品収容室が前記開口の位置で停止すると、この開口と連通する冷凍庫の開口が弁で開いて、冷凍食品を1個づつ自動的に取り出すことを特徴とする冷凍食品収納体。
【請求項10】
前記回転体は、回転軸の外側に水車状に多数の隔壁を立設し、前記回転軸の外周に多数の前記隔壁と交差するリング状隔壁を、両隔壁間で冷凍食品収納庫を形成するように設ける請求項9記載の冷凍食品収納体。
【請求項11】
冷凍食品を1個づつ下端の開閉し得る開口から自動的に取り出す冷凍庫と、取り出した冷凍食品を解凍する解凍蒸上器と、該解凍蒸上器内に蒸気を噴出する蒸気発生器と、解凍蒸上げ後食品容器の上方に前記解凍蒸上器を移動させる通路と、該通路の解凍蒸上器と食品容器との対向部に形成された投入口とを具備し、該解凍蒸上器が該投入口上に停止すると、解凍蒸上器の底部が開いて、前記投入口から解凍蒸上げした食品を前記食品容器に落下させる解凍装置と、スープ類を攪拌混合する容器と該容器の下端開口に連通するスープ類を一定量吐出する定量弁とを具備するスープ類の小分け装置とを具備し、前記解凍蒸上した食品を収容する食品容器に、前記定量弁を開いてスープ類を吐出することを特徴とする自動販売機。
【請求項12】
前記定量弁は、前記容器の下端開口に連通する吸引口と小分け充填する容器への吐出口とを有し、先端が閉鎖した円筒状内面を有する定量切出弁本体と、該定量切出弁本体に回動自在に嵌合させた内筒と、該内筒内に摺動自在に嵌合させたピストンと、前記内筒に形成された貫通孔とを具備し、該内筒の貫通孔が前記定量切出弁本体の吸引孔と連通すると、前記ピストンは後退して内筒内に所定量の具入りスープ類を充填し、前記内筒の貫通孔が前記定量切出弁本体の吐出孔と連通すると、前記ピストンは前進して、前記連通した吐出孔から具入りスープ類を吐出する請求項11記載の自動販売機。
【請求項13】
前記スープ類を攪拌混合する容器の重量を測る秤と、一定の重量に減じたことを該秤が検知すると、モータのオン信号を発し、このオン信号でスープ類を攪拌しながら収容した容器の移送ポンプをオンし、スープ類を配管を通して、前記スープ類を攪拌混合する容器内に一定量注入充填し、一定量注入充填すると、前記秤がこれを検知しオフ信号を発して前記移送ポンプをオフするように構成する請求項11又は12記載の自動販売機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−231678(P2010−231678A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80776(P2009−80776)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(509090265)
【Fターム(参考)】