説明

冷凍食品及びその製造方法

【課題】電子レンジで容易に加熱解凍できる、冷凍食品の厚みが4cm以上ある、冷凍食品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水を含浸した例えば杉のスライス板、竹皮の天然素材包装体を用いて、固形あるいはゾル状ゲル状の調理済み食品を包装し、さらにこれをプラスチックフィルム製の袋に入れて減圧包装して冷凍保存しその内容量が300g以下であることを特徴とす、一体として冷凍し電子レンジで加熱することができる冷凍食品及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水を含浸した天然素材で包装された冷凍食品の製造方法に関する。より詳しくは、電子レンジで容易に加熱解凍できる、冷凍食品の厚みが4cm以上ある、冷凍食品及びその製造方法である。
【背景技術】
【0002】
特開平9−165067に(以下特許文献1という)に、「本発明において熱湯表面と蓋底部に形成する空間部の深さには特に限定はないが、解凍容器全体の容量、加熱率および
マイクロウエーブの照射深度が通常2cmであること等を鑑みると2cm以下であるのが好ましく、より好ましくは0,5〜2cm、さらに好ましくは1〜2cmの範囲である。また蓋部に収容される冷凍米飯の厚さも同様の理由から少なくとも4cm未満にするのが好ましく、より好ましくは2cm程度である。
本発明において冷凍米飯を収容する蓋底部すなわち蓋の空間部側にはすくなくとも1個の微細孔を設けることができる。
微細孔を設けることにより、蓋部内に蒸気を供給し、冷凍米飯の調理時間を短縮することができる。微細孔の数を多くするほど、また孔径が大きいほどその効果が大きくなるが、汁物の匂いが米飯に移ったり、解凍前に蓋部の冷凍米飯が容器本体にこぼれる等の問題が生じるため適宜選定するのが好ましく、例えば0,1〜2mm程度の数個の微細孔が設けられる。
本発明に用いられる麺類としては、ラーメン等の中華麺、かけ蕎麦等の蕎麦類、うどん類等を挙げられる。これらの麺類を冷凍する方法には特に制限はないが、湯で揚げた麺類の粗熱をとって冷凍する際にレシチン液やゼラチン液を吹き付けて冷凍することが好ましい
このような方法によれば、粗熱をとった後の麺同士の粘着が防止され、冷凍麺中の氷結部分を少なくできるため、解凍時の過熱の時間が短縮でき、かつコシのある麺類を得ることができる(特許文献1の段落番号第0010段から第0010段落)。」の記載がある。
【0003】
特開2002−291456号(以下特許文献2という)の課題を解決するための手段に以下の記述がある。
「そこで冷凍材料の容積よりも、大きめのサイズの袋に冷凍材料を密閉して、この袋のままチンしても適度の蒸気量と蒸気圧が袋内に充満して、残りの余分な蒸気、水分と余分な圧力は加熱スタート時から袋の外に出るようにすればよい。
それも、冷凍材料を密閉した袋を置いた状態で、袋のおもて面の一番、高い部分に圧力調節ピンホールをつけることで、調理時に蒸気はエントツ効果でこの一番、高い部分からスムーズに外に出て行く。エントツ効果で蒸気が結露しにくいのである。もちろん、冷凍材料の形、柔らかさ、硬さにあわせて、圧力調節ピンホールの位置を変更する。例えば、ようかんゼリー状の材料だと、加熱で膨張して、圧力調節ピンホールをふさいでしまう可能性がある。この場合は、材料の膨張範囲外に圧力調節ピンホールをつけなければならない。」
さらに発明の効果に以下の記載がある。
「冷凍状態の蒸かし菓子でも、常温の蒸かし菓子でも、魚の酒蒸しでも、せいろで、蒸した状態に調理できる。液体が入っていても、冷凍状態だと、圧力調節ピンホールから液体がもれる心配がない。特殊な袋でなくても、最初から、圧力調節ピンホールをつけておけばよい。もともと、ごみになる袋である。そんなものにコストをかける必要はない。袋のおもて面にしか圧力調節ピンホールが付いていないから、袋のままチンしても、解けた液体は袋の内側にたまり、こぼれることはない。例えば、山陰で有名な松葉がにを、生のまま、一人前づつの量を、この袋に詰めて冷凍して流通すれば、消費者は電子レンジで袋のまま、蒸しがにを、大変便利においしく食べられる。これにより、冬場のかにすき、だけの料理だけでなく、夏場でも消費拡大につながる。また、例えば、離島の魚介類は、輸送の問題で、鮮魚は出荷できないが、この加工形態だと、めずらしい魚を、一人前づつ、この袋に挿入し冷凍して消費地に送ることができる。冷凍した魚介類もこの形態の効果で、味を損なうことなく旬のまま食べられる。これにより、離島の活性化につながればよい。それくらい、この形態の調理は一般に受ける簡単、便利で、おいしい袋のまんまチンで冷凍食品をよりおいしくするのである。」
特開2000−201661号(以下特許文献3という)に、「冷凍食品の対象となる食品11は、その種類や製法に特に限定はなく、一般に冷凍食品として流通している各種食品
例えば、白飯、ぴらふ、おにぎり、オムライスのような米飯類、ハンバーグ、ミートボールのようなハンバーグ類、焼売、肉まん、焼きそば、たこ焼き、各種惣菜、コロッケ、白身魚フライ、から揚げ、春巻き、ドーナツのようなフライ類、ドリア、グラタン、ホットケーキ類の各種食品を対象とすることができ、その大きさや形状にも限定はない(段落番号0011)。
また、冷凍処理は、食品の種類により、ひねり包装を行う前あるいは後のいずれでも可能であるが、一般的には、食品を凍結処理してからひねり包装することが、工業的にこのましい。さらに、冷凍食品の解凍方法も任意であり、電子レンジ回答、自然解凍、蒸気解凍等の周知の解凍方法で解凍や加熱を行うことができるが、特に、上述のひねり包装冷凍食包材10としては、包装する食品の種類や状態に応じて、各種食品用包材として用いられ手に入る各種の素材を使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビリニデンのような合成樹脂フィルムまたはシート、紙、合成樹脂製不織布等を使用することができる(段落番号0013)。
冷凍食品の周囲ながさ(周長)に対する割合では、周長の2/3〜1/20の範囲、好ましくは1/2〜1/10の範囲、特に、1/3から1/10の範囲が最適である。重なり代の割合が2/3を超えると蒸気が逃げ難くなり、食品も取り出し難くなる。また、1/20未満だとひねり包装が緩んで中味の食品が露出したり、飛出したりするおそれがある(段落番号0015)。
一方、具体的な重なり代Rの寸法は、食品の大きさや柔らかさなどにもよるが、一般的に
市場に流通している冷凍食品の大きさ及び形状においては、その中央部の最小の重なり代が3〜100mm、好ましくは10〜60mm、さらに好ましくは15〜40mmであり、前記割合の範囲でこの寸法範囲に設定することが好ましい、この場合も、重なり代が3mm未満では食品が露出したり、飛出したりするおそれがあり、100mmを超えると食品を取り出し難くなる(段落番号0016)。」の記載がある。
特開2005−58150号(以下特許文献4という)に、「マイクロ波の照射による解凍は、一般家庭でも電子レンジ解凍として知られ利用されているが、マイクロ波が食品の内部にまで浸透してここで発熱することから、食品内部からの急速な解凍が可能になる。
しかしながら、マイクロ波の特異な吸収特性により、食品内の温度分布が不均一になり易いという欠点がある。すなわち、マイクロ波は食品の内部にまで浸透して主に水分子に吸収されるが、冷凍状態では大部分の水が氷状態にあり、マイクロ波の吸収が極端に小さくなっている。ここで食品の一部が解凍状態になって水が存在するようになると、マイクロ波は集中的にこの解凍部分に吸収され、ここを加熱することになるから、食品内で著しい温度ムラを生じる場合があった。特に冷凍食品がマグロのような水分の多い生魚の場合、
従来の電子レンジでは、放射されたマイクロ波を受けると同時に常温状態の庫内壁からの放射熱、伝導熱も受けて食品の表面が最初に解凍され、特にその先端部分はマイクロ波を集中的に受け解凍され易いという特性を有する。その結果、先に解凍された末端部分に上記の通りマイクロ波の吸収が集中的に生じて、末端部分が過加熱(いわゆる端煮え)と状態となり易いものであった。」の記載がある。
特開2001−342354号(以下特許文献5という)の課題を解決するための手段に「上記の目的を達成するために、この発明は、形成品、食品容器、トレイ、鉢を少なくとも、こんにゃく粉と、植物性繊維の粉末と、水分からなる素材を使う」の記載がある。
【0004】
【特許文献1】特開平9−165067号公報
【特許文献2】特開2002−291456号公報
【特許文献3】特開2000−201661号公報
【特許文献4】特開2005−58150号公報
【特許文献5】特開2001−342354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には冷凍米飯の厚さは、一般にマイクロウエーブの照射深度が2cmであることから4cm未満にするのが好ましくより好ましくは2cmとされているように、冷凍食品の厚みを4cm以上にすることには問題がある。たとえば、市販おにぎりを冷凍し、これを家庭用電子レンジで解凍することは困難であることは周知の事実である。また、樹脂等でつくられた容器にいれられた市販の米飯の厚みが、4cmを超えるものはない。
特許文献3においても、「さらに好ましくは15〜40mmである。」としている。
【0006】
さらに、冷凍麺の氷結部分を少なくするためレシチン液やゼラチン液を使うとあるが、米飯にこれらを添加すると味覚等に影響を及ぼし、商品にならないという問題がある。
【0007】
特許文献2には、湿度の調整を圧力調整ピンホールで行なうとあるが、ピンホールの大きさが示されていない、袋には蒸気発生と同時に膨張するが数十秒の間では蒸気がスムーズには出て行かない。実際に試した場合、加熱不十分、破裂、過剰に乾燥する等不具合がおきる。どの時点で最良の仕上がりか分からない。
特許文献3には、電子レンジで加熱して解凍調理するときに水分保持が求められる食品の場合は、前記包材として蒸気不透過性の包材である合成樹脂フィルムまたはシート、紙、合成樹脂製不織布等を使用するとしている。
特許文献4に末端部分が過加熱(いわゆる端煮え)状態となり易いとあるように、揚げ物
炒め物、焼き魚などといった油脂分含有食材を、常温または冷凍状態で、長期保存可能にした油脂含有保存食品は、電子レンジで加熱すると、食材に含まれる水分(遊離水)が食材表面に付着して食感を低下(べトついた食感になる)する。
本発明は水を含浸した天然素材で食品を包装し長期保存ができ、いつでも、火も、水も、鍋も、皿も使わず電子レンジだけで簡単に短時間で調理ができ、食後の片付け、ゴミ捨てが容易で環境負荷の少ない良質な冷凍食品及びその製法を提供することにある。
包装体が良く水を含むこと、木質容器の場合電子レンジのマイクロ波の通過を妨げないこと、水を含んでも形を維持できること、マイクロ波を反射する金具を使わないこと、接着剤を使わないこと、木材の匂いを除くこと、板の重なりを少なくすること、圧力を受けても形が崩れないこと、衝撃に耐えること。主食材の厚みが4cm以上でも容易に家庭用電子レンジでも加熱解凍できること、副食材を載置した密接部分に氷結が生じないこと、食材の食感が低下しないこと、過剰に食材が乾燥しないこと、過剰に食材が水分を吸着しないこと、食材が硬くならないこと、食材が端焼けをおこさないこと、冷凍食品の加熱時間の曖昧さをなくし目で見てできあがりを確認できることの課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、鋭意研究の結果、水を含浸した天然素材包装体を用いて包装し、包装体と食品を一体として冷凍し、プラスチックフィルム製の袋に入れ減圧包装することにより上記課題を解決した。
すなわちマイクロウエーブの照射による加熱と共に、天然素材の含水が蒸発し、昇温により膨張する袋の圧力などにより、短時間での加熱調理が可能になり食材の食感が低下する前に調理を終えることができる。
さらに、主食材を高次構造の形態に形成すること、すなわち、主食材で少塊を造り、これらを天然素材包装体の中で嵩張るように高次構造に積み重ね、空隙のある低密度の形態とし空隙を発散する蒸気により加熱を速めることができる。
本発明でいう高次構造の形態とは、穀物類の一粒を一次構造とし、30〜40粒の、長径5〜20mmの不定形の形状の小塊として、これらの小塊を積み重ねて空隙の多い形態を形成したものである。
さらに、上記製造方法により主食材にうなぎの蒲焼、豚の角煮、ホタテ、鯛の酒蒸し等の副食材を載置した冷凍食品ができる。
さらに、天然素材包装体として木材のスライス板を使用し、水を含んで柔らかくなっても食材を入れたとき歪まない、袋に入れて減圧包装しても形が崩れない、衝撃に耐える、レンジのマイクロウエーブの通過を妨げにくい0,7〜1,5mmの木材のスライス板を噛み合わせて接着剤や留め具を使わず、加熱時の刺激臭を取り除いた包装体を用いることができる。
竹皮が柔らかくなるまで水を含ませることにより、包装体として使える。
本発明で使用する調理済み食品は固形あるいはゾル状ゲル状であり、動物性タンパク質を有する食物、あるいは海藻、野菜類、豆類、穀物類の加工品などの単品調理品あるいは混合調理品である。
本発明で使用する主食材は、穀物類をむし飯、炊飯したものであり、具体的には、米飯、餅米飯、おこわ、麦飯、混ぜ飯、あるいはこれらの飯(蒸炊飯ともいう。)に油脂入りのタレを混ぜ合せたもの(タレ飯ともいう。)である。
本発明で使用する天然素材包装体は、木材から製造した容器、具体的には、粘りがあり曲げに強く、−40〜+120度Cの温度に耐える木材を0,7mm〜1,5mmにスライスし、含水させ切込みを入れ(図8〜10)接着剤や留め具を使わずに部材を噛み合わせ(図11)水を含んでも圧縮包装に耐え形を崩すことがないワッパ容器、マダケ属の皮であり、モウソウダケの皮、マダケの皮が挙げられる。
本発明で使用するプラスチックフィルム製の袋は、気体透過率の小さいプラスチックのフィルムから造られた袋であって、ヒートシールできるものであり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸から造られた袋、あるいはラミネートフィルムから造られた袋が挙げられる。
本発明の冷凍食品の製造方法は、固形あるいはゾル状、ゲル状の調理済み食品を、水を含浸した天然素材包装体を用いて包装し、包装体が食品と一体として冷凍され、さらにこれをプラスチックフィルム製の袋に入れて減圧包装して冷凍保存しその内容量が300g以下であることを特徴とするものである。
本発明の冷凍食品は、高次構造の形態を形成した主食材が、上記製造方法で作られ、主食材の相対密度比率Djが65〜85であることを特徴とするものである。
本発明の冷凍食品は、高次構造の形態を形成した主食材に副食材を載置したものが、上記製造方法でつくられ、主食材の相対密度比率がDj65〜85であることを特徴とするものである。
本発明の冷凍食品は、調理済み食材が肉類、魚介類、野菜類、豆類、海藻類であり、または穀類の加工品であり、上記製造方法でつくられたものである
本発明の冷凍食品は天然素材包装体が杉のスライス板で側板と底板を噛み合わせた形態に加工され組み立てられた容器であって、上記記載の製造方法でつくられた上記記載の冷凍食品である。
本発明の冷凍食品は天然素材包装体が竹皮であって、上記記載の製造方法でつくられた上記記載の冷凍食品である。
【発明の効果】
【0009】
水分を含浸した天然素材で包装することにより、調理時間が短縮され食材の味覚など食感が低下しない冷凍食品を提供できる。
天然素材包装体の含水量を調節することで加熱後の食品の水分量を調節できる、
米飯等を高次構造の形態に形成することで、その厚さが4cm以下の制限を受けることなく、米飯を使った冷凍食品を提供できる。
米飯に様々な副食材を容易に載置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
〔冷凍食品の製造方法〕
水を含浸した天然素材包装体であるワッパ容器に入れられ高次構造の形態を形成した主食材の上に、適当量の副食材を載置し蓋をする、容器の乾燥を防ぐためラップフィルムで包み冷凍する。冷凍後、所定のプラスチックフィルム製の袋に入れる。この袋の容積からワッパ容器の容量を差し引いた容積の50〜20%を減圧しながらヒートシールして密封する。予め袋が風船状に脹れた時に主食材が最適温度約70度Cになるように、減圧量を設定する。これを再び−20度C以下で冷凍保存する。食するときは、袋ごと電子レンジ(500W以上)に入れて加熱昇温する。加熱昇温中に風船状に脹れた時を目視して電子レンジのスイッチを切る。
一方、竹皮で包装した冷凍食品の製造方法では、高次構造の形態を形成する温度が10〜20度Cであるので、次の点を考慮しながら、製造する。
温度を10〜20度Cにした、高次構造の形態を形成した主食材(例えば、米飯)に、3〜5度Cにした適当量の副食材(例えば、うなぎの蒲焼き)を載置する。素早く、水を
含む竹皮で図4〜6に示すような手順で包装する。これを所定のプラスチックフィルム製の袋に入れ、減圧しながらヒートシールして密封する。予め袋が風船状に脹れた時に主食材が最適温度約70度Cになるように、減圧量を設定する。これを−20度C以下で冷凍保存する。
【0011】
〔高次構造の形態の形成方法〕
蒸したまま、炊いたまま、またはタレをまぶした主食材を厚さ5〜30mmのシート状に成形し、冷却または冷凍する。これを不定形に砕く。圧搾空気、アイススティックを用いることができる。穀物類の種類により穀物の粒の大きさが異なるけれども、3〜40粒で、長径5〜20mmの、不定形の形状の、主食材の小塊をつくる。
また、タレ混ぜ飯の小塊の作り方を、米飯を例にして述べる。まんべんなく米飯の米粒にタレをまぶす。目視により、米飯の米粒にタレが覆うまで行う。
同時に扇風機や団扇などの風により冷却を行い、米飯の米粒に付着したタレの油脂が固まって、タレが粘着材の作用をして、米飯全体に粘性がでてきたら団子塊状にする。この米飯を直径40cmのアルミ製の容器に分ける。1つの大きな団子塊状の米飯をしゃもじ等を使って一人前に分ける。これをさらに刃で切るようにして、長径5〜20mmの、不定形の形状の、米飯の小塊をつくる。これらを図1(A)、(B),(C),に示す。
これら主食材の小塊を嵩張るように、できるだけ空隙ができるように、使用目的に応じた容器(容量VO,重量WO)に積み上げて、米粒の高次構造の形態を形成する。図2に示す。この形態の重量(Wj)を測定し、見かけの密度djを計算する。
併せて、炊きたての、もしくはタレをまぶしたままの主食材を同じ容器に入れて、重量(Wk)を測定し、見かけの密度dkを計算する。相対密度比率をDjとすると、次の関係式となる。
dj=(Wj−WO)/VO
dk=(Wk−WO)/VO
Dj=100*dj/dk=100*(Wj−WO)/(Wk−WO)
炊き立ての、タレをまぶした、もしくは具を混ぜた主食材、または使用目的によって選択されるものであるが、少なくとも40mmの厚みを必要とする場合には、65<Dj<85が好ましい。たとえば、米飯で厚み70mmのとき、Djが約75であれば、電子レンジ(500W)で約5分間の加熱で解凍できる。
【0012】
米飯粒にタレをまぶしたままの状態の米飯と、塊にした状態の米飯をそれぞれ同じ型の容器(L11cmxW7cmxH3,5cm)に入れて、それぞれの重さを計る。米飯粒にタレをまぶしたままの状態の米飯は155gであり、塊にした状態の米飯は120gである。その結果、相対密度比率はDj77,4である。
また、L11cmxW7cmxH7cmの容器に入れたときの重さは米飯粒にタレをまぶしたままの状態の米飯のとき400gであり、塊にした状態の米飯は300gである。相対密度比率Djは75である。
【0013】
さらに詳しく、米飯を例にして作業手順を述べる。炊いた米飯を扇風機や団扇などで40度C程度に冷やし、米飯の表面を乾燥させる。約3度Cに冷やした油脂を含むタレを、米飯2,800gに対してタレ210CCをかけて撹拌混合して、さらに冷却する。そしてまんべんなく米粒にタレをまぶす。目視により、米粒にタレが覆うまで行なう。同時に扇風機や団扇などの風により冷却を行い,表面を乾燥させる。
【0014】
さらに冷蔵庫に入れ20〜10度Cまで下げる。米粒に付着したタレの油脂が固まって、タレが粘着材の作用をして、米飯に粘性がでてきて団子塊状になったことを確認して、しゃもじ等を使って、その米飯を直径40cmのアルミ製容器の中で行い最も作業の行い易い分量に分ける。1つの大きな団子塊状の米飯を1人前に分ける。これをさらに刃で切るようにして、長径7〜20mm程度の、不定形の形状の、米飯の小塊をつくる。図1(A),(B),(C)、に示す。小塊がつぶれることのないように注意して、使用目的に応じた大きさの容器に入れる。これらの小塊を嵩張るように、できるだけ空隙ができるように、積み上げて形成する。図2に示す。その時の米飯は、通常の米飯に対してDj=65〜85の低密度にした。こうして得られた米飯は、その内部に沢山の空隙をもっている。形の整わない石を積み上げた石垣のように隙間が多く、内部に空気が多くある。厚み70mmの米飯を形成して冷凍しても、容易に加熱解凍できる。
【0015】
〔副食材の作成方法〕
副食材を蒸す、煮る、焼く、揚げる、炒めるなどして、タレを付けて、低温(5〜−40度C)で保存する。副食材の厚みは2〜10mmが好ましい。
うなぎの蒲焼きを例に作成方法を述べる。
生きた健康なうなぎを、目打ち釘を刺し、背割り、または腹割りする。うなぎの背皮に縫い針のように竹串を刺す。
耐熱ガラスを熱して遠赤外線をだすLPガス使用の焼付器(コンロ)の網にのせて焼き、白焼きをつくる。
白焼きにしたうなぎにタレを付けて、網焼きすることを数回繰り返して、蒲焼をつくる。
使用目的に応じた大きさに切り分ける。
アルミ製のトレイに入れて、ラップフィルムで全体を覆い、2〜5度Cに設定された冷蔵庫に入れて冷却し保存する。または、蒲焼きを急速冷凍して、乾燥しないように冷凍保存する。
【0016】
〔包装材の前処理方法〕
杉の薄板から作成されたワッパ容器を脱臭後2〜8時間水に浸して、その表面を水切りする。これを乾燥しないようにプラスチックフィルム製の袋を用いて冷蔵あるいは冷凍保管する。また、竹皮は良く乾燥した竹皮を購入する。破損したものや、汚れが付いたものをよく選別して取り除く。竹皮の厚み、長さ、幅を揃えておく。酸性水を貯めた水槽に浸して消毒をする。消毒をした後は、水道水で塩分を洗い流す。その後水槽に貯めた水道水に、10〜48時間浸す。そして十分竹皮に水分を含ませる。竹皮を水槽より取り出し、水切りをして、十分水分を含み柔らかくなったことを確認する。そして竹皮の元の硬く水を含みにくい部分を切除して、40〜50cmの長さの竹皮を得る。更に選別をして、包装用竹皮と結束用竹皮に分ける。包装用竹皮は冷凍庫にいれ、凍らせる。結束用竹皮は細く、5mm幅程度に竹串を用いて裂く。
【0017】
これら天然素材を容器として用いる。これらは冷凍時−40度C以下、加熱時120度C以上でも十分耐える上に、水分を多く含むことができる。加熱時その水分が袋の中で蒸発し
この蒸気が米飯の空隙を充満し、米飯の加熱時間を短縮することができる。また表面が乾燥した米飯に水分を取り戻す役割をする。一方これらの水分を少なくすると、例えば焼いて冷凍したアジの干物の場合、加熱後干物の上に浮いた水分をこれらが吸着して干物を乾燥した状態にする。
【0018】
竹皮に包まれた米飯とうなぎをプラスチックフィルム製の袋に入れて、ヒートシールしながら、70〜90%減圧した。食材によって加熱の時間が異なるため、袋の大きさと減圧の程度により、加熱調理の時間を設定する目安を得る。冷凍食品は70度Cが丁度良い食べごろである。加熱をすすめていくと袋の中は高温になり70度C程度で袋は膨張を始める。そして風船状になる。そこで、膨張を始めた時または風船状になった時、加熱を停止すればよい。このように、目で見て調理が完了したことを確認できる。加熱不足も過剰過熱もなかった。
【0019】
うなぎと米飯を別々に凍らせる。各々をラップで包み冷凍する。
また、別々の温度(5度C以上の温度差)のご飯とうなぎを一体で冷却すれば、加熱時に間に薄い氷は残らない。
【0020】
袋の厚さと袋の大きさと内容量を違えて試してみる。さらに圧縮の度合いを試してみる。組み合わせが多すぎて時間が掛かったが170g〜300gの内容量の時、最小の袋に入れて、60%〜70%程度に減圧包装して加熱する。袋が風船状に膨れた時が最も良い状態である。内容量に対して、袋の大きさと、袋の厚さを最小限にするように決定する。
これらのことから冷凍食品の調理加熱が、2分、あるいは、2分30秒程度の加熱などあいまいでなく、ハッキリと目で見てでき上がりがわかる冷凍食品ができる。
【実施例1】
【0021】
脱臭され組み立てられ、水を含浸したワッパ容器(図13)にタレ米飯300gを塊状にして石垣状に高さ60mmに積み上げた。−20度Cに冷凍してプラスチックフィルム製の袋に入れ真空包装機で70%に減圧包装し700Wの電子レンジで加熱した。水を含浸したワッパ容器より水蒸気を発生し袋内の温度は20度Cを超えてから急激に温度を上げ210秒後に、70度Cになり袋は膨張を始め風船状になった。
冷凍食品は70度Cが丁度良い食べごろである。風船状になった時加熱を停止した。目で見て調理が完結したことを確認できた。加熱不足も過剰過熱もなく、温度ムラはなく、食感の低下もなかった。調理時間も短縮できた。 袋の減圧の程度を調節して加熱調理の時間を設定することができた。中心部まで熱が行渡り美味しく食べることができた。
【0022】
米飯にうなぎを載せた場合、米飯うなぎ共に熱が行渡り、密接部が氷結することもなく中心部まで加熱されていた。米飯を入れず副食材だけの場合も同様に熱がいきわたり美味しく食べることができた。袋の膨張と共に食材も膨れ柔らかくなっていた。レンジ加熱の他に、セイロ蒸し加熱、流水解凍、自然解凍でも食べることができた。
【0023】
米飯150gにうなぎ40gを載置し水を含浸した竹皮に包み冷凍した。プラスチックフィルム製の袋(0,07mmx150mmx170mm)にいれて、真空包装機で70%に減圧してヒートシールした。−20度Cに冷凍されたうなぎ米飯を700Wの電子レンジに入れて加熱した。水を含み冷凍された竹皮は加熱時、減圧包装された袋の中で蒸気を発生した。レンジで加熱をすすめていくと袋内の温度は20度Cを超えてから急激に温度を上げ130秒後に、70度Cになり袋は膨張を始め風船状になった。
【0024】
他に、ハンバーグ、豚角煮、焼き鳥、ハム、ソーセージ、牛胆、鶏胆、ブリの照り焼き、鮭と鱸のムニエル、アジの干物、を副食材として同様に実施した、いずれも美味しかった。
【0025】
また、竹皮の水分を少なく調節して、焼いたアジの干物を包装して冷凍し袋に入れレンジで加熱した、アジの干物の上に浮いた水分を竹皮が吸着して乾燥した状態になっていた。
同様の方法で鶏のから揚げをワッパの水分を少なく調節して加熱した、やはり乾燥して美味しく、ベトベトした食感はなかった。天然素材包装体の水分含浸量を調節することで容器内の食品に天然素材包装体が水分を補給したり吸着したりすることができた。

【実施例2】
【0026】
常法で炊いた米飯を厚さ15mmと30mmのシート状に形成し、冷凍した。これをアイススティックで不定形に砕いた。これらの小塊を嵩張るように、できるだけ空隙ができるように、水を含んだ杉の薄板からつくられたワッパ容器(底辺の直径87mmx上辺の直径120mmx高さ70mm)に50mmの高さに積み上げて形成した、蓋をして、ポリエチレン袋(0,07mmx180mmx270mm)に入れて、ヒートシーラで少し減圧をしながら密封した。これを−40度Cに冷凍した。2日後取り出し、電子レンジで加熱し解凍状態を観察した。均一にほかほかとした米飯を得た。乾燥したポロポロした食感はなかった。
【0027】
7ミリメートルに角切した鶏肉と、笹切りにした牛蒡を入れてタレで煮詰め、具を作った。米飯700グラムに対して、具を160グラム、タレ20CCを加え撹拌混合して鶏飯の具をつくった。室温は15度Cであった。鶏飯を17度Cまで冷却して塊をつくり形成し、水を含浸したワッパに入れて冷凍して減圧密閉し電子レンジで加熱した。味も口あたりもよくおいしかった。形成した鶏飯の密度は、同一容器内で常法で炊いた米飯250グラムに対して、167グラムであった。Djは67であった。
〔比較例1〕
【0028】
常法で炊いた米飯を、小塊を作らず通常の方法で水を含浸した杉ワッパ容器に入れ冷凍した以外は、実施例1と同様にした。3分間加熱しても、5分間過熱しても解凍できなかった。
〔比較例2〕
【0029】
高次構造の形態を形成した米飯を水を含浸した杉ワッパ容器に入れないで直接プラスチックフィルムの袋に入れる以外は実施例2と同様にした。中心部が冷たい、不均一な解凍となった。さらに長時間電子レンジで加熱すると、角の部分が乾燥して硬くなった。
【実施例3】
【0030】
高次構造の形態に形成した米飯にうなぎの蒲焼を載置する以外は、実施例3と同様にした。載置した蒲焼と米飯が密接している箇所には氷結もなく、均一にほかほかとした鰻重であり、味も変化なく美味しかった。
〔比較例3〕
【0031】
水を含浸した杉ワッパ容器に入れ冷凍した以外は、実施例2と同様にした。うなぎと米飯の加熱時間は明らかに違った。米飯は解凍されたが、米飯に合わせるとうなぎは過加熱になり、うなぎに合わせると米飯は中心部が冷たかった。
【実施例4】
【0032】
蒸らした米飯800gをアルミ製ボールに移して、しゃもじでほぐしながら、扇風機や団扇をつかって温度を40度Cまで下げ、同時に蒸気を逃がして表面を乾燥させた。
約3度Cに冷やした油脂を含むタレを、米飯800gに対して60CCを
かけて撹拌混合して、さらに冷却した。そしてまんべんなく米粒にタレをまぶした。目視により、米粒にタレが覆うまで行なった。同時に扇風機や団扇などの風により冷却を行い、表面を乾燥させた。
【0033】
油脂を含む米飯を冷蔵庫に入れ18度Cまで下げた。米粒に付着したタレの油脂が固まって、タレが粘着材の作用をして、米飯に粘性がでてきて団子塊状になった。しゃもじ等を使って、直径40cmのアルミ製の容器の中で団子塊状の米飯を一人前に分ける。さらに刃で切るようにして、長径7〜20mm程度の、不定形の形状の、米飯の小塊をつくった。使用目的に応じた大きさの容器にいれ、通常の米飯に対して75%〜85%の低密度にした。このようにして得られた米飯は、内部に沢山の空隙をもっていて、形の整わない石を積み上げた石垣のように隙間が多く、内部に空気が多くある状態であった。
厚み70mmの米飯を形成して冷凍しても、容易に冷凍できた。
【実施例5】
【0034】
鶏肉、ひじき、油揚げ、人参、大豆を使って煮物を作った。他にキャベツ、アスパラ、玉葱、卵を使って卵とじを作った。アジ、大豆油、玉葱、ピーマンを使ってアジの南蛮漬けを作った。鶏のから揚げ甘酢からめを作った。これらの惣菜を、水を含浸した杉ワッパ容器に入れて冷凍しプラスチックの袋に入れて電子レンジで加熱した。いずれも美味しく食べられた。
【実施例6】
【0035】
側面に0,7ミリメートルの杉のスライス板、底と蓋に1,5ミリメートルの杉のスライス板を使って、木製のワッパをつくった(図12)。杉のスライス板は切断時、組み立て時、ヒビ割れの防止と曲げやすくするため、乾燥状態の2倍の重さになるまで、水を含ませた。紙のように柔らかくなった。
厚さ0、7ミリメートルの板を、ハサミを用いて扇形に切り側板を作り、側板を噛み合わせるため切り込みを入れた、さらに底板を止めるためカッターナイフを用いて穴をつくった(図8)。
厚さ1,5ミリメートルの板を、側板と噛み合わせるためイボ付き歯車形に加工し底板にした(図9)。
厚さ1,5ミリメートルの板を、円盤形に加工し、蓋をつくった(図10)。天然素材の杉のスライス板だけで接着剤や留め具を使わずに噛み合わせだけでワッパ容器をつくった(底辺87mmx上辺120mmx高さ70mm)(図11)。電子レンジ加熱の場合、マイクロウエーブの通過を妨げないように、板を薄く、板の重なりを少なくした。水を含み板が柔らかく食材を入れたとき形状を維持しにくい歪みが出る、袋にいれて圧縮したとき形が崩れる、冷凍したとき衝撃に弱い、強度不足を解決する方法として蓋を、落し蓋にして強度をあげた(図13)。十分水を含み、薄く、強度のあるワッパ容器ができた。
【実施例7】
【0036】
始め杉板は電子レンジでの加熱時、強い臭いを発した。そこで臭いの元を杉板の油脂分であると仮定し、杉板の油脂分を除くため、強アルカリ水に2日間で7回アルカリ水を交換して浸した。これで臭いが気にならない程度弱くなっていた。他に、お湯で20分間煮沸し3度繰り返してこれと同様の結果を得た。杉板の臭いをさら消すために、お湯を用いて緑茶、乾燥ヨモギ、レモングラス、柿の茶、エキスを抽出し、乾燥した杉板を入れて煮沸し板に浸透させた。それぞれの香りが加熱時、杉板の臭いを抑えていい香りをだした。
〔比較例4〕
【0037】
水を含まない板は加工時、ヒビ割れを起こしやすく失敗の確率が高かった、また含水率が低い場合も同様に失敗が多かった。
〔比較例5〕
【0038】
杉板を脱臭しない場合、単に水を含ませただけでは、レンジ加熱時、杉板の持つ独特の臭いが食品に移った。
〔比較例6〕
【0039】
杉板と杉板を接合するとき、糊や接着剤、留め金具、を使えなかった。糊や接着剤は水や熱で融解して食品に何かの影響を与える心配があった。金具はレンジのマイクロ波を反射してしまった。
【実施例8】
【0040】
乾燥した竹皮を購入し酸性水で消毒して水槽にためた水に48時間浸した。柔らかくなったことを確認して米飯を竹皮の中心で縦方向へ置いた(図3)。うなぎの蒲焼きを、背を下にして米飯にのせた(図4)。竹皮を折り、米飯とうなぎの上にかぶさるように折り曲げた(図5−A)。折り曲げた竹皮を指で軽く押さえ、頭頂部より折り曲げた竹皮を重ねた(図5−B)。米飯とうなぎに密着するように指で挟んで、両端を折り曲げ米飯とうなぎに密着させた。立ち上がり部分の竹皮を折り込んだ(図6)。米飯とうなぎの下に敷いた部分の竹皮を上の方向に向けて、密着するようにかぶせた。左右両面を仕上げ、長方体を完全に包み込んだ。そして、横方向に全体を竹皮の紐でまいて、上部中央で結束した(図7)。竹皮は−40〜+120度C以上でも十分耐える上に、水分を多く含むことができる。加熱時その水分が袋の中で蒸発し、この蒸気が米飯の空隙を充満し、米飯の加熱時間を短縮した。また表面が乾燥した米飯に水分を取り戻す役割をするので竹皮の柔軟性は米飯を包むとき、その形通りに隙間をつくらず包装できた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】タレを混ぜ米飯を不定形の小塊にしたものでの概念図である。AからCに寸法が大きくなる。
【図2】小塊にした米飯を高次構造の形態に形成した状態を表した図である
【図3】竹皮の上に高次構造の形態に形成した米飯を置いた状態を表した図である。
【図4】竹皮の上で、主食材の上に副食材を載置した状態を表した図である。
【図5】主食材と副食材を竹皮に包み込む方法を表した図である。
【図6】主食材と副食材を竹皮に包み込む方法を表した図である。
【図7】結束用竹皮を用いて上部中央で竹皮を結束した状態を表した図である。
【図8】杉のスライス板を用いて側板をつくり扇形に切断して切り込みをいれた図である。
【図9】杉のスライス板を用いて底板をつくり、歯車形に切り込みを入れ固定のイボつけた図である。
【図10】杉のスライス板を用いて落し蓋をつくり、上蓋用板に取手を付けるため穴を開けた図である。
【図11】ワッパ容器を噛み合わせて組み立てた図である。
【図12】ワッパ容器にタレ飯を高次構造の形態に形成し、うなぎを載置した図である。
【図13】ワッパ容器に落し蓋をした図である。
【符号の説明】
【0042】
(符号T1)竹皮の頭頂部。
(符号T2)竹皮の元部。
(符号T3)水を含浸した竹皮。
(符号T4)高次構造の形態に形成された米飯。
(符号T5)米飯に載置されたうなぎの蒲焼き。
(符号T6)竹皮でつくった結束用の紐。
(符号T7)結束用の紐の結び目。
(符号T8)側板の噛み合わせの雌部。
(符号T9)底板と側板の噛み合わせの雌部。
(符号T10)側板の噛み合わせの雄部。
(符号T11)底板と側板の噛み合わせの雄部。
(符号T12)竹紐を穴に通してつくる、蓋の取手用の穴。
(符号T13)高次構造の形態に形成された米飯。
(符号T14)米飯に載置されたうなぎの蒲焼き。
(符号T15)落し蓋の取手。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形あるいはゾル状ゲル状の調理済み食品であって、水を含浸した天然素材包装体を用いて包装し、包装体が食品と一体として冷凍され、さらにこれをプラスチックフィルム製の袋に入れて減圧包装して冷凍保存しその内容量が300g以下であることを特徴とする冷凍食品の製造方法。
【請求項2】
高次構造の形態を形成した主食材が、請求項1記載の方法でつくられ、主食材の相対密度比率Djが65〜85であることを特徴とする冷凍食品。
【請求項3】
高次構造の形態を形成した主食材に副食材を載置したものが、請求項1記載の方法でつくられ主食材の相対密度比率Djが65〜85であることを特徴とする冷凍食品。
【請求項4】
調理済み食材が肉類、魚介類、野菜類、豆類、海藻類であり又穀類の加工品であり、請求項1記載の方法で作られた冷凍食品。
【請求項5】
天然素材包装体が杉のスライス板で、側板と底板を噛み合わせた形態に加工され組み立てられた容器であって、請求項1記載の方法でつくられた請求項2〜4記載の冷凍食品。
【請求項6】
天然素材包装体が竹皮であって、請求項1記載の方法でつくられた請求項2〜4記載の冷凍食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−215539(P2007−215539A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333492(P2006−333492)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(305055116)
【Fターム(参考)】