説明

冷却システム

【課題】冷却システムにおいて、計算のメンテナンス性を向上させること。
【解決手段】電子機器23が設置される機器設置エリア12と、機器設置エリア12内の空調を行う空調機21と、電子機器23内の発熱部品57と熱的に接続した伝熱部材25の先端部25xが配置される冷却エリア13と、機器設置エリア12と冷却エリア13とを分離する分離壁11とを有し、伝熱部材25が、分離機構64と、該分離機構64の両側に設けられたバルブ62、63とを有する冷却システムによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高度情報化社会の到来に伴ってデータセンタ内の計算機で扱われるデータ量が増大し、計算機から多量の熱が発生するようになりつつある。そのような状況下では熱によって計算機に誤動作や故障が生じるおそれがあるため、データセンタ内には計算機を冷却する冷却システムが導入されている。
【0003】
ただし、冷却システムを導入したことで計算機のメンテナンス性が低下したのではメンテナンスを行う作業者の負担が増えてしまう。そのため、冷却システムにおいては、計算機の冷却効率を高めるだけでなく、計算機のメンテナンス性を向上させるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−183537号公報
【特許文献2】特開平11−243288号公報
【特許文献3】特開昭61−201500号公報
【特許文献4】特開2008−286484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷却システムにおいて、計算のメンテナンス性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の開示の一観点によれば、電子機器が設置される機器設置エリアと、前記機器設置エリア内の空調を行う空調機と、前記電子機器内の発熱部品と熱的に接続した伝熱部材の先端部が配置される冷却エリアと、前記機器設置エリアと前記冷却エリアとを分離する分離壁とを有し、前記伝熱部材が、分離機構と、該分離機構の両側に設けられたバルブとを有する冷却システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
以下の開示によれば、伝熱部材に分離機構を設けたので、電子機器のメンテナンス時にその分離機構を境にして伝熱部材を分離することが可能となる。そのため、伝熱部材によって電子機器の取り扱いが不便になることがなく、電子機器のメンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、サーバラックの断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る分離壁と伝熱部材の一部断面側面図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る分離機構とその周囲の断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る第1のバルブと第2のバルブの各々とその周囲の一部断面側面図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る伝熱部材による冷却原理について説明するための模式図である。
【図7】図7(a)、(b)は、第1実施形態に係る計算機の取り外し方法について説明するための模式図である。
【図8】図8は、第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図9】図9(a)、(b)は、第2実施形態に係る計算機の取り外し方法について説明するための模式図である。
【図10】図10は、第2実施形態に係る計算機のサーバラックへの搭載方法について説明するための模式図である。
【図11】図11は、第3実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図12】図12は、第4実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図13】図13は、第4実施形態に係る計算機の取り外し方法について説明するための模式図(その1)である。
【図14】図14は、第4実施形態に係る計算機の取り外し方法について説明するための模式図(その2)である。
【図15】図15は、第5実施形態に係る冷却システムの運転条件を例示した図である。
【図16】図16は、第5実施形態において、パターン1におけるエアーの流れを表した模式図である。
【図17】図17は、第5実施形態において、パターン2におけるエアーの流れを表した模式図である。
【図18】図18は、第5実施形態において、パターン3におけるエアーの流れを表した模式図である。
【図19】図19は、第5実施形態において、パターン4におけるエアーの流れを表した模式図である。
【図20】図20は、第5実施形態において、パターン5におけるエアーの流れを表した模式図である。
【図21】図21は、第5実施形態において、パターン6におけるエアーの流れを表した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本実施形態の説明に先立ち、本実施形態の基礎となる予備的事項について説明する。
【0010】
データセンタにおいてはサーバラック内の個々の計算機を冷却する空調設備が設けられるが、その空調設備の消費電力はデータセンタ内の全サーバラックにおける消費電力にも匹敵するといわれる。そのため、空調設備での消費電力を削減するには、サーバラックの個々の計算機の冷却効率を高めるのが好ましい。
【0011】
以下に、計算機の冷却方法の一例について説明する。
【0012】
図1は、サーバラック22の断面図である。
【0013】
サーバラック22には、複数の計算機23が高さ方向に並べて搭載される。計算機23は、例えばラックマウント型サーバであって、CPU(Central Processing Unit)等の発熱部品57が実装されたシステムボード55を収容する。
【0014】
その発熱部品57を冷却するため、発熱部品57には伝熱部材25として棒状のヒートパイプが熱的かつ機械的に接続される。ヒートパイプは、減圧されたパイプ内に水等の液を封入してなり、その水がパイプ内で気化と液化とを繰り返すことにより、パイプの一端の熱を他端に移動させることができる。
【0015】
その伝熱部材25の先端には複数枚の放熱フィン25aが設けられる。各放熱フィン25aは外気Eに曝されており、これにより伝熱部材25と外気Eとの熱交換が促進される。
【0016】
この方法によれば、伝熱部材25によって発熱部品57を選択的に冷却することができ、計算機23の冷却効率を高めることができる。
【0017】
但し、上記のように放熱フィン25aを設けると発熱部品57の冷却効率は高められるものの、放熱フィン25aが邪魔でサーバラック22に計算機23を出し入れするのが難しくなり、計算機23のメンテナンスを行う作業者の負担が増えてしまう。
【0018】
以下、実施形態について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図2は、本実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【0020】
計算機室は、分離壁11により、計算機(サーバ)23を収納したラック22が配置されるラック設置エリア(機器設置エリアの一例)12と、低温のエアーが通る冷却エリア13とに分離されている。なお、図2ではラック22が1台しか図示していないが、ラック設置エリア12には多数のラック22が設置されている。また、各ラック22にはそれぞれ複数の計算機23が収納されている。各計算機23には、ラック22の前面側(図2では左側)からエアーを導入し、背面側(図2では右側)から排出するファン(図示せず)が設けられている。計算機23は、電子機器の一例である。
【0021】
本実施形態では、図2に例示するように、各計算機23から水平方向に伝熱部材25が突出しており、この伝熱部材25の先端部は分離壁11を貫通して冷却エリア13内に導出している。また、伝熱部材25の先端(冷却エリア13側の部分)には複数の放熱フィン25aが設けられている。伝熱部材25の詳細は後述する。
【0022】
なお、冷却エリア13は、外壁39によって計算機室の外側の空間から隔離される。
【0023】
ラック設置エリア12の床下には冷風流路14が設けられている。また、ラック設置エリア12の床にはグリル(通風口)12aが設置されており、このグリル12aを介して冷風流路14からラック22の前面側に低温のエアーが供給される。
【0024】
一方、ラック設置エリア12の天井裏には温風流路15が設けられており、ラック22の背面側の天井にはラック設置エリア12と温風流路15との間を連絡する開口部12bが設けられている。なお、本実施形態では、グリル12aを介して低温のエアーが供給されるエリア(コールドアイル)と、ラック22から温風が排出されるエリア(ホットアイル)とが、仕切り24a、24bにより分離されている。しかし、これらの仕切り24a、24bは必須ではなく、必要に応じて設置すればよい。
【0025】
冷風流路14は、空調機21のエアー吹き出し口に接続されているとともに、ダンパー44及びダクト31を介して給気ダクト(第1の給気ダクト)32に接続されている。この給気ダクト32は屋外に連絡しており、給気ダクト32内にはファン51が配置されている。このファン51の回転により、給気ダクト32内に外気が導入される。なお、空調機21の第1のエアー取り入れ口58も、ダンパー43及びダクト35を介して給気ダクト32に接続されている。また、空調機21のエアー吹き出し口の下には、空調機21と連動して回転するファン52が配置されている。
【0026】
温風流路15は、ダンパー42及びダクト33を介して空調機21の第2のエアー取り入れ口59に接続されているとともに、ダンパー41を介して排気ダクト(第1の排気ダクト)34に接続されている。この排気ダクト34は、屋外に連絡している。
【0027】
冷却エリア13の床下には冷風流路16が設けられており、天井裏には温風流路17が設けられている。冷却エリア13の床にはグリル(通風口)13aが配設されており、このグリル13aを介して冷風流路16から冷却エリア13に冷風が供給される。冷却エリア13の天井には、冷却エリア13と温風流路17との間を連絡する開口部13bが設けられている。
【0028】
冷風流路14と冷風流路16と間にはダンパー45が配置されている。このダンパー45が開のときには冷風流路14と冷風流路16とが連絡し、閉のときには冷風流路14と冷風流路16との間が遮断される。また、温風流路15と温風流路17との間にはダンパー47が配置されている。このダンパー47が開のときには温風流路15と温風流路17とが連絡し、閉のときには温風流路15と温風流路17との間が遮断される。
【0029】
冷風流路16は、ダンパー46を介して給気ダクト(第2の給気ダクト)36に接続されている。この給気ダクト36は屋外に連絡しており、ダンパー46の内側にはファン53が配置されている。このファン53の回転により、給気ダクト36、ダンパー46及びグリル12aを介して冷却エリア12に外気が導入される。また、温風流路17は、ダンパー48を介して排気ダクト(第2の排気ダクト)37に接続されている。この排気ダクト37は屋外に連絡している。
【0030】
制御部28は、外気の温度及び湿度を検出するセンサ部29aと計算機室内の温度及び湿度を検出するセンサ部29bとに接続されている。制御部28は、これらのセンサ部29a、29bの出力に応じてダンパー41〜48の開閉状態、ファン51〜53のオン・オフ及び空調機21を制御する。
【0031】
なお、本実施形態において空調機21は、エアー吹き出し口から供給するエアーの温度と湿度とを調整する機能を備えているものとする。但し、エアーの温度調整のみを行う空調機を使用し、この空調機とは別に加湿器を設けてもよい。また、屋外に連絡している給気ダクト32、36及び排気ダクト34、37には、室内への塵埃の侵入を防止するために、フィルタを配置しておくことが好ましい。
【0032】
図3は、分離壁11と伝熱部材25の一部断面側面図である。
【0033】
図3に示すように、伝熱部材25は、計算機23内でシステムボード55上に実装されたCPU等の発熱部品57と熱的かつ機械的に接続される。
【0034】
そして、その伝熱部材25の途中の部分には分離機構64が設けられる。後述のように、伝熱部材25は、その分離機構64を境にして二つに分離することができる。
【0035】
更に、分離機構64の両側の伝熱部材25には第1のバルブ62と第2のバルブ63が設けられ、伝熱部材25の先端部25xに上記の放熱フィン25aが設けられる。放熱フィン25aの材料は特に限定されないが、他の材料と比較して熱伝導率が良好な銅やアルミニウムを放熱フィン25aの材料として使用し得る。
【0036】
また、サーバラック22には、上記の第1のバルブ62aが通る大きさの開口22aが形成されており、その開口22aに伝熱部材25が出し入れ自在に挿入されている。
【0037】
なお、分離機構64よりも先端部25x寄りの伝熱部材25は、分離壁11に機械的に固定されている。
【0038】
図4は、分離機構64とその周囲の断面図である。
【0039】
図4に示すように、分離機構64は、クランプ61とOリング65とを備える。
【0040】
Oリング65は、伝熱部材25の外周側面とクランプ61の内面との間に設けられ、クランプ61と協働して伝熱部材25の内側の空間を気密にする役割を担う。
【0041】
クランプ61は、不図示のネジによって締め付け可能な二分割クランプであり、そのネジを緩めることにより分離機構64を境にして伝熱部材25を二つに分離することができる。
【0042】
また、伝熱部材25として供されるヒートパイプは銅等を材料とする金属パイプであって、その内面にはウィック67が設けられる。ウィック67は、伝熱部材25内に封入された水等の液を保持するのに使用され、本実施形態では銅ワイヤ等の金属細線の集合体をそのウィック67として使用する。
【0043】
ウィック67に保持された水は、金属細線の毛細管現象によって伝熱部材25内を移動する。その移動を妨げないようにするため、分離機構64の近傍における伝熱部材25においては、その内面の全領域をウィック67で覆い、二つの伝熱部材25の間にウィック67の未形成領域が生じないようにするのが好ましい。
【0044】
図5は、第1のバルブ62と第2のバルブ63の各々とその周囲の一部断面側面図である。
【0045】
図5に示すように、第1のバルブ62と第2のバルブ63は仕切弁であって、ハンドル71を回転することによりステム72が昇降し、バルブの開閉動作を行うことができる。
【0046】
図6は、伝熱部材25による冷却原理について説明するための模式図である。
【0047】
図6に示すように、実使用下においては、ウィック67に保持されていた水が発熱部品57によって温められて気化し、その気化熱によって発熱部品57を冷却することができる。また、気化により発生した水蒸気は伝熱部材25の先端部25xに移動し、外気との熱交換によって液化して液体の水となる。その水は、毛細管現象によりウィック67内を移動して上記のように発熱部材57の冷却に供される。
【0048】
このように、伝熱部材25においては水の気化と液化が自立的に繰り返され、それにより発熱部品57を効率的に冷却することができる。
【0049】
次に、サーバラック22から計算機23を取り外す方法について説明する。
【0050】
図7(a)、(b)は、計算機23の取り外し方法について説明するための模式図である。
【0051】
取り外しに際しては、図7(a)に示すように、作業者が手動で第1のバルブ62と第2のバルブ63を閉じる。
【0052】
次に、図7(b)に示すように、クランプ61を緩めた状態で計算機23をスライドさせることにより、クランプ61を境にして伝熱部材25を分離すると共に、サーバラック22から計算機23を引き抜く。
【0053】
このような方法によれば、第1のバルブ62と第2のバルブ63を閉状態にして伝熱部材25を分離するので、発熱部品57や先端部25xに近い部分の伝熱部材25の内部の気密性を維持することができる。
【0054】
しかも、サーバラック22から計算機23を引き抜いた後には、放熱フィン25aが伝熱部材25を介して分離壁11に固定された状態となり、放熱フィン25aと計算機23とが分離される。よって、寸法の大きな放熱フィン25aによって計算機23の取り扱いが不便になることがなく、計算機23のメンテナンス性が向上する。
【0055】
なお、サーバラック22に計算機23を戻すには、上記とは逆の手順に従い、分離機構61を境にして分離された二つの伝熱部材25を繋げればよい。
【0056】
(第2実施形態)
図8は、本実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【0057】
なお、図8において、第1実施形態と同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0058】
図8に示すように、本実施形態に係る冷却システムは、配管80、第3のバルブ81、減圧ポンプ82、補給部83、液量測定部85、圧力測定部86、及び調節部87を有する。
【0059】
このうち、配管80は、分離壁11と外壁39の各々に固定されると共に、分離機構64と第2のバルブ63の間において伝熱部材25に接続され、減圧ポンプ82によってその内部が減圧可能となっている。
【0060】
なお、減圧ポンプ82のオン・オフは、調節部87から出力されるポンプ駆動信号SDによって制御される。
【0061】
また、第3のバルブ81は、計算機23のメンテナンス時に使用するものであって、配管80の途中に設けられる。
【0062】
そして、補給部83は、水Wを貯えたディスペンサであって、ピストン83aの移動量ΔDを調節することで、伝熱部材25の内部に所定量の水Wを補給する。なお、伝熱部材25と補給部83との間には開閉弁89が設けられる。その開閉弁89は、補給部83から伝熱部材25に水Wを補給するときのみ開状態となり、それ以外の場合には閉状態となる。
【0063】
上記したピストン83aの移動量ΔDや開閉弁89の開閉状態は、調節部87から出力される補給信号SSによって制御される。
【0064】
調節部87は特に限定されない。本実施形態では、MPU(Micro Processing Unit)やパーソナルコンピュータを調節部として使用する。
【0065】
一方、圧力測定部86は、伝熱部材25の内部の圧力を測定し、その測定値を圧力測定信号SPとして出力する。圧力測定部86による圧力測定の範囲は水の蒸気圧近傍である。そのような圧力を測定し得る圧力測定部86としては、例えば、隔膜真空計がある。
【0066】
また、液量測定部85は、伝熱部材25内における液体の水の量を測定するものであって、その測定値を液量信号SLとして出力する。
【0067】
液量測定部85の構造は特に限定されない。本実施形態では、点線円内において断面で示すように伝熱部材25に窓25aを設け、液量測定部85としてCCDセンサ等のような光学センサを設ける。
【0068】
熱が印加されていない伝熱部材25の内側においては大部分の水Wが液化するため、図示のように水溜りが発生する。その水溜りの水面の高さを液量測定部85で測定することで、伝熱部材25内の水の量を推定することができる。
【0069】
制御部87は、上記した圧力測定信号SPと液量信号SLに基づいて、ポンプ駆動信号SDと補給信号SSの各々を出力する。
【0070】
次に、サーバラック22への計算機23の脱着方法について説明する。
【0071】
図9(a)、(b)は、計算機23の取り外し方法について説明するための模式図である。
【0072】
取り外しに際しては、図9(a)に示すように、第1のバルブ62、第2のバルブ63、及び第3のバルブ81の各々を作業者が手動で閉じる。
【0073】
次に、図9(b)に示すように、クランプ61を緩めた状態で計算機23をスライドさせることにより、クランプ61を境にして伝熱部材25を分離すると共に、サーバラック22から計算機23を引き抜く。
【0074】
本実施形態では、配管80を分離壁11に固定したので、上記のようにサーバラック22から計算機23を取り外しても配管80によって計算機23の取り扱いが不便になることがなく、計算機23のメンテナンス性が向上する。
【0075】
次に、サーバラック22への計算機23の搭載方法について説明する。
【0076】
図10は、計算機23の搭載方法について説明するための模式図である。
【0077】
サーバラック22に計算機23を搭載するには、図10に示すように、クランプ61を締め付けることにより、分離されていた二つの伝熱部材25同士を接続する。その後、作業者が手動で第1のバルブ62、第2のバルブ63、及び第3のバルブ81を開く。
【0078】
但し、これらのバルブを開いただけでは、伝熱部材25内の状態が発熱部品57を冷却するのに最適化されているとは限らない。
【0079】
そこで、本実施形態では、調節部87(図8参照)が次のように伝熱部材25内の状態を最適化する。
【0080】
最適化するパラメータとしては、伝熱部材25内の圧力と水量がある。
【0081】
このうち、圧力については、伝熱部材25内を実質的に水のみにして水の気化と液化を促進するために、水の蒸気圧とするのが好ましい。水の蒸気圧は伝熱部材25がおかれる環境によって変わる。例えば、冷却エリア13(図2参照)の温度が20℃である場合、伝熱部材25内の水の蒸気圧は17.5mmHgとなる。
【0082】
調節部87(図8参照)は、圧力測定信号SPに基づいて伝熱部材25内の圧力をモニターしながら、当該圧力が水の蒸気圧になるまでポンプ駆動信号SDにより減圧ポンプ82を駆動して、当該圧力が水の蒸気圧になったら減圧ポンプ82の駆動を停止する。
【0083】
なお、伝熱部材25内の圧力を厳密に制御する必要はなく、所定圧力の範囲内に圧力を制御すればよい。その場合、所定圧力の範囲の下限値は水の蒸気圧であり、上限値は減圧ポンプ82で達成できる最小圧力である。下限値を水の蒸気圧としたのは、これよりも低い圧力は原理的に実現できないからである。また、上限値をポンプ82で達成できる最小圧力としたのは、伝熱部材25内の雰囲気を実質的に水だけにして水の液化と気化を促進するために、伝熱部材25内に残留する水蒸気以外のガスを可能な限り排出するのが好ましいからである。
【0084】
一方、伝熱部材25内の水量も特に限定されず、調節部87の制御下で所定水量の範囲内に水量を制御し得る。その所定水量の範囲の下限値は、ウィック67(図6参照)に水が浸みこみ、かつ、発熱部品57の近傍における伝熱部材25内で水を液体として保持し得る量である。また、所定水量の範囲の上限値は、伝熱部材25内において水蒸気の移動を妨げないような量である。
【0085】
これらの条件を満たす一例として、本実施形態では、水の体積が伝熱部材25内の全体積の40%となるように水量を制御する。水量の制御は、液量信号SLに基づいて調節部87が補給部83に補給信号SSを出力することで行われる。
【0086】
そして、上記のように伝熱部材25内の状態を調節した後は、作業者が手動で第3のバルブ81を閉め、伝熱部材25による発熱部品57の冷却を開始する。
【0087】
以上説明した本実施形態によれば、調節部85の制御下で伝熱部材25内の圧力と水量とを最適化するので、計算機23のメンテナンスの前後で伝熱部材25の冷却効率が変化するのを防止できる。特に、上記のように伝熱部材25内の圧力を水の蒸気圧とすることで、伝熱部材25内における水の気化と液化が速やかに行われ、伝熱部材25の冷却能力を最大限に引き出すことが可能となる。
【0088】
(第3実施形態)
図11は、本実施形態に係る冷却システムの模式図である。なお、図11において、第1実施形態と第2実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0089】
図11に示されるように、本実施形態では、サーバラック22に搭載される複数の計算機23の各々に対応して調節部87を設ける。このようにすると、複数の伝熱部材25の各々の内部状態を個別に最適化することが可能となる。
【0090】
(第4実施形態)
図12は、本実施形態に係る冷却システムの模式図である。なお、図12において、第1〜第3実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0091】
図12に示すように、本実施形態では、複数の計算機23の各々の伝熱部材25を配管80で接続し、その配管80の内側を一つの減圧ポンプ82で減圧する。
【0092】
更に、補給部83、液量測定部85、圧力測定部86、及び調節部87のそれぞれの個数も一つとし、第3実施形態よりもシステム全体の簡略化を図る。
【0093】
なお、第3実施形態では、これら補給部83、液量測定部85、圧力測定部86を伝熱部材25に設けたが、本実施形態ではこれらを配管80に設ける。
【0094】
次に、サーバラック22から計算機23を取り外す方法について説明する。
【0095】
図13及び図14は、計算機23の取り外し方法について説明するための模式図である。
【0096】
まず、図13に示すように、複数の伝熱部材25の各々の第1のバルブ62と第2のバルブを作業者が手動で閉める。また、これと共に、配管80の第3のバルブ81も作業者が手動で閉める。
【0097】
次に、図14に示すように、メンテナンスの対象となる計算機23の伝熱部材25のクランプ61を作業者が手動で緩める。なお、本例では、図14の二つの計算機23のうち、上側の計算機23をメンテナンスの対象としている。
【0098】
そして、この状態で計算機23をスライドさせることにより、分離機構61を境にして伝熱部材25を分離すると共に、メンテナンスの対象である計算機23をサーバラック22から引き抜く。
【0099】
これによれば、第1〜第3実施形態と同様に、取り外された計算機23の伝熱部材25の内部の気密性を維持することができる。
【0100】
なお、サーバラック22に計算機23を戻すには、上記とは逆の手順に従い、分離機構61を境にして分離された二つの伝熱部材25を繋げればよい。また、繋げた後に行われる伝熱部材25内の状態の最適化方法は第2実施形態と同じなので、その詳細については省略する。
【0101】
以上説明した本実施形態によれば、複数の伝熱部材25の各々を配管80で繋ぐので、各伝熱部材25内の水量や圧力を測定するための液量測定部85と圧力測定部86の個数をそれぞれ一つにすることができる。これにより、一つの調節部87で各伝熱部材25内の水量と圧力を調節でき、第3実施形態と比較してシステムを簡略化することが可能となる。
【0102】
(第5実施形態)
本実施形態では、図15〜図21を参照しながら、図2の冷却システムにおける外気の好適な導入方法について説明する。その方法は、第1〜第4実施形態のいずれにおいても適用し得る。
【0103】
ここでは、計算機23内の発熱部品57は35℃以上の温度になるものとする。また、ラック設置エリア12に導入するエアーの温度が20℃程度のときに計算機23から排出されるエアーの温度が30℃程度となるように、循環風量を設定するものとする。
【0104】
ラック設置エリア12への外気の導入は、外気の温度と湿度とにより決定する。ラック設置エリア12に外気を導入する場合、外気の温度は30℃まで許容するものとする。また、温度が20℃、相対湿度が50%のときの絶対湿度(0.0099kg/kg.D.A.)を標準湿度とし、ラック設置エリア12に外気を導入した場合に標準湿度になるように加湿又は除湿するのに要する電力が所定値以下となる湿度の範囲を基準範囲とした。
【0105】
制御部28は、外気の温度と湿度とに応じて空調機21、ダンパー41〜48及びファン51〜53を制御し、以下のパターン1〜6のいずれかの動作状態とする。図15は、パターン1〜6における運転条件を例示した図である。
【0106】
(パターン1)
パターン1は外気の温度が20℃未満であり、湿度が基準範囲から外れている場合である。この場合、制御部28は、ダンパー42、46、48を開、ダンパー41、43、44、45、47を閉とし、ファン52、53をオン、ファン51をオフとする。図16は、パターン1におけるエアーの流れを表した模式図である。
【0107】
外気の湿度が基準範囲から外れている場合、ラック設置エリア12に外気を導入すると、加湿又は除湿に要する電力が大きくなり、空調設備の消費電力を削減する効果を十分に得ることができなくなる。そのため、パターン1ではラック設置エリア12には外気を導入せず、空調機21によりラック設置エリア12内のエアーを冷却する。一方、外気の温度は十分に低いので、冷却エリア13には外気を導入し、伝熱部材25を介して計算機23の発熱部品57を冷却する。
【0108】
(パターン2)
パターン2は外気の温度が20℃未満であり、湿度が基準範囲内の場合である。この場合、制御部28は、ダンパー41、42、43、46、48を開、ダンパー44、45、47を閉とし、ファン51、52、53をオンとする。図17は、パターン2におけるエアーの流れを表した模式図である。
【0109】
パターン2では、外気の温度が低く、湿度が基準範囲内であるので、ラック設置エリア12内に外気を導入する。但し、外気をそのままラック設置エリア12に導入すると、温度上昇にともなって湿度が低下し、基準範囲から外れることが考えられる。そのため、パターン2では外気を空調機21を介して導入するとともに、温風流路15を通るエアーの一部を空調機21に取り入れ、空調機21により温度と湿度とを調整した後にラック設置エリア12に導入する。排気ダクト34からは、室内に導入したエアーの量に相当する量のエアーが排出される。
【0110】
一方、冷却エリア13には外気をそのまま導入し、伝熱部材25を介して計算機23内の発熱部品57を冷却する。
【0111】
(パターン3)
パターン3は、外気の温度が20℃〜30℃であり、湿度が基準範囲から外れる場合である。この場合、制御部28は、ダンパー42、46、48を開、ダンパー41、43、44、45、47を閉とし、ファン52、53をオン、ファン51をオフとする。図18は、パターン3におけるエアーの流れを表した模式図である。
【0112】
パターン3では、外気の湿度が基準範囲から外れているので、ラック設置エリア12に外気を導入すると湿度の調整に要する電力が多くなり、空調設備の消費電力を削減する効果を十分に得ることができなくなる。そのため、パターン3ではラック設置エリア12への外気の導入は行わない。
【0113】
一方、外気の温度は計算機23内の発熱部品57を冷却するのに十分であるので、冷却エリア13には外気を導入し、伝熱部材25を介して計算機23内の発熱部品57を冷却する。
【0114】
(パターン4)
パターン4は、外気の温度が20℃〜30℃であり、湿度が基準範囲内の場合である。この場合、制御部28は、ダンパー41、44、46、48を開、ダンパー42、43、45、47を閉とし、ファン51、53をオン、ファン52をオフとする。図19は、パターン4におけるエアーの流れを表した模式図である。
【0115】
パターン4では、外気の温度及び湿度が適正範囲内であるので、空調機21を介さずにラック設置エリア12に外気を導入し、その分のエアーを排気ダクト34から排出する。また、冷却エリア13にも外気を導入し、伝熱部材25を介して計算機23内の発熱部品57を冷却する。
【0116】
(パターン5)
パターン5は、外気の温度が30℃〜35℃の場合である。この場合、制御部28は、ダンパー42、46、48を開、ダンパー41、43、44、45、47を閉とし、ファン52、53をオン、ファン51をオフとする。図20は、パターン5におけるエアーの流れを表した模式図である。
【0117】
パターン5では外気の温度が高いので、ラック設置エリア12に外気を導入しても空調設備の消費電力を削減する効果を十分に得ることができない。そのため、パターン5ではラック設置エリア12への外気の導入は行わない。しかし、外気の温度は発熱部品57の温度よりも低いので、冷却エリア13には外気を導入し、伝熱部材25を介して計算機23内の発熱部品57を冷却する。
【0118】
(パターン6)
パターン6は、外気の温度が35℃以上の場合である。この場合、制御部28は、ダンパー42、45、47を開、ダンパー41、43、44、46、48を閉とし、ファン52をオン、ファン51、53をオフとする。図21は、パターン6におけるエアーの流れを表した模式図である。
【0119】
パターン6では外気の温度が高いので、ラック設置エリア12及び冷却エリア13のいずれにも外気を導入しない。この場合、空調機21により温度及び湿度が調整されたエアーがラック設置エリア12及び冷却エリア13に供給される。
【0120】
以上のように、本実施形態では、外気の温度と湿度とに応じて外気をラック設置エリア12及び冷却エリア13に適宜導入する。これにより、計算機室内の空調に要する電力を大幅に削減できる。本願発明者がシミュレーションしたところ、本実施形態に係る冷却システムでは、1年のうちラック設置エリア12内に80日程度外気を導入することができ、冷却エリア13には120日程度外気を導入することができる。
【0121】
また、本実施形態に係る冷却システムでは、ラック設置エリア12内に温度及び湿度が調整されたエアーが供給されるため、静電気や結露等による計算機23の誤動作及び故障が回避される。
【0122】
なお、風が強い日など外気を導入すると計算機室内に塵埃等が侵入して計算機23の故障の原因となることがある。このため、計算機室内に塵埃等が侵入するおそれがあるときは、外気の温度及び湿度に拘わらず、パターン6で運転を行うことが好ましい。また、上述した動作パターンは一例であり、制御部28がダンパー41〜48及びファン51〜53を制御するときの温度及び湿度は適宜変更することができる。
【0123】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0124】
(付記1) 電子機器が設置される機器設置エリアと、
前記機器設置エリア内の空調を行う空調機と、
前記電子機器内の発熱部品と熱的に接続した伝熱部材の先端部が配置される冷却エリアと、
前記機器設置エリアと前記冷却エリアとを分離する分離壁とを有し、
前記伝熱部材が、分離機構と、該分離機構の両側に設けられたバルブとを有することを特徴とする冷却システム。
【0125】
(付記2) 前記伝熱部材の前記先端部に放熱フィンが設けられたことを特徴とする付記1に記載の冷却システム。
【0126】
(付記3) 前記伝熱部材はヒートパイプであることを特徴とする付記1又は付記2に記載の冷却システム。
【0127】
(付記4) 前記電子機器が複数設けられ、複数の前記電子機器の各々に前記ヒートパイプが設けられることを特徴とする付記3に記載の冷却システム。
【0128】
(付記5) 複数の前記電子機器の各々の前記ヒートパイプ同士を接続する配管を更に有することを特徴とする付記4に記載の冷却システム。
【0129】
(付記6) 前記ヒートパイプの内側に液を補給する補給部と、
前記ヒートパイプの内側における前記液の量を測定する液量測定部と、
前記液の量に基づいて前記補給部を制御し、前記ヒートパイプ内の前記液の量を所定液量の範囲内に収める調節部とを更に有することを特徴とする付記3〜5のいずれかに記載の冷却システム。
【0130】
(付記7) 前記ヒートパイプに繋がる減圧ポンプと、
前記ヒートパイプ内の圧力を測定する圧力測定部とを更に有し、
前記調節部は、前記圧力に基づいて前記減圧ポンプを制御し、前記ヒートパイプ内の前記圧力を所定圧力の範囲内に収めることを特徴とする付記3〜6のいずれかに記載の冷却システム。
【0131】
(付記8) 前記分離機構よりも前記先端部寄りの前記伝熱部材が前記分離壁に固定されていることを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載の冷却システム。
【0132】
(付記9) 外気の温度及び湿度を検出するセンサ部と、
前記空調機を制御するとともに、前記センサ部で検出した前記外気の温度及び湿度に応じて前記機器設置エリア及び前記冷却エリアに外気を導入するか否かを個別に判定する制御部とを更に有することを特徴とする付記1〜8のいずれかに記載の冷却システム。
【0133】
(付記10) 前記機器設置エリアの床下に設けられ、前記空調機の吹き出し口に連絡する第1の冷風流路と、
前記機器設置エリアの床に設けられて前記機器設置エリアと前記第1の冷風流路との間を連絡する第1の通風口と、
屋外に連絡する第1の給気ダクトと、
前記第1の冷風流路と前記第1の給気ダクトとの間に配置されて前記制御部により開閉状態が制御される第1のダンパーと、
前記機器設置エリアの天井裏に設けられ、前記空調機のエアー取り入れ口に連絡する第1の温風流路と、
前記機器設置エリアの天井に設けられて前記機器設置エリアと前記第1の温風流路との間を連絡する第1の開口部と、
屋外に連絡する第1の排気ダクトと、
前記第1の温風流路と前記第1の排気ダクトとの間に配置されて前記制御部により開閉状態が制御される第2のダンパーと、
前記冷却エリアの床下に設けられた第2の冷風流路と、
前記冷却エリアの床に設けられて前記冷却エリアと前記第2の冷風流路との間を連絡する第2の通風口と、
屋外に連絡する第2の給気ダクトと、
前記第2の給気ダクトと前記第2の冷風流路との間に配置されて前記制御部により開閉状態が制御される第3のダンパーと、
前記冷却エリアの天井裏に設けられた第2の温風流路と、
前記冷却エリアの天井に設けられて前記冷却エリアと前記第2の温風流路との間を連絡する第2の開口部と、
屋外に連絡する第2の排気ダクトと、
前記第2の温風流路と前記第2の排気ダクトとの間に配置されて前記制御部により開閉状態が制御される第4のダンパーと、
を有することを特徴とする付記8に記載の冷却システム。
【符号の説明】
【0134】
11…分離壁、12…ラック設置エリア、12a、13a…グリル、12b、13b…開口部、13…冷却エリア、14、16…冷風流路、15、17…温風流路、22…サーバラック、22a…開口、23…計算機、24a、24b…仕切り、25…伝熱部材、25a…放熱フィン、25x…先端部、28…制御部、29a、29b…センサ部、31〜37…ダクト、41〜48…ダンパー、51〜53…ファン、55…システムボード、57…発熱部品、58、59…エアー取り入れ口、61…クランプ、62…第1のバルブ、63…第2のバルブ、64…分離機構、65…Oリング、67…ウィック、71…ハンドル、72…ステム、80…配管、81…第3のバルブ、82…減圧ポンプ、83…補給部、85…液量測定部、86…圧力測定部、87…調節部、89…開閉弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が設置される機器設置エリアと、
前記機器設置エリア内の空調を行う空調機と、
前記電子機器内の発熱部品と熱的に接続した伝熱部材の先端部が配置される冷却エリアと、
前記機器設置エリアと前記冷却エリアとを分離する分離壁とを有し、
前記伝熱部材が、分離機構と、該分離機構の両側に設けられたバルブとを有することを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記伝熱部材の前記先端部に放熱フィンが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記伝熱部材はヒートパイプであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記ヒートパイプの内側に液を補給する補給部と、
前記ヒートパイプの内側における前記液の量を測定する液量測定部と、
前記液の量に基づいて前記補給部を制御し、前記ヒートパイプ内の前記液の量を所定液量の範囲内に収める調節部とを更に有することを特徴とする請求項3に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記ヒートパイプに繋がる減圧ポンプと、
前記ヒートパイプ内の圧力を測定する圧力測定部とを更に有し、
前記調節部は、前記圧力に基づいて前記減圧ポンプを制御し、前記ヒートパイプ内の前記圧力を所定圧力の範囲内に収めることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の冷却システム。
【請求項6】
外気の温度及び湿度を検出するセンサ部と、
前記空調機を制御するとともに、前記センサ部で検出した前記外気の温度及び湿度に応じて前記機器設置エリア及び前記冷却エリアに外気を導入するか否かを個別に判定する制御部とを更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−8723(P2013−8723A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138537(P2011−138537)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】