説明

冷却器

【課題】装置を大型化させることなく、冷却性能を向上させることができる冷却器を提供する。
【解決手段】冷却液20を、空間部分12を有して収容する冷却容器10と、半導体素子31を備え、前記冷却容器の前記冷却液が満たされた部分の外側に接触して設けられたパワーモジュール30と、前記空間部分に設けられ、冷媒100が流れる第1の熱交換器40と、該第1の熱交換器に並列に接続され、前記冷媒との熱交換により前記冷却水を冷却する第2の熱交換器50と、前記冷媒の前記第2の熱交換器に流れる流量を制御する流量制御弁60と、前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段70と、前記半導体素子を流れる電流から、前記半導体素子の温度を推定する素子温度推定手段と、前記冷却水の温度と、前記半導体素子の温度との差分に応じて、前記流量制御弁を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却器に関し、特に、半導体素子を備えたパワーモジュールを冷却する冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発熱体を冷媒により冷却する冷却装置において、冷媒が通流するとともに発熱体に接続された主流路と、この主流路よりも発熱体から離間した位置に設けられた冷媒が通流する副流路とを備え、主流路と副流路との間には、冷媒を通流する流路が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる冷却装置には、主流路に冷媒を送る主流路ポンプと、副流路に冷媒を送る副流路ポンプと、排出された冷媒を冷却する熱交換器が更に備えられ、全体としては冷却システムとして構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3908705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、副流路に冷媒を流すために副流路ポンプが必要であるため、ポンプ駆動電力が増加し、また、副流路から連通流路を介して主流路に噴出するため、連通流路を通過するときに圧力損失を伴うという問題があった。
圧力損失が大きい場合、下流に行くほど液体の供給量が減少し、液体供給の一様性の確保が困難になり、素子温度がばらつくという問題があった。また、液体の温度を下げることにより冷却性能を維持しているが、そのためにはサブクール度を大きくしなければいけないため、凝縮部の容量の増加が必要になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、装置を大型化させることなく、冷却性能を向上させることができる冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る冷却器は、冷却液を、空間部分を有して収容する冷却容器と、
半導体素子を備え、前記冷却容器の前記冷却液が満たされた部分の外側に接触して設けられたパワーモジュールと、
前記空間部分に設けられ、冷媒が流れる第1の熱交換器と、
該第1の熱交換器に並列に接続され、前記冷媒との熱交換により前記冷却水を冷却する第2の熱交換器と、
前記冷媒の前記第2の熱交換器に流れる流量を制御する流量制御弁と、
前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
前記半導体素子を流れる電流から、前記半導体素子の温度を推定する素子温度推定手段と、
前記冷却水温度検出手段で検出された前記冷却水の温度と、前記素子温度推定手段で推定された前記半導体素子の温度との差分に応じて、前記流量制御弁を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
これにより、第2の熱交換器に流れる冷媒の流量を冷却容器内の冷却水の温度に応じて制御することができ、冷却水の温度に応じて冷媒を供給することができるため、第2の熱交換器による圧力損失を減少させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に係る冷却器において、
前記制御手段は、前記冷却水の温度と、前記半導体素子の温度との差分が所定値以上のときには、前記流量制御弁を開く制御を行うことを特徴とする。
【0009】
これにより、冷却水の温度が高いときに第2の熱交換器に冷媒を多く供給することができ、冷却水の温度を確実に低温度に保つことができるとともに、冷却水が低温度のときには、第2の熱交換器への冷媒供給を停止させることができる。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る冷却器において、
前記第2の熱交換器は、前記冷却液内に配置されていることを特徴とする。
【0011】
これにより、冷却液を第2の熱交換器により直接的に冷却することができ、サブクール化により確実な冷却効果を得ることができる。
【0012】
第4の発明は、第1又は第2の発明に係る冷却器において、
前記第2の熱交換器は、前記冷却容器の外部に配置され、
前記冷却液を前記第2の熱交換器を通過するように循環させるポンプを更に有することを特徴とする。
【0013】
これにより、第2の熱交換器を外付けにしても、冷却液を直接的に冷却することができるとともに、マイクロチャンネル熱交換器等種々の第2の熱交換器を用いることが可能となる。
【0014】
第5の発明は、第1又は第2の発明に係る冷却器において、
前記第2の熱交換器は、前記冷却容器の外部に配置され、
前記冷却液内に配置された第3の熱交換器と、
該第3の熱交換器を流れる冷媒を、前記第2の熱交換器を通過するように循環させるポンプと、を更に有することを特徴とする。
【0015】
これにより、外付けの第2の熱交換器と、冷却液内の第3の熱交換器を併用することができ、熱交換を効率的に行うことができる。
【0016】
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る冷却器において、
前記パワーモジュールは、前記冷却容器の側面に設けられたことを特徴とする。
【0017】
これにより、縦置きの冷却器として縦長の形状に冷却容器を構成することができ、用途に応じた形状に構成することができる。
【0018】
第7の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る冷却器において、
前記パワーモジュールは、前記冷却器の底面に設けられたことを特徴とする。
【0019】
これにより、横置きの冷却器として、横長の形状に冷却容器を構成することができ、用途に応じた形状に構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、冷却容器の容積を増大させることなく、冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1に係る冷却器の一例を示した構成図である。図1(A)は、実施例1に係る冷却器の一例の側断面構成図である。図1(B)は、実施例1に係る冷却器の一例の正面構成図である。
【図2】実施例1に係る冷却器の冷媒回路を示した図である。
【図3】第2の熱交換器への流量比と熱伝達率及び圧力損失との関係を示した図である。
【図4】パワーモジュールの電力損失と冷却液の温度との関係を示した図である。
【図5】素子温度と冷却液温度の差に対する熱伝導率を示した図である。
【図6】実施例1に係る冷却器の全体構成の一例を示したシステム構成図である。
【図7】実施例1に係る冷却器の処理フロー及び処理フローに用いられるマップの一例を示した図である。図7(A)は、実施例1に係る処理フローの一例を示した図である。図7(B)は、インバータ電流とインバータ損失との関係の一例を示した図である。図7(C)は、インバータ損失と半導体素子の素子温度との関係の一例を示した図である。図7(D)は、素子温度と流量比との関係に基づく制御マップの一例を示した図である。
【図8】実施例2に係る冷却器の一例を示した構成図である。
【図9】実施例2に係る冷却器の一例を示した詳細構成図である。図9(A)は、実施例2に係る冷却器の側面の断面構成図である。図9(B)は、実施例2に係る冷却器の正面断面構成図である。
【図10】実施例3に係る冷却器の一例を示した構成図である。
【図11】実施例3に係る冷却器の一例の詳細構成図である。図11(A)は、実施例3に係る冷却器の側面断面構成図である。図11(B)は、実施例3に係る冷却器の正面断面構成図である。
【図12】実施例4に係る冷却器の一例を示した構成図である。図12(A)は、実施例4に係る冷却器の側面断面構成図である。図12(B)は、実施例4に係る冷却器の正面断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の実施例1に係る冷却器の一例を示した構成図である。図1(A)は、実施例1に係る冷却器の一例の側断面構成図であり、図1(B)は、実施例1に係る冷却器の一例の正面構成図である。
【0024】
図1(A)、(B)において、実施例1に係る冷却器は、冷却容器10と、冷却液20と、パワーモジュール30と、第1の熱交換器40と、循環配管41と、第2の熱交換器50と、分岐流路51と、流量制御弁60と、温度センサ70とを備える。また、冷却容器10は、一部にベースプレート11を備える。更に、パワーモジュール30は、内部に半導体素子31を備える。また、循環配管41、第1の熱交換器40、分岐流路51及び第2の熱交換期50を、冷媒100が流れている。
【0025】
図1(A)において、冷却容器10の内部には、冷却液20が収容されている。冷却液20は、冷却容器10の内部空間総てを満たすのではなく、空間部12を残すように、冷却容器10の半分近くまでを満たしている。冷却液20が満たされた部分の正面には、ベースプレート11が設けられ、ベースプレート11の外側にパワーモジュール30が接触して配置されている。つまり、パワーモジュール30は、ベースプレート11を介して、冷却液20と熱交換が行えるようになっている。ベースプレート11は、冷却容器10の側面の一部を構成するように設けられている。また、半導体素子31は、ベースプレート11の面上に設けられ、ベースプレート11を介して冷却液20から直接的に冷却される構成となっている。
【0026】
図1(B)において、第1の熱交換器40は、冷却容器10内の冷却液20が満たされていない空間部12に設けられている。また、第2の熱交換器50は、分岐流路51を介して第1の熱交換器40と並列に接続されており、第1の熱交換器40から分岐した構成となっている。よって、第1の熱交換器40を流れる冷媒100は、第2の熱交換器50にも流れるように構成されている。第2の熱交換器50は、冷却液20内を通過するように配置されており、冷媒100を流すことにより、冷却液20と熱交換を行い、冷却液20を冷却することができる構成となっている。また、第1の熱交換器40と第2の熱交換器50とを接続する分岐流路51には、流量制御弁60が設けられている。
【0027】
冷却容器10は、冷却液20を収容するとともに、パワーモジュール30が外部に接触して設けられた冷却器の本体である。冷却容器10は、冷却液20を用いて、外部に接触して設けられたパワーモジュール30内の半導体素子31を冷却する。
【0028】
冷却容器10は、冷却液20が満たされた部分と、空気等の気体が満たされた空間部12を有する。図1(A)において、ベースプレート11は、冷却容器10に直接締結され、ベースプレート11の内面側の発熱面(以下、「伝熱面」という。)は、冷却液20に直接接触する。ベースプレート11は、熱伝導率の高い材料で構成されることが好ましい。なお、図1においては、冷却容器10の一部にベースプレート11を組み込んだ構成となっているが、冷却容器10自体の熱伝導性が高く、ベースプレート11の役割を果たすことができる場合には、冷却容器10の外部側面に直接接触させてパワーモジュール30を設けるようにしてもよい。
【0029】
冷却液20は、熱伝導性の高い種々の液体を用いることができるが、例えば、水とアルコール系の混合物等を用いるようにしてもよい。冷却液20は、授熱により沸騰して蒸発するので、冷却容器10内の冷却液20が満たされた部分は、蒸発部又は沸騰部を構成する。
【0030】
パワーモジュール30は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等からなる半導体素子31を収容しているが、半導体素子31は、Siから構成される他、高耐熱素子であるSiCを用いて構成されてもよい。Siで構成される場合には、半導体素子31の温度は150℃程度まで上昇し、SiCの場合には、動作温度200℃とも言われており、いずれにしても100℃を優に超える温度となる。特に、SiCを用いたパワーモジュール30の場合には、発熱密度は300W/cm、温度上昇100℃の時の熱伝導率は50000W/mKとも言われている。よって、半導体素子31を冷却することが重要であり、本実施例においては、冷却液20を用いて半導体素子31を冷却する構成となっている。
【0031】
第1の熱交換器40は、熱伝導性の高い材料で管状に構成され、冷却容器10内の空間部12内の上部に配置される。第1の熱交換器40には、冷媒100が供給され、周囲の空間部12を冷却する。空間部12に蒸気が存在する場合には、空間部12を冷却することにより、蒸気が凝縮するので、空間部12の第1の熱交換器付近は、凝縮部を構成する。なお、冷媒100は、循環配管41から第1の熱交換器40に供給される。
【0032】
第2の熱交換器50も、熱導電性の高い材料で管状に構成され、第1の熱交換器40から分岐流路51を介して分岐し、第1の熱交換器40に並列に接続される。第2の熱交換器50は、第1の熱交換器40と異なり、冷却液20内を通過するように配置される。これにより、冷却液20を冷却することができる。なお、分岐流路51は、第2の熱交換器50と同様に、管状に構成されてよい。
【0033】
流量制御弁60は、第1の熱交換器40から分岐して第2の熱交換器50に流れ込む冷媒100の流量を制御するバルブである。流量制御弁60は、第2の熱交換器50を流れる冷媒100の流量を制御することができれば、種々のバルブにより構成されてよい。流量制御弁60は、流量を連続的又は段階的に制御でき、第1の熱交換器40と第2の熱交換器50との流量比を設定できる流量調整弁として構成される。なお、流量制御弁60の機械的構成は、種々のものであってよいが、例えば、電磁弁として構成されてもよい。
【0034】
温度センサ70は、冷却水20の温度を検出する温度検出手段である。冷却水20の温度を検出することができれば、種々の温度センサが用いられてよい。
【0035】
次に、本実施例に係る冷却器の冷却動作について説明する。図1の構成において、パワーモジュール30の温度が上昇すると、冷却液20がパワーモジュール30から授熱することにより沸騰し、液体から気体(蒸気)に相変化する。この時の蒸発潜熱により、ベースプレート11の伝熱面が冷却される。
【0036】
冷却液20が沸騰して発生した蒸気は、浮力により上部の凝縮部に到達し、第1の熱交換器40を強制循環する冷媒100により冷却されて凝縮し、水蒸気から液体に相変化する。そして、凝縮した液体は、重力の作用により冷却容器10の下部の液溜まりに自然落下する。
【0037】
このように、本実施例に係る冷却器は、沸騰冷却器として構成されている。沸騰冷却器では、不凝縮性気体が上部に滞留して凝縮性能が劣化することを防止するため、冷却液20を充填する際に、空間部12を真空引きして冷却容器10の内部を高真空状態とする。よって、冷却液20の沸騰開始温度は冷却容器10の内部圧力に依存し、水の沸点は飽和蒸気圧に従う。
【0038】
ここで、日本機械学会著、「伝熱工学(JSMEテキストシリーズ)」、2005年3月発行によれば、冷却液20の液温を飽和温度よりも低い状態とする冷却液20のサブクール化により、冷却性能の向上が期待できることが知られている。かかる現象を利用すべく、本実施例に係る冷却器においては、冷却液20を冷却する第2の熱交換器50を設けている。例えば、冷却液20の温度が70〜80℃であるときに、65℃の温度の冷媒100を流して冷却を行えば、サブクール化により冷却性能の向上が期待できる。
【0039】
図2は、実施例1に係る冷却器の冷媒回路を示した図である。図2に示すように、本実施例に係る冷却器は、凝縮部を構成する第1の熱交換器40と、冷却液20を冷却する第2の熱交換器50とが分岐流路51を介して並列に接続され、分岐流路51は流量制御弁60を備えている。図2において、循環配管41を流れる冷媒100をQ、第1の熱交換器40を流れる冷媒100の流量をQ1、第2の熱交換器50を流れる冷媒100の流量をQ2とすると、流量制御弁60の開閉制御により、第2の熱交換器50を流れる冷媒100の流量Q2を制御できる。
【0040】
図3は、第2の熱交換器50への流量比と、熱伝達率及び圧力損失との関係を示した図である。図3において、横軸は循環配管41の流量Qに対する第2の熱交換器50の流量Q2の流量比η(=Q2/Q)を示し、縦軸は熱伝達率及び圧力損失を示している。図3に示すように、第2の熱交換器50への流量Q2が増加するに従って、熱伝達率及び圧力損失は増加する。熱伝達率は、冷却性能を示しているので、発生する圧力損失に応じて、流量比ηを最適に制御することにより、冷却性能と圧力損失のバランスを保つことができることが、図3より分かる。
【0041】
図4は、パワーモジュール30の電力損失と、冷却液20の温度との関係を示した図である。図4において、パワーモジュール30の電力損失が増加すると、パワーモジュール30から発生する熱が増加し、冷却液20の温度が上昇することが示されている。
【0042】
図5は、素子温度と冷却液温度の差に対する熱伝導率を示した図である。図5において、横軸は半導体素子31と冷却液20の温度の差△T(=素子温度−冷却液温度)を示し、縦軸は冷却性能を表す熱伝達率を示している。図5において、△Tが比較的大きい△T1において、流量比ηを変化させることにより、熱伝導率が変化することが示されている。流量比ηは、循環配管41を流れる冷媒100の全体流量Qに対する、第2の熱交換器50を流れる冷媒100の流量Q2の比(=Q2/Q)であるから、第2の熱交換器50に冷媒100を流すことにより、冷却液20が冷却され、流量比ηにより変化するサブクール度により、熱伝導率も変化することが示されている。
【0043】
図4の関係から、パワーモジュール30の電力損失が増加している状態は、冷却液20の温度から検出することができ、図5の関係から、第2の熱交換器50に流れる流量Q2を増加させることにより、熱伝達率を向上させられることが分かる。また、図3の関係から、熱伝達率を向上させると、圧力損失も増加してしまうので、第2の熱交換器50に供給する冷媒100の流量Q2は、常に増加させれば良い訳ではなく、圧力損失の増加とのバランスを考慮して行う必要があることが分かる。本実施例に係る冷却器においては、これらの関係を利用して、パワーモジュール30の電力損失の増加と、圧力損失の増加を考慮しつつ、熱伝達率を適切に増加させる制御を行う。これにより、圧力損失をあまり増加させることなく、パワーモジュール30の電力損失の増加を抑制する制御が可能となる。
【0044】
図6は、本発明の実施例1に係る冷却器の全体構成の一例を示したシステム構成図である。図6において、実施例1に係る冷却器は、冷却容器10と、インバータ32と、循環配管41と、流量制御弁60と、温度センサ70と、電流センサ80と、ECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)90と、ポンプ110と、ラジエータ120と、バッテリ130と、モータ140とを備える。
【0045】
冷却容器10と、循環配管41と、流量制御弁60と、温度センサ70と、電流センサ80は、図1において説明した構成要素と同様であるので、同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、インバータ32は、図1のパワーモジュール30と同様に半導体素子31を備えており、全体としては直流を交流に変換するインバータ32として構成されたパワーモジュール30の一種である。実質的には、図1のパワーモジュール30と同様である。
【0046】
図6において、冷媒100は、循環配管41の内部を流れる。循環配管41には、循環用のポンプ110とラジエータ120が備えられ、冷媒100は、第1の熱交換器40を経由して冷却容器10を貫通して循環するようになっている。ポンプ110で冷媒100が循環配管41内を循環し、ラジエータ120で冷媒100が冷却される。冷却容器10の側面に接触して設けられたインバータ32は、バッテリ130に接続されるとともに、モータ140に接続されている。バッテリ130から供給された直流電力を、インバータ32で交流電力に変換し、三相交流モータとして構成されたモータ140を駆動する。また、バッテリ130とインバータ32の間には、インバータ32の半導体素子31を流れる電流を測定するため、電流センサ80が設けられている。ECU90は、冷却容器10内の第2の熱交換機50に設けられた流量制御弁60と、冷却液20内に設けられた温度センサ80と、バッテリ130−インバータ32間に設けられた電流センサ80とに各々接続されている。
【0047】
電流センサ80は、インバータ32の半導体素子31を流れる電流を測定する手段であり、これにより、制御手段90が半導体素子31の温度を推定する。なお、電流センサ80は、半導体素子31を流れる電流を測定でき、半導体素子31の温度を推定できる電流情報を提供できれば、種々の電流検出手段が用いられてよい。また、図6においては、電流センサ80は、バッテリ130からインバータ32に供給される直流の入力電流を測定しているが、交流電流を測定するように構成され、モータ140とインバータ32との間に設けられてもよい。
【0048】
ECU90は、温度センサ70及び電流センサ80の検出結果に基づいて、流量制御弁60の制御を行う手段である。ECU90は、素子温度推定手段91と、流量比設定手段92と、操作制御手段93とを備える。また、流量比設定手段92と操作制御手段93とで、制御手段94を構成する。ECU90は、演算処理制御を行うことができれば、種々の手段により形成されてよく、例えば、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子回路として構成されてもよいし、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)を備え、プログラムにより動作するマイクロコンピュータとして構成されてもよい。
【0049】
素子温度推定手段91は、電流センサ80で検出された半導体素子31を流れる電流から、半導体素子31の素子温度を推定する手段である。素子温度の推定は、例えば、インバータ電流とインバータ損失との関係マップ、インバータ損失と素子温度との関係マップを用いて行われてもよい。例えば、このような、マップを用いた推定演算を行うことにより、演算処理の負担を減少させることができる。また、逆に、演算処理負担が大きくても、正確な温度推定を行いたい場合には、半導体素子31を流れる電流から素子温度を算出する式を用いて、正確な素子温度を算出するようにしてもよい。このように、素子温度の推定は、用途に応じて種々の手法が用いられてよい。なお、マップを用いた推定演算については、より具体的に後述する。
【0050】
流量比設定手段92は、素子温度推定手段91で推定した素子温度と、温度センサ70で検出された冷却液20の温度との差分を計算し、図5で示した関係を用いて、流量制御弁60のバルブの流量比ηを設定する手段である。なお、流量比設定手段92で行う流量比の設定演算についても、例えば、半導体素子31の素子温度と流量比ηとの関係マップを用いて設定するようにしてもよい。また、式を用いた演算処理により算出してもよく、用途に応じて種々の設定方法を用いてよい。なお、素子温度と流量比ηとの関係マップを用いた設定方法については、より具体的に後述するものとする。
【0051】
操作制御手段93は、流量比設定手段92で設定されたバルブ流量比ηに従い、流量制御弁60の開閉操作を行い、第2の熱交換器50の全体流量に対する流量比ηを制御する手段である。
【0052】
なお、流量比設定手段92及び操作制御手段93で制御手段94を構成し、温度センサ70で検出された冷却水20の温度と、素子温度推定手段91で推定された半導体素子31の温度との差分に応じて、流量制御弁60を制御する。また、図6においては、素子温度推定手段91、流量比設定手段92及び操作制御手段93が一体的にECU90の内部に構成されているが、これらの機能を有する手段が、各々独立に構成されていてもよい。
【0053】
なお、バッテリ130は、直流電力を供給する手段であり、例えば二次電池で構成されてよい。モータ140は、駆動対象となる車両の動力源である。
【0054】
図7は、本発明の実施例1に係る冷却器の処理フロー及び処理フローに用いられるマップの一例を示した図である。図7(A)は、実施例1に係る処理フローの一例を示した図である。なお、今まで説明した構成要素と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
ステップ100において、インバータ32を流れる電流Ibが測定される。インバータ電流Ibは、図6において説明したように、電流センサ80を用いて測定される。図6の例においては、入力電流が測定されているが、出力電流が測定されてもよい。
【0056】
ステップ110において、インバータ損失及び素子温度Tjが推定される。インバータ損失は、インバータ32の電力損失を意味している。これらの推定演算は、素子温度推定手段91により行われる。
【0057】
図7(B)は、インバータ電流Ibとインバータ損失との関係の一例を示した図である。図7(B)において、インバータ電流Ibが増加するにつれて、インバータ損失が増加する特性のマップが示されている。このように、インバータ電流Ibとインバータ損失の関係を示したマップを用いて、ステップ100で検出したインバータ電流Ibに基づいて、インバータ損失を推定することができる。ステップ110では、このようなインバータ損失の推定をまず行う。
【0058】
図7(C)は、インバータ損失と半導体素子31の素子温度Tjとの関係の一例を示した図である。図7(C)において、インバータ損失が増加するにつれて、半導体素子31の素子温度が増加する特性のマップが示されている。図7(B)で推定したインバータ損失と、図7(C)で示したマップを用いることにより、半導体素子31の素子温度Tjを推定することができる。ステップ110では、このような素子温度Tjの推定も行う。
【0059】
図7(A)に戻り、ステップ120では、冷却液20の温度Tcの計測を行う。冷却液20の温度の計測は、温度センサ70を用いて行う。
【0060】
ステップ130では、素子温度Tjと冷却液20の温度Tcとの差分温度△T(=Tj−Tc)が計算される。この差分△Tの演算は、流量比設定手段92で行われてもよいし、素子温度推定手段で行われてもよい。
【0061】
ステップ140では、素子温度Tjと冷却液20の温度Tcとの差分温度△Tが、所定の閾値より高いか否かが、流量比設定手段92により判定される。差分温度△Tが、所定閾値より高い場合にはステップ150に進み、所定閾値より低い場合にはステップ170に進む。なお、差分温度△Tが高い場合は、素子温度Tjと冷却液20の温度差が大きいことを意味しているので、素子温度Tjが高くなり過ぎている状態と考えられる。
【0062】
ステップ150では、流量制御弁60のバルブ流量比が設定される。バルブ流量比の設定は、流量比設定手段92により行われてよい。
【0063】
図7(D)は、素子温度Tjと流量比ηとの関係に基づく制御マップの一例を示した図である。図7において、素子温度Tjが増加するにつれて、流量比ηが増加する関係が示されている。これは、素子温度Tjに対応した適切な流量比ηを示した関係マップであるので、ステップ110の図7(C)で推定された素子温度Tjを用いて、適切な流量比ηを設定することができる。
【0064】
ステップ150においては、このような図7(D)で示した関係マップを用いて設定すべき流量比ηを算出し、流量比ηとなるように流量制御弁60のバルブ開度を設定してよい。
【0065】
ステップ160では、ステップ150で設定されたバルブ開度となるように、流量制御弁60の開閉操作が行われるとともに、処理フローを一旦終了する。なお、開閉操作は、制御手段90により行われる。処理フローを一旦終了した後は、図7(A)の処理フローを最初から繰り返す。
【0066】
一方、ステップ140で差分温度△Tが所定閾値以下であった場合には、ステップ170に進み、流量制御弁60のバルブは閉とされる。流量比ηをゼロとする設定は、流量比設定手段92で行われ、制御手段93が、流量制御手段60のバルブを閉とする操作を行う。差分温度△Tが所定閾値以下の場合には、素子温度Tjがあまり上がっていないことを意味するので、冷却性能を無理に上げる必要は無い。これにより、圧力損失を増加させることなく、インバータ32の動作を継続させることができる。ステップ140の終了後は、一旦処理フローを終了し、最初から処理フローを繰り返す。
【0067】
このように、実施例1に係る冷却器によれば、素子温度Tjと冷却液温度Tcの差分温度△Tが所定値を超えており、素子温度Tjが高いときには、第2の熱交換器50に冷媒100を供給して冷却性能を向上させ、差分温度△Tが所定値以下であり、素子温度Tjが高くないときには第2の熱交換器50に冷媒100の供給を行わずに、圧力損失の増加を防ぐようにすることができる。これにより、半導体素子31の冷却と圧力損失の増加のバランスを適切に保つことができ、十分な冷却能力を確保しつつ高効率で冷却を行うことができる。これにより、冷却容器10の容積を増加させることなく、冷却能力を向上させることができる。
【実施例2】
【0068】
図8は、本発明の実施例2に係る冷却器の一例を示した構成図である。図8においては、冷却容器10及びその冷媒回路のみが示されている。その他の全体構成は、実施例1の図6と同様でよいので、図示を省略する。
【0069】
図8において、実施例2に係る冷却器は、冷却容器10と、冷却液20と、第1の熱交換器40と、循環配管41と、流量制御弁60と、温度センサ70とを備える点では、実施例1に係る冷却器と共通する。また、第1の熱交換器40に並列に第2の熱交換器52が接続されている点も実施例1に係る冷却器と共通するが、第2の熱交換器52が、冷却液20の内部ではなく、冷却容器10の外部に設けられている点で、実施例1に係る冷却器と異なっている。更に、冷却液20は、流路151により冷却容器10の外部に引き出され、外部に設けられた第2の熱交換器52を通過して循環する構成となっている。流路151には、ポンプ150が設けられ、流路151を流れる冷却液20が冷却容器10内部と流路151とを循環し、第2の熱交換器52を通過したときに冷媒100により冷却される構成となっている。
【0070】
このように、第2の熱交換器52は、必ずしも冷却容器10の内部の冷却液20中に設けられる必要は無く、冷却液20を冷却容器10の外部に抽出し、外部に設けた第2の熱交換器52で冷却を行うようにしてもよい。
【0071】
なお、第2の熱交換器52は、種々の熱交換器を用いることができるが、例えば、マイクロチャンネル熱交換器を用いるようにしてもよい。これにより、第2の熱交換器52の小型化、高性能化を図ることができ、第2の熱交換器52を外付けにしても冷却器全体を小型に構成することができる。
【0072】
図9は、実施例2に係る冷却器の一例を示した詳細構成図である。図9(A)は、実施例2に係る冷却器の側面の断面構成を示した図であり、図9(B)は、実施例2に係る冷却器の正面の断面構成を示した図である。
【0073】
図9(A)に示すように、パワーモジュール30は、冷却容器10の正面外側に接触して設けられている。図9(A)においては、ベースプレート11を設けずに、冷却容器10に直接パワーモジュール30を接触させて設置しているが、必要に応じて、ベースプレート11を設け、ベースプレート11上にパワーモジュール30を設けるようにしてもよい。
【0074】
なお、図9(A)に示した熱交換器52において、図8の熱交換器52の4つの流路に付された符号1〜4に対応させて、流路の符号1〜4を付している。これにより、図8と図9の対応が明確となっている。
【0075】
図9(B)に示すように、第1の熱交換器40は、実施例1と同様に空間部12の上部に設けられ、第2の熱交換器52に冷媒100を導く分岐流路53は実施例1と同様に、冷却容器10内に設けられている。また、流量調整弁60も、実施例1と同様に、冷却容器10の側面に設けられている。
【0076】
一方、第2の熱交換器52は、冷却容器10の側面に設けられ、ポンプ150も第2の列交換器51の上部で、冷却容器10の側面に設けられている。冷却液20は、ポンプ150により流路151を介して抽出され、下の第2の熱交換器52を通過し、再度冷却容器10の内部に戻るように構成されている。また、第2の熱交換器52は、冷却容器10の外側の側面に設けられているが、分岐流路53は、冷却容器10の内部を周回した構成となっている。
【0077】
このように、実施例2に係る冷却器においては、第2の熱交換器52を冷却容器10と別体に構成しているが、第2の熱交換器52を冷却容器10の側面に取り付けることにより、全体として小型に構成しつつ、種々の熱交換器を第2の熱交換器52として用いることができる構成となっている。
【実施例3】
【0078】
図10は、本発明の実施例3に係る冷却器の一例を示した構成図である。図10において、実施例3に係る冷却器は、実施例2に係る冷却器と同様に、外付けの第2の熱交換器54と、ポンプ150とを備える点で共通するが、冷却容器10の内部にも第3の熱交換器160を備える点で、実施例2に係る冷却器と異なっている。その他の構成用紙については、実施例2に係る冷却器と同様であるので、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。また、冷却容器10以外の全体構成は、実施例1の図6と同様の構成を有するので、その説明を省略する。
【0079】
実施例3に係る冷却器においては、冷却容器10内に設けられた第3の熱交換器160が冷却液20を冷却する。また、冷却液20と熱交換を行い、熱を吸収した第3の熱交換器160内を循環する作動液161は、ポンプ150により循環され、第2の冷却器52を通過する。第2の冷却器52には、冷媒100が供給されるので、第3の熱交換器160を循環する作動液161を冷却することができ、冷却された作動液により冷却容器10内の冷却液20を冷却することができる。
【0080】
このように、冷却容器10内の第3の熱交換器160と、冷却容器10の外部の第2の熱交換器52とを併用する構成としてもよい。
【0081】
図11は、実施例3に係る冷却器の一例の詳細構成を示した図である。図11(A)は、実施例3に係る冷却器の側面の断面構成を示した図であり、図11(B)は、実施例3に係る冷却器の正面の断面構成を示した図である。
【0082】
図11(A)に示すように、実施例3に係る冷却器の側面構成は、実施例2に係る冷却器の図9(A)に示した構成とほぼ同様であるので、各構成要素に同一の参照番号を付してその説明を省略する。また、理解の容易のために、図10の熱交換器52の流路の符号1〜4に対応させて、図11(A)の熱交換器52の各流路に符号1〜4を付している点も、実施例2と同様である。
【0083】
一方、図11(B)に示すように、実施例3に係る冷却器は、冷却容器10の冷却液20内に第3の熱交換器160を備えている。第3の熱交換器160は、冷却液20の中で用いるタイプの種々の熱交換器が用いられてよいが、例えば、図11(B)に示すように、配管が冷却液20内をコの字型に循環する形状を有する熱交換器が用いられてもよい。実施例3に係る冷却器は、第3の冷却器160を構成する配管から、冷却液20ではなく作動液161を抽出する点が実施例2に係る冷却器と異なるが、その他の構成は、実施例2に係る冷却器と同様であるので、対応する構成要素に同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0084】
実施例3に係る冷却器によれば、冷却容器10の冷却液20内で用いる第3の熱交換器160と、冷却容器10の外部で用いる第2の熱交換器52を併用することにより、高効率の冷却を行うことができる。
【実施例4】
【0085】
図12は、本発明の実施例4に係る冷却器の一例を示した構成図である。図12(A)は、実施例4に係る冷却器の側面の断面構成を示した図であり、図12(B)は、実施例4に係る冷却器の正面の断面構成を示した図である。
【0086】
図12(A)、(B)において、実施例4に係る冷却器は、パワーモジュール30が冷却容器10の側面ではなく、底面に接触して設けられている点で、実施例1乃至3に係る冷却器と異なっている。その他、基本的な構成については、実施例1に係る冷却器とほぼ同様であり、冷却容器15と、冷却液20と、循環流路41と、第1の熱交換器42と、第2の熱交換器54と、分岐流路55と、パワーモジュール30と、半導体素子31と、流量制御弁60と、温度センサ70とを備える。
【0087】
実施例4に係る冷却器においては、パワーモジュール30を冷却容器10の側面ではなく底面に設置したことにより、冷却容器15が横長の形状となっている点で、実施例1に係る冷却器と異なっている。それに伴い、第1の熱交換器42、第2の熱交換器54も、横幅が長くなり、両者の間隔、つまり分岐流路55の長さは短くなった形状となっている。
【0088】
パワーモジュール30、半導体素子31、ベースプレート11は、冷却容器10に装着された位置は異なるが、これらの構成自体は実施例1と同様の構成である。また、流量制御弁60及び温度センサ70も、実施例1に係る冷却器と同様の構成を有している。よって、これらの構成要素には、実施例1に係る冷却器と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
なお、図12においては、実施例1に係る冷却器を横置きに構成した例について説明したが、実施例2及び実施例3に係る冷却器も、同様に横置きに構成することができる。
【0090】
また、図12において、冷却容器10の上部を天井等に装着して用いる場合には、このままの構成でよいが、床に置いて設置する場合には、パワーモジュール30の周囲に支持台を設け、パワーモジュール30に荷重が加わらないような構成としてもよい。
【0091】
実施例4に係る冷却器によれば、パワーモジュール30を冷却容器10の底面に設置して横置きの構成とすることにより、冷却器を収容するスペースの高さがあまり無いような場合であっても収容可能な冷却器として構成することができる。
【0092】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、半導体素子を搭載したパワーモジュール用の冷却器に利用することができ、例えば、車載用のパワーモジュール用冷却器として利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
10、15 冷却容器
11 ベースプレート
12 空間部
20 冷却液
30 パワーモジュール
31 半導体素子
32 インバータ
40、42 第1の熱交換器
41 循環配管
50、52、54 第2の熱交換器
51、53、55 分岐流路
60 流量制御弁
70 温度センサ
80 電流センサ
90 ECU
91 素子温度推定手段
92 流量比設定手段
93 操作制御手段
94 制御手段
100 冷媒
110、150 ポンプ
120 ラジエータ
130 バッテリ
140 モータ
151 流路
160 第3の冷却器
161 作動液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液を、空間部分を有して収容する冷却容器と、
半導体素子を備え、前記冷却容器の前記冷却液が満たされた部分の外側に接触して設けられたパワーモジュールと、
前記空間部分に設けられ、冷媒が流れる第1の熱交換器と、
該第1の熱交換器に並列に接続され、前記冷媒との熱交換により前記冷却水を冷却する第2の熱交換器と、
前記冷媒の前記第2の熱交換器に流れる流量を制御する流量制御弁と、
前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
前記半導体素子を流れる電流から、前記半導体素子の温度を推定する素子温度推定手段と、
前記冷却水温度検出手段で検出された前記冷却水の温度と、前記素子温度推定手段で推定された前記半導体素子の温度との差分に応じて、前記流量制御弁を制御する制御手段と、を有することを特徴とする冷却器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記冷却水の温度と、前記半導体素子の温度との差分が所定値以上のときには、前記流量制御弁を開く制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記第2の熱交換器は、前記冷却液内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記第2の熱交換器は、前記冷却容器の外部に配置され、
前記冷却液を前記第2の熱交換器を通過するように循環させるポンプを更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却器。
【請求項5】
前記第2の熱交換器は、前記冷却容器の外部に配置され、
前記冷却液内に配置された第3の熱交換器と、
該第3の熱交換器を流れる作動液を、前記第2の熱交換器を通過するように循環させるポンプと、を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却器。
【請求項6】
前記パワーモジュールは、前記冷却容器の側面に設けられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の冷却器。
【請求項7】
前記パワーモジュールは、前記冷却器の底面に設けられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の冷却器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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