説明

冷却用ファンモジュール

【課題】駆動部による振動を緩衝し、ファンケースの構造を強化した半導体デバイス冷却用ファンモジュール。
【解決手段】
ファンモジュール3は、ファン31、ファンケース311、ファンケース311内に位置するハブ部312a、ハブ部312a周囲に設けられる羽根312bと、ハブ部312a内に設けられる駆動部313とからなる。
ファンケース311の外側表面311dに凹陥部311eを設けて、該凹陥部に接続部材311fが埋設する。ファンケース311を取付孔311cを貫通するネジにより固定して設置するとき、接続部材311fが隣接する他のファンケースや取付け箇所に接して駆動部からの振動を吸収することにより、防振効果を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファンモジュールに関し、特に一つ以上のファンが搭載装置上に設置されており、ファンのファンケース上に駆動部がハブ部および羽根を回転させるときに発生する振動を緩衝できる接続部材が設置されているファンモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
図1、2は従来技術による半導体デバイス冷却用ファンモジュール1を示し、ファン11は、ファンケース111と、ハブ部112aと、羽根112bと、駆動部113とを含み、ファンケース111の吸気口111a付近には排気口111b付近まで貫通された取付孔111cが設けられており、ファンケース111内にはハブ部112aが設けられており、ハブ部112aの外周には複数の羽根112bが設けられており、ハブ部112a内には駆動部113が設けられており、駆動部113はモータとすることができ、駆動部113がハブ部112aおよびハブ部112a外周に設けられている羽根112bを回転させることによって気流を生成し、その風圧を利用することによって放熱効果を達成する。
【0003】
図3は従来技術によるファンモジュール1を搭載装置2上に設置した状態を示す斜視図であり、搭載装置2上には固定板21が設けられており、固定板21上には取付孔111cに対応するねじ穴211が設けられており、螺合部材211aがファンケース111の取付孔111cを貫通して固定版21のねじ穴211に螺合されることによって、ファンモジュール1が搭載装置2上に固定されている。
【0004】
上述の従来技術によるファンモジュール1には下記の欠点が存在する。
(1)従来技術によるファンモジュール1の駆動部113が運転するとき振動が発生し、この振動がファン11の正常な運転に影響を及ぼす。
(2)従来技術によるファンモジュール1の駆動部113を運転するときに発生する振動が騒音を生成する。
【0005】
本発明の発明者は上述の従来技術によるファンモジュール1の欠点に鑑み、研究、改良を重ね、ついに本発明を完成させた。
【特許文献1】特開2005−26493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、ファンケースの外表面に接続部材を設けることができるファンモジュールを提供することである。
本発明の第2の目的は、駆動部がハブ部および羽根を回転させるときに発生する振動を緩衝できるファンモジュールを提供することである。
本発明の第3の目的は、搭載装置上に緊密に設置できるファンモジュールを提供することである。
本発明の第4の目的は、ファンケースの構造を強化できるファンモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、搭載装置上に設置されるファンモジュールであって、ファンモジュールは、少なくとも一つ以上のファンを含み、ファンはファンケースとファンケース内に位置するハブ部と、ハブ部周囲に設けられている羽根と、ハブ部内に設けられている駆動部とを含み、ファンケースの外側表面には少なくとも一つ以上の凹陥部が形成されており、凹陥部上には少なくとも一つ以上の接続部材が埋設されており、ファンケースを搭載装置上に設置するとき、ファンケースの該接続部材を介してファンケース同士及び搭載装置に密接に接して設置することができ、駆動部がハブ部および羽根を回転させるときに発生する振動を吸収し、緩衝することができる。
【発明の効果】
【0008】
凹陥部を利用し、従来技術によるファンケースと大きさが同じファンケースの外表面に振動を緩衝できる接続部材を設置することによって、ファンケースの構造を強化でき、駆動部がハブ部および羽根を回転させるときに発生する振動を吸収して緩衝でき、確実に防振、防音機能を向上させた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の目的、構造および機能上の特性を図を参照して説明を行う。
【0010】
図4、5は、本発明の第1実施形態を示し、ファンモジュール3は、少なくとも一つ以上のファン31を含み、ファン31はファンケース311と、ファンケース311内に設けられているハブ部312aと、ハブ部312a周囲に設けられている羽根312bと、ハブ部312a内に設けられている駆動部313とを含み、駆動部313はモータとすることができ、ファンケース311の吸気口311a周辺には排気口311b付近まで貫通された取付孔311cが設けられており、ファンケース311の外側表面311dには少なくとも一つ以上の凹陥部311eが設けられており、本実施形態においては凹陥部311eはファンケース311の外表面311dに形成されている凹状の空間であり、凹陥部311e上には少なくとも一つ以上の接続部材311fが埋設、或は嵌合して設けられており、接続部材311fには金属材料またはプラスチック材料からなるケース体311gおよび緩衝機能を備える防振部材311hが設けられており、接続部材311fは単一体とすることも、または単体のケース体311gと単体の防振部材311hとを組合わせたものとすることもできる。
【0011】
図6は、本実施形態による放熱モジュール3を搭載装置4上に設置した状態を示す斜視図であり、搭載装置4上には固定板41が設けられており、固定板41上にはファンケース311の取付孔311cに対応するねじ穴411が設けられており、螺合部材411aがファンケース311の取付孔311cを貫通して固定版41のねじ穴411に螺合されることによって、ファンモジュール3が搭載装置4上に固定される。
【0012】
ファンケース311を搭載装置4上に設置するとき、ファンケース311の接続部材311fによってファンケース311を緊密に搭載装置4上に設置することができ、ファンケース311の構造を強化でき、駆動部313がハブ部312aおよび羽根312bを回転させるときに発生する振動を緩衝できる。
【0013】
図7、8、9は、本発明の第2実施形態を示し、ファンモジュール5は、少なくとも一つ以上のファン51を含み、ファン51は、少なくとも、ファンケース511と、ファンケース511内に設けられているハブ部512aと、ハブ部512a周囲に設けられている羽根512bと、ハブ部512a内に設けられている駆動部513とを含み、駆動部513はモータとすることができ、ファンケース511の吸気口511a付近には排気口511b付近まで貫通された取付孔511cが設けられており、ファンケース511の外側表面511dには少なくとも一つ以上の凹陥部511eが形成されており、本実施形態においては凹陥部511eはファンケース511の外表面511d内側に切削された収容空間であり、凹陥部511e上には少なくとも一つ以上の緩衝機能を備える接続部材511fが設けられており、接続部材511fには金属材料またはプラスチック材料からなるケース体511gおよび防振部材511hが設けられており、接続部材511fは単一体とすることも、単体のケース体511gと単体防振部材511hとを組合わせたものとすることもできる。
【0014】
図10は、本実施形態による放熱モジュール5を搭載装置4上に設置した様子を示す斜視図であり、搭載装置4上には固定板41が設けられており、固定板41上には取付孔511cに対応するねじ穴411が設けられており、螺合部材411aがファンケース511の取付孔511cを貫通して固定版41のねじ穴411に螺合されることによって、ファンモジュール5が搭載装置4上に固定されている。
【0015】
ファンケース511を搭載装置4上に設置するとき、ファンケース511の接続部材511fによってファンケース511を緊密に搭載装置4上に設置することができ、ファンケース511の構造を強化でき、駆動部513がハブ部512aおよび羽根512bを回転させるときに発生する振動を緩衝できる。
【0016】
図11は図3の正面図であり、図12は図6の正面図であり、図13は図10の正面図である。本実施形態および従来技術によるファンモジュール1は大きさが同じ搭載装置2、4上に設置されているが、本実施形態は凹陥部311e、511eを利用し、従来技術によるファンケース111と大きさが同じファンケース311、511の外表面に振動を緩衝できる接続部材311f、511fを設置することによって、ファンケース311、511の構造を強化でき、駆動部313、513がハブ部312a、512aおよび羽根312b、512bを回転させるときに発生する振動を緩衝でき、確実に機能を向上させた。
【0017】
上述の説明は、本発明の実施形態を示したものであり、本実施形態の方法、形状、構造および装置利用した変更はすべて本発明の権利範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術によるファンモジュールを示す立体分解図である。
【図2】従来技術によるファンモジュールの組立後の様子を示す斜視図である。
【図3】従来技術によるファンモジュールを搭載装置上に設置した様子を示す 斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるファンモジュールを示す立体分解図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるファンモジュールの組立後の様子を示す 斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるファンモジュールを搭載装置上に設置し た様子を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態によるファンモジュールを示す立体分解図である 。
【図8】本発明の第2実施形態によるファンモジュールの組立後の様子を示す 斜視図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態によるファンモジュールを搭載装置上に設置 した様子を示す斜視図である。
【図11】図3の正面図である。
【図12】図6の正面図である。
【図13】図10の正面図である。
【符号の説明】
【0019】
3、5 ファンモジュール
31、51 ファン
311、511 ファンケース
311a、511a 吸気口
311b、511b 排気口
311c、511c 取付孔
311d、511d 外表面
311e、511e 凹陥部
311f、511f 接合部材
311g、511g ケース体
311h、511h 防振部材
312a、512a ハブ部
312b、512b 羽根
313、513 駆動部
4 搭載装置
41 固定板
411 ねじ穴
411a 螺合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載装置上に設置される冷却用ファンモジュールであって、
前記ファンモジュールは、少なくとも一つ以上のファンを含み、
前記ファンは、ファンケースと、前記ファンケース内に位置するハブ部と、前記ハブ部周囲に設けられている羽根と、前記ハブ部内に設けられている駆動部とを含み、
前記ファンケースの外表面には少なくとも一つ以上の凹陥部が形成されており、前記凹陥部上に接続部材が設けられて前記ファンケースを前記搭載装置上に設置するとき、該接続部材を介して前記ファンケース同士、及び前記搭載装置に対して緊密に接して設置することにより、駆動部がハブ部および羽根を回転させるときに発生する振動を吸収して緩衝できることを特徴とするファンモジュール。
【請求項2】
前記接続部材は、少なくともケース体および防振部材を含むことを特徴とする請求項1記載のファンモジュール。
【請求項3】
前記接続部材は単一体であることを特徴とする請求項1または2記載のファンモジュール。
【請求項4】
前記接続部材は、ケース体と、防振部材とからなることを特徴とする請求項1または2記載のファンモジュール。
【請求項5】
前記ケース体は、金属材料からなることを特徴とする請求項2記載のファンモジュール。
【請求項6】
前記ケース体は、プラスチック材料からなることを特徴とする請求項2記載のファンモジュール。
【請求項7】
前記凹陥部は、ファンケースの外表面に設けられた凹状の空間であることを特徴とする請求項1記載のファンモジュール。
【請求項8】
前記凹陥部は、ファンケースの外表面の内側に向かって切削された収容空間であることを特徴とする請求項1記載のファンモジュール。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−266162(P2006−266162A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85033(P2005−85033)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(598081241)奇▲ほん▼股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】