説明

冷却装置およびそれを備える電子機器

【課題】空気漏れを抑制することのできる、交換可能な冷却装置を提供する。
【解決手段】ポンプ本体1が搭載されたカバー4と、カバー4が着脱自在に装着される筐体とを有する冷却装置であって、筐体は、当該筐体内に空気を導入するための通風口が形成された通風口形成面と、該通風口形成面上に、通風口を囲むように設けられた凸部とを有し、カバー4は、加圧ポンプの吐出口に一端が嵌合された連通管と、連通管の他端の外周部に、該他端の開口を中心として該開口面に沿って設けられたシート状のパッキン部3aと、連通管の他端を固定するポンプ固定部2とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源やCPUなどの熱源を冷却するための冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶プロジェクタは、光源や液晶パネルなどを冷却するための冷却装置を備える。冷却装置としてファンが広く用いられている。しかし、ファンによる冷却では、単に風を熱源全体に当てるだけであり、十分な冷却効果を得ることは困難である。ファンによる冷却手法で大きな冷却効果を得るには、モータの回転速度を速くして風速を上げる必要があるが、モータの回転速度を速くすると、モータの振動や動作音が増大するため、あまり好ましくない。また、光源のような、局所的に熱が発生する熱源においては、発熱部を局所的に冷却することが望ましいが、ファンではそのような局所的な冷却を行うことは困難である。
【0003】
そこで、局所的な冷却を行うことのできる加圧ポンプを用いた冷却装置が提案されている(特許文献1参照)。この冷却装置は、空気を取り込んで圧縮する加圧ポンプ(コンプレッサ)と、加圧ポンプで圧縮された空気を収容するためのエアタンクと、エアタンク内の空気を吐出する冷却ノズルとから構成される。加圧ポンプとエアタンクは連通管により連結されている。冷却ノズルは、その吐出口が熱源の所望の箇所に向くように配置されている。冷却ノズルから吐出された圧縮空気が熱源の所望の箇所に当たることで、熱源が局所的に冷却される。
【特許文献1】特開2005−148624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、加圧ポンプには寿命があり、寿命がきた加圧ポンプは交換する必要がある。特許文献1に記載の冷却装置は、交換可能なユニット構造になっていないため、加圧ポンプの交換に手間がかかる、という問題がある。
【0005】
また、交換可能なユニット構造を単に採用するだけでは、ユニット側の加圧ポンプの吐出口と筐体側の通風口との接続部において、空気漏れを生じる場合がある。交換可能なユニット構造において、加圧ポンプの吐出口と筐体の通風口との接続部における空気漏れを防止する具体的な手法については、これまで提案されていなかった。
【0006】
本発明の目的は、上記各問題を解決し、空気漏れを抑制することのできる、交換可能な冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明の冷却装置は、圧縮した空気を吐出する加圧ポンプが搭載されたポンプユニットと、前記ポンプユニットが着脱自在に装着される筐体と、を有し、前記筐体は、当該筐体内に空気を導入するための通風口が形成された通風口形成面と、前記通風口形成面上に、前記通風口を囲むように設けられた凸部と、を有し、前記ポンプユニットは、前記加圧ポンプの吐出口に一端が嵌合された連通管と、前記連通管の他端の外周部に、該他端の開口を中心として該開口面に沿って設けられたシート状のパッキン部と、前記連通管の他端を固定するポンプ固定部と、を有し、前記ポンプ固定部は、前記パッキン部を前記凸部に押し当てるための押し当て面を備え、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で、前記パッキン部が前記押し当て面により前記凸部に押し当てられて、前記連通管の他端の開口と前記通風口とが接合され、該接合部が前記パッキン部により密閉される、ことを特徴する。
【0008】
第2の発明の冷却装置は、圧縮した空気を吐出する加圧ポンプが搭載されたポンプユニットと、前記ポンプユニットが着脱自在に装着される筐体と、を有し、前記筐体は、当該筐体内に空気を導入するための通風口が形成された通風口形成面を有し、前記ポンプユニットは、前記加圧ポンプの吐出口に一端が嵌合された連通管と、前記連通管の他端の外周部に、該他端の開口を中心として該開口面に沿って設けられたシート状のパッキン部と、前記連通管の他端を固定するポンプ固定部と、を有し、前記ポンプ固定部は、前記パッキン部を前記通風口形成面に押し当てるための押し当て面を備え、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で、前記パッキン部が前記押し当て面により前記通風口形成面に押し当てられて、前記連通管の他端の開口と前記通風口とが接合され、該接合部が前記パッキン部により密閉される、ことを特徴する。
【0009】
上記の第1および第2の発明のいずれにおいても、ポンプユニットは、着脱自在に筐体に装着される構造であるので、寿命のきた加圧ポンプを簡単に交換することが可能である。
【0010】
加えて、加圧ポンプに取り付けられた連通管の他端の開口と筐体側の通風口との接合部はパッキン部により密閉されるので、接合部で空気漏れを生じることはない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、交換可能なポンプユニット構造を採用したので、加圧ポンプを簡単に交換することができる。
【0012】
加えて、加圧ポンプに取り付けられた連通管の他端の開口と筐体側の通風口との接合部で空気漏れを生じることがないので、加圧ポンプからの圧縮空気を効率よく筐体内の所望の箇所に導くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態である冷却装置のポンプユニットの構成を示す斜視図、図2は、図1に示すポンプユニットの分解斜視図である。
【0015】
図1および図2を参照すると、ポンプユニットは、プロジェクタの筐体に取り付けられる、脱着可能なユニットであって、その主要部は、ポンプ本体1、ポンプ固定部2、連通管3およびカバー4からなる。
【0016】
ポンプ本体1は、吸込口12から空気を取り込んで圧縮し、圧縮した空気を吐出口11から吐出する。吸込口12には、ポンプ内へのゴミの進入を防ぐために、円筒状のフィルタ14が取り付けられている。ポンプ本体1の他の部材と接触する可能性のある部分は、クッション部材で覆われている。クッション部材は、例えば海綿状のゴムや合成樹脂など、振動や衝撃の吸収が可能な弾性体である。図2中では、ポンプ本体1の外周部が、クッション13a、13bによって覆われている。
【0017】
連通管3は、ゴムや合成樹脂などの弾性体よりなり、一端が吐出口11に嵌め込まれている。連通管3の他端には、円板状のパッキン部3aが設けられている。連通管3の他端を筐体側の通風口が設けられた箇所に押し当てて、連通管3と通風口とを連通させた状態において、パッキン部3aは、連通管3を通じて送られる圧縮空気の漏れを防止するためのパッキンの役割を果たす。
【0018】
カバー4は、筐体のユニット取り付け部分の所定の箇所に設けられた穴に差し込むための突起4aと、ユニット取り付け部分の所定の箇所に設けられた突起と係合する受け部4bと、複数の外気導入口4cと、カバー4を筐体にネジ止めするための穴4dとを備える。突起4aを筐体側の穴に差し込んだ状態で、筐体側の突起を受け部4bと係合させることで、ポンプユニットの筐体への取り付け位置を正確に決めることができる。位置決めした状態で、穴4dは筐体の所定の箇所に設けられたネジ穴の真上に位置するようになっており、この穴4dを通してネジを筐体側のネジ穴に挿入することで、カバー4を筐体に固定する。
【0019】
カバー4の内壁には、ポンプ本体1を固定するためのポンプ固定部2および電気接点支持部5が設けられている。電気接点支持部5は、電気接点6を取り付けるためのものであって、電気接点6の取り付け面には、突起5aとリベット7を差し込むための穴5bが設けられている。電気接点6は、ポンプ本体1と不図示のポンプ駆動部とを接続するための複数の接点が基板上に配置されたものであって、基板には、突起5aが嵌め込まれる穴6aと、リベット7が差し込まれる穴6bとが設けられている。電気接点6の穴6aを電気接点支持部5の突起5aに嵌め込んだ状態で、リベット7を穴6b、5bに差し込むことで、電気接点6を電気接点支持部5に固定する。
【0020】
ポンプ固定部2は、押さえ部材21および受け部材22からなる。受け部材22は、断面形状が「コ」の字状の部材であって、前方側(ユニット装着時に筐体の通風口が位置する側)の壁部221と、後方側(ポンプ本体1が位置する側)の壁部222と、これら壁部の間に設けられた、押さえ部材21をネジ止めするための円柱状のネジ止め部223とを備える。壁部221、222の上端部にはそれぞれ、前方受け部221a、後方受け部222aが形成されている。前方受け部221aおよび後方受け部222aは、壁部の一部を凹状に切り欠いたものである。
【0021】
押さえ部材21は、下端部が壁部221の上端部に当接される前方側の壁部211と、下端部が壁部222の上端部に当接される後方側の壁部212とを有し、これら壁部211、212の間に、ネジをネジ止め部223にねじ込む際のガイドとなる円柱状のガイド部213が設けられている。壁部211、212の下端部にはそれぞれ、前方受け部211a、後方受け部(不図示)が形成されている。これら前方受け部211aおよび後方受け部は、壁部の一部を凹状に切り欠いたものである。
【0022】
押さえ部材21を受け部材22にネジ止めした状態で、押さえ部材21の壁部211と受け部材22の壁部221とにより一様な面が構成され、その面の一部に、壁部211の前方受け部211aと壁部221の前方受け部221aとにより開口部が形成される。この開口部の径は連通管3の外径より小さくなっており、これにより、連通管3の一部を開口部で固定することが可能となっている。同様に、ネジ止めした状態で、押さえ部材21の壁部212と受け部材22の壁部222とにより一様な面が構成され、その面の一部に、壁部212の後方受け部と壁部222の後方受け部222aとにより開口部が形成される。この開口部によって形成される空間は、ポンプ本体1の吐出口11と吸込口12を挿入可能な十分な空間であり、ポンプ本体1の吐出口11と吸込口12は、壁部212の後方受け部および壁部222の後方受け部222aと接触しない。
【0023】
図3は、ポンプ本体1をポンプ固定部2で固定した状態を説明するための図であって、(a)は上面図、(b)は(a)の線A−Aにおける断面図である。
【0024】
図3の(a)に示すように、押さえ部材21は、ネジ8で受け部材22にネジ止めされている。図3の(b)に示すように、ポンプ本体1の吐出口11に連通管3の一端が嵌め込まれており、この連通管3の、吐出口11との嵌合部を除く部分の一部(ここでは、パッキン部3aが設けられた部分)が、壁部211の前方受け部211aと壁部221の前方受け部221aとによって固定されている。壁部211、221により形成される一様な面には、パッキン部3aが配されており、ユニット装着時には、このパッキン部3aによって、連通管3を通じて送られる圧縮空気の漏れを防止する。壁部212の後方受け部212aと壁部222の後方受け部222aとにより形成される開口部内に、ポンプ本体1の吐出口11および吸込口12が配置されている。
【0025】
次に、ポンプユニットをプロジェクタの筐体に取り付けるための構造について説明する。
【0026】
図4は、図1に示したポンプユニットを搭載するプロジェクタの構成を示す斜視図である。図4を参照すると、プロジェクタ200は、光源、液晶パネル、光源からの光を液晶パネルに照射する照明光学系などが収容される筐体200aと、筐体200aに装着される、脱着可能なポンプユニット100とを有する。ポンプユニット100は、図1に示したポンプユニットである。
【0027】
筐体200aの、ポンプユニット100を取り付ける部分には、連通管3のパッキン部3aが押し当てられる本体冷却通風口形成部材201と、カバー4の受け部4bと係合させる突起202と、カバー4の突起4aを差し込むための穴203とが形成されている。
【0028】
本体冷却通風口形成部材201は、図5に示すように、中心部に通風口2011が形成された面状の受け部2012と、通風口2011を筐体200a内の配管(ポンプ本体1から吐出された圧縮空気を熱源まで導くための連通管)と連結するための連通管2013と、受け部2012上に通風口2011を囲むように設けられた凸部2014とを有する。本体冷却通風口形成部材201は、カバー4の突起4aを差し込む側の壁部に取り付けられている。
【0029】
図6に、ポンプユニット100を筐体200aに装着した状態における断面構造を示す。図6に示すように、ポンプユニット100の突起4aを筐体200aの穴203に差し込み、ポンプユニット100の受け部4bと筐体200aの突起202とを係合させることで、ポンプユニット100を筐体200aに対して位置決めする。位置決めした状態で、穴4dは筐体200aの突起202に設けられたネジ穴の真上に位置するようになっている。穴4dを通してネジ204を筐体200aのネジ穴に挿入することで、ポンプユニット100を筐体200aに固定する。
【0030】
ポンプユニット100を筐体200aに固定した状態において、連通管3のパッキン部3aは、前方側の壁部211、221より形成される面によって、適切な力で、本体冷却通風口形成部材201の受け部2012に押し当てられる。この結果、連通管3の端部の吐出口と受け部2012の通風口2011とが連通した状態となり、ポンプ本体1の吐出口11から吐出された高静圧の空気を通風口2011から筐体200a内の配管に送り込むことができる。配管の先には、光源などの熱源が配置されており、ポンプ本体1からの圧縮空気で熱源の所望の箇所を冷却することができる。
【0031】
パッキン部3aを受け部2012に押し当てる力は、面全体で一様である。パッキン部3aを受け部2012の凸部2014に押し当てる力を得るために、ポンプユニット100を筐体200aに固定した状態において、前方側の壁部211、221より形成される面(押し当て面)と本体冷却通風口形成部材201の受け部2012(通風口形成面)との間隔Dは、パッキン部3aの厚みT1および凸部2014の厚みT2の合計より小さくなっている。厚み(T1+T2)に対する間隔Dの大きさによって、パッキン部3aを受け部2012に押し当てる力が決まる。([T1+T2]−D)値が大きいほど、パッキン部3aが凸部2014に押し当てられる力が強くなり、その結果、空気漏れを防ぐ効果が高くなる。
【0032】
また、ポンプユニット100を筐体200aに固定した状態において、押し当て面と通風口形成面がほぼ平行な状態になるように構成されている。これにより、パッキン部3aを凸部2014全体に一様な力で押し当てることができる。
【0033】
さらに、壁部211、221の後方(パッキン部3aが配置された側とは反対の側)には、ガイド部213およびネジ止め部223が配置されており、これらにより、壁部211、221より形成される面の剛性を高めている。これにより、パッキン部3aを受け部2012の凸部2014に適切な力で押し当てることができる。
【0034】
さらに、凸部2014は、壁部211、221より形成される面の剛性が高い部分と対向する位置に設けることが望ましい。具体的には、ガイド部213およびネジ止め部223が配置されている部分と対向する位置に凸部2014を設けることが望ましい。こうするとで、壁部211、221より形成される面でパッキン部3aを凸部2014に押し当てる場合において、面の剛性の強い部分でパッキン部3aを押しつぶすことができる。なお、面の剛性が弱いと、パッキン部3aを凸部2014に一様な力で押し当てることが困難となり、空気漏れを生じる場合がある。
【0035】
以上説明した本実施形態の冷却装置によれば、ポンプユニットは、着脱自在に筐体に装着される構造であるので、寿命のきた加圧ポンプを簡単に交換することが可能である。
【0036】
加えて、加圧ポンプに取り付けられた連通管の他端の開口と筐体側の通風口との接合部はパッキン部により密閉されるので、接合部で空気漏れを生じることはない。よって、加圧ポンプからの圧縮空気を効率よく筐体内の所望の箇所に導くことができる。
【0037】
(他の実施形態)
図7は、本発明の他の実施形態である冷却装置のポンプユニットの構成を示す断面図、図8は、図7に示すポンプユニットを装着するプロジェクタの斜視図である。
【0038】
図7および図8を参照すると、ポンプユニットは、プロジェクタ300の筐体300aに取り付けられる、脱着可能なユニットであって、その主要部は、ポンプ本体1、ポンプ固定構造を備える蓋400および連通管3からなる。ポンプ本体1および連通管3は、図1に示したものと同様のものである。連通管3の一端は、吐出口11に嵌め込まれている。ポンプ本体1の、吐出口11および吸込口12が設けられた面には、クッション13dが設けられている。連通管3の他端には、円板状のパッキン部3aが設けられている。
【0039】
筐体300aには、ポンプ本体1を収納するためのポンプ収納部301が設けられており、ポンプ収納部301の開口端近傍に本体冷却通風口形成部材201が設けられている。ポンプ収納部301の開口端には、蓋400を固定するためのネジ止め部302が設けられている。本体冷却通風口形成部材201は、図5に示したものと同じものである。
【0040】
蓋400は、開口部が形成された面401と、連通管3の一部(吐出口11との嵌合部を除く部分の一部)を固定する固定部402と、外気導入口403とを有する。固定部402の壁部の外側の面(押し当て面)にパッキン部3aが配置される。面401に形成された開口部によって形成される空間は、ポンプ本体1の吐出口11と吸込口12を挿入可能な十分な空間であり、ポンプ本体1の吐出口11と吸込口12はこの開口部の端部と接触しない。
【0041】
また、図示されていないが、ポンプ収納部301および蓋400には、突起および該突起を受ける受け部など、蓋400を固定する位置を正確に決めるための位置決め手段も設けられている。さらに、蓋400には、位置決めした状態で、ネジ止め部302にネジを挿入するためのネジ取り付け穴が設けられている。
【0042】
本実施形態のプロジェクタでは、図8に示すように、ポンプ本体1をポンプ収納部301内に挿入して、蓋400をポンプ収納部301の開口端にネジ止めする。ネジ止めした状態で、固定部402の壁部の外側の面によって、パッキン部3aが本体冷却通風口形成部材201の受け部2012の凸部2014に押し当てられる。この結果、連通管3と受け部2012の通風口2011とが連通した状態となり、ポンプ本体1の吐出口11から吐出された高静圧の空気が通風口2011から筐体300a内の配管に送り込まれる。パッキン部3aを受け部2012に押し当てる力は、面全体で一様である。配管の先には、光源などの熱源が配置されており、ポンプ本体1からの圧縮空気で熱源の所望の箇所を冷却することができる。
【0043】
なお、固定部402は、図1に示したポンプ固定部2のような分離構造であってもよい。分離構造は、連通管3の外形の形状に対応する凹状の第1の受け部を有する押さえ部材と、連通管3の外形の形状に対応する凹状の第2の受け部を有する受け部材と、押さえ部材を受け部材に固定するための固定手段(ネジ止め機構や、爪とその爪が係合される係合部とを用いた固定機構など)とから構成される。分離構造を採用することで、固定部402を再利用することが可能となり、製造コストを下げることができる。
【0044】
以上説明した各実施形態の冷却装置は、本発明の一例であり、その構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。例えば、連通管と通風口との接合部において、パッキン部だけで空気漏れを防止することができるのであれば、本体冷却通風口形成部材201は凸部2014を有していなくても良い。
【0045】
また、押し当て面上の、ポンプユニットを筐体に装着した状態で凸部と対向する領域の内側に、連通管の他端の開口を囲むように別の凸部を設けてもよい。
【0046】
また、押し当て面上の、ポンプユニットを筐体に装着した状態で凸部と対向する領域の外側に、連通管の他端の開口を囲むように別の凸部を設けてもよい。
【0047】
また、通風口形成面が形成された通風口形成部材は、筐体と一体的に形成してもよい。
【0048】
本発明の冷却装置は、プロジェクタ、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置、液晶表示装置やプラズマディスプレイに代表される表示装置などの電子機器全般に適用することができる。本発明の冷却装置を採用する電子機器では、ポンプユニットが着脱自在に装着される筐体内に、CPUに代表される制御部やこの制御部によって制御される動作部などが収容され、加圧ポンプからの圧縮空気で制御部などの所望の部分を局所的に冷却する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態である冷却装置のポンプユニットの構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すポンプユニットの分解斜視図である。
【図3】図1に示すポンプ本体をポンプ固定部で固定した状態を説明するための図であって、(a)は上面図、(b)は(a)の線A−Aにおける断面図である。
【図4】図1に示すポンプユニットを搭載するプロジェクタの構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示す本体冷却通風口形成部材の構成を示す斜視図である。
【図6】図1に示すポンプユニットを筐体に装着した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態である冷却装置のポンプユニットの構成を示す断面図である。
【図8】図7に示すポンプユニットを装着するプロジェクタの斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ポンプ本体
2 ポンプ固定部
3 連通管
3a パッキン部
4 カバー
4a 突起
6 電気接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮した空気を吐出する加圧ポンプが搭載されたポンプユニットと、
前記ポンプユニットが着脱自在に装着される筐体と、を有し、
前記筐体は、
当該筐体内に空気を導入するための通風口が形成された通風口形成面と、
前記通風口形成面上に、前記通風口を囲むように設けられた凸部と、を有し、
前記ポンプユニットは、
前記加圧ポンプの吐出口に一端が嵌合された連通管と、
前記連通管の他端の外周部に、該他端の開口を中心として該開口面に沿って設けられたシート状のパッキン部と、
前記連通管の他端を固定するポンプ固定部と、を有し、
前記ポンプ固定部は、前記パッキン部を前記凸部に押し当てるための押し当て面を備え、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で、前記パッキン部が前記押し当て面により前記凸部に押し当てられて、前記連通管の他端の開口と前記通風口とが接合され、該接合部が前記パッキン部により密閉される、冷却装置。
【請求項2】
前記押し当て面上の、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で前記凸部と対向する領域の内側に、前記連通管の他端の開口を囲むように設けられた別の凸部を有する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記押し当て面上の、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で前記凸部と対向する領域の外側に、前記連通管の他端の開口を囲むように設けられた別の凸部を有する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記通風口形成面が形成された通風口形成部材を有し、該通風口形成部材は前記筐体から取り外し可能に構成されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記押し当て面とは反対側の面に前記押し当て面の剛性を高めるための補強部材を備え、
前記凸部は、前記押し当て面の前記補強部材が配置された箇所と対応する位置に形成されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
圧縮した空気を吐出する加圧ポンプが搭載されたポンプユニットと、
前記ポンプユニットが着脱自在に装着される筐体と、を有し、
前記筐体は、当該筐体内に空気を導入するための通風口が形成された通風口形成面を有し、
前記ポンプユニットは、
前記加圧ポンプの吐出口に一端が嵌合された連通管と、
前記連通管の他端の外周部に、該他端の開口を中心として該開口面に沿って設けられたシート状のパッキン部と、
前記連通管の他端を固定するポンプ固定部と、を有し、
前記ポンプ固定部は、前記パッキン部を前記通風口形成面に押し当てるための押し当て面を備え、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で、前記パッキン部が前記押し当て面により前記通風口形成面に押し当てられて、前記連通管の他端の開口と前記通風口とが接合され、該接合部が前記パッキン部により密閉される、冷却装置。
【請求項7】
圧縮した空気を吐出する加圧ポンプが搭載されたポンプユニットと、
制御部および該制御部からの制御により動作する動作部を収容し、前記ポンプユニットが着脱自在に装着される筐体と、を有し、
前記筐体は、
当該筐体内に空気を導入するための通風口が形成された通風口形成面と、
前記通風口形成面上に、前記通風口を囲むように設けられた凸部と、を有し、
前記ポンプユニットは、
前記加圧ポンプの吐出口に一端が嵌合された連通管と、
前記連通管の他端の外周部に、該他端の開口を中心として該開口面に沿って設けられたシート状のパッキン部と、
前記連通管の他端を固定するポンプ固定部と、を有し、
前記ポンプ固定部は、前記パッキン部を前記凸部に押し当てるための押し当て面を備え、前記ポンプユニットを前記筐体に装着した状態で、前記パッキン部が前記押し当て面により前記凸部に押し当てられて、前記連通管の他端の開口と前記通風口とが接合され、該接合部が前記パッキン部により密閉される、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−98195(P2008−98195A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274277(P2006−274277)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(300016765)NECディスプレイソリューションズ株式会社 (289)
【Fターム(参考)】