説明

冷却装置

【課題】コンプレッサ所要動力および車両への搭載性を悪化させることなく、電気機器を冷却する。
【解決手段】ECUは、冷房が行なわれる場合に(S100にてYES)、ポンプを作動させるステップ(S102)と、冷房が行なわれない場合に(S100にてNO)、コンプレッサを作動させるとともに(S104)、ポンプを作動させるステップ(S106)とを含む、プログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機を駆動源とする車両に搭載された電気機器の冷却装置であって、特に、空調用冷凍サイクルシステムを利用して電気機器を冷却する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題対策の1つとして、モータの駆動力により走行するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などが注目されている。
【0003】
このような車両においては、モータ、ジェネレータ、インバータ、コンバータあるいはバッテリ等の電気機器は電力の授受によって発熱するためこれらの電気機器を冷却する必要がある。この場合、エンジンのみを使用する通常の車両のごとく、電気機器とラジエータとの間で冷却水を循環させるという冷却システムを新たに設けることが考えられるが、このような冷却システムを新たに設ける場合には、専用のラジエータを設ける必要があるため、車両搭載性が低くなる場合がある。
【0004】
このような問題に鑑みて、特開2006−290254号公報(特許文献1)は、構成部品の共用化による組み付け性向上、原価低減そして小型化を図ることができるハイブリッド車の冷却システムを開示する。この冷却システムは、ガス冷媒を吸入圧縮可能なコンプレッサと、高圧のガス冷媒を凝縮させるための周囲空気で冷却可能なるメインコンデンサと、低温の液冷媒を蒸発させて被冷媒物を冷却可能なるエバポレータと、減圧手段とを含み、減圧手段とエバポレータとに、モータから吸熱可能なる熱交換器及び第2減圧手段を並列に接続してなることを特徴とする。
【0005】
上述した公報に開示された冷却システムによると、構成部品の共用化による組み付け性が向上することで、製造原価が低減できる。また、小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−290254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された冷却システムのように、エバポレータとモータから吸熱可能なる熱交換器とを並列に接続する場合には、エバポレータおよび熱交換器のそれぞれに冷媒を供給し、かつ、完全気体まで減圧する必要があるため、冷却に用いられるコンプレッサに要求される動力性能が高くなるという問題がある。また、コンプレッサが大型化すれば燃費が悪化し、更にコンプレッサ動力改善のためにコンデンサを大型化すれば車両への搭載性が悪化するという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コンプレッサ所要動力および車両への搭載性を悪化させることなく、電気機器を冷却する冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に係る冷却装置は、車両に搭載された電気機器を冷却するための冷却装置である。この冷却装置は、冷媒を循環させるためのコンプレッサと、冷媒を凝縮するためのコンデンサと、コンデンサによって凝縮された冷媒を用いて車両の室内の冷房を行なうためのエバポレータと、コンデンサの出口部の冷媒を流通させるための第1通路と、第1通路に接続され、第1通路を流通する冷媒を用いて電気機器を冷却するための冷却部と、冷却部を通過した冷媒をコンデンサの出口部に循環させるための第2通路と、コンデンサの出口部の冷媒を冷却部に供給するためのポンプとを含む。
【0010】
好ましくは、出口部は、冷媒を貯留するためのレシーバを含む。第1通路および第2通路の一方端は、冷却部に接続される。第1通路および第2通路の他方端は、レシーバに接続される。
【0011】
さらに好ましくは、冷却装置は、レシーバにおける冷媒の液量を検出するための検出部と、コンプレッサとコンデンサとの間に設けられ、コンプレッサからコンデンサへの冷媒の流通を許容する一方で、コンデンサからコンプレッサへの冷媒の流通を遮断する逆止弁と、レシーバとエバポレータとの間に設けられる電磁弁と、冷房が行なわれない場合に、液量が目標値よりも小さいときに電磁弁が開状態となり、液量が目標値よりも大きいときに電磁弁が閉状態となるように電磁弁を制御するための制御部とをさらに含む。
【0012】
さらに好ましくは、制御部は、冷房が行なわれる場合に電磁弁が開状態となるように電磁弁を制御する。
【0013】
さらに好ましくは、制御部は、冷房が行なわれない場合に、液量が目標値よりも大きいときにコンプレッサを停止させ、かつ、ポンプを作動させ、液量が目標値よりも小さいときにコンプレッサおよびポンプを作動させる。
【0014】
さらに好ましくは、冷却装置は、冷房が行なわれない場合に、電気機器の冷却要求があるときにポンプを作動させて、電気機器の冷却要求がないときにポンプを停止させるための制御部をさらに含む。
【0015】
さらに好ましくは、コンプレッサは、エバポレータから流通する前記冷媒を圧縮する。コンデンサは、コンプレッサによって圧縮された冷媒を凝縮する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、液体の状態の冷媒を冷却部に供給して電気機器を冷却することができるため、ポンプの前後における冷媒の圧力差を冷却部で冷媒を気化させる場合よりも低くすることができる。そのため、ポンプは、コンプレッサのような動力性能を必要とされない。その結果、冷却装置の大型化を抑制することができる。また、冷却装置の搭載性の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る冷却装置の全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る冷却装置のECUの機能ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る冷却装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態に係る冷却装置の全体構成を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る冷却装置のECUの機能ブロック図である。
【図6】第2の実施の形態に係る冷却装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1に示す、本実施の形態に係る冷却装置10は、回転電機を駆動源とする車両に搭載された電気機器を冷却する。回転電機を駆動源とする車両としては、たとえば、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車両である。本実施の形態において、「電気機器」は、たとえば、直流電力を交流電力に変換するためのインバータ122と、回転電機であるモータジェネレータ124とを一例として説明するが、特にこれらに限定されるものではない。たとえば、「電気機器」は、インバータ122およびモータジェネレータ124に代えてまたは加えて蓄電装置であるバッテリと、バッテリの電圧を昇圧させるためのコンバータと、バッテリの電圧を降圧するためのDC/DCコンバータとを含むようにしてもよい。なお、バッテリは、リチウムイオン電池あるいはニッケル水素電池等の二次電池である。バッテリに代えてキャパシタを用いてもよい。また、車両に搭載された電気機器としては、少なくとも作動によって熱を発生させる電気機器であれば、特に上記した電気機器に限定されるものではない。
【0020】
さらに、冷却の対象となる電気機器が複数個ある場合においては、複数の電気機器は、冷却の目標となる温度範囲が共通していることが望ましい。冷却の目標となる温度範囲は、電気機器を作動させる温度環境として適切な温度範囲である。
【0021】
本実施の形態に係る冷却装置10は、車両の室内の冷房を行なうための空調用冷凍サイクルシステム12と、冷却部120と、第1循環通路202と、第2循環通路204と、ECU400とを含む。
【0022】
空調用冷凍サイクルシステム12を用いた冷房は、たとえば、冷房を行なうためのスイッチがオンされた場合あるいは自動的に車両の室内の温度を設定温度になるように調整する自動制御モードが選択されている場合であって、かつ、車室内の温度が設定温度よりも高い場合に行なわれる。
【0023】
空調用冷凍サイクルシステム12は、コンプレッサ20と、コンデンサ40と、エバポレータ80と、エキスパンションバルブ150とを含む。
【0024】
第1循環通路202は、コンデンサ40の出口から流通する冷媒を冷却部120に流通させるための通路である。第2循環通路204は、冷却部120を通過した冷媒をコンデンサの出口に循環させるための通路である。冷却部120は、第1循環通路202および第2循環通路の各々の一方端に接続され、第1循環通路202を流通する冷媒を用いて電気機器を冷却する。
【0025】
なお、本実施の形態においては、レシーバ60がコンデンサ40の出口部に含まれるとして、第1循環通路202および第2循環通路204の各々の他方端は、レシーバ60に接続されるとして説明するが、レシーバ60の有無については特に限定されるものではない。したがって、第1循環通路202および第2循環通路204の各々の他方端は、レシーバ60を有しない場合において、コンデンサ40の出口部に直接接続されるようにしてもよい。
【0026】
また、コンデンサ40とエバポレータ80とは、第1接続通路302によって接続される。エバポレータ80とコンプレッサ20とは、第2接続通路304によって接続される。さらに、コンプレッサ20とコンデンサ40とは、第3接続通路306によって接続される。
【0027】
コンプレッサ20は、車両に搭載されたモータを動力源として作動し、作動時にエバポレータ80から第2接続通路304を経由して流通する気相冷媒を吸入圧縮して第3接続通路306に吐出する。コンプレッサ20は、第2接続通路306に冷媒を吐出することによって冷媒を循環させる。コンプレッサ20は、ECU400からの制御信号C1に基づいて作動する。なお、コンプレッサ20は、エンジンを動力源とするものであってもよい。
【0028】
コンデンサ40は、コンプレッサ20において圧縮された冷媒を放熱することによって冷媒を凝縮(液化)する。コンデンサ40は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒とコンデンサ40の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンとを含む。コンデンサ40は、たとえば、車両に搭載されたエンジン冷却用ラジエータに隣接して設けられ、車両の走行風あるいは冷却ファンによって供給された冷却風と冷媒との間で熱交換を行なう。コンデンサ40における熱交換によって冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。
【0029】
コンデンサ40の仕様(すなわち、サイズあるいは放熱性能)は、少なくともコンデンサ40を通過した後の液相冷媒の温度が電気機器を冷却するために必要とされる温度よりも低下するように定められることが望ましい。電気機器を冷却するために必要される温度は、少なくとも電気機器の温度範囲として目標となる温度範囲の上限値よりも低い温度であることが望ましい。好ましくは、コンデンサ40は、冷却部120を有しない場合の空調用冷凍サイクルシステム12のコンデンサ40よりも冷却部120において受けることが想定される熱量分だけ大きい放熱量を有するような仕様であることが望ましい。このようにすると、冷房性能を維持しつつ、コンプレッサ20の動力性能を増加させることなく、電気機器を適切に冷却することができる。
【0030】
レシーバ60は、コンデンサ40の出口に設けられ、コンデンサ40から流通する冷媒を気相冷媒と液相冷媒に分離し、分離した冷媒のうちの液相冷媒を貯留する。レシーバ60内に貯留される液相冷媒は、第1接続通路302を流通してエキスパンションバルブ150に供給される。
【0031】
エキスパンションバルブ150は、第1接続通路302を流通する高温・高圧の液相冷媒を小さな孔から噴射させることにより膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させるための弁である。エキスパンションバルブ150は、エバポレータ80よりも上流の位置に設けられるバルブ本体152と、エバポレータ80よりも下流の位置に設けられる感温部材154とを含む。
【0032】
エキスパンションバルブ150においては、感温部材154における冷媒の温度に応じてバルブ本体152における冷媒の流量が定まる。この冷媒の流量は、霧状に変化した冷媒の全てがエバポレータ80において完全に気化されるように定められる。
【0033】
エキスパンションバルブ150においては、たとえば、容器内部にガスが封入された感温部材154における冷媒の温度に応じたガスの圧力の変化を利用してバルブ本体152の弁体を移動させることによって冷媒の流量が定まる。なお、冷媒の温度と弁体の移動量との関係は容器の大きさあるいはガス量等によって予め調整される。
【0034】
エバポレータ80は、内部を流通する霧状冷媒が気化することによってエバポレータ80に接触するように導入された車両の室内の空気の熱を吸収する。熱がエバポレータに吸収させることによって温度が低下した空気は、車両の室内に再び戻されることによって車両の室内の冷房が行なわれる。
【0035】
エバポレータ80は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒とエバポレータ80の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンとを含む。チューブ内には、霧状の冷媒が流通する。チューブ内の流通する冷媒が蒸発することによって車両の室内の空気の熱をフィンを経由して吸収する。気化した冷媒は、第3接続通路306を経由してコンプレッサ20に流通する。コンプレッサ20は、エバポレータ80から流通する冷媒を圧縮する。
【0036】
冷却部120は、インバータ122およびモータジェネレータ124(以下の説明においては、これらの電気機器を単に「電気機器」と記載する場合がある)と冷媒との間で熱交換が可能なように設けられる。本実施の形態においては、冷却部120は、たとえば、電気機器の筐体に冷媒が接触するように形成された冷却通路126によって電気機器と冷媒との間で熱交換が可能な構造を有するとして説明するが、冷却部120は、電気機器とヒートパイプ等の熱伝達手段を経由して熱交換器とが接続されている場合に熱交換器と冷媒とが接触可能に設けられる構造を有していてもよい。
【0037】
本実施の形態において、冷却部120は、インバータ122を冷却した後にモータジェネレータ124を冷却するように冷却通路126を形成するようにしてもよいし、あるいは、モータジェネレータ124を冷却した後にモータジェネレータ124を冷却するように冷却通路126を形成するようにしてもよいし、あるいは、インバータ122とモータジェネレータ124とを並行して冷却するように冷却通路126を形成するようにしてもよい。好ましくは、冷却部120は、冷却の対象となる電気機器のうちの目標となる温度範囲の上限値が低い方の電気機器を冷却した後に目標となる温度範囲の上限値が高い方の電気機器を冷却するように設けられることが望ましい。
【0038】
冷却通路126は、インバータ122およびモータジェネレータ124のそれぞれの筐体と隣接する部分を有する。当該部分において冷却通路126を流通する冷媒とインバータ122およびモータジェネレータ124との間で熱交換が可能となる。冷却通路126は、たとえば、パイプ形状である。
【0039】
第1循環通路202の途中には、ポンプ100が設けられる。ポンプ100は、車両に搭載されたモータを動力源として作動する。ポンプ100は、作動時にレシーバ60内の冷媒を吸入し、第1循環通路202に吐出する。ポンプ100は、ECU400からの制御信号P1に基づいて作動する。なお、ポンプ100が設けられる位置は、特に、第1循環通路202の途中に限定されるものではない。ポンプ100は、たとえば、第1循環通路202とレシーバ60あるいは冷却部120との接続部分に設けられてもよいし、第2循環通路204の途中に設けられてもよいし、第2循環通路204とレシーバ60あるいは冷却部120との接続部分に設けられてもよいし、冷却部120の内部に設けられてもよい。
【0040】
ECU400は、冷房が行なわれる場合および冷却部120によって電気機器が冷却される場合にコンプレッサ20を作動させるために制御信号C1を生成することによってコンプレッサ20を制御する。さらに、ECU400は、冷却部120によって電気機器が冷却される場合にポンプ100を作動させるために制御信号P1を生成することによってポンプ100を制御する。
【0041】
以上のような構成を有する本実施の形態に係る冷却装置10のECU400は、冷房が行なわれる場合においては、ポンプ100を作動させる。さらに、ECU400は、冷房が行なわれない場合においては、コンプレッサ20とポンプ100とを作動させる。
【0042】
図2に、本実施の形態に係る冷却装置10のECU400の機能ブロック図を示す。ECU400は、作動判定部402と、ポンプ制御部404と、コンプレッサ制御部406とを含む。
【0043】
作動判定部402は、冷房が行なわれるか否かを判定する。作動判定部402は、たとえば、冷房を行なうためのスイッチがオンされた場合あるいは自動的に車両の室内の温度を設定温度になるように調整する自動制御モードが選択されている場合であって、かつ、車両の室内の温度が設定温度よりも高い場合に冷房が行なわれると判定する。なお、作動判定部402は、たとえば、冷房が行なわれると判定された場合に作動判定フラグをオンするようにしてもよい。
【0044】
ポンプ制御部404は、作動判定部402において冷房が行なわれると判定された場合および冷房が行なわれないと判定された場合にポンプ100を作動させる。あるいは、ポンプ制御部404は、たとえば、コンプレッサ20の作動とともにポンプ100を作動させるようにしてもよい。
【0045】
コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれない場合にコンプレッサ20が作動するように制御信号C1を生成することによって、コンプレッサ20を制御する。あるいは、コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれる場合に、コンプレッサ20が作動中であれば作動状態を維持するように制御信号C1を生成することによって、コンプレッサ20を制御する。コンプレッサ制御部406は、たとえば、冷房が行なわれない場合にコンプレッサ20の作動量が予め定められた作動量になるようにコンプレッサ20を制御する。なお、コンプレッサ制御部406は、たとえば、作動判定フラグがオフである場合にコンプレッサ20を作動させるようにしてもよい。
【0046】
また、コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれない場合のコンプレッサ20の作動量を冷房が行なわれる場合よりも低下させてもよい。このようにすると、電気機器の過冷却を防止し、適切に電気機器を冷却することができる。
【0047】
本実施の形態において、作動判定部402と、ポンプ制御部404と、コンプレッサ制御部406とは、いずれもECU400のCPU(Central Processing Unit)がメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
【0048】
図3を参照して、本実施の形態に係る冷却装置10のECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0049】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、EC400は、冷房がオンであるか否か(すなわち、冷房が行なわれているか否か)を判定する。冷房がオンである場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS104に移される。
【0050】
S102にて、ECU400は、ポンプ100を作動させる。S104にて、ECU400は、コンプレッサ20を作動させる。S106にてECU400は、ポンプ100を作動させる。
【0051】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る冷却装置10の動作について説明する。
【0052】
たとえば、冷房が行なわれる場合(S100にてYES)、ポンプ100が作動させられる(S102)。冷房が行なわれることによって、コンプレッサ20からコンデンサ40に圧送された冷媒は、放熱し液化する。液化した冷媒は、レシーバ60において貯留される。また、レシーバ60において貯留された冷媒は、ポンプ100の作動によって第1循環通路202に導入される。第1循環通路202に導入された液相冷媒は、冷却部120に供給される。
【0053】
冷却部120に供給された液相冷媒は、インバータ122とモータジェネレータ124とを冷却した後に第2循環通路204を経由してレシーバ60に戻る。
【0054】
また、レシーバ60に貯留された冷媒は、第1接続通路302に供給される。第1接続通路302を流通した冷媒は、エキスパンションバルブ150に流通する。エキスパンションバルブ150によって液相の冷媒は霧状冷媒に変化させられてエバポレータ80に供給される。エバポレータ80において霧状冷媒は、蒸発によって車両の室内の空気の熱を吸収する。蒸発によって気化された気相冷媒が第2接続通路304を流通してコンプレッサ20に流通する。コンプレッサ20において圧縮された気相冷媒は、コンデンサ40において放熱されることによって再び液化する。このようにして冷媒が空調用冷凍サイクルシステム12を循環する。
【0055】
一方、冷房が行なわれない場合(S100にてNO)、ECU400は、コンプレッサ20を作動させるとともに(S104)、ポンプ100を作動させる(S106)。なお、ポンプ100およびコンプレッサ20の作動順序は、特に限定されるものではない。そのため、冷媒は、上述の冷房が行なわれる場合と同様に空調用冷凍サイクルシステム12を循環する。さらに、冷媒は、第1循環通路202と冷却部120と第2循環通路204とレシーバ60との順序で循環する。冷却部120に液相冷媒が流通することによって、インバータ122およびモータジェネレータ124が冷却される。
【0056】
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却装置によると、液体の状態の冷媒を冷却部120に供給して電気機器を冷却することができるため、ポンプ100の前後における冷媒の圧力差を冷却部120で冷媒を気化させる場合よりも低くすることができる。そのため、ポンプ100は、コンプレッサ20のような動力性能を必要とされない。その結果、冷却装置の大型化を抑制することができる。また、冷却装置の搭載性の悪化を抑制することができる。したがって、コンプレッサ所要動力および車両への搭載性を悪化させることなく、電気機器を冷却する冷却装置を提供することができる。
【0057】
なお、本実施の形態においては、ECU400は、冷房が行なわれない場合にコンプレッサ20およびポンプ100を作動させるとして説明したが、たとえば、ECU400は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、電気機器の冷却要求がある場合にコンプレッサ20およびポンプ100を作動させてもよい。また、ECU400は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、電気機器の冷却要求がない場合にコンプレッサ20を作動させない状態としてもよい。
【0058】
ECU400は、電気機器の冷却要求の有無を電気機器の温度に基づいて判定する。たとえば、ECU400は、電気機器の温度を機器温度センサを用いて検出する。
【0059】
機器温度センサは、インバータ122およびモータジェネレータ124の各々に設けられるようにしてもよいし、あるいは、インバータ122およびモータジェネレータ124のうちのいずれか一方に設けられるようにしてもよい。好ましくは、機器温度センサは、インバータ122およびモータジェネレータ124のうちの発熱量が大きい一方、温度が高い傾向を示す一方あるいは温度の上昇量が大きい一方に設けられることが望ましい。このようにすると、電気機器の冷却要求があるか否かを精度高く判定することができる。
【0060】
ECU400は、機器温度センサから電気機器の温度を示す信号を受信する。また、機器温度センサに代えて、第1循環通路202あるいは第2循環通路204を流通する冷媒の温度を検出するための温度センサがが用いられてもよい。
【0061】
ECU400は、電気機器の温度がしきい値以上である場合に、電気機器の冷却要求があると判定するようにしてもよい。ECU400は、電気機器の温度がしきい値よりも低い場合に、電気機器の冷却要求がないと判定するようにしてもよい。
【0062】
ECU400が、電気機器の冷却要求の有無に応じて、コンプレッサ20およびポンプ100を作動させるようにすることにより、コンプレッサ20を必要に応じて作動させることができる。そのため、冷房が行なわれるか否かにかかわらずコンプレッサ20の作動を継続するよりも燃費を改善することができる。
【0063】
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る冷却装置について説明する。本実施の形態に係る冷却装置10は、上述の第1の実施の形態に係る冷却装置10の構成と比較して、逆止弁22、液量センサ62および電磁弁116をさらに含む点が異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係る冷却装置10の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0064】
図4に示すように、冷却装置10は、逆止弁22と、液量センサ62と、電磁弁116とをさらに含む。逆止弁22は、コンプレッサ20とコンデンサ40とを接続する第3接続通路306に設けられる。逆止弁22は、コンプレッサ20からコンデンサ40への冷媒の流通を許容し、コンデンサ40からコンプレッサ20への冷媒を遮断する。なお、逆止弁22に代えて、コンプレッサ20が停止した場合に冷媒の流通を遮断し、コンプレッサ20が作動した場合に冷媒の流通を許容する電磁弁を用いてもよい。
【0065】
液量センサ62は、レシーバ60内に貯留される冷媒の液量LAを検出する。液量センサ62は、検出された冷媒の液量LAを示す信号をECU400に送信する。本実施の形態においては、液量センサ62は、レシーバ60内の液面の高さを検出して、検出された液面の高さを示す信号をECU400に送信する。
【0066】
電磁弁116は、第1接続通路302の途中に設けられる。電磁弁116は、エキスパンションバルブ150よりも上流側に設けられる。電磁弁116は、ECU400によって全開状態と全閉状態との間で開度が制御される。すなわち、電磁弁116は、ECU400から受信する制御信号S1に基づいて開度を低下させることによって閉状態となり、開度を増加させることによって開状態となる。
【0067】
以上のような構成を有する本実施の形態に係る冷却装置10において、ECU400は、冷房が行なわれる場合においては、ポンプ100を作動させて、電磁弁116を全開状態とする。さらに、ECU400は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、レシーバ60内の冷媒の液量が目標値よりも小さい場合にコンプレッサ20とポンプ100とを作動させて、電磁弁116が全開状態となるように電磁弁116を制御する。
【0068】
さらに、ECU400は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、レシーバ60内の冷媒の液量が目標値よりも大きい場合にコンプレッサ20を停止状態ととするとともに電磁弁116が全閉状態となるように電磁弁116を制御する。
【0069】
図5に、本実施の形態に係る冷却装置10のECU400の機能ブロック図を示す。なお、図5に示すECU400の機能ブロック図は、図2に示したECU400の機能ブロック図と比較して、液量判定部408と、電磁弁制御部410をさらに含む点が異なる。それ以外の構成は、図2に示したECU400の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も特に以下に示されない限り同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0070】
液量判定部408は、作動判定部402において冷房が行なわれないと判定された場合に、液量センサ62によって検出されたレシーバ60内の冷媒の液量が目標値よりも大きいか否かを判定する。
【0071】
目標値は、たとえば、ポンプ100を作動させて第1循環通路202、冷却部120および第2循環通路204を循環させるために必要な流量が確保される液量のしきい値である。
【0072】
なお、液量判定部408は、たとえば、冷媒の液量が目標値よりも大きいと判定する場合に液量判定フラグをオンするようにしてもよい。また、液量判定部408は、たとえば、冷媒の液量が目標値以下であると判定する場合に液量判定フラグをオフするようにしてもよい。
【0073】
液量判定部408は、たとえば、液量センサ62から受信する液面の高さから冷媒の液量LAを算出して、算出された液量LAが目標値よりも大きいか否かを判定する。なお、液量判定部408は、たとえば、液量センサ62から受信する液面の高さが液量の目標値から換算された液面高さの目標値よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。
【0074】
電磁弁制御部410は、作動判定部402において冷房が行なわれていると判定された場合に電磁弁116が全開状態になるように電磁弁116を制御する。さらに、電磁弁制御部410は、作動判定部402において冷房が行なわれていないと判定された場合であって、かつ、液量が目標値以下であると判定された場合に電磁弁116が全開状態になるように電磁弁116を制御する。さらに、電磁弁制御部410は、作動判定部402において冷房が行なわれていないと判定された場合であって、かつ、液量が目標値よりも大きいと判定された場合に電磁弁116が全閉状態になるように電磁弁116を制御する。
【0075】
コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、液量が目標値以下である場合にコンプレッサ20が作動するように制御信号C1を生成することによって、コンプレッサ20を制御する。
【0076】
あるいは、コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれる場合に、コンプレッサ20が作動中であれば作動状態を維持するように制御信号C1を生成することによって、コンプレッサ20を制御する。
【0077】
さらに、コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、液量が目標値よりも大きい場合にコンプレッサ20が停止するようにコンプレッサ20を制御する。なお、コンプレッサ制御部406は、コンプレッサ20が停止状態である場合には、停止状態を維持する。
【0078】
コンプレッサ制御部406は、たとえば、冷房が行なわれない場合であって、かつ、液量が目標値以下である場合にコンプレッサ20の作動量が予め定められた作動量になるようにコンプレッサ20を制御する。
【0079】
なお、コンプレッサ制御部406は、たとえば、作動判定フラグがオフである場合であって、かつ、液量判定フラグがオフである場合にコンプレッサ20を作動させてもよい。また、コンプレッサ制御部406は、たとえば、作動判定フラグがオフである場合であって、かつ、液量判定フラグがオンである場合にコンプレッサ20を停止させてもよい。
【0080】
また、コンプレッサ制御部406は、冷房が行なわれない場合であって、かつ、作動判定フラグがオフである場合のコンプレッサ20の作動量を冷房が行なわれる場合よりも低下させてもよい。このようにすると、電気機器の過冷却を防止し、適切に電気機器を冷却することができる。
【0081】
本実施の形態において、作動判定部402と、ポンプ制御部404と、コンプレッサ制御部406と、液量判定部408と、電磁弁制御部410とは、いずれもECU400のCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
【0082】
図6を参照して、本実施の形態に係る冷却装置10のECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0083】
なお、図6に示したフローチャートの中で、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0084】
ECU400は、S102にてポンプ100を作動させた場合に、S200にて、電磁弁116が全開状態になるように電磁弁116の開度を制御する。
【0085】
S202にて、ECU400は、レシーバ60内の冷媒の液量が目標値よりも大きいか否かを判定する。レシーバ60内の冷媒の液量が目標値よりも大きい場合(S202にてYES)、処理はS206に移される。もしそうでない場合(S202にてNO)、処理はS104に移される。
【0086】
ECU400は、S106にてポンプ100を作動させた場合に、S204にて、電磁弁116が全開状態になるように電磁弁116の開度を制御する。
【0087】
S206にて、ECU400は、コンプレッサ20を停止させる。S208にて、ECう400は、ポンプ100を作動させる。S210にて、ECU400は、電磁弁116が全閉状態になるように電磁弁116の開度を制御する。
【0088】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る冷却装置10の動作について説明する。
【0089】
たとえば、冷房が行なわれる場合(S100にてYES)、ポンプ100が作動させられる(S102)。このとき、電磁弁116は、全開状態になるように制御される(S200)。冷房が行なわれることによって、コンプレッサ20からコンデンサ40に圧送された冷媒は、放熱し液化する。液化した冷媒は、レシーバ60において貯留される。また、レシーバ60において貯留された冷媒はポンプ100の作動によって第1循環通路202に導入される。第1循環通路202に導入された液相冷媒は、冷却部120に供給される。
【0090】
冷却部120に供給された液相冷媒は、インバータ122とモータジェネレータ124とを冷却した後に第2循環通路204を経由してレシーバ60に戻る。
【0091】
また、レシーバ60に貯留された冷媒は、第1接続通路302に供給される。第1接続通路302を流通した冷媒は、エキスパンションバルブ150に流通する。エキスパンションバルブ150によって液相の冷媒は霧状冷媒に変化させられてエバポレータ80に供給される。エバポレータ80において霧状冷媒は、蒸発によって車両の室内の空気の熱を吸収する。蒸発によって気化された気相冷媒が第2接続通路304を流通してコンプレッサ20に流通する。コンプレッサ20において圧縮された気相冷媒は、コンデンサ40において放熱されることによって再び液化する。このようにして冷媒が空調用冷凍サイクルシステム12を循環する。
【0092】
一方、冷房が行なわれない場合であって(S100にてNO)、かつ、液量が目標値以下である場合(S202にてNO)、ECU400は、コンプレッサ20を作動させるとともに(S104)、ポンプ100を作動させる(S106)。このとき、電磁弁116は、全開状態になるように制御される(S204)。なお、ポンプ100およびコンプレッサ20の作動順序は、特に限定されるものではない。そのため、冷媒は、上述の冷房が行なわれる場合と同様に空調用冷凍サイクルシステム12を循環する。さらに、冷媒は、第1循環通路202と冷却部120と第2循環通路204とレシーバ60との順序で循環する。冷却部120に液相冷媒が通過することによって、インバータ122およびモータジェネレータ124が冷却される。
【0093】
さらに、冷房が行なわれない場合であって(S100にてNO)、かつ、液量が目標値よりも大きい場合(S202にてYES)、ECU400は、コンプレッサ20を停止させるとともに(S206)、電磁弁116が全閉状態になるように電磁弁116を制御する(S208)。そのため、逆止弁22からコンデンサ40およびレシーバ60を経由して電磁弁116までの間において、冷媒の圧力は保持される。このとき、ポンプ100の作動によって冷媒は、レシーバ60において貯留された冷媒が第1循環通路202に導入される。第1循環通路202に導入された液相冷媒は、冷却部120に供給される。
【0094】
冷却部120に供給された液相冷媒は、インバータ122とモータジェネレータ124とを冷却した後に第2循環通路204を経由してレシーバ60に戻る。レシーバ60に戻った冷媒は、ポンプ100の作動によって再び第1循環通路202に導入される。
【0095】
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却装置によると、液体の状態の冷媒を冷却部120に供給して電気機器を冷却することができる。そのため、ポンプ100の前後における冷媒の圧力差を冷却部120で冷媒を気化させる場合よりも低くすることができる。すなわち、ポンプ100は、コンプレッサ20のような動力性能を必要とされない。その結果、冷却装置の大型化を抑制することができる。さらに、冷却装置の搭載性の悪化を抑制することができる。したがって、コンプレッサ所要動力および車両への搭載性を悪化させることなく、電気機器を冷却する冷却装置を提供することができる。
【0096】
また、冷房が行なわれない場合であって、かつ、液量が目標値よりも大きい場合には、コンプレッサ20を停止させることによって電気機器の冷却が図られるとともに燃費の改善が図られる。さらに、コンプレッサ20の停止中においても、逆止弁22と電磁弁116とによって、逆止弁22からコンデンサ40およびレシーバ60を経由した電磁弁116までの間の冷媒の圧力を保持することによってコンプレッサ20が停止するまでにした仕事分を保持することができる。そのため、コンプレッサ20を再始動させる場合においても保持した仕事分を有効に利用することができる。そのため、燃費の改善が図られる。
【0097】
なお、本実施の形態においては、ECU400は、冷房が行なわれない場合、液量に応じてコンプレッサ20およびポンプ100を作動させたり、あるいは、コンプレッサ20を停止させ、ポンプ100を作動させたりするとして説明したが、たとえば、ECU400は、冷房が行なわれない場合、電気機器の冷却要求があるときに、液量に応じてコンプレッサ20およびポンプ100を制御するようにしてもよい。
【0098】
たとえば、ECU400は、冷房が行なわれない場合、電気機器の冷却要求があり、かつ、液量が目標値よりも大きいときにコンプレッサ20を停止させ、ポンプ100を作動させるようにしてもよい。また、ECU400は、冷房が行なわれない場合、電気機器の冷却要求があり、かつ、液量が目標値よりも小さいときにコンプレッサ20およびポンプ100を作動させるようにしてもよい。また、ECU400は、冷房が行なわれない場合、電気機器の冷却要求がないときには、液量に関わらずコンプレッサ20およびポンプ100を停止させるようにしてもよい。このようにすると、燃費を改善することができる。
【0099】
なお、本実施の形態においては、冷却装置10がエキスパンションバルブ150と電磁弁116とを含むとして説明したが、たとえば、エキスパンションバルブ150を省略し、冷却装置10がエバポレータ80の下流の冷媒の温度を検出する冷媒温度センサを含むようにしてもよい。ECU400は、冷媒温度センサによって検出されるエバポレータ80の下流の冷媒の温度に基づいて電磁弁116の開度を調整することによって、エキスパンションバルブ150の機能と同等の機能を冷媒温度センサと電磁弁116とを用いて発揮させることができる。
【0100】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
10 冷却装置、12 空調用冷凍サイクルシステム、20 コンプレッサ、22 逆止弁、40 コンデンサ、60 レシーバ、62 液量センサ、80 エバポレータ、100 ポンプ、116 電磁弁、120 冷却部、122 インバータ、124 モータジェネレータ、126 冷却通路、150 エキスパンションバルブ、152 バルブ本体、154 感温部材、202 第1循環通路、204 第2循環通路、302 第1接続通路、304 第2接続通路、306 第3接続通路、402 作動判定部、404 ポンプ制御部、406 コンプレッサ制御部、408 液量判定部、410 電磁弁制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された電気機器を冷却するための冷却装置であって、
冷媒を循環させるためのコンプレッサと、
前記冷媒を凝縮するためのコンデンサと、
前記コンデンサによって凝縮された前記冷媒を用いて前記車両の室内の冷房を行なうためのエバポレータと、
前記コンデンサの出口部の前記冷媒を流通させるための第1通路と、
前記第1通路に接続され、前記第1通路を流通する前記冷媒を用いて前記電気機器を冷却するための冷却部と、
前記冷却部を通過した前記冷媒を前記コンデンサの前記出口部に循環させるための第2通路と、
前記コンデンサの前記出口部の前記冷媒を前記冷却部に供給するためのポンプとを含む、冷却装置。
【請求項2】
前記出口部は、前記冷媒を貯留するためのレシーバを含み、
前記第1通路および前記第2通路の一方端は、前記冷却部に接続され、
前記第1通路および前記第2通路の他方端は、前記レシーバに接続される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記冷却装置は、
前記レシーバにおける前記冷媒の液量を検出するための検出部と、
前記コンプレッサと前記コンデンサとの間に設けられ、前記コンプレッサから前記コンデンサへの前記冷媒の流通を許容する一方で、前記コンデンサから前記コンプレッサへの前記冷媒の流通を遮断する逆止弁と、
前記レシーバと前記エバポレータとの間に設けられる電磁弁と、
前記冷房が行なわれない場合に、前記液量が目標値よりも小さいときに前記電磁弁が開状態となり、前記液量が前記目標値よりも大きいときに前記電磁弁が閉状態となるように前記電磁弁を制御するための制御部とをさらに含む、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記冷房が行なわれる場合に前記電磁弁が前記開状態となるように前記電磁弁を制御する、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記冷房が行なわれない場合に、前記液量が前記目標値よりも大きいときに前記コンプレッサを停止させ、かつ、前記ポンプを作動させ、前記液量が前記目標値よりも小さいときに前記コンプレッサおよび前記ポンプを作動させる、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記冷却装置は、前記冷房が行なわれない場合に、前記電気機器の冷却要求があるときに前記ポンプを作動させて、前記電気機器の冷却要求がないときに前記ポンプを停止させるための制御部をさらに含む、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記コンプレッサは、前記エバポレータから流通する前記冷媒を圧縮し、
前記コンデンサは、前記コンプレッサによって圧縮された前記冷媒を凝縮する、請求項1〜6のいずれかに記載の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−81777(P2012−81777A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227106(P2010−227106)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】