凍結乾燥血漿等の凍結乾燥物質を製造、保存、および投与する装置および方法
単一ユニットのヒト血漿が、源の移送バッグから貯蔵容器の中に分注され、貯蔵容器の中で血漿が凍結乾燥される。源の移送容器から凍結乾燥用の貯蔵容器に血漿を分注している間に、例えば、細胞の血液成分を除去することによって、または病原体あるいはウイルス性もしくは細菌性作用物質の除去によって、または血液型特異的抗体の除去もしくは中和によって、インライン処理デバイスが、凍結乾燥の前に血漿を処理する。本発明の一側面によると、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質は、例えば、脱気水等の凍結乾燥物質のための再構成液とともに、容器の第1のチャンバの中に保存される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同時係属の米国仮特許出願第12/228,745号(名称「Apparatus and Methods for Making,Storing,and Administering Freeze−Dried Materials Such as Freeze−Dried Plasma」、2008年8月15日出願)の一部継続出願であり、この出願は、同時係属の米国仮特許出願第12/077,397号(名称「Apparatus and Methods for Making,Storing,and Administering Freeze−Dried Materials Such as Freeze−Dried Plasma」、2008年3月19日出願)の一部継続出願であり、この出願は、同時係属の米国仮特許出願第11/881,493号(2007年7月27日出願)の一部継続出願であり、この出願は、同時係属の米国仮特許出願第11/725,352号(2007年3月19日出願)の一部継続出願であり、これらの出願の全てはその全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、単一ドナーユニットの凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質を製造、保存、および投与するための方法、システム、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
応急処置は、外傷患者等の重度の損傷を負ったヒトの生存のために極めて重要である。例えば、戦闘状況における重傷者の初期治療は、生か死かの違いを意味することが多い。負傷者の創傷を治療し、止血することが必要である一方で、その負傷者の身体が適切に機能できることを確実にすることも重要である。したがって、負傷により体液を失った後で、負傷者の身体に適切な水分補給が確実に行われる措置を講じることが必要である。本発明はこれらの問題に対応する。
【0004】
以前は、静脈内に生理食塩水を送達することによって患者内に体液が補充されていた。それも効果的ではあるが、患者に体液を補充する上で、患者に血漿を送達することの方が、生理食塩水の使用と比較してより一層効果的であることが研究により示されている。しかしながら、血漿の汚染を防止するためには、血漿の送達および保存が極めて重要である。血漿を送達する理想的な方法は、凍結乾燥された形態で血漿を提供し、ヒトに投与する時に血漿を再構成することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、単一ユニットの血漿、または前処理された単一ユニットの血漿、または単一ドナーユニットの血漿に由来し、凍結乾燥されたヒト血漿に変換される血漿等の凍結乾燥された生物学的物質を製造、保存、および投与するための方法、システム、および装置を提供する。
【0006】
本発明の一側面によると、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質は、例えば、脱気水等の凍結乾燥物質のための再構成液とともに、容器の第1のチャンバの中に保存される。再構成液は、容器の第2のチャンバの中に保存される。容器内の密封壁が、第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを形成し、凍結乾燥物質と再構成液との接触を防止する。第1および第2のチャンバ間に流体流連通を確立するために、密封壁の少なくとも1つの弁アセンブリを操作して、密封壁の少なくとも1つの領域を選択的に開放することができる。これにより、凍結乾燥物質が容器内で再構成される。再構成された凍結乾燥物質は、同じ容器から受容者に直接投与することもできる。
【0007】
一構成において、弁アセンブリは、例えば、フラップ弁等の感圧弁を含む。弁は、通常、第1および第2のチャンバ間の流体流連通に抵抗する通常閉鎖状態と、第1および第2のチャンバ間に流体流条件の連通を確立する開放状態との間で作動する。感圧弁は、例えば、容器のチャンバを選択的に圧搾することによって、弁を横切る圧力差を生じさせることに対応して、その開放状態にすることができる。
【0008】
一構成において、弁アセンブリは、通常閉鎖された隔壁を含む。隔壁は、第1および第2のチャンバ間の閉鎖を維持する通常閉鎖された状態と、隔壁の少なくも部分的な引裂に応じて第1および第2のチャンバ間に流体流連通を確立する開放状態とにおいて作動する。隔壁は、例えば、隔壁を少なくとも部分的に引き裂いて開けるための引き部材に連結された引裂部材を含むことができる。
【0009】
感圧弁および隔壁は、冗長な弁アセンブリを提供するように、連続的に配設されてもよい。この構成において、通常閉鎖された隔壁は、隔壁の少なくも部分的な引裂と、弁を横切って印加される圧力差とに応じて、弁とは独立して第1および第2のチャンバ間の閉鎖を維持する通常閉鎖された状態と、第1および第2のチャンバ間に流体流連通を確立する開放された状態とにおいて作動する。
【0010】
一構成において、密封壁の領域で容器の外壁を被覆する外側スカートが設けられる。外側スカートは、外側スカートを引き裂いて除去するために、引き部材に連結された引裂部材を含むことができる。
【0011】
本発明の別の実施形態は、上に概説したような第1および第2のチャンバを有する可撓性容器を提供する方法を提供する。第1のチャンバは、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質を乾燥した状態で維持する。第2のチャンバは、凍結乾燥物質のための再構成液を保有する。容器内の内側密封壁は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを形成し、凍結乾燥物質と再構成液との接触を防止するようにサイズ決定および構成される。
密封壁の少なくとも1つの弁アセンブリは、第1および第2のチャンバ間で流体流連通を確立するために、密封壁の少なくとも1つの領域を開放するための操作によって作動する。本発明のこの側面によると、弁アセンブリは領域を開放するように操作され、再構成液が第2のチャンバから弁アセンブリを通って第1のチャンバ内に搾り出され、凍結乾燥物質に接触する。
【0012】
一構成において、外側スカートは、密封壁の領域で容器の外壁を被覆し、弁アセンブリの操作を阻害する。この構成では、弁アセンブリを露出させて操作するために、弁アセンブリを操作する前に、外側スカートが除去され、密封壁の領域を開放する。
【0013】
別の構成において、再構成された凍結乾燥された血漿が容器から受容者に直接投与される。
【0014】
本発明の別の側面によると、凍結乾燥されたヒト血漿を含む凍結乾燥物質は、前述した段落のうちのいずれかにおいて概説したような容器を使用して、調製および保存、輸送、再構成、ならびに投与される。一構成において、液体ヒト血漿が型に充填される。型は、約−45℃に達するまで冷却される。含水率が5%w/w未満になるように血漿を乾燥し、それによって、容器を使用して、保存、輸送、再構成、および投与することができる凍結乾燥されたヒト物質を形成する。別の構成において、液体ヒト血漿は、容器内でその場で凍結乾燥される。
【0015】
本発明の別の側面によると、凍結乾燥物質、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿は、第1の容器に保存され、凍結乾燥物質のための再構成液、例えば、脱気水は、別個の第2の容器に保存される。第1および第2の容器間に流体流連通を確立するために、2つの容器を連結するように移送セットを操作することができる。これによって、容器のうちの一方の中で凍結乾燥物質が再構成される。再構成された凍結乾燥物質はまた、同じ容器から受容者に直接投与することもできる。
【0016】
本発明の別の側面によると、構造的強度を提供する第1および第2のフレームをそれぞれ画定する剛性または半剛性材料を各々が含む、第1および第2の端部構成要素を含む槽を備えるシステムが提供される。透明なガス不透過性材料は、第1のフレームに周縁を密封され、ガス透過性材料は、第2のフレームに周縁を密封される。可撓性側壁構成要素は、第1および第2のフレームの側縁部に周縁を密封される。第1の端部構成要素、第2の端部構成要素、および側壁構成要素は、内部空間の周縁を画定する。側壁上の少なくとも1つのポート構成要素が、内部空間との流体連通を提供する。
【0017】
システムは、単一の多機能槽において、新鮮なヒト血漿等の物質を凍結乾燥、輸送、保存、再構成、および投与することを可能にする。
【0018】
本発明の別の側面は、上記の多機能槽の技術的特徴を利用する方法を提供する。方法は、槽の第1のポート構成要素を通して、新鮮なヒト血漿等の液体物質を導入することを含む。方法は、槽の内部空間内でその場で液体物質を凍結乾燥することを含み、その間に、水蒸気の昇華に対応するように、第2の端部構成要素のガス透過性材料がガスの輸送を提供するステップを含む。また方法は、凍結乾燥物質を再構成するために、内部空間内で凍結乾燥物質と混合するための再構成液を槽の第2のポート構成要素を通して導入することを含む。方法は、再構成された凍結乾燥物質を、内部空間から槽の第3のポート構成要素を通して搬送することをさらに含む。
【0019】
定義されるように、単一の多機能槽は、槽内における物質の凍結乾燥、槽内における凍結乾燥物質の輸送および保存、ならびに槽内からの物質の再構成および投与に対応する。
【0020】
一実施形態において、方法は、凍結乾燥後に、第2の端部構成要素のガス透過性材料を通して、内部空間内に無酸素不活性ガスを導入することをさらに含む。材料の劣化を防止するために、凍結乾燥物質を含む内部空間を無酸素不活性ガスで満たす。方法はまた、凍結乾燥物質とともに無酸素不活性ガスを内部空間内に閉じ込めるために、第2の端部構成要素のガス透過性材料を覆うステップを含む。方法は、再構成液を導入する前の保存期間の間、槽内に閉じ込められた無酸素不活性ガス中に凍結乾燥物質を保存するステップを含む。
【0021】
一実施形態において、方法は、保存中に、覆われた槽を外容器内に配置するステップをさらに含む。
【0022】
別の実施形態において、血漿を凍結乾燥するためのアセンブリが存在し、液体血漿を保有する容器は、凍結乾燥プロセスの間に蒸気を除去するために使用される透過膜を有する容器または構造とは離される。2つの容器は、容器のうちの一方から他方へと蒸気を通過させるチューブによって接続される。血漿を収容する容器を隔離するために凍結乾燥機から除去される前は、チューブは圧迫して閉じられるか、または締め付けられる。凍結乾燥機から除去された後、第1の容器は密封され、チューブおよび第2の容器から切り離される。
【0023】
これらのおよび他の重要かつ有意な領域は、以下の説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するための、デバイス内での凍結乾燥物質の再構成、および再構成された凍結乾燥物質のデバイスから受容者への直接的な投与を可能する、デバイスの正面図であり、デバイスは、外側保護スカートを除去する前の状態で示されている。
【図2】図2は、図1に示すデバイスの側面図である。
【図3】図3は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前に、外側保護スカートを除去するために引き裂いているところを示す、図1に示すデバイスの正面図である。
【図4A】図4Aは、外側保護スカートを除去した後、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、図3に示すデバイスの側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すデバイスの側面図である。
【図5A】図5Aは、外側保護スカートを除去する前の、デバイス内に形成される内部密封壁および関連する弁アセンブリの概して図1の線5A−5Aに沿った側面断面図である。
【図5B】図5Bは、内部密封壁および複数弁アセンブリの代替的な構成を示す、図5Aに示したのと同様の側面断面図である。
【図6】図6は、外側保護スカートを除去した後、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、デバイス内に形成される内部密封壁および関連する弁アセンブリの概して図4Aの線6−6に沿った側面断面図である。
【図7】図7は、内部密封壁の少なくとも1つの領域を開放した後、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、図6に示したのと同様の内部密封壁および関連する弁アセンブリの側面断面図である。
【図8】図8は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前に、外側保護スカートを除去しているところを示す、図1に示すデバイスの正面図である。
【図9】図9は、図7にも示した様式で内部密封壁の少なくとも1つの領域を開放するための弁アセンブリの操作を示す、図8に示すデバイスの正面図である。
【図10】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図11】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図12】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図13】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図14】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図15】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図16】図16は、再構成された材料をデバイスから直接受容者に投与するところを示す、図15に示すデバイスの正面図である。
【図17A】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17B】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17C】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17D】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17E】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図18】図18および19は、図1に示すデバイスの第1のチャンバ内に凍結乾燥物質(図17A〜17Eのプロセスを用いて形成される血漿ケーキ等)を入れているところの正面図である。
【図19】図18および19は、図1に示すデバイスの第1のチャンバ内に凍結乾燥物質(図17A〜17Eのプロセスを用いて形成される血漿ケーキ等)を入れているところの正面図である。
【図20】図20は、図1に示すデバイスの第2のチャンバ内に凍結乾燥物質のための再構成液を入れているところの正面図である。
【図21】図21は、図1に示すデバイスを作製するために、デバイスの周囲に外側保護スリーブを設置しているところの正面図である。
【図22】図22は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するための、デバイス内での凍結乾燥物質の再構成、および再構成された凍結乾燥物質のデバイスから受容者への直接的な投与を可能する、代替的なデバイスの正面図であり、デバイスは、外側保護スカートを除去する前の状態で示されている。
【図23】図23は、外側保護スカートを除去する前の、デバイス内に形成される弁アセンブリ内部の概して図22の線23−23に沿った正面断面図である。
【図24】図24は、外側保護スカートを除去した後の、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、図22に示すデバイスの正面図である。
【図25】図25は、外側保護スカートを除去した後の、図23に示したのと同様の弁アセンブリ内部の図23の概して線25−25に沿った正面断面図である。
【図26】図26および27は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成することによって、図25に示す弁アセンブリを通過する材料を示す、内部の正面断面図である。
【図27】図26および27は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成することによって、図25に示す弁アセンブリを通過する材料を示す、内部の正面断面図である。
【図28A】図28Aおよび28Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する代替方法の極めて概略的な図である。
【図28B】図28Aおよび28Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する代替方法の極めて概略的な図である。
【図29A】図29Aおよび29Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する別の代替方法の極めて概略的な図である。
【図29B】図29Aおよび29Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する別の代替方法の極めて概略的な図である。
【図30】図30は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するための、個別の第1および第2の容器と、受容者に投与するために凍結乾燥物質のシステム内での再構成を可能にする移送セットと、を備える、システムの正面図である。
【図31】図31は、凍結乾燥物質を再構成するために、第1および第2の容器が移送セットによって流体連通して結合された、図30に示すシステムの正面図である。
【図32】図32は、再構成された材料を容器から直接受容者に投与しているところを示す、凍結乾燥物質が再構成された後の、図30および31に示すシステムの容器のうちの1つの正面図である。
【図33】図33は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するためのデバイスの正面図であり、デバイスは、材料をデバイス内でその場で凍結乾燥するようにサイズ決定および構成される。
【図34】図34は、デバイス内でその場で凍結乾燥するために液体血漿を搬送しているところを示す、図33に示すデバイスの正面図である。
【図35】図35は、液体血漿をそれぞれのデバイス内でその場で凍結乾燥する目的で凍結乾燥機内に入れた後の、図34に示すいくつかのデバイスの斜視図である。
【図36】図36は、凍結乾燥機から除去した後の(デバイス内でその場で形成された凍結乾燥された血漿ケーキを示す)、およびデバイス内に再構成された物質を搬送する前の、図35に示すデバイスの正面図である。
【図37】図37は、再構成された物質をデバイス内に搬送した後の、図36に示すデバイスの正面図である。
【図38】図38は、図1に示す種類のデバイスを作製するために再構成された物質をデバイス内に搬送した後に、図37に示すデバイスの周囲に外側保護スリーブを設置しているところの正面図である
【図39A】図39Aは、異なる機能を果たすように、異なる物理特性を有するいくつかの構成要素でできた槽を備える、血漿等の物質を凍結乾燥、保存、再構成、および投与するための多機能デバイスの分解斜視図である。
【図39B】図39Bは、可撓性側壁構成要素および透明なガス不透過性の端部構成要素を示す、図39Aに示すデバイスの組立斜視図である。
【図39C】図39Cは、可撓性側壁構成要素およびガス透過性の端部構成要素を示す、図39Aに示すデバイスの組立斜視図である。
【図39D】図39Dは、図39Aに示すデバイスの図39Cの線39D−39Dに沿った組立側面図である。
【図40】図40および41Aは、ガス不透過性の外包装内に密封された図39A〜39Dに示す槽を備える凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、また、図41が示すように、使用する時まで輸送および保存する間に凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器を斜視図において示している。
【図41A】図40および41Aは、ガス不透過性の外包装内に密封された図39A〜39Dに示す槽を備える凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、また、図41が示すように、使用する時まで輸送および保存する間に凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器を斜視図において示している。
【図41B】図41Bは、ガス不透過性の外包装の中に密封され、図41が示すように蓋付きの剛性外容器内に入れられた凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図を示し、外容器はまた、再構成液の槽と、関連する再構成および投与セットとのための保存空間を含む。
【図42】図42および43は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの斜視図であり、図42は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図43は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図43】図42および43は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの斜視図であり、図42は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図43は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図44】図44および45は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図45】図44および45は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図46】図46および47は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの別の代表的な実施形態の斜視図であり、図46は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図47は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図47】図46および47は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの別の代表的な実施形態の斜視図であり、図46は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図47は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図48】図48および49は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図47に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図49】図48および49は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図47に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図50】図50および51は、図42に示す種類の一体型凍結乾燥物質保存アセンブリに液体血漿を移送しているところを示す斜視図であり、閉鎖カバーが開閉状態にあり、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用したプロセスを開始する。
【図51】図50および51は、図42に示す種類の一体型凍結乾燥物質保存アセンブリに液体血漿を移送しているところを示す斜視図であり、閉鎖カバーが開閉状態にあり、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用したプロセスを開始する。
【図52】図52は、図50および51に示すいくつかの一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを凍結乾燥機内に入れている斜視図であり、閉鎖カバーは開放状態にあり、凍結乾燥機は、液体血漿を凍結乾燥して凍結乾燥された血漿にするための様々な温度および真空条件に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを曝露し、開放された閉鎖カバーは乾燥中の水蒸気の昇華に対応する。
【図53】図53は、図52に示す凍結乾燥機内のいくつかの一体型凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、閉鎖カバーはなおも開放状態にあり、凍結乾燥機は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを無酸素不活性ガスのブランケットに曝露し、開放された閉鎖カバーは、無酸素不活性ガスがアセンブリ内に収容された乾燥血漿物質中に浸透するのに対応する。
【図54】図54は、図53に示す凍結乾燥機内のいくつかの一体型凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ内に無酸素不活性ガスを閉じ込め、その後の輸送および保存の間に、凍結乾燥された血漿物質を劣化から保護するために、閉鎖カバーは閉鎖状態にされている。
【図55】図55および56は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図54に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図56】図55および56は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図54に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図57】図57は、凍結乾燥された血漿物質と混合するために、源の容器から一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ内に再構成液を移送することによる、図50〜56に示す凍結乾燥および充填プロセスの後の、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ内での凍結乾燥された血漿物質の再構成を示す図である。
【図58】図58は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリから個体への再構成された凍結乾燥された血漿物質の投与を示す図である。
【図59】図59は、再構成液と凍結乾燥された血漿物質との混合物を源の容器に送り返すことによって、図57に示すように再構成液を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリに移送した後の、凍結乾燥された血漿物質と再構成液との混合を示す図であり、混合物は、投与の準備ができるまで、図57および59に示す様式で行き来して移送される。
【図60】図60は、図57に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用して再構成された個別の凍結乾燥された血漿物質の投与を示す図であり、再構成された物質は、図57および59に示すように混合した後、最終的には、投与のために一体型凍結乾燥物質保存アセンブリから元の再構成液容器に移送される。
【図61】図61は、例えば血漿等の凍結乾燥物質のための代替のシステムおよびデバイスを表す正面図であり、システムは、一次的保存部分として機能する第1の折り畳み可能な容器と、二次的凍結乾燥部分とを備え、2つの部分が、チューブによって接続され、単一デバイスまたはアセンブリを形成する。
【図62】図62は、図61に表したシステムおよびデバイスを表す正面図であり、pH調整液が第1の容器に無菌的に添加される。
【図63】図63は、図61のシステムおよびデバイスをさらに表す正面図であり、液体血漿が第1の容器の中に導入される。
【図64】図64は、図61のシステムおよびデバイスの正面図であり、デバイスが血漿で充填される。
【図65】図65は、液体血漿をそれぞれのデバイス内でその場で凍結乾燥する目的で凍結乾燥機内に入れた後の、図64に示すいくつかのデバイスの斜視図であり、 with 一次的部分(第1の折り畳み可能な容器)が、凍結乾燥機の熱伝達面と接触している。
【図66A】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図66B】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図67A】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図67B】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図68A】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図68B】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図69】図69は、第1および第2の容器を接続するために使用されるチューブを表す図であり、第1の容器を密閉するためにヒートシールされる。
【図70】図70は、凍結乾燥後の血漿を含み、二次的凍結乾燥部分が除去された、図64のデバイスの正面図である。
【図71】図71は、図61〜69について上記で論じられた、凍結乾燥物質のための代替のシステムおよびデバイスの二次的部分の第2の構成の正面図である。
【図72】図72は、図61〜69について上記で論じられた、凍結乾燥物質のための代替のシステムおよびデバイスの二次的部分の第2のさらなる構成の正面図である。
【図73】図73は、血漿物質と再構成液とが混合されて投与できる状態になるように、凍結乾燥された血漿物質と再構成液とを混合する示す図である。
【図74】図74は、図70に示すように一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用して再構成された凍結乾燥された血漿物質を個体に投与するところを示す図である。
【図75】図75は、凍結乾燥前の単一ユニットの血漿の処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の開示は、同業者が本発明を実施できるように詳細かつ正確に記載されるが、本明細書に開示される物理的な実施形態は本発明を例示するに過ぎず、他の特定の構造において具現化されてもよい。好ましい実施形態について説明してきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、詳細を変更することができる。
【0026】
(I.凍結乾燥された血漿を保存および再構成するためのデバイス)
図1および2は、凍結乾燥物質を保存および投与するためのデバイス10を示す。デバイス10は、第1の折り畳み可能なチャンバ12と、第2の折り畳み可能なチャンバ14とを有する、可撓性バッグを備える。
【0027】
第1のチャンバ12は乾燥チャンバとも称され、一定量の凍結乾燥物質16を収容する。凍結乾燥物質16の性質および種類は異なり得る。例えば、単一ユニットの血漿、または前処理された単一ユニットの血漿、または単一ドナーユニットの血漿であってもよい。図示した実施形態において、凍結乾燥物質はヒト血漿を含み、その一定量は単一ドナーユニットの血漿である。
【0028】
第2のチャンバ14は湿潤チャンバとも称され、凍結乾燥物質16のための再構成液18を収容する。再構成された物質18の性質および種類は異なり得る。図示した実施形態において、再構成された物質18は、必要に応じて脱気されてもよい滅菌水を含む。使用時には、湿潤チャンバ14内の滅菌水が乾燥チャンバ12内の凍結乾燥された血漿と混合され、輸血用の血漿を提供する。血漿は、デバイス10を使用して、その場で再構成および投与される。
【0029】
第1のチャンバ12は、真空包装された無菌性で湿気のない低酸素濃度環境において、再構成する前の凍結乾燥物質16を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。この環境に保存されて、凍結乾燥物質16は、輸血のために望ましい品質を維持する。
【0030】
第2のチャンバ12は、凍結乾燥物質16と混合する前に、無菌環境において、低ガス濃度で再構成液18を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。
【0031】
チャンバ12および14の各容積は、第1のチャンバ12内の凍結乾燥物質16の体積よりも約50%大きいことが望ましい。これにより、後により詳細に記載するように、デバイス10内の第1のチャンバ12または第2のチャンバ14のいずれかに、凍結乾燥物質16と再構成液18とを混合するための十分な容積が提供される。
【0032】
デバイス10は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等の不活性な医療グレードのプラスチック材料で作製されてもよい。デバイス10は、耐久性をより高めるために、例えば、通常の取り扱いにおいて遭遇し得る引裂および破裂に耐えるように、ポリマー層からなる多層積層を含むことができる。
【0033】
デバイス10の材料は、チャンバ12および14の内容物の目視検査を可能にするために、必要に応じて透明であるように選択されてもよい。第1のチャンバ12内の物質は、金属化された低ガス透過性コーティングまたは金属積層等のガス不透過性バリアを提供するように選択されてもよい。この場合、第1のチャンバの壁は不透明でもよい。
【0034】
さらに、デバイス10は、使用前に、例えば、金属化されたガス不透過性材料でできた、真空密封された外包装20(図1において破線で示される)で包まれていてもよい。外包装20は、自己安定性を促進する。
【0035】
内側の密封壁22(図1を参照)は、デバイス10を第1および第2のチャンバ12および14に仕切る(図5Aも参照)。密封壁22は、第1のチャンバ12と第2のチャンバ14との間にバリアを提供し、使用する時まで保存中の凍結乾燥物質16と再構成液18との接触を常時防止する。
【0036】
図5A/Bおよび7が示すように、密封壁22の1つ以上の領域24は、後により詳細に記載するように、介護者によって選択的に開放されてもよい。領域(複数可)24は、開放されると、2つのチャンバ12および14間の流体連通を可能にする。流体連通は、後により詳細にさらに記載するように、再構成液18を凍結乾燥物質16と混合することを可能にする。
【0037】
密封壁22の領域(複数可)24は、種々の様式で開放することができる。代表的な実施形態(図5を参照)において、密封壁22は、密封壁22が開放される各領域24と関連付けられた通常閉鎖された弁アセンブリ26を含む。図5Aでは、単一領域24が示されているため、単一弁アセンブリ26が示される。図5Bに示すように、複数の領域24aおよび24bが設けられる場合は、各領域24aおよび24bは、それ専用の弁アセンブリ26aおよび26bを各々が含む。
【0038】
代表的な実施形態(図5Aおよび5Bを参照)において、各弁アセンブリ26は、1次感圧弁28を含む。弁28は、例えば、短いアヒルのくちばし状または双方向フラップ弁の形態を取ることができる。1次弁28は、2つのチャンバ12および14間の流体連通に通常抵抗するようにサイズ決定および構成される。
【0039】
代表的な実施形態において、各弁アセンブリ26はまた、弁28と湿潤チャンバ14との間に、通常閉鎖された隔壁30を含む。隔壁30は、弁28とは独立して2つのチャンバ12および14間の閉鎖を維持する。隔壁30は、弁28とは独立して、2つのチャンバ12および14間における意図しない物質の通過を防止し、それによって、デバイス10内で凍結乾燥物質16および再構成液18の使用前の完全性を個別に維持する。
【0040】
隔壁30は、隔壁30内に組み込まれる一体化された引裂部材32を含む。一体化された引裂部材32は、第2のチャンバ14の壁の流体密封された通過口または隔壁36を通って延在する引き紐34に連結される。図1が示すように、引き紐はデバイス10の外において引きタブ38で終端する。
【0041】
図6および7が示すように、引裂部材32は、介護者がタブ38を引くと隔壁30を開放するようにサイズ決定および構成される。通過口または隔壁26は、引き紐34の周囲で密封し、また、引き紐34がチャンバ14の内部から通過した後に密閉して、第2のチャンバ14の完全性を維持する。この様式で隔壁30を開放することにより、開放領域24(図7を参照)を形成する。開放領域24は、第1および第2のチャンバ12および14を、弁28を介して連通させる。
【0042】
領域24が開放した状態でも(図7を参照)、1次弁28は、2つのチャンバ12および14間の流体連通に通常抵抗する役割を果たす。しかしながら、弁28は、領域24が開放された時に、弁38の両側の流体圧力差に応じて弾性的に押し戻されるようにサイズ決定および構成される(図11および14を参照のこと)。圧力差に応じて、弁28は、圧力の高い領域から圧力の低い領域に向かって、流体圧力差の方向に開放する。
【0043】
後により詳細に記載するように(それぞれ、図10および13に示すように)、介護者は、一方のチャンバを選択的に圧搾し、他方のチャンバを圧搾しないことによって、弁28を横切る流体の圧力差を作り出す。流体は、流体の圧力差に応じて、圧搾されたチャンバから圧搾されていないチャンバ内に弁28を通って放出される。
【0044】
複数構成要素からなる弁アセンブリ26は、凍結乾燥物質16を再構成することが必要になるまでチャンバ12および14が確実に隔てられた状態を維持するように、冗長する密封能力を提供する。
【0045】
代表的な実施形態(図1および2を参照)において、デバイス10は、さらなる冗長性を提供する外側の容易に取り外し可能なスカート40をさらに含む。図1および2が示すように、スカート40は、密封壁22の領域においてデバイス10を被覆する。スカート40は、密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素を被覆し、保護する役割を果たす。
【0046】
スカート40の少なくとも1つの領域は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、またはその両方の領域のいずれかにおいて、例えば、接着剤によって、デバイスの外壁の周囲に円周方向に取り付けられる。さらに、スカート40がデバイス10の周囲に取り付けられるため、デバイスの外壁は、襞が寄っているか、または折り目が付いているか、あるいは他の方法でまとめられていることが望ましい(図1および2が示すように)。代替として、襞の形成は容器の壁において行われてもよい。
【0047】
襞を形成することにより、密封壁22の領域における壁応力を軽減する。スカート40は、一旦取り付けられると、これらの襞または折り目を維持し、それによって、密封壁22の領域および密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素における壁応力を軽減または分配する役割を果たす。そのような壁応力は、例えば、第2のチャンバ14内に収容される再構成液18の重量に起因して、ならびに/または輸送中の取り扱いおよび使用前の操作によって生じ得る。被覆するスカート40の存在もまた、密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素を輸送中および使用前の意図しない接触から隔離する役割を果たす。
【0048】
図1が示すように、スカート40は一体化された引裂部材42を含む。一体化された引裂部材42は、スカート40の外に垂下するタブ46で終端する引き紐44を含む。引裂部材42は、介護者がタブ46(図3が示すように)を引くと、スカート40を引き裂いて開けるようにサイズ決定および構成される。スカート40が除去されると、バッグ12および14の壁の襞が緩められ(図4Aおよび4Bが示すように)、密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素が操作状態になる。
【0049】
第1のチャンバ12および第2のチャンバ14に対する言及は、一方のチャンバを他方のチャンバと区別するために行われるのであって、いずれかのチャンバを特定の空間関係に限定するためではないことを理解されたい。例えば、チャンバ12と14は、縦縁部が接触した状態で向かい合わせに配置されてもよい。
【0050】
デバイス10の技術的特徴は、種々の様式において達成可能なチャンバ間での最終的な相互接続および相互連通を可能にする密封手段によって隔離されるチャンバまたはコンパートメントを含む。さらに、バッグまたはチャンバに対する言及は、いずれか特定の構造または形状に限定されるべきではなく、内容物16および18を保持および混合することが可能な任意の容器を指していると理解されるべきである。
【0051】
(II.凍結乾燥物質および再構成液の調製および充填)
凍結乾燥物質16および再構成液18の調製および充填は、(i)物質16の凍結乾燥と、(ii)チャンバ12および14内への物質16および再構成液18の充填という、2つの主要な処理ステップを含む。
【0052】
(A.凍結乾燥された血漿の調製)
代表的な実施形態において、凍結乾燥物質16は血漿を含む。したがって、デバイス10に充填するための凍結乾燥された血漿を調製する例示的な方法の説明を以下に記載する。
【0053】
血漿の調製および製造は、無菌環境において行われる。製造および調製手順は、例えば、ヒト血漿の無菌処理のためのISOクラス3の生物学的封じ込めフードを備えた、ISOクラス5の(またはそれより優れた)クリーンルーム内で行うことができるのが好ましい。凍結乾燥は、CIP/SIP凍結乾燥機内で無菌的に行うことができる。
【0054】
ヒト血漿は従来の方法で、例えば、ドナーからの全血ユニットを閉鎖式採取バッグに採取し、続いて、血漿を遠心分離して、一体化して接続された移送バッグ(約250mlの1つの血漿ユニットを収容する)に採取することによって、単一ドナーから採取される。各ユニット(移送バッグ中に収容される)は、生物学的封じ込めフード内で個別に処理される。ある単一ドナーユニットの処理と、異なるドナーからの別のユニットである単一ドナーユニットの処理との間には、生物学的封じ込めフード内での切り換えのためのラインクリアランスプロトコルが存在するか、または、フロー設計および切り換えのための検証プロセスが他の方法で提供されてもよい。このプロトコルは、前の処理に関連するすべての器具および材料の除去に対応することができる。またそれは、前の処理の残留物が確実にその場に残らないよう、封じ込め作業場および作業場の機器の徹底的な洗浄にも対応する(物質収支)。単一ドナーサンプルの識別は、単一ドナーのヒト血漿容器のバーコードおよび他のタグによって維持される。
【0055】
図17Aに示すように、凍結乾燥の前に、移送バッグ48から250mlのヒト血漿ユニットが、滅菌されたパイロジェンフリーの長方形の型50(例えば、4cm×10cm×12.5cm(深さ×幅×長さ)に分注される。型50はステンレススチールであってもよいが、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、または金等の良好な熱伝導特性を有する金属から構成されてもよい。PTFEまたはダイアモンド等の良好な放出特性を有する剛性の不活性バリアフィルムで、型50の内部表面が被覆されてもよい。
【0056】
図17Bに示すように、ヒト血漿を収容する型50は、次いで、ヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54の付いた、不透水性、蒸気透過性の、滅菌されたヒートシール可能なバッグ52の中に入れられる。この蒸気透過性バッグ52は、通常、PTFE微多孔膜材料(例えば、Gore−TexTM)またはHDPE微多孔膜(例えば、TyvekTM)を用いて製造される。
【0057】
バッグ52は、型50およびヒト血漿を収容するためにヒートシールされる。バッグ52は、内部にある型の壁縁部の表面の下、または型の底でバッグ材料が寄れたり弛んだりせずに、型50およびその内容物を整然と収容するように設計される
図17Cに示すように、収容バッグ52内の型50は、次いで、無菌凍結乾燥機棚面58上の凍結乾燥機56内に配置される。凍結乾燥に使用される凍結乾燥機56は、約200平方フィート以上の棚面積を有する、有効な定置洗浄、定置蒸気滅菌の凍結乾燥機である。そのような凍結乾燥機56は、満載した場合、少なくとも500個の型を収容することができる。
【0058】
一旦積載されると、凍結乾燥機のサイクルが開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、所定の期間、例えば2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。凍結乾燥されたヒト血漿ケーキ60が形成される。
【0059】
代表的な1次凍結乾燥サイクルにおいて、ヒト血漿ケーキ60の温度は、その完全性を維持するために、その崩壊温度(例えば、−33℃)未満に保たれる必要がある。ケーキ60の含水率が5重量%(w/w)未満の場合は、必要に応じて2次乾燥サイクル(高温)を用いてさらに含水率を低下させてもよい。1次および2次凍結サイクルを合わせると72時間以上かかる可能性があるが、そのような時間はプロセス条件により異なる。凍結乾燥サイクルの終わりに、凍結乾燥機の真空状態が、窒素またはアルゴン等の無酸素、高純度の不活性ガスの雰囲気に開放されてもよい。
【0060】
図17Dに示すように、型50および収容バッグ52内の凍結乾燥されたケーキ60を、水分および酸素を排除するために窒素またはアルゴンブランケット下でその環境を維持することができる、無菌収容カート62に取り出す。制御された不活性ガスブランケット下で凍結乾燥機の内容物を移送できるように、収容カート62が凍結乾燥機の前部に連結されてもよい。
【0061】
収容カート62は、凍結乾燥されたヒト血漿ケーキ(各ケーキは型50に入っており、バッグ52に封入される)を保存するために使用されてもよく、また、後により詳細に記載するように、凍結乾燥された血漿ケーキ60をデバイス10に充填することを可能にするデバイス充填エリアに、ケーキを移送することもできる。
(B.凍結乾燥された血漿および水をデバイスに充填する)
図1に示すように、デバイス10は、第1のチャンバ12と連通する第1の無菌真空ポート64と、第2のチャンバ14と連通する第2の無菌真空ポート66とを備える。真空ポート64および66は、凍結乾燥された血漿物質16および再構成液18(例えば水)をデバイス10内に充填し易くするために、最終的な組み立ての際に(図18〜21を参照)種々のチューブTに接続されるようにサイズ決定および構成される。
【0062】
第2のチャンバ14と連通する投与ポート68も、ヒートシールされる。投与ポート68は、後により詳細に記載するように、充填プロセスの間に再構成液18を第2のチャンバ14に搬送するために使用される。再構成液18が14内に充填された後、図16に示すように、輸血時に投与セット72からポート28への連結に対応するように、投与ポート68は、従来の隔壁または脆弱な膜アセンブリまたは従来のスクリュー‐ロックのルアー取付具70で密封される。
【0063】
デバイス10はまた、ヒートシール可能な無菌フランジ74(図1を参照)を備え、それによって、図18に示すように凍結乾燥された血漿ケーキ60を第1のチャンバ12に挿入し、次いで、図19に示すように無菌様式において密封することが可能となる。
【0064】
フランジ74にはスロット76が事前に形成されてもよい。図16が示すように、スロット76により、再構成された血漿を個体に投与するために、デバイス10を所望の重力落差で吊り下げることができる。
【0065】
個別の単一ドナーのヒト血漿凍結乾燥ケーキ60は、フランジ74を通して無菌的にデバイス10に投入される(図18を参照)。デバイス投入エリアは、例えば、不活性ガスブランケットによって酸素汚染および水分汚染を著しく排除する生物学的封じ込めフードであってもよい。また、デバイス投入エリアは、不活性ガス環境を有する無菌グローブボックスシステムであってもよい。
【0066】
図18および19は、代表的な投入プロセスを表す。バッグ52が開けられ、血漿ケーキ60が型50から取り出される。血漿ケーキ60は、開いたフランジ74を通して第1のチャンバ12内に投入される。図17Eに示すように、血漿ケーキ60は、(バッグ52を除去した後に)先の広がった大きなヘラに似た、透明プラスチック製の使い捨ての無菌アプリケーターツール78を使用して、型50から直接チャンバ12に移送できると予想される。一旦チャンバ12に投入されると、例えば、誘電溶接またはヒートシール等の種々の従来の無菌技術を用いて、フランジ74を密閉することができる。
【0067】
血漿チャンバ12への投入は、投入後に容易に密閉することができる、チャンバ12のフランジ74の約50%を占める「二枚貝式」の開口部を介して行われてもよい。二枚貝式開口部によって、プロセス中に第1のチャンバ12または凍結乾燥された血漿を損傷することを気にせずに血漿ケーキ60を充填できる。二枚貝型開口部の場合、縁部継ぎ目が十分に余分を持って重なり合うため、密封プロセスの際に、縁部継ぎ目の簡単な整合および接触が可能となる。
【0068】
好ましくは、チャンバ12が投入および密封された後に、第1のチャンバ12の真空ポート64に接続されたチューブTを通して無菌真空が印加される(図19を参照)。100mトル近い圧力を達成すると、真空ポート64がヒートシールされ、チューブTが除去される。この排気プロセスは、気泡を導入することなく、また、泡沫化することなく、凍結乾燥されたヒト血漿を混合および再構成する最終的な能力を提供する。また真空により、血漿ケーキ60を微細化して微粉末にし、チャンバ12内で凍結乾燥物質16を形成する。
【0069】
原血漿とチャンバ12内に充填された物質16との間に直接追跡可能なリンクを維持するために、デバイス10は、乾燥凍結時に型50を包んでいるバッグ52に付けられるバーコードおよびタグ54を複製するか、または他の方法でバーコードおよびタグ54にリンクされたヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54’(図1を参照)を含むことが好ましい。こうすることで、デバイス10は、ヒトドナー源まで追跡可能なリンクを維持する。
【0070】
凍結乾燥された血漿物質16の再構成を補助するために、チャンバ12を閉鎖する前に、これらに限定されないが、ガラス、ポリ塩化ビニル、または高密度ポリエチレン等の不活性材料の無菌高密度球体がチャンバ内に添加されてもよい。
【0071】
再構成液18(代表的な実施形態においてはガスを含まない水)は、第2のチャンバ14内に導入される。図20が示すように、真空ポート66および投与ポート68は、供給ライン80および82にそれぞれ接続される。チャンバ14内のガスは、無菌真空を印加することにより除去される。
【0072】
真空ポート66は密封され、チューブ80が除去される。必要とされる一定量(例えば、約250ml)の再構成液が、投与ポート68を通してチャンバ14に加えられる。チューブ82が除去され、次いで、輸血時に投与セット68からポート68への連結に対応する従来の隔壁または脆弱な膜アセンブリまたは従来のスクリュー‐ロックのルアー取付具70で、投与ポート68が密封される。
【0073】
凍結乾燥された血漿の再構成を補助するために、これらに限定されないが、ガラス、ポリ塩化ビニル、または高密度ポリエチレン等の不活性材料の無菌高密度球体が、第2のチャンバ14に存在してもよい。
【0074】
図21が示すように、凍結乾燥物質16および再構成液18を前述の様式で充填した後、前述したように密封壁22の領域においてデバイス10の壁に襞が寄せられ、外側スカート40が取り付けられる。必要に応じて、図1に示すように外包装418 20が適用されてもよい。
【0075】
デバイス10は、いつでも保存、輸送、および使用できる状態である。
【0076】
(III.凍結乾燥物質の再構成および投与)
デバイス10は、凍結乾燥物質16を再構成することを予測して、意図的な2段階操作を可能にする。
【0077】
第1のステップ(図8に示す)において、スカート40を開閉するために引裂部材42が引かれ、デバイス10の密封壁22を図6に示すすぐに使用できる構成にする。第2のステップ(図9に示す)において、隔壁20(図7がより詳細に示す)を開放するために引裂部材32が引かれる。それによって、密封壁22の領域24が開放される。
【0078】
領域24が開放されると、介護者は、第2のチャンバ14に圧力を印加して、再構成液18を第2のチャンバ14から第1のチャンバ12内に搾り出すことができ(図10および11を参照)、それによって、凍結乾燥物質16の再構成を開始する。より具体的には、領域24が開放された状態で、介護者は、第1のチャンバ12に圧力を印加せずに、第2のチャンバ14に圧力を印加することができる(図10が示すように)。図10および11が示すように、第2のチャンバ14と第1のチャンバ12との圧力差によって、弁28(図11が示すように、圧力差に応じて押し戻され、第1のチャンバ12の方向に開く)を通って第2のチャンバ14から第1のチャンバ12内に液体18が放出される。放出された液体18は、第1のチャンバ12内で凍結乾燥物質16と混合し、再構成を開始する。
【0079】
図12が示すように、デバイス10を振盪することにより、第1のチャンバ12内における液体18と凍結乾燥物質18との混合が加速される。
【0080】
領域24が開放されると、続いて介護者は第1のチャンバ12に圧力を印加して、液体18中で少なくとも部分的に再構成された物質16を第1のチャンバ12から第2のチャンバ14内に絞り出すことができる(図13および14を参照)。凍結乾燥物質16の再構成が進められる。より具体的には、図13が示すように、介護者は、今度は第2のチャンバ14に圧力を印加せずに、第1のチャンバ12に圧力を印加することができる(図13が示すように)。図13および14が示すように、第1のチャンバ12と第2のチャンバ14との圧力差によって、弁28(図14が示すように、圧力差に応じて押し戻され、第2のチャンバ14の方向に開く)を通って第1のチャンバ12から液体18および凍結乾燥物質16の混合物を放出して第2のチャンバ14に戻す。放出された液体18は、凍結乾燥された血漿物質18と混合を続け、物質18との再構成を進める。
【0081】
図15が示すように、デバイス10を振盪することにより、第2のチャンバ14内における水と凍結乾燥された血漿との混合がさらに加速される。
【0082】
途中で振盪しながら、チャンバ12および14に交互に圧力を印加することによって、所望の程度の混合が生じるまで、液体18中で再構成された物質16を2つのチャンバ12および14間を行き来させることができ、その時点で混合物はいつでも輸血に使用できる状態である。より具体的には、介護者は続けて、一方のチャンバを圧搾せずに、他方を圧搾して、血漿の所望の程度の混合および再構成が達成されるまで、定期的に振盪させながら、液体18と凍結乾燥物質18との混合物をチャンバ12および14間を行き来して放出させることができる。
【0083】
この時点で(図16が示すように)、介護者は、デバイス10の投与用取付具70を流体投与セット72に連結することができる。再構成された血漿は、自然流下により、静脈切開針84を通って個体の循環器系に輸血される。
【0084】
輸血中に水7を用いた血漿一定量5の連続的再構成を補助するために、投与用取付具70は、(図16に示すように)静的混合チューブ86をさらに含むことができる。
【0085】
上記のようなデバイス10は、i)凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質の長期にわたる安定した収容、ii)注入のための、再構成液を用いた凍結乾燥物質の最終的な迅速な再構成、iii)安全な無菌様式における、再構成された凍結乾燥物質の外傷患者への最終的な送達を提供する。
【0086】
(IV.他の代表的な実施形態)
(A.中間弁経路を有する二重容器)
図22は、凍結乾燥物質を保存および投与するためのデバイス100の別の代表的な実施形態を示す。デバイス100は、通常は閉鎖している中間弁アセンブリ106によって結合された第1の折り畳み可能な容器102と、第2の折り畳み可能な容器104とを備える。
【0087】
デバイス100は、特定の構造は異なるが、図1に示すデバイスの技術的特徴の多くを共有する。第1の容器102は、前述したように乾燥チャンバ12を備え、凍結乾燥された単一ドナーユニットのヒト血漿等の一定量の凍結乾燥物質16を収容するようにサイズ決定および構成される。
【0088】
第2の容器104は、前述したように湿潤チャンバ14を備え、凍結乾燥物質16のための再構成液18を収容するようにサイズ決定および構成される。前述したように、再構成された物質18は、必要に応じて脱気されてもよい滅菌水を含むことができる。
【0089】
使用時には、湿潤チャンバ14内の滅菌水が乾燥チャンバ12内の凍結乾燥された血漿と混合され、輸血のための血漿を提供する。血漿は、デバイス10を使用してその場で再構成および投与される。
【0090】
前述したように、第1の容器102は、凍結乾燥物質16の再構成前に、真空包装された無菌性で湿気のない低酸素濃度環境において凍結乾燥物質16を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。この環境に保存されて、凍結乾燥物質16は輸血に望ましい品質を維持する。
【0091】
同じく前述したように、第2の容器104は、凍結乾燥物質16と混合する前に、無菌環境において、低ガス濃度で再構成液18を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。
【0092】
容器102および104の各容積は、第1のチャンバ12内の凍結乾燥物質16の体積よりも約50%大きいことが望ましい。これにより、後により詳細に記載するように、デバイス10内の第1の容器102または第2の容器104のいずれかに、凍結乾燥物質16と再構成液18とを混合するための十分な容積が提供される。
【0093】
容器102および104は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等の不活性な医療グレードのプラスチック材料で作製されてもよい。容器102および104のうちの一方または両方は、耐久性をより高めるために、例えば、通常の取り扱いにおいて遭遇し得る引裂および破裂に耐えるように、ポリマー層からなる多層積層を含むことができる。
【0094】
容器102および104の材料は、チャンバ12および14の内容物の目視を可能にするために、必要に応じて透明であるように選択されてもよい。第1の容器102内の物質は、金属化された低ガス透過性コーティングまたは金属積層等のガス不透過性バリアを提供するように選択されてもよい。この場合、第1のチャンバの壁は不透明でもよい。
【0095】
前述したように、デバイス100は、使用前に、金属化されたガス不透過性材料でできた、真空密封された外包装20(図22において破線で示される)で包まれていてもよい。外包装20は、自己安定性を促進する。
【0096】
図22に示す代替の代表的な実施形態において、弁アセンブリ106は、2つの容器102および104間に延在する可撓性環状弁経路110内に包囲された感圧弁108を含む。弁108は、例えば、短いアヒルのくちばし状または双方向フラップ弁の形態を取ることができる。弁108は、2つの容器102および104間の流体連通に通常抵抗するようにサイズ決定および構成される。しかしながら、弁108は、(図11および14に示される弁28と同様の様式で)弁108の両側の流体圧力差に応じて弾性的に押し戻されるようにサイズ決定および構成される。圧力差に応じて、弁108は、弁28と同様に、圧力の高い領域から圧力の低い領域に向かって、流体圧力差の方向に開放する。
【0097】
弁経路110が結合された容器の壁の領域は、弁経路110を通る容器102および104間の連通を通常閉鎖する。
【0098】
外側の容易に取り外し可能なスカート112は、容器102および104の中間領域、ならびに中間弁経路110の周囲に巻かれる。スカート112は、使用前に弁アセンブリ106の構成要素を被覆して保護する役割を果たす。スカート112の少なくとも1つの領域は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、またはその両方の領域のいずれかにおいて、例えば、接着剤によって、それぞれの容器102および104の外壁の周囲に円周方向に取り付けられる。
【0099】
図23が示すように、外側スカート112内では、容器102および104の中間領域および弁経路110自体に、望ましくは襞が寄っているか、または折り目が付いているか、あるいは他の方法でまとめられ、それぞれの容器102および104ならびに弁経路110の長さを短縮する。代替として、襞の形成は、容器102および104の壁ならびに/または弁経路110において行われてもよい。被覆するスカート112の存在は、弁経路100を輸送中および使用前の意図しない接触から隔離する役割を果たす。
【0100】
図23が示すように、弁経路110の両側の端部を被覆する各容器102および104の壁は、それぞれ一体化された引裂部材112を含む。図23が示すように、それぞれの一体化された引裂部材112は、内部の引き紐114によって、それぞれの容器102および104の隣接する側壁に連結される。デバイス100が図22に示す襞の寄った状態にある時(すなわち、容器102および104の中間領域および弁経路110自体に襞が寄り、外側スカート112によってこの状態に保たれる時)、内部の引き紐114は、通常、若干緊張した状態に保たれる。デバイス100が襞の寄った状態にある時、内部の引き紐114の張力は、引裂部材112に影響を与えるほど十分ではない。弁経路110の両側の端部を被覆する各容器102および104の壁は、閉じたままである。デバイス100が襞の寄った状態にある時、チャンバ12および14ならびにそれらの内容物は、使用する前は、隔離および分離された状態のままである。
【0101】
図24が示すように、デバイス100を図24に示す状態にするために、一体化された引裂部材116を(図3に示す様式で)操作することによって、スカート112を破り、除去することができる。図24が示すように、スカート112が除去されると、容器102および104の壁ならびに弁経路110の襞が緩められ、デバイス100が伸長する。
【0102】
図25が示すように、デバイス100が伸長すると、内部の引き紐114の張力が高まる。この高まった張力は、引裂部材112を作動させて、(図25が示すように)弁経路110の両側端部の壁の領域116を引き裂いて開けるのに十分である。開放された領域116は、第1および第2のチャンバ12および14を、弁経路110を通って連通させる。
【0103】
領域116が開放された状態で、介護者は、デバイス10について前述したのと同じ様式で(図10〜16に示すように)、続けてデバイス100を操作することができる。介護者は、一方の容器を選択的に圧搾し、他方の容器を圧搾しないことによって、弁108を横切る流体の圧力差を作り出す。流体圧力差に応じて、圧搾された容器から圧搾されていない容器へと弁108を通って流体が放出され、凍結乾燥物質を投与するために混合および再構成される。容器102および104の操作の結果として、弁経路110を通る、チャンバ12および14間での両方向への物質の移送を図26および27に示す。
【0104】
(B.移送セットを有する二重容器)
図30は、凍結乾燥物質を保存および投与するためのシステム200の代表的な実施形態を示す。システム200は、第1の折り畳み可能な容器202と、第2の、別個の折り畳み可能な容器204とを備える。システム200は、第1および第2の容器202および204間に流体連通を確立するための移送セット206をさらに備える。
【0105】
システム200は、特定の構造は異なるが、図1および22に示すデバイスの技術的特徴の多くを共有する。
【0106】
第1の容器202は、前述したように乾燥チャンバ12を備え、凍結乾燥された単一ドナーユニットのヒト血漿等の一定量の凍結乾燥物質16を収容するようにサイズ決定および構成される。原血漿とチャンバ12内の物質16との直接追跡可能なリンクを維持するために、容器202は、ヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54(図30を参照)を含むことが好ましい。こうすることで、容器202は、ヒトドナー源まで追跡可能なリンクを維持する。
【0107】
第2の容器204は、前述したように湿潤チャンバ14を備え、凍結乾燥物質16のための再構成液18を収容するようにサイズ決定および構成される。前述したように、再構成された物質18は、例えば、必要に応じて脱気されてもよい滅菌水を含むことができる。
【0108】
使用時には(図31を参照)、セット206を用いて、湿潤チャンバ14内の滅菌水が乾燥チャンバ12内の凍結乾燥された血漿と混合され、輸血用の血漿を提供する。血漿は、システム200を使用して、その場で再構成および投与される。
【0109】
前述したように、第1の容器202は、凍結乾燥物質16の再構成前に、真空包装された無菌性で湿気のない低酸素濃度環境において凍結乾燥物質16を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。この環境に保存されて、凍結乾燥物質16は輸血に望ましい品質を維持する。
【0110】
同じく前述したように、第2の容器204は、凍結乾燥物質16との混合前に、無菌環境において、低ガス濃度で再構成液18を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。
【0111】
容器202および204の各容積は、第1のチャンバ12内の凍結乾燥物質16の体積よりも約50%大きいことが望ましい。これにより、後により詳細に記載するように、第1の容器202または第2の容器204またはその両方のいずれかに、凍結乾燥物質16と再構成液18とを混合するための十分な容積が容器202および204内に提供される。
【0112】
容器202および204は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等の不活性な医療グレードのプラスチック材料で作製されてもよい。容器202および204のうちの一方または両方は、耐久性をより高めるために、例えば、通常の取り扱いにおいて遭遇し得る引裂および破裂に耐えるように、ポリマー層からなる多層積層を含むことができる。
【0113】
容器202および204の材料は、チャンバ12および14の内容物の目視検査を可能にするために、必要に応じて透明であるように選択されてもよい。第1の容器202内の物質は、金属化された低ガス透過性コーティングまたは金属積層等のガス不透過性バリアを提供するように選択されてもよい。この場合、第1のチャンバ12の壁は不透明でもよい。
【0114】
各容器202および204は、使用前には、例えば、金属化されたガス不透過性材料でできた、真空密封された外包装208(図30において破線で示される)で包まれてもよい。外包装208は、自己安定性を促進する。移送セット206もまた、使用前には滅菌外包装208で包装されていることが望ましい(図31において破線で示されるように)。
【0115】
移送セット206は、各端部にプラスチックの針または突起210を含む。使用する時まで滅菌状態を保つように、各針または突起210の周囲に外側の容易に取り外し可能なスカートまたはキャップ216を設置するかまたは巻き付けることができる。
【0116】
針または突起210は、使用時に、各容器202および204と流体連通して連結されたポートチューブ214内に位置する従来の穿孔可能な膜を破裂させるようにサイズ決定および構成される。各膜212は、移送セット206のそれぞれの針または突起210によって穿孔されるまで、それぞれの容器202および204を通常密封する。一旦針または突起210によって穿孔されると、ポートチューブ214を通って流体連通が開放される。
【0117】
ポートチューブ214が開放された状態で、介護者は、図31が示すように再構成液18を第2の容器204から移送して凍結乾燥物質16と接触させるために、続けてシステム200を操作することができる。介護者は、一方の容器を選択的に圧搾し、他方の容器を圧搾しないことによって、移送セット206を横切る流体の圧力差を作り出すことができる。流体圧力差に応じて、圧搾された容器から圧搾されていない容器へと移送セット206を通って流体が放出され、凍結乾燥物質を投与するために混合および再構成される。必要に応じて、チャンバ12および14間を両方向に行き来する物質の移送を続けて凍結乾燥物質を再構成し、その時点で投与を行うことができる。
【0118】
この時に、介護者は、図16を参照して前述したのと同じ様式で、図31に示すように再構成された物質を個体の循環器系に移送するために、投与用取付具70(第1の容器202に連結して示される)を適切な投与セットに連結することができる。また投与用取付具70は、第2の容器204に、または第1および第2の容器202および204の両方に連結されてもよい。
【0119】
(C.再構成液を充填する代替方法)
図28A/Bおよび29A/Bは、前述したようにデバイス10またはデバイス100内に再構成液18を充填するための代替方法を示す。これらの代替方法において、再構成液18を搬送するために投与ポート68を使用する必要はないが、充填前の操作において閉鎖および密封されてもよい。
【0120】
代替の代表的な一実施形態において(図28A/Bを参照)、湿潤チャンバ14は2つの充填ポート120および128を含む。使用時には(図28Aを参照)、第1のポート120が第1のインライン弁122を介して再構成液18の源124に連結される。第2のポート128は、第2のインライン弁126を介して真空源125に連結される。
【0121】
図28Aに示すように、第1の弁122は閉鎖され、第2の弁126は開放される。チャンバ14の内部に真空が印加される。図26Bに示すように、第1の弁122は開放され、第2の弁126は閉鎖される。再構成液18は自然流下によりチャンバ14に搬送される。充填ポート120および128の両方が密封される。
【0122】
別の代替の代表的な実施形態において(図29A/Bを参照)、湿潤チャンバ14は単一充填ポート130を含む。使用時には(図29Aを参照)、ポート130が、再構成液18の源132および真空源134に双方向弁136を介して連結される。
【0123】
図29Aに示すように、双方向弁136は、液体源132との連通を閉鎖し、真空源134との連通を開放するように操作される。チャンバ14の内部に真空が印加される。図29Bに示すように、双方向弁136は、液体源132との連通を開放し、真空源134との連通を閉鎖するように操作される。再構成液18は自然流下によりチャンバ14に搬送される。充填ポート130が密封される。
【0124】
両方の構成において、投与ポート68は、充填前の操作において挿入および密閉されてもよい。投与ポート68は、図16に示すように再構成された凍結乾燥物質を投与する時まで使用されない。
【0125】
(D.凍結乾燥物質を充填する代替方法)
代替の実施形態において、物質16は、チャンバ12内でその場で凍結乾燥されてもよい。この構成において、図33が示すように、デバイス300は、密封壁22によって前述した様式でチャンバ12およびチャンバ14に仕切られる。密封壁22は、前述したように、引き紐34およびタブ38を有する隔壁26を含む。
【0126】
チャンバ12内における血漿の凍結乾燥に対応するために、デバイス300は、凍結乾燥中に遭遇する低温(例えば、−33℃未満)でのクラッキングに耐性のある材料で作製される。候補材料として、ポリオレフィン材料、ポリウレタン材料、ポリウレタン、エラストマー材料、およびポリシリコン材料が挙げられる。低温に耐えるように処理されたポリ塩化ビニル材料も使用することができる。
【0127】
デバイス300はまた、第1のチャンバ12と連通する第1および第2の無菌ポート302および304を含む。第1のポート302は、使用時に、凍結乾燥のために液体血漿をチャンバ12に搬送する。第1のポート302は、穿孔可能な膜または隔壁314によって通常は閉鎖されていることが望ましい。第2の無菌ポート304は、ガス透過膜316等のガス透過膜によって通常閉鎖されている。ガス透過膜316は、使用時に、凍結乾燥プロセスの最中および後にチャンバ12に出入りする蒸気およびガスの輸送に対応するが、さもなければチャンバ12から液体が出るのを防止する。ガス透過膜316は、例えば、ナイロン材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料、またはポリプロピレン材料を含むことができる。
【0128】
デバイス300はまた、第2のチャンバ14と連通する無菌ポート306を含む。ポート306は、前述したように(例えば、図29Aおよび29Bを参照)、使用時に、再構成液を第2のチャンバ14内に搬送する。第1のポート302はまた、穿孔可能な膜または隔壁314によって通常閉鎖されてもよい。
【0129】
第2のチャンバ14と連通する投与ポート310も、ヒートシールされる。投与ポート310は、前述したように、使用時に、再構成された物質を第2のチャンバ14から投与のために個体に搬送する。
【0130】
図34が示すように、第1のポート302は、液体血漿312の源に連結されたチューブTに取り付けられるようにサイズ決定および構成される。例示された実施形態において、チューブTは、ポート302を通ってチャンバ12への流体連通を開放するように、ポート302の膜314を穿孔する突起または針318を含む。
【0131】
チューブTを通して、所望の体積の液体血漿が源312から第1のチャンバ12内に搬送される。第1のチャンバ12に液体血漿が搬送された後に、チューブTが除去され、ポート302が密閉される。この処理段階では、図34が示すように第2のチャンバ14は空のままである。
【0132】
原血漿とチャンバ12内で凍結乾燥される物質16との間に直接追跡可能なリンクを維持するために、デバイス300は、源血漿バッグ312に付けられるバーコードおよびタグ54を複製するか、または他の方法でバーコードおよびタグ54にリンクされたヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54’(図31を参照)を含むことが好ましい。こうすることで、デバイス300は、ヒトドナー源まで追跡可能なリンクを維持する。
【0133】
図35に示すように、各チャンバ12が液体血漿によって充填された1つ以上のデバイス300が、無菌凍結乾燥機棚面322上の凍結乾燥機320内に配置される。一旦積載されると、凍結乾燥機のサイクルが開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。その結果、凍結乾燥されたヒト血漿ケーキ324が、各デバイス300のチャンバ12内でその場で形成される(図36を参照)。
【0134】
凍結乾燥プロセスの代表的なパラメータは以前に記述されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0135】
凍結乾燥プロセス全体にわたって、ポート304内のガス透過膜316は、例えば、水蒸気等のガスが凍結乾燥中に液体血漿から昇華すると、その通過に対応するが、さもなければ、チャンバ12から液体血漿が通過することを防止する。
【0136】
図36に示すように、凍結乾燥後、チャンバ12に凍結乾燥されたケーキ324を有するデバイス300が、凍結乾燥機320から除去される。
【0137】
好ましくは、無菌真空がポート304を通して印加される。100mトル近い圧力を達成すると、ポート304がヒートシールされて閉鎖される。この排気プロセスは、気泡を導入することなく、また、泡沫化することなく、凍結乾燥されたヒト血漿を混合および再構成する最終的な能力を提供する。また真空によって、血漿ケーキ324を微細化して微粉末にし、チャンバ12内で凍結乾燥物質16を形成する。デバイス300は、その後のプロセスまで、水分および酸素を排除するために窒素またはアルゴンブランケット下で維持されてもよい。
【0138】
次に(図37を参照)、例えば、図29Aおよび29Bに示す様式で、再構成液18がポート306を通して第2のチャンバ14内に導入される。次いで、ポート306が密封される。
【0139】
図38が示すように、凍結乾燥物質16および再構成液18を前述の様式で充填した後、前述したように密封壁22の領域においてデバイス300の壁に襞が寄せられ、同じく前述したように(引き紐44およびタブ46とともに)外側スカート40が取り付けられる。必要に応じて、図1に示すように外包装20が適用されてもよい。
【0140】
デバイス300は、いつでも保存、輸送、および使用できる状態である。
【0141】
液体血漿は、前述したのと同じ様式で、図30に示すように容器202内でその場で凍結乾燥されてもよいことを理解されたい。
【0142】
(V.再構成のための物質を凍結乾燥および保存するためのデバイス、システム、および方法)
(A.凍結乾燥および保存用の多機能槽)
図39A〜39Dは、血漿等の物質を凍結乾燥、保存、再構成、および投与するための多機能デバイス400の代表的な実施形態を示す。デバイス400は、物質がデバイス400内で凍結乾燥する間に物質を受容するようにサイズ決定および構成される。デバイス400はまた、意図する場所で再構成される前に、凍結乾燥物質が輸送、取り扱い、および保存される間、凍結乾燥物質のための槽としての役割を果たすようにサイズ決定および構成される。デバイス400はまた、その中で凍結乾燥物質を再構成できる槽としての役割もさらに果たすようにサイズ決定および構成される。またデバイス400は、凍結乾燥物質が再構成された後に、そこから安全かつ無菌様式において個体に送達できる槽としての役割も果たすようにサイズ決定および構成される。多機能デバイス400を使用することにより、単一槽内で所与の物質を凍結乾燥、輸送、保存、再構成、および投与することができる。
【0143】
図39Aの分解図に示すように、デバイス400は、異なる機能を果たすように、異なる物理的特性を有するいくつかの構成要素から構成される槽402を備える。図示するように、槽402は、開放的な内部空間406の周辺を取り囲む側壁構成要素404を含む。また槽402は、側壁構成要素404に被覆して内部空間406を周縁で包み込む、第1および第2の端部構成要素408および410を含む。また槽402は、側壁構成要素404と、それを被覆する第1および第2の端部構成要素408および410によって囲われた内部空間406に流体連通を提供するために、側壁構成要素404の領域に貫通する第1、第2、および第3のポート構成要素412、414、および416を含む。
【0144】
組み立てられると(図39B〜39Cが示すように)、種々の構成要素が一体型の多機能槽402を構成し、その中で所与の物質を凍結乾燥し、次いで輸送および保存し、次いで再構成し、次いで投与することができる。
【0145】
図39A〜39Dに示すように、第1および第2の端部構成要素408および410は、槽402の端部のために、軽量だが耐久性のある構造上の骨格を形成するように選択された剛性または半剛性材料でできたフレームを備える。第1および第2の端部構成要素408および410の材料は、例えば、非可塑化ポリ塩化ビニル、またはポリエチレン、またはポリプロピレン、または高密度ポリエチレンを含むことができる。材料は、不活性であり、動物の組織および体液と接触するのに十分な医療グレードのものであることが望ましい。第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、例えば、所望の形状およびサイズに成形されてもよい。
【0146】
第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、槽402の形状を画定および維持するとともに、全体的な構造的支持、および槽402の他の構成要素のための取付場所を提供する。第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、凍結乾燥中およびその後の取り扱いの間に槽402に課せられる圧力条件および他の力に耐える一体化構造要素を槽402に提供する。
【0147】
第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、材料パネル408’および410’を各々が支持する。例示された実施形態において、材料パネル408’および410’は、それぞれの端部構成要素408および410にわたって水平方向に広がる。材料パネル408’および410’は、例えば、接着剤またはヒートシール技術によって、端部構成要素408および410によって画定されるフレームに周縁を密封される。
【0148】
パネルは異なる機能を果たすため、パネルのために選択される材料408’および410’は異なる。この技術的特徴については、後により詳細に記載する。
【0149】
側壁構成要素404は、第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームに付加される。側壁構成要素404は、端部構成要素408および410の側端部間に縦方向に広がる。側壁構成要素404は、例えば、接着剤またはヒートシール技術によって、端部構成要素408および410の側端部に周縁を密封される。
【0150】
側壁構成要素404と、第1および第2の端部構成要素408および410とは、閉鎖された密封完全性を内部空間406に提供する。
【0151】
側壁構成要素404は、可撓性のガス不透過性材料を含む。材料はまた、不活性であり、動物の組織および体液と接触するのに十分な医療グレードのものであることが望ましい。側壁構成要素404の材料は、例えば、可塑化ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム、または高密度ポリエチレンフィルムを含むことができる。側壁構成要素404は、図39Aに示すような可撓性材料の連続的なフィルムを含むことができるか、または一緒に密封される、より短い長さの可撓性フィルム材料を含むことができる。
【0152】
側壁構成要素404の可撓性は、凍結乾燥中およびその後の取り扱いにおいて遭遇する圧力条件に応じて、槽402の伸縮および湾曲に対応する。側壁構成要素404の材料はまた、凍結乾燥中およびその後の槽402の取り扱い中の引裂または破裂に対する耐性を提供することが望ましい。側壁構成要素404は透明であることが望ましく、それによって、ユーザが、内部空間406と周辺環境との間にガスを透過させずに、槽402の内容物を目視して確認することができる。
【0153】
側壁構成要素と同様に、第1の端部構成要素408の材料408’もまた、側壁構成要素404の機能を補完するために、ガス不透過性であるように選択される。材料408’はまた、透明であるように選択され、それによって、内部空間406内に可視視野に寄与することが望ましい。第1の端部構成要素408の材料408’は、必要に応じて、可撓性または剛性であってもよい。
【0154】
第1の端部構成要素408の材料408’のすべてが透明である必要はないことを理解されたい。材料408’は、内部空間406を視認するのに十分な透明度の領域を含み、材料408’の残りはガス不透過性かつ非透明であってもよい。
【0155】
側壁構成要素404の材料と同様に、第1の端部構成要素408の材料408’は、不活性であり、動物の組織および体液と接触するのに十分な医療グレードのものであることが望ましい。第1の端部構成要素408の材料408’は、例えば、可塑化ポリ塩化ビニルフィルム、またはポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム、または高密度ポリエチレンフィルムを含むことができる。
【0156】
構成要素410は異なる機能を果たすため、第2の端部構成要素410の材料410’は、少なくとも部分的に、側壁構成要素404および第1の端部構成要素408の物理的特性とは異なる物理的特性を有することが望ましい。より具体的には、第2の端部構成要素410の材料410’は、ガス透過性、例えば、疎水性であるように選択される。ガス透過性材料410’は、凍結乾燥プロセスの最中およびその後に内部空間406に出入りする蒸気およびガスの輸送に対応するが、疎水性である場合には異なり、内部空間406から液体が出るのを防止する。ガス透過性材料410’は、例えば、ナイロンフィルム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム材料、または他のフルオロポリマーフィルム材料、ポリプロピレンフィルム材料、またはポリウレタンフィルム材料を含むことができる。
【0157】
第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の存在により、凍結乾燥プロセスの間に、内部空間406内の材料から水蒸気が昇華することができる。また第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の存在により、必要に応じて、凍結乾燥プロセスの後に不活性ガスが内部空間406内に導入できるようにし、槽402内に物質の長期保存をもたらす保護雰囲気を提供する。この技術的特徴については、後により詳細に記載する。
【0158】
第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の表面積は、凍結乾燥プロセス中の昇華率に影響を与える可能性があり、すなわち、表面積が大きいほど昇華率も高くなる。図39A〜39Dにおいて、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’は、端部構成要素410の全体を被覆する。代替として、また図46および47に示す実施形態について後に詳述するように、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’は、端部構成要素410のより小さい領域を構成し、第2の端部構成要素410の残りの部分はガス不透過性で、望ましくは透明であってもよい。
【0159】
第1、第2、および第3のポート構成要素412、414、および416は、側壁構成要素404の領域の中に密封される。ポート412、414、および416は、側壁構成要素404の隣接する材料に、例えば、加熱または接着剤によって密封される、例えば、押出または成形された、医療用グレードのプラスチックチューブを含む。ポート412、414、および416は、記載したように、側壁構成要素404と、それを被覆する第1および第2の端部構成要素とによって形成される内部空間406内への流体連通を提供する。
【0160】
各ポート構成要素412、414、および416は、従来の隔壁または脆弱な膜アセンブリまたは従来のスクリュー−ロックのルアー取付具で最初に密封されることが望ましい。各ポート構成要素412、414、および416は、後により詳細に記載するように、内部空間406から出し入れ可能にするための移送チューブに連結されるようにサイズ決定および構成される。
【0161】
例えば、代表的な実施形態において、第1のポート構成要素412は、使用時に、槽402内でその場で凍結乾燥するための液状の材料を内部空間406に導入することに対応するようにサイズ決定および構成されてもよい。第2のポート構成要素414は、使用時に、凍結乾燥物質と混合および再構成するための再構成液を内部空間406に導入することに対応するようにサイズ決定および構成されてもよい。第3のポート構成要素416は、使用時に、内部空間406からの再構成された材料の移送に対応するようにサイズ決定および構成されてもよい。これらの目的のためのポート構成要素の使用は、後により詳細に記載する。
【0162】
例示された実施形態において、第1のポート構成要素412は、第2および第3のポート構成要素414および416とは異なる側壁領域を占める。この分離によって、凍結乾燥機能専用のポート構成要素412が、再構成および投与機能専用のポート構成要素414および416から隔離される。
【0163】
図39Dに最もよく示されるように、少なくとも第1のポート構成要素412が、側壁構成要素404に対して垂直以外の角度で配向されることが望ましい。より具体的には、ポート構成要素412を第1の端部構成要素408から離れて傾斜させて、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の面より上の高重力位置にする。この配向は、ポート構成要素412を通して液体剤量を内部空間406に導入する際に、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の湿潤を最小に留める。最終的に、凍結乾燥プロセスによって第2の端部構成要素410の湿潤材料410’が乾燥するが、それにもかかわらず、凍結乾燥プロセス全体にわたって昇華率を最大化するためには、最初から湿潤を防止することが望ましい。
【0164】
凍結乾燥プロセスの間、槽402は、図39Dに示す配向で(また図52に示すように)凍結乾燥機内の棚の上に載置される。この配向では、第1の端部構成要素408のガス透過性材料408’が棚の上に置かれる。第1の端部構成要素408によって画定されるフレームは、液体材料が凍結乾燥するときに安定した支持プラットフォームを提供し、槽402を所望の配向で直立に維持する。
【0165】
この所望の直立した配向において、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’は、凍結乾燥環境内で上向きになる。この配向において、乾燥中に、材料から昇華した水蒸気が、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って上方に逃げる。
【0166】
凍結乾燥プロセスの前、最中、および後の槽402の使用についての特定の詳細は、後により詳細に記載する。
【0167】
(B.凍結乾燥物質保存アセンブリ)
後にもより詳細に記載するように、凍結乾燥プロセスの終了後、乾燥プロセス中に存在していた真空状態は、必要に応じて、窒素またはアルゴン等の無酸素、高純度の不活性ガスの雰囲気に開放されてもよい。無酸素不活性ガスは、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って内部空間406に進入し、水分および酸素を排除する。
【0168】
この構成において、槽402(凍結乾燥物質を収容している)は、無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、槽402は、図40に示すように、真空密封された透明な蒸気バリアまたは外包装418に入れられる。第1の端部構成要素408について前述したように、外包装418はガス不透過性材料で作製され、可撓性の、例えば、可塑化ポリ塩化ビニルフィルム、またはポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム、または高密度ポリエチレンフィルムであることが望ましい。そのような材料は、金属化されたガス透過性の低いコーティングまたは金属積層と組み合わせて使用されてもよい。蒸気バリアまたは外包装418は、輸送および保存の間、槽402内に無酸素ガス環境を閉じ込める。
【0169】
槽402および外包装418は、凍結乾燥物質保存アセンブリ420を含む。外包装418によって閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0170】
凍結乾燥物質保存アセンブリ420は、図40および41Aに示すように剛性の外容器または缶422の中に入れることにより、輸送および保存の間にさらに保護することができる。外容器422は、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料を含むことができる。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、外包装418および槽402の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。図41Bが示すように、外容器422は、必要に応じて、凍結乾燥物質槽402とともに、再構成液で充填された槽、ならびに関連する再構成および投与セットを保持するための追加の区画を含むことができる。
【0171】
例示された(図41Aに示すような)実施形態において、外容器422は、容器422を閉鎖する、望ましくは密封する、蓋424を含む。蓋424は、使用する時に槽402および外包装418へのアクセスを提供するように除去されてもよい。
【0172】
必要に応じて(図42および43に示すように)、1つ以上の完全性マーカー要素426が外包装418の中または上に配置されてもよい。完全性マーカー要素426は、酸素および/もしくは水分、またはその組み合わせ、ならびに/あるいは他の事前に選択された凍結乾燥物質の完全性もしくは有効性に有害であるか、または有害である可能性のある状態の存在に感受性である物質を担持する。例えば、感受性材料は、外包装418内に所定の閾値レベルの酸素および/もしくは水分、またはその組み合わせが存在する場合、外包装418を通して可視的に示すために色を変化させることができる。マーカー426は、凍結乾燥物質保存アセンブリ420内にある再構成の前の凍結乾燥物質の完全性および有効性のさらなる可視的表示を提供する。
【0173】
(C.一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ)
図42および43は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の代表的な実施形態を示す。この代表的な実施形態において、前述したように、また図39Aおよび39Dに示すように、槽402は、枢動可能に装着された閉鎖カバー430をさらに含む。閉鎖カバー430は、例えば、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレン、またはポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等のガス不透過性材料で作製される。そのような材料は、金属化されたガス透過性の低いコーティングまたは金属積層と組み合わせて使用されてもよい。
【0174】
例示された実施形態において、閉鎖カバー430は、概して剛性の材料で作製される。この構成において、第2の端部構成要素410によって画定されるフレーム上のヒンジアセンブリ432は、図42に示すような開放状態と図43に示すような閉鎖状態との間で運くように、閉鎖カバー430を槽402上に連結する
開放状態(図42に示す)において、閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’から離され、前述した目的のために、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通るガスの無制限な透過を許容する。
【0175】
閉鎖状態(図43に示す)において、閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’全体を覆い、そこを通るガスの透過を実質的に阻止する。
【0176】
望ましくは、閉鎖カバー430の縁部と側端部構成要素410によって画定されるフレームとは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にある時、例えば、締まり嵌めによって、および/またはガスケットアセンブリの使用によって、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’全体の周囲にガス不透過性の密封アセンブリを形成するようにサイズ決定および構成される。蒸気バリア外包装が使用される場合、密封アセンブリは「気密」または無菌である必要はないが、その代わり、凍結乾燥機から取りだして蒸気バリア外包装を適用するまでの期間の取り扱いに対応するために十分なガス保持力を提供する。
【0177】
望ましくは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にある時、閉鎖カバー430および第2の端部構成要素410上のラッチアセンブリ434がロックを形成し、不注意による閉鎖カバー430の開放を防止する。
【0178】
代替として、閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410によって画定されるフレームに装着された、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’から通常離して巻かれているかまたは折り畳まれている(すなわち、開放状態)、より可撓性の材料を含むことができる。この構成において、より可撓性の閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’上に広げられるかまたは展開される(すなわち、閉鎖状態)。次いで、より可撓性の閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’に、例えば、ヒートシールによって、周縁を密封される。
【0179】
図43および43に示す構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’が上向きになり、閉鎖カバー430が開放状態(これもまた図52に示す)にある、図42に示す配向で凍結乾燥プロセスを受ける。この配向において、乾燥中に、槽402内の材料から水蒸気が昇華し、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って上方に逃げる。
【0180】
前述したように、乾燥後、無酸素不活性ガスのブランケットが、必要に応じて、図42に示す配向にある一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428上に導入されてもよい。無酸素不活性ガスは、前述したように、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って内部空間406に進入し、内部空間406内に浸透して水分および酸素を排除する。
【0181】
この構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(凍結乾燥材料を収容する)が無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、図43に示すように、閉鎖カバー430がその閉鎖状態にされ(図54を参照)、ラッチアセンブリ434が係合される。その後の輸送および保存の間に、閉鎖カバー430は、無酸素ガス環境を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込める。前述したように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0182】
図44および45に示すように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、前述したように、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料でできた、蓋424を有する剛性の外容器または缶422内に入れられてもよい。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。前述したように、必要に応じて、外容器422は、再構成液を収容する槽、ならびに関連する再構成および投与セットを保持するための追加の区画を含むことができる。
【0183】
必要に応じて、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428はまた、剛性の外容器内に入れられる前に、図40に示す種類の真空密封された透明なガス不透過性の蒸気バリアまたは外包装418内に入れられてもよい。任意の外包装418を図43において破線で示す。
【0184】
図46および47は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の代替の代表的な実施形態を示す。この代表的な実施形態において、前述したように、また図39A〜39Dに示すように、槽402は、第2の端部構成要素410の全体領域にわたって延在しないガス透過性材料436の領域を含む。この構成において、第2の端部構成要素410の残りの領域438は、ガス不透過性材料を含む(その例については既に記載済み)。
【0185】
図46に示すように、ガス透過性材料436の領域は、それ自体が第2の端部構成要素410に結合されるフレーム440によって支持され、またそこに密封される。密封は、例えば、接着剤または加熱によって達成することができる。
【0186】
図46が示すように、フレーム440は、第2の端部構成要素410の残り部分438の面よりやや上に隆起している。スタンドオフ442は、フレーム440から槽402内に延在し、後に記載するように、例えば、閉鎖カバー430を閉じる時に、第2の端部構成要素410に対するフレーム440の内側への湾曲を軽減する。そのような条件下でフレーム440に内側への初期湾曲量がかかると、スタンドオフ442が移動して第1の端部構成要素408と接触し、それによって、さらなる内側への湾曲に抵抗する。
【0187】
この構成において、フレーム440は、枢動可能に装着される閉鎖カバー430を担持する。閉鎖カバー430は、ガス不透過性材料、例えば、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレン、またはポリプロピレン、または高密度ポリエチレン作製される。そのような材料は、金属化されたガス透過性の低いコーティングまたは金属積層と組み合わせて使用されてもよい。
【0188】
例示された実施形態において、閉鎖カバー430は、概して剛性の材料で作製される。この構成において、フレーム440上のヒンジアセンブリ432は、図46に示すような開放状態と図47に示すような閉鎖状態との間を動くように、閉鎖カバー430を連結する。
【0189】
開放状態(図46に示す)において、閉鎖カバー430は、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域から離され、前述した目的のために、凍結乾燥プロセスの最中および後に、ガス透過性材料436の領域を通るガスの無制限な透過を許容する。
【0190】
閉鎖状態(図47に示す)において、閉鎖カバー430は、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域全体を覆い、そこを通るガスの透過を実質的に阻止する。
【0191】
望ましくは、閉鎖カバー430の縁部とフレーム440の縁部とは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にある時、例えば、締まり嵌めによって、および/またはガスケットアセンブリの使用によって、フレーム440全体の周囲にガス不透過性の密封を形成するようにサイズ決定および構成される。蒸気バリア外包装が使用される場合、密封は「気密」または無菌である必要はないが、その代わり、凍結乾燥機から取り出して蒸気バリア外包装を適用するまでの期間の取り扱いに対応するために十分なガス保持力を提供する。
【0192】
望ましくは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にあるとき、閉鎖カバー430上およびラッチアセンブリ434上のフレーム440がロックを形成し、不注意による閉鎖カバー430の開放を防止する。
【0193】
代替として、閉鎖カバー430は、フレーム440に装着された、通常、フレーム440上のガス透過性の第2の端部構成要素410から離れて巻かれているかまたは折り畳まれている(すなわち、開放状態)、より可撓性の材料を含むことができる。この構成において、より可撓性の閉鎖カバー430は、フレーム440上のガス透過性の第2の端部構成要素410上に広げられるかまたは展開される(すなわち、閉鎖状態)。次いで、より可撓性の閉鎖カバー430は、フレーム上のガス透過性の第2の端部構成要素410の周囲に、例えば、ヒートシールによって、周縁を密封される。
【0194】
図46および47に示す構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428ば、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域が上向きになり、閉鎖カバー430が開放状態にある、図46に示す配向で凍結乾燥プロセスを受ける。この配向において、乾燥中に、材料から水蒸気が昇華し、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域を通って上方に逃げる。前述したように、乾燥後、図46に示す配向で維持される一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428上に、無酸素不活性ガスのブランケットが導入される。無酸素不活性ガスは、前述したように、フレーム440によって担持されるガス透過性材料の領域を通って内部空間406に進入し、内部空間406内に浸透して水分および酸素を排除する。
【0195】
この構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(凍結乾燥材料を収容する)が無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、図47に示すように、閉鎖カバー430がその閉鎖状態にされ、ラッチアセンブリ434が係合される。その後の輸送および保存の間、閉鎖カバー430は、無酸素ガス環境を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込める。前述したように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0196】
図48および49に示すように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、前述したように、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料でできた、蓋424を有する剛性の外容器または缶422内に入れられてもよい。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。
【0197】
必要に応じて、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428はまた、剛性の外容器内に入れられる前に、図40に示す種類の真空密封された透明なガス不透過性の外包装418内に入れられてもよい。任意の外包装418を図47において破線で示す。
【0198】
(D.一体型凍結乾燥物質保存アセンブリの使用)
(1.凍結乾燥物質保存アセンブリ内の物質を凍結乾燥する)
代表的な実施形態において、凍結乾燥物質は血漿を含む。したがって、図42および43に開示されるような代表的な凍結乾燥物質保存アセンブリに充填するための凍結乾燥された血漿を調製するための例示的な方法を以下に記載する。
【0199】
血漿の調製および製造は無菌のクリーンルーム環境において行われる。製造および調製手順は、例えば、ヒト血漿の無菌処理のためのISOクラス3の生物学的封じ込めフードを備えた、ISOクラス5の(またはそれより優れた)クリーンルーム内で行うことができる。凍結乾燥は、CIP/SIP凍結乾燥機において無菌的に行うことができる。
【0200】
ヒト血漿は従来の方法で、例えば、ドナーからの全血ユニットを閉鎖式採取バッグに採取し、続いて、血漿を遠心分離して、一体化して接続された移送バッグ444(約250mlの1つの血漿ユニットを収容する)に採取することによって、単一ドナーから採取される。各ユニット(移送バッグ444中に収容される)は、生物学的封じ込めフード内で個別に取り扱われる。ある単一ドナーユニットの処理と、異なるドナーからの別のユニットである単一ドナーユニットとの処理の間には、生物学的封じ込めフード内での切り換えのためのラインクリアランスプロトコルが存在するか、またはフロー設計および切り換えのための検証プロセスが他の方法で提供されてもよい。このプロトコルは、前の処理に関連するすべての器具および材料の除去に対応することができる。またそれは、前の処理の残留物が確実にその場に残らないよう、封じ込め作業場および作業場の機器の徹底的な洗浄にも対応する(物質収支)。単一ドナーサンプルの識別は、単一ドナーのヒト血漿容器のバーコードおよび他のタグによって維持される。
【0201】
凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、滅菌されたパイロジェンフリーのアセンブリを提供するための前処理プロトコルに供される。約250mlの血漿を凍結乾燥するためのアセンブリ420の代表的なサイズは、約10cm×12cm×2cm(1×幅×深さ)である。
【0202】
図50に示すように、250mlのヒト血漿ユニットが、移送バッグ444から凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に分注される。バッグ444と一体化して連結される可撓性の医療グレードチューブ446は、例えば、血液成分処理において周知である無菌連結技術、または無菌条件下で突起もしくはルアー取付具による連結を用いて、無菌様式において第1のポート構成要素412に連結される。血漿は、自然流下により、血漿バッグ444からチューブ446および第1のポート構成要素412を通って凍結乾燥物質保存アセンブリ428に移送される。
【0203】
図51に示すように、次いで、前述の条件下において、または、例えば、血液成分の処理において周知である、容易に剥がせる無菌密封を提供するHematron(登録商標)Dielectric Sealerを用いて、移送チューブ446が無菌様式において外される。
【0204】
バーコードおよびタグ448が、凍結乾燥物質保存アセンブリ428に貼付される。バーコードおよびタグ448は、移送バッグ444によって保持されるヒト血漿の識別情報450(源、血液型、採取日等)を反映する。
【0205】
図52に示すように、次いで、凍結乾燥物質保存アセンブリ428(液体血漿を収容する)が、無菌凍結乾燥機棚面454上の凍結乾燥機452内に配置される。凍結乾燥に使用される凍結乾燥機452は、有効な定置洗浄、定置蒸気滅菌の凍結乾燥機であることが望ましい。
【0206】
図52に示すように、凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’が上向きになるように配向され、閉鎖カバー430は開放状態にされる。
【0207】
一旦積載されると、凍結乾燥機のサイクル(プロセッサ456によって制御される)が開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に、凍結乾燥されたヒト血漿が形成される。
【0208】
1次凍結乾燥サイクルにおいて、ヒト血漿ケーキの温度は、その完全性を維持するために、−33°C(崩壊温度)未満に保たれる必要がある。ケーキの含水率が5重量%(w/w)未満の場合は、2次乾燥サイクル(高温)を用いてさらに含水率を低下させる。通常、1次および2次凍結サイクルを合わせると少なくとも72時間かかる。前述したように、図52に示す配向において、乾燥サイクル中に、凍結した血漿物質から昇華した水蒸気が、開放された閉鎖カバー430によって制限されることなく、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って上方に逃げる。
【0209】
可撓性側壁構成要素404は、凍結乾燥サイクル中に遭遇する圧力条件に起因する槽の湾曲に対応する。
【0210】
凍結乾燥サイクルの終わりには(図53を参照)、凍結乾燥機の真空が、窒素またはアルゴン等の無酸素、高純度の不活性ガスの雰囲気458に開放される(コントローラ456の動作による)。前述したように、無酸素不活性ガスのブランケットが、開放された閉鎖カバー430によって制限されることなく、前述したように、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って凍結乾燥物質保存アセンブリ428の内部空間に進入し、内部空間内に浸透して水分および酸素を排除する。
【0211】
図54に示すように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(凍結乾燥物質を収容する)が無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、閉鎖カバー430がその閉鎖状態にされ、ラッチアセンブリ434が係合される。
【0212】
図52および53に示される代表的な実施形態において、凍結乾燥機452は、図54が示すように手動で閉鎖カバー430を閉じることができるように、凍結乾燥機452内への無菌アクセスを提供するための手段460を含む。代替として、手段460は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の閉鎖カバー430を閉じるために、遠隔作動型の機械式またはロボット手段を凍結乾燥機内に備えることができる。
【0213】
さらに代替として、凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、水分および酸素を排除するために無酸素不活性ガスブランケット下に維持された収容環境を有する収容エリアまたはカート(例えば、図17Dに一般的に示すように)に移されてもよい。収容エリアまたはカートは、制御された不活性ガスブランケット下での凍結乾燥機の内容物の移送を可能にするように、凍結乾燥機の前部に連結することができる。凍結乾燥物質保存アセンブリ428の閉鎖カバー430は、無菌容器エリアまたはカートによって提供される環境内で閉じることができる。
【0214】
一体型閉鎖カバー430を提供するかまたは一体型閉鎖カバー430と組み合わせる代わりに、図40に示すように、ガス不透過性材料でできた真空密封された透明な外包装418で、無酸素不活性ガス環境の存在下において槽402を覆ってもよいことを理解されたい。
【0215】
いずれにしても、閉鎖カバー430および/または外包装418は、その後の輸送および保存の間に、無酸素不活性ガス環境を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または外包装418内の槽402)内に閉じ込める。前述したように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0216】
図55および56に示すように、閉鎖された一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(外包装418の有無に関わらず)は、前述したように、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料でできた、蓋424を有する剛性の外容器または缶422内に入れられてもよい。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。
【0217】
(2.一体型凍結乾燥物質保存アセンブリから凍結乾燥された血漿を再構成および投与する)
遠隔部位での使用において(図57を参照)、凍結乾燥材料保存アセンブリ428(または図40および41に示すような外包装418を伴う槽402)が外容器422から取り出される。外包装418(提供される場合)を除去した後、移送セット462が、滅菌再構成液(例えば、水)の容器464と、個別の一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)の第2のポート構成要素414とに連結される。移送セット462は、例えば、図30に示すように、各端部に連結を行うためのプラスチック針または突起を含むことができる。移送セット462は、長くて可撓性であってもよい(図57に示すように)。代替として、移送セット462は、保存スペースを削減し、取り扱いを簡素化するために、短くて剛性であってもよい。
【0218】
図57および59が示すように、介護者は、続けて再構成液の容器464を有する凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)を操作して、容器464から凍結乾燥物質保存アセンブリ428内の凍結乾燥物質と接触するように再構成液を移送することができる。介護者は、選択的に落差を確立することにより、移送セット462を横切る流体の圧力差を作り出すことができる。個体に投与するための調製において、結乾燥物質を再構成するために必要であれば、流体は、凍凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)と再構成液206の容器464との間を行き来するように、流体圧力差に応じて移送セット462を通って放出させることができる。
【0219】
図58に示す実施形態において、再構成された物質が、凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)から投与される。この構成において、混合のために使用された投与セット462が第2のポート構成要素414から外され、第2のポート構成要素414が閉じられる(前述のように、第2のポート構成要素414は、移送用の突起または針が除去されると自動的に閉じる隔壁を含むことができる)。この時点で、介護者は、図58に示すように、第3のポート構成要素416を投与セット466に連結して、図58に示すように、再構成された物質を個体の循環器系の中に移送する。投与セット466は、図16または32を参照して前述したのと同じ様式で、静脈内に挿入するための静脈切開針468を含む。可撓性側壁構成要素404は、再構成された物質が個体の循環器系内に投与される時に槽402の折り畳みに対応する。
【0220】
図60に示す実施形態において、再構成された物質は、最初に再構成液を収容していた容器464から投与される。この構成において、混合後、再構成された物質が、凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)から再構成液容器464に最終的に移送される。この構成において、混合のために使用された投与セット462が再構成液容器464から外され、関連するポート470が閉じられる。この時点で、介護者は、図60に示すように、図60に示すように再構成された物質を個体の循環器系に移送するために、再構成液容器464上の別のポート472を投与セット466に連結する。投与セット466は、図16または32を参照して前述したのと同じ様式で、静脈内に挿入するための静脈切開針468を含む。
【0221】
(VII.血漿を凍結乾燥、保存、および投与するためのデバイスおよびシステムの追加実施形態)
図61〜71は、凍結乾燥プロセスの際に蒸気透過性のバッグまたは膜の中に容器を入れることなく、患者に再構成された血漿を移送するために使用される容器内における液体血漿の直接的な凍結乾燥を可能にする、凍結乾燥容器およびプロセスの代替実施形態を表す。つまり、血漿を収容する容器は、凍結乾燥プロセスの間に蒸気透過膜と連通するが、凍結乾燥プロセスの間に蒸気透過性バッグの中に入れられる必要はない。
【0222】
多くの血漿凍結乾燥プロセスは、凍結乾燥ユニット内に血漿を入れることを必要とし、通常は、第1の容器内に血漿を入れ、次いで、微多孔質PTFEまたはHDPE膜でできた蒸気透過性バッグの中に第1の容器を入れる。凍結乾燥後、蒸気透過膜製バッグは廃棄され、凍結乾燥された血漿が、医師等のエンドユーザが使用することのできる容器に移されるが、そのような容器は、医師等によって通常使用される血液バッグに類似することが好ましい。そのようなプロセスに伴う問題は、蒸気透過性バッグの拡張によって、凍結乾燥の間に透過性バッグが熱伝達面から引き離される可能性があるため、最適な凍結乾燥をもたらすことができないことである。以下に記載するプロセスは、そのような問題を最小限に抑えることができる。
【0223】
図61は、凍結乾燥された血漿を別の容器またはシステムに移送する必要なしに、血漿を凍結乾燥、保存、および患者に送達するためのシステム500を表す。通常、システム500は、微多孔質PTFE膜材料(例えば、Gore−TexTM)または微多孔質HDPE膜(例えば、TyvekTM)を用いて一般的に製造される膜材料506を含む第1の折り畳み可能な容器502および第2の容器504を備える。第2の容器502は折り畳み可能であってもまたはそうでなくてもよい。第1の容器502および第2の容器504は、開放的な第1の端部510を有するチューブ508によって接続され、チューブ508は、凍結乾燥プロセスの間に、第1の容器502から第2の容器504に蒸気が移動できるようにする。チューブ508は任意の直径であってもよいが、およそ1〜2cmの直径を有することが好ましい。チューブ508はまた、任意の長さであってもよいが、図66A〜69について後述するように、チューブ508が圧迫される、閉じられる、密封される、および切り離されるように十分に長くあるべきである。
【0224】
なおも図61を参照すると、第2の折り畳み可能な容器504もまた、開放的な第1の端部510を受容する開口部512を有する。通常、システム500は、組み立てられたデバイス内に提供され、また、最も具体的には、滅菌性の問題のために、システム500が組み立てられたデバイスとして提供されることが好ましい。しかしながら、組み立てが必要とされる場合は、開口部512が開放的な第1の端部510の周囲で密封され、図63に示す組み立て後のシステム500を提供するように、第2の折り畳み可能な容器504にヒートシールが適用されることが好ましい。チューブ508は、次いで、第1の折り畳み可能な容器502から第2の折り畳み可能な容器504への開放的な蒸気またはガス経路514を提供することに留意されたい。チューブ508は、第1の容器502と一体化して形成されてもよいか、または、第2の容器504がチューブ508に接続される様式と同様に、第1の容器502に接続される別個の要素であってもよい。
【0225】
図62は、空のアセンブリ500を表す。凍結乾燥プロセスの間に、概して二酸化炭素(CO2)の形態で炭酸塩が除去されるため、最終的に再構成された血漿のpHが上昇する、すなわち、所望するよりも高くなる。したがって、血漿を第1の容器502に加える前にpH調整液を加えるか、または、凍結乾燥の間にCO2を補充するかのいずれかによって、アセンブリ500内のpHが調整される必要がある。図62は、血漿を加える前に、pH調整液がアセンブリ500に導入されているところを示している。第1の容器502に位置する、好ましくは突起接続である無菌調整液ポート515により、pH調整液の無菌的添加が可能になる。好ましい調整液は、酸(アスコルビン酸等)または緩衝液を含む。一旦、所望の量の緩衝液がアセンブリに加えられると、溶液ポート515が密封閉鎖され、好ましくは溶液ポート515がヒートシールされる。
【0226】
図63は、第1の容器502に調整液を添加した後のアセンブリ500を表す。既に述べたように、溶液ポート515は密封閉鎖される。次いで、無菌血漿添加ポート517を用いて、液体血漿が第1の容器502に添加される。一旦、所定量または所定重量の血漿が第1の容器502に添加されると、ポート517が閉鎖および密封され、好ましくはヒートシールされる。
【0227】
図64は、ポート515および517が密封され、液体血漿で充填されたアセンブリ500を表す。一旦、第1の折り畳み可能な容器502が所定量の液体血漿16で充填されると、システム500が凍結乾燥プロセスに供される。図65に示すように、各第1の折り畳み可能な容器502が液体血漿で充填された1つ以上のデバイス500が、無菌凍結乾燥機棚面322上の凍結乾燥機320内に配置される。アセンブリ500は、図66A〜69Bについてさらに論じられる再利用可能なストッパー機構内に配置され、それによって、第1の容器502および熱伝達膜506と棚面322との間の接触を可能にし、かつ制限しない。再利用可能な機構は、乾燥サイクルの終わりに凍結乾燥機構が作動した時に、接続チューブ508を圧迫して閉鎖するように設計される。凍結乾燥のために使用される凍結乾燥機452は、有効な定置洗浄(CIP)、定置蒸気滅菌(SIP)の凍結乾燥機であってもよいが、記載される閉鎖的なアセンブリのシステムは、非CIP/非SIP凍結乾燥環境における動作を許容する。一旦積載されると、凍結乾燥機サイクルが開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。凍結乾燥プロセスの間に、第1の折り畳み可能な容器502が熱伝達面322と十分に接触した状態を確実に維持するように、第1の折り畳み可能な容器502は内部支持構造(図示せず)を備えてもよく、かつ/または容器502は、以前使用されていた材料よりも厚みのある、より弾力性のある材料から作製されてもよい。その結果、凍結乾燥されたヒト血漿が、第1の折り畳み可能な容器502内でその場で形成される(図66を参照)。
【0228】
凍結乾燥プロセスの代表的なパラメータは以前に記述されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0229】
凍結乾燥プロセス全体にわたって、第2の折り畳み可能な容器502に位置するガス透過膜506は、例えば、水蒸気等のガスが凍結乾燥中に液体血漿から昇華すると、その通過に対応するが、さもなければ、第1の折り畳み可能な容器502から液体血漿が通過するのを防止する。第2の折り畳み可能な容器504は、第1の折り畳み可能な容器502と凍結乾燥機棚322との接触に影響を及ぼすまたは変化させることなく、拡張または折り畳むことができる。容器502は、容器502上に直接位置する半多孔質膜506を有さないため、凍結乾燥された血漿を第1の容器502から再構成または投与のための代替容器に移送する必要なく、再構成血漿を投与することによって、容器502に永久的な気密密封を提供する。これにより、滅菌性の確実性を高めることができる。
【0230】
容器502はまた、真空包装されてもよく、第1の折り畳み可能な容器502がなおも真空下にある間に、図67A〜69Bに例として示されるような密封機構が使用されてもよく、それによって非常に厳重に充填された容器がもたらされる(図66)。凍結乾燥プロセスの終わりに、凍結乾燥機内がまだ真空状態のうちにストッパー機構508がチューブを閉鎖するか、または不活性ガス、CO2、もしくはその2つの組み合わせによって凍結乾燥機内の真空状態が破壊された後で、ストッパー機構508がチューブを閉鎖する。
【0231】
一旦、凍結乾燥プロセスが終了すると、システム500が冷凍機から除去され、チューブ508および流体経路514が確実に密封された様式で、第2の折り畳み可能な容器504が第1の折り畳み可能な容器502から取り外される。図66A〜69は、システム500が凍結乾燥プロセスを終えた後にチューブ508を密封および閉鎖するための種々の方法および閉鎖デバイスを表しており、プロセスの各々が、第1の折り畳み可能な容器502に永久的な気密密封を提供する。第1の容器502、第2の容器504、およびチューブ508がまだ接続され、所望の閉鎖機構がチューブの所定の位置にあり、容器502および504間の能動的な閉鎖を維持した状態で、アセンブリ500が凍結乾燥機から除去されることに留意されたい。
【0232】
図66Aは、圧迫点機構530を受容するように構成されたチューブ508の断面図を示す。圧迫点機構530は、通常、圧迫構成要素532と、圧迫構成要素532を受容する面536を有するインセット534とを備える。面536は、圧迫プロセスを容易にするために、機構530の残りの部分よりも軟らかい材料であってもよい。
【0233】
図66Bは、チューブ508および流体経路530を密封閉鎖するために、チューブ508を下向きに圧迫している機構530を示す。一旦、機構530が所定の位置に固定されると、容器502の気密シールをさらに確実にするよう、図70に示すようにチューブ508がヒートシールされて切り離されてもよい。
【0234】
図67Aは、チューブ508を圧迫して密封するための代替の機構540を示す。機構540は、通常、圧迫部材542およびヒンジ部材544を備える。ヒンジ部材544は、ヒンジ548によって枢動可能に接続される2本のアーム546を有する。回転部材550は、機構540を補助するようにアーム546に沿って配置され、チューブ508に厳重な密封を提供する。
【0235】
図67Bに示すように、圧迫部材542は、チューブ508内、そしてヒンジ部材544内へと下方に押し下げられる。互いに対して内側に動くアームを回転部材550が補助した状態で、アーム546が上向きに旋回し、それによって、必要な密封を提供する。次いで、図69について論じられるように、チューブ508がさらなるヒートシールに供されてもよい。
【0236】
図68Aは、第1の折り畳み可能な容器502およびチューブ508を密封するために使用される別の圧迫機構560を示す。チューブ508は、圧迫された状態でそれ自体の上に折り重なり、より容易な圧迫プロセスを提供することができる。圧迫機構560は、通常、固定部分562および可動部分564、ならびにガイド部材566を備えるラチェット機構を形成する。
【0237】
図68Bに示すように、可動部分564は固定部分562に向かって下向きに動かされ、ガイド部材566が可動部分564に支持を提供し、チューブ508を閉鎖する。他の既知の圧迫および密封機構と同様に、次いで、図69について論じられるように、チューブ508がさらなるヒートシールに供されてもよい。図68A〜68Bについて論じられるラチェット機構はまた、チューブ508の必要とされる気密シールを提供するために、それぞれ、図66A〜Bおよび図67A〜Bにおいて論じられる圧迫部材530および540に組み込まれてもよいことに留意されたい。
【0238】
第1の折り畳み可能な容器502は、第2の折り畳み可能な容器504、および第2の容器504によって支持される透過性膜506とは独立して成形および形成されることに留意されたい。反対に、第2の容器504および透過性膜506の設計が変更されてもよい。図71および72は、システム500のための代替実施形態を示しており、第2の折り畳み可能な容器は使用されておらず、チューブ508は透過性膜570に直接接続されるか(図71)、またはチューブ508はフィルタ572に嵌合され(図72)、フィルタは、可能であれば、当該技術分野で既知である市販のフィルタである。例えば、濾過剤は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニリデンフッ化物、またはポリテトラフルオロエチレン材料等の疎水性ポリマーを含むことができる。透過性膜570が膜506と同様に機能し、以前に凍結乾燥プロセスにおいて論じられた膜が、図67A〜69Bについて論じられるように第1の折り畳み可能な容器502から切り離すことができるように、透過性膜570は、好ましくはヒートシールによってチューブ508またはフィルタ572の周囲に密封される。
【0239】
図70は、凍結乾燥および密封プロセスの後の、血漿で充填された第1の折り畳み可能な容器502を提供する。折り畳み可能な容器502は、最小のまたは低い水蒸気透過率(MVTR)を考慮して設計された袋580内に保存することができる。また袋は、保存中の水および酸素への曝露から乾燥血漿を保護する補助となるよう、酸素吸収剤582および水吸収剤584を有することができる。投与ポート518は、通常、以前に示し、論じたように(例えば、図16、32、および60を参照)、再構成された血漿を患者に送達するために第1の折り畳み可能な容器502上に位置する。投与ポート518は、好ましくは、代表的な血液バッグの突起520を有する、標準的な血液バッグの無菌接続構成を有する。ポート518は、容器502が患者に投与されるまで密封される。第1の折り畳み可能な容器502はまた、図31および60について同様に記載されるように、好ましくは、容器502を液体容器に装着するための標準的な血液バッグの無菌接続構成を有する、再構成ポート522をさらに支持する。
【0240】
遠隔部位での使用において(図73を参照)、移送セット462は、滅菌再構成液(例えば、水)の容器464と、第1の折り畳み可能な容器502とに連結される。移送セット462は、例えば、図30に示すような連結を行うために、各端部にプラスチック針または突起を含むことができる。移送セット462は、(図57に以前に示したように)長くて可撓性であってもよい。代替として、移送セット462は、保存スペースを削減し、取り扱いを簡素化するために、短くて剛性であってもよい。
【0241】
介護者は、個体への投与のための調製において、第1の折り畳み可能な容器502内で再構成液206および凍結乾燥物質を混合するために、続けて容器464を操作して、再構成液を容器464から第1の折り畳み可能な容器502内の凍結乾燥物質と接触するように移送することができる。
【0242】
図73および74は、第1の折り畳み可能な容器502の外見が当該産業において既知であり、使用される代表的な血液バッグと類似するため、介護者にとって見慣れた再構成された血漿を投与するための容器を提供することを示している。図73において、再構成された物質は、最初は凍結乾燥前の液体血漿を収容し、次いで、凍結乾燥後に凍結乾燥された血漿を収容した、第1の折り畳み可能な容器502から投与される。混合のために使用される投与セット462に位置する圧迫弁574が閉鎖され、それによって、関連するポート470からのさらなる流体の移送を防止する。次いで、投与セット462が切り離され、密封されてもよい。図74に示すように、この時点で、介護者は、再構成された物質を図74に示すように個体の循環器系に移送するために、第1の折り畳み可能な容器502の投与ポート522を投与セット466に連結する。投与セット466は、図16、32、または60を参照して前述したのと同じ様式で、静脈内に挿入するための静脈切開針468を含む。
【0243】
(VIII.凍結乾燥前の単一ユニット血漿の処理)
前述した実施形態において、単一ユニットのヒト血漿は、源移送バッグから(特定の実施形態によって)、型50(図17Aを参照)、または区画化された容器デバイス300(図34を参照)、または多機能デバイス400(図50または図64を参照)を備える、その中で血漿が凍結乾燥する貯蔵容器内に分注される。いかなる特定の実施形態であっても、源容器600から凍結乾燥貯蔵容器602内に血漿が分注される間に(図75を参照)、凍結乾燥前に血漿を処理するためのインライン処理デバイス604が提供されてもよい。
【0244】
処理の形態は異なってもよい。例えば、血漿は、全血から血漿を処理する間に除去されなかった血小板、赤血球、および/または白血球等の残りの血液細胞成分を担持することができる。血漿はまた、例えば、血漿中に存在するか、または血漿中の血液細胞成分上もしくはその中に担持されるウイルス性もしくは細菌性作用物質を担持することができる。血漿はまた、例えば、抗A IgM/lgGまたは抗B IgM/IgG等の血液型特異的抗体を含むことができる。
【0245】
インライン処理デバイス600も同様に、所望の処理形態にしたがって異なり得る。例えば、血液細胞成分を除去するために、インラインデバイス604は、血液成分(複数または単数)に対する親和性を有する適切な従来の濾過剤を含むことができる。インラインデバイス604は、病原体またはウイルス性もしくは細菌性作用物質を除去するために、例えば、化学線、光失活(photo−deactivation)、低温殺菌、洗浄溶剤処理等の従来の病原体不活化機構を含むことができる。インラインデバイス600は、血液型特異的抗体の除去または中和のために、特定の抗体に対する親和性を有する抗原を含むことができる。
【0246】
例えば、代表的な実施形態において、源移送容器600は、例えば、A型血漿またはB型血漿のいずれかである、特定の血液型の単一ドナーからの血漿に由来する単一ユニットの血漿を収容する。特定の血液型がA型血漿である場合は、インライン処理デバイス604は、A型血漿からB抗体を除去または中和するための抗原を含む。同様に、特定の血液型がB型血漿である場合は、インライン処理デバイス604は、B型血漿からA抗体を除去または中和するための抗原を含む。抗原は、インライン処理デバイス604の内部に格納された、血漿が通過する樹脂材料に結合することができる。これは、A型またはB型のいずれか(すべての血液型の2/3以上を占める)である単一ユニットの源から得られた凍結乾燥された血漿を処理し、すべての異なる血液型の患者に普遍的に適用可能である凍結乾燥された血漿製品を提供することを可能にする効果を有する。
【0247】
血漿は、源容器に移送される前の血液処理中に、記載される様式のいずれにおいて処理されてもよく、それによって、前処理された単一ユニットの血漿を含むことを理解されたい。
【0248】
(IX.結論)
上記は、本発明の原理を例示するものに過ぎないと考えられる。さらに、当業者には多くの修正および変更が容易に想到されるため、本発明が、図示および説明される厳密な構造および操作に限定されることは望ましくない。好ましい実施形態を説明してきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、詳細が変更されてもよい。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同時係属の米国仮特許出願第12/228,745号(名称「Apparatus and Methods for Making,Storing,and Administering Freeze−Dried Materials Such as Freeze−Dried Plasma」、2008年8月15日出願)の一部継続出願であり、この出願は、同時係属の米国仮特許出願第12/077,397号(名称「Apparatus and Methods for Making,Storing,and Administering Freeze−Dried Materials Such as Freeze−Dried Plasma」、2008年3月19日出願)の一部継続出願であり、この出願は、同時係属の米国仮特許出願第11/881,493号(2007年7月27日出願)の一部継続出願であり、この出願は、同時係属の米国仮特許出願第11/725,352号(2007年3月19日出願)の一部継続出願であり、これらの出願の全てはその全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、単一ドナーユニットの凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質を製造、保存、および投与するための方法、システム、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
応急処置は、外傷患者等の重度の損傷を負ったヒトの生存のために極めて重要である。例えば、戦闘状況における重傷者の初期治療は、生か死かの違いを意味することが多い。負傷者の創傷を治療し、止血することが必要である一方で、その負傷者の身体が適切に機能できることを確実にすることも重要である。したがって、負傷により体液を失った後で、負傷者の身体に適切な水分補給が確実に行われる措置を講じることが必要である。本発明はこれらの問題に対応する。
【0004】
以前は、静脈内に生理食塩水を送達することによって患者内に体液が補充されていた。それも効果的ではあるが、患者に体液を補充する上で、患者に血漿を送達することの方が、生理食塩水の使用と比較してより一層効果的であることが研究により示されている。しかしながら、血漿の汚染を防止するためには、血漿の送達および保存が極めて重要である。血漿を送達する理想的な方法は、凍結乾燥された形態で血漿を提供し、ヒトに投与する時に血漿を再構成することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、単一ユニットの血漿、または前処理された単一ユニットの血漿、または単一ドナーユニットの血漿に由来し、凍結乾燥されたヒト血漿に変換される血漿等の凍結乾燥された生物学的物質を製造、保存、および投与するための方法、システム、および装置を提供する。
【0006】
本発明の一側面によると、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質は、例えば、脱気水等の凍結乾燥物質のための再構成液とともに、容器の第1のチャンバの中に保存される。再構成液は、容器の第2のチャンバの中に保存される。容器内の密封壁が、第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを形成し、凍結乾燥物質と再構成液との接触を防止する。第1および第2のチャンバ間に流体流連通を確立するために、密封壁の少なくとも1つの弁アセンブリを操作して、密封壁の少なくとも1つの領域を選択的に開放することができる。これにより、凍結乾燥物質が容器内で再構成される。再構成された凍結乾燥物質は、同じ容器から受容者に直接投与することもできる。
【0007】
一構成において、弁アセンブリは、例えば、フラップ弁等の感圧弁を含む。弁は、通常、第1および第2のチャンバ間の流体流連通に抵抗する通常閉鎖状態と、第1および第2のチャンバ間に流体流条件の連通を確立する開放状態との間で作動する。感圧弁は、例えば、容器のチャンバを選択的に圧搾することによって、弁を横切る圧力差を生じさせることに対応して、その開放状態にすることができる。
【0008】
一構成において、弁アセンブリは、通常閉鎖された隔壁を含む。隔壁は、第1および第2のチャンバ間の閉鎖を維持する通常閉鎖された状態と、隔壁の少なくも部分的な引裂に応じて第1および第2のチャンバ間に流体流連通を確立する開放状態とにおいて作動する。隔壁は、例えば、隔壁を少なくとも部分的に引き裂いて開けるための引き部材に連結された引裂部材を含むことができる。
【0009】
感圧弁および隔壁は、冗長な弁アセンブリを提供するように、連続的に配設されてもよい。この構成において、通常閉鎖された隔壁は、隔壁の少なくも部分的な引裂と、弁を横切って印加される圧力差とに応じて、弁とは独立して第1および第2のチャンバ間の閉鎖を維持する通常閉鎖された状態と、第1および第2のチャンバ間に流体流連通を確立する開放された状態とにおいて作動する。
【0010】
一構成において、密封壁の領域で容器の外壁を被覆する外側スカートが設けられる。外側スカートは、外側スカートを引き裂いて除去するために、引き部材に連結された引裂部材を含むことができる。
【0011】
本発明の別の実施形態は、上に概説したような第1および第2のチャンバを有する可撓性容器を提供する方法を提供する。第1のチャンバは、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質を乾燥した状態で維持する。第2のチャンバは、凍結乾燥物質のための再構成液を保有する。容器内の内側密封壁は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間にバリアを形成し、凍結乾燥物質と再構成液との接触を防止するようにサイズ決定および構成される。
密封壁の少なくとも1つの弁アセンブリは、第1および第2のチャンバ間で流体流連通を確立するために、密封壁の少なくとも1つの領域を開放するための操作によって作動する。本発明のこの側面によると、弁アセンブリは領域を開放するように操作され、再構成液が第2のチャンバから弁アセンブリを通って第1のチャンバ内に搾り出され、凍結乾燥物質に接触する。
【0012】
一構成において、外側スカートは、密封壁の領域で容器の外壁を被覆し、弁アセンブリの操作を阻害する。この構成では、弁アセンブリを露出させて操作するために、弁アセンブリを操作する前に、外側スカートが除去され、密封壁の領域を開放する。
【0013】
別の構成において、再構成された凍結乾燥された血漿が容器から受容者に直接投与される。
【0014】
本発明の別の側面によると、凍結乾燥されたヒト血漿を含む凍結乾燥物質は、前述した段落のうちのいずれかにおいて概説したような容器を使用して、調製および保存、輸送、再構成、ならびに投与される。一構成において、液体ヒト血漿が型に充填される。型は、約−45℃に達するまで冷却される。含水率が5%w/w未満になるように血漿を乾燥し、それによって、容器を使用して、保存、輸送、再構成、および投与することができる凍結乾燥されたヒト物質を形成する。別の構成において、液体ヒト血漿は、容器内でその場で凍結乾燥される。
【0015】
本発明の別の側面によると、凍結乾燥物質、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿は、第1の容器に保存され、凍結乾燥物質のための再構成液、例えば、脱気水は、別個の第2の容器に保存される。第1および第2の容器間に流体流連通を確立するために、2つの容器を連結するように移送セットを操作することができる。これによって、容器のうちの一方の中で凍結乾燥物質が再構成される。再構成された凍結乾燥物質はまた、同じ容器から受容者に直接投与することもできる。
【0016】
本発明の別の側面によると、構造的強度を提供する第1および第2のフレームをそれぞれ画定する剛性または半剛性材料を各々が含む、第1および第2の端部構成要素を含む槽を備えるシステムが提供される。透明なガス不透過性材料は、第1のフレームに周縁を密封され、ガス透過性材料は、第2のフレームに周縁を密封される。可撓性側壁構成要素は、第1および第2のフレームの側縁部に周縁を密封される。第1の端部構成要素、第2の端部構成要素、および側壁構成要素は、内部空間の周縁を画定する。側壁上の少なくとも1つのポート構成要素が、内部空間との流体連通を提供する。
【0017】
システムは、単一の多機能槽において、新鮮なヒト血漿等の物質を凍結乾燥、輸送、保存、再構成、および投与することを可能にする。
【0018】
本発明の別の側面は、上記の多機能槽の技術的特徴を利用する方法を提供する。方法は、槽の第1のポート構成要素を通して、新鮮なヒト血漿等の液体物質を導入することを含む。方法は、槽の内部空間内でその場で液体物質を凍結乾燥することを含み、その間に、水蒸気の昇華に対応するように、第2の端部構成要素のガス透過性材料がガスの輸送を提供するステップを含む。また方法は、凍結乾燥物質を再構成するために、内部空間内で凍結乾燥物質と混合するための再構成液を槽の第2のポート構成要素を通して導入することを含む。方法は、再構成された凍結乾燥物質を、内部空間から槽の第3のポート構成要素を通して搬送することをさらに含む。
【0019】
定義されるように、単一の多機能槽は、槽内における物質の凍結乾燥、槽内における凍結乾燥物質の輸送および保存、ならびに槽内からの物質の再構成および投与に対応する。
【0020】
一実施形態において、方法は、凍結乾燥後に、第2の端部構成要素のガス透過性材料を通して、内部空間内に無酸素不活性ガスを導入することをさらに含む。材料の劣化を防止するために、凍結乾燥物質を含む内部空間を無酸素不活性ガスで満たす。方法はまた、凍結乾燥物質とともに無酸素不活性ガスを内部空間内に閉じ込めるために、第2の端部構成要素のガス透過性材料を覆うステップを含む。方法は、再構成液を導入する前の保存期間の間、槽内に閉じ込められた無酸素不活性ガス中に凍結乾燥物質を保存するステップを含む。
【0021】
一実施形態において、方法は、保存中に、覆われた槽を外容器内に配置するステップをさらに含む。
【0022】
別の実施形態において、血漿を凍結乾燥するためのアセンブリが存在し、液体血漿を保有する容器は、凍結乾燥プロセスの間に蒸気を除去するために使用される透過膜を有する容器または構造とは離される。2つの容器は、容器のうちの一方から他方へと蒸気を通過させるチューブによって接続される。血漿を収容する容器を隔離するために凍結乾燥機から除去される前は、チューブは圧迫して閉じられるか、または締め付けられる。凍結乾燥機から除去された後、第1の容器は密封され、チューブおよび第2の容器から切り離される。
【0023】
これらのおよび他の重要かつ有意な領域は、以下の説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するための、デバイス内での凍結乾燥物質の再構成、および再構成された凍結乾燥物質のデバイスから受容者への直接的な投与を可能する、デバイスの正面図であり、デバイスは、外側保護スカートを除去する前の状態で示されている。
【図2】図2は、図1に示すデバイスの側面図である。
【図3】図3は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前に、外側保護スカートを除去するために引き裂いているところを示す、図1に示すデバイスの正面図である。
【図4A】図4Aは、外側保護スカートを除去した後、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、図3に示すデバイスの側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すデバイスの側面図である。
【図5A】図5Aは、外側保護スカートを除去する前の、デバイス内に形成される内部密封壁および関連する弁アセンブリの概して図1の線5A−5Aに沿った側面断面図である。
【図5B】図5Bは、内部密封壁および複数弁アセンブリの代替的な構成を示す、図5Aに示したのと同様の側面断面図である。
【図6】図6は、外側保護スカートを除去した後、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、デバイス内に形成される内部密封壁および関連する弁アセンブリの概して図4Aの線6−6に沿った側面断面図である。
【図7】図7は、内部密封壁の少なくとも1つの領域を開放した後、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、図6に示したのと同様の内部密封壁および関連する弁アセンブリの側面断面図である。
【図8】図8は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前に、外側保護スカートを除去しているところを示す、図1に示すデバイスの正面図である。
【図9】図9は、図7にも示した様式で内部密封壁の少なくとも1つの領域を開放するための弁アセンブリの操作を示す、図8に示すデバイスの正面図である。
【図10】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図11】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図12】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図13】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図14】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図15】図10〜15は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成するところを示す、図9に示すデバイスの正面図である。
【図16】図16は、再構成された材料をデバイスから直接受容者に投与するところを示す、図15に示すデバイスの正面図である。
【図17A】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17B】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17C】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17D】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図17E】図17A〜17Eは、図1に示すデバイス内に挿入および保存する前の、液体ヒト血漿から凍結乾燥された血漿ケーキを調製するための例示的プロセスの概略的斜視図である。
【図18】図18および19は、図1に示すデバイスの第1のチャンバ内に凍結乾燥物質(図17A〜17Eのプロセスを用いて形成される血漿ケーキ等)を入れているところの正面図である。
【図19】図18および19は、図1に示すデバイスの第1のチャンバ内に凍結乾燥物質(図17A〜17Eのプロセスを用いて形成される血漿ケーキ等)を入れているところの正面図である。
【図20】図20は、図1に示すデバイスの第2のチャンバ内に凍結乾燥物質のための再構成液を入れているところの正面図である。
【図21】図21は、図1に示すデバイスを作製するために、デバイスの周囲に外側保護スリーブを設置しているところの正面図である。
【図22】図22は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するための、デバイス内での凍結乾燥物質の再構成、および再構成された凍結乾燥物質のデバイスから受容者への直接的な投与を可能する、代替的なデバイスの正面図であり、デバイスは、外側保護スカートを除去する前の状態で示されている。
【図23】図23は、外側保護スカートを除去する前の、デバイス内に形成される弁アセンブリ内部の概して図22の線23−23に沿った正面断面図である。
【図24】図24は、外側保護スカートを除去した後の、およびデバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成する前の、図22に示すデバイスの正面図である。
【図25】図25は、外側保護スカートを除去した後の、図23に示したのと同様の弁アセンブリ内部の図23の概して線25−25に沿った正面断面図である。
【図26】図26および27は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成することによって、図25に示す弁アセンブリを通過する材料を示す、内部の正面断面図である。
【図27】図26および27は、デバイスを操作して凍結乾燥物質を再構成することによって、図25に示す弁アセンブリを通過する材料を示す、内部の正面断面図である。
【図28A】図28Aおよび28Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する代替方法の極めて概略的な図である。
【図28B】図28Aおよび28Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する代替方法の極めて概略的な図である。
【図29A】図29Aおよび29Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する別の代替方法の極めて概略的な図である。
【図29B】図29Aおよび29Bは、図1または図22に示す種類のデバイスの第2のチャンバ内において凍結乾燥物質のための再構成液を充填する別の代替方法の極めて概略的な図である。
【図30】図30は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するための、個別の第1および第2の容器と、受容者に投与するために凍結乾燥物質のシステム内での再構成を可能にする移送セットと、を備える、システムの正面図である。
【図31】図31は、凍結乾燥物質を再構成するために、第1および第2の容器が移送セットによって流体連通して結合された、図30に示すシステムの正面図である。
【図32】図32は、再構成された材料を容器から直接受容者に投与しているところを示す、凍結乾燥物質が再構成された後の、図30および31に示すシステムの容器のうちの1つの正面図である。
【図33】図33は、例えば、凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質、および凍結乾燥物質のための再構成液を保存するためのデバイスの正面図であり、デバイスは、材料をデバイス内でその場で凍結乾燥するようにサイズ決定および構成される。
【図34】図34は、デバイス内でその場で凍結乾燥するために液体血漿を搬送しているところを示す、図33に示すデバイスの正面図である。
【図35】図35は、液体血漿をそれぞれのデバイス内でその場で凍結乾燥する目的で凍結乾燥機内に入れた後の、図34に示すいくつかのデバイスの斜視図である。
【図36】図36は、凍結乾燥機から除去した後の(デバイス内でその場で形成された凍結乾燥された血漿ケーキを示す)、およびデバイス内に再構成された物質を搬送する前の、図35に示すデバイスの正面図である。
【図37】図37は、再構成された物質をデバイス内に搬送した後の、図36に示すデバイスの正面図である。
【図38】図38は、図1に示す種類のデバイスを作製するために再構成された物質をデバイス内に搬送した後に、図37に示すデバイスの周囲に外側保護スリーブを設置しているところの正面図である
【図39A】図39Aは、異なる機能を果たすように、異なる物理特性を有するいくつかの構成要素でできた槽を備える、血漿等の物質を凍結乾燥、保存、再構成、および投与するための多機能デバイスの分解斜視図である。
【図39B】図39Bは、可撓性側壁構成要素および透明なガス不透過性の端部構成要素を示す、図39Aに示すデバイスの組立斜視図である。
【図39C】図39Cは、可撓性側壁構成要素およびガス透過性の端部構成要素を示す、図39Aに示すデバイスの組立斜視図である。
【図39D】図39Dは、図39Aに示すデバイスの図39Cの線39D−39Dに沿った組立側面図である。
【図40】図40および41Aは、ガス不透過性の外包装内に密封された図39A〜39Dに示す槽を備える凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、また、図41が示すように、使用する時まで輸送および保存する間に凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器を斜視図において示している。
【図41A】図40および41Aは、ガス不透過性の外包装内に密封された図39A〜39Dに示す槽を備える凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、また、図41が示すように、使用する時まで輸送および保存する間に凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器を斜視図において示している。
【図41B】図41Bは、ガス不透過性の外包装の中に密封され、図41が示すように蓋付きの剛性外容器内に入れられた凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図を示し、外容器はまた、再構成液の槽と、関連する再構成および投与セットとのための保存空間を含む。
【図42】図42および43は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの斜視図であり、図42は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図43は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図43】図42および43は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの斜視図であり、図42は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図43は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図44】図44および45は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図45】図44および45は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図46】図46および47は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの別の代表的な実施形態の斜視図であり、図46は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図47は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図47】図46および47は、図39A〜39Dに示す槽と、一体化された閉鎖カバーとを備える、一体型凍結乾燥材料保存アセンブリの別の代表的な実施形態の斜視図であり、図46は開放状態にある閉鎖カバーを示し、図47は閉鎖状態にある閉鎖カバーを示している。
【図48】図48および49は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図47に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図49】図48および49は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図47に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図50】図50および51は、図42に示す種類の一体型凍結乾燥物質保存アセンブリに液体血漿を移送しているところを示す斜視図であり、閉鎖カバーが開閉状態にあり、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用したプロセスを開始する。
【図51】図50および51は、図42に示す種類の一体型凍結乾燥物質保存アセンブリに液体血漿を移送しているところを示す斜視図であり、閉鎖カバーが開閉状態にあり、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用したプロセスを開始する。
【図52】図52は、図50および51に示すいくつかの一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを凍結乾燥機内に入れている斜視図であり、閉鎖カバーは開放状態にあり、凍結乾燥機は、液体血漿を凍結乾燥して凍結乾燥された血漿にするための様々な温度および真空条件に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを曝露し、開放された閉鎖カバーは乾燥中の水蒸気の昇華に対応する。
【図53】図53は、図52に示す凍結乾燥機内のいくつかの一体型凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、閉鎖カバーはなおも開放状態にあり、凍結乾燥機は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを無酸素不活性ガスのブランケットに曝露し、開放された閉鎖カバーは、無酸素不活性ガスがアセンブリ内に収容された乾燥血漿物質中に浸透するのに対応する。
【図54】図54は、図53に示す凍結乾燥機内のいくつかの一体型凍結乾燥物質保存アセンブリの斜視図であり、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ内に無酸素不活性ガスを閉じ込め、その後の輸送および保存の間に、凍結乾燥された血漿物質を劣化から保護するために、閉鎖カバーは閉鎖状態にされている。
【図55】図55および56は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図54に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図56】図55および56は、使用する時まで輸送および保存する間に一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを封入するための、蓋付きの剛性外容器内に入れられた、図54に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ(閉鎖カバーが閉鎖状態にある)の斜視図である。
【図57】図57は、凍結乾燥された血漿物質と混合するために、源の容器から一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ内に再構成液を移送することによる、図50〜56に示す凍結乾燥および充填プロセスの後の、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ内での凍結乾燥された血漿物質の再構成を示す図である。
【図58】図58は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリから個体への再構成された凍結乾燥された血漿物質の投与を示す図である。
【図59】図59は、再構成液と凍結乾燥された血漿物質との混合物を源の容器に送り返すことによって、図57に示すように再構成液を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリに移送した後の、凍結乾燥された血漿物質と再構成液との混合を示す図であり、混合物は、投与の準備ができるまで、図57および59に示す様式で行き来して移送される。
【図60】図60は、図57に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用して再構成された個別の凍結乾燥された血漿物質の投与を示す図であり、再構成された物質は、図57および59に示すように混合した後、最終的には、投与のために一体型凍結乾燥物質保存アセンブリから元の再構成液容器に移送される。
【図61】図61は、例えば血漿等の凍結乾燥物質のための代替のシステムおよびデバイスを表す正面図であり、システムは、一次的保存部分として機能する第1の折り畳み可能な容器と、二次的凍結乾燥部分とを備え、2つの部分が、チューブによって接続され、単一デバイスまたはアセンブリを形成する。
【図62】図62は、図61に表したシステムおよびデバイスを表す正面図であり、pH調整液が第1の容器に無菌的に添加される。
【図63】図63は、図61のシステムおよびデバイスをさらに表す正面図であり、液体血漿が第1の容器の中に導入される。
【図64】図64は、図61のシステムおよびデバイスの正面図であり、デバイスが血漿で充填される。
【図65】図65は、液体血漿をそれぞれのデバイス内でその場で凍結乾燥する目的で凍結乾燥機内に入れた後の、図64に示すいくつかのデバイスの斜視図であり、 with 一次的部分(第1の折り畳み可能な容器)が、凍結乾燥機の熱伝達面と接触している。
【図66A】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図66B】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図67A】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図67B】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図68A】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図68B】図66A〜68Bは、凍結乾燥機から除去される前にチューブを閉鎖および圧迫して閉じるために、凍結乾燥機を使用して、図66に示される最終的なバッグを形成するために、二次的凍結乾燥部分を一次的保存部分に接続するチューブを閉鎖または圧迫して閉じるために使用される閉鎖デバイス等の機器の種々の描写を提供する図である。
【図69】図69は、第1および第2の容器を接続するために使用されるチューブを表す図であり、第1の容器を密閉するためにヒートシールされる。
【図70】図70は、凍結乾燥後の血漿を含み、二次的凍結乾燥部分が除去された、図64のデバイスの正面図である。
【図71】図71は、図61〜69について上記で論じられた、凍結乾燥物質のための代替のシステムおよびデバイスの二次的部分の第2の構成の正面図である。
【図72】図72は、図61〜69について上記で論じられた、凍結乾燥物質のための代替のシステムおよびデバイスの二次的部分の第2のさらなる構成の正面図である。
【図73】図73は、血漿物質と再構成液とが混合されて投与できる状態になるように、凍結乾燥された血漿物質と再構成液とを混合する示す図である。
【図74】図74は、図70に示すように一体型凍結乾燥物質保存アセンブリを使用して再構成された凍結乾燥された血漿物質を個体に投与するところを示す図である。
【図75】図75は、凍結乾燥前の単一ユニットの血漿の処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の開示は、同業者が本発明を実施できるように詳細かつ正確に記載されるが、本明細書に開示される物理的な実施形態は本発明を例示するに過ぎず、他の特定の構造において具現化されてもよい。好ましい実施形態について説明してきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、詳細を変更することができる。
【0026】
(I.凍結乾燥された血漿を保存および再構成するためのデバイス)
図1および2は、凍結乾燥物質を保存および投与するためのデバイス10を示す。デバイス10は、第1の折り畳み可能なチャンバ12と、第2の折り畳み可能なチャンバ14とを有する、可撓性バッグを備える。
【0027】
第1のチャンバ12は乾燥チャンバとも称され、一定量の凍結乾燥物質16を収容する。凍結乾燥物質16の性質および種類は異なり得る。例えば、単一ユニットの血漿、または前処理された単一ユニットの血漿、または単一ドナーユニットの血漿であってもよい。図示した実施形態において、凍結乾燥物質はヒト血漿を含み、その一定量は単一ドナーユニットの血漿である。
【0028】
第2のチャンバ14は湿潤チャンバとも称され、凍結乾燥物質16のための再構成液18を収容する。再構成された物質18の性質および種類は異なり得る。図示した実施形態において、再構成された物質18は、必要に応じて脱気されてもよい滅菌水を含む。使用時には、湿潤チャンバ14内の滅菌水が乾燥チャンバ12内の凍結乾燥された血漿と混合され、輸血用の血漿を提供する。血漿は、デバイス10を使用して、その場で再構成および投与される。
【0029】
第1のチャンバ12は、真空包装された無菌性で湿気のない低酸素濃度環境において、再構成する前の凍結乾燥物質16を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。この環境に保存されて、凍結乾燥物質16は、輸血のために望ましい品質を維持する。
【0030】
第2のチャンバ12は、凍結乾燥物質16と混合する前に、無菌環境において、低ガス濃度で再構成液18を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。
【0031】
チャンバ12および14の各容積は、第1のチャンバ12内の凍結乾燥物質16の体積よりも約50%大きいことが望ましい。これにより、後により詳細に記載するように、デバイス10内の第1のチャンバ12または第2のチャンバ14のいずれかに、凍結乾燥物質16と再構成液18とを混合するための十分な容積が提供される。
【0032】
デバイス10は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等の不活性な医療グレードのプラスチック材料で作製されてもよい。デバイス10は、耐久性をより高めるために、例えば、通常の取り扱いにおいて遭遇し得る引裂および破裂に耐えるように、ポリマー層からなる多層積層を含むことができる。
【0033】
デバイス10の材料は、チャンバ12および14の内容物の目視検査を可能にするために、必要に応じて透明であるように選択されてもよい。第1のチャンバ12内の物質は、金属化された低ガス透過性コーティングまたは金属積層等のガス不透過性バリアを提供するように選択されてもよい。この場合、第1のチャンバの壁は不透明でもよい。
【0034】
さらに、デバイス10は、使用前に、例えば、金属化されたガス不透過性材料でできた、真空密封された外包装20(図1において破線で示される)で包まれていてもよい。外包装20は、自己安定性を促進する。
【0035】
内側の密封壁22(図1を参照)は、デバイス10を第1および第2のチャンバ12および14に仕切る(図5Aも参照)。密封壁22は、第1のチャンバ12と第2のチャンバ14との間にバリアを提供し、使用する時まで保存中の凍結乾燥物質16と再構成液18との接触を常時防止する。
【0036】
図5A/Bおよび7が示すように、密封壁22の1つ以上の領域24は、後により詳細に記載するように、介護者によって選択的に開放されてもよい。領域(複数可)24は、開放されると、2つのチャンバ12および14間の流体連通を可能にする。流体連通は、後により詳細にさらに記載するように、再構成液18を凍結乾燥物質16と混合することを可能にする。
【0037】
密封壁22の領域(複数可)24は、種々の様式で開放することができる。代表的な実施形態(図5を参照)において、密封壁22は、密封壁22が開放される各領域24と関連付けられた通常閉鎖された弁アセンブリ26を含む。図5Aでは、単一領域24が示されているため、単一弁アセンブリ26が示される。図5Bに示すように、複数の領域24aおよび24bが設けられる場合は、各領域24aおよび24bは、それ専用の弁アセンブリ26aおよび26bを各々が含む。
【0038】
代表的な実施形態(図5Aおよび5Bを参照)において、各弁アセンブリ26は、1次感圧弁28を含む。弁28は、例えば、短いアヒルのくちばし状または双方向フラップ弁の形態を取ることができる。1次弁28は、2つのチャンバ12および14間の流体連通に通常抵抗するようにサイズ決定および構成される。
【0039】
代表的な実施形態において、各弁アセンブリ26はまた、弁28と湿潤チャンバ14との間に、通常閉鎖された隔壁30を含む。隔壁30は、弁28とは独立して2つのチャンバ12および14間の閉鎖を維持する。隔壁30は、弁28とは独立して、2つのチャンバ12および14間における意図しない物質の通過を防止し、それによって、デバイス10内で凍結乾燥物質16および再構成液18の使用前の完全性を個別に維持する。
【0040】
隔壁30は、隔壁30内に組み込まれる一体化された引裂部材32を含む。一体化された引裂部材32は、第2のチャンバ14の壁の流体密封された通過口または隔壁36を通って延在する引き紐34に連結される。図1が示すように、引き紐はデバイス10の外において引きタブ38で終端する。
【0041】
図6および7が示すように、引裂部材32は、介護者がタブ38を引くと隔壁30を開放するようにサイズ決定および構成される。通過口または隔壁26は、引き紐34の周囲で密封し、また、引き紐34がチャンバ14の内部から通過した後に密閉して、第2のチャンバ14の完全性を維持する。この様式で隔壁30を開放することにより、開放領域24(図7を参照)を形成する。開放領域24は、第1および第2のチャンバ12および14を、弁28を介して連通させる。
【0042】
領域24が開放した状態でも(図7を参照)、1次弁28は、2つのチャンバ12および14間の流体連通に通常抵抗する役割を果たす。しかしながら、弁28は、領域24が開放された時に、弁38の両側の流体圧力差に応じて弾性的に押し戻されるようにサイズ決定および構成される(図11および14を参照のこと)。圧力差に応じて、弁28は、圧力の高い領域から圧力の低い領域に向かって、流体圧力差の方向に開放する。
【0043】
後により詳細に記載するように(それぞれ、図10および13に示すように)、介護者は、一方のチャンバを選択的に圧搾し、他方のチャンバを圧搾しないことによって、弁28を横切る流体の圧力差を作り出す。流体は、流体の圧力差に応じて、圧搾されたチャンバから圧搾されていないチャンバ内に弁28を通って放出される。
【0044】
複数構成要素からなる弁アセンブリ26は、凍結乾燥物質16を再構成することが必要になるまでチャンバ12および14が確実に隔てられた状態を維持するように、冗長する密封能力を提供する。
【0045】
代表的な実施形態(図1および2を参照)において、デバイス10は、さらなる冗長性を提供する外側の容易に取り外し可能なスカート40をさらに含む。図1および2が示すように、スカート40は、密封壁22の領域においてデバイス10を被覆する。スカート40は、密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素を被覆し、保護する役割を果たす。
【0046】
スカート40の少なくとも1つの領域は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、またはその両方の領域のいずれかにおいて、例えば、接着剤によって、デバイスの外壁の周囲に円周方向に取り付けられる。さらに、スカート40がデバイス10の周囲に取り付けられるため、デバイスの外壁は、襞が寄っているか、または折り目が付いているか、あるいは他の方法でまとめられていることが望ましい(図1および2が示すように)。代替として、襞の形成は容器の壁において行われてもよい。
【0047】
襞を形成することにより、密封壁22の領域における壁応力を軽減する。スカート40は、一旦取り付けられると、これらの襞または折り目を維持し、それによって、密封壁22の領域および密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素における壁応力を軽減または分配する役割を果たす。そのような壁応力は、例えば、第2のチャンバ14内に収容される再構成液18の重量に起因して、ならびに/または輸送中の取り扱いおよび使用前の操作によって生じ得る。被覆するスカート40の存在もまた、密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素を輸送中および使用前の意図しない接触から隔離する役割を果たす。
【0048】
図1が示すように、スカート40は一体化された引裂部材42を含む。一体化された引裂部材42は、スカート40の外に垂下するタブ46で終端する引き紐44を含む。引裂部材42は、介護者がタブ46(図3が示すように)を引くと、スカート40を引き裂いて開けるようにサイズ決定および構成される。スカート40が除去されると、バッグ12および14の壁の襞が緩められ(図4Aおよび4Bが示すように)、密封壁22と関連付けられた弁アセンブリ26の構成要素が操作状態になる。
【0049】
第1のチャンバ12および第2のチャンバ14に対する言及は、一方のチャンバを他方のチャンバと区別するために行われるのであって、いずれかのチャンバを特定の空間関係に限定するためではないことを理解されたい。例えば、チャンバ12と14は、縦縁部が接触した状態で向かい合わせに配置されてもよい。
【0050】
デバイス10の技術的特徴は、種々の様式において達成可能なチャンバ間での最終的な相互接続および相互連通を可能にする密封手段によって隔離されるチャンバまたはコンパートメントを含む。さらに、バッグまたはチャンバに対する言及は、いずれか特定の構造または形状に限定されるべきではなく、内容物16および18を保持および混合することが可能な任意の容器を指していると理解されるべきである。
【0051】
(II.凍結乾燥物質および再構成液の調製および充填)
凍結乾燥物質16および再構成液18の調製および充填は、(i)物質16の凍結乾燥と、(ii)チャンバ12および14内への物質16および再構成液18の充填という、2つの主要な処理ステップを含む。
【0052】
(A.凍結乾燥された血漿の調製)
代表的な実施形態において、凍結乾燥物質16は血漿を含む。したがって、デバイス10に充填するための凍結乾燥された血漿を調製する例示的な方法の説明を以下に記載する。
【0053】
血漿の調製および製造は、無菌環境において行われる。製造および調製手順は、例えば、ヒト血漿の無菌処理のためのISOクラス3の生物学的封じ込めフードを備えた、ISOクラス5の(またはそれより優れた)クリーンルーム内で行うことができるのが好ましい。凍結乾燥は、CIP/SIP凍結乾燥機内で無菌的に行うことができる。
【0054】
ヒト血漿は従来の方法で、例えば、ドナーからの全血ユニットを閉鎖式採取バッグに採取し、続いて、血漿を遠心分離して、一体化して接続された移送バッグ(約250mlの1つの血漿ユニットを収容する)に採取することによって、単一ドナーから採取される。各ユニット(移送バッグ中に収容される)は、生物学的封じ込めフード内で個別に処理される。ある単一ドナーユニットの処理と、異なるドナーからの別のユニットである単一ドナーユニットの処理との間には、生物学的封じ込めフード内での切り換えのためのラインクリアランスプロトコルが存在するか、または、フロー設計および切り換えのための検証プロセスが他の方法で提供されてもよい。このプロトコルは、前の処理に関連するすべての器具および材料の除去に対応することができる。またそれは、前の処理の残留物が確実にその場に残らないよう、封じ込め作業場および作業場の機器の徹底的な洗浄にも対応する(物質収支)。単一ドナーサンプルの識別は、単一ドナーのヒト血漿容器のバーコードおよび他のタグによって維持される。
【0055】
図17Aに示すように、凍結乾燥の前に、移送バッグ48から250mlのヒト血漿ユニットが、滅菌されたパイロジェンフリーの長方形の型50(例えば、4cm×10cm×12.5cm(深さ×幅×長さ)に分注される。型50はステンレススチールであってもよいが、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、または金等の良好な熱伝導特性を有する金属から構成されてもよい。PTFEまたはダイアモンド等の良好な放出特性を有する剛性の不活性バリアフィルムで、型50の内部表面が被覆されてもよい。
【0056】
図17Bに示すように、ヒト血漿を収容する型50は、次いで、ヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54の付いた、不透水性、蒸気透過性の、滅菌されたヒートシール可能なバッグ52の中に入れられる。この蒸気透過性バッグ52は、通常、PTFE微多孔膜材料(例えば、Gore−TexTM)またはHDPE微多孔膜(例えば、TyvekTM)を用いて製造される。
【0057】
バッグ52は、型50およびヒト血漿を収容するためにヒートシールされる。バッグ52は、内部にある型の壁縁部の表面の下、または型の底でバッグ材料が寄れたり弛んだりせずに、型50およびその内容物を整然と収容するように設計される
図17Cに示すように、収容バッグ52内の型50は、次いで、無菌凍結乾燥機棚面58上の凍結乾燥機56内に配置される。凍結乾燥に使用される凍結乾燥機56は、約200平方フィート以上の棚面積を有する、有効な定置洗浄、定置蒸気滅菌の凍結乾燥機である。そのような凍結乾燥機56は、満載した場合、少なくとも500個の型を収容することができる。
【0058】
一旦積載されると、凍結乾燥機のサイクルが開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、所定の期間、例えば2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。凍結乾燥されたヒト血漿ケーキ60が形成される。
【0059】
代表的な1次凍結乾燥サイクルにおいて、ヒト血漿ケーキ60の温度は、その完全性を維持するために、その崩壊温度(例えば、−33℃)未満に保たれる必要がある。ケーキ60の含水率が5重量%(w/w)未満の場合は、必要に応じて2次乾燥サイクル(高温)を用いてさらに含水率を低下させてもよい。1次および2次凍結サイクルを合わせると72時間以上かかる可能性があるが、そのような時間はプロセス条件により異なる。凍結乾燥サイクルの終わりに、凍結乾燥機の真空状態が、窒素またはアルゴン等の無酸素、高純度の不活性ガスの雰囲気に開放されてもよい。
【0060】
図17Dに示すように、型50および収容バッグ52内の凍結乾燥されたケーキ60を、水分および酸素を排除するために窒素またはアルゴンブランケット下でその環境を維持することができる、無菌収容カート62に取り出す。制御された不活性ガスブランケット下で凍結乾燥機の内容物を移送できるように、収容カート62が凍結乾燥機の前部に連結されてもよい。
【0061】
収容カート62は、凍結乾燥されたヒト血漿ケーキ(各ケーキは型50に入っており、バッグ52に封入される)を保存するために使用されてもよく、また、後により詳細に記載するように、凍結乾燥された血漿ケーキ60をデバイス10に充填することを可能にするデバイス充填エリアに、ケーキを移送することもできる。
(B.凍結乾燥された血漿および水をデバイスに充填する)
図1に示すように、デバイス10は、第1のチャンバ12と連通する第1の無菌真空ポート64と、第2のチャンバ14と連通する第2の無菌真空ポート66とを備える。真空ポート64および66は、凍結乾燥された血漿物質16および再構成液18(例えば水)をデバイス10内に充填し易くするために、最終的な組み立ての際に(図18〜21を参照)種々のチューブTに接続されるようにサイズ決定および構成される。
【0062】
第2のチャンバ14と連通する投与ポート68も、ヒートシールされる。投与ポート68は、後により詳細に記載するように、充填プロセスの間に再構成液18を第2のチャンバ14に搬送するために使用される。再構成液18が14内に充填された後、図16に示すように、輸血時に投与セット72からポート28への連結に対応するように、投与ポート68は、従来の隔壁または脆弱な膜アセンブリまたは従来のスクリュー‐ロックのルアー取付具70で密封される。
【0063】
デバイス10はまた、ヒートシール可能な無菌フランジ74(図1を参照)を備え、それによって、図18に示すように凍結乾燥された血漿ケーキ60を第1のチャンバ12に挿入し、次いで、図19に示すように無菌様式において密封することが可能となる。
【0064】
フランジ74にはスロット76が事前に形成されてもよい。図16が示すように、スロット76により、再構成された血漿を個体に投与するために、デバイス10を所望の重力落差で吊り下げることができる。
【0065】
個別の単一ドナーのヒト血漿凍結乾燥ケーキ60は、フランジ74を通して無菌的にデバイス10に投入される(図18を参照)。デバイス投入エリアは、例えば、不活性ガスブランケットによって酸素汚染および水分汚染を著しく排除する生物学的封じ込めフードであってもよい。また、デバイス投入エリアは、不活性ガス環境を有する無菌グローブボックスシステムであってもよい。
【0066】
図18および19は、代表的な投入プロセスを表す。バッグ52が開けられ、血漿ケーキ60が型50から取り出される。血漿ケーキ60は、開いたフランジ74を通して第1のチャンバ12内に投入される。図17Eに示すように、血漿ケーキ60は、(バッグ52を除去した後に)先の広がった大きなヘラに似た、透明プラスチック製の使い捨ての無菌アプリケーターツール78を使用して、型50から直接チャンバ12に移送できると予想される。一旦チャンバ12に投入されると、例えば、誘電溶接またはヒートシール等の種々の従来の無菌技術を用いて、フランジ74を密閉することができる。
【0067】
血漿チャンバ12への投入は、投入後に容易に密閉することができる、チャンバ12のフランジ74の約50%を占める「二枚貝式」の開口部を介して行われてもよい。二枚貝式開口部によって、プロセス中に第1のチャンバ12または凍結乾燥された血漿を損傷することを気にせずに血漿ケーキ60を充填できる。二枚貝型開口部の場合、縁部継ぎ目が十分に余分を持って重なり合うため、密封プロセスの際に、縁部継ぎ目の簡単な整合および接触が可能となる。
【0068】
好ましくは、チャンバ12が投入および密封された後に、第1のチャンバ12の真空ポート64に接続されたチューブTを通して無菌真空が印加される(図19を参照)。100mトル近い圧力を達成すると、真空ポート64がヒートシールされ、チューブTが除去される。この排気プロセスは、気泡を導入することなく、また、泡沫化することなく、凍結乾燥されたヒト血漿を混合および再構成する最終的な能力を提供する。また真空により、血漿ケーキ60を微細化して微粉末にし、チャンバ12内で凍結乾燥物質16を形成する。
【0069】
原血漿とチャンバ12内に充填された物質16との間に直接追跡可能なリンクを維持するために、デバイス10は、乾燥凍結時に型50を包んでいるバッグ52に付けられるバーコードおよびタグ54を複製するか、または他の方法でバーコードおよびタグ54にリンクされたヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54’(図1を参照)を含むことが好ましい。こうすることで、デバイス10は、ヒトドナー源まで追跡可能なリンクを維持する。
【0070】
凍結乾燥された血漿物質16の再構成を補助するために、チャンバ12を閉鎖する前に、これらに限定されないが、ガラス、ポリ塩化ビニル、または高密度ポリエチレン等の不活性材料の無菌高密度球体がチャンバ内に添加されてもよい。
【0071】
再構成液18(代表的な実施形態においてはガスを含まない水)は、第2のチャンバ14内に導入される。図20が示すように、真空ポート66および投与ポート68は、供給ライン80および82にそれぞれ接続される。チャンバ14内のガスは、無菌真空を印加することにより除去される。
【0072】
真空ポート66は密封され、チューブ80が除去される。必要とされる一定量(例えば、約250ml)の再構成液が、投与ポート68を通してチャンバ14に加えられる。チューブ82が除去され、次いで、輸血時に投与セット68からポート68への連結に対応する従来の隔壁または脆弱な膜アセンブリまたは従来のスクリュー‐ロックのルアー取付具70で、投与ポート68が密封される。
【0073】
凍結乾燥された血漿の再構成を補助するために、これらに限定されないが、ガラス、ポリ塩化ビニル、または高密度ポリエチレン等の不活性材料の無菌高密度球体が、第2のチャンバ14に存在してもよい。
【0074】
図21が示すように、凍結乾燥物質16および再構成液18を前述の様式で充填した後、前述したように密封壁22の領域においてデバイス10の壁に襞が寄せられ、外側スカート40が取り付けられる。必要に応じて、図1に示すように外包装418 20が適用されてもよい。
【0075】
デバイス10は、いつでも保存、輸送、および使用できる状態である。
【0076】
(III.凍結乾燥物質の再構成および投与)
デバイス10は、凍結乾燥物質16を再構成することを予測して、意図的な2段階操作を可能にする。
【0077】
第1のステップ(図8に示す)において、スカート40を開閉するために引裂部材42が引かれ、デバイス10の密封壁22を図6に示すすぐに使用できる構成にする。第2のステップ(図9に示す)において、隔壁20(図7がより詳細に示す)を開放するために引裂部材32が引かれる。それによって、密封壁22の領域24が開放される。
【0078】
領域24が開放されると、介護者は、第2のチャンバ14に圧力を印加して、再構成液18を第2のチャンバ14から第1のチャンバ12内に搾り出すことができ(図10および11を参照)、それによって、凍結乾燥物質16の再構成を開始する。より具体的には、領域24が開放された状態で、介護者は、第1のチャンバ12に圧力を印加せずに、第2のチャンバ14に圧力を印加することができる(図10が示すように)。図10および11が示すように、第2のチャンバ14と第1のチャンバ12との圧力差によって、弁28(図11が示すように、圧力差に応じて押し戻され、第1のチャンバ12の方向に開く)を通って第2のチャンバ14から第1のチャンバ12内に液体18が放出される。放出された液体18は、第1のチャンバ12内で凍結乾燥物質16と混合し、再構成を開始する。
【0079】
図12が示すように、デバイス10を振盪することにより、第1のチャンバ12内における液体18と凍結乾燥物質18との混合が加速される。
【0080】
領域24が開放されると、続いて介護者は第1のチャンバ12に圧力を印加して、液体18中で少なくとも部分的に再構成された物質16を第1のチャンバ12から第2のチャンバ14内に絞り出すことができる(図13および14を参照)。凍結乾燥物質16の再構成が進められる。より具体的には、図13が示すように、介護者は、今度は第2のチャンバ14に圧力を印加せずに、第1のチャンバ12に圧力を印加することができる(図13が示すように)。図13および14が示すように、第1のチャンバ12と第2のチャンバ14との圧力差によって、弁28(図14が示すように、圧力差に応じて押し戻され、第2のチャンバ14の方向に開く)を通って第1のチャンバ12から液体18および凍結乾燥物質16の混合物を放出して第2のチャンバ14に戻す。放出された液体18は、凍結乾燥された血漿物質18と混合を続け、物質18との再構成を進める。
【0081】
図15が示すように、デバイス10を振盪することにより、第2のチャンバ14内における水と凍結乾燥された血漿との混合がさらに加速される。
【0082】
途中で振盪しながら、チャンバ12および14に交互に圧力を印加することによって、所望の程度の混合が生じるまで、液体18中で再構成された物質16を2つのチャンバ12および14間を行き来させることができ、その時点で混合物はいつでも輸血に使用できる状態である。より具体的には、介護者は続けて、一方のチャンバを圧搾せずに、他方を圧搾して、血漿の所望の程度の混合および再構成が達成されるまで、定期的に振盪させながら、液体18と凍結乾燥物質18との混合物をチャンバ12および14間を行き来して放出させることができる。
【0083】
この時点で(図16が示すように)、介護者は、デバイス10の投与用取付具70を流体投与セット72に連結することができる。再構成された血漿は、自然流下により、静脈切開針84を通って個体の循環器系に輸血される。
【0084】
輸血中に水7を用いた血漿一定量5の連続的再構成を補助するために、投与用取付具70は、(図16に示すように)静的混合チューブ86をさらに含むことができる。
【0085】
上記のようなデバイス10は、i)凍結乾燥されたヒト血漿等の凍結乾燥物質の長期にわたる安定した収容、ii)注入のための、再構成液を用いた凍結乾燥物質の最終的な迅速な再構成、iii)安全な無菌様式における、再構成された凍結乾燥物質の外傷患者への最終的な送達を提供する。
【0086】
(IV.他の代表的な実施形態)
(A.中間弁経路を有する二重容器)
図22は、凍結乾燥物質を保存および投与するためのデバイス100の別の代表的な実施形態を示す。デバイス100は、通常は閉鎖している中間弁アセンブリ106によって結合された第1の折り畳み可能な容器102と、第2の折り畳み可能な容器104とを備える。
【0087】
デバイス100は、特定の構造は異なるが、図1に示すデバイスの技術的特徴の多くを共有する。第1の容器102は、前述したように乾燥チャンバ12を備え、凍結乾燥された単一ドナーユニットのヒト血漿等の一定量の凍結乾燥物質16を収容するようにサイズ決定および構成される。
【0088】
第2の容器104は、前述したように湿潤チャンバ14を備え、凍結乾燥物質16のための再構成液18を収容するようにサイズ決定および構成される。前述したように、再構成された物質18は、必要に応じて脱気されてもよい滅菌水を含むことができる。
【0089】
使用時には、湿潤チャンバ14内の滅菌水が乾燥チャンバ12内の凍結乾燥された血漿と混合され、輸血のための血漿を提供する。血漿は、デバイス10を使用してその場で再構成および投与される。
【0090】
前述したように、第1の容器102は、凍結乾燥物質16の再構成前に、真空包装された無菌性で湿気のない低酸素濃度環境において凍結乾燥物質16を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。この環境に保存されて、凍結乾燥物質16は輸血に望ましい品質を維持する。
【0091】
同じく前述したように、第2の容器104は、凍結乾燥物質16と混合する前に、無菌環境において、低ガス濃度で再構成液18を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。
【0092】
容器102および104の各容積は、第1のチャンバ12内の凍結乾燥物質16の体積よりも約50%大きいことが望ましい。これにより、後により詳細に記載するように、デバイス10内の第1の容器102または第2の容器104のいずれかに、凍結乾燥物質16と再構成液18とを混合するための十分な容積が提供される。
【0093】
容器102および104は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等の不活性な医療グレードのプラスチック材料で作製されてもよい。容器102および104のうちの一方または両方は、耐久性をより高めるために、例えば、通常の取り扱いにおいて遭遇し得る引裂および破裂に耐えるように、ポリマー層からなる多層積層を含むことができる。
【0094】
容器102および104の材料は、チャンバ12および14の内容物の目視を可能にするために、必要に応じて透明であるように選択されてもよい。第1の容器102内の物質は、金属化された低ガス透過性コーティングまたは金属積層等のガス不透過性バリアを提供するように選択されてもよい。この場合、第1のチャンバの壁は不透明でもよい。
【0095】
前述したように、デバイス100は、使用前に、金属化されたガス不透過性材料でできた、真空密封された外包装20(図22において破線で示される)で包まれていてもよい。外包装20は、自己安定性を促進する。
【0096】
図22に示す代替の代表的な実施形態において、弁アセンブリ106は、2つの容器102および104間に延在する可撓性環状弁経路110内に包囲された感圧弁108を含む。弁108は、例えば、短いアヒルのくちばし状または双方向フラップ弁の形態を取ることができる。弁108は、2つの容器102および104間の流体連通に通常抵抗するようにサイズ決定および構成される。しかしながら、弁108は、(図11および14に示される弁28と同様の様式で)弁108の両側の流体圧力差に応じて弾性的に押し戻されるようにサイズ決定および構成される。圧力差に応じて、弁108は、弁28と同様に、圧力の高い領域から圧力の低い領域に向かって、流体圧力差の方向に開放する。
【0097】
弁経路110が結合された容器の壁の領域は、弁経路110を通る容器102および104間の連通を通常閉鎖する。
【0098】
外側の容易に取り外し可能なスカート112は、容器102および104の中間領域、ならびに中間弁経路110の周囲に巻かれる。スカート112は、使用前に弁アセンブリ106の構成要素を被覆して保護する役割を果たす。スカート112の少なくとも1つの領域は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、またはその両方の領域のいずれかにおいて、例えば、接着剤によって、それぞれの容器102および104の外壁の周囲に円周方向に取り付けられる。
【0099】
図23が示すように、外側スカート112内では、容器102および104の中間領域および弁経路110自体に、望ましくは襞が寄っているか、または折り目が付いているか、あるいは他の方法でまとめられ、それぞれの容器102および104ならびに弁経路110の長さを短縮する。代替として、襞の形成は、容器102および104の壁ならびに/または弁経路110において行われてもよい。被覆するスカート112の存在は、弁経路100を輸送中および使用前の意図しない接触から隔離する役割を果たす。
【0100】
図23が示すように、弁経路110の両側の端部を被覆する各容器102および104の壁は、それぞれ一体化された引裂部材112を含む。図23が示すように、それぞれの一体化された引裂部材112は、内部の引き紐114によって、それぞれの容器102および104の隣接する側壁に連結される。デバイス100が図22に示す襞の寄った状態にある時(すなわち、容器102および104の中間領域および弁経路110自体に襞が寄り、外側スカート112によってこの状態に保たれる時)、内部の引き紐114は、通常、若干緊張した状態に保たれる。デバイス100が襞の寄った状態にある時、内部の引き紐114の張力は、引裂部材112に影響を与えるほど十分ではない。弁経路110の両側の端部を被覆する各容器102および104の壁は、閉じたままである。デバイス100が襞の寄った状態にある時、チャンバ12および14ならびにそれらの内容物は、使用する前は、隔離および分離された状態のままである。
【0101】
図24が示すように、デバイス100を図24に示す状態にするために、一体化された引裂部材116を(図3に示す様式で)操作することによって、スカート112を破り、除去することができる。図24が示すように、スカート112が除去されると、容器102および104の壁ならびに弁経路110の襞が緩められ、デバイス100が伸長する。
【0102】
図25が示すように、デバイス100が伸長すると、内部の引き紐114の張力が高まる。この高まった張力は、引裂部材112を作動させて、(図25が示すように)弁経路110の両側端部の壁の領域116を引き裂いて開けるのに十分である。開放された領域116は、第1および第2のチャンバ12および14を、弁経路110を通って連通させる。
【0103】
領域116が開放された状態で、介護者は、デバイス10について前述したのと同じ様式で(図10〜16に示すように)、続けてデバイス100を操作することができる。介護者は、一方の容器を選択的に圧搾し、他方の容器を圧搾しないことによって、弁108を横切る流体の圧力差を作り出す。流体圧力差に応じて、圧搾された容器から圧搾されていない容器へと弁108を通って流体が放出され、凍結乾燥物質を投与するために混合および再構成される。容器102および104の操作の結果として、弁経路110を通る、チャンバ12および14間での両方向への物質の移送を図26および27に示す。
【0104】
(B.移送セットを有する二重容器)
図30は、凍結乾燥物質を保存および投与するためのシステム200の代表的な実施形態を示す。システム200は、第1の折り畳み可能な容器202と、第2の、別個の折り畳み可能な容器204とを備える。システム200は、第1および第2の容器202および204間に流体連通を確立するための移送セット206をさらに備える。
【0105】
システム200は、特定の構造は異なるが、図1および22に示すデバイスの技術的特徴の多くを共有する。
【0106】
第1の容器202は、前述したように乾燥チャンバ12を備え、凍結乾燥された単一ドナーユニットのヒト血漿等の一定量の凍結乾燥物質16を収容するようにサイズ決定および構成される。原血漿とチャンバ12内の物質16との直接追跡可能なリンクを維持するために、容器202は、ヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54(図30を参照)を含むことが好ましい。こうすることで、容器202は、ヒトドナー源まで追跡可能なリンクを維持する。
【0107】
第2の容器204は、前述したように湿潤チャンバ14を備え、凍結乾燥物質16のための再構成液18を収容するようにサイズ決定および構成される。前述したように、再構成された物質18は、例えば、必要に応じて脱気されてもよい滅菌水を含むことができる。
【0108】
使用時には(図31を参照)、セット206を用いて、湿潤チャンバ14内の滅菌水が乾燥チャンバ12内の凍結乾燥された血漿と混合され、輸血用の血漿を提供する。血漿は、システム200を使用して、その場で再構成および投与される。
【0109】
前述したように、第1の容器202は、凍結乾燥物質16の再構成前に、真空包装された無菌性で湿気のない低酸素濃度環境において凍結乾燥物質16を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。この環境に保存されて、凍結乾燥物質16は輸血に望ましい品質を維持する。
【0110】
同じく前述したように、第2の容器204は、凍結乾燥物質16との混合前に、無菌環境において、低ガス濃度で再構成液18を維持するようにサイズ決定および構成され、好ましくは、例えば、少なくとも2年間の室温での長期保存に対応する。
【0111】
容器202および204の各容積は、第1のチャンバ12内の凍結乾燥物質16の体積よりも約50%大きいことが望ましい。これにより、後により詳細に記載するように、第1の容器202または第2の容器204またはその両方のいずれかに、凍結乾燥物質16と再構成液18とを混合するための十分な容積が容器202および204内に提供される。
【0112】
容器202および204は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等の不活性な医療グレードのプラスチック材料で作製されてもよい。容器202および204のうちの一方または両方は、耐久性をより高めるために、例えば、通常の取り扱いにおいて遭遇し得る引裂および破裂に耐えるように、ポリマー層からなる多層積層を含むことができる。
【0113】
容器202および204の材料は、チャンバ12および14の内容物の目視検査を可能にするために、必要に応じて透明であるように選択されてもよい。第1の容器202内の物質は、金属化された低ガス透過性コーティングまたは金属積層等のガス不透過性バリアを提供するように選択されてもよい。この場合、第1のチャンバ12の壁は不透明でもよい。
【0114】
各容器202および204は、使用前には、例えば、金属化されたガス不透過性材料でできた、真空密封された外包装208(図30において破線で示される)で包まれてもよい。外包装208は、自己安定性を促進する。移送セット206もまた、使用前には滅菌外包装208で包装されていることが望ましい(図31において破線で示されるように)。
【0115】
移送セット206は、各端部にプラスチックの針または突起210を含む。使用する時まで滅菌状態を保つように、各針または突起210の周囲に外側の容易に取り外し可能なスカートまたはキャップ216を設置するかまたは巻き付けることができる。
【0116】
針または突起210は、使用時に、各容器202および204と流体連通して連結されたポートチューブ214内に位置する従来の穿孔可能な膜を破裂させるようにサイズ決定および構成される。各膜212は、移送セット206のそれぞれの針または突起210によって穿孔されるまで、それぞれの容器202および204を通常密封する。一旦針または突起210によって穿孔されると、ポートチューブ214を通って流体連通が開放される。
【0117】
ポートチューブ214が開放された状態で、介護者は、図31が示すように再構成液18を第2の容器204から移送して凍結乾燥物質16と接触させるために、続けてシステム200を操作することができる。介護者は、一方の容器を選択的に圧搾し、他方の容器を圧搾しないことによって、移送セット206を横切る流体の圧力差を作り出すことができる。流体圧力差に応じて、圧搾された容器から圧搾されていない容器へと移送セット206を通って流体が放出され、凍結乾燥物質を投与するために混合および再構成される。必要に応じて、チャンバ12および14間を両方向に行き来する物質の移送を続けて凍結乾燥物質を再構成し、その時点で投与を行うことができる。
【0118】
この時に、介護者は、図16を参照して前述したのと同じ様式で、図31に示すように再構成された物質を個体の循環器系に移送するために、投与用取付具70(第1の容器202に連結して示される)を適切な投与セットに連結することができる。また投与用取付具70は、第2の容器204に、または第1および第2の容器202および204の両方に連結されてもよい。
【0119】
(C.再構成液を充填する代替方法)
図28A/Bおよび29A/Bは、前述したようにデバイス10またはデバイス100内に再構成液18を充填するための代替方法を示す。これらの代替方法において、再構成液18を搬送するために投与ポート68を使用する必要はないが、充填前の操作において閉鎖および密封されてもよい。
【0120】
代替の代表的な一実施形態において(図28A/Bを参照)、湿潤チャンバ14は2つの充填ポート120および128を含む。使用時には(図28Aを参照)、第1のポート120が第1のインライン弁122を介して再構成液18の源124に連結される。第2のポート128は、第2のインライン弁126を介して真空源125に連結される。
【0121】
図28Aに示すように、第1の弁122は閉鎖され、第2の弁126は開放される。チャンバ14の内部に真空が印加される。図26Bに示すように、第1の弁122は開放され、第2の弁126は閉鎖される。再構成液18は自然流下によりチャンバ14に搬送される。充填ポート120および128の両方が密封される。
【0122】
別の代替の代表的な実施形態において(図29A/Bを参照)、湿潤チャンバ14は単一充填ポート130を含む。使用時には(図29Aを参照)、ポート130が、再構成液18の源132および真空源134に双方向弁136を介して連結される。
【0123】
図29Aに示すように、双方向弁136は、液体源132との連通を閉鎖し、真空源134との連通を開放するように操作される。チャンバ14の内部に真空が印加される。図29Bに示すように、双方向弁136は、液体源132との連通を開放し、真空源134との連通を閉鎖するように操作される。再構成液18は自然流下によりチャンバ14に搬送される。充填ポート130が密封される。
【0124】
両方の構成において、投与ポート68は、充填前の操作において挿入および密閉されてもよい。投与ポート68は、図16に示すように再構成された凍結乾燥物質を投与する時まで使用されない。
【0125】
(D.凍結乾燥物質を充填する代替方法)
代替の実施形態において、物質16は、チャンバ12内でその場で凍結乾燥されてもよい。この構成において、図33が示すように、デバイス300は、密封壁22によって前述した様式でチャンバ12およびチャンバ14に仕切られる。密封壁22は、前述したように、引き紐34およびタブ38を有する隔壁26を含む。
【0126】
チャンバ12内における血漿の凍結乾燥に対応するために、デバイス300は、凍結乾燥中に遭遇する低温(例えば、−33℃未満)でのクラッキングに耐性のある材料で作製される。候補材料として、ポリオレフィン材料、ポリウレタン材料、ポリウレタン、エラストマー材料、およびポリシリコン材料が挙げられる。低温に耐えるように処理されたポリ塩化ビニル材料も使用することができる。
【0127】
デバイス300はまた、第1のチャンバ12と連通する第1および第2の無菌ポート302および304を含む。第1のポート302は、使用時に、凍結乾燥のために液体血漿をチャンバ12に搬送する。第1のポート302は、穿孔可能な膜または隔壁314によって通常は閉鎖されていることが望ましい。第2の無菌ポート304は、ガス透過膜316等のガス透過膜によって通常閉鎖されている。ガス透過膜316は、使用時に、凍結乾燥プロセスの最中および後にチャンバ12に出入りする蒸気およびガスの輸送に対応するが、さもなければチャンバ12から液体が出るのを防止する。ガス透過膜316は、例えば、ナイロン材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料、またはポリプロピレン材料を含むことができる。
【0128】
デバイス300はまた、第2のチャンバ14と連通する無菌ポート306を含む。ポート306は、前述したように(例えば、図29Aおよび29Bを参照)、使用時に、再構成液を第2のチャンバ14内に搬送する。第1のポート302はまた、穿孔可能な膜または隔壁314によって通常閉鎖されてもよい。
【0129】
第2のチャンバ14と連通する投与ポート310も、ヒートシールされる。投与ポート310は、前述したように、使用時に、再構成された物質を第2のチャンバ14から投与のために個体に搬送する。
【0130】
図34が示すように、第1のポート302は、液体血漿312の源に連結されたチューブTに取り付けられるようにサイズ決定および構成される。例示された実施形態において、チューブTは、ポート302を通ってチャンバ12への流体連通を開放するように、ポート302の膜314を穿孔する突起または針318を含む。
【0131】
チューブTを通して、所望の体積の液体血漿が源312から第1のチャンバ12内に搬送される。第1のチャンバ12に液体血漿が搬送された後に、チューブTが除去され、ポート302が密閉される。この処理段階では、図34が示すように第2のチャンバ14は空のままである。
【0132】
原血漿とチャンバ12内で凍結乾燥される物質16との間に直接追跡可能なリンクを維持するために、デバイス300は、源血漿バッグ312に付けられるバーコードおよびタグ54を複製するか、または他の方法でバーコードおよびタグ54にリンクされたヒト血漿の識別情報(源、血液型、採取日等)を示すバーコードおよびタグ54’(図31を参照)を含むことが好ましい。こうすることで、デバイス300は、ヒトドナー源まで追跡可能なリンクを維持する。
【0133】
図35に示すように、各チャンバ12が液体血漿によって充填された1つ以上のデバイス300が、無菌凍結乾燥機棚面322上の凍結乾燥機320内に配置される。一旦積載されると、凍結乾燥機のサイクルが開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。その結果、凍結乾燥されたヒト血漿ケーキ324が、各デバイス300のチャンバ12内でその場で形成される(図36を参照)。
【0134】
凍結乾燥プロセスの代表的なパラメータは以前に記述されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0135】
凍結乾燥プロセス全体にわたって、ポート304内のガス透過膜316は、例えば、水蒸気等のガスが凍結乾燥中に液体血漿から昇華すると、その通過に対応するが、さもなければ、チャンバ12から液体血漿が通過することを防止する。
【0136】
図36に示すように、凍結乾燥後、チャンバ12に凍結乾燥されたケーキ324を有するデバイス300が、凍結乾燥機320から除去される。
【0137】
好ましくは、無菌真空がポート304を通して印加される。100mトル近い圧力を達成すると、ポート304がヒートシールされて閉鎖される。この排気プロセスは、気泡を導入することなく、また、泡沫化することなく、凍結乾燥されたヒト血漿を混合および再構成する最終的な能力を提供する。また真空によって、血漿ケーキ324を微細化して微粉末にし、チャンバ12内で凍結乾燥物質16を形成する。デバイス300は、その後のプロセスまで、水分および酸素を排除するために窒素またはアルゴンブランケット下で維持されてもよい。
【0138】
次に(図37を参照)、例えば、図29Aおよび29Bに示す様式で、再構成液18がポート306を通して第2のチャンバ14内に導入される。次いで、ポート306が密封される。
【0139】
図38が示すように、凍結乾燥物質16および再構成液18を前述の様式で充填した後、前述したように密封壁22の領域においてデバイス300の壁に襞が寄せられ、同じく前述したように(引き紐44およびタブ46とともに)外側スカート40が取り付けられる。必要に応じて、図1に示すように外包装20が適用されてもよい。
【0140】
デバイス300は、いつでも保存、輸送、および使用できる状態である。
【0141】
液体血漿は、前述したのと同じ様式で、図30に示すように容器202内でその場で凍結乾燥されてもよいことを理解されたい。
【0142】
(V.再構成のための物質を凍結乾燥および保存するためのデバイス、システム、および方法)
(A.凍結乾燥および保存用の多機能槽)
図39A〜39Dは、血漿等の物質を凍結乾燥、保存、再構成、および投与するための多機能デバイス400の代表的な実施形態を示す。デバイス400は、物質がデバイス400内で凍結乾燥する間に物質を受容するようにサイズ決定および構成される。デバイス400はまた、意図する場所で再構成される前に、凍結乾燥物質が輸送、取り扱い、および保存される間、凍結乾燥物質のための槽としての役割を果たすようにサイズ決定および構成される。デバイス400はまた、その中で凍結乾燥物質を再構成できる槽としての役割もさらに果たすようにサイズ決定および構成される。またデバイス400は、凍結乾燥物質が再構成された後に、そこから安全かつ無菌様式において個体に送達できる槽としての役割も果たすようにサイズ決定および構成される。多機能デバイス400を使用することにより、単一槽内で所与の物質を凍結乾燥、輸送、保存、再構成、および投与することができる。
【0143】
図39Aの分解図に示すように、デバイス400は、異なる機能を果たすように、異なる物理的特性を有するいくつかの構成要素から構成される槽402を備える。図示するように、槽402は、開放的な内部空間406の周辺を取り囲む側壁構成要素404を含む。また槽402は、側壁構成要素404に被覆して内部空間406を周縁で包み込む、第1および第2の端部構成要素408および410を含む。また槽402は、側壁構成要素404と、それを被覆する第1および第2の端部構成要素408および410によって囲われた内部空間406に流体連通を提供するために、側壁構成要素404の領域に貫通する第1、第2、および第3のポート構成要素412、414、および416を含む。
【0144】
組み立てられると(図39B〜39Cが示すように)、種々の構成要素が一体型の多機能槽402を構成し、その中で所与の物質を凍結乾燥し、次いで輸送および保存し、次いで再構成し、次いで投与することができる。
【0145】
図39A〜39Dに示すように、第1および第2の端部構成要素408および410は、槽402の端部のために、軽量だが耐久性のある構造上の骨格を形成するように選択された剛性または半剛性材料でできたフレームを備える。第1および第2の端部構成要素408および410の材料は、例えば、非可塑化ポリ塩化ビニル、またはポリエチレン、またはポリプロピレン、または高密度ポリエチレンを含むことができる。材料は、不活性であり、動物の組織および体液と接触するのに十分な医療グレードのものであることが望ましい。第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、例えば、所望の形状およびサイズに成形されてもよい。
【0146】
第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、槽402の形状を画定および維持するとともに、全体的な構造的支持、および槽402の他の構成要素のための取付場所を提供する。第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、凍結乾燥中およびその後の取り扱いの間に槽402に課せられる圧力条件および他の力に耐える一体化構造要素を槽402に提供する。
【0147】
第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームは、材料パネル408’および410’を各々が支持する。例示された実施形態において、材料パネル408’および410’は、それぞれの端部構成要素408および410にわたって水平方向に広がる。材料パネル408’および410’は、例えば、接着剤またはヒートシール技術によって、端部構成要素408および410によって画定されるフレームに周縁を密封される。
【0148】
パネルは異なる機能を果たすため、パネルのために選択される材料408’および410’は異なる。この技術的特徴については、後により詳細に記載する。
【0149】
側壁構成要素404は、第1および第2の端部構成要素408および410によって画定されるフレームに付加される。側壁構成要素404は、端部構成要素408および410の側端部間に縦方向に広がる。側壁構成要素404は、例えば、接着剤またはヒートシール技術によって、端部構成要素408および410の側端部に周縁を密封される。
【0150】
側壁構成要素404と、第1および第2の端部構成要素408および410とは、閉鎖された密封完全性を内部空間406に提供する。
【0151】
側壁構成要素404は、可撓性のガス不透過性材料を含む。材料はまた、不活性であり、動物の組織および体液と接触するのに十分な医療グレードのものであることが望ましい。側壁構成要素404の材料は、例えば、可塑化ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム、または高密度ポリエチレンフィルムを含むことができる。側壁構成要素404は、図39Aに示すような可撓性材料の連続的なフィルムを含むことができるか、または一緒に密封される、より短い長さの可撓性フィルム材料を含むことができる。
【0152】
側壁構成要素404の可撓性は、凍結乾燥中およびその後の取り扱いにおいて遭遇する圧力条件に応じて、槽402の伸縮および湾曲に対応する。側壁構成要素404の材料はまた、凍結乾燥中およびその後の槽402の取り扱い中の引裂または破裂に対する耐性を提供することが望ましい。側壁構成要素404は透明であることが望ましく、それによって、ユーザが、内部空間406と周辺環境との間にガスを透過させずに、槽402の内容物を目視して確認することができる。
【0153】
側壁構成要素と同様に、第1の端部構成要素408の材料408’もまた、側壁構成要素404の機能を補完するために、ガス不透過性であるように選択される。材料408’はまた、透明であるように選択され、それによって、内部空間406内に可視視野に寄与することが望ましい。第1の端部構成要素408の材料408’は、必要に応じて、可撓性または剛性であってもよい。
【0154】
第1の端部構成要素408の材料408’のすべてが透明である必要はないことを理解されたい。材料408’は、内部空間406を視認するのに十分な透明度の領域を含み、材料408’の残りはガス不透過性かつ非透明であってもよい。
【0155】
側壁構成要素404の材料と同様に、第1の端部構成要素408の材料408’は、不活性であり、動物の組織および体液と接触するのに十分な医療グレードのものであることが望ましい。第1の端部構成要素408の材料408’は、例えば、可塑化ポリ塩化ビニルフィルム、またはポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム、または高密度ポリエチレンフィルムを含むことができる。
【0156】
構成要素410は異なる機能を果たすため、第2の端部構成要素410の材料410’は、少なくとも部分的に、側壁構成要素404および第1の端部構成要素408の物理的特性とは異なる物理的特性を有することが望ましい。より具体的には、第2の端部構成要素410の材料410’は、ガス透過性、例えば、疎水性であるように選択される。ガス透過性材料410’は、凍結乾燥プロセスの最中およびその後に内部空間406に出入りする蒸気およびガスの輸送に対応するが、疎水性である場合には異なり、内部空間406から液体が出るのを防止する。ガス透過性材料410’は、例えば、ナイロンフィルム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム材料、または他のフルオロポリマーフィルム材料、ポリプロピレンフィルム材料、またはポリウレタンフィルム材料を含むことができる。
【0157】
第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の存在により、凍結乾燥プロセスの間に、内部空間406内の材料から水蒸気が昇華することができる。また第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の存在により、必要に応じて、凍結乾燥プロセスの後に不活性ガスが内部空間406内に導入できるようにし、槽402内に物質の長期保存をもたらす保護雰囲気を提供する。この技術的特徴については、後により詳細に記載する。
【0158】
第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の表面積は、凍結乾燥プロセス中の昇華率に影響を与える可能性があり、すなわち、表面積が大きいほど昇華率も高くなる。図39A〜39Dにおいて、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’は、端部構成要素410の全体を被覆する。代替として、また図46および47に示す実施形態について後に詳述するように、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’は、端部構成要素410のより小さい領域を構成し、第2の端部構成要素410の残りの部分はガス不透過性で、望ましくは透明であってもよい。
【0159】
第1、第2、および第3のポート構成要素412、414、および416は、側壁構成要素404の領域の中に密封される。ポート412、414、および416は、側壁構成要素404の隣接する材料に、例えば、加熱または接着剤によって密封される、例えば、押出または成形された、医療用グレードのプラスチックチューブを含む。ポート412、414、および416は、記載したように、側壁構成要素404と、それを被覆する第1および第2の端部構成要素とによって形成される内部空間406内への流体連通を提供する。
【0160】
各ポート構成要素412、414、および416は、従来の隔壁または脆弱な膜アセンブリまたは従来のスクリュー−ロックのルアー取付具で最初に密封されることが望ましい。各ポート構成要素412、414、および416は、後により詳細に記載するように、内部空間406から出し入れ可能にするための移送チューブに連結されるようにサイズ決定および構成される。
【0161】
例えば、代表的な実施形態において、第1のポート構成要素412は、使用時に、槽402内でその場で凍結乾燥するための液状の材料を内部空間406に導入することに対応するようにサイズ決定および構成されてもよい。第2のポート構成要素414は、使用時に、凍結乾燥物質と混合および再構成するための再構成液を内部空間406に導入することに対応するようにサイズ決定および構成されてもよい。第3のポート構成要素416は、使用時に、内部空間406からの再構成された材料の移送に対応するようにサイズ決定および構成されてもよい。これらの目的のためのポート構成要素の使用は、後により詳細に記載する。
【0162】
例示された実施形態において、第1のポート構成要素412は、第2および第3のポート構成要素414および416とは異なる側壁領域を占める。この分離によって、凍結乾燥機能専用のポート構成要素412が、再構成および投与機能専用のポート構成要素414および416から隔離される。
【0163】
図39Dに最もよく示されるように、少なくとも第1のポート構成要素412が、側壁構成要素404に対して垂直以外の角度で配向されることが望ましい。より具体的には、ポート構成要素412を第1の端部構成要素408から離れて傾斜させて、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の面より上の高重力位置にする。この配向は、ポート構成要素412を通して液体剤量を内部空間406に導入する際に、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’の湿潤を最小に留める。最終的に、凍結乾燥プロセスによって第2の端部構成要素410の湿潤材料410’が乾燥するが、それにもかかわらず、凍結乾燥プロセス全体にわたって昇華率を最大化するためには、最初から湿潤を防止することが望ましい。
【0164】
凍結乾燥プロセスの間、槽402は、図39Dに示す配向で(また図52に示すように)凍結乾燥機内の棚の上に載置される。この配向では、第1の端部構成要素408のガス透過性材料408’が棚の上に置かれる。第1の端部構成要素408によって画定されるフレームは、液体材料が凍結乾燥するときに安定した支持プラットフォームを提供し、槽402を所望の配向で直立に維持する。
【0165】
この所望の直立した配向において、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’は、凍結乾燥環境内で上向きになる。この配向において、乾燥中に、材料から昇華した水蒸気が、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って上方に逃げる。
【0166】
凍結乾燥プロセスの前、最中、および後の槽402の使用についての特定の詳細は、後により詳細に記載する。
【0167】
(B.凍結乾燥物質保存アセンブリ)
後にもより詳細に記載するように、凍結乾燥プロセスの終了後、乾燥プロセス中に存在していた真空状態は、必要に応じて、窒素またはアルゴン等の無酸素、高純度の不活性ガスの雰囲気に開放されてもよい。無酸素不活性ガスは、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って内部空間406に進入し、水分および酸素を排除する。
【0168】
この構成において、槽402(凍結乾燥物質を収容している)は、無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、槽402は、図40に示すように、真空密封された透明な蒸気バリアまたは外包装418に入れられる。第1の端部構成要素408について前述したように、外包装418はガス不透過性材料で作製され、可撓性の、例えば、可塑化ポリ塩化ビニルフィルム、またはポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルム、または高密度ポリエチレンフィルムであることが望ましい。そのような材料は、金属化されたガス透過性の低いコーティングまたは金属積層と組み合わせて使用されてもよい。蒸気バリアまたは外包装418は、輸送および保存の間、槽402内に無酸素ガス環境を閉じ込める。
【0169】
槽402および外包装418は、凍結乾燥物質保存アセンブリ420を含む。外包装418によって閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0170】
凍結乾燥物質保存アセンブリ420は、図40および41Aに示すように剛性の外容器または缶422の中に入れることにより、輸送および保存の間にさらに保護することができる。外容器422は、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料を含むことができる。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、外包装418および槽402の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。図41Bが示すように、外容器422は、必要に応じて、凍結乾燥物質槽402とともに、再構成液で充填された槽、ならびに関連する再構成および投与セットを保持するための追加の区画を含むことができる。
【0171】
例示された(図41Aに示すような)実施形態において、外容器422は、容器422を閉鎖する、望ましくは密封する、蓋424を含む。蓋424は、使用する時に槽402および外包装418へのアクセスを提供するように除去されてもよい。
【0172】
必要に応じて(図42および43に示すように)、1つ以上の完全性マーカー要素426が外包装418の中または上に配置されてもよい。完全性マーカー要素426は、酸素および/もしくは水分、またはその組み合わせ、ならびに/あるいは他の事前に選択された凍結乾燥物質の完全性もしくは有効性に有害であるか、または有害である可能性のある状態の存在に感受性である物質を担持する。例えば、感受性材料は、外包装418内に所定の閾値レベルの酸素および/もしくは水分、またはその組み合わせが存在する場合、外包装418を通して可視的に示すために色を変化させることができる。マーカー426は、凍結乾燥物質保存アセンブリ420内にある再構成の前の凍結乾燥物質の完全性および有効性のさらなる可視的表示を提供する。
【0173】
(C.一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ)
図42および43は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の代表的な実施形態を示す。この代表的な実施形態において、前述したように、また図39Aおよび39Dに示すように、槽402は、枢動可能に装着された閉鎖カバー430をさらに含む。閉鎖カバー430は、例えば、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレン、またはポリプロピレン、または高密度ポリエチレン等のガス不透過性材料で作製される。そのような材料は、金属化されたガス透過性の低いコーティングまたは金属積層と組み合わせて使用されてもよい。
【0174】
例示された実施形態において、閉鎖カバー430は、概して剛性の材料で作製される。この構成において、第2の端部構成要素410によって画定されるフレーム上のヒンジアセンブリ432は、図42に示すような開放状態と図43に示すような閉鎖状態との間で運くように、閉鎖カバー430を槽402上に連結する
開放状態(図42に示す)において、閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’から離され、前述した目的のために、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通るガスの無制限な透過を許容する。
【0175】
閉鎖状態(図43に示す)において、閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’全体を覆い、そこを通るガスの透過を実質的に阻止する。
【0176】
望ましくは、閉鎖カバー430の縁部と側端部構成要素410によって画定されるフレームとは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にある時、例えば、締まり嵌めによって、および/またはガスケットアセンブリの使用によって、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’全体の周囲にガス不透過性の密封アセンブリを形成するようにサイズ決定および構成される。蒸気バリア外包装が使用される場合、密封アセンブリは「気密」または無菌である必要はないが、その代わり、凍結乾燥機から取りだして蒸気バリア外包装を適用するまでの期間の取り扱いに対応するために十分なガス保持力を提供する。
【0177】
望ましくは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にある時、閉鎖カバー430および第2の端部構成要素410上のラッチアセンブリ434がロックを形成し、不注意による閉鎖カバー430の開放を防止する。
【0178】
代替として、閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410によって画定されるフレームに装着された、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’から通常離して巻かれているかまたは折り畳まれている(すなわち、開放状態)、より可撓性の材料を含むことができる。この構成において、より可撓性の閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’上に広げられるかまたは展開される(すなわち、閉鎖状態)。次いで、より可撓性の閉鎖カバー430は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’に、例えば、ヒートシールによって、周縁を密封される。
【0179】
図43および43に示す構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’が上向きになり、閉鎖カバー430が開放状態(これもまた図52に示す)にある、図42に示す配向で凍結乾燥プロセスを受ける。この配向において、乾燥中に、槽402内の材料から水蒸気が昇華し、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って上方に逃げる。
【0180】
前述したように、乾燥後、無酸素不活性ガスのブランケットが、必要に応じて、図42に示す配向にある一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428上に導入されてもよい。無酸素不活性ガスは、前述したように、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って内部空間406に進入し、内部空間406内に浸透して水分および酸素を排除する。
【0181】
この構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(凍結乾燥材料を収容する)が無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、図43に示すように、閉鎖カバー430がその閉鎖状態にされ(図54を参照)、ラッチアセンブリ434が係合される。その後の輸送および保存の間に、閉鎖カバー430は、無酸素ガス環境を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込める。前述したように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0182】
図44および45に示すように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、前述したように、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料でできた、蓋424を有する剛性の外容器または缶422内に入れられてもよい。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。前述したように、必要に応じて、外容器422は、再構成液を収容する槽、ならびに関連する再構成および投与セットを保持するための追加の区画を含むことができる。
【0183】
必要に応じて、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428はまた、剛性の外容器内に入れられる前に、図40に示す種類の真空密封された透明なガス不透過性の蒸気バリアまたは外包装418内に入れられてもよい。任意の外包装418を図43において破線で示す。
【0184】
図46および47は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の代替の代表的な実施形態を示す。この代表的な実施形態において、前述したように、また図39A〜39Dに示すように、槽402は、第2の端部構成要素410の全体領域にわたって延在しないガス透過性材料436の領域を含む。この構成において、第2の端部構成要素410の残りの領域438は、ガス不透過性材料を含む(その例については既に記載済み)。
【0185】
図46に示すように、ガス透過性材料436の領域は、それ自体が第2の端部構成要素410に結合されるフレーム440によって支持され、またそこに密封される。密封は、例えば、接着剤または加熱によって達成することができる。
【0186】
図46が示すように、フレーム440は、第2の端部構成要素410の残り部分438の面よりやや上に隆起している。スタンドオフ442は、フレーム440から槽402内に延在し、後に記載するように、例えば、閉鎖カバー430を閉じる時に、第2の端部構成要素410に対するフレーム440の内側への湾曲を軽減する。そのような条件下でフレーム440に内側への初期湾曲量がかかると、スタンドオフ442が移動して第1の端部構成要素408と接触し、それによって、さらなる内側への湾曲に抵抗する。
【0187】
この構成において、フレーム440は、枢動可能に装着される閉鎖カバー430を担持する。閉鎖カバー430は、ガス不透過性材料、例えば、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレン、またはポリプロピレン、または高密度ポリエチレン作製される。そのような材料は、金属化されたガス透過性の低いコーティングまたは金属積層と組み合わせて使用されてもよい。
【0188】
例示された実施形態において、閉鎖カバー430は、概して剛性の材料で作製される。この構成において、フレーム440上のヒンジアセンブリ432は、図46に示すような開放状態と図47に示すような閉鎖状態との間を動くように、閉鎖カバー430を連結する。
【0189】
開放状態(図46に示す)において、閉鎖カバー430は、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域から離され、前述した目的のために、凍結乾燥プロセスの最中および後に、ガス透過性材料436の領域を通るガスの無制限な透過を許容する。
【0190】
閉鎖状態(図47に示す)において、閉鎖カバー430は、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域全体を覆い、そこを通るガスの透過を実質的に阻止する。
【0191】
望ましくは、閉鎖カバー430の縁部とフレーム440の縁部とは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にある時、例えば、締まり嵌めによって、および/またはガスケットアセンブリの使用によって、フレーム440全体の周囲にガス不透過性の密封を形成するようにサイズ決定および構成される。蒸気バリア外包装が使用される場合、密封は「気密」または無菌である必要はないが、その代わり、凍結乾燥機から取り出して蒸気バリア外包装を適用するまでの期間の取り扱いに対応するために十分なガス保持力を提供する。
【0192】
望ましくは、閉鎖カバー430が閉鎖状態にあるとき、閉鎖カバー430上およびラッチアセンブリ434上のフレーム440がロックを形成し、不注意による閉鎖カバー430の開放を防止する。
【0193】
代替として、閉鎖カバー430は、フレーム440に装着された、通常、フレーム440上のガス透過性の第2の端部構成要素410から離れて巻かれているかまたは折り畳まれている(すなわち、開放状態)、より可撓性の材料を含むことができる。この構成において、より可撓性の閉鎖カバー430は、フレーム440上のガス透過性の第2の端部構成要素410上に広げられるかまたは展開される(すなわち、閉鎖状態)。次いで、より可撓性の閉鎖カバー430は、フレーム上のガス透過性の第2の端部構成要素410の周囲に、例えば、ヒートシールによって、周縁を密封される。
【0194】
図46および47に示す構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428ば、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域が上向きになり、閉鎖カバー430が開放状態にある、図46に示す配向で凍結乾燥プロセスを受ける。この配向において、乾燥中に、材料から水蒸気が昇華し、フレーム440によって担持されるガス透過性材料436の領域を通って上方に逃げる。前述したように、乾燥後、図46に示す配向で維持される一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428上に、無酸素不活性ガスのブランケットが導入される。無酸素不活性ガスは、前述したように、フレーム440によって担持されるガス透過性材料の領域を通って内部空間406に進入し、内部空間406内に浸透して水分および酸素を排除する。
【0195】
この構成において、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(凍結乾燥材料を収容する)が無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、図47に示すように、閉鎖カバー430がその閉鎖状態にされ、ラッチアセンブリ434が係合される。その後の輸送および保存の間、閉鎖カバー430は、無酸素ガス環境を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込める。前述したように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0196】
図48および49に示すように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、前述したように、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料でできた、蓋424を有する剛性の外容器または缶422内に入れられてもよい。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。
【0197】
必要に応じて、図43に示す一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428はまた、剛性の外容器内に入れられる前に、図40に示す種類の真空密封された透明なガス不透過性の外包装418内に入れられてもよい。任意の外包装418を図47において破線で示す。
【0198】
(D.一体型凍結乾燥物質保存アセンブリの使用)
(1.凍結乾燥物質保存アセンブリ内の物質を凍結乾燥する)
代表的な実施形態において、凍結乾燥物質は血漿を含む。したがって、図42および43に開示されるような代表的な凍結乾燥物質保存アセンブリに充填するための凍結乾燥された血漿を調製するための例示的な方法を以下に記載する。
【0199】
血漿の調製および製造は無菌のクリーンルーム環境において行われる。製造および調製手順は、例えば、ヒト血漿の無菌処理のためのISOクラス3の生物学的封じ込めフードを備えた、ISOクラス5の(またはそれより優れた)クリーンルーム内で行うことができる。凍結乾燥は、CIP/SIP凍結乾燥機において無菌的に行うことができる。
【0200】
ヒト血漿は従来の方法で、例えば、ドナーからの全血ユニットを閉鎖式採取バッグに採取し、続いて、血漿を遠心分離して、一体化して接続された移送バッグ444(約250mlの1つの血漿ユニットを収容する)に採取することによって、単一ドナーから採取される。各ユニット(移送バッグ444中に収容される)は、生物学的封じ込めフード内で個別に取り扱われる。ある単一ドナーユニットの処理と、異なるドナーからの別のユニットである単一ドナーユニットとの処理の間には、生物学的封じ込めフード内での切り換えのためのラインクリアランスプロトコルが存在するか、またはフロー設計および切り換えのための検証プロセスが他の方法で提供されてもよい。このプロトコルは、前の処理に関連するすべての器具および材料の除去に対応することができる。またそれは、前の処理の残留物が確実にその場に残らないよう、封じ込め作業場および作業場の機器の徹底的な洗浄にも対応する(物質収支)。単一ドナーサンプルの識別は、単一ドナーのヒト血漿容器のバーコードおよび他のタグによって維持される。
【0201】
凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、滅菌されたパイロジェンフリーのアセンブリを提供するための前処理プロトコルに供される。約250mlの血漿を凍結乾燥するためのアセンブリ420の代表的なサイズは、約10cm×12cm×2cm(1×幅×深さ)である。
【0202】
図50に示すように、250mlのヒト血漿ユニットが、移送バッグ444から凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に分注される。バッグ444と一体化して連結される可撓性の医療グレードチューブ446は、例えば、血液成分処理において周知である無菌連結技術、または無菌条件下で突起もしくはルアー取付具による連結を用いて、無菌様式において第1のポート構成要素412に連結される。血漿は、自然流下により、血漿バッグ444からチューブ446および第1のポート構成要素412を通って凍結乾燥物質保存アセンブリ428に移送される。
【0203】
図51に示すように、次いで、前述の条件下において、または、例えば、血液成分の処理において周知である、容易に剥がせる無菌密封を提供するHematron(登録商標)Dielectric Sealerを用いて、移送チューブ446が無菌様式において外される。
【0204】
バーコードおよびタグ448が、凍結乾燥物質保存アセンブリ428に貼付される。バーコードおよびタグ448は、移送バッグ444によって保持されるヒト血漿の識別情報450(源、血液型、採取日等)を反映する。
【0205】
図52に示すように、次いで、凍結乾燥物質保存アセンブリ428(液体血漿を収容する)が、無菌凍結乾燥機棚面454上の凍結乾燥機452内に配置される。凍結乾燥に使用される凍結乾燥機452は、有効な定置洗浄、定置蒸気滅菌の凍結乾燥機であることが望ましい。
【0206】
図52に示すように、凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’が上向きになるように配向され、閉鎖カバー430は開放状態にされる。
【0207】
一旦積載されると、凍結乾燥機のサイクル(プロセッサ456によって制御される)が開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に、凍結乾燥されたヒト血漿が形成される。
【0208】
1次凍結乾燥サイクルにおいて、ヒト血漿ケーキの温度は、その完全性を維持するために、−33°C(崩壊温度)未満に保たれる必要がある。ケーキの含水率が5重量%(w/w)未満の場合は、2次乾燥サイクル(高温)を用いてさらに含水率を低下させる。通常、1次および2次凍結サイクルを合わせると少なくとも72時間かかる。前述したように、図52に示す配向において、乾燥サイクル中に、凍結した血漿物質から昇華した水蒸気が、開放された閉鎖カバー430によって制限されることなく、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って上方に逃げる。
【0209】
可撓性側壁構成要素404は、凍結乾燥サイクル中に遭遇する圧力条件に起因する槽の湾曲に対応する。
【0210】
凍結乾燥サイクルの終わりには(図53を参照)、凍結乾燥機の真空が、窒素またはアルゴン等の無酸素、高純度の不活性ガスの雰囲気458に開放される(コントローラ456の動作による)。前述したように、無酸素不活性ガスのブランケットが、開放された閉鎖カバー430によって制限されることなく、前述したように、第2の端部構成要素410のガス透過性材料410’を通って凍結乾燥物質保存アセンブリ428の内部空間に進入し、内部空間内に浸透して水分および酸素を排除する。
【0211】
図54に示すように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(凍結乾燥物質を収容する)が無酸素不活性ガスのブランケット下に維持される一方で、閉鎖カバー430がその閉鎖状態にされ、ラッチアセンブリ434が係合される。
【0212】
図52および53に示される代表的な実施形態において、凍結乾燥機452は、図54が示すように手動で閉鎖カバー430を閉じることができるように、凍結乾燥機452内への無菌アクセスを提供するための手段460を含む。代替として、手段460は、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の閉鎖カバー430を閉じるために、遠隔作動型の機械式またはロボット手段を凍結乾燥機内に備えることができる。
【0213】
さらに代替として、凍結乾燥物質保存アセンブリ428は、水分および酸素を排除するために無酸素不活性ガスブランケット下に維持された収容環境を有する収容エリアまたはカート(例えば、図17Dに一般的に示すように)に移されてもよい。収容エリアまたはカートは、制御された不活性ガスブランケット下での凍結乾燥機の内容物の移送を可能にするように、凍結乾燥機の前部に連結することができる。凍結乾燥物質保存アセンブリ428の閉鎖カバー430は、無菌容器エリアまたはカートによって提供される環境内で閉じることができる。
【0214】
一体型閉鎖カバー430を提供するかまたは一体型閉鎖カバー430と組み合わせる代わりに、図40に示すように、ガス不透過性材料でできた真空密封された透明な外包装418で、無酸素不活性ガス環境の存在下において槽402を覆ってもよいことを理解されたい。
【0215】
いずれにしても、閉鎖カバー430および/または外包装418は、その後の輸送および保存の間に、無酸素不活性ガス環境を一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または外包装418内の槽402)内に閉じ込める。前述したように、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428内に閉じ込められた無酸素不活性ガスの存在下で水分および酸素を排除することにより、その後の輸送および保存の間に、槽402内に保持された凍結乾燥物質が劣化するのを防止する。
【0216】
図55および56に示すように、閉鎖された一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(外包装418の有無に関わらず)は、前述したように、例えば、金属材料または耐衝撃性プラスチック材料でできた、蓋424を有する剛性の外容器または缶422内に入れられてもよい。外容器422は、その後の取り扱いおよび保存の間に、一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428の引裂、破裂、または圧潰に対するさらなる保護を提供する。
【0217】
(2.一体型凍結乾燥物質保存アセンブリから凍結乾燥された血漿を再構成および投与する)
遠隔部位での使用において(図57を参照)、凍結乾燥材料保存アセンブリ428(または図40および41に示すような外包装418を伴う槽402)が外容器422から取り出される。外包装418(提供される場合)を除去した後、移送セット462が、滅菌再構成液(例えば、水)の容器464と、個別の一体型凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)の第2のポート構成要素414とに連結される。移送セット462は、例えば、図30に示すように、各端部に連結を行うためのプラスチック針または突起を含むことができる。移送セット462は、長くて可撓性であってもよい(図57に示すように)。代替として、移送セット462は、保存スペースを削減し、取り扱いを簡素化するために、短くて剛性であってもよい。
【0218】
図57および59が示すように、介護者は、続けて再構成液の容器464を有する凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)を操作して、容器464から凍結乾燥物質保存アセンブリ428内の凍結乾燥物質と接触するように再構成液を移送することができる。介護者は、選択的に落差を確立することにより、移送セット462を横切る流体の圧力差を作り出すことができる。個体に投与するための調製において、結乾燥物質を再構成するために必要であれば、流体は、凍凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)と再構成液206の容器464との間を行き来するように、流体圧力差に応じて移送セット462を通って放出させることができる。
【0219】
図58に示す実施形態において、再構成された物質が、凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)から投与される。この構成において、混合のために使用された投与セット462が第2のポート構成要素414から外され、第2のポート構成要素414が閉じられる(前述のように、第2のポート構成要素414は、移送用の突起または針が除去されると自動的に閉じる隔壁を含むことができる)。この時点で、介護者は、図58に示すように、第3のポート構成要素416を投与セット466に連結して、図58に示すように、再構成された物質を個体の循環器系の中に移送する。投与セット466は、図16または32を参照して前述したのと同じ様式で、静脈内に挿入するための静脈切開針468を含む。可撓性側壁構成要素404は、再構成された物質が個体の循環器系内に投与される時に槽402の折り畳みに対応する。
【0220】
図60に示す実施形態において、再構成された物質は、最初に再構成液を収容していた容器464から投与される。この構成において、混合後、再構成された物質が、凍結乾燥物質保存アセンブリ428(または槽402)から再構成液容器464に最終的に移送される。この構成において、混合のために使用された投与セット462が再構成液容器464から外され、関連するポート470が閉じられる。この時点で、介護者は、図60に示すように、図60に示すように再構成された物質を個体の循環器系に移送するために、再構成液容器464上の別のポート472を投与セット466に連結する。投与セット466は、図16または32を参照して前述したのと同じ様式で、静脈内に挿入するための静脈切開針468を含む。
【0221】
(VII.血漿を凍結乾燥、保存、および投与するためのデバイスおよびシステムの追加実施形態)
図61〜71は、凍結乾燥プロセスの際に蒸気透過性のバッグまたは膜の中に容器を入れることなく、患者に再構成された血漿を移送するために使用される容器内における液体血漿の直接的な凍結乾燥を可能にする、凍結乾燥容器およびプロセスの代替実施形態を表す。つまり、血漿を収容する容器は、凍結乾燥プロセスの間に蒸気透過膜と連通するが、凍結乾燥プロセスの間に蒸気透過性バッグの中に入れられる必要はない。
【0222】
多くの血漿凍結乾燥プロセスは、凍結乾燥ユニット内に血漿を入れることを必要とし、通常は、第1の容器内に血漿を入れ、次いで、微多孔質PTFEまたはHDPE膜でできた蒸気透過性バッグの中に第1の容器を入れる。凍結乾燥後、蒸気透過膜製バッグは廃棄され、凍結乾燥された血漿が、医師等のエンドユーザが使用することのできる容器に移されるが、そのような容器は、医師等によって通常使用される血液バッグに類似することが好ましい。そのようなプロセスに伴う問題は、蒸気透過性バッグの拡張によって、凍結乾燥の間に透過性バッグが熱伝達面から引き離される可能性があるため、最適な凍結乾燥をもたらすことができないことである。以下に記載するプロセスは、そのような問題を最小限に抑えることができる。
【0223】
図61は、凍結乾燥された血漿を別の容器またはシステムに移送する必要なしに、血漿を凍結乾燥、保存、および患者に送達するためのシステム500を表す。通常、システム500は、微多孔質PTFE膜材料(例えば、Gore−TexTM)または微多孔質HDPE膜(例えば、TyvekTM)を用いて一般的に製造される膜材料506を含む第1の折り畳み可能な容器502および第2の容器504を備える。第2の容器502は折り畳み可能であってもまたはそうでなくてもよい。第1の容器502および第2の容器504は、開放的な第1の端部510を有するチューブ508によって接続され、チューブ508は、凍結乾燥プロセスの間に、第1の容器502から第2の容器504に蒸気が移動できるようにする。チューブ508は任意の直径であってもよいが、およそ1〜2cmの直径を有することが好ましい。チューブ508はまた、任意の長さであってもよいが、図66A〜69について後述するように、チューブ508が圧迫される、閉じられる、密封される、および切り離されるように十分に長くあるべきである。
【0224】
なおも図61を参照すると、第2の折り畳み可能な容器504もまた、開放的な第1の端部510を受容する開口部512を有する。通常、システム500は、組み立てられたデバイス内に提供され、また、最も具体的には、滅菌性の問題のために、システム500が組み立てられたデバイスとして提供されることが好ましい。しかしながら、組み立てが必要とされる場合は、開口部512が開放的な第1の端部510の周囲で密封され、図63に示す組み立て後のシステム500を提供するように、第2の折り畳み可能な容器504にヒートシールが適用されることが好ましい。チューブ508は、次いで、第1の折り畳み可能な容器502から第2の折り畳み可能な容器504への開放的な蒸気またはガス経路514を提供することに留意されたい。チューブ508は、第1の容器502と一体化して形成されてもよいか、または、第2の容器504がチューブ508に接続される様式と同様に、第1の容器502に接続される別個の要素であってもよい。
【0225】
図62は、空のアセンブリ500を表す。凍結乾燥プロセスの間に、概して二酸化炭素(CO2)の形態で炭酸塩が除去されるため、最終的に再構成された血漿のpHが上昇する、すなわち、所望するよりも高くなる。したがって、血漿を第1の容器502に加える前にpH調整液を加えるか、または、凍結乾燥の間にCO2を補充するかのいずれかによって、アセンブリ500内のpHが調整される必要がある。図62は、血漿を加える前に、pH調整液がアセンブリ500に導入されているところを示している。第1の容器502に位置する、好ましくは突起接続である無菌調整液ポート515により、pH調整液の無菌的添加が可能になる。好ましい調整液は、酸(アスコルビン酸等)または緩衝液を含む。一旦、所望の量の緩衝液がアセンブリに加えられると、溶液ポート515が密封閉鎖され、好ましくは溶液ポート515がヒートシールされる。
【0226】
図63は、第1の容器502に調整液を添加した後のアセンブリ500を表す。既に述べたように、溶液ポート515は密封閉鎖される。次いで、無菌血漿添加ポート517を用いて、液体血漿が第1の容器502に添加される。一旦、所定量または所定重量の血漿が第1の容器502に添加されると、ポート517が閉鎖および密封され、好ましくはヒートシールされる。
【0227】
図64は、ポート515および517が密封され、液体血漿で充填されたアセンブリ500を表す。一旦、第1の折り畳み可能な容器502が所定量の液体血漿16で充填されると、システム500が凍結乾燥プロセスに供される。図65に示すように、各第1の折り畳み可能な容器502が液体血漿で充填された1つ以上のデバイス500が、無菌凍結乾燥機棚面322上の凍結乾燥機320内に配置される。アセンブリ500は、図66A〜69Bについてさらに論じられる再利用可能なストッパー機構内に配置され、それによって、第1の容器502および熱伝達膜506と棚面322との間の接触を可能にし、かつ制限しない。再利用可能な機構は、乾燥サイクルの終わりに凍結乾燥機構が作動した時に、接続チューブ508を圧迫して閉鎖するように設計される。凍結乾燥のために使用される凍結乾燥機452は、有効な定置洗浄(CIP)、定置蒸気滅菌(SIP)の凍結乾燥機であってもよいが、記載される閉鎖的なアセンブリのシステムは、非CIP/非SIP凍結乾燥環境における動作を許容する。一旦積載されると、凍結乾燥機サイクルが開始される。通常、このサイクルは、ヒト血漿を−45℃近くまで冷却し、2〜8時間冷凍し、その後、凍結乾燥サイクルを開始するために、凍結乾燥機の冷却器を冷却して、真空を印加する。凍結乾燥プロセスの間に、第1の折り畳み可能な容器502が熱伝達面322と十分に接触した状態を確実に維持するように、第1の折り畳み可能な容器502は内部支持構造(図示せず)を備えてもよく、かつ/または容器502は、以前使用されていた材料よりも厚みのある、より弾力性のある材料から作製されてもよい。その結果、凍結乾燥されたヒト血漿が、第1の折り畳み可能な容器502内でその場で形成される(図66を参照)。
【0228】
凍結乾燥プロセスの代表的なパラメータは以前に記述されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0229】
凍結乾燥プロセス全体にわたって、第2の折り畳み可能な容器502に位置するガス透過膜506は、例えば、水蒸気等のガスが凍結乾燥中に液体血漿から昇華すると、その通過に対応するが、さもなければ、第1の折り畳み可能な容器502から液体血漿が通過するのを防止する。第2の折り畳み可能な容器504は、第1の折り畳み可能な容器502と凍結乾燥機棚322との接触に影響を及ぼすまたは変化させることなく、拡張または折り畳むことができる。容器502は、容器502上に直接位置する半多孔質膜506を有さないため、凍結乾燥された血漿を第1の容器502から再構成または投与のための代替容器に移送する必要なく、再構成血漿を投与することによって、容器502に永久的な気密密封を提供する。これにより、滅菌性の確実性を高めることができる。
【0230】
容器502はまた、真空包装されてもよく、第1の折り畳み可能な容器502がなおも真空下にある間に、図67A〜69Bに例として示されるような密封機構が使用されてもよく、それによって非常に厳重に充填された容器がもたらされる(図66)。凍結乾燥プロセスの終わりに、凍結乾燥機内がまだ真空状態のうちにストッパー機構508がチューブを閉鎖するか、または不活性ガス、CO2、もしくはその2つの組み合わせによって凍結乾燥機内の真空状態が破壊された後で、ストッパー機構508がチューブを閉鎖する。
【0231】
一旦、凍結乾燥プロセスが終了すると、システム500が冷凍機から除去され、チューブ508および流体経路514が確実に密封された様式で、第2の折り畳み可能な容器504が第1の折り畳み可能な容器502から取り外される。図66A〜69は、システム500が凍結乾燥プロセスを終えた後にチューブ508を密封および閉鎖するための種々の方法および閉鎖デバイスを表しており、プロセスの各々が、第1の折り畳み可能な容器502に永久的な気密密封を提供する。第1の容器502、第2の容器504、およびチューブ508がまだ接続され、所望の閉鎖機構がチューブの所定の位置にあり、容器502および504間の能動的な閉鎖を維持した状態で、アセンブリ500が凍結乾燥機から除去されることに留意されたい。
【0232】
図66Aは、圧迫点機構530を受容するように構成されたチューブ508の断面図を示す。圧迫点機構530は、通常、圧迫構成要素532と、圧迫構成要素532を受容する面536を有するインセット534とを備える。面536は、圧迫プロセスを容易にするために、機構530の残りの部分よりも軟らかい材料であってもよい。
【0233】
図66Bは、チューブ508および流体経路530を密封閉鎖するために、チューブ508を下向きに圧迫している機構530を示す。一旦、機構530が所定の位置に固定されると、容器502の気密シールをさらに確実にするよう、図70に示すようにチューブ508がヒートシールされて切り離されてもよい。
【0234】
図67Aは、チューブ508を圧迫して密封するための代替の機構540を示す。機構540は、通常、圧迫部材542およびヒンジ部材544を備える。ヒンジ部材544は、ヒンジ548によって枢動可能に接続される2本のアーム546を有する。回転部材550は、機構540を補助するようにアーム546に沿って配置され、チューブ508に厳重な密封を提供する。
【0235】
図67Bに示すように、圧迫部材542は、チューブ508内、そしてヒンジ部材544内へと下方に押し下げられる。互いに対して内側に動くアームを回転部材550が補助した状態で、アーム546が上向きに旋回し、それによって、必要な密封を提供する。次いで、図69について論じられるように、チューブ508がさらなるヒートシールに供されてもよい。
【0236】
図68Aは、第1の折り畳み可能な容器502およびチューブ508を密封するために使用される別の圧迫機構560を示す。チューブ508は、圧迫された状態でそれ自体の上に折り重なり、より容易な圧迫プロセスを提供することができる。圧迫機構560は、通常、固定部分562および可動部分564、ならびにガイド部材566を備えるラチェット機構を形成する。
【0237】
図68Bに示すように、可動部分564は固定部分562に向かって下向きに動かされ、ガイド部材566が可動部分564に支持を提供し、チューブ508を閉鎖する。他の既知の圧迫および密封機構と同様に、次いで、図69について論じられるように、チューブ508がさらなるヒートシールに供されてもよい。図68A〜68Bについて論じられるラチェット機構はまた、チューブ508の必要とされる気密シールを提供するために、それぞれ、図66A〜Bおよび図67A〜Bにおいて論じられる圧迫部材530および540に組み込まれてもよいことに留意されたい。
【0238】
第1の折り畳み可能な容器502は、第2の折り畳み可能な容器504、および第2の容器504によって支持される透過性膜506とは独立して成形および形成されることに留意されたい。反対に、第2の容器504および透過性膜506の設計が変更されてもよい。図71および72は、システム500のための代替実施形態を示しており、第2の折り畳み可能な容器は使用されておらず、チューブ508は透過性膜570に直接接続されるか(図71)、またはチューブ508はフィルタ572に嵌合され(図72)、フィルタは、可能であれば、当該技術分野で既知である市販のフィルタである。例えば、濾過剤は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニリデンフッ化物、またはポリテトラフルオロエチレン材料等の疎水性ポリマーを含むことができる。透過性膜570が膜506と同様に機能し、以前に凍結乾燥プロセスにおいて論じられた膜が、図67A〜69Bについて論じられるように第1の折り畳み可能な容器502から切り離すことができるように、透過性膜570は、好ましくはヒートシールによってチューブ508またはフィルタ572の周囲に密封される。
【0239】
図70は、凍結乾燥および密封プロセスの後の、血漿で充填された第1の折り畳み可能な容器502を提供する。折り畳み可能な容器502は、最小のまたは低い水蒸気透過率(MVTR)を考慮して設計された袋580内に保存することができる。また袋は、保存中の水および酸素への曝露から乾燥血漿を保護する補助となるよう、酸素吸収剤582および水吸収剤584を有することができる。投与ポート518は、通常、以前に示し、論じたように(例えば、図16、32、および60を参照)、再構成された血漿を患者に送達するために第1の折り畳み可能な容器502上に位置する。投与ポート518は、好ましくは、代表的な血液バッグの突起520を有する、標準的な血液バッグの無菌接続構成を有する。ポート518は、容器502が患者に投与されるまで密封される。第1の折り畳み可能な容器502はまた、図31および60について同様に記載されるように、好ましくは、容器502を液体容器に装着するための標準的な血液バッグの無菌接続構成を有する、再構成ポート522をさらに支持する。
【0240】
遠隔部位での使用において(図73を参照)、移送セット462は、滅菌再構成液(例えば、水)の容器464と、第1の折り畳み可能な容器502とに連結される。移送セット462は、例えば、図30に示すような連結を行うために、各端部にプラスチック針または突起を含むことができる。移送セット462は、(図57に以前に示したように)長くて可撓性であってもよい。代替として、移送セット462は、保存スペースを削減し、取り扱いを簡素化するために、短くて剛性であってもよい。
【0241】
介護者は、個体への投与のための調製において、第1の折り畳み可能な容器502内で再構成液206および凍結乾燥物質を混合するために、続けて容器464を操作して、再構成液を容器464から第1の折り畳み可能な容器502内の凍結乾燥物質と接触するように移送することができる。
【0242】
図73および74は、第1の折り畳み可能な容器502の外見が当該産業において既知であり、使用される代表的な血液バッグと類似するため、介護者にとって見慣れた再構成された血漿を投与するための容器を提供することを示している。図73において、再構成された物質は、最初は凍結乾燥前の液体血漿を収容し、次いで、凍結乾燥後に凍結乾燥された血漿を収容した、第1の折り畳み可能な容器502から投与される。混合のために使用される投与セット462に位置する圧迫弁574が閉鎖され、それによって、関連するポート470からのさらなる流体の移送を防止する。次いで、投与セット462が切り離され、密封されてもよい。図74に示すように、この時点で、介護者は、再構成された物質を図74に示すように個体の循環器系に移送するために、第1の折り畳み可能な容器502の投与ポート522を投与セット466に連結する。投与セット466は、図16、32、または60を参照して前述したのと同じ様式で、静脈内に挿入するための静脈切開針468を含む。
【0243】
(VIII.凍結乾燥前の単一ユニット血漿の処理)
前述した実施形態において、単一ユニットのヒト血漿は、源移送バッグから(特定の実施形態によって)、型50(図17Aを参照)、または区画化された容器デバイス300(図34を参照)、または多機能デバイス400(図50または図64を参照)を備える、その中で血漿が凍結乾燥する貯蔵容器内に分注される。いかなる特定の実施形態であっても、源容器600から凍結乾燥貯蔵容器602内に血漿が分注される間に(図75を参照)、凍結乾燥前に血漿を処理するためのインライン処理デバイス604が提供されてもよい。
【0244】
処理の形態は異なってもよい。例えば、血漿は、全血から血漿を処理する間に除去されなかった血小板、赤血球、および/または白血球等の残りの血液細胞成分を担持することができる。血漿はまた、例えば、血漿中に存在するか、または血漿中の血液細胞成分上もしくはその中に担持されるウイルス性もしくは細菌性作用物質を担持することができる。血漿はまた、例えば、抗A IgM/lgGまたは抗B IgM/IgG等の血液型特異的抗体を含むことができる。
【0245】
インライン処理デバイス600も同様に、所望の処理形態にしたがって異なり得る。例えば、血液細胞成分を除去するために、インラインデバイス604は、血液成分(複数または単数)に対する親和性を有する適切な従来の濾過剤を含むことができる。インラインデバイス604は、病原体またはウイルス性もしくは細菌性作用物質を除去するために、例えば、化学線、光失活(photo−deactivation)、低温殺菌、洗浄溶剤処理等の従来の病原体不活化機構を含むことができる。インラインデバイス600は、血液型特異的抗体の除去または中和のために、特定の抗体に対する親和性を有する抗原を含むことができる。
【0246】
例えば、代表的な実施形態において、源移送容器600は、例えば、A型血漿またはB型血漿のいずれかである、特定の血液型の単一ドナーからの血漿に由来する単一ユニットの血漿を収容する。特定の血液型がA型血漿である場合は、インライン処理デバイス604は、A型血漿からB抗体を除去または中和するための抗原を含む。同様に、特定の血液型がB型血漿である場合は、インライン処理デバイス604は、B型血漿からA抗体を除去または中和するための抗原を含む。抗原は、インライン処理デバイス604の内部に格納された、血漿が通過する樹脂材料に結合することができる。これは、A型またはB型のいずれか(すべての血液型の2/3以上を占める)である単一ユニットの源から得られた凍結乾燥された血漿を処理し、すべての異なる血液型の患者に普遍的に適用可能である凍結乾燥された血漿製品を提供することを可能にする効果を有する。
【0247】
血漿は、源容器に移送される前の血液処理中に、記載される様式のいずれにおいて処理されてもよく、それによって、前処理された単一ユニットの血漿を含むことを理解されたい。
【0248】
(IX.結論)
上記は、本発明の原理を例示するものに過ぎないと考えられる。さらに、当業者には多くの修正および変更が容易に想到されるため、本発明が、図示および説明される厳密な構造および操作に限定されることは望ましくない。好ましい実施形態を説明してきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、詳細が変更されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血漿を凍結乾燥する方法であって、
単一ユニットのA型血漿の源を提供することと、
該血漿を該A型血漿からB抗体を除去または中和するための抗原に曝露することによって、該単一ユニットのA型血漿を処理することと、
該処理することの後に、該処理された単一ユニットのA型血漿を該源から貯蔵容器の中に移送することと、
該貯蔵容器内において該処理された血漿を凍結乾燥することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記単一ユニットのA型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
単一ユニットのA型血漿の源と、
該単一ユニットのA型血漿のための凍結乾燥用貯蔵容器と、
該単一ユニットのA型血漿を該源から該貯蔵容器の中に移送するための経路であって、該経路は、該A型血漿からB抗体を除去または中和するための抗原を備える処理デバイスを含む、経路と
を備える、システム。
【請求項4】
単一ユニットのB型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
血漿を凍結乾燥する方法であって、
単一ユニットのB型血漿の源を提供することと、
該血漿を該B型血漿からA抗体を除去または中和するための抗原に曝露することによって、該単一ユニットのB型血漿を処理することと、
該処理することの後に、該処理された単一ユニットのB型血漿を該源から貯蔵容器に移送することと、
該貯蔵容器内で該処理された血漿を凍結乾燥することと
を含む、方法。
【請求項6】
前記単一ユニットのB型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
単一ユニットのB型血漿の源と、
該単一ユニットのB型血漿のための凍結乾燥用貯蔵容器と、
該単一ユニットのB型血漿を該源から該貯蔵容器に移送するための経路であって、該経路は、該B型血漿からA抗体を除去または中和するための抗原を含む処理デバイスを含む、経路と
を備える、システム。
【請求項8】
前記単一ユニットのB型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
血漿を凍結乾燥する方法であって、
単一ユニットの血漿の源を提供することと、
該血漿から標的化物質を除去することによって、該単一ユニットの血漿を処理することと、
該処理することの後に、該処理された単一ユニットの血漿を該源から貯蔵容器の中に移送することと、
該貯蔵容器内で該処理された血漿を凍結乾燥することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記単一ユニットの血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
望ましくない物質を担持する単一ユニットの血漿の源と、
該単一ユニットの血漿のための凍結乾燥用貯蔵容器と、
該単一ユニットの血漿を該源から該貯蔵容器の中に移送するための経路であって、該経路は、該血漿から該望ましくない物質を除去するための処理デバイスを含む、経路と
を備える、システム。
【請求項12】
前記単一ユニットの血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項1】
血漿を凍結乾燥する方法であって、
単一ユニットのA型血漿の源を提供することと、
該血漿を該A型血漿からB抗体を除去または中和するための抗原に曝露することによって、該単一ユニットのA型血漿を処理することと、
該処理することの後に、該処理された単一ユニットのA型血漿を該源から貯蔵容器の中に移送することと、
該貯蔵容器内において該処理された血漿を凍結乾燥することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記単一ユニットのA型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
単一ユニットのA型血漿の源と、
該単一ユニットのA型血漿のための凍結乾燥用貯蔵容器と、
該単一ユニットのA型血漿を該源から該貯蔵容器の中に移送するための経路であって、該経路は、該A型血漿からB抗体を除去または中和するための抗原を備える処理デバイスを含む、経路と
を備える、システム。
【請求項4】
単一ユニットのB型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
血漿を凍結乾燥する方法であって、
単一ユニットのB型血漿の源を提供することと、
該血漿を該B型血漿からA抗体を除去または中和するための抗原に曝露することによって、該単一ユニットのB型血漿を処理することと、
該処理することの後に、該処理された単一ユニットのB型血漿を該源から貯蔵容器に移送することと、
該貯蔵容器内で該処理された血漿を凍結乾燥することと
を含む、方法。
【請求項6】
前記単一ユニットのB型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
単一ユニットのB型血漿の源と、
該単一ユニットのB型血漿のための凍結乾燥用貯蔵容器と、
該単一ユニットのB型血漿を該源から該貯蔵容器に移送するための経路であって、該経路は、該B型血漿からA抗体を除去または中和するための抗原を含む処理デバイスを含む、経路と
を備える、システム。
【請求項8】
前記単一ユニットのB型血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
血漿を凍結乾燥する方法であって、
単一ユニットの血漿の源を提供することと、
該血漿から標的化物質を除去することによって、該単一ユニットの血漿を処理することと、
該処理することの後に、該処理された単一ユニットの血漿を該源から貯蔵容器の中に移送することと、
該貯蔵容器内で該処理された血漿を凍結乾燥することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記単一ユニットの血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
望ましくない物質を担持する単一ユニットの血漿の源と、
該単一ユニットの血漿のための凍結乾燥用貯蔵容器と、
該単一ユニットの血漿を該源から該貯蔵容器の中に移送するための経路であって、該経路は、該血漿から該望ましくない物質を除去するための処理デバイスを含む、経路と
を備える、システム。
【請求項12】
前記単一ユニットの血漿は、単一ドナーの血漿を含む、請求項11に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10−11】
【図12】
【図13−14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図39D】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66A】
【図66B】
【図67A】
【図67B】
【図68A】
【図68B】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10−11】
【図12】
【図13−14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図39D】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66A】
【図66B】
【図67A】
【図67B】
【図68A】
【図68B】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【公表番号】特表2012−502903(P2012−502903A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526867(P2011−526867)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/005132
【国際公開番号】WO2010/033169
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(506211517)ヘムコン メディカル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/005132
【国際公開番号】WO2010/033169
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(506211517)ヘムコン メディカル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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