説明

処理された種子の種子安全性の保護

本発明は、殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤による種子の処理が種子の発芽及び実生の活力に及ぼす悪影響を克服する方法に関する。本発明の方法は、殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤で処理された種子の発芽及び活力を著しく強化する。本発明は、以下の段階を少なくとも含んでいる方法について記述する:(1)種子に加水すること、(2)その後、その種子を乾燥させること、(3)その後、その種子を殺虫性化合物、殺ダニ性化合物又は殺線虫性化合物で処理すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤による種子の処理が種子の発芽及び実生の活力に及ぼす悪影響を克服する方法に関する。本発明の方法は、殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤で処理される種子の発芽及び活力を著しく強化する。
【0002】
本発明は、少なくとも以下の段階:
(1) 種子に加水すること;
(2) その後、その種子を乾燥させること;
(3) その後、その種子を殺虫性化合物、殺ダニ性化合物又は殺線虫性化合物で処理すること;
を含んでいる方法について記述する。
【背景技術】
【0003】
殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤は、望ましくない生物による作物の損傷を防止するか又は少なくとも低減させるためにる広く使用されている。これらの化学物質は、播種前に、並びに/又は、実生の出芽前及び/若しくは出芽後に、土壌表面に施用することができる。殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤は、さらにまた、種子処理として種子に加えることもできる。殺虫活性成分、殺線虫活性成分又は殺ダニ活性成分を含んでいる種子処理は、これらのタイプの化合物の内の1種類のみを含み得るが、同じタイプの化合物のうちの2種類以上の混合物を含むことも可能である。さらに、殺虫活性成分、殺線虫活性成分及び殺ダニ活性成分又はそれらの混合物は、少なくとも1種類の別の殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤と混合して使用することも可能である。さらに、上記殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤(の混合物)に1種類以上の殺菌活性化合物を混合させることも可能である。この文書において、殺虫剤による種子処理について言及されている場合、その言及は、殺線虫活性成分又は殺ダニ活性成分を含んでいる種子処理、及び、該化合物の混合物を含んでいる種子処理にも関連している。
【0004】
種子処理の使用は、成長下にある市場である(Halmer, P. 2004. Methods to improve seed performance in the field. In: Handbook of seed physiology. Applications to agriculture. Eds: Benech-Arnold, R.L. and Sanchez, R.A.)。それは、種子処理の使用が噴霧施用又は顆粒施用を使用することに比較して幾つかの有利点を有しているからである(例えば: Altmann, R. 2003. Pflanzenschutz-Nachrichten Bayer 56(1), pp 102-110; Hewett, P.D. and Griffiths, D.C. 1986. Biology of seed treatment. In: Seed treatment. Ed: Jeffs, K. A.)。種子処理は、播種後の種子を保護する。初期の生長相の全体を良好に保護することによって、ストレスのある状況にも良く耐える健康で活力のある植物が得られる。さらに、噴霧施用又は顆粒施用を用いた場合よりも、必要とされる製品の総量が少ない。種子処理による作物保護は、農業従事者に対しても多くの有利点を含んでいる。別の殺虫剤を施用する必要性がより少なく、また、農業従事者は、タンクミックスを計算する必要がなく、調製する必要もない。これらは、いずれも、時間の節約につながる。作物保護化学物質を散布する時期は天候に著しく左右されるが、この様な困難な事情は、処理された種子については問題とならない。
【0005】
農薬会社は、種子処理として施用するのに特に適している製剤を開発する。そのような製剤は、フィルムコーティングの形態で種子に加えることができる。特質上、フィルムコーティングは、全ての個々の種子の表面を均一に覆う均質で粉塵のない水浸透性の薄膜である(Halmer, P. 2000. Commercial seed treatment technology. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.)。製剤に加えて、コーティング混合物は、一般に、別の成分、例えば、水、接着剤(典型的には、ポリマー)、増量材、顔料及び当該コーティングの特定の特性を改善するための特定の添加剤なども含んでいる。数種類のコーティングを、単一の種子の表面上で組み合わせることも可能である。本文書において、「種子処理」は、少なくとも1種類の殺虫活性成分、殺ダニ活性成分又は殺線虫活性成分を有する製剤を含んでいるフィルムコーティングを種子に施すことを示している。これは、ペレットの内部若しくは表面上で該コーティングを使用する可能性も包含し、また、ペレット混合物の中に殺虫性種子処理用製剤、殺線虫性種子処理用製剤又は殺ダニ性種子処理用製剤を直接含ませる可能性も包含する。
【0006】
種子のペレット化は、当該未加工種子の自然の形状及び寸法を変えることを主に意図した技術である。その技術をフィルムコーティングと組み合わせることができる(Halmer, P. 2000. Commercial seed treatment technology. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.)。ペレット化することによって、球形の形状又は丸みのある形状が作られる。この球形の形状又は丸みのある形状は、現代の播種機を用いて容易に播種される。ペレット化混合物は、少なくとも、接着剤及び増量材を含んでいる。増量材は、例えば、クレー、雲母、チョーク又はセルロースなどであり得る。さらに、当該ペレットの特定の特性を改善するために、特定の添加剤を含ませることもできる。少なくとも1種類の殺虫性化合物、殺ダニ性化合物又は殺線虫性化合物を含んでいる種子処理用製剤は、そのペレット化混合物の中に直接添加することができる。さらに、フィルムコーティングとの数種類の組合せが可能である:フィルムコーティングは、ペレットの外面上に加えることが可能であり、ペレット化材料の2つの層の間に加えることが可能であり、及び、ペレット化材料を添加する前に種子に直接加えることが可能である。単一のペレット内に、2つ以上のフィルムコーティング層を組み入れることも可能である。外表面を覆うのは、ペレット化の特別の型である。この方法は、増量材の使用量が少なく、得られるのは、「ミニペレット」である。
【0007】
フィルムコーティングを施すためのさまざまな技術及び機械が存在しており、それらの多くは、種子をペレット化するのにも使用可能であるか又は適合させることができる。種子処理機の製造業者は、例えば、Gustafson Equipment、Satec、及び、SUETなどである。技術及び機械は、種子処理用混合物を種子に施す方法及び混合プロセスの点で、種々異なっている(Jeffs, K.A. and Tuppen, R.J. 1986. Applications of pesticides to seeds. Part 1: Requirements for efficient treatment of seeds. In: Seed treatment. Ed: Jeffs, K.A.)。その混合物は、例えば、回転盤噴霧器(spinning disc atomizer)又は塗布ブラシ(spreading brush)を用いて加えることができる。その種子と混合物は、ドラム内で又は回転する槽内で、オーガを用いて混ぜ合わせることができる。加えるフィルムコーティング混合物の量が少ない場合、及び、加えるフィルムコーティング混合物の量が種子の含水量の僅かな(典型的には、1%未満)増加しか伴うことなく種子自体によって吸収されることが可能な場合、追加の乾燥段階は必要ではない。この原理は、自己乾燥(self-drying)と称される(Black et al., 2006. The encyclopedia of seeds. Science, technology and uses)。そうでなければ、乾燥用粉末(例えば、タルク)を添加することができるか、又は、追加の乾燥段階が必要である。この段階は、フィルムコーティング用の装置の中に、例えば、一体化された流動床乾燥機を有するSUET回転式種子処理装置の中に組み込むことができる。一部のSATECバッチ式塗布機は、乾燥用空気に連結するように装備されている。
【0008】
作物保護化学物質を使用することの不利点は、それら作物保護化学物質が作物植物自体に悪影響を及ぼし得るという事実である。このことは、そのような化学物質が種子処理として与えられる場合の種子にも当てはまる(Halmer, P. 2000. Commercial Seed treatment technology. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J.D.; Halmer, P. 2004. Methods to improve seed performance in the field. In: Handbook of seed physiology. Applications to agriculture. Eds: Benech-Arnold, R.L. and Sanchez, R.A.)。かくして、種子の安全性が悪影響を受ける。少なくとも1種類の殺虫活性成分、殺ダニ活性成分又は殺線虫活性成分を含んでいる種子処理を行うと、処理された種子の発芽の速度が遅くなり均一性も劣ったものとなる可能性がある。基本的に、発芽は、幼根が種皮又は果皮を突き出す時点であると定義される。種子が底土に播種されてその底土で完全に覆われている場合、発芽は、実生がその底土から出現(即ち、出芽)する時点であると定義される。発芽速度が遅くなると、実生の出芽も遅くなる。本文を通して、上記で述べた種子の発芽の定義は守られ、また、特に別途明記されていない限り、実生の出芽と互いに交換可能に使用される。種子処理は、さらにまた、最大発芽及び実生の活力にも影響を及ぼし得る。活力のある実生は、成長して正常な収穫物産生植物(yield-producing plant)になることができる健康な実生である。種子処理によって、活力が低下することもあり、また、異常な実生又は死んだ種子の数が増大することさえあり得る。種子処理の発芽及び活力に対する悪影響は、研究所内の人工気象室、温室又は発芽室の中での制御された条件下の実験で評価することが可能であり、また、圃場においても評価することができる。
【0009】
種子の安全性に対する種子処理の悪影響が見られても、そのような悪影響は、種子処理による利益がコストを上回っているという理由で、一般に許容される。しかしながら、結局は、種子の安全性に対する種子処理の悪影響は、現代の農業システムにおいては不利である。発芽の遅れは、当該種子が病害を引き起こす生物又は土壌有害生物によって攻撃されるリスク(及び、継続期間)を増大させる(Jonitz, A and Leist, N. 2003. Pflanzenschutz-Nachrichten Bayer, 56(1), pp 173-207)。発芽速度の低下及び発芽の均一性の低下は、その後の散布処理にも悪影響を及ぼし得る。例えば、多くの除草剤は、実生の特定の発育段階において最も効果が高い。主に、発芽が遅れると、作物の成育期間も短くなり、結果として、収量が低下することもあり得る。最後に、実生の活力が悪影響を受けると、それにより市場性のある植物の数が低下する可能性があり、これは、さらに、収量損失を招き得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Halmer, P. 2004. Methods to improve seed performance in the field. In: Handbook of seed physiology. Applications to agriculture. Eds: Benech-Arnold, R.L. and Sanchez, R.A.
【非特許文献2】Altmann, R. 2003. Pflanzenschutz-Nachrichten Bayer 56(1), pp 102-110
【非特許文献3】Hewett, P.D. and Griffiths, D.C. 1986. Biology of seed treatment. In: Seed treatment. Ed: Jeffs, K. A.
【非特許文献4】Halmer, P. 2000. Commercial seed treatment technology. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.
【非特許文献5】Jeffs, K.A. and Tuppen, R.J. 1986. Applications of pesticides to seeds. Part 1: Requirements for efficient treatment of seeds. In: Seed treatment. Ed: Jeffs, K.A.
【非特許文献6】Black et al., 2006. The encyclopedia of seeds. Science, technology and uses
【非特許文献7】Jonitz, A and Leist, N. 2003. Pflanzenschutz-Nachrichten Bayer, 56(1), pp 173-207
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、少なくとも1種類の殺虫活性成分、殺ダニ活性成分又は殺線虫活性成分を含んでいる種子処理で処理された農業用種子、野菜の種子又は花の種子について種子の発芽及び実生の活力を改善する方法を包含する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、さらにまた、殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤の活性を強化するために使用することもできる。
【0013】
かくして、少なくとも1種類の殺虫活性成分、殺線虫活性成分又は殺ダニ活性成分を含んでいる種子処理は、種子の発芽及び実生の活力に悪影響を及ぼし得る。驚くべきことに、本発明者らは、種子に加水した後乾燥させ、その後、当該種子処理を施すことによって、その種子処理の発芽及び活力に対する悪影響が低減されるか又は除去さえされるということを見いだした。該化学的種子処理でコーティングされる前に加水及び乾燥された種子は、加水処理及び乾燥処理の恩恵を受け、さらに、化学的種子処理による保護の利益も受ける。複合的な処理は種子を害するおそれがあるという一般的な考えとは著しく異なって、両方の処理を組み合わせたものは、種子の性能に対して相乗的な効果さえ示す。加水され及び乾燥された状況における種子処理の悪影響は、加水されずに乾燥された状況における場合によりも小さいか又は存在しない。
【0014】
本発明は、下記において略述されている作物の種子に対して適用可能である。当該種の雑種及び当該種の遺伝子組換え植物も、作物の該リストに包含される。
【0015】
本発明は、慣習的なプライミングプロセスを施すことが可能な任意の種子に使用して良好な結果を得ることができる。
【0016】
特に、本発明は、以下の農作物の属の種子に適用可能である:ラッカセイ属(Arachis)、カラスムギ属(Avena)、アブラナ属(Brassica)、ベニバナ属(Carthamus)、ダイズ属(Glycine)、ワタ属(Gossypium)、ヒマワリ属(Helianthus)、オオムギ属(Hordeum)、ドクムギ属(Lolium)、ウマゴヤシ属(Medicago)、イネ属(Oryza)、イチゴツナギ属(Poa)、ライムギ属(Secale)、モロコシ属(Sorghum)、クローバ属(Trifolium)、コムギ属(Triticum)及びトウモロコシ属(Zea)。ライムギ(Triticale)も包含される。農作物の特に好ましい属は以下のものである:アブラナ属(Brassica)、ワタ属(Gossypium)、ヒマワリ属(Helianthus)、イネ属(Oryza)及びトウモロコシ属(Zea)。農作物の最も好ましい属は以下のものである:アブラナ属(Brassica)、ワタ属(Gossypium)及びトウモロコシ属(Zea)。
【0017】
さらに、本発明は、フダンソウ属(Beta)に対して特に適用可能である。テンサイ(Beta vulgaris)に対して、商品名「Advantage」の特定のプライミングプロセスがイミダクロプリド又はテフルトリンによる処理と共存可能であるということが示されている(British Sugar Beet Review, Draycott, A.P. 2006. The advantage of Advantage on sugarbeet? In: British Sugar Beet Review, 74(1), pp 13-17)。
【0018】
フダンソウ属(Beta)は、さらに、本発明が効果を発揮するのに最も好ましい属である。
【0019】
野菜作物に関しては、本発明は、以下のものの種子に特に適用可能である:ネギ属(Allium)、セロリ属(Apium)、アスパラガス属(Asparagus)、アブラナ属(Brassica)、トウガラシ属(Capsicum)、ヒヨコマメ属(Cicer)、キクニガナ属(Cichorium)、キトリルス属(Citrillus)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、チョウセンアザミ属(Cynara)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)、ヒラマメ属(Lens)、インゲンマメ属(Phaseolus)、エンドウ属(Pisum)、ダイコン属(Raphanus)、ナス属(Solanum)(トマトを包含する;トマトは、多くの場合、リコペリシオン・エスクレンツム(Lycopersicon esculentum)としても示される))、ホウレンソウ属(Spinacia)、ノヂシャ属(Valerianella)及びソラマメ属(Vicia)。野菜作物に関して、特に好ましい属は以下のとおりである:ネギ属(Allium)、アブラナ属(Brassica)、トウガラシ属(Capsicum)、キトリルス属(Citrillus)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum)。野菜作物の最も好ましい属は以下のとおりである:ネギ属(Allium)、トウガラシ属(Capsicum)、キュウリ属(Cucumis)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum)。野菜作物の最も好ましいさらなる属は以下のとおりである:ネギ属(Allium)、アブラナ属(Brassica)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum)。
【0020】
特に、本発明は、以下の花作物の属の種子に適用可能である:キンギョソウ属(Antirrhinum)、ベゴニア属(Begonia)、キク属(Chrysanthemum)、シクラメン属(Cyclamen)、ナデシコ属(Dianthus)、ガザニア属(Gazania)、ガーベラ属(Gerbera)、ツリフネソウ属(Impatiens)、サツマイモ属(Ipomoea)、ハナアオイ属(Lavatera)、ミゾカクシ属(Lobelia)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、クサキョウチクトウ属(Phlox)、サクラソウ属(Primula)、アキギリ属(Salvia)、タゲタ属(Tageta)、クマツヅラ属(Verbena)、ツルニチニチソウ属(Vinca)、スミレ属(Viola)及びヒャクニチソウ属(Zinnia)。特に好ましい花作物は以下のものである:シクラメン属(Cyclamen)、ナデシコ属(Dianthus)、ツリフネソウ属(Impatiens)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、サクラソウ属(Primula)、タゲタ属(Tageta)、クマツヅラ属(Verbena)及びスミレ属(Viola)。最も好ましい花作物は以下のものである:ナデシコ属(Dianthus)、ツリフネソウ属(Impatiens)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、タゲタ属(Tageta)及びクマツヅラ属(Verbena)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
種子に「加水する(hydrating)」は、充分な量の水に短時間浸漬することから、特定量の水を制御下に数週間にわたって添加することまで、種子に水を吸収させる技術の全てを包含する。種子に加水する技術は、従って、一般的にプライミングの概念に包含される技術も包含する。種子プライミングは、発芽の初期イベントを開始するための種子による水の取込(ここで、この種子による水の取込は、幼根が突出できるほど充分ではない)とその後の乾燥であると定義される(McDonald, M.B. 2000. Seed priming. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.)。本文書内における「水」は、水道水、雨水及び蒸留水を包含する全ての種類の水であることができる。水蒸気の形態にある水も包含される。加水処理の結果に影響を与える重要な要素は、持続期間、温度及びプライミング媒体のマトリックポテンシャル又は浸透ポテンシャルである。さらに、光又は暗闇及び酸化の量も、加水方法の結果に影響を与える。
【0022】
加水段階の間に、種子によって水が取り込まれ、それによって、酵素系と別の細胞成分が刺激され、作り出される(McDonald, M.B. 2000. Seed priming. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.)。このようにして、種子は、発芽の第1相をすでに部分的に達成しており、その結果、再度水分を含んだときにより速く発芽する。さらに、加水処理を行うと、全ての種子が成育の同じ段階にあるので、より均一な発芽が得られる。プライミングを実施中に、従って、一般に、加水を行っている間に、促進性の物質(例えば、殺菌剤、生物学的防除用生物及び植物生長調節剤)を添加することによって、種子の性能をさらに強化することができる。プライミング媒体中で良好な状態にある菌類の過度の増殖を防止するために、プライミング処理を実施中に殺菌剤を添加することが可能である。
【0023】
種子プライミングのための何種類かの方法、即ち、ハイドロプライミング(hydropriming)(これは、ドラムプライミングを包含する)、オスモプライミング(osmopriming)及びソリッドマトリックスプライミング(solid matrix priming)が、現在知られている(McDonald, M. B. 2000. Seed priming. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.; Black et al., 2006. The encyclopedia of seeds. Science, technology and uses)。「プライミング」は、「シードコンディショニング(seed conditioning)」と称されることもある。
【0024】
・ ハイドロプライミングには、一般に充分な量の水を供給して、種子に水を短期間で又は低温で取り込ませる方法が包含される。これらの方法は、「浸漬(soaking)」又は「浸漬(steeping)」と称されることもある。短期間で行うか又は低温で行うことにより、発芽が起こらないということが保証される。ハイドロプライミング処理の持続期間は、温度5〜50℃で、0.5〜60時間の範囲内である。好ましい持続期間は、温度10〜30℃で、1〜24時間である。あるいは、好ましい持続期間は、1〜48時間である。ハイドロプライミングについて特に好ましい持続期間は、温度15〜25℃で、4〜16時間である。あるいは、ハイドロプライミングについて特に好ましい範囲は、持続期間4〜32時間、及び、温度15〜20℃である。
【0025】
ハイドロプライミングには、制限された量の水を連続的又は段階的に添加することを含む方法も包含される。この概念の精巧な形態は、ドラムプライミングである。種子を回転するドラムの中に維持し、そのドラムの中で、制限された量の水(又は、水蒸気)を当該種子にゆっくりと添加する。その制限された量の水によって、プライミングの程度を制御する。一般に、ドラムプライミング処理の持続期間は、温度5〜30℃で、1〜21日の範囲内である。好ましい持続期間は、温度10〜30℃で、5〜17日の範囲内である。ドラムプライミングについて特に好ましい持続期間は、15〜25℃の温度範囲で、7〜14日である。
【0026】
・ オスモプライミングでは、種子を浸透性溶液(osmotic solution)にさらす。これは、例えば、吸取紙の上で、又は、容器若しくは(通気されている)カラムの中で、実施することができる。浸透圧調節物質として、多くの場合、ポリエチレングリコール(PEG)が使用される。別のタイプの浸透圧調節物質は、無機塩、例えば、KHPO、KH(PO、KPO、KCL、KNO及びCa(NO(これらの方法は、「ソルトプライミング(saltpriming)」又は「ハロプライミング(halopriming)」と称されることもある)、又は、マンニトールである。浸透圧調節物質は、水ポテンシャルが低いので、種子内への水の取込を制御する。一般に、オスモプライミング処理の持続期間は、温度5〜30℃、浸透ポテンシャル−0.4〜−3.6MPaで、1〜21日の範囲内である。好ましくは、オスモプライミングの持続期間は、温度10〜30℃、浸透ポテンシャル−0.5〜−2.6MPaで、3〜15日である。あるいは、好ましい持続期間は、2〜15日間さらすことである。オスモプライミングについて特に好ましい持続期間は、温度15〜25℃、浸透ポテンシャル−1〜−2MPaで、7〜14日である。あるいは、オスモプライミングについて特に好ましい範囲は、持続期間0.5〜14日、温度15〜20℃、及び、浸透ポテンシャル0.5〜−2.0Mpaである。
【0027】
・ ソリッドマトリックスプライミング(SMP)では、種子を水及び固体担体と混合させる。固体担体の例は、バーミキュライト及び珪藻土シリカ(diatomaceous silica)製品である。水は、種子によって取り込まれ、また、固体粒子表面において吸収される。このようにして、種子による水の取込が制御される。SMPは、粒子様の担体を使用することに加えて、さらに、とりわけ、湿ったタオル、ガンニバッグ、湿った砂、滅菌された堆肥又はプレス泥(press mud)を用いて実施することができる。一般に、SMP処理の持続期間は、温度5〜30℃、浸透ポテンシャル−0.4〜−3.6MPaで、1〜21日の範囲内である。好ましくは、SMPの持続期間は、温度10〜30℃、浸透ポテンシャル−0.5〜−2.6MPaで、3〜15日である。SMPについて特に好ましい持続期間は、温度15〜25℃、浸透ポテンシャル−1〜−2MPaで、7〜14日である。あるいは、SMPについて特に好ましい範囲は、温度15〜20℃、浸透ポテンシャル−1〜−2MPaで、8時間〜7日である。
【0028】
浸透ポテンシャルは測定することが可能であり、SMPプロトコルに対して示すことができるが、種子:担体物質:水の比率を与えることがより一般的である。例えば、種子の寸法、担体物質及び種子の目標とする吸湿程度などに応じて、多くの比率が可能である。種子の量(容積又は重量)を1とした場合、担体物質の量は、例えば、0.25〜3の範囲内であり得る。その場合、水の量は、例えば、0.50〜8の範囲内であり得る。多くの場合、1:2:2.5の種子:担体:水の比率が使用される。あるいは、SMPについて特に好ましい範囲は、温度15〜20℃、種子:担体:水の比率1:2:2.5で、持続期間8時間〜7日である。
【0029】
本発明に包含される他の方法は、加湿及び硬化である。これらの方法は、必ずしも厳密にプライミングについての上記定義に含まれるとは限らないが、種子に加水し及び種子を乾燥させるという概念には包含される。加湿は、湿った空気に種子をさらすという方法である。使用する空気の湿度は、一般に高く、典型的には95〜100%である。この方法は、吸水膨潤によるダメージを非常に受けやすい種子が大きな種に特に適している。硬化は、種子を連続する加水と乾燥のサイクル(典型的には、2〜3回)にさらすという方法であり、同様に、発芽の増進をもたらすことができる。
【0030】
種子に加水した後、その種子に首尾良く且つ実際的に種子処理を施すことを可能とするために、乾燥段階が必要である。その上、乾燥させなければ、化学的種子処理が当該種子に浸透して、種子及びその実生に害を及ぼす可能性がある。好ましくは、該種子は、生体重を基準にして含水量が3〜15%になるまで乾燥させる。一般に、これは、収穫後に乾燥させた後で到達する含水量である。かくして、殆どの場合、種子は、もとの状態になるまで乾燥させて(再度乾燥させて)、加水される前の含水量とする。乾燥に適用可能な、当技術分野で知られている多くの方法(例えば、静止した大気内での乾燥、強制的な空気内での乾燥、流動床内で乾燥、遠心分離による乾燥又は天日乾燥)が存在する(Black et al., 2006. The encyclopedia of seeds. Science, technology and uses)。多くの要因、例えば、周囲の空気の湿度及び温度、当該種子の含水量、関与する植物種、並びに、適切な場合には、空気流などが、種子乾燥プロセスに影響を与える。温風乾燥を含んでいる方法は、多くの場合、商業的種子乾燥において用いられる。一般に、良好な結果は、空気温度20〜50℃及び相対的空気湿度20〜60%において達成される。持続期間は、方法によって大きく左右され、数時間〜数日の範囲内でさまざまである。種子は、さらにまた、人工的な乾燥剤(例えば、シリカゲル又は塩化カルシウム)を用いても乾燥させることができる。
【0031】
種子に加水し及び種子を乾燥させることは、明瞭な有利点に加えて、幾つかの不利点も有している。そのような方法を使用するということは、特殊化された装置と資質を有する人材が必要であることから、明らかに、当該種子に付加的なコストを負わせる。同様に、該方法は、余分な時間の段階を含んでいる。さらに、プライミングされた種子の貯蔵寿命は短くなっているということが知られている(McDonald, M.B. 2000. Seed priming. In: Seed technology and its biological basis. Eds: Black, M. and Bewley, J. D.)。これは、貯蔵及び物流に関連する問題を提起する。部分的には上記理由によって、種子への加水及び種子の乾燥は、テンサイでは適用されるが、トウモロコシ又はカノラなどの体積が大きな作物では今までのところ一般に使用されていない。現在、そのような方法は、リーキ及びニンジンなどの価値が高い野菜作物並びに一部の観賞植物及び芝草種において、より大規模に使用されている(Black et al., 2006. The encyclopedia of 種子. Science, technology and uses)。
【0032】
かくして、種子への加水及び種子の乾燥は、全ての作物において標準的な手順であるわけではない。しかしながら、作物を殺虫剤で処理することは必要であり、種子処理用殺虫剤は、ますます使用されるようになっている。本出願人の発明は、種子の質及び出芽を低減させることなく種子処理中に殺虫剤、殺線虫剤及び殺ダニ剤を含ませる可能性を提供する。化学的種子処理と組み合わされた加水及び乾燥によって、特定の品種の生産力を最大限に利用するための必須条件である速い(典型的には初期の)生長を保護する。さらに、本発明は、多くの作物において、種子処理用殺虫剤を使用する可能性を増大させる。このことは、上記で説明したように、種子処理を使用することが噴霧施用又は顆粒施用を使用することに比較して多くの有利点を有しているという理由により、有利である。本発明によって、化学的種子処理を用いて処理することが可能な種及び品種の数が増大する。以前には、一部の品種は、化学的種子処理の影響を過度に受けやすいという理由で、処理することができなかった。さらに、本出願人の発明は、少なくとも1種類の殺虫性化合物、殺線虫性化合物又は殺ダニ性化合物を含んでいる種子処理として使用される化学物質の開発の可能性を提供する。種子に対するその悪影響に起因して以前は種子処理として使用することが不可能であった特定の活性成分も、現在では含めることができる。
【0033】
以下のグループの殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤用いて、本発明の方法を使用することができる:
グループ(1) アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬(例えば、クロロニコチニル系/ネオニコチノイド系として);
グループ(2) アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬(例えば、カーバメート系及び有機リン酸エステル系として);
グループ(3) ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬(例えば、ピレスロイド系及びオキサジアジン系として);
グループ(4) アセチルコリン受容体モジュレーター(例えば、スピノシン系として);
グループ(5) GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬(例えば、シクロジエン系、有機塩素系及びフィプロール系として);
グループ(6) 塩化物チャンネル活性化薬(例えば、メクチン系として);
グループ(7) 幼若ホルモンミメティクス;
グループ(8) エクジソン作動薬/ディスラプター(例えば、ジアシルヒドラジン系として);
グループ(9) キチン生合成の阻害薬(例えば、ベンゾイル尿素系として);
グループ(10) 酸化的リン酸化の阻害薬、ATPディスラプター(例えば、有機スズ系として);
グループ(11) プロトン勾配を破壊することによる酸化的リン酸化のアンカップラー(例えば、ピロール系及びジニトロフェノール系として);
グループ(12) Site−I 電子伝達阻害薬(例えば、METI系として);
グループ(13) Site−II 電子伝達阻害薬;
グループ(14) Site−III 電子伝達阻害薬;
グループ(15) 昆虫腸管膜の微生物ディスラプター;
グループ(16) 脂肪酸合成の阻害薬(例えば、テトロン酸系及びテトラミン酸系として);
グループ(17) カルボキサミド系;
グループ(18) オクトパミン作用薬;
グループ(19) マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬;
グループ(20) リアノジン受容体活性化薬;
グループ(21) ネライストキシン類似体;
グループ(22) 生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモン;
グループ(23) 作用機序が知られていないか又は特定されていない活性成分(例えば、燻蒸剤、昆虫摂食の選択的阻害薬及びダニ成長の阻害薬として)。
【0034】
グループ(1)〜グループ(23)の活性成分は、市販されているか、又は、「"The Pesticide Manual" (The Pesticide Manual, 13th edition, Editor: CDS Tomlin, British Crop Protection Council, ISBN 1 901396 13 4)」に記載されている。市販されておらず、また、「The Pesticide Manual」に記載もされていない活性成分は、それらのIUPAC名称若しくはCAS名称によって同定されるか、又は、それらの分子式によって同定される。
【0035】
グループ(1)のアセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬には、とりわけ、以下の活性成分が包含される:
(1.1) クロロニコチニル系/ネオニコチノイド系(例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、イミダクロチズ(imidaclothiz):((2E)−1−[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−N−ニトロイミダゾリジン−2−イミン)、AKD 1022:((2E)−1−[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジナン−2−イミン);
(1.2) ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ。
【0036】
グループ(1)の好ましい活性成分は、以下のものである:
(1.1.1) クロチアニジン
(1.1.2) イミダクロプリド
(1.1.3) チアクロプリド
(1.1.4) チアメトキサム
(1.1.5) アセタミプリド
(1.1.6) ジノテフラン
(1.1.7) ニテンピラム
(1.1.8) イミダクロチズ
(1.1.9) AKD 1022。
【0037】
グループ(1)の特に好ましい活性成分、以下のものである:
(1.1.1) クロチアニジン
(1.1.2) イミダクロプリド
(1.1.3) チアクロプリド
(1.1.4) チアメトキサム
(1.1.5) アセタミプリド。
【0038】
グループ(2)のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬には、特に、以下の活性成分が包含される:
(2.1) カーバメート系(例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ホスホカルブ、ピリミカーブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ);
(2.2) 有機リン酸エステル系(例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル,−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(phosphocarb)、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロロビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン)。
【0039】
本発明の方法にとって好ましいアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬は、グループ(2)の以下の活性成分である:
(2.1.1) メチオカルブ
(2.1.2) チオジカルブ
(2.1.3) アルジカルブ
(2.1.4) オキサミル
(2.2.1) エトプロホス
(2.2.2) フェナミホス
(2.2.3) テブピリムホス
(2.2.4) カズサホス
(2.2.5) ホスチアゼート
(2.2.6) クロルピリホス(−メチル/−エチル)。
【0040】
本発明の方法にとって特に好ましいアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬は、グループ(2)の以下の活性成分である:
(2.1.1) メチオカルブ
(2.1.2) チオジカルブ
(2.1.3) アルジカルブ
(2.2.1) エトプロホス
(2.2.2) フェナミホス
グループ(3)のナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬には、以下の活性成分が包含される:
(3.1) ピレスロイド系(例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス,d−トランス)、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−,ベータ−,シータ−,ゼータ−)、シフェノトリン、DDT、デルタメトリン、エムペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−,トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R−異性体)、トラロシトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum));
(3.2) オキサジアジン系(例えば、インドキサカルブ)。
【0041】
本発明の方法にとって好ましいナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬は、グループ(3)の以下の活性成分である:
(3.1.1) ベータ−シフルトリン
(3.1.2) シフルトリン
(3.1.3) デルタメトリン
(3.1.4) テフルトリン
(3.1.5) ビフェントリン
(3.2.1) インドキサカルブ。
【0042】
特に、本発明のためのナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬は、グループ(3)の以下の活性成分である:
(3.1.1) ベータ−シフルトリン
(3.1.2) シフルトリン
(3.1.3) デルタメトリン
(3.1.4) テフルトリン
(3.2.1) インドキサカルブ。
【0043】
グループ(4)のアセチルコリン受容体モジュレーターには、以下の活性成分が包含される:
(4.1) スピノシン系(例えば、スピノサド)。
【0044】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(4)のアセチルコリン受容体モジュレーターの以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(4.1.1) スピノサド
(4.1.2) スピネトラム(これは、XDE−175としても知られている;これは、WO 97/00265A1、US 6001981及び「Pest Manag. Sci. 57, 177-185, 2001」によって知られている化合物であり、式(I):
【0045】
【化1】

で表される)。
【0046】
グループ(5)のGABA制御塩化物チャンネル拮抗薬には、以下の活性成分が包含される:
(5.1) シクロジエン有機塩素系(例えば、カンフェクロル、クロルダン、ガンマ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル);
(5.2) フィプロール系(例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール(vaniliprole))。
【0047】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(5)のGABA制御塩化物チャンネル拮抗薬の以下の活性成分を用いて利用される:
(5.2.1) フィプロニル
(5.2.2) エチプロール。
【0048】
グループ(6)の塩化物チャンネル活性化薬には、以下の活性成分が包含される:
(6.1) メクチン系(例えば、アバメクチン、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシン)。
【0049】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(6)の以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩
(6.1.2) アベルメクチン。
【0050】
グループ(7)の幼若ホルモンミメティクスには、以下の活性成分が包含される:
(7.1) ジオフェノラン、エポフェノナン(epofenonane)、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン(triprene)。
【0051】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(7)の以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(7.1.1) ピリプロキシフェン。
【0052】
グループ(8)のエクジソン作動薬/ディスラプターには、以下の活性成分が包含される:
(8.1) ジアシルヒドラジン系(例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド)。
【0053】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(8)の以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(8.1.1) メトキシフェノジド。
【0054】
グループ(9)のキチン生合成の阻害薬には、以下の活性成分が包含される:
(9.1) ベンゾイル尿素系(例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン(chlofluazuron)、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン);
(9.2) ブプロフェジン;
(9.3) シロマジン。
【0055】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(9)の以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(9.1.1) トリフルムロン
(9.1.2) フルフェノクスロン。
【0056】
グループ(10)の酸化的リン酸化の阻害薬、ATPディスラプター(例えば、有機スズ系として)には、以下の活性成分が包含される:
(10.1) ジアフェンチウロン;
(10.2) 有機スズ系(例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ)。
【0057】
グループ(11)のプロトン勾配を破壊することによる酸化的リン酸化のアンカップラーには、以下の活性成分が包含される:
(11.1) ピロール系(例えば、クロルフェナピル);
(11.2) ジニトロフェノール系(例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC)。
【0058】
グループ(12)のSite−I 電子伝達阻害薬には、以下の活性成分が包含される:
(12.1) METI系(例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド);
(12.2) ヒドラメチルノン;
(12.3) ジコホル。
【0059】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(12)の以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(12.1.1) テブフェンピラド
(12.2.1) ヒドラメチルノン。
【0060】
グループ(13)のSite−II 電子伝達阻害薬には、以下の活性成分が包含される:
(13.1) ロテノン。
【0061】
グループ(14)のSite−III 電子伝達阻害薬には、以下の活性成分が包含される:
(14.1) アセキノシル、フルアクリピリム。
【0062】
グループ(15)の昆虫腸管膜の微生物ディスラプターには、以下の活性成分が包含される:
(15.1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株。
【0063】
グループ(16)の脂肪酸合成の阻害薬には、以下の活性成分が包含される:
(16.1) テトロン酸系(例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン);
(16.2) テトラミン酸系(例えば、シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルカルボネート(スピロテトラマト,CAS Reg.No.:203313−25−1)として)。
【0064】
好ましくは、本発明の方法は、グループ(16)の以下の好ましい活性成分を用いて利用される:
(16.1.1) スピロジクロフェン
(16.1.2) スピロメシフェン
(16.2.1) スピロテトラマト。
【0065】
グループ(17)のカルボキサミド系には、以下のものが包含される:
(17.1) フロニカミド。
【0066】
グループ(18)のオクトパミン作用薬には、以下のものが包含される:
(18.1) アミトラズ。
【0067】
グループ(19)のマグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬には、以下のものが包含される:
(19.1) プロパルギット。
【0068】
グループ(20)のリアノジン受容体活性化薬には、以下の活性成分が包含される:
(20.1) N−[1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−ヨード−N−[2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]−1,2−ベンゼンジカルボキサミド(フルベンジアミド,CAS reg.No.:272451−65−7);
(20.2) リナキシピル(これは、式(II)で表される);
(20.3) シアジピル(cyazypyr)(これは、式(III)で表される;
【0069】
【化2】

【0070】
グループ(21)のネライストキシン類似体には、以下の活性成分が包含される:
(21.1) チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap-sodium)。
【0071】
グループ(22)の生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモンには、以下の活性成分が包含される:
(22.1) アザジラクチン、バシルス属各種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属各種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属各種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属各種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属各種(Verticillium spec.)。
【0072】
グループ(23)の作用機序が知られていないか又は特定されていない活性成分には、以下の活性成分が包含される:
(23.1) 燻蒸剤(例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル);
(23.2) 昆虫摂食の選択的阻害薬(例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン);
(23.3) ダニ成長の阻害薬(例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス);
(23.4) アミドフルメト、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピラフルプロール、ピリダリル、ピリプロール、スルフルラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)、3−メチル−フェニル−プロピルカルバメート(ツマサイドZ)、3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−7−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS reg.No.175972−70−3)及び対応する3−エンド異性体(CAS reg.No.175974−60−5)(比較 WO 96/37494、WO 97/25923)。
【0073】
極めて特に好ましい活性成分は、以下のものである:
(1.1.1) クロチアニジン
(1.1.2) イミダクロプリド
(1.1.3) チアクロプリド
(1.1.4) チアメトキサム
(1.1.5) アセタミプリド
(2.1.1) メチオカルブ
(2.1.2) チオジカルブ
(3.1.1) ベータ−シフルトリン
(3.1.2) シフルトリン
(3.1.3) デルタメトリン
(3.1.4) テフルトリン
(3.2.1) インドキサカルブ
(4.1.1) スピノサド
(4.1.2) スピネトラム
(5.2.1) フィプロニル
(5.2.2) エチプロール
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩
(6.1.2) アベルメクチン
(16.1.1) スピロジクロフェン
(16.1.2) スピロメシフェン
(16.2.1) スピロテトラマト
(20.1) フルベンジアミド
(20.2) リナキシピル
(20.3) シアジピル。
【0074】
最も特に好ましい活性成分は、以下のものである:
(1.1.1) クロチアニジン
(1.1.2) イミダクロプリド
(1.1.4) チアメトキサム
(2.1.1) メチオカルブ
(2.1.2) チオジカルブ
(3.1.1) ベータ−シフルトリン
(3.1.4) テフルトリン
(4.1.1) スピノサド
(4.1.2) スピネトラム
(5.2.1) フィプロニル
(5.2.2) エチプロール
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩
(6.1.2) アベルメクチン
(16.2.1) スピロテトラマト
(20.2) リナキシピル
(20.3) シアジピル。
【0075】
本発明の好ましい態様、特に好ましい態様又は最も特に好ましい態様は、本発明の根底にある技術的な問題を解決する実施形態を実現するために、いずれを組み合わせることもできる。
【0076】
処理された種子の発芽及び活力に対する、種子処理の悪影響と、種子への加水及び種子の乾燥による好ましい効果は、数種類の実験において評価することができる。そのような実験は、典型的には、4種類の処理を含んでいる:対照処理;少なくとも1種類の殺虫活性成分、殺線虫活性成分又は殺ダニ活性成分を含んでいる種子処理のみ;加水及び乾燥処理のみ;並びに、当該種子処理が加えられる前に加水及び乾燥された種子を含んでいる処理(「組合せ処理」)。典型的には、対照種子は、手を加えていない種子として定義される(ここで、該種子は、洗浄及び分類されるが、先に説明したようなどのようなタイプの加水及び乾燥処理にもさらされていない)。化学的種子処理が1種類の殺虫性化合物、殺ダニ性化合物若しくは殺線虫性化合物又は2種類以上の殺虫性化合物、殺ダニ性化合物若しくは殺線虫性化合物の組合せのみを含んでいる場合、そのような全ての処理に、殺菌剤(例えば、チウラム)を殺菌剤種子処理として加えることができる。種子処理による悪影響は、対照種子の発芽及び/又は活力と比較した、化学的処理「のみ」を受けた種子の発芽及び/又は活力の低下として定義される。処理された種子の発芽及び活力に対する加水及び乾燥の好ましい効果は、加水及び乾燥された状況において種子処理の悪影響が低減されているか又は存在していないものとして定義される。
【0077】
上記実験は、とりわけ研究所内の人工気象室、温室又は発芽室の中で、制御された条件下において実施することが可能であり、また、圃場においても実施することができる。制御された条件下において、発芽試験、例えば、ISTA(International Seed Testing Association)ハンドブックに記載されているような発芽試験、及び、活力試験(vigour test)として当技術分野で一般に知られている試験を実施することができる(ISTA, 2005. International rules for seed testing; AOSA, 1973. Seed vigor testing handbook. Contribution no. 32 to the handbook on seed testing. Association of Official Seed Analysts (AOSA))。典型的には、発芽試験は、濾紙又は吸取紙の上又は間での試験、並びに、砂、堆肥又は土壌の上/中での試験を含んでいる。水分、温度及び光の状況は、発芽に最適なものである(例えば、以下のものを参照されたい:ISTA, 2005. International rules for seed testing)。一般に、発芽試験における実生は、全ての基本的な構造が認識されたときに評価する。次いで、例えばISTAガイドラインに準じて、「正常に」発芽した全ての実生の数を数える。さらに、異常な種子、多胚種子又は死んだ種子の数も記録する。典型的には、このタイプの評価は、発芽過程の間に少なくとも2回実施する:全ての基本的な構造が認識されたときに行う第1回目、及び、最終的な計数。最終的な計数の時期は、植物種及び周囲条件に依存する。一般に、最終的な計数は、播種してから5〜60日後に行う。上記で説明した実生の評価に代わるものとして、全ての処理のいずれにおいてもいずれかの実生が種皮又は果皮を突き出した時点から、当該処理において発芽を評価することができる。その後、発芽の速度に応じて、1日おきに、1日に1回又は1日に複数回、計数することができる。このような方法で、発芽の全過程を評価することができる。
【0078】
活力試験は、種子の活力を評価するために行う。これは、広範な圃場条件下で速く均一に出芽して正常な実生が成育する能力に関連した種子の特性について示す概念である。そのような試験の結果は、最適な条件下における標準的な発芽試験よりも、圃場における種子の性能を良好に予測するものである(ISTA, 2005. International rules for seed testing; AOSA, 1973. Seed vigor testing handbook. Contribution no. 32 to the handbook on seed testing. Association of Official Seed Analysts (AOSA))。特殊な活力試験は、ストレス試験である。そのようなストレス試験においては、吸水膨潤の前又は発芽中のいずれかに、種子にストレスを加える。ストレス試験においては、底土は、砂又は人工底土(例えば、ココナッツ繊維)から本物の耕地土壌までさまざまであり得る。さらに、又は、加えて、気候条件は、最適であるものとして一般に受け入れられているものよりも、高いか又は低い。活力ストレス試験のよく知られている例は、多くの場合トウモロコシ種子に対して実施される寒冷負荷試験(cold test)である。この試験においては、種子は耕地土壌に播種し、7日間10℃の温度(低温相)で維持する。その後、その種子を25℃でさらに7日間維持した後、最大発芽及び実生の質について評価する(Jonitz, A and Leist, N. 2003. Pflantzenschutz-Nachrichten Bayer, 56(1), pp 173-207)。活力試験に関しても、2つの特定の時点において発芽を計数することが可能であり、さらには、発芽過程の全体像を構築するためにその2つの特定の時期の間の多くの時点で計数することも可能である。底土で覆われた種子の場合、全ての処理における出芽の計数は、関与する処理のいずれにおいても、いずれかの出芽する実生がその底土の上に認識されるようになった時点から開始することができる。その後、出芽の進行に応じて、出芽を頻繁に計数することができる。最後の計数の時点で、その実生を、実生が申し分のない植物になるまでさらに成育し得るか否かを示す区分に分類することができる。本文書においては、これらの区分は、活力区分(vitality classes)と称される。実生は、正常、僅かな損傷又は異常として分類される。発芽しなかったか又は出芽しなかった種子は、死んだ種子として分類される。
【0079】
制御された条件下での実験に加えて、試験は、圃場においても実施することができる。殆どの場合、圃場においてはそれほど最適条件ではないので、出芽は、制御された条件下における特定の種についての最初の計数よりももっと後の段階で計数するか又はもっと後の段階から計数を始める。実生の活力の評価に加えて、その作物の生育期の終わりに、収量も評価することができる。
【0080】
本発明による殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤は、それらの特定の物理的及び/又は化学的特性に応じて、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤(powders)、粉剤(dusts)、泡剤(foams)、ペースト剤、可溶性粉末剤(soluble powders)、粒剤、エーロゾル剤、サスポエマルション製剤、活性化合物を含浸させた天然物質及び合成物質、ポリマー物質及び種子用コーティング組成物中にマイクロカプセル化したもの、並びに、ULV冷煙霧製剤(cool fogging formulation)及びULV温煙霧製剤(warm fogging formulation)などの慣習的な製剤に変換することができる。
【0081】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、上記活性化合物又は活性化合物組合せを増量剤(即ち、液体溶媒、加圧下の液化ガス及び/又は固体担体)と混合させることにより、製造する。
【0082】
使用する増量剤が水である場合、例えば有機溶媒を、補助溶媒として使用することもできる。本質的に、適切な液体溶媒は以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド、又は、水。
【0083】
液化したガス増量剤又は担体は、大気圧下、標準温度では気体である液体、例えば、エーロゾルの噴射剤、例えば、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などを意味するものと理解される。
【0084】
適切な固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、粉砕された合成鉱物、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及びシリケートなどである。粒剤に適した固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、軽石、大理石、海泡石及び苦灰石、又は、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、有機材料(例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄など)からなる顆粒などである。
【0085】
適切な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、又は、タンパク質加水分解産物などである。適切な分散剤は、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0086】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、並びに、合成リン脂質などを使用することができる。別の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0087】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0088】
商業用の製剤から調製した使用形態の上記活性化合物の含有量は、広い範囲内で変えることができる。昆虫類及びコナダニ類などの害虫を防除するするための使用形態における活性化合物の濃度は、0.0000001〜95重量%の活性化合物であることができ、好ましくは、0.0001〜25重量%である。施用は、その使用形態に適合させた方法で行う。
【実施例】
【0089】
この節における実施例では、加水されていない状況において発芽及び活力に対して悪影響を有する少なくとも1種類の殺虫性化合物、殺線虫性化合物又は殺ダニ性化合物を含んでいる種子処理で種子をコーティングする前に種子に加水すること及び種子を乾燥させることの好ましい効果について示す。典型的には、該実験は、本特許において主張されている効果を一緒になって示す4種類の処理を含んでいる:対照種子;種子処理のみによってコーティングされている種子;種子への加水と種子の乾燥のみ;種子への加水と種子の乾燥の後で、示されている種子処理によるコーティング。以下の表は、発芽及び活力又は関連する変数に関するデータを含んでいる。特定の変数についての平均データに加えて、以下の表は、加水されていない状況に関連した2種類の処理の間の変数の平均値の絶対差及び加水されている状況に関連した2種類の処理の間の変数の平均値の絶対差も含んでいる(これは、行ヘッダーにおいて、「d」を用いて示されている;例えば、「dEmg」)。これらの差は、加水されていない状況と加水されている状況における種子処理の影響の方向と大きさを示している。両方の状況において、種子処理による悪影響はマイナス記号(−)で示され、加水されている状況において特定の変数に対する悪影響が存在していない場合はプラス記号(+)で示されている。該実施例は、特定の変数に対する種子処理の悪影響が、加水されずに乾燥されている状況と比較して、加水及び乾燥されている状況では小さいか又は存在していないということを示している。
【0090】
実施例1
種子処理用殺虫剤Gaucho(これは、活性成分イミダクロプリドを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のトマト(Lycopersicon esculentum;品種「Tristar」)種子の出芽に対する影響について、人工気象室内で調べた。種子には、浸透ポテンシャル−1.0MPa、温度20℃で7日間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングを用いて加水した。加水後、その種子は、もとの状態になるまで乾燥させて、加水される前の含水量とした。Gaucho WS70を、種子1kg当たり100g又は200gの製品の濃度で加えた。その種子処理用製剤を、ポリマー(ポリ酢酸ビニル)を用いて該種子の表面にコーティングした。種子を、トレイ内の鉢植え用土壌と川砂(比率 1:3)の混合物に播種した。1反復当たり50個の種子で3反復を播種した。そのトレイは、連続的に23℃で、明20時間及び暗4時間の光条件に維持した。下記表中のデータは、播種4日後(DAS)における実生の出芽の平均百分率を示している。
【0091】
【表1】

【0092】
実施例2
下記表は、種子処理用殺虫剤Cruiser(これは、活性成分チアメトキサムを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のレタス(Lactuca sativa;品種「Smile」(グリーンオークリーフレタス(green oakleaf lettuce))種子の出芽に対する影響についてのデータを示している。種子には、浸透ポテンシャル−1.5MPa、温度15℃で1日間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングを用いて加水した。加水後、その種子は、もとの状態になるまで乾燥させて、加水される前の含水量とした。全ての種子は、クレーを主成分とするペレット化混合物を用いてペレット化した。得られたペレットの最終的な寸法は、3〜3.5mmの範囲内であった。Cruiser 70WSを、ペレット100,000個当たり115gの濃度で加えた。その種子処理用製剤を、ポリマーを用いて該ペレットの表面にコーティングした。種子を、ココナッツ繊維で満たされているトレイに播種し、バーミキュライトNo.2で覆った。1反復当たり100個の種子で3反復を播種した。最初に、そのトレイを、平均温度2℃で7日間の冷却期間に付した。次に、そのトレイを、それぞれ、明6時間及び暗18時間の間の、15℃と10℃の交互に替わる温度にさらした。下記表に含まれているデータは、7日間の冷却期間が終わってから3日後における実生の出芽の平均百分率を示している。
【0093】
【表2】

【0094】
実施例3
種子処理用殺虫剤Gaucho(活性成分イミダクロプリド)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥の白キャベツ(Brassica oleracea convar. capitata var. alba)種子の出芽に対する影響について、人工気象室内で調べた。この実験は、1種類の品種「Lennox」を用いて実施した。全ての種子は、使用に先立って、商業的温水処理に付した。1:2:2.5の比率の種子:バーミキュライト(No.3):水道水の混合物を使用して、ソリッドマトリックスプライミングによって種子に加水した。その混合物を、回転する容器の中に維持した。プライミングされる2種類の時間が含まれていた:8時間のプライミング及び24時間のプライミング。プライミング処理の間の温度は、15℃に維持した。加水後、その種子は、もとの状態になるまで乾燥させて、それらの初期の含水量とした。Gaucho WS70を、種子100,000個当たり115g又は230gの製品の濃度で加えた。その種子処理用製剤を、ポリマーを用いて該種子の表面にコーティングした。種子を、ココナッツ繊維で満たされているトレイに播種した。1反復当たり50個の種子で3反復を播種した。そのトレイは、それぞれ、20℃及び15℃で、明12時間及び暗12時間の光条件に維持した。下記表は、播種5日後における実生の出芽の平均百分率を示している。
【0095】
【表3】

【0096】
実施例4
種子処理用殺虫剤Mundial(これは、活性成分フィプロニルを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥は、タマネギ(Allium cepa;品種「Safari」)種子の発芽に対して好ましい効果を示す。種子を、−2.0MPa、15℃で7日間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)を用いてオスモプライミングに付した。次に、種子をもとの状態になるまで乾燥させて、それらの初期の含水量とした。Mundial(FS製剤;500g/L)を、種子100,000個当たり20mLの製品で加えた。全ての種子は、さらに、殺菌剤で処理した。殺菌剤の以下の混合物を、コーティング混合物の中に添加した:種子1kg当たり、チウラム2.3g+カルベンダジム0.86g。その種子処理を、ポリマーを用いて該種子に加えた。種子を、ココナッツ繊維で満たされているトレイに播種した。1反復当たり100個の種子で3反復を播種した。そのトレイは、連続的に30℃で、明18時間及び暗6時間に維持した。下記表中に含まれているデータは、播種5日後における実生の出芽の平均百分率を示している。
【0097】
【表4】

【0098】
実施例5
種子処理用殺虫剤Poncho−beta(これは、活性成分クロチアニジン及びベータ−シフルトリンを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥は、ニンジン(Daucus carota)種子の発芽に対して好ましい効果を示す。種子を、−1.0MPa〜−2.0MPa、15〜20℃で7〜21日間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングに付した。次に、種子をもとの状態になるまで乾燥させて、それらの加水される前の含水量とした。Poncho−beta(FS製剤)を、3種類の濃度(種子100,000個当たり)で加えた。:クロチアニジン7g+ベータ−シフルトリン0.9g;クロチアニジン14g+ベータ−シフルトリン1.8g;及び、クロチアニジン28g+ベータ−シフルトリン3.6g。全ての種子は、さらに、殺菌剤で処理した。殺菌剤の以下の混合物を、コーティング混合物の中に添加した(種子1kg当たり):チウラム1.2g+イプロジオン4g+メタラキシル−M0.33g。その種子処理を、商業用ポリマーを用いて該種子に加えた。発芽試験は、水道水で湿らせた吸取紙の上で実施した。1反復当たり100個の種子で3反復を播種した。その発芽トレイは、それぞれ、30℃及び20℃で、明8時間及び暗16時間の発芽室内に維持した。播種7日後に、該種子について評価した。正常に発芽した(少なくとも、発芽試験についてのISTAガイドラインに準じて正常に発芽した)全ての種子の数を数えた。下記表は、品種「Laguna」及び「Elegance」について、正常に発芽した種子の平均百分率を示している。
【0099】
【表5】


【0100】
実施例6
種子処理用殺虫剤Poncho−beta(これは、活性成分クロチアニジン及びベータ−シフルトリンの混合物を含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥は、さらに圃場においても、ニンジン(Daucus carota)種子の発芽に対して好ましい効果を示す(品種「Laguna」及び「Elegance」)。当該加水方法及びコーティング方法は、実施例5の説明に中に記載されている方法と同様であった。種子100,000個当たりクロチアニジン7gとベータ−シフルトリン0.9gの混合物に関連した処理のみを圃場に播種した。1反復当たり200個の種子で3反復を、屋外の砂質畑土壌に播種した。播種10日後に、初期出芽の数を数えた。
【0101】
【表6】

【0102】
実施例7
種子処理用殺虫剤Gaucho(これは、活性成分イミダクロプリドを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のリーキ(Allium ampeloprasum var. porrum;さらに、「Allium porrum」として分類されることもある)種子の性能に対する影響について調べた。下記表は、品種「Parton」についてのデータを含んでいる。種子に、温度15℃で、ハイドロプライミングによって加水した。プライミングされる2種類の時間について調べた:8時間のプライミング及び32時間のプライミング。ハイドロプライミングに使用した水道水には、連続的に通気した。加水後、その種子は、もとの状態になるまで乾燥させて、それらの加水される前の含水量とした。Gaucho WS70を、種子100,000個当たり32g又は64gの製品の濃度で加えた。その種子処理用製剤を、ポリマーを用いて該種子の表面にコーティングした。種子を、ココナッツ繊維で満たされているトレイに播種した。1反復当たり100個の種子で3反復を播種した。そのトレイは、それぞれ、20℃及び15℃で、明12時間及び暗12時間の光条件で、人工気象室の中に維持した。
【0103】
表7a
この表は、9DAS(播種後日数)における出芽の平均百分率及び18DASにおける最大発芽の平均百分率についてのデータを示している。
【0104】
【表7】

【0105】
表7b
この表は、18DASにおける市場性を有する植物の平均個体数についてのデータを示している。市場性を有する植物の個体数には、活力区分A及びBに指定されている全ての植物が包含される。区分Aには、全ての正常な実生が包含され;区分Bには、僅かに損傷を受けている及び/又は小さい実生が包含される。
【0106】
【表8】

【0107】
実施例8
この実施例は、殺虫性化合物クロチアニジンとベータ−シフルトリンの混合物及び殺虫性化合物クロチアニジンとスピノサドの混合物でコーティングする前に行われる加水及び乾燥のニンジン(Daucus carota;品種「Starca」)種子の性能に対する好ましい効果について示している。種子を、−1.0MPa〜−2.0MPa、15〜20℃で7〜21日間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングに付した。次に、種子をもとの状態になるまで乾燥させて、それらの加水される前の含水量とした。クロチアニジンは、両方の混合物に、種子100,000個当たり7gの濃度で加えた。ベータ−シフルトリン又はスピノサドは、当該混合物に、種子100,000個当たり、それぞれ、0.9g又は3.5gの濃度で加えた。その種子処理用製剤を、ポリマーを用いて該種子の表面にコーティングした。全ての種子は、さらに、殺菌剤で処理した。殺菌剤の以下の混合物を、コーティング混合物の中に添加した(種子1kg当たり):チウラム1.2g+イプロジオン4g+メタラキシル−M0.33g。種子を、ココナッツ繊維で満たされているトレイに播種した。1反復当たり100個の種子で3反復を播種した。そのトレイは、それぞれ、20℃及び15℃で、明12時間及び暗12時間の光条件で、人工気象室の中に維持した。
【0108】
表8a
この表は、播種7日後(DAS)における出芽の平均百分率についてのデータを示している。
【0109】
【表9】

【0110】
表8b
この表は、14DASにおける活力区分Aの実生の平均百分率についてのデータを示している。この区分には、寸法及び子葉に関して正常であり且つ損傷を受けていない全ての実生が包含される。
【0111】
【表10】

【0112】
実施例9
種子処理用殺虫剤Gaucho(これは、活性成分イミダクロプリドを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のリーキ(Allium ampeloprasum var. porrum;さらに、「Allium porrum」として分類されることもある)種子の性能に対する影響について人工気象室内で調べた。この実験は、2種類の品種「Ashton」及び「Shelton」を用いて実施した。種子を、温度15〜22℃で7〜14日間、ドラムプライミングに付し、最終的には、乾燥重量を基準にして、含水量70〜100%に達した。次に、その種子は、もとの状態になるまで乾燥させて、それらの初期の含水量とした。全ての種子は、殺菌剤チウラム(種子1kg当たり、1.5g)で処理した。Gaucho WS70を、種子1kg当たり140gの製品の濃度で加えた。その種子処理用製剤を、ポリマーを用いて該種子の表面にコーティングした。種子を、ココナッツ繊維で満たされているトレイに播種した。1反復当たり50個の種子で3反復を播種した。そのトレイは、それぞれ、20℃及び15℃で、明12時間及び暗12時間の光条件で維持した。
【0113】
この実験には、以下の3種類の処理が含まれていた:対照;Gauchoのフィルムコーティング;加水及び乾燥後におけるGauchoのフィルムコーティング。「加水及び乾燥のみ」の処理は含まれていなかったが、出芽と活力Aの両方に関して、この処理の結果は、最高で100%であり得る。本実験をこの最大の出芽及び活力Aを用いて解釈する場合、この実施例は、さらに、特許請求の範囲を示している。
【0114】
表9a
この表は、使用したリーキの品種に応じて、DAS8又はDAS9における出芽の平均百分率についてのデータを示している。
【0115】
【表11】

【0116】
表9b
この表は、活力区分A(VitA)の実生の平均百分率についてのデータを示している。この区分には、寸法及び子葉に関して正常であり且つ損傷を受けていない全ての実生が包含される。活力についての評価は、品種に応じて、17DAS又は20DASに実施した。
【0117】
ドラムプライミングされた状況における種子処理の悪影響の解釈に関して、両方の品種のプライミングされた対照の全ての実生が活力A(例えば、VitAは100%である)として分類されるということは極めて起こりそうもないということは留意すべきである。従って、両方の品種について、ドラムプライミングされた状況における種子処理の悪影響は、下記表中に示されている最大値よりも小さいということが期待される。
【0118】
【表12】

【0119】
施例10
種子処理用殺虫剤Elado(これは、活性成分クロチアニジン及びベータ−シフルトリンを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のアブラナ(Brassica napus;品種「Talent」)種子の性能に対する影響について温室内で調べた。種子を、−1.0MPa、15℃で20時間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングに付した。次に、種子をもとの状態になるまで乾燥させて、それらの初期の含水量とした。Elado FS480を、種子1kg当たりクロチアニジン10g及びベータ−シフルトリン2gの濃度で加えた。全ての種子は、さらに、殺菌剤チウラム及びジメトモルフ(種子1kg当たり、それぞれ、4g及び5g)で処理した。種子を、圃場から得た砂壌土で満たされているトレイに播種した。1反復当たり50個の種子で3反復を使用した。そのトレイは、連続的に20℃で、明12時間及び暗12時間の光条件で、温室内に維持した。下記表は、播種3日後における出芽の平均百分率についてのデータを示している。
【0120】
【表13】

【0121】
実施例11
種子処理用殺虫剤Prosper(これは、殺虫活性成分クロチアニジン並びに殺菌剤チウラム、カルボキシン及びメタラキシルを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のアブラナ(Brassica napus;品種「Talent」)種子の性能に対する影響について人工気象室内で調べた。種子を、−1.0MPa、15℃で20時間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングに付した。次に、種子をもとの状態になるまで乾燥させて、それらの初期の含水量とした。Prosper FS300を、種子100kg当たりクロチアニジン150g、チウラム150g、カルボキシン70g及びメタラキシル5gの濃度で加えた。プライミングに付していない対照種子及びプライミングに付した対照種子は、どの殺菌剤でも処理しなかった。このようにして、加水されていない状況及び加水されている状況における殺虫剤と殺菌剤の混合物による影響について評価した。種子を、鉢植え用土壌で満たされているトレイに播種した。1反復当たり50個の種子で3反復を使用した。そのトレイは、それぞれ、20℃及び15℃で、明12時間及び暗12時間の光条件で、温室内に維持した。下記表は、播種4日後における出芽の平均百分率についてのデータを示している。
【0122】
【表14】

【0123】
実施例12
種子処理用殺虫剤Cruiser(これは、活性成分チアメトキサムを含んでいる)でフィルムコーティングする前に行われる加水及び乾燥のトウモロコシ(Zea Mays;品種「Agromax」)種子の性能に対する影響について温室内で調べた。種子を、−0.6MPa、15℃で48時間、ポリエチレングリコール(PEG 6000)の通気溶液中でのオスモプライミングに付した。次に、種子をもとの状態になるまで乾燥させて、それらの初期の含水量とした。Cruiser FS350を、穀粒1粒当たり活性成分1.25mgの濃度で加えた。全ての種子は、穀粒1粒当たり活性成分0.62mgの殺菌剤チウラムで処理した。種子を、圃場から得た砂壌土で満たされているトレイに播種した。1反復当たり25個の種子で3反復を使用した。そのトレイは、連続的に20℃で、明12時間及び暗12時間の光条件で、温室内に維持した。下記表は、播種3日後における出芽の平均百分率についてのデータを示している。
【0124】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の殺虫性化合物、殺ダニ性化合物又は殺線虫性化合物を含んでいる種子処理で処理された農作物、野菜作物又は花作物の種子の発芽及び実生の活力を改善する方法であって、第1段階において、該植物の種子に加水し、第2段階において、その種子を乾燥させ、及び、第3段階において、その種子を該種子処理で処理することを特徴とする、前記方法(但し、上記植物がフダンソウ属(Beta)の植物である場合、上記殺虫性化合物、殺ダニ性化合物又は殺線虫性化合物は、イミダクロプリド又はテフルトリンから選択することはできない)。
【請求項2】
前記実生が以下の属:
農作物:ラッカセイ属(Arachis)、カラスムギ属(Avena)、フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、ベニバナ属(Carthamus)、ダイズ属(Glycine)、ワタ属(Gossypium)、ヒマワリ属(Helianthus)、オオムギ属(Hordeum)、ドクムギ属(Lolium)、ウマゴヤシ属(Medicago)、イネ属(Oryza)、イチゴツナギ属(Poa)、ライムギ属(Secale)、モロコシ属(Sorghum)、クローバ属(Trifolium)、コムギ属(Triticum)、ライムギ(Triticale)及びトウモロコシ属(Zea);
野菜作物:ネギ属(Allium)、セロリ属(Apium)、アスパラガス属(Asparagus)、アブラナ属(Brassica)、トウガラシ属(Capsicum)、ヒヨコマメ属(Cicer)、キクニガナ属(Cichorium)、キトリルス属(Citrillus)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、チョウセンアザミ属(Cynara)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)、ヒラマメ属(Lens)、インゲンマメ属(Phaseolus)、エンドウ属(Pisum)、ダイコン属(Raphanus)、ナス属(Solanum)(トマトを包含する;トマトは、多くの場合、リコペリシオン・エスクレンツム(Lycopersicon esculentum)としても示される)、ホウレンソウ属(Spinacia)、ノヂシャ属(Valerianella)及びソラマメ属(Vicia);
花作物:キンギョソウ属(Antirrhinum)、ベゴニア属(Begonia)、キク属(Chrysanthemum)、シクラメン属(Cyclamen)、ナデシコ属(Dianthus)、ガザニア属(Gazania)、ガーベラ属(Gerbera)、ツリフネソウ属(Impatiens)、サツマイモ属(Ipomoea)、ハナアオイ属(Lavatera)、ミゾカクシ属(Lobelia)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、クサキョウチクトウ属(Phlox)、サクラソウ属(Primula)、アキギリ属(Salvia)、タゲタ属(Tageta)、クマツヅラ属(Verbena)、ツルニチニチソウ属(Vinca)、スミレ属(Viola)及びヒャクニチソウ属(Zinnia);
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実生が以下の属:
農作物:フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、ワタ属(Gossypium)、ヒマワリ属(Helianthus)、イネ属(Oryza)及びトウモロコシ属(Zea);
野菜作物:ネギ属(Allium)、アブラナ属(Brassica)、トウガラシ属(Capsicum)、ヒヨコマメ属(Cicer)、キトリルス属(Citrillus)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum)(トマトを包含する;トマトは、多くの場合、リコペリシオン・エスクレンツム(Lycopersicon esculentum)としても示される);
花作物:シクラメン属(Cyclamen)、ナデシコ属(Dianthus)、ツリフネソウ属(Impatiens)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、サクラソウ属(Primula)、タゲタ属(Tageta)、クマツヅラ属(Verbena)及びスミレ属(Viola);から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記実生が以下の属:
農作物:フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、ワタ属(Gossypium)及びトウモロコシ属(Zea);
野菜作物:ネギ属(Allium)、トウガラシ属(Capsicum)、キュウリ属(Cucumis)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum);又は、ネギ属(Allium)、アブラナ属(Brassica)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum);
花作物:ナデシコ属(Dianthus)、ツリフネソウ属(Impatiens)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、タゲタ属(Tageta)及びクマツヅラ属(Verbena);
から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記種子を少なくとも1種類の化合物で処理し、ここで、該化合物が以下の:
(1.1.1) クロチアニジン;
(1.1.2) イミダクロプリド;
(1.1.3) チアクロプリド;
(1.1.4) チアメトキサム;
(1.1.5) アセタミプリド;
(1.1.6) ジノテフラン;
(1.1.7) ニテンピラム;
(1.1.8) イミダクロチズ;
(1.1.9) AKD 1022;
(2.1.1) メチオカルブ;
(2.1.2) チオジカルブ;
(2.1.3) アルジカルブ;
(2.1.4) オキサミル;
(2.2.1) エトプロホス;
(2.2.2) フェナミホス;
(2.2.3) テブピリムホス;
(2.2.4) カズサホス;
(2.2.5) ホスチアゼート;
(2.2.6) クロルピリホス(−メチル/−エチル);
(3.1.1) ベータ−シフルトリン;
(3.1.2) シフルトリン;
(3.1.3) デルタメトリン;
(3.1.4) テフルトリン;
(3.1.5) ビフェントリン;
(3.2.1) インドキサカルブ;
(4.1.1) スピノサド;
(4.1.2) スピネトラム(I);
(5.2.1) フィプロニル;
(5.2.2) エチプロール;
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩;
(6.1.2) アベルメクチン;
(7.1.1) ピリプロキシフェン;
(8.1.1) メトキシフェノジド;
(9.2) ブプロフェジン;
(9.3) シロマジン;
(9.1.1) トリフルムロン;
(9.1.2) フルフェノクスロン;
(10.1) ジアフェンチウロン;
(10.2) アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ;
(11.1) クロルフェナピル;
(11.2) ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC;
(12.1.1) テブフェンピラド;
(12.2.1) ヒドラメチルノン;
(13.1) ロテノン;
(14.1) アセキノシル、フルアクリピリム;
(15.1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株;
(16.1.1) スピロジクロフェン;
(16.1.2) スピロメシフェン;
(16.2.1) シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルカルボネート(スピロテトラマト,CAS−Reg.−No.:203313−25−1);
(17.1) フロニカミド;
(18.1) アミトラズ;
(19.1) プロパルギット;
(20.1) N−[1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−ヨード−N−[2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]−1,2−ベンゼンジカルボキサミド(フルベンジアミド,CAS−Reg.−No.:272451−65−7);
(20.2) リナキシピル(これは、式(II)で表される);
(20.3) シアジピル(cyazypyr)(III);
(21.1) チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap-sodium);
(22.1) アザジラクチン、バシルス属各種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属各種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属各種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属各種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属各種(Verticillium spec.);
(23.1) リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル;
(23.2) 氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン;
(23.3) クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス;
(23.4) アミドフルメト、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピラフルプロール、ピリダリル、ピリプロール、スルフルラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)、3−メチル−フェニル−プロピルカルバメート(ツマサイドZ)、3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−7−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS−reg.−No.175972−70−3)及び対応する3−エンド異性体(CAS−reg.−No.175974−60−5);
から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記種子を少なくとも1種類の化合物で処理し、ここで、該化合物が以下の:
(1.1.1) クロチアニジン;
(1.1.2) イミダクロプリド;
(1.1.3) チアクロプリド;
(1.1.4) チアメトキサム;
(1.1.5) アセタミプリド;
(2.1.1) メチオカルブ;
(2.1.2) チオジカルブ;
(3.1.1) ベータ−シフルトリン;
(3.1.2) シフルトリン;
(3.1.3) デルタメトリン;
(3.1.4) テフルトリン;
(3.2.1) インドキサカルブ;
(4.1.1) スピノサド;
(4.1.2) スピネトラム;
(5.2.1) フィプロニル;
(5.2.2) エチプロール;
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩;
(6.1.2) アベルメクチン;
(16.1.1) スピロジクロフェン;
(16.1.2) スピロメシフェン;
(16.2.1) スピロテトラマト;
(20.1) フルベンジアミド;
(20.2) リナキシピル;
(20.3) シアジピル;
から選択される、請求項1から4に記載の方法。
【請求項7】
前記種子を少なくとも1種類の化合物で処理し、ここで、該化合物が以下の:
(1.1.1) クロチアニジン;
(1.1.2) イミダクロプリド;
(1.1.4) チアメトキサム;
(2.1.1) メチオカルブ;
(2.1.2) チオジカルブ;
(3.1.1) ベータ−シフルトリン;
(3.1.4) テフルトリン;
(4.1.1) スピノサド;
(4.1.2) スピネトラム;
(5.2.1) フィプロニル;
(5.2.2) エチプロール;
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩;
(6.1.2) アベルメクチン;
(16.2.1) スピロテトラマト;
(20.2) リナキシピル;
(20.3) シアジピル;
から選択される、請求項1から4に記載の方法。
【請求項8】
ハイドロプライミング(これは、ドラムプライミングを包含する)、オスモプライミング又はソリッドマトリックスプライミングによって前記種子に加水し、及び、その種子を生体重を基準にして3から15%の含水量になるまで乾燥させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記種子に、温度10から30℃で1から24時間のハイドロプライミング、又は、温度10から30℃で5から17日間のドラムプライミング(drumprimed)、又は、温度10から30℃、浸透ポテンシャル−0.5から−2.6MPaで3から15日間のオスモプライミング(osmoprimed)、又は、温度10から30℃、浸透ポテンシャル−0.5から−2.6MPaで3から15日間のソリッドマトリックスプライミング(primed)によって加水する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記実生が以下の属:
農作物:フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、ワタ属(Gossypium)及びトウモロコシ属(Zea);
野菜作物:ネギ属(Allium)、トウガラシ属(Capsicum)、キュウリ属(Cucumis)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum);又は、ネギ属(Allium)、アブラナ属(Brassica)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum);
花作物:ナデシコ属(Dianthus)、ツリフネソウ属(Impatiens)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、タゲタ属(Tageta)及びクマツヅラ属(Verbena);
から選択され;
温度10から30℃で1から24時間のハイドロプライミング、又は、温度10から30℃で5から17日間のドラムプライミング、又は、温度10から30℃、浸透ポテンシャル−0.5から−2.6MPaで3から15日間のオスモプライミング、又は、温度10から30℃、浸透ポテンシャル−0.5から−2.6MPaで3から15日間のソリッドマトリックスプライミング(solid matrix primed)によって加水し;
及び、
少なくとも1種類の化合物で処理し、ここで、該化合物が以下の:
(1.1.1) クロチアニジン;
(1.1.2) イミダクロプリド;
(1.1.4) チアメトキサム;
(2.1.1) メチオカルブ;
(2.1.2) チオジカルブ;
(3.1.1) ベータ−シフルトリン;
(3.1.4) テフルトリン;
(4.1.1) スピノサド;
(4.1.2) スピネトラム;
(5.2.1) フィプロニル;
(5.2.2) エチプロール;
(6.1.1) エマメクチン安息香酸塩;
(6.1.2) アベルメクチン;
(16.2.1) スピロテトラマト;
(20.2) リナキシピル;
(20.3) シアジピル;
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記実生が以下の属:
フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、ワタ属(Gossypium)及びトウモロコシ属(Zea);
から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記実生が以下の属:
ネギ属(Allium)、トウガラシ属(Capsicum)、キュウリ属(Cucumis)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum);又は、ネギ属(Allium)、アブラナ属(Brassica)、ニンジン属(Daucus)、アキノノゲシ属(Lactuca)及びナス属(Solanum);
から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記実生が以下の属:
ナデシコ属(Dianthus)、ツリフネソウ属(Impatiens)、テンジクアオイ属(Pelargonium)、ペチュニア属(Petunia)、タゲタ属(Tageta)及びクマツヅラ属(Verbena);
から選択される、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2010−520244(P2010−520244A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552099(P2009−552099)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001504
【国際公開番号】WO2008/107097
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】