説明

処理制御ユニット、処理実行ユニット、情報処理装置、制御方法、制御プログラム、および制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】メイン装置およびサブ装置を有する情報処理装置において、メイン装置での処理の実行状況に応じて、メイン装置が実行すべき処理を、サブ装置から制御する。
【解決手段】メイン表示装置210とは独立して動作可能なセンサ付きサブ表示装置230は、メイン表示装置210がメイン側BIOSプログラムP11を実行しながら生成したPOSTコードを取得するとともに、当該取得したPOSTコードが所定値であるか否かを判定するPOSTコード検査部24と、POSTコードが上記所定値であると判定された場合、メイン表示装置210において実行可能な複数のメイン側OSプログラムP21からP23のいずれか1つを実行するように指定するメイン側起動OS指定部25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置にて実行される処理を制御する処理制御ユニット、処理実行ユニット、情報処理装置、制御方法、制御プログラム、および制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートPC(Personal Computer)に代表されるような、携帯型の情報処理装置が種々開発されており、広く普及している。このような情報処理装置では、その操作性の向上を図るために、様々な機能が設けられている。その一例として、メインディスプレイを含むメイン表示装置とは別に、サブディスプレイを含むサブ表示装置を設け、サブ表示装置にて、マウスポインティング操作、テンキー入力操作、メニュー画面表示などを可能とする機能がある。
【0003】
このようなサブ表示装置を搭載したノートPCに関する従来技術が、特許文献1〜4に開示されている。
【0004】
特許文献1では、BIOS(Basic Input Output System)にパスワードが設定されている場合、BIOSは、まず、サブ表示装置およびそのコントローラを表示可能な状態とし、パスワードの入力要求を当該サブ表示装置に表示するように制御する技術が開示されている。
【0005】
特許文献2では、メイン表示装置に表示されているマウスポインタの近くに表示エリアを確保し、当該表示エリアに、サブ表示装置で扱う切り替えメニュー画面を表示する技術が開示されている。
【0006】
特許文献3では、主表示装置に表示される主操作画面を含むデスクトップ全体の画面イメージを、タッチ操作によりマウスポインタの位置を指示する操作画面として、サブ表示装置に表示する技術が開示されている。
【0007】
特許文献4では、ノートPCが備える機能ボタンが操作されたとき、機能を選択するメニューをサブ表示装置に表示するとともに、ユーザがサブ表示装置を操作して、上記メニューからテンキーを選択すると、ユーザ操作可能なテンキーをサブ表示装置に表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−5105号公報(公開日:平成16年1月8日)
【特許文献2】特開2004−5212号公報(公開日:平成16年1月8日)
【特許文献3】特開2004−234504号公報(公開日:平成16年8月19日)
【特許文献4】特開2000−339097号公報(公開日:平成12年12月8日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のノートPCは、メイン表示装置に制御部(具体的には、CPU(central processing unit))が設けられ、サブ表示装置は当該制御部によって制御される構成となっている。
【0009】
そのため、メイン表示装置の処理中に不具合が生じ、メイン表示装置の制御だけでなく、サブ表示装置の表示制御も不可能な状態にある場合、不具合の状況(ステータス)をユーザに提示することができないという問題がある。
【0010】
また、メイン表示装置の動作状況に応じた処理を、サブ表示装置が実行することができないという問題がある。具体例を挙げれば、メイン表示装置の起動処理に不具合がある場合、サブ表示装置にてその旨を表示したり、上記起動処理に不具合が無い場合、メイン表示装置が起動するOS(Operating System)をサブ表示装置から指定するといった処理を行うことができない。
【0011】
上記問題点を解決するために、メイン表示装置およびサブ表示装置のそれぞれが制御部を備える構成とし、サブ表示装置からメイン表示装置の動作状況を参照したり、メイン表示装置の動作状況に応じて、サブ表示装置からメイン表示装置を制御することが考えられる。このようなノートPCは、上述した特許文献1〜4には開示されていない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、メイン装置およびサブ装置を有する情報処理装置において、メイン装置での処理の実行状況に応じて、メイン装置が実行すべき処理を、サブ装置から制御することができる処理制御ユニット、処理実行ユニット、情報処理装置、制御方法、制御プログラム、および制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る処理制御ユニットは、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、第2処理を実行する処理実行ユニットと通信可能であり、上記処理実行ユニットとは独立して動作可能な処理制御ユニットであって、上記生成された上記実行状況情報を上記処理実行ユニットから取得するとともに、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定する実行状況判定手段と、上記実行状況判定手段が、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記処理実行ユニットにおいて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを上記第2処理として実行するように、上記処理実行ユニットに対して指定する実行指定手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係る処理制御ユニットの制御方法は、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、第2処理を実行する処理実行ユニットと通信可能であり、上記処理実行ユニットとは独立して動作可能な処理制御ユニットの制御方法であって、上記生成された上記実行状況情報を上記処理実行ユニットから取得するとともに、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定する実行状況判定ステップと、上記実行状況判定ステップにて、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記処理実行ユニットにおいて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを上記第2処理として実行するように、上記処理実行ユニットに対して指定する実行指定ステップとを含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、上記実行状況情報を処理実行ユニットから取得し、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定することができる。また、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記複数の候補処理のいずれか1つを、処理実行ユニットにて第1処理の後に実行される第2処理として指定することができる。
【0016】
よって、処理制御ユニットは、処理実行ユニットが実行している第1処理の実行状況が所定の状況である場合に、処理実行ユニットが実行可能な複数の候補処理のうちの1つを第2処理として指定することできる。
【0017】
したがって、処理制御ユニットは、処理実行ユニットでの前段処理(第1処理)の実行状況に応じて、処理実行ユニットが実行する後段処理(第2処理)を制御することができるという効果を奏する。
【0018】
なお、処理制御ユニットは、処理実行ユニットとは独立して動作可能であるので、処理実行ユニットでの前段処理(第1処理)の実行結果に依存することなく、処理制御ユニットから上記実行状況を確認することができる。そのため、処理実行ユニットでの前段処理(第1処理)中に何らかの不具合が生じた場合であっても、処理制御ユニットから処理実行ユニットでの処理の実行状況を確認することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る処理制御ユニットは、上記の構成において、上記実行指定手段は、さらに、上記複数の候補処理のそれぞれを示す候補処理情報を、上記処理実行ユニットから取得する候補処理情報取得手段を備え、上記実行指定手段は、上記取得した候補処理情報のいずれか1つを指定する情報を、上記処理実行ユニットに送信する構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、さらに、上記複数の候補処理のそれぞれを示す候補処理情報を、処理実行ユニットから取得することができる。そして、上記取得した候補処理情報で示される候補処理のいずれか1つを、処理実行ユニットに送信することができる。
【0021】
よって、処理制御ユニットは、処理実行ユニットから取得した候補処理情報のいずれか1つを上記処理実行ユニットに送信することにより、処理実行ユニットに実行させる第2処理を指定することができる。
【0022】
したがって、処理制御ユニットは、第2処理として指定可能な候補処理を、予め知らなくても、第2処理を指定することができるという効果を奏する。
【0023】
さらに、本発明に係る処理制御ユニットは、上記の構成において、上記実行指定手段は、さらに、上記候補処理情報取得手段が取得した候補処理情報をユーザに提示するともに、上記提示した候補処理情報のいずれか1つをユーザに選択させる候補処理選択手段を備え、上記実行指定手段は、上記選択させた上記候補処理情報を指定する情報を、上記処理実行ユニットに送信する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、さらに、候補処理情報をユーザに提示するともに、上記提示した候補処理情報のいずれか1つをユーザに選択させることができる。そして、上記選択させた候補処理情報を、処理実行ユニットに送信することができる。
【0025】
よって、ユーザに選択させた候補処理をユーザが処理実行ユニットに実行させることができる。
【0026】
したがって、複数の候補処理のうち、ユーザが選択したものを、処理実行ユニットに実行させることができるという効果を奏する。
【0027】
さらに、本発明に係る処理制御ユニットは、上記の構成において、上記実行指定手段は、上記候補処理選択手段が上記提示した上記候補処理情報が、所定時間内に選択されない場合、所定の上記候補処理情報を指定する情報を、上記処理実行ユニットに送信する構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、さらに、所定時間内に候補処理情報がユーザに選択されない場合、所定の候補処理情報を、処理実行ユニットに送信することができる。
【0029】
よって、候補処理情報がユーザに選択されなくても、処理実行ユニットに第2処理を実行させることができる。
【0030】
したがって、処理実行ユニットが、いつまでも第2処理の実行開始待ちになることを防止することができるという効果を奏する。
【0031】
さらに、本発明に係る処理制御ユニットは、上記の構成において、上記処理実行ユニットは、BIOSを上記第1処理として実行した後、自ユニットにて実行可能な複数のオペレーティングシステムのいずれか1つを上記第2処理として実行するものであって、
上記実行指定手段は、上記オペレーティングシステムのいずれか1つを上記第2処理として指定する構成としてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、さらに、上記処理実行ユニットは、第1処理であるBIOSの実行後、オペレーティングシステムを第2処理として実行するものであり、処理制御ユニットは、第2処理として上記オペレーティングシステムを指定することができる。
【0033】
よって、処理実行ユニットにてBIOSが生成する実行状況情報が所定値である場合、処理制御ユニットから、処理実行ユニットにて起動させるオペレーティングシステムを指定することができる。
【0034】
なお、この場合、実行状況情報とは、具体的には、BIOSを実行することによって出力されるPOST(Power On Self Test)コードであり、その値が、POST処理の正常終了を示すものである場合、処理制御ユニットは、処理実行ユニットにて起動させるオペレーティングシステムを指定する。
【0035】
上記課題を解決するために、本発明に係る処理実行ユニットは、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、自ユニットにて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを第2処理として実行する、処理制御ユニットと通信可能な処理実行ユニットであって、上記実行状況情報を読み出し可能な処理制御ユニットから上記第2処理の実行の指定を受け付けるとともに、上記第1処理の後、当該指定された上記第2処理を実行する実行制御手段とを備えることを特徴としている。
【0036】
また、本発明に係る処理実行ユニットの制御方法は、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、自ユニットにて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを第2処理として実行する、処理制御ユニットと通信可能な処理実行ユニットの制御方法であって、上記実行状況情報を読み出し可能な処理制御ユニットから上記第2処理の実行の指定を受け付けるとともに、上記第1処理の後、当該指定された上記第2処理を実行する実行制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、第1処理が実行され、所定の上記実行状況情報を生成した後、処理制御ユニットから指定された上記第2処理を実行することができる。
【0038】
よって、処理実行ユニットは、第1処理の実行状況が所定の状況に達した場合、処理制御ユニットからの指示に応じて第2処理を実行することできる。
【0039】
したがって、処理実行ユニットは、前段処理(第1処理)の実行状況に応じて、処理制御ユニットからの指定された後段処理(第2処理)を実行することができるという効果を奏する。
【0040】
なお、処理制御ユニットは、処理実行ユニットとは独立して動作可能であるので、処理実行ユニットでの前段処理(第1処理)の実行結果に依存することなく、処理制御ユニットから上記実行状況を確認することができる。そのため、処理実行ユニットでの前段処理(第1処理)中に何らかの不具合が生じた場合であっても、処理制御ユニットから処理実行ユニットでの処理の実行状況を確認することができる。
【0041】
さらに、本発明に係る処理実行ユニットは、上記の構成において、上記第1処理の実行後、所定時間内に上記処理制御ユニットが上記第2処理を指定しない場合、上記実行制御手段は、所定の上記第2処理を実行する構成としてもよい。
【0042】
上記の構成によれば、さらに、所定時間内に処理制御ユニットが第2処理を指定しない場合、所定の第2処理を実行することができる。
【0043】
よって、第1処理の実行後、第2処理が指定されなくても、処理実行ユニットは第2処理を実行することができる。
【0044】
したがって、処理実行ユニットが、いつまでも第2処理の実行開始待ちになることを防止することができるという効果を奏する。
【0045】
本発明に係る情報処理装置は、上記処理制御ユニットと、上記処理実行ユニットとが有線接続されてなることを特徴としている。
【0046】
上記情報処理装置は、上記処理制御ユニットおよび上記処理実行ユニットと同様の効果を奏する。
【0047】
なお、上記処理制御ユニットおよび上記処理実行ユニットは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記処理制御ユニットおよび上記処理実行ユニットをコンピュータにて実現させる上記表示装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明に係る処理制御ユニットは、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、第2処理を実行する処理実行ユニットと通信可能であり、上記処理実行ユニットとは独立して動作可能な処理制御ユニットであって、上記生成された上記実行状況情報を上記処理実行ユニットから取得するとともに、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定する実行状況判定手段と、上記実行状況判定手段が、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記処理実行ユニットにおいて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを上記第2処理として実行するように、上記処理実行ユニットに対して指定する実行指定手段とを備えている。
【0049】
また、本発明に係る処理制御ユニットの制御方法は、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、第2処理を実行する処理実行ユニットと通信可能であり、上記処理実行ユニットとは独立して動作可能な処理制御ユニットの制御方法であって、上記生成された上記実行状況情報を上記処理実行ユニットから取得するとともに、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定する実行状況判定ステップと、上記実行状況判定ステップにて、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記処理実行ユニットにおいて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを上記第2処理として実行するように、上記処理実行ユニットに対して指定する実行指定ステップとを含んでいる。
【0050】
よって、処理制御ユニットは、処理実行ユニットが実行している第1処理の実行状況が所定の状況である場合に、処理実行ユニットにて実行させる第2処理を指定することできる。
【0051】
したがって、処理制御ユニットは、処理実行ユニットでの前段処理(第1処理)の実行状況に応じて、処理実行ユニットが実行する後段処理(第2処理)を制御することができるという効果を奏する。
【0052】
また、本発明に係る処理実行ユニットは、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、自ユニットにて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを第2処理として実行する、処理制御ユニットと通信可能な処理実行ユニットであって、上記実行状況情報を読み出し可能な処理制御ユニットから上記第2処理の実行の指定を受け付けるとともに、上記第1処理の後、当該指定された上記第2処理を実行する実行制御手段とを備えている。
【0053】
また、本発明に係る処理実行ユニットの制御方法は、第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、自ユニットにて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを第2処理として実行する、処理制御ユニットと通信可能な処理実行ユニットの制御方法であって、上記実行状況情報を読み出し可能な処理制御ユニットから上記第2処理の実行の指定を受け付けるとともに、上記第1処理の後、当該指定された上記第2処理を実行する実行制御ステップとを含んでいる。
【0054】
よって、処理実行ユニットは、第1処理の実行状況が所定の状況に達した場合、処理制御ユニットからの指示に応じて第2処理を実行することができる。
【0055】
したがって、処理実行ユニットは、前段処理(第1処理)の実行状況に応じて、処理制御ユニットからの指定された後段処理(第2処理)を実行することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の一実施形態について図1から図17に基づいて説明すると以下の通りである。
【0057】
(発明の概要)
本発明の概要は、メイン表示装置(処理実行ユニット)210で実行される第1処理の実行状況が所定の状況である場合に、メイン表示装置210にて実行可能な第2処理を、メイン表示装置とは独立して動作可能なセンサ付きサブ表示装置(処理制御ユニット)230から指定することである。本実施形態では、特に、メイン表示装置210の電源投入直後のBIOS(Basic Input Output System)の実行状況が所定の状況である場合に、メイン表示装置210にて実行可能なOS(Operating System)の起動処理を、センサ付きサブ表示装置230から指定するケースを例に挙げて説明する。なお、メイン表示装置210は、自装置で実行可能な複数のOSがインストールされており、そのうちのいずれか1つを起動するようになっている(マルチブートの状態である)ものとする。
【0058】
まず、メイン表示装置210にセンサ付きサブ表示装置230を装着させた、2画面表示装置(情報処理装置)200の概要について説明し、その後、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230について説明する。
【0059】
(2画面表示装置の概要)
2画面表示装置200は、データの表示が可能な液晶パネル311を備えるメイン表示装置210と、データの表示に加え、近傍の対象物の画像検出が可能なセンサ内蔵液晶パネル301(後述する)を備えるセンサ付きサブ表示装置230とを有する装置である。
【0060】
メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とは、着脱可能な構成となっている。そして、メイン表示装置210にセンサ付きサブ表示装置230が装着されている場合、相互に有線通信可能な状態となり、互いに相手側の装置に「装置間コマンド」を送信することによって、相手側の装置を制御可能な構成となっている。装置間コマンドの詳細については後述する。
【0061】
なお、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、それぞれ、自装置を制御する制御部を備えている。そのため、メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とを分離した状態では、それぞれ単体で動作可能である。
【0062】
図2を参照しながら、2画面表示装置200の具体例について説明する。図2(a)は、2画面表示装置200の具体例を示す模式図である。図示のように、本実施の形態では、2画面表示装置200として、従来のタッチパッドの代わりにセンサ付きサブ表示装置230を内部に備える、ノートPC(Personal Computer)を想定している。この場合、センサ付きサブ表示装置230以外の部分(表示部310やキーボード920を含む部分)が、メイン表示装置210に相当する。なお、図2(a)に示した状態は、メイン表示装置210の内部にセンサ付きサブ表示装置230が装着されている状態である。メイン表示装置210のタッチパッドに相当する部分は透明であり、ユーザは、内部に装着されたセンサ付きサブ表示装置230のセンサ内蔵液晶パネル301を操作できるようになっている。
【0063】
図2(b)は、図2(a)に示したノートPCにおいて、センサ付きサブ表示装置230をメイン表示装置210の内部から取り出して分離した状態を示す模式図である。上述したように、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、それぞれ単体でも動作可能であるので、この状態では、メイン表示装置210は、タッチパッド機能が無いノートPCとして動作することが可能である。また、センサ付きサブ表示装置230は、例えば、センサ内蔵液晶パネル301を備えるリモコンやPDA(Personal Digital Assistant)などとして動作することができる。
【0064】
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
上述したように、センサ付きサブ表示装置230が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、近傍の対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0065】
図3を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図3は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0066】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0067】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0068】
次に、図4(a)および図4(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした場合を例に挙げ、そのタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0069】
図4(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0070】
また、図4(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図4(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0071】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0072】
(メイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の要部構成)
次に、図5を参照しながら、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の要部構成について説明する。図5は、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の要部構成を示すブロック図である。
【0073】
(センサ付きサブ表示装置の要部構成)
まず、センサ付きサブ表示装置230の要部構成について説明する。図示のように、センサ付きサブ表示装置230は、表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、データ処理部730、サブ側主制御部830、記憶部931、一次記憶部932、通信制御部933、有線通信部934、近距離無線通信部935、電界強度検出部936、バッテリー937、および電源切替部938を備えている。
【0074】
表示/光センサ部330は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部330は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。表示/光センサ部330の詳細な構成については後述する。
【0075】
次に、表示/光センサ回路制御部630は、表示/光センサ部330の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。表示/光センサ回路制御部630の詳細な構成については後述する。
【0076】
次に、データ処理部730は、サブ側主制御部830から受信する「サブ表示装置内コマンド」に基づいて、表示/光センサ回路制御部630に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。データ処理部730の詳細な構成については後述する。また、サブ表示装置内コマンドの詳細についても後述する。
【0077】
次に、サブ側主制御部830は、センサ付きサブ表示装置230が備える各部の動作を制御するものである。サブ側主制御部830は、記憶部931に記憶されている各種プログラムを読み出して、センサ付きサブ表示装置230の各部を制御し、センサ付きサブ表示装置230が備える各種機能を実現する。
【0078】
サブ側主制御部830は、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行なわせるために、データ処理部730に対して、サブ表示装置内コマンドおよび表示データを送信する。なお、サブ表示装置内コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該サブ表示装置内コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部730から受信する。
【0079】
また、サブ側主制御部830は、メイン表示装置210からの制御を受け付ける。具体的には、メイン表示装置210のメイン側主制御部810が送信した装置間コマンドを受信し、当該受信した装置間コマンドの種類に応じて、下記(1)から(3)のいずれかに示す処理を実行する。
【0080】
まず、(1)受信した装置間コマンドが、表示/光センサ部330の近傍に位置する対象物のスキャンを行なわせることを指定する「スキャンコマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該受信したスキャンコマンドを、サブ表示装置内コマンドに変換するとともに、当該変換後のサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。なお、上記変換は、スキャンコマンドから「第0」フィールド(後述する)を取り除くことにより行なわれる。
【0081】
なお、サブ側主制御部830は、上記変換後のサブ表示装置内コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つをデータ処理部730から受信した場合、当該受信したデータを、メイン側主制御部810に送信する。
【0082】
次に、(2)受信した装置間コマンドが、表示/光センサ部330に、写真やアイコンなどの画像データの表示を行なわせることを指定する「表示コマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該表示コマンドに指定された情報に基づいて表示データを生成するとともに、当該生成した表示データをデータ処理部730に送信する。
【0083】
次に、(3)受信した装置間コマンドが、所定処理を実行させることを指定する「処理コマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該処理コマンドに指定された所定処理を実行する。
【0084】
サブ側主制御部830が実行する上記所定処理とは、例えば、データ処理部730から得られた画像データに対する文字認識処理や画像処理、センサ付きサブ表示装置230の通信制御部933を用いた通信接続処理やファイル転送処理など、センサ付きサブ表示装置230が有する各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理である。
【0085】
さらに、サブ側主制御部830は、メイン表示装置210に対して所定処理の実行を指示する。具体的には、処理コマンドとしての装置間コマンドを、メイン表示装置210のメイン側主制御部810に送信する。メイン側主制御部810が実行する上記所定処理とは、例えば、メイン表示装置210のOS(Operating System)の起動処理、メイン表示装置210の通信制御部913を用いた通信接続処理やファイル転送処理などの、メイン表示装置210が有する各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理である。
【0086】
なお、表示/光センサ回路制御部630、データ処理部730、およびサブ側主制御部830は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部730は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0087】
次に、記憶部931は、サブ側主制御部830が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部931は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0088】
一次記憶部932は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、サブ側主制御部830が上述の各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用される。
【0089】
次に、通信制御部933は、センサ付きサブ表示装置230が、メイン表示装置210と通信を行なうための有線通信部934、並びに、メイン表示装置210および図示しない外部装置のいずれかと通信を行なうための近距離無線通信部935を制御するものである。
【0090】
すなわち、通信制御部933は、メイン表示装置210から、有線通信部934および近距離無線通信部935のいずれかを介して送信される装置間コマンドおよび各種データをサブ側主制御部830に送信する。また、通信制御部933は、サブ側主制御部830からの指示に応じて、サブ側主制御部830から送信される装置間コマンドおよび各種データを、有線通信部934および近距離無線通信部935のいずれかを介して、メイン表示装置210へ送信する。
【0091】
また、通信制御部933は、近距離無線通信部935を介して、外部装置との間で各種データをやりとりする。
【0092】
有線通信部934は、メイン表示装置210の有線通信部914と接続可能な構成となっている。本実施の形態では、有線通信部934と、メイン表示装置210の有線通信部914とは、USB(universal serial bus)接続されることを想定している。
【0093】
そして、接続時には、有線通信部934は、通信線を用いて、メイン表示装置210の有線通信部914と相互に信号の送受信が可能であるとともに、電力線を用いて、メイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けることができる。そして、メイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けると、有線通信部934は、電源切替部938へ電力を供給する。
【0094】
近距離無線通信部935は、メイン表示装置210の近距離無線通信部915との間、および、外部装置との間で形成される無線通信経路を用いて、相互に通信可能な構成となっている。本実施の形態では、上記無線通信経路に、Bluetooth(登録商標)(以下、単にBluetoothと表記する)通信を適用することを想定している。すなわち、近距離無線通信部935は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行なうことのできる通信部である。なお、上記無線通信経路は、信号の送受信を行なえるものであればよく、IEEE802.11無線やZigBee(登録商標)等を適用してもよい。
【0095】
次に、電界強度検出部936は、サブ側主制御部830からの指示に応じて、近距離無線通信部935が受信する信号の強度(RSSI(Received Signal Strength Indication):受信電界強度)を検出するものである。そして、当該検出の結果を、サブ側主制御部830に送信する。
【0096】
次に、電源切替部938は、有線通信部934がメイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けている場合、センサ付きサブ表示装置230が備える各部に、メイン表示装置210から供給されている電力を供給する。一方、有線通信部934がメイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けていない場合、電源切替部938は、センサ付きサブ表示装置230が備える各部に、バッテリー937の電力を供給する。
【0097】
(メイン表示装置の要部構成)
次に、メイン表示装置210の要部構成について説明する。図示のように、メイン表示装置210は、表示部310、表示回路制御部610、表示データ処理部710、メイン側主制御部810、記憶部911、一次記憶部912、通信制御部913、有線通信部914、近距離無線通信部915、有線/無線ネットワーク通信部916、電源917、操作部919、音声出力部924、および音声入力部925を備えている。
【0098】
表示部310は、データを表示するためのものであって、液晶パネル311、バックライト317、それらを駆動するための周辺回路319を含んで構成される。表示回路制御部610は、周辺回路319を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。表示データ処理部710は、メイン側主制御部810から受信する表示データに基づいて、表示回路制御部610に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、表示部310、表示回路制御部610、および表示データ処理部710は、一般的に知られている技術を用いて構成することができる。
【0099】
次に、メイン側主制御部810は、メイン表示装置210が備える各部の動作を制御するものである。メイン側主制御部810は、記憶部911に記憶されている各種プログラムを読み出して、メイン表示装置210の各部を制御し、メイン表示装置210が備える各種機能を実現する。
【0100】
また、メイン側主制御部810は、センサ付きサブ表示装置230のサブ側主制御部830に装置間コマンドを送信し、センサ付きサブ表示装置230に所定処理を実行させる。なお、装置間コマンドの一つであるスキャンコマンドに「データ種別」(後述する)を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、サブ側主制御部830から受信する。
【0101】
また、メイン側主制御部810は、センサ付きサブ表示装置230のサブ側主制御部830から装置間コマンドの一つである処理コマンドを受信し、当該受信した装置間コマンドに指定された所定処理(OSの起動処理、各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理)を行なう。
【0102】
なお、表示回路制御部610、表示データ処理部710、およびメイン側主制御部810は、それぞれ、CPUおよびメモリ等で構成することができる。
【0103】
次に、記憶部911は、メイン側主制御部810が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部911は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0104】
一次記憶部912は、RAMなどの揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、メイン側主制御部810が上述の各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用される。
【0105】
通信制御部913は、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230と通信を行なうための有線通信部914、センサ付きサブ表示装置230および図示しない外部装置と通信を行なうための近距離無線通信部915、並びに、図示しない外部装置と通信を行なうための有線/無線ネットワーク通信部916を制御するものである。
【0106】
すなわち、通信制御部913は、センサ付きサブ表示装置230から、有線通信部914および近距離無線通信部915のいずれかを介して送信される装置間コマンドおよび各種データをメイン側主制御部810に送信する。また、通信制御部913は、メイン側主制御部810からの指示に応じて、メイン側主制御部810から送信される装置間コマンドおよび各種データを、有線通信部914および近距離無線通信部915のいずれかを介して、センサ付きサブ表示装置230へ送信する。
【0107】
また、通信制御部933は、近距離無線通信部935および有線/無線ネットワーク通信部916のいずれかを介して、外部装置との間で各種データをやりとりする。
【0108】
有線通信部914は、上述したように、センサ付きサブ表示装置230の有線通信部934と接続可能な構成となっており、有線通信部914と、センサ付きサブ表示装置230の有線通信部934とは、USB接続されることを想定している。
【0109】
近距離無線通信部915は、センサ付きサブ表示装置230の近距離無線通信部935との間、および、外部装置との間で形成される無線通信経路を用いて、相互に通信可能な構成となっており、上記無線通信経路には、Bluetooth通信を適用することを想定している。すなわち、近距離無線通信部915は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行なうことのできる通信部である。
【0110】
有線/無線ネットワーク通信部916は、外部の通信ネットワークと通信可能に接続される構成となっており、外部装置との間で通信を行なうものである。上記通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0111】
電源917は、メイン表示装置210が備える各部に電力を供給するものである。また、有線通信部914がセンサ付きサブ表示装置230の有線通信部934と接続されているときは、有線通信部914を介して、センサ付きサブ表示装置230へも電力を供給する。なお、電源のオン/オフは、ユーザが電源スイッチ922を操作することによって、切り替えることができる。
【0112】
次に、操作部919は、メイン表示装置210のユーザの入力操作を受け付けるものである。操作部919は、例えば、キーボード920、スイッチ、マウス、リモコンなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部919は、メイン表示装置210のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号をメイン側主制御部810へ送信する。
【0113】
なお、上記スイッチの例としては、メイン表示装置210の筐体のヒンジ部分に設けられ、筐体の開閉状態を検出するヒンジ部スイッチ921、電源のオン/オフを切り替える電源スイッチ922、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ923などのハードウェアスイッチを想定している。
【0114】
その他、メイン表示装置210は、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部924、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部925を備えている。
【0115】
(センサ付きサブ表示装置の詳細な構成)
次に、図6を参照しながら、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、およびデータ処理部730のより詳細な構成について説明する。図6は、表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、およびデータ処理部730のより詳細な構成を示すブロック図である。
【0116】
まず、表示/光センサ部330のより詳細な構成について説明する。図示のように、表示/光センサ部330は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0117】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0118】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0119】
液晶パネル駆動回路304は、表示/光センサ回路制御部630の液晶パネル制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0120】
光センサ駆動回路305は、表示/光センサ回路制御部630のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0121】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0122】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0123】
バックライト駆動回路308は、表示/光センサ回路制御部630のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0124】
次に、表示/光センサ回路制御部630について説明する。表示/光センサ回路制御部630は、液晶パネル制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0125】
液晶パネル制御部601は、データ処理部730の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部330の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0126】
なお、液晶パネル制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0127】
センサ制御部602は、データ処理部730のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部330の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0128】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0129】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部330のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0130】
次に、データ処理部730について説明する。データ処理部730は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。
【0131】
表示データ処理部701は、サブ側主制御部830から表示データを受信するとともに、液晶パネル制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0132】
センサデータ処理部703は、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0133】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、サブ側主制御部830に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、サブ表示装置内コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0134】
(メイン表示装置の詳細な構成)
上述したように、メイン表示装置210の表示部310および表示回路制御部610は、一般的に知られている技術を用いて構成することができるが、図7を参照しながら、これらの構成例について簡単に説明する。図7は、表示部310および表示回路制御部610の構成例を示すブロック図である。
【0135】
表示部310は、マトリクス状に配置された複数の画素回路38を含む液晶パネル311と、複数の白色LEDを含んでおり、液晶パネル311の背面に配置されるバックライト317と、それらを駆動するための周辺回路319とを含んで構成される。なお、バックライト317は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよいし、LEDに代えて冷陰極管を含むものであってもよい。
【0136】
周辺回路319は、画素回路38を駆動する液晶パネル駆動回路314、および、バックライト317に電源電圧を印加するバックライト駆動回路318を含む。なお、バックライト駆動回路318から電源電圧が印加されると、バックライト317は点灯し、液晶パネル311に光を照射する。
【0137】
次に、表示回路制御部610は、液晶パネル制御部611、バックライト制御部613、および表示データ記憶部614を備えている。
【0138】
液晶パネル制御部611は、表示データ処理部710から表示データを受信するとともに、表示データ処理部710からの指示に従って、液晶パネル駆動回路314に制御信号およびデータ信号を送信し、上記受信した表示データを液晶パネル311に表示させる。なお、液晶パネル制御部611は、表示データ処理部710から受信した表示データを、表示データ記憶部614(VRAMなど)に一次記憶させ、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号を生成する。
【0139】
バックライト制御部613は、表示データ処理部710からの指示に従って、バックライト駆動回路318に制御信号を送信し、バックライト317を駆動させる。
【0140】
(サブ表示装置内コマンド)
次に、図8および図9を参照しながら、サブ側主制御部830からデータ処理部730に送信されるサブ表示装置内コマンドの詳細について説明する。図8は、サブ表示装置内コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図9は、サブ表示装置内コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0141】
図8に示すように、サブ表示装置内コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図9に示す値が指定可能である。
【0142】
「ヘッダ」フィールドは、サブ表示装置内コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。フレームの開始であることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0143】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、センサデータ処理部703からデータを取得するタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0144】
ここで、“センス”は、センサデータ処理部703に対して、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、サブ側主制御部830に送信する。
【0145】
また、“イベント”は、センサデータ処理部703に対して、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、サブ側主制御部830に送信する。
【0146】
また、“オール”は、センサデータ処理部703に対して、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、サブ側主制御部830に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行なう周期と一致する。
【0147】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0148】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものをサブ側主制御部830に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0149】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データをサブ側主制御部830に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。
【0150】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像データのそれぞれをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした領域のそれぞれを部分画像データとして抽出し、サブ側主制御部830に送信する。
【0151】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信したとき、部分画像における代表点を検出し、当該代表点の部分画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。なお、上記代表点とは、例えば、上記部分画像データの中心、上記部分画像データの重心などが挙げられる。
【0152】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像データのそれぞれの代表点を検出し、当該検出された各代表点の、部分画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした各領域の代表点の、各領域における位置を示す代表座標の座標データを、サブ側主制御部830に送信する。
【0153】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、上記代表点の、全体画像データにおける位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。
【0154】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像のそれぞれの代表点の、全体画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした各領域の代表点の、全体画像における位置を示す代表座標の座標データを、サブ側主制御部830に送信する。
【0155】
すなわち、センサ付きサブ表示装置230は、ユーザが指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301をタッチした数に関わらず、該タッチした領域の代表点を検出することができる(多点検出)。そして、該検出された代表点の、部分画像における位置を示す代表座標の座標データ、および、全体画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830にすることができる。
【0156】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0157】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0158】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0159】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行なうことを指定するものである。
【0160】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0161】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、サブ側主制御部830に送信する。
【0162】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、サブ側主制御部830に送信する。
【0163】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0164】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度でサブ側主制御部830に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行なう対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0165】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度でサブ側主制御部830に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0166】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0167】
なお、サブ表示装置内コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0168】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信することとなるが、指やペンなど動きを検出したい場合には、さらに、当該サブ表示装置内コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、この場合には、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記サブ表示装置内コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0169】
また、サブ表示装置内コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0170】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0171】
(装置間コマンド)
次に、図10および図11を参照しながら、装置間コマンドのフレーム構造について説明する。まず、図10は、装置間コマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。図示のように、装置間コマンドは、先頭から順に、「ヘッダ」フィールド、「第0」から「第5」までの各フィールド、および、「予備」フィールドを含んでいる。
【0172】
「ヘッダ」フィールドは、装置間コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。フレームの開始であることが識別可能であれば、ヘッダフィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0173】
次に、「第0」フィールドは、装置間コマンドの種類を識別するための「コマンド識別子」を指定するフィールドである。
【0174】
コマンド識別子の値が“000”である装置間コマンドを、ここでは「スキャンコマンド」と称する。スキャンコマンドは、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230に対して、センサ内蔵液晶パネル301の近傍に位置する対象物のスキャンを行なわせるために、メイン側主制御部810からサブ側主制御部830に送信される。なお、スキャンコマンドを受信したサブ側主制御部830は、スキャンコマンドから第0フィールドを取り除くことによって、スキャンコマンドをサブ表示装置内コマンドに変換するとともに、当該変換後のサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。
【0175】
また、コマンド識別子の値が、“001”である装置間コマンドを、ここでは「表示コマンド」と称する。表示コマンドは、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230に対して、表示/光センサ部330に写真やアイコンなどの画像データの表示を行なわせるために、メイン側主制御部810からサブ側主制御部830に送信される。
【0176】
また、コマンド識別子の値が、“010”である装置間コマンドを、ここでは「処理コマンド」と称する。処理コマンドは、センサ付きサブ表示装置230およびメイン表示装置210のいずれかが、相手側に所定処理を実行させるために、メイン側主制御部810とサブ側主制御部830との間で送受信される。
【0177】
次に、「第1」から「第5」までの各フィールドに指定可能な情報は、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれで異なる。第1から第5までの各フィールドに指定可能な情報については、後述する。
【0178】
次に、「予備」フィールドは、上述した各フィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0179】
なお、上述した各フィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0180】
次に、図11を参照しながら、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報について説明する。図11は、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報を示す説明図である。
【0181】
図示のように、スキャンコマンドでは、第1から第5フィールドに、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、および「スキャン解像度」を指定することができる。なお、スキャンコマンドの第1から第5までの各フィールドに指定可能な情報は、サブ表示装置内コマンドの各フィールドに指定可能な情報と同じである。
【0182】
なお、スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な情報と、サブ表示装置内コマンドの各フィールドに指定可能な情報とを同じにしていることによって、スキャンコマンドを受信したサブ側主制御部830が、メイン側主制御部810から受信したスキャンコマンドの第0フィールドを取り除くだけで、当該受信したスキャンコマンドをサブ表示装置内コマンドに変換することができるようにしている。
【0183】
また、表示コマンドでは、第1および第2フィールドに、「表示個数」、および「表示データ/表示位置」を指定することができる。なお、第3から第5フィールドは使用されない(NULL値である)。
【0184】
また、処理コマンドでは、第1から第3フィールドに、「実行処理種別」、「引数個数」、および「引数情報」を指定することができる。なお、第4および第5フィールドは使用されない(NULL値である)。
【0185】
次に、図12から図14を参照しながら、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する。
【0186】
図12は、スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。図示のとおり、スキャンコマンドの第1から第5までの各フィールドは、サブ表示装置内コマンドの各フィールドと同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0187】
次に、表示コマンドについて説明する。図13は、表示コマンドの第1および第2フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【0188】
表示コマンドの第1フィールド(表示個数)は、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330に表示させるデータの数を指定するフィールドである。つまり、第2フィールド(表示データ/表示位置)に指定する組の数を示すものである。
【0189】
表示コマンドの第2フィールド(表示データ/表示位置)は、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330に表示させる画像データそのものと、当該データの表示位置(座標)との組を示すフィールドである。複数の画像データを表示させる場合、第2フィールドには、上記組を複数指定する。
【0190】
次に、処理コマンドについて説明する。図14は、処理コマンドの第1から第3フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【0191】
処理コマンドの第1フィールド(実行処理種別)は、処理コマンドの送信先の主制御部に実行させる処理(各種アプリケーション、ミドルウェア、OS等)の識別情報を指定するフィールドである。当該識別情報は、処理が識別可能なものであれば、どのような値であってもよい。
【0192】
処理コマンドの第2フィールド(引数個数)は、第1フィールドにて指定した識別情報で示される処理が、起動時または起動後に用いる各種情報(引数)の個数を指定するフィールドである。つまり、第3フィールド(引数情報)に指定するデータの数を示すものである。
【0193】
処理コマンドの第3フィールド(引数情報)は、第1フィールドにて指定した識別情報で示される処理が、起動時または起動後に用いる各種情報(引数)を指定するフィールドである。
【0194】
起動時に用いる情報とは、例えば、第1フィールドにて指定された所定処理の動作モードや、表示領域などを指定するパラメータなどが挙げられる。
【0195】
また、起動後に用いる情報とは、例えば、第1フィールドに文字認識アプリケーションが指定されている場合、当該文字認識アプリケーションが文字認識する対象の画像データなどが挙げられる。また、第1フィールドにファイル転送アプリケーションが指定されている場合、当該ファイル転送アプリケーションが転送する対象のファイルなどが挙げられる。
【0196】
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図15を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図15(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図15(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0197】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0198】
図15(b)に示す画像データでは、図15(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図15(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0199】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0200】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0201】
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図16を参照しながら、センサ付きサブ表示装置230が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図16は、表示/光センサ部330の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0202】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0203】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0204】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0205】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0206】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード6のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード6に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード6に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード6のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0207】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0208】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0209】
走査信号線駆動回路3041は、液晶パネル制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0210】
データ信号線駆動回路3042は、液晶パネル制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0211】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0212】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0213】
(メイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置のより詳細な構成)
次に、図1を参照しながら、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230のより詳細な構成について説明する。図1は、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230のより詳細な構成を示すブロック図である。
【0214】
(メイン表示装置のより詳細な構成)
まず、メイン表示装置210の記憶部911について説明する。図示のように、記憶部911は、メイン側BIOSプログラム(第1処理)P11、メイン側ブートローダーB11、並びに、複数の、メイン側2次ブートローダーおよびメイン側OSプログラムの組(第2処理、候補処理)を記憶している。なお、メイン側2次ブートローダーおよびメイン側OSプログラムの組として、図1では、メイン側2次ブートローダーB21およびメイン側OSプログラムP21、メイン側2次ブートローダーB22およびメイン側OSプログラムP22、メイン側2次ブートローダーB23およびメイン側OSプログラムP23の3組を記憶している。なお、メイン側2次ブートローダーとメイン側OSプログラムとは必ずしも別々のプログラムにする必要はなく、メイン側2次ブートローダーとメイン側OSプログラムとを1つのプログラムにまとめてもよい。
【0215】
なお、メイン側BIOSプログラムP11は、例えばフラッシュメモリ16などに記憶され、メイン側ブートローダーB11、並びに、複数の、メイン側2次ブートローダーおよびメイン側OSプログラムの組は、例えばハードディスク17などに記憶されていることを想定している。また、メイン側2次ブートローダーおよびメイン側OSプログラムの組のそれぞれは、図示のように、所定のパーティション(領域)PA1〜PA3に分けられて記憶されるものとする。なお、通常、少なくともいずれかのパーティションがアクティブに設定されている(起動フラグが立っている)。
【0216】
メイン側BIOSプログラムP11は、メイン表示装置210のBIOS(Basic Input Output System)のプログラムである。メイン表示装置210のBIOSを、以下、メイン側BIOSと称する。メイン側BIOSプログラムP11は、一般的に知られているBIOSのプログラムを想定しており、メイン表示装置210に電力が供給された直後に、メイン側主制御部810によって実行される。メイン側BIOSプログラムP11により行われる処理は、一般的に知られているBIOSのプログラムにより行われる処理と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0217】
なお、メイン側BIOSプログラムP11によって、メイン表示装置210に接続されている各種デバイスの初期化処理(POST:Power On Self Test)が行われる。そして、POST処理中は、その処理経過(実行状況)を示す情報である「POSTコード」(実行状況情報)が生成され、逐次、POSTコード保持部18に出力される。したがって、POSTコード保持部18に出力されたPOSTコードを参照することによって、POST処理の実行状況を知ることができる。POSTコードは、一般的に知られているものであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0218】
なお、POST処理が最後まで正常に終わったときは、その旨を示すPOSTコードがPOSTコード保持部18に出力される。また、POST処理中になんらかの問題が発生した(例えば、あるデバイスの初期化に失敗した等)場合は、POST処理は中断される。当該中断された場合、POSTコード保持部18には、当該中断された時点の処理経過を示すPOSTコードが出力されている。
【0219】
なお、POSTコード保持部18は、POSTコードの値を保持可能であって、当該保持している値が外部から参照可能な回路等であるものとする。POSTコード保持部18は、例えば、マザーボード等に設けられていることを想定している。
【0220】
次に、メイン側ブートローダーB11は、メイン側BIOSプログラムP11によって呼び出されるプログラムである。メイン側ブートローダーB11は、一般的に知られているブートローダーが備える機能を具備しており、メイン側OSプログラムP21〜P23が格納されているディスク等の先頭のセクタ(ブートセクタ)に格納されている。なお、当該セクタは、ハードディスクドライブの場合、一般的に、マスターブートレコード(MBR)と称されるセクタである。
【0221】
なお、メイン側ブートローダーB11は、メイン側主制御部810に読み込まれて実行される。メイン側ブートローダーB11は、参照すべきパーティションを決定し、当該決定したパーティションの先頭のセクタに格納されているメイン側2次ブートローダーを実行する。通常は、アクティブに設定されているパーティションを、参照すべきパーティションとする。なお、各パーティションの先頭のセクタは、一般的には、ボリュームブートレコード(VBR)やパーティションブートレコード(PBR)などと称されるセクタである。
【0222】
次に、メイン側2次ブートローダーB21、B22、B23は、メイン側ブートローダーB11が実行された結果、メイン側主制御部810に読み込まれて実行されるものであって、メイン側OSのプログラムを起動するためのプログラムである。メイン側2次ブートローダーB21、B22、B23は、一般的に知られている2次ブートローダーを想定しており、メイン側OSが格納されているディスク等の各パーティションの先頭のセクタに格納されている。なお、メイン側2次ブートローダーB21、B22、B23の具体例は、LILO(LInux LOader)、GRUB(GRand Unified Bootloader)、Windows(登録商標) Boot Manager、NTLDR(NT Loader)などが挙げられる。
【0223】
なお、メイン側2次ブートローダーが実行されると、当該メイン側2次ブートローダーが格納されているパーティション内に格納されているメイン側OSプログラムが、メイン側主制御部810に読み込まれて、起動される。
【0224】
次に、メイン側OSプログラムP21、P22、P23は、メイン表示装置210のOS(以下、メイン側OS)のプログラムである。メイン表示装置210では、メイン側2次ブートローダーによって、いずれかのメイン側OSのプログラムが起動される。なお、メイン側OSの種類は限定されるものではない。例えば、メイン側OSプログラムP21、P22、P23は、それぞれ、Windows(登録商標) XPのプログラム、Windows(登録商標)Vistaのプログラム、OSを復旧させるためのリカバリのプログラムなどである。
【0225】
なお、メイン側OSプログラムP21、P22、P23には、それぞれ対応するメイン側OSの識別情報が、外部から参照可能に付加されているものとする。
【0226】
次に、メイン側主制御部810について説明する。図示のように、メイン側主制御部810は、メイン側ブートローダー実行部13(実行制御手段)、メイン側2次ブートローダー実行部14、およびメイン側OS起動部15を含んでいる。なお、メイン側2次ブートローダーとメイン側OSプログラムとが1つのプログラムにまとめられている場合は、メイン側2次ブートローダー実行部14とメイン側OS起動部15とを1つに併合してもよい。
【0227】
メイン側ブートローダー実行部13は、メイン側ブートローダーB11がメイン側主制御部810に読み込まれた結果として、動作するものである。メイン側ブートローダー実行部13は、少なくとも、タイムアウト検出部131、および2次ブートローダー起動部132を含んでいる。さらに、センサ付きサブ表示装置230から、メイン表示装置210にて起動可能なメイン側OSの識別情報(候補処理情報)の一覧が要求される場合、メイン側ブートローダー実行部13は、さらに、メイン側OS一覧送信部133を含むように構成される(具体的には、メイン側ブートローダー実行部13がメイン側OS一覧送信部133を含むように、メイン側ブートローダーB11に記述される)。なお、以下では、メイン表示装置210にて起動可能なメイン側OSの識別情報の一覧を、「メイン側OS一覧」と称する。
【0228】
タイムアウト検出部131は、メイン側ブートローダーB11がメイン側主制御部810に読み込まれてから所定時間が経過したことを検出するものである。
【0229】
2次ブートローダー起動部132は、通常、タイムアウト検出部131によって、上記所定時間が経過したことが検出されたことをトリガとして動作し、アクティブに設定されているパーティションを、参照すべきパーティションとして決定する。そして、当該決定したパーティションに格納されているメイン側2次ブートローダー(B11〜B13のいずれか)をメイン側主制御部810に読み込む。
【0230】
ただし、上記所定時間が経過する前に、メイン側ブートローダー実行部13が、センサ付きサブ表示装置230のメイン側起動OS指定部25(後述する)から、通信制御部913を介して、起動すべきメイン側OSの識別情報が指定された処理コマンドを受信した場合、2次ブートローダー起動部132は、当該受信に応じて動作するとともに、当該指定された識別情報に対応するメイン側OSが格納されているパーティションを、参照すべきパーティションとして決定する。
【0231】
次に、メイン側OS一覧送信部133は、メイン側ブートローダー実行部13が、通信制御部913を介して、メイン側OS一覧の要求が指定された処理コマンドを受信した場合、当該受信に応じて動作する。そして、上記要求の応答として、記憶部911から取得したメイン側OSの識別情報を、メイン側OS一覧として、上記処理コマンドの要求元に送信する。
【0232】
このとき、タイムアウト検出部131は、さらに、メイン側OS一覧送信部133が、上記受信した処理コマンドの要求元に、メイン側OS一覧を送信してから所定時間が経過したことを検出する。そして、起動すべきメイン側OSが指示されないまま上記所定時間が経過した場合、2次ブートローダー起動部132が、アクティブに設定されているパーティションに格納されているメイン側2次ブートローダー(B11〜B13のいずれか)をメイン側主制御部810に読み込む。
【0233】
次に、メイン側2次ブートローダー実行部14は、2次ブートローダー起動部132によってメイン側2次ブートローダーB11〜B13のいずれかがメイン側主制御部810に読み込まれて実行された結果として動作するものである。そして、メイン側主制御部810に読み込んだ、メイン側2次ブートローダーと同じパーティション内に格納されているメイン側OSプログラムをメイン側主制御部810に読み込むことによって、メイン側OSを起動する。
【0234】
次に、メイン側OS起動部15は、メイン側2次ブートローダー実行部14によってメイン側OSプログラムP21、P22、P23のいずれかがメイン側主制御部810に読み込まれて実行された結果として動作するものであり、メイン側OSを起動するものである。
【0235】
(センサ付きサブ表示装置のより詳細な構成)
次に、センサ付きサブ表示装置230の記憶部931について説明する。図示のように、記憶部931は、サブ側BIOSプログラムP31、サブ側ブートローダーB31、並びに、サブ側2次ブートローダーB41およびサブ側OSプログラムP41の組を記憶している。なお、サブ側2次ブートローダーB41とサブ側OSプログラムP41とは必ずしも別々のプログラムにする必要はなく、サブ側2次ブートローダーB41とサブ側OSプログラムP41とを1つのプログラムにまとめてもよい。
【0236】
なお、サブ側BIOSプログラムP31は、例えばフラッシュメモリ26などに記憶され、サブ側ブートローダーB31、並びに、サブ側2次ブートローダーB41およびサブ側OSプログラムP41の組は、例えばハードディスク27などに記憶されていることを想定している。また、サブ側2次ブートローダーB41およびサブ側OSプログラムP41の組は、所定のパーティションPA4に記憶されるものとする。
【0237】
サブ側BIOSプログラムP31は、センサ付きサブ表示装置230のBIOS(以下、サブ側BIOS)のプログラムである。サブ側BIOSプログラムP31は、一般的に知られているBIOSのプログラムを想定しており、センサ付きサブ表示装置230に電力が供給された直後に、サブ側主制御部830によって実行される。サブ側BIOSプログラムP31により行われる処理は、一般的に知られているBIOSのプログラムにより行われる処理と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0238】
次に、サブ側ブートローダーB31は、サブ側BIOSプログラムP31によって呼び出されるプログラムである。サブ側ブートローダーB31は、一般的に知られているブートローダーが備える機能を具備しており、サブ側OSプログラムP41が格納されているディスク等の先頭のセクタ(ブートセクタ)に格納されている。
【0239】
なお、サブ側ブートローダーB31は、サブ側主制御部830に読み込まれて実行される。そして、サブ側ブートローダーB31は、パーティションの先頭のセクタに格納されているサブ側2次ブートローダーB41を実行する。
【0240】
次に、サブ側2次ブートローダーB41は、サブ側ブートローダーB31が実行された結果、サブ側主制御部830に読み込まれて実行されるものであって、サブ側OSのプログラムを起動するためのプログラムである。サブ側2次ブートローダーB41は、一般的に知られている2次ブートローダーを想定しており、サブ側OSが格納されているディスク等の各パーティションの先頭のセクタに格納されている。サブ側2次ブートローダーB41は、具体的には、LILO、GRUB、Windows(登録商標) Boot Manager、NTLDRなどである。
【0241】
なお、サブ側2次ブートローダーが実行されると、当該サブ側2次ブートローダーが格納されているパーティション内に格納されているサブ側OSプログラムP41が、サブ側主制御部830に読み込まれて起動される。
【0242】
次に、サブ側OSプログラムP41は、センサ付きサブ表示装置230のOS(以下、サブ側OS)のプログラムである。
【0243】
なお、メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とに同時に電源が投入された場合であっても、メイン表示装置210のOSの起動を、センサ付きサブ表示装置230から指定することを可能とするために、センサ付きサブ表示装置230にてサブ側OSの起動が完了するまでに要する時間は、メイン表示装置210にてメイン側OSの起動が開始されるまでに要する時間よりも、できるだけ短い方が望ましい。そのため、サブ側OSには、Linuxや、Tronなどのように、起動処理に要する時間が比較的短いOSが適している。
【0244】
なお、センサ付きサブ表示装置230がメイン表示装置210に装着されているとき(つまり、メイン表示装置210の有線通信部914とセンサ付きサブ表示装置230の有線通信部934とが接続されているとき)は、上述したように、メイン表示装置210の電源917をオンにすることによって、センサ付きサブ表示装置230へ電力が供給され、その結果、センサ付きサブ表示装置230の各部に電力が供給される。
【0245】
次に、サブ側主制御部830について説明する。図示のように、サブ側主制御部830は、サブ側ブートローダー実行部21、サブ側2次ブートローダー実行部22、サブ側OS起動部23、POSTコード検査部(実行状況判定手段)24、およびメイン側起動OS指定部(実行指定手段)25を含んでいる。なお、POSTコード検査部24、およびメイン側起動OS指定部25は、サブ側OSが起動した後に動作するものである。また、サブ側2次ブートローダーB41とサブ側OSプログラムP41とが1つのプログラムにまとめられている場合は、サブ側2次ブートローダー実行部22とサブ側OS起動部23とを1つに併合してもよい。
【0246】
サブ側ブートローダー実行部21は、サブ側ブートローダーB31がサブ側主制御部830に読み込まれた結果として、動作するものである。サブ側ブートローダー実行部21は、パーティションに格納されているサブ側2次ブートローダーB41をサブ側主制御部830に読み込む。
【0247】
次に、サブ側2次ブートローダー実行部22は、サブ側ブートローダー実行部21によってサブ側2次ブートローダーB41がサブ側主制御部830に読み込まれて実行された結果として動作するものである。そして、サブ側OSプログラムP41をサブ側主制御部830に読み込むことによって起動する。
【0248】
次に、サブ側OS起動部23は、サブ側2次ブートローダー実行部22によってサブ側OSプログラムP41がサブ側主制御部830に読み込まれて実行された結果として動作するものであり、サブ側OSを起動する。
【0249】
次に、POSTコード検査部24は、サブ側OSが起動した直後、メイン表示装置210のメイン側BIOSプログラムP11が出力しているPOSTコードを検査するものである。そのために、POSTコード検査部24は、通信制御部933を介して、メイン表示装置210のPOSTコード保持部18に出力されているPOSTコードを参照する。そして、上記参照したPOSTコードに基づいて、メイン表示装置210のメイン側BIOSプログラムP11が行なっているPOST処理の進行状況を調べ、(A)POST処理が最後まで正常に終わったか、および、(B)POST処理が中断されたか、のいずれかを判断する。
【0250】
具体的には、上記参照したPOSTコードが、POST処理が最後まで正常に終わったことを示す値である場合、POSTコード検査部24は、POST処理は最後まで正常に終わったと判断する。そして、その旨を、メイン側起動OS指定部25に通知する。
【0251】
一方、上記参照したPOSTコードが、POST処理が最後まで正常に終わったことを示す値以外である場合、POSTコード検査部24は、POSTコード保持部18に出力されているPOSTコードを参照する処理を繰り返す。なお、上記繰り返し参照する回数、および、参照する間隔は、予め定めておいてもよいし、所定の計算により決定してもよい。
【0252】
そして、上記繰り返し参照した結果、POSTコードが常に同じ値である場合、POSTコード保持部18に新たにPOSTコードが出力されていないこととなるので、POSTコード検査部24は、POST処理が中断されたと判断する。そして、POSTコード検査部24は、最後に参照したPOSTコードに対応する所定メッセージを表示/光センサ部330に表示させることにより、POST処理が中断されたことをユーザに知らせる。なお、POSTコード検査部24は、上記所定メッセージを含む表示用データを生成し、当該生成した表示用データをデータ処理部730に送信することによって、表示/光センサ部330に上記所定メッセージ表示させる。
【0253】
一方、上記繰り返し参照した結果、POSTコードの値に変化が生じた場合、POSTコード保持部18に新たなPOSTコードが出力されていることとなるので、POST処理は進行中であるとみなす。そこで、この場合は、上記(A)および(B)のいずれかが判断可能となるまで、POSTコード保持部18に出力されているPOSTコードを参照する処理を繰り返す。
【0254】
次に、メイン側起動OS指定部25は、POSTコード検査部24からの通知を受けると、メイン表示装置210に起動させるメイン側OSを指示するために、メイン表示装置210にて起動させるメイン側OSの識別情報を、通信制御部933を介してメイン表示装置210に送信する。
【0255】
より詳細には、メイン側起動OS指定部25は、第1フィールドに、2次ブートローダー起動部132を識別する情報を指定し、第2フィールドに、“1”を指定し、第3フィールドに、メイン表示装置210にて起動させるメイン側OSの識別情報を指定した処理コマンドを、メイン表示装置210に送信する。
【0256】
なお、メイン側OSの識別情報は、予め記憶部931に記憶されていてもよいし、メイン表示装置210に問合せてもよい。メイン表示装置210に問合せる場合は、メイン側起動OS指定部25は、さらに、メイン側OS一覧要求部(候補処理情報取得手段)251を含むように構成される。メイン側OS一覧要求部251は、通信制御部933を介して、メイン表示装置210のメイン側OS一覧送信部133に対して、メイン側OS一覧を要求する。そして、上記要求の応答としてメイン側OS一覧送信部133から送信されるメイン側OS一覧を受信する。
【0257】
なお、メイン側OS一覧を要求するにあたり、メイン側OS一覧要求部251は、第1フィールドに、メイン側OS一覧送信部133を識別する情報を指定し、第2フィールドに、“1”を指定し、第3フィールドに、メイン側OS一覧の返信元としてメイン側OS一覧要求部251の識別情報を指定した処理コマンドを、メイン表示装置210に送信する。
【0258】
また、メイン側起動OS指定部25がメイン表示装置210に起動させるメイン側OSは、所定のルールに基づいて算出して特定してもよいし、ユーザに選択させて特定してもよい。ユーザに選択させる場合は、メイン側起動OS指定部25は、さらに、ユーザ提示処理部(候補処理選択手段)252を含むように構成される。ユーザ提示処理部252は、予め記憶部931に記憶されているメイン側OS一覧、または、メイン側OS一覧要求部251がメイン側OS一覧を受信した場合は、当該受信したメイン側OS一覧を、表示/光センサ部330のセンサ内蔵液晶パネル301に、ユーザが選択可能に表示させるとともに、ユーザが選択したメイン側OSがいずれであるかを特定する。
【0259】
このとき、ユーザ提示処理部252は、上記メイン側OS一覧を含む表示用データを生成し、当該生成した表示用データをデータ処理部730に送信することによって、表示/光センサ部330に上記メイン側OS一覧を表示させる。
【0260】
また、ユーザ提示処理部252は、ユーザがタッチした位置を示す座標データを取得するために、「データ取得タイミング」フィールドに、“イベント”または“オール”を指定し、「データ種別」フィールドに、“座標”を指定したサブ表示装置内コマンドを、データ処理部730に送信する。なお、座標データおよび部分画像データ(部分画像における座標データを含む)の両方を取得したい場合は、「データ種別」フィールドに、“座標”および“部分画像”の両方を指定する。
【0261】
そして、ユーザがセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、センサ内蔵液晶パネル301の光センサ回路32が、ユーザのタッチした指やペンなどの影像および反射像の少なくともいずれかを検知するので、その結果、データ処理部730がセンサ制御部602から受信する画像データに変化が生じる。
【0262】
その結果、データ処理部730は、上記サブ表示装置内コマンドの応答として、座標データをユーザ提示処理部252に送信するので、ユーザ提示処理部252は、データ処理部730から受信した座標データで示される位置と、メイン側OSの識別情報を表示させた位置とに基づいて、ユーザが選択したメイン側OSがいずれであるかを特定することができる。
【0263】
なお、メイン側OS一覧を、表示/光センサ部330のセンサ内蔵液晶パネル301に表示させてから、ユーザからの選択が無いまま所定時間経過したとき、メイン側起動OS指定部25は、メイン表示装置210の2次ブートローダー起動部132に対して、所定のメイン側OSの識別情報を送信することによって、メイン表示装置210に起動させるメイン側OSを指示する。所定のメイン側OSは、予め定められたものでもよいし、所定の演算によって決定されたものでもよい。
【0264】
(メイン表示装置にてOSが起動するまでの処理の流れ)
次に、図17を参照しながら、本実施の形態に係る2画面表示装置200において、メイン表示装置にてOSが起動するまでの処理の流れの一例について説明する。図17は、メイン表示装置にてOSが起動するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0265】
なお、ここでは、センサ付きサブ表示装置230が、メイン側OSの識別情報を、メイン表示装置210に問合せるとともに、センサ付きサブ表示装置230にて、メイン側OSをユーザに選択させるものとして説明する。
【0266】
まず、メイン表示装置210の電源が投入されると(S11にてYES)、メイン表示装置210の有線通信部914からセンサ付きサブ表示装置230の有線通信部934に電力が供給される(S12)。そして、メイン側BIOSプログラムP11が実行される(S13)。なお、これによって、POSTコードがPOSTコード保持部18に出力される。
【0267】
また、メイン側BIOSプログラムP11が実行された後、メイン側ブートローダーB11がメイン側主制御部810に読み込まれ、実行される(S14)。
【0268】
一方、ステップS12にてセンサ付きサブ表示装置230の有線通信部934に電力が供給された結果、センサ付きサブ表示装置230の各部に電力が供給される(S15にてYES)。それによって、サブ側BIOSプログラムP31が実行される(S16)。その後、サブ側ブートローダーB31がサブ側主制御部830に読み込まれ、実行される(S17)。さらにその後、サブ側2次ブートローダーB41がサブ側主制御部830に読み込まれ、サブ側OSプログラムP41が実行される(S18)。これにより、サブ側OSが起動される。
【0269】
続いて、POSTコード検査部24が、メイン表示装置210のPOSTコード保持部18に出力されているPOSTコードを参照し、(A)POST処理が最後まで正常に終わったか、および、(B)POST処理が中断されたか、のいずれかを判断する(S19)。POST処理が最後まで正常に終了していない(POST処理が中断されている)と判断した場合(S20にてNO)、POSTコード検査部24は、参照したPOSTコードに対応する所定メッセージを表示/光センサ部330に表示させる(S21)。
【0270】
一方、POST処理が最後まで正常に終了したと判断した場合(S20にてYES)、メイン側OS一覧要求部251が、メイン表示装置210に対して、メイン側OS一覧を要求する(S22)。
【0271】
そして、メイン側ブートローダー実行部13が上記要求を受信すると(S23にてYES)、メイン側OS一覧送信部133がメイン側OS一覧をメイン側OS一覧要求部251に送信する(S24)。一方、メイン側ブートローダー実行部13が上記要求を受信せずに(S23にてNO)、メイン側ブートローダーB11がメイン側主制御部810に読み込まれてから所定時間が経過したことをタイムアウト検出部131が検出すると(S25にてYES)、2次ブートローダー起動部132が、アクティブに設定されているパーティションに格納されているメイン側2次ブートローダー(B11〜B13のいずれか)をメイン側主制御部810に読み込み、当該読み込んだメイン側2次ブートローダーが、同じパーティション内に格納されているメイン側OSプログラムをメイン側主制御部810に読み込むことによって、メイン側OSを起動する(S26)。
【0272】
一方、ステップS24にて送信されたメイン側OS一覧を、メイン側OS一覧要求部251が受信すると、ユーザ提示処理部252が当該受信したメイン側OS一覧を表示/光センサ部330のセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S27)。
【0273】
そして、ユーザが、センサ内蔵液晶パネル301に表示されているメイン側OSのいずれかを、指やペンなどでタッチして選択すると(S28にてYES)、メイン側起動OS指定部25が、上記選択されたメイン側OSの起動を指示するために、上記選択されたメイン側OSの識別情報をメイン表示装置210に送信する(S29)。
【0274】
なお、ユーザからの選択が無いまま所定時間経過したとき(S30にてYES)、メイン側起動OS指定部25は、所定のメイン側OSの起動を指示するために、所定のメイン側OSの識別情報をメイン表示装置210に送信する(S31)。
【0275】
そして、メイン側ブートローダー実行部13は、メイン側起動OS指定部25から、起動すべきメイン側OSが指示されると(つまり、メイン側OSの識別情報を受信すると)(S32にてYES)、2次ブートローダー起動部132が、当該受信に応じて動作するとともに、当該受信した識別情報に対応するメイン側OSが格納されているパーティションを、参照すべきパーティションとして決定する。そして、当該決定したパーティションに格納されているメイン側2次ブートローダー(B11〜B13のいずれか)をメイン側主制御部810に読み込むことによって、メイン側2次ブートローダーを実行し、メイン側OSを起動する(S33)。
【0276】
なお、メイン側ブートローダー実行部13が、メイン側起動OS指定部25から、起動すべきメイン側OSの識別情報を受信せず(S32にてNO)、タイムアウト検出部131が、メイン側OS一覧送信部133がメイン側OS一覧をメイン側OS一覧要求部251に送信してから所定時間が経過したことを検出した場合(S34にてYES)、2次ブートローダー起動部132が、アクティブに設定されているパーティションに格納されているメイン側2次ブートローダー(B11〜B13のいずれか)をメイン側主制御部810に読み込み、当該読み込んだメイン側2次ブートローダーが、同じパーティション内に格納されているメイン側OSプログラムをメイン側主制御部810に読み込むことによって、メイン側OSを起動する(S35)。
【0277】
〔変形例〕
上述の実施形態では、メイン表示装置210のBIOSの実行状況をセンサ付きサブ表示装置230にて検査するとともに、メイン表示装置210にて起動させるOSを、センサ付きサブ表示装置230から指定するケースを例に挙げて説明したが、本発明は、他のケースにも適用できる。
【0278】
例えば、複数のユーザのそれぞれが、メイン側OSの環境設定を独自にカスタマイズした状態で記憶させたセンサ付きサブ表示装置230を所有しており、各ユーザが、自身の所有するセンサ付きサブ表示装置230をメイン表示装置210に装着させて使用するケースが考えられる。この場合、メイン表示装置210にてOSが起動する際、センサ付きサブ表示装置230から、上記起動するOSに対して、上記環境設定を指定するようにしてもよい。
【0279】
同様に、例えば、複数のユーザのそれぞれが、メイン側OSのログインパスワードを設定したセンサ付きサブ表示装置230をそれぞれ所有しており、各ユーザが、自身の所有するセンサ付きサブ表示装置230をメイン表示装置210に装着させて使用するケースが考えられる。この場合、メイン表示装置210にてOSが起動する際、センサ付きサブ表示装置230から、上記ログインパスワードを指定するようにしてもよい。
【0280】
〔付記事項〕
上述の実施形態では、センサ付きサブ表示装置230を、メイン表示装置210から取り外し可能にする構成について説明したが、センサ付きサブ表示装置230は、メイン表示装置210と一体に構成されていてもよい。
【0281】
上述の実施形態では、センサ付きサブ表示装置230の構成として、データ処理部730や表示/光センサ回路制御部630を備える構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、サブ側主制御部830が表示/光センサ回路制御部630を直接制御し、サブ側主制御部830が全体画像データ/部分画像データ/座標データを生成するような構成であってもよい。また、サブ側主制御部830が表示/光センサ部330を直接制御するような構成であってもよい。
【0282】
上述の実施形態では、第1処理としてBIOSプログラムを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、温度等を取得する環境取得プログラムなどであってもよい。
【0283】
最後に、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の各ブロック、特に、メイン側主制御部810、サブ側主制御部830、データ処理部730、表示/光センサ回路制御部630は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0284】
すなわち、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるメイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0285】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0286】
また、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0287】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0288】
本発明は、メイン装置(メイン表示装置)とサブ装置(センサ付きサブ表示装置)とを備えた情報処理装置に適用できる。特に、メインディスプレイとサブディスプレイとを備えたノートパソコンなどに好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0289】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、メイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図2】同図(a)は、2画面表示装置の具体例を示す模式図であり、同図(b)は、同図(a)に示した2画面表示装置の具体例において、メイン表示装置とセンサ付きサブ表示装置とを分離した状態を示す模式図である。
【図3】上記センサ付きサブ表示装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図4】同図(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、同図(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図5】上記メイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】上記センサ付きサブ表示装置が備える表示/光センサ部、表示/光センサ回路制御部、およびデータ処理部のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】上記センサ付きサブ表示装置が備える表示部および表示回路制御部の構成例を示すブロック図である。
【図8】サブ表示装置内コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図9】サブ表示装置内コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【図10】装置間コマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。
【図11】スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報を示す説明図である。
【図12】スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【図13】表示コマンドの第1および第2フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【図14】処理コマンドの第1から第3フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【図15】同図(a)は、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に載置されていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データの一例を示す図であり、同図(b)は、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データの一例を示す図である。
【図16】上記表示/光センサ部の要部、特に、センサ内蔵液晶パネルの構成および周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図17】上記メイン表示装置にてOSが起動するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0290】
13 メイン側ブートローダー実行部(実行制御手段)
14 メイン側2次ブートローダー実行部
15 メイン側OS起動部
18 POSTコード保持部
21 サブ側ブートローダー実行部
22 サブ側2次ブートローダー実行部
23 サブ側OS起動部
24 POSTコード検査部(実行状況判定手段)
25 メイン側起動OS指定部(実行指定手段)
133 メイン側OS一覧送信部
200 2画面表示装置(情報処理装置)
210 メイン表示装置(処理実行ユニット)
230 センサ付きサブ表示装置(処理制御ユニット)
251 メイン側OS一覧要求部(候補処理情報取得手段)
252 ユーザ提示処理部(候補処理選択手段)
P11 メイン側BIOSプログラム(第1処理)
B11〜B13 メイン側2次ブートローダー(第2処理、候補処理)
P21〜P23 メイン側OSプログラム(第2処理、候補処理)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、第2処理を実行する処理実行ユニットと通信可能であり、上記処理実行ユニットとは独立して動作可能な処理制御ユニットであって、
上記生成された上記実行状況情報を上記処理実行ユニットから取得するとともに、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定する実行状況判定手段と、
上記実行状況判定手段が、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記処理実行ユニットにおいて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを上記第2処理として実行するように、上記処理実行ユニットに対して指定する実行指定手段とを備えることを特徴とする処理制御ユニット。
【請求項2】
上記実行指定手段は、さらに、上記複数の候補処理のそれぞれを示す候補処理情報を、上記処理実行ユニットから取得する候補処理情報取得手段を備え、
上記実行指定手段は、上記取得した候補処理情報のいずれか1つを指定する情報を、上記処理実行ユニットに送信することを特徴とする請求項1に記載の処理制御ユニット。
【請求項3】
上記実行指定手段は、さらに、上記候補処理情報取得手段が取得した候補処理情報をユーザに提示するともに、上記提示した候補処理情報のいずれか1つをユーザに選択させる候補処理選択手段を備え、
上記実行指定手段は、上記選択させた上記候補処理情報を指定する情報を、上記処理実行ユニットに送信することを特徴とする請求項2に記載の処理制御ユニット。
【請求項4】
上記実行指定手段は、上記候補処理選択手段が上記提示した上記候補処理情報が、所定時間内に選択されない場合、所定の上記候補処理情報を指定する情報を、上記処理実行ユニットに送信することを特徴とする請求項3に記載の処理制御ユニット。
【請求項5】
上記処理実行ユニットは、BIOS(Basic Input Output System)を上記第1処理として実行した後、自ユニットにて実行可能な複数のオペレーティングシステムのいずれか1つを上記第2処理として実行するものであって、
上記実行指定手段は、上記オペレーティングシステムのいずれか1つを上記第2処理として指定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の処理制御ユニット。
【請求項6】
第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、自ユニットにて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを第2処理として実行する、処理制御ユニットと通信可能な処理実行ユニットであって、
上記実行状況情報を読み出し可能な処理制御ユニットから上記第2処理の実行の指定を受け付けるとともに、上記第1処理の後、当該指定された上記第2処理を実行する実行制御手段とを備えることを特徴とする処理実行ユニット。
【請求項7】
上記第1処理の実行後、所定時間内に上記処理制御ユニットから上記第2処理の指定を受け付けない場合、上記実行制御手段は、所定の上記第2処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の処理実行ユニット。
【請求項8】
請求項1に記載の処理制御ユニットと、請求項6に記載の処理実行ユニットとが有線接続されてなる情報処理装置。
【請求項9】
第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、第2処理を実行する処理実行ユニットと通信可能であり、上記処理実行ユニットとは独立して動作可能な処理制御ユニットの制御方法であって、
上記生成された上記実行状況情報を上記処理実行ユニットから取得するとともに、当該取得した実行状況情報が所定値であるか否かを判定する実行状況判定ステップと、
上記実行状況判定ステップにて、上記取得した実行状況情報が上記所定値であると判定した場合、上記処理実行ユニットにおいて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを上記第2処理として実行するように、上記処理実行ユニットに対して指定する実行指定ステップとを含むことを特徴とする処理制御ユニットの制御方法。
【請求項10】
第1処理を実行しながら、その実行状況を示す実行状況情報を生成し、かつ、上記第1処理の後、自ユニットにて実行可能な複数の候補処理のいずれか1つを第2処理として実行する、処理制御ユニットと通信可能な処理実行ユニットの制御方法であって、
上記実行状況情報を読み出し可能な処理制御ユニットから上記第2処理の実行の指定を受け付けるとともに、上記第1処理の後、当該指定された上記第2処理を実行する実行制御ステップとを含むことを特徴とする処理実行ユニットの制御方法。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか1項に記載の処理制御ユニットとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項6または7に記載の処理実行ユニットとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
請求項12に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−108447(P2010−108447A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282487(P2008−282487)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】