説明

分光蛍光光度計及び試料セル

【課題】低コスト化及び高感度化が同時に可能な分光蛍光光度計及び反射型試料セルを提供する。
【解決手段】試料流路11を備えた試料セル1と、励起光を発生する励起光用光源2と、励起光を分光する励起光側回析格子4と、励起光側回析格子4からの光が照射されて試料から発生した蛍光を分光する蛍光側回析格子5と、蛍光側回析格子5からの光を検出する第1の光学検知器7と、波長校正のための光を発生する波長校正用光源8とを有する分光蛍光光度計において、試料セル1は、試料流路11内の試料からの蛍光を蛍光側回析格子5に入射するための入射スリット19と、入射スリット19が形成された側面に対向する側面に形成され、試料流路11内の試料からの蛍光の一部を入射スリット19側に反射し、波長校正用光源8からの光の一部を入射スリット19側へ透過する細孔付き第1反射ミラー12を一体的に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光蛍光光度計及び試料セルに係わり、特に、溶液中の微量物質の蛍光を測定するのに好適な分光蛍光光度計及び試料セルに関する。
【背景技術】
【0002】
分光蛍光光度計は、測定対象の試料を収容する試料セルと、試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源からの光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器の光が照射された試料から放出される蛍光を分光する蛍光側分光器と、この光を検出する光学検知器とを有する。この分光蛍光光度計は、蛍光スペクトルから試料に含まれた成分の同定(定性分析)と蛍光強度から試料成分の定量分析を行う光学装置(分析計)である。
【0003】
従来、低コスト化及び高感度化を同時に行うことを目的として、例えば、試料セルの一側面に形成され、試料流路内の試料から放出された蛍光を蛍光側分光器に出射するための蛍光側入射スリットと、この入射スリットが形成された側面に対向する側面に形成され、試料流路内の試料からの蛍光を入射スリットの中心に集光する裏面鏡とが一体的に形成された試料セルが開示されており、また例えば、試料セルの一側面に形成され、励起光側分光器からの光を試料セル内に入射させるための励起光側出射スリットと、この出射スリットが形成された側面に対向する側面に形成され、出射スリットからの光を試料流路に集光する裏面鏡とが一体的に形成された試料セルが開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
この従来技術においては、試料セルに形成された楕円筒面の裏面鏡は、試料流路の中心点及びスリットの中心点を2つの焦点とし、裏面鏡を見込む光はスリットの中心に集光するようになっている。そして、スリットと裏面鏡とが試料セルに一体的に形成されるので、発光点と裏面鏡とを近接させて見込み角を比較的大きくとることが可能となり、蛍光側分光器に導入される光量を増加し光度計の感度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−149154号公報
【特許文献2】特開2004−530868号公報
【特許文献3】米国特許第6917726号公報
【特許文献4】特開2005−331319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術には以下のような課題が存在する。
【0007】
蛍光光度計においては、蛍光側分光器が試料からの蛍光を正しく分光しているかどうかの確認のために、しばし波長校正を行う必要がある。そこで、既知の波長を放射する波長校正用光源(例えば水銀ランプ等)を用意し、この波長校正用光源の光を試料セルを通過させ、蛍光側分光器に出射して波長校正を行う。ところが、上記従来の試料セルにおいては、蛍光側入射スリットが形成された側面に対向する側面に裏面鏡を形成した場合、波長校正用光源から蛍光側分光器までの光路を確保することが困難となる。また、通常、波長校正用光源で発生する光は輝度が高いので、光学検知器の検出上限を超えないように光量を低減するための光量調整部品(例えば拡散板やアパーチャ等)が必要であった。
【0008】
また、蛍光光度計においては、励起用光源で発生する励起光の揺らぎにより、この励起光が照射された試料から発生する蛍光も揺らぐ。すなわち、励起光強度が大きければ検出する蛍光強度も大きくなり、励起光強度が小さければ検出する蛍光強度も小さくなる。そのため、試料セル内の試料に照射する励起光を参照光として検出し、比測光することにより、蛍光強度の揺らぎ補正が行われる。このとき、試料照射前の励起光を参照光として検出する場合は試料への照射光を一部損失することとなるため、試料セル内の試料を通過した励起光を参照光として検出することが好ましい。ところが、上記従来の試料セルにおいては、励起光側出射スリットが形成された側面に対向する側面に裏面鏡を形成した場合、試料セル内の試料を通過した励起光(即ち、参照光)を光学検知器に導入する光路を容易に確保することができない。また、通常、励起光は輝度が高いので、参照光を検出する光学検知器の検知上限を超えないように光量を低減するための光量調整部品(例えば拡散板やアパーチャ等)が必要であった。
【0009】
本発明の第1の目的は、波長校正用光源からの光量を低減する部品を減少し、より効率よく蛍光側分光器に入射される蛍光量を増加でき、低コスト化及び高感度化が同時に可能な分光蛍光光度計及び試料セルを提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、参照光の光量を低減する部品を減少し、より効率よく試料に照射する励起光量を増加でき、低コスト化及び高感度化が同時に可能な分光蛍光光度計及び試料セルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明では、測定用試料がその内部に位置される試料セルと、試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源からの光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光照射によって試料から放出される蛍光を分光する蛍光側分光器と、この蛍光側分光器からの光を検出する光学検知器と、波長校正のための光を発生する波長校正用光源とを有する分光蛍光光度計において、試料セルは、蛍光側分光器への蛍光入射スリット部とその対面に波長校正用光源用の細孔を持つ反射ミラーを備えており、試料からの蛍光を効率よく前記入射スリット側に反射し、波長校正用光源からの光の一部を前記入射スリット側へ透過する細孔を一体的に備える。
【0012】
本発明においては、試料セル本体の蛍光側入射スリットが形成された側面に対向する側
面に細孔を持つ反射ミラーにより、試料から放出された蛍光を効率よく入射スリット側に反射する。従って、蛍光側分光器に導入される蛍光量を増加し、感度向上が図られる。一方、細孔は、波長校正用光源からの光の一部を試料セル本体内に透過させ、前記入射スリット側を介し蛍光側分光器に導入する。これにより、波長校正用光源から蛍光側分光器までの光路を確保することができる。また、細孔のサイズおよび形状に応じて波長校正用光源からの光量が低減できるので、従来必要とした波長校正用光源と試料セル本体との間に配置され光量を低減するための光量調整部品が省略できる。したがって、波長校正用光源からの光量を低減する部品を減少し、蛍光側分光器に導入される蛍光の光量を増加でき、低コスト化及び高感度化を同時に可能とする分光蛍光光度計を実現することができる。
【0013】
(2)上記第2の目的を達成するために、本発明では、測定用試料がその内部に位置される試料セルと、試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源からの光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光照射によって試料から発生する蛍光を分光する蛍光側分光器と、この蛍光側分光器からの光を検出する第1の光学検知器と、参照光を検出する第2の光学検知器とを有する分光蛍光光度計において、試料セルは、励起光側分光器からの光を試料セル本体内に入射するための励起光側出射スリットと、その対面に参照光用の細孔を持つ反射ミラーを備えており、前記出射スリットからの光を効率よく試料が位置される部分側に反射し、励起光側出射スリットからの光の一部を第2の光学検知器側へ通過させる細孔を一体的に備える。
【0014】
本発明においては、試料セル本体の励起光側出射スリットが形成された側面に対向する
側面に形成された細孔を持つ反射ミラーは、前記出射スリットからの光を効率よく試料が位置される部分に反射する。これにより、試料に照射される励起光の光量を増加することができるため、試料から発生する蛍光の光量が増加し光度計の感度を向上させることができる。また、細孔を持つ反射ミラーは、前記出射スリットから試料セルを透過した励起光の一部を参照光として第2の光学検知器に導入することができる。このとき、細孔のサイズおよび形状に応じて第2の光学検知器に導入する参照光の光量が低減されるので、従来必要としたフローセルと第2の光学検知器との間に配置され光量を低減するための光量調整部品を省略することができる。したがって、参照光の光量を低減する部品を減少し、試料に照射する励起光の光量を増加でき、低コスト化及び高感度化が同時に可能な分光蛍光光度計を実現することができる。
【0015】
(3)上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明では、測定用試料がその内部に位置される試料セルと、試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源からの光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光が照射された試料から放出される蛍光を分光する蛍光側分光器と、この蛍光側分光器からの光を検出する第1の光学検知器と、波長校正のための光を発生する波長校正用光源と、参照光を検出する第2の光学検知器とを有する分光蛍光光度計において、試料セルは、蛍光側分光器への蛍光入射スリット部とその対面に前記波長校正用光源用の細孔を持つ第1反射ミラー、および励起光側分光器からの光を試料セル本体内に入射するための励起光側出射スリットと、その対面に参照光用の細孔を持つ第2反射ミラーを備える。従って、本発明により、上記(1),(2)両方の効果を加算した低コスト化及び高感度化が同時に可能な分光蛍光光度計を実現することができる。
【0016】
また、請求項4に対応する前記第1および第2光学検知器の信号強度の比演算(レシオ)によるノイズ低減機能を備えており、かつ、必要に応じて(例えば、試料濃度が薄い場合にはオン、濃い場合にはオフ)前記比演算機能のオン/オフが可能な分光蛍光光度計を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、波長校正用光源からの光量を低減する部品を減少し、蛍光側分光器に導入される蛍光の光量を効率よく増加でき、低コスト化及び高感度化が同時に対応することができる。
【0018】
また、本発明によれば、参照光の光量を低減する部品を減少し、試料に照射する励起光の光量を効率よく増加でき、低コスト化及び高感度化が同時に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の分光蛍光光度計の実施形態を構成する試料セルの概略構造を表す断面図である。
【図2】本発明の分光蛍光光度計の実施形態の全体構成を表す概略図である。
【図3】本発明の分光蛍光光度計の実施形態(光ファイバー利用)の全体構成を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図2は、本発明の分光蛍光光度計の一実施形態を示す全体構成概略図であり、図1は、本発明の要部である試料セルの概略構造を表す断面図である。断面位置は、第1および2反射ミラーにおける細孔が存在する部分である。以下、本発明をフローセル型試料セル(請求項5に対応)を備えた液体クロマトグラフ用分光蛍光光度計に適用した例で説明する。
【0022】
図1及び図2において、分光蛍光光度計は、測定用試料がその内部に位置されるフローセル本体1と、このフローセル本体1内の試料を励起する光を発生する励起光用光源2(例えばキセノンランプ等)と、この励起光用光源2から励起光側分光器入射スリット3を介した励起光を分光する励起光側回析格子(励起光側分光器)4と、この励起光側回析格子4からの光が照射された試料から放出される蛍光を分光する蛍光側回析格子(蛍光側分光器)5と、この蛍光側回析格子5からスリット6を通過した光を検出する第1の光学検知器7と、波長校正のために既知の波長を放射する波長校正用光源8(例えば水銀ランプ等)と、励起光側回析格子4からフローセル本体1を通過した光(参照光)を検出する第2の光学検知器10とを有する。比測光演算機能部21は、第1光学検知器7と第2光学検知器10の比演算を行いかつ、必要に応じて、比演算オン/オフを行える。
【0023】
フローセル本体1は、長手方向(図1中紙面に対し垂直方向)に延びた4つの側面を有する例えば石英ガラス製のフローセル本体(試料セル本体)1(後述する入射スリット,出射スリット、及び細孔付き反射ミラーが形成されている状態のものを、フローセル本体と称す)で構成されており、その中央部に例えば断面が四角形状の試料流路11が形成され、この試料流路11内を試料が長手方向に通過するようになっている。
【0024】
フローセル本体1の第1の側面(図1中下側側面)には、例えばインコネル蒸着膜等により励起光側出射スリット16が形成され、この第1の側面と隣接する第2の側面(図1中左側側面)には、例えばインコネル蒸着膜等により蛍光側入射スリット19が形成されている。そして、励起光側回析格子4からの光が出射スリット16を通過し試料流路11内の試料に照射されると(図1中矢印17a,17b)、試料から発せられた蛍光が全周囲に放出される。このとき、試料流路11内の試料から第1の側面側(図1中左側)に放出された蛍光は、入射スリット19を通過し蛍光側回析格子5に到達ようになっている(図1中矢印18a〜18c)。
【0025】
本実施形態の特徴として、フローセル本体1の上記第2の側面に対向する第3の側面(図1中右側側面)には、細孔13を持った第1反射ミラー(反射率100%)12が備えられている。この第1反射ミラー12は、図1中矢印18dで示すような試料流路11内の試料から第3の側面側(図1中右側)に向けて放出された蛍光を反射し、その反射された蛍光は入射スリット19を通過し蛍光側回析格子5に入射する。この様にして、図1中矢印18a〜18dで示す蛍光は蛍光側回析格子5及びスリット6を介して第1の光学検知器7で検出される。
【0026】
また、第1反射ミラー12は、波長校正用光源8からの光(図1中矢印20)を細孔13により試料流路11内に導き、透過した光は入射スリット19を通過し蛍光側回析格子5に入射されるようになっている。このとき、細孔13のサイズおよび形状により、波長校正用光源8からの光量を適度に調節し、蛍光側回析格子5及びスリット6を介し第1の光学検知器7で検出された光により蛍光側分光器の波長校正を行える。
【0027】
また、出射スリット16そして試料流路11を通過した励起光17aは、フローセル本体1の第1の側面に対向する第4側面(図1中上側側面)上の第2反射ミラー14の細孔15を通過し(図1中矢印19)、その透過した光は第2の光学検知器10で参照光として検出される。一方、励起光17bは、第2反射ミラー14で反射されて、試料流路11を再通過し、蛍光量の増加(矢印18b)に寄与する。
【0028】
以上のように構成された本実施形態においては、フローセル本体1は、蛍光側入射スリット19がある第2の側面に対向する第3の側面に第1反射ミラー12を備え、試料流路11内の試料からの蛍光を入射スリット19側に効果的に反射する。これにより、蛍光側分光器5に導入される蛍光の光量を増加することができ、光度計の感度を向上させることができる。一方、第1反射ミラー12の細孔13は、波長校正用光源8からの光をフローセル本体1内に導入し、入射スリット19を通過し蛍光側分光器5へ導く。このとき、細孔13のサイズおよび形状により波長校正用光源8からの光量を適度に調節できる。
【0029】
本実施形態のもう一つの特徴として、フローセル本体1の第1の側面に対向する第4の側面(図1中上側側面)には、細孔15を持った反射ミラー(反射率100%)14が備えられている。第2反射ミラー14は、出射スリット16からの励起光のうち試料流路11を通過した光を効率よく反射し(図1の励起光17b)、その反射した光により試料流路11内の試料は再照射される。このとき、試料流路11内の試料から第1の側面側(図1中左側)に放出された蛍光は、入射スリット19を介し蛍光側回析格子5に出射される。また、第3の側面方向に放出された蛍光は、第1反射ミラー12により、入射スリット19側に効果的に反射される。これにより、蛍光側分光器5に導入される蛍光量が増加し、光度計の感度向上が図れる。
【0030】
また、第2反射ミラー14は、出射スリット16からの励起光のうち試料流路11を通過した光を、細孔15により第2の光学検知器10に導くことができる。この参照光の光量は細孔15のサイズおよび形状で調節できる。
【0031】
図3は、光ファイバー利用の分光蛍光光度計の実施形態の全体構成を表す概略図である(請求項5に対応)。前記波長校正用光源8の光は光ファイバー9を介して、励起光側分光器入射スリット3に導き、励起光側回析格子4で分光される。分光された光は前記試料セルを通過して、第2の光学検知器で励起波長校正できる。
【0032】
なお、以上においては、フローセル本体1及び試料流路11は断面が四角形状の構造を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、試料セル本体1及び/又は試料流路11を、例えば、特許文献2に記載されている長方形円や筒状,楕円筒状等の構造としてもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、上記フローセルは、励起光側出射スリット16,蛍光側入射スリット19、及び細孔13,15を持った反射ミラー(反射率100%)12,14を一体的に備えた構造について説明したが、例えばフローセルから分離し別体とした構造としてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 フローセル本体(試料セル本体)
2 励起光用光源
3 励起光側分光器入射スリット
4 励起光側回析格子(励起光側分光器)
5 蛍光側回析格子(蛍光側分光器)
6 蛍光側分光器入射スリット
7 第1の光学検知器
8 波長校正用光源
9 光ファイバー
10 第2の光学検知器
11 試料流路
12 第1反射ミラー
13 細孔(第1反射ミラー)
14 第2反射ミラー
15 細孔(第2反射ミラー)
16 励起光側出射スリット
17a,17b 励起光
18a〜18d 蛍光
19 蛍光側入射スリット
20 波長校正用光
21 比測光演算機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定用試料がその内部に位置される試料セルと、前記測定用試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源の光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光の照射によって前記測定用試料から放出された蛍光を分光する蛍光側分光器と、分光された蛍光を検出する光学検知器と、波長校正のための光を発生する波長校正用光源とを有する分光蛍光光度計において、
前記試料セルは、前記蛍光側分光器への蛍光入射スリット部とその対面に前記波長校正用光源用の細孔を持つ反射ミラーを備えていることを特徴とする分光蛍光光度計。
【請求項2】
測定用試料がその内部に位置される試料セルと、前記測定用試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源の光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光の照射によって前記測定用試料から放出された蛍光を分光する蛍光側分光器と、分光された蛍光を検出する第1の光学検知器と、参照光を検出する第2の光学検知器とを有する分光蛍光光度計において、
前記試料セルは、前記励起光側分光器からの励起光を前記試料セル本体内に入射するための励起光側出射スリットと、その対面に前記参照光用の細孔を持つ反射ミラーを備えていることを特徴とする分光蛍光光度計。
【請求項3】
測定用試料がその内部に位置される試料セルと、前記測定用試料を励起する光を発生する励起用光源と、この励起用光源の光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光の照射によって前記測定用試料から放出された蛍光を分光する蛍光側分光器と、分光された蛍光を検出する第1の光学検知器と、波長校正のための光を発生する波長校正用光源と、参照光を検出する第2の光学検知器とを有する分光蛍光光度計において、
前記試料セルは、前記蛍光側分光器への蛍光入射スリット部と、その対面に前記波長校正用光源用の細孔を持つ第1反射ミラーと、前記励起光側分光器からの光を前記試料セル本体内に入射するための励起光側出射スリットと、その対面に前記参照光用の細孔を持つ第2反射ミラーを備えていることを特徴とする分光蛍光光度計。
【請求項4】
請求項2または3において、前記第1および第2光学検知器の信号強度の比演算(レシオ)により、ノイズ低減を図る機能を備えており、かつ、前記比演算機能のオン/オフができることを特徴とする分光蛍光光度計。
【請求項5】
請求項2または3において、前記波長校正用光源の光の一部を光ファイバーを介して、前記励起光側分光器に導き、第2の光学検知器で励起波長校正できることを特徴とする分光蛍光光度計。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかにおいて、前記試料セルが流体用フローセル型である分光蛍光光度計。
【請求項7】
分光蛍光光度計に用いる試料セルにおいて、
測定用試料から放出された蛍光を分光する蛍光側分光器への蛍光入射スリット部と、
その対面に波長校正のための光を発生する波長校正用光源の細孔を持つ反射ミラーを備えていることを特徴とする試料セル。
【請求項8】
分光蛍光光度計に用いる試料セルにおいて、
励起用光源の光を分光する励起側分光器からの励起光を試料セル本体内に入射するための励起光側出射スリットと、
その対面に参照光用の細孔を持つ反射ミラーとを備えていることを特徴とする試料セル。
【請求項9】
分光蛍光光度計に用いる試料セルにおいて、
測定用試料から放出された蛍光を分光する蛍光側分光器への蛍光入射スリット部と、
その対面に波長校正のための光を発生する波長校正用光源用の細孔を持つ第1反射ミラーと、
励起用光源の光を分光する励起光側分光器からの光を試料セル本体内に入射するための励起光側出射スリットと、
その対面に参照光用の細孔を持つ第2反射ミラーとを備えていることを特徴とする試料セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−13167(P2011−13167A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159402(P2009−159402)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】