説明

分割可能な敷き布団

【課題】身体と接して汚れ易い上部材を分離して、洗濯機での水洗いや乾燥をさせることができると共に、この上部材と下部材の間に薬事法に基づく家庭用医療機器である温熱効果および電位効果と磁気効果に加え、ホルミシス効果を備えた部材を、その健康状態に合わせて容易に選択できるよう着脱可能に設置される分割可能な敷布団を提供する。
【解決手段】分割可能な敷布団は、上部材1と合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯2またはかた綿3を有する下部材4とより形成される。前記上部材1と下部材4の間には、基布5aに適宜取り付けた複数の磁石またはセラミック5bから形成される磁性体付シート5または、下部材4の上部側表地11に設けられたカバー状収納部6aに摺動かつ着脱可能に取付けられるシート状の温熱ヒーター6のいずれかを、着脱かつ選択可能に設けて、上部材1と下部材4の周面を全周ファスナー7により分割可能に係止して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分割可能な敷き布団に関し、磁気効果やマイナスイオン効果あるいは温熱効果の高い要素が適宜選択され、また収納や洗濯等に適した分割可能な敷き布団に関する分野である。
【背景技術】
【0002】
従来、袋状パッドと板状の支持マットから分割可能に形成され、家庭用洗濯機での洗濯に供したり、かつ乾燥させたりする敷き布団が見られる。これらの敷布団は、支持マットの上面に敷設される袋状パッドが洗濯ではほとんど収縮しない低収縮性の表地と中地で形成され、この表地と中地との間に合成繊維からなる低摩擦繊維を含むなか綿が充填され、キルティング加工したものがある。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特許第2863909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来用いられている分割可能な敷き布団は、家庭用洗濯機で洗濯することに重点が置かれ、袋状パッドに収縮性の低い表地と中地が用いられる。またこれらの表地と中地の間に充填されるなか綿も、摩擦係数の低い繊維や綿を必要としていた。
【0004】
本発明は、身体と接して汚れ易い上部材を分割して、洗濯機での水洗いや乾燥をさせることができると共に、この上部材と下部材の間に家庭用医療機器として認可されている温熱効果や電位効果、磁気効果等を有する部材に加えホルミシス効果を備えた部材を、その健康状態に合わせて容易に選択されるよう着脱可能に設置される分割可能な敷布団を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る分割可能な敷き布団は、上部材と合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯またはかた綿を有する下部材とよりなり、前記上部材と下部材の間には、磁石またはセラミックを適宜取り付けた磁性体付シートまたは下部材の上部側表地に設けられたカバー状収納部に摺動かつ着脱可能に取付けられるシート状の電位効果を併せてもつ温熱ヒーターのいずれかを着脱かつ選択可能に設けて、上部材と下部材を全周ファスナーにより係止してなることを特徴とするものである。
【0006】
さらに、前記上部材は吸汗性と速乾性を有する機能繊維を用いた上部側表地と上部側裏地との間に充填される合成繊維、綿等のパッド材からなることを特徴とするものである。
【0007】
さらに、前記上部材に設けられるパッド材が、健康によいとされる各種機能を有する繊維、例えば天然ラジウム鉱石をレーヨンに練り込んだステイヤーズ繊維層とこのステイヤーズ繊維層を保護する不織布層とすることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、前記下部材は、吸汗性と速乾性を有する機能繊維を用いた下部側表地と下部側裏地との間に合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯またはかた綿を設けてなることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、前記合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯は、通気孔部と折返し用切欠部を設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、前記下部材の下部側裏地と合成樹脂発泡体からなるとシート状の中芯またはかた綿との間に防ダニや防虫、防臭、防湿等の特徴を有する綿を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る分割可能な敷き布団によれば、上部材と合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯またはかた綿を有する下部材とを全周ファスナーにより分割可能に形成してなり、この上部材と下部材との間に、磁石またはセラミックを適宜取り付けた磁性体付シートまたは下部材の上部側表地に設けられたカバー状収納部に摺動かつ着脱可能に取付けられるシート状の電位機能等を有する温熱ヒーターのいずれかを着脱かつ選択可能に設けることにより、就寝中に体調を整え、年間を通じ、こりおよび血行の改善を図ることができる。但し、ペースメーカー等、磁気が機能を損なうため使用できない人のために、磁石の代わりにセラミックボールを使うことで、支障なく使えホルミシス効果を得ることができる。更に、適温に保って身体の芯から保温され、冷え性あるいは神経痛や筋肉痛の痛みを和らげ、血行をよくし胃腸の働きを活発にさせ、筋肉のこりを改善し疲れを除去する温熱機能と頭痛・肩こり・慢性便秘・不眠症の暖解に効果を有する電位機能を併せもつ温熱ヒーターを同時にまたはいずれかを気温や湿度等が変化する四季に合わせて、また異なる体調に応じて使い分けることができるものである。
【0012】
さらに、各々の構成部材単体に分割して、洗濯、乾燥、収納が可能となり嵩張らず、これらの作業を容易に行うことができる。また、各々の構成部材単体毎に交換、補修等を容易に行うことができるものである。
【0013】
さらに、上部材の上部側表地と下部側裏地および下部材の上部側表地と下部側裏地とを吸汗性と速乾性を有する機能繊維とすることにより、ソフトで弾力性のある感触が得られ、しかも上部材は洗濯機で丸洗いをすることができるものである。
【0014】
さらに、上部材を構成するパッド材を、健康によいとされる機能等諸機能を特徴とする材料とすることで、各種の機能的な特徴を得ることが可能になる。例えば天然ラジウム鉱石をレーヨンに練り込んだステイヤーズ繊維層とこのステイヤーズ繊維層を保護する不織布層とすることにより、ホルミシス効果によるマイナスイオン効果に優れ、温泉のような温かさと気持ちよさの健康的な上部材を得ることができる。
【0015】
合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯に、通気孔部と折返し用切欠き部を設けることにより、常に乾燥状態を保つことができると共に、収納あるいは物干等による乾燥をきわめて容易に行うことができる。
【0016】
さらに、下部材に防ダニや防虫、防臭、防湿等の機能を有する綿を設けることにより、綿につきやすいダニや細菌を寄せ付けず、汗の臭いを抑えかつ湿気のない保温力に優れた下部材を得ることができる。
【0017】
さらに、上部材と下部材の間には、磁性体付シートとシート状の電位機能を併せもつ温熱ヒーターが着脱および選択可能に設けられて、適宜その都度同時に、またはいずれかを選択して使用することができるものである。磁性体付シートは、磁石またはセラミック等の磁性体をシート状の基布の一面または両面に略整列状に一体的に取り付けられる。この磁性体付シートを用いることにより、体調を整え、こりや血行を改善し、マイナスイオン効果と遠赤外線効果を有するものである。
【0018】
さらに、前記上部材と下部材との間に磁性体付シートと選択的に用いられるシート状の電位機能を併せもつ温熱ヒーターは、下部材に敷設されるカバー状収納部に摺働可能に装着することにより、取付け位置が自由に設定できるもので、身体を動かさずに、足、腰、肩や背中等の必要箇所が当接されるように自由に選択して保温できる。また、着脱可能に設置されているため、必要な場合のみ使用し、不要なときは取りはずすことが可能であり、就寝中だけでなく起床しているときに温熱ヒーター単独で利用することができるものである。
【0019】
さらに、前記上部材と下部材の全周を分割可能とする全周ファスナーは、その始端部と終端部を重ね合わせてなることにより、簡単に上下部材に分割できる。磁石またはセラミック等の磁性体付シート、あるいは、シート状の電位機能を併せもつ温熱ヒーターを容易に分離して、乾燥や洗濯に供される部材のみを選択でき、衛生的であり、なおかつ、各部材の修理や交換を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、磁性体付シートを取り付けた本発明に係る分割可能な敷き布団を示す端面図、図2は、同じくシート状の温熱ヒーターを取り付けた端面図、図3は、下部材の上面図で温熱ヒーターのカバー状収納部を示す平面図、図4は、磁性体付シートを示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図、図5はシート状の電位機能を併せもつ温熱ヒーターを示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図、図6は、合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯を示す略図、図7はかた綿を示す略図である。
【0021】
本発明に係る分割可能な敷き布団は、図1および図2に示すように、上部材1と合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯2またはかた綿3を有する下部材4より形成され、前記上部材1と下部材4の間には、基布5aに適宜取り付けた複数の磁石またはセラミック5bから形成される磁性体付シート5または、下部材4の上部側表地11に設けられたカバー状収納部6aに摺動かつ着脱可能に取付けられるシート状の温熱ヒーター6のいずれかを、着脱かつ選択可能に設けて、上部材1と下部材4の周面を全周ファスナー7により分割可能に係止して構成されるものである。
【0022】
前記上部材1は、常時洗濯を行うことを鑑み常にドライに保つ吸汗性と速乾性を有する機能繊維を用いて、光触媒等により消臭作用をもつものが望ましく、上部側表地8と下部側裏地9を袋状に形成して、この上部側表地8と下部側裏地9の間にパッド材10が充填される。このパッド材10としては、綿や不織布あるいは綿と不織布を併用したものが使用され、上部側表地8と下部側裏地9とを袋状に形成してパッド材10を充填して、キルティング加工を施してソフトで弾力性のある感触が得られ、しかも洗濯機での丸洗いを可能とすることができるように構成されている。
【0023】
なお、パッド材10としては、綿や不織布以外、各種の機能を特徴とする綿を使用することで、機能的な特徴を得ることが可能になる。例えば、天然ラジウム鉱石をレーヨンに練り込んだステイヤーズ繊維層とこのステイヤーズ繊維層を保護する不織布層とすることにより、ホルミシス効果によるマイナスイオン効果に優れ健康的な上部材を得ることができる。
【0024】
前記下部材4は上部材1とほぼ同様の吸汗性と速乾性を有する合成繊維を用いて、上部側表地11と下部側裏地12を袋状に形成する。この上部側表地11と下部側裏地12の間に、適宜の厚さをもったウレタンあるいはポリエチレン等の合成樹脂発泡体から生成されるシート状の中芯2またはかた綿3が装着されている。
【0025】
合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯2は、図6に示すように、通気孔部13と折返し用切欠き部14が設けられ、通気孔部13を設けることにより湿気を帯び易い上部材1を常に乾燥状態に保つことができる。また、折返し用切欠き部14を設けることにより、適宜の厚さをもつ合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯2を、この折返し用切欠き部14を介して折り畳むことができ、収納あるいは物干等による乾燥をきわめて容易に行うことができる。
【0026】
また、この下部材4には、合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯2またはかた綿3と下部側裏地12との間に、防ダニや防虫、防湿等の特徴を有する綿15を敷きつめることにより綿につきやすいヤケヒョウヒダニ等の防ダニ効果を高め、その抗菌・防臭効果で汗の臭いや細菌の繁殖を抑えることができる。
【0027】
上部材1と下部材4の間に着脱可能に設けられる磁性体付シート5は、図4に示されるように、磁石またはセラミック等の磁性体5bをシート状の基布5aの一面または両面に略整列状にホットメルトタイプの融着材5cを介して一体的に取り付けられているもので、この磁性体付シート5は体調を整え、こりや血行を改善するフェライト磁石を始め、天然ラジウム鉱石の粉末や他の磁性鉱石類を混入することにより、マイナスイオン効果と遠赤外線効果を有するものである。
【0028】
なお、この磁性体付シート5は、その周縁部に紐あるいは面ファスナー等の係止手段16を介して下部材4の対応位置に着脱可能に係止されるものである。
【0029】
磁性体付シート5と選択的に使用に供されるシート状の温熱ヒーター6は、図3および図5に示すように、シート状のカーボンクロス温熱ヒーター本体6bの端部にコードを介してコントローラ6cが取り付けられる。このカーボンクロス温熱ヒーター本体6bは、下部材4の上部側表地11に設けられた上下両端側を開放状とするカバー状収納部6aに摺動可能に着装され、腰から頭部側、あるいは腰から足部側とカバー状収納部6a内をスライドさせて、その着装位置を任意に設定できる。このカーボンクロス温熱ヒーター本体6bは、カバー状収納部6aに挿通して着装、または脱抜することによって取り外す等、その操作が容易である。
【0030】
なお、シート状の温熱ヒーター6は、下部材4の上部側表地11に設けられたカバー状収納部6aに着脱するが、このカバー状収納部6aはシングル以外に二つのカバー状収納部6aを並置したダブルとするものであってもよい(図示せず)。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 磁性体付シートを取り付けた本発明に係る分割可能な敷き布団を分離して示す端面図である。
【図2】 同じくシート状の温熱ヒーターを取り付けた本発明に係る分割可能な敷き布団を分離して示す端面図である。
【図3】 下部材4の上部側表地および温熱ヒーターを着脱するカバー状収納部を示す図面である。
【図4】 磁性体付シートを示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【図5】 シート状の温熱ヒーターを示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【図6】 合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯を示す平面図である。
【図7】 かた綿を示す平面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 上部材
2 合成樹脂発泡体からなるシート状中芯
3 かた綿
4 下部材
5 磁性体付シート
5a 磁性体付シート5の基布
5b 磁性体付シート5の磁石またはセラミック
5c 磁性体付シート5のホットメルトタイプの融着材
6 温熱ヒーター
6a 温熱ヒーター6のカバー状収納部
6b 温熱ヒーター6のカーボンクロス温熱ヒーター本体
6c 温熱ヒーター6のコントローラ
7 全周ファスナー
8 上部材1の上部側表地
9 上部材1の下部側裏地
10 上部材1のパッド材
11 下部材4の上部側表地
12 下部材4の下部側裏地
13 合成樹脂発泡体からなるシート状中芯2の通気孔部
14 合成樹脂発泡体からなるシート状中芯2の折返し用切欠き部
15 下部材4の防ダニや防虫、防臭、防湿等の特徴を有する綿
16 係止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部材と合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯またはかた綿を有する下部材とよりなり、前記上部材と下部材の間には、磁石またはセラミックを適宜取り付けた磁性体付シートまたは下部材の表地に設けられたカバー状収納部に摺動かつ着脱可能に取付けられるシート状の温熱ヒーターのいずれかを着脱かつ選択可能に設けて、上部材と下部材を全周ファスナーにより形成してなる分割可能な敷き布団。
【請求項2】
前記上部材は、吸汗性と速乾性を有する機能繊維を用いた上部側表地と上部側裏地との間に充填される合成繊維、綿等のパッド材からなる請求項1に記載の分割可能な敷き布団。
【請求項3】
前記上部材に設けられるパッド材が、健康によいとされる機能等各種機能を有する繊維、例えば天然ラジウム鉱石をレーヨンに練り込んだステイヤーズ繊維層と、このステイヤーズ繊維層を保護する不織布層からなる請求項2に記載の分割可能な敷き布団。
【請求項4】
前記下部材は吸汗性と速乾性を有する機能繊維を用いた下部側表地と下部側裏地との間に合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯またはかた綿を設けてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の分割可能な敷き布団。
【請求項5】
前記、合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯は、通気孔部と折返し用切欠き部を設けてなる請求項1ないし4のいずれかに記載の敷き布団。
【請求項6】
前記下部材の下部側裏地と合成樹脂発泡体からなるシート状の中芯、またはかた綿との間に防ダニ等の機能を有する綿を設けてなる請求項1ないし5のいずれかに記載の分割可能な敷き布団。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−37934(P2007−37934A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244974(P2005−244974)
【出願日】平成17年7月30日(2005.7.30)
【出願人】(502402641)株式会社サンメディカル (2)
【Fターム(参考)】