分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯
【課題】橋梁の外側面の伸縮装置の端部側等から、連続して一体成形した止水材を設置することができる分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯を提供すること。
【解決手段】分割鋼製伸縮装置1の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シート31を基材とし、止水シート31の上面の幅中央に、網目領域を有するチューブ32を固着した止水帯3を、止水帯3の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレート11の表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯3の設置工程と、止水帯3の網目領域を有するチューブ32の端部から発泡弾性止水シール材2を注入することにより、発泡弾性止水シール材2をチューブ32の網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材2を硬化させることによって、遊間に沿って連続して設置した止水帯3の止水シート31の上に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とからなる。
【解決手段】分割鋼製伸縮装置1の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シート31を基材とし、止水シート31の上面の幅中央に、網目領域を有するチューブ32を固着した止水帯3を、止水帯3の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレート11の表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯3の設置工程と、止水帯3の網目領域を有するチューブ32の端部から発泡弾性止水シール材2を注入することにより、発泡弾性止水シール材2をチューブ32の網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材2を硬化させることによって、遊間に沿って連続して設置した止水帯3の止水シート31の上に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯に関し、特に、分割鋼製伸縮装置の遊間から雨水等が漏水落下することを防止するための分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路橋や道路高架橋は、橋桁の床版の温度変化による伸縮や地震等による振動伸縮をするが、この伸縮を吸収する目的で橋長に対して一定の間隔で伸縮装置を設けるようにしている。
一方、路面に降った雨水は、この伸縮装置の遊間から路下に漏水落下し、橋を支持する支承の腐食を助長し、橋の支持機能や伸縮機能を損なうだけでなく、橋梁の破損に及ぶことがある。
さらに、高架橋の路下敷地を公園や駐車場に利用している場合は、その利用にも支障をきたすことにある。
【0003】
これに対処するため、従来より、図1に示すように、鋼製の伸縮装置Qの遊間内にバックアップ材bを設置し、その上層に弾性止水シール材aを注入充填し、硬化反応と同時に伸縮装置Qの遊間を形成するウエブプレートの表面に接着固定することによって、伸縮装置Qの遊間を止水する方法が提案されている。
【0004】
また、このほか、鋼製の伸縮装置Qの遊間にゴム製の止水樋uを設置して止水する構造(図2参照)や伸縮装置Qの遊間に弾性止水シール材aとゴム製の止水樋uを設置する併用構造(図3参照)も提案されている。
これらの伸縮装置Qの遊間を止水する方法は、鋼製の伸縮装置Qを製作する工場において、止水樋u等の止水材を同時に設置し、止水材付き伸縮装置として道路橋に搬入、敷設される。
このため、搬入、敷設の際の止水材付き伸縮装置の取り扱いに慎重な作業を要するという問題があった。
また、鋼製の伸縮装置Qが長大な場合には、伸縮装置Qを分割して製作し、敷設を行うようにするが、この場合は、伸縮装置Qの敷設後、止水材を接合部で接着接続して遊間の止水をする。
この止水材の接続作業は、路上面から止水材の接続部に止水シール材を注入充填して接続したり、接着シーリング材を接合部に注入して接着接続する方法によるが、この方法は、止水材の接合部の接続状態の確認が困難で、不確実であり、不具合が生じるおそれがあった。
また、路下から止水材の接合部に接着シーリング材を注入したり、ゴム製の止水シートをオーバーラップして接着する方法も提案されているが、この方法においても、止水材の接合部の接続状態の確認が困難で、不確実であり、不具合が生じるおそれがあり、また、この作業は伸縮装置Qの直下に作業スペースが必要であり、作業スペースの無い現場環境では止水材の設置ができない問題があった。
また、分割して製作した鋼製の伸縮装置Qを敷設後、路下から伸縮装置Qの遊間に連続して一体成形した止水材を挿入設置する方法も提案されているが、この作業も伸縮装置Qの直下に作業スペースが必要であり、作業スペースの無い現場環境では止水材の設置ができない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、鋼製の伸縮装置を分割製作し、道路橋や道路高架橋に分割敷設する場合、伸縮装置の遊間を連続して一体成形した止水材で止水するためには、伸縮装置の直下に作業スペースが必要である。
【0006】
本発明は、このような作業スペースが無い環境状況にある分割鋼製伸縮装置においても、橋梁の外側面の伸縮装置の端部側等から、連続して一体成形した止水材を設置することができる分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法は、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着した止水帯を、該止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯の設置工程と、前記止水帯の網目領域を有するチューブの端部から発泡弾性止水シール材を注入することにより、発泡弾性止水シール材をチューブの網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材を硬化させることによって、前記遊間に沿って連続して設置した止水帯の止水シートの上に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とからなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着し、該ビードゴムを遊間を形成するウエブプレートの表面に配設したC字型レール支持具に挿入することにより、止水帯を設置するようにすることができる。
【0009】
また、C字型レール支持具に予め誘導引き込みシートを挿入しておき、該誘導引き込みシートの一端に止水帯のビードゴムの一端を連結し、誘導引き込みシートの他端を引っ張ることにより、止水帯のビードゴムをC字型レール支持具に引き込むようにすることができる。
【0010】
また、C字型レール支持具に挿入したビードゴムに、止水シートを介して発泡弾性止水シール材の重量をかけることによりC字型レール支持具とビードゴム間のシールを行うようにすることができる。
【0011】
また、止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に勾配をつけて取り付けることにより、勾配を有する発砲弾性止水層を形成するようにすることができる。
【0012】
また、止水帯の設置工程に続けて、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って誘導支持ロープを張架し、該誘導支持ロープにスプレーノズルを吊り下げ、移動させながら遊間を形成するウエブプレートの表面にプライマーをスプレー塗布するようにすることができる。
【0013】
また、分割鋼製伸縮装置のフェースプレートの裏面に連続気泡ゴム部材製の防塵層を配設した後、止水層形成工程を行うようにすることができる。
【0014】
また、本発明の上記分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法に使用する止水帯は、止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着してなることを特徴とする。
ここで、チューブの網目領域は、例えば、織布からなるチューブの円周の周面の一部分又は全部を網目にすることができる。
【0015】
この場合において、止水シートの幅方向の両側にビードゴムを配設することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯によれば、分割鋼製伸縮装置を分割敷設する場合においても、その遊間に止水帯を連続して設置し、設置した止水帯の止水シートの上に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成することで、発泡弾性止水層と止水シートの二重止水構造を持つ、連続した一体の遊間止水材を構築することができる。
この場合、特に、止水帯のチューブの端部から注入した発泡弾性止水シール材は、注入圧と発泡反応膨張圧によってチューブの網目領域からチューブの全長に亘って均等に溢れ出るようになり、これによって、分割鋼製伸縮装置の遊間に設置された止水帯の止水シートの上に均一な発泡弾性止水層を形成する。
また、分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法に使用する止水帯は、長尺のものでも巻き取ることが可能で、搬入、敷設の際の取り扱いを容易に行うことができる。
【0017】
また、止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着し、該ビードゴムを遊間を形成するウエブプレートの表面に配設したC字型レール支持具に挿入することにより、止水帯を設置することができ、これにより、止水帯の設置を容易に、かつ、確実性をもって行うことができる。
【0018】
また、C字型レール支持具に予め誘導引き込みシートを挿入しておき、該誘導引き込みシートの一端に止水帯のビードゴムの一端を連結し、誘導引き込みシートの他端を引っ張ることにより、止水帯のビードゴムをC字型レール支持具に引き込むようにすることにより、止水帯の設置を一層容易に行うことができる。
【0019】
また、C字型レール支持具に挿入したビードゴムに、止水シートを介して発泡弾性止水シール材の重量をかけ、C字型レール支持具とビードゴム間のシールを行うようにすることにより、止水を確実に行うことができる。
【0020】
また、止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に勾配をつけて取り付けることにより、発泡弾性止水シール材が、発泡反応によって液密度が低下するとともに、発泡セルの表面張力により流動性が抑制され、均一な厚みで勾配充填されることによって、勾配を有する発砲弾性止水層を形成することができ、遊間止水材の排水を円滑に行うことができる。
【0021】
また、止水帯の設置工程に続けて、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って誘導支持ロープを張架し、該誘導支持ロープにスプレーノズルを吊り下げ、移動させながら遊間を形成するウエブプレートの表面にプライマーをスプレー塗布するようにすることにより、遊間を形成するウエブプレートの表面と発泡弾性止水層との接着性を向上し、止水を確実に行うことができる。
【0022】
また、分割鋼製伸縮装置のフェースプレートの裏面に連続気泡ゴム部材製の防塵層を配設した後、止水層形成工程を行うようにすることにより、路面に発泡弾性止水シール材を溢れさせる危険がなく、遊間の空間に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を確実に充填させることができる。また、発泡弾性止水層の表面を防塵層で保護して耐久性を確保するとともに、鋼製伸縮装置内に土砂が堆積することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の鋼製伸縮装置の弾性止水シール材充填止水構造の断面図である。
【図2】従来の鋼製伸縮装置の止水樋による止水構造の断面図である。
【図3】従来の鋼製伸縮装置の弾性止水シール材充填止水構造と止水樋による止水構造を併用した二重止水構造の断面図である。
【図4】本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法を適用する分割鋼製伸縮装置の断面図である。
【図5】分割鋼製伸縮装置に配設するC字型レール支持具の斜視図である。
【図6】止水帯の斜視図である。
【図7】誘導引き込みシートの挿入状態を示す説明図である。
【図8】誘導引き込みシートの斜視図である。
【図9】止水帯の引き込み状態を示す説明図である。
【図10】本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法の止水帯の設置工程の説明図である。
【図11】同設置方法の止水層形成工程の説明図である。
【図12】同設置方法の工事が完了した状態を示す説明図である。
【図13】防塵層を配設した同設置方法の工事が完了した状態を示す説明図である。
【図14】同設置方法の止水層形成工程の説明図である。
【図15】同設置方法において、プライマーの塗布作業を行う場合の前工程の説明図である。
【図16】同設置方法において、プライマーの塗布作業を行う場合の誘導支持ロープの敷設工程の説明図である。
【図17】同設置方法において、プライマーの塗布作業を行う場合のプライマーの塗布工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0025】
この分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置は、図10に示す止水帯の設置工程と、その後の図11に示す発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とにより実施される。
より具体的には、分割鋼製伸縮装置1の遊間止水材Gは、図10に示すように、分割鋼製伸縮装置1の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シート31を基材とし、止水シート31の上面の幅中央に、網目領域を有するチューブ32を固着した止水帯3を、止水帯3の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレート11の表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯3の設置工程と、図11に示すように、止水帯3の網目領域を有するチューブ32の端部から発泡弾性止水シール材2を注入することにより、発泡弾性止水シール材2をチューブ32の網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材2を硬化させることによって、遊間に沿って連続して設置した止水帯3の止水シート31の上に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程によって設置される。
【0026】
これにより、分割鋼製伸縮装置1を分割敷設する場合においても、その遊間に止水帯3を連続して設置し、設置した止水帯3の止水シート31の上に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を形成することで、発泡弾性止水層と止水シート31の二重止水構造を持つ、連続した一体の遊間止水材Gを構築することができる。
この場合、特に、止水帯3のチューブ32の端部から注入した発泡弾性止水シール材2は、注入圧と発泡反応膨張圧によってチューブ32の網目領域からチューブ32の全長に亘って均等に溢れ出るようになり、これによって、分割鋼製伸縮装置1の遊間に設置された止水帯3の止水シート31の上に均一な発泡弾性止水層を形成する。
また、分割鋼製伸縮装置1の遊間止水材Gの設置方法に使用する止水帯3は、長尺のものでも巻き取ることが可能で、搬入、敷設の際の取り扱いを容易に行うことができる。
【0027】
この場合において、止水帯3の止水シート31の幅方向の両側にビードゴム33を固着し、このビードゴム33を遊間を形成するウエブプレート11の表面に配設したC字型レール支持具Cに挿入することにより、止水帯3を設置することができる。
これにより、止水帯3の設置を容易に、かつ、確実性をもって行うことができる。
なお、止水帯3の幅方向の両側のウエブプレート11の表面への取り付けは、上記の方式のほか、止水帯3の止水シート31の幅方向の両側に帯板(図示省略)を配設し、帯板を介してウエブプレート11の表面にねじ止めする方式、止水帯3の止水シート31の両側をウエブプレート11の表面に接着する方式等、任意の方式を採用することができる。
【0028】
ここで、C字型レール支持具Cを使用する場合は、図4に示すように、分割鋼製伸縮装置1の遊間を形成するウエブプレート11の表面に、図5に示すC字型レール支持具Cを工場等で予め溶接等により設置するようにする。
このC字型レール支持具CのレールC1の両端角に隅切りC2を施すようにすることが好ましい。
また、図4に示すC字型レール支持具Cの設置位置の寸法Xは、図12に示す充填する発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層の設計厚さX1と発泡弾性止水層の上面と分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の裏面との設計隙間寸法X2との加算値に基づいて設定するようにする。
【0029】
分割鋼製伸縮装置1に止水帯3を引き込む場合、分割鋼製伸縮装置1の全長に亘って分割鋼製伸縮装置1のC字型レール支持具Cに予め図8に示す誘導引き込みシートSを挿入しておき、この誘導引き込みシートSの一端に止水帯3のビードゴム33の一端を連結し、誘導引き込みシートSの他端を引っ張ることにより、止水帯3のビードゴム33をC字型レール支持具Cに引き込むことができる。
誘導引き込みシートSは、例えば、ポリエステル樹脂シート等の強靭な高弾性率の硬質合成樹脂シートを用いることができ、その先端S1は隅切り加工を施すことが好ましい。
また、誘導引き込みシートの幅hsは、後述の止水帯3のビードゴム33の高さ方向の寸法hと同等とすることが好ましい。
これにより、C字型レール支持具CのレールC1の両端角に隅切りC2を施していることと相俟って、分割鋼製伸縮装置1を分割して敷設した場合に、接続断面が合致せず、隙間やズレが生じていても、止水帯3の止水シート31がC字型レール支持具CのレールC1の角に引っ掛かって、引き込みが阻害されたり、破損することなく、止水帯3の設置を容易に行うことができる。
【0030】
止水帯3は、図6に示すように、分割鋼製伸縮装置1の最大遊間より大きな幅を持つ、強靭で柔軟な止水シート31を基材とし、止水シート31の上面の幅中央に、網目領域を有する織布からなるチューブ32を固着し、止水シート31の幅方向の両側にビードゴム33を固着して構成する。
より具体的には、止水シート31は、例えば、表1に示す6ナイロンフィラメント繊維製の織布に、0.5mm厚のポリクロロプレンゴムを両面コーティングしたシートを採用し、その止水シート31の厚さに合わせて、それより若干広くなるように、C字型レール支持具CのレールC1の前面の隙間の寸法pを設定するようにする。
【0031】
【表1】
【0032】
止水シート31の上面の幅中央に固着された網目領域を有する織布からなるチューブ32は、その表面を網目32aで形成することによって、発泡弾性止水シール材2が透過できるものからなり、その真円直径は、分割鋼製伸縮装置1の最小遊間以下であることが好ましい。
【0033】
止水シート31の幅方向の両側に固着されたビードゴム33は、耐久性の高い軟質ゴム、例えば、表2に示すポリクロロプレンゴムの硬度60°を採用し、その高さ方向の寸法hは、図5に示すC字型レール支持具Cの高さ方向の寸法Hの70〜80%で、C字型レール支持具CのレールC1の前面の隙間の寸法pより大きくなるように、また、その厚さtは、C字型レール支持具CのレールC1の幅方向の寸法wの20〜80%に設定するようにする。
【0034】
【表2】
【0035】
ところで、分割鋼製伸縮装置1の遊間を形成するウエブプレート11の表面と発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層との接着性を向上するために、図17に示すように、プライマーをスプレー塗布するようにすることができる。
このプライマーには、例えば、イソシアネート系化合物を使用することができる。
このプライマーのスプレー塗布作業は、具体的には、分割鋼製伸縮装置1の遊間の中央に張った誘導支持ロープVにプライマー塗布用のスプレーノズルNを吊り下げ、移動させながらウエブプレート11の表面にプライマーをスプレー塗布する。
この誘導支持ロープVの分割鋼製伸縮装置1の遊間への引き込みは、図16に示すように、遊間止水材Gの形成工程において、止水帯3の止水シート31の上に誘導支持ロープVをセットし、橋梁の外側の分割鋼製伸縮装置1の端部から止水帯3と共に誘導支持ロープVを引き込むことにより行うことができる。
そして、橋梁の外側の分割鋼製伸縮装置1の両端部の遊間上部に誘導支持ロープVの緊張固定冶具(図示省略)を取り付け、この緊張固定冶具に誘導支持ロープVを固定緊張し、誘導支持ロープVにスプレーノズルNを吊り下げ、プライマーのスプレー塗布を実施する。
プライマーの塗布後、誘導支持ロープV及びスプレーノズルNは撤去する。
なお、プライマーの塗布は、分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の隙間から実施することもできる。
【0036】
発泡弾性止水シール材2の注入は、図14に示すように、止水帯3のチューブ32の一端部に注入ポンプMの注入ホースRを連結し、チューブ32の他端部を閉鎖して、チューブ32内に発泡弾性止水シール材2を注入する。
チューブ32に注入された発泡弾性止水シール材2は、発泡反応膨張を開始し、例えば、以下に示す発泡弾性止水シール材2の場合、20℃において、発泡弾性止水シール材2の主剤と硬化剤の混合後、約3分で発泡反応を開始し、約12分で発泡反応の85〜90%は終了し、チューブ32に注入充填した発泡弾性止水シール材2の内圧は十分高くなっている。
これにより、注入ポンプMの注入圧力も加算されて、チューブ32内の圧力が更に高くなり、発泡弾性止水シール材2はチューブ32の網目32aから溢れ出し、発泡弾性止水層が形成される。このとき、発泡弾性止水シール材2の溢出量は、各部分の内圧に略比例するが、チューブ32の内圧は自己反応膨張圧が主体でチューブ32の長さ全長に亘って均一に発生しており、その上に注入ポンプMの注入圧力が均一に伝達され、加算されるので、結果としてチューブ32にほぼ均一に形成された網目32aの各部分から発泡弾性止水シール材2が均一に溢出し、発泡弾性止水シール材2による均一な発泡弾性止水層を形成することができる。
【0037】
また、発泡弾性止水シール材2は発泡反応により膨張し、その液密度が低く、例えば、発泡弾性止水シール材2の未発泡反応の密度は約1.10であるが発泡反応完了後の密度は約0.58であり、また、その発泡セルの表面張力と発泡反応による液粘度の上昇で、液層流動性が抑制され、止水帯3の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレート11の表面に勾配をつけて取り付けた場合に、低位の位置に発泡弾性止水シール材2が流動して集中することを防止し、略一定の勾配を有する発泡弾性止水層を形成することができる。
これにより、勾配を有する発砲弾性止水層を簡易に形成することができ、遊間止水材の排水を円滑に行うことができる。
【0038】
使用する発泡弾性止水シール材2及びその特性は、以下の表3−表5のとおりである。 ここで、表3は、発泡弾性止水シール材2の構成成分である主剤と硬化剤の25℃時の性状、表4は、主剤と硬化剤を混合した25℃時の性状、表5は、主剤と硬化剤を混合し、25℃で72時間硬化反応後の常態特性を示す。なお、表3及び表4の粘度測定は、BH型粘度計の4番回転ローターで2rpmの回転速度で回転するときの発生トルクを測定するようにしている。また、発泡開始及び流動停止時間は目視及び指触感覚判定で行った。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
ところで、図11及び図12に示すように、止水帯3のチューブ32に注入した発泡弾性止水シール材2は、チューブ32の網目32aを介して溢出し、止水帯3の止水シート31上に滞留する。
このとき、発泡弾性止水シール材2の重量が、止水シート31を介してビードゴム33に伝わり、C字型レール支持具CのレールC1の内面C3に強く当接することによって、発泡弾性止水シール材2が止水帯3より下方に漏出することを防止するとともに、C字型レール支持具Cとビードゴム33間のシールを確実に行うことができる。
【0043】
また、図13に示すように、分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の裏面に連続気泡ゴム部材製、より具体的には、例えば、EPDMゴム製の連続気泡スポンジシートからなる防塵層4を配設した後、発泡弾性止水シール材2の注入による止水層形成工程を行うようにすることができる。
この場合、防塵層4は、予め分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の裏面に接着固定しておくほか、分割鋼製伸縮装置1を設置した後、フェースプレート12の裏面に接着固定することもできる。
また、防塵層4を設ける場合、ウエブプレート11の表面へのプライマーの塗布は、防塵層4を接着固定する前に任意の方法で塗布するようにする。
防塵層4に使用するEPDMゴム製の連続気泡スポンジシートの特性を表6に示す。
これにより、路面に発泡弾性止水シール材2を溢れさせる危険がなく、遊間の空間に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を確実に充填させることができる。また、発泡弾性止水層の表面を防塵層4で保護して耐久性を確保するとともに、分割鋼製伸縮装置1内に土砂が堆積することを防止することができる。
【0044】
【表6】
【0045】
このように、本発明によって構築される分割鋼製伸縮装置1の遊間止水材Gは、連続一体化されたものとなり、特に、その構成部材である止水帯3及び止水帯3の止水シート31上に発泡弾性止水シール材2によって構成される発泡弾性止水層も連続一体化されたものからなるため、この二重止水構造を持つ、連続一体化した遊間止水材Gによって、分割鋼製伸縮装置1の遊間の止水を確実に行うことができる。
【0046】
以上、本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯は、橋梁の外側面の伸縮装置の端部側等から、連続して一体成形した止水材を設置することができることから、長大で、遊間が大きな鋼製伸縮装置の用途に好適に用いることができるほか、それ以外の鋼製伸縮装置の用途にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 分割鋼製伸縮装置
11 ウエブプレート
12 フェースプレート
2 発泡弾性止水シール材
3 止水帯
31 止水シート
32 チューブ
32a 網目
33 ビードゴム
4 防塵層
C C字型レール支持具
C1 レール
G 遊間止水材
M 注入ポンプ
N スプレーノズル
R 注入ホース
S 誘導引き込みシート
V 誘導支持ロープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯に関し、特に、分割鋼製伸縮装置の遊間から雨水等が漏水落下することを防止するための分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路橋や道路高架橋は、橋桁の床版の温度変化による伸縮や地震等による振動伸縮をするが、この伸縮を吸収する目的で橋長に対して一定の間隔で伸縮装置を設けるようにしている。
一方、路面に降った雨水は、この伸縮装置の遊間から路下に漏水落下し、橋を支持する支承の腐食を助長し、橋の支持機能や伸縮機能を損なうだけでなく、橋梁の破損に及ぶことがある。
さらに、高架橋の路下敷地を公園や駐車場に利用している場合は、その利用にも支障をきたすことにある。
【0003】
これに対処するため、従来より、図1に示すように、鋼製の伸縮装置Qの遊間内にバックアップ材bを設置し、その上層に弾性止水シール材aを注入充填し、硬化反応と同時に伸縮装置Qの遊間を形成するウエブプレートの表面に接着固定することによって、伸縮装置Qの遊間を止水する方法が提案されている。
【0004】
また、このほか、鋼製の伸縮装置Qの遊間にゴム製の止水樋uを設置して止水する構造(図2参照)や伸縮装置Qの遊間に弾性止水シール材aとゴム製の止水樋uを設置する併用構造(図3参照)も提案されている。
これらの伸縮装置Qの遊間を止水する方法は、鋼製の伸縮装置Qを製作する工場において、止水樋u等の止水材を同時に設置し、止水材付き伸縮装置として道路橋に搬入、敷設される。
このため、搬入、敷設の際の止水材付き伸縮装置の取り扱いに慎重な作業を要するという問題があった。
また、鋼製の伸縮装置Qが長大な場合には、伸縮装置Qを分割して製作し、敷設を行うようにするが、この場合は、伸縮装置Qの敷設後、止水材を接合部で接着接続して遊間の止水をする。
この止水材の接続作業は、路上面から止水材の接続部に止水シール材を注入充填して接続したり、接着シーリング材を接合部に注入して接着接続する方法によるが、この方法は、止水材の接合部の接続状態の確認が困難で、不確実であり、不具合が生じるおそれがあった。
また、路下から止水材の接合部に接着シーリング材を注入したり、ゴム製の止水シートをオーバーラップして接着する方法も提案されているが、この方法においても、止水材の接合部の接続状態の確認が困難で、不確実であり、不具合が生じるおそれがあり、また、この作業は伸縮装置Qの直下に作業スペースが必要であり、作業スペースの無い現場環境では止水材の設置ができない問題があった。
また、分割して製作した鋼製の伸縮装置Qを敷設後、路下から伸縮装置Qの遊間に連続して一体成形した止水材を挿入設置する方法も提案されているが、この作業も伸縮装置Qの直下に作業スペースが必要であり、作業スペースの無い現場環境では止水材の設置ができない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、鋼製の伸縮装置を分割製作し、道路橋や道路高架橋に分割敷設する場合、伸縮装置の遊間を連続して一体成形した止水材で止水するためには、伸縮装置の直下に作業スペースが必要である。
【0006】
本発明は、このような作業スペースが無い環境状況にある分割鋼製伸縮装置においても、橋梁の外側面の伸縮装置の端部側等から、連続して一体成形した止水材を設置することができる分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法は、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着した止水帯を、該止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯の設置工程と、前記止水帯の網目領域を有するチューブの端部から発泡弾性止水シール材を注入することにより、発泡弾性止水シール材をチューブの網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材を硬化させることによって、前記遊間に沿って連続して設置した止水帯の止水シートの上に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とからなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着し、該ビードゴムを遊間を形成するウエブプレートの表面に配設したC字型レール支持具に挿入することにより、止水帯を設置するようにすることができる。
【0009】
また、C字型レール支持具に予め誘導引き込みシートを挿入しておき、該誘導引き込みシートの一端に止水帯のビードゴムの一端を連結し、誘導引き込みシートの他端を引っ張ることにより、止水帯のビードゴムをC字型レール支持具に引き込むようにすることができる。
【0010】
また、C字型レール支持具に挿入したビードゴムに、止水シートを介して発泡弾性止水シール材の重量をかけることによりC字型レール支持具とビードゴム間のシールを行うようにすることができる。
【0011】
また、止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に勾配をつけて取り付けることにより、勾配を有する発砲弾性止水層を形成するようにすることができる。
【0012】
また、止水帯の設置工程に続けて、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って誘導支持ロープを張架し、該誘導支持ロープにスプレーノズルを吊り下げ、移動させながら遊間を形成するウエブプレートの表面にプライマーをスプレー塗布するようにすることができる。
【0013】
また、分割鋼製伸縮装置のフェースプレートの裏面に連続気泡ゴム部材製の防塵層を配設した後、止水層形成工程を行うようにすることができる。
【0014】
また、本発明の上記分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法に使用する止水帯は、止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着してなることを特徴とする。
ここで、チューブの網目領域は、例えば、織布からなるチューブの円周の周面の一部分又は全部を網目にすることができる。
【0015】
この場合において、止水シートの幅方向の両側にビードゴムを配設することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯によれば、分割鋼製伸縮装置を分割敷設する場合においても、その遊間に止水帯を連続して設置し、設置した止水帯の止水シートの上に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成することで、発泡弾性止水層と止水シートの二重止水構造を持つ、連続した一体の遊間止水材を構築することができる。
この場合、特に、止水帯のチューブの端部から注入した発泡弾性止水シール材は、注入圧と発泡反応膨張圧によってチューブの網目領域からチューブの全長に亘って均等に溢れ出るようになり、これによって、分割鋼製伸縮装置の遊間に設置された止水帯の止水シートの上に均一な発泡弾性止水層を形成する。
また、分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法に使用する止水帯は、長尺のものでも巻き取ることが可能で、搬入、敷設の際の取り扱いを容易に行うことができる。
【0017】
また、止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着し、該ビードゴムを遊間を形成するウエブプレートの表面に配設したC字型レール支持具に挿入することにより、止水帯を設置することができ、これにより、止水帯の設置を容易に、かつ、確実性をもって行うことができる。
【0018】
また、C字型レール支持具に予め誘導引き込みシートを挿入しておき、該誘導引き込みシートの一端に止水帯のビードゴムの一端を連結し、誘導引き込みシートの他端を引っ張ることにより、止水帯のビードゴムをC字型レール支持具に引き込むようにすることにより、止水帯の設置を一層容易に行うことができる。
【0019】
また、C字型レール支持具に挿入したビードゴムに、止水シートを介して発泡弾性止水シール材の重量をかけ、C字型レール支持具とビードゴム間のシールを行うようにすることにより、止水を確実に行うことができる。
【0020】
また、止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に勾配をつけて取り付けることにより、発泡弾性止水シール材が、発泡反応によって液密度が低下するとともに、発泡セルの表面張力により流動性が抑制され、均一な厚みで勾配充填されることによって、勾配を有する発砲弾性止水層を形成することができ、遊間止水材の排水を円滑に行うことができる。
【0021】
また、止水帯の設置工程に続けて、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って誘導支持ロープを張架し、該誘導支持ロープにスプレーノズルを吊り下げ、移動させながら遊間を形成するウエブプレートの表面にプライマーをスプレー塗布するようにすることにより、遊間を形成するウエブプレートの表面と発泡弾性止水層との接着性を向上し、止水を確実に行うことができる。
【0022】
また、分割鋼製伸縮装置のフェースプレートの裏面に連続気泡ゴム部材製の防塵層を配設した後、止水層形成工程を行うようにすることにより、路面に発泡弾性止水シール材を溢れさせる危険がなく、遊間の空間に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を確実に充填させることができる。また、発泡弾性止水層の表面を防塵層で保護して耐久性を確保するとともに、鋼製伸縮装置内に土砂が堆積することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の鋼製伸縮装置の弾性止水シール材充填止水構造の断面図である。
【図2】従来の鋼製伸縮装置の止水樋による止水構造の断面図である。
【図3】従来の鋼製伸縮装置の弾性止水シール材充填止水構造と止水樋による止水構造を併用した二重止水構造の断面図である。
【図4】本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法を適用する分割鋼製伸縮装置の断面図である。
【図5】分割鋼製伸縮装置に配設するC字型レール支持具の斜視図である。
【図6】止水帯の斜視図である。
【図7】誘導引き込みシートの挿入状態を示す説明図である。
【図8】誘導引き込みシートの斜視図である。
【図9】止水帯の引き込み状態を示す説明図である。
【図10】本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法の止水帯の設置工程の説明図である。
【図11】同設置方法の止水層形成工程の説明図である。
【図12】同設置方法の工事が完了した状態を示す説明図である。
【図13】防塵層を配設した同設置方法の工事が完了した状態を示す説明図である。
【図14】同設置方法の止水層形成工程の説明図である。
【図15】同設置方法において、プライマーの塗布作業を行う場合の前工程の説明図である。
【図16】同設置方法において、プライマーの塗布作業を行う場合の誘導支持ロープの敷設工程の説明図である。
【図17】同設置方法において、プライマーの塗布作業を行う場合のプライマーの塗布工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0025】
この分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置は、図10に示す止水帯の設置工程と、その後の図11に示す発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とにより実施される。
より具体的には、分割鋼製伸縮装置1の遊間止水材Gは、図10に示すように、分割鋼製伸縮装置1の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シート31を基材とし、止水シート31の上面の幅中央に、網目領域を有するチューブ32を固着した止水帯3を、止水帯3の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレート11の表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯3の設置工程と、図11に示すように、止水帯3の網目領域を有するチューブ32の端部から発泡弾性止水シール材2を注入することにより、発泡弾性止水シール材2をチューブ32の網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材2を硬化させることによって、遊間に沿って連続して設置した止水帯3の止水シート31の上に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程によって設置される。
【0026】
これにより、分割鋼製伸縮装置1を分割敷設する場合においても、その遊間に止水帯3を連続して設置し、設置した止水帯3の止水シート31の上に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を形成することで、発泡弾性止水層と止水シート31の二重止水構造を持つ、連続した一体の遊間止水材Gを構築することができる。
この場合、特に、止水帯3のチューブ32の端部から注入した発泡弾性止水シール材2は、注入圧と発泡反応膨張圧によってチューブ32の網目領域からチューブ32の全長に亘って均等に溢れ出るようになり、これによって、分割鋼製伸縮装置1の遊間に設置された止水帯3の止水シート31の上に均一な発泡弾性止水層を形成する。
また、分割鋼製伸縮装置1の遊間止水材Gの設置方法に使用する止水帯3は、長尺のものでも巻き取ることが可能で、搬入、敷設の際の取り扱いを容易に行うことができる。
【0027】
この場合において、止水帯3の止水シート31の幅方向の両側にビードゴム33を固着し、このビードゴム33を遊間を形成するウエブプレート11の表面に配設したC字型レール支持具Cに挿入することにより、止水帯3を設置することができる。
これにより、止水帯3の設置を容易に、かつ、確実性をもって行うことができる。
なお、止水帯3の幅方向の両側のウエブプレート11の表面への取り付けは、上記の方式のほか、止水帯3の止水シート31の幅方向の両側に帯板(図示省略)を配設し、帯板を介してウエブプレート11の表面にねじ止めする方式、止水帯3の止水シート31の両側をウエブプレート11の表面に接着する方式等、任意の方式を採用することができる。
【0028】
ここで、C字型レール支持具Cを使用する場合は、図4に示すように、分割鋼製伸縮装置1の遊間を形成するウエブプレート11の表面に、図5に示すC字型レール支持具Cを工場等で予め溶接等により設置するようにする。
このC字型レール支持具CのレールC1の両端角に隅切りC2を施すようにすることが好ましい。
また、図4に示すC字型レール支持具Cの設置位置の寸法Xは、図12に示す充填する発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層の設計厚さX1と発泡弾性止水層の上面と分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の裏面との設計隙間寸法X2との加算値に基づいて設定するようにする。
【0029】
分割鋼製伸縮装置1に止水帯3を引き込む場合、分割鋼製伸縮装置1の全長に亘って分割鋼製伸縮装置1のC字型レール支持具Cに予め図8に示す誘導引き込みシートSを挿入しておき、この誘導引き込みシートSの一端に止水帯3のビードゴム33の一端を連結し、誘導引き込みシートSの他端を引っ張ることにより、止水帯3のビードゴム33をC字型レール支持具Cに引き込むことができる。
誘導引き込みシートSは、例えば、ポリエステル樹脂シート等の強靭な高弾性率の硬質合成樹脂シートを用いることができ、その先端S1は隅切り加工を施すことが好ましい。
また、誘導引き込みシートの幅hsは、後述の止水帯3のビードゴム33の高さ方向の寸法hと同等とすることが好ましい。
これにより、C字型レール支持具CのレールC1の両端角に隅切りC2を施していることと相俟って、分割鋼製伸縮装置1を分割して敷設した場合に、接続断面が合致せず、隙間やズレが生じていても、止水帯3の止水シート31がC字型レール支持具CのレールC1の角に引っ掛かって、引き込みが阻害されたり、破損することなく、止水帯3の設置を容易に行うことができる。
【0030】
止水帯3は、図6に示すように、分割鋼製伸縮装置1の最大遊間より大きな幅を持つ、強靭で柔軟な止水シート31を基材とし、止水シート31の上面の幅中央に、網目領域を有する織布からなるチューブ32を固着し、止水シート31の幅方向の両側にビードゴム33を固着して構成する。
より具体的には、止水シート31は、例えば、表1に示す6ナイロンフィラメント繊維製の織布に、0.5mm厚のポリクロロプレンゴムを両面コーティングしたシートを採用し、その止水シート31の厚さに合わせて、それより若干広くなるように、C字型レール支持具CのレールC1の前面の隙間の寸法pを設定するようにする。
【0031】
【表1】
【0032】
止水シート31の上面の幅中央に固着された網目領域を有する織布からなるチューブ32は、その表面を網目32aで形成することによって、発泡弾性止水シール材2が透過できるものからなり、その真円直径は、分割鋼製伸縮装置1の最小遊間以下であることが好ましい。
【0033】
止水シート31の幅方向の両側に固着されたビードゴム33は、耐久性の高い軟質ゴム、例えば、表2に示すポリクロロプレンゴムの硬度60°を採用し、その高さ方向の寸法hは、図5に示すC字型レール支持具Cの高さ方向の寸法Hの70〜80%で、C字型レール支持具CのレールC1の前面の隙間の寸法pより大きくなるように、また、その厚さtは、C字型レール支持具CのレールC1の幅方向の寸法wの20〜80%に設定するようにする。
【0034】
【表2】
【0035】
ところで、分割鋼製伸縮装置1の遊間を形成するウエブプレート11の表面と発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層との接着性を向上するために、図17に示すように、プライマーをスプレー塗布するようにすることができる。
このプライマーには、例えば、イソシアネート系化合物を使用することができる。
このプライマーのスプレー塗布作業は、具体的には、分割鋼製伸縮装置1の遊間の中央に張った誘導支持ロープVにプライマー塗布用のスプレーノズルNを吊り下げ、移動させながらウエブプレート11の表面にプライマーをスプレー塗布する。
この誘導支持ロープVの分割鋼製伸縮装置1の遊間への引き込みは、図16に示すように、遊間止水材Gの形成工程において、止水帯3の止水シート31の上に誘導支持ロープVをセットし、橋梁の外側の分割鋼製伸縮装置1の端部から止水帯3と共に誘導支持ロープVを引き込むことにより行うことができる。
そして、橋梁の外側の分割鋼製伸縮装置1の両端部の遊間上部に誘導支持ロープVの緊張固定冶具(図示省略)を取り付け、この緊張固定冶具に誘導支持ロープVを固定緊張し、誘導支持ロープVにスプレーノズルNを吊り下げ、プライマーのスプレー塗布を実施する。
プライマーの塗布後、誘導支持ロープV及びスプレーノズルNは撤去する。
なお、プライマーの塗布は、分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の隙間から実施することもできる。
【0036】
発泡弾性止水シール材2の注入は、図14に示すように、止水帯3のチューブ32の一端部に注入ポンプMの注入ホースRを連結し、チューブ32の他端部を閉鎖して、チューブ32内に発泡弾性止水シール材2を注入する。
チューブ32に注入された発泡弾性止水シール材2は、発泡反応膨張を開始し、例えば、以下に示す発泡弾性止水シール材2の場合、20℃において、発泡弾性止水シール材2の主剤と硬化剤の混合後、約3分で発泡反応を開始し、約12分で発泡反応の85〜90%は終了し、チューブ32に注入充填した発泡弾性止水シール材2の内圧は十分高くなっている。
これにより、注入ポンプMの注入圧力も加算されて、チューブ32内の圧力が更に高くなり、発泡弾性止水シール材2はチューブ32の網目32aから溢れ出し、発泡弾性止水層が形成される。このとき、発泡弾性止水シール材2の溢出量は、各部分の内圧に略比例するが、チューブ32の内圧は自己反応膨張圧が主体でチューブ32の長さ全長に亘って均一に発生しており、その上に注入ポンプMの注入圧力が均一に伝達され、加算されるので、結果としてチューブ32にほぼ均一に形成された網目32aの各部分から発泡弾性止水シール材2が均一に溢出し、発泡弾性止水シール材2による均一な発泡弾性止水層を形成することができる。
【0037】
また、発泡弾性止水シール材2は発泡反応により膨張し、その液密度が低く、例えば、発泡弾性止水シール材2の未発泡反応の密度は約1.10であるが発泡反応完了後の密度は約0.58であり、また、その発泡セルの表面張力と発泡反応による液粘度の上昇で、液層流動性が抑制され、止水帯3の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレート11の表面に勾配をつけて取り付けた場合に、低位の位置に発泡弾性止水シール材2が流動して集中することを防止し、略一定の勾配を有する発泡弾性止水層を形成することができる。
これにより、勾配を有する発砲弾性止水層を簡易に形成することができ、遊間止水材の排水を円滑に行うことができる。
【0038】
使用する発泡弾性止水シール材2及びその特性は、以下の表3−表5のとおりである。 ここで、表3は、発泡弾性止水シール材2の構成成分である主剤と硬化剤の25℃時の性状、表4は、主剤と硬化剤を混合した25℃時の性状、表5は、主剤と硬化剤を混合し、25℃で72時間硬化反応後の常態特性を示す。なお、表3及び表4の粘度測定は、BH型粘度計の4番回転ローターで2rpmの回転速度で回転するときの発生トルクを測定するようにしている。また、発泡開始及び流動停止時間は目視及び指触感覚判定で行った。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
ところで、図11及び図12に示すように、止水帯3のチューブ32に注入した発泡弾性止水シール材2は、チューブ32の網目32aを介して溢出し、止水帯3の止水シート31上に滞留する。
このとき、発泡弾性止水シール材2の重量が、止水シート31を介してビードゴム33に伝わり、C字型レール支持具CのレールC1の内面C3に強く当接することによって、発泡弾性止水シール材2が止水帯3より下方に漏出することを防止するとともに、C字型レール支持具Cとビードゴム33間のシールを確実に行うことができる。
【0043】
また、図13に示すように、分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の裏面に連続気泡ゴム部材製、より具体的には、例えば、EPDMゴム製の連続気泡スポンジシートからなる防塵層4を配設した後、発泡弾性止水シール材2の注入による止水層形成工程を行うようにすることができる。
この場合、防塵層4は、予め分割鋼製伸縮装置1のフェースプレート12の裏面に接着固定しておくほか、分割鋼製伸縮装置1を設置した後、フェースプレート12の裏面に接着固定することもできる。
また、防塵層4を設ける場合、ウエブプレート11の表面へのプライマーの塗布は、防塵層4を接着固定する前に任意の方法で塗布するようにする。
防塵層4に使用するEPDMゴム製の連続気泡スポンジシートの特性を表6に示す。
これにより、路面に発泡弾性止水シール材2を溢れさせる危険がなく、遊間の空間に発泡弾性止水シール材2による発泡弾性止水層を確実に充填させることができる。また、発泡弾性止水層の表面を防塵層4で保護して耐久性を確保するとともに、分割鋼製伸縮装置1内に土砂が堆積することを防止することができる。
【0044】
【表6】
【0045】
このように、本発明によって構築される分割鋼製伸縮装置1の遊間止水材Gは、連続一体化されたものとなり、特に、その構成部材である止水帯3及び止水帯3の止水シート31上に発泡弾性止水シール材2によって構成される発泡弾性止水層も連続一体化されたものからなるため、この二重止水構造を持つ、連続一体化した遊間止水材Gによって、分割鋼製伸縮装置1の遊間の止水を確実に行うことができる。
【0046】
以上、本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法及びそれに使用する止水帯は、橋梁の外側面の伸縮装置の端部側等から、連続して一体成形した止水材を設置することができることから、長大で、遊間が大きな鋼製伸縮装置の用途に好適に用いることができるほか、それ以外の鋼製伸縮装置の用途にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 分割鋼製伸縮装置
11 ウエブプレート
12 フェースプレート
2 発泡弾性止水シール材
3 止水帯
31 止水シート
32 チューブ
32a 網目
33 ビードゴム
4 防塵層
C C字型レール支持具
C1 レール
G 遊間止水材
M 注入ポンプ
N スプレーノズル
R 注入ホース
S 誘導引き込みシート
V 誘導支持ロープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着した止水帯を、該止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯の設置工程と、前記止水帯の網目領域を有するチューブの端部から発泡弾性止水シール材を注入することにより、発泡弾性止水シール材をチューブの網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材を硬化させることによって、前記遊間に沿って連続して設置した止水帯の止水シートの上に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とからなることを特徴とする分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項2】
止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着し、該ビードゴムを遊間を形成するウエブプレートの表面に配設したC字型レール支持具に挿入することにより、止水帯を設置することを特徴とする請求項1記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項3】
C字型レール支持具に予め誘導引き込みシートを挿入しておき、該誘導引き込みシートの一端に止水帯のビードゴムの一端を連結し、誘導引き込みシートの他端を引っ張ることにより、止水帯のビードゴムをC字型レール支持具に引き込むことを特徴とする請求項2記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項4】
C字型レール支持具に挿入したビードゴムに、止水シートを介して発泡弾性止水シール材の重量をかけることによりC字型レール支持具とビードゴム間のシールを行うことを特徴とする請求項2又は3記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項5】
止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に勾配をつけて取り付けることにより、勾配を有する発砲弾性止水層を形成することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項6】
止水帯の設置工程に続けて、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って誘導支持ロープを張架し、該誘導支持ロープにスプレーノズルを吊り下げ、移動させながら遊間を形成するウエブプレートの表面にプライマーをスプレー塗布することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項7】
分割鋼製伸縮装置のフェースプレートの裏面に連続気泡ゴム部材製の防塵層を配設した後、止水層形成工程を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項8】
止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着してなることを特徴とする止水帯。
【請求項9】
止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着してなることを特徴とする請求項8記載の止水帯。
【請求項1】
分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って、その最大遊間より大きな幅を持つ止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着した止水帯を、該止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に取り付けることにより連続して設置する止水帯の設置工程と、前記止水帯の網目領域を有するチューブの端部から発泡弾性止水シール材を注入することにより、発泡弾性止水シール材をチューブの網目領域から漏出させるとともに、注入した発泡弾性止水シール材を硬化させることによって、前記遊間に沿って連続して設置した止水帯の止水シートの上に発泡弾性止水シール材による発泡弾性止水層を形成する止水層形成工程とからなることを特徴とする分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項2】
止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着し、該ビードゴムを遊間を形成するウエブプレートの表面に配設したC字型レール支持具に挿入することにより、止水帯を設置することを特徴とする請求項1記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項3】
C字型レール支持具に予め誘導引き込みシートを挿入しておき、該誘導引き込みシートの一端に止水帯のビードゴムの一端を連結し、誘導引き込みシートの他端を引っ張ることにより、止水帯のビードゴムをC字型レール支持具に引き込むことを特徴とする請求項2記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項4】
C字型レール支持具に挿入したビードゴムに、止水シートを介して発泡弾性止水シール材の重量をかけることによりC字型レール支持具とビードゴム間のシールを行うことを特徴とする請求項2又は3記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項5】
止水帯の幅方向の両側を遊間を形成するウエブプレートの表面に勾配をつけて取り付けることにより、勾配を有する発砲弾性止水層を形成することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項6】
止水帯の設置工程に続けて、分割鋼製伸縮装置の遊間に沿って誘導支持ロープを張架し、該誘導支持ロープにスプレーノズルを吊り下げ、移動させながら遊間を形成するウエブプレートの表面にプライマーをスプレー塗布することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項7】
分割鋼製伸縮装置のフェースプレートの裏面に連続気泡ゴム部材製の防塵層を配設した後、止水層形成工程を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の分割鋼製伸縮装置の遊間止水材の設置方法。
【請求項8】
止水シートを基材とし、止水シートの上面の幅中央に、網目領域を有するチューブを固着してなることを特徴とする止水帯。
【請求項9】
止水シートの幅方向の両側にビードゴムを固着してなることを特徴とする請求項8記載の止水帯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−246681(P2012−246681A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119569(P2011−119569)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(393024603)旭化工株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(393024603)旭化工株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
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