説明

分子間相互作用の測定システム、分子間相互作用の測定プログラム、及び、分子間相互作用の測定方法

【課題】気泡による異常データを排除して分子間相互作用の測定において、測定結果の信頼性を向上する。
【解決手段】薄膜上における複数物質間の分子間相互作用を光学的に測定するにあたり、複数の導光手段(バンドルファイバ42a,42,b42c,42d)を用いて、測定対象の生化学物質を含むサンプル溶液を薄膜上に流通させる流路14bにおいて、互いに位置の異なる複数の検出対象領域15a,15b,15c,15dを設け、複数の導光手段に基づき検出した複数の情報について、演算手段がこれら複数の情報間の相対性に基づき、各情報の異常の有無を判断し、前記複数の情報及び前記異常の有無の判断結果に基づき、測定の実行結果を算出する。演算手段は、その相対性判断として平均値に対する一の情報の乖離度合いや、一の情報と検出対象領域が隣接する他の一の情報との比較などを行い、異常有と判断した情報以外の情報について測定結果を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子間相互作用の測定システム、分子間相互作用の測定プログラム、及び、分子間相互作用の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抗原抗体反応などの生体分子同士の分子間相互作用や、有機高分子同士の分子間相互作用などの結合の測定は、一般的に、放射性物質や蛍光体などの標識を用いることで行われてきた。この標識には手間がかかり、特にタンパク質への標識は方法が煩雑な場合や標識によりタンパク質の性質が変化する場合があった。そこで、近年、生体分子や有機高分子間の結合を、簡便に標識を用いることなく直接的に検出する手段として、光学薄膜の干渉色変化を利用したRIfS方式(Reflectometric interference spectroscopy:反射干渉分光法)が提案され、既に実用化もされている。RIfS方式の基本原理は特許文献1や非特許文献1などに言及されている。
【0003】
RIfS方式について簡単に説明すると、この方式では、図15に示すように、光学薄膜104が設けられた基板102が用いられる。図15(a)に示すように、基板102上の光学薄膜104に対し白色光を照射した場合、図16の典型的な一例に示すとおり、白色光そのものの分光強度は実線106で表され、その反射光の分光強度は実線108で表される。照射した白色光とその反射光との各分光強度から反射率を求めると、図17に示すとおり、実線で表されたボトムピーク(スペクトル曲線における極小部)を有する反射スペクトル110が得られる。
【0004】
分子間相互作用を検出するにあたっては、図15(b)に示すとおり、光学薄膜104上にリガンド120が設けられる。光学薄膜104上にリガンド120を設けると、リガンド120が設けられた部位における光学的厚さ112が変化して光路長が変化し、反射干渉効果により干渉波長も変化する。すなわち、反射光の分光強度分布のピーク位置がシフトし、その結果図17に示すとおり、反射スペクトル110が反射スペクトル122(点線部参照)にシフトする。この状態において、光学薄膜104上にサンプル溶液を流すと、図15(c)に示すとおり、リガンド120とサンプル溶液中のアナライト130とが結合する。リガンド120とアナライト130とが結合すると、アナライト130が結合した部位における光学的厚さ112がさらに変化する。リガンド120に対してアナライト130が部分的に付着することによって不均質な層が生成されるが、この不均質層は巨視的にみればアナライト130の付着量に応じた所定の光学的厚さを有する均質層に置き換えられる。従って、入射光の通過する均質層の光学的厚さがアナライト130の付着量に応じて変化することとなる。これによって、図17に示すとおり、反射スペクトル122が反射スペクトル132(1点鎖線部参照)にシフトする。そして、反射スペクトル122のボトムピーク波長(反射率が極小値となる波長)に対する反射スペクトル132のボトムピーク波長の変化を検出することにより、分子間相互作用の有無を検出することができる。また、反射スペクトル122のボトムピーク波長に対する反射スペクトル132のボトムピーク波長の変化量を検出することにより、分子間相互作用の進捗度を検出することができるようになっている。
【0005】
ボトムピーク波長の変化の推移を経時的に観測すると、図18に示すとおり、曲線上の第1のショルダー部である時点140において、リガンド120によるボトムピーク波長の変化を確認することができ、曲線上の第2のショルダー部である時点142において、リガンド120とアナライト130との結合によるボトムピーク波長の変化を確認することができる。
【0006】
特許文献2には、RIfS方式を採用する測定装置において、一度により多くの種類の生化学物質の結合を調べることを目的に、照射用光ファイバと集光用光ファイバとからなるバンドルファイバの数を増やすことが記載されている(同文献段落0028及び図27−30)。また、同文献には、サンプル溶液の供給口近傍に、気泡を取り除くための空間部を設けることや、気泡の反応層への進入を防ぐこと、反応層からの気泡の排出を促進することについて言及がある(同文献請求項17及び段落0028)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3786073号公報
【特許文献2】特開2004−132799号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Sandstrom et al, APPL.OPT., 24, 472, 1985
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述の光学薄膜104上に流したアナライト130を含むサンプル溶液に気泡が含まれて、バンドルファイバの発光部又は受光部と、光学薄膜との間に気泡が存在すると、光学的検出のノイズとなって現れてしまうという問題がなる。
特許文献2にも記載されるように、気泡の発生を抑制したり、反応層への気泡の進入を抑制したり、反応層からの気泡の排出を促進したりする方法を施しても、サンプル溶液が流される流路中の光学的検出対象領域から気泡を完全に消失させることは難しく、気泡に起因する検出ノイズを完全に避けることは難しい。
従来技術にあっては、気泡が検出対象に入ってしまった場合に、対処する技術が何ら提案されていなかった。
気泡が検出対象に入ってしまう可能性がある限り、これを放置すると、気泡に影響された測定結果が算出されることになり、測定結果の信頼性が失われる。
また、測定結果の信頼性が低いということは、使用者が測定結果に異常を感じた場合に再測定を実行することが想定できるが、必要の無い再測定も含まれてしまい使用者の測定作業の効率が悪化するおそれがある。
【0010】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、分子間相互作用の測定において、測定結果の信頼性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、光源と、
光の強度を検出する検出器と、
測定対象の生化学物質を含むサンプル溶液を薄膜上に流通させる流路と、
前記光源の光を前記流路中の分子間相互作用が行われる所定の検出対象領域に照射し、当該検出対象領域からの反射光又は当該検出対象領域において前記薄膜を透過した透過光を前記検出器に導光する導光手段と、
前記検出器が検出した情報に基づき演算する演算手段とを備え、前記分子間相互作用を測定する測定システムにおいて、
互いに前記検出対象領域の異なる複数の前記導光手段を備え、
前記演算手段は、
複数の前記導光手段に基づく前記検出器が検出した複数の情報について、これら複数の情報間の相対性に基づき、各情報の異常の有無を判断し、
前記複数の情報及び前記異常の有無の判断結果に基づき、測定結果を算出することを特徴とする分子間相互作用の測定システムである。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記演算手段は、前記複数の情報について、当該複数の情報の平均値に対する一の情報の乖離度合いに基づき、当該一の情報の異常の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記演算手段は、前記複数の情報の中の一の情報について異常の有無を判断するにあたり、当該一の情報と前記検出対象領域が隣接する他の一の情報とを比較し、その比較結果に基づいて当該一の情報の異常の有無を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記演算手段は、異常有と判断した情報以外の情報について測定結果を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記演算手段は、前記複数の情報について、半数を超える情報を異常有と判断した場合には、測定結果の算出を中止することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0016】
請求項6記載の発明は、前記演算手段は、正常な測定が行えないことを示すエラー情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0017】
請求項7記載の発明は、前記エラー情報に基づいて、測定が正常に行えないことを報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0018】
請求項8記載の発明は、前記導光手段と同数の前記光源及び前記検出器を備え、前記各導光手段と一対一に前記光源及び前記検出器が接続されてなることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0019】
請求項9記載の発明は、前記演算手段は、複数の前記検出器から並行して取得した前記複数の情報に基づき、測定の実行結果を算出することを特徴とする請求項8に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0020】
請求項10記載の発明は、前記演算手段は、複数の前記検出器から順次取得した前記複数の情報に基づき、測定の実行結果を算出することを特徴とする請求項8に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0021】
請求項11記載の発明は、一つの前記光源及び一つの前記検出器が光路分岐器を介して複数の前記導光手段に接続され、前記光路分岐器と複数の前記導光手段の各間に、少なくとも前記光源の光に対するシャッターが設けられたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0022】
請求項12記載の発明は、測定に先だって、同一の検出対象に対して前記検出器が検出する前記複数の情報が同じレベルになるようにキャリブレーションが行われることを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムである。
【0023】
請求項13記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項12のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムにおける前記演算手段として機能させるための分子間相互作用の測定プログラムである。
【0024】
請求項14記載の発明は、光源と、光の強度を検出する検出器と、測定対象の生化学物質を含むサンプル溶液を薄膜上に流通させる流路と、前記光源の光を前記流路中の分子間相互作用が行われる所定の検出対象領域に照射し、当該検出対象領域からの反射光又は当該検出対象領域において前記薄膜を透過した透過光を前記検出器に導光する導光手段であって、互いに前記検出対象領域の異なる複数の導光手段と、前記検出器が検出した情報に基づき演算する演算手段とを備えた分子間相互作用の測定システムにおいて、
複数の前記導光手段に基づく前記検出器が検出した複数の情報について、これら複数の情報間の相対性に基づき、各情報の異常の有無を判断することを特徴とする分子間相互作用の測定方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、異なる検出対象領域から得られた複数の情報に基づいて、これら複数の情報間の相対性に基づき、各情報の異常の有無を判断し、これらの複数の情報及び異常の有無の判断結果に基づき、測定結果を算出するので、信頼性が高い測定結果を得ることができる。また、異常発生の影響を受けにくくなり測定の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る分子間相互作用の測定システムの概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る測定部材の概略構成を示す斜視図である。
【図3】分子間相互作用の測定システムの測定の様子を示す模式図である。
【図4】バンドルファイバの構造斜視図である。
【図5】バンドルファイバを用いた測定部分の模式図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る分子間相互作用の測定システムの回路ブロック図である。
【図7】光源、分光器及びバンドルファイバの構成例を示すブロック図である。
【図8】光源、分光器及びバンドルファイバの他の構成例を示すブロック図である。。
【図9】シャッター切換制御の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係るリガンドとアナライトとの結合の様子を模式的に表した断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る異常検出処理を含んだ測定処理のフローチャートである。
【図12】キャリブレーション用測定標本測定時のバンドルファイバを用いた測定部分の模式図である。
【図13】各分光器で得られる分光強度分布の一例を示すグラフである。
【図14】キャリブレーションによる補正後の各分光器で得られる分光強度分布の一例を示すグラフである。
【図15】RIfS方式の概略を説明するための模式図である。
【図16】波長と分光強度との概略的な関係を示す一例のグラフである。
【図17】波長と反射率との概略的な関係を示す一例のグラフである。
【図18】ボトムピーク波長の変化の概略的な推移を示す一例のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0028】
図1に示すとおり、分子間相互作用の測定システム1は、測定対象となる試料を保持する測定部材10と後述する光源や分光器から構成される測定機構とを備えた測定装置80と、測定装置80に接続されたコンピュータである制御演算装置50と、制御演算装置50に接続されたディスプレイ91及び入力装置92とによって構成されている。
測定システム1において制御演算装置50は、測定装置80に内蔵される光源や分光器、送液装置などの測定機構の制御手段、検出情報の演算手段、及び、制御指令や検出情報の出入力を行う出入力手段(インターフェース)として機能する。
【0029】
測定装置80は、下側筺体82と、下側筺体82に回動自在に取り付けられた上側筺体81とを備える。下側筺体82には測定部材10を保持するためのテーブル83が設けられている。上側筺体81内側には、測定部材10に接続して試料を流通させるための射出口85及び吸引口87と、4つの検出窓86(86a,86b,86c,86d)とを有する接続部84が設けられている。上側筺体81内には、後述するように、白色光源20,分光器30,光ファイバ40、41が設けられており、各検出窓86から光を照射するとともに、各検出窓86から入射する光を受光するように構成されている。測定を行う際は、まず、上側筺体81を上方に回動させて下側筺体82上のテーブル83を開放し、テーブル83に測定部材10をセットする。その後、上側筺体81を下方に回動させて閉じることにより、射出口85及び吸引口87が測定部材10に接続し、また、検出窓86が測定部材10に対向し、測定準備を完了する。
【0030】
図2に示すとおり、測定部材10は、光学薄膜の設けられたセンサーチップ12と、センサーチップ12とともに流路を形成するフローセル14とによって構成されている。センサーチップ12はシリコン基板12aを有している。シリコン基板12a上にはSiN膜12b(窒化シリコン)が蒸着されている。SiN膜12bは光学薄膜の一例である。
フローセル14はシリコーンゴム製の透明な部材である。フローセル14には溝14aが形成されている。フローセル14をセンサーチップ12に密着させると、図3に示すように密閉流路14bが形成される。溝14aの両端部はフローセル14の表面から露出しており、一方の端部がサンプル溶液の流入口14cとして、他方の端部がその流出口14dとしてそれぞれ機能する。溝14aの底部には予めリガンド16が結合されている(図3参照)。
【0031】
測定部材10では、センサーチップ12に対しフローセル14を貼り替え可能となっており、フローセル14はディスポーザブル(使い捨て)使用が可能となっている。センサーチップ12の表面には、シランカップリング剤などにより、表面修飾をおこなってもよく、この場合フローセル14の貼り替えが容易となる。
【0032】
先に説明したように、測定部材10をセットした後、上側筺体81を下方に回動させて閉じることにより、図3に示すとおり、検出窓86がフローセル14に対向し、フローセル14の密閉流路14bの上方には光ファイバ40,41が設置された状態となる。光ファイバ40,41は、光源20の光を流路14b中の分子間相互作用が行われる所定の検出対象領域に照射し、当該検出対象領域からの反射光又は当該検出対象領域において薄膜12bを透過した透過光を検出器(分光器30)に導光する導光手段である。光ファイバ40の一方の端部には白色光源20が接続されている。白色光源20としては例えばハロゲン光源が使用される。光ファイバ40の他方の端部は検出窓86に面している。光ファイバ41の一方の端部には分光器30が接続され、他方の端部は検出窓86に面している。白色光源20が点灯すると、その光が光ファイバ40を介して密閉流路14bに照射され、その反射光が光ファイバ41を介して分光器30で検出される。
【0033】
光ファイバ40,41の測定部材10に臨む端部は、具体的には図4のように構成される。すなわち、図4に示すように、光ファイバ40,41はそれぞれ多数使用され、中心に束ねられた光ファイバ41,41,・・・の周囲を囲むように光ファイバ40,40,・・・が配置されて束ねられたバンドルファイバ42を構成する。図1に示した4つの検出窓86a,86b,86c,86dに対応して図5に示しように4本のバンドルファイバ42a,42b,42c,42dが適用される。4本のバンドルファイバ42a,42b,42c,42dは、接続部84等に構成される支持部材84aに支持されて互いに平行に、そして流路14bの長手方向に直列に並べられて配置されている。バンドルファイバ42aの検出対象領域15a、バンドルファイバ42bの検出対象領域15b、バンドルファイバ42cの検出対象領域15c、バンドルファイバ42dの検出対象領域15dは、それぞれ流路14b中で互いに異なった領域に形成される。また、検出対象領域15a、15b、15c、15dは、単に異なった領域に形成されているだけではく、流路14b中の流れに沿って配置されている。これらの検出対象領域15a、15b、15c、15dの位置情報は、制御演算装置50によって認識されている。制御演算装置50は、この位置情報をも利用して測定結果の演算処理を行う。なお、バンドルファイバ42や検出対象領域15の数を本実施形態では4とするが、一例であって必要に応じて増減される。図3においては省略して1つのみ示す。
【0034】
白色光源20や分光器30は制御演算装置50に接続され、制御演算装置50はこれらモジュールの動作を制御する。ここで、白色光源20、分光器30、光ファイバ40、41等は、分子間相互作用が進行する光学薄膜の反射光の強度を検出する検出手段を構成する。なお、本実施形態では反射光を測定しているが、透過光を測定するようにしても構わない。透過光を利用する場合は、光源からの光を導くための光ファイバと分光器に接続される光ファイバとが測定部材を挟んで反対側になるように配置する。
【0035】
また、制御演算装置50は、後述する記憶装置に記憶されたプログラムの実行により、検出動作制御に連動した所定のタイミングでインターフェースを介して反射光の分光特性を表すデータの入力を得るとともに、入力されたデータに基づき以下に説明する異常判断処理を実行し、各種の値を測定結果として算出する演算手段として機能する。
図6は、本測定システム1の模式的な回路ブロック図である。図6に示すように、制御演算装置50は、CPU500、ROM501、RAM502、ハードディスクなどの記憶装置503、通信装置504、メモリカード等の記憶媒体のリーダ・ライタ505、測定装置80の各部やディスプレイ91及び入力装置92との間で信号のやりとりを行うためのインターフェース506を備える。分子間相互作用を測定するためのプログラムは記憶装置503に記憶されており、このプログラムによってCPU500が各種の動作を実行するように制御される。なお、本プログラムは、LANなどを通じてインターネットなどの公衆回線に接続された通信装置504を通じて、適宜、最新のものに更新することができる。
【0036】
光源20及び分光器30とバンドルファイバ42との関係としては、バンドルファイバ42と同数の光源20及び分光器30を使用する構成のほか、複数のバンドルファイバ42で共通の光源20及び分光器30を共用する構成が適用できる。
前者の場合、図6及び図7に示すように、4つの光源20a,20b,20c,20d及び4つの分光器30a,30b,30c,30dが測定装置80に備えられる。各バンドルファイバ42と一対一に光源20及び分光器30が接続されて構成される。この構成の場合、制御演算装置50は、複数の分光器30から並行して複数の検出情報を取得することが可能であり、これら複数の検出情報に基づき、測定の実行結果を算出することができる。また、制御演算装置50は、複数の分光器30から順次取得した複数の検出情報に基づき、測定の実行結果を算出することもできる。その場合、制御演算装置50は、各検出対象領域15a、15b、15c、15dを対象とした検出情報の取得期間を流路14b内のサンプル溶液の流速に合わせて、検出対象領域が下流方向へ変遷するように切換えていくことによって、サンプル溶液の流速に検出対象領域の変遷速度を同調させて、流路14b内のサンプル溶液の流れに追従した検出を実行することができる。
【0037】
一方、後者の場合においては、図8に示すように、光路分岐器21と、シャッター22a,22b,22c,22dを用いる。一つの光源20及び一つの分光器30が光路分岐器21を介して複数のバンドルファイバ42に分配して接続される。光路分岐器21と複数のバンドルファイバ42との各間に、光源20の光に対するシャッター22a,22b,22c,22dが設けられる。本構成では、光源20及び分光器30を測定装置80に一つずつ設ければ足りるため、測定装置80を安価に構成できる。本構成において制御演算装置50は、シャッター22a,22b,22c,22dを例えば図9に示すように切換制御することより、複数のバンドルファイバ42から順次に検出情報を取得することができる。
【0038】
図9において、グラフ(a)(b)(c)(d)は、順にシャッター22a,22b,22c,22dの開閉信号で、信号H(High)はシャッターの開状態に、信号L(Low)はシャッターの閉状態に対応する。グラフ(e)は、制御演算装置50によるシャッターの切換制御信号である。制御演算装置50は、1つのシャッターのみを開状態とし残りのシャッターを閉状態として、開状態とするシャッターを図9に示すようにシャッター22a→22b→22c→22d→22a・・・と順次切換えることによって、バンドルファイバ42から順次に検出情報を取得する。制御演算装置50は、送液装置35の送液量及びシャッター22a,22b,22c,22dの切換を制御することにより、各検出対象領域15a、15b、15c、15dを対象とした検出情報の取得期間を流路14b内のサンプル溶液の流速に合わせて、検出対象領域が下流方向へ変遷するように切換えていくことによって、サンプル溶液の流速に検出対象領域の変遷速度を同調させて、流路14b内のサンプル溶液の流れに追従した検出を実行することができる。各バンドルファイバ42による1回の検出時間tは、検出対象領域の変遷速度を調整するパラメータとして適宜設定される。
勿論、シャッターは、バンドルファイバ42から分光器30への光路途中にも介在させてもよいが、光源20からの光を遮断すれば分光器30へ戻る光も無いから、少なくとも光源20の光に対して設けられれば足りる。
【0039】
続いて、測定システム1の動作及び測定方法について説明する。
【0040】
図3に示すとおり、アナライト62を含むサンプル溶液60を、流入口14cから密閉流路14bを経て流出口14dに流通させる。このとき制御演算装置50は、サンプル溶液60を送液するための送液装置35(図6参照)の制御を行う。アナライト62とは、リガンド16と特異的に結合する物質であり、検出しようとする目的の分子である。アナライト62としては、例えばタンパク質,核酸,脂質,糖などの生体分子や、薬剤物質,内分泌錯乱化学物質などの生体分子と結合する外来物質などが使用される。
制御演算装置50は、サンプル溶液60を測定部材10に流入させる前のタイミングにおいて、白色光源20を点灯させ、分光器30から分子間相互作用の開始前の光学薄膜(SiN膜12b)の反射光の強度を示すデータを含む分光特性データの入力を得る。
【0041】
制御演算装置50は、サンプル溶液60が密閉流路14bを流通している間も、白色光源20を点灯させる。白色光はフローセル14を透過してセンサーチップ12に照射され、その反射光が分光器30で検出される。分光器30により検出された反射光の検出強度は制御演算装置50に送信される。
【0042】
この場合に、図10に示すとおり、サンプル溶液60中のアナライト62がリガンド16と結合すると、光学的厚さ70が変化し、反射光の特性(例えば、分光器30による検出強度が最も小さくなる波長)が変化する。制御演算装置50は、分光器30から、分子間相互作用の進捗中又は終了後の反射光の強度を示すデータを含む分光特性データの入力を得る。
【0043】
分子間相互作用の開始後の反射光の強度が得られた時点で、制御演算装置50は、分子間相互作用の開始前の反射光の強度と、得られた進捗中又は終了後の反射光の強度との変化量を算出する。そして制御演算装置50は、この算出値を分子間相互作用の進捗度を指標する値として出力し、ディスプレイ91に表示させたり、リーダ/ライタ505によって記憶媒体に記録させたりする。
この演算に用いる反射光の強度としては、例えば、反射光の分光強度であり、制御演算装置50は、所定の波長における分子間相互作用の開始前後における反射光の分光強度の変化ΔIを算出する。また、この演算に用いる反射光の強度としては、例えば、反射光の
分光反射率であり、制御演算装置50は、所定の波長における分子間相互作用の開始前後における反射光の分光反射率の変化ΔRを算出する。ΔRは、白色光源の分光強度を反射
光の分光強度で除した値であり、白色光源の分光強度は装置により一定であるから、ΔI
とΔRの変化特性は同様であり、どちらも分子間相互作用の進捗度を指標する値として適
用できる。また、ΔIを変数とする値、例えば、ΔT=1−ΔRとして、ΔTを分子間相
互作用の進捗度を指標する値として適用してもよい。また上述したように反射スペクトルボトムピーク波長の時間的変化量を検出し、これを分子間相互作用の進捗度を指標する値として出力してもよい。また以上のパラメータのうちいずれか2以上又はすべてを出力するようにしてもよいし、他の形態の測定パラメータを採用しても良い。
【0044】
制御演算装置50は、測定動作の制御に並行して、以下のように各バンドルファイバ42に由来しインターフェース506を介して取得した複数の検出データ(例えば反射光の分光強度データ)に基づき、図11に示すフローチャートに従って異常検出処理を含んだ測定処理を実行する。
すなわち、制御演算装置50は、測定動作開始(ステップS1)の後、各バンドルファイバ42からの複数の検出データをインターフェース506を介して取得し(ステップS2)、取得した各検出データを比較する(ステップS3)。
この比較として制御演算装置50は、平均値に対する一の情報の乖離度合いの算出を行う。すなわち、制御演算装置50は、全バンドルファイバ由来の検出データの平均をとり、この平均値との差異が平均値に対して50%以上であった個々の検出データを異常データの候補とみなし(ステップS4でNO)、50%未満であれば正常な検出データとしてこれに基づく測定結果を出力し(ステップS5)、測定終了(ステップS7)するまでこれを繰り返す(ステップS6)。測定結果として、例えば、上述した分子間相互作用の進捗度を指標する値を算出する。
【0045】
制御演算装置50は、ステップS4でNOとなって異常データの候補があった場合には、その異常データの候補の数を判断する(ステップS8)。制御演算装置50は、異常データの候補の数が1個であれば(ステップS8でYES)、その異常候補の検出データに対し検出対象領域が隣接する他の一の検出データと比較した変化量を算出する(ステップS9)。比較する検出データとしては、原則的に流路14bにおけるサンプル溶液60の流れに沿って1つ前の検出対象領域についての検出データとする。すなわち、検出対象領域15dについての検出データが異常候補である場合、検出対象領域15cについての検出データを比較対象とし、検出対象領域15cについての検出データが異常候補である場合、検出対象領域15bについての検出データを比較対象とし、検出対象領域15bについての検出データが異常候補である場合、検出対象領域15aについての検出データを比較対象とする。検出対象領域15aについての検出データが異常候補である場合、検出対象領域15bについての検出データを比較対象とする。
そして制御演算装置50は、ステップS9での変化量が隣接する検出対象領域のデータに対して200%を超えていれば(ステップ10でNO)、気泡による異常データと判断し(ステップ11)、キャンセルアウトし(ステップS12)、この検出データに基づいた測定結果を出力せずに他の検出データに基づいた測定結果を出力し、200%以下であれば、正常な検出データとして他の検出データとともに測定結果を出力する(ステップ10でYES→ステップS5)。
このような2段階の異常判断ステップによって気泡の有無を判断することにより、気泡検出を効率よくしかも高精度に行うことができる。すなわち、まず第1段階において、複数の情報間の相対性に基づき各情報の異常の有無を判断するので、異常の有無を精度よく検知することができる。そして、第2段階において、上記複数の情報と第1段階で検知した異常の有無とに基づいて測定結果を算出することにより、気泡に由来する異常が発生したとしても、測定自体が可能であれば測定結果を算出することが可能となる。また、異常が多く発生し測定結果の算出が行えない場合は測定結果の算出を中断すればよく、信頼性の低い測定結果を生成して使用者の測定結果に対する不信感を招くことを回避できる。このため、使用者が何度も測定を繰り返す必要がなくなるので、使用者の測定作業の効率が向上する。なお、以上の「50%」や「200%」の判断基準値は、説明の便宜上の一例であって、使用する生化学物質や使用者等の思惑によって適宜に設定されるべき値である。
【0046】
一方、異常データの候補の数が2であれば(すなわち、全測定点の半数以内で最多の場合;ステップS13でYES)、制御演算装置50は、異常データの候補の数が1の時の処理と同様な処理を行い(ステップS14〜S17)、正常値のみを用いて測定結果を出力する。制御演算装置50が、各バンドルファイバから得られる検出データと各バンドルファイバの位置とを関連づけて、流路14b内における生化学反応経過を捉える場合は、キャンセルアウトした位置における測定データを前後のデータから補完するようにしてもよい。
制御演算装置50は、異常データの候補の数が3以上であれば(すなわち、測定点の半数を超える場合;ステップ13でNO)、気泡が流路内を覆い尽くしている可能性が大きいので、測定を中断する(ステップS18)。この際、制御演算装置50は、測定の実行結果として気泡に由来する異常発生であることを示すエラーコードを生成する。そして、このエラーコードに基づいて、ディスプレイ91に、気泡に由来する異常発生のため測定が正常に行えないことを示すメッセージを表示したり、エラーコードそのものを表示したりして、操作者に測定が行えないこと及び気泡により異常が生じていることを報知する。ディスプレイ91の代わりにあるいはディスプレイ91に加えて、警告音を発生するアラームや音声メッセージを発生する手段などの他の報知手段を用いてもよい。
以上のように制御演算装置50は、異常有と判断した検出データ以外の検出データについて測定結果を算出する。
【0047】
なお、以上の測定動作に先だって、以下に説明するようなキャリブレーションを実行することが好ましい。
光源20及び分光器30を複数個備えている場合、装置毎の機差を生じている可能性がある。これにより、同じ現象に対して同じ応答が得られる事ができなくなり測定に影響を与えてしまう可能性が高い。そこで同一の検出対象に対する各分光器の出力が異なっている場合に、同じレベルに出力されるように補正する必要がある。補正する方法としては図12のように標準白色板等のキャリブレーション用測定標本17を用いて行う。
補正する前の各分光器30で得られる光の分光強度分布の一例を図13に示す。例えば、分光器30aで分光強度分布Aが、分光器30bで分光強度分布Bが、分光器30cで分光強度分布Cが、分光器30dで分光強度分布Dが得られる。
測定標本17を対象に測定した光の強度が各分光器で同じ出力レベルになるように、各分光器30の分光感度などを調整することで補正を行う。図14に補正後の各分光器30が出力する光の強度の一例を示す。
さらに測定部材10をセットし実際に送液し出力レベルを同等にする。例えば純水を送液後、エタノールをインジェクトしその際に各分光器30から得られる光の強度も同じになるよう補正をかける。これにより各分光器の機差、センサーチップ12の面内ばらつきをネグレクトでき、純粋な生化学反応のみを出力することが可能となる。また、測定に先だってキャリブレーションを行うことにより、測定機構が正常に動作していることを把握できるので、測定時に得られる異常データの原因が機器異常ではなく、気泡に由来するものであることを把握しやすくなる。
【符号の説明】
【0048】
1 測定システム
10 測定部材
12 センサーチップ
12a シリコン基板
12b SiN膜
14 フローセル
14a 溝
14b 密閉流路
14c 流入口
14d 流出口
16 リガンド
20 白色光源
21 光路分岐器
30 分光器
40、41 光ファイバ
42 バンドルファイバ
15a−d 検出対象領域
50 制御演算装置
60 サンプル溶液
62 アナライト
80 測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
光の強度を検出する検出器と、
測定対象の生化学物質を含むサンプル溶液を薄膜上に流通させる流路と、
前記光源の光を前記流路中の分子間相互作用が行われる所定の検出対象領域に照射し、当該検出対象領域からの反射光又は当該検出対象領域において前記薄膜を透過した透過光を前記検出器に導光する導光手段と、
前記検出器が検出した情報に基づき演算する演算手段とを備え、前記分子間相互作用を測定する測定システムにおいて、
互いに前記検出対象領域の異なる複数の前記導光手段を備え、
前記演算手段は、
複数の前記導光手段に基づく前記検出器が検出した複数の情報について、これら複数の情報間の相対性に基づき、各情報の異常の有無を判断し、
前記複数の情報及び前記異常の有無の判断結果に基づき、測定結果を算出することを特徴とする分子間相互作用の測定システム。
【請求項2】
前記演算手段は、前記複数の情報について、当該複数の情報の平均値に対する一の情報の乖離度合いに基づき、当該一の情報の異常の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項3】
前記演算手段は、前記複数の情報の中の一の情報について異常の有無を判断するにあたり、当該一の情報と前記検出対象領域が隣接する他の一の情報とを比較し、その比較結果に基づいて当該一の情報の異常の有無を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項4】
前記演算手段は、異常有と判断した情報以外の情報について測定結果を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項5】
前記演算手段は、前記複数の情報について、半数を超える情報を異常有と判断した場合には、測定結果の算出を中止することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項6】
前記演算手段は、正常な測定が行えないことを示すエラー情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項7】
前記エラー情報に基づいて、測定が正常に行えないことを報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項8】
前記導光手段と同数の前記光源及び前記検出器を備え、前記各導光手段と一対一に前記光源及び前記検出器が接続されてなることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項9】
前記演算手段は、複数の前記検出器から並行して取得した前記複数の情報に基づき、測定の実行結果を算出することを特徴とする請求項8に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項10】
前記演算手段は、複数の前記検出器から順次取得した前記複数の情報に基づき、測定の実行結果を算出することを特徴とする請求項8に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項11】
一つの前記光源及び一つの前記検出器が光路分岐器を介して複数の前記導光手段に接続され、前記光路分岐器と複数の前記導光手段の各間に、少なくとも前記光源の光に対するシャッターが設けられたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項12】
測定に先だって、同一の検出対象に対して前記検出器が検出する前記複数の情報が同じレベルになるようにキャリブレーションが行われることを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から請求項12のうちいずれか一に記載の分子間相互作用の測定システムにおける前記演算手段として機能させるための分子間相互作用の測定プログラム。
【請求項14】
光源と、光の強度を検出する検出器と、測定対象の生化学物質を含むサンプル溶液を薄膜上に流通させる流路と、前記光源の光を前記流路中の分子間相互作用が行われる所定の検出対象領域に照射し、当該検出対象領域からの反射光又は当該検出対象領域において前記薄膜を透過した透過光を前記検出器に導光する導光手段であって、互いに前記検出対象領域の異なる複数の導光手段と、前記検出器が検出した情報に基づき演算する演算手段とを備えた分子間相互作用の測定システムにおいて、
複数の前記導光手段に基づく前記検出器が検出した複数の情報について、これら複数の情報間の相対性に基づき、各情報の異常の有無を判断することを特徴とする分子間相互作用の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−150076(P2012−150076A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10621(P2011−10621)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】