説明

分散印刷システム

【課題】実際の印刷速度に応じた分配比率で印刷処理を複数の印刷装置に分配して印刷させることのできる分散印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷速度を実測可能な複数の印刷装置10(1)〜(3)と、印刷処理を複数の印刷装置に分配して実行させる分散管理装置(印刷装置10(1)に内蔵)とを備え、分散管理装置は、印刷処理を所定の分配比率で複数の印刷装置に分配して印刷を開始させ、その後、該印刷中に複数の印刷装置のそれぞれで実測された印刷速度を入手し、これら実測の印刷速度に基づいて新たな分配比率を算出し、印刷処理のうち未処理の処理を新たな分配比率で複数の印刷装置に再分配する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、依頼された印刷ジョブに係る印刷処理を複数の印刷装置に分配して行う分散印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数ページや複数部数の印刷を必要とする印刷ジョブに係る印刷処理を、ネットワークや通信ケーブルを介して接続された複数台の印刷装置に振り分けて印刷を行う分散印刷システムがある。
【0003】
分散印刷システムでは、印刷処理を複数の印刷装置に以下のような方法で分配していた。
(1)印刷装置間で互いの稼働状態(印刷中か、空き状態かなど)を監視し、あいている印刷装置にジョブを割り振る方法(たとえば、特許文献1参照)。
(2)印刷完了枚数をカウントし、分散した印刷装置のいずれかにエラーが発生したとき、その時点での残存印刷枚数を求め、これをエラーの発生していない印刷装置に分配する方法(たとえば、特許文献2参照)。
(3)予め登録されている分散割合にしたがって、部単位やページ単位にジョブを分配する方法(たとえば、特許文献3参照)。
(4)印刷対象の印刷データを解析して、ページ毎に実際の印刷に要する印刷処理量を特定し、特定されたページ単位の印刷処理量と各印刷装置の処理能力とに基づいて印刷データを複数の印刷装置に分散する方法(たとえば、特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−117738号公報
【特許文献2】特開2001−273112号公報
【特許文献3】特開2006−24005号公報
【特許文献1】特開2001−117735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記(1)、(2)の方法は、エラー機などを排除し、正常に稼働している印刷装置に印刷処理を分配するようにされているが、正常に稼働する印刷装置への分配比率は、たとえば、各印刷装置の仕様上の印刷速度などに基づいて決定されているに過ぎない。また(3)の方法は、予め登録されている分散割合に基づいて分配している。
【0006】
このような分配方法は、仕様通りの印刷速度を前提としたものであるが、実際の印刷においては、仕様通りの印刷速度は常に達成されるものではなく、印刷内容に応じて印刷速度は変動(特に、低下)する。たとえば、1000枚の印刷に要する時間は、同一内容の1ページを1000部印刷する場合と、異なる1000ページを1部印刷する場合とでは全く相違するものになる。たとえば、特定のフォームの中の一部の文字(たとえば、宛名)だけを差し替えて順次印刷する差し込み印刷を行うような場合には、毎ページ、ラスタライズを要するので、処理時間が長くなる。また、多数の文字や図形などで構成された複雑なページと僅かの文字だけで構成された簡単なページとでは、ラスタライズに要する時間が大幅に相違し、印刷完了までの処理時間に大きな差が生じる。
【0007】
前述した(4)の方法は、印刷データを解析して、ページ毎に実際の印刷処理量を特定して各印刷装置への分配比率を決めるので、印刷内容の違いを考慮に入れた分配がなされる。しかしながら、印刷データが複雑になると、その解析に長い処理時間を要してしまい、印刷完了までの処理時間が長くなってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、印刷データの解析処理を行うことなく、実際の印刷速度に応じた分配比率で印刷処理を複数の印刷装置に分配して印刷させることのできる分散印刷システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]印刷速度を実測可能な複数の印刷装置と、
印刷依頼された印刷ジョブに係る印刷処理を前記複数の印刷装置に分配して実行させる分散管理装置と
を備え、
前記分散管理装置は、前記印刷処理を所定の分配比率で前記複数の印刷装置に分配して印刷を開始させ、その後、該印刷中に前記複数の印刷装置のそれぞれで実測された印刷速度を入手し、これら実測の印刷速度に基づいて新たな分配比率を算出し、前記印刷処理のうち未処理の処理を前記新たな分配比率で前記複数の印刷装置に再分配する
ことを特徴とする分散印刷システム。
【0011】
上記発明では、印刷処理を所定の分配比率で複数の印刷装置に暫定的に分配して印刷の実行を開始させた後、各印刷装置での印刷速度を実測し、未処理で残っている印刷処理の処理を、実測の印刷速度に基づいて再分配する。これにより、印刷データの内容が複雑で印刷速度が低下した場合でも、残っている印刷の処理が実際の印刷速度に応じて適切に再配分される。
【0012】
[2]前記分散管理装置は、前記複数の印刷装置のそれぞれで実測された印刷速度を入手し、これら実測の印刷速度に基づいて新たな分配比率を算出し、前記印刷処理のうち未処理の処理を前記新たな分配比率で前記複数の印刷装置に再分配する分配見直し処理を、前記印刷ジョブに係る印刷中に、所定の周期で繰り返し行う
ことを特徴とする[1]に記載の分散印刷システム。
【0013】
上記発明では、印刷中は所定の周期で再配分が繰り返し行われる。印刷速度は印刷データの複雑度に応じてページ毎に変動するので、再配分を印刷中に繰り返し行うことで、最適化される。
【0014】
[3]前記分散管理装置は、前記分配見直し処理の上限回数の設定を受け付ける回数設定部を備え、前記回数設定部を通じて設定された上限回数を限度に前記分配見直し処理を実行する
ことを特徴とする[1]に記載の分散印刷システム。
【0015】
上記発明では、再配分のための処理負担の増加が防止される。
【0016】
[4]前記分散管理装置は、前記周期の設定変更を受け付ける周期設定部を備え、
前記周期設定部を通じて設定された周期で前記分配見直し処理を実行する
ことを特徴とする[2]または[3]に記載の分散印刷システム。
【0017】
上記発明では、分配見直し処理の実行周期を設定変更することができる。印刷装置の速度や印刷枚数、印刷部数に応じた周期で分配見直し処理を実行させることができる。
【0018】
[5]前記分散管理装置は、分配比率に対応した各印刷装置の印刷速度と実測された各印刷装置の印刷速度との差が所定の許容範囲を超える場合にのみ、前記再配分を行う
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
【0019】
上記発明では、実測の印刷速度が分配比率に対応した印刷速度に基づく許容範囲内にあるときは、再配分は行わず、許容範囲から外れた場合にのみ再配分を行う。効果の少ない再配分の実行が防止される。
【0020】
[6]前記分散管理装置は、前記許容範囲の設定変更を受け付ける許容値設定部を備える、
ことを特徴とする[5]に記載の分散印刷システム。
【0021】
[7]前記印刷装置は、排紙の完了した記録紙を検出する排紙センサを有し、該排紙センサの出力信号に基づいて、当該印刷装置の印刷速度を実測する
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
【0022】
上記発明では、排紙センサの出力に基づいて印刷速度が実測される。
【0023】
[8]前記分散管理装置は、前記複数の印刷装置のそれぞれの印刷速度を示す情報が記憶された記憶部を備え、前記記憶部に記憶されている前記情報に基づいて前記所定の分配比率を算出する
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
【0024】
上記発明では、予め登録されている各印刷装置の印刷速度に基づいて
初期の分配比率が算出され、決定される。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る分散印刷システムによれば、印刷データの解析処理を行うことなく、実際の印刷速度に応じた分配比率で印刷処理を複数の印刷装置に分配して印刷させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る分散印刷システム5の構成例を示している。分散印刷システム5は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2に、印刷装置としての複合機10を複数台(ここでは、第1複合機10(1)〜第3複合機10(3)の3台とする)接続して構成される。また、ネットワーク2には、複合機10に対して印刷依頼を行うパーソナルコンピュータなどで構成されたクライアント端末3も接続される。
【0028】
複合機10は、原稿画像を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピー機能、クライアント端末3等から受信した印刷データをラスタライズしてイメージデータに展開し、該イメージデータに対応する画像を記録紙に印刷して出力するプリンタ機能などを備えている。また、各複合機10は、自装置の印刷速度を実測する機能を備えている。
【0029】
いずれの複合機10も、分散印刷におけるホスト装置、パートナー装置のいずれにもなることができるように構成されている。ホスト装置とは、クライアント端末3から受信した印刷ジョブに係る印刷処理の分配を制御する装置であり、分配比率を定め、その分配比率に応じて印刷処理を自装置と他の複合機(パートナー装置)に分配して実行させる機能を果たす。ホスト装置として動作する複合機10は、印刷処理の分配に係る制御を行う分散管理装置としての機能を果たす。パートナー装置は、ホスト装置から分配された印刷処理を実行する複合機10であり、ホスト装置と共同して分散印刷処理を実行する。
【0030】
本実施の形態では、第1複合機10(1)をホスト装置とし、第2複合機10(2)、第3複合機10(3)をパートナー装置とする場合を例に説明する。なお、各複合機10(1)〜10(3)は、たとえば、同じフロア内の比較的近くに設置され、1つの印刷ジョブに係る印刷処理が複数の複合機10に分配して行われても印刷物の回収を容易に行える環境が形成されている。
【0031】
ホスト装置である第1複合機10(1)はクライアント端末3から受信した印刷ジョブに係る印刷処理を所定の分配比率で自装置および他の複合機10に分配して印刷を開始させる。その後、該印刷中にホスト装置およびパートナー装置で実測された印刷速度を入手し、これら実測の印刷速度に基づいて新たな分配比率を算出し、印刷処理のうち未処理の処理を、この新たな分配比率で再分配する処理(分配見直し処理)を行う。これにより、実際の印刷速度に応じた分配比率で印刷処理が分配されて分散印刷が行われる。
【0032】
図2は、複合機10の概略構成を示している。複合機10は、当該複合機10の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)11にバス12を介して、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、不揮発メモリ15と、読取部16と、印刷部17と、表示部19と、操作部21と、画像処理部22と、ネットワークI/F部23と、大容量かつ不揮発の記憶装置としてのハードディスク装置24を接続して構成される。
【0033】
ROM13には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することにより複合機10としての各機能が実現される。RAM14はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリとして使用されるランダム・アクセス・メモリである。不揮発メモリ15には、各種の設定値などが記憶される。
【0034】
読取部16は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。読取部16は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0035】
印刷部17は、画像データに応じた画像を記録紙に印刷する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。他の方式のプリンタであっても構わない。
【0036】
印刷部17は、印刷の完了した記録紙が排出される排紙トレイを備えており、この排紙トレイへの排出口には排紙センサ18が設けられている。排紙センサ18は、排出口を通過する記録紙が排紙トレイに完全に排出されたとき、所定の検出信号を出力する。CPU11は、排紙センサ18から検出信号が出力された回数を計数することで、排紙トレイに排出された記録紙の枚数を計数する。単位時間に計数された枚数により印刷速度(1分間あたりの印刷枚数とする)を実測する。
【0037】
表示部19は各種の操作画面や設定画面、案内画面、警告などを表示する機能を果たし、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成される。操作部21は、液晶ディスプレイの画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルやテンキー、スタートボタンなどの各種操作スイッチで構成され、ユーザから各種の操作を受け付ける機能を果たす。
【0038】
画像処理部22は、クライアント端末3から受信した印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データを圧縮して暗号化する圧縮暗号化処理、圧縮暗号化された画像データの復号化および伸張を行う復元復号化処理、画像の回転処理などを行う。ネットワークI/F部23は、LANやインターネットなどのネットワーク2と接続してネットワーク上の他の複合機10やクライアント端末3などの装置と通信する機能を果たす。パートナー装置はネットワーク2を通じて、印刷開始後の印刷枚数や実測した印刷速度をホスト装置に通知する。ハードディスク装置24には、印刷データや画像データなどが記憶される。
【0039】
図3は、第1複合機10(1)が備える操作パネル30を示している。操作パネル30には、表示部19としての液晶ディスプレイ、操作部21としての各種スイッチ(テンキー31やスタートキー32など)が配設されている。
【0040】
CPU11は、操作パネル30を通じてユーザから所定の操作を受けると、表示部19に、分散印刷に関する分散印刷設定画面35を表示する。分散印刷設定画面35には、図3に示すように、優先1出力機器設定ボタン36と、優先2出力機器設定ボタン37と、分散制御パラメータ設定ボタン38が表示される。優先1出力機器設定ボタン36は、パートナー装置に選択される優先順位が第1位の複合機10に関する情報を登録・変更する際に操作されるボタンである。優先2出力機器設定ボタン37は、パートナー装置に選択される優先順位が第2位の複合機10に関する情報を登録・変更する際に操作されるボタンである。分散制御パラメータ設定ボタン38は、分散印刷に係る各種パラメータ値を設定する際に操作される操作ボタンである。
【0041】
分散印刷設定画面35で優先1出力機器設定ボタン36または優先2出力機器設定ボタン37が操作されると、CPU11は表示部19に図4に示すような出力機器登録画面40を表示する。出力機器登録画面40では、出力機器(複合機10)の装置IDと、装置名と、IPアドレスと、基準印刷速度の設定登録が行われる。
【0042】
図4はIPアドレスボタン41が押下された状態を示している。図中の斜線は、その項目の選択状態を示している。IPアドレスボタン41が押下されると、CPU11は出力機器登録画面40の右部に配置されている候補ウィンドウ42に、選択可能なIPアドレスの候補を表示する。候補ウィンドウ42には、自装置を除いて、ネットワーク2に接続されているすべての複合機10のIPアドレスが表示され、ユーザが候補ウィンドウ42の中の任意のIPアドレスの表示箇所を押下すると、そのIPアドレスがIPアドレス欄41aに表示される。
【0043】
同様にして、装置IDボタン44を押下して、テンキー31を操作または候補ウィンドウ42に表示される候補の中から装置番号を選択することで、装置ID欄44aにその装置番号が設定される。装置名ボタン45を押下して、図示省略の文字入力キーを操作または候補ウィンドウ42に表示される中から装置名の候補を選択することで、装置名欄45aに装置名が設定される。また、基準印刷速度ボタン46を押下して、テンキー31を操作することで、基準印刷速度欄46aに基準印刷速度の数値が設定される。基準印刷速度は、複合機10の仕様上の印刷速度であり、1分間あたりの印刷枚数が入力される。通常、その複合機10での最高速度が基準印刷速度にされる。
【0044】
設定保存ボタン47が押下されると、CPU11は、各欄41a、44a、45a、46aの表示内容を当該出力機器に関する情報として不揮発メモリ15に出力機器情報登録テーブル50(図5参照)の形式で記憶させる。戻るボタン48が押下されると、CPU11は操作パネル30の表示部19に再び図3の分散印刷設定画面35を表示する。
【0045】
図5は、不揮発メモリ15に記憶された出力機器情報登録テーブル50の一例を示している。出力機器情報登録テーブル50には、自装置(ホスト装置)に関する情報と、優先1出力機器に関する情報と、優先2出力機器に関する情報が登録される。優先1領域51には、分散印刷設定画面35で優先1出力機器設定ボタン36が選択されて出力機器登録画面40で設定された各値が登録される。優先2領域52には、分散印刷設定画面35で優先2出力機器設定ボタン37が選択されて出力機器登録画面40で設定された各値が登録される。
【0046】
自装置領域53には、自装置の装置ID、IPアドレス、装置名、基準印刷速度が登録される。自装置に関するこれらの情報は、図示省略の設定画面で設定されて登録される。なお、自装置の基準印刷速度は予めROM13に記憶されている値が使用されてもよい。
【0047】
図3の分散印刷設定画面35で分散制御パラメータ設定ボタン38が押下されると、CPU11は、図6に示す分散制御パラメータ設定画面60を操作パネル30の表示部19に表示する。分散制御パラメータ設定画面60には、モニタ回数ボタン61、モニタ間隔ボタン62、達成度(+)ボタン63、達成度(−)ボタン64、モニタ回数欄61a、モニタ間隔欄62a、達成度(+)欄63a、達成度(−)欄64a、候補ウィンドウ65、設定保存ボタン66、戻るボタン67が表示される。図中の斜線は、その項目の選択状態を示している。
【0048】
モニタ回数ボタン61が押下されると、CPU11は分散制御パラメータ設定画面60の右部に配置された候補ウィンドウ65に、選択可能なモニタ回数の規定値を表示する。ユーザが候補ウィンドウ65の中の任意の規定値の表示箇所を押下すると、その値がモニタ回数欄61aに表示される。
【0049】
同様に、モニタ間隔ボタン62が押下されると、図7に示すように、CPU11は候補ウィンドウ65に選択可能なモニタ間隔の値(単位は分)を表示する。ユーザが候補ウィンドウ65の中の任意の値の表示箇所を押下すると、その値がモニタ間隔欄62aに表示される。
【0050】
同様に、達成度(+)ボタン63が押下されると、図8(a)に示すように、CPU11は候補ウィンドウ65に、選択可能な達成度(+)の値(単位は%)を表示する。達成度(+)は、予定の印刷速度に対する実測の印刷速度として許容される比率の上限を示し、達成度(−)は前記比率の下限を示す。
【0051】
ユーザが達成度(+)ボタン63を押下した後、候補ウィンドウ65の中の任意の達成度の値の表示箇所を押下して選択すると、その値が達成度(+)欄63aに表示される。
【0052】
達成度(−)ボタン64が押下されると、図8(b)に示すように、CPU11は候補ウィンドウ65に選択可能な達成度(−)の値(単位は%)を表示し、ユーザが候補ウィンドウ65の中の任意の達成度の値の表示箇所を押下すると、その値が達成度(−)欄64aに表示される。
【0053】
設定保存ボタン66が押下されると、CPU11は、各欄61a、62a、63a、64aの表示内容を分散制御パラメータとして不揮発メモリ15に記憶させる。戻るボタン67が押下されると、CPU11は操作パネル30の表示部19に再び図3の分散印刷設定画面35を表示する。
【0054】
図9は、クライアント端末3から印刷ジョブの印刷依頼を受けた第1複合機(ホスト装置)10(1)が分散管理装置として行う処理の流れを示している。まず、出力機器情報登録テーブル50にパートナー装置の候補として登録されている複合機10(優先1出力機器および優先2出力機器)の中で、印刷可能であって優先順位の最も高い複合機10をパートナー装置に決定する(ステップS101〜107)。本例では、まず、出力機器情報登録テーブル50に優先1出力機器として登録されている複合機10が印刷可能な状態か否かを調べ、印刷可能な状態なら優先1出力機器をパートナー装置に決定する。印刷不可なら優先2出力機器として出力機器情報登録テーブル50に登録されている複合機10が印刷可能な状態か否かを調べ、印刷可能な状態なら優先2出力機器をパートナー装置に決定する。印刷不可ならホスト装置(第1複合機10(1))のみで印刷を行う。
【0055】
詳細には、ホスト装置である第1複合機10(1)のCPU11は、変数Nを「1」に初期化する(ステップS101)。次に、優先順位Nの複合機10をパートナー装置に選択し(ステップS102)、該選択したパートナー装置から状態情報(異常の有無、印刷実行中か否かなどを示す情報)を取得し(ステップS103)、該状態情報に基づいて、その装置が分散印刷のパートナー装置として印刷可能な状態か否かを判別する(ステップS104)。
【0056】
何らかの異常がある場合や他の印刷ジョブを実行中の場合は印刷不可と判別し(ステップS104;No)、変数Nに「1」を加算し(ステップS105)、該優先順位Nの複合機10がパートナー装置の候補として登録されてあれば(ステップS106;Yes)、ステップS102に戻り、該優先順位Nの複合機10について印刷可能か否かの判別を行う。登録されていなければ(ステップS106;No)、第1複合機(ホスト装置)10(1)のみで印刷を行って(ステップS107)本処理を終了する。優先順位Nの複合機10が印刷可能な状態であれば(ステップS104;Yes)、その複合機10をパートナー装置に決定する。
【0057】
パートナー装置が決定したら、今回の印刷ジョブに係る印刷処理を、その選択したパートナー装置とホスト装置とに予め定めた分配比率で分配し(ステップS108)、両装置に印刷を開始させる(ステップS109)。印刷を開始させると、ホスト装置、パートナー装置となった複合機10のそれぞれで、当該装置に分配された印刷処理に係る印刷データをラスタライズしてイメージデータに展開し、そのイメージデータに対応する画像を記録紙上に形成して印刷する処理が行われる。
【0058】
ここでは、初期の分配比率は、出力機器情報登録テーブル50に登録されているそのパートナー装置の基準印刷速度とホスト装置の基準印刷速度に基づいて決定する。より詳細には、ホスト装置の基準印刷速度をSh、パートナー装置の基準印刷速度をSpとし、ホスト装置への印刷処理の分配量をJh、パートナー装置への分配量をJpとしたとき、分配比率Jh:Jpは、Jh:Jp=Sh:Sp となるように設定する
【0059】
たとえば、1000枚の印刷ジョブの依頼を受け、ホスト装置の基準印刷速度Shが60枚/分、パートナー装置の基準印刷速度Spが40枚分であれば、Jh:Jp=Sh:Sp=6:4なので、ホスト装置に600枚、パートナー装置に400枚の印刷処理を分配し、それぞれに印刷を開始させる。なお、分配比率の決定に使用した印刷速度を「予定の印刷速度」と呼ぶものとする。初回の分配では、ホスト装置およびパートナー装置の基準印刷速度がそれぞれの予定の印刷速度となる。
【0060】
印刷が開始されると、ホスト装置およびパートナー装置の各複合機10では前述した方法により印刷速度が実測される(ステップS110)。このとき、ホスト装置は自装置での印刷完了枚数を排紙センサ18(図2参照)に基づいて計数する。またパートナー装置は上記ホスト装置の場合と同様にして計数した印刷完了枚数をホスト装置に逐次、もしくは実測の印刷速度を通知する際に、通知する。
【0061】
印刷速度の実測は、モニタ間隔として設定された時間の経過毎に行われる。最初の実測値は、印刷開始からモニタ間隔で設定された時間の経過後に算出される。パートナー装置で実測された印刷速度はホスト装置にネットワーク2を介して通知される。印刷速度の実測は、一定時間(たとえば、モニタ間隔として設定された時間)が経過する間に排紙センサ18から出力された検出信号の出力回数を計数し、これを1分あたりの回数に換算した値を実測の印刷速度(枚数/分)として求める。
【0062】
ホスト装置のCPU11は、ホスト装置とパートナー装置のそれぞれについて、予定の印刷速度に対する実測の印刷速度の比率(達成率=実測の印刷速度÷予定の印刷速度×100)を求める。そして、ホスト装置およびパートナー装置における達成率が共に、設定されている達成率(+)を上限とし達成率(−)を下限とする許容範囲に収まっているか否かを判別する(ステップS111)。たとえば、予定の印刷速度が60枚/分で実測の印刷速度が57枚/分であれば達成率は95%と算出される。予定の印刷速度が60枚/分で実測の印刷速度が66枚/分であれば達成率は110%と算出される。図6に例示した設定であれば、許容範囲は120%≧許容範囲≧90%である。
【0063】
算出した達成率がホスト装置、パートナー装置共に許容範囲内にあれば(ステップS111;Yes)、再配分は行わず、印刷速度の実測回数が、設定されているモニタ回数以上になったか否かを調べる(ステップS118)。設定されているモニタ回数より実測回数が少ない場合は(ステップS118;No)、ステップS110に戻り、設定されているモニタ間隔で次回の実測を行う。
【0064】
印刷速度の実測回数が、設定されているモニタ回数以上の場合は(ステップS118;Yes)、現在の分配比率(配分)のままで当該印刷ジョブに係る印刷を最後まで継続させて(ステップS119)処理を終了する。
【0065】
ホスト装置とパートナー装置の少なくとも一方の達成率が許容範囲にない場合は(ステップS111;No)、今回の印刷ジョブのうち未処理の印刷処理量(印刷されずに残っている印刷処理量)を求める(ステップS112)。なお、ホスト装置は、自装置での印刷済み(印刷完了)枚数は自装置で計数して取得し、パートナー装置での印刷完了枚数は、パートナー装置で計数された値を、パートナー装置からの通知により取得する。
【0066】
たとえば、1000枚のうち、ホスト装置は142枚、パートナー装置は84枚印刷済みであれば、未処理の印刷処理量は、1000−142−84=774枚となる。この未処理の印刷処理を、先の実測された印刷速度に基づいてホスト装置とパートナー装置に再配分する(ステップS113)。たとえば、実測された印刷速度がホスト装置で54枚/分、パートナー装置で32枚/分であり、残りの印刷処理量が先ほどの774枚であれば、新たな分配比率は、Jh:Jp=54:32となり、ホスト装置に486枚、パートナー装置に288枚、となるように再配分される。この再配分に使用された実測の印刷速度(ホスト装置で54枚/分、パートナー装置で32枚/分)はそれぞれ、新たな「予定の印刷速度」とされ、次回の達成率判断の基準になる。
【0067】
再配分を行うとき、ホスト装置のCPU11は、自装置の印刷部17およびパートナー装置に対して残りの印刷枚数の変更指示を出力する。ホスト装置の印刷部17は、現在実行中の印刷ジョブに係る残り印刷枚数を、変更指示により指定された印刷枚数に変更してその印刷ジョブに係る印刷処理を継続実行する。またパートナー装置のCPU11は、ホスト装置から受信した変更指示を自装置の印刷部17に対して出力し、これを受けたパートナー装置の印刷部17は、現在実行中の印刷ジョブに係る残りの印刷枚数を、変更指示された印刷枚数に変更してその印刷ジョブに係る印刷処理を継続実行する。これにより、ホスト装置およびパートナー装置において残りの印刷枚数が再配分後の枚数に変更される。
【0068】
再配分を行った後、設定されているモニタ間隔に相当する時間をあけて印刷速度の次回の実測がホスト装置およびパートナー装置で行われ、パートナー装置での実測値はホスト装置に通知される(ステップS114)。そして、ホスト装置とパートナー装置のそれぞれについて、予定の印刷速度に対する実測の印刷速度の比率(達成率)を求め、これらの達成率が共に許容範囲に収まっているか否かを調べる(ステップS115)。先の例によれば、ホスト装置に係る予定の印刷速度は54枚/分、パートナー装置に係る予定の印刷速度は32枚/分に更新されているので、ホスト装置、パートナー装置のそれぞれについて、その予定の印刷速度に対する実測の印刷速度の比率として達成率を求め、許容範囲にあるか否かを判別する。たとえば、パートナー装置に係る実測の印刷速度が33枚であれば、達成率は(達成率=33枚/32枚×100≒103%となる。
【0069】
算出した達成率がホスト装置、パートナー装置共に許容範囲内にあれば(ステップS115;Yes)、印刷速度の実測回数が、設定されているモニタ回数以上か否かを調べ(ステップS117)、設定されているモニタ回数より実測回数が少ない場合は(ステップS117;No)、ステップS114に戻り、設定されているモニタ間隔にて次回の実測を行う。
【0070】
印刷速度の実測回数が、設定されているモニタ回数以上に到達した場合は(ステップS117;Yes)、現在の分配比率(配分)のままで当該印刷ジョブに係る印刷を最後まで継続させて(ステップS119)処理を終了する。
【0071】
ホスト装置、パートナー装置の少なくとも一方の達成率が許容範囲内にない場合は(ステップS115;No)、印刷速度の実測回数が、設定されているモニタ回数以上になったか否かを調べ(ステップS116)、設定されているモニタ回数より実測回数が少ない場合は(ステップS116;No)、ステップS112に戻り、未処理の印刷処理を先ほどの実測の印刷速度に基づいてホスト装置とパートナー装置に再配分することを行う(ステップS112、S113)。印刷速度の実測回数が、設定されているモニタ回数以上に到達した場合は(ステップS116;Yes)、現在の配分のままで当該印刷ジョブに係る印刷を最後まで継続させて(ステップS119)処理を終了する。
【0072】
ここでは、印刷処理の再配分を何度も行うと、再配分に係る処理負担が増加し、かえって印刷の完了までの処理時間がながくなることがあるため、モニタ回数による上限を設けてある(ステップS116、S117,S118)。なお、ステップS116では、モニタ回数で規制する代わりに、再配分回数を基準にしてもよい。すなわち、再配分回数が、規定の上限回数を超えた場合はステップS119へ移行し、上限回数以下であればステップS112へ移行するようにしてもよい。
【0073】
このように、印刷ジョブに係る印刷処理を、出力機器情報登録テーブル50に登録されているホスト装置の基準印刷速度とパートナー装置の基準印刷速度の比に応じた分配比率でホスト装置とパートナー装置に分配して印刷の実行を開始させた後、印刷速度を実測し、該実測の印刷速度に応じた分配比率で、未処理(残り)の印刷処理をホスト装置とパートナー装置に再分配するので、印刷データの解析処理などを行うことなく、実際の印刷速度に応じた適切な分配比率で印刷処理を複数の複合機10に分配して印刷させることができる。これにより、ラスタライズに要する時間が異なる様々な印刷データに対して、その印刷データに係る印刷をホスト装置とパートナー装置に最適に分配して最短時間で印刷を完了させることができる。
【0074】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0075】
たとえば、実施の形態では、優先1出力機器と優先2出力機器の2台をパートナー装置としてホスト装置に登録する場合を例示したが、3台以上のパートナー装置を登録可能に構成されてもよい。
【0076】
また実施の形態では、いずれか1つの複合機10が分散管理装置の機能を備えたホスト装置として動作する例を示したが、本発明に係る分散印刷システムは、すべての複合機10をパートナー装置として動作するが分散管理装置の機能を具備しない印刷装置として構成し、分散管理装置の機能(図9の処理を実行する機能)をネットワークに接続された別途のサーバ装置で行うように構成されてもよい。
【0077】
印刷速度の実測方法は実施の形態で例示したものに限定されない。たとえば、定着装置の出口に記録紙を検知するセンサを設け、このセンサの検出出力に基づいて印刷速度を計測するように構成されてもよい。また、各パートナー装置は排紙センサ18の検出信号の出力毎に所定の情報をホスト装置にネットワークを通じて逐次送信し、ホスト装置側でこの情報の受信回数を計数するなどして印刷速度の実測値を算出するように構成されてもよい。
【0078】
実施の形態では、既に配分してある印刷処理のうち残りの処理を変更することで再配分を行ったが、印刷ジョブに係る印刷処理を少しずつ複数回に分けてホスト装置およびパートナー装置に依頼するようにし、各回で依頼する印刷処理を、配分済みのうちの残り処理量と実測の印刷速度とに基づいて決定するようにすることで、再配分を実現してもよい。たとえば、ホスト装置の基準印刷速度が60枚/分、パートナー装置の基準印刷速度が40枚/分で、モニタ間隔が5分であれば、60×5×余裕率(たとえば、1.1)=330枚、をホスト装置に対して初期の印刷処理として印刷依頼し、40×5×余裕率(1.1)=220枚をパートナー装置に対して初期の印刷処理として印刷依頼する。5分経過時に実測された印刷速度がホスト装置54枚、パートナー装置32枚であり、前回配分したうちの未処理枚数がホスト装置で60枚、パートナー装置で58枚であるとする。この場合、54×5×余裕率(1.3)−前回未処理分(60枚)=291枚をホスト装置に印刷依頼し、32×5×余裕率(1.3)−前回未処理分(58枚)=150枚をパートナー装置に印刷依頼する。このようにすれば、分配済みの印刷依頼に係る残りの印刷枚数を変更する必要がなく、効率的となる。なお、余裕率は、実測の印刷速度が基準印刷速度より低いほど大きくすることが望ましい。これは次の実測期間の印刷では印刷データが簡単になり、基準印刷速度が達成される場合があることによる。
【0079】
実施の形態では、印刷装置として複合機10を例に説明したが、印刷データをラスタライズしてイメージデータに展開して印刷する機能を備える装置であれば、複合機に限定されるものではなく、上記機能のみを有するプリンタ装置などであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態に係る分散印刷システムの構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る分散印刷システムに係る複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】複合機が備える操作パネルを示す正面図である。
【図4】出力機器登録画面を示す正面図である。
【図5】出力機器情報登録テーブルを示す説明図である。
【図6】モニタ回数設定中の分散制御パラメータ設定画面を示す正面図である。
【図7】モニタ間隔設定中の分散制御パラメータ設定画面を示す正面図である。
【図8】達成度設定中の分散制御パラメータ設定画面を示す正面図である。
【図9】クライアント端末から印刷ジョブの印刷依頼を受けた複合機が分散管理装置として行う処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0081】
2…ネットワーク
3…クライアント端末
5…分散印刷システム
10…複合機
10(1)…第1複合機(ホスト装置)
10(2)、10(3)…パートナー装置としての複合機
11…CPU
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…不揮発メモリ
16…読取部
17…印刷部
18…排紙センサ
19…表示部
21…操作部
22…画像処理部
23…ネットワークI/F部
24…ハードディスク装置
30…操作パネル
31…テンキー
32…スタートキー
35…分散印刷設定画面
36…優先1出力機器設定ボタン
37…優先2出力機器設定ボタン
38…分散制御パラメータ設定ボタン
40…出力機器登録画面
41…IPアドレスボタン
41a…IPアドレス欄
42…候補ウィンドウ
44…装置IDボタン
44a…装置ID欄
45…装置名ボタン
45a…装置名欄
46…基準印刷速度ボタン
46a…基準印刷速度欄
47…設定保存ボタン
48…戻るボタン
50…出力機器情報登録テーブル
51…優先1領域
52…優先2領域
53…自装置領域
60…分散制御パラメータ設定画面
61…モニタ回数ボタン
61a…モニタ回数欄
62…モニタ間隔ボタン
62a…モニタ間隔欄
63…達成度(+)ボタン
63a…達成度(+)欄
64…達成度(−)ボタン
64a…達成度(−)欄
65…候補ウィンドウ
66…設定保存ボタン
67…戻るボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷速度を実測可能な複数の印刷装置と、
印刷依頼された印刷ジョブに係る印刷処理を前記複数の印刷装置に分配して実行させる分散管理装置と
を備え、
前記分散管理装置は、前記印刷処理を所定の分配比率で前記複数の印刷装置に分配して印刷を開始させ、その後、該印刷中に前記複数の印刷装置のそれぞれで実測された印刷速度を入手し、これら実測の印刷速度に基づいて新たな分配比率を算出し、前記印刷処理のうち未処理の処理を前記新たな分配比率で前記複数の印刷装置に再分配する
ことを特徴とする分散印刷システム。
【請求項2】
前記分散管理装置は、前記複数の印刷装置のそれぞれで実測された印刷速度を入手し、これら実測の印刷速度に基づいて新たな分配比率を算出し、前記印刷処理のうち未処理の処理を前記新たな分配比率で前記複数の印刷装置に再分配する分配見直し処理を、前記印刷ジョブに係る印刷中に、所定の周期で繰り返し行う
ことを特徴とする請求項1に記載の分散印刷システム。
【請求項3】
前記分散管理装置は、前記分配見直し処理の上限回数の設定を受け付ける回数設定部を備え、前記回数設定部を通じて設定された上限回数を限度に前記分配見直し処理を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の分散印刷システム。
【請求項4】
前記分散管理装置は、前記周期の設定変更を受け付ける周期設定部を備え、
前記周期設定部を通じて設定された周期で前記分配見直し処理を実行する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の分散印刷システム。
【請求項5】
前記分散管理装置は、分配比率に対応した各印刷装置の印刷速度と実測された各印刷装置の印刷速度との差が所定の許容範囲を超える場合にのみ、前記再配分を行う
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
【請求項6】
前記分散管理装置は、前記許容範囲の設定変更を受け付ける許容値設定部を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の分散印刷システム。
【請求項7】
前記印刷装置は、排紙の完了した記録紙を検出する排紙センサを有し、該排紙センサの出力信号に基づいて、当該印刷装置の印刷速度を実測する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
【請求項8】
前記分散管理装置は、前記複数の印刷装置のそれぞれの印刷速度を示す情報が記憶された記憶部を備え、前記記憶部に記憶されている前記情報に基づいて前記所定の分配比率を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の分散印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−110976(P2010−110976A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284903(P2008−284903)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】