分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法
【課題】データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリ部に集中することを防止すること。
【解決手段】サーバ20にCIが導入されたとき、拠点内のCI情報を収集してデータベースであるMDR52に格納する工程と、MDR52に格納した拠点のCI情報を収集してMDR65に格納し、格納したCI情報がアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に配置するためのCI情報更新処理を行う工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、定期的な期間が経過したと判定したとき、前記MDR65に格納した複数拠点のCI情報をMDR65に格納したCI情報がアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に配置するためのCI情報更新処理を含むCI情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行する分散構成管理データベースシステム。
【解決手段】サーバ20にCIが導入されたとき、拠点内のCI情報を収集してデータベースであるMDR52に格納する工程と、MDR52に格納した拠点のCI情報を収集してMDR65に格納し、格納したCI情報がアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に配置するためのCI情報更新処理を行う工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、定期的な期間が経過したと判定したとき、前記MDR65に格納した複数拠点のCI情報をMDR65に格納したCI情報がアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に配置するためのCI情報更新処理を含むCI情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行する分散構成管理データベースシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを複数のデータベースに分散して管理する分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法に係り、特にデータ分散を最適化することができる分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの運用・管理業務に関する体系的なガイドラインであるITIL(Information Technology Infrastructure Library)に基づいた運用業務を取り入れる企業が増加しており、このITILは、顧客からのあらゆる問い合わせや障害やサービスのリクエストの総称であるインシデントを管理してIT(技術情報)サービスの停止を最小限に抑えるためのインシデント管理と、将来起こりうるインシデントの可能性を未然に調査し、インシデントそのものの数を減少させるための問題管理と、問題を解決するため又は要件変更に対応するためにシステム変更をコーディネートするための変更管理と、この変更管理で承認された変更依頼を元に実際の変更作業を行うリリース管理と、変更管理と密接に連携しながら、IT環境を構成するあらゆるハードウェアやソフトウェア、ドキュメントなどの構成アイテムが格納される構成管理データベース(CMDB:Configuration Management Database)が最適なシステム状態に保つための構成管理とに大別され、前記構成管理データベースを導入する企業が増えてきており、この構成管理データベースは、既に製品化されているが、顧客の企業規模が大きくなり、活動拠点が国内各地や国外へと分散していくにつれ、取り扱う扱う構成インシデント情報の量が増加し、データベースの負荷が高まってきている。
【0003】
なお、前記した構成管理データベースに関する技術が記載された文献としては、例えば下記の特許文献1献が挙げられ、この特許文献1には、構成要素毎に少なくとも1つの所定の属性及び他の構成要素との関係を示す1組のデータを保持するリポジトリと、構成要素に関する情報を検出するためのディスカバリ部と、前記ディスカバリ部によって検出された情報から新たな1組のデータの少なくとも1つを作成するデータ作成部とを設け、前記新たな1組のデータを前記リポジトリ内に格納され且つ1つの構成要素として管理することによって、構成要素の管理を簡略化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−169863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の特許文献1に記載された技術は、構成要素の管理を簡略化することができるものの、事業所や部署が複数に点在する場合、複数の異種サービスやアプリケーションによって収集された構成情報を管理することが多く、管理者による管理工数が大きくなることがある。複数製品の構成情報については、CMDB向けの仕様策定に取り組む業界団体であるCMDB FederationがCMDBと個々の物理的なデータベースである管理データリポジトリ部(MDR:Management Data Repositories)との間でデータ検索やエクスポートを可能にする仕様を定め、異種の構成情報に透過的にアクセスできる環境が整いつつあるが、データが1拠点の管理データリポジトリに片寄ったり、欲しい情報が遠くの事業所に格納されていたりと、データ量が増加するほど効率的なアクセスが困難であるという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムであって、
前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部が、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程と、
前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部が、
前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、
定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、
前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記特徴の分散構成管理データベースシステムにおいて、前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグ立てによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、
前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、
移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、
前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記特徴の分散構成管理データベースシステムにおいて、前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムの分散構成データ管理方法であって、
前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部に、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程を実行させ、
前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部に、
前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、
定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、
前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行させることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記特徴の分散構成データ管理方法において、前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグを立てることによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、
前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、
移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、
前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行させることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記特徴の分散構成データ管理方法において、前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法は、サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記サーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程と、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、前記構成アイテム情報によるデータのアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報がアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に配置するように更新する構成アイテム情報更新処理を含む構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行することによって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態による分散構成管理データベースシステムを含むコンピュータシステムを示す図
【図2】本発明の実施形態による拠点AのMDR内のCI情報テーブル部を示す図
【図3】本発明の実施形態による拠点BのMDR内のCI情報テーブル部を示す図
【図4】本発明の実施形態による拠点CのMDR内のCI情報テーブル部を示す図
【図5】本発明の実施形態による統合CMDB内のシステム情報テーブル部を示す図
【図6】本発明の実施形態による統合CMDB内のアクセス解析テーブル部を示す図
【図7】本発明の実施形態による統合CMDB内の拠点テーブル部を示す図
【図8】本発明の実施形態による統合CMDB内のアクセスルートテーブル部を示す図
【図9】本発明の実施形態による分散構成管理データベースシステムの全体処理フローを示す図
【図10】導入時の処理フローを示す図
【図11】初期配置時の処理フローを示す図
【図12】CI情報の更新処理フローを示す図
【図13】保守時の処理フローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による分散構成データ管理方法を適用した分散構成管理データベースシステムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
本実施形態による分散構成管理データベースシステムを含むコンピュータシステムは、図1に示す如く、複数の拠点AからCに配置されたコンピュータ群10,11,12と、前記コンピュータ群10,11,12とネットワーク60を介して接続される統合構成管理装置61とから構成され、前記コンピュータ群10は、サーバ20及び21と、これらサーバ20及び21のCI(configuration item)情報を収集するための情報収集装置40と、前記サーバ20及び21と情報収集装置40とを接続するネットワーク30及び31とから構成され、前記コンピュータ群11及び12も前記コンピュータ群10同様にサーバ22及び23、サーバ24及び25、情報収集装置41及び42、ネットワーク32及び33、ネットワーク34及び35とから構成されている。なお、前記CI情報とは、構成アイテム情報とも呼ばれ、構成管理の基本管理単位となる概念であって、製品やシステムを構成する要素として認識・区分された部品やユニット、ソフトウェア、ドキュメントなどであり、このCI情報は、物理的・機能的特性を識別するめの属性として、構成アイテム(品目)の名称やバージョンナンバーのほか、分類(ハードウェア・ソフトウェア・ドキュメントなど)、使用個所・保管場所・担当者・責任者・手順・プロセス、使用開始日・変更履歴、ステータス(利用中・試験中・故障中など)といった項目が設定される。
【0016】
前記情報収集装置40は、ネットワーク30及び31を介して前記サーバ20及び21のCI情報を収集する構成情報収集部50と、この収集したCI情報を表示するための構成情報表示部51と、前記収集したCI情報を格納するためのデータベースである管理データリポジトリ部(MDR:Management Data Repositories)52とを備え、前記情報収集装置41及び42も同様である。
【0017】
前記拠点AのMDR52に格納されるCI情報テーブル部は、図2に示す如く、一意のCI_iD(構成アイテム識別子)と、CI名称と、CIが置かれている拠点を示す配置先と、CIのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、CI情報が登録された日付を示す登録日時と、初期配置フローの完了有無を示す初期配置フラグ(未完:0、完了:1)と、CI自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることを示す削除フラグ(存在:0、削除:1)と、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成される。前記拠点B及びCのMDR55及び58に格納されるCI情報テーブル部も、前記MDR52同様に、図3及び図4に示した如く構成される。
【0018】
前記統合構成管理装置61は、前述のコンピュータ群10,11,12のMDR52MDR55とMDR58とからCI情報に含まれるアクセス情報をネットワーク60を介して収集するアクセス情報収集部62と、同様にCI情報に含まれるデータ容量情報を収集するデータ容量収集部63と、これらアクセス情報収集部62及びデータ容量収集部63が収集したCI情報(アクセス情報、データ容量情報他)、後述するアクセス解析テーブル部、拠点テーブル部、アクセスルートテーブル部とを格納する統合CMDB65と、この統合CMDB65に対して所定時間や期間毎のデータ更新を行うCI情報更新部64とから構成される。
【0019】
前記統合CMDB65に格納されるCI情報であるアクセス情報及びデータ容量情報は、図5に示す如く、システムのCI_iDと、システム名称と、システムに含まれるCIのCI_iDとからなり、前記アクセス解析テーブル部は、図6に示す如く、CIがどこから参照され、何回参照されたかを示すものであって、参照元の拠点と、参照されたCI_iDと、参照回数と、最後に参照された日時である参照日時との各項目からなる。
【0020】
前記統合CMDB65に格納される拠点テーブル部は、図7に示す如く、拠点の情報を示したものであって、拠点名称と、拠点の住所と、電話番号と、その拠点のMDRに格納することができる最大容量と、現在のMDRの使用量と、使用率との各項目からなり、前記アクセスルートテーブル部は、図8に示す如く、拠点間のアクセス効率を示したものであって、参照元の拠点と、参照先の拠点と、拠点間の距離と、拠点間のネットワークの最大転送速度と、拠点間のネットワークの平均転送速度との各項目からなる。
【0021】
[動作]
さて、前述のように構成した本実施形態による分散構成管理データベースシステムの動作を次に説明する。本実施形態による分散構成管理データベースシステムの全体動作は、図9に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、CIが新規導入又は変更されたときに拠点内にてCI情報を収集してMDRにCI情報を格納する導入処理を行うステップ100と、CI情報をCI間の関係に基づいて各拠点に再配置する初期配置処理を行うステップ101と、例えば月時毎等の定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記ステップ101の出力に戻るステップ102と、このステップ102において所定の期間が経過したと判定したとき、CI情報をアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に再配置する保守処理を行って前記前記ステップ101の出力に戻るステップ103とを実行することによって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる。
【0022】
前記導入処理は、図10に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、処理を行う拠点を拠点テーブル部から選択するステップ200と、拠点に配置されているCI情報を、拠点内の情報収集ツールを用いて全て収集するステップ201と、収集したCI情報を拠点内のMDRに格納するステップ202と、全拠点のCIについて収集が完了したかを確認し、未収集の拠点が存在している場合はステップ201に戻り、全拠点完了した場合は、導入時の処理を終了するステップ203とを実行することによって行われる。
【0023】
前記初期配置処理は、図11に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、処理を行う拠点を拠点テーブル部から選択するステップ300と、CI情報テーブル部から初期配置フラグ=0、つまり初期配置処理が完了していないCIを1つ選択するステップ301と、システム情報テーブル部からステップ301で選択したCIに関連するCIを全拠点から抽出するステップ302と、このステップ302で抽出したCIの拠点のうち、最も多い拠点を移動先として決定するステップ303と、CI情報更新処理に従って、CI情報を更新するステップ304と、拠点内の全CIに対する処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップ301に戻り、終了したと判定したときに初期配置フラグ=1とし、初期配置が完了したことをCI情報に記録するステップ305と、このステップステップ305によって選択された拠点に対する処理が終了したと判定したとき、全ての拠点に対する処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップ300に戻り、終了したと判定したときに処理を終了するステップ306とを実行することによって、すべの拠点のコンピュータ群のデータの初期配置を行うことができる。
【0024】
前記ステップ304におけるCI情報の更新処理は、拠点内に存在するCIの情報は拠点内のMDRから削除せず、削除フラグを立てる処理を行う。これは拠点内の情報収集システムから拠点内のCI情報が欠如することを防ぐためである。拠点外のCI情報はアクセス効率を高めるために用いているため、削除しても構わないが、拠点内のCI情報は管理を行う上、保持し続ける必要がある。削除フラグのあるCI情報を参照する場合は、参照先拠点の情報を検索することなる。
【0025】
この前記ステップ304におけるCI情報更新処理の具体的手順は、図12に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、移動対象CIが移動先に存在するか否かを判定するステップ400と、このステップ400において存在しないと判定したときにデータ位置=移動先、削除フラグ=0、参照先=null(ヌル)、保守日時=現在日時で挿入するCI情報移動先挿入処理を行うステップ402と、前記ステップ400によって移動対象CIが移動先に存在すると判定したとき、削除フラグの立っているCI情報であるために新規挿入はせず、データ位置=移動先、削除フラグ=0、参照先=null、保守日時=現在日時に更新するステップ401と、前記ステップ401又は402に続き、移動元のCIの設置先がデータ位置と等しいかを判定するステップ403と、このステップ403によって等しいと判定したとき、そのCIが移動元の拠点に存在することを示しているため、CI情報は削除せず削除フラグを設定する移動先リンクを設定するステップ404と、前記ステップ403において等しくないと判定したとき、他拠点に存在するCI情報であったことを示しているため移動元のCI情報を削除するステップ405とを実行することによって、拠点内に存在するCIの情報を拠点内のMDRから削除せず、削除フラグを立てる処理を行い、拠点内の情報収集システムから拠点内のCI情報が欠如することを防止し、アクセス効率の低下を防ぐことができる。なお、前記のMDR65における更新処理を行ったCI情報に基づいた各拠点のデータは再配置が実行される。
【0026】
前記保守処理は、図13に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、CI情報テーブル部から保守日時=現在日時ではないCI情報を1つ選択するステップ500と、このアクセス解析テーブル部から選択したCI情報へのアクセス頻度が最も多い拠点を選択するステップ501と、アクセスルートテーブル部から頻度の高い拠点との平均転送速度が最も高速な拠点を移動先候補と選定するステップ502と、前記拠点テーブル部から移動先候補にデータ保存可能な容量があるか判定するステップ504と、移動先候補に保存可能であるか判定するステップ505と、このステップ505によって保存できないと判定したとき、前記ステップ502によって選定した移動先候補を候補から除外し、前記ステップ502に戻るステップ503と、前記ステップ505によって移動先候補に移動可能と判定したとき、前記したCI情報更新処理に従ってCI情報を更新するステップ506と、全Ciに対する処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップ500に戻り、終了したと判定したとき、本処理を終了するステップ507とを実行することによって、保守処理を行うことができる。
【0027】
本実施形態による分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法は、CI情報更新部が、CIが新規導入又は変更されたときに拠点内にてCI情報を収集してMDRにCI情報を格納する導入処理工程と、CI情報をCI間の関係に基づいて各拠点に再配置する初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記初期配置処理工程の出力に戻る判定工程と、この判定工程において所定の期間が経過したと判定したとき、CI情報をアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に再配置する保守処理を行って前記初期配置処理工程の出力に戻る保守処理工程とを実行することによって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる。
【符号の説明】
【0028】
10,11,12 コンピュータ群、20から25 サーバ、
30から35 ネットワーク、40から42 情報収集装置、
50,53,56 構成情報収集部、51,54,57 構成情報表示部、
52,55,58 管理データリポジトリ部(MDR)、60 ネットワーク、
61 統合構成管理装置、62 アクセス情報収集部、63 データ容量収集部、
64 CI情報更新部、65 統合構成管理データベース(CMDB)
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを複数のデータベースに分散して管理する分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法に係り、特にデータ分散を最適化することができる分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの運用・管理業務に関する体系的なガイドラインであるITIL(Information Technology Infrastructure Library)に基づいた運用業務を取り入れる企業が増加しており、このITILは、顧客からのあらゆる問い合わせや障害やサービスのリクエストの総称であるインシデントを管理してIT(技術情報)サービスの停止を最小限に抑えるためのインシデント管理と、将来起こりうるインシデントの可能性を未然に調査し、インシデントそのものの数を減少させるための問題管理と、問題を解決するため又は要件変更に対応するためにシステム変更をコーディネートするための変更管理と、この変更管理で承認された変更依頼を元に実際の変更作業を行うリリース管理と、変更管理と密接に連携しながら、IT環境を構成するあらゆるハードウェアやソフトウェア、ドキュメントなどの構成アイテムが格納される構成管理データベース(CMDB:Configuration Management Database)が最適なシステム状態に保つための構成管理とに大別され、前記構成管理データベースを導入する企業が増えてきており、この構成管理データベースは、既に製品化されているが、顧客の企業規模が大きくなり、活動拠点が国内各地や国外へと分散していくにつれ、取り扱う扱う構成インシデント情報の量が増加し、データベースの負荷が高まってきている。
【0003】
なお、前記した構成管理データベースに関する技術が記載された文献としては、例えば下記の特許文献1献が挙げられ、この特許文献1には、構成要素毎に少なくとも1つの所定の属性及び他の構成要素との関係を示す1組のデータを保持するリポジトリと、構成要素に関する情報を検出するためのディスカバリ部と、前記ディスカバリ部によって検出された情報から新たな1組のデータの少なくとも1つを作成するデータ作成部とを設け、前記新たな1組のデータを前記リポジトリ内に格納され且つ1つの構成要素として管理することによって、構成要素の管理を簡略化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−169863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の特許文献1に記載された技術は、構成要素の管理を簡略化することができるものの、事業所や部署が複数に点在する場合、複数の異種サービスやアプリケーションによって収集された構成情報を管理することが多く、管理者による管理工数が大きくなることがある。複数製品の構成情報については、CMDB向けの仕様策定に取り組む業界団体であるCMDB FederationがCMDBと個々の物理的なデータベースである管理データリポジトリ部(MDR:Management Data Repositories)との間でデータ検索やエクスポートを可能にする仕様を定め、異種の構成情報に透過的にアクセスできる環境が整いつつあるが、データが1拠点の管理データリポジトリに片寄ったり、欲しい情報が遠くの事業所に格納されていたりと、データ量が増加するほど効率的なアクセスが困難であるという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムであって、
前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部が、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程と、
前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部が、
前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、
定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、
前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記特徴の分散構成管理データベースシステムにおいて、前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグ立てによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、
前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、
移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、
前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記特徴の分散構成管理データベースシステムにおいて、前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムの分散構成データ管理方法であって、
前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部に、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程を実行させ、
前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部に、
前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、
定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、
前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行させることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記特徴の分散構成データ管理方法において、前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグを立てることによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、
前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、
移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、
前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行させることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記特徴の分散構成データ管理方法において、前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法は、サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記サーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程と、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、前記構成アイテム情報によるデータのアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報がアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に配置するように更新する構成アイテム情報更新処理を含む構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行することによって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態による分散構成管理データベースシステムを含むコンピュータシステムを示す図
【図2】本発明の実施形態による拠点AのMDR内のCI情報テーブル部を示す図
【図3】本発明の実施形態による拠点BのMDR内のCI情報テーブル部を示す図
【図4】本発明の実施形態による拠点CのMDR内のCI情報テーブル部を示す図
【図5】本発明の実施形態による統合CMDB内のシステム情報テーブル部を示す図
【図6】本発明の実施形態による統合CMDB内のアクセス解析テーブル部を示す図
【図7】本発明の実施形態による統合CMDB内の拠点テーブル部を示す図
【図8】本発明の実施形態による統合CMDB内のアクセスルートテーブル部を示す図
【図9】本発明の実施形態による分散構成管理データベースシステムの全体処理フローを示す図
【図10】導入時の処理フローを示す図
【図11】初期配置時の処理フローを示す図
【図12】CI情報の更新処理フローを示す図
【図13】保守時の処理フローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による分散構成データ管理方法を適用した分散構成管理データベースシステムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
本実施形態による分散構成管理データベースシステムを含むコンピュータシステムは、図1に示す如く、複数の拠点AからCに配置されたコンピュータ群10,11,12と、前記コンピュータ群10,11,12とネットワーク60を介して接続される統合構成管理装置61とから構成され、前記コンピュータ群10は、サーバ20及び21と、これらサーバ20及び21のCI(configuration item)情報を収集するための情報収集装置40と、前記サーバ20及び21と情報収集装置40とを接続するネットワーク30及び31とから構成され、前記コンピュータ群11及び12も前記コンピュータ群10同様にサーバ22及び23、サーバ24及び25、情報収集装置41及び42、ネットワーク32及び33、ネットワーク34及び35とから構成されている。なお、前記CI情報とは、構成アイテム情報とも呼ばれ、構成管理の基本管理単位となる概念であって、製品やシステムを構成する要素として認識・区分された部品やユニット、ソフトウェア、ドキュメントなどであり、このCI情報は、物理的・機能的特性を識別するめの属性として、構成アイテム(品目)の名称やバージョンナンバーのほか、分類(ハードウェア・ソフトウェア・ドキュメントなど)、使用個所・保管場所・担当者・責任者・手順・プロセス、使用開始日・変更履歴、ステータス(利用中・試験中・故障中など)といった項目が設定される。
【0016】
前記情報収集装置40は、ネットワーク30及び31を介して前記サーバ20及び21のCI情報を収集する構成情報収集部50と、この収集したCI情報を表示するための構成情報表示部51と、前記収集したCI情報を格納するためのデータベースである管理データリポジトリ部(MDR:Management Data Repositories)52とを備え、前記情報収集装置41及び42も同様である。
【0017】
前記拠点AのMDR52に格納されるCI情報テーブル部は、図2に示す如く、一意のCI_iD(構成アイテム識別子)と、CI名称と、CIが置かれている拠点を示す配置先と、CIのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、CI情報が登録された日付を示す登録日時と、初期配置フローの完了有無を示す初期配置フラグ(未完:0、完了:1)と、CI自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることを示す削除フラグ(存在:0、削除:1)と、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成される。前記拠点B及びCのMDR55及び58に格納されるCI情報テーブル部も、前記MDR52同様に、図3及び図4に示した如く構成される。
【0018】
前記統合構成管理装置61は、前述のコンピュータ群10,11,12のMDR52MDR55とMDR58とからCI情報に含まれるアクセス情報をネットワーク60を介して収集するアクセス情報収集部62と、同様にCI情報に含まれるデータ容量情報を収集するデータ容量収集部63と、これらアクセス情報収集部62及びデータ容量収集部63が収集したCI情報(アクセス情報、データ容量情報他)、後述するアクセス解析テーブル部、拠点テーブル部、アクセスルートテーブル部とを格納する統合CMDB65と、この統合CMDB65に対して所定時間や期間毎のデータ更新を行うCI情報更新部64とから構成される。
【0019】
前記統合CMDB65に格納されるCI情報であるアクセス情報及びデータ容量情報は、図5に示す如く、システムのCI_iDと、システム名称と、システムに含まれるCIのCI_iDとからなり、前記アクセス解析テーブル部は、図6に示す如く、CIがどこから参照され、何回参照されたかを示すものであって、参照元の拠点と、参照されたCI_iDと、参照回数と、最後に参照された日時である参照日時との各項目からなる。
【0020】
前記統合CMDB65に格納される拠点テーブル部は、図7に示す如く、拠点の情報を示したものであって、拠点名称と、拠点の住所と、電話番号と、その拠点のMDRに格納することができる最大容量と、現在のMDRの使用量と、使用率との各項目からなり、前記アクセスルートテーブル部は、図8に示す如く、拠点間のアクセス効率を示したものであって、参照元の拠点と、参照先の拠点と、拠点間の距離と、拠点間のネットワークの最大転送速度と、拠点間のネットワークの平均転送速度との各項目からなる。
【0021】
[動作]
さて、前述のように構成した本実施形態による分散構成管理データベースシステムの動作を次に説明する。本実施形態による分散構成管理データベースシステムの全体動作は、図9に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、CIが新規導入又は変更されたときに拠点内にてCI情報を収集してMDRにCI情報を格納する導入処理を行うステップ100と、CI情報をCI間の関係に基づいて各拠点に再配置する初期配置処理を行うステップ101と、例えば月時毎等の定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記ステップ101の出力に戻るステップ102と、このステップ102において所定の期間が経過したと判定したとき、CI情報をアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に再配置する保守処理を行って前記前記ステップ101の出力に戻るステップ103とを実行することによって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる。
【0022】
前記導入処理は、図10に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、処理を行う拠点を拠点テーブル部から選択するステップ200と、拠点に配置されているCI情報を、拠点内の情報収集ツールを用いて全て収集するステップ201と、収集したCI情報を拠点内のMDRに格納するステップ202と、全拠点のCIについて収集が完了したかを確認し、未収集の拠点が存在している場合はステップ201に戻り、全拠点完了した場合は、導入時の処理を終了するステップ203とを実行することによって行われる。
【0023】
前記初期配置処理は、図11に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、処理を行う拠点を拠点テーブル部から選択するステップ300と、CI情報テーブル部から初期配置フラグ=0、つまり初期配置処理が完了していないCIを1つ選択するステップ301と、システム情報テーブル部からステップ301で選択したCIに関連するCIを全拠点から抽出するステップ302と、このステップ302で抽出したCIの拠点のうち、最も多い拠点を移動先として決定するステップ303と、CI情報更新処理に従って、CI情報を更新するステップ304と、拠点内の全CIに対する処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップ301に戻り、終了したと判定したときに初期配置フラグ=1とし、初期配置が完了したことをCI情報に記録するステップ305と、このステップステップ305によって選択された拠点に対する処理が終了したと判定したとき、全ての拠点に対する処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップ300に戻り、終了したと判定したときに処理を終了するステップ306とを実行することによって、すべの拠点のコンピュータ群のデータの初期配置を行うことができる。
【0024】
前記ステップ304におけるCI情報の更新処理は、拠点内に存在するCIの情報は拠点内のMDRから削除せず、削除フラグを立てる処理を行う。これは拠点内の情報収集システムから拠点内のCI情報が欠如することを防ぐためである。拠点外のCI情報はアクセス効率を高めるために用いているため、削除しても構わないが、拠点内のCI情報は管理を行う上、保持し続ける必要がある。削除フラグのあるCI情報を参照する場合は、参照先拠点の情報を検索することなる。
【0025】
この前記ステップ304におけるCI情報更新処理の具体的手順は、図12に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、移動対象CIが移動先に存在するか否かを判定するステップ400と、このステップ400において存在しないと判定したときにデータ位置=移動先、削除フラグ=0、参照先=null(ヌル)、保守日時=現在日時で挿入するCI情報移動先挿入処理を行うステップ402と、前記ステップ400によって移動対象CIが移動先に存在すると判定したとき、削除フラグの立っているCI情報であるために新規挿入はせず、データ位置=移動先、削除フラグ=0、参照先=null、保守日時=現在日時に更新するステップ401と、前記ステップ401又は402に続き、移動元のCIの設置先がデータ位置と等しいかを判定するステップ403と、このステップ403によって等しいと判定したとき、そのCIが移動元の拠点に存在することを示しているため、CI情報は削除せず削除フラグを設定する移動先リンクを設定するステップ404と、前記ステップ403において等しくないと判定したとき、他拠点に存在するCI情報であったことを示しているため移動元のCI情報を削除するステップ405とを実行することによって、拠点内に存在するCIの情報を拠点内のMDRから削除せず、削除フラグを立てる処理を行い、拠点内の情報収集システムから拠点内のCI情報が欠如することを防止し、アクセス効率の低下を防ぐことができる。なお、前記のMDR65における更新処理を行ったCI情報に基づいた各拠点のデータは再配置が実行される。
【0026】
前記保守処理は、図13に示す如く、図1に示したCI情報更新部64が、CI情報テーブル部から保守日時=現在日時ではないCI情報を1つ選択するステップ500と、このアクセス解析テーブル部から選択したCI情報へのアクセス頻度が最も多い拠点を選択するステップ501と、アクセスルートテーブル部から頻度の高い拠点との平均転送速度が最も高速な拠点を移動先候補と選定するステップ502と、前記拠点テーブル部から移動先候補にデータ保存可能な容量があるか判定するステップ504と、移動先候補に保存可能であるか判定するステップ505と、このステップ505によって保存できないと判定したとき、前記ステップ502によって選定した移動先候補を候補から除外し、前記ステップ502に戻るステップ503と、前記ステップ505によって移動先候補に移動可能と判定したとき、前記したCI情報更新処理に従ってCI情報を更新するステップ506と、全Ciに対する処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップ500に戻り、終了したと判定したとき、本処理を終了するステップ507とを実行することによって、保守処理を行うことができる。
【0027】
本実施形態による分散構成管理データベースシステム及び分散構成データ管理方法は、CI情報更新部が、CIが新規導入又は変更されたときに拠点内にてCI情報を収集してMDRにCI情報を格納する導入処理工程と、CI情報をCI間の関係に基づいて各拠点に再配置する初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記初期配置処理工程の出力に戻る判定工程と、この判定工程において所定の期間が経過したと判定したとき、CI情報をアクセス頻度およびアクセス効率の高い拠点に再配置する保守処理を行って前記初期配置処理工程の出力に戻る保守処理工程とを実行することによって、データ量が増加してもデータが1拠点の管理データリポジトリに集中することを防止することができる。
【符号の説明】
【0028】
10,11,12 コンピュータ群、20から25 サーバ、
30から35 ネットワーク、40から42 情報収集装置、
50,53,56 構成情報収集部、51,54,57 構成情報表示部、
52,55,58 管理データリポジトリ部(MDR)、60 ネットワーク、
61 統合構成管理装置、62 アクセス情報収集部、63 データ容量収集部、
64 CI情報更新部、65 統合構成管理データベース(CMDB)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムであって、前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部が、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程と、 前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部が、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行する分散構成管理データベースシステム。
【請求項2】
前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグを立てることによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行する請求項1記載の分散構成管理データベースシステム。
【請求項3】
前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行する請求項2記載の分散構成管理データベースシステム。
【請求項4】
複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムの分散構成データ管理方法であって、前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部に、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程を実行させ、前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部に、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行させる
分散構成データ管理方法。
【請求項5】
前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグを立てることによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行させる請求項4記載の分散構成データ管理方法。
【請求項6】
前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行させる請求項5記載の分散構成データ管理方法。
【請求項1】
複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムであって、前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部が、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程と、 前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部が、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行する分散構成管理データベースシステム。
【請求項2】
前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグを立てることによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行する請求項1記載の分散構成管理データベースシステム。
【請求項3】
前記構成アイテム情報更新部が、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行する請求項2記載の分散構成管理データベースシステム。
【請求項4】
複数の拠点に配置され、サーバと前記サーバの構成アイテム情報を収集するための拠点情報収集部及び前記拠点情報収集部によって収集した構成アイテム情報を格納する拠点管理データリポジトリ部を有するコンピュータ群と、前記コンピュータ群の拠点管理データリポジトリ部から構成アイテム情報をネットワークを介して収集するための統合情報収集部と前記統合情報収集部が収集した構成アイテム情報を格納する統合管理データリポジトリ部と前記統合管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報を最適に更新する構成アイテム情報更新部とを有する情報収集装置とを備えた分散構成管理データベースシステムの分散構成データ管理方法であって、前記サーバに構成アイテムが導入又は変更されたとき、前記拠点情報収集部に、前記導入又は変更されたサーバが配置された拠点内の構成アイテム情報を収集し、前記収集した構成アイテム情報を拠点管理データリポジトリ部に格納する導入処理工程を実行させ、前記情報収集装置の構成アイテム情報更新部に、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を統合管理データリポジトリ部に格納し、データをアクセス頻度及びアクセス効率が高い拠点に配置するように構成アイテム情報を更新する構成アイテム情報更新処理を行う初期配置処理工程と、定期的な期間が経過したか否かを判定し、経過していないと判定したときに前記定期的な期間が経過したか否かを再判定する判定処理工程と、前記判定処理工程によって定期的な期間が経過したと判定したとき、前記統合管理データリポジトリ部に格納した複数拠点の構成アイテム情報を、データをアクセス頻度及びアクセス効率の高い拠点に配置するように更新処理を行う構成アイテム情報更新処理を行った後、前記判定処理工程に戻る保守処理工程とを実行させる
分散構成データ管理方法。
【請求項5】
前記拠点管理データリポジトリ部に格納する構成アイテム情報が、一意の構成アイテム識別子と、構成アイテム名称と、構成アイテムが配置されている拠点を示す配置先と、構成アイテムのデータの置かれている拠点を示すデータ位置と、構成アイテム情報が登録された日付を示す登録日時と、前記初期配置処理工程の完了有無を示す初期配置フラグと、構成アイテム自体は自拠点にあるがデータが他拠点にあることをフラグを立てることによって表す削除フラグと、データが他拠点にある場合の拠点を示す参照先と、保守処理が行われた日付を示す保守日時の各項目情報とから構成され、前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報更新処理を行うとき、移動対象構成アイテムが移動先に存在するか否かを判定する第2判定工程と、前記第2判定工程において存在しないと判定したとき、前記拠点管理データリポジトリ部に格納した構成アイテム情報のデータ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する構成アイテム情報移動先挿入処理工程と、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程によって移動対象構成アイテムが移動先に存在すると判定したとき、データ位置に移動先を代入し、削除フラグを削除し、参照先にヌルを代入し、保守日時に現在日時を代入する更新処理工程とを実行させる請求項4記載の分散構成データ管理方法。
【請求項6】
前記構成アイテム情報更新部に、前記構成アイテム情報移動先挿入処理工程又は前記更新処理工程に続き、移動元の構成アイテムの設置先がデータ位置と等しいかを判定する第3判定工程と、前記第3判定工程によって等しいと判定したとき、構成アイテム情報は削除せず削除フラグを立てる工程と、前記第3判定工程によって等しくないと判定したとき、移動元の構成アイテム情報を削除する工程を実行させる請求項5記載の分散構成データ管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−53534(P2012−53534A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193695(P2010−193695)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】
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