説明

分析システムおよびその制御方法

【課題】液体クロマトグラフ等の分離カラムを用いて試料を分析する分析装置において、個々の分離カラムに依存した分析条件を設定する手間を省くことができ、且つ、分離カラム毎の違いによる分析性能の偏りを低減する。
【解決手段】非接触型ICタグとしてRFID1が埋め込み又は付加された分離カラム2を用い、分析時には、ICタグ1に記憶した当該カラムに特有のパラメータを取得し、表示部7に表示する。表示された前記パラメータは、データ解析部6から自動または手動により分析装置5に送信され、分析装置5は送信された分析条件に従い分析を実行する。また、ICタグ1に記憶した当該カラムに特有のパラメータは、入力部8、データ解析部6、送受信制御部4、送受信部3を介してRFID1から情報を読み取り/書き込みができるので、その変更も容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を分離カラムで分離し分析情報を取得する分析装置において、当該分離カラムの分析性能に関するパラメータおよび/または当該分離カラムの個体差情報に基く試料の分析システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高速液体クロマトグラフ分析を行う場合、分析に先立ち、個々の分離カラムに固有の分析性能に関するパラメータを、カラムに付随しているデータシートを基に分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータに入力し、分析条件を作成している。すなわち、まず、分析に使用する一つまたは複数個の分離カラムを分析装置の所定の位置に設置する。その後、またはその直前に、溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作情報などの分離カラムが個々に持っている多くの分析性能に関するパラメータを入力し分析条件を作成する必要がある。
【0003】
また、一つの分離カラムを複数の分析装置間を跨って使用する場合、それらの分離カラムを設置して分析する分析装置または、分析装置を制御するためのコンピュータ毎に前記と同じパラメータを繰り返し入力する必要がある。
【0004】
また、分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータに入力した分離カラムが個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作などの分析性能に関するパラメータを分析者が変更しなければならない。この場合、これらの変更情報は、他の分析装置には反映されないため、一つの分離カラムに対して、複数の分析条件が存在してしまうことになる。
【0005】
同じ充填剤および外形の分離カラムを同一の分析装置および溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作などの分析性能に関するパラメータを使用して分析することも多い。この場合、分離カラムの内部体積や保持係数の違いにより、分離能および保持時間などの分析結果に偏りが生じるため、使用するカラム毎に前記パラメータを調整しなければならない。
【0006】
特許文献1には、分析装置毎あるいは分析装置内の部品毎に非接触型ICタグを取り付け、このICタグから識別情報を読み取り、この識別情報に対応する管理情報をデータベースから読み出して利用する液体クロマトグラフが開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、同じく、試料容器に非接触型ICタグを取り付け、このICタグから識別情報を読み取り、この識別情報に対応する管理情報をデータベースから読み出して利用する液体クロマトグラフが開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−283344号公報
【特許文献2】特開2005−257548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の分析装置では、分析者は分析に用いる一つまたは複数個の分離カラムを分析装置の所定の位置に設置した後、またはその直前に、分析性能に関するパラメータをコンピュータに入力することで分析条件を作成している。具体的には、溶媒の混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作情報など、分離カラムが個々に持っている多くの分析性能に関するパラメータである。
【0010】
一般的に、分離カラムの性能を示すグラジエント操作などの情報は、カラム製造メーカがカラムを出荷する際にデータシートとして紙などの媒体に記載しカラムと一緒に添付されている。分析者は、それらデータシートの情報を基に目的とする分析結果を取得するための多くのパラメータを、分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータに直接手動で入力している。そのため、分析を開始するまでの準備に時間が掛かり、また、誤って分析条件を入力してしまうと、目的とする分析結果を得ることができないなどの問題点がある。
【0011】
また、一つの分離カラムが分析装置間を跨って使用される場合、前記パラメータを分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータ毎に繰り返し入力する必要がある。この場合、分析装置の台数だけ分析条件を作成する手間が掛かる。また、一台の分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータのパラメータを変更しても、他の分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータには、その変更内容は反映されない。このため、カラム本体とパラメータを一体で管理することができないなどの問題点がある。
【0012】
同じ充填剤および外形の分離カラムを同一の分析装置および溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関するパラメータを使用して分析しても、カラム製造工程の問題などでカラムの内部体積や保持係数に違いが生じる。このため、ピークの保持時間に偏りが生じてしまい、分析した成分の定性および定量することが出来ない場合がある。
【0013】
このような場合、一般的に新しい分離カラムを使用する際は、未知試料の分析前に標準サンプルを装置に送液して検量線データを作成するなどの装置のキャリブレーション動作を行う必要がある。
【0014】
また、特許文献1では、ICタグの情報から分析装置を特定し、この特定できた分析装置に対応したデータベースのメンテナンス情報を、サーバを介して読み出すことにより、メンテナンス作業に利用することができる。
【0015】
しかし、分析者は、分析結果を取得するための多くのパラメータを、分析装置または分析装置を制御するためのコンピュータに入力する必要性があることに変わりはない。
【0016】
また、メンテナンスにしても、サーバやデータベースが無い使用状況の下では実行できないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明はその一面において、試料を分離カラムで分離することによって分析情報を取得する分析装置の分離カラムに、溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能パラメータが書き込まれた非接触型ICタグを取り付け、この非接触型ICタグに書き込まれた情報を非接触にて読み込むことを特徴とする。
【0018】
本発明は他の一面において、前記非接触型ICタグには、前記分析性能パラメータではなく、内部体積/保持係数などのその分離カラムの個体差に関する情報を書き込むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は他の一面において、前記非接触型ICタグに書き込まれた情報を非接触にて読み込むだけでなく、書き込む、つまり書き換えることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明は他の一面において、前記非接触型ICタグから読み出した前記情報を、分析条件として表示することを特徴とする。
【0021】
本発明に適用する非接触型ICタグとしては、例えばRFID(Radio Frequency Identification)を挙げることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の望ましい実施形態によれば、非接触型ICタグに記憶させたグラジエント操作の分析性能に関するパラメータを読み出し分析条件として使用でき、分析時に前記パラメータを作成/入力する作業時間を削減できる。
【0023】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、分析者が、非接触型ICタグに記憶したパラメータを変更し書き込むことができ、分離カラムとパラメータが一体管理でき、他の分析装置にこの分離カラムを移動しても、再入力等の必要はなく、管理が容易となる。
【0024】
また、本発明の望ましい実施形態によれば、分析者が分離カラム個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作情報を変更することができる。変更した場合、変更された情報は、分離カラムに埋め込み又は付加さている非接触型ICタグに書き込まれるため、前述同様、他の分析装置に移設して分析を行うこともできる。
【0025】
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態である分析装置の構成及び動作について説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例による分析装置の制御機能ブロック図である。
【0028】
非接触型ICタグ1が、分離カラム2に埋め込み又は付加されている。この非接触型ICタグ1は、例えば、前述したRFID(Radio Frequency Identification)であり、電波または電磁波を用いて無線にてデータの授受を行う。この非接触型ICタグ1の情報を、送受信部3にて、非接触にて読み込みおよび書き込みを行う。この情報の読み込みおよび書き込みを制御するために送受信制御部4が設けられている。一方、試料を分離分析し分析情報を取得するために液体クロマトグラフ等の分析装置5があり、この分析装置5の動作を、データ解析部6によって制御し、分析情報を取得してデータ解析を行う。解析データや非接触型ICタグ1から読み出した分析条件を表示するために表示部7が設けられ、前記分析条件を設定/変更するための入力部8とから制御機能ブロックが構成されている。
【0029】
分析者は、分析を開始する前に非接触型ICタグとしてRFID1が埋め込み又は付加された一つまたは複数の分離カラム2を、装置の所定の位置に設置する。送受信制御部4は、送受信部3を介してRFID1から情報を読み取り、データ解析部6に送信する。この際、RFID1から読み取る情報としては、分離カラム2が個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関するパラメータおよび内部体積、保持係数などの分離カラム2の個体差に関する情報である。
【0030】
データ解析部6は、送受信制御部4が読み込んだ分離カラム2が個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関するパラメータを取得し、表示部7に表示する。表示部7に表示された前記分析条件は、データ解析部6から自動または手動により分析装置5に送信され、分析装置5は、送信された分析条件に従い分析を開始する。
【0031】
分析者が、分析前にRFID1から読み出した前記分析条件を変更した場合には、直ちに変更した分析条件が送受信制御部4に送られ、さらに、送受信部3を介して目的とする分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1に書き込まれる。
【0032】
RFID1が埋め込み又は付加された分離カラム2を、他の同様の構成を持つ分析システムに設置することができる。これにより、上記と同様に分離カラムが個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関するパラメータを、容易に参照および変更することができる。
【0033】
例えば、分離カラム2の劣化に伴う保持時間の遅れが生じた場合などは、溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関するパラメータを修正し、分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1に変更内容を書き込む。これにより、分離カラム2本体が情報を保持しているため、他の同様の構成を持つ分析システムにおいても、前記の修正された分析条件を参照および利用するができ、カラム本体と分析条件を一体で管理することができる。
【0034】
以下に、本発明の分析装置の一実施例を詳細に説明する。
【0035】
図2は、本発明の一実施例による高速液体クロマトグラフ分析装置を用いた構成図である。図1と同一符号は同一機能構成物を表す。溶離液10と、この溶離液10を送液するためのポンプ11とから、溶離液送液機構12が構成される。試料導入部13を通して、ガードカラム14と、RFID1が埋め込み又は付加された分離カラム2とから構成される分離機構15、並びに可視検出器17とが、これらをつなぐ流路18によって連携されている。前記可視検出器17の出力は、データ解析部6に送られ、このデータ解析部6が取得した分析結果や分析条件は、表示部7で表示される。また、表示部7に表示された内容は、入力部8によって変更することができる。分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1の情報は、送受信制御部4の制御の下で、送受信部3により非接触にて読み込み/書き込みを行う。
【0036】
分析者は、分析を開始する前にRFID1が埋め込み又は付加された分離カラム2を所定の位置にセットする。RFID1の記憶されている情報は送受信部3を介して送受信制御部4によって読み込まれデータ解析部6へ送信される。データ解析部6へ送信される情報は、図3に示す様な分離カラム2が個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作情報の分析性能に関するパラメータおよび分離カラム2の個体差情報としての保持係数や内部体積である。RFID1が埋め込み又は付加された分離カラム2から読み出す情報は、分析時間と共に変化する一つ以上の溶離液10の混合比率や溶離液10の流量や分離カラム2の保存温度などを含んでいる。
【0037】
送受信制御部4によって、データ解析部6に送られた分離カラム2が個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関するパラメータは、データ解析部6の表示部7に表示される。前記パラメータに変更が必要な場合、分析者は、データ解析部6に接続された入力部8から前記パラメータを修正することができる。これら修正された内容は、直ちにデータ解析部6から送受信制御部4に送信され、送受信制御部4が、送受信部3を介して分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1に書き込む。分離機構15にセットされた分離カラム2を、他の同様の機構を持つ分析システムで分析する場合でも、変更された内容は容易に参照することができ、且つ、変更されたパラメータを用いて分析を行うこともできる。
【0038】
以下に、分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1から読み出した分離カラム2が個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作情報を用いた試料分析の動作を説明する。さらに、引き続いて、分離カラム2の個体差情報である保持係数や内部体積を用いた分離カラム間の偏りを補正する方法について述べる。
【0039】
データ解析部6は、分離カラム2の個体差情報である保持係数や内部体積を基に、図3に示すグラジエント操作情報に対して溶離液10の混合比率および送液量を補正し、補正されたグラジエント操作情報を基に分析を開始する。
【0040】
図3は、高速液体クロマトグラフ分析装置における変更前後のグラジエント操作情報(A),(B)およびカラム個体差情報(C)の一例を示す。これらの情報に基づき分析装置5では、送液機構12のポンプ11内、または溶離液槽とポンプ11の間にある電磁弁(図示せず)をデータ解析部6からの信号により電磁弁を切り替え、グラジエント操作情報で選択された溶離液10をポンプ11により送液する。この際、送液する溶離液10の混合比率や送液量は、図3に示す各時間における溶離液10の混合比率および送液量などを補正した情報に基づき制御される。これらを制御することで、カラム毎に異なる保持時間の偏りを補正することができ、同じ充填剤および外形の分離カラムを複数個使用しても、常に一定の時間に目的とするピークを検出することができる。
【0041】
混合された溶離液10は、試料導入部13を経由して分離機構15へと送られる。
【0042】
試料導入部13から導入された試料は、分離機構15のカラムスイッチングバルブ(図示せず)により選択されたガードカラム14を通過し、分離カラム2で分離される。分離カラム2で分離されたサンプルは、可視検出器17により検出され、可視検出器17は検出信号をデータ解析部6に送信する。データ解析部6は、受信した信号を処理してクロマトグラフなどのデータとして出力、記録し、保存する。
【0043】
上記の操作により、分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1から読み出され、当該分離カラム2に特有の溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作情報を用いて試料を分析することができる。しかも、分離カラム2の個体差情報である保持係数や内部体積を用いることによって、それぞれの分離カラム間に生じる保持時間の偏りを補正することができる。
【0044】
以下に、この実施例の分析装置における処理フローチャートについて説明する。
【0045】
図4は、図2の実施例における分析装置の処理フローチャートである。
【0046】
分析者が、RFID1付の分離カラム2を分離機構15の所定の位置にセットすると、ステップ401でこれを検知し、ステップ402に進む。ステップ402では、送受信制御部4により、送受信部3を介して非接触にてRFID1に記録された情報を読み出す。すなわち、分離機構15にセットされている分離カラム2のRFID1から、当該分離カラム2に特有の溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作に関するパラメータと、当該分離カラム2の個体差情報である保持係数や内部体積などの情報である。これら読み出した情報は、ステップ403において、データ解析部6に送信し、送信した前記パラメータは表示部7に表示する。
【0047】
分離カラム2が個々に持つ溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作に関するパラメータの変更が必要であった場合、分析者は、データ解析部6に接続された入力部8から内容を修正する。この入力により、ステップ404では、グラジエント操作情報の変更入力が有ると判断し、ステップ405にて、読み出したグラジエント操作情報を入力に基き変更する。ステップ406では、修正された前記パラメータをデータ解析部6から送受信制御部4に送信し、送受信部3を介して分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1に書き込む。
【0048】
ステップ407では、補正された前記パラメータに基き、分析装置5による分析が開始される。分析装置5は、送信された前記パラメータを基に分析を行ない、分析情報をデータ解析部6に送信し、ステップ408では、データ解析部6で分析情報を収集・解析し、クロマトグラフなどを表示部7に表示し、分析を終了する。
【0049】
所定の位置にセットされた分離カラム2に埋め込み又は付加されたRFID1から分析条件を読み出せば、誤って分析条件を入力することを防止でき且つ、入力に掛かる手間を省くことができる。
【0050】
分離カラム固有の分析性能に関する情報および分離カラム個々の持つカラムは、全て分離カラムが保持しているためカラムと情報を一体で管理することができる。
【0051】
以上の実施例によれば、液体クロマトグラフなどの分離カラムを用いた分析装置において、個々の分離カラムに依存した分析条件を設定する手間を省くことができ、且つ、分離カラム間および分析装置間の機差による分析性能の偏りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例による分析装置の制御機能ブロック図。
【図2】本発明の一実施例による高速液体クロマトグラフ分析装置を用いた構成図。
【図3】本発明の一実施例により分離カラムに記録された分析性能パラメータおよびカラム個体差情報の一例図。
【図4】図2の実施例における分析装置の処理フローチャート。
【符号の説明】
【0053】
1…非接触型ICタグ、2…分離カラム、3…送受信部、4…送受信制御部、5…分析装置、6…データ解析部、7…表示部、8…入力部、10…溶離液、11…ポンプ、12…溶離液送液機構、13…試料導入部、14…ガードカラム、15…分離機構、17…可視検出器、18…流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を分離カラムで分離することによって分析情報を取得する分析装置と、この分析装置に取り付けた非接触型ICタグを備えた分析システムにおいて、分離カラムに取り付けられ、溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関する当該分離カラム特有のパラメータを書き込んだ非接触型ICタグと、この非接触型ICタグに書き込まれた情報を非接触にて読み出す受信部と、この受信部を介して読み出した前記パラメータを分析条件として前記試料を分析する分析部を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項2】
試料を分離カラムで分離することによって分析情報を取得する分析装置と、この分析装置に取り付けた非接触型ICタグを備えた分析システムにおいて、分離カラムに取り付けられ、内部体積/保持係数などの当該分離カラムの個体差情報が書き込んだ非接触型ICタグと、この非接触型ICタグに書き込まれた情報を非接触にて読み出す受信部と、この受信部を介して読み出した前記個体差情報を分析条件として前記試料を分析する分析部を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項3】
請求項2において、前記個体差情報に基いて、前記分離カラムに送液する溶媒の流量、混合比率、および/またはカラム温度を制御する制御手段を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項4】
試料を分離カラムで分離することによって分析情報を取得する分析装置と、この分析装置に取り付けた非接触型ICタグを備えた分析システムにおいて、分離カラムに取り付けられ、溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関する当該分離カラム特有のパラメータと内部体積/保持係数などの当該分離カラムの個体差情報とを書き込んだ非接触型ICタグと、この非接触型ICタグに書き込まれた情報を非接触にて読み出す受信部と、この受信部を介して読み出した前記パラメータおよび前記個体差情報を分析条件として前記試料を分析する分析部を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、前記非接触型ICタグに書き込みまたは書き換える情報を人為的に入力する入力部と、入力された情報を非接触にて前記非接触型ICタグに書き込みまたは書き換える送信部を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、前記非接触型ICタグから読み出した前記情報を、分析条件として表示する表示部を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項7】
試料を分離カラムで分離することによって分析情報を取得するステップと、分析装置に取り付けた非接触型ICタグに書き込まれた情報を読み出すステップを備えた分析システムの制御方法において、分離カラムに取り付けられた非接触型ICタグに、溶媒混合比率を時間とともに変化させるグラジエント操作の分析性能に関する当該分離カラム特有のパラメータを書き込むステップと、この非接触型ICタグに書き込まれた前記パラメータを、受信部から非接触にて読み出すステップと、読み出した前記パラメータを分析条件として前記試料を分析するステップとを備えたことを特徴とする分析システムの制御方法。
【請求項8】
試料を分離カラムで分離することによって分析情報を取得するステップと、分析装置に取り付けた非接触型ICタグに書き込まれた情報を読み出すステップを備えた分析システムの制御方法において、分離カラムに取り付けられた非接触型ICタグに、内部体積/保持係数などの当該分離カラムの個体差情報を書き込むステップと、この非接触型ICタグに書き込まれた前記個体差情報を、受信部から非接触にて読み出すステップと、読み出した前記個体差情報に基き、前記分離カラムに送液する溶媒の流量、混合比率、および/またはカラム温度を制御するステップを備えたことを特徴とする分析システムの制御方法。
【請求項9】
請求項7または8において、人為的に入力する入力部から、前記非接触型ICタグに書き込みまたは書き換える情報が入力されたとき、この入力情報を、送信部から非接触にて前記非接触型ICタグに書き込みまたは書き換えるステップを備えたことを特徴とする分析システムの制御方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれかにおいて、前記非接触型ICタグから読み出した前記情報を、分析条件として表示するステップを備えたことを特徴とする分析システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−107136(P2008−107136A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288548(P2006−288548)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】