説明

分析物試験方法及びシステム

試験コンプライアンス、ボーラス投与、又はカニューレの使用に関するデータを用いて糖尿病を管理する様々な方法及びシステムが記載されかつ例示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は米国特許法119条及び/又は120条に基づき2010年1月22日に出願された先に出願された米国仮特許出願第61/297,573号(代理人整理番号LFS−5211PSP)の優先権の利益を主張するものであり、この出願はその全体が参照により本願に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
グルコース監視は、糖尿病を有する人々にとっては普段の生活の中で日常的なことである。この監視の精度は、糖尿病を有する人々の健康、及び最終的には生活の質に多大な影響を与える可能性がある。一般に、糖尿病を有する人は、血糖値を監視及び管理するために、血糖値を日に数回測定しなければならない。血中グルコース濃度を正確にかつ定期的に検査しないと、心臓血管疾患、腎疾患、神経損傷、及び失明などの重篤な糖尿病関連合併症を引き起こす可能性がある。現在は、少量の血液サンプル中のグルコース濃度を個人が検査できる、多くの電子機器が存在する。このようなグルコース測定器の1つが、LifeScan製の製品であるOneTouch(登録商標)Ultra(登録商標)グルコース測定器である。
【0003】
グルコース監視に加えて、糖尿病を有する人は、例えば、インスリン投与などの薬物治療を実施しなければならない場合が多い。糖尿病を有する人は、血糖濃度を低減するためにインスリンを自己投与する場合がある。個人が予め決められた量のインスリンを投与するのを可能にする、例えば、皮下注射器、インスリンペン、及びインスリンポンプといった現在利用可能な多くの機械装置が存在する。そうしたインスリンポンプの1つは、Animas Inc.製の製品であるAnimas(登録商標)2020である。
【0004】
糖尿病を有する人々は、例えば、不規則な食物消費又は運動などによって悪影響を及ぼされないように、しばしば彼らのライフスタイル全般の厳格な管理を維持しなければならない。更に、特定の糖尿病患者を扱う医師は、糖尿病を制御するための効果的な治療や治療の変更を提供するために、その患者のライフスタイルに関する詳細な情報を必要とする。現在、糖尿病患者のライフスタイルを管理する方法の1つとして、その患者にライフスタイルに関する紙の日記をつけさせることがある。別の方法として、その患者にライフスタイルに関する出来事を単に記憶させ、各診察時に医師にその詳細を伝えさせることがある。
【0005】
ライフスタイルに関する情報を記録する上記の方法は、本質的に難しく、時間がかかり、かつ場合によっては正確ではない。紙の日記は、患者が必ずしも常に携帯しておらず、必要な時に正確に記録できない場合がある。このような紙の日記は小さいため、ライフスタイルにおける出来事の詳細な記述を必要とする詳細情報を記入することが難しい。更に、手書きのノートを手作業で確認して、その情報を解釈する必要がある医師に質問された際に、しばしば、患者はライフスタイルの主要な出来事を忘れている場合がある。紙の日記からは、要素情報を抽出又は分類するための分析が得られない。また、グラフィックによる整理編集(graphical reductions)も情報の要約もない。二次データ記憶システム、例えばデータベース又はその他電子システムへのデータ入力は、この二次データ記憶装置への、ライフスタイルデータを含む情報の労力を要する複写作業を必要とする。データの記録が難しいため、関連情報を思い出しながら入力することになり、結果として不正確かつ不完全な記録となる。
【0006】
現在は、個人のグルコース濃度を測定でき、かつ、分析用の別のコンピュータに読み出し又はアップロードするためにこの濃度を保存できる多くの携帯用電子機器が存在する。このような機器の1つが、Roche DiagnosticsのAccu−Check(商標)Complete(商標)Systemであり、ライフスタイルデータの保存に対する制限された機能を提供する。しかし、Accu−Check(商標)Complete(商標)Systemでは、計測器内に保存されるライフスタイル変数は制限されたものが選択できるのみである。事前に計測器内に入力された値からのインテリジェントフィードバックはなく、計測器をたまに使用するユーザーにとってユーザーインターフェースは直観的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、分析物試験装置及び治療用投与装置を用いて治療用ボーラスコンプライアンスを監視する方法が提供される。両方の装置はそれぞれ、メモリに接続されたマイクロプロセッサを含む。該方法は、分析物試験装置のメモリから、複数の血糖上昇の発生と、血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを得る工程と、治療用投与装置のメモリから、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集する工程と、低血糖の発生の所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生を特定する工程と、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率を計算する工程と、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない、血糖上昇の発生率を通知する工程と、によって達成され得る。
【0008】
更に別の実施形態において、分析物試験装置及び治療用投与装置を用いてインスリンボーラスコンプライアンスを監視する方法が提供される。両方の装置はそれぞれ、メモリに接続されたマイクロプロセッサを含む。該方法は、分析物試験装置のメモリから、複数の血糖上昇の発生と血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを得る工程と、治療用投与装置のメモリから、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集する工程と、低血糖の発生の所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有する血糖上昇の発生を特定する工程と、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有する血糖上昇の発生率を計算する工程と、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有する血糖上昇の発生率を通知する工程と、によって達成され得る。
【0009】
更なる実施形態において、複数のグルコース試験ストリップと、試験ストリップポートコネクタと、データ管理デバイスとを含む糖尿病管理システムが提供される。各試験ストリップは、生理学的サンプルを受容するように構成される。試験ストリップポートコネクタは、複数の試験ストリップを受容するように構成される。データ管理デバイスは、ハウジングと、マイクロプロセッサと、メモリと、ディスプレイと、電源とを含む。マイクロプロセッサは、メモリ、ディスプレイ、及び電源に接続される。マイクロプロセッサは、複数の血糖上昇の発生と、血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを得るために、試験ストリップセンサに接続される。マイクロプロセッサは、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集するように構成され、それにより、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率がマイクロプロセッサによって決定される。
【0010】
更に別の実施形態において、分析物試験装置及び治療用投与装置を用いて分析物試験コンプライアンスを監視する方法が提供される。両方の装置はそれぞれ、メモリに接続されたマイクロプロセッサを含む。前記方法は、分析物試験装置のメモリから、グルコース測定値ごとのタイムスタンプを得る工程と、治療用投与装置のメモリから、複数のボーラス事象とボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを収集する工程と、ボーラス事象の所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象を特定する工程と、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率を計算する工程と、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率を通知する工程と、によって達成され得る。
【0011】
更なる実施形態において、分析物試験装置及び治療用投与装置を用いてインスリンボーラスコンプライアンスを監視する方法が提供される。両方の装置はそれぞれ、メモリに接続されたマイクロプロセッサを含む。該方法は、分析物試験装置のメモリから、複数のグルコース測定値とグルコース測定値ごとのタイムスタンプとを含むデータを得る工程と、治療用投与装置のメモリから、複数のボーラス事象とボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを収集する工程と、ボーラス事象の所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有するボーラス事象を特定する工程と、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有するボーラス事象率を計算する工程と、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有するボーラス事象率を通知する工程と、によって達成され得る。
【0012】
更に別の実施形態において、複数のグルコース試験ストリップと、試験ストリップポートと、データ管理ユニットとを含む糖尿病管理システムが提供される。試験ストリップのそれぞれは、生理学的サンプルを受容するように構成される。試験ストリップポートコネクタは、複数の試験ストリップを受容するように構成される。データ管理デバイスは、ハウジングと、マイクロプロセッサと、メモリと、ディスプレイと、電源とを含む。マイクロプロセッサは、メモリ、ディスプレイ、及び電源に接続され、マイクロプロセッサはハウジングに近接して配置される。マイクロプロセッサはまた、グルコース測定値のそれぞれに対するタイムスタンプを得るために、試験ストリップセンサに接続される。マイクロプロセッサは、複数のボーラス事象と、ボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを収集するように構成され、それにより、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率がマイクロプロセッサによって決定される。
【0013】
別の実施形態において、カニューレを介してユーザーに治療薬を送達する治療用投与装置のカニューレ充填間の平均日数を監視する方法が提供される。該方法は、(i)カニューレが治療用投与装置に連結されるときにカニューレ充填手順を実行するユーザーインターフェースオプションを選択する工程と、(ii)カニューレを充填するために、ある量の治療薬をポンプで送り込む工程と、(iii)治療用投与装置又は分析物試験装置のメモリに、カニューレ充填手順が実行されたタイムスタンプを保存する工程と、(iv)工程(i)〜(iii)を3回以上繰り返す工程と、(v)カニューレ充填間の平均日数を計算する工程と、(vi)カニューレ充填間の平均日数を通知する工程と、によって達成され得る。
【0014】
更なる実施形態において、分析物試験装置及び治療用投与装置を用いてボーラスオーバーライドを監視する方法が提供される。両方の装置はそれぞれ、メモリに接続されたマイクロプロセッサを含む。該方法は、(i)分析物試験装置又は治療用投与装置のいずれかのディスプレイ上に推奨ボーラス量を通知する工程と、(ii)推奨ボーラス量より高い又は低い、のいずれかである異なるボーラス量を入力する工程と、(iii)治療用投与装置又は分析物試験装置のメモリに、異なるボーラス量及びタイムスタンプを保存する工程と、(iv)推奨ボーラス量よりも高いボーラス量を示す第1のしるし、又は推奨ボーラス量よりも低いボーラス量を示す第2のしるしのいずれかと共に異なるボーラス量を表示する工程と、によって達成され得る。
【0015】
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の異なる例示的実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
【0016】
本明細書に援用する明細書の一部をなす添付図面は、現時点における本発明の好適な実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明並びに下記に述べる詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は同様の要素を表す)。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】分析物測定及び管理デバイス、並びにデータ通信デバイスを含む糖尿病管理システム。
【図2】データが治療用投与デバイスと分析物測定及び管理デバイスとの間で伝達される、分析物測定及び管理デバイスのユーザーインターフェース。
【図3A】分析物の測定及び管理デバイスの回路基板の上部。
【図3B】分析物の測定及び管理デバイスの回路基板の底部。
【図4】治療用投与デバイスの機能部品の概略。
【図5】グルコース試験を実施する方法を示すフローチャート。
【図6】ボーラス計算機を設定する方法を示すフローチャート。
【図7】インスリンボーラスを計算する方法を示すフローチャート。
【図8】測定及び管理デバイス並びに治療用投与デバイスを用いて治療用ボーラスコンプライアンスを監視する方法を示すフローチャート。
【図9】測定及び管理デバイス並びに治療用投与デバイスを用いた分析物試験コンプライアンスを監視する方法を示すフローチャート。
【図10】カニューレ充填間の平均日数を監視する方法を示すフローチャート。
【図11】+/−1時間以内にボーラス投与を有さない高血糖の結果率、+/−1時間以内にグルコース結果を有さないボーラス投与率、及びカニューレ充填間の平均日数を提供するレポート上への出力。
【図12】インスリンポンプに流体的に連結されるように構成されたカニューレ。
【図13】推奨ボーラス量と異なるボーラスオーバーライドを示す方法を示すフローチャート。
【図14】上向き矢印又は下向き矢印のいずれかと共に示されたボーラスオーバーライドを含むログブックのスクリーンショット。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は必ずしも一定の縮尺を有さず、選択した実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0019】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に従って機能することを可能とするような適当な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
【0020】
図1は、分析物測定及び管理デバイス10、治療用投与デバイス(28又は48)、並びにデータ/通信デバイス(68、26、又は70)を含む糖尿病管理システムを示す。分析物測定及び管理装置10は、本明細書に記載されるように、例えばインスリンペン28、インスリンポンプ48、携帯電話68などの携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット、即ちDMUと、又はパーソナルコンピュータ26若しくはネットワークサーバー70と通信する例示の携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット装置の組み合わせを通じて、無線で通信するように構成されてもよい。本明細書で使用する時、用語「DMU」は、個々のユニット10、28、48、68を別々に、又は疾患管理システムにおいて共に使用可能である携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット(28、48、68)全てのいずれかを表す。更に、分析物測定及び管理装置、即ちDMU 10は、グルコース測定器、測定器、分析物測定装置、インスリン送達装置、又は分析物試験及び薬剤送達装置の組み合わせを含むことを意図されている。一実施形態において、分析物測定及び管理デバイス10は、ケーブルを用いてパーソナルコンピュータ26に接続されてもよい。あるいは、装置10は、好適な無線技術を介してコンピュータ26又はサーバーに接続されてもよい。
【0021】
図2は、分析物測定及び管理デバイス10のユーザーインターフェース200を示す。ユーザーインターフェース200の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。装置(10及び48)は共に、無線信号204を介した双方向データ転送のために構成され得る。実装例において、ユーザーインターフェース200は、ユーザーの糖尿病管理の一環として、提案、警告、及びコンプライアンスの更新をユーザーに提供することができる。そのような実施形態では、ユーザーインターフェース200を行うためのプログラム及び方法は、グルコース測定器10の不揮発性メモリ部分上に保存されてもよい。あるいは、インターフェース200は、コンピュータ26、携帯電話68、ポンプ48、又はサーバー70の不揮発性メモリ部分上に保存されてもよい。ユーザーインターフェース200の工程及び指示は、例えば、グルコース測定器10のディスプレイ14又はポンプ48のディスプレイ66などの通信出力ユニット上で通信されてもよい。
【0022】
そのような実施形態では、ユーザーインターフェース200のソフトは、外部コンピュータ、携帯情報端末、又は携帯電話の必要なく、測定器10及びポンプ48を使用して実行されてもよい。しかしながら、別の実施形態では、糖尿病管理200はパーソナルコンピューを使用して実行されてもよく、その場合、データは測定器10からポンプ48へと双方向で転送される。
【0023】
提案、警告、及びコンプライアンスの更新は、ユーザーに通知され得る点に留意されたい。本明細書で用いる「ユーザー」という用語は、糖尿病を有する哺乳動物患者(例、ヒト)を主として示すものであるが、この用語には、糖尿病患者の代わりに測定計10を操作する介護者又は医療提供者も含まれ得る。本明細書で用いる「通知された」という用語及びこの語幹の変形は、文字、音声、画像、又は全ての通信の態様の組み合わせを介してユーザー、ユーザーの介護者、又は医療提供者に通知が与えられることを示す。
【0024】
図1に示されるように、グルコース測定器10には、ハウジング11、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)、ディスプレイ14、ストリップポートコネクタ22、及びデータポート13が含まれる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。データには、検体濃度及び/又は患者の日常の生活習慣に関連した情報を表す値を挙げることができる。日常の生活習慣に関連した情報には、食物の摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに個々の一般的な健康状態及び運動レベルを挙げることができる。具体的には、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、第1のユーザーインターフェースボタン16、第2のユーザーインターフェースボタン18、及び第3のユーザーインターフェースボタン20が含まれる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、ユーザーがユーザーインターフェースをナビゲートすることを可能にする第1のマーキング17、第2のマーキング19、及び第3のマーキング21がそれぞれ含まれる。
【0025】
測定器10の電子構成要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置することができる。図3A及び図3Bは、回路基板34の上面及び下面に配置された電子構成要素をそれぞれ図示している。上面の電子構成要素には、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が含まれる。下面において、電子構成要素には、バッテリーコネクタ44a及びデータポート13が挙げられる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、バッテリーコネクタ44a、データポート13、及びユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)に電気的に接続されることができる。
【0026】
図3Aを参照すると、オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を与えるように構成された2個以上のオペアンプを有してよい。ポテンシオスタット機能とは、試験ストリップの少なくとも2つの電極間に試験電圧を加えることを指し得る。電流機能とは、加えられた試験電圧によって生じる試験電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えばTexas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。MSP 430は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を行うように構成することもできる。更に、MSP 430は、揮発性及び不揮発性メモリを含むこともできる。別の実施形態では、電子構成要素の多くを特定用途向け集積回路(ASIC)の形態でマイクロコントローラに組み込むことができる。
【0027】
ストリップポートコネクタ22は、試験ストリップと電気的接続を形成するように構成することができる。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成することができる。ディスプレイ14は、測定された血糖値を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、任意にバックライトを有してよい。データポート13は、接続リード線に取り付けられた適当なコネクタを受容することにより、グルコース測定器10をパーソナルコンピュータなどの外部装置に接続することができるようになっている。データポート13は、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信が可能な任意のポートであってもよい。クロック42は、時間を測定するように構成することができ、振動結晶の形態であってよい。バッテリーコネクタ44aは、電源に電気的に接続されるように構成することができる。
【0028】
例示的な一実施形態では、試験ストリップ24は、図1に示されるような電気化学的グルコース試験ストリップの形態であってよい。試験ストリップ24は、1つ以上の作用電極及び対電極を含んでよい。試験ストリップ24はまた、複数の電気的接触パッドを有してよく、その場合、各電極は少なくとも1つの電気的接触パッドと電気的に導通し得る。ストリップポートコネクタ22は、電気的接触パッドと電気的にインターフェースし、電極と電気的に連通しているように構成されてよい。試験ストリップ24は、少なくとも1つの電極上に配置されている試薬層を含んでよい。試薬層は、酵素及び調節物質を含み得る。試薬層に使用するのに適した例示的な酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(ピロロキノリンキノン補因子「PQQ」と共に)、及びグルコースデヒドロゲナーゼ(フラビンアデニンジヌクレオチド補因子「FAD」と共に)が挙げられる。試薬層に使用するのに適した例示的な調節物質としては、フェリシアニドがあり、この場合では酸化型である。試薬層は、グルコースを酵素的副産物に物理的に変換させ、その過程でグルコース濃度に比例した所定量の還元型の調節物質(例、フェロシアニド)を生成するように構成することができる。この後、作用電極によって還元型調節物質の濃度を電流の形態で測定することができる。次いで、グルコース測定器10は電流の大きさをグルコース濃度に変換することができる。
【0029】
再び図1を参照すると、インスリンペン28は、好ましくは細長く人の手で快適に扱えるような充分な大きさを有するハウジングを含んでもよい。装置28には、ユーザーによって投与される用量を記録するための電子モジュール30が設けられてもよい。装置28のハウジング内には、ユーザーから指示されることなく自動的にDMU 10の第1の無線モジュール46に信号を送信する、第2の無線モジュール32が配置されてもよい。例示的な一実施形態における無線信号としては、(a)投与される治療薬の種類、(b)ユーザーに投与される治療薬の量、又は(c)治療薬の投与の時間及び日付のデータが含まれる。
【0030】
一実施形態では、治療用投与装置は「ユーザー起動型」の治療用投与装置の形態であってよく、この装置は、1回の治療薬投与を開始するのに装置とユーザーとの手による相互作用(例えば、ユーザーが装置のボタンを押すことによる)を必要とし、こうした手による相互作用がなければユーザーに治療薬を投与しない。こうしたユーザー起動型の治療薬投与装置の非限定的な例が、同時係属中の米国特許非暫定出願第12/407173号(代理人整理番号LFS−5180USNPにより暫定的に識別される)、同第12/417875号(代理人整理番号LFS−5183USNPにより暫定的に識別される)、及び同第12/540217号(代理人整理番号DDI−5176USNPにより暫定的に識別される)に述べられており、これらの出願の全容を参照により本願に援用するものである。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の別の非限定的な例は、インスリンペン28である。インスリンペンにはインスリンの容器又はカートリッジを装填することができ、使い捨ての針に取り付けることができる。インスリンペンの各部分が再使用可能であってもよく、インスリンペンが完全に使い捨てであってもよい。インスリンペンはNovo Nordisk,Aventis、Aventis、及びEli Lillyなどの会社から市販されており、Novolog、Humalog、Levemir及びLantusといった各種のインスリンと共に使用することができる。
【0031】
図1を参照すると、治療薬投与装置は、ハウジング50、バックライトボタン52、アップボタン54、カートリッジキャップ56、ボーラスボタン58、ダウンボタン60、バッテリーキャップ62、OKボタン64、及びディスプレイ66を含むポンプ48であってもよい。ポンプ48は、例えば血糖値を調節するためのインスリンなど薬物を分配するように構成することができる。
【0032】
図4を参照すると、ポンプ48は以下の機能要素、即ち、ディスプレイ(DIS)66、ナビゲーションボタン(NAV)72、リザーバ(RES)74、赤外線通信ポート(IR)76、無線周波数モジュール(RF)78、電池(BAT)80、アラームモジュール(AL)82、及びマイクロプロセッサ(MP)84を含む。ナビゲーションボタン72には、アップボタン54、ダウンボタン60、及びOKボタン64が含まれる点に注意されたい。
【0033】
糖尿病の人は、病気を効果的に管理するためにグルコース試験を何度も行って、複数回のインスリン投与を行わなければならないことがしばしばある。グルコース濃度、試験を行った時間、及び生活習慣のデータ(例えば、食事及び運動)は、適切なインスリン投与計画を計算する際にしばしば考慮される因子である。本出願人は、ユーザーが、インスリン投与計画の有効性及びコンプライアンスを判断するのが困難であると確信している。ユーザーが病気の管理のコンプライアンスを良く理解するのを助け、かつユーザーがコンプライアンスを改善するように導くために、ユーザーがメインメニュー202内で選択することができる一連の方法(500、600、700、800、900、1000、及び1300)について以下に説明する。図2に示されるように、メニューは、グルコース試験を実施する500、インスリンボーラスコンプライアンス更新を提供する600、血糖値試験コンプライアンス更新を提供する700、インスリンボーラス計算機の設定を構成する800、インスリンボーラスを計算する900、カニューレの平均充填時間を提供する1000、及びボーラスオーバーライドフラグ(bolus override flag)を出力する1300、のための方法を含んでもよい。
【0034】
グルコース試験500は、図5の工程502に示されるように、電気化学的試験ストリップ24をグルコース測定器10のストリップポートコネクタ22に挿入することを含み得る。方法500の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。工程504に示されるように、ユーザーインターフェースがユーザーに一回分の血液を提供するように指示すると、ユーザーは、試験ストリップ24上に試料の一回分を提供する。次いで、工程506に示されるように、グルコース測定器10は測定を実施して、ディスプレイ14上にグルコース結果を出力することができる。結果が計算された後、工程508に示されるように、グルコース結果及びタイムスタンプは、グルコース測定器10のメモリに保存され得る。タイムスタンプという用語は、この場合では血糖値の測定である事象が行われた日付及び時刻を指し得る。
【0035】
図6は、ボーラス計算機700の設定を構成するための実施形態600を示す。方法600の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。工程602、604及び605に示すように、ユーザーは、インスリン感受性値、インスリンと炭水化物との比、及び目標血糖値を選択することができる。より具体的には、ユーザーは、朝食、昼食又は夕食などの特定の食事に関して、個別のインスリン感受性値及びインスリンと炭水化物との比を選択することができる。インスリン感受性値は、約5mg/dL(又はそのmmol/L単位又はミリモル/リットルへの換算値)〜約300mg/dL(又はそのmmol/L単位又はミリモル/リットルへの換算値)の範囲であってよい。インスリンと炭水化物との比は、約5グラム〜約50グラムの範囲であってよい。目標血糖値は、約60mg/dL(又はそのmmol/L単位又はミリモル/リットルへの換算値)〜約290mg/dL(又はそのmmol/L単位又はミリモル/リットルへの換算値)の範囲であってよい。次に、工程606に示すように、インスリン感受性値及びインスリンと炭水化物との比の確認がユーザーに通知されてもよく、その後メインメニュー202へ戻る。
【0036】
簡単に言えば、3つのタイプのインスリンボーラスが本明細書に記載されており、それらは(a)炭水化物適用範囲、(b)グルコース補正、又は(c)それらの組み合わせのためのインスリンボーラス量である。炭水化物適用範囲のためのインスリンボーラス量は、食事時に消費されようとする炭水化物に対処するのに必要なインスリン量であり得る。グルコース測定値補正のためのインスリンボーラス量は、目標正常血糖グルコース値を超える、ユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0037】
グルコース補正用量、炭水化物適用範囲用量、及びこれらの組み合わせである3種類のインスリンボーラスが本明細書に記載されている。グルコース補正用量は、正常血糖域を超える最近のユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要であるインスリンの量である。炭水化物適用範囲用量は、消費されようとする炭水化物量に基づいて計算されたインスリンの量である。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0038】
グルコース補正用量の一実施形態が等式1に示されている。
式1 グルコース補正用量=(現在のG−目標G)×インスリン感受性係数
【0039】
グルコース補正用量は、現在の測定グルコース値又は濃度を正常血糖域に調整するのに必要なインスリンの量であり得る。現在のG及び目標Gは、それぞれ、現在の測定グルコース値又は濃度及び目標グルコース値又は濃度であり得る。インスリン感受性係数は、インスリンの比例効果に関連した、ユーザーに特有の定数であり得る。
【0040】
炭水化物適用範囲用量のためのインスリンボーラス量は、式2を使用することにより計算することができる。
【0041】
式2 炭水化物適用範囲用量のためのインスリンボーラス量=炭水化物概算×インスリンと炭水化物との比
【0042】
炭水化物概算は、ユーザーにより消費される量であってよく、インスリンと炭水化物との比は、消費された炭水化物に対するインスリンの比例効果に関連した、ユーザーに特有の定数であり得る。総インスリン用量は、グルコース補正用量と炭水化物の予測的用量とを合計することにより計算されてもよい。
【0043】
図7は、炭水化物適用範囲及びグルコース補正を用いてインスリンボーラスを計算する方法700の実施形態を示すフローチャートである。方法700の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。最初に、工程702に示すように、計測器はインスリン計算機が既に設定されているか否かを決定することができる。インスリン計算機が設定されていない場合には、本方法はインスリンボーラス計算機設定機能600(上述されている)に移動することができる。インスリン計算機が設定されている場合には、工程704に示すように、ユーザーインターフェース200(測定器10内で例示的に実行される)は、測定された最終のユーザーのグルコース値又は濃度が約90分〜約120分経過未満であるか否かを決定することができる。測定された最終のユーザーのグルコース値又は濃度が約90分〜約120分経過未満でない場合、工程705に示すように、ボーラス計算機を使用するために別のグルコース試験を行う必要があるというメッセージを通知することができる。
【0044】
ユーザーのグルコース値又は濃度が約90分〜約120分経過未満の場合、工程708に示すように、炭水化物の推奨量を通知することができる。炭水化物の量は、ユーザーにより消費されようとする量を表し得る。工程710に示すように、ユーザーは、炭水化物の推奨量又は異なる値を入力する選択肢を有する。非限定例として、入力される炭水化物の量は、約0〜約999グラムの範囲であり得る。
【0045】
炭水化物量を入力後、工程712に示すように、推奨インスリンボーラスが通知されてもよい。推奨インスリンボーラス量は、炭水化物適用範囲、及び最近の測定されたユーザーのグルコース値のインスリン補正の両方のためのインスリンボーラス量を含むことに留意されたい。工程714に示すように、ユーザーは、インスリンの推奨量、又は例えば約0〜約999単位などの異なる値を入力する選択肢を有する。次に、工程718に示すように、実際のボーラス量及びタイムスタンプをメモリに保存することができる。工程716に示すように、入力されたボーラス量の確認がユーザーに通知され得、次にメインメニュー202へ戻る。
【0046】
図8は、測定及び管理デバイス10並びに治療用投与デバイス48を用いて治療用ボーラスコンプライアンスを監視する方法800を示すフローチャートである。方法800の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。原則として、ユーザーが高血糖状態の期間を低減すると、個人の臨床転帰が劇的に改善するので、糖尿病を有する人は、血糖上昇事象が確認されるたびにインスリンのボーラスを服用しなければならない。一実施形態において、治療用ボーラスは、例えば、糖尿病などの病気を治療するためのインスリンの量又は薬物の量を表し得る。典型的には、治療のボーラスは、例えば、およそ1分未満といった比較的短時間でユーザーに全て注入され得る。
【0047】
工程802に示すように、方法800は、分析物試験装置10のメモリから、血糖上昇の発生回数と血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを取得する工程を含む。工程802の前に、ユーザーは、グルコース測定器10を用いて複数の試験ストリップ24を使用して、グルコースに関して複数の血液サンプルを検査することができる。一実施形態において、グルコース測定器10のマイクロコントローラ38は、高血糖性である(例えば、1デシリットル当たり約200ミリグラムを超えるグルコース濃度)グルコース測定値を自動的に特定することができる。
【0048】
工程804に示すように、方法800はまた、治療用投与装置48のメモリから、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集する工程を含む。ユーザーは、ナビゲーション72ボタンにより又は方法700を用いることによりボーラス量を手動で入力することによって、ポンプ48に関するボーラスを開始することができる。ポンプ48のマイクロプロセッサ84は、ボーラスが投与されたデータ及び時間、更にはインスリンの量を記録することができる。
【0049】
工程802及び804の後、工程806に示すように、マイクロプロセッサは、低血糖の発生の所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生を特定することができる。一実施形態において、所定時間範囲は、血糖上昇の発生のタイムスタンプの約1時間前から約1時間後までであり得る。血糖上昇の発生ごとに、マイクロプロセッサは、少なくとも1回のボーラスが所定時間範囲内であるタイムスタンプを有するかどうかを判定するために、全ボーラスを分析することができる。例えば、2:00pmのタイムスタンプを有する血糖上昇の発生が存在する場合には、マイクロプロセッサは、+/−1時間の所定時間範囲内にタイムスタンプ(この場合には約1:00pm〜約3:00pmとなる)を有する少なくとも1回のボーラスを検索することができる。約1:00pm〜約3:00の間にボーラスが見つからなかった場合には、血糖上昇の発生は、+/−1時間の所定時間範囲内に関連ボーラスを有さないと特定される。
【0050】
工程808に示すように、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率を計算することができる。この計算は、血糖上昇の発生の全回数、及び所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生回数を決定することを含み得る。次に、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生回数を、血糖上昇の発生の全回数で割ることができる。工程808の計算は、等式3を用いて計算することができる。
式3 %HNB=[HNB/H]×100
【0051】
%HNBという用語は、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率であり、HNBは、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生回数であり、Hは血糖上昇の発生の全回数である。
【0052】
工程808の率が計算された時点で、工程810に示すように、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率を通知することができる。図11は、+/−1時間以内にボーラスを有さない高血糖性の結果の率を提供するレポートの一部1102に関する例示的な出力を示す。工程810の出力は、専用健康監視装置、分析物試験装置、治療用投与装置、又は他のDMU(上述されている)に構成されるパーソナルコンピュータのスクリーン上に表示されることができる。
【0053】
方法800の代替実施形態では、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを「有する」血糖上昇の発生率を、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを「有さない」血糖上昇の発生率の代わりに計算することができる。%HWBという用語は、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを「有する」血糖上昇の発生率であると定義され得る。用語%HNB及び%HWBの合計は約1である。インスリンボーラスコンプライアンスの更新を提供する観点から、推奨されたインスリン療法ガイドラインの順守を判定するために、ユーザーは、%HNB又は%HWBのいずれかを採用することができる。一実施形態において、ユーザーは、約ゼロである%HNB、あるいは約1である%HWBの目標ゴールを有してもよい。
【0054】
図9は、測定及び管理デバイス10並びに治療用投与デバイス48により分析物試験コンプライアンスを監視する方法900を示すフローチャートである。方法900の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。原則として、糖尿病を有する人は、ボーラスの量を、その人の血液中のグルコース量に合わせるように、インスリンボーラスと同時にグルコースを測定する必要がある。正常血糖の持続時間を増加させる、現在のグルコース測定値に基づくより知的なインスリン投与計画の実行は、臨床転帰を劇的に改善する。
【0055】
工程902に示すように、方法900は、分析物試験装置10のメモリから、グルコース測定値のそれぞれに対するタイムスタンプを得る工程を含む。工程902の前に、ユーザーは、グルコース測定器10で複数の試験ストリップ24を使用して、グルコースに関して複数の血液サンプルを検査することができる。
【0056】
工程904に示すように、方法900はまた、治療用投与装置48のメモリから、複数のボーラス事象及びボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプを収集する工程を含む。ユーザーは、ナビゲーション72ボタンにより又は方法700を用いることによりボーラス量を手動で入力することによって、ポンプ48に関するボーラスを開始することができる。ポンプ48のマイクロプロセッサ84は、ボーラスが投与されたデータ及び時間、インスリンの量、並びにボーラス事象の総数を記録することができる。
【0057】
工程902及び904の後、工程906に示すように、マイクロプロセッサは、ボーラス事象の所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象を特定することができる。一実施形態において、所定時間範囲は、ボーラス事象のタイムスタンプの約1時間前から約1時間後までであり得る。ボーラス事象ごとに、マイクロプロセッサは、少なくとも1つのグルコース濃度が所定時間範囲内であるタイムスタンプを有するかどうかを判定するために、全グルコース濃度を分析することができる例えば、2:00pmのタイムスタンプを有するボーラス事象が存在する場合には、マイクロプロセッサは、+/−1時間の所定時間範囲内にタイムスタンプ(この場合には約1:00pm〜約3:00pmとなる)を有する少なくとも1回のグルコース測定を検索することができる。したがって、約1:00pm〜約3:00の間にグルコース測定が見つからなかった場合には、ボーラス事象は、+/−1時間の所定時間範囲内に関連グルコース測定を有さないと特定される。
【0058】
工程908に示すように、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス率を計算することができる。この計算は、ボーラス事象の総数、及び所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象の回数を決定することを含み得る。次に、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象の回数を、ボーラス事象の総数で割ることができる。工程908の計算は、等式4を用いて計算することができる。
式4 %BNG=[BNG/B]×100
【0059】
%BNGという用語は、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率であり、BNGは、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象の回数であり、Bはボーラス事象の総数である。
【0060】
工程908の率が計算された時点で、工程910に示すように、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率を通知することができる。図11は、+/−1時間以内にグルコース測定値を有するボーラス事象率を提供するレポートの一部1104に関する例示的な出力を示す。工程910の出力は、パーソナルコンピュータ、分析物試験装置、治療用投与装置、又は他のDMU(上述されている)のスクリーン上に表示され得る。
【0061】
方法900の代替実施形態では、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を「有する」ボーラス事象率を、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定値を「有さない」ボーラス事象率の代わりに計算することができる。%BWGという用語は、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を「有する」ボーラス事象率であると定義され得る。その結果、用語%BNG及び%BWGの合計は約1である。グルコース試験コンプライアンスの更新を提供する観点から、推奨されたインスリン療法ガイドラインの順守を判定するために、ユーザーは、%BNG又は%BWGのいずれかを採用することができる。一実施形態において、ユーザーは、約ゼロである%BNG、あるいは約1である%BWGの目標ゴールを有してもよい。
【0062】
図10は、カニューレ充填間の平均日数を監視する方法1000を示すフローチャートである。方法1000の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。カニューレは、薬物を身体内に投与するためにインスリンポンプに流体的に接続された小さな管である。図12は、皮膚の皮下層1204に挿入されたカニューレ1202の側面図を示す。カニューレ1202は、ルアー付属品1206に流体的に接続されたカニューレハウジング1204に取り付けられてもよい。次に、インスリンポンプがルアー付属品1206に接続され得る。カニューレは、その後取り除かれる針と一緒に挿入された後、身体内に留まることができる。一部のシステムにおいて、カニューレは、目詰まりの危険性を軽減するために、特定の頻度(3日毎)に取り換えられる必要がある。カニューレに関する更なる詳細は、本明細書に完全に組み込まれる、米国特許第7,052,483号及び同第6,572,586号に見出すことができる。
【0063】
工程1002に示すように、方法1000は、カニューレが治療用投与装置に連結されるときにカニューレ充填手順を実行するユーザーインターフェースオプションを選択する工程を含む。カニューレ充填オプションが選択された後、ユーザーは、ポンプに新しいカニューレを物理的に取り付け、必要ならば古いカニューレを取り外す。
【0064】
工程1004に示すように、新しいカニューレが取り付けられた時点で、カニューレが充填されるように治療量をポンプで送り込む。一実施形態において、ユーザーは、カニューレに呼び水を差すユーザーインターフェースオプションを選択することができる。次に、工程1006に示すように、カニューレ充填手順が実行されたタイムスタンプをメモリに保存することができる。タイムスタンプは、治療用投与装置、分析物試験装置、パーソナルコンピュータ、又は他のDMUのメモリに保存され得ることに留意されたい。工程1008に示すように、工程1002、1004、及び1006は、3回以上繰り返すことができる。
【0065】
工程1008の後、工程1010に示すように、マイクロプロセッサは、カニューレ充填間の平均日数を計算することができる。工程1010の計算は、等式5を用いて計算することができる。
【数1】

【0066】
平均という用語は、カニューレ充填間の平均日数であり、Cは、連続する2回のカニューレ充填間の日数であり、Nは、カニューレ充填の総数である。
【0067】
工程1010のカニューレ充填間の平均日数が計算されると、工程1012に示すように、これが通知され得る。工程1012の出力は、パーソナルコンピュータ、分析物試験装置、治療用投与装置、又は他のDMU(上述されている)のスクリーン上に表示され得る。一実施形態では、カニューレ充填間の平均日数が約3日を超えると、ユーザーに警報を通知することができる。
【0068】
特定の状況下では、典型的にはベーシックなインスリン計算機で考慮されない要因のために、ユーザーは、推奨ボーラスがより低く又は高くなるように調整してもよい。例えば、インスリンの種類(例えば、即効性若しくは遅効性)又は炭水化物の種類(例えば、単炭水化物又は複合炭水化物)は、ユーザーが推奨ボーラス量を調整する原因となり得る。しかしながら、調整したボーラス量が低血糖又は高血糖を引き起こす場合、ユーザー又はHCPは、特定の調整がより高かったのか又はより低かったのかを調べるために、調整したインスリンボーラスのログブックを見直すことを望む場合がある。
【0069】
図13は、推奨ボーラス量と異なるボーラスオーバーライドを表示するための方法1300を示すフローチャートである。方法1300の各工程を一般的に実行するようにマイクロプロセッサをプログラムすることができる。このマイクロプロセッサは、例えば、グルコース測定器、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。インスリンボーラス計算機を使用する場合、工程1302に示されるように、推奨ボーラス量は、専用コンピュータ26、分析物試験装置10又は治療用投与装置48のいずれかのディスプレイ上に表示され得る。工程1304に示されるように、ユーザーは、推奨ボーラス量を承諾することができるか、あるいは、異なるボーラス量(より高く又は低くのいずれか)を入力することによってボーラス量をオーバーライドすることができる。工程1306に示されるように、ボーラス量がオーバーライドされる場合、異なるボーラス量及びタイムスタンプは、分析物試験装置10又は治療用投与装置48のいずれかのメモリに保存され得る。次に、工程1308に示されるように、異なるボーラス量は、調整されたボーラス量が推奨量よりも低かったか、又は高かったかを表示するための第1のしるし又は第2のしるしのいずれかと共に表示されることができる。
【0070】
一実施形態において、第1又は第2のしるしのいずれかと共に異なるボーラス量は、専用コンピュータ26、分析物試験装置10、又は治療用投与装置48のディスプレイ上に表示され得る。別の実施形態では、第1又は第2のしるしのいずれかと共に異なるボーラス量は、データが転送された後にパーソナルコンピュータ26のディスプレイ上に表示され得る。第1及び第2のしるしは、図14のスクリーンショットの部分1404及び1402に示されるように、上向き矢印又は下向き矢印によって表わされてもよい。第1又は第2のしるしは、推奨ボーラス量に直接隣接して位置付けられてもよい。
【0071】
異なるボーラス量は、ログブックのセルの中に位置付けられることができる。より詳細には、上又は下向き矢印のいずれかと共に異なるボーラス量は、図14の薬剤の欄(「薬剤」と表わされている)の中に示される。ログブックは、二次元配列で構成された複数のセルを含むことができ、第1の次元は1日の間の時間間隔を表し、第2の次元は数日の時間間隔を表す。例えば、第1の次元の時間間隔は、「夜間」、「早朝」、「昼近く」、「昼過ぎ」、「夕方近く」、「夕方」、「深夜」及び「就寝時刻」に分類されて欄の中に表され得る。第2の次元の時間間隔は、各行が1日である複数の行として表わされ得る。
【0072】
本明細書で述べた様々な方法を用い、例えば、Visual Studio 6.0、Windows(登録商標) 2000 Server及びSQL Server 2000などの既存のソフトウェア開発ツールを使用することによってソフトウェアコードを生成することができる。しかしながら、これらの方法は、こうした方法をコードするための新しいソフトウェア言語の必要条件及び入手可能性に応じて、他のソフトウェア言語に変換することもできる。更に、本明細書で述べた様々な方法は、適当なソフトウェアコードに一旦変換されれば、適当なマイクロプロセッサ又はコンピュータによって実行される際に、これらの方法において述べられた工程をあらゆる他の必要な工程と共に実行するように動作する、任意のコンピュータ読み出し可能な記憶媒体として実施することができる。
【0073】
本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上述の方法及び工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物試験装置及び治療用投与装置を用いて治療用ボーラスコンプライアンスを監視する方法であって、該両方の装置のそれぞれは、メモリに接続されたマイクロプロセッサをそれぞれ含み、該方法は、
前記分析物試験装置の前記メモリから、複数の血糖上昇の発生と該血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを得る工程と、
前記治療用投与装置の前記メモリから、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集する工程と、
低血糖の発生の所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生を特定する工程と、
所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率を計算する工程と、
所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない、前記血糖上昇の発生率を通知する工程と、を含む治療用ボーラスコンプライアンスを監視する方法。
【請求項2】
前記所定時間範囲が、前記血糖上昇の発生の前記タイムスタンプの約1時間前から、約1時間後を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算する工程が、
血糖上昇の発生の全回数と、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない、複数の血糖上昇の発生と、を含むデータを特定することと、
所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生回数を、血糖上昇の発生の全回数で割ること、とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記計算する工程が、次の等式:
%HNB=[HNB/H]×100、
(式中、%HNBは、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率であり、
NBは、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生回数であり、及び
は、血糖上昇の発生の総数である)の結果を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記血糖上昇の発生が、1デシリットル当たり約200ミリグラムを超えるグルコース濃度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
特定する工程が、グルコース測定が低血糖の発生を含むかどうかを自動的に決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
グルコースを測定するために複数の血液サンプルを、前記分析物試験装置の前記メモリから得る前に、検査することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記治療用投与装置が、インスリンポンプ、及びインスリンペン、並びにこれらの組み合わせかならなる群から選択される装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記通知する工程が、パーソナルコンピュータ、分析物試験装置、又は治療用投与装置、及びこれらの組み合わせかならなる群から選択される装置のスクリーン上に表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
分析物試験装置及び治療用投与装置を用いてインスリンボーラスコンプライアンスを監視する方法であって、該両方の装置のそれぞれは、メモリに接続されたマイクロプロセッサをそれぞれ含み、該方法は、
前記分析物試験装置の前記メモリから、複数の血糖上昇の発生と、該血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを得る工程と、
前記治療用投与装置の前記メモリから、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集する工程と、
低血糖の発生の所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有する血糖上昇の発生を特定する工程と、
所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有する血糖上昇の発生率を計算する工程と、
所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有する血糖上昇の発生率を通知する工程、とを含むインスリンボーラスコンプライアンスを監視する方法。
【請求項11】
各試験ストリップが生理学的サンプルを受容するように構成された複数のグルコース試験ストリップと、
前記複数の試験ストリップを受容するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
データ管理デバイスであって、
ハウジングと、
メモリ、ディスプレイ、及び電源に連結され、かつハウジングに近接して配置されるマイクロプロセッサと、を含み、該マイクロプロセッサは、複数の血糖上昇の発生と該血糖上昇の発生のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを得るために、前記試験ストリップセンサに接続され、前記マイクロプロセッサは、投与された治療薬の各ボーラスに対するタイムスタンプを収集するように構成され、それにより、所定時間範囲内に投与された治療薬の少なくとも1回のボーラスを有さない血糖上昇の発生率が前記マイクロプロセッサによって決定される、データ管理デバイスと、を含む糖尿病管理システム。
【請求項12】
分析物試験装置及び治療用投与装置を用いて分析物試験コンプライアンスを監視する方法であって、該両方の装置のそれぞれは、メモリに接続されたマイクロプロセッサをそれぞれ含み、該方法は、
前記分析物試験装置の前記メモリから、グルコース測定値ごとのタイムスタンプを得る工程と、
前記治療用投与装置の前記メモリから、複数のボーラス事象とボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを収集する工程と、
ボーラス事象の所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象を特定する工程と、
所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率を計算する工程と、
所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率を通知する工程、とを含む、分析物試験コンプライアンスを監視する方法。
【請求項13】
前記所定時間範囲が、前記ボーラス事象の前記タイムスタンプの約1時間前から約1時間後を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記計算する工程が、ボーラス事象の総数と、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さない複数のボーラス事象とを含むデータを特定することと、
所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さない前記ボーラス事象の回数を、ボーラス事象の総数で割ること、とを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記計算する工程が、次の等式:
%BNG=[BNG/B]×100
(式中、%BNGは、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さない前記ボーラス事象率であり、
NGは、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さない前記ボーラス事象の回数であり、
は、前記ボーラス事象の総数である)の結果を決定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ボーラス事象が、前記治療用投与装置で注入されるインスリンの所定量を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
グルコースを測定するために複数の血液サンプルを、前記分析物試験装置の前記メモリから得る前に、検査することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記治療用投与装置が、インスリンポンプ又はインスリンペンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記通知する工程が、パーソナルコンピュータ、分析物試験装置、又は治療用投与装置、及びこれらの組み合わせかならなる群から選択される装置のスクリーン上に表示することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
分析物試験装置及び治療用投与装置を用いてインスリンボーラスコンプライアンスを監視する方法であって、該両方の装置のそれぞれは、メモリに接続されたマイクロプロセッサをそれぞれ含み、該方法は、
前記分析物試験装置の前記メモリから、複数のグルコース測定値とグルコース測定値ごとのタイムスタンプとを含むデータを得る工程と、
前記治療用投与装置の前記メモリから、複数のボーラス事象とボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを収集する工程と、
ボーラス事象の所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有するボーラス事象を特定する工程と、
所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有するボーラス事象率を計算する工程と、
所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有するボーラス事象率を通知する工程と、を含む、インスリンボーラスコンプライアンスを監視する方法。
【請求項21】
各試験ストリップが生理学的サンプルを受容するように構成された複数のグルコース試験ストリップと、
前記複数の試験ストリップを受容するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
データ管理デバイスであって、
ハウジングと、
メモリ、ディスプレイ、及び電源に連結され、かつハウジングに近接して配置されるマイクロプロセッサと、を含み、該マイクロプロセッサは、グルコース測定値ごとのタイムスタンプを得るために試験ストリップセンサに接続され、前記マイクロプロセッサは、複数のボーラス事象と、ボーラス事象のそれぞれに対するタイムスタンプとを含むデータを収集するように構成され、それにより、所定時間範囲内に少なくとも1回のグルコース測定を有さないボーラス事象率が前記マイクロプロセッサによって決定される、データ管理デバイスと、を含む糖尿病管理システム。
【請求項22】
カニューレを介してユーザーに治療薬を送達する治療用投与装置のカニューレ充填間の平均日数を監視する方法であって、該方法は、
(i)カニューレが前記治療用投与装置に連結されるときにカニューレ充填手順を実行するユーザーインターフェースオプションを選択する工程と、
(ii)前記カニューレを充填するために、ある量の治療薬をポンプで送り込む工程と、
(iii)前記治療用投与装置又は分析物試験装置のメモリに、前記カニューレ充填手順が実行されたタイムスタンプを保存する工程と、
(iv)工程(i)〜(iii)を3回以上繰り返す工程と、
(v)カニューレ充填間の平均日数を計算する工程と、
(vi)前記カニューレ充填間の平均日数を通知する工程と、を含む、監視する方法。
【請求項23】
前記通知する工程が、前記カニューレ充填間の平均日数が約3日を超えた場合に、ユーザーに警告することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記通知する工程が、パーソナルコンピュータ、治療用投与装置、又は分析物試験装置、及びこれらの組み合わせかならなる群から選択される装置のスクリーン上に表示することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記カニューレ充填間の平均日数を計算する工程が、次の等式:
【数1】

(式中、C平均は、カニューレ充填間の平均日数であり、
は、連続する2回のカニューレ充填間の日数であり、
Nは、カニューレ充填の総数である)の結果を決定することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
分析物試験装置及び治療用投与装置を用いてボーラスオーバーライドを監視する方法であって、該両方の装置のそれぞれは、メモリに接続されたマイクロプロセッサを含み、該方法は、
(i)前記分析物試験装置又は前記治療用投与装置のいずれかのディスプレイ上に推奨ボーラス量を通知する工程と、
(ii)前記推奨ボーラス量より高い又は低い、のいずれかである異なるボーラス量を入力する工程と、
(iii)前記治療用投与装置又は前記分析物試験装置のメモリに、前記異なるボーラス量及びタイムスタンプを保存する工程と、
(iv)前記推奨ボーラス量よりも高いボーラス量を示す第1のしるし、又は前記推奨ボーラス量よりも低いボーラス量を示す第2のしるしのいずれかと共に前記異なるボーラス量を表示する工程と、を含む、監視する方法。
【請求項27】
前記第1又は第2のしるしが、前記推奨ボーラス量に直接隣接している、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記異なるボーラス量の前記表示が、ログブックのセル内に位置付けられ、該ログブックは、第1の次元が1日の間の時間間隔を表し、第2の次元が数日の時間間隔を表す二次元配列で構成された複数のセルを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のしるしが上向き矢印を含み、前記第2のしるしが下向き矢印を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
通知する前に、グルコース濃度を測定するために血液サンプルを検査することと、
前記測定したグルコース濃度、インスリン感受性値、及び目標グルコース濃度に基づいて前記推奨ボーラス量を計算することと、を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
通知する前に、炭水化物の量を前記分析物試験装置又は前記治療用投与装置に入力することと、
前記測定したグルコース濃度、インスリンと炭水化物との比、及び目標グルコース濃度に基づいて前記推奨ボーラス量を計算することと、を更に含む、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−518324(P2013−518324A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550146(P2012−550146)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/022039
【国際公開番号】WO2011/091238
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【Fターム(参考)】