分泌物を除去する患者の気道管理システム
肺の分泌物を除去する気道装置と、関連する気道管理システムとが、開示されている。この装置は、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔の一方を通って換気カテーテルの先端部に輸送され、さらに、吐出される吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔の他方を通って患者から取り除かれるように、気道管理システムに、動作可能なように取着されている二重管腔部分の各々の管腔を有する。使用される吸入流路は、流路から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システムを、好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。この気道装置は、換気カテーテル、もしくは喉頭マスク等のような声門上の気道システムであり得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管内チューブとして通例知られている換気カテーテルのような、患者の気道管理システムと、喉頭マスクのような、声門上の(supraglottic)気道システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
気道管理の慣例的な装置は、換気を制御する処理を含む。このような処理は、付加された水蒸気を有するか、有さない、一般的には空気/酸素ガス混合物である吸入流体の所定の量を、患者の肺に、所定のサイクルで輸送するような、機械的な換気装置を通例使用する。通例、このような換気装置は、患者の肺への輸送システムによって比較的高圧の吸入流体を短時間で輸送することと、それから、患者の肺内で使用された吸入流体が吐出されるように、輸送システム中の圧力を短時間で減らすこととのサイクルを果たす。このような換気装置は、新しい吸入流体を輸送し、それから、患者の肺から使用された吸入流体を吐出させるサイクルを繰り返し、この結果、患者自身が呼吸をすることができないときに、一定時間、患者に適した酸素を確実に与える。
【0003】
最近、酸素を富化された液体(oxygenated liquid)や非サイクル処理を使用して患者に酸素を与えるような気道管理システムが、発展してきている。このようなシステムは、患者の肺に酸素を富化された液体の連続流を与え、同時に、患者の肺からの使用された流体の連続流も維持する。このような形式のシステムの一例が、Parkerへの米国特許第5,706,830号に見られることができる。
【0004】
換気カテーテルのような患者の気道管理装置および声門上に位置している(supraglottal−positioned)気道装置が、患者の肺に吸入流体を輸送するように、慣例的および最近の気道管理システムとの両方で、一般的に使用されている。吸入流体は、開口した先端部を有する単一チューブ内を通って、このような装置に通例輸送される。この単一チューブの内部キャビティは、管腔として称されている。この先端部は、患者の口腔を通って挿入され、装置がカテーテルである場合、先端部は、患者の声帯を十分に超えた位置に達するように、患者の気管内に挿入される。気管内チューブの反対側の端部は、換気装置に動作可能に接続されている。従って、吸入流体が、気管内チューブを通って肺に直接与えられ、また、使用された流体は、同じチューブを通って患者の肺から取り除かれる。
【0005】
このような気管内チューブは、患者の気管内にチューブを容易に挿入し、かつ位置させることが可能なように、適度に小さな断面を有さなければならない。しかし、このような断面は、断面を通って酸素を富化された流体が十分に流れるような大きさでなければならない。
【0006】
これまでのところ、気管内チューブの利便性および操作性を改良するための努力は、2つの問題を解決することに向けられている。第1に、このような努力は、気管内での気管内チューブの安全性と、空気を通さないようにして封止することとを改良するように向けられている。第2に、このような努力は、個々の肺と肺内の気管支のチャンバとの少なくとも一方を、空気を通さないようにして分離させるように、気管内チューブの能力を改良することに向けられている。
【0007】
第1の問題に関して、気管内チューブの先端部の側のチューブの周りに、膨張可能なカフを配置するという解決策が示されている。このようなカフは、所定の位置にチューブが保持され、空気を通さないようにして封止するように、チューブの挿入の間に収縮し、そして、チューブが気管内に適切に配置されたときに膨張する。このような形式のカフの構造体の一例が、Niklasonらへの米国特許第6,443,156号の図1A並びに図1Bに見られることができる。
【0008】
このようなカフによって与えられる封止は、患者の気道が、胃および咽頭の流体によって不慮に汚染される可能性を減らすが、患者の肺内の分泌物および流体も封止してしまう。代表的な患者は、1日につき約200立方センチメートルないし400立方センチメートルの肺の分泌物および流体を発生し得る。そして、このような流体および分泌物の量は、患者が肺感染症や特定の心臓病であれば、劇的に増加する傾向にある。
【0009】
患者への機械的な換気の間に生じる、肺の分泌物および流体を処理するための通例の方法は、患者の肺の周期的な吸引や、生じ得る付随的な感染症を処理するように強化された抗菌処理を含む。このような周期的な吸引は、患者の肺のシステムを傷つける危険性を増加させ、また、各々の処理工程の間、患者の気道を汚染する危険性も増加させる。
【0010】
第2の問題に関して、数名の発明者が、気管内チューブ内に複数の個々の管腔を与えることによって、肺と気管支のチャンバとの少なくとも一方を分離することを試みている。各々のチューブは、特定の肺と気管支チューブとの少なくとも一方の分離を可能にする空気カフを有し得る。しかし、各々のチューブは、吸入流体を肺に与えることと、使用された吸入流体を肺から取り除くこととの両方を果たすことによって、単一管腔チューブのように動作する。このような形態の装置は、肺の分泌物および流体を肺内に集めてしまうので、慣例的な分泌物の除去および処理の方法が、なおも使用されなければならない。さらに、気管内チューブの断面は、比較的大きくなり得、それ故、子供や幼児のような細い気道中へのこのチューブの実用性を限定してしまう。
【0011】
さらに最近、声門上に位置している気道装置が発達してきている。このような装置の1つは、喉頭マスクとして一般的に称されている。このような装置は、膨張可能なマスクと、吸入流体輸送システムに接続する弾性チューブとを、通例有する。マスクは、喉頭の入口の周りで低圧のシールを形成するようにして、患者の咽頭中に挿入され、この結果、正圧の換気を可能にする。喉頭マスク装置の一例は、Collinsへの米国特許第7,140,368号並びにBrainへの米国特許第5,632,271号に見られることができ、これらの内容は、参照としてここに含まれる。
【0012】
同様の装置が、Bertramへの米国特許第5,819,733号に見られることができ、この内容は、参照としてここに含まれる。ここでは、経咽頭に位置している(transpharyngeal−positioned)吸入流体輸送チューブが開示されており、このチューブは、チューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する。このチューブが患者の食道に挿入されると、食道カフが、患者の胃のシステムを分離するように膨張される。そして、喉頭カフが、患者の咽頭内で膨張され、この結果、吸入流体チューブに対して患者の気道を分離させる。
【0013】
このような声門上に装着される気道装置の効果にもかかわらず、このような装置は、慣例的な気道内チューブに見られる同様の欠点を、なおも有する。例えば、患者の気道から、肺の流体および残留物(debris)を効果的に取り除くことができない。
【発明の開示】
【0014】
従って、換気カテーテルおよび喉頭マスクのような、既知の患者の気道管理システムによって与えられる効果にもかかわらず、患者内に容易に挿入され得、かつ周期的な補助吸引等を必要とせずに、肺の分泌物および液体を簡単に除去可能な、コンパクトな気道管理システムが、なおも必要である。ここに記載されている他の効果に加え、本発明はこれらの必要性を満たす。
【0015】
ここで開示されている一実施の形態では、肺の分泌物を除去する気道管理システムは、二重管腔部分を有する換気カテーテルである。この換気カテーテルは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔の一方を通って換気カテーテルの先端部に輸送され、さらに、吐出された吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔の他方を通って患者から取り除かれるように、気道管理システムに、動作可能なように取着されている二重管腔部分の各々の管腔を有する。
【0016】
使用された吸入流路は、流路から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システムを好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。さらに、使用された吸入流体をこのシステム内に収容することによって、SARSのような接触感染症の患者から潜在的に空気で運ばれる感染性の物質の放出を、最小限にすることができる。
【0017】
改良されたカフも、使用されることができる。このカフは、気管内に実質的に空気を通さないようにしてシールを形成するように、換気カテーテルの先端部を包囲する。小さなチャネルが、換気カテーテルの使用の間、患者の肺からの空気の漏れが少なくなるように、孔の一方の側に沿って形成されている。この空気の漏れは、換気カテーテルを妨害することなく、患者の肺内から分泌物を容易に取り除く。
【0018】
代わりの実施の形態は、喉頭マスク、もしくは経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブのような声門上に位置している気道装置に、前記二重管腔構造体を組み込むことを含む。このようなチューブは、このチューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する。
逆流警告システムもまた、設けられる。
本発明の他の効果および様態は、この明細書並びに図面の以下を参照して、明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
気道管理システム22と共に使用するための、肺疾患の患者用の気道輸送装置20が、図1ないし図19に示されている。図1ないし図13は、換気カテーテル20aの形態の気道輸送装置20’を示している。図14ないし図18は、喉頭マスク20bの形態の気道輸送装置20’’を示している。また、図19は、経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブ20cの形態の気道輸送装置20’’’を示し、このチューブは、このチューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する。各々の実施の形態が、以下で詳細に説明される。過度の繰り返しを減らすために、これら実施の形態の同じ構成部材は、同じ参照符号が付されている。
【0020】
図1ないし図13には、分泌物を除去する換気カテーテル20’並びに関連する気道管理システム22が示されている。一般的に、気管内チューブとしても称されている換気カテーテル20’は、換気を与えるように、患者26の気管24内に延びている。この換気カテーテル20’は、二重管腔部分30を有する。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔32a、32bの一方(ここでは32aが示されている)を通って換気カテーテル20’の先端部42に輸送され、さらに、吐出された吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔32a、32bの他方(ここでは32bが示されている)を通って患者から取り除かれるように、気道管理システム40(図6ないし図8)に、動作可能なように取着されている。
【0021】
個々の管腔32a、32bによって、流入および流出する吸入流体の流れを分離することで、流入する新しい吸入流体が、塞がれる、もしくは肺の不慮の分泌物および使用された吸入流体が混合している流体により汚染されるのを防ぐ。この使用された吸入流体の気道50(図6ないし図8)は、この気道50から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システム52を好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。さらに、使用された吸入流体をこのシステム内に収容することによって、SARSのような接触感染症の患者から潜在的に空気で運ばれる感染性の物質の放出を、最小限にすることができる。
【0022】
このような基本的な態様を有する換気カテーテルのいくつかの実施の形態が、本願に開示されている。過度の繰り返しを減らすために、これら実施の形態の同じ構成部材は、同じ参照符号が付されている。
【0023】
好ましくは、図1を参照して、第1の好ましい換気カテーテル20aが示されている。この実施の形態では、二重管腔部分30は、患者の声帯61の上側の前咽頭/咽頭(pre−pharyngeal/pharynx)部分に位置している。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、換気カテーテル20aの先端部42に向かって延びている単一管腔部分62を形成するように、空気が通るように互いに接合している。この単一管腔部分62は、患者の気管内部分70に突出している。この結果、小さな直径の単一管腔部分62を、元の声帯を超えて患者の気管内に延ばすことが可能であり、また、前記二重管腔部分30の分泌物を除去する効果もさらに与える。前咽頭の高さに位置している前記二重管腔部分30は、換気効率を増加させ、不要な死腔を減らし、分泌物を取り除き、また、比較的小さな直径の気管内カテーテルが使用され得る。
【0024】
好ましくは、前記二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、通常の換気システム40(図6)の接合コネクタに分離可能に取着されるように、通常のアダプタ72に接続されている基端部80を有する。一方の管腔32aは、前記コネクタによって、通常の換気システム100(図6)の輸送導管102に接続されている。他方の管腔32bは、この換気システム100の使用された吸入流体の気道50に接続されている。このシステム100は、予め選択された流速で、吸入流体を輸送するように制御可能である。かくして、この吸入流体は、選択された所定の時間の間、約20mmHgの圧力で、前記管腔32aの隣接端部に輸送される。それから、このシステムは、換気サイクルの吐出状態の間、このシステムの圧力を約6mmHgに低下させるようにして、吸入流体等を吐出させる。この結果、肺の分泌物および肺の流体と共に、吸入流体を、前記第2の管腔32bによって、患者から吐出させる。
【0025】
さらに好ましくは、この換気システム100は、吸入状態では、前記二重管腔部分30の一方の管腔32aを通って吸入流体を輸送するように形成され、さらに、使用された吸入流体および分泌物が、この換気システム40の吸入状態および吐出状態の間、前記二重管腔部分30の他方の管腔部分32bを通って患者から排出される。
【0026】
換気カテーテル20aの先端面110は、気管の挿管処理の間、前記単一管腔部分の連通の有効な助けとなるように、好ましくは斜めに切断され、かつ柔らかくされている。この先端面は、気道を塞ぐ可能性のある後方への撓みに耐えるように、好ましくは設計されている。
【0027】
この換気カテーテルの前記二重管腔部分並びに前記単一管腔部分は、柔らかく、透明な、医学的に承認されているエラストマで、好ましくは形成されている。必要であれば、図9に示すように、フラップ弁のような一方向の逆止め弁170が、管腔を通って逆流するのをさらに防ぐように、前記二重管腔部分の少なくとも一方の管腔内に配置されることができる。
【0028】
好ましくは、低圧で膨張可能なカフ140が、換気カテーテルの前記先端部42の側に配置されている。この膨張可能なカフ140は、実質的に不浸透性のプラスチックのような薄膜により、好ましくは形成されている。このカフの両端部は、前記単一管腔部分62の外面に接着されている。このカフ140は、カフ140から、補助空気注入器に、換気カテーテル20a内のカフの膨張ラインを延ばすことを含む米国特許第6,443,156号の図1A並びに図1Bに開示されているような既知の方法によって、膨張される。
【0029】
この換気カテーテル20aは、前記カフ140が、図3に示されているように収縮している状態で、患者の気道24に挿入される。そして、このカフ140は、膨張される。膨張されると、このカフ140は、図1並びに図2に示されているように、実質的に円形の気管の断面形状になるように膨らみ、この結果、換気カテーテル20aに患者の肺を空気が通らないようにして封止する。
【0030】
好ましくは、耐久性の、咬合耐性(bite−resistant)の、バイトブロック150が、図1に示されているような換気カテーテルの前記二重管腔部分に装着されている。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、前記バイトブロック150を貫通して延びている。さらに好ましくは、このバイトブロック150は、前記二重管腔部分30に沿ってバイトブロックを摺動することによって、患者の歯および唇に対するバイトブロック150の位置を、必要に応じて調整できるように、二重管腔部分30に摺動可能なように装着されている。さらに好ましくは、このバイトブロック150は、前記二重管腔部分30に平行で、このバイトブロックを貫通している少なくとも1つの補助孔を有する。補助孔は、気管内をブロックしているカテーテル、光ファイバ内視鏡等のために必要に応じて使用され得る。複数の通気孔151もまた、必要に応じて設けられ得る。
【0031】
好ましくは、換気システム40(図6)は、流出路に分泌物収集システム52を有するように、図7並びに図8に示されているように形成されている。この分泌物収集システム52は、使用された吸入流体の気道50に、ダイバータ58のところで空気が通るように連通している分泌物収集チャンバ56を、好ましくは有する。使用された吸入流体の気道50内の分泌物が前記ダイバータ58を通るのに従って、分泌物は、重力によって、もしくは補助ポンプ59の助力によって、前記収集チャンバ56に集められる。
【0032】
必要であれば、少なくとも1つの望ましい紫外線発生バルブが、必要とされる望ましい抗菌機能を与えるように、流路等を流れる。同様に、適した抗菌/抗ウイルスフィルタが、排出ガス等を周辺環境に放出するのを防ぐように、このシステムに設けられ得る。
【0033】
図4並びに図5には、第2の好ましい換気カテーテル20bが示されている。この実施の形態では、二重管腔部分30は、2つの管腔32a、32bを規定するように、単一管腔の中央部の下向きに延びている長手方向の壁31によって形成されている。この壁31は、換気カテーテル20bの先端部42の側では取り除かれ、従って、前記2つの管腔32a、32bを単一管腔部分62に連結している。第1の好ましい換気カテーテル20a(図1ないし図3)に対して、この実施の形態20bにおいて酸素を富化された流体が、一方の管腔32aを通って前記単一管腔部分62に輸送され、さらに、使用された吸入流体が、前記第2の管腔32bを通って患者から取り除かれる。
【0034】
図10並びに図11では、第3の好ましい換気カテーテル20cが示されている。この実施の形態では、二重管腔部分30は、換気カテーテル20cの全長下向きに延びている単一管腔の側に形成されており、この結果、光ファイバ内視鏡のような補助装置を挿入する際に通過する実質的に真っ直ぐなチャネルを規定している。前記二重管腔部分30の第2の管腔32bは、図示されているように、前記単一管腔と実質的に垂直に交わり、この結果、換気カテーテル20cの二重管腔部分30を規定している。
【0035】
図11並びに図12に最も良く示されているように、代わりに好ましくは低圧で膨張可能なカフ140’が、換気カテーテル20cの先端部42の側に位置している。この代わりの好ましい膨張可能なカフ140’は、実質的に不浸透性のプラスチックのような薄膜により、好ましくは形成されている。このカフの両端部は、前記単一管腔部分62の外面に接着されている。また、凹状チャネル190が、この膨張可能なカフ140’の一方の側に設けられている。
【0036】
前記カフ140’は、このカフから、補助空気注入器に、換気カテーテル内のカフの膨張ラインを延ばすことを含む米国特許第6,443,156号の図1A並びに図1Bに開示されているような既知の方法によって、膨張される。
【0037】
換気カテーテル20cは、前記カフ140’を膨張させずに、患者の気管24に挿入される。そして、このカフ140’は、膨張される。膨張されると、このカフは、図11並びに図12に示されているように、実質的に円形の気管24の断面形状になるように膨らみ、この結果、換気カテーテルに対して患者の肺を空気が通らないように封止する。前記凹状チャネル190は、前記カフ140’と前記気管の壁71との間に、空気の通る小さな開口部192を与え、この結果、患者の肺から周辺環境に、わずかな空気の漏れを与える。好ましくは、前記チャネル190は、この換気カテーテル20cを通って輸送される吸入流体の約10%を、前記空気の通る開口部192を通って排出することができるように、サイズが設定されている。
【0038】
このような連続的な漏れは、肺の分泌物の除去を容易にする。肺の分泌物等は、前記カフ140’の空気の通る開口部192を通って、患者の下咽頭へと、気道を連絡し、これら分泌物等は、換気カテーテルを損傷させることなく、容易に吸引して取り除くことができる。
【0039】
図13には、第4の換気カテーテル20dが示されている。このカテーテルは、図1に開示されている第1の実施の形態と実質的に同様であるが、カテーテルに動作可能に取着されている膨張可能なカフ140(図1)を有していない。このようなカフのない設計は、幼児や小さな子供に見られるような細い気管内で機能するときに、特に有効である。
【0040】
図14ないし図18では、本発明の気道輸送装置20が、喉頭マスク20’’の形態で示されている。このマスクは、好ましくは可撓性のチューブ部分202に動作可能なように取着されている慣例的な膨張可能なボウル200等を、好ましくは有する。このチューブ部分202は、二重管腔部分30を好ましくは有する。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔32a、32bの一方(ここでは32aが示されている)を通って前記ボウル200の先端部42に輸送され、さらに、吐出された吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔32a、32bの他方(ここでは32bが示されている)を通って患者から取り除かれるように、気道管理システム40(図17並びに図18)に、動作可能なように取着されている。
【0041】
好ましくは、図17に最も良く示されているように、患者が使用している間、前記管腔32aの先端部は、前記ボウル内に延び、前記管腔32bの先端部から前方かつ上方に配置されている。従って、肺の流体等は、このボウル200に溜まり、管腔32aを通って輸送される流入する吸入流体を妨げることなく、管腔32bを通って容易に取り除かれる。さらに好ましくは、これら管腔32a、32bの各々の先端部は、図17に示されているように先細に形成されている。
【0042】
前記二重管腔部分30の管腔32a、32bは、図14、図17並びに図18に示されているように、2つのチューブを互いに取着させることによって形成されることができる。もしくは、この二重管腔部分30は、図15並びに図16に示されているように、2つの管腔32a、32bを規定するように、単一管腔下向きに延びている長手方向の壁31によって形成されている。
【0043】
好ましくは、逆流警報システム150も設けられる。図18では、喉頭マスクの前記先端部の側に位置している酸性センサ302に電気的に接続しているコンピュータシステム180を有する好ましい逆流警報システムが、示されている。コンピュータシステム300は、前記センサからの信号を受信し、かつ処理するための、電源、プロセッサ、少なくとも1つのトランスデューサ、メモリ等を有する好ましくは通常の装置であり、前記ボウル内に胃酸等が在るとき、処置者に警告する。このコンピュータシステム300は、前記換気ポンプ188(図17)に好ましくは接続されている。従って、例えば流入を延ばすことと同時に流出を作動させることによって、ボウルのクリーニング操作を開始することができ、この結果、検出された胃酸が患者の気道に入るのを防ぐ。好ましいセンサは、酸検出器と、光媒体異物検出センサとを有する。
【0044】
図19では、本発明の気道輸送装置20が、膨張可能な咽頭カフ260と食道カフ262とを有し、経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブ20’’’の形態で示されている。これらカフは、このチューブに沿って、別々に位置している。このチューブ20’’’は、二重管腔部分30を好ましくは有する。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、膨張可能な咽頭カフ260と食道カフ262との間で、それぞれ、患者の気道に前記管腔32aの端部42に輸送されるように、気道管理システム40(図6ないし図8、図17並びに図18参照)に、動作可能なように取着されている。吐出された吸入液体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、他方の管腔32bによって患者から取り除かれる。
【0045】
前記二重管腔部分30は管腔32a、32bは、図18に示されているように、2つのチューブを互いに取着させることによって形成され得る。もしくは、この二重管腔部分30は、2つの管腔32a、32bを規定するように単一管腔下向きに延びている長手方向の壁によって形成されている。
【0046】
個々の管腔32a、32bによって、流入および流出する吸入流体の流れを分離することで、流入する新しい吸入流体が、塞がれる、もしくは肺の不慮の分泌物および使用された吸入流体が混合している流体により汚染されるのを防ぐ。この使用された吸入流体の気道50(図6ないし図8、図17並びに図18)は、この気道50から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システム52を好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。さらに、使用された吸入流体をこのシステム内に収容することによって、SARSのような接触感染症の患者から潜在的に空気で運ばれる感染性の物質の放出を、最小限にすることができる。
【0047】
本発明は、好ましい実施の形態に対して記載されてきたが、本発明の趣旨および範囲の通常の技術によって、このような実施の形態が限定されるものではない。例えば、代わりの好ましいカフ140’(図10並びに図11)と、逆止め弁170(図9)との少なくとも一方が、開示されている実施の形態に取着されることができる。また、流出路チャネルは、下咽頭から胃酸反応物質を取り除くように、示された構造で設けられても良い。従って、本発明の範囲は、請求項に規定されているように、様々な変更等に及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に従い、膨張している形態の第1の膨張可能なカフを有し、患者の気管の切断図内への好ましい取付け状態を示す、第1の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図2】図2は、図1の2−2線に沿って切断されている図1の換気カテーテルの断面図である。
【図3】図3は、第1の膨張可能なカフが収縮している、図1の換気カテーテルを示す。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態に従い膨張している形態の第1の膨張可能なカフを有する、第2の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図5】図5は、図4の5−5線に沿って切断されている図4の換気カテーテルの断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施の形態に従う図1の換気カテーテルを有する気道管理システムの概略図である。
【図7】図7は、本発明の一実施の形態に従い、患者の肺に酸素を富化された流体の好ましい流路を示す、代わりの好ましい気道管理システムの概略図である。
【図8】図8は、気道管理システムを通って患者の肺から可能な流出経路を示す、図7の概略図である。
【図9】図9は、本発明の一実施の形態に従う第3の好ましい換気カテーテルの概略図である。
【図10】図10は、図8の第3の好ましい換気カテーテルの好ましい膨張位置でのカフを示す。
【図11】図11は、第4の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図12】図12は、図11の12−12線に沿って切断されている図11の第4の好ましい換気カテーテルの断面図である。
【図13】図13は、本発明の一実施の形態に従う第5の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図14】図14は、好ましい内部の詳細を示す、ボウル上の断面部を有する本発明の一実施の形態に従う喉頭マスクの等角投影図である。
【図15】図15は、本発明の一実施の形態に従う代わりの好ましい喉頭マスクの等角投影図である。
【図16】図16は、図15の16−16線に沿って切断されている図15の代わりの好ましい喉頭マスクの断面図である。
【図17】図17は、本発明の一実施の形態に従う図14の喉頭マスクを有する気道管理システムの概略図である。
【図18】図18は、可能な逆流警報システムが、この気道管理システムに動作可能なように取着されている、図14の喉頭マスクを有する代わりの気道管理システムの概略図である。
【図19】図19は、本発明の位置実施の形態に従い、経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブを有し、このチューブは、このチューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する、気道管理システムの概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管内チューブとして通例知られている換気カテーテルのような、患者の気道管理システムと、喉頭マスクのような、声門上の(supraglottic)気道システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
気道管理の慣例的な装置は、換気を制御する処理を含む。このような処理は、付加された水蒸気を有するか、有さない、一般的には空気/酸素ガス混合物である吸入流体の所定の量を、患者の肺に、所定のサイクルで輸送するような、機械的な換気装置を通例使用する。通例、このような換気装置は、患者の肺への輸送システムによって比較的高圧の吸入流体を短時間で輸送することと、それから、患者の肺内で使用された吸入流体が吐出されるように、輸送システム中の圧力を短時間で減らすこととのサイクルを果たす。このような換気装置は、新しい吸入流体を輸送し、それから、患者の肺から使用された吸入流体を吐出させるサイクルを繰り返し、この結果、患者自身が呼吸をすることができないときに、一定時間、患者に適した酸素を確実に与える。
【0003】
最近、酸素を富化された液体(oxygenated liquid)や非サイクル処理を使用して患者に酸素を与えるような気道管理システムが、発展してきている。このようなシステムは、患者の肺に酸素を富化された液体の連続流を与え、同時に、患者の肺からの使用された流体の連続流も維持する。このような形式のシステムの一例が、Parkerへの米国特許第5,706,830号に見られることができる。
【0004】
換気カテーテルのような患者の気道管理装置および声門上に位置している(supraglottal−positioned)気道装置が、患者の肺に吸入流体を輸送するように、慣例的および最近の気道管理システムとの両方で、一般的に使用されている。吸入流体は、開口した先端部を有する単一チューブ内を通って、このような装置に通例輸送される。この単一チューブの内部キャビティは、管腔として称されている。この先端部は、患者の口腔を通って挿入され、装置がカテーテルである場合、先端部は、患者の声帯を十分に超えた位置に達するように、患者の気管内に挿入される。気管内チューブの反対側の端部は、換気装置に動作可能に接続されている。従って、吸入流体が、気管内チューブを通って肺に直接与えられ、また、使用された流体は、同じチューブを通って患者の肺から取り除かれる。
【0005】
このような気管内チューブは、患者の気管内にチューブを容易に挿入し、かつ位置させることが可能なように、適度に小さな断面を有さなければならない。しかし、このような断面は、断面を通って酸素を富化された流体が十分に流れるような大きさでなければならない。
【0006】
これまでのところ、気管内チューブの利便性および操作性を改良するための努力は、2つの問題を解決することに向けられている。第1に、このような努力は、気管内での気管内チューブの安全性と、空気を通さないようにして封止することとを改良するように向けられている。第2に、このような努力は、個々の肺と肺内の気管支のチャンバとの少なくとも一方を、空気を通さないようにして分離させるように、気管内チューブの能力を改良することに向けられている。
【0007】
第1の問題に関して、気管内チューブの先端部の側のチューブの周りに、膨張可能なカフを配置するという解決策が示されている。このようなカフは、所定の位置にチューブが保持され、空気を通さないようにして封止するように、チューブの挿入の間に収縮し、そして、チューブが気管内に適切に配置されたときに膨張する。このような形式のカフの構造体の一例が、Niklasonらへの米国特許第6,443,156号の図1A並びに図1Bに見られることができる。
【0008】
このようなカフによって与えられる封止は、患者の気道が、胃および咽頭の流体によって不慮に汚染される可能性を減らすが、患者の肺内の分泌物および流体も封止してしまう。代表的な患者は、1日につき約200立方センチメートルないし400立方センチメートルの肺の分泌物および流体を発生し得る。そして、このような流体および分泌物の量は、患者が肺感染症や特定の心臓病であれば、劇的に増加する傾向にある。
【0009】
患者への機械的な換気の間に生じる、肺の分泌物および流体を処理するための通例の方法は、患者の肺の周期的な吸引や、生じ得る付随的な感染症を処理するように強化された抗菌処理を含む。このような周期的な吸引は、患者の肺のシステムを傷つける危険性を増加させ、また、各々の処理工程の間、患者の気道を汚染する危険性も増加させる。
【0010】
第2の問題に関して、数名の発明者が、気管内チューブ内に複数の個々の管腔を与えることによって、肺と気管支のチャンバとの少なくとも一方を分離することを試みている。各々のチューブは、特定の肺と気管支チューブとの少なくとも一方の分離を可能にする空気カフを有し得る。しかし、各々のチューブは、吸入流体を肺に与えることと、使用された吸入流体を肺から取り除くこととの両方を果たすことによって、単一管腔チューブのように動作する。このような形態の装置は、肺の分泌物および流体を肺内に集めてしまうので、慣例的な分泌物の除去および処理の方法が、なおも使用されなければならない。さらに、気管内チューブの断面は、比較的大きくなり得、それ故、子供や幼児のような細い気道中へのこのチューブの実用性を限定してしまう。
【0011】
さらに最近、声門上に位置している気道装置が発達してきている。このような装置の1つは、喉頭マスクとして一般的に称されている。このような装置は、膨張可能なマスクと、吸入流体輸送システムに接続する弾性チューブとを、通例有する。マスクは、喉頭の入口の周りで低圧のシールを形成するようにして、患者の咽頭中に挿入され、この結果、正圧の換気を可能にする。喉頭マスク装置の一例は、Collinsへの米国特許第7,140,368号並びにBrainへの米国特許第5,632,271号に見られることができ、これらの内容は、参照としてここに含まれる。
【0012】
同様の装置が、Bertramへの米国特許第5,819,733号に見られることができ、この内容は、参照としてここに含まれる。ここでは、経咽頭に位置している(transpharyngeal−positioned)吸入流体輸送チューブが開示されており、このチューブは、チューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する。このチューブが患者の食道に挿入されると、食道カフが、患者の胃のシステムを分離するように膨張される。そして、喉頭カフが、患者の咽頭内で膨張され、この結果、吸入流体チューブに対して患者の気道を分離させる。
【0013】
このような声門上に装着される気道装置の効果にもかかわらず、このような装置は、慣例的な気道内チューブに見られる同様の欠点を、なおも有する。例えば、患者の気道から、肺の流体および残留物(debris)を効果的に取り除くことができない。
【発明の開示】
【0014】
従って、換気カテーテルおよび喉頭マスクのような、既知の患者の気道管理システムによって与えられる効果にもかかわらず、患者内に容易に挿入され得、かつ周期的な補助吸引等を必要とせずに、肺の分泌物および液体を簡単に除去可能な、コンパクトな気道管理システムが、なおも必要である。ここに記載されている他の効果に加え、本発明はこれらの必要性を満たす。
【0015】
ここで開示されている一実施の形態では、肺の分泌物を除去する気道管理システムは、二重管腔部分を有する換気カテーテルである。この換気カテーテルは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔の一方を通って換気カテーテルの先端部に輸送され、さらに、吐出された吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔の他方を通って患者から取り除かれるように、気道管理システムに、動作可能なように取着されている二重管腔部分の各々の管腔を有する。
【0016】
使用された吸入流路は、流路から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システムを好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。さらに、使用された吸入流体をこのシステム内に収容することによって、SARSのような接触感染症の患者から潜在的に空気で運ばれる感染性の物質の放出を、最小限にすることができる。
【0017】
改良されたカフも、使用されることができる。このカフは、気管内に実質的に空気を通さないようにしてシールを形成するように、換気カテーテルの先端部を包囲する。小さなチャネルが、換気カテーテルの使用の間、患者の肺からの空気の漏れが少なくなるように、孔の一方の側に沿って形成されている。この空気の漏れは、換気カテーテルを妨害することなく、患者の肺内から分泌物を容易に取り除く。
【0018】
代わりの実施の形態は、喉頭マスク、もしくは経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブのような声門上に位置している気道装置に、前記二重管腔構造体を組み込むことを含む。このようなチューブは、このチューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する。
逆流警告システムもまた、設けられる。
本発明の他の効果および様態は、この明細書並びに図面の以下を参照して、明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
気道管理システム22と共に使用するための、肺疾患の患者用の気道輸送装置20が、図1ないし図19に示されている。図1ないし図13は、換気カテーテル20aの形態の気道輸送装置20’を示している。図14ないし図18は、喉頭マスク20bの形態の気道輸送装置20’’を示している。また、図19は、経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブ20cの形態の気道輸送装置20’’’を示し、このチューブは、このチューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する。各々の実施の形態が、以下で詳細に説明される。過度の繰り返しを減らすために、これら実施の形態の同じ構成部材は、同じ参照符号が付されている。
【0020】
図1ないし図13には、分泌物を除去する換気カテーテル20’並びに関連する気道管理システム22が示されている。一般的に、気管内チューブとしても称されている換気カテーテル20’は、換気を与えるように、患者26の気管24内に延びている。この換気カテーテル20’は、二重管腔部分30を有する。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔32a、32bの一方(ここでは32aが示されている)を通って換気カテーテル20’の先端部42に輸送され、さらに、吐出された吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔32a、32bの他方(ここでは32bが示されている)を通って患者から取り除かれるように、気道管理システム40(図6ないし図8)に、動作可能なように取着されている。
【0021】
個々の管腔32a、32bによって、流入および流出する吸入流体の流れを分離することで、流入する新しい吸入流体が、塞がれる、もしくは肺の不慮の分泌物および使用された吸入流体が混合している流体により汚染されるのを防ぐ。この使用された吸入流体の気道50(図6ないし図8)は、この気道50から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システム52を好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。さらに、使用された吸入流体をこのシステム内に収容することによって、SARSのような接触感染症の患者から潜在的に空気で運ばれる感染性の物質の放出を、最小限にすることができる。
【0022】
このような基本的な態様を有する換気カテーテルのいくつかの実施の形態が、本願に開示されている。過度の繰り返しを減らすために、これら実施の形態の同じ構成部材は、同じ参照符号が付されている。
【0023】
好ましくは、図1を参照して、第1の好ましい換気カテーテル20aが示されている。この実施の形態では、二重管腔部分30は、患者の声帯61の上側の前咽頭/咽頭(pre−pharyngeal/pharynx)部分に位置している。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、換気カテーテル20aの先端部42に向かって延びている単一管腔部分62を形成するように、空気が通るように互いに接合している。この単一管腔部分62は、患者の気管内部分70に突出している。この結果、小さな直径の単一管腔部分62を、元の声帯を超えて患者の気管内に延ばすことが可能であり、また、前記二重管腔部分30の分泌物を除去する効果もさらに与える。前咽頭の高さに位置している前記二重管腔部分30は、換気効率を増加させ、不要な死腔を減らし、分泌物を取り除き、また、比較的小さな直径の気管内カテーテルが使用され得る。
【0024】
好ましくは、前記二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、通常の換気システム40(図6)の接合コネクタに分離可能に取着されるように、通常のアダプタ72に接続されている基端部80を有する。一方の管腔32aは、前記コネクタによって、通常の換気システム100(図6)の輸送導管102に接続されている。他方の管腔32bは、この換気システム100の使用された吸入流体の気道50に接続されている。このシステム100は、予め選択された流速で、吸入流体を輸送するように制御可能である。かくして、この吸入流体は、選択された所定の時間の間、約20mmHgの圧力で、前記管腔32aの隣接端部に輸送される。それから、このシステムは、換気サイクルの吐出状態の間、このシステムの圧力を約6mmHgに低下させるようにして、吸入流体等を吐出させる。この結果、肺の分泌物および肺の流体と共に、吸入流体を、前記第2の管腔32bによって、患者から吐出させる。
【0025】
さらに好ましくは、この換気システム100は、吸入状態では、前記二重管腔部分30の一方の管腔32aを通って吸入流体を輸送するように形成され、さらに、使用された吸入流体および分泌物が、この換気システム40の吸入状態および吐出状態の間、前記二重管腔部分30の他方の管腔部分32bを通って患者から排出される。
【0026】
換気カテーテル20aの先端面110は、気管の挿管処理の間、前記単一管腔部分の連通の有効な助けとなるように、好ましくは斜めに切断され、かつ柔らかくされている。この先端面は、気道を塞ぐ可能性のある後方への撓みに耐えるように、好ましくは設計されている。
【0027】
この換気カテーテルの前記二重管腔部分並びに前記単一管腔部分は、柔らかく、透明な、医学的に承認されているエラストマで、好ましくは形成されている。必要であれば、図9に示すように、フラップ弁のような一方向の逆止め弁170が、管腔を通って逆流するのをさらに防ぐように、前記二重管腔部分の少なくとも一方の管腔内に配置されることができる。
【0028】
好ましくは、低圧で膨張可能なカフ140が、換気カテーテルの前記先端部42の側に配置されている。この膨張可能なカフ140は、実質的に不浸透性のプラスチックのような薄膜により、好ましくは形成されている。このカフの両端部は、前記単一管腔部分62の外面に接着されている。このカフ140は、カフ140から、補助空気注入器に、換気カテーテル20a内のカフの膨張ラインを延ばすことを含む米国特許第6,443,156号の図1A並びに図1Bに開示されているような既知の方法によって、膨張される。
【0029】
この換気カテーテル20aは、前記カフ140が、図3に示されているように収縮している状態で、患者の気道24に挿入される。そして、このカフ140は、膨張される。膨張されると、このカフ140は、図1並びに図2に示されているように、実質的に円形の気管の断面形状になるように膨らみ、この結果、換気カテーテル20aに患者の肺を空気が通らないようにして封止する。
【0030】
好ましくは、耐久性の、咬合耐性(bite−resistant)の、バイトブロック150が、図1に示されているような換気カテーテルの前記二重管腔部分に装着されている。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、前記バイトブロック150を貫通して延びている。さらに好ましくは、このバイトブロック150は、前記二重管腔部分30に沿ってバイトブロックを摺動することによって、患者の歯および唇に対するバイトブロック150の位置を、必要に応じて調整できるように、二重管腔部分30に摺動可能なように装着されている。さらに好ましくは、このバイトブロック150は、前記二重管腔部分30に平行で、このバイトブロックを貫通している少なくとも1つの補助孔を有する。補助孔は、気管内をブロックしているカテーテル、光ファイバ内視鏡等のために必要に応じて使用され得る。複数の通気孔151もまた、必要に応じて設けられ得る。
【0031】
好ましくは、換気システム40(図6)は、流出路に分泌物収集システム52を有するように、図7並びに図8に示されているように形成されている。この分泌物収集システム52は、使用された吸入流体の気道50に、ダイバータ58のところで空気が通るように連通している分泌物収集チャンバ56を、好ましくは有する。使用された吸入流体の気道50内の分泌物が前記ダイバータ58を通るのに従って、分泌物は、重力によって、もしくは補助ポンプ59の助力によって、前記収集チャンバ56に集められる。
【0032】
必要であれば、少なくとも1つの望ましい紫外線発生バルブが、必要とされる望ましい抗菌機能を与えるように、流路等を流れる。同様に、適した抗菌/抗ウイルスフィルタが、排出ガス等を周辺環境に放出するのを防ぐように、このシステムに設けられ得る。
【0033】
図4並びに図5には、第2の好ましい換気カテーテル20bが示されている。この実施の形態では、二重管腔部分30は、2つの管腔32a、32bを規定するように、単一管腔の中央部の下向きに延びている長手方向の壁31によって形成されている。この壁31は、換気カテーテル20bの先端部42の側では取り除かれ、従って、前記2つの管腔32a、32bを単一管腔部分62に連結している。第1の好ましい換気カテーテル20a(図1ないし図3)に対して、この実施の形態20bにおいて酸素を富化された流体が、一方の管腔32aを通って前記単一管腔部分62に輸送され、さらに、使用された吸入流体が、前記第2の管腔32bを通って患者から取り除かれる。
【0034】
図10並びに図11では、第3の好ましい換気カテーテル20cが示されている。この実施の形態では、二重管腔部分30は、換気カテーテル20cの全長下向きに延びている単一管腔の側に形成されており、この結果、光ファイバ内視鏡のような補助装置を挿入する際に通過する実質的に真っ直ぐなチャネルを規定している。前記二重管腔部分30の第2の管腔32bは、図示されているように、前記単一管腔と実質的に垂直に交わり、この結果、換気カテーテル20cの二重管腔部分30を規定している。
【0035】
図11並びに図12に最も良く示されているように、代わりに好ましくは低圧で膨張可能なカフ140’が、換気カテーテル20cの先端部42の側に位置している。この代わりの好ましい膨張可能なカフ140’は、実質的に不浸透性のプラスチックのような薄膜により、好ましくは形成されている。このカフの両端部は、前記単一管腔部分62の外面に接着されている。また、凹状チャネル190が、この膨張可能なカフ140’の一方の側に設けられている。
【0036】
前記カフ140’は、このカフから、補助空気注入器に、換気カテーテル内のカフの膨張ラインを延ばすことを含む米国特許第6,443,156号の図1A並びに図1Bに開示されているような既知の方法によって、膨張される。
【0037】
換気カテーテル20cは、前記カフ140’を膨張させずに、患者の気管24に挿入される。そして、このカフ140’は、膨張される。膨張されると、このカフは、図11並びに図12に示されているように、実質的に円形の気管24の断面形状になるように膨らみ、この結果、換気カテーテルに対して患者の肺を空気が通らないように封止する。前記凹状チャネル190は、前記カフ140’と前記気管の壁71との間に、空気の通る小さな開口部192を与え、この結果、患者の肺から周辺環境に、わずかな空気の漏れを与える。好ましくは、前記チャネル190は、この換気カテーテル20cを通って輸送される吸入流体の約10%を、前記空気の通る開口部192を通って排出することができるように、サイズが設定されている。
【0038】
このような連続的な漏れは、肺の分泌物の除去を容易にする。肺の分泌物等は、前記カフ140’の空気の通る開口部192を通って、患者の下咽頭へと、気道を連絡し、これら分泌物等は、換気カテーテルを損傷させることなく、容易に吸引して取り除くことができる。
【0039】
図13には、第4の換気カテーテル20dが示されている。このカテーテルは、図1に開示されている第1の実施の形態と実質的に同様であるが、カテーテルに動作可能に取着されている膨張可能なカフ140(図1)を有していない。このようなカフのない設計は、幼児や小さな子供に見られるような細い気管内で機能するときに、特に有効である。
【0040】
図14ないし図18では、本発明の気道輸送装置20が、喉頭マスク20’’の形態で示されている。このマスクは、好ましくは可撓性のチューブ部分202に動作可能なように取着されている慣例的な膨張可能なボウル200等を、好ましくは有する。このチューブ部分202は、二重管腔部分30を好ましくは有する。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、2つの管腔32a、32bの一方(ここでは32aが示されている)を通って前記ボウル200の先端部42に輸送され、さらに、吐出された吸入流体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、管腔32a、32bの他方(ここでは32bが示されている)を通って患者から取り除かれるように、気道管理システム40(図17並びに図18)に、動作可能なように取着されている。
【0041】
好ましくは、図17に最も良く示されているように、患者が使用している間、前記管腔32aの先端部は、前記ボウル内に延び、前記管腔32bの先端部から前方かつ上方に配置されている。従って、肺の流体等は、このボウル200に溜まり、管腔32aを通って輸送される流入する吸入流体を妨げることなく、管腔32bを通って容易に取り除かれる。さらに好ましくは、これら管腔32a、32bの各々の先端部は、図17に示されているように先細に形成されている。
【0042】
前記二重管腔部分30の管腔32a、32bは、図14、図17並びに図18に示されているように、2つのチューブを互いに取着させることによって形成されることができる。もしくは、この二重管腔部分30は、図15並びに図16に示されているように、2つの管腔32a、32bを規定するように、単一管腔下向きに延びている長手方向の壁31によって形成されている。
【0043】
好ましくは、逆流警報システム150も設けられる。図18では、喉頭マスクの前記先端部の側に位置している酸性センサ302に電気的に接続しているコンピュータシステム180を有する好ましい逆流警報システムが、示されている。コンピュータシステム300は、前記センサからの信号を受信し、かつ処理するための、電源、プロセッサ、少なくとも1つのトランスデューサ、メモリ等を有する好ましくは通常の装置であり、前記ボウル内に胃酸等が在るとき、処置者に警告する。このコンピュータシステム300は、前記換気ポンプ188(図17)に好ましくは接続されている。従って、例えば流入を延ばすことと同時に流出を作動させることによって、ボウルのクリーニング操作を開始することができ、この結果、検出された胃酸が患者の気道に入るのを防ぐ。好ましいセンサは、酸検出器と、光媒体異物検出センサとを有する。
【0044】
図19では、本発明の気道輸送装置20が、膨張可能な咽頭カフ260と食道カフ262とを有し、経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブ20’’’の形態で示されている。これらカフは、このチューブに沿って、別々に位置している。このチューブ20’’’は、二重管腔部分30を好ましくは有する。この二重管腔部分30の各々の管腔32a、32bは、吸入流体(付加された水蒸気を有するか、有さない空気/酸素混合物)が、膨張可能な咽頭カフ260と食道カフ262との間で、それぞれ、患者の気道に前記管腔32aの端部42に輸送されるように、気道管理システム40(図6ないし図8、図17並びに図18参照)に、動作可能なように取着されている。吐出された吸入液体と、肺の分泌物と、肺の流体とが、他方の管腔32bによって患者から取り除かれる。
【0045】
前記二重管腔部分30は管腔32a、32bは、図18に示されているように、2つのチューブを互いに取着させることによって形成され得る。もしくは、この二重管腔部分30は、2つの管腔32a、32bを規定するように単一管腔下向きに延びている長手方向の壁によって形成されている。
【0046】
個々の管腔32a、32bによって、流入および流出する吸入流体の流れを分離することで、流入する新しい吸入流体が、塞がれる、もしくは肺の不慮の分泌物および使用された吸入流体が混合している流体により汚染されるのを防ぐ。この使用された吸入流体の気道50(図6ないし図8、図17並びに図18)は、この気道50から肺の分泌物等を取り除くための分泌物収集システム52を好ましくは有し、この結果、システムの操作性および安全性が改良される。さらに、使用された吸入流体をこのシステム内に収容することによって、SARSのような接触感染症の患者から潜在的に空気で運ばれる感染性の物質の放出を、最小限にすることができる。
【0047】
本発明は、好ましい実施の形態に対して記載されてきたが、本発明の趣旨および範囲の通常の技術によって、このような実施の形態が限定されるものではない。例えば、代わりの好ましいカフ140’(図10並びに図11)と、逆止め弁170(図9)との少なくとも一方が、開示されている実施の形態に取着されることができる。また、流出路チャネルは、下咽頭から胃酸反応物質を取り除くように、示された構造で設けられても良い。従って、本発明の範囲は、請求項に規定されているように、様々な変更等に及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に従い、膨張している形態の第1の膨張可能なカフを有し、患者の気管の切断図内への好ましい取付け状態を示す、第1の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図2】図2は、図1の2−2線に沿って切断されている図1の換気カテーテルの断面図である。
【図3】図3は、第1の膨張可能なカフが収縮している、図1の換気カテーテルを示す。
【図4】図4は、本発明の一実施の形態に従い膨張している形態の第1の膨張可能なカフを有する、第2の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図5】図5は、図4の5−5線に沿って切断されている図4の換気カテーテルの断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施の形態に従う図1の換気カテーテルを有する気道管理システムの概略図である。
【図7】図7は、本発明の一実施の形態に従い、患者の肺に酸素を富化された流体の好ましい流路を示す、代わりの好ましい気道管理システムの概略図である。
【図8】図8は、気道管理システムを通って患者の肺から可能な流出経路を示す、図7の概略図である。
【図9】図9は、本発明の一実施の形態に従う第3の好ましい換気カテーテルの概略図である。
【図10】図10は、図8の第3の好ましい換気カテーテルの好ましい膨張位置でのカフを示す。
【図11】図11は、第4の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図12】図12は、図11の12−12線に沿って切断されている図11の第4の好ましい換気カテーテルの断面図である。
【図13】図13は、本発明の一実施の形態に従う第5の好ましい換気カテーテルの等角投影図である。
【図14】図14は、好ましい内部の詳細を示す、ボウル上の断面部を有する本発明の一実施の形態に従う喉頭マスクの等角投影図である。
【図15】図15は、本発明の一実施の形態に従う代わりの好ましい喉頭マスクの等角投影図である。
【図16】図16は、図15の16−16線に沿って切断されている図15の代わりの好ましい喉頭マスクの断面図である。
【図17】図17は、本発明の一実施の形態に従う図14の喉頭マスクを有する気道管理システムの概略図である。
【図18】図18は、可能な逆流警報システムが、この気道管理システムに動作可能なように取着されている、図14の喉頭マスクを有する代わりの気道管理システムの概略図である。
【図19】図19は、本発明の位置実施の形態に従い、経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブを有し、このチューブは、このチューブに沿って位置している膨張可能な咽頭カフと食道カフとを有する、気道管理システムの概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に、新しい吸入流路と、吐出流路とを有する気道管理システムを、動作可能なように取着するための気道装置であって、
新しい吸入流体を、この気道管理システムから患者中に流し、かつ使用された吸入流体を、患者からこの気道管理システムに戻すように流すことを可能にするための、先端部の側の開口部と、
第1の管腔並びに第2の管腔を規定している二重管腔部分とを具備し、
この二重管腔部分は、患者の口腔内に受けられるように、かつ患者の咽喉に延びるように、サイズが設定され、
前記第1の管腔は、前記新しい吸入流路に、空気が通るように接続され、
前記第2の管腔は、前記吐出流路に、空気が通るように接続されている気道装置。
【請求項2】
前記気道装置は、換気カテーテルである請求項1の気道装置。
【請求項3】
前記二重管腔部分は、この二重管腔部分内に、前記第1の管腔並びに前記第2の管腔を規定するように、この二重管腔部分を通って延びている長手方向の壁を有する単一管腔により形成されている請求項2の換気カテーテル。
【請求項4】
前記第1の管腔並びに前記第2の管腔は、単一管腔部分を規定するように、空気が通るように互いに接合され、また、
この単一管腔部分は、換気カテーテルの先端部の側に位置している請求項2の換気カテーテル。
【請求項5】
前記二重管腔部分は、前記第1の管腔から前記単一管腔部分を通る実質的に真っ直ぐな経路を規定するように、前記第1の管腔に実質的に直交している前記第2の管腔を取着することによって形成されている請求項4の換気カテーテル。
【請求項6】
前記二重管腔部分に、摺動可能に装着されているバイトプロテクタをさらに具備する請求項1の換気カテーテル。
【請求項7】
前記吐出流路は、この吐出流路を通って患者から集められる肺の分泌物と肺の流体とを収集するための分泌物コレクタを有する請求項1の気道装置。
【請求項8】
前記分泌物コレクタは、分泌物チャンバを有し、このチャンバ中に分泌物を収集する請求項7の気道装置。
【請求項9】
不慮の空気が通り逆流するのを防ぐように、前記第1の管腔と前記第2の管腔との少なくとも一方に、動作可能なように取着されている逆止め弁をさらに具備する請求項1の気道装置。
【請求項10】
前記第1の管腔と前記第2の管腔との他方に、動作可能なように取着されている第2の逆止め弁をさらに具備する請求項9の気道装置。
【請求項11】
気道装置の前記先端部の側の前記吐出流路からの不慮の逆流を防ぐように、前記第2の管腔内に逆止め弁をさらに具備する請求項1の気道装置。
【請求項12】
前記気道装置は、喉頭マスクである請求項1の気道装置。
【請求項13】
前記気道装置は、前記先端部の側に、膨張可能なボウルを有する請求項1の気道装置。
【請求項14】
気道装置に動作可能に取着されている逆流モニタをさらに具備する請求項12の気道装置。
【請求項15】
前記逆流モニタは、コンピュータシステムに接続されているセンサを有する請求項14の気道装置。
【請求項16】
前記コンピュータシステムは、換気ポンプに連通され、
このコンピュータシステムは、逆流の存在検出装置に対応して、前記換気ポンプを調節する請求項14の気道装置。
【請求項17】
前記第1の管腔の前記先端部は、前記ボウル内に前記第2の管腔よりもさらに延び、また、
前記第2の管腔は、気道装置が患者に使用されているときに、前記第1の管腔の下に位置している請求項13の気道装置。
【請求項18】
経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブを有し、
膨張可能な咽頭カフと食道カフとが、このチューブに動作可能なように取着され、
前記第1の管腔並びに前記第2の管腔は、経咽頭に位置している前記吸入流体輸送チューブ内に、動作可能なように収容されている請求項1の気道装置。
【請求項1】
患者に、新しい吸入流路と、吐出流路とを有する気道管理システムを、動作可能なように取着するための気道装置であって、
新しい吸入流体を、この気道管理システムから患者中に流し、かつ使用された吸入流体を、患者からこの気道管理システムに戻すように流すことを可能にするための、先端部の側の開口部と、
第1の管腔並びに第2の管腔を規定している二重管腔部分とを具備し、
この二重管腔部分は、患者の口腔内に受けられるように、かつ患者の咽喉に延びるように、サイズが設定され、
前記第1の管腔は、前記新しい吸入流路に、空気が通るように接続され、
前記第2の管腔は、前記吐出流路に、空気が通るように接続されている気道装置。
【請求項2】
前記気道装置は、換気カテーテルである請求項1の気道装置。
【請求項3】
前記二重管腔部分は、この二重管腔部分内に、前記第1の管腔並びに前記第2の管腔を規定するように、この二重管腔部分を通って延びている長手方向の壁を有する単一管腔により形成されている請求項2の換気カテーテル。
【請求項4】
前記第1の管腔並びに前記第2の管腔は、単一管腔部分を規定するように、空気が通るように互いに接合され、また、
この単一管腔部分は、換気カテーテルの先端部の側に位置している請求項2の換気カテーテル。
【請求項5】
前記二重管腔部分は、前記第1の管腔から前記単一管腔部分を通る実質的に真っ直ぐな経路を規定するように、前記第1の管腔に実質的に直交している前記第2の管腔を取着することによって形成されている請求項4の換気カテーテル。
【請求項6】
前記二重管腔部分に、摺動可能に装着されているバイトプロテクタをさらに具備する請求項1の換気カテーテル。
【請求項7】
前記吐出流路は、この吐出流路を通って患者から集められる肺の分泌物と肺の流体とを収集するための分泌物コレクタを有する請求項1の気道装置。
【請求項8】
前記分泌物コレクタは、分泌物チャンバを有し、このチャンバ中に分泌物を収集する請求項7の気道装置。
【請求項9】
不慮の空気が通り逆流するのを防ぐように、前記第1の管腔と前記第2の管腔との少なくとも一方に、動作可能なように取着されている逆止め弁をさらに具備する請求項1の気道装置。
【請求項10】
前記第1の管腔と前記第2の管腔との他方に、動作可能なように取着されている第2の逆止め弁をさらに具備する請求項9の気道装置。
【請求項11】
気道装置の前記先端部の側の前記吐出流路からの不慮の逆流を防ぐように、前記第2の管腔内に逆止め弁をさらに具備する請求項1の気道装置。
【請求項12】
前記気道装置は、喉頭マスクである請求項1の気道装置。
【請求項13】
前記気道装置は、前記先端部の側に、膨張可能なボウルを有する請求項1の気道装置。
【請求項14】
気道装置に動作可能に取着されている逆流モニタをさらに具備する請求項12の気道装置。
【請求項15】
前記逆流モニタは、コンピュータシステムに接続されているセンサを有する請求項14の気道装置。
【請求項16】
前記コンピュータシステムは、換気ポンプに連通され、
このコンピュータシステムは、逆流の存在検出装置に対応して、前記換気ポンプを調節する請求項14の気道装置。
【請求項17】
前記第1の管腔の前記先端部は、前記ボウル内に前記第2の管腔よりもさらに延び、また、
前記第2の管腔は、気道装置が患者に使用されているときに、前記第1の管腔の下に位置している請求項13の気道装置。
【請求項18】
経咽頭に位置している吸入流体輸送チューブを有し、
膨張可能な咽頭カフと食道カフとが、このチューブに動作可能なように取着され、
前記第1の管腔並びに前記第2の管腔は、経咽頭に位置している前記吸入流体輸送チューブ内に、動作可能なように収容されている請求項1の気道装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2009−520544(P2009−520544A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546686(P2008−546686)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004079
【国際公開番号】WO2007/119104
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508186842)ベラソン・メディカル・(カナダ)・ユーエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004079
【国際公開番号】WO2007/119104
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508186842)ベラソン・メディカル・(カナダ)・ユーエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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