説明

分波器

【課題】本願発明は、小型化を実現しながら信頼性の高い、送信用SAWフィルタと受信用SAWフィルタとを備える分波器を提供する。
【解決手段】本願発明の分波器は、第1の方向に対向する第1の辺と第2の辺とを備える単一圧電基板と、単一圧電基板上に形成され、第1の入力端子と第1の出力端子とを備えた送信用SAWフィルタと、単一圧電基板上に形成され、第2の入力端子と第2の出力端子とを備えた受信用SAWフィルタとを有し、送信用SAWフィルタと受信用SAWフィルタとは、第1の方向と直交する第2の方向に並んで配置され、第1の出力端子は第2の辺よりも第1の辺に近づいて配置され、第2の入力端子は第1の辺よりも第2の辺に近づいて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の小型移動体通信機器に用いられる分波器に関するものであり、特に高周波(Radio frequency;RF)フィルタとして弾性表面波(Surface Acoustic Wave;SAW)共振器型フィルタ(以下、SAWフィルタという。)を用い、かつ小型化及び高性能化を達成することができる分波器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等に代表されるような小型で軽量な移動体通信機器端末の開発が急速に進められている。このことに伴い、このような通信機器端末に用いられる分波器等の部品の小型化及び高性能化も求められている。なかでも、SAWフィルタを用いて構成されたSAW分波器は、移動体通信機器端末の小型化に対して大きく寄与することができるデバイスであることから、通過帯域の挿入損失が小さいこと、及び減衰帯域の減衰量が大きいことが要求される。
【0003】
従来における携帯電話等の移動体通信機器端末に用いられるSAW分波器は、例えば、特開平6−97761号に開示されているようなものがある。このSAW分波器は、アンテナ端子と送信端子との間にインピーダンス整合線路及び送信用フィルタが直列に接続されており、アンテナ端子と受信端子との間に位相整合回路及び受信用フィルタが直列に接続されている。また、送信用及び受信用フィルタは共に、直列腕SAW共振器及び並列腕SAW共振器を用いて梯子型共振器フィルタとして構成されており、互いに異なる中心周波数を持ち、送信用及び受信用それぞれのフィルタの周波数通過帯域においては挿入損失が小さく、周波数阻止域減衰量においては減衰量が大きいという特性を有する必要がある。そして、送信用及び受信用フィルタそれぞれの特性の間での互いの影響を抑制するために、上述したようなSAW分波器は送信用フィルタと受信用フィルタとの間における絶縁性を確保している。このような両フィルタ間の絶縁性を確保するために、例えば、送信用フィルタと受信用フィルタとがそれぞれ異なる圧電基板上に形成されており、両フィルタを同一パッケージ内に収容する時には、パッケ−ジに設けられた二つのキャビティ(凹部)内に両フィルタをそれぞれ個別に収容する(送信用及び受信用フィルタを"パッケージの壁部"を介して配置する)か、あるいはパッケ−ジに設けられた凹部を一つにしてその中に送信用及び受信用フィルタを収容する場合は、両フィルタの絶縁性を確保できるような距離を隔てて両フィルタを離して配置していた。また、位相整合線路やインピーダンス整合回路も送信用及び受信用フィルタと共にパッケージに形成されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来のSAW分波器においては、以下のような課題が生じる。すなわち、送信用フィルタ及び受信用フィルタがそれぞれ異なる圧電基板上に形成されており、両フィルタを同一パッケージ内に収容する場合、両フィルタの特性を良好に保つためには、パッケージに二つのキャビティ(凹部)を設けて両フィルタをそれぞれのキャビティ内に配置する(パッケージの壁部を介して両フィルタを配置するか、あるいは、キャビティを一つにしてもそのキャビティ内で両フィルタの距離を離さなければならない。従って、二つのキャビティを形成する領域(パッケージの壁部を形成する領域)や両フィルタの間隔を考慮すると、その分だけ分波器全体としての小型化を抑制することが困難になってしまう。たとえ、分波器の小型化のために、二つのキャビティの間隔(パッケージの壁部)、あるいは両フィルタの間隔を狭めたとしても、良好な絶縁性を確保することができなくなってしまう。
【0005】
また、同一パッケージ内に送信用及び受信用フィルタや位相整合回路及びインピーダンス整合回路等を収容しているため、これらの素子を配線で接続した場合の接続線及び接続線用パッドの寄生インピーダンスにより、SAW分波器の周波数特性が変化してしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の分波器は、第1の方向に対向する第1の辺と第2の辺とを備える単一圧電基板と、単一圧電基板上に形成され、第1の入力端子と第1の出力端子とを備えた送信用SAWフィルタと、単一圧電基板上に形成され、第2の入力端子と第2の出力端子とを備えた受信用SAWフィルタとを有し、送信用SAWフィルタと受信用SAWフィルタとは、第1の方向と直交する第2の方向に並んで配置され、第1の出力端子は第2の辺よりも第1の辺に近づいて配置され、第2の入力端子は第1の辺よりも第2の辺に近づいて配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明における分波器によれば、アンテナ端子と送信端子との間に接続された送信用SAWフィルタと、アンテナ端子と受信端子との間に接続された送信用SAWフィルタとは通過帯域特性が異なる受信用SAWフィルタと、アンテナ端子と送信用及び受信用SAWフィルタと間に接続された周波数特性調整用LC回路及び分波回路の組み合わせ回路とを有し、分波回路を直列腕SAW共振器を用いて構成されたSAW分波器を実現したので、従来の分波器よりも小型化され、かつ周波数特性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明における分波器パッケージによれば、互いに周波数通過帯域の異なる送信用SAWフィルタと受信用SAWフィルタとが形成された圧電基板を搭載するSAWフィルタチップ搭載領域を有し、送信用SAWフィルタ及び受信用SAWフィルタに関する周波数特性調整用回路及び分波回路が形成されているので、信頼性の高い小型化された分波器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を、以下図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器の構成例を概略的に示したブロック図である。図1において、SAW分波器100は、アンテナ端子101、送信端子103及び受信端子104を備えている。アンテナ端子101にはインピーダンス整合用LC回路102が接続されており、インピーダンス整合用LC回路102と送信端子103との間には送信側分波線路(以下、Tx−分波線路という。)105及び送信用SAWフィルタ108が、インピーダンス整合用LC回路102と受信端子104との間には受信側分波線路(以下、Rx−分波線路という。)106及び受信用SAWフィルタ109がそれぞれ接続されている。送信用SAWフィルタ108及び受信用SAWフィルタ109は、周波数通過帯域特性が互いに異なる。また、Tx−分波線路105及びRx−分波線路106で分波回路107を構成しているが、Tx−分波線路105は必ずしも設けなくてもよく、設計に応じて適宜設けるようにすればよい。
【0011】
図2及び図3に、上述したSAW分波器100がTx−分波線路105及びRx−分波線路106の両方を備えている場合の具体的な回路構成図を示す。
【0012】
図2において、送信用SAWフィルタ108は、共に二つの直列腕SAW共振器及び並列腕SAW共振器からなる三段構成の梯子型SAW共振器で構成されている。直列腕SAW共振器はTx−分波線路105と送信端子103との間に接続されており、初段の第1直列腕SAW共振器(TS1)108aと二段目の第2直列腕SAW共振器(TS2)108bとで構成されている。一方、並列腕SAW共振器は、第1直列腕SAW共振器(TS1)108a及び第2直列腕SAW共振器(TS2)108bの接続点と接地電位との間に接続された初段の第1並列腕SAW共振器(TP1)108cと、送信端子103と接地電位との間に接続された二段目の第2並列腕SAW共振器(TP2)108dとで構成されている。また、送信用SAWフィルタ108における各直列腕SAW共振器及び各並列腕SAW共振器は、それぞれ二つのSAW共振器で構成されている。
【0013】
受信用SAWフィルタ109は、共に三つの直列腕SAW共振器及び並列腕SAW共振器からなる五段構成の梯子型SAW共振器で構成されている。直列腕SAW共振器は、Rx−分波線路106と受信端子104との間に接続されており、初段の第1直列腕SAW共振器(RS1)109a、二段目の第2直列腕SAW共振器(RS2)109b、三段目の第3直列腕SAW共振器(RS3)109cで構成されている。一方、並列腕SAW共振器は、第1直列腕SAW共振器(RS1)109a及び第2直列腕SAW共振器(RS2)109bの接続点と接地電位との間に接続された初段の第1並列腕SAW共振器(RP1)109d、第2直列腕SAW共振器(RS2)109b及び第3直列腕SAW共振器(RS3)109cの接続点と接地電位との間に接続された二段目の第2並列腕SAW共振器(RP2)109e、受信端子104と接地電位との間に接続された三段目の第3並列腕SAW共振器(RP3)109fとで構成されている。また、SAW分波器100の小型化という観点から、Tx−分波線路105は直列腕SAW共振器(TxS)105aを用いて、Rx−分波線路106は並列腕SAW共振器(RxS)106aを用いてそれぞれ構成されている。インピーダンス整合用LC回路102は、キャパシタCANT及びインダクタLANTで構成されている。
【0014】
ここで、図3に示すように、SAW分波器100のより小型化を達成するために、送信用SAWフィルタ108の第1直列腕SAW共振器(TS1)108aとTx−分波線路105の直列腕SAW共振器(TxS)105aとを合体させて一つの合成SAW共振器108eとし、同様に、受信用SAWフィルタ109の第1直列腕SAW共振器(RS1)109aとRx−分波線路106の並列腕SAW共振器(RxS)106aとを合体させて一つの合成共振器109gとして構成してもよい。
【0015】
次に、上述したSAW分波器100を構成している送信用SAWフィルタ108及び受信用SAWフィルタ109を同一の圧電基板110上に形成し、パッケージ基板111に搭載した時の概略的な斜視図を図4の(A)に示す。パッケージ基板111としては、樹脂基板、低温焼結基板、アルミナ基板等が挙げられる。また、このパッケージ基板は複数の基板からなる多層パッケ−ジ基板として構成することもでき、後述する第2〜第4の実施の形態において詳細に説明する。図4の(A)中のTx−in及びTx−OUTは、それぞれ送信用SAWフィルタ108の入力端子及び出力端子である。また、Rx−in及びRx−OUTは、それぞれ受信用SAWフィルタ109の入力端子及び出力端子である。そして、送信用SAWフィルタ108の出力端子及び受信用SAWフィルタ109の入力端子は、図示されてはいないが、共にアンテナ端子101に接続されている。また、送信用SAWフィルタ108の入力端子は図1中の送信端子103に、受信用SAWフィルタ109の出力端子は図1中の受信端子104にそれぞれ対応している。この場合、分波回路107及び周波数調整用LC素子102は、共に圧電基板110外、つまりパッケージ基板111上に形成される。
【0016】
次に、分波回路107、送信用SAWフィルタ108、受信用SAWフィルタ109を同一の圧電基板110上に形成する場合は図4の(B)に示すようになる。分波回路107としてTx−分波線路105及びRx−分波線路106を含む場合には、双方の分波線路をこの圧電基板110上に設けるのがよい。また、分波回路107としてRx−分波線路106しか形成しない場合には、Rx−分波線路106のみを圧電基板110上に設ければよい。この図4の(B)においては、所要の配線や入出力端子の図示は省略されており、Tx−分波線路105を波線で、Rx−分波線路106を実践で示している。図4の(B)のような構成例においては、インピーダンス整合用LC回路102は圧電基板110外に設けられる。
【0017】
次に、インピーダンス整合用LC回路102、分波回路107、送信用SAWフィルタ108、受信用SAWフィルタ109を同一の圧電基板110上に形成する場合は図4の(C)に示すようになる。図4の(B)で示されている構成例と同様に、分波回路としてTx−分波線路105及びRx−分波線路を含む場合には、双方の分波線路を圧電基板110上に設けるようにする。Tx−分波線路105は上述したように設計に応じて適宜設けるようにする。なお、この図4の(C)においても、所要の配線や入出力端子の図示は省略されている。
【0018】
以上の図4(A)〜(C)に示されているようなSAW分波器100におけるTx−分波線路105及びRx−分波線路106は、それぞれ直列腕SAW共振器で構成されている。
【0019】
次に、本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器の動作について図5〜図7及び表1〜表3を参照しながら説明する。
【0020】
図5は、SAW分波器100に送信動作をさせた場合において、各構成要素を機能的に分けて示した構成図である。図6は、SAW分波器100に受信動作をさせた場合において、各構成要素を機能的に分けて示した構成図である。図7は、SAW分波器100におけるインピーダンスを説明する図である。
【0021】
ここで一般に、分波器は一つのアンテナのみによって、送信信号を送信する場合及び受信信号を受信する場合の両方を兼用するためのものであり、送信系回路と受信系回路とがアンテナに直接接続される。従って、分波器の性能が携帯電話等の小型移動体通信機器の性能に大きく関係する。
【0022】
図5に示すように、SAW分波器100が送信器として用いられる場合、電力増幅器113からの送信信号は送信端子103を経て送信用SAWフィルタ108に送られる。この送信信号は送信用SAWフィルタ108において周波数帯域が制限され、アンテナ端子101を経てアンテナ112へ送られ、送信信号が送信される。この場合、Rx−分波線路106及び受信用SAW109を含む受信系回路114は、アンテナ112と共に抵抗R1を有する負荷回路とみなすことができる。
【0023】
また、図6に示すように、SAW分波器100が受信器として用いられる場合、アンテナ112で受信された信号は、アンテナ端子101を経て受信用SAWフィルタ109に送られる。この受信信号は、受信用SAWフィルタ109において周波数帯域が制限され、受信端子104を経て受信系回路114へと送られる。この場合、Tx−分波線路105及び送信用SAWフィルタ108を含む送信系回路115は、アンテナ112と共に抵抗R2を有する負荷回路とみなすことができる。
【0024】
以上のように、送信時及び受信時におけるSAW分波器100の機能的構成は、それぞれ図5及び図6に示すように考えることができるので、SAW分波器100が高性能な分波器として機能するための必要条件は以下のようになる。
【0025】
SAW100分波器を送信器として用いる場合、図5に示すように、受信系回路114の入力インピーダンスをZr117とすると、このZr117は近似的に次式(1−1)及び(1−2)の条件を満たす必要がある。
【0026】
r×ZANT/(Zr+ZANT)≒50 ・・・(1−1)
r≒∞ ・・・(1−2)
一方、SAW100分波器を受信器として用いる場合、図6に示すように、送信系回路115の入力インピーダンスをZt116とすると、このZt116は近似的に次式(1−3)及び(1−4)の条件を満たす必要がある。
【0027】
t×Zr/(Zt+Zr)≒50 ・・(1−3)
r≒∞ ・・・(1−4)
ここで、携帯電話における送信帯域が890MHz〜915MHz、受信帯域が935MHz〜960MHzであるとすると、図6に示した送信系回路115内の送信用SAWフィルタ108においては、直列腕SAW共振器108a及び108bによって極周波数を930MHz〜960MHzという受信帯域に設定可能であるので、この場合の送信用SAWフィルタ108は入力インピーダンスの近似式(1−3)を満たすようにすることは可能である。しかし、受信系回路114内の受信用SAWフィルタ109において、直列腕SAW共振器109a〜109cによって極周波数を890MHz〜915MHzという送信帯域に設定することができない。そのため、入力インピーダンスの近似式(1−1)及び(1−2)を満たすことができない。
【0028】
図8の(A)は本発明のSAW分波器に使用される直列腕SAW共振器を示す回路図であり、図8の(B)は図8の(A)に示す直列腕SAW共振器のLC等価回路図である。
【0029】
そこで、従来のように送信用SAWフィルタ及び受信用SAWフィルタがそれぞれ異なる圧電基板上に形成された分波器と、本発明のように送信用SAWフィルタ及び受信用SAWフィルタが同一の圧電基板上に形成された分波器とに関して、送信時(図5参照)におけるインピ−ダンス特性を比較するためにシミュレ−ションを行った。このシミュレ−ションの対象とした各分波器は、携帯電話用SAW分波器を用いたGSM方式用の分波器としている。このGSM方式用の分波器は、図2において示したTx−分波線路105及びインダクタLANTを構成要素として含んでおらず、Rx−分波回路として直列腕SAW共振器106aを備えた構成となっている。そして、今回のシミュレ−ションは、周波数帯域890MHz〜960MHzのうち、890MHz、915MHz、935MHz、960MHzについて行った。
【0030】
シミュレ−ションの対象とした従来及び本発明におけるGSM方式用分波器の送信用SAWフィルタは、双方共に図2に示した送信用SAWフィルタ108と同一の構成とした。前述したように、表1には、SAW分波器100における送信用及び受信用SAWフィルタを構成しているSAW共振器の交差長(μm)及び電極対数を示してある。
【0031】
【表1】

【0032】
この表1において、図2に示す送信用SAWフィルタ108を構成する直列腕SAW共振器108a及び108bをそれぞれTS1及びTS2として示し、並列腕SAW共振器108c及び108dをそれぞれTP1及びTP2として示してある。また、図2に示す受信用SAWフィルタ109を構成する直列腕SAW共振器109a〜109cをそれぞれRS1〜RS3として示し、並列腕SAW共振器109d及び109eをそれぞれRP1及びRP2として示してある。
【0033】
さらに、今回のシミュレ−ションの対象とした本発明の分波器では、Rx−分波線路106を直列腕SAW共振器106aを用いて構成している。また、シミュレ−ション対象とした従来の分波器では、送信用SAWフィルタと受信用SAWフィルタとはそれぞれ別々の圧電基板上に形成されており、Rx−分波線路及び周波数調整用LC回路は、送信用SAWフィルタや受信用SAWフィルタが形成された別々の圧電基板を搭載されるパッケ−ジ基板の上に設けられている。
【0034】
表2には、分波回路の種類、その所要パラメ−タ及びシミュレ−ションの結果得られたそれぞれの分波回路のインピ−ダンス値を示した。表2において、符号A及びBは従来の分波器構成を、符号C〜Eは本発明の分波器構成を示している。これらの分波器はSAW共振器を用いた携帯電話用の分波器で、送信周波数帯域が890MHz〜915MHz、受信周波数帯域が935MHz〜960MHzのGSM(Global System for Mobile communications)方式用の分波器である。
【0035】
【表2】

【0036】
この表2において、従来の分波器Aでは、分波回路を線路とし、Tx−分波線路は設けず(線路長LT=0mm)に、Rx−分波線路を線路長LR=40mmとして設けており、周波数調整用LC回路は設けられていない。従って、送信用SAWフィルタの入力端子及びRx−分波線路の入力端子がアンテナ端子に直接接続されている。
【0037】
また、従来の分波器Bでは、分波回路を線路とし、Tx−分波線路及びRx−分波線路は共に設けられておらず(線路長LT及びLR=0mm)、周波数調整用LC回路も設けられていない。そして、送信用SAWフィルタ及び受信用SAWフィルタのそれぞれの入力端子は直接アンテナ端子に接続されている。
【0038】
シミュレーションの対象とした本発明の三種類の分波器C〜Eは、図1に示す回路構成において、Tx−分波線路105が設けられていない。従って、送信用SAWフィルタの入力端子は直接インピーダンス整合用LC回路102に接続されている。さらに、これらの分波器C〜Eにおいては、RX−分波回路106として直列腕SAW共振器106aが設けられており、直列腕SAW共振器106aは、受信用SAWフィルタ109の初段の直列腕SAW共振器109aと合成された合成共振器109gとして構成されている。
【0039】
以上のような条件のもとで、分波器Cはさらに外付けのインピーダンス整合用LC回路102として、容量成分CANT(キャパシタンス=10pF)及びインダクタLANT(インダクタンス=7nH)を備えている。また、分波器Dは外付けのインピーダンス整合用LC回路102として、容量成分CANTは備えずに、インダクタLANT(インダクタンス=7nH)のみを備えている。同様に、分波器Eは外付けのインピーダンス整合用LC回路102として、容量成分CANTは備えずに、インダクタLANT(インダクタンス=10nH)のみを備えている。このように、本発明の分波器C〜Eは、インピーダンス整合用LC回路102によって周波数特性を改善する構成となっている。
【0040】
表3では、従来及び本発明のうち、それぞれの特定の分波器B(従来)及び分波器D(本発明)について、図7に示すような送信用SAWフィルタ108の入力インピーダンスZr117及びZt116の実数部と虚数部の値が示されている。また、表3では、送信用及び受信用SAWフィルタの各々について、周波数が890MHz、915MHz、935MHz、960MHzの場合における入力インピーダンス値が示されている。
【0041】
【表3】

【0042】
表3の分波器B及びDの入力インピーダンスZt及びZrを比較すると、本発明の分波器Dは受信用SAWフィルタの送信帯域のインピーダンスが大きくなっていることがわかる。詳細に比較してみると、表1の受信用SAWフィルタにおいて、周波数fが890MHzである時、従来の分波器Bの場合の入力インピーダンスZrに関しては、実数部が0.0127であり、虚数部が−1.089となっている。これに対して、本発明の分波器Dの場合の入力インピーダンスZrに関しては、実数部が3.54であり、虚数部が23.20となっている。このように本発明の分波器では、周波数特性が大幅に改善されていることがわかる。このことは、表2のインピーダンス特性の結果からも明らかである。また、表2のインピーダンス特性の結果から、送信周波数帯域は、935MHz〜960MHzであることがわかる。上述したインピーダンス特性のシミュレーションの対象となった本発明の分波器は、既に説明したように、Rx−分波線路に受信用SAWフィルタの初段直列腕SAW共振器を合成させることにより小型化した構成となっている。そこで、携帯電話の性質上、最も注目される送信帯域の中心周波数、つまり周波数f=900MHzでの入力インピーダンスについて以下に説明する。
【0043】
図7に示したC点118から、送受信用SAWフィルタ側を見た場合、その合成インピーダンスZinは次式(1−5)で与えられる。
【0044】
in=Zt×Zr/(Zt+Zr) ・・(1−5)
この場合、周波数f=900MHzにおける送信用SAWフィルタ108及び受信用SAWフィルタ109の入力インピーダンスは、表3より以下のようになる。
【0045】
t(900)=0.863−j0.626 ・・・(1−6)
t(900)=0.0175−j0.934 ・・(1−7)
従って、図7に示したC点118から送受信用SAWフィルタ側にインピーダンスZinは次式(1−8)で与えられる。
【0046】
in(Tr)(900)=0.2409−j0.501・・・(1−8)
in(Tr)(900)を、本発明の図2に示した構成例におけるインピーダンス整合用LC回路102のインダクタンスLANT102bのみでインピーダンス補正すると、インダクタンスLANTの値は、
ANT=4.4nH ・・(1−9)
となる。この場合、特性インピーダンスが所望の値にならない場合、インピーダンス整合回路の挿入が必要となる。実際上は、この種の携帯電話では周波数f=900MHzのみではなく、送信帯域890MHz〜915MHzにおいて最適特性が要求される。この最適特性は、通常シミュレーションによって決定される。表2に示す分波器D及びEでは、インダクタLANT102bのみで送信帯域890MHz〜915MHzにおけるインピーダンスの調整を行った結果を示している。また、表2に示す分波器Cは、インダクタLANT102bとキャパシタCANT102aとによって送信帯域890MHz〜915MHzにおけるインピーダンスの調整を行った結果を示している。これらインダクタLANT102bとキャパシタCANT102aの値の一つの組み合わせが、LANT=7.0nH及びCANT=10.0pFである。
【0047】
そして、表2の結果から明らかなように、本発明の分波器の構成によれば、送信用SAWフィルタ108及び受信用SAWフィルタ109を同一圧電基板上に搭載すると共に、外付けのインピーダンス整合用LC回路102を設けることによって、SAW分波器における通過帯域特性を改善することができることがわかる。また、同一圧電基板上に送信用SAWフィルタ及び受信用SAWフィルタの両方を形成するようにしたので、ウエハ状態にある送受信用SAWフィルタ108及び109をダイシングする際、送信用SAWフィルタ108と受信用SAWフィルタ109とを切り離す必要がなくなる。従って、従来において、送信用SAWフィルタ108と受信用SAWフィルタ109とを切り離すために確保していたウエハ上のスクライブライン領域は不要となり、一枚のウエハからより多くのSAWフィルタを得ることができる、つまり歩留りを向上させることができる。
【0048】
一方、表3の結果から、分波線路として用いた直列腕SAW共振器106aによって、受信用SAWフィルタ109の送信帯域におけるインピーダンスが大きくなっていることがわかる。この周波数特性の改善は、図7に示すC点118からフィルタ側を見た場合のインピーダンスに依存する。すなわち、受信用SAWフィルタ109の入力端子に分波線路として直列腕SAW共振器106aを挿入したことに起因していると想定される。この分波線路として用いられている直列腕SAW共振器106aの挿入によるインピーダンス値を、インピーダンス整合用LC回路102を外付けすることにより必要なインピーダンス値に調整している。この周波数調整用LC回路をチップ化して送受信用SAWフィルタのパッケージ基板上に設けるか、あるいは、送受信用SAWフィルタを形成する圧電基板に設けることによって、SAW共振器を備える分波器全体の小型化及び高性能化を図ることが可能となる。
【0049】
次に、図9〜図12を参照しながら、本発明の第2〜第4の実施の形態について説明する。
【0050】
図9は、本発明の第2の実施の形態におけるSAW分波器200の構成図であり、送受信用SAWフィルタ206及び207が一つの圧電基板208上に形成されている。また、図12(A)〜(C)を参照しながら、第2の実施の形態におけるSAW分波器を搭載するための多層パッケージ基板について説明する。
【0051】
第2の実施の形態におけるSAW分波器200は、以下のような構成となっている。まず、図9に示すように、一つの圧電基板208上には送信用SAWフィルタ206及び受信用SAWフィルタ207が形成されている。アンテナ221に接続されたアンテナ端子201と受信用SAWフィルタ207との間には、アンテナ端整合回路202及び分波線路205が設けられている。ここで、アンテナ端整合回路202は、インダクタとしてのストリップラインLANT216とキャパシタとしてのオープンスタブSANT217とで構成されている。また、アンテナ端整合回路202は端子218を介して接地電位に接続されている。
【0052】
送信端子203には電力増幅器215の出力端子が接続されており、送信端子203と送信用SAWフィルタ206との間には送信入力整合回路213が接続されている。ここで、送信入力整合回路213は、インダクタとしてのストリップラインLT209とキャパシタとしてのオープンスタブST210とで構成されている。また、送信入力整合回路213は端子219を介して接地電位に接続されている。
【0053】
受信端子204と受信用SAWフィルタ207との間には受信出力整合回路214が接続されている。ここで、受信出力整合回路214は、インダクタとしてのストリップラインLR211とキャパシタとしてのオープンスタブSR212とで構成されている。また、受信出力整合回路214は端子220を介して接地電位に接続されている。
【0054】
以上のように構成されたSAW分波器200を図12に示すような多層パッケージ基板に搭載された時の構成を以下に説明する。
【0055】
本発明における多層パッケージ基板は、基本的に図12の(A)〜(C)のようなパッケージ基板600〜800で構成されている。パッケ−ジ基板600の中央部には、送受信用SAWフィルタ206及び207が形成された圧電基板208を収納するためのスペースとしてキャビティ601が形成されている。また、パッケージ基板600には、電極パッド602A〜602H、送信端子603A、アンテナ端子603B及び受信端子603Cがそれぞれ形成されている。
【0056】
送信端子603Aと電極パッド602Hとの間には送信入力整合回路213のストリップラインLT209に対応するストリップライン605が形成されている。また、パッケージ基板600において、送信端子603Aにはオープンスタブ604が接続されているが、第2の実施の形態においては設ける必要がない。一方で、電極パッド602Hは多層パッケージ基板内で端子806に接続されており、パッケージ基板800におけるこの端子806にはオープンスタブST210に対応するオープンスタブ805が接続されている。そして、電極パッド602Hには、ワイヤボンディング等により送信用SAWフィルタ206の入力端子が接続される。
【0057】
アンテナ端子603Bと電極パッド602Dとの間には、アンテナ端整合回路202のストリップラインLANT216に相当するストリップライン606Aが形成されている。アンテナ端子603Bは、端子607、配線606B及び電極端子602Dを介して送信用SAWフィルタ206の出力端子が接続される。さらに、図12(C)に示すように、端子607は端子803に接続されており、分波線路205に対応する分波線路801を介して端子804に接続されている。端子804は多層パッケージ基板内で電極パッド602Aに接続されており、さらに電極パッド602Aはワイヤボンディング等により受信用SAWフィルタ207の入力端子に接続される。また、アンテナ端子603Bは多層パッケージ基板内でパッケージ基板800の端子802Bに接続されており、このパッケージ基板800においてアンテナ端整合回路202のオープンスタブSANT217に対応するオープンスタブ807が形成されている。
【0058】
受信端子603Cと電極パッド602Eとの間には、受信出力用整合回路214のストリップラインLR211に対応するストリップライン608が形成されている。また、図12(C)に示すように、受信端子603Cは多層パッケ−ジ基板内で端子802Cに接続されており、さらに、端子802CにはオープンスタブSR212に対応するオープンスタブ808が形成されている。
【0059】
パッケージ基板600における電極パッド602C及び602Gは、多層パッケージ基板内でパッケージ基板700における端子701A及び701Bにそれぞれ接続されている。また、これらの端子701A及び701Bは、端子703A〜703C及び703Hを介して接地電位VSSに接続された接地電位パターン701内に設けられている。従って、パッケージ基板600における電極パッド602C及び602Gは接地電位用電極パッドとして使用される。例えば、第2の実施の形態では、電極パッド602Cはアンテナ端整合回路202における接地電位用電極パッド218として、電極パッド602Gは送信入力整合回路213における接地電位用電極パッド219として使用される。
【0060】
同様に、パッケージ基板600における電極パッド602B及び602Fは、多層パッケージ基板内でパッケージ基板700における端子702A及び702Bにそれぞれ接続されている。また、これらの端子702A及び702Bは、端子703D〜703Gを介して接地電位VSSに接続された接地電位パターン702内に設けられている。従って、パッケージ基板600における電極パッド602B及び602Fは接地電位用電極パッドとして使用される。例えば、第2の実施の形態では、電極パッド602Bはアンテナ端整合回路202における接地電位用電極パッド218として、電極パッド602Fは受信出力整合回路214における接地電位用電極パッド220として使用される。
【0061】
パッケージ基板700において、チップ搭載領域704には、送受信用SAWフィルタ206及び207が形成された圧電基板208が搭載される。また、チップ搭載領域704の接地電位パターン702には、複数のスルーホール705が設けられており、これらのスルーホール705は多層パッケージ基板内でパッケージ基板800に設けられた複数のスルーホ−ル809に接続されている。
【0062】
以上のように、第2の実施の形態における分波器パッケージによれば、送信用SAWフィルタ206及び受信用SAWフィルタ207を一つの圧電基板208上に形成し、その圧電基板208を多層パッケージ基板に収納するようにしたので、SAW分波器全体の小型化を実現することができる。さらに、ストリップラインLT209(605)、LR211(608)及びLANT216(606A)をパッケージ基板700上に形成し、一方で、分波線路205(801)、オープンスタブST210(805)、SR212(808)及びSANT217(807)をパッケージ基板800上に形成するようにした。すなわち、ストリップラインを分波線路及びオープンスタブとは別個のパッケージ基板上に形成するようにしたので、SAW分波器全体をより小型化させることが可能となる。
【0063】
また、パッケージ基板700において、送信入力整合回路213と受信出力整合回路214の各々に関する接地電位用パターンを別個に分離させて設けるようにしたので、送信用SAWフィルタ206と受信用SAWフィルタ207との間で互いの干渉によるSAW分波器の周波数特性の劣化を抑制することができる。
【0064】
また、パッケージ基板700及び800にいて、送受信用SAWフィルタ206及び207を形成した圧電基板を搭載する領域内にスルーホール705及び809を設けたので、送受信用SAWフィルタ206及び207からの熱を効率良くSAW分波器の外部へ逃がすことができ、SAW分波器の信頼性を向上させることができる。
【0065】
次に、以上のような構成を有する多層パッケ−ジ基板に搭載されたSAW分波器200の動作について説明する。
【0066】
まず、分波器における整合回路の接続線のインピーダンス変換動作について図13及び図14を参照しながら説明する。図13の接続線と図14の等価LC回路との間には次式(2−1)及び(2−2)の関係が存在する。
【0067】
L=Zo×LL/CC ・・・(2−1)
C=LL/(CC×Zo) ・・・(2−2)
ここで、Zoは接続線の特性インピーダンス、LLは接続線の長さ(cm)、CC=3.0×1010である。図14に示した接続線を含んだSAWフィルタ又は分波線路等のインピーダンスZinは次式(2−3)で与えられる。
【0068】
Zin=(Zn+jWL)/(1+jWC(Zn+jWL))・・(2−3)
ここで、W=2πf(f:周波数)である。
【0069】
次に、具体的に図9に示した本発明の第2の実施の形態における送信入力整合回路213の接続線(ストリップラインLT209)について説明する。ストリップラインLT209に相当する接続線の長さを11.85mm、線路幅を0.1mm、基板の厚さを0.2mm+0.2mm=0.4mm、線路の厚さを0.02mm、接続線が形成されたパッケージ基板の誘電率を5.0とする(表4参照)と、この接続線の特性インピーダンスは53.6Ωとなる。
【0070】
【表4】

【0071】
以上のことから、図14の等価LC値は、表5に示すように、L=4.73nH、C=1.65pFとなる。
【0072】
【表5】


このストリップラインLT209(L=4.73nH、C=1.65pF)に関して、図14に示したように、終端インピーダンスZnが変化した場合の入力インピーダンスZinの変化を表6に示す。
【0073】
【表6】


この表6から明らかなように、例えば、終端インピーダンスZnが30Ωの場合、入力インピーダンスZinは46.7−j18.2となっている。すなわち、ストリップライン等の接続線を用いることにより、SAW分波器における入力インピーダンスZinを所望の値に設定することができる。
【0074】
従って、本発明の第2の実施の形態におけるSAW分波器200に関して、分波線路205、送受信用SAWフィルタ206及び207の入力インピーダンスを低く設定し、ストリップラインLT209、LR211及びLANT216を用いて、アンテナ端子201、送信端子203及び受信端子204において所望の入力インピーダンスを設定することができる。また、分波線路205において入力インピーダンスを低く設定することによって、より低損失な線路を実現することができる。第2の実施の形態においては、分波線路の線路幅を0.2mm、基板の厚さを0.4mmとすることで、SAW分波器200の特性インピーダンスを40.2Ωとすることができ、SAW分波器の低損失化を実現している。
【0075】
次に、分波器における整合回路のオープンスタブ(開放線路)の動作について説明する。このオープンスタブのインピーダンスZinfは次式(2−4)で与えられる。
【0076】
inf=−jcot(2πLL/λ) ・・・(2−4)
ここで、具体的に本発明の第2の実施の形態における送信入力整合回路213の開放線路(オープンスタブST210)について説明する。送信入力整合回路213において、LL=10.32mmとすると、等価容量Cinfは2.63pFとなる。つまり、オープンスタブST210を用いることによって、所定の周波数帯域に亘って、前述したストリップライン等の接続線による特性インピーダンスを所望の値に調整することが可能となる。すなわち、開放線路(オープンスタブ)の作用によって、接続線による特性インピーダンス値の虚数部をプラス領域からマイナス領域に変化させることが可能となる。
【0077】
図10は、本発明の第3の実施の形態におけるSAW分波器300の構成図であり、分波線路305、送信用SAWフィルタ306及び受信用SAWフィルタ307が一つの圧電基板308上に形成されている。また、第3の実施の形態においても、図12(A)〜(C)を参照しながらSAW分波器を搭載するための多層パッケージ基板について説明する。
【0078】
第3の実施の形態におけるSAW分波器300は、以下のような構成となっている。まず、図10に示すように、一つの圧電基板308上には、分波線路305、送信用SAWフィルタ306及び受信用SAWフィルタ307が形成されている。分波線路305は、アンテナ321に接続されたアンテナ端子301と受信用SAWフィルタ307との間に設けられており、アンテナ端子301と分波線路305との間にはアンテナ端整合回路302が設けられている。ここで、アンテナ端整合回路302は、インダクタとしてのストリップラインLANT316とキャパシタとしてのオープンスタブSANT317とで構成されている。また、アンテナ端整合回路302は端子318を介して接地電位に接続されている。
【0079】
送信端子303には電力増幅器315の出力端子が接続されており、送信端子303と送信用SAWフィルタ306との間には送信入力整合回路313が接続されている。ここで、送信入力整合回路313は、インダクタとしてのストリップラインLT309とキャパシタとしてのオープンスタブST310とで構成されている。また、送信入力整合回路313は端子319を介して接地電位に接続されている。
【0080】
受信端子304と受信用SAWフィルタ307との間には受信出力整合回路314が接続されている。ここで、受信出力整合回路314は、インダクタとしてのストリップラインLR311とキャパシタとしてのオープンスタブSR312とで構成されている。また、受信出力整合回路314は端子320を介して接地電位に接続されている。
【0081】
以上のように構成されたSAW分波器300を図12に示すような多層パッケージ基板に搭載された時の構成を以下に説明する。
【0082】
本発明における多層パッケージ基板は、基本的に図12の(A)〜(C)のようなパッケージ基板600〜800で構成されている。
【0083】
パッケ−ジ基板600の中央部には、送受信用SAWフィルタ306及び307が形成された圧電基板308を収納するためのスペースとしてキャビティ601が形成されている。また、パッケージ基板600には、電極パッド602A〜602H、送信端子603A、アンテナ端子603B及び受信端子603Cがそれぞれ形成されている。
【0084】
送信端子603Aと電極パッド602Hとの間には送信入力整合回路313のストリップラインLT309に対応するストリップライン605が形成されている。また、パッケージ基板600において、送信端子603Aにはオープンスタブ604が接続されているが、第3の実施の形態においては設ける必要がない。一方で、電極パッド602Hは多層パッケージ基板内で端子806に接続されており、パッケージ基板800におけるこの端子806にはオープンスタブST310に対応するオープンスタブ805が接続されている。そして、電極パッド602Hには、ワイヤボンディング等により送信用SAWフィルタ306の入力端子が接続される。
【0085】
アンテナ端子603Bと電極パッド602Dとの間には、アンテナ端整合回路302のストリップラインLANT316に相当するストリップライン606Aが形成されている。アンテナ端子603Bは、端子607、配線606B及び電極端子602Dを介して送信用SAWフィルタ306の出力端子が接続される。一方、第3の実施の形態においては、分波線路305は圧電基板308上に送受信用SAWフィルタと共に形成されているので、図12(C)に示されている分波線路801は設ける必要がない。また、アンテナ端子603Bは多層パッケージ基板内でパッケージ基板800の端子802Bに接続されており、このパッケージ基板800においてアンテナ端整合回路302のオープンスタブSANT317に対応するオープンスタブ807が形成されている。
【0086】
受信端子603Cと電極パッド602Eとの間には、受信出力用整合回路314のストリップラインLR311に対応するストリップライン608が形成されている。また、図12(C)に示すように、受信端子603Cは多層パッケ−ジ基板内で端子802Cに接続されており、さらに、端子802CにはオープンスタブSR312に対応するオープンスタブ808が形成されている。
【0087】
パッケージ基板600における電極パッド602C及び602Gは、多層パッケージ基板内でパッケージ基板700における端子701A及び701Bにそれぞれ接続されている。また、これらの端子701A及び701Bは、端子703A〜703C及び703Hを介して接地電位VSSに接続された接地電位パターン701内に設けられている。従って、パッケージ基板600における電極パッド602C及び602Gは接地電位用電極パッドとして使用される。例えば、第3の実施の形態では、電極パッド602Cはアンテナ端整合回路302における接地電位用電極パッド318として、電極パッド602Gは送信入力整合回路313における接地電位用電極パッド319として使用される。
【0088】
同様に、パッケージ基板600における電極パッド602B及び602Fは、多層パッケージ基板内でパッケージ基板700における端子702A及び702Bにそれぞれ接続されている。また、これらの端子702A及び702Bは、端子703D〜703Gを介して接地電位VSSに接続された接地電位パターン702内に設けられている。従って、パッケージ基板600における電極パッド602B及び602Fは接地電位用電極パッドとして使用される。例えば、第3の実施の形態では、電極パッド602Bはアンテナ端整合回路302における接地電位用電極パッド318として、電極パッド602Fは受信出力整合回路314における接地電位用電極パッド320として使用される。
【0089】
パッケージ基板700において、チップ搭載領域704には、分波線路305、送受信用SAWフィルタ306及び307が形成された圧電基板308が搭載される。また、チップ搭載領域704の接地電位パターン702には、複数のスルーホール705が設けられており、これらのスルーホール705は多層パッケージ基板内でパッケージ基板800に設けられた複数のスルーホ−ル809に接続されている。
【0090】
以上のように、第3の実施の形態における分波器パッケージによれば、分波線路305、送信用SAWフィルタ306及び受信用SAWフィルタ307を一つの圧電基板308上に形成し、その圧電基板308を多層パッケージ基板に収納するようにしたので、SAW分波器全体の小型化を実現することができる。さらに、ストリップラインLT309(605)、LR311(608)及びLANT316(606A)をパッケージ基板700上に形成し、一方で、オープンスタブST310(805)、SR312(808)及びSANT317(807)をパッケージ基板800上に形成するようにした。すなわち、ストリップラインを分波線路及びオープンスタブとは別個のパッケージ基板上に形成するようにしたので、SAW分波器全体をより小型化させることが可能となる。また、分波線路305を損失の小さい圧電基板308上に形成したので、SAW分波器300の周波数特性をより向上させることができる。
【0091】
また、パッケージ基板700において、送信入力整合回路313と受信出力整合回路314の各々に関する接地電位用パターンを別個に分離させて設けるようにしたので、送信用SAWフィルタ306と受信用SAWフィルタ307との間で互いの干渉によるSAW分波器の周波数特性の劣化を抑制することができる。
【0092】
また、パッケージ基板700及び800にいて、送受信用SAWフィルタ306及び307を形成した圧電基板を搭載する領域内にスルーホール705及び809を設けたので、送受信用SAWフィルタ306及び307からの熱を効率良くSAW分波器の外部へ逃がすことができ、SAW分波器300の信頼性を向上させることができる。
【0093】
図11は、本発明の第4の実施の形態におけるSAW分波器400の構成図であり、送信用SAWフィルタ406及び受信用SAWフィルタ407が一つの圧電基板408上に形成されている。また、第4の実施の形態においても、図12(A)〜(C)を参照しながらSAW分波器を搭載するための多層パッケージ基板について説明する。
【0094】
第4の実施の形態におけるSAW分波器400は、以下のような構成となっている。まず、図11に示すように、一つの圧電基板408上には送信用SAWフィルタ406及び受信用SAWフィルタ407が形成されている。アンテナ422に接続されたアンテナ端子401と受信用SAWフィルタ407との間には、アンテナ端整合回路402及び分波線路405が設けられている。ここで、アンテナ端整合回路402は、インダクタとしてのストリップラインLANT417とキャパシタとしてのオープンスタブSANT418とで構成されている。また、アンテナ端整合回路402は端子419を介して接地電位に接続されている。
【0095】
送信端子403には電力増幅器416の出力端子が接続されており、送信端子403と送信用SAWフィルタ406との間には送信入力整合回路412が接続されている。ここで、送信入力整合回路412は、インダクタとしてのストリップラインLT409とキャパシタとしてのオープンスタブST410及びSTS411とで構成されている。また、送信入力整合回路412は端子420を介して接地電位に接続されている。
【0096】
受信端子404と受信用SAWフィルタ407との間には受信出力整合回路415が接続されている。ここで、受信出力整合回路415は、インダクタとしてのストリップラインLR413とキャパシタとしてのオープンスタブSR414とで構成されている。また、受信出力整合回路415は端子421を介して接地電位に接続されている。
【0097】
以上のように構成されたSAW分波器400を図12に示すような多層パッケージ基板に搭載された時の構成を以下に説明する。
【0098】
本発明における多層パッケージ基板は、基本的に図12の(A)〜(C)のようなパッケージ基板600〜800で構成されている。
【0099】
パッケ−ジ基板600の中央部には、送受信用SAWフィルタ406及び407が形成された圧電基板408を収納するためのスペースとしてキャビティ601が形成されている。また、パッケージ基板600には、電極パッド602A〜602H、送信端子603A、アンテナ端子603B及び受信端子603Cがそれぞれ形成されている。
【0100】
送信端子603Aと電極パッド602Hとの間には送信入力整合回路412のストリップラインLT409に対応するストリップライン605が形成されている。また、パッケージ基板600において、送信端子603AにはオープンスタブSTS411に対応するオープンスタブ604が接続されている。一方で、電極パッド602Hは多層パッケージ基板内で端子806に接続されており、パッケージ基板800におけるこの端子806にはオープンスタブST410に対応するオープンスタブ805が接続されている。そして、電極パッド602Hには、ワイヤボンディング等により送信用SAWフィルタ406の入力端子が接続される。さらに、図12(C)に示すように、端子607は端子803に接続されており、分波線路405に対応する分波線路801を介して端子804に接続されている。端子804は多層パッケージ基板内で電極パッド602Aに接続されており、さらに電極パッド602Aはワイヤボンディング等により受信用SAWフィルタ407の入力端子に接続される。
【0101】
アンテナ端子603Bと電極パッド602Dとの間には、アンテナ端整合回路402のストリップラインLANT417に対応するストリップライン606Aが形成されている。アンテナ端子603Bは、端子607、配線606B及び電極端子602Dを介して送信用SAWフィルタ406の出力端子が接続される。また、アンテナ端子603Bは多層パッケージ基板内でパッケージ基板800の端子802Bに接続されており、このパッケージ基板800においてアンテナ端整合回路402のオープンスタブSANT418に対応するオープンスタブ807が形成されている。
【0102】
受信端子603Cと電極パッド602Eとの間には、受信出力用整合回路415のストリップラインLR413に対応するストリップライン608が形成されている。また、図12(C)に示すように、受信端子603Cは多層パッケ−ジ基板内で端子802Cに接続されており、さらに、端子802CにはオープンスタブSR414に対応するオープンスタブ808が形成されている。
【0103】
パッケージ基板600における電極パッド602C及び602Gは、多層パッケージ基板内でパッケージ基板700における端子701A及び701Bにそれぞれ接続されている。また、これらの端子701A及び701Bは、端子703A〜703C及び703Hを介して接地電位VSSに接続された接地電位パターン701内に設けられている。従って、パッケージ基板600における電極パッド602C及び602Gは接地電位用電極パッドとして使用される。例えば、第4の実施の形態では、電極パッド602Cはアンテナ端整合回路402における接地電位用電極パッド419として、電極パッド602Gは送信入力整合回路412における接地電位用電極パッド420として使用される。
【0104】
同様に、パッケージ基板600における電極パッド602B及び602Fは、多層パッケージ基板内でパッケージ基板700における端子702A及び702Bにそれぞれ接続されている。また、これらの端子702A及び702Bは、端子703D〜703Gを介して接地電位VSSに接続された接地電位パターン702内に設けられている。従って、パッケージ基板600における電極パッド602B及び602Fは接地電位用電極パッドとして使用される。例えば、第4の実施の形態では、電極パッド602Bはアンテナ端整合回路402における接地電位用電極パッド419として、電極パッド602Fは受信出力整合回路415における接地電位用電極パッド421として使用される。
【0105】
パッケージ基板700において、チップ搭載領域704には、分波線路405、送受信用SAWフィルタ406及び407が形成された圧電基板408が搭載される。また、チップ搭載領域704の接地電位パターン702には、複数のスルーホール705が設けられており、これらのスルーホール705は多層パッケージ基板内でパッケージ基板800に設けられた複数のスルーホ−ル809に接続されている。
【0106】
以上のように、第4の実施の形態における分波器パッケージによれば、分波線路405、送信用SAWフィルタ406及び受信用SAWフィルタ407を一つの圧電基板408上に形成し、その圧電基板408を多層パッケージ基板に収納するようにしたので、SAW分波器全体の小型化を実現することができる。さらに、ストリップラインLT409(605)、LR413(608)及びLANT417(606A)をパッケージ基板700上に形成し、一方で、オープンスタブST410(805)、SR414(808)及びSANT418(807)をパッケージ基板800上に形成するようにした。すなわち、ストリップラインを分波線路及びオープンスタブとは別個のパッケージ基板上に形成するようにしたので、SAW分波器全体をより小型化させることが可能となる。
【0107】
また、パッケージ基板700において、送信入力整合回路412と受信出力整合回路415の各々に関する接地電位用パターンを別個に分離させて設けるようにしたので、送信用SAWフィルタ406と受信用SAWフィルタ407との間で互いの干渉によるSAW分波器の周波数特性の劣化を抑制することができる。
【0108】
また、パッケージ基板700及び800にいて、送受信用SAWフィルタ406及び407を形成した圧電基板を搭載する領域内にスルーホール705及び809を設けたので、送受信用SAWフィルタ406及び407からの熱を効率良くSAW分波器の外部へ逃がすことができ、SAW分波器400の信頼性を向上させることができる。
【0109】
さらに、第4の実施の形態では、送信入力整合回路412においてオープンスタブSTS411を設けたので、SAW分波器400におけるスプリアス帯域の減衰量を所望の値に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器の構成例を概略的に示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器の具体的な回路構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器の具体的な回路構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器をパッケージ基板に搭載した時の概略的な斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における、送信動作させた場合のSAW分波器の機能的構成図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における、受信動作させた場合のSAW分波器の機能的構成図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるSAW分波器のインピーダンスを説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における直列腕SAW共振器の回路図及びLC等価回路図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるSAW分波器の構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態におけるSAW分波器の構成図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態におけるSAW分波器の構成図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるSAW分波器を搭載するための多層パッケージ基板の平面図である。
【図13】分波器における整合回路の接続線の構成図である。
【図14】分波器における整合回路の接続線に関する等価LC回路図である。
【符号の説明】
【0111】
100、200、300、400:SAW分波器
101、201、301、401、603B、802B:アンテナ端子
102:インピーダンス整合用LC回路
102a:キャパシタ
102b:インダクタ
103、203、303、403、603A、802A:送信端子
104、204、304、404、603C、802C:受信端子
105:送信用分波線路(Tx−分波線路)
106:受信用分波線路(Rx−分波線路)
107:分波回路
205、305、405、801:分波線路
108、206、306、406:送信用SAWフィルタ
105a、106a、108a〜108e、109a〜109g:SAW共振器
109、207、307、407:受信用SAWフィルタ
110、208、308、408:圧電基板
111:パッケージ基板
112、221、321、422:アンテナ
113、215、315、416:電力増幅器
114:受信系回路
115:送信系回路
116、117:入力インピーダンス
202、302、402:アンテナ端整合回路
209、211、216、309、311、316、409、413、417、605、606A、608:ストリップライン
210、212、217、310、312、317、410、411、414、418、604、805、807、808:オープンスタブ
213、313、412:送信入力整合回路
214、314、415:受信出力整合回路
218〜220、318〜320、419〜421:接地電位用電極パッド
600、700、800:パッケージ基板
601:キャビティ
602a〜602H:電極パッド
701、702:接地電位パターン
701A、701B、702A、702B:接地電位端子
703A〜703H:
704:チップ搭載領域
705、809:スルーホール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に対向する第1の辺と第2の辺とを備える単一圧電基板と、
前記単一圧電基板上に形成され、第1の入力端子と第1の出力端子とを備えた送信用SAWフィルタと、
前記単一圧電基板上に形成され、第2の入力端子と第2の出力端子とを備えた受信用SAWフィルタとを有し、
前記送信用SAWフィルタと前記受信用SAWフィルタとは、前記第1の方向と直交する第2の方向に並んで配置され、
前記第1の出力端子は前記第2の辺よりも前記第1の辺に近づいて配置され、前記第2の入力端子は前記第1の辺よりも前記第2の辺に近づいて配置されていることを特徴とする分波器。
【請求項2】
前記第1の入力端子は前記第1の辺よりも前記第2の辺に近づいて配置され、前記第2の出力端子は前記第2の辺よりも前記第1の辺に近づいて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の分波器。
【請求項3】
前記単一圧電基板は前記第2の方向に対向する第3の辺と第4の辺とを備え、
前記第1の出力端子は前記第4の辺よりも前記第3の辺に近づいて配置され、前記第2の入力端子は前記第3の辺よりも前記第4の辺に近づいて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の分波器。
【請求項4】
単一圧電基板と、
前記単一圧電基板上に形成され、第1の入力端子と第1の出力端子とを備えた送信用SAWフィルタと、
前記単一圧電基板上に形成され、第2の入力端子と第2の出力端子とを備えた受信用SAWフィルタとを有し、
前記第1の入力端子から前記第1の出力端子へ向う第3の方向と前記第2の出力端子から前記第2の入力端子へ向う第4の方向とは異なることを特徴とする分波器。
【請求項5】
前記第3の方向と前記第4の方向は反対であることを特徴とする請求項4に記載の分波器。
【請求項6】
前記送信用SAWフィルタと前記受信用SAWフィルタとは第2の方向に並んで配置され、
前記第3および前記第4の方向は前記第2の方向と直交することを特徴とする請求項5に記載の分波器。
【請求項7】
アンテナ端子を有し、
前記第1の出力端子と前記第2の入力端子とは前記アンテナ端子に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の分波器。
【請求項8】
パッケージ基板を有し、
前記単一圧電基板は前記パッケージ基板に搭載され、
前記アンテナ端子は前記パッケージ基板に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の分波器。
【請求項9】
前記第1の出力端子および前記第2の入力端子は、前記アンテナ端子とワイヤーにより電気的に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の分波器。
【請求項10】
前記第1の出力端子と前記第2の入力端子とは、前記単一圧電基板の外部で互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の分波器。
【請求項11】
前記送信用SAWフィルタと前記受信用SAWフィルタはそれぞれ、複数の直列腕SAW共振器と複数の並列腕SAW共振器とから構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の分波器。
【請求項12】
前記送信用SAWフィルタはグランドに接続された複数の第1のSAW共振器を有し、前記受信用SAWフィルタはグランドに接続された複数の第2のSAW共振器を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の分波器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−67413(P2008−67413A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304397(P2007−304397)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【分割の表示】特願2005−14496(P2005−14496)の分割
【原出願日】平成11年5月28日(1999.5.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】