説明

分注装置

【課題】手作業を経ることなく、ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させることが可能な分注装置、分注装置のティップ装着方法及び分注方法を提供することを目的とする。
【解決手段】分注ヘッド20に配設された複数のノズル21に複数のティップ40を所望の配列で装着させるにあたり、ティップラック60に載置された一又は複数のティップ40をノズル21に装着させた後、そのティップをノズル21から取り外して仮載置部27に仮載置する動作を繰り返し、これにより仮載置部27に上記所望の配列に対応するティップ配列を形成させた後、仮載置部27に形成されたそのティップ配列を構成する複数のティップ40をノズル21に装着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創薬スクリーニングの分野等において、液体の分注に用いられる分注装置、分注装置のティップ装着方法及び分注方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物質の生化学的反応などの試験を系統的に行う際に用いられる装置として、分注装置が知られている。分注装置のヘッド部には複数のノズルが縦横の列状に配設されており、各ノズルにはティップと呼ばれる中空円錐状の先端部を有した部材が取り付けられる。ヘッド部は各ノズルに取り付けられたティップを介して薬液や試薬等の液体を吸入し、マイクロタイタープレートに設けられた各ウェルに吐出して分注を行う(特許文献1,2)。
【0003】
各ノズルにティップを取り付けるには、予めティップが整列載置されたティップラックの上方でティップとノズルの位置合わせをした後、ヘッドを降下させる。これによりノズルの下端部がティップに圧入され、ティップラック上のティップは一括してノズルに装着される。また、ノズルに装着されたティップはヘッド部に設けられたティップ取り外し機構の動作によって一括して取り外すことができる。
【特許文献1】特開平7−225235号公報
【特許文献2】特開2002−340912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の分注装置において、ヘッド部に配設された全てのノズルにティップを装着させるのではなく、一部のノズルにのみ所望の配列でティップを装着させようとする場合には、ティップラックからティップを選択的に抜去して、ティップラック上のティップ配列が予めその所望の配列になるようにした上でノズルにティップを一括装着させる必要があった。そして、そのティップラックからティップを抜去する作業は手作業に依らざるを得ないため、作業効率を低下させていた。
【0005】
そこで本発明は、手作業を経ることなく、ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させることが可能な分注装置、分注装置のティップ装着方法及び分注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の分注装置は、複数のノズルが縦横の列状に配設されたヘッド部と、各ノズルに装着されたティップをノズルから取り外すティップ取り外し機構と、ノズルに装着される前のティップが列状に載置されたティップラックを載置するティップラック載置部と、ノズルから取り外されたティップが仮載置される仮載置部と、前記ヘッド部を前記ティップラック及び前記仮載置部に対して相対的に移動させる相対移動機構と、前記相対移動機構及び前記ティップ取り外し機構を制御することによりノズルへのティップの装着及び取り外しを行わせる制御部とを備え、前記制御部は、前記ヘッド部に配設された前記複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させるにあたり、前記ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させた後、そのティップを前記ノズルから取り外して前記仮載置部に仮載置する動作を繰り返し、これにより前記仮載置部に前記所望の配列に対応するティップ配列を形成させた後、前記仮載置部に形成された前記ティップ配列を構成する複数のティップを前記複数のノズルに装着させるように前記ヘッド部を移動させる。
【0007】
請求項2に記載の分注装置は、請求項1に記載の分注装置において、前記ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させる際、前記ティップラックに載置されたティップの列の端部に位置する一又は複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルに装着させる。
【0008】
請求項3に記載の分注装置は、複数のノズルが縦横の列状に配設されたヘッド部と、各ノズルに装着されたティップをノズルから取り外すティップ取り外し機構と、ノズルに装着される前のティップが列状に載置されたティップラックを載置するティップラック載置部と、ノズルから取り外されたティップが仮載置される仮載置部と、前記ヘッド部を前記ティップラック及び前記仮載置部に対して相対的に移動させる相対移動機構と、前記相対移動機構及び前記ティップ取り外し機構を制御することによりノズルへのティップの装着及び取り外しを行わせる制御部とを備え、前記制御部は、前記ヘッド部に配設された前記複数のノズルに複数のティップを装着させるにあたり、前記ティップラックに載置された複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルを含む特定の複数のノズルに装着させた後、その複数のティップを前記特定の複数のノズルから取り外して前記仮載置部に仮載置した後、その複数のティップを前記特定の複数のノズル以外のノズルを含む他の特定の複数のノズルに装着させるように前記ヘッド部を移動させる。
【0009】
請求項4に記載の分注装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の分注装置において、前記仮載置部に設けられたティップを載置する穴が、前記ヘッド部に配設された前記ノズルと同じレイアウトで形成されている。
【0010】
請求項5に記載の分注装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の分注装置において、ティップを装着した前記ノズルを介して分注された液体を貯留するプレート部材を搬送する搬送路を備え、前記仮載置部が前記搬送路の上方に配置されている。
【0011】
請求項6に記載の分注装置のティップ装着方法は、ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させる分注装置のティップ装着方法において、ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させた後、そのティップを前記ノズルから取り外して仮載置部に仮載置する工程を繰り返すことにより、前記仮載置部に前記所望の配列に対応するティップ配列を形成させる第1の工程と、前記第1の工程において前記仮載置部に形成された前記ティップ配列を構成する複数のティップを前記複数のノズルに装着させる第2の工程とを含む。
【0012】
請求項7に記載の分注装置のティップ装着方法は、請求項6に記載の分注装置のティップ装着方法において、前記ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させる際、前記ティップラックに載置されたティップの列の端部に位置する一又は複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルに装着させる。
【0013】
請求項8に記載の分注装置にティップ装着方法は、ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを装着させる分注装置のティップ装着方法において、ティップラックに載置された複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルを含む特定の複数のノズルに装着させた後、そのティップを前記特定の複数のノズルから取り外して仮載置部に仮載置し、前記仮載置部に仮載置された前記複数のティップを前記特定の複数のノズル以外のノズルを含む他の特定の複数のノズルに装着させる。
【0014】
請求項9に記載の分注装置のティップ装着方法は、請求項6乃至8のいずれかに記載の分注装置のティップ装着方法において、前記仮載置部に設けられたティップを載置する穴が、前記ヘッド部に配設された前記ノズルと同じレイアウトで形成されている。
【0015】
請求項10に記載の分注装置のティップ装着方法は、請求項6乃至9のいずれかに記載の分注装置のティップ装着方法において、ティップを装着した前記ノズルを介して分注された液体を貯留するプレート部材を搬送する搬送路を備え、前記仮載置部が前記搬送路の上方に配置されている。
【0016】
請求項11に記載の分注方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の分注装置若しくは請求項6乃至10のいずれかに記載の分注装置のティップ装着方法により前記ヘッド部の前記ノズルに装着したティップを介して液体の吸入及び吐出を行う。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る分注装置及び分注装置のティップ装着方法によれば、手作業を経ることなく、ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させることができる。また、本発明に係る分注方法によれば、上記本発明に係る分注装置若しくは分注装置のティップ装着方法によって、ヘッド部の複数のノズルにティップを所望の配列で装着させるので、液体の分注に要する時間を大きく短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る分注装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る分注装置のヘッド部及び仮載置部をティップラック及びマイクロタイタープレートとともに示す部分拡大斜視図、図3は本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドのノズルの配置を示す分注ヘッドの平面図である。図4は本発明の一実施の形態に係るティップラックに載置されたティップを分注ヘッドのノズルに取り付ける様子を示す分注装置の部分側面図、図5は本発明の一実施の形態に係る分注装置に備えられたプレートステージが昇降する様子を示す分注装置の部分側面図、図6は本発明の一実施の形態に係るノズルに取り付けられたティップをティップ取り外し機構により仮載置部に取り外している様子を示す分注装置の部分側面図である。図7は本発明の一実施の形態に係る希釈系列が生成された状態を示すマイクロタイタープレートの平面図、図8は本発明の一実施の形態に係る希釈系列を生成するときの分注ヘッドの動作の一例を説明するメインルーチンのフローチャート、図9は本発明の一実施の形態に係る希釈系列を生成するときの分注ヘッドの動作の一例を説明するメインルーチンのフローチャートにおけるステップS10のサブルーチンのフローチャート、図10は本発明の一実施の形態に係る希釈系列を生成するときの分注ヘッドの動作の一例を説明するメインルーチンのフローチャートに対応する分注ヘッドの動作を説明する分注装置の部分側面図である。また、図11は本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドの第1ノズル列を構成する各ノズルにティップを装着させる様子を示す分注装置の部分側面図、図12及び図13は本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドの複数列のノズルにティップを取り付ける様子を示す分注装置の部分側面図である。また図14は本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドに、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャート、図15は本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドに、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャートに対応する分注ヘッドの動作の第1の例を示す分注装置の部分平面図、図16は本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドに、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャートに対応する分注ヘッドの動作の第2の例を示す分注装置の部分平面図である。
【0019】
始めに、図1〜図6を参照して本分注装置1の全体構成について説明する。図1において分注装置1は、箱状の基台10と、基台10の上面を基台10の前後方向に延びて設けられた複数の搬送路11と、搬送路11の後端側に位置する基台10の側面から上方に延びて設けられた供給部12と、供給部12に固定されて基台10の上方を基台10の左右方向に延びて設けられた第1テーブル機構13と、第1テーブル機構13から基台10の
上方を基台10の前後方向に延び、第1テーブル機構13に沿って基台10の左右方向に移動自在な第2テーブル機構14と、第2テーブル機構14に沿って基台10の前後方向に移動自在なヘッド支持部15と、ヘッド支持部15に内蔵された図示しない昇降機構によって、ヘッド支持部15に対して上下方向に昇降移動する分注ヘッド20とを備える。なお、第1テーブル機構13及び第2テーブル機構14ならびにヘッド支持部15に内蔵された昇降機構は、分注ヘッド20を基台10に対して(従って、後述するティップラック60及び仮載置部27に対して)相対的に移動させる機構であり、以下、相対移動機構と称する。
【0020】
また、搬送路11の上方には搬送路11を跨いで設けられた仮載置部27が位置しており、基台10における搬送路11の側方には、希釈液が貯留される希釈液リザーバ28、試薬が貯留される試薬リザーバ29及び使用済みの希釈液や試薬及び使用済みのティップ40が廃棄される廃棄口30が設けられている。
【0021】
分注ヘッド20には複数のノズル21が縦横の列状に配設されており、各々下方に突出して延びている。本実施の形態では、図3に示すように、ノズル21は基台10の左右方向に8個並び、これが基台10の前後方向に12列並んで設けられている。ここで、分注ヘッド20における基台10の前後方向を分注ヘッド20の縦方向、分注ヘッド20における基台10の左右方向を分注ヘッド20の横方向と称することにすると、分注ヘッド20は縦12×横8、計96個のノズル21を備えていることになる。
【0022】
図3において、番号1〜12はノズル21の列の番号であり、アルファベットA〜Hはノズル21の各列中における識別符号である。以下の説明では、番号1の列に位置するA〜Hの8個のノズル21から成るノズル列を「第1ノズル列」、番号2の列に位置するA〜Hの8個のノズル21から成るノズル列を「第2ノズル列」、・・・、番号12の列に位置するA〜Hの8個のノズル21から成るノズル列を「第12ノズル列」と称する。
【0023】
各ノズル21の下部にはティップ40が着脱自在に取り付けられる。ティップ40は図4に示すようにノズル21に圧入される中空円筒状の圧入部41と、この圧入部41から下方に狭まるように延びた中空円錐状の先端部42とから成る。ノズル21に装着される前の、すなわち未使用のティップ40はティップラック60に載置された状態で供給される。ティップラック60は図1及び図2に示すように箱状の部材であり、その上面には各ティップ40を起立状態に載置するティップ載置穴61が縦横の列状に設けられている(図15参照)。
【0024】
未使用のティップ40はその先端部42がティップ載置穴61に上方から挿入され、圧入部41が上方に向けて開口するように載置される。本実施の形態では、ティップラック60のティップ載置穴61は、分注ヘッド20のノズル21と同じレイアウトで(縦12×横8の縦横の列状に)設けられている。このため、以下の説明では、各ティップ載置穴61の位置は、図3において示したノズル21の場合と同様の呼び方をすることとする。そして、番号1の列に位置するA〜Hの8個のティップ載置穴61から成るティップ載置穴列を「第1ティップ載置穴列」、番号2の列に位置するA〜Hの8個のティップ載置穴61から成るティップ載置穴列を「第2ティップ載置穴列」、・・・、番号12の列に位置するA〜Hの8個のティップ載置穴61から成るティップ載置穴列を「第12ティップ載置穴列」と称する。
【0025】
基台10に設けられた各搬送路11には基台10の前後に位置する一対のプーリ22aが設けられており、これら一対のプーリ22aに2本のベルト22が複数のテンショナー22bを介して巻き掛けられている(図1及び図5参照)。2本のベルト22は基台10の左右方向に一定間隔をおいた状態で平行に設けられており、両ベルト22の間からは後
述のリフト24が昇降移動できるようになっている。プーリ22aは図5(a)に示す矢印Aの方向に回転することができ、これによりプーリ22aに巻き掛けられたベルト22の上側(上側ベルト221と称する)が基台10の後方から前方に向けて、またプーリ22aに巻き掛けられたベルト22の下側(下側ベルト222と称する)が基台10の前方から後方に向けて送られる。なお、図5には基台10の後方に設けられたプーリ22aのみが示されている。
【0026】
各搬送路11の中間部には、2本のベルト22の間から上下方向に延びて昇降自在なリフト24が設けられており(図5参照)、このリフト24の上端にはティップラック60を載置するラックステージ(ティップラック載置部)25或いはマイクロタイタープレート(プレート部材)70を載置するプレートステージ26が設けられている(図1及び図2参照)。
【0027】
プレートステージ26は、その基台10の左右方向寸法が2本のベルト22の間隔よりも小さくなっており、通常は上側ベルト221と下側ベルト222との間に位置しているが(図5(a)参照)、リフト24によって上昇移動したときには上側ベルト221よりも上方に位置することができ、供給部12から供給されて、ベルト22によって搬送されてきたマイクロタイタープレート70を上側ベルト221の上面から離間させるように持ち上げ支持することができる(図5(b)参照)。ラックステージ25もこのプレートステージ26と同様の構成をしており、供給部12から供給されて、ベルト22によって搬送されてきたティップラック60を上側ベルト221の上面から離間させるように持ち上げ支持することができる。
【0028】
分注ヘッド20の各ノズル21にティップ40を装着させるには、図4(a)に示すように、ティップ40が載置されたティップラック60若しくは仮載置部27の上方に分注ヘッド20を位置させ、ノズル21とそのノズル21に装着しようとするティップ40とを上下に対向させた状態で、ヘッド支持部15に対して分注ヘッド20を下降させる。これにより図4(b)に示すようにノズル21がティップ40の圧入部41に上方から圧入して、ティップ40がノズル21に装着される。
【0029】
分注ヘッド20には各ノズル21に装着されたティップ40をノズル21から取り外すティップ取り外し部材23が備えられる。このティップ取り外し部材23は、図6に示すように分注ヘッド20の下部に設けられており、図示しないティップ取り外し部材下動機構によって下動される。ティップ取り外し部材23は、ノズル21にティップ40が取り付けられた状態ではティップ40の圧入部41よりも上方に位置しているが(図6(a)参照)、ティップ取り外し部材下動機構によって下動されるとティップ40の圧入部41を下方に押し下げるので、各ティップ40はノズル21から下方に離脱する(図6(b)参照)。なお、上記ティップ取り外し部材23及びティップ取り外し部材下動機構は、各ノズル21に装着されたティップ40をノズルから取り外す機構であり、以下、ティップ取り外し機構と称する。
【0030】
仮載置部27は、図1に示すように、マイクロタイタープレート70を搬送する各搬送路11のうち、プレートステージ26よりも前方の位置に設けられている。この仮載置部27は、ノズル21に一旦装着されたティップ40を取り外して仮載置させる場所であり、ティップ40は仮載置部27の上面に形成された仮載置穴27a(図2参照)に上方から挿入されて仮載置される。本実施の形態では、仮載置部27の仮載置穴27aは、分注ヘッド20のノズル21と同じレイアウトで(縦12×横8の縦横の列状に)設けられている。このため以下の説明では、各仮載置穴27aの位置は、図3において示したノズル21の場合と同様の呼び方をすることとする。そして、番号1の列に位置するA〜Hの8個の仮載置穴27aから成る仮載置穴列を「第1仮載置穴列」、番号2の列に位置するA
〜Hの8個の仮載置穴27aから成る仮載置穴列を「第2仮載置穴列」、・・・、番号12の列に位置するA〜Hの8個の仮載置穴27aから成る仮載置穴列を「第12仮載置穴列」と称する。
【0031】
マイクロタイタープレート70は、試薬や希釈液、或いは希釈液によって希釈された試薬(以下、希釈試薬と称する)等の液体を貯留する複数のウェル71を有した板状の部材である。このマイクロタイタープレート70は分注装置1の搬送路11に供給されて搬送され、プレートステージ26の上方位置に到達してベルト22の搬送動作が停止されたところで、プレートステージ26によって上方に持ち上げ支持される。
【0032】
本実施の形態では、マイクロタイタープレート70のウェル71は、分注ヘッド20のノズル21と同じレイアウトで(縦12×横8の縦横の列状に)設けられている。このため、以下の説明では、各ウェル71の位置は、図3において示したノズル21の場合と同様の呼び方をすることとする。そして、番号1の列に位置するA〜Hの8個のウェル71から成るウェル列を「第1ウェル列」、番号2の列に位置するA〜Hの8個のウェル71から成るウェル列を「第2ウェル列」、・・・、番号12の列に位置するA〜Hの8個のウェル71から成るウェル列を「第12ウェル列」と称する。
【0033】
図1に示すように、基台10の内部には制御装置16が設けられている。この制御装置16は、図示しないアクチュエータを介して、分注ヘッド20の移動、ティップ取り外し機構の動作、各搬送路11におけるベルト22の駆動及び停止、リフト24の昇降作動及びノズル21による液体の吸入・吐出などの各動作を実行する。
【0034】
次に、図7〜図16を参照して、この分注装置1の動作を説明する。ここでは先ず、図7に示す希釈系列をマイクロタイタープレート70上に形成する例をもとに、分注動作を説明する。この例では、図8及び図9に示すフローチャートに従って制御装置16が相対移動機構やティップ取り外し機構等を制御することにより、マイクロタイタープレート70の第1及び第6ウェル列を構成する各ウェル71に50%濃度の希釈試薬を、第2及び第7ウェル列を構成する各ウェル71に25%濃度の希釈試薬を、第3及び第8ウェル列を構成する各ウェル71に12.5%濃度の希釈試薬を、第4及び第9ウェル列を構成する各ウェル71に6.25%濃度の希釈試薬を、第5及び第10ウェル列を構成する各ウェル71に3.125%濃度の希釈試薬を生成する。
【0035】
マイクロタイタープレート70に上記希釈系列を生成するため、制御装置16は図8に示すメインルーチンのフローチャートに従った制御を行う。この制御では先ず、分注ヘッド20に備えられた縦12×横8、計96個の全てのノズル21にティップ40を装着させる(ステップS1)。この工程は、搬送路11内に供給されてラックステージ25により持ち上げ支持された、未使用のティップ40が載置されたティップラック60の直上に分注ヘッド20を移動させ、分注ヘッド20の第1〜第12ノズル列を構成する各ノズル21と、ティップラック60の第1〜第12ティップ載置穴列を構成する各ティップ穴61とを同じ列番号及び同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20を下降させて、各ノズル21をその直下に位置するティップ40に圧入させることによって行う(図4参照)。
【0036】
ステップS1が終了したら、希釈液の吸入を行う(ステップS2)。この工程は、分注ヘッド20を希釈液リザーバ28の上方に移動させた後、分注ヘッド20を下降させて各ティップ40の下端部が希釈液に漬かるようにした上で、各ノズル21に希釈液を吸引させて行う。これにより、全てのティップ40に一定量(例えば5μLとする)の希釈液が貯留される。
【0037】
ステップS2が終了したら、ステップS2において各ノズル21により吸入した希釈液をウェル71に吐出させる(ステップS3)。この工程は、搬送路11内に供給されてプレートステージ26により持ち上げ支持された未使用のマイクロタイタープレート70の直上に分注ヘッド20を移動させ、分注ヘッド20の第1〜第12ノズル列を構成する各ノズル21と、マイクロタイタープレート70の第1〜第12ウェル列を構成する各ウェル71とを同じ列番号及び同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、各ティップ40内の希釈液をそのティップ40の直下に位置するウェル71内に吐出させることによって行う(図10(a)参照)。これによりマイクロタイタープレート70が備える全てのウェル71内に一定量(ここでは5μL)の希釈液が貯留される。
【0038】
ステップS3が終了したら、ティップ40を取り外して廃棄する(ステップS4)。この工程は、分注ヘッド20を廃棄口30の上方に移動させた上で、制御装置16からティップ取り外し機構を作動させ、全てのティップ40を一括して取り外すことによって行う。これによりノズル21に装着されていた96個全てのティップ40は、そのティップ40内に残存した希釈液とともに廃棄される。
【0039】
ステップS4が終了したら、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21にティップ40を装着させる(ステップS5)。この工程は、搬送路11上に新たに供給されてラックステージ25により持ち上げ支持されたティップラック60の上方に分注ヘッド20を移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21と、ティップラック60の第12ティップ載置穴列を構成するA〜Hのティップ載置穴61とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で(図11(a)参照)、分注ヘッド20を下降させて、各ノズル21をその直下にあるティップ載置穴61に載置されたティップ40に圧入させることによって行う(図11(b)参照)。ティップ40にノズル21を圧入させた後は、分注ヘッド40を上昇させる(図11(c)参照)。
【0040】
ステップS5が終了したら、試薬の吸入を行う(ステップS6)。この工程は、分注ヘッド20を試薬リザーバ29の上方に移動させた後、分注ヘッド20を下降させて各ティップ40の下端部が試薬に漬かるようにした上で、各ノズル21に試薬を吸引させて行う。これにより、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着された8個のティップ40に一定量(ここでは5μLとする)の試薬が貯留される。
【0041】
ステップS6が終了したら、試薬を所定のウェル71に吐出する(ステップS7)。「所定のウェル71」とは、ここでは、マイクロタイタープレート70の第1ウェル列を構成するA〜Hの8個のウェル71及びマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hの8個のウェル71のことであり、この1回目のステップS7ではマイクロタイタープレート70の第1ウェル列を構成するA〜Hのウェル71を意味する。この工程は、分注ヘッド20を先程のマイクロタイタープレート70の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21とマイクロタイタープレート70の第1ウェル列を構成するA〜Hのウェル71とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、各ノズル21に装着されたティップ40内の試薬をその直下に位置するウェル71内に吐出させることによって行う(図10(b)における実線のティップ40参照)。これによりマイクロタイタープレート70の第1ウェル列を構成するA〜Hのウェル71内に50%濃度の10μLの希釈試薬が生成される。
【0042】
ステップS7が終了したら、ティップ40を取り外して廃棄する(ステップS8)。この工程は、分注ヘッド20を廃棄口30の上方に移動させた上で、ノズル21に装着された全てのティップ40を一括して取り外すことによって行う。これにより、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着されていた8個のティップ40は、そのティップ40内に残存した試薬とともに廃棄される。
【0043】
ステップS8が終了したら、所定のウェル71全てへの試薬の吐出が終了したか否かの判断を行う(ステップS9)。ここで、所定のウェル71全てへの試薬の吐出が終了しているときにはステップS10に進み、所定のウェル71全てへの試薬の吐出が終了していないときにはステップS5に戻る。ここではまだマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hのウェル71への試薬の吐出が終了していないので、ステップS5に戻る。そして、前回のステップS5の場合と同じように、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21にティップ40を装着させる(2回目のステップS5)。
【0044】
2回目のステップS5が終了したら、試薬の吸入を行う(2回目のステップS6)。この工程は、1回目のステップS6の場合と同じ要領で行う。これにより、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着された8個のティップ40に一定量(ここでは5μLとする)の試薬が貯留される。
【0045】
2回目のステップS6が終了したら、試薬を所定のウェル71に吐出する(2回目のステップS7)。「所定のウェル71」は、この2回目のステップS7ではマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hの8個のウェル71を意味する。この工程は、分注ヘッド20をマイクロタイタープレート70の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21とマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hのウェル71とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、各ノズル21に装着されたティップ40内の試薬をその直下に位置するウェル71内に吐出させることによって行う(図10(b)における破線のティップ40参照)。これによりマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hのウェル71内にも50%濃度の10μLの希釈試薬が生成される。
【0046】
2回目のステップS7が終了したら、ティップ40を取り外して廃棄する(2回目のステップS8)。この工程は1回目のステップS8と同じ要領で行う。これにより、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着されていた8個のティップ40は、そのティップ40内に残存した試薬とともに廃棄される。
【0047】
2回目のステップS8が終了したら、所定のウェル71全てへの試薬の吐出が終了したか否かの判断を行う(2回目のステップS9)。ここでは既に、マイクロタイタープレート70の第1ウェル列を構成するA〜Hのウェル71及びマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hのウェル71への試薬の吐出が終了しているので、ステップS10に進む。
【0048】
ステップS10では、分注ヘッド20に「ティップ列4つ分離間した2つのティップ列からなるティップ配列」を形成する。具体的には、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21及び第6ノズル列を構成するA〜Hのノズル21にティップ40を装着させる。この工程は、分注ヘッド20に縦横の列状に配設された複数のノズル21に複数のティップ40を所望の配列で装着させる工程の一形態であり、ティップラック60に載置された一又は複数のティップ40を一又は複数のノズル21に装着させた後、そのティップ40を取り外して仮載置部27に仮載置する動作を繰り返し(後述のステップS101〜ステップS103に相当)、これにより仮載置部27に上記所望の配列に対応するティップ配列を形成させた後、そのティップ配列を構成する複数のティップ40を分注ヘッド20のノズル21に装着させる(後述のステップS104に相当)ようにしたものである。
【0049】
このステップS10は、図9に示すサブルーチンのフローチャートにおいて、先ず、テ
ィップラック60に載置されたティップ40を分注ヘッド20のノズル21に装着させる(ステップS101)。この工程は、搬送路11内に新たに供給されてラックステージ25により持ち上げ支持されたティップラック60の上方に分注ヘッド20移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21と、ティップラック60の第1ティップ載置穴列を構成するA〜Hのティップ載置穴61とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20を下降させて、各ノズル21をその直下に位置するティップ載置穴61に載置されたティップ40に圧入させることによって行う。
【0050】
ステップS101が終了したら、ティップ40を取り外して仮載置部27の所定位置に仮載置する(ステップS102)。「所定位置」とは、ここでは、仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27a及び仮載置部27の第6仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aのことであり、この1回目のステップS102では、仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aを意味する。この工程は、分注ヘッド20を仮載置部27の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21と仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aとを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着されたティップ40を一括して取り外すことによって行う。これにより、仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aに、分注ヘッド20から取り外された8個のティップ40が仮載置される。
【0051】
ステップS102が終了したら、仮載置部27の所定位置の全てへのティップ40の仮載置が終了したか否かの判断を行う(ステップS103)。ここで、仮載置部27の所定位置の全てへのティップ40の仮載置が終了しているときにはステップS104に進み、仮載置部27の所定位置の全てへのティップ40の仮載置が終了していないときにはステップS101に戻る。ここではまだ仮載置部27の第6仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aにティップ40を仮載置していないのでステップS101に戻る。そして、前回のステップS101の場合と同じように、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21にティップ40を装着させる(2回目のステップS101)。なお、この2回目のステップS101では、ティップラック60の第11ティップ載置穴を構成するA〜Hのティップ40が、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着されることになる。
【0052】
2回目のステップS101が終了したら、ティップ40を取り外して仮載置部27の所定位置に仮載置する(2回目のステップS102)。「所定位置」は、この2回目のステップS102では、仮載置部27の第6仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aを意味する。この工程は、分注ヘッド20を仮載置部27の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着された8個のティップ40と、仮載置部27の第6仮載置穴27aとを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21に装着された全てのティップ40を一括して取り外すことによって行う。これにより、仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aに加えて、仮載置部27の第6仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aにもティップ40が仮載置された状態となり、仮載置部27に上記所望の配列に対応するティップ配列、すなわち「ティップ列4つ分離間した2つのティップ列からなるティップ配列」が形成された状態となる。
【0053】
図12(a)は上記ステップS101〜ステップS103を繰り返すことによって仮載置部27に所望の配列に対応するティップ配列が形成された状態を示している。この図中に示す矢印に付された丸付き文字の数字1,2は、ステップS101〜ステップS103の繰り返し数を示す番号である。なお、この図12(a)と後述の図12(b)及び図12(c)において、分注ヘッド20から下方に延びたノズル21が形成するノズル列は、
紙面の左側から第1ノズル列、第2ノズル列、・・・、第12ノズル列となっており、また、仮載置部27に形成される仮載置穴列は、紙面の左側から第1仮載置列穴、第2仮載置列穴、・・・、第12仮載置穴列となっている。
【0054】
2回目のステップS102が終了したら、仮載置部27の所定位置の全てへのティップ40の仮載置が終了したか否かの判断を行う(ステップS103)。ここでは既に仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aと仮載置部27の第6仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aとにティップ40が仮載置されているので、次のステップS104に進む。
【0055】
ステップS104では、仮載置部27に載置された全てのティップ40を分注ヘッド20のノズル21に装着させる。この工程は、分注ヘッド20の第1〜第12ノズル列を構成する各ノズル21と、仮載置部27の第1〜第12仮載置穴列を構成する各仮載置穴27aとを同じ列番号及び同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20を下降させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21をその直下に位置する仮載置穴27aに仮載置されたティップ40に圧入させるとともに、分注ヘッド20の第6ノズル列を構成するA〜Hのノズル21をその直下に位置する仮載置穴27aに仮載置されたティップ40に圧入させることによって行う。これにより、仮載置部27に形成された上記所望の配列に対応するティップ配列を構成する各ティップ40が分注ヘッド20のノズル21に一括装着される(図12(b)参照)。
【0056】
ノズル21にティップ40を圧入させた後は、分注ヘッド40を上昇させる(図12(c)参照)。このステップS104により、分注ヘッド20に配設された複数のノズル21に複数のティップ40が所望の配列で装着された状態となる。ステップS105が終了したらサブルーチンを抜け、メインルーチンのステップS10が終了する。
【0057】
メインルーチンのステップS10が終了したら、ウェル71内の希釈試薬を攪拌した上、吸入する(ステップS11)。この工程は、分注ヘッド20をマイクロタイタープレート70の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21とマイクロタイタープレート70の第1ウェル列を構成するA〜Hのウェル71とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させるとともに、分注ヘッド20の第6ノズル列を構成するA〜Hのノズル21とマイクロタイタープレート70の第6ウェル列を構成するA〜Hのウェル71とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させる。そして、分注ヘッド20を下降させて各ノズル21に装着されたティップ40の下端部がその直下に位置するウェル71内の希釈試薬に漬かるようにした上で、その希釈試薬の攪拌を行う(図10(c)参照)。なお、希釈試薬の攪拌は、試薬と希釈液とが均一に混ぜ合わされるように、ティップ40内への液体の吸引と吐出とを繰り返して行う。
【0058】
次いで、分注ヘッド20の第1ノズル列を構成するA〜Hのノズル21によってその直下に位置するウェル71内の希釈試薬の吸入を行うとともに、分注ヘッド20の第6ノズル列を構成するA〜Hのノズル21によってその直下に位置するウェル71内の希釈試薬の吸入を行う。これにより、分注ヘッド20の第1及び第6ノズル列を構成する各ノズル21に装着されたティップ40それぞれに一定量(ここでは5μL)の希釈試薬が貯留される。
【0059】
ステップS11が終了したら、未処理のウェル列の有無の判断を行う(ステップS12)。ここで、未処理のウェル列があるときにはステップS13に進み、未処理のウェル列がないときにはステップS14に進む。第2ウェル列から第5ウェル列及び第7ウェル列から第10ウェル列に対する処理が未完了の間はステップS12の判断の後、ステップS13に進む。
【0060】
ステップS13では、希釈試薬を隣のウェル71に吐出する(図10(d)、図10(e)参照)。これらの工程により、順次隣のウェル21に元のウェル21の半分の濃度の希釈試薬が生成されていく。一方、ステップS14では、最後に吸入した第5及び第10ウェル列を構成する各ウェル71内の希釈試薬(液量は5μL)を(図10(f)参照)、ティップ40とともに廃棄口30から廃棄する。ステップS14が終了するとメインルーチンを抜け、一連の分注動作の終了となる。
【0061】
本分注装置1によって上記工程の分注動作を行うことにより、マイクロタイタープレート70上に目的とする希釈系列を形成することができるが、本分注装置1では、上述のステップS10において、分注ヘッド20に縦横の列状に配設された複数のノズル21に複数のティップ40を所望の配列で装着させるにあたり、ティップラック60に載置された複数の(上記例では1列分の)ティップ40を分注ヘッド20の複数の(上記例では1列分の)ノズル21に装着させた後、そのティップ40をノズル21から取り外して仮載置部27に仮載置する動作を繰り返し、これにより仮載置部27に上記所望の配列に対応するティップ配列を形成させた後、仮載置部27に形成されたそのティップ配列を構成する複数の(上記例では2列分の)ティップ40を分注ヘッド20の複数の(上記例では2列分の)ノズル21に装着させるようになっている。このため本発明に係る分注装置1によれば、従来のように手作業でティップラックからティップを選択的に抜去するような工程を経ることなく、分注ヘッド20に縦横の列状に配設された複数のノズル21に複数のティップ40を所望の配列で装着させることができる。
【0062】
また、本分注装置1、更には本分注装置1のティップ装着方法によって分注ヘッド20のノズル21に装着したティップ40介して液体の吸入及び吐出を行うこの分注方法によれば、液体の分注に要する時間を大きく短縮することができる。上述の希釈系列を作成する工程は、迅速に行わなければ試薬が蒸発して濃度が変化するなどの問題が生じるおそれがあるので、この分注方法による時間の短縮効果は非常に大きな価値を有するものといえる。
【0063】
また、本分注装置1では、仮載置部27が搬送路11の上方に配置されているので、ティップ40を仮載置部27に仮載置するときの分注ヘッド20の移動経路は小さく、分注ヘッド20へのティップ40の装着工程に要する時間を極めて短くすることができるようになっている。
【0064】
ここで、上述の例では、図9に示すサブルーチンのフローチャートのステップS104において、その直前のステップS103において仮載置部27の第1及び第6仮載置穴列を構成する各仮載置穴27aに載置されたティップ40を、分注ヘッド20の第1及び第6ノズル列を構成する各ノズル21に装着させるようにしていたが、図13に示すように、分注ヘッド20の第4ノズル列を構成するA〜Hのノズル21と仮載置部27の第1仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aとが同じ識別符号を有するもの同士上下に対向し、分注ヘッド20の第9ノズル列を構成するA〜Hのノズル21と仮載置部27の第6仮載置穴列を構成するA〜Hの仮載置穴27aとが同じ識別符号を有するもの同士上下に対向するようにした上で分注ヘッド20を仮載置部27に対して下降させるようにすれば、分注ヘッド20の第4及び第9ノズル列を構成する各ノズル21にティップ40を装着させることもできる。この場合においても、分注ヘッド20に「ティップ列4つ分離間した2つのティップ列からなるティップ配列」を形成できている。すなわち、仮載置部27に形成させておくティップ配列の仮載置部27上での位置は任意である。
【0065】
なお、上述の実施の形態では、図9に示すサブルーチンの工程において、ティップラック60に載置された1列分のティップ40を分注ヘッド20の1列分のノズル21に装着
させて仮載置部27に移載するようになっていたが、ティップ40はこのような複数個ずつでなく、1個ずつ仮載置部27に移載することもできる。すなわち、図9に示すサブルーチンのフローチャートの1回目のステップS101〜ステップS103の工程では、ティップラック60に載置された一又は複数のティップ40を一又は複数のノズル21に装着させた後、そのティップ40をノズル21から取り外して仮載置部60に仮載置する動作を繰り返すようにすればよい。具体的には、例えば、1回目のステップS101において、分注ヘッド10の第1ノズル列の符号A又はHのノズル21に、ティップラック60の第12ティップ載置穴列の符号H又はAのティップ載置穴27aに載置されたティップ40を装着させるようにすればよい。分注ヘッド10の第12ノズル列の符号A又はHのノズル21に、ティップラック60の第1ティップ載置穴列の符号H又はAのティップ載置穴27aに載置されたティップ40を装着させるようにしてもよい。また、このようにティップ40を1個ずつ仮載置部27に移載することにより、分注ヘッド20には上述の実施の形態のような列単位ではなく、全くランダムなティップ配列を形成することもできる。
【0066】
また、上述の実施の形態では、ティップラック60に載置されたティップ40をノズル21に装着させる際、ティップラック60に載置されたティップ40の列の端部に位置するティップ40(例えば第12ティップ載置穴列に載置されたティップ40)をノズル21の列の端部に位置するノズル21(例えば第1ノズル列のA〜Hのノズル21)に装着させるようになっていたが、ティップラック60が備えるティップ載置穴列の列数が分注ヘッド20のノズル列の列数よりも小さい場合にはノズル21の列の中間部にティップ40を装着することができ、ティップラック60が備えるティップ載置穴列の列数が分注ヘッド20のノズル列の列数よりも大きい場合にはティップラック60に載置されたティップ40の列の中間部に位置するティップ40をノズル21に装着することができる。
【0067】
また、上述の例では、分注ヘッド20に形成しようとするティップ配列が、離間した2つのティップ列から成るものであったが、分注ヘッド20に形成しようとするティップ配列が互いに隣接する複数のティップ列から成るものである場合には、図14及び図15、或いは図14及び図16に示す工程を採用することができる。
【0068】
図14は冒頭に述べたように、分注ヘッド20に、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャートであり、図15は図14のフローチャートに対応する分注ヘッドの動作の第1の例を示す図、図16は図14のフローチャートに対応する分注ヘッドの動作の第2の例を示す図である。ここでは、「分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列を構成するノズル21にティップ40を装着して成るティップ配列」を形成するものとする。第1の例では、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列を構成する全ての(A〜Hの)ノズル21にティップ40を装着させる場合を示し、第2の例では、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列を構成する一部の(C〜Gの)ノズル21にティップ40を装着させる場合を示す。図15及び図16では、分注ヘッド20、ティップラック60及び仮載置部27の平面図を模式的に示しており、各図中の黒丸はティップ40を示している。
【0069】
第1の例では先ず、分注ヘッド20に配設されたノズル21の列の端部に位置するノズル21を含む特定の複数のノズル21にティップ40を装着させる(ステップS201)。この工程は、ティップ40が載置されたティップラック60の上方に分注ヘッド20を移動させ、分注ヘッド20の第1〜第5ノズル列におけるA〜Hのノズル21(特定の複数のノズル21)とティップラック60の第8〜第12ティップ載置穴列におけるA〜Hのティップ載置穴61とを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20を下降させ、各ノズル21をその直下に位置するティップ載置穴61に載置されたティップ40に圧入させて行う。これにより分注ヘッド20の第1〜第5ノズル列を構成する全てのノズル21(特定の複数のノズル21)にティップ40が装着される(図
15(a)参照)。
【0070】
ステップS201が終了したら、ティップ40を取り外して仮載置部27に載置する(ステップS202)。この工程は、分注ヘッド20を仮載置部27の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1〜第5ノズル列におけるA〜Hのノズル21と仮載置部27の第1〜第5仮載置穴列におけるA〜Hの仮載置穴27aとを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた上で、全てのティップ40を一括して取り外すことによって行う。これにより仮載置部27の第1〜第5仮載置穴列におけるA〜Hの仮載置穴27aにティップ40が仮載置される(図15(b)参照)。
【0071】
ステップS202が終了したら、仮載置部27に載置された全てのティップ40を、上記特定の複数のノズル(第1〜第5ノズル列におけるA〜Hのノズル21)以外のノズル21を含む他の特定の複数のノズル(第5〜第9ノズル列におけるA〜Hのノズル21)に装着させる(ステップS203)。この工程は、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列におけるA〜Hのノズル21と、仮載置部27の第1〜第5仮載置穴列におけるA〜Hの仮載置穴27aとを同じ識別符号を有するもの同士上下に対向させた状態で、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列におけるA〜Hのノズル21に、仮載置部27の第1〜第5仮載置列におけるA〜Hの仮載置穴27aに仮載置されたティップ40を一括装着させて行う(図15(c)参照)。このステップS203により、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列を構成する全てのノズル21にティップ40が装着される(図15(d)参照)。
【0072】
次に、第2の例について説明する。第2の例においても、先ず、分注ヘッド20に配設されたノズル21の列の端部に位置するノズル21を含む特定の複数のノズル21にティップ40を装着させるが(ステップS201)、この工程では、ティップ40が載置されたティップラック60の上方に分注ヘッド20を移動させ、分注ヘッド20の第1〜第5ノズル列におけるA〜Eのノズル21(特定の複数のノズル21)とティップラック60の第8〜第12ティップ載置穴列におけるD〜Hのティップ40とを上下に対向させた後、分注ヘッド20を下降させ、各ノズル21をその直下に位置するティップ載置穴61に載置されたティップ40に圧入させて行う。これにより、分注ヘッド20の第1〜第5ノズル列におけるA〜Eのノズル(特定の複数のノズル21)にティップ40が装着される(図16(a)参照)。
【0073】
ステップS201が終了したら、ティップ40を取り外して仮載置部27に載置する(ステップS202)。この工程は、分注ヘッド20を仮載置部27の上方に移動させ、分注ヘッド20の第1〜第5ノズル列を構成するA〜Eのノズル21と仮載置部27の第1〜第5仮載置穴列を構成するA〜Eの仮載置穴27aとを上下に対向させた上で、全てのティップ40を一括して取り外すことによって行う。これにより仮載置部27の第1〜第5仮載置穴列におけるA〜Eの仮載置穴27aにティップ40が仮載置される(図16(b)参照)。
【0074】
ステップS202が終了したら、仮載置部27に載置された全てのティップ40を、上記特定の複数のノズル(第1〜第5ノズル列におけるA〜Eのノズル21)以外のノズル21を含む他の特定の複数のノズル(第5〜第9ノズル列におけるC〜Gのノズル21)に装着させる(ステップS203)。この工程は、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列におけるC〜Gのノズル21と仮載置部27の第1〜第5仮載置穴列におけるA〜Eの仮載置穴27aとを上下に対向させた後、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列におけるC〜Gのノズル21に、仮載置部27の第1〜第5仮載置列におけるA〜Eの仮載置穴27aに仮載置されたティップ40を一括装着させて行う(図16(c)参照)。このステップS203により、分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列を構成する一部の(C〜Gの)ノズル21にティップ40が装着された状態となる(図16(d)参照)。
【0075】
上記第1及び第2の例に示すように、分注ヘッド20に形成しようとするティップ配列が互いに隣接する複数のティップ列から成るものである場合には、ティップラック60に載置された複数のティップ40をノズル21の列の端部に位置する一又は複数のノズルを含む特定の複数のノズル21に装着させた後、その複数のティップ40を上記特定の複数のノズルから取り外して仮載置部27に仮載置した後、その複数のティップ40を上記特定の複数のノズル21以外のノズル21を含む他の特定の複数のノズル21に装着させるようにすることにより、ティップの装着工程を簡略化することができる。
【0076】
これまで本発明の好ましい実施の形態について説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態に示した「ティップ列4つ分離間した2つのティップ列からなるティップ配列」や、「分注ヘッド20の第5〜第9ノズル列を構成するノズル21にティップ40を装着して成るティップ配列」というティップ配列は一例に過ぎず、他のティップ配列を分注ヘッド20に形成することもできる。また、分注ヘッド20に配設されたノズル21の配列形態のほか、仮載置部27における仮載置穴27aの配列形態、ティップラック60におけるティップ載置穴61の配列形態及びマイクロタイタープレート70におけるウェル71の配列形態は一例に過ぎず、それぞれ他の配列形態を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、手作業を経ることなく、ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施の形態に係る分注装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態に係る分注装置のヘッド部及び仮載置部をティップラック及びマイクロタイタープレートとともに示す部分拡大斜視図
【図3】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドのノズルの配置を示す分注ヘッドの平面図
【図4】本発明の一実施の形態に係るティップラックに載置されたティップを分注ヘッドのノズルに取り付ける様子を示す分注装置の部分側面図
【図5】本発明の一実施の形態に係る分注装置に備えられたプレートステージが昇降する様子を示す分注装置の部分側面図
【図6】本発明の一実施の形態に係るノズルに取り付けられたティップをティップ取り外し機構により仮載置部に取り外している様子を示す分注装置の部分側面図
【図7】本発明の一実施の形態に係る希釈系列が生成された状態を示すマイクロタイタープレートの平面図
【図8】本発明の一実施の形態に係る希釈系列を生成するときの分注ヘッドの動作の一例を説明するメインルーチンのフローチャート
【図9】本発明の一実施の形態に係る希釈系列を生成するときの分注ヘッドの動作の一例を説明するメインルーチンのフローチャートにおけるステップS10のサブルーチンのフローチャート
【図10】本発明の一実施の形態に係る希釈系列を生成するときの分注ヘッドの動作の一例を説明するメインルーチンのフローチャートに対応する分注ヘッドの動作を説明する分注装置の部分側面図
【図11】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドの第1ノズル列を構成する各ノズルにティップを装着させる様子を示す分注装置の部分側面図
【図12】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドの複数列のノズルにティップを取り付ける様子を示す分注装置の部分側面図
【図13】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドの複数列のノズルにティップを取り付ける様子を示す分注装置の部分側面図
【図14】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドに、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャート
【図15】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドに、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャートに対応する分注ヘッドの動作の第1の例を示す分注装置の部分平面図
【図16】本発明の一実施の形態に係る分注ヘッドに、互いに隣接する複数のティップ列を形成する手順を示すフローチャートに対応する分注ヘッドの動作の第2の例を示す分注装置の部分平面図
【符号の説明】
【0079】
1 分注装置
10 基台
11 搬送路
16 制御装置(制御部)
20 分注ヘッド(ヘッド部)
21 ノズル
23 ティップ取り外し部材
25 ラックステージ(ティップラック載置部)
27 仮載置部
27a ティップ載置穴(穴)
40 ティップ
60 ティップラック
70 マイクロタイタープレート(プレート部材)
71 ウェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルが縦横の列状に配設されたヘッド部と、各ノズルに装着されたティップをノズルから取り外すティップ取り外し機構と、ノズルに装着される前のティップが列状に載置されたティップラックを載置するティップラック載置部と、ノズルから取り外されたティップが仮載置される仮載置部と、前記ヘッド部を前記ティップラック及び前記仮載置部に対して相対的に移動させる相対移動機構と、前記相対移動機構及び前記ティップ取り外し機構を制御することによりノズルへのティップの装着及び取り外しを行わせる制御部とを備え、
前記制御部は、前記ヘッド部に配設された前記複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させるにあたり、前記ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させた後、そのティップを前記ノズルから取り外して前記仮載置部に仮載置する動作を繰り返し、これにより前記仮載置部に前記所望の配列に対応するティップ配列を形成させた後、前記仮載置部に形成された前記ティップ配列を構成する複数のティップを前記複数のノズルに装着させるように前記ヘッド部を移動させることを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させる際、前記ティップラックに載置されたティップの列の端部に位置する一又は複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルに装着させることを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
複数のノズルが縦横の列状に配設されたヘッド部と、各ノズルに装着されたティップをノズルから取り外すティップ取り外し機構と、ノズルに装着される前のティップが列状に載置されたティップラックを載置するティップラック載置部と、ノズルから取り外されたティップが仮載置される仮載置部と、前記ヘッド部を前記ティップラック及び前記仮載置部に対して相対的に移動させる相対移動機構と、前記相対移動機構及び前記ティップ取り外し機構を制御することによりノズルへのティップの装着及び取り外しを行わせる制御部とを備え、
前記制御部は、前記ヘッド部に配設された前記複数のノズルに複数のティップを装着させるにあたり、前記ティップラックに載置された複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルを含む特定の複数のノズルに装着させた後、その複数のティップを前記特定の複数のノズルから取り外して前記仮載置部に仮載置した後、その複数のティップを前記特定の複数のノズル以外のノズルを含む他の特定の複数のノズルに装着させるように前記ヘッド部を移動させることを特徴とする分注装置。
【請求項4】
前記仮載置部に設けられたティップを載置する穴が、前記ヘッド部に配設された前記ノズルと同じレイアウトで形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の分注装置。
【請求項5】
ティップを装着した前記ノズルを介して分注された液体を貯留するプレート部材を搬送する搬送路を備え、前記仮載置部が前記搬送路の上方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の分注装置。
【請求項6】
ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを所望の配列で装着させる分注装置のティップ装着方法において、
ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させた後、そのティップを前記ノズルから取り外して仮載置部に仮載置する工程を繰り返すことにより、前記仮載置部に前記所望の配列に対応するティップ配列を形成させる第1の工程と、前記第1の工程において前記仮載置部に形成された前記ティップ配列を構成する
複数のティップを前記複数のノズルに装着させる第2の工程とを含むことを特徴とする分注装置のティップ装着方法。
【請求項7】
前記ティップラックに載置された一又は複数のティップを前記一又は複数のノズルに装着させる際、前記ティップラックに載置されたティップの列の端部に位置する一又は複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルに装着させることを特徴とする請求項6に記載の分注装置のティップ装着方法。
【請求項8】
ヘッド部に縦横の列状に配設された複数のノズルに複数のティップを装着させる分注装置のティップ装着方法において、
ティップラックに載置された複数のティップを前記ノズルの列の端部に位置する一又は複数のノズルを含む特定の複数のノズルに装着させた後、そのティップを前記特定の複数のノズルから取り外して仮載置部に仮載置し、前記仮載置部に仮載置された前記複数のティップを前記特定の複数のノズル以外のノズルを含む他の特定の複数のノズルに装着させることを特徴とする分注装置のティップ装着方法。
【請求項9】
前記仮載置部に設けられたティップを載置する穴が、前記ヘッド部に配設された前記ノズルと同じレイアウトで形成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の分注装置のティップ装着方法。
【請求項10】
ティップを装着した前記ノズルを介して分注された液体を貯留するプレート部材を搬送する搬送路を備え、前記仮載置部が前記搬送路の上方に配置されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の分注装置のティップ装着方法。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれかに記載の分注装置若しくは請求項6乃至10のいずれかに記載の分注装置のティップ装着方法により前記ヘッド部の前記ノズルに装着したティップを介して液体の吸入及び吐出を行うことを特徴とする分注方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−309865(P2007−309865A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141188(P2006−141188)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】