説明

分級処理システム

【課題】石炭を用いた火力発電システムにおいて、フライアッシュの分級処理の効率をより向上させることが可能な分級処理システムを提供すること。
【解決手段】制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満であるか否かを判定すると共に、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるか否かを判定する。制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満である場合には、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を開くように制御する。また、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第2閾値を超える場合には、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を閉じるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭を用いた火力発電システムにおいて石炭灰の分級処理を行う分級処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石炭を用いた火力発電システムにおいて、石炭の燃焼によって生成されたフライアッシュ等の石炭灰は、分級処理システムにより分級処理が行われ、粒子の粗い粗粉と、粒子の細かい細粉とに分離される。
【0003】
一般的に、分級処理システムは、サイロと、排出装置と、第1ラインと、分級装置と、第2ラインと、を有している。
排出装置は、サイロに貯留されたフライアッシュを、第1ラインを介して分級装置へ排出する。分級装置は、フライアッシュを遠心力及び空気流により粗粉と細粉とに分離する。そして、石炭灰を分離した後の空気流は、第2ラインによって第1ラインへ流通され、再びサイロから排出されたフライアッシュを分級装置へ流通させる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された分級処理システムは、外部からの渦流速度を調整して分級箇所の可動を増補するためのブローアップ機構及びブローダウン機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−266938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、排出装置から過剰にフライアッシュが排出されると、第2ライン内において石炭灰の灰詰まりが発生する。灰詰まりが発生すると、第1ラインと第2ラインとの差圧が低下又は上昇する。そして、第1ラインと第2ラインとの差圧が低下又は上昇した場合には、灰詰まりを解消するために排出装置の運転を停止するため、分級処理の効率が低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、石炭を用いた火力発電システムにおいて、フライアッシュの分級処理の効率をより向上させることが可能な分級処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フライアッシュを貯留するサイロと、前記サイロに貯留された前記フライアッシュを排出する排出装置と、前記サイロと前記排出装置との間に開閉可能に設けられ、開状態において前記サイロに貯留された前記フライアッシュを前記排出装置へ供給可能なゲートと、前記フライアッシュを粒子の大きさに応じて分級処理する分級装置と、前記排出装置と前記分級装置とを接続し、前記排出装置により排出された前記フライアッシュを空気流と共に前記分級装置へ流通させる第1ラインと、前記分級装置と前記第1ラインとを接続し、前記分級装置から空気流を前記第1ラインへ流通させる第2ラインと、前記第1ラインを流通する前記空気流の圧力と前記第2ラインを流通する前記空気流の圧力との差圧を測定する差圧測定装置と、前記差圧測定装置により測定される前記差圧に基づいて前記ゲートの開閉を制御する制御装置と、前記差圧測定装置により測定される前記差圧の低下又は上昇を示す警報を発する警報装置と、を備え、前記制御装置は、前記差圧測定装置により測定された前記差圧が第1閾値未満であるか否かを判定すると共に、前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるか否かを判定し、前記差圧が第1閾値未満である場合には、前記警報装置により警報を発せずに前記ゲートを開くように制御し、前記差圧が第2閾値を超える場合には、前記警報装置により警報を発せずに前記ゲートを閉じるように制御する分級処理システムに関する。
【0009】
この発明によれば、分級処理システムは、差圧が第1閾値未満である場合には、警報を発せずにゲートを自動的に開くことができる。そのため、分級処理システムは、警報が発せされることにより作業者が排出装置の運転を停止させることにより、分級処理システムにおける分級処理が停止することを回避することができる。また、この発明によれば、分級処理システムは、差圧が第2閾値を超える場合には、警報を発せずにゲートを自動的に閉じることができる。そのため、分級処理システムは、警報が発せされることにより作業者が排出装置の運転を停止させることにより、分級処理システムにおける分級処理が停止することを回避することができる。したがって、この発明によれば、分級処理システムは、分級処理の効率をより向上させることができる。
【0010】
また、前記制御装置は、前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第1閾値よりも小さい第3閾値未満であるか否かを判定し、前記差圧が第3閾値未満である場合には、前記差圧の低下を示す差圧低下警報を前記警報装置により発するように制御することが好ましい。
【0011】
また、前記制御装置は、前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第2閾値よりも大きい第4閾値を超えるか否かを判定し、前記差圧が第4閾値を超える場合には、前記差圧の上昇を示す差圧上昇警報を前記警報装置により発するように制御することが好ましい。
【0012】
また、前記制御装置は、前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第4閾値よりも大きい第5閾値を超えるか否かを判定し、前記差圧が第5閾値を超える場合には、前記第1ラインに前記フライアッシュが過剰に流通していることを示す灰詰まり警報を前記警報装置により発するように制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、石炭を用いた火力発電システムにおいて、フライアッシュの分級処理の効率をより向上させることが可能な分級処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態である火力発電システム1の概略を示す構成図である。
【図2】火力発電システム1の原粉サイロ260以降における構成の概略を示す構成図である。
【図3】本実施形態の火力発電システム1の機能を説明するためのブロック図である。
【図4】警報装置450による警報及びセグメントゲート270の開閉が行われる差圧の値を示す模式図である。
【図5】分級処理システム10の動作について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施形態である火力発電システムについて図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態である火力発電システム1の概略を示す構成図である。
【0016】
図1に示す火力発電システム1は、主に火力発電所において用いられ、石炭を燃焼させることによって生じた蒸気でタービンを回転させ、電力を発生させるものである。
また、火力発電システム1では、石炭を燃焼させることによってクリンカアッシュ、フライアッシュ等の石炭灰が副生成物として生成される。
火力発電システム1によれば、石炭を燃焼させることによって生成された排ガスから石炭灰を回収することができる。
【0017】
図1に示すように、火力発電システム1は、石炭バンカ20と、微粉炭機30と、燃焼ボイラ40と、排気通路(煙道)50と、脱硝装置60と、空気予熱器70と、通風機77と、熱回収用ガスヒータ80と、電気集塵装置90と、誘引通風機210と、脱硫装置220と、再加熱用ガスヒータ230と、脱硫通風機240と、煙突250と、を備える。
【0018】
以下、火力発電システム1の各部について説明する。
石炭バンカ20は、石炭サイロ(図示せず)から運炭設備によって供給された石炭を貯蔵する。
微粉炭機30は、石炭バンカ20から給炭機25を介して供給された石炭を、微細な粒度に粉砕して微粉炭を形成する。そして、微粉炭機30は、形成した微粉炭を燃焼ボイラ40に供給する。
【0019】
燃焼ボイラ40は、微粉炭機30から供給された微粉炭を、強制的に供給された空気と共に燃焼する。微粉炭を燃焼することによりクリンカアッシュ、フライアッシュ等の石炭灰が生成されると共に、排ガスが発生する。後述するように、フライアッシュは、電気集塵装置90によって収集される。
【0020】
排気通路50は、燃焼ボイラ40の下流側に設けられ、燃焼ボイラ40において発生した排ガスを脱硝装置60へ導入する。
脱硝装置60は、排ガス中の窒素酸化物を除去する。具体的には、脱硝装置60は、比較的高温(300℃〜400℃)の排ガス中に還元剤としてアンモニアガスを注入し、脱硝触媒との作用により排ガス中の窒素酸化物を無害な窒素と水蒸気に分解する、いわゆる乾式アンモニア接触還元法により排ガス中の窒素酸化物を除去する。
【0021】
空気予熱器70は、内部に熱交換エレメント75を備えている。熱交換エレメント75は、脱硝装置60により窒素酸化物が除去された排ガスの熱エネルギーを燃焼用の空気と熱交換する。
【0022】
通風機77は、空気予熱器70により熱交換された燃焼用の空気を燃焼ボイラ40へ導入する。
熱回収用ガスヒータ80は、空気予熱器70により熱交換された排ガスを熱回収し、熱回収後の排ガスを電気集塵装置90へ送り出す。
【0023】
電気集塵装置90は、排ガス中のクリンカアッシュ、フライアッシュ等の石炭灰を電極により収集する。電気集塵装置90により収集されたフライアッシュは、ホッパ、圧力輸送機等(いずれも図示せず)を介して原粉サイロ260へ排出される。
【0024】
誘引通風機210は、電気集塵装置90を通過した排ガスを脱硫装置220へ導入する。
脱硫装置220は、排ガスに石灰石と水との混合液を吹き付けることにより、排ガスに含有されている硫黄酸化物を混合液に吸収させて、脱硫石膏スラリーを生成する。脱硫装置220は、この脱硫石膏スラリーを脱水処理することにより脱硫石膏を生成する。
脱硫石膏回収装置222は、脱硫装置220により生成された脱硫石膏を回収する。
【0025】
再加熱用ガスヒータ230は、脱硫装置220で硫黄酸化物が除去された排ガスを加熱する。
脱硫通風機240は、再加熱用ガスヒータ230によって加熱された排ガスを煙突250へ導入する。再加熱用ガスヒータ230は、排ガスを加熱することにより、煙突効果を利用して加熱された排ガスを煙突250から効率良く排出することができる。
【0026】
図2は、分級処理システム10の構成の概略を示す構成図である。
図2に示すように、分級処理システム10は、サイロとしての原粉サイロ260と、ゲートとしてのセグメントゲート270と、排出装置としてのロータリーフィーダ280と、ダストレスアンローダ290と、積み込み用ファン300と、第1ライン310と、分級装置としての分級器320と、輸送ライン330と、分級装置としての細粉サイクロン340と、エアスライダー350と、粗粉サイロ360と、細粉サイロ370と、第2ライン380と、ダンパ390と、分級ファン400と、差圧測定装置としての圧力計410と、差圧測定装置としての圧力計420と、差圧測定装置430と、を備える。
【0027】
原粉サイロ260は、ホッパ、圧力輸送機等(いずれも図示せず)を介して輸送されたフライアッシュを貯留する。
セグメントゲート270は、原粉サイロ260とロータリーフィーダ280との間に開閉可能に設けられる。セグメントゲート270は、開状態において原粉サイロ260に貯留されたフライアッシュをロータリーフィーダ280へ供給可能である。
【0028】
ロータリーフィーダ280は、回転機構を有し、この回転機構の回転運動により発生する空気流及び分級ファン400により供給される空気流を用いて、原粉サイロ260に貯留されたフライアッシュを分級器320へ向かって排出する。
ダストレスアンローダ290は、原粉サイロ260の下流側に設けられ、原粉サイロ260に貯留されているフライアッシュを加湿して、外部(例えば、ジェットパック車305)へ排出する。
【0029】
積み込み用ファン300は、原粉サイロ260に貯留されているフライアッシュを外部(例えば、ジェットパック車305)に排出する。積み込み用ファン300は、原粉サイロ260に貯留されているフライアッシュを少量ずつジェットパック車305に積み込む際に用いられる。
【0030】
第1ライン310は、ロータリーフィーダ280と分級器320とを接続し、ロータリーフィーダ280により排出されたフライアッシュを分級ファン400により供給される空気流と共に、分級器320へ流通させる。
ここで、「ライン」とは、流路、経路、管路等の物体の流通が可能なラインの総称をいう。
また、第1ライン310は、ロータリーフィーダ280と分級器320との間に接続部Jを有する。第1ライン310と第2ライン380とは、接続部Jを介して接続されている。
【0031】
分級器320及び細粉サイクロン340は、第1ライン310により流通されたフライアッシュを、粒子の大きさに応じて分級処理する。
具体的には、分級器320は、ブロア(図示せず)と、分級ローター(図示せず)とを備えている。分級器320は、ブロアにより吸引された空気流及びフライアッシュから、分級ローターにより発生させた遠心力によって粒子の粗いフライアッシュ(粗粉)を分離する。
また、分級器320は、分離された粒子の粗いフライアッシュ以外のフライアッシュを、輸送ライン330を介して細粉サイクロン340へ排出する。
【0032】
輸送ライン330は、分級器320と細粉サイクロン340とを接続し、分級器320により分離された粒子の粗いフライアッシュ以外のフライアッシュを細粉サイクロン340へ流通させる。
【0033】
細粉サイクロン340は、円筒状のサイクロン部(図示せず)を備えている。細粉サイクロン340は、分級器320から輸送ライン330を介して流通されたフライアッシュを、サイクロン部において発生する空気流の遠心力によって、粒子の粗いフライアッシュと粒子の細かいフライアッシュ(細粉)とに分離する。
また、細粉サイクロン340は、サイクロン部において発生され、かつフライアッシュの分離に用いられた空気流を、第2ライン380へ排出する。
エアスライダー350は、細粉サイクロン340により分級処理された粒子の粗いフライアッシュを粗粉サイロ360へ流通させる。
【0034】
粗粉サイロ360は、分級器320又は細粉サイクロン340により分級処理された粒子の粗いフライアッシュを貯留する。
細粉サイロ370は、細粉サイクロン340により分級処理された粒子の細かいフライアッシュを貯留する。
第2ライン380は、細粉サイクロン340と第1ライン310とを接続し、細粉サイクロン340から排出された空気流を細粉サイクロン340から第1ライン310へ流通させる。
【0035】
ダンパ390は、第2ライン380の分級ファン400よりも上流側に設けられ、細粉サイクロン340から流通する空気流の流量を調節する。
分級ファン400は、空気流を発生させて、発生させた空気流及びダンパ390により流量が調節された空気流を第1ライン310へ供給する。
つまり、ロータリーフィーダ280から排出されたフライアッシュは、接続部Jにおいて分級ファン400から供給された空気流と合流し、空気流と共に第1ライン310を流通する。
【0036】
圧力計410は、第1ライン310の途中(接続部Jと分級器320との間)に設けられ、第1ライン310を流通する空気流の圧力を測定する。圧力計410は、測定した空気流の圧力の値を差圧測定装置430へ送信する。
圧力計420は、第2ライン380の分級ファン400よりも下流側に設けられ、第2ライン380において輸送される輸送用の空気の圧力を測定する。圧力計420は、測定した空気流の圧力の値を差圧測定装置430へ送信する。
【0037】
差圧測定装置430は、圧力計410及び圧力計420により測定された空気流の圧力の差圧を測定する。つまり、差圧測定装置430は、第1ライン310を流通する空気流の圧力と第2ライン380を流通する空気流の圧力との差圧を測定する。差圧測定装置430は、測定された差圧を制御装置440(図3参照)へ送信する。
【0038】
図3は、分級処理システム10の機能を説明するためのブロック図である。図3に示すように、分級処理システム10は、図2において説明した構成に加え、制御装置440と、警報装置450と、を備えている。
【0039】
制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧に基づいてセグメントゲート270の開閉を制御する。
警報装置450は、差圧測定装置430により測定される差圧の低下又は上昇を示す警報を発する。
【0040】
次に、図3及び図4を参照しながら制御装置440及び警報装置450の具体的な動作について説明する。図4は、警報装置450による警報及びセグメントゲート270の開閉が行われる差圧の値を示す模式図である。
【0041】
制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満であるか否かを判定すると共に、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるか否かを判定する。
ここで、第1閾値は、差圧測定装置430により測定された差圧が警報装置450により差圧低警報が発せされる2.7KPaよりも大きいことが好ましく、2.7KPaよりも大きく、3.2KPaよりも小さいことがより好ましい。
また、第2閾値は、差圧測定装置430により測定された差圧が警報装置450により差圧高警報が発せされる3.8KPaよりも小さいことが好ましく、3.8KPaよりも小さく、3.2KPaよりも大きいことがより好ましい。
【0042】
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満である場合には、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を開くように制御する。
また、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第2閾値を超える場合には、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を閉じるように制御する。
【0043】
制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満である場合には、測定された差圧が第1閾値よりも小さい3.8KPa(第3閾値)未満であるか否かを判定する。
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が3.8KPa未満である場合には、差圧の低下を示す差圧低下警報を警報装置450により発するように制御する。
【0044】
制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値よりも大きい第2閾値を超える場合には、差圧測定装置430により測定された差圧が第2閾値よりも大きい3.8KPa(第4閾値)を超えるか否かを判定する。
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が3.8KPaを超える場合には、差圧の上昇を示す差圧上昇警報を警報装置450により発するように制御する。
【0045】
制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が3.8KPa(第4閾値)よりも大きい4.4KPa(第5閾値)を超えるか否かを判定する。
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が4.4KPaを超える場合には、第1ライン310にフライアッシュが過剰に流通していることを示す灰詰まり警報を警報装置450により発するように制御する。
【0046】
図5は、分級処理システム10の動作について示すフローチャートである。
ステップS1において、差圧測定装置430は、第1ライン310を流通する空気流の圧力と第2ライン380を流通する空気流の圧力との差圧を測定する。
【0047】
ステップS2において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満であるか否かを判定する。差圧が第1閾値未満である場合(YES)には、ステップS3へ進む。差圧が第1閾値以上である場合(NO)には、ステップS6へ進む。
【0048】
ステップS3において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値よりも小さい2.7KPa(第3閾値)未満であるか否かを判定する。差圧が第3閾値未満である場合(YES)には、ステップS4へ進む。差圧が第3閾値以上である場合(NO)には、ステップS5へ進む。
【0049】
ステップS4において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧の低下を示す差圧低下警報を警報装置450により発するように制御し、その後、処理を終了する。
【0050】
ステップS5において、制御装置440は、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を開くように制御し、その後、処理を終了する。
【0051】
ステップS6において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第2閾値を超えるか否かを判定する。差圧が第2閾値を超える場合(YES)には、ステップS7へ進む。差圧が第2閾値未満である場合(NO)には、処理を終了する。
【0052】
ステップS7において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が3.8KPa(第4閾値)を超えるか否かを判定する。差圧が第4閾値を超える場合(YES)には、ステップS9へ進む。差圧が第4閾値未満である場合(NO)には、ステップS8へ進む。
【0053】
ステップS8において、制御装置440は、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を閉じるように制御し、その後、処理を終了する。
【0054】
ステップS9において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が4.4KPa(第5閾値)を超えるか否かを判定する。差圧が第5閾値を超える場合(YES)には、ステップS10へ進む。差圧が第5閾値未満である場合(NO)には、ステップS11へ進む。
【0055】
ステップS10において、制御装置440は、第1ライン310にフライアッシュが過剰に流通していることを示す灰詰まり警報を警報装置450により発するように制御し、その後、処理を終了する。
【0056】
ステップS11において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧の上昇を示す差圧上昇警報を警報装置450により発するように制御し、その後、処理を終了する。
【0057】
本実施形態の分級処理システム10によれば、例えば次のような効果が奏される。
分級処理システム10において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満である場合には、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を開くように制御する。
これにより、分級処理システム10は、警報を発せずにセグメントゲート270を自動的に開くことができる。そのため、分級処理システム10は、差圧が第1閾値未満である場合には、警報が発せされることにより作業者がロータリーフィーダ280の運転を停止させることにより、分級処理システム10における分級処理が停止することを回避することができる。したがって、分級処理システム10は、分級処理の効率をより向上させることができる。
【0058】
また、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第2閾値を超える場合には、警報装置450により警報を発せずにセグメントゲート270を閉じるように制御する。
これにより、分級処理システム10は、警報を発せずにセグメントゲート270を自動的に閉じることができる。そのため、分級処理システム10は、差圧が第2閾値を超える場合には、警報が発せされることにより作業者がロータリーフィーダ280の運転を停止させることにより、分級処理システム10における分級処理が停止することを回避することができる。したがって、分級処理システム10は、分級処理の効率をより向上させることができる。
【0059】
また、分級処理システム10において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値未満である場合には、測定された差圧が第1閾値よりも小さい2.7KPa(第3閾値)未満であるか否かを判定する。
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が2.7KPa未満である場合には、差圧の低下を示す差圧低下警報を警報装置450により発するように制御する。これにより、作業者は、差圧測定装置430により測定された差圧が上昇しており、第1ライン310においてフライアッシュが過剰に流通されていることを認識することができる。
【0060】
また、分級処理システム10において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が第1閾値よりも大きい第2閾値を超える場合には、差圧測定装置430により測定された差圧が第2閾値よりも大きい3.8KPa(第4閾値)を超えるか否かを判定する。
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が3.8KPa未満である場合には、差圧の上昇を示す差圧上昇警報を警報装置450により発するように制御する。これにより、作業者は、差圧測定装置430により測定された差圧が低下しており、ロータリーフィーダ280においてフライアッシュが過剰に供給されていることを認識することができる。
【0061】
また、分級処理システム10において、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が3.8KPa(第4閾値)よりも大きい4.4KPa(第5閾値)を超えるか否かを判定する。
そして、制御装置440は、差圧測定装置430により測定された差圧が4.4KPaを超える場合には、ロータリーフィーダ280においてフライアッシュが過剰に供給され、ロータリーフィーダ280の下部にフライアッシュが堆積し、第1ライン310においてフライアッシュが流通されにくくなっていることを示す灰詰まり警報を警報装置450により発するように制御する。これにより、作業者は、差圧上昇警報が発せされた状態から更に差圧が上昇しており、第1ライン310においてフライアッシュが流通されにくくなっていることを認識することができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 火力発電システム
260 原粉サイロ(サイロ)
270 セグメントゲート(ゲート)
280 ロータリーフィーダ(排出装置)
310 輸送管
320 分級器(分級装置)
340 細粉サイクロン(分級装置)
410 差圧計(差圧測定装置)
420 差圧計(差圧測定装置)
430 差圧測定装置
440 制御装置
450 警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライアッシュを貯留するサイロと、
前記サイロに貯留された前記フライアッシュを排出する排出装置と、
前記サイロと前記排出装置との間に開閉可能に設けられ、開状態において前記サイロに貯留された前記フライアッシュを前記排出装置へ供給可能なゲートと、
前記フライアッシュを粒子の大きさに応じて分級処理する分級装置と、
前記排出装置と前記分級装置とを接続し、前記排出装置により排出された前記フライアッシュを空気流と共に前記分級装置へ流通させる第1ラインと、
前記分級装置と前記第1ラインとを接続し、前記分級装置から空気流を前記第1ラインへ流通させる第2ラインと、
前記第1ラインを流通する前記空気流の圧力と前記第2ラインを流通する前記空気流の圧力との差圧を測定する差圧測定装置と、
前記差圧測定装置により測定される前記差圧に基づいて前記ゲートの開閉を制御する制御装置と、
前記差圧測定装置により測定される前記差圧の低下又は上昇を示す警報を発する警報装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記差圧測定装置により測定された前記差圧が第1閾値未満であるか否かを判定すると共に、前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるか否かを判定し、
前記差圧が第1閾値未満である場合には、前記警報装置により警報を発せずに前記ゲートを開くように制御し、前記差圧が第2閾値を超える場合には、前記警報装置により警報を発せずに前記ゲートを閉じるように制御する分級処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第1閾値よりも小さい第3閾値未満であるか否かを判定し、前記差圧が第3閾値未満である場合には、前記差圧の低下を示す差圧低下警報を前記警報装置により発するように制御する請求項1に記載の分級処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第2閾値よりも大きい第4閾値を超えるか否かを判定し、前記差圧が第4閾値を超える場合には、前記差圧の上昇を示す差圧上昇警報を前記警報装置により発するように制御する請求項2に記載の分級処理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記差圧測定装置により測定された前記差圧が前記第4閾値よりも大きい第5閾値を超えるか否かを判定し、前記差圧が第5閾値を超える場合には、前記第1ラインに前記フライアッシュが過剰に流通していることを示す灰詰まり警報を前記警報装置により発するように制御する請求項3に記載の分級処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−236157(P2012−236157A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107222(P2011−107222)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ジェットパック
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】