分離装置および分離方法
軸周り回転式分離チャンネル(210)を用いた分離装置及び方法が使用される。このようなチャンネルは半径方向に離間された内部(206)及び外部(208)側壁部及び端壁部(224)を含む。インレット(226)は流体をこのチャンネルへと運ぶ。このチャンネルの内部及び外部側壁部の中間にバリア(232)が配置される。第1の流路がこのバリアの上流側と下流側の間を連通する。第1の流路と連通させるために、バリアの下流に回収領域が配置され得る。チャンネルの外部側壁部分は、その上流部分の半径方向外側に配置され得る。バリア(232)は、このチャンネルの軸長の相当の部分に沿って外部側壁部(208)を連結することができる。第1及び第2の出口路は、バリアの上流又は下流のいずれかのチャンネルとの、もしくは両方との連通を可能にし得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、同時係属中の2002年10月24日に出願された米国特許出願第10/279,765号、表題「細胞性血液成分を含まない又は実質的に含まない血漿を回収するための血液処理システム及び血液処理方法」の利益を主張し、2003年12月31日に出願された米国特許仮出願60/533,820号の利益を主張する。両出願は参照により本明細書中に組み入れるものとする。
【0002】
本発明は該して生体液(例えば、血液もしくは血液成分)又はその他の流体を1以上の成分に分離するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生体液(例えば、全血及び血液成分)を様々な用途のためにその構成成分に分離することはよく知られている。多くの市販の分離システムは遠心分離の原理に基づいており、これらのシステムは密度に従って流体成分を分離する。血液又は血液成分について遠心分離を用いる種々の装置及びシステムが知られており、そのような装置及びシステムには、例えば、Baxter Healthcare Corporation(Deerfield,Illinois)によって販売されているCS−3000(登録商標)、Amicus(登録商標)及びALYX(登録商標)分離装置、Gambro BCT(Lakewood,Colorado)によるSpectra(登録商標)及びTrima(登録商標)分離装置、Fresenius Homecare(Redmond, Washington)のAS104、並びに、Haemonetics Corporation(Braintree,Massachusetts)のV−50及びその他のモデルを挙げることができる。特許文献1、PCT出願公開PCT/US02/31317号、PCT/US02/31319号、PCT/US03/33311号及びPCT/US03/07944号、並びに、特許文献2及び特許文献3中にも様々な遠心分離装置が開示されている。これらの各特許及び特許出願は参照により本明細書中に組み入れるものとする。
【特許文献1】米国特許第6,325,775号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20020094927号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20020077241号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、遠心分離による血液分離装置はよく知られているが、血液又はその他の生体液の1以上の異なる成分を分離及び回収するとき、より小さく、より軽く、より持ち運びしやすく、多目的に利用でき、且つ/又は効率的である装置を開発するための努力は続けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、生体液(例えば全血)の分離のため、並びにオプションとして少なくとも1種類の流体成分を回収するための装置及び方法を含む。
【0006】
本発明の1実施形態にしたがい、軸周り回転式分離チャンネルが提供される。この分離チャンネルは、半径方向に離間された内部及び外部側壁部及び端壁部を含む。また、このチャンネルは軸に相対的な軸長を有する。流体をチャンネルに運ぶインレットが提供され、バリアがチャンネルの内部側壁部と外部側壁部の中間に配置される。バリアは上流側及び下流側を含み、上流側と下流側との間を連通する第1の流路を含む。分離チャンネルは、バリアの下流に位置し、第1の流路と流体連通する回収領域をさらに含む。この回収領域は、端壁部によって少なくとも部分的に規定され、チャンネルの端壁部から軸方向に離れて位置する。さらに、第1及び第2の開口が、回収領域から1以上の流体成分(例えば、血液成分)が流れることを可能にするようにこの回収領域と連通する。
【0007】
本発明の別の実施形態において、チャンネルの外部側壁部のセクションは、バリアの周辺に配置され、かかるセクションの上流にある外部側壁部の半径方向外側に配置される。
【0008】
分離チャンネルのさらなる実施形態において、バリアは、外部側壁部に向かって延在しており、また、チャンネルの軸長の相当の部分に沿って外部側壁部と連結している。第1の流路はバリアの上流側と下流側との間を流体連通させる。
【0009】
分離チャンネルの更にさらなる実施形態において、バリアは内部側壁部内側の半径方向のある位置まで延在し得る。
【0010】
分離チャンネルのさらなる実施形態は、バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路を含み、さらに、第1及び第2の出口流路を含む。第1の出口流路はバリアの上流にあるチャンネルと連通しており、一方、第2の出口流路はバリアの下流にあるチャンネルと連通している。第1の流路と第2の流路は、チャンネルの内部壁部の半径方向内側の位置で連結している。
【0011】
さらに、別の分離チャンネルは、チャンネルからの複数の出口開口をバリアの下流に配置するように提供することができる。この点に関して、このチャンネルは、流体成分がバリアの上流に位置するチャンネルから外に出ることはできない程度に、バリアの上流に出口開口を含まない。第1の流体流路はバリアの上流側と下流側との間を連通させ得るが、チャンネル外部への出口流路は提供しない。
【0012】
分離チャンネルの更にさらなる実施形態において、バリア壁は、チャンネルの側壁部の半径方向外側に向かって延在している。第1の流路はバリアの上流側と下流側との間を連通しており、チャンネルの向かい合う端壁部の一方からは離れて配置されている。分離チャンネルはさらに、バリアの上流側と下流側との間を連通している第2の流路を含み、この第2の流路はもう一方の端壁部の表面によって規定されている。
【0013】
特定の好ましい実施形態について後述するが、本発明の分離チャンネルが、示されるものと同一の構造に限定されるものではないことは理解されるべきである。例えば分離チャンネルは、血液はライナーを通して流れるが再使用可能な部分とは接触させないためにその内部に使い捨ての柔軟な、硬質の、又は半硬質のライナーを配置した再使用可能なプラテン、ボウル又はローターを含み得る。このような場合、チャンネルのプラテン、ボウル又はローターの構造が流体流路の形を規定し、使い捨てのライナーは操作中に対応する形態を呈する。そのようなものの例は、CS−3000(登録商標)、Amicus(登録商標)及びSpectra(登録商標)遠心分離システム中に見ることができる。あるいは、分離チャンネル全体が使い捨て可能であってもよい。例えば、このチャンネルは、血液又は他の生体液がそれを通して処理される、予め成形された形を有する硬質のプラスチックから作られてもよい。当然、使用する間に清潔であって可能であれば無菌であることが必要で、不便かつ時間を費やしてしまう手順の場合には、チャンネル全体を再使用することもできる。記述されかつクレームされた分離チャンネル及び方法は、上述されたようなより具体的な構造の全てを含むという広い解釈(その中に商業的適用を見出し得る)を有することが意図されることを理解すべきである。
【0014】
本明細書中に記載される分離チャンネル又はチャンバは、様々な生体液の分離及び回収手順に対して使用することができる。限定するものではないが、例えば、そのような分離方法のひとつは、通常異なる密度を有する第1及び第2の成分(例えば、血液成分)を含む第1の流体(例えば、全血)を遠心力場に導入する工程、及び、第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程を含む。本方法は、界面の一方の側から第2の流体を、界面のもう一方の側から第3の流体を除去する工程、及び、第2の流体の少なくとも一部と第1又は第3の流体を混合し、この混合した流体を遠心力場に再び導入する工程、及び、第2又は第3の流体の少なくとも一方を遠心力場から除去する工程を含む。
【0015】
上記方法を全血(第1の流体)に適用する場合、第2の流体が実質的に血漿を含んでもよく、第3の流体が実質的に赤血球を含んでもよい。混合した第2の流体と第1又は第3の流体は約20〜40%の間のヘマトクリット値を有し得る。界面の一方の側から除去される血漿の一部は相当な数の血小板を含み得る。
【0016】
本発明の別の方法にしたがって、本方法は、通常異なる密度を有する少なくとも第1及び第2の成分を含む第1の流体(例えば、全血)を遠心力場に導入する工程;第1及び第2の成分成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;遠心力場の力を(例えば、流体を含む分離チャンバの回転場を減少させることにより)減少させる工程;及び、遠心力場の力を減少させた後、遠心力場から第1の流体を除去する工程を含む。
【0017】
この方法の上記工程のうちのいくつか又は全てを、効率を向上させるために反復してもよい。例えば流体成分の除去工程は、複数回の回収サイクルがもたらされるように繰り返されてもよい。上記方法は、血小板を含む血漿を第1の流体成分が含む場合に、全血からの血小板の回収において特定の用途を有し得る。
【0018】
本発明のさらなる方法は、異なる密度の流体成分間に界面を形成させる工程及び再び形成させる工程を提供する。この方法は、通常異なる密度を有する少なくとも第1及び第2の成分を含む第1の流体(例えば、全血)を導入する工程;第1及び第2の成分間(例えば、全血における血漿及び赤血球間)の少なくとも一部に界面を形成させる工程;界面の一方の側の遠心力場から流体を連続的かつ反復的に除去し、界面を再び形成させる工程を含む。
【0019】
本方法を全血に適用した場合、遠心力場から除去される流体は血漿及び血小板を含む。特に、この流体は血小板濃度が高い血漿を含み得る。本方法は、界面の一方の側から流体を除去する工程を少なくとも2回繰り返して行ってもよい。
【0020】
本方法はさらに、血漿又は血小板がそれを通して除去されるアパーチャ又は開口の近傍に界面自体が位置されるように、界面を半径方向内側に移動させる工程を含んでもよい。除去工程を少なくとも2回行う場合には、界面をアパーチャの近傍に移動させる前に、界面を最初の位置に戻してもよい。
【0021】
本発明のさらなる方法は、全血を処理するための方法を含み、この方法はドナー又はその他のヒト被験者又は血液供給源を血液分離装置と連結している時間の量を減少させるために機能し得る。この方法は、血液供給源を分離装置に連結する工程;血液をこの装置によってつくりだされる遠心力場中に導入する工程;及び、少なくとも2つの血液成分間に界面を形成させる工程を含む。この方法はさらに、界面の一方の側の遠心力場から第1の血液成分を除去する工程;界面のもう一方の側の遠心力場から第2の血液成分を除去する工程;第1及び第2の血液成分の少なくとも一方を保管する工程;第1及び第2の血液成分のもう一方の少なくとも一部を血液供給源に戻す工程;及び、さらなる血液をこの血液供給源から取り出す工程を含む。さらなる血液を取り出した後、血液供給源を装置から外し、血液を遠心力場に導入する工程と第1及び第2の血液成分を除去する工程を反復する。遠心力場から除去された第1及び第2の血液成分は所望により後で使用するために保管してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好適な実施形態の説明
図1は、本発明の特質を具体化する液体処理システム10を示している。このシステム10は様々な流体を処理するために使用することができる。システム10は、全血及び他の生物学的細胞性材料の懸濁液を処理するのに特に良く適している。従って、示される実施形態は、この目的で使用されるシステム10を示す。
I.システムの概説
システム10は2つの主要なコンポーネントを含む。これらは以下のコンポーネントである:(i)血液処理装置14(図1では輸送及び保管用に閉じられた状態で示されており、図2及び3では操作用に開かれた状態で示されている);及び(ii)1つ又はそれ以上の血液成分の分離及び回収をもたらすべく血液処理装置14と相互作用する液体及び血液フローセット12(セット12は、図1及び4では使用前の輸送及び保管用にトレー48に包装された状態で示されており、図5及び6ではトレー48から取り出され、使用するために血液処理装置14に取り付けられた状態で示されている)。システム10の部分についてはさらに説明するが、システムの詳細については参照により本明細書中に組み入れられている上記特許又は特許出願の1つ以上に説明されている。
【0023】
A.処理装置
血液処理装置14は長期間使用することができる耐久性品目であることが意図されている。図示されているこの好適な実施形態では、血液処理装置14は、持ち運び可能なハウジング又はケース36の内部に取り付けられている。ケース36は、テーブル面又は他の比較的小さな表面での据え付け及び操作に適したコンパクトな設置面積を提供する。また、ケース36は回収場所へ容易に輸送することができるようにも意図されている。
【0024】
ケース36は、基盤38と、(図1に示されているように)輸送する場合には閉じ、(図2から4までに示されているように)使用する場合には開くヒンジで取り付けられた蓋40とを含む。使用に際し、基盤38は、ほぼ水平な支持表面に置かれるように意図されている。ケース36は、例えば成型により、所望の形状に形作ることができる。ケース36は、好適には、軽量ではあるが耐久性のあるプラスチック材料から製作される。
【0025】
コントローラ16は装置14のボード上に担持されている。コントローラ16は、操作者により選択された血液処理及び回収手順を行うべく、装置14のコンポーネントとフローセット12のコンポーネントとの間の相互作用を管理する。図示されている実施形態では、コントローラ16はメインプロセッシングユニット(MPU)を含み、MPUは、例えばIntel Corporationにより製作されるPentium(登録商標)型のマイクロプロセッサーを含むことができるが、その他のタイプの通常のマイクロプロセッサーを使用することもできる。MPUはケース36の蓋40の内側に取り付けることができる。電源コード184を有する電源は、装置14のMPU及び他のコンポーネントに電力を供給する。
【0026】
好適には、コントローラ16は、操作者がシステム10の操作に関する情報を見て充分に把握することを可能にする対話型ユーザーインターフェース42も含む。図示されている実施形態では、インターフェース42は、蓋40に担持されたインターフェーススクリーンにより実施され、このインターフェーススクリーンは、操作者が英数字フォーマットで、及び図式的な画像として見ることができる情報を表示する。
【0027】
コントローラ16についての更なる詳細はNayakらの米国特許第6,261,065号において見出すことができ、この特許は参照により本明細書に組み入れられる。インターフェースについての更なる詳細はLyleらの米国特許第5,581,687号において見出すことができ、この特許も参照により本明細書に組み入れられる。
【0028】
図1に示されているように、蓋40は、コントローラ16又は装置14の他のコンポーネントへ他の外部装置を結合するための他の入力/出力端子を支持するために使用することができる。例えば、イーサネット(登録商標)ポート50もしくは(情報をコントローラ16にスキャニングするための)バーコードリーダーなどのための入力端子52、又は診断ポート54もしくは血液処理中の血流量を高めるべくドナーに装着された圧力カフ60(例えば図43〜45及び47〜48を参照)へ結合するためのポート56、又はシステムトランスデューサーのキャリブレーションポート58は全て、アクセス用に蓋40の外部に、あるいは装置14のケース36のどこか別な場所に都合良く取り付けることができる。
B.フローセット
フローセット12は一回のみ使用される無菌の使い捨て式品目であるべく意図されている。ある与えられた血液処理及び回収手順を始める前に、操作者は、(図4及び5に示されているように)装置145と共同するフローセット12の様々なコンポーネントを取り付ける。コントローラ16は、操作者から与えられた他の入力を考慮に入れながら、予め設定されたプロトコールに基づいてこの手順を実行する。手順が完了すると、操作者は、装置14との連結からフローセット12を取り外す。回収された1つもしくは複数の血液成分を収容したセット12の部分は装置14から取り出されて保管、輸血又は更なる処理用に保持される。セット12の残りの部分は装置14から取り外されて廃棄される。
【0029】
フローセットは、血液処理チャンバ18、流体作動式のポンプ及びバルブカセット28、アレイ状を為す共同処理容器64、ならびにチャンバ18及びカセット28に結合されたフロー配管を含む。チャンバ18のいくつかの実施形態については以下にさらに詳しく同定される。
【0030】
1.血液処理チャンバ
図示されている実施形態(図5参照)では、フローセット12は、遠心分離機と共同して使用すべく設計された血液処理チャンバ18を含んでいる。処理装置14は、使用するために処理チャンバ18を受け入れる(図5参照)遠心分離ステーション20(図2及び3参照)を含んでいる。
【0031】
図2及び3に示されているように、遠心分離ステーション20は、基盤38に形成されたコンパートメント24を含む。また、遠心分離ステーション20はドア22を含む。ドア22は、(図3及び5に示されているように)開き、これにより処理チャンバ18をコンパートメント24に取り付けることができる。ドア22は、操作中に処理チャンバ18をコンパートメント24内に封じ込めておくため、(図2及び6に示されているように)閉まる。
【0032】
遠心分離ステーション20は処理チャンバ18を回転させる。回転すると、処理チャンバ18は、流体を、好ましくはドナーから与えられた全血を、遠心力にって成分の部分、主に赤血球、血漿及びバフィーコートと呼ばれる中間層に分離し、このバフィーコート層には血小板及び白血球が存在する。以下において説明するように、チャンバ18の構成は意図された血液分離目的に応じて様々に変えることができる。チャンバ18のいくつかの実施形態については以下に説明する。
【0033】
2.流体圧力作動式カセット
図示されている実施形態では、セット12は流体圧力作動式カセット28も含んでいる(図5参照)。カセット28は、ある与えられた血液処理手順に必要なすべてのポンプ機能及びバルブ開閉機能のための集中管理方式によるプログラム可能な総合プラットフォームを提供する。図示されている実施形態では、流体圧力は正及び負の空気圧を含むが、他のタイプの流体圧力を使用することもできる。
【0034】
図5に示されているように、カセット28は、ケース36の蓋40に配置されている空気圧作動式のポンプ及びバルブステーション30において使用すべく取り付けられている。ポンプ及びバルブステーション30は、カセット28を取り付け及び取り外しするためにポンプ及びバルブステーション30を露出する開放位置(図3参照)と、使用するためにカセット28をポンプ及びバルブステーション30内に封じ込める閉鎖位置(図6に示されている)との間を動くことができるようヒンジで取り付けられたドア32を含んでいる。カセット28がポンプ及びバルブステーション30に取り付けられた状態の時、ポンプ及びバルブステーション30はバルブ面ガスケットの後側に配置されたマニホルドアセンブリ34を含む(図4参照)。空気圧が、カセット28中を通って流れるべく液体を方向付ける。
【0035】
3.血液処理容器及び配管
図5及び6に戻って参照すると、フローセット16は、カセット28及びチャンバ18と連通状態にあるアレイ状をなすチューブ及び容器も含む。これらのチューブ及び容器の配列は処理目的に応じ様々に変えることができる。代表的な血液処理手順及びそのような手順に適合する共同的フローセットについては以下に説明する。
【0036】
臍状体100はフローセット16の一部を形成する。取り付けられた時、臍状体100は、シールを回転させる必要性を伴うことなく、回転する処理チャンバ18をカセット28と結合する。臍状体100は、Hytrel(登録商標)コポリエステルエラストマー(DuPont)などの回転応力抵抗性プラスチック材料から製作することができる。
【0037】
次に図7を参照すると、チューブ102、104及び106が臍状体100の近位端部から延びている。チューブ102は分離のために全血を処理チャンバ18内へ運ぶ。チューブ104及び106は、それぞれ、遠心力により分離された赤血球及び血漿を処理チャンバ18から運ぶ。血漿は処理目的に応じて血小板を豊富に含んでいてもよいし、血小板に乏しくてもよい。
【0038】
図7に示されているように、固定具108は、臍状体100に隣接したチューブ102、104及び106を、遠心分離ステーション20の外側に位置する、コンパクトな系統立てられた横並びのアレイにまとめる。固定具108により、チューブ102、104及び106は、チャンバ18の外側の遠心分離ステーション20に隣接して配置された光学的検出ステーション46と連合した一つのグループとして配置及び除去が可能になる(図9及び10参照)。
【0039】
光学的検出ステーション46は、チューブ104及び106により運ばれてきた血液中における標的血液成分(例えば赤血球及び血小板)の存在又は不在を光学的にモニターする。検出ステーション46は、そのような血液成分の存在又は非存在を反映した出力を提供する。この出力はコントローラ16へ伝達される。コントローラ16はこの出力を処理し、部分的にこの光学的に検出された事象に基づいて処理事象を制御するための信号を発生する。光学的検出に基づいて処理事象を制御するためのコントローラの操作についての更なる詳細については、参照により本明細書に組み入れられる、上記特許又は特許出願の一つ以上に記載されている。
【0040】
図示されているように(図5及び6参照)、フローセット16は瀉血針128を含み、この瀉血針を通じてドナーを血液処理するためのシステム10へ結び付けることができる。図5及び6では、フローセット16は血液採取アセンブリ110も含んでいる。血液採取アセンブリ110は、瀉血針128を通じて、ある与えられた血液処理手順の初めにドナーの血液の1以上のサンプルを採取することを可能にする。採取アセンブリ110内への血液の流れを調節するため、通常のマニュアルクランプ114(例えばRoberts Clamp)が設けられている。
【0041】
同じく図5及び6に示されているように、フローセット16はインライン注入部位112を含むことができる。この注入部位112は、必要な場合、技師が、付加的な針による穿刺を必要とせずに、瀉血針128を用いて生理食塩水もしくは別の生理学的液体又は薬剤をドナーに導入することを可能にする。付加的なインラインマニュアルクラム116は血液採取アセンブリ110及び注入部位112の上流に含まれることが好ましい。フローセット16は適当な結合、例えば、T−部位、Y−部位、V−部位又はその他の連結配列を含んでもよい。
【0042】
本装置は1以上の計量ステーション62及び容器のためのその他の形態を有する支持体をさらに含む。デバイス14上におけるこれらの構成要素の配置は、当然にその処理目的に応じて変化し得る。限定するものではないが、例えば、図5及び6はインプロセス(または全血)、血漿、赤血球及び白血球を低減化させた赤血球に対しそれぞれに、回収容器158、160、162及び172を示す。図5及び6において、その他のリザーバー又は容器150、164及び168は、抗凝固剤、生理食塩水及び保存または保管溶液等に限定されない手順の間に使用するため各種のその他の溶液を含有することができる。血液又は液体が処理の間に容器へと受けられ、及び/又は容器から出される時に、計量ステーション62が経時的な重量変化を反映した出力を提供する。この出力がコントローラ16へと運ばれる。このコントローラ16は流体処理容量を導き出すための増加的な重量変化を処理する。コントローラは、導きだされた処理容量に部分的に基づく処理事象を制御するための信号を生成する。
C.遠心分離ステーション
遠心分離ステーション20(図9参照)は遠心分離アセンブリ68を含む。遠心分離アセンブリ68は、使用するために成形処理チャンバ18及び臍状体100を受け入れ、支持することができるように構成されている。
【0043】
図9に示されているように、遠心分離アセンブリ68は底面壁、上面壁及び側面壁72、74、76を有するフレーム又はヨーク70を含んでいる。ヨーク70は底面壁72に取り付けられたベアリングエレメント78(図9)上で回転する。軸82の回りでヨーク70を回転させるため、電動モーター80がヨーク70の底面壁72に結合されている。図示されている実施形態では、軸82は本質的に水平(図3参照)であるが、他の角度の配向も使用することができる。モーター80は、コントローラ16により発せられた指令に応じて時計方向又は反時計方向のどちらにもヨーク70を回転させることができる。
【0044】
キャリヤー又はロータープレート84は、それ自体のベアリングエレメント86の回りでヨーク70内において回転し、このベアリングエレメントはヨーク70の上面壁74に取り付けられている。ロータープレート84は、ヨーク70の回転軸82とほぼ整列した軸の周りで回転する。
【0045】
図7に示されるように、処理チャンバ18の上面は環状リップ220を含み、この環状リップに蓋コンポーネント202が固定されている。図10に示されるように、ロータープレート84は、回転させるために処理チャンバ18をロータープレート84上に確保すべく、リップ220を取り外し可能に把持するラッチアセンブリ88を含んでいる。ラッチアセンブリ88の詳細については、参照により本明細書に組み入れられる上記特許又は特許出願の一つ以上に見出すことができる。
【0046】
図10に示されるように、臍状体100の近位端に設けられたシース144が遠心分離ステーション20の予め形成された凹状ポケット90に嵌め込まれる。ポケット90は、ヨーク70及びロータープレート84の相互に整列した回転軸82と整列した回転しない定常位置において臍状体100の近位端を保持する。チューブ102、104及び106は、図10に示されているようにポケット90内にも配置される検出ステーション46と連合した一つのグループとして配置及び除去される。
【0047】
臍状体の駆動又は支持メンバー92及び94ならびにチャンネル96及び98(図9及び10参照)は臍状体100の部分を受け入れる。1オメガの回転速度におけるヨーク70と2オメガの回転速度におけるロータープレート84の相対的な回転は、臍状体100を捻れのない状態に保ち、これにより、シールを回転させる必要性を回避することができる。この配置のさらなる詳細については、参照により本明細書に組み入れられるBrownらの米国特許第4,120,449号と参照により本明細書に組み入れられる上記特許又は特許出願の一つ以上に開示されている。
【0048】
D.光学的検出による界面の制御
上述のどの血液処理手順においても、処理チャンバ18内にもたらされる遠心力が全血を(図11で図式的に示されているように)赤血球が濃縮された領域と血漿領域とに分離する。この遠心力は、血漿領域をチャンバの内側又は低−G壁へ半径方向に移動させながら、赤血球が濃縮された領域がチャンバの外側又は高−G壁に沿って集合する状態をもたらす。
【0049】
中間の領域は、赤血球領域と血漿領域との間の界面を形成する。血小板及び白血球のような中間的な密度の細胞性血液種がこの界面を構成し、これらの血液種は密度に従って配列し、血小板の方が白血球よりも血漿層に近い位置を占める。この界面は、血漿領域が麦わら色、赤血球領域が赤色であるのに比べて曇った色であるため「バフィーコート」とも称される。
【0050】
手順に応じて血漿にもしくは赤血球にバフィーコート物質が混入しないようにするため、又はバフィーコートの細胞性内容物を回収するため、バフィーコートの位置をモニターすることが望ましい。本システムは、この目的で2つの光学的検出アセンブリを収容した光学的検出ステーション46を含んでいる(図11、12及び13にも図示されている)。
【0051】
ステーション46内の第1検出アセンブリ146は、血漿回収チューブ106を通る血液成分の通過を光学的にモニターする。ステーション46内の第2検出アセンブリ148は、赤血球回収チューブ104を通る血液成分の通過を光学的にモニターする。
【0052】
チューブ104及び106は、検出のために使用される光学的エネルギーに対して、少なくともチューブ104及び106が検出ステーション46と関連付けられて配置される領域では、透明なプラスチック材料(例えばポリ塩化ビニル)で作られている。固定具108は、それぞれの検出アセンブリ148及び146と視覚的に整列した状態でチューブ104及び106を保持する。また、固定具108は、連合したセンサーがたとえ設けられていない場合であっても、全血を遠心分離ステーション20へ運ぶチューブ102も保持する。固定具108は、容易に束ねられるコンパクトな束の形態で臍状体100へ結合されているすべてのチューブ102、104及び106をまとめ、保持する役割を果たしている。
【0053】
第一検出アセンブリ146は、血漿回収チューブ106内における光学的に標的とされた細胞種又は成分の存在を検出することができる。検出するために光学的に標的とされる成分は手順に応じて様々に変わる。
【0054】
第1の検出アセンブリ146により検出される血漿中の血小板の存在は、これらの成分の全て又はいくつか及び恐らくその界面の他方側における血漿が血漿回収ライン(図12参照)へと浸透され得る程に、界面が処理チャンバの低G壁に充分近接していることを示す。この状態は「過剰流出」と称されることもある。
【0055】
第2の検出アセンブリ148は、赤血球回収チューブ104内における赤血球のヘマトクリットを検出することができる。設定されたある最低レベルを下回る、処理中の赤血球ヘマトクリットの低減は、界面中の成分の全て又はいくつか及び恐らくその界面の他方側における血漿が赤血球回収チューブ104に入り込める程に、界面が処理チャンバの高G壁に充分近接していることを示す(図13参照)。この状態は「過小流出」と称されることもある。
【0056】
II. 血液処理チャンバの実施形態
チャンバのいくつかの実施形態を本明細書中に記載する。これらのチャンバは、各種回収手順を実施するためのデバイス14及びコントローラ16と共同するフローセット12と共に使用することができる。
【0057】
A. 血液処理チャンバの第1の実施形態
図8は、二重単位赤血球回収手順ならびにその他の手順を果たすために図1に示されるシステム10と協同する形態で使用することができる遠心分離処理チャンバ198の一つの実施形態を示す。処理チャンバ198は2つの別々に成形された部品;すなわち基盤201及び蓋202の中に製作される。ハブ204は、円周状の血液分離チャンネル210を定める内側および外側の環状壁206及び208によって半径方向的に取り囲まれている。成形壁環状214(図7参照)はチャンネル210の底部に近接する。蓋202は、例えば円筒状の音波溶接ホーンを用いることにより、チャンバ200の上面に固定される。
【0058】
ハブ204内に開かれた内部領域222を形成する内部側壁部206は1対の補強壁の間で開いている。血液および流体は臍状体100からこの領域222を通じて分離チャンネル210へと導入される。領域222の内部に形成される成形された内壁224はチャンネル210を完全に横断して延在し、外側の環状壁208に連結する。壁部224は分離チャンネル210内で終結し、このことが、分離中のチャンネル210に円周方向に沿う流れを阻止する。
【0059】
さらなる成形された内壁は、領域222を3つの通路226、228および230に分割する。これらの通路226、228および230はハブ204から延在し、端壁224の反対側のチャンネル210と連通する。血液及びその他の流体は、ハブ204からこれらの通路226、228および230を通じてチャネル210内へ入る方向に、またチャンネル210から出る方向に方向付けられる。
【0060】
処理チャンバ198が回転させられると(図8中の矢印R)、臍状体100は通路226を通じ全血をチャンネル210へと運ぶ。全血は回転方向(図8では反時計方向である)と同方向でチャンネル210へと流れ込む。最適な血液分離のためには、全血の流れは回転方向と同方向であることが望ましいと確信されるが、別の方法においては、チャンバ198は全血の円周方向の流れとは反対の方向、即ち時計方向に回転させられることも可能である。
【0061】
全血は、遠心力の結果として、図11に示されるような形で分離する。赤血球は外部側壁部又は高−G壁208へ向けて動かされ、一方、より軽い血漿構成要素は低−G壁206へ向けて移送される。
【0062】
図8が示すように、ダム244が高−G壁208に向かって210内へ突き出している。このダム又はバリア244は血漿の通過を阻止し、一方で高−g壁208中に設けられたチャンネル246への赤血球の通路を与える。このチャンネル246は半径通路230を通じて赤血球を臍状体100へと方向付ける。血漿構成成分は半径通路228を通じてチャンネル210から臍状体100へと運ばれる。
【0063】
赤血球出口チャンネル246が高−g壁よりも回転軸から遠くに離れて高−g壁208の外側に延在しているため、赤血球出口チャンネル246は、バフィーコートが赤血球回収通路230へと流出する(過小流出を作り出す)ことなく、血液処理の間において赤血球及びバフィーコートの間の界面を高−g壁208の非常に近くに配置させることを可能にする。設けられた出口チャンネル246は、それによって(赤血球回収手順において)赤血球回収率が最大化され得るように、又は(血漿回収手順において)本質的に血小板を含まない血漿が回収され得るようにする。
【0064】
B. 血液処理チャンバの第2の実施形態
図14は、血小板、赤血球及び白血球を実質的に含まない血漿を得る血漿収集手順を実行するために図1に示されるシステム10と協同する形態で使用することが可能な遠心分離処理チャンバ200のひとつの実施形態を示す。また、図14に示されているチャンバ200は、血漿及び濃縮された血小板を別々に回収する組み合わされた血漿/赤血球回収手順、ならびに濃縮された血小板と血漿混合物を回収する血小板回収等のその他の方法を実行するために使用することもできる。
【0065】
本発明の要約部分で上述されたように、本発明のより広い態様から乖離しない限り、別の設定を本処理チャンバ及びその他の処理チャンバの実施形態に使用することが可能であるが、設定図8に示されているチャンバの実施形態に関し先に説明がなされているように(同様な部分には同様な参照番号が割り当てられている)、処理チャンバ200は、望ましくは別個に成形された基盤コンポーネント200および蓋コンポーネント202として製作される。成形ハブ204は、概ね円周状の血液分離チャンネル210を規定する内側および外側の側壁部206および208によって、半径方向に取り囲まれる。成形壁214(図15参照)は、チャンネル210の端壁部を形成する。蓋コンポーネント202は、チャンネル210の他方の端壁部を形成し、また挿入部242を有する。両方の向かい合う端壁部はほぼ平ら(即ち回転軸に対し垂直)であるように示されており、これらの側壁部206および208はほぼ円筒型であるように示されているが、境界線は先細になった状態、丸みを帯びた状態、V字形等であり得ることが理解されるべきである。組み立て時にこの蓋コンポーネント202は、例えば円筒型の音波溶接ホーンを用いることによってチャンバ200の上面に固定される。
【0066】
図14に示されているチャンバ200では、内部側壁部206は1対の補強壁の間で開いている。これらの向かい合う補強壁はハブ204内に開かれた内部領域222を形成し、この内部領域はチャンネル210と連通する。血液および流体は臍状体100からこの領域222を通じて分離チャンネル210へと導入され、分離チャンネル210から出るように導かれる。
【0067】
図14に示されている実施形態では、チャンネル210を完全に横断して延在し外側の環状壁208につながる成形された内壁224が領域222の内部に形成される。壁部224は分離チャンネル210内で終結し、このことが、分離中のチャンネル210に円周方向に沿う流れを阻止する。
【0068】
さらなる成形された内壁は、領域222を3つの通路226、228および230に分割する。これらの通路226、228および230はハブ204から延在し、端壁224の反対側のチャネル210と連通する。血液及びその他の流体はハブ204からこれらの通路226、228および230を通じてチャンネル210内へ入る方向に、またチャンネル210から出る方向に方向付けられる。
【0069】
処理チャンバ200が回転させられると(図14中の矢印R)、臍状体100(非表示)は通路226を通じ全血をチャンネル210へと運ぶ。全血は回転方向(図14では反時計方向である)と同方向でチャンネル210へと流れ込む。最適な血液分離のためには、全血の流れは回転方向と同方向であることが望ましいと確信されるが、別の方法においては、チャンバ200は全血の円周方向の流れとは反対の方向、即ち時計方向に回転させられることも可能である。
【0070】
全血は、遠心力の結果として、図11に示されるような形でチャンバ200内において分離する。赤血球は外部側壁部又は高−G壁208へ向けて動かされ、一方、より軽い血漿構成要素は低−G壁206へ向けて移送される。バフィーコート層は内部及び外部側壁部壁206及び208の間に存在する。
【0071】
端壁224に隣接し、全血インレット通路226からほぼ360度に円周方向に間隔を空けて、血漿回収用通路228及び赤血球回収用通路230が存在位置する。これらの回収用通路228及び230から上流の流れの方向において、高−G壁208からチャネル210内へとバリア232が突き出している。バリア232は、低−G壁206の内部側壁部に沿う分離チャンネル210における狭窄部を形成する。血液の円周方向に沿った流れの方向において、この狭窄部位は血漿回収用通路228へと通じる。
【0072】
図16および17が示すように、バリア232の先端234は、端壁224へ向かう方向におけるチャンネル210の環状境界(図示される実施形態中では環状壁214である)へ向かって先細になっている。バリア232の先細になっているエッジ234は、分離チャンネル210の環状境界に面する開口236へと通じている。開口236は高−G壁208に近接して隣り合った環状境界に面しているが、軸方向的には間隔を空けて配置されている。開口236は赤血球回収用通路230と連通している。
【0073】
レッジ238は、開口236内において、低−G壁206から半径方向に一定の軸方向距離で延在している。レッジ238は、半径方向外壁又は高−G壁208に沿って開口236の半径寸法を狭める。レッジ238により、高−G壁208に隣接した赤血球、及びその他のより高密度成分のみが開口236と通じる。レッジ238は、高−G壁208に隣接していない血漿が開口236と連通しないようにする。高−G壁208に沿って半径方向敵に狭められた開口236によって、血漿は、血漿回収用通路228へ向けて流れる以外の行き場を有さなくなる。それにより、分離チャンネル210を出る血漿は、制限された高−G開口236を通じて分離チャンネル210を出るより高密度の物質を含まず、または実質的に含まないものとなる。
【0074】
レッジ238は、低−G壁206とほぼ整列した軸方向表面240と接合する。軸方向表面240は回転軸に沿って軸方向に赤血球回収用通路230へと延在する。(図18に示されるように)バリア232、レッジ238及びその他の内壁によって赤血球回収用通路230は、血漿回収用通路228から隔離される。
【0075】
また、図18で最もよく示されてもいるように、低−G壁206に沿って存在する血漿は、バリア232およびレッジ238によって円周方向に沿い血漿回収用通路228へ、また臍状体100内へと方向付けられる。より高密度の流体は赤血球を含み、また、使用される手順に応じバフィーコート成分(血小板および白血球)を含み得る。このようにより高密度の流体はより高−G壁208の近くに存在し、環状境界および制限された高−G開口236へ向けて、バリア232の先細になったエッジ234に沿って軸方向に方向付けられる。より高密度の流体を含む赤血球及びバフィーコート成分は、高−G開口236から半径方向レッジ238上を低−G壁206に向けて方向付けられ、赤血球回収用通路230内へ、及び臍状体100内へと軸方向に方向付けられる。
【0076】
C. 血液処理チャンバの第3の実施形態
図19−22中、処理チャンバは概ね300で示される。チャンバ300は、限定されないが血液用等を含む各種生体液用の多様な回収手順を実行するために、図1に示されるシステム10と協同する形態で使用することができる。チャンバ300は、濃縮された血小板及び血漿混合物を回収する血小板又は血小板に富む血漿(PRP)回収手順、血漿及び濃縮された赤血球を別々に回収する組み合わされた赤血球及び血漿回収手順、及び、濃縮された赤血球及び濃縮された血小板を回収する組み合わされた赤血球及び血小板回収手順、ならびにその他の手順を実行するために使用することができる。
【0077】
チャンバ300は、チャンバの軸Aに沿って配置されるハブ304を有する別個に成形された基盤コンポーネント301を含む。チャンバ300の基盤301は、半径方向に配置された内部(低−g)及び外部(高−g)側壁部306及び308をそれぞれ含む。側壁部は常に本明細書中において、半径内部(又は低−g)壁及び半径外部(又は高−g)壁として言及される。内部及び外部側壁部306及び308及び向かい合う端壁部302及び314は、ほぼ円筒形(円形に限定されるものではない)の血液分離チャンネル310を規定する。第1の端壁部314はチャンネル310におけるひとつの軸の境界又は底部を形成し、第2の端壁部又は蓋302(図19中に部分的に示される)は通常もう一方の境界又はチャンネル310の上面を形成する。
【0078】
内部及び外壁部306及び308は実質的に環状であるように、すなわち共通の軸Aに対し通常ほぼ均一の半径を有する垂直の壁として示されるが、その他の方向、形状、軸及び半径もまた可能である。また、端壁部の上面及び底面はほぼ平面であるように示されるが、これらの端壁部もまた、湾曲した、アーチ型の、及びその他の異なる形状を有し得る。チャンネルの形状及び方向も、そのチャンネルが柔軟な、半硬質の、又は硬質の構造をとるか否かに依存し得る。「上面」又は「底部」としての端壁部の設計が、これらの構想に対する限定を意味するものではないことも理解されるべきである。このような語は任意のものであることが意図され、これらの構造の理解を助けるための図面中に示される関係において、一方の端壁を他方の端壁から区別するために用いられているに過ぎないものである。
【0079】
図20及び20A中に示されるように、チャンネル310の上流の端部は一対の向かい合う内部半径壁322及び324を含む。この内部半径壁324は外部壁部308と一体となり、チャンネル310の上流及び下流端部をほぼ分離する。内壁322及び324は、流体、好ましくは全血をチャンバ300に流れ込ませるためにインレット通路326を規定するためのハブ304から半径方向外側に向けて延在する。インレット通路326は通常、図22に示されるようにチャンバ300の上面又は上面付近において規定され、好ましくは上部端壁部302の表面によって部分的に形成される。インレット326は、好ましくは外部又は高−g側壁部308に隣接した半径方向の位置に配置される開口325を含み、この開口325はその表面により規定される。内部半径壁322のステップ又はエッジ323は、内部及び外部側壁部306及び308の半径方向中間に配置され、また好ましくは開口325の表面を規定し、これを通じて流体がチャンネル310へと方向づけられる。
【0080】
チャンネル310の下流端部において、第1、第2及び第3の出口流路328、330及び332が、チャンネル310からの1以上の液体成分のためのアウトレット通路を規定し得る。ダム又はバリア336はまたチャンネル310の下流端部に配置され、以下にさらに詳細に記述されるであろう。
【0081】
図20A中、第1の出口流路328は、バリア328及びハブ304から半径方向外側へと延在する内部半径壁335の間に規定される。接合部352からバリア328の半径方向内側に、この第1の流路は2つの内部半径壁334及び335の間に規定される。第1の出口流路328は、チャンネル310から流体が流れ込む開口327を含む。このような開口327は、好ましくは内部側壁部306の半径方向の位置に近い半径方向の位置において、バリア336の上流に配置される。
【0082】
チャンネル310が標準的な条件下、すなわち過小流出又は過剰流出が起こっていない条件下で操作される時、第1の流路328中の流体は、好ましくは接合部352の半径方向内側(及びチャンバ300の外側)を流れ、又は別の方法においては、接合部352の半径方向外側を第2の出口流路330へと移動する。「標準的な条件」によって、チャンネル310中の血液成分が血漿、バフィーコート及び赤血球へと分離され、また好ましくは図11に示されるような相対的な半径方向の位置に配置されることが意味される。標準的な条件はまた、チャンネル310中の血液成分が血小板に富む血漿及び赤血球へと分離され、血漿及び赤血球の間の界面が図11に示される界面の半径方向の位置と同様に、内部(低−g)及び外部(高−g)壁の半径方向中間に配置される位置を含む。
【0083】
図20A中、第2の出口流路330は通常第1の出口流路328の下流であってバリア336及び内部半径壁334の間に規定される。第2の出口流路330は、バリア336の下流における第1の及び第3の出口流路328及び332の間の流体連通を可能にし得る。その他の配置もまた可能であるが、第2の出口流路330は、好ましくは第1の出口路328と流体的に連通するために接合部352に隣接した第1の開口329を含む。第2の出口流路330における第2の開口は、好ましくは第1の開口329の半径方向外側に存在する。
【0084】
標準的な条件下で、第2の出口流路330中における流体の流れ(例えば血漿の流れ)の方向は、流体が接合部352の半径方向内側を流れるように、通常開口331へと向かう。第2の出口流路330中の血漿によって行き来される半径路の範囲は血漿及び赤血球の間の界面における半径方向の位置に依存する。好ましくは、血漿は、この界面における半径方向内側の第2の出口流路330を満たすために第1の出口流路328から第2の出口流路330へと流れるが、この界面の半径方向外側には流れない。標準的な条件下では、第1の出口流路328からの血漿は界面の半径方向内側の領域を満たすため第2の出口流路330へと流れるいくらかの血漿と共に、主にチャンバ300の外側を流れるであろう。
【0085】
第1の及び第2の出口流路328及び330における好ましい流れのパターンは上述されているが、第1の及び第2の出口流路内の流体が異なる流れのパターンを取ることもできる。この流れのパターンは、1以上の液体成分と関連した界面の位置及び1以上の液体成分がチャンネル310から回収される速度ならびにその他の因子に依存し得る。一例としてであり、限定されるものではないが、血漿及び赤血球の間の界面が過剰流出を起こさせるよう半径方向内側に動かされた場合、第2の出口流路330中の流体は接合部352において開口329を通じ半径方向外側に流れ得る。
【0086】
図20A中、第3の出口流路332は内部半径壁334及び324の間に規定され、開口333を含む。このような開口333は、好ましくは、バリア336の下流及び第1の及び第2の出口流路328及び333の下流に配置される。流体はこの開口333に入り、チャンネル310からの除去のために第3の出口流路332へと入ることができる。
【0087】
図20、20A及び22中に示されるように、バリア336は上流側338及び下流側340を含み、各々は通常外部側壁部308に対し垂直である。バリア336は、内部及び外部側壁部306及び308に相当する半径方向の位置のほぼ中間に、チャンネル310を半径方向に横切って延在する。図20A中、このバリアは、好ましくは内部(低−g)側壁部306の半径方向内側に配置され、角度を有する壁342に沿って接合部352に向かって先細になっている。バリア340はまた、外部側壁部308の付近の又は隣接する先細のないし湾曲した形状を含む。バリアは内部及び外部側壁部306及び308の付近で先細になる形状を有するように示されているが、この形状は一例として示され限定されるものではなく、その他の形状も可能であることが理解される。
【0088】
図22中に示されるように、バリア336の上流側338は、チャンネル310の上面で、端壁部302からチャンネル310における軸長の相当部分に沿って延在する。上流側338において、バリア336の軸方向の位置は端壁部314から間隔を置いた位置で終結する。このような軸方向の位置において、第1の流路344はバリア336における上流及び下流側338及び340の間の連通を可能にする。第1の流路344は、好ましくは向かい合う端壁部302及び314の間における中間の軸方向の位置に配置される。図22中、第1の流路344は端部314のより近くに示され、さらに特別には、チャンバ300の下側の約半分または3分の1に配置される軸方向の位置において示される。図22中、インレット326を通じて入り第1の流路344へと移動する流体は、チャンネル310における相当の軸方向の範囲を通過しなくてはならない。バリア336に沿った中間的配置等の第1の流路344における別の中間的な軸方向の位置も可能である。第1の流路344が、チャンネル310において底部端壁部314の付近又は隣接する軸方向の位置に配置されることも可能である。
【0089】
図20及び20A中、第1の流路344は、外部側壁部308における第1の及び第2の半径方向外側部分309及び311のうち1つ以上により、その外部半径表面に沿って規定される。第1の部分309は、外部側壁部308のより上流部分の配置から半径方向外側へ先細になっている。この第1の部分309は通常バリア336の上流に配置され、バリア336の下流における第2の部分311と連結する。このような第2の部分311はまた、チャンネル310のより上流の位置において、すなわち部分309の上流で、外部側壁部308の半径方向の位置と比較して半径方向外側にある。第2の部分311は、好ましくは第1の部分311と同様の半径方向の位置に配置される。第1の流路344における向かい合う内部半径表面は、好ましくは外部側壁部308のより上流部分における半径方向の位置に近い半径方向の位置に配置される。
【0090】
図20及び20A中、回収領域は通常346に規定され、バリア336(破線で示される)の下流に配置される。回収領域346の上部表面はチャンネル310の上面において端壁部302によって規定される。回収領域346はまた、回収領域346における底部表面の少なくとも一部を規定する中間端壁部48(図22)を含む。中間端壁部348は、チャンネル310の上面及び底部において、端壁部302及び314から軸方向に間隔をおいて配置される。中間端壁部348はチャンネル310における端壁部314に対しほぼ並行であるように示されているが、その他の方向もまた可能である。
【0091】
図20A中、回収領域346はまた、部分的にはバリア336の下流側340及びチャンネル310における内壁324により規定される。また図20A中、回収領域346は内部及び外部側壁部306及び308に相当する半径方向の位置のほぼ中間に配置され、好ましくは内部側壁部306及び外部側壁部308における部分311の半径方向における位置の間に規定される。
【0092】
図22に最もよく見られるように、回収領域346は、中間端壁部348中に形成される軸方向に方向付けられた開口347を含む。流体は、第1の流路344からバリア336の下流側340に沿って軸方向上方に移動し、開口347を通じ回収領域346の底部へと入る。前述のように、開口331及び333(図20A中に最もよく見られるように)もまた、回収領域346へ入る又はそこから出る1以上の液体成分の流体連通を可能にし得る。図20A中、回収領域346は、第2の及び第3の出口流路330及び332への開口331及び333の間に配置された内部半径壁334における半径方向外側のエッジ350を含む。このようなエッジ350は、内部側壁部306、及び外部(高−g)壁部308における半径方向外側の部分311の間における中間の半径方向の位置に配置される。エッジ350の半径方向の位置は、好ましくは部分311における半径方向の位置の付近に配置される。このようなエッジ350は、好ましくは、標準的な条件の間に、より高密度の赤血球等の流体が第3の出口流路332を出て、またより低密度の流体はそこを通じて出ないようにするために配置される。
【0093】
使用中に、全血等の流体はインレット326に入り、チャンネル310へと流れる。流体が最初にチャンネル310に入る時、この流体は通常チャンネル310の上部に配置される。インレット通路326における開口325での流体の流れにおける軸方向の範囲は、底部床面354(図22中に見られる)により、インレットにおけるそのより低い軸方向の範囲へと最初に限定され得る。その他の軸方向の位置も可能であるが、床面354における軸方向の位置は、回収領域346における中間端壁部348の位置に近い軸方向の位置に配置され得る。流体がチャンネル310に入った後は、向かい合う端壁部302によってその上限の軸方向の位置は依然として固定されているが、このチャンネルは好ましくは、それ以上のより低い軸方向の位置を強いられることはない。
【0094】
その他のパターンも可能ではあるが、チャンネル310中、流体は原則的に、その流体が通常その軸方向の範囲において増加するように下流の移動するような渦巻状のパターン(図22中破線で示される)をたどり得る。バリア336の上流で、流体の軸方向の範囲は、好ましくはチャンネル310の上面における上部端壁部302から少なくとも第1の流路344における軸方向の位置付近までの間、あるいはより下方に配置される。チャンネル内の多くの容積を利用することにより、液体成分のより効率的な分離が得られることが確信される。
【0095】
血液が下流へ流れる時に、遠心力が、チャンネル310内で血液成分が密度に従って半径方向に分離することを可能にする。この分離のさらなる詳細はBrown,”The Physics of Continuous Flow Centrifugal Sell Separation,” Artificial Organ,13(1):4−20(1989)中に説明されている。
【0096】
図11は、チャンネル310における標準的な条件での、バリア336の上流における血液成分の相対的な半径方向の位置の一例を示す。血漿は最初に内部又は低−g側壁部306に向かって配置され、赤血球は最初に外部又は高−g側壁部308に向かって配置される。「バフィーコート」としても知られる血小板及び白血球は最初に血漿及び赤血球の間の界面に配置され、中間半径方向の位置に位置づけられる。血小板回収手順に関しては、好ましくは以下にさらに詳述されるように、血小板に富む血漿と赤血球の間における界面の片側に血小板に富む血漿を形成するために血漿中の血小板の少なくとも一部を懸濁させるためのさらなる処理ステップが実行される。
【0097】
バリア336の上流で、少なくとも1つの液体成分が第1の出口流路328を通じて回収され得る。このような成分は血小板に乏しい血漿PPP又は血小板に富む血漿PRPを含み得る。このような成分はまた、接合部352にて第2の出口流路330へと流入し得る。好ましくは赤血球であるその他の液体成分は、第3の出口流路332を通じて除去されるため第1の流路344へと流入し得る。血小板が最初にバフィーコート中に位置づけられる場合、このバフィーコートの少なくとも一定の相当部分がバリア336の上流側338にて隔離される。この点で、バリア336は、手順の間のある時点において、例えば血小板に乏しい血漿PPPがチャンネル310から除去されている時において、バリア336上流での血小板の蓄積を可能にし得る。このような手順は以下にさらに詳述されるであろう。すなわち、バリア336下流の血漿及び赤血球の間における界面の一部は、バリア336の上流におけるこれらの成分間に位置づけられる界面と比較して血小板が少ないか、又は全く血小板を含まないことが好ましい。
【0098】
バリア336の下流で、この界面は、赤血球と血小板に富む又は血小板に乏しい血漿のいずれかであり得る血漿との間に形成されることができる。標準的な条件下で、血漿及び赤血球の間のこの界面は、中間的な半径方向の位置、すなわち内部及び外壁部306及び308の間に配置される。このような界面は、好ましくは、標準的な条件の間、最初に赤血球が第1の流路344を通じて流れるように第1の流路344の半径方向内側に位置づけられる。より好ましくは、血漿及び赤血球の間のこの界面は、エッジ350の付近である半径方向の位置に配置される。このような半径方向の位置が、赤血球が界面の一方の側から第3の出口流路332へと回収されるが、その界面の他方からは第3の出口流路332へと血漿が実質的にほとんど又は全く流れないようにさせることを可能にする。血漿及び赤血球は最初に第1の及び第3の出口流路328及び332をそれぞれ通じて流れる。第2の流路330は、好ましくは、界面の半径方向内側に血漿又は血小板に富む血漿を、そして界面の半径方向外側に赤血球を含む。界面における半径方向の位置に応じて、血漿又は赤血球のいくらかの流れが第2の出口流路330中で起こり得るが、このような流れは好ましくは界面のこのような位置を変化させない。
【0099】
その他の流れのパターンが可能であり、界面の半径方向のその他の位置に依存し得る。例えば、過剰流出状態、すなわち赤血球が血漿又は血小板を伴って第1の出口流路328を通じてチャンネル外に流出する状態においては、界面は半径方向内側に移動し、第2の出口流路330は赤血球を回収領域346からチャンネル310の外へ流出させることを可能にする。過小流出状態、すなわち血漿又は血小板が赤血球を伴って第3の出口流路332を通じてチャンネル外に流出する状態においては、界面は半径方向外側に移動し、第2の出口流路330は、血漿又は血小板のいくらかを第1の出口流路328から第3の出口流路332へと流入させることを可能にし得る。
【0100】
D. 血液処理チャンバの第4の実施形態
図23及び24は、以下にさらに詳述されるであろうある種の改変を除いて図19−22のチャンバ300と同一の(全ての同一の部品は同一の数字で特定され、さらなる記述は行わないものとする)、通常360において示されるチャンバを説明する。図19−22の実施形態と比較して、図23−24は、インレット326の開口25が外部側壁部308に対して近い半径方向の位置に配置されていることを示す。従って血液は、外部(高−g)壁部308に対して接線方向の配置においてチャンネル310に入ることを可能にされる。このような配置が血液成分の分離を助け、及び/又はインレット326を通過する流速が低下した場合又は停止された場合の血液成分の逆流を回避し得る。
【0101】
インレット326は、外部側壁部308の半径方向外側部分309Cにより規定される。内壁322のエッジ323は、この部分309Cから半径方向に間隔をおいて配置されており、この壁部308におけるより下流の部分で外部側壁部308の半径方向の位置に近い半径方向の位置において配置される。インレット326を通って流れる流体は、エッジ323の半径方向外側の位置へと内壁322に沿った路をたどり、次いで開口325を通じてチャンネル310へ入る。
【0102】
E. 血液処理チャンバの第5の実施形態
図23A及び24Aは、チャンバ360A又はそのようなチャンバ内の流体の流れを示し、このチャンバは図23及び24のチャンバ360に類似し、そのようなものとして同じ部品を記述するために同じ数字を後ろにAを付けて表示し、さらなる記述は行わないものとする。
【0103】
図23及び24の実施形態と比較して、図23A及び24Aの第1の流路344Aは、チャンバ360Aの底部において端壁部314Aに隣接した軸方向の位置に配置されている。第1の流路344Aは、端壁部314Aの表面により規定され得る。この点について、第1の流路344Aへの流体の流れは、チャンネル310Aの底部に対し、その軸方向の程度が原則的に増加していなくてはならない。バリア336Aの下流側で、その流体はチャンネル310Aの上面に向かって軸方向に移動し、開口347Aを通じて回収領域346Aへ入る。図24Aに示されるように、この流体は、チャンネル310Aの底部における第1の端壁部314A及びそのチャンネル上面の第2の端壁部(非表示)の間のチャンネル310Aの容量における相当の割合を占める。
【0104】
図23及び24の実施形態と比較して、図23A及び24Aのチャンネル310Aは、バリア上流の位置における出口流路328Aへの開口を欠く。図23A及び24A中、第1の出口流路328Aへの開口327Aは、バリア336Aの上流側338Aの位置またはわずかに下流の位置のいずれかにあるチャンネル310A中に配置される。前述のように、血小板に富んだ又は血小板に乏しい血漿のいずれかは開口327Aに入り、接合部352の半径方向内側を流れてチャンネル310Aを出るか、あるいは第2の出口流路330Aへと流れ込むことができる。第1の流路344Aはバリア336の上流及び下流側である338A及び340Aの間の流体連通を可能にするが、チャンネル310Aの外側への出口流路は形成しない。第1の流路344Aを通じて流れる赤血球は、好ましくはバリア336Aの下流における第3の出口流路332Aを通じてチャンネル310Aを出る。
【0105】
F. 血液処理チャンバの第6の実施形態
図25−27はチャンバのさらなる実施形態を示し、その形態は、それぞれ半径方向に間隔をおいて配置された内部(低−g)側壁部372及び外部(高−g)側壁部374と、第1及び第2の端壁(第1の端壁部376のみが示されている)を有する370において概ね示される。この壁部372、374及び376はともにチャンネル378を規定する。
【0106】
インレット379は向かい合う内部半径壁377及び381の間に規定される。この内壁377の一方は外部(高−g)壁部と連結し、チャンネル378の上流及び下流端部を分離する。図19−22の実施形態と同様に、この内壁は、外部又は高−g側壁部374に隣接する位置におけるチャンネル378の上流端部へと流体を流れ込ませるチャンバ370のインレット通路379を規定する。ダム又はバリア380はチャンネル378の下流端部に形成され、上流側382及び下流側384を有し、外部側壁部374から、内部側壁部372から半径方向内側に離れて配置されたある位置まで伸びている。このバリア380は以下にさらに詳細に記述されるであろう。
【0107】
図26−27中で、第1の流路386(図26)はバリア380の上流側382及び下流側384の間を連絡する。図27中、この第1の流路386は、底端壁376の上方及び上端壁(表示せず)の下方に配置された中間の軸方向の位置において配置される。図18−24の実施形態と同様に、バリア382のちょうど上流及び下流の外部側壁部374における部分373及び375(図26)は、この外部側壁部374におけるより上流の部分から半径方向外側に伸びている。第1の流路386の外部半径表面は、好ましくは、外部側壁部374におけるこれらの半径方向外側部分373及び375のうちの1つ以上により部分的に形成される(この部分373及び375は図27中では表示から除かれる)。第1の流路386における向かい合った内部半径表面は、好ましくは、外部又は高−g壁部374のそれと近い半径方向の位置において形成される。
【0108】
388で通常示される第2の流路も、バリア380の上流及び下流側である382及び384の間を連通する。27に示すように、第2の流路388の開口400は、好ましくは、チャンネル378のより上流の位置から第2の流路へと流体を流すことを可能にする。第2の流路388は、好ましくは、図25−27中に示されるチャンバの上面の上に通常配置される第2の端壁部(非表示)の表面により規定される。中間端壁部398は第2の流路388の下表面を規定し、以下でより詳細に記述するものとする。図26及び27で示されるように、第2の流路388は、半径方向でない部分及び半径方向の部分である387及び381をそれぞれ含む。半径方向でない部分387は、好ましくは、内部側壁部372及びバリア380における半径方向内側表面の間の空間により規定される。半径方向の部分である389は、バリア380の下流側384及び内部半径壁伸長部分404により規定される。この内部半径壁伸長部分404は、内部及び外部側壁部である372及び374の中間の半径方向位置に配置される外部エッジ405にて終結する。
【0109】
チャンバ370はさらに、第1の及び第2の出口流路390及び392をそれぞれ含み、これらは向かい合う内部半径壁表面により規定される。第1の出口流路390はバリア380の上流に配置される。第2の出口流路392はバリア380の下流に配置される。第1の及び第2の出口流路390及び392は、チャンネル378から第1の出口流路390は、好ましくは内部側壁部372に配置される開口391から半径方向内側に延在する。第2の出口流路392は、開口396から半径方向内側に延在する。このような開口396は、バリア380の下流に配置され、内部半径壁377へと延在する回収領域394と連絡している。その他の角度及び方向も可能ではあるが、好ましくは第1の出口流路390は、第2の出口流路392から約45度の角度で配置される。
【0110】
図26及び27中、回収領域394は、少なくとも部分的に、そのより下方の境界において、チャンネル378における第1の端壁部376の上方に配置される端壁部398によって規定される。回収領域394の上面は、好ましくはチャンネル378の上面で端壁部(非表示)により規定される。回収領域394はまた、外部側壁部374の部分375及び内部側壁部372の間に通常規定される。流体は第1の流路386を通じて回収領域394へ入ることができ、血漿及び赤血球の間における界面の配置に依存して第2の流路388へ入ることもできる。回収領域394からの流体は、チャンネル378からの除去のため、アウトレット396を通じて第2の出口路392を出ることができる。
【0111】
図26は、内部(低−g)及び外部(高−g)壁部である372及び374の中間に半径方向に界面が配置される標準的な条件での血漿P及び赤血球RBCの相対位置を示す。血漿又は血小板に富んだ血漿は、好ましくはバリア380の上流における第1の出口流路390中の開口391を通じて回収される。さらに下流で、血漿の一部は開口400へと流入し、第2の流路388の少なくとも一部を通過することができる。第2の流路388へのこのような血漿の流れの範囲は、血漿及び赤血球の間における界面の配置に依存するであろう。例えば、血漿及び赤血球の間におけるこの界面は、好ましくは、標準的な条件において、内部半径壁伸長部分404のエッジ405又はその近傍に配置される。このような条件において、第2の流路388への血漿の流れは、好ましくは、界面を動かしその回収を行うためにさらなる処理ステップが実行されるまでエッジ405の半径方向内側に維持される。赤血球RBCは第1の流路386を通じて回収領域394へと流れ込み、第2の出口流路392のアウトレット396を通じてチャンネル378を出ることを可能にされる。
【0112】
G. 血液処理チャンバの第7の実施形態
図28−30は、410で概ね示す血液処理チャンバのさらなる実施形態を示す。先の実施形態と同様、チャンバ410は半径方向に離れて位置する内部及び外部側壁部412及び414をそれぞれ有し、またチャンバ410の上面の端壁部(非表示)と向かい合うチャンバ410の底部の端壁部を有する。内部及び外部側壁部412及び414と端壁部は共にチャンネル418を規定する。
【0113】
図29中、半径方向に向いた内壁420及び422は、チャンネル418に通じるインレット424を規定する。内壁422はチャンネル418の上流及び下流端部を分離するため外部側壁部414へと完全に延在している。図23−24の実施形態と同様に、インレット通路424の開口425は外部側壁部414の半径方向の配置に対して接線方向の半径方向に配置されている。好ましくは、内壁420は、流体をチャンネル418へと方向付けるために外部側壁部414の半径方向外側壁部413から半径方向に間隔をおいて位置するエッジ443で終結する。このようなエッジ443は、外部(又は高−g)壁部414の半径方向の配置付近に配置され得る。
【0114】
図29中、バリア426は通常、チャンネル418の下流端部に配置され、上流側及び下流側である428及び430とをそれぞれ含み、半径方向内側の及び外側のエッジ432及び434をそれぞれ含む。図29及び30中、バリア426は、チャンネルの相当な軸範囲に沿って内部及び外部側壁部412及び414を連結する。図30中に示されるように、バリア426は、好ましくは、中間端壁部460から端壁部416へと軸範囲に沿って、チャンネル418の底部において内部及び外部側壁部412及び414を連結する。
【0115】
中間端壁部460の上方で、バリア426の内部及び外部半径エッジは、バリア426の周囲を流れることを可能にするために連結されない。図30中に示されるように、内部エッジ432は、チャンネル418の上面から中間端壁部460までの軸範囲に沿って半径方向に内部側壁部412から間隔をおいて配置される。内部エッジ432は、部分的に、第1の出口流路446を通じてチャンネル418からの出口開口448を規定する。バリア426の外部半径エッジ434は、外部側壁部414のポケット又は部分415から間隔をおいて配置される。このような部分415は、そのような部分の上流の外部側壁部414において半径方向外側に配置される。第1の流路440は、このようなエッジ434及び上部端壁部(非表示)から中間端壁部460へと延在するこのような部分415との間を規定する。バリア426の外部半径エッジ434の半径における位置は、好ましくはこのような上流の位置における外部側壁部414の半径方向の位置付近にある。図30において最もよくみられるように、中間端壁部460の下方で、バリア426の内部及び外部エッジ432及び434が、側壁部412と414及び/又はそれらの間になんらの間隔も有さない部分415の間に完全に延在しており、バリア426は、チャンネル418の長さの相当部分に沿って内部及び外部側壁部412及び414を連結する。
【0116】
図29中に示されるように、バリア426は半径方向内側又は尾部436をも含む。尾部436は内部側壁部412の半径方向内側へと延在し、接合部438にて終結する。尾部436及び内部半径壁442、444及び422は、示されるような複数の出口路446、450及び454を規定する。図29中、第1の及び第2の出口流路446及び450は接合部438にて互いに流体的に連通する。好ましくは、図28−30中に示される出口路446、450及び454に対する開口はいずれもバリア426の上流の位置に配置されない。
【0117】
前述のような第1の出口流路446に対する開口448は、バリア426の内部エッジ432及び内部側壁部412の間に規定される。このような開口448は部分的にバリア426により規定され、従って、バリアの上流に配置される。第2の出口流路450は第1の出口流路446のさらに下流に配置され、バリア426の上流に何らの開口を有さない。第2の出口流路450の開口451及び453は通常、第1の及び第3の出口流路446及び454の間の連通を可能にし、このような開口451及び453はバリア426の下流に配置される。先に論じたように、血漿は、第1の出口流路446から第2の出口流路450へと界面の半径方向の位置に依存して流れることができる。第3の出口流路454は第1の及び第2の流路450及び452の下流に配置され、好ましくは、チャンネル418からの赤血球除去を可能にする開口456を含む。第1の流路440は、バリア426の上流及び下流側の連通を可能にするが、流体がバリア426の上流のチャンネル418を出るようにはしない。従って、チャンネル418は、バリア418の上流のチャンネルから流体を除去するための何らの開口を有しない。
【0118】
チャンネル418は、バリア426の下流の回収領域458(図29及び30中破線で示される)をさらに含む。回収領域458は通常、チャンネル418の上面及び中間端壁部460の間に規定される。回収領域458はまた通常、内部壁部412及び外壁部414の部分415に相当する半径方向の位置の間に規定される。本明細書中で論じられる多様な実施形態により意図されるように、回収領域458の大きさ及び位置は特定のチャンバのデザインに依存して変化し得る。上述の実施形態同様に、第1の流路440及び第2の及び第3の出口流路450及び454は、開口453及び456を通じて、回収領域458との連通を可能にする。
【0119】
血漿又は血小板に富む血漿は、血漿及び赤血球の間における界面の半径方向内側に回収される。このような血漿は、好ましくは、開口448を通じて第1の出口流路446へ、またチャンネル418の外へ流れることを可能にされる。界面の半径方向外側で、赤血球は第1の流路440を通じて回収領域458へと流れ、また第3の出口流路454を通じて外へ出ることを可能にされる。第2の出口流路450は血漿及び赤血球の間における界面の位置に依存して血漿又は赤血球又はその両方を含み得る。標準的な条件においてこの界面は、好ましくはバリア426の外部エッジ443及び内部エッジ432における半径方向の位置の間に維持される。その他の流れのパターンが可能ではあるが、このような条件のために、第2の出口流路450は主として、界面のこのような位置の上方での血漿の流れを可能にする。
【0120】
H. 血液処理チャンバの第8の実施形態
図31−34は410Aにおいて通常示される血液処理チャンバのさらなる実施形態を示す。410Aは図28−30中に論じられたチャンバ410と類似し、そのように類似する部分は「A」の文字を後に続けて記号表示することにより、同じ数字を用いて示すものとする。図28−30の実施形態と比較したとき、図31−34のチャンバ410Aはバリア426Aを含み、このバリアは図28−30中のもののように尾部を有して形成されていない。その代わりに、分離した中間半径方向伸長壁部436Aがバリア426Aの下流に間隔をおいて配置され、1以上の出口流路の1部分を形成する。
【0121】
図28−30の実施形態と同様に、図31−34のチャンバ410Aは半径方向に間隔をおいて配置された内部及び外部側壁部412A及び414A及び向かい合った端壁部を含み、第1の端壁部426Aは図34中に示される。これらの壁部412A、414A及び416Aはともにチャンネル418Aを規定する。向かい合った内壁420A及び422Aはインレット424Aを規定する。
【0122】
図28−30の実施形態と同様に、図33及び34中の開口又は通路448Aはバリア426Aの内部エッジ432A及び内部側壁部412Aの間に規定される。図28−30の実施形態と比較した時、図31−34中のこのような開口448Aは第1の出口流路446Aと連通するが、第1の出口流路446Aへの開口は形成しない。その代わりに、第1の出口流路446Aはバリア426Aの下流に配置され、バリア426Aの下流の位置において内部側壁部412A中に形成される開口449Aから半径方向内側に延在する。第1の出口流路446Aの一部は中間半径方向伸長壁部436A及び内部半径壁444Aの間に規定される。
【0123】
図32中に示される半径方向内側の位置において、中間壁436Aは接合部438Aにて終結する。接合部438Aの半径方向内側で、第1の出口流路446Aは内壁442A及び444Aの間で規定される。接合部438Aで、第1の出口流路446Aからの流体は、第2の出口流路450Aへと半径方向外側に流れるか、又はチャンネル418Aからの除去のための第1の出口流路を通じて半径方向内側に流れることができる。
【0124】
図32−34中、第2の出口流路450Aは、バリア426Aの下流の内部半径壁442A及び中間半径方向伸長壁部436Aの間に規定され、開口451A(図32)及び453A(図34)を含む。実際の流れは界面の半径方向の位置に依存するが、前述のように第2の出口流路450Aは通常第1の及び第3の出口流路446A及び454Aの間を連通する。第3の出口流路454Aはバリア426Aの下流の内部半径壁442A及び422Aの間に規定され、開口456Aを含む。従って、図32−34中に示されるように、出口流路446A、450A及び454Aのそれぞれとその相当する開口は、バリア426Aの下流のチャンネル中に配置される。
【0125】
図32−34中、回収領域458Aは、バリア426Aの下流の中間端壁部460A及びチャンネル418Aの端壁上面(非表示)のほぼ中間に規定され、さらに内部側壁部412A及び外部側壁部414Aの半径方向外側部分415Aのほぼ中間に規定される。第1の流路440Aはバリア426Aの上流及び下流側428A及び430Aの間を連通し、回収領域456Aとの流体連通している。バリア426Aの下流で、開口449A、453A及び456Aの1以上は界面の半径方向の位置に依存して回収領域458Aと連通する。
【0126】
図33及び34中に最も良くみられるように、中間半径方向伸長壁部436Aは半径方向外側エッジ439Aにて終結する。半径方向外側エッジ439Aは半径方向の位置にて回収領域458A中に配置され、半径方向中間内部及び外部側壁部412A及び414Aの中間に存在する。隣接する内壁442Aの半径方向外側エッジ443Aも回収領域458Aへと延在し、中間半径方向の位置に配置され、その位置は好ましくは他方のエッジ439Aにおける半径方向の位置の半径方向外側である。標準的な条件において、界面は、好ましくはエッジ439A及び443Aにおける半径方向の位置の中間に配置される。界面の半径方向上方の血漿又は血小板に富む血漿は、好ましくは第1の出口流路446Aへの流れを可能にされ、接合部438Aにて半径方向内側方向又は半径方向外側方向のいずれかに流れ得る。界面の半径方向外側の赤血球は、好ましくは第3の出口流路454Aへと流れ込み、チャンネル418Aを出ることを可能にされる。
【0127】
I. 血液処理チャンバの第9の実施形態
図35−38を参照し、チャンバのさらなる実施形態が410Bにて概ね示される。チャンバ410Bは図31−34で示されるように先のチャンバ410及び410Aと類似し、そのように、チャンバ410Bを記述するために文字「B」を含むアルファベットと数字からなる参照が使用されるであろう。図31−34の実施形態と比較した時、図35−38のチャンバ410Bにおける外部側壁部414Bは半径方向外側部分又はポケットを含まない。
【0128】
前述のように、第1の流路440B及び通路448Aは、バリア426Bの上流及び下流側の間を連通し得る。第1の流路440Bはバリア426Bの外部半径エッジ434B及び外部側壁部414Bの間の軸方向において規定され、チャンネル418Bの端壁上面(非表示)から中間端壁部460Bへと半径方向に延在する。開口又は通路448Aは、内部側壁部412B及びバリア426Bの内部半径エッジ432Bの間に半径方向において規定され、チャンネルの上面と中間端壁部460Bとの間に軸方向において規定される。バリア426Bは、中間端壁部460Bの下方でチャンネル418Bの半径範囲にわたって完全に延在し、内部及び外部側壁部412B及び414Bをチャンネルの底部までの間の全てにわたり連結する。
【0129】
図36及び37中に示されるように、回収領域458Bは、相当する開口449B及び456Bを通じて2つの出口流路446B及び454Bと連通し、好ましくは血漿及び赤血球をチャンネル418Bからそれぞれ除去することを可能にする。回収領域458Bはバリア426の下流に間隔をおいて配置され、出口流路446B及び454Bの上流に間隔をおいて配置される中間半径方向伸長壁部436Bをさらに含む。図31−34の実施形態と比較した時、図35−38の中間半径方向伸長壁部436Bは内部側壁部412Bの半径方向内側に延在しない。図36中に最も良くみられるように、中間壁部436Bは内部及び外部エッジ438B及び439Bをそれぞれ有し、それらのエッジは好ましくは、相当する内部及び外部側壁部412B及び414Bから間隔をおいている。この手段における流れの必要性に応じ、半径方向伸長壁部436Bのその他の配置が可能ではあるが、図37及び38中で、半径方向伸長壁部436Bは、好ましくは、チャンバ410Bの部分を準備することを可能にし得る内部側壁部412Bとより近くの位置に配置される。
【0130】
図37中、血漿及び赤血球の間の界面は、好ましくは、標準的な条件、すなわち過剰流出又はそれ以上の条件にない時には、ほぼエッジ439B及び443Bの間に配置される。界面の半径方向内側の血漿は、好ましくはチャンネル418Bからの血漿除去のために回収領域458Bから開口449B及び出口流路446Bへと流れる。界面の半径方向内側の赤血球は、好ましくはチャンネル418Bからの赤血球除去のために開口456Bへと流れ込み、出口流路454Bを通過して流れることを可能にされる。
【0131】
J. 血液処理チャンバの第10の実施形態
図39−42Bは、通常500で示される血液分離チャンバのその他の実施形態をチャンバ500内の血液を移動する路を示す図41と共に示す。既に論じられた先の実施形態と共に、チャンバは500内部及び外部側壁部502及び504をそれぞれ含み、また向かい合う端壁部(一方の端壁部506が図39中に示されている)を含み、それらがともにチャンネル508を規定する。外部側壁部504は、より上流の位置の外部側壁部504における半径方向外側に配置された半径方向外側部分505(図39及び40A)を含む。
【0132】
2つの半径方向内部半径壁510及び512は、通常ハブ501から外側に延在する514においてインレットを規定する。図42A中に最も良く示されるように、インレット514は、通常異なる方向に配置されるいくつかの部分546、548、550及び552を含む。第1の部分546は内部半径壁510及び512の間のハブ501における半径方向外側へ延在し、部分的に上部端壁部(非表示)により規定される。第2の部分548は第1の部分546の1つの端部から軸方向に方向づけられ、チャンバ500の上部端壁部及び中間軸位置の間に規定される。第3の部分550は第2の部分548の1つの端部から半径方向に方向づけられ、インレット514の第1の部分546から軸方向に分岐する。第3の部分550のその他の端部はほぼ外部側壁部504に近い半径方向外側の位置において規定される。第4の部分552は通常第3の部分550に対し直交して配置され、流体をチャンネル508へと入ることを可能にさせるためにチャンネル508の上流端部へ向けて方向づけられる。図41中、第4の部分552により規定される流体路はチャンネル508により規定される流体路とほぼ平行である。図41中に示されるように、流体は、チャンネル508の上面において上部端壁部から軸方向に間隔をおいた位置でチャンネル508に入る。
【0133】
先の実施形態と同様に、図39中のチャンネル508は通常516で示されるバリアを含み、それは上流及び下流側518及び520を有している。バリア516は通常外部側壁部504に対し垂直に延在する。図40A及び42B中、バリア516の外部エッジ522は、中間端壁部536の上方に半径方向外側部分505から間隔をおいて配置され、これが第1の流路524(図40A及び41中で最も良くみられる)を規定する。中間端壁部536の上方で、第1の流路524がバリア516の外部半径エッジ522周辺での流れを可能にする。エッジ522は外壁部504の位置に近い半径方向の位置を有する。第1の流路524は、好ましくはチャンネル508の上部端壁部(非表示)及び中間端壁536の間で軸方向に規定され、この中間端壁はチャンネルの底部端壁部506から間隔をおいている。バリア516の周辺の流れが通常許可されないようにするために、中間端壁536の下方で、外部半径エッジ522は外部側壁部504又はその部分505を連結する。
【0134】
図40、40A及び42B中、バリア516は、好ましくは内部側壁部502における半径方向内側の半径方向の位置へと半径方向内側に延在する。バリア516は第1の及び第2の出口流路526及び528の間の隔壁を形成する。図40及び40A中に示されるように、第1の出口流路526はバリア516の上流側518及び内部半径壁530の間に規定される。このような路への開口又はアウトレット532は、バリア516の上流のチャンネル外部へと流れることを可能にするために、内部側壁部502において配置される。第2の出口流路528はバリア516の下流に配置され、開口534を含む。第2の出口流路528はバリア516及び内部半径壁512の間に規定される。内部半径壁512の半径方向外側エッジ513は内部及び外部側壁部502及び504における中間の半径方向の位置に配置される。このようなエッジ513は、好ましくはバリア516の外部エッジ522の半径方向内側にある。
【0135】
図40Aに最もよくみられるように、回収領域538はバリアの下流に配置される。回収領域は、好ましくは、上部端壁部(非表示)及び底部端壁部506間隔をおいた中間端壁部536(図42Bも参照)の間に軸方向に規定される。回収領域538は第1の流路524と流体連通している。図40A中、回収領域538は、好ましくは、内部側壁部502及び外部側壁部504の半径方向外側部分505の間におけるその半径範囲中に規定される。開口534は、1以上の液体成分の流れを可能にし、好ましくは赤血球をチャンネル508から除去するために出口流路528を通じ外へと出すために、回収領域538と連通する。
【0136】
図40A中、回収領域538は、内部半径壁512の右側に配置された半径通路540をさらに含む。通路540は、内部半径壁512及び外部側壁部504から半径方向内側に延在する伸長部分542の間に規定される。通路540は内部側壁部502へと延在し、非半径通路544を通じて、図40A中右側に配置されたチャンネル508の部分と連通する。伸長部分542は内部及び外部側壁部502及び504における中間の半径方向の位置において終結し、好ましくは、エッジ513における半径方向内側の半径方向の位置において終結する。伸長部分542は、従って、内部側壁部502に隣接する位置に非半径通路544を配置する。好ましくは、半径通路及び非半径通路540及び544の両方が上部端壁部(非表示)及び中間端壁部536の間に軸方向に規定される。
【0137】
図40A中に示されるように、通路540及び544は通常、チャンネル508の上流及び下流端部の間の連通を可能にする。これらの点で、通路544は、好ましくは通路544の右側のチャンネル508における部分から回収領域538へと血漿が流れることを可能にする。図41中に示されるように、血漿は伸長部分542の左側を流れる。血漿は、好ましくは、界面がエッジ513及び522の間のほぼ半径方向の位置において配置される時、回収領域538へと流れ込む。前述のように、図42Aは、インレット514及び、チャンネル508への通路540及び544周辺の路を迂回するために配置されるその部分546、548、550及び552を示す。内部側壁部502におけるインレット部分552を位置づけることが、成分が十分な分離を受ける機会を得る前の全血又はその他の流体が回収領域538への流入を回避することを助ける。
【0138】
図40A、血漿は、好ましくは図40Aにおけるバリア516左側の第1の出口流路526における開口532を通じてチャンネル508を出る。血漿はまた、界面における半径方向の位置の上方に多量の血漿を維持するために、通路544を通じてバリア516の右側の回収領域53へと流れることを可能にされる。赤血球は、好ましくは第2の出口流路528を通じて外に出る。標準的な条件の間、回収領域538中の界面は、好ましくは、バリア516の外部エッジ522及び内壁512上に形成されるエッジ513の間に配置される。血漿は、界面の半径方向内側における回収領域538の少なくとも一部の容量を満たすために、通路544を通じて供給される。エッジ513の半径方向の位置が血漿を第2の出口流路528へと流すことを可能にしないことが好ましい。
【0139】
III. 濃縮された血小板の回収手順を実行するためのシステムの使用
任意の上述の実施形態を、好ましくは血漿回収手順、二重赤血球回収手順、及び血小板回収手順ならびにその他の回収手順等の多様な生体液回収手順に対して利用することができる。このような手順は前述のデバイス14及びコントローラ16を伴う血液フローセット12により行われる。図43−48中の血液分離チャンバは、通常、前述の任意の実施形態における構造を含み得る参照番号18により参照される。
【0140】
以下にいくつかの血小板回収手順を記述するものとするが、上述の実施形態はその他の回収手順及びのために使用することができ、また、1以上の回収手順を使用することができることが理解される。一例としてであり、限定されるものではないが、典型的な血漿及び二重赤回収手順は上記に特定された少なくとも1つの特許又は特許出願中に記述されており、本明細書中に参照により取り込まれるものとする。さらに、本明細書中に記載される任意の実施形態が、関係各国で許可された量の1以上の血液成分を回収するために使用され得る。血小板に富む濃縮物の回収を以下の詳細に記述するが、任意のこれらの方法が、その最も広い解釈においてその他の生体液成分ならびにその他の血液成分を含み得ることが意図される。
【0141】
A. 血小板回収のための再循環
図43−45は血小板回収のための方法を概略的に示す。図43中、液体成分、好ましくは全血がチャンバ18にポンプで送り込まれる。この血液は血液ソース、好ましくはドナーからのいずれかからチャンバ18へと流れ込むか、又は血液ソースからの血液がチャンバ18により次なる処理のために一時的に保管される工程中のインプロセス容器158から流れ込む。全血WBは、インプロセスポンプIPPのポンピング等によって、インレット流線102を通じチャンバ18へと流れることを可能にされる。
【0142】
チャンバ18内で、図11におけるような密度をベースにした液体成分の分離が起こる。上述のように、この分離のさらなる詳細は、Brown, ”The Physics of Continuous Flow Centrifugal Sell Separation, ”Artificial Organ, 13(1) : 4−20 (1989)において説明されている。赤血球RBC等のより高密度の成分外部又は高− 側壁部に向かって力を受け、血小板に乏しい血漿等のより低密度の成分は内部又は低−g側壁部に向かって力を受ける。図11中、その界面は使用される特定の手順に依存して変化し得るものではあるが、赤血球及び血漿の間の界面は、血小板及び白血球の少なくとも一部を含むバフィーコート層を含む。
【0143】
界面を形成させるために十分な時間が経過した後に、流体は、手順の必要性に応じて、界面のいずれかの側から又はその両側から、それぞれのアウトレットチューブ104又は106を通じ別々に回収されることができる。例えば、いくらかの血小板に乏しい血漿PPPは、アウトレットチューブ106を通じて界面の半径方向内側に回収され、血漿回収容器160へと回収されることができる。いくらかの赤血球RBCは、アウトレットチューブ104通じて界面の半径方向外側に回収され、赤血球回収容器162へと回収されることができる。上記チャンバにおける前述のバリアは、好ましくはこのような血漿又は赤血球回収の間にバフィーコート中に含まれる血小板の蓄積を可能にするが、血小板の回収はまだ開始されない。
【0144】
血小板を回収する前に、液体成分において過小流出状態(under spill condition)が与えられることが好ましい。この過小流出状態を図13に示す。光学センサー148が、通常は赤血球がそれを通じて出るチューブ104から血漿の一部が出ることを検知する。過小流出状態は、アウトレットチューブ104中の成分を通過する光の光学的透過率に基づいて経験的に測定される。光学センサーのデータはヘマトクリット値へと変換される。アウトレットチューブ104のヘマトクリット値における減少は過小流出状態を検知する。過小流出状態にさせることが、通常の回収操作の間における界面の半径方向の位置(図11)と比較して界面を半径方向に外側にさせる(図13)。この過小流出状態は、チャンバ中の得られた流体が約20−40パーセントの範囲のヘマトクリット値を有するまでの赤血球の除去を可能にする。
【0145】
ひとたび所望のヘマトクリット値レベルが達成されると、チャンバ18中の流体は好ましくは所望のヘマトクリット値の範囲内に維持される。例えば、血漿回収容器160への流れを阻止するために血漿の流れは停止され得、チャンバ18からの赤血球の流れもまた停止され得る。このような流れはバルブステーション30の操作により、及び/又は血漿ポンプPP等の1以上のポンプを停止させることにより停止され得る。インプロセスポンプIPPは、より低い流速において操作されることが好ましいが、操作を継続することが可能である。
【0146】
この方法は、チャンバ18内の分離された液体成分の再混合をさらに含む。再混合は好ましくは時計回り及び反時計回りの両方向におけるチャンバの回転により実行される。好ましくは、チャンバ18は、時計回り及び反時計回りの方向に交互に1回以上回転される。再混合のステップは、好ましくは前述のようなものと近似するチャンバのヘマトクリット値を有する血漿、赤血球、血小板及び白血球を含む均一な血液混合物をもたらす。再混合のステップは、これらの時間は変化し得るものではあるが、好ましくは約1−3分で終了する。いずれかの方向へのチャンバの回転は、好ましくは、成分を最初に分離する間の回転速度よりも非常に低下された速度におけるものであり、その他の速度が可能ではあるが、例えば、約300−600RPMの範囲である。1オメガならびにそれらの組み合わせも使用され得るが、本明細書中で用いられる角速度は慣習的には2オメガであることが特筆される。
【0147】
十分な再混合時間の後、チャンバ内の流れが次いでインレットチューブ102からアウトレットチューブ104及び106へと通常方向づけられるようチャンバを同方向に回転させるために、ローターが再始動される。ローターの特定の速度は変化し得るが、そのような速度は2500RPMであり得る。血漿と赤血球の間の界面は再形成され得る。好ましくは、チャンバ18からの血漿及び赤血球の回収は、界面が再形成のために十分な時間を与えられるまでは開始されない。
【0148】
界面が再形成された後、血漿及びインプロセスポンプはアウトレットチューブ106を通じて界面の半径方向内側から血漿を取り除くために作動され、赤血球は流線104を通じて界面の半径方向外側から引き込まれる。図44中に示されるように、両方の成分はチャンバ18を通る再循環のためにインレットチューブ102を通じて逆向きに迂回させられる。再循環の間、血漿又は赤血球は、それらの容器160及び162の中へ全く回収されない。血漿中の血小板濃度は通常、界面から血漿中に懸濁されてくる血小板によって再循環中に増加する。両成分の再循環は、所望の濃度の血小板を有し視覚的に赤血球が少ない血小板に富む血漿を光学センサー146が検出するまで継続する。上記に論じたように、再循環される混合物のヘマトクリット値は約20−40%の間である。再循環は、血漿又は赤血球のいずれか一方のみの成分が所望の通りに再循環されるよう変更されることもできる。
【0149】
本システムの特定の条件に依存してその他のポンプ流速を使用することができるが、再循環の間、好ましくは、インプロセスポンプIPP及び血漿ポンプPPのポンプ流速の比率は60/40である。再循環はまた、血小板に富む血漿と赤血球の間の界面を定着させるために白血球濃度を増加させることを可能にする。このようなポンプの比率が、血小板に富む血漿PRP及び全体の血小板濃縮回収効率を低下させる白血球WBCの数に直接的に影響を及ぼすことも見出されている。一例であって限定されるものではないが、図45A及び45Bは、より高い血小板濃度(図45A)及びより低い白血球WBC濃度(図45B)を有する回収された流体を示す。図45A及び45B中、このような流体は、約25%のチャンバのヘマトクリット値を有する約1250PRMの1オメガ速度で作動された約120cm2の表面積を有するチャンバから回収された。その他の回収効率が、異なるチャンバ表面積、遠心分離速度及びチャンバのヘマトクリット値に対して作成され得る。
【0150】
血小板に富む血漿PRPの再循環は特定の手順に依存して変化し得るが、好ましくは約2−4分間数分間継続することができる。十分な再循環時間の経過後に、血小板に富む血漿PRPは、アウトレットチューブ106を通じて図45中に示されるような血小板濃縮物PC容器161へと回収される。また、図45中に示されるように、血小板に乏しい血漿PPPが、血小板に富む血漿PRPの回収によりチャンバ18内で失われる流体容量を置き換える。血小板に富む血漿PRPの回収が上述されているが、これらの方法が血小板に乏しい血漿及び/又は赤血球の回収を使用することもできる。
【0151】
上述の方法に対し多様な改変が可能である。ひとつの改変は、血液成分の再混合に影響を及ぼす少なくとも2つのポンピング速度の間でインプロセスポンプIPPを作動させることを含む。例えば流体は、時計周り又は反時計回り方向に回転されている第1の流速でインプロセスポンプIPPによってチャンバ18へとポンプで送られ、次いで第2の流速でいずれかの方向に繰り返される。1以上の流速が使用されるところでローターのスピードを減少させることなどにより遠心力は減少され得る。
【0152】
別の改変は再混合中に血漿ポンプPPを作動させることを含む。血漿はアウトレットチューブ106を通じて回収され、インプロセス容器158へと流れ込む。同時に、インレットチューブ102においてこの流れは、チャンバ18からの流体がインレットチューブ102を通じてインプロセス容器158にも流れ込むようにインプロセスポンプIPPを使用して逆向きにされる。インプロセス容器158中の流体は次いでインレットチューブ102を通じてチャンバ18へと逆流され得る。従って、液体成分はチャンバ18の外側で混合され、次いでチャンバ内に再び入る。
【0153】
手順の間の異なる時期における異なる比率に対する回収段階の間、インプロセスIPP及び血漿ポンプPP間のポンプ比率を変更することがさらに可能である。先に論じられたこの方法に対する別のさらなる改変は、血小板に富む血漿PRPが回収された後のチャンバ18内の容量を置き換えるための血小板添加溶液の使用を含む。
【0154】
さらに、チャンバ18の中への、又は外への再循環時間の長さは変更し得る。例えば、再循環時間の長期化は、回収された血小板に富む血漿PRPがより少ない白血球数を有するように半径方向外側へと押し出されることを可能にする。一例としてであり、限定されるものではないが、図45Cは血小板に富む血漿PRPの再循環中の血小板及び白血球の数を示す。図45C中、血漿ポンプの15秒後に生じる第1のサンプルは、その後約1分ごとに採取されたサンプルと共に再循環のため再出発した。サンプル番号#5は、血小板濃縮物容器161への血小板に富む血漿PRPの回収開始後15秒に生じた。白血球濃度は再循環中に減少し、最初の数分間でサンプルごとにほぼ半減した。結果として、再循環時間の長期化は、血小板に富む血漿を含まない沈殿物側により多くの白血球を配分させ、従って、再循環開始時よりも実質的に少ない白血球数を有する、白血球低減化血小板濃縮物を生産する。その他の改変も可能である。
【0155】
B. 血小板回収のための遠心力の低減
血小板回収の別の方法は、チャンバから所望の流体を分離し回収するために遠心力を低減させることを含む。このような流体は好ましくは、高い血小板濃度を有する血小板及び血漿の組み合わせを提供する、血小板に富む血漿PRPである。
【0156】
図43−45の前述の方法と同様に、この方法は流体、好ましくは全血を、前述されるチャンバの任意の1つへと導入することを含む。遠心力は、好ましくは図11中に示される分離をもたらすチャンバの、その軸周辺の回転により加えられる。血小板及び白血球は通常、血漿及び赤血球の間の界面又はバフィーコート層中に定着する。この界面内で、密度に基づき血小板及び白血球間で少なくともいくらかの分離が起こり得る。この点で、血漿に隣接して血小板の薄層が位置し得る。一例としてであり、限定されるものではなく、その他の速度も可能であるが、約4,500−5,000RPMの範囲での回転速度が界面内の血小板層をもたらす。
【0157】
最初の分離後、遠心力が低減される。このような力の現象は好ましくはチャンバの回転速度の減少により実行される。遠心力の減少は、好ましくは界面中に存在する血小板層の拡張をもたらすのに十分であり、それにより図46中に示されるような界面の拡張をももたらす。一例としてであり、限定されるものではないが、好ましくは約2,500RPMの回転速度が厚さ約4−6mmの血小板層を提供する。
【0158】
界面の肥大に際し、界面又はバフィーコートから得られるものと同様の数の血小板を、血小板に富む血漿PRPとして回収することが望ましい。一例としてであり、限定されるものではないが、図12中に示されるものと類似の過剰流出状態(over spill condition)をつくり出すために、回収は、拡張された界面を内部側壁部又は低−g壁方向に半径方向内側へと移動させることにより実行される。この点において、光学センサー146は光学的にアウトレットチューブ106中の血小板の存在をモニターする。このような点において、血小板の十分な濃度がアウトレットチューブ106内に検出される時、流体の流れは血小板回収PC容器161へ流れ込むことを可能にされる。このような点の前に、チャンバ18からの流体の流れは血漿回収容器160へと流れ込み得る。
【0159】
この方法の改変も可能であり、このような改変は、示され本明細書中に記載される特定の構造により限定されない。さらにこの方法は本明細書中に記載される任意のその他の方法と組み合わせることができる。血小板の除去は回収手順の間に2回以上実行される。血小板に乏しい血漿及び/又は赤血球の分離回収等のその他の回収手順をこの方法と組み合わせて実行することも可能である。
【0160】
C. 血小板回収のための反復的界面形成
この方法は界面の片側からの流体の回収を提供し、次いでその界面に、好ましくはこのような流体の異なる回収の実行を可能にする。上記に論じられた方法と類似して、この方法は好ましくは全血をチャンバ内に導入し、その血液を密度に基づいて、図11中に示されるような成分に分離する。その界面又はバフィーコート層は血漿及び赤血球の間における中間半径方向の位置に配置され、血小板を含む。
【0161】
界面内の血小板の回収は過剰流出状態にさせることにより実行され、それによってその界面は図12中に示される内部側壁部又は低−g壁へと力を加えられる。前述のように、血小板は光学センサー146によって光学的にアウトレットチューブ106中でモニターされ、血小板に富む血漿PRPは、光学センサー146が血漿内の十分な濃度の血小板の存在を検知した時に血小板回収容器161へと方向を変えられる。
【0162】
予め決定された回収時間の後に回収は停止され、図11中に示されるように界面は以前の中間半径方向の位置へと戻され得る。このような位置において、界面は、移動されて又は界面からずれた血小板がその界面へと戻って定着するように再形成するための時間を与えられる。界面の再形成のための十分な時間が与えられた後、界面が半径方向内側に移動し、より血小板に富む血漿PRPがアウトレットチューブ106を通じて回収され得るように、別の過剰流出状態が使用される。
【0163】
ひとつの改変において、血小板に富む血漿の除去のステップは少なくとも2回繰り返され得、その界面はそれぞれの連続的な除去事象の間に再構成されることができる。さらなる改変において、この方法は本明細書中に記載の任意のその他の方法と組み合わせることができる。一例としてであり、限定されるものではないが、この方法は上述の遠心力の低減と組み合わせることができる。この方法はまた、別々の血小板に乏しい血漿及び/又は赤血球回収物と組み合わせることもできる。
【0164】
IV. 組み合わされたRBC/血漿回収手段を実行するためのシステムの使用
前述の血小板濃縮物回収手順における回収の代わりに又はそれに加えて、赤血球及び血漿を別々に回収する組み合わされた赤血球及び血漿回収手順を実行するため、前述の任意のチャンバがさらに利用され得る。そのようなものとして、本システム及びその構成要素はこの手順のステップを実行するために必要に応じて改変可能であり、より詳細を以下に記述する。
【0165】
A. 第1の取り出しサイクル
図47中に示されるように、血液供給源BSは、その血液が血液分離デバイス10(図1)及びそのフローセット12(図4−6)により処理され得るように流体的に連通されている。フローセット中への血液の流入を概略的に図47に示す。血液供給源BSは示されるようなドナー又はその他のヒト被験者であるか又は装置と連結されたその他の血液供給源であり得る。このようなドナーは、例えばドナーの腕へと静脈切開針128を挿入することによって、血液分離デバイスに連結されることができる。全血は、通常図47に示されるように、抗凝血剤リザーバー150からそれぞれの流線152を通じて混合される流線126(図5及び6も参照)へと流れることができる。
【0166】
血液供給源BSがデバイスと連結されている時、全血WBは、好ましくは、チャンバ18を満たすためのシステムによって指示されたように適切な流管を通じて移動する。チャンバにエアをパージし、チャンバを生理食塩水で呼び水する及び/又は適切なその他の手順等、1以上の回収前手順を経て、チャンバ18はおそらく血液処理のため準備されている。全血は、チャンバ18が満たされるまでインレット流線102を通じてチャンバ18に入る。全血はまた、血液供給源BSから取り出され、チャンバ18によるその後の処理のためにインプロセス容器158中に一時的に保管される。血液供給源BSから取り出される全血の容量は、例えば本システムの重量計62(図3−6)によって測定される。血液供給源BSからの全血の回収は、一定の予め決められた全血容量に到達するまで、又は上記に論じられたように特定のあるいは全ての戻りサイクルを与えるまでのいずれかまで継続する。一例としてであり、限定されるものではないが、組み合わされた赤血球及び血漿回収手順の間に、この手順は約2単位又は800mlの全血を回収することができる。その他の全血回収容量が可能であり、それは目標とされる容量及び回収される成分のタイプに依存するであろう。
【0167】
上記に論じられた先の方法と類似して、チャンバ18内の全血は図11中に示されるように密度に基づいて成分へと分離できるように処理される。十分な処理時間の後、流体は界面のそれぞれの側から除去される。血漿Pは界面の片側から除去される。赤血球はその界面の別の側から除去される。図47中、血漿Pはアウトレットチューブ106を通じてチャンバ18を出、また赤血球濃縮物RBCはアウトレットチューブ104を出る。
【0168】
第1の及び第2の液体成分、好ましくは血漿及び赤血球は、チャンバからそれらの各々の回収容器160及び162へと移動される。容器160及び162内に回収された各液体成分の容量はまた、回収サイクルの間中測定される。チャンバ18からの成分の処理及び回収は、好ましくは流体回収容器160及び162の少なくともひとつにおける内部容量が予め決定された最低閾値に到達するまでであるが、少なくともひとつの液体成分の目標とされる総量が回収される前まで継続する。容器160及び162のうちひとつの容量が予め決定された最低閾値に到達する時、デバイスは少なくともひとつの血液成分における全て又は部分的な戻りを可能にするために設定される。
【0169】
B. 戻りサイクル
図48中、液体成分の少なくともひとつ、好ましくは赤血球RBCにおける一部がドナーに戻される。この戻りサイクルの間、インプロセス容器158からの全血はチャンバ18へと流れ、また処理される。少なくともひとつの成分が必要に応じて血液供給源へと戻り得るが、好ましくはチャンバ18中の成分の分離及び回収は継続される。図48中、チャンバ18を出る赤血球RBCはドナーへ戻される。手順においてこの点まで回収される赤血球の全ての又は一部はドナーへ戻され得、戻される量は使用される特定の手順に依存し得る。
【0170】
図49は、全ての赤血球が「最後の戻り」においてドナーに戻され、及び全ての血漿がシステム内に保管される組み合わされた赤血球及び血漿手順に関するより詳細な説明を示す。血漿回収容器160内の血漿の容量がシステム内で維持され得る間、手順の必要性に応じて血漿の一部がドナーへと戻され得ることも可能である。
【0171】
流体成分の少なくともひとつの所望の容量が血液供給源へと戻された後に戻りサイクルは終了する。好ましくはさらなる戻りサイクルは開始されない。これらは血液供給源が分離デバイスへと連結されねばならない時間を増加させるだろうからである。
【0172】
C. 第2の取り出しサイクル
戻りサイクルの後に、前述され、また図47中に示されるようにさらなる全血が血液供給源から取り出され処理される。第2の取り出しサイクルの間に血液供給源BSから取り出される全血の量は予め決められた値に基づく。このような値は、好ましくは第1の回収サイクルの間に回収される血漿及び赤血球の量、及びチャンバ18を出る赤血球のヘマトクリット値に依存する。容器160中の血漿の容量データ及び容器162中の赤血球の容量は、好ましくは重量センサー等により第1の取り出しサイクルの間中モニターされ、血液供給源BSに対しこのような成分が任意に戻される前に第1の取り出しサイクルの端部にて測定される。チャンバ18のヘマトクリット値は、アウトレットチューブ104中のセンサー148(図11)を通じて光学的に測定される。本システムは、液体成分の少なくとも1つ又は両方において目標とされる最終容量を達成するために、血液供給源BSからどれくらいの全血が取り出されねばならないか経験的に計算するために容量的な及びヘマトクリットの値を使用する。その計算において、本システムは、すでに回収された血漿又は赤血球の容量が維持されているか、あるいは血液供給源BSへと戻されたかどうかも考慮する。
【0173】
図49の例において、第1の回収サイクル後に維持される血漿の容量は約160mlである。維持される赤血球の容量は0ml又はほぼゼロである。目標とされる血漿及び赤血球の容量はそれぞれ約400ml及び240mlである。これらの目標とされる容量を達成するためにドナーから取り出されるさらなる全血は約480mlであると測定されている。従って、これが第2の回収サイクルの間に取り出されるべき全血の容量である。異なる容量及びヘマトクリット値についてはその他の容量が明らかとなるであろう。
【0174】
D. 分離後の処理サイクル
血液供給源BS又はドナーは、予測される容量の全血が取り出された後にデバイスから分離され得る。全血の処理はデバイスから分離される血液供給源BSを除いた第1の取り出しサイクルのために、図47中に上記されるように繰り返される。全血の処理はドナーの分離後も継続し、従ってドナーがデバイスに対し連結されている必要がある実際の時間を短縮する。すなわち、血液供給源BSがデバイスに連結されている間の総時間量は、全血がデバイスによって回収され処理される間の総時間量よりも少ない。
【0175】
一例としてであり、限定されるものではないが、図49は約21分間の総処理時間を有する約800mlの全血についての回収手順を示す。この手順は、戻りサイクルの間に赤血球がドナーへと戻されるよう維持することを伴って、約400mlの血漿及び約240ml(又は1単位)の赤血球を回収する。ドナーがデバイスに対し連結される総時間は総処理時間よりも少なく、すなわち21分間未満である。なぜならドナーは最後の戻り後に分離され得るからである。図49中ドナーがデバイスに対し連結される総時間は約14分間であり得る。その他の総処理時間及びドナー連結時間が可能であり、手順の目標に依存する。
【0176】
好ましくは、少なくともひとつの血液成分の総目標容量が達成されるまで、又はすべての血液が処理されるまでのいずれかまで、血漿及び赤血球等の少なくとも2つの成分が取り除かれてそれらの各回収容器160及び162中に保管される。さらなる処理又は分離は任意の上述の方法又はその他の回収手順に従って使用され得る。例えば、血小板濃縮物を回収するために任意の1以上の上記方法が使用可能である。血小板プール血漿は、任意の前述の方法に従って界面から血小板を再懸濁するために使用され得る。あるいは、血小板添加溶液又はPASが血小板濃縮物を回収する方法のために使用され得る。従って、この方法は、少なくとも2つの血液成分、血漿及び赤血球ならびに血小板濃縮物を回収するための上述された任意のものと組み合わせることもできる。回収量は特定の国により定められた回収限界に応じて異なるであろう。
【0177】
上記の記載から見て取れるように、本発明はいくつかの異なる態様及び特徴を有し、それらは添付の図面に示された特定のチャンバ又は論じられる特定の手順に限定されるものではない。これらの特徴のバリエーションが、血液分離、処理又は回収のためにその他の手順を実行するためのその他の構造において具現化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】図1は理想的に血液の処理に適応させた流体処理システムの斜視図であり、このシステムは、血液処理装置(輸送及び保管のために閉鎖的条件下で示される)及び使い捨ての液体及び血液フローセットを含み、この血液フローセットは1以上の血液成分(使用前の輸送及び保管のためにトレー中にパッケージされて示される)の分離及び回収をもたらすために上述の血液処理装置と相互作用する。
【図2】図2は、操作のために開かれた状態で示された、図1に示される血液処理装置の斜視図である。
【図3】図3は、血液処理チャンバおよびポンプを受け入れるために開かれた遠心分離ステーション、ならびに流体圧力作動式カセットを受け入れるべく開かれたバルブステーションを伴う、図2に示される血液処理装置の斜視図である。
【図4】図4は、フローセットを本装置に取り付けるために配置された使い捨ての液体および血液フローセットを含むトレーを伴う、図3に示されている血液処理装置の斜視図である。
【図5】図5及び6は、それぞれ、使用のために液体および血液フローセットを本装置に取り付けた後の、図2に示される血液処理装置の右及び左からの側面斜視図である。
【図6】図5及び6は、それぞれ、使用のために液体および血液フローセットを本装置に取り付けた後の、図2に示される血液処理装置の右及び左からの側面斜視図である。
【図7】図7は、血液処理チャンバと、図5および6に示される液体および血液フローセットの一部を形成する、接続された臍状体の斜視図である。
【図8】図8は、図7に示されるタイプの血液処理チャンバにおける一実施形態の内部の斜視図であり、このチャンバは、図5および6に示されている装置を用いて赤血球の分離および収集手順を果たし得る。
【図9】図9は、図7に示されるタイプの血液処理チャンバを受け入れるために開かれたステーションドアを伴う、図5および6に示される装置における遠心分離ステーションの内部の透視図である。
【図10】図10は、使用のために図7に示されているタイプの血液処理チャンバが取り付けられた後の、図9に示されている遠心分離ステーションの内部の透視図である。
【図11】図11は、図7に示さるタイプにおける血液処理チャンバ内部の概略図であり、全血の、標準的条件での層の位置関係を示す、赤血球層、血漿層および中間のバフィーコート(buffy coat)層への分離を示す。
【図12】図12は、図7に示されているタイプの血液処理チャンバの内部概略図であり、バフィーコート層が低G壁に非常に近接した位置へ移動し、回収される血漿中にバフィーコート成分が入り込む、過剰流出状態が創出される様子を示している。
【図13】図13は、図7に示されているタイプの血液処理チャンバの内部概略図であり、バフィーコート層が高G壁に非常に近接した位置へ移動し、回収される赤血球のヘマトクリットの低減をもたらす、過少流出状態が創出される様子を示している。
【図14】図14は、図7に示されているタイプの血液処理チャンバの第2の実施形態の内部上面透視図であり、このチャンバの内部は、図5および6に示されている装置を用いて血漿分離及び回収手順又はその他の手順を実行することができる。
【図15】図15は、図14に示される血液処理チャンバの底面斜視図である。
【図16】図16は、図14に示されている血液処理チャンバにおける内部領域の拡大側面透視図であり、分離ゾーンから赤血球を血漿とは別の路に方向付ける先細の表面を有するバリアを示している。
【図17】図17は、図16に示されている領域の拡大底面透視図であり、赤血球がバリアにより分離ゾーンから方向付けられたときにそれらの赤血球が辿る路を示している。
【図18】図18は、図16に示されている領域の拡大上面透視図であり、赤血球と血漿がバリアにより分離ゾーンから方向付けられたときにそれらの赤血球および血漿が辿る別々の路を示している。
【図19】図19は、図7に示されているタイプのチャンバの第3の実施形態の内部透視図であり、このチャンバの内部は、図5および6に示されている装置を用いて流体分離及び回収手順又はその他の手順を実行することができ、向かい合う端壁部の一方がチャンバの残りの部分から離れて示されている部分図も示している。
【図20】図20は、図19のチャンバの内部上面図である。
【図20A】図20Aは、図20のチャンバの回収領域の拡大された部分上面図である。
【図21】図21は、図19のチャンバの底面斜視図である。
【図22】図22は、断面で示されるチャンバの一部を伴う図19のチャンバの斜視図である。
【図23】図23は、上方端壁部が除去されて示される図7中に示されるタイプのチャンバの第4の実施形態における内部透視図であり、このチャンバは、好ましくは図5及び6中に示される装置を用いた流体分離及び回収手順に使用され得る。
【図23A】図23Aは、図23Aのチャンバがバリア上流のチャンネルからの出口路を何ら有さないこと以外は図23のチャンバと同様であるチャンバの第5の実施形態における透視図である。
【図24】図24は、図23のチャンバの部分上面図である。
【図24A】図24Aは、チャンバ内の流体の路を示すためチャンバが除去されている、図23A中に示されるチャンバにおける流体の流れの透視図である。
【図25】図25は、図7中に示されるタイプのチャンバにおける第6の実施形態であり、チャンバの内部は図5及び6に示される装置を用いた血小板分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図26】図26は、図25に示されるチャンバ内部の上面図である。
【図27】図27は、断面で示されるチャンバ部分を伴う図25のチャンバの部分斜視図である。
【図28】図28は、図7に示されるチャンバの第7の実施形態における内部透視図であり、このチャンバ内部は図5及び6に示される装置を用いた回収手順における流体分離を実行するために構成されている。
【図29】図29は、図28のチャンバの部分上面図である。
【図30】図30は、断面で示されるチャンバの部分を伴う図28のチャンバの部分透視図である。
【図31】図31は、図7に示されるタイプのチャンバの第8の実施形態の内部の上面図であり、チャンバの内部は図5及び6に示される装置を用いた各種流体分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図32】図32は、図31のチャンバの拡大された部分的な左方向からの透視図である。
【図33】図33は、図31のチャンバの円で囲まれた部分における拡大された部分的な上面図である。
【図34】図34は、断面で示されるチャンバの部分を伴う図31のチャンバの拡大された部分的な上面斜視図である。
【図35】図35は、図7に示されるタイプのチャンバの第9の実施形態における内部上面図であり、それは図5及び6に示される装置を用いた各種流体分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図36】図36は、外部側壁部の一部が除去されて示される図35のチャンバの拡大された部分的な透視図である。
【図37】図37は、図35のチャンバの拡大された部分的な上面図である。
【図38】図38は、図37で示されるチャンバの一部のさらに拡大された上面図である。
【図39】図39は、図7で示されるチャンバの第10の実施形態の内部透視図であり、それは図5及び6に示される装置を用いた流体分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図40】図40は、図39のチャンバの上面図である。
【図40A】図40Aは、図39のチャンバの拡大上面図である。
【図41】図41は、チャンバ内の流体の路を示すためにチャンバが除去された、図39に示されるチャンバ内の流体の流れの斜視図である。
【図42A】図42Aは、図40の42A−42Aの線に沿った部分的な断面図である。
【図42B】図42Bは、図40の42B−42Bの線に沿った部分的な断面図である。
【図43】図43−45は、本明細書中に記載の流体回収方法の一つに従って実行され得る流路の概略図である。
【図44】図43−45は、本明細書中に記載の流体回収方法の一つに従って実行され得る流路の概略図である。
【図45】図43−45は、本明細書中に記載の流体回収方法の一つに従って実行され得る流路の概略図である。
【図45A】図45Aは、再循環速度(ml/分で示す)を、予め決定された再循環時間の後に回収される、赤血球と血漿の界面における半径方向内側に回収されたサンプル中の血小板濃度に対してグラフで表したものである。
【図45B】図45Bは、再循環速度(ml/分で示す)を、予め決定された再循環時間の後に回収される、赤血球と血漿の界面における半径方向内側に回収されたサンプル中の白血球数に対してグラフで表したものである。
【図45C】図45Cは、様々な長さの再循環時間の間に観察される血小板及び白血球濃度の両方をグラフで表したものである。
【図46】図46は、図7に示されるタイプのチャンバにおける内部の概略図であり、分離層の少なくとも1つを拡大させるために遠心力を減少させるステップを含むその他の方法と共同する全血の分離を示す。
【図47】図47及び48は、本明細書中に記載のその他の方法と共同して実行され得る流路の概略図である。
【図48】図47及び48は、本明細書中に記載のその他の方法と共同して実行され得る流路の概略図である。
【図49】図49は、本明細書中に記載のひとつの方法と共同して血液供給源に対して液体成の少なくとも一部を回収して戻すサイクルを説明するチャートである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、同時係属中の2002年10月24日に出願された米国特許出願第10/279,765号、表題「細胞性血液成分を含まない又は実質的に含まない血漿を回収するための血液処理システム及び血液処理方法」の利益を主張し、2003年12月31日に出願された米国特許仮出願60/533,820号の利益を主張する。両出願は参照により本明細書中に組み入れるものとする。
【0002】
本発明は該して生体液(例えば、血液もしくは血液成分)又はその他の流体を1以上の成分に分離するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生体液(例えば、全血及び血液成分)を様々な用途のためにその構成成分に分離することはよく知られている。多くの市販の分離システムは遠心分離の原理に基づいており、これらのシステムは密度に従って流体成分を分離する。血液又は血液成分について遠心分離を用いる種々の装置及びシステムが知られており、そのような装置及びシステムには、例えば、Baxter Healthcare Corporation(Deerfield,Illinois)によって販売されているCS−3000(登録商標)、Amicus(登録商標)及びALYX(登録商標)分離装置、Gambro BCT(Lakewood,Colorado)によるSpectra(登録商標)及びTrima(登録商標)分離装置、Fresenius Homecare(Redmond, Washington)のAS104、並びに、Haemonetics Corporation(Braintree,Massachusetts)のV−50及びその他のモデルを挙げることができる。特許文献1、PCT出願公開PCT/US02/31317号、PCT/US02/31319号、PCT/US03/33311号及びPCT/US03/07944号、並びに、特許文献2及び特許文献3中にも様々な遠心分離装置が開示されている。これらの各特許及び特許出願は参照により本明細書中に組み入れるものとする。
【特許文献1】米国特許第6,325,775号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20020094927号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20020077241号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、遠心分離による血液分離装置はよく知られているが、血液又はその他の生体液の1以上の異なる成分を分離及び回収するとき、より小さく、より軽く、より持ち運びしやすく、多目的に利用でき、且つ/又は効率的である装置を開発するための努力は続けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、生体液(例えば全血)の分離のため、並びにオプションとして少なくとも1種類の流体成分を回収するための装置及び方法を含む。
【0006】
本発明の1実施形態にしたがい、軸周り回転式分離チャンネルが提供される。この分離チャンネルは、半径方向に離間された内部及び外部側壁部及び端壁部を含む。また、このチャンネルは軸に相対的な軸長を有する。流体をチャンネルに運ぶインレットが提供され、バリアがチャンネルの内部側壁部と外部側壁部の中間に配置される。バリアは上流側及び下流側を含み、上流側と下流側との間を連通する第1の流路を含む。分離チャンネルは、バリアの下流に位置し、第1の流路と流体連通する回収領域をさらに含む。この回収領域は、端壁部によって少なくとも部分的に規定され、チャンネルの端壁部から軸方向に離れて位置する。さらに、第1及び第2の開口が、回収領域から1以上の流体成分(例えば、血液成分)が流れることを可能にするようにこの回収領域と連通する。
【0007】
本発明の別の実施形態において、チャンネルの外部側壁部のセクションは、バリアの周辺に配置され、かかるセクションの上流にある外部側壁部の半径方向外側に配置される。
【0008】
分離チャンネルのさらなる実施形態において、バリアは、外部側壁部に向かって延在しており、また、チャンネルの軸長の相当の部分に沿って外部側壁部と連結している。第1の流路はバリアの上流側と下流側との間を流体連通させる。
【0009】
分離チャンネルの更にさらなる実施形態において、バリアは内部側壁部内側の半径方向のある位置まで延在し得る。
【0010】
分離チャンネルのさらなる実施形態は、バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路を含み、さらに、第1及び第2の出口流路を含む。第1の出口流路はバリアの上流にあるチャンネルと連通しており、一方、第2の出口流路はバリアの下流にあるチャンネルと連通している。第1の流路と第2の流路は、チャンネルの内部壁部の半径方向内側の位置で連結している。
【0011】
さらに、別の分離チャンネルは、チャンネルからの複数の出口開口をバリアの下流に配置するように提供することができる。この点に関して、このチャンネルは、流体成分がバリアの上流に位置するチャンネルから外に出ることはできない程度に、バリアの上流に出口開口を含まない。第1の流体流路はバリアの上流側と下流側との間を連通させ得るが、チャンネル外部への出口流路は提供しない。
【0012】
分離チャンネルの更にさらなる実施形態において、バリア壁は、チャンネルの側壁部の半径方向外側に向かって延在している。第1の流路はバリアの上流側と下流側との間を連通しており、チャンネルの向かい合う端壁部の一方からは離れて配置されている。分離チャンネルはさらに、バリアの上流側と下流側との間を連通している第2の流路を含み、この第2の流路はもう一方の端壁部の表面によって規定されている。
【0013】
特定の好ましい実施形態について後述するが、本発明の分離チャンネルが、示されるものと同一の構造に限定されるものではないことは理解されるべきである。例えば分離チャンネルは、血液はライナーを通して流れるが再使用可能な部分とは接触させないためにその内部に使い捨ての柔軟な、硬質の、又は半硬質のライナーを配置した再使用可能なプラテン、ボウル又はローターを含み得る。このような場合、チャンネルのプラテン、ボウル又はローターの構造が流体流路の形を規定し、使い捨てのライナーは操作中に対応する形態を呈する。そのようなものの例は、CS−3000(登録商標)、Amicus(登録商標)及びSpectra(登録商標)遠心分離システム中に見ることができる。あるいは、分離チャンネル全体が使い捨て可能であってもよい。例えば、このチャンネルは、血液又は他の生体液がそれを通して処理される、予め成形された形を有する硬質のプラスチックから作られてもよい。当然、使用する間に清潔であって可能であれば無菌であることが必要で、不便かつ時間を費やしてしまう手順の場合には、チャンネル全体を再使用することもできる。記述されかつクレームされた分離チャンネル及び方法は、上述されたようなより具体的な構造の全てを含むという広い解釈(その中に商業的適用を見出し得る)を有することが意図されることを理解すべきである。
【0014】
本明細書中に記載される分離チャンネル又はチャンバは、様々な生体液の分離及び回収手順に対して使用することができる。限定するものではないが、例えば、そのような分離方法のひとつは、通常異なる密度を有する第1及び第2の成分(例えば、血液成分)を含む第1の流体(例えば、全血)を遠心力場に導入する工程、及び、第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程を含む。本方法は、界面の一方の側から第2の流体を、界面のもう一方の側から第3の流体を除去する工程、及び、第2の流体の少なくとも一部と第1又は第3の流体を混合し、この混合した流体を遠心力場に再び導入する工程、及び、第2又は第3の流体の少なくとも一方を遠心力場から除去する工程を含む。
【0015】
上記方法を全血(第1の流体)に適用する場合、第2の流体が実質的に血漿を含んでもよく、第3の流体が実質的に赤血球を含んでもよい。混合した第2の流体と第1又は第3の流体は約20〜40%の間のヘマトクリット値を有し得る。界面の一方の側から除去される血漿の一部は相当な数の血小板を含み得る。
【0016】
本発明の別の方法にしたがって、本方法は、通常異なる密度を有する少なくとも第1及び第2の成分を含む第1の流体(例えば、全血)を遠心力場に導入する工程;第1及び第2の成分成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;遠心力場の力を(例えば、流体を含む分離チャンバの回転場を減少させることにより)減少させる工程;及び、遠心力場の力を減少させた後、遠心力場から第1の流体を除去する工程を含む。
【0017】
この方法の上記工程のうちのいくつか又は全てを、効率を向上させるために反復してもよい。例えば流体成分の除去工程は、複数回の回収サイクルがもたらされるように繰り返されてもよい。上記方法は、血小板を含む血漿を第1の流体成分が含む場合に、全血からの血小板の回収において特定の用途を有し得る。
【0018】
本発明のさらなる方法は、異なる密度の流体成分間に界面を形成させる工程及び再び形成させる工程を提供する。この方法は、通常異なる密度を有する少なくとも第1及び第2の成分を含む第1の流体(例えば、全血)を導入する工程;第1及び第2の成分間(例えば、全血における血漿及び赤血球間)の少なくとも一部に界面を形成させる工程;界面の一方の側の遠心力場から流体を連続的かつ反復的に除去し、界面を再び形成させる工程を含む。
【0019】
本方法を全血に適用した場合、遠心力場から除去される流体は血漿及び血小板を含む。特に、この流体は血小板濃度が高い血漿を含み得る。本方法は、界面の一方の側から流体を除去する工程を少なくとも2回繰り返して行ってもよい。
【0020】
本方法はさらに、血漿又は血小板がそれを通して除去されるアパーチャ又は開口の近傍に界面自体が位置されるように、界面を半径方向内側に移動させる工程を含んでもよい。除去工程を少なくとも2回行う場合には、界面をアパーチャの近傍に移動させる前に、界面を最初の位置に戻してもよい。
【0021】
本発明のさらなる方法は、全血を処理するための方法を含み、この方法はドナー又はその他のヒト被験者又は血液供給源を血液分離装置と連結している時間の量を減少させるために機能し得る。この方法は、血液供給源を分離装置に連結する工程;血液をこの装置によってつくりだされる遠心力場中に導入する工程;及び、少なくとも2つの血液成分間に界面を形成させる工程を含む。この方法はさらに、界面の一方の側の遠心力場から第1の血液成分を除去する工程;界面のもう一方の側の遠心力場から第2の血液成分を除去する工程;第1及び第2の血液成分の少なくとも一方を保管する工程;第1及び第2の血液成分のもう一方の少なくとも一部を血液供給源に戻す工程;及び、さらなる血液をこの血液供給源から取り出す工程を含む。さらなる血液を取り出した後、血液供給源を装置から外し、血液を遠心力場に導入する工程と第1及び第2の血液成分を除去する工程を反復する。遠心力場から除去された第1及び第2の血液成分は所望により後で使用するために保管してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好適な実施形態の説明
図1は、本発明の特質を具体化する液体処理システム10を示している。このシステム10は様々な流体を処理するために使用することができる。システム10は、全血及び他の生物学的細胞性材料の懸濁液を処理するのに特に良く適している。従って、示される実施形態は、この目的で使用されるシステム10を示す。
I.システムの概説
システム10は2つの主要なコンポーネントを含む。これらは以下のコンポーネントである:(i)血液処理装置14(図1では輸送及び保管用に閉じられた状態で示されており、図2及び3では操作用に開かれた状態で示されている);及び(ii)1つ又はそれ以上の血液成分の分離及び回収をもたらすべく血液処理装置14と相互作用する液体及び血液フローセット12(セット12は、図1及び4では使用前の輸送及び保管用にトレー48に包装された状態で示されており、図5及び6ではトレー48から取り出され、使用するために血液処理装置14に取り付けられた状態で示されている)。システム10の部分についてはさらに説明するが、システムの詳細については参照により本明細書中に組み入れられている上記特許又は特許出願の1つ以上に説明されている。
【0023】
A.処理装置
血液処理装置14は長期間使用することができる耐久性品目であることが意図されている。図示されているこの好適な実施形態では、血液処理装置14は、持ち運び可能なハウジング又はケース36の内部に取り付けられている。ケース36は、テーブル面又は他の比較的小さな表面での据え付け及び操作に適したコンパクトな設置面積を提供する。また、ケース36は回収場所へ容易に輸送することができるようにも意図されている。
【0024】
ケース36は、基盤38と、(図1に示されているように)輸送する場合には閉じ、(図2から4までに示されているように)使用する場合には開くヒンジで取り付けられた蓋40とを含む。使用に際し、基盤38は、ほぼ水平な支持表面に置かれるように意図されている。ケース36は、例えば成型により、所望の形状に形作ることができる。ケース36は、好適には、軽量ではあるが耐久性のあるプラスチック材料から製作される。
【0025】
コントローラ16は装置14のボード上に担持されている。コントローラ16は、操作者により選択された血液処理及び回収手順を行うべく、装置14のコンポーネントとフローセット12のコンポーネントとの間の相互作用を管理する。図示されている実施形態では、コントローラ16はメインプロセッシングユニット(MPU)を含み、MPUは、例えばIntel Corporationにより製作されるPentium(登録商標)型のマイクロプロセッサーを含むことができるが、その他のタイプの通常のマイクロプロセッサーを使用することもできる。MPUはケース36の蓋40の内側に取り付けることができる。電源コード184を有する電源は、装置14のMPU及び他のコンポーネントに電力を供給する。
【0026】
好適には、コントローラ16は、操作者がシステム10の操作に関する情報を見て充分に把握することを可能にする対話型ユーザーインターフェース42も含む。図示されている実施形態では、インターフェース42は、蓋40に担持されたインターフェーススクリーンにより実施され、このインターフェーススクリーンは、操作者が英数字フォーマットで、及び図式的な画像として見ることができる情報を表示する。
【0027】
コントローラ16についての更なる詳細はNayakらの米国特許第6,261,065号において見出すことができ、この特許は参照により本明細書に組み入れられる。インターフェースについての更なる詳細はLyleらの米国特許第5,581,687号において見出すことができ、この特許も参照により本明細書に組み入れられる。
【0028】
図1に示されているように、蓋40は、コントローラ16又は装置14の他のコンポーネントへ他の外部装置を結合するための他の入力/出力端子を支持するために使用することができる。例えば、イーサネット(登録商標)ポート50もしくは(情報をコントローラ16にスキャニングするための)バーコードリーダーなどのための入力端子52、又は診断ポート54もしくは血液処理中の血流量を高めるべくドナーに装着された圧力カフ60(例えば図43〜45及び47〜48を参照)へ結合するためのポート56、又はシステムトランスデューサーのキャリブレーションポート58は全て、アクセス用に蓋40の外部に、あるいは装置14のケース36のどこか別な場所に都合良く取り付けることができる。
B.フローセット
フローセット12は一回のみ使用される無菌の使い捨て式品目であるべく意図されている。ある与えられた血液処理及び回収手順を始める前に、操作者は、(図4及び5に示されているように)装置145と共同するフローセット12の様々なコンポーネントを取り付ける。コントローラ16は、操作者から与えられた他の入力を考慮に入れながら、予め設定されたプロトコールに基づいてこの手順を実行する。手順が完了すると、操作者は、装置14との連結からフローセット12を取り外す。回収された1つもしくは複数の血液成分を収容したセット12の部分は装置14から取り出されて保管、輸血又は更なる処理用に保持される。セット12の残りの部分は装置14から取り外されて廃棄される。
【0029】
フローセットは、血液処理チャンバ18、流体作動式のポンプ及びバルブカセット28、アレイ状を為す共同処理容器64、ならびにチャンバ18及びカセット28に結合されたフロー配管を含む。チャンバ18のいくつかの実施形態については以下にさらに詳しく同定される。
【0030】
1.血液処理チャンバ
図示されている実施形態(図5参照)では、フローセット12は、遠心分離機と共同して使用すべく設計された血液処理チャンバ18を含んでいる。処理装置14は、使用するために処理チャンバ18を受け入れる(図5参照)遠心分離ステーション20(図2及び3参照)を含んでいる。
【0031】
図2及び3に示されているように、遠心分離ステーション20は、基盤38に形成されたコンパートメント24を含む。また、遠心分離ステーション20はドア22を含む。ドア22は、(図3及び5に示されているように)開き、これにより処理チャンバ18をコンパートメント24に取り付けることができる。ドア22は、操作中に処理チャンバ18をコンパートメント24内に封じ込めておくため、(図2及び6に示されているように)閉まる。
【0032】
遠心分離ステーション20は処理チャンバ18を回転させる。回転すると、処理チャンバ18は、流体を、好ましくはドナーから与えられた全血を、遠心力にって成分の部分、主に赤血球、血漿及びバフィーコートと呼ばれる中間層に分離し、このバフィーコート層には血小板及び白血球が存在する。以下において説明するように、チャンバ18の構成は意図された血液分離目的に応じて様々に変えることができる。チャンバ18のいくつかの実施形態については以下に説明する。
【0033】
2.流体圧力作動式カセット
図示されている実施形態では、セット12は流体圧力作動式カセット28も含んでいる(図5参照)。カセット28は、ある与えられた血液処理手順に必要なすべてのポンプ機能及びバルブ開閉機能のための集中管理方式によるプログラム可能な総合プラットフォームを提供する。図示されている実施形態では、流体圧力は正及び負の空気圧を含むが、他のタイプの流体圧力を使用することもできる。
【0034】
図5に示されているように、カセット28は、ケース36の蓋40に配置されている空気圧作動式のポンプ及びバルブステーション30において使用すべく取り付けられている。ポンプ及びバルブステーション30は、カセット28を取り付け及び取り外しするためにポンプ及びバルブステーション30を露出する開放位置(図3参照)と、使用するためにカセット28をポンプ及びバルブステーション30内に封じ込める閉鎖位置(図6に示されている)との間を動くことができるようヒンジで取り付けられたドア32を含んでいる。カセット28がポンプ及びバルブステーション30に取り付けられた状態の時、ポンプ及びバルブステーション30はバルブ面ガスケットの後側に配置されたマニホルドアセンブリ34を含む(図4参照)。空気圧が、カセット28中を通って流れるべく液体を方向付ける。
【0035】
3.血液処理容器及び配管
図5及び6に戻って参照すると、フローセット16は、カセット28及びチャンバ18と連通状態にあるアレイ状をなすチューブ及び容器も含む。これらのチューブ及び容器の配列は処理目的に応じ様々に変えることができる。代表的な血液処理手順及びそのような手順に適合する共同的フローセットについては以下に説明する。
【0036】
臍状体100はフローセット16の一部を形成する。取り付けられた時、臍状体100は、シールを回転させる必要性を伴うことなく、回転する処理チャンバ18をカセット28と結合する。臍状体100は、Hytrel(登録商標)コポリエステルエラストマー(DuPont)などの回転応力抵抗性プラスチック材料から製作することができる。
【0037】
次に図7を参照すると、チューブ102、104及び106が臍状体100の近位端部から延びている。チューブ102は分離のために全血を処理チャンバ18内へ運ぶ。チューブ104及び106は、それぞれ、遠心力により分離された赤血球及び血漿を処理チャンバ18から運ぶ。血漿は処理目的に応じて血小板を豊富に含んでいてもよいし、血小板に乏しくてもよい。
【0038】
図7に示されているように、固定具108は、臍状体100に隣接したチューブ102、104及び106を、遠心分離ステーション20の外側に位置する、コンパクトな系統立てられた横並びのアレイにまとめる。固定具108により、チューブ102、104及び106は、チャンバ18の外側の遠心分離ステーション20に隣接して配置された光学的検出ステーション46と連合した一つのグループとして配置及び除去が可能になる(図9及び10参照)。
【0039】
光学的検出ステーション46は、チューブ104及び106により運ばれてきた血液中における標的血液成分(例えば赤血球及び血小板)の存在又は不在を光学的にモニターする。検出ステーション46は、そのような血液成分の存在又は非存在を反映した出力を提供する。この出力はコントローラ16へ伝達される。コントローラ16はこの出力を処理し、部分的にこの光学的に検出された事象に基づいて処理事象を制御するための信号を発生する。光学的検出に基づいて処理事象を制御するためのコントローラの操作についての更なる詳細については、参照により本明細書に組み入れられる、上記特許又は特許出願の一つ以上に記載されている。
【0040】
図示されているように(図5及び6参照)、フローセット16は瀉血針128を含み、この瀉血針を通じてドナーを血液処理するためのシステム10へ結び付けることができる。図5及び6では、フローセット16は血液採取アセンブリ110も含んでいる。血液採取アセンブリ110は、瀉血針128を通じて、ある与えられた血液処理手順の初めにドナーの血液の1以上のサンプルを採取することを可能にする。採取アセンブリ110内への血液の流れを調節するため、通常のマニュアルクランプ114(例えばRoberts Clamp)が設けられている。
【0041】
同じく図5及び6に示されているように、フローセット16はインライン注入部位112を含むことができる。この注入部位112は、必要な場合、技師が、付加的な針による穿刺を必要とせずに、瀉血針128を用いて生理食塩水もしくは別の生理学的液体又は薬剤をドナーに導入することを可能にする。付加的なインラインマニュアルクラム116は血液採取アセンブリ110及び注入部位112の上流に含まれることが好ましい。フローセット16は適当な結合、例えば、T−部位、Y−部位、V−部位又はその他の連結配列を含んでもよい。
【0042】
本装置は1以上の計量ステーション62及び容器のためのその他の形態を有する支持体をさらに含む。デバイス14上におけるこれらの構成要素の配置は、当然にその処理目的に応じて変化し得る。限定するものではないが、例えば、図5及び6はインプロセス(または全血)、血漿、赤血球及び白血球を低減化させた赤血球に対しそれぞれに、回収容器158、160、162及び172を示す。図5及び6において、その他のリザーバー又は容器150、164及び168は、抗凝固剤、生理食塩水及び保存または保管溶液等に限定されない手順の間に使用するため各種のその他の溶液を含有することができる。血液又は液体が処理の間に容器へと受けられ、及び/又は容器から出される時に、計量ステーション62が経時的な重量変化を反映した出力を提供する。この出力がコントローラ16へと運ばれる。このコントローラ16は流体処理容量を導き出すための増加的な重量変化を処理する。コントローラは、導きだされた処理容量に部分的に基づく処理事象を制御するための信号を生成する。
C.遠心分離ステーション
遠心分離ステーション20(図9参照)は遠心分離アセンブリ68を含む。遠心分離アセンブリ68は、使用するために成形処理チャンバ18及び臍状体100を受け入れ、支持することができるように構成されている。
【0043】
図9に示されているように、遠心分離アセンブリ68は底面壁、上面壁及び側面壁72、74、76を有するフレーム又はヨーク70を含んでいる。ヨーク70は底面壁72に取り付けられたベアリングエレメント78(図9)上で回転する。軸82の回りでヨーク70を回転させるため、電動モーター80がヨーク70の底面壁72に結合されている。図示されている実施形態では、軸82は本質的に水平(図3参照)であるが、他の角度の配向も使用することができる。モーター80は、コントローラ16により発せられた指令に応じて時計方向又は反時計方向のどちらにもヨーク70を回転させることができる。
【0044】
キャリヤー又はロータープレート84は、それ自体のベアリングエレメント86の回りでヨーク70内において回転し、このベアリングエレメントはヨーク70の上面壁74に取り付けられている。ロータープレート84は、ヨーク70の回転軸82とほぼ整列した軸の周りで回転する。
【0045】
図7に示されるように、処理チャンバ18の上面は環状リップ220を含み、この環状リップに蓋コンポーネント202が固定されている。図10に示されるように、ロータープレート84は、回転させるために処理チャンバ18をロータープレート84上に確保すべく、リップ220を取り外し可能に把持するラッチアセンブリ88を含んでいる。ラッチアセンブリ88の詳細については、参照により本明細書に組み入れられる上記特許又は特許出願の一つ以上に見出すことができる。
【0046】
図10に示されるように、臍状体100の近位端に設けられたシース144が遠心分離ステーション20の予め形成された凹状ポケット90に嵌め込まれる。ポケット90は、ヨーク70及びロータープレート84の相互に整列した回転軸82と整列した回転しない定常位置において臍状体100の近位端を保持する。チューブ102、104及び106は、図10に示されているようにポケット90内にも配置される検出ステーション46と連合した一つのグループとして配置及び除去される。
【0047】
臍状体の駆動又は支持メンバー92及び94ならびにチャンネル96及び98(図9及び10参照)は臍状体100の部分を受け入れる。1オメガの回転速度におけるヨーク70と2オメガの回転速度におけるロータープレート84の相対的な回転は、臍状体100を捻れのない状態に保ち、これにより、シールを回転させる必要性を回避することができる。この配置のさらなる詳細については、参照により本明細書に組み入れられるBrownらの米国特許第4,120,449号と参照により本明細書に組み入れられる上記特許又は特許出願の一つ以上に開示されている。
【0048】
D.光学的検出による界面の制御
上述のどの血液処理手順においても、処理チャンバ18内にもたらされる遠心力が全血を(図11で図式的に示されているように)赤血球が濃縮された領域と血漿領域とに分離する。この遠心力は、血漿領域をチャンバの内側又は低−G壁へ半径方向に移動させながら、赤血球が濃縮された領域がチャンバの外側又は高−G壁に沿って集合する状態をもたらす。
【0049】
中間の領域は、赤血球領域と血漿領域との間の界面を形成する。血小板及び白血球のような中間的な密度の細胞性血液種がこの界面を構成し、これらの血液種は密度に従って配列し、血小板の方が白血球よりも血漿層に近い位置を占める。この界面は、血漿領域が麦わら色、赤血球領域が赤色であるのに比べて曇った色であるため「バフィーコート」とも称される。
【0050】
手順に応じて血漿にもしくは赤血球にバフィーコート物質が混入しないようにするため、又はバフィーコートの細胞性内容物を回収するため、バフィーコートの位置をモニターすることが望ましい。本システムは、この目的で2つの光学的検出アセンブリを収容した光学的検出ステーション46を含んでいる(図11、12及び13にも図示されている)。
【0051】
ステーション46内の第1検出アセンブリ146は、血漿回収チューブ106を通る血液成分の通過を光学的にモニターする。ステーション46内の第2検出アセンブリ148は、赤血球回収チューブ104を通る血液成分の通過を光学的にモニターする。
【0052】
チューブ104及び106は、検出のために使用される光学的エネルギーに対して、少なくともチューブ104及び106が検出ステーション46と関連付けられて配置される領域では、透明なプラスチック材料(例えばポリ塩化ビニル)で作られている。固定具108は、それぞれの検出アセンブリ148及び146と視覚的に整列した状態でチューブ104及び106を保持する。また、固定具108は、連合したセンサーがたとえ設けられていない場合であっても、全血を遠心分離ステーション20へ運ぶチューブ102も保持する。固定具108は、容易に束ねられるコンパクトな束の形態で臍状体100へ結合されているすべてのチューブ102、104及び106をまとめ、保持する役割を果たしている。
【0053】
第一検出アセンブリ146は、血漿回収チューブ106内における光学的に標的とされた細胞種又は成分の存在を検出することができる。検出するために光学的に標的とされる成分は手順に応じて様々に変わる。
【0054】
第1の検出アセンブリ146により検出される血漿中の血小板の存在は、これらの成分の全て又はいくつか及び恐らくその界面の他方側における血漿が血漿回収ライン(図12参照)へと浸透され得る程に、界面が処理チャンバの低G壁に充分近接していることを示す。この状態は「過剰流出」と称されることもある。
【0055】
第2の検出アセンブリ148は、赤血球回収チューブ104内における赤血球のヘマトクリットを検出することができる。設定されたある最低レベルを下回る、処理中の赤血球ヘマトクリットの低減は、界面中の成分の全て又はいくつか及び恐らくその界面の他方側における血漿が赤血球回収チューブ104に入り込める程に、界面が処理チャンバの高G壁に充分近接していることを示す(図13参照)。この状態は「過小流出」と称されることもある。
【0056】
II. 血液処理チャンバの実施形態
チャンバのいくつかの実施形態を本明細書中に記載する。これらのチャンバは、各種回収手順を実施するためのデバイス14及びコントローラ16と共同するフローセット12と共に使用することができる。
【0057】
A. 血液処理チャンバの第1の実施形態
図8は、二重単位赤血球回収手順ならびにその他の手順を果たすために図1に示されるシステム10と協同する形態で使用することができる遠心分離処理チャンバ198の一つの実施形態を示す。処理チャンバ198は2つの別々に成形された部品;すなわち基盤201及び蓋202の中に製作される。ハブ204は、円周状の血液分離チャンネル210を定める内側および外側の環状壁206及び208によって半径方向的に取り囲まれている。成形壁環状214(図7参照)はチャンネル210の底部に近接する。蓋202は、例えば円筒状の音波溶接ホーンを用いることにより、チャンバ200の上面に固定される。
【0058】
ハブ204内に開かれた内部領域222を形成する内部側壁部206は1対の補強壁の間で開いている。血液および流体は臍状体100からこの領域222を通じて分離チャンネル210へと導入される。領域222の内部に形成される成形された内壁224はチャンネル210を完全に横断して延在し、外側の環状壁208に連結する。壁部224は分離チャンネル210内で終結し、このことが、分離中のチャンネル210に円周方向に沿う流れを阻止する。
【0059】
さらなる成形された内壁は、領域222を3つの通路226、228および230に分割する。これらの通路226、228および230はハブ204から延在し、端壁224の反対側のチャンネル210と連通する。血液及びその他の流体は、ハブ204からこれらの通路226、228および230を通じてチャネル210内へ入る方向に、またチャンネル210から出る方向に方向付けられる。
【0060】
処理チャンバ198が回転させられると(図8中の矢印R)、臍状体100は通路226を通じ全血をチャンネル210へと運ぶ。全血は回転方向(図8では反時計方向である)と同方向でチャンネル210へと流れ込む。最適な血液分離のためには、全血の流れは回転方向と同方向であることが望ましいと確信されるが、別の方法においては、チャンバ198は全血の円周方向の流れとは反対の方向、即ち時計方向に回転させられることも可能である。
【0061】
全血は、遠心力の結果として、図11に示されるような形で分離する。赤血球は外部側壁部又は高−G壁208へ向けて動かされ、一方、より軽い血漿構成要素は低−G壁206へ向けて移送される。
【0062】
図8が示すように、ダム244が高−G壁208に向かって210内へ突き出している。このダム又はバリア244は血漿の通過を阻止し、一方で高−g壁208中に設けられたチャンネル246への赤血球の通路を与える。このチャンネル246は半径通路230を通じて赤血球を臍状体100へと方向付ける。血漿構成成分は半径通路228を通じてチャンネル210から臍状体100へと運ばれる。
【0063】
赤血球出口チャンネル246が高−g壁よりも回転軸から遠くに離れて高−g壁208の外側に延在しているため、赤血球出口チャンネル246は、バフィーコートが赤血球回収通路230へと流出する(過小流出を作り出す)ことなく、血液処理の間において赤血球及びバフィーコートの間の界面を高−g壁208の非常に近くに配置させることを可能にする。設けられた出口チャンネル246は、それによって(赤血球回収手順において)赤血球回収率が最大化され得るように、又は(血漿回収手順において)本質的に血小板を含まない血漿が回収され得るようにする。
【0064】
B. 血液処理チャンバの第2の実施形態
図14は、血小板、赤血球及び白血球を実質的に含まない血漿を得る血漿収集手順を実行するために図1に示されるシステム10と協同する形態で使用することが可能な遠心分離処理チャンバ200のひとつの実施形態を示す。また、図14に示されているチャンバ200は、血漿及び濃縮された血小板を別々に回収する組み合わされた血漿/赤血球回収手順、ならびに濃縮された血小板と血漿混合物を回収する血小板回収等のその他の方法を実行するために使用することもできる。
【0065】
本発明の要約部分で上述されたように、本発明のより広い態様から乖離しない限り、別の設定を本処理チャンバ及びその他の処理チャンバの実施形態に使用することが可能であるが、設定図8に示されているチャンバの実施形態に関し先に説明がなされているように(同様な部分には同様な参照番号が割り当てられている)、処理チャンバ200は、望ましくは別個に成形された基盤コンポーネント200および蓋コンポーネント202として製作される。成形ハブ204は、概ね円周状の血液分離チャンネル210を規定する内側および外側の側壁部206および208によって、半径方向に取り囲まれる。成形壁214(図15参照)は、チャンネル210の端壁部を形成する。蓋コンポーネント202は、チャンネル210の他方の端壁部を形成し、また挿入部242を有する。両方の向かい合う端壁部はほぼ平ら(即ち回転軸に対し垂直)であるように示されており、これらの側壁部206および208はほぼ円筒型であるように示されているが、境界線は先細になった状態、丸みを帯びた状態、V字形等であり得ることが理解されるべきである。組み立て時にこの蓋コンポーネント202は、例えば円筒型の音波溶接ホーンを用いることによってチャンバ200の上面に固定される。
【0066】
図14に示されているチャンバ200では、内部側壁部206は1対の補強壁の間で開いている。これらの向かい合う補強壁はハブ204内に開かれた内部領域222を形成し、この内部領域はチャンネル210と連通する。血液および流体は臍状体100からこの領域222を通じて分離チャンネル210へと導入され、分離チャンネル210から出るように導かれる。
【0067】
図14に示されている実施形態では、チャンネル210を完全に横断して延在し外側の環状壁208につながる成形された内壁224が領域222の内部に形成される。壁部224は分離チャンネル210内で終結し、このことが、分離中のチャンネル210に円周方向に沿う流れを阻止する。
【0068】
さらなる成形された内壁は、領域222を3つの通路226、228および230に分割する。これらの通路226、228および230はハブ204から延在し、端壁224の反対側のチャネル210と連通する。血液及びその他の流体はハブ204からこれらの通路226、228および230を通じてチャンネル210内へ入る方向に、またチャンネル210から出る方向に方向付けられる。
【0069】
処理チャンバ200が回転させられると(図14中の矢印R)、臍状体100(非表示)は通路226を通じ全血をチャンネル210へと運ぶ。全血は回転方向(図14では反時計方向である)と同方向でチャンネル210へと流れ込む。最適な血液分離のためには、全血の流れは回転方向と同方向であることが望ましいと確信されるが、別の方法においては、チャンバ200は全血の円周方向の流れとは反対の方向、即ち時計方向に回転させられることも可能である。
【0070】
全血は、遠心力の結果として、図11に示されるような形でチャンバ200内において分離する。赤血球は外部側壁部又は高−G壁208へ向けて動かされ、一方、より軽い血漿構成要素は低−G壁206へ向けて移送される。バフィーコート層は内部及び外部側壁部壁206及び208の間に存在する。
【0071】
端壁224に隣接し、全血インレット通路226からほぼ360度に円周方向に間隔を空けて、血漿回収用通路228及び赤血球回収用通路230が存在位置する。これらの回収用通路228及び230から上流の流れの方向において、高−G壁208からチャネル210内へとバリア232が突き出している。バリア232は、低−G壁206の内部側壁部に沿う分離チャンネル210における狭窄部を形成する。血液の円周方向に沿った流れの方向において、この狭窄部位は血漿回収用通路228へと通じる。
【0072】
図16および17が示すように、バリア232の先端234は、端壁224へ向かう方向におけるチャンネル210の環状境界(図示される実施形態中では環状壁214である)へ向かって先細になっている。バリア232の先細になっているエッジ234は、分離チャンネル210の環状境界に面する開口236へと通じている。開口236は高−G壁208に近接して隣り合った環状境界に面しているが、軸方向的には間隔を空けて配置されている。開口236は赤血球回収用通路230と連通している。
【0073】
レッジ238は、開口236内において、低−G壁206から半径方向に一定の軸方向距離で延在している。レッジ238は、半径方向外壁又は高−G壁208に沿って開口236の半径寸法を狭める。レッジ238により、高−G壁208に隣接した赤血球、及びその他のより高密度成分のみが開口236と通じる。レッジ238は、高−G壁208に隣接していない血漿が開口236と連通しないようにする。高−G壁208に沿って半径方向敵に狭められた開口236によって、血漿は、血漿回収用通路228へ向けて流れる以外の行き場を有さなくなる。それにより、分離チャンネル210を出る血漿は、制限された高−G開口236を通じて分離チャンネル210を出るより高密度の物質を含まず、または実質的に含まないものとなる。
【0074】
レッジ238は、低−G壁206とほぼ整列した軸方向表面240と接合する。軸方向表面240は回転軸に沿って軸方向に赤血球回収用通路230へと延在する。(図18に示されるように)バリア232、レッジ238及びその他の内壁によって赤血球回収用通路230は、血漿回収用通路228から隔離される。
【0075】
また、図18で最もよく示されてもいるように、低−G壁206に沿って存在する血漿は、バリア232およびレッジ238によって円周方向に沿い血漿回収用通路228へ、また臍状体100内へと方向付けられる。より高密度の流体は赤血球を含み、また、使用される手順に応じバフィーコート成分(血小板および白血球)を含み得る。このようにより高密度の流体はより高−G壁208の近くに存在し、環状境界および制限された高−G開口236へ向けて、バリア232の先細になったエッジ234に沿って軸方向に方向付けられる。より高密度の流体を含む赤血球及びバフィーコート成分は、高−G開口236から半径方向レッジ238上を低−G壁206に向けて方向付けられ、赤血球回収用通路230内へ、及び臍状体100内へと軸方向に方向付けられる。
【0076】
C. 血液処理チャンバの第3の実施形態
図19−22中、処理チャンバは概ね300で示される。チャンバ300は、限定されないが血液用等を含む各種生体液用の多様な回収手順を実行するために、図1に示されるシステム10と協同する形態で使用することができる。チャンバ300は、濃縮された血小板及び血漿混合物を回収する血小板又は血小板に富む血漿(PRP)回収手順、血漿及び濃縮された赤血球を別々に回収する組み合わされた赤血球及び血漿回収手順、及び、濃縮された赤血球及び濃縮された血小板を回収する組み合わされた赤血球及び血小板回収手順、ならびにその他の手順を実行するために使用することができる。
【0077】
チャンバ300は、チャンバの軸Aに沿って配置されるハブ304を有する別個に成形された基盤コンポーネント301を含む。チャンバ300の基盤301は、半径方向に配置された内部(低−g)及び外部(高−g)側壁部306及び308をそれぞれ含む。側壁部は常に本明細書中において、半径内部(又は低−g)壁及び半径外部(又は高−g)壁として言及される。内部及び外部側壁部306及び308及び向かい合う端壁部302及び314は、ほぼ円筒形(円形に限定されるものではない)の血液分離チャンネル310を規定する。第1の端壁部314はチャンネル310におけるひとつの軸の境界又は底部を形成し、第2の端壁部又は蓋302(図19中に部分的に示される)は通常もう一方の境界又はチャンネル310の上面を形成する。
【0078】
内部及び外壁部306及び308は実質的に環状であるように、すなわち共通の軸Aに対し通常ほぼ均一の半径を有する垂直の壁として示されるが、その他の方向、形状、軸及び半径もまた可能である。また、端壁部の上面及び底面はほぼ平面であるように示されるが、これらの端壁部もまた、湾曲した、アーチ型の、及びその他の異なる形状を有し得る。チャンネルの形状及び方向も、そのチャンネルが柔軟な、半硬質の、又は硬質の構造をとるか否かに依存し得る。「上面」又は「底部」としての端壁部の設計が、これらの構想に対する限定を意味するものではないことも理解されるべきである。このような語は任意のものであることが意図され、これらの構造の理解を助けるための図面中に示される関係において、一方の端壁を他方の端壁から区別するために用いられているに過ぎないものである。
【0079】
図20及び20A中に示されるように、チャンネル310の上流の端部は一対の向かい合う内部半径壁322及び324を含む。この内部半径壁324は外部壁部308と一体となり、チャンネル310の上流及び下流端部をほぼ分離する。内壁322及び324は、流体、好ましくは全血をチャンバ300に流れ込ませるためにインレット通路326を規定するためのハブ304から半径方向外側に向けて延在する。インレット通路326は通常、図22に示されるようにチャンバ300の上面又は上面付近において規定され、好ましくは上部端壁部302の表面によって部分的に形成される。インレット326は、好ましくは外部又は高−g側壁部308に隣接した半径方向の位置に配置される開口325を含み、この開口325はその表面により規定される。内部半径壁322のステップ又はエッジ323は、内部及び外部側壁部306及び308の半径方向中間に配置され、また好ましくは開口325の表面を規定し、これを通じて流体がチャンネル310へと方向づけられる。
【0080】
チャンネル310の下流端部において、第1、第2及び第3の出口流路328、330及び332が、チャンネル310からの1以上の液体成分のためのアウトレット通路を規定し得る。ダム又はバリア336はまたチャンネル310の下流端部に配置され、以下にさらに詳細に記述されるであろう。
【0081】
図20A中、第1の出口流路328は、バリア328及びハブ304から半径方向外側へと延在する内部半径壁335の間に規定される。接合部352からバリア328の半径方向内側に、この第1の流路は2つの内部半径壁334及び335の間に規定される。第1の出口流路328は、チャンネル310から流体が流れ込む開口327を含む。このような開口327は、好ましくは内部側壁部306の半径方向の位置に近い半径方向の位置において、バリア336の上流に配置される。
【0082】
チャンネル310が標準的な条件下、すなわち過小流出又は過剰流出が起こっていない条件下で操作される時、第1の流路328中の流体は、好ましくは接合部352の半径方向内側(及びチャンバ300の外側)を流れ、又は別の方法においては、接合部352の半径方向外側を第2の出口流路330へと移動する。「標準的な条件」によって、チャンネル310中の血液成分が血漿、バフィーコート及び赤血球へと分離され、また好ましくは図11に示されるような相対的な半径方向の位置に配置されることが意味される。標準的な条件はまた、チャンネル310中の血液成分が血小板に富む血漿及び赤血球へと分離され、血漿及び赤血球の間の界面が図11に示される界面の半径方向の位置と同様に、内部(低−g)及び外部(高−g)壁の半径方向中間に配置される位置を含む。
【0083】
図20A中、第2の出口流路330は通常第1の出口流路328の下流であってバリア336及び内部半径壁334の間に規定される。第2の出口流路330は、バリア336の下流における第1の及び第3の出口流路328及び332の間の流体連通を可能にし得る。その他の配置もまた可能であるが、第2の出口流路330は、好ましくは第1の出口路328と流体的に連通するために接合部352に隣接した第1の開口329を含む。第2の出口流路330における第2の開口は、好ましくは第1の開口329の半径方向外側に存在する。
【0084】
標準的な条件下で、第2の出口流路330中における流体の流れ(例えば血漿の流れ)の方向は、流体が接合部352の半径方向内側を流れるように、通常開口331へと向かう。第2の出口流路330中の血漿によって行き来される半径路の範囲は血漿及び赤血球の間の界面における半径方向の位置に依存する。好ましくは、血漿は、この界面における半径方向内側の第2の出口流路330を満たすために第1の出口流路328から第2の出口流路330へと流れるが、この界面の半径方向外側には流れない。標準的な条件下では、第1の出口流路328からの血漿は界面の半径方向内側の領域を満たすため第2の出口流路330へと流れるいくらかの血漿と共に、主にチャンバ300の外側を流れるであろう。
【0085】
第1の及び第2の出口流路328及び330における好ましい流れのパターンは上述されているが、第1の及び第2の出口流路内の流体が異なる流れのパターンを取ることもできる。この流れのパターンは、1以上の液体成分と関連した界面の位置及び1以上の液体成分がチャンネル310から回収される速度ならびにその他の因子に依存し得る。一例としてであり、限定されるものではないが、血漿及び赤血球の間の界面が過剰流出を起こさせるよう半径方向内側に動かされた場合、第2の出口流路330中の流体は接合部352において開口329を通じ半径方向外側に流れ得る。
【0086】
図20A中、第3の出口流路332は内部半径壁334及び324の間に規定され、開口333を含む。このような開口333は、好ましくは、バリア336の下流及び第1の及び第2の出口流路328及び333の下流に配置される。流体はこの開口333に入り、チャンネル310からの除去のために第3の出口流路332へと入ることができる。
【0087】
図20、20A及び22中に示されるように、バリア336は上流側338及び下流側340を含み、各々は通常外部側壁部308に対し垂直である。バリア336は、内部及び外部側壁部306及び308に相当する半径方向の位置のほぼ中間に、チャンネル310を半径方向に横切って延在する。図20A中、このバリアは、好ましくは内部(低−g)側壁部306の半径方向内側に配置され、角度を有する壁342に沿って接合部352に向かって先細になっている。バリア340はまた、外部側壁部308の付近の又は隣接する先細のないし湾曲した形状を含む。バリアは内部及び外部側壁部306及び308の付近で先細になる形状を有するように示されているが、この形状は一例として示され限定されるものではなく、その他の形状も可能であることが理解される。
【0088】
図22中に示されるように、バリア336の上流側338は、チャンネル310の上面で、端壁部302からチャンネル310における軸長の相当部分に沿って延在する。上流側338において、バリア336の軸方向の位置は端壁部314から間隔を置いた位置で終結する。このような軸方向の位置において、第1の流路344はバリア336における上流及び下流側338及び340の間の連通を可能にする。第1の流路344は、好ましくは向かい合う端壁部302及び314の間における中間の軸方向の位置に配置される。図22中、第1の流路344は端部314のより近くに示され、さらに特別には、チャンバ300の下側の約半分または3分の1に配置される軸方向の位置において示される。図22中、インレット326を通じて入り第1の流路344へと移動する流体は、チャンネル310における相当の軸方向の範囲を通過しなくてはならない。バリア336に沿った中間的配置等の第1の流路344における別の中間的な軸方向の位置も可能である。第1の流路344が、チャンネル310において底部端壁部314の付近又は隣接する軸方向の位置に配置されることも可能である。
【0089】
図20及び20A中、第1の流路344は、外部側壁部308における第1の及び第2の半径方向外側部分309及び311のうち1つ以上により、その外部半径表面に沿って規定される。第1の部分309は、外部側壁部308のより上流部分の配置から半径方向外側へ先細になっている。この第1の部分309は通常バリア336の上流に配置され、バリア336の下流における第2の部分311と連結する。このような第2の部分311はまた、チャンネル310のより上流の位置において、すなわち部分309の上流で、外部側壁部308の半径方向の位置と比較して半径方向外側にある。第2の部分311は、好ましくは第1の部分311と同様の半径方向の位置に配置される。第1の流路344における向かい合う内部半径表面は、好ましくは外部側壁部308のより上流部分における半径方向の位置に近い半径方向の位置に配置される。
【0090】
図20及び20A中、回収領域は通常346に規定され、バリア336(破線で示される)の下流に配置される。回収領域346の上部表面はチャンネル310の上面において端壁部302によって規定される。回収領域346はまた、回収領域346における底部表面の少なくとも一部を規定する中間端壁部48(図22)を含む。中間端壁部348は、チャンネル310の上面及び底部において、端壁部302及び314から軸方向に間隔をおいて配置される。中間端壁部348はチャンネル310における端壁部314に対しほぼ並行であるように示されているが、その他の方向もまた可能である。
【0091】
図20A中、回収領域346はまた、部分的にはバリア336の下流側340及びチャンネル310における内壁324により規定される。また図20A中、回収領域346は内部及び外部側壁部306及び308に相当する半径方向の位置のほぼ中間に配置され、好ましくは内部側壁部306及び外部側壁部308における部分311の半径方向における位置の間に規定される。
【0092】
図22に最もよく見られるように、回収領域346は、中間端壁部348中に形成される軸方向に方向付けられた開口347を含む。流体は、第1の流路344からバリア336の下流側340に沿って軸方向上方に移動し、開口347を通じ回収領域346の底部へと入る。前述のように、開口331及び333(図20A中に最もよく見られるように)もまた、回収領域346へ入る又はそこから出る1以上の液体成分の流体連通を可能にし得る。図20A中、回収領域346は、第2の及び第3の出口流路330及び332への開口331及び333の間に配置された内部半径壁334における半径方向外側のエッジ350を含む。このようなエッジ350は、内部側壁部306、及び外部(高−g)壁部308における半径方向外側の部分311の間における中間の半径方向の位置に配置される。エッジ350の半径方向の位置は、好ましくは部分311における半径方向の位置の付近に配置される。このようなエッジ350は、好ましくは、標準的な条件の間に、より高密度の赤血球等の流体が第3の出口流路332を出て、またより低密度の流体はそこを通じて出ないようにするために配置される。
【0093】
使用中に、全血等の流体はインレット326に入り、チャンネル310へと流れる。流体が最初にチャンネル310に入る時、この流体は通常チャンネル310の上部に配置される。インレット通路326における開口325での流体の流れにおける軸方向の範囲は、底部床面354(図22中に見られる)により、インレットにおけるそのより低い軸方向の範囲へと最初に限定され得る。その他の軸方向の位置も可能であるが、床面354における軸方向の位置は、回収領域346における中間端壁部348の位置に近い軸方向の位置に配置され得る。流体がチャンネル310に入った後は、向かい合う端壁部302によってその上限の軸方向の位置は依然として固定されているが、このチャンネルは好ましくは、それ以上のより低い軸方向の位置を強いられることはない。
【0094】
その他のパターンも可能ではあるが、チャンネル310中、流体は原則的に、その流体が通常その軸方向の範囲において増加するように下流の移動するような渦巻状のパターン(図22中破線で示される)をたどり得る。バリア336の上流で、流体の軸方向の範囲は、好ましくはチャンネル310の上面における上部端壁部302から少なくとも第1の流路344における軸方向の位置付近までの間、あるいはより下方に配置される。チャンネル内の多くの容積を利用することにより、液体成分のより効率的な分離が得られることが確信される。
【0095】
血液が下流へ流れる時に、遠心力が、チャンネル310内で血液成分が密度に従って半径方向に分離することを可能にする。この分離のさらなる詳細はBrown,”The Physics of Continuous Flow Centrifugal Sell Separation,” Artificial Organ,13(1):4−20(1989)中に説明されている。
【0096】
図11は、チャンネル310における標準的な条件での、バリア336の上流における血液成分の相対的な半径方向の位置の一例を示す。血漿は最初に内部又は低−g側壁部306に向かって配置され、赤血球は最初に外部又は高−g側壁部308に向かって配置される。「バフィーコート」としても知られる血小板及び白血球は最初に血漿及び赤血球の間の界面に配置され、中間半径方向の位置に位置づけられる。血小板回収手順に関しては、好ましくは以下にさらに詳述されるように、血小板に富む血漿と赤血球の間における界面の片側に血小板に富む血漿を形成するために血漿中の血小板の少なくとも一部を懸濁させるためのさらなる処理ステップが実行される。
【0097】
バリア336の上流で、少なくとも1つの液体成分が第1の出口流路328を通じて回収され得る。このような成分は血小板に乏しい血漿PPP又は血小板に富む血漿PRPを含み得る。このような成分はまた、接合部352にて第2の出口流路330へと流入し得る。好ましくは赤血球であるその他の液体成分は、第3の出口流路332を通じて除去されるため第1の流路344へと流入し得る。血小板が最初にバフィーコート中に位置づけられる場合、このバフィーコートの少なくとも一定の相当部分がバリア336の上流側338にて隔離される。この点で、バリア336は、手順の間のある時点において、例えば血小板に乏しい血漿PPPがチャンネル310から除去されている時において、バリア336上流での血小板の蓄積を可能にし得る。このような手順は以下にさらに詳述されるであろう。すなわち、バリア336下流の血漿及び赤血球の間における界面の一部は、バリア336の上流におけるこれらの成分間に位置づけられる界面と比較して血小板が少ないか、又は全く血小板を含まないことが好ましい。
【0098】
バリア336の下流で、この界面は、赤血球と血小板に富む又は血小板に乏しい血漿のいずれかであり得る血漿との間に形成されることができる。標準的な条件下で、血漿及び赤血球の間のこの界面は、中間的な半径方向の位置、すなわち内部及び外壁部306及び308の間に配置される。このような界面は、好ましくは、標準的な条件の間、最初に赤血球が第1の流路344を通じて流れるように第1の流路344の半径方向内側に位置づけられる。より好ましくは、血漿及び赤血球の間のこの界面は、エッジ350の付近である半径方向の位置に配置される。このような半径方向の位置が、赤血球が界面の一方の側から第3の出口流路332へと回収されるが、その界面の他方からは第3の出口流路332へと血漿が実質的にほとんど又は全く流れないようにさせることを可能にする。血漿及び赤血球は最初に第1の及び第3の出口流路328及び332をそれぞれ通じて流れる。第2の流路330は、好ましくは、界面の半径方向内側に血漿又は血小板に富む血漿を、そして界面の半径方向外側に赤血球を含む。界面における半径方向の位置に応じて、血漿又は赤血球のいくらかの流れが第2の出口流路330中で起こり得るが、このような流れは好ましくは界面のこのような位置を変化させない。
【0099】
その他の流れのパターンが可能であり、界面の半径方向のその他の位置に依存し得る。例えば、過剰流出状態、すなわち赤血球が血漿又は血小板を伴って第1の出口流路328を通じてチャンネル外に流出する状態においては、界面は半径方向内側に移動し、第2の出口流路330は赤血球を回収領域346からチャンネル310の外へ流出させることを可能にする。過小流出状態、すなわち血漿又は血小板が赤血球を伴って第3の出口流路332を通じてチャンネル外に流出する状態においては、界面は半径方向外側に移動し、第2の出口流路330は、血漿又は血小板のいくらかを第1の出口流路328から第3の出口流路332へと流入させることを可能にし得る。
【0100】
D. 血液処理チャンバの第4の実施形態
図23及び24は、以下にさらに詳述されるであろうある種の改変を除いて図19−22のチャンバ300と同一の(全ての同一の部品は同一の数字で特定され、さらなる記述は行わないものとする)、通常360において示されるチャンバを説明する。図19−22の実施形態と比較して、図23−24は、インレット326の開口25が外部側壁部308に対して近い半径方向の位置に配置されていることを示す。従って血液は、外部(高−g)壁部308に対して接線方向の配置においてチャンネル310に入ることを可能にされる。このような配置が血液成分の分離を助け、及び/又はインレット326を通過する流速が低下した場合又は停止された場合の血液成分の逆流を回避し得る。
【0101】
インレット326は、外部側壁部308の半径方向外側部分309Cにより規定される。内壁322のエッジ323は、この部分309Cから半径方向に間隔をおいて配置されており、この壁部308におけるより下流の部分で外部側壁部308の半径方向の位置に近い半径方向の位置において配置される。インレット326を通って流れる流体は、エッジ323の半径方向外側の位置へと内壁322に沿った路をたどり、次いで開口325を通じてチャンネル310へ入る。
【0102】
E. 血液処理チャンバの第5の実施形態
図23A及び24Aは、チャンバ360A又はそのようなチャンバ内の流体の流れを示し、このチャンバは図23及び24のチャンバ360に類似し、そのようなものとして同じ部品を記述するために同じ数字を後ろにAを付けて表示し、さらなる記述は行わないものとする。
【0103】
図23及び24の実施形態と比較して、図23A及び24Aの第1の流路344Aは、チャンバ360Aの底部において端壁部314Aに隣接した軸方向の位置に配置されている。第1の流路344Aは、端壁部314Aの表面により規定され得る。この点について、第1の流路344Aへの流体の流れは、チャンネル310Aの底部に対し、その軸方向の程度が原則的に増加していなくてはならない。バリア336Aの下流側で、その流体はチャンネル310Aの上面に向かって軸方向に移動し、開口347Aを通じて回収領域346Aへ入る。図24Aに示されるように、この流体は、チャンネル310Aの底部における第1の端壁部314A及びそのチャンネル上面の第2の端壁部(非表示)の間のチャンネル310Aの容量における相当の割合を占める。
【0104】
図23及び24の実施形態と比較して、図23A及び24Aのチャンネル310Aは、バリア上流の位置における出口流路328Aへの開口を欠く。図23A及び24A中、第1の出口流路328Aへの開口327Aは、バリア336Aの上流側338Aの位置またはわずかに下流の位置のいずれかにあるチャンネル310A中に配置される。前述のように、血小板に富んだ又は血小板に乏しい血漿のいずれかは開口327Aに入り、接合部352の半径方向内側を流れてチャンネル310Aを出るか、あるいは第2の出口流路330Aへと流れ込むことができる。第1の流路344Aはバリア336の上流及び下流側である338A及び340Aの間の流体連通を可能にするが、チャンネル310Aの外側への出口流路は形成しない。第1の流路344Aを通じて流れる赤血球は、好ましくはバリア336Aの下流における第3の出口流路332Aを通じてチャンネル310Aを出る。
【0105】
F. 血液処理チャンバの第6の実施形態
図25−27はチャンバのさらなる実施形態を示し、その形態は、それぞれ半径方向に間隔をおいて配置された内部(低−g)側壁部372及び外部(高−g)側壁部374と、第1及び第2の端壁(第1の端壁部376のみが示されている)を有する370において概ね示される。この壁部372、374及び376はともにチャンネル378を規定する。
【0106】
インレット379は向かい合う内部半径壁377及び381の間に規定される。この内壁377の一方は外部(高−g)壁部と連結し、チャンネル378の上流及び下流端部を分離する。図19−22の実施形態と同様に、この内壁は、外部又は高−g側壁部374に隣接する位置におけるチャンネル378の上流端部へと流体を流れ込ませるチャンバ370のインレット通路379を規定する。ダム又はバリア380はチャンネル378の下流端部に形成され、上流側382及び下流側384を有し、外部側壁部374から、内部側壁部372から半径方向内側に離れて配置されたある位置まで伸びている。このバリア380は以下にさらに詳細に記述されるであろう。
【0107】
図26−27中で、第1の流路386(図26)はバリア380の上流側382及び下流側384の間を連絡する。図27中、この第1の流路386は、底端壁376の上方及び上端壁(表示せず)の下方に配置された中間の軸方向の位置において配置される。図18−24の実施形態と同様に、バリア382のちょうど上流及び下流の外部側壁部374における部分373及び375(図26)は、この外部側壁部374におけるより上流の部分から半径方向外側に伸びている。第1の流路386の外部半径表面は、好ましくは、外部側壁部374におけるこれらの半径方向外側部分373及び375のうちの1つ以上により部分的に形成される(この部分373及び375は図27中では表示から除かれる)。第1の流路386における向かい合った内部半径表面は、好ましくは、外部又は高−g壁部374のそれと近い半径方向の位置において形成される。
【0108】
388で通常示される第2の流路も、バリア380の上流及び下流側である382及び384の間を連通する。27に示すように、第2の流路388の開口400は、好ましくは、チャンネル378のより上流の位置から第2の流路へと流体を流すことを可能にする。第2の流路388は、好ましくは、図25−27中に示されるチャンバの上面の上に通常配置される第2の端壁部(非表示)の表面により規定される。中間端壁部398は第2の流路388の下表面を規定し、以下でより詳細に記述するものとする。図26及び27で示されるように、第2の流路388は、半径方向でない部分及び半径方向の部分である387及び381をそれぞれ含む。半径方向でない部分387は、好ましくは、内部側壁部372及びバリア380における半径方向内側表面の間の空間により規定される。半径方向の部分である389は、バリア380の下流側384及び内部半径壁伸長部分404により規定される。この内部半径壁伸長部分404は、内部及び外部側壁部である372及び374の中間の半径方向位置に配置される外部エッジ405にて終結する。
【0109】
チャンバ370はさらに、第1の及び第2の出口流路390及び392をそれぞれ含み、これらは向かい合う内部半径壁表面により規定される。第1の出口流路390はバリア380の上流に配置される。第2の出口流路392はバリア380の下流に配置される。第1の及び第2の出口流路390及び392は、チャンネル378から第1の出口流路390は、好ましくは内部側壁部372に配置される開口391から半径方向内側に延在する。第2の出口流路392は、開口396から半径方向内側に延在する。このような開口396は、バリア380の下流に配置され、内部半径壁377へと延在する回収領域394と連絡している。その他の角度及び方向も可能ではあるが、好ましくは第1の出口流路390は、第2の出口流路392から約45度の角度で配置される。
【0110】
図26及び27中、回収領域394は、少なくとも部分的に、そのより下方の境界において、チャンネル378における第1の端壁部376の上方に配置される端壁部398によって規定される。回収領域394の上面は、好ましくはチャンネル378の上面で端壁部(非表示)により規定される。回収領域394はまた、外部側壁部374の部分375及び内部側壁部372の間に通常規定される。流体は第1の流路386を通じて回収領域394へ入ることができ、血漿及び赤血球の間における界面の配置に依存して第2の流路388へ入ることもできる。回収領域394からの流体は、チャンネル378からの除去のため、アウトレット396を通じて第2の出口路392を出ることができる。
【0111】
図26は、内部(低−g)及び外部(高−g)壁部である372及び374の中間に半径方向に界面が配置される標準的な条件での血漿P及び赤血球RBCの相対位置を示す。血漿又は血小板に富んだ血漿は、好ましくはバリア380の上流における第1の出口流路390中の開口391を通じて回収される。さらに下流で、血漿の一部は開口400へと流入し、第2の流路388の少なくとも一部を通過することができる。第2の流路388へのこのような血漿の流れの範囲は、血漿及び赤血球の間における界面の配置に依存するであろう。例えば、血漿及び赤血球の間におけるこの界面は、好ましくは、標準的な条件において、内部半径壁伸長部分404のエッジ405又はその近傍に配置される。このような条件において、第2の流路388への血漿の流れは、好ましくは、界面を動かしその回収を行うためにさらなる処理ステップが実行されるまでエッジ405の半径方向内側に維持される。赤血球RBCは第1の流路386を通じて回収領域394へと流れ込み、第2の出口流路392のアウトレット396を通じてチャンネル378を出ることを可能にされる。
【0112】
G. 血液処理チャンバの第7の実施形態
図28−30は、410で概ね示す血液処理チャンバのさらなる実施形態を示す。先の実施形態と同様、チャンバ410は半径方向に離れて位置する内部及び外部側壁部412及び414をそれぞれ有し、またチャンバ410の上面の端壁部(非表示)と向かい合うチャンバ410の底部の端壁部を有する。内部及び外部側壁部412及び414と端壁部は共にチャンネル418を規定する。
【0113】
図29中、半径方向に向いた内壁420及び422は、チャンネル418に通じるインレット424を規定する。内壁422はチャンネル418の上流及び下流端部を分離するため外部側壁部414へと完全に延在している。図23−24の実施形態と同様に、インレット通路424の開口425は外部側壁部414の半径方向の配置に対して接線方向の半径方向に配置されている。好ましくは、内壁420は、流体をチャンネル418へと方向付けるために外部側壁部414の半径方向外側壁部413から半径方向に間隔をおいて位置するエッジ443で終結する。このようなエッジ443は、外部(又は高−g)壁部414の半径方向の配置付近に配置され得る。
【0114】
図29中、バリア426は通常、チャンネル418の下流端部に配置され、上流側及び下流側である428及び430とをそれぞれ含み、半径方向内側の及び外側のエッジ432及び434をそれぞれ含む。図29及び30中、バリア426は、チャンネルの相当な軸範囲に沿って内部及び外部側壁部412及び414を連結する。図30中に示されるように、バリア426は、好ましくは、中間端壁部460から端壁部416へと軸範囲に沿って、チャンネル418の底部において内部及び外部側壁部412及び414を連結する。
【0115】
中間端壁部460の上方で、バリア426の内部及び外部半径エッジは、バリア426の周囲を流れることを可能にするために連結されない。図30中に示されるように、内部エッジ432は、チャンネル418の上面から中間端壁部460までの軸範囲に沿って半径方向に内部側壁部412から間隔をおいて配置される。内部エッジ432は、部分的に、第1の出口流路446を通じてチャンネル418からの出口開口448を規定する。バリア426の外部半径エッジ434は、外部側壁部414のポケット又は部分415から間隔をおいて配置される。このような部分415は、そのような部分の上流の外部側壁部414において半径方向外側に配置される。第1の流路440は、このようなエッジ434及び上部端壁部(非表示)から中間端壁部460へと延在するこのような部分415との間を規定する。バリア426の外部半径エッジ434の半径における位置は、好ましくはこのような上流の位置における外部側壁部414の半径方向の位置付近にある。図30において最もよくみられるように、中間端壁部460の下方で、バリア426の内部及び外部エッジ432及び434が、側壁部412と414及び/又はそれらの間になんらの間隔も有さない部分415の間に完全に延在しており、バリア426は、チャンネル418の長さの相当部分に沿って内部及び外部側壁部412及び414を連結する。
【0116】
図29中に示されるように、バリア426は半径方向内側又は尾部436をも含む。尾部436は内部側壁部412の半径方向内側へと延在し、接合部438にて終結する。尾部436及び内部半径壁442、444及び422は、示されるような複数の出口路446、450及び454を規定する。図29中、第1の及び第2の出口流路446及び450は接合部438にて互いに流体的に連通する。好ましくは、図28−30中に示される出口路446、450及び454に対する開口はいずれもバリア426の上流の位置に配置されない。
【0117】
前述のような第1の出口流路446に対する開口448は、バリア426の内部エッジ432及び内部側壁部412の間に規定される。このような開口448は部分的にバリア426により規定され、従って、バリアの上流に配置される。第2の出口流路450は第1の出口流路446のさらに下流に配置され、バリア426の上流に何らの開口を有さない。第2の出口流路450の開口451及び453は通常、第1の及び第3の出口流路446及び454の間の連通を可能にし、このような開口451及び453はバリア426の下流に配置される。先に論じたように、血漿は、第1の出口流路446から第2の出口流路450へと界面の半径方向の位置に依存して流れることができる。第3の出口流路454は第1の及び第2の流路450及び452の下流に配置され、好ましくは、チャンネル418からの赤血球除去を可能にする開口456を含む。第1の流路440は、バリア426の上流及び下流側の連通を可能にするが、流体がバリア426の上流のチャンネル418を出るようにはしない。従って、チャンネル418は、バリア418の上流のチャンネルから流体を除去するための何らの開口を有しない。
【0118】
チャンネル418は、バリア426の下流の回収領域458(図29及び30中破線で示される)をさらに含む。回収領域458は通常、チャンネル418の上面及び中間端壁部460の間に規定される。回収領域458はまた通常、内部壁部412及び外壁部414の部分415に相当する半径方向の位置の間に規定される。本明細書中で論じられる多様な実施形態により意図されるように、回収領域458の大きさ及び位置は特定のチャンバのデザインに依存して変化し得る。上述の実施形態同様に、第1の流路440及び第2の及び第3の出口流路450及び454は、開口453及び456を通じて、回収領域458との連通を可能にする。
【0119】
血漿又は血小板に富む血漿は、血漿及び赤血球の間における界面の半径方向内側に回収される。このような血漿は、好ましくは、開口448を通じて第1の出口流路446へ、またチャンネル418の外へ流れることを可能にされる。界面の半径方向外側で、赤血球は第1の流路440を通じて回収領域458へと流れ、また第3の出口流路454を通じて外へ出ることを可能にされる。第2の出口流路450は血漿及び赤血球の間における界面の位置に依存して血漿又は赤血球又はその両方を含み得る。標準的な条件においてこの界面は、好ましくはバリア426の外部エッジ443及び内部エッジ432における半径方向の位置の間に維持される。その他の流れのパターンが可能ではあるが、このような条件のために、第2の出口流路450は主として、界面のこのような位置の上方での血漿の流れを可能にする。
【0120】
H. 血液処理チャンバの第8の実施形態
図31−34は410Aにおいて通常示される血液処理チャンバのさらなる実施形態を示す。410Aは図28−30中に論じられたチャンバ410と類似し、そのように類似する部分は「A」の文字を後に続けて記号表示することにより、同じ数字を用いて示すものとする。図28−30の実施形態と比較したとき、図31−34のチャンバ410Aはバリア426Aを含み、このバリアは図28−30中のもののように尾部を有して形成されていない。その代わりに、分離した中間半径方向伸長壁部436Aがバリア426Aの下流に間隔をおいて配置され、1以上の出口流路の1部分を形成する。
【0121】
図28−30の実施形態と同様に、図31−34のチャンバ410Aは半径方向に間隔をおいて配置された内部及び外部側壁部412A及び414A及び向かい合った端壁部を含み、第1の端壁部426Aは図34中に示される。これらの壁部412A、414A及び416Aはともにチャンネル418Aを規定する。向かい合った内壁420A及び422Aはインレット424Aを規定する。
【0122】
図28−30の実施形態と同様に、図33及び34中の開口又は通路448Aはバリア426Aの内部エッジ432A及び内部側壁部412Aの間に規定される。図28−30の実施形態と比較した時、図31−34中のこのような開口448Aは第1の出口流路446Aと連通するが、第1の出口流路446Aへの開口は形成しない。その代わりに、第1の出口流路446Aはバリア426Aの下流に配置され、バリア426Aの下流の位置において内部側壁部412A中に形成される開口449Aから半径方向内側に延在する。第1の出口流路446Aの一部は中間半径方向伸長壁部436A及び内部半径壁444Aの間に規定される。
【0123】
図32中に示される半径方向内側の位置において、中間壁436Aは接合部438Aにて終結する。接合部438Aの半径方向内側で、第1の出口流路446Aは内壁442A及び444Aの間で規定される。接合部438Aで、第1の出口流路446Aからの流体は、第2の出口流路450Aへと半径方向外側に流れるか、又はチャンネル418Aからの除去のための第1の出口流路を通じて半径方向内側に流れることができる。
【0124】
図32−34中、第2の出口流路450Aは、バリア426Aの下流の内部半径壁442A及び中間半径方向伸長壁部436Aの間に規定され、開口451A(図32)及び453A(図34)を含む。実際の流れは界面の半径方向の位置に依存するが、前述のように第2の出口流路450Aは通常第1の及び第3の出口流路446A及び454Aの間を連通する。第3の出口流路454Aはバリア426Aの下流の内部半径壁442A及び422Aの間に規定され、開口456Aを含む。従って、図32−34中に示されるように、出口流路446A、450A及び454Aのそれぞれとその相当する開口は、バリア426Aの下流のチャンネル中に配置される。
【0125】
図32−34中、回収領域458Aは、バリア426Aの下流の中間端壁部460A及びチャンネル418Aの端壁上面(非表示)のほぼ中間に規定され、さらに内部側壁部412A及び外部側壁部414Aの半径方向外側部分415Aのほぼ中間に規定される。第1の流路440Aはバリア426Aの上流及び下流側428A及び430Aの間を連通し、回収領域456Aとの流体連通している。バリア426Aの下流で、開口449A、453A及び456Aの1以上は界面の半径方向の位置に依存して回収領域458Aと連通する。
【0126】
図33及び34中に最も良くみられるように、中間半径方向伸長壁部436Aは半径方向外側エッジ439Aにて終結する。半径方向外側エッジ439Aは半径方向の位置にて回収領域458A中に配置され、半径方向中間内部及び外部側壁部412A及び414Aの中間に存在する。隣接する内壁442Aの半径方向外側エッジ443Aも回収領域458Aへと延在し、中間半径方向の位置に配置され、その位置は好ましくは他方のエッジ439Aにおける半径方向の位置の半径方向外側である。標準的な条件において、界面は、好ましくはエッジ439A及び443Aにおける半径方向の位置の中間に配置される。界面の半径方向上方の血漿又は血小板に富む血漿は、好ましくは第1の出口流路446Aへの流れを可能にされ、接合部438Aにて半径方向内側方向又は半径方向外側方向のいずれかに流れ得る。界面の半径方向外側の赤血球は、好ましくは第3の出口流路454Aへと流れ込み、チャンネル418Aを出ることを可能にされる。
【0127】
I. 血液処理チャンバの第9の実施形態
図35−38を参照し、チャンバのさらなる実施形態が410Bにて概ね示される。チャンバ410Bは図31−34で示されるように先のチャンバ410及び410Aと類似し、そのように、チャンバ410Bを記述するために文字「B」を含むアルファベットと数字からなる参照が使用されるであろう。図31−34の実施形態と比較した時、図35−38のチャンバ410Bにおける外部側壁部414Bは半径方向外側部分又はポケットを含まない。
【0128】
前述のように、第1の流路440B及び通路448Aは、バリア426Bの上流及び下流側の間を連通し得る。第1の流路440Bはバリア426Bの外部半径エッジ434B及び外部側壁部414Bの間の軸方向において規定され、チャンネル418Bの端壁上面(非表示)から中間端壁部460Bへと半径方向に延在する。開口又は通路448Aは、内部側壁部412B及びバリア426Bの内部半径エッジ432Bの間に半径方向において規定され、チャンネルの上面と中間端壁部460Bとの間に軸方向において規定される。バリア426Bは、中間端壁部460Bの下方でチャンネル418Bの半径範囲にわたって完全に延在し、内部及び外部側壁部412B及び414Bをチャンネルの底部までの間の全てにわたり連結する。
【0129】
図36及び37中に示されるように、回収領域458Bは、相当する開口449B及び456Bを通じて2つの出口流路446B及び454Bと連通し、好ましくは血漿及び赤血球をチャンネル418Bからそれぞれ除去することを可能にする。回収領域458Bはバリア426の下流に間隔をおいて配置され、出口流路446B及び454Bの上流に間隔をおいて配置される中間半径方向伸長壁部436Bをさらに含む。図31−34の実施形態と比較した時、図35−38の中間半径方向伸長壁部436Bは内部側壁部412Bの半径方向内側に延在しない。図36中に最も良くみられるように、中間壁部436Bは内部及び外部エッジ438B及び439Bをそれぞれ有し、それらのエッジは好ましくは、相当する内部及び外部側壁部412B及び414Bから間隔をおいている。この手段における流れの必要性に応じ、半径方向伸長壁部436Bのその他の配置が可能ではあるが、図37及び38中で、半径方向伸長壁部436Bは、好ましくは、チャンバ410Bの部分を準備することを可能にし得る内部側壁部412Bとより近くの位置に配置される。
【0130】
図37中、血漿及び赤血球の間の界面は、好ましくは、標準的な条件、すなわち過剰流出又はそれ以上の条件にない時には、ほぼエッジ439B及び443Bの間に配置される。界面の半径方向内側の血漿は、好ましくはチャンネル418Bからの血漿除去のために回収領域458Bから開口449B及び出口流路446Bへと流れる。界面の半径方向内側の赤血球は、好ましくはチャンネル418Bからの赤血球除去のために開口456Bへと流れ込み、出口流路454Bを通過して流れることを可能にされる。
【0131】
J. 血液処理チャンバの第10の実施形態
図39−42Bは、通常500で示される血液分離チャンバのその他の実施形態をチャンバ500内の血液を移動する路を示す図41と共に示す。既に論じられた先の実施形態と共に、チャンバは500内部及び外部側壁部502及び504をそれぞれ含み、また向かい合う端壁部(一方の端壁部506が図39中に示されている)を含み、それらがともにチャンネル508を規定する。外部側壁部504は、より上流の位置の外部側壁部504における半径方向外側に配置された半径方向外側部分505(図39及び40A)を含む。
【0132】
2つの半径方向内部半径壁510及び512は、通常ハブ501から外側に延在する514においてインレットを規定する。図42A中に最も良く示されるように、インレット514は、通常異なる方向に配置されるいくつかの部分546、548、550及び552を含む。第1の部分546は内部半径壁510及び512の間のハブ501における半径方向外側へ延在し、部分的に上部端壁部(非表示)により規定される。第2の部分548は第1の部分546の1つの端部から軸方向に方向づけられ、チャンバ500の上部端壁部及び中間軸位置の間に規定される。第3の部分550は第2の部分548の1つの端部から半径方向に方向づけられ、インレット514の第1の部分546から軸方向に分岐する。第3の部分550のその他の端部はほぼ外部側壁部504に近い半径方向外側の位置において規定される。第4の部分552は通常第3の部分550に対し直交して配置され、流体をチャンネル508へと入ることを可能にさせるためにチャンネル508の上流端部へ向けて方向づけられる。図41中、第4の部分552により規定される流体路はチャンネル508により規定される流体路とほぼ平行である。図41中に示されるように、流体は、チャンネル508の上面において上部端壁部から軸方向に間隔をおいた位置でチャンネル508に入る。
【0133】
先の実施形態と同様に、図39中のチャンネル508は通常516で示されるバリアを含み、それは上流及び下流側518及び520を有している。バリア516は通常外部側壁部504に対し垂直に延在する。図40A及び42B中、バリア516の外部エッジ522は、中間端壁部536の上方に半径方向外側部分505から間隔をおいて配置され、これが第1の流路524(図40A及び41中で最も良くみられる)を規定する。中間端壁部536の上方で、第1の流路524がバリア516の外部半径エッジ522周辺での流れを可能にする。エッジ522は外壁部504の位置に近い半径方向の位置を有する。第1の流路524は、好ましくはチャンネル508の上部端壁部(非表示)及び中間端壁536の間で軸方向に規定され、この中間端壁はチャンネルの底部端壁部506から間隔をおいている。バリア516の周辺の流れが通常許可されないようにするために、中間端壁536の下方で、外部半径エッジ522は外部側壁部504又はその部分505を連結する。
【0134】
図40、40A及び42B中、バリア516は、好ましくは内部側壁部502における半径方向内側の半径方向の位置へと半径方向内側に延在する。バリア516は第1の及び第2の出口流路526及び528の間の隔壁を形成する。図40及び40A中に示されるように、第1の出口流路526はバリア516の上流側518及び内部半径壁530の間に規定される。このような路への開口又はアウトレット532は、バリア516の上流のチャンネル外部へと流れることを可能にするために、内部側壁部502において配置される。第2の出口流路528はバリア516の下流に配置され、開口534を含む。第2の出口流路528はバリア516及び内部半径壁512の間に規定される。内部半径壁512の半径方向外側エッジ513は内部及び外部側壁部502及び504における中間の半径方向の位置に配置される。このようなエッジ513は、好ましくはバリア516の外部エッジ522の半径方向内側にある。
【0135】
図40Aに最もよくみられるように、回収領域538はバリアの下流に配置される。回収領域は、好ましくは、上部端壁部(非表示)及び底部端壁部506間隔をおいた中間端壁部536(図42Bも参照)の間に軸方向に規定される。回収領域538は第1の流路524と流体連通している。図40A中、回収領域538は、好ましくは、内部側壁部502及び外部側壁部504の半径方向外側部分505の間におけるその半径範囲中に規定される。開口534は、1以上の液体成分の流れを可能にし、好ましくは赤血球をチャンネル508から除去するために出口流路528を通じ外へと出すために、回収領域538と連通する。
【0136】
図40A中、回収領域538は、内部半径壁512の右側に配置された半径通路540をさらに含む。通路540は、内部半径壁512及び外部側壁部504から半径方向内側に延在する伸長部分542の間に規定される。通路540は内部側壁部502へと延在し、非半径通路544を通じて、図40A中右側に配置されたチャンネル508の部分と連通する。伸長部分542は内部及び外部側壁部502及び504における中間の半径方向の位置において終結し、好ましくは、エッジ513における半径方向内側の半径方向の位置において終結する。伸長部分542は、従って、内部側壁部502に隣接する位置に非半径通路544を配置する。好ましくは、半径通路及び非半径通路540及び544の両方が上部端壁部(非表示)及び中間端壁部536の間に軸方向に規定される。
【0137】
図40A中に示されるように、通路540及び544は通常、チャンネル508の上流及び下流端部の間の連通を可能にする。これらの点で、通路544は、好ましくは通路544の右側のチャンネル508における部分から回収領域538へと血漿が流れることを可能にする。図41中に示されるように、血漿は伸長部分542の左側を流れる。血漿は、好ましくは、界面がエッジ513及び522の間のほぼ半径方向の位置において配置される時、回収領域538へと流れ込む。前述のように、図42Aは、インレット514及び、チャンネル508への通路540及び544周辺の路を迂回するために配置されるその部分546、548、550及び552を示す。内部側壁部502におけるインレット部分552を位置づけることが、成分が十分な分離を受ける機会を得る前の全血又はその他の流体が回収領域538への流入を回避することを助ける。
【0138】
図40A、血漿は、好ましくは図40Aにおけるバリア516左側の第1の出口流路526における開口532を通じてチャンネル508を出る。血漿はまた、界面における半径方向の位置の上方に多量の血漿を維持するために、通路544を通じてバリア516の右側の回収領域53へと流れることを可能にされる。赤血球は、好ましくは第2の出口流路528を通じて外に出る。標準的な条件の間、回収領域538中の界面は、好ましくは、バリア516の外部エッジ522及び内壁512上に形成されるエッジ513の間に配置される。血漿は、界面の半径方向内側における回収領域538の少なくとも一部の容量を満たすために、通路544を通じて供給される。エッジ513の半径方向の位置が血漿を第2の出口流路528へと流すことを可能にしないことが好ましい。
【0139】
III. 濃縮された血小板の回収手順を実行するためのシステムの使用
任意の上述の実施形態を、好ましくは血漿回収手順、二重赤血球回収手順、及び血小板回収手順ならびにその他の回収手順等の多様な生体液回収手順に対して利用することができる。このような手順は前述のデバイス14及びコントローラ16を伴う血液フローセット12により行われる。図43−48中の血液分離チャンバは、通常、前述の任意の実施形態における構造を含み得る参照番号18により参照される。
【0140】
以下にいくつかの血小板回収手順を記述するものとするが、上述の実施形態はその他の回収手順及びのために使用することができ、また、1以上の回収手順を使用することができることが理解される。一例としてであり、限定されるものではないが、典型的な血漿及び二重赤回収手順は上記に特定された少なくとも1つの特許又は特許出願中に記述されており、本明細書中に参照により取り込まれるものとする。さらに、本明細書中に記載される任意の実施形態が、関係各国で許可された量の1以上の血液成分を回収するために使用され得る。血小板に富む濃縮物の回収を以下の詳細に記述するが、任意のこれらの方法が、その最も広い解釈においてその他の生体液成分ならびにその他の血液成分を含み得ることが意図される。
【0141】
A. 血小板回収のための再循環
図43−45は血小板回収のための方法を概略的に示す。図43中、液体成分、好ましくは全血がチャンバ18にポンプで送り込まれる。この血液は血液ソース、好ましくはドナーからのいずれかからチャンバ18へと流れ込むか、又は血液ソースからの血液がチャンバ18により次なる処理のために一時的に保管される工程中のインプロセス容器158から流れ込む。全血WBは、インプロセスポンプIPPのポンピング等によって、インレット流線102を通じチャンバ18へと流れることを可能にされる。
【0142】
チャンバ18内で、図11におけるような密度をベースにした液体成分の分離が起こる。上述のように、この分離のさらなる詳細は、Brown, ”The Physics of Continuous Flow Centrifugal Sell Separation, ”Artificial Organ, 13(1) : 4−20 (1989)において説明されている。赤血球RBC等のより高密度の成分外部又は高− 側壁部に向かって力を受け、血小板に乏しい血漿等のより低密度の成分は内部又は低−g側壁部に向かって力を受ける。図11中、その界面は使用される特定の手順に依存して変化し得るものではあるが、赤血球及び血漿の間の界面は、血小板及び白血球の少なくとも一部を含むバフィーコート層を含む。
【0143】
界面を形成させるために十分な時間が経過した後に、流体は、手順の必要性に応じて、界面のいずれかの側から又はその両側から、それぞれのアウトレットチューブ104又は106を通じ別々に回収されることができる。例えば、いくらかの血小板に乏しい血漿PPPは、アウトレットチューブ106を通じて界面の半径方向内側に回収され、血漿回収容器160へと回収されることができる。いくらかの赤血球RBCは、アウトレットチューブ104通じて界面の半径方向外側に回収され、赤血球回収容器162へと回収されることができる。上記チャンバにおける前述のバリアは、好ましくはこのような血漿又は赤血球回収の間にバフィーコート中に含まれる血小板の蓄積を可能にするが、血小板の回収はまだ開始されない。
【0144】
血小板を回収する前に、液体成分において過小流出状態(under spill condition)が与えられることが好ましい。この過小流出状態を図13に示す。光学センサー148が、通常は赤血球がそれを通じて出るチューブ104から血漿の一部が出ることを検知する。過小流出状態は、アウトレットチューブ104中の成分を通過する光の光学的透過率に基づいて経験的に測定される。光学センサーのデータはヘマトクリット値へと変換される。アウトレットチューブ104のヘマトクリット値における減少は過小流出状態を検知する。過小流出状態にさせることが、通常の回収操作の間における界面の半径方向の位置(図11)と比較して界面を半径方向に外側にさせる(図13)。この過小流出状態は、チャンバ中の得られた流体が約20−40パーセントの範囲のヘマトクリット値を有するまでの赤血球の除去を可能にする。
【0145】
ひとたび所望のヘマトクリット値レベルが達成されると、チャンバ18中の流体は好ましくは所望のヘマトクリット値の範囲内に維持される。例えば、血漿回収容器160への流れを阻止するために血漿の流れは停止され得、チャンバ18からの赤血球の流れもまた停止され得る。このような流れはバルブステーション30の操作により、及び/又は血漿ポンプPP等の1以上のポンプを停止させることにより停止され得る。インプロセスポンプIPPは、より低い流速において操作されることが好ましいが、操作を継続することが可能である。
【0146】
この方法は、チャンバ18内の分離された液体成分の再混合をさらに含む。再混合は好ましくは時計回り及び反時計回りの両方向におけるチャンバの回転により実行される。好ましくは、チャンバ18は、時計回り及び反時計回りの方向に交互に1回以上回転される。再混合のステップは、好ましくは前述のようなものと近似するチャンバのヘマトクリット値を有する血漿、赤血球、血小板及び白血球を含む均一な血液混合物をもたらす。再混合のステップは、これらの時間は変化し得るものではあるが、好ましくは約1−3分で終了する。いずれかの方向へのチャンバの回転は、好ましくは、成分を最初に分離する間の回転速度よりも非常に低下された速度におけるものであり、その他の速度が可能ではあるが、例えば、約300−600RPMの範囲である。1オメガならびにそれらの組み合わせも使用され得るが、本明細書中で用いられる角速度は慣習的には2オメガであることが特筆される。
【0147】
十分な再混合時間の後、チャンバ内の流れが次いでインレットチューブ102からアウトレットチューブ104及び106へと通常方向づけられるようチャンバを同方向に回転させるために、ローターが再始動される。ローターの特定の速度は変化し得るが、そのような速度は2500RPMであり得る。血漿と赤血球の間の界面は再形成され得る。好ましくは、チャンバ18からの血漿及び赤血球の回収は、界面が再形成のために十分な時間を与えられるまでは開始されない。
【0148】
界面が再形成された後、血漿及びインプロセスポンプはアウトレットチューブ106を通じて界面の半径方向内側から血漿を取り除くために作動され、赤血球は流線104を通じて界面の半径方向外側から引き込まれる。図44中に示されるように、両方の成分はチャンバ18を通る再循環のためにインレットチューブ102を通じて逆向きに迂回させられる。再循環の間、血漿又は赤血球は、それらの容器160及び162の中へ全く回収されない。血漿中の血小板濃度は通常、界面から血漿中に懸濁されてくる血小板によって再循環中に増加する。両成分の再循環は、所望の濃度の血小板を有し視覚的に赤血球が少ない血小板に富む血漿を光学センサー146が検出するまで継続する。上記に論じたように、再循環される混合物のヘマトクリット値は約20−40%の間である。再循環は、血漿又は赤血球のいずれか一方のみの成分が所望の通りに再循環されるよう変更されることもできる。
【0149】
本システムの特定の条件に依存してその他のポンプ流速を使用することができるが、再循環の間、好ましくは、インプロセスポンプIPP及び血漿ポンプPPのポンプ流速の比率は60/40である。再循環はまた、血小板に富む血漿と赤血球の間の界面を定着させるために白血球濃度を増加させることを可能にする。このようなポンプの比率が、血小板に富む血漿PRP及び全体の血小板濃縮回収効率を低下させる白血球WBCの数に直接的に影響を及ぼすことも見出されている。一例であって限定されるものではないが、図45A及び45Bは、より高い血小板濃度(図45A)及びより低い白血球WBC濃度(図45B)を有する回収された流体を示す。図45A及び45B中、このような流体は、約25%のチャンバのヘマトクリット値を有する約1250PRMの1オメガ速度で作動された約120cm2の表面積を有するチャンバから回収された。その他の回収効率が、異なるチャンバ表面積、遠心分離速度及びチャンバのヘマトクリット値に対して作成され得る。
【0150】
血小板に富む血漿PRPの再循環は特定の手順に依存して変化し得るが、好ましくは約2−4分間数分間継続することができる。十分な再循環時間の経過後に、血小板に富む血漿PRPは、アウトレットチューブ106を通じて図45中に示されるような血小板濃縮物PC容器161へと回収される。また、図45中に示されるように、血小板に乏しい血漿PPPが、血小板に富む血漿PRPの回収によりチャンバ18内で失われる流体容量を置き換える。血小板に富む血漿PRPの回収が上述されているが、これらの方法が血小板に乏しい血漿及び/又は赤血球の回収を使用することもできる。
【0151】
上述の方法に対し多様な改変が可能である。ひとつの改変は、血液成分の再混合に影響を及ぼす少なくとも2つのポンピング速度の間でインプロセスポンプIPPを作動させることを含む。例えば流体は、時計周り又は反時計回り方向に回転されている第1の流速でインプロセスポンプIPPによってチャンバ18へとポンプで送られ、次いで第2の流速でいずれかの方向に繰り返される。1以上の流速が使用されるところでローターのスピードを減少させることなどにより遠心力は減少され得る。
【0152】
別の改変は再混合中に血漿ポンプPPを作動させることを含む。血漿はアウトレットチューブ106を通じて回収され、インプロセス容器158へと流れ込む。同時に、インレットチューブ102においてこの流れは、チャンバ18からの流体がインレットチューブ102を通じてインプロセス容器158にも流れ込むようにインプロセスポンプIPPを使用して逆向きにされる。インプロセス容器158中の流体は次いでインレットチューブ102を通じてチャンバ18へと逆流され得る。従って、液体成分はチャンバ18の外側で混合され、次いでチャンバ内に再び入る。
【0153】
手順の間の異なる時期における異なる比率に対する回収段階の間、インプロセスIPP及び血漿ポンプPP間のポンプ比率を変更することがさらに可能である。先に論じられたこの方法に対する別のさらなる改変は、血小板に富む血漿PRPが回収された後のチャンバ18内の容量を置き換えるための血小板添加溶液の使用を含む。
【0154】
さらに、チャンバ18の中への、又は外への再循環時間の長さは変更し得る。例えば、再循環時間の長期化は、回収された血小板に富む血漿PRPがより少ない白血球数を有するように半径方向外側へと押し出されることを可能にする。一例としてであり、限定されるものではないが、図45Cは血小板に富む血漿PRPの再循環中の血小板及び白血球の数を示す。図45C中、血漿ポンプの15秒後に生じる第1のサンプルは、その後約1分ごとに採取されたサンプルと共に再循環のため再出発した。サンプル番号#5は、血小板濃縮物容器161への血小板に富む血漿PRPの回収開始後15秒に生じた。白血球濃度は再循環中に減少し、最初の数分間でサンプルごとにほぼ半減した。結果として、再循環時間の長期化は、血小板に富む血漿を含まない沈殿物側により多くの白血球を配分させ、従って、再循環開始時よりも実質的に少ない白血球数を有する、白血球低減化血小板濃縮物を生産する。その他の改変も可能である。
【0155】
B. 血小板回収のための遠心力の低減
血小板回収の別の方法は、チャンバから所望の流体を分離し回収するために遠心力を低減させることを含む。このような流体は好ましくは、高い血小板濃度を有する血小板及び血漿の組み合わせを提供する、血小板に富む血漿PRPである。
【0156】
図43−45の前述の方法と同様に、この方法は流体、好ましくは全血を、前述されるチャンバの任意の1つへと導入することを含む。遠心力は、好ましくは図11中に示される分離をもたらすチャンバの、その軸周辺の回転により加えられる。血小板及び白血球は通常、血漿及び赤血球の間の界面又はバフィーコート層中に定着する。この界面内で、密度に基づき血小板及び白血球間で少なくともいくらかの分離が起こり得る。この点で、血漿に隣接して血小板の薄層が位置し得る。一例としてであり、限定されるものではなく、その他の速度も可能であるが、約4,500−5,000RPMの範囲での回転速度が界面内の血小板層をもたらす。
【0157】
最初の分離後、遠心力が低減される。このような力の現象は好ましくはチャンバの回転速度の減少により実行される。遠心力の減少は、好ましくは界面中に存在する血小板層の拡張をもたらすのに十分であり、それにより図46中に示されるような界面の拡張をももたらす。一例としてであり、限定されるものではないが、好ましくは約2,500RPMの回転速度が厚さ約4−6mmの血小板層を提供する。
【0158】
界面の肥大に際し、界面又はバフィーコートから得られるものと同様の数の血小板を、血小板に富む血漿PRPとして回収することが望ましい。一例としてであり、限定されるものではないが、図12中に示されるものと類似の過剰流出状態(over spill condition)をつくり出すために、回収は、拡張された界面を内部側壁部又は低−g壁方向に半径方向内側へと移動させることにより実行される。この点において、光学センサー146は光学的にアウトレットチューブ106中の血小板の存在をモニターする。このような点において、血小板の十分な濃度がアウトレットチューブ106内に検出される時、流体の流れは血小板回収PC容器161へ流れ込むことを可能にされる。このような点の前に、チャンバ18からの流体の流れは血漿回収容器160へと流れ込み得る。
【0159】
この方法の改変も可能であり、このような改変は、示され本明細書中に記載される特定の構造により限定されない。さらにこの方法は本明細書中に記載される任意のその他の方法と組み合わせることができる。血小板の除去は回収手順の間に2回以上実行される。血小板に乏しい血漿及び/又は赤血球の分離回収等のその他の回収手順をこの方法と組み合わせて実行することも可能である。
【0160】
C. 血小板回収のための反復的界面形成
この方法は界面の片側からの流体の回収を提供し、次いでその界面に、好ましくはこのような流体の異なる回収の実行を可能にする。上記に論じられた方法と類似して、この方法は好ましくは全血をチャンバ内に導入し、その血液を密度に基づいて、図11中に示されるような成分に分離する。その界面又はバフィーコート層は血漿及び赤血球の間における中間半径方向の位置に配置され、血小板を含む。
【0161】
界面内の血小板の回収は過剰流出状態にさせることにより実行され、それによってその界面は図12中に示される内部側壁部又は低−g壁へと力を加えられる。前述のように、血小板は光学センサー146によって光学的にアウトレットチューブ106中でモニターされ、血小板に富む血漿PRPは、光学センサー146が血漿内の十分な濃度の血小板の存在を検知した時に血小板回収容器161へと方向を変えられる。
【0162】
予め決定された回収時間の後に回収は停止され、図11中に示されるように界面は以前の中間半径方向の位置へと戻され得る。このような位置において、界面は、移動されて又は界面からずれた血小板がその界面へと戻って定着するように再形成するための時間を与えられる。界面の再形成のための十分な時間が与えられた後、界面が半径方向内側に移動し、より血小板に富む血漿PRPがアウトレットチューブ106を通じて回収され得るように、別の過剰流出状態が使用される。
【0163】
ひとつの改変において、血小板に富む血漿の除去のステップは少なくとも2回繰り返され得、その界面はそれぞれの連続的な除去事象の間に再構成されることができる。さらなる改変において、この方法は本明細書中に記載の任意のその他の方法と組み合わせることができる。一例としてであり、限定されるものではないが、この方法は上述の遠心力の低減と組み合わせることができる。この方法はまた、別々の血小板に乏しい血漿及び/又は赤血球回収物と組み合わせることもできる。
【0164】
IV. 組み合わされたRBC/血漿回収手段を実行するためのシステムの使用
前述の血小板濃縮物回収手順における回収の代わりに又はそれに加えて、赤血球及び血漿を別々に回収する組み合わされた赤血球及び血漿回収手順を実行するため、前述の任意のチャンバがさらに利用され得る。そのようなものとして、本システム及びその構成要素はこの手順のステップを実行するために必要に応じて改変可能であり、より詳細を以下に記述する。
【0165】
A. 第1の取り出しサイクル
図47中に示されるように、血液供給源BSは、その血液が血液分離デバイス10(図1)及びそのフローセット12(図4−6)により処理され得るように流体的に連通されている。フローセット中への血液の流入を概略的に図47に示す。血液供給源BSは示されるようなドナー又はその他のヒト被験者であるか又は装置と連結されたその他の血液供給源であり得る。このようなドナーは、例えばドナーの腕へと静脈切開針128を挿入することによって、血液分離デバイスに連結されることができる。全血は、通常図47に示されるように、抗凝血剤リザーバー150からそれぞれの流線152を通じて混合される流線126(図5及び6も参照)へと流れることができる。
【0166】
血液供給源BSがデバイスと連結されている時、全血WBは、好ましくは、チャンバ18を満たすためのシステムによって指示されたように適切な流管を通じて移動する。チャンバにエアをパージし、チャンバを生理食塩水で呼び水する及び/又は適切なその他の手順等、1以上の回収前手順を経て、チャンバ18はおそらく血液処理のため準備されている。全血は、チャンバ18が満たされるまでインレット流線102を通じてチャンバ18に入る。全血はまた、血液供給源BSから取り出され、チャンバ18によるその後の処理のためにインプロセス容器158中に一時的に保管される。血液供給源BSから取り出される全血の容量は、例えば本システムの重量計62(図3−6)によって測定される。血液供給源BSからの全血の回収は、一定の予め決められた全血容量に到達するまで、又は上記に論じられたように特定のあるいは全ての戻りサイクルを与えるまでのいずれかまで継続する。一例としてであり、限定されるものではないが、組み合わされた赤血球及び血漿回収手順の間に、この手順は約2単位又は800mlの全血を回収することができる。その他の全血回収容量が可能であり、それは目標とされる容量及び回収される成分のタイプに依存するであろう。
【0167】
上記に論じられた先の方法と類似して、チャンバ18内の全血は図11中に示されるように密度に基づいて成分へと分離できるように処理される。十分な処理時間の後、流体は界面のそれぞれの側から除去される。血漿Pは界面の片側から除去される。赤血球はその界面の別の側から除去される。図47中、血漿Pはアウトレットチューブ106を通じてチャンバ18を出、また赤血球濃縮物RBCはアウトレットチューブ104を出る。
【0168】
第1の及び第2の液体成分、好ましくは血漿及び赤血球は、チャンバからそれらの各々の回収容器160及び162へと移動される。容器160及び162内に回収された各液体成分の容量はまた、回収サイクルの間中測定される。チャンバ18からの成分の処理及び回収は、好ましくは流体回収容器160及び162の少なくともひとつにおける内部容量が予め決定された最低閾値に到達するまでであるが、少なくともひとつの液体成分の目標とされる総量が回収される前まで継続する。容器160及び162のうちひとつの容量が予め決定された最低閾値に到達する時、デバイスは少なくともひとつの血液成分における全て又は部分的な戻りを可能にするために設定される。
【0169】
B. 戻りサイクル
図48中、液体成分の少なくともひとつ、好ましくは赤血球RBCにおける一部がドナーに戻される。この戻りサイクルの間、インプロセス容器158からの全血はチャンバ18へと流れ、また処理される。少なくともひとつの成分が必要に応じて血液供給源へと戻り得るが、好ましくはチャンバ18中の成分の分離及び回収は継続される。図48中、チャンバ18を出る赤血球RBCはドナーへ戻される。手順においてこの点まで回収される赤血球の全ての又は一部はドナーへ戻され得、戻される量は使用される特定の手順に依存し得る。
【0170】
図49は、全ての赤血球が「最後の戻り」においてドナーに戻され、及び全ての血漿がシステム内に保管される組み合わされた赤血球及び血漿手順に関するより詳細な説明を示す。血漿回収容器160内の血漿の容量がシステム内で維持され得る間、手順の必要性に応じて血漿の一部がドナーへと戻され得ることも可能である。
【0171】
流体成分の少なくともひとつの所望の容量が血液供給源へと戻された後に戻りサイクルは終了する。好ましくはさらなる戻りサイクルは開始されない。これらは血液供給源が分離デバイスへと連結されねばならない時間を増加させるだろうからである。
【0172】
C. 第2の取り出しサイクル
戻りサイクルの後に、前述され、また図47中に示されるようにさらなる全血が血液供給源から取り出され処理される。第2の取り出しサイクルの間に血液供給源BSから取り出される全血の量は予め決められた値に基づく。このような値は、好ましくは第1の回収サイクルの間に回収される血漿及び赤血球の量、及びチャンバ18を出る赤血球のヘマトクリット値に依存する。容器160中の血漿の容量データ及び容器162中の赤血球の容量は、好ましくは重量センサー等により第1の取り出しサイクルの間中モニターされ、血液供給源BSに対しこのような成分が任意に戻される前に第1の取り出しサイクルの端部にて測定される。チャンバ18のヘマトクリット値は、アウトレットチューブ104中のセンサー148(図11)を通じて光学的に測定される。本システムは、液体成分の少なくとも1つ又は両方において目標とされる最終容量を達成するために、血液供給源BSからどれくらいの全血が取り出されねばならないか経験的に計算するために容量的な及びヘマトクリットの値を使用する。その計算において、本システムは、すでに回収された血漿又は赤血球の容量が維持されているか、あるいは血液供給源BSへと戻されたかどうかも考慮する。
【0173】
図49の例において、第1の回収サイクル後に維持される血漿の容量は約160mlである。維持される赤血球の容量は0ml又はほぼゼロである。目標とされる血漿及び赤血球の容量はそれぞれ約400ml及び240mlである。これらの目標とされる容量を達成するためにドナーから取り出されるさらなる全血は約480mlであると測定されている。従って、これが第2の回収サイクルの間に取り出されるべき全血の容量である。異なる容量及びヘマトクリット値についてはその他の容量が明らかとなるであろう。
【0174】
D. 分離後の処理サイクル
血液供給源BS又はドナーは、予測される容量の全血が取り出された後にデバイスから分離され得る。全血の処理はデバイスから分離される血液供給源BSを除いた第1の取り出しサイクルのために、図47中に上記されるように繰り返される。全血の処理はドナーの分離後も継続し、従ってドナーがデバイスに対し連結されている必要がある実際の時間を短縮する。すなわち、血液供給源BSがデバイスに連結されている間の総時間量は、全血がデバイスによって回収され処理される間の総時間量よりも少ない。
【0175】
一例としてであり、限定されるものではないが、図49は約21分間の総処理時間を有する約800mlの全血についての回収手順を示す。この手順は、戻りサイクルの間に赤血球がドナーへと戻されるよう維持することを伴って、約400mlの血漿及び約240ml(又は1単位)の赤血球を回収する。ドナーがデバイスに対し連結される総時間は総処理時間よりも少なく、すなわち21分間未満である。なぜならドナーは最後の戻り後に分離され得るからである。図49中ドナーがデバイスに対し連結される総時間は約14分間であり得る。その他の総処理時間及びドナー連結時間が可能であり、手順の目標に依存する。
【0176】
好ましくは、少なくともひとつの血液成分の総目標容量が達成されるまで、又はすべての血液が処理されるまでのいずれかまで、血漿及び赤血球等の少なくとも2つの成分が取り除かれてそれらの各回収容器160及び162中に保管される。さらなる処理又は分離は任意の上述の方法又はその他の回収手順に従って使用され得る。例えば、血小板濃縮物を回収するために任意の1以上の上記方法が使用可能である。血小板プール血漿は、任意の前述の方法に従って界面から血小板を再懸濁するために使用され得る。あるいは、血小板添加溶液又はPASが血小板濃縮物を回収する方法のために使用され得る。従って、この方法は、少なくとも2つの血液成分、血漿及び赤血球ならびに血小板濃縮物を回収するための上述された任意のものと組み合わせることもできる。回収量は特定の国により定められた回収限界に応じて異なるであろう。
【0177】
上記の記載から見て取れるように、本発明はいくつかの異なる態様及び特徴を有し、それらは添付の図面に示された特定のチャンバ又は論じられる特定の手順に限定されるものではない。これらの特徴のバリエーションが、血液分離、処理又は回収のためにその他の手順を実行するためのその他の構造において具現化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】図1は理想的に血液の処理に適応させた流体処理システムの斜視図であり、このシステムは、血液処理装置(輸送及び保管のために閉鎖的条件下で示される)及び使い捨ての液体及び血液フローセットを含み、この血液フローセットは1以上の血液成分(使用前の輸送及び保管のためにトレー中にパッケージされて示される)の分離及び回収をもたらすために上述の血液処理装置と相互作用する。
【図2】図2は、操作のために開かれた状態で示された、図1に示される血液処理装置の斜視図である。
【図3】図3は、血液処理チャンバおよびポンプを受け入れるために開かれた遠心分離ステーション、ならびに流体圧力作動式カセットを受け入れるべく開かれたバルブステーションを伴う、図2に示される血液処理装置の斜視図である。
【図4】図4は、フローセットを本装置に取り付けるために配置された使い捨ての液体および血液フローセットを含むトレーを伴う、図3に示されている血液処理装置の斜視図である。
【図5】図5及び6は、それぞれ、使用のために液体および血液フローセットを本装置に取り付けた後の、図2に示される血液処理装置の右及び左からの側面斜視図である。
【図6】図5及び6は、それぞれ、使用のために液体および血液フローセットを本装置に取り付けた後の、図2に示される血液処理装置の右及び左からの側面斜視図である。
【図7】図7は、血液処理チャンバと、図5および6に示される液体および血液フローセットの一部を形成する、接続された臍状体の斜視図である。
【図8】図8は、図7に示されるタイプの血液処理チャンバにおける一実施形態の内部の斜視図であり、このチャンバは、図5および6に示されている装置を用いて赤血球の分離および収集手順を果たし得る。
【図9】図9は、図7に示されるタイプの血液処理チャンバを受け入れるために開かれたステーションドアを伴う、図5および6に示される装置における遠心分離ステーションの内部の透視図である。
【図10】図10は、使用のために図7に示されているタイプの血液処理チャンバが取り付けられた後の、図9に示されている遠心分離ステーションの内部の透視図である。
【図11】図11は、図7に示さるタイプにおける血液処理チャンバ内部の概略図であり、全血の、標準的条件での層の位置関係を示す、赤血球層、血漿層および中間のバフィーコート(buffy coat)層への分離を示す。
【図12】図12は、図7に示されているタイプの血液処理チャンバの内部概略図であり、バフィーコート層が低G壁に非常に近接した位置へ移動し、回収される血漿中にバフィーコート成分が入り込む、過剰流出状態が創出される様子を示している。
【図13】図13は、図7に示されているタイプの血液処理チャンバの内部概略図であり、バフィーコート層が高G壁に非常に近接した位置へ移動し、回収される赤血球のヘマトクリットの低減をもたらす、過少流出状態が創出される様子を示している。
【図14】図14は、図7に示されているタイプの血液処理チャンバの第2の実施形態の内部上面透視図であり、このチャンバの内部は、図5および6に示されている装置を用いて血漿分離及び回収手順又はその他の手順を実行することができる。
【図15】図15は、図14に示される血液処理チャンバの底面斜視図である。
【図16】図16は、図14に示されている血液処理チャンバにおける内部領域の拡大側面透視図であり、分離ゾーンから赤血球を血漿とは別の路に方向付ける先細の表面を有するバリアを示している。
【図17】図17は、図16に示されている領域の拡大底面透視図であり、赤血球がバリアにより分離ゾーンから方向付けられたときにそれらの赤血球が辿る路を示している。
【図18】図18は、図16に示されている領域の拡大上面透視図であり、赤血球と血漿がバリアにより分離ゾーンから方向付けられたときにそれらの赤血球および血漿が辿る別々の路を示している。
【図19】図19は、図7に示されているタイプのチャンバの第3の実施形態の内部透視図であり、このチャンバの内部は、図5および6に示されている装置を用いて流体分離及び回収手順又はその他の手順を実行することができ、向かい合う端壁部の一方がチャンバの残りの部分から離れて示されている部分図も示している。
【図20】図20は、図19のチャンバの内部上面図である。
【図20A】図20Aは、図20のチャンバの回収領域の拡大された部分上面図である。
【図21】図21は、図19のチャンバの底面斜視図である。
【図22】図22は、断面で示されるチャンバの一部を伴う図19のチャンバの斜視図である。
【図23】図23は、上方端壁部が除去されて示される図7中に示されるタイプのチャンバの第4の実施形態における内部透視図であり、このチャンバは、好ましくは図5及び6中に示される装置を用いた流体分離及び回収手順に使用され得る。
【図23A】図23Aは、図23Aのチャンバがバリア上流のチャンネルからの出口路を何ら有さないこと以外は図23のチャンバと同様であるチャンバの第5の実施形態における透視図である。
【図24】図24は、図23のチャンバの部分上面図である。
【図24A】図24Aは、チャンバ内の流体の路を示すためチャンバが除去されている、図23A中に示されるチャンバにおける流体の流れの透視図である。
【図25】図25は、図7中に示されるタイプのチャンバにおける第6の実施形態であり、チャンバの内部は図5及び6に示される装置を用いた血小板分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図26】図26は、図25に示されるチャンバ内部の上面図である。
【図27】図27は、断面で示されるチャンバ部分を伴う図25のチャンバの部分斜視図である。
【図28】図28は、図7に示されるチャンバの第7の実施形態における内部透視図であり、このチャンバ内部は図5及び6に示される装置を用いた回収手順における流体分離を実行するために構成されている。
【図29】図29は、図28のチャンバの部分上面図である。
【図30】図30は、断面で示されるチャンバの部分を伴う図28のチャンバの部分透視図である。
【図31】図31は、図7に示されるタイプのチャンバの第8の実施形態の内部の上面図であり、チャンバの内部は図5及び6に示される装置を用いた各種流体分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図32】図32は、図31のチャンバの拡大された部分的な左方向からの透視図である。
【図33】図33は、図31のチャンバの円で囲まれた部分における拡大された部分的な上面図である。
【図34】図34は、断面で示されるチャンバの部分を伴う図31のチャンバの拡大された部分的な上面斜視図である。
【図35】図35は、図7に示されるタイプのチャンバの第9の実施形態における内部上面図であり、それは図5及び6に示される装置を用いた各種流体分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図36】図36は、外部側壁部の一部が除去されて示される図35のチャンバの拡大された部分的な透視図である。
【図37】図37は、図35のチャンバの拡大された部分的な上面図である。
【図38】図38は、図37で示されるチャンバの一部のさらに拡大された上面図である。
【図39】図39は、図7で示されるチャンバの第10の実施形態の内部透視図であり、それは図5及び6に示される装置を用いた流体分離及び回収手順を実行するために構成されている。
【図40】図40は、図39のチャンバの上面図である。
【図40A】図40Aは、図39のチャンバの拡大上面図である。
【図41】図41は、チャンバ内の流体の路を示すためにチャンバが除去された、図39に示されるチャンバ内の流体の流れの斜視図である。
【図42A】図42Aは、図40の42A−42Aの線に沿った部分的な断面図である。
【図42B】図42Bは、図40の42B−42Bの線に沿った部分的な断面図である。
【図43】図43−45は、本明細書中に記載の流体回収方法の一つに従って実行され得る流路の概略図である。
【図44】図43−45は、本明細書中に記載の流体回収方法の一つに従って実行され得る流路の概略図である。
【図45】図43−45は、本明細書中に記載の流体回収方法の一つに従って実行され得る流路の概略図である。
【図45A】図45Aは、再循環速度(ml/分で示す)を、予め決定された再循環時間の後に回収される、赤血球と血漿の界面における半径方向内側に回収されたサンプル中の血小板濃度に対してグラフで表したものである。
【図45B】図45Bは、再循環速度(ml/分で示す)を、予め決定された再循環時間の後に回収される、赤血球と血漿の界面における半径方向内側に回収されたサンプル中の白血球数に対してグラフで表したものである。
【図45C】図45Cは、様々な長さの再循環時間の間に観察される血小板及び白血球濃度の両方をグラフで表したものである。
【図46】図46は、図7に示されるタイプのチャンバにおける内部の概略図であり、分離層の少なくとも1つを拡大させるために遠心力を減少させるステップを含むその他の方法と共同する全血の分離を示す。
【図47】図47及び48は、本明細書中に記載のその他の方法と共同して実行され得る流路の概略図である。
【図48】図47及び48は、本明細書中に記載のその他の方法と共同して実行され得る流路の概略図である。
【図49】図49は、本明細書中に記載のひとつの方法と共同して血液供給源に対して液体成の少なくとも一部を回収して戻すサイクルを説明するチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
該チャンネルの該端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、第1の流路と流体連通するバリア下流の回収領域;ならびに
該回収領域からの1以上の流体成分の流れを可能にし、該回収領域と連通する第1及び第2の開口;
を含む、分離チャンネル。
【請求項2】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
を含み、
該外壁部がバリアの近くにセクションを含み、外壁部の該セクションは、該セクション上流の該チャンネルの該外壁部の半径方向で外側に配置されている、
分離チャンネル。
【請求項3】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリアであって、該外壁部へと伸びており、該チャンネルの該軸長の相当の部分に沿って該外壁部と連結している、バリア;及び
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
を含む、分離チャンネル。
【請求項4】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリアであって、該内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、バリア;及び
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
を含む、分離チャンネル。
【請求項5】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
該バリアの上流の該チャンネルと連通した第1の出口路;
該バリアの下流の該チャンネルと連通した第2の出口路;
を含み、
該出口路が該内壁部の半径方向で内側の位置で結合する、
分離チャンネル。
【請求項6】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;及び
該バリアの下流の該チャンネルからの複数の出口開口;
を含み、該チャンネルは該バリアの上流には出口開口は含まない、
分離チャンネル。
【請求項7】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び向かい合った第1及び第2の端壁部であって、該チャンネルはある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び向かい合った第1及び第2の端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリアであって、該外壁部へと延在している、バリア壁;
該バリアの該上流側と下流側との間を連通する第1の流路であって、該第1の端壁部から離れている、第1の流路;及び
該バリアの該上流側と下流側との間を連通する第2の流路であって、該第2の端壁部の表面によって規定される、第2の流路;
を含む、分離チャンネル。
【請求項8】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項9】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項10】
前記バリアが前記内壁部と前記外壁部との半径方向の位置の少なくとも間に延在している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項11】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、前記外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの外壁部の半径方向で外側に配置されている、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項12】
前記バリアが外壁部の半径方向で外側の前記セクションと連結している、請求項11に記載の分離チャンネル。
【請求項13】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項14】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項15】
前記第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向で内側の位置で連結している、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項16】
前記第1の流路を通るように方向付けられた流体成分が前記チャンネルから除去され得るように、前記バリア壁の下流にある前記第1の流路と流体連通する第3の出口路をさらに含む、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項17】
前記バリアの下流に前記チャンネルからの複数の出口開口をさらに含み、該チャンネルは該チャンネルの上流に出口開口を含まない、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項18】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、第1の流路が該第1の端壁部から離れている、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項19】
前記バリアの前記上流側と下流側との間を連通する第2の流路をさらに含み、該第2の流路は前記第2の端壁部の表面によって規定される、請求項18に記載の分離チャンネル。
【請求項20】
前記第1の流路へ方向付けられた流体成分が赤血球を含むように、前記バリアが半径方向外側に十分な距離で延在している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項21】
前記第1出口路及び第2出口路の少なくとも一方へ方向付けられた流体成分が血漿を含むように、前記バリアが半径方向内側に十分な距離で延在している、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項22】
前記第1出口路及び第2出口路の少なくとも一方へ方向付けられた流体成分が血小板を含むように、前記バリアが半径方向内側に十分な距離で延在している、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項23】
前記チャンネルの前記端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
該回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、該回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項24】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項25】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項26】
前記バリアが前記内壁部の半径方向の位置と前記外壁部の半径方向の位置との少なくとも間に延在している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項27】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項28】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項29】
前記第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向内側の位置で連結している、請求項28に記載の分離チャンネル。
【請求項30】
前記第1流路を通るように方向付けられた流体成分が前記チャンネルから除去され得るように、前記バリア壁の下流にある前記第1の流路と流体連通する第3の出口路をさらに含む、請求項28に記載の分離チャンネル。
【請求項31】
前記バリアの下流に前記チャンネルからの複数の出口開口をさらに含み、該チャンネルは該チャンネルの上流に出口開口を含まない、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項32】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路が該第1の端壁部から離れている、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項33】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の中間位置に位置している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項34】
前記バリアの前記上流側と下流側との間を連通する第2の流路をさらに含み、該第2の流路は前記第2の端壁部の表面によって規定される、請求項32に記載の分離チャンネル。
【請求項35】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の中間位置に位置している、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項36】
前記第1の流路の少なくとも一部は前記バリアの軸方向に位置する表面によって規定され、該表面は少なくとも1つの血液成分を前記チャンネルの軸方向に押し進める、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項37】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路が該第2の端壁部の表面によって規定される、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項38】
前記バリアの前記上流側と下流側との間を連通する第2の流路をさらに含み、該第2の流路は前記第2の端壁部の表面によって規定される、請求項35に記載の分離チャンネル。
【請求項39】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項40】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項41】
前記チャンネルの前記端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項42】
前記チャンネルの端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項43】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項44】
前記第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向内側の位置で連結している、請求項43に記載の分離チャンネル。
【請求項45】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の中間位置に位置している、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項46】
前記第1の流路の少なくとも一部は前記バリアの軸方向に位置する表面によって規定され、該表面は少なくとも1つの血液成分を前記チャンネルの軸方向に押し進める、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項47】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項48】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項49】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って外壁部と連結している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項50】
前記バリアが前記内壁部の半径方向の位置と前記外壁部の半径方向の位置との少なくとも間に延在している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項51】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、前記外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの前記外壁部の半径方向外側に配置されている、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項52】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項53】
前記第1流路を通るように方向づけられた流体成分が前記チャンネルから除去され得るように前記バリア壁下流の前記第1流路と流体連通する第3出口路をさらに含む、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項54】
前記バリアの下流に前記チャンネルからの複数の出口開口をさらに含み、該チャンネルは該チャンネルの上流に出口開口を含まない、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項55】
前記チャンネルの端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
該回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、該回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項56】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の間の中間位置に位置している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項57】
前記第1の流路の少なくとも一部は前記バリアの軸方向に位置する表面によって規定され、該表面は少なくとも1つの血液成分を前記チャンネルの軸方向に押し進める、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項58】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の表面が該第2の端壁部によって規定される、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項59】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の表面が該第2の端壁部によって規定される、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項60】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項61】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項62】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、該外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの前記外壁部の半径方向外側に配置されている、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項63】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含み、該第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向内側の位置で結合している、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項64】
前記チャンネルの前記端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項65】
前記複数の出口開口が前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口を含む、請求項64に記載の分離チャンネル。
【請求項66】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項67】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項68】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、該外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの前記外壁部の半径方向外側に配置されている、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項69】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項70】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項71】
通常異なる密度を有する第1及び第2の成分を含む第1の流体を遠心力場に導入する工程;
前記第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;
該界面の一方の側から第2の流体を除去する工程;
該界面のもう一方の側から第3の流体を除去する工程;
第2の流体の少なくとも一部と第1又は第3の流体を混合し、この混合した流体を前記遠心力場に再び導入する工程;
該遠心力場から該第2又は第3の流体を除去する工程;
を含む、分離方法。
【請求項72】
前記界面が前記遠心力場内のある位置に形成され、前記方法は、前記混合した流体を再び導入する前に前記界面の前記位置を変更することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第1の流体が全血を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記第2の流体が実質的に血漿を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第3の流体が実質的に赤血球を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記混合した第2の流体と第1又は第3の流体とが約20%〜40%の間のヘマトクリット値を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記血漿が血小板を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
通常異なる密度を有する第1及び第2の成分を含む第1の流体を遠心力場に導入する工程;
該第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;
該遠心力場の力を減少させる工程;
該遠心力場の該力を減少させた後、該遠心力場から該第1の流体成分を除去する工程;
を含む、分離方法。
【請求項79】
前記除去工程が1回より多く繰り返される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記除去工程が少なくとも2回繰り返される、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記第1の流体が全血を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の流体成分が実質的に血漿を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項83】
前記血漿が血小板を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
通常異なる密度を有する第1及び第2の成分を含む第1の流体を遠心力場に導入する工程;
該第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;
該界面の一方の側の該遠心力場から流体を連続的かつ反復的に除去し、該界面を再び形成させる工程;
を含む、分離方法。
【請求項85】
前記遠心力場の前記力を前記除去工程の間に減少させ、回復工程の間に増加させる、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の流体が全血を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記遠心力場から少なくとも2回流体が除去される、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記除去工程が前記界面の一方の側の遠心力場と連通するアパーチャに流体を通過させる工程を含み、前記界面は前記流体を除去するために前記アパーチャの近傍に移動され、前記界面を再び形成させるために前記アパーチャから離れる方向に移動される、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
除去された流体が実質的に血漿及び血小板を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
血液供給源と血液分離装置を連結する工程;
血液を該装置によって作られた遠心力場に導入する工程;
少なくとも2つの血液成分間に界面を生じさせる工程;
該界面の一方の側の遠心力場から第1の流体成分を除去する工程;
該界面のもう一方の側の遠心力場から第2の流体成分を除去する工程;
該第1及び第2の血液成分の少なくとも一方を保管する工程;
該第1及び第2の血液成分のもう一方の少なくとも一部を該血液供給源に戻す工程;
該血液供給源からさらなる血液を取り出す工程;
該血液供給源を外す工程;
該血液供給源が外された後、導入及び除去の工程を反復する工程;及び
該遠心力場から除去した第1及び第2の血液成分を保管する工程;
を含む、血液成分の回収方法。
【請求項91】
前記第1の流体は異なる密度の少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分それぞれの少なくとも一部を保管する工程を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記除去工程が前記遠心力場から少なくとも前記第1及び第2の成分の一部を除去する工程を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項93】
前記第1の流体は異なる密度の少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分のうち少なくとも2つの一部を前記遠心力場から除去する工程を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項94】
前記3つの流体成分の一部が前記遠心力場から除去される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記除去工程が前記遠心力場から少なくとも前記第1及び第2の成分の一部を除去する工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項96】
前記第1の流体が少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分のうち少なくとも2つの一部を前記遠心力場から除去する工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項97】
前記3つの流体成分の一部を前記遠心力場から除去する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記除去工程が前記遠心力場から前記第1及び第2の成分の一部を除去する工程を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項99】
前記第1の流体が少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分のうち少なくとも2つの一部を前記遠心力場から除去する工程を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項100】
前記3つの流体成分の一部を前記遠心力場から除去する、請求項99に記載の方法。
【請求項1】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
該チャンネルの該端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、第1の流路と流体連通するバリア下流の回収領域;ならびに
該回収領域からの1以上の流体成分の流れを可能にし、該回収領域と連通する第1及び第2の開口;
を含む、分離チャンネル。
【請求項2】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
を含み、
該外壁部がバリアの近くにセクションを含み、外壁部の該セクションは、該セクション上流の該チャンネルの該外壁部の半径方向で外側に配置されている、
分離チャンネル。
【請求項3】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリアであって、該外壁部へと伸びており、該チャンネルの該軸長の相当の部分に沿って該外壁部と連結している、バリア;及び
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
を含む、分離チャンネル。
【請求項4】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリアであって、該内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、バリア;及び
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
を含む、分離チャンネル。
【請求項5】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;
該バリアの上流の該チャンネルと連通した第1の出口路;
該バリアの下流の該チャンネルと連通した第2の出口路;
を含み、
該出口路が該内壁部の半径方向で内側の位置で結合する、
分離チャンネル。
【請求項6】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部であって、該チャンネルは、ある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリア;
該バリアの上流側と下流側との間を連通する第1の流路;及び
該バリアの下流の該チャンネルからの複数の出口開口;
を含み、該チャンネルは該バリアの上流には出口開口は含まない、
分離チャンネル。
【請求項7】
生体液を分離するための軸周り回転式分離チャンネルであって、該チャンネルは、
半径方向に離間された内部側壁部及び外部側壁部及び向かい合った第1及び第2の端壁部であって、該チャンネルはある軸長を有する、内部側壁部及び外部側壁部及び向かい合った第1及び第2の端壁部、
該チャンネルへと流体を運ぶインレット;
該チャンネルの該側壁部の中間に配置され、上流側及び下流側を有するバリアであって、該外壁部へと延在している、バリア壁;
該バリアの該上流側と下流側との間を連通する第1の流路であって、該第1の端壁部から離れている、第1の流路;及び
該バリアの該上流側と下流側との間を連通する第2の流路であって、該第2の端壁部の表面によって規定される、第2の流路;
を含む、分離チャンネル。
【請求項8】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項9】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項10】
前記バリアが前記内壁部と前記外壁部との半径方向の位置の少なくとも間に延在している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項11】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、前記外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの外壁部の半径方向で外側に配置されている、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項12】
前記バリアが外壁部の半径方向で外側の前記セクションと連結している、請求項11に記載の分離チャンネル。
【請求項13】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項14】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項15】
前記第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向で内側の位置で連結している、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項16】
前記第1の流路を通るように方向付けられた流体成分が前記チャンネルから除去され得るように、前記バリア壁の下流にある前記第1の流路と流体連通する第3の出口路をさらに含む、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項17】
前記バリアの下流に前記チャンネルからの複数の出口開口をさらに含み、該チャンネルは該チャンネルの上流に出口開口を含まない、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項18】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、第1の流路が該第1の端壁部から離れている、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項19】
前記バリアの前記上流側と下流側との間を連通する第2の流路をさらに含み、該第2の流路は前記第2の端壁部の表面によって規定される、請求項18に記載の分離チャンネル。
【請求項20】
前記第1の流路へ方向付けられた流体成分が赤血球を含むように、前記バリアが半径方向外側に十分な距離で延在している、請求項1に記載の分離チャンネル。
【請求項21】
前記第1出口路及び第2出口路の少なくとも一方へ方向付けられた流体成分が血漿を含むように、前記バリアが半径方向内側に十分な距離で延在している、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項22】
前記第1出口路及び第2出口路の少なくとも一方へ方向付けられた流体成分が血小板を含むように、前記バリアが半径方向内側に十分な距離で延在している、請求項14に記載の分離チャンネル。
【請求項23】
前記チャンネルの前記端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
該回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、該回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項24】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項25】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項26】
前記バリアが前記内壁部の半径方向の位置と前記外壁部の半径方向の位置との少なくとも間に延在している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項27】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項28】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項29】
前記第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向内側の位置で連結している、請求項28に記載の分離チャンネル。
【請求項30】
前記第1流路を通るように方向付けられた流体成分が前記チャンネルから除去され得るように、前記バリア壁の下流にある前記第1の流路と流体連通する第3の出口路をさらに含む、請求項28に記載の分離チャンネル。
【請求項31】
前記バリアの下流に前記チャンネルからの複数の出口開口をさらに含み、該チャンネルは該チャンネルの上流に出口開口を含まない、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項32】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路が該第1の端壁部から離れている、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項33】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の中間位置に位置している、請求項2に記載の分離チャンネル。
【請求項34】
前記バリアの前記上流側と下流側との間を連通する第2の流路をさらに含み、該第2の流路は前記第2の端壁部の表面によって規定される、請求項32に記載の分離チャンネル。
【請求項35】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の中間位置に位置している、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項36】
前記第1の流路の少なくとも一部は前記バリアの軸方向に位置する表面によって規定され、該表面は少なくとも1つの血液成分を前記チャンネルの軸方向に押し進める、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項37】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路が該第2の端壁部の表面によって規定される、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項38】
前記バリアの前記上流側と下流側との間を連通する第2の流路をさらに含み、該第2の流路は前記第2の端壁部の表面によって規定される、請求項35に記載の分離チャンネル。
【請求項39】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項40】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項41】
前記チャンネルの前記端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項3に記載の分離チャンネル。
【請求項42】
前記チャンネルの端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項43】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項44】
前記第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向内側の位置で連結している、請求項43に記載の分離チャンネル。
【請求項45】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の中間位置に位置している、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項46】
前記第1の流路の少なくとも一部は前記バリアの軸方向に位置する表面によって規定され、該表面は少なくとも1つの血液成分を前記チャンネルの軸方向に押し進める、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項47】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項4に記載の分離チャンネル。
【請求項48】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項49】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って外壁部と連結している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項50】
前記バリアが前記内壁部の半径方向の位置と前記外壁部の半径方向の位置との少なくとも間に延在している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項51】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、前記外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの前記外壁部の半径方向外側に配置されている、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項52】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項53】
前記第1流路を通るように方向づけられた流体成分が前記チャンネルから除去され得るように前記バリア壁下流の前記第1流路と流体連通する第3出口路をさらに含む、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項54】
前記バリアの下流に前記チャンネルからの複数の出口開口をさらに含み、該チャンネルは該チャンネルの上流に出口開口を含まない、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項55】
前記チャンネルの端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
該回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、該回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項56】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の少なくとも一部が該第1の端壁部と第2の端壁部の間の中間位置に位置している、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項57】
前記第1の流路の少なくとも一部は前記バリアの軸方向に位置する表面によって規定され、該表面は少なくとも1つの血液成分を前記チャンネルの軸方向に押し進める、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項58】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の表面が該第2の端壁部によって規定される、請求項5に記載の分離チャンネル。
【請求項59】
第1と名付けられた前記端壁部と向かい合う第2の端壁部をさらに含み、前記第1の流路の表面が該第2の端壁部によって規定される、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項60】
前記バリアが前記内壁部内側の半径方向のある位置まで延在している、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項61】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項62】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、該外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの前記外壁部の半径方向外側に配置されている、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項63】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含み、該第1の出口路と第2の出口路が前記内壁部の半径方向内側の位置で結合している、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項64】
前記チャンネルの前記端壁部から軸方向に離れた端壁部によって少なくとも部分的に規定され、前記第1の流路と流体連通する前記バリア下流の回収領域;及び、
前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口;
をさらに含む、請求項6に記載の分離チャンネル。
【請求項65】
前記複数の出口開口が前記回収領域から1以上の流体成分が流れることを可能にし、前記回収領域と連通している第1及び第2の開口を含む、請求項64に記載の分離チャンネル。
【請求項66】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項67】
前記バリアが前記チャンネルの前記軸長の相当の部分に沿って前記外壁部と連結している、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項68】
前記外壁部がバリアの近くにセクションを含み、該外壁部の該セクションは、該セクションの上流の前記チャンネルの前記外壁部の半径方向外側に配置されている、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項69】
前記第1流路の表面が前記外壁部を含む、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項70】
前記バリアの上流の前記チャンネルと連通する第1の出口路と前記バリアの下流の前記チャンネルと連通する第2の出口路をさらに含む、請求項7に記載の分離チャンネル。
【請求項71】
通常異なる密度を有する第1及び第2の成分を含む第1の流体を遠心力場に導入する工程;
前記第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;
該界面の一方の側から第2の流体を除去する工程;
該界面のもう一方の側から第3の流体を除去する工程;
第2の流体の少なくとも一部と第1又は第3の流体を混合し、この混合した流体を前記遠心力場に再び導入する工程;
該遠心力場から該第2又は第3の流体を除去する工程;
を含む、分離方法。
【請求項72】
前記界面が前記遠心力場内のある位置に形成され、前記方法は、前記混合した流体を再び導入する前に前記界面の前記位置を変更することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第1の流体が全血を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記第2の流体が実質的に血漿を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第3の流体が実質的に赤血球を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記混合した第2の流体と第1又は第3の流体とが約20%〜40%の間のヘマトクリット値を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記血漿が血小板を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
通常異なる密度を有する第1及び第2の成分を含む第1の流体を遠心力場に導入する工程;
該第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;
該遠心力場の力を減少させる工程;
該遠心力場の該力を減少させた後、該遠心力場から該第1の流体成分を除去する工程;
を含む、分離方法。
【請求項79】
前記除去工程が1回より多く繰り返される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記除去工程が少なくとも2回繰り返される、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記第1の流体が全血を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の流体成分が実質的に血漿を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項83】
前記血漿が血小板を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
通常異なる密度を有する第1及び第2の成分を含む第1の流体を遠心力場に導入する工程;
該第1及び第2の成分の少なくとも一部の間に界面を形成させる工程;
該界面の一方の側の該遠心力場から流体を連続的かつ反復的に除去し、該界面を再び形成させる工程;
を含む、分離方法。
【請求項85】
前記遠心力場の前記力を前記除去工程の間に減少させ、回復工程の間に増加させる、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の流体が全血を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記遠心力場から少なくとも2回流体が除去される、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記除去工程が前記界面の一方の側の遠心力場と連通するアパーチャに流体を通過させる工程を含み、前記界面は前記流体を除去するために前記アパーチャの近傍に移動され、前記界面を再び形成させるために前記アパーチャから離れる方向に移動される、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
除去された流体が実質的に血漿及び血小板を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項90】
血液供給源と血液分離装置を連結する工程;
血液を該装置によって作られた遠心力場に導入する工程;
少なくとも2つの血液成分間に界面を生じさせる工程;
該界面の一方の側の遠心力場から第1の流体成分を除去する工程;
該界面のもう一方の側の遠心力場から第2の流体成分を除去する工程;
該第1及び第2の血液成分の少なくとも一方を保管する工程;
該第1及び第2の血液成分のもう一方の少なくとも一部を該血液供給源に戻す工程;
該血液供給源からさらなる血液を取り出す工程;
該血液供給源を外す工程;
該血液供給源が外された後、導入及び除去の工程を反復する工程;及び
該遠心力場から除去した第1及び第2の血液成分を保管する工程;
を含む、血液成分の回収方法。
【請求項91】
前記第1の流体は異なる密度の少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分それぞれの少なくとも一部を保管する工程を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記除去工程が前記遠心力場から少なくとも前記第1及び第2の成分の一部を除去する工程を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項93】
前記第1の流体は異なる密度の少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分のうち少なくとも2つの一部を前記遠心力場から除去する工程を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項94】
前記3つの流体成分の一部が前記遠心力場から除去される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記除去工程が前記遠心力場から少なくとも前記第1及び第2の成分の一部を除去する工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項96】
前記第1の流体が少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分のうち少なくとも2つの一部を前記遠心力場から除去する工程を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項97】
前記3つの流体成分の一部を前記遠心力場から除去する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記除去工程が前記遠心力場から前記第1及び第2の成分の一部を除去する工程を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項99】
前記第1の流体が少なくとも3つの流体成分を含み、該3つの流体成分のうち少なくとも2つの一部を前記遠心力場から除去する工程を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項100】
前記3つの流体成分の一部を前記遠心力場から除去する、請求項99に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図22】
【図23】
【図23A】
【図24】
【図24A】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図40A】
【図41】
【図42A】
【図42B】
【図43】
【図44】
【図45】
【図45A】
【図45B】
【図45C】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
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【図23A】
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【図25】
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【図30】
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【図33】
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【図39】
【図40】
【図40A】
【図41】
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【図42B】
【図43】
【図44】
【図45】
【図45A】
【図45B】
【図45C】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【公表番号】特表2007−518477(P2007−518477A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547147(P2006−547147)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/042330
【国際公開番号】WO2005/065834
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/042330
【国際公開番号】WO2005/065834
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】
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