説明

切断補助線形成装置、及び切断補助線形成方法

【課題】 切断補助線を境に区画される両側の領域のうちの一方側の領域に向けてフィルムが裂けてしまうことを防止できるようにした曲線状の切断補助線をフィルム上に形成することのできる切断補助線形成装置を課題とする。
【解決手段】 ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方は、所定周波数の超音波が付与されるホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成され、ホーン及び受け材は、少なくともフィルムを挟み込んだ状態で、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置され、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物を包装する包装材又は包装材の一構成となるフィルムに対し、該フィルムを切断する(切り裂く)ための切断補助線を形成する切断補助線形成装置、及び切断補助線形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品、日用品、玩具等の被包装物を包装する包装材には、種々のものがあり、その一つとして、包装材全体又は包装材の一部が樹脂製のフィルムで構成され、フィルム上に設けられた線状又は帯状の切断補助手段で該フィルムを切り裂いて開封できるように構成されたものが提供されている。
【0003】
ここでおにぎりを包装する包装材を一例に説明すると、かかる包装材は、幅方向の略中央に該幅方向と直交する方向(以下、長さ方向という)に延びる線状又は帯状の切断補助手段が設けられた外フィルムと、互いの端部同士を重ね合わせるようにして幅方向で横並びに配置された二枚の分割フィルムで構成され、海苔や、薄焼き卵、畳鰯等のシート状食品を介して外フィルムに重ね合わされた内フィルムとを備え、シート状食品を取り囲むように外フィルム及び内フィルムの外周端部同士が溶着されている。
【0004】
上記構成の包装材は、内フィルム上におにぎりを載置して長さ方向で二つ折りにし、四隅をおにぎりに沿わせて折り込んだり、対向する内フィルムの端部同士を溶着したりすることで、おにぎりを包装できるようになっている。そして、上記構成の包装材は、おにぎりを包装した状態で、外フィルムを切断補助手段で切断して幅方向に二分割にした上で幅方向両側に引っ張ることで、おにぎりとシート状食品との間から内フィルム(分割フィルム)が引き抜かれ、シート状食品とおにぎりとが一体的になった状態(シート状食品とおにぎりとを一緒に食べることのできる状態)にできるようになっている。
【0005】
そして、おにぎり用の包装材には、上記構成のもの以外に、外フィルムに対して幅方向に間隔をあけて長さ方向に延びる二条の切断補助手段が設けられたものも提供されている。すなわち、線状又は帯状をなす一条の切断補助手段で外フィルムを切断する包装材は、切断後の外フィルム(分割された外フィルム)とシート状食品との重なりが多く、おにぎりとシート状食品との間から内フィルム(分割フィルム)を引き抜くときに、外フィルムとシート状食品との間に大きな抵抗が生じてシート状食品が破れることがあるとして、外フィルムに対して幅方向に間隔をあけて二条の切断補助線を設け、該二条の切断補助線間にある広い領域の外フィルムを切除することで切断後の外フィルムとシート状食品との重なりを少なくし、大きな抵抗を生じさせることなく(シート状食品が破れることなく)内フィルムを引き抜くことのできるものも提供されている。
【0006】
かかる包装材は、長さ方向で二つ折りにしたときに大きく折れ曲がる長さ方向の略中央の領域で多くの外フィルムを切除できるように、各切断補助手段が曲線(波線状)に配置されている。すなわち、外フィルムと内フィルムとの間にシート状食品が介挿された包装材は、おにぎりを包装するために長さ方向に二つ折りにすると、大きく曲がる部分(長さ方向の略中央の領域)で外フィルムと内フィルムとがシート状食品を挟み込んだ状態になることから、外フィルムの大きく曲がる中央部分を最も多く切除できるように切断補助線が曲線状に形成されている。
【0007】
ところで、上述のようにフィルムを切断するための切断補助手段は、一般的に、カットテープや、ミシン目、ハーフカット等を採用できるとされているが、切断補助手段にカットテープを採用した場合、包装材の主たる構成となるフィルム以外にカットテープが必要となり、材料コストが高くなるといった問題がある。また、カットテープは接着剤でフィルムに接着されるため、使用される環境(例えば、温度等)によってカットテープがフィルムから剥がれたり、接着剤が溶け出したりしてしまう虞がある。
【0008】
また、切断補助手段にミシン目を採用した場合、ミシン目(フィルムを貫通させた多数の切り目)を介して外部の埃や湿気が包装材内に進入して被包装物に付着してしまうことが懸念される。そのため、切断補助手段としてミシン目を採用する場合、ミシン目(各切り目)を塞ぐように閉塞用フィルムが包装材(包装材を構成するフィルム)に貼着されることが多く、結果としてミシン目で切断しにくくなってしまう。また、このように閉塞用フィルムを貼着すると、カットテープの場合と同様に、閉塞用フィルムが必要な分、材料コストが高くなり、また、使用される環境によって閉塞フィルムが剥がれたり、接着材が溶け出したりしてしまう虞がある。
【0009】
これらに対し、ハーフカットは、極細の溝状をなしているため、フィルムを容易に切断できる上に、フィルムに貫通した穴を形成することがなく、またフィルム以外の部材を必要としないことから、被包装物の保護やコストの観点でカットテープやミシン目よりも優れているとされている。
【0010】
しかしながら、極薄のフィルムにハーフカットを適正に形成することは非常に困難であるため、実際の包装材にハーフカットを採用することは敬遠されていた。すなわち、ハーフカットは、切断刃でフィルムを線状に削ったり、フィルムを極細の熱線で線状に溶かしたりすることで形成できるとされていたが、加工の対象となるフィルムの厚みが非常に薄いため、フィルムを削ったり溶かしたりしたときにフィルムに穴が開いたり必要とされる深さ以下の溝(フィルムの切断を誘導できずにフィルムがハーフカットから外れて切断されるような浅い溝)になったりしてしまうとして、実際の包装材に使用することが敬遠されていた。
【0011】
このような現状のなか、日々鋭意研究を重ねた結果、これまでフィルム同士の溶着やフィルムの溶断に用いられていた超音波を用いることにより、フィルムを適正に誘導して切断することのできる切断補助線を形成することが可能となった。すなわち、所定周波数の超音波が付与されるホーンと受け材とでフィルムを挟み込み、その状態でホーンに超音波を付与すると、フィルムが受け材の先端部に沿って溶け、該溶けた部分が受け材の先端部の両側に押し退けられる。そのため、ホーンと受け材とでフィルムを挟み込んだ状態でフィルムを真っ直ぐ一方向に移動させたり、ホーンを一方向に長手をなす受け材に沿って移動させたりすることで、フィルム上の受け材の先端部の存在する部分(或いは、通過した部分)に溝状の切断補助線が形成される。
【0012】
また、上述の如く、フィルムの溶けた部分は受け材の先端部によって両側に押し退けられるため、切断補助線の両側に該切断補助線に沿って盛り上がった部分が形成される。これにより、フィルムが切断補助線から外れて裂けようとしても、盛り上がった剛性の高い部分がフィルムの裂けを阻止することができる。従って、上記方法によれば、フィルムの切断方向を所望する方向に誘導できる切断補助線を形成することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第4264123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記方法は、ホーンと受け材とでフィルムを挟み込んだ状態で、フィルムを一定方向に移動させたり、ホーンを受け材に沿って移動させたりすることで切断補助線を形成するため、切断補助線を直線状にしか形成できず、切断補助手段を曲線状にすることが要求される包装材に採用できないのが実情である。
【0015】
また、上述の如く、切断補助線の両側に盛り上がった部分が形成されることで、フィルムを切断補助線に沿って切断できるが、切断補助線を曲線状に形成する場合、切断補助線の各所で曲率が異なるため、フィルムに対する切断力の作用方向が変化すると考えられる。従って、両側に均等な盛り上がりを形成した切断補助線を曲線状に形成できたとしても、フィルムが切断補助線の両側の何れか一方側に外れて裂けてしまう可能性がある。
【0016】
そのため、上述のように外フィルムに二条の曲線状(波線状)の切断補助手段を形成する必要のある包装材に、超音波で曲線状の切断補助線を採用できたとしても、フィルムが内側に向けて裂けてしまい、フィルムの広い領域を適正に切除できない可能性がある。
【0017】
すなわち、外フィルムに二条の切断補助手段が設けられる包装材は、切断補助線よりも外側に向けて裂けた場合は、二条の切断補助線の間隔よりも広い領域が切除されることになるため、開封時にシート状食品が破れるといった問題が生じないが、フィルムが切断補助線間の領域に向けて裂けるとシート状食品と残存する外フィルムとの重なりが多くなり、シート状食品の破れの原因となる。従って、切断補助線を曲線状に形成する場合、切断補助線の両側の何れか一方側にフィルムが裂けることを確実に防止できるようにすることが課題とされる。
【0018】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、切断補助線を境に区画される両側の領域のうちの一方側の領域に向けてフィルムが裂けてしまうことを防止できるようにした曲線状の切断補助線をフィルム上に形成することのできる切断補助線形成装置、及び切断補助線形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る切断補助線形成装置は、所定周波数の超音波が付与されるホーンと、被包装物を包装する包装材又は包装材の一構成となるフィルムをホーンとともに挟み込む受け材とを備え、ホーンに超音波を付与することでフィルムを溶かして該フィルム上に溝状の切断補助線を形成する切断補助線形成装置であって、受け材は、ホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成され、ホーン及び受け材は、少なくともフィルムを挟み込んだ状態で、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置され、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
上記構成の切断補助線形成装置によれば、受け材は、ホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成されているので、ホーンに超音波を付与すると、受け材とホーンとで挟み込まれたフィルムは、超音波の振動エネルギーによって受け材の先端部の形状に応じて溶けることになる。
【0021】
そうすると、フィルムの溶けた部分は、受け材の先端部に押されて両側に押し退けられて当初のフィルムの厚みよりも厚い(盛り上がりの大きい)隆起部となる。そして、上記切断補助線形成装置は、前記ホーン及び受け材は、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置されるので、上述の如く、受け材の両側に押し退けられたフィルムの溶けた部分(隆起部)の盛り上がりが一方側よりも他方側の方が大きくなる。
【0022】
すなわち、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように、ホーン及び受け材が配置されるので、フィルムが溶けて受け材の先端部に押し退けられるときに、内角が小さい方よりも内角が大きい方にフィルムの溶けた部分が押し出されやすくなる(押し出される量が多くなる)結果、薄肉になった部分の両側に形成される一対の隆起部のうち、一方の隆起部が他方の隆起部よりも盛り上がりが大きくなる。
【0023】
従って、盛り上がりの大きい隆起部の方が盛り上がりの小さな隆起部よりも剛性が高くなり、フィルムを切断するときに盛り上がりの大きい隆起部の形成された方にフィルムが裂けてしまうことを確実に防止することができる。
【0024】
そして、上記構成の切断補助線形成装置は、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが、前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するように構成されているため、フィルムが受け材の先端部の形状及び移動軌跡に対応して溶けることになり、フィルム上に曲線状の切断補助線と、該切断補助線の両側に盛り上がり(高さ)の異なる一対の隆起部を形成することができる。
【0025】
また、本発明の一態様として、前記何れか一方の外郭縁と接触面との内角を可変とすべく、前記ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方が姿勢変更可能に設けられていることが好ましい。このようにすれば、各内角(外郭縁と接触面とのなす角度)を変更することができ、受け材の先端部の両側に押し退けられるフィルムの量(切断補助線の両側に形成される隆起部の高さ)を変更することができる。すなわち、ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方を姿勢変更して何れか一方の外郭縁と接触面との内角を大きくすると他方の外郭縁と接触面との内角が小さくなり、他方の外郭縁と接触面との内角を大きくすると一方の外郭縁と接触面との内角が小さくなるため、受け材の先端部の両側に押し退けられるフィルムの溶けた部分の量(切断補助線の両側に形成される隆起部の高さ)を変更することができる。
【0026】
本発明に係る切断補助線形成装置の他態様として、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが前記他方向で相対移動しつつホーン及び受け材が前記一方向に所定の移動量で往復動するように構成されていてもよい。このようにすれば、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡に対応した波線状(略一定周期で起伏した曲線状)の切断補助線を形成することができる。
【0027】
この場合、前記ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方は、受け材の先端部の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁と接触面との内角が他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態と、他方の外郭縁と接触面との内角が一方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態とに切り替わるように、姿勢変更するように構成されてもよい。このようにすれば、波線状の移動軌跡の頂点を起点に二分の一周期毎に盛り上がり(高低)の異なる隆起部が交互に入れ替わって形成される。
【0028】
本発明に係る切断補助線形成装置の別の態様として、受け材は、先端部が一方向に延びる仮想線を曲率中心とした円弧状又は円環状に形成されるとともに該先端部の先端が前記仮想線を曲率中心とした円弧状又は円環状の稜線を形成し、切断補助線の形成予定位置と対応する受け材の先端部の軌道に対して前記稜線が接線方向に延びるように、前記一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸回りで回転するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、切断補助線の形成に伴って受け材の先端部が摩耗(消耗)したときに、受け材全体を交換することなく、受け材を仮想線(中心)回りで所定量回転させるだけで、先端部の適切な形状の部分(適切に先細りした部分)をホーンに向けて対向させることができる。
【0029】
そして、上述の如く、先端部を円弧状又は円環状に形成すると、受け材の先端部(先端)のフィルムに対する接触部分が稜線の延びる方向で幅を持つことになり、上述の如く、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させると、フィルムの溶けた部分が受け材の先端部によって該稜線の延びる方向に対して交差方向に押しやられる可能性がある。
【0030】
しかしながら、本発明の切断補助線形成装置は、切断補助線の形成予定位置と対応する受け材の先端部の軌道に対して前記稜線が接線方向に延びるように、受け材が一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸回りで回転するように構成されているため、フィルムの溶けた部分が先端部に押しやられることがなく、適正な切断補助線を形成することができる。
【0031】
本発明の別の態様として、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するときに、前記フィルムに対して前記他方向に張力を作用させるように構成されてもよい。このようにすれば、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態にしてホーンに超音波を付与すると、ホーンの振動エネルギーによってフィルムが溶け、その溶けた部分が受け材の先端部の両側(幅方向の両側)に押し退けられることになる。これにより、フィルムは、受け材の先端部の存在する部分と対応する部分が薄肉になる一方で、その薄肉部分の両側が盛り上がった隆起部となる。
【0032】
そして、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態で(フィルムを溶かすときに)、該フィルムに対して受け材の先端部の幅方向と直交する方向に張力を作用させておくことで、フィルムは、張力を作用させる二つの作用点間(切断補助線を形成する予定位置)の両側が内側(作用点間側)に寄ろうとするため、受け材の両側(薄肉になった部分の両側)に押し退けられたフィルムの溶けた部分(隆起部)が互いに接近することになる。これにより、フィルムの溶けた部分の盛り上がりがより大きくなる上に、該盛り上がった部分(隆起部)の間に細長く且つ深さの深い溝状の切断補助線が形成される。
【0033】
本発明に係る切断補助線形成方法は、被包装物を包装する包装材又は包装材の一構成となるフィルムを、所定周波数の超音波が付与されるホーンと受け材とで挟み込んだ状態で、ホーンに超音波を付与することでフィルムを溶かして該フィルム上に溝状の切断補助線を形成する切断補助線形成方法であって、受け材は、ホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成され、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置したホーンと受け材とでフィルムを挟み込み、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記一方向と直交する他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させることを特徴とする。
【0034】
上記構成の切断補助線形成方法によれば、受け材は、ホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成されているので、ホーンに超音波を付与すると、受け材とホーンとで挟み込まれたフィルムは、超音波の振動エネルギーによって受け材の先端部の形状に応じて溶けることになる。
【0035】
そうすると、フィルムの溶けた部分は、受け材の先端部に押されて両側に押し退けられて当初のフィルムの厚みよりも厚い(盛り上がりの大きい)隆起部となる。そして、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置したホーンと受け材とでフィルムを挟み込むことで、上述の如く、受け材の両側に押し退けられたフィルムの溶けた部分(隆起部)の盛り上がりが一方側よりも他方側の方が大きくなる。
【0036】
すなわち、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように、ホーン及び受け材が配置されるので、フィルムが溶けて受け材の先端部に押し退けられるときに、内角が小さい方よりも内角が大きい方にフィルムの溶けた部分が押し出されやすくなる(押し出される量が多くなる)結果、薄肉になった部分の両側に形成される一対の隆起部のうち、一方の隆起部が他方の隆起部よりも盛り上がりが大きくなる。
【0037】
従って、盛り上がりが大きい隆起部の方が盛り上がりの小さな隆起部よりも剛性が高くなり、フィルムを切断するときに盛り上がりの大きい隆起部の形成された方にフィルムが裂けてしまうことを確実に防止することができる。
【0038】
そして、上記切断補助線形成方法は、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを、前記一方向と直交する他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させるように構成されているため、フィルムが受け材の先端部の形状及び移動軌跡に対応して溶けることになり、フィルム上に曲線状の切断補助線と、該切断補助線の両側に盛り上がり(高さ)の異なる一対の隆起部を形成することができる。
【0039】
本発明に係る切断補助線形成方法の一態様として、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記他方向で相対移動させつつホーン及び受け材を前記一方向に所定の移動量で往復動させるようにしてもよい。このようにすれば、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡に対応した波線状(略一定周期で起伏した曲線状)の切断補助線を形成することができる。
【0040】
この場合、受け材の先端部の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁と接触面との内角が他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態と、他方の外郭縁と接触面との内角が一方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態とに切り替わるように、前記ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方の姿勢を変更するようにしてもよい。このようにすれば、波線状の移動軌跡の頂点を起点に二分の一周期毎に盛り上がり(高低)の異なる隆起部が交互に入れ替わって形成される。
【0041】
本発明に係る切断補助線形成方法の他態様として、先端部が一方向に延びる仮想線を中心とした円弧状又は円環状に形成されるとともに該先端部の先端が前記仮想線を中心とした円弧状又は円環状の稜線を形成した受け材を、切断補助線の形成予定位置と対応する受け材の先端部の軌道に対して前記稜線が接線方向に延びるように、前記一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸回りで回転させることが好ましい。このように受け材の先端部を円弧状又は円環状に形成すると、受け材の先端部(先端)のフィルムに対する接触部分が稜線の延びる方向で幅を持つことになり、上述の如く、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させると、フィルムの溶けた部分が受け材の先端部によって該稜線の延びる方向に対して交差方向に押しやられる可能性がある。
【0042】
しかしながら、本発明の切断補助線形成方法は、切断補助線の形成予定位置と対応する受け材の先端部の軌道に対して前記稜線が接線方向に延びるように、受け材を一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸回りで回転させるため、フィルムの溶けた部分が先端部に押しやられることがなく、適正な切断補助線を形成することができる。
【0043】
本発明の別の態様として、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記一方向と直交する他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させるときに、前記フィルムに対して前記他方向に張力を作用させるようにしてもよい。このようにすれば、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態にしてホーンに超音波を付与すると、ホーンの振動エネルギーによってフィルムが溶け、その溶けた部分が受け材の先端部の両側(幅方向の両側)に押し退けられることになる。これにより、フィルムは、受け材の先端部の存在する部分と対応する部分が薄肉になる一方で、その薄肉部分の両側が盛り上がった隆起部となる。
【0044】
そして、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態で(フィルムを溶かすときに)、該フィルムに対して受け材の先端部の幅方向と直交する方向に張力を作用させておくことで、フィルムは、張力を作用させる二つの作用点間(切断補助線を形成する予定位置)の両側が内側(作用点間側)に寄ろうとするため、受け材の両側(薄肉になった部分の両側)に押し退けられたフィルムの溶けた部分(隆起部)が互いに接近することになる。これにより、フィルムの溶けた部分の盛り上がりがより大きくなる上に、該盛り上がった部分(隆起部)の間に細長く且つ深さの深い溝状の切断補助線が形成される。
【発明の効果】
【0045】
以上のように、本発明に係る切断補助線形成装置によれば、切断補助線を境に区画される両側の領域のうちの一方側の領域に向けてフィルムが裂けてしまうことを防止できるようにした曲線状の切断補助線をフィルム上に形成することができるという優れた効果を奏し得る。
【0046】
また、本発明に係る切断補助線形成方法によれば、切断補助線を境に区画される両側の領域のうちの一方側の領域に向けてフィルムが裂けてしまうことを防止できるようにした曲線状の切断補助線をフィルム上に形成することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る切断補助線形成装置及び切断補助線形成方法で切断補助線の形成されたおにぎり用の包装材の説明図であって、(a)は、分解斜視図を示し、(b)は、全体斜視図を示す。
【図2】図1に示す包装材の内フィルムの説明図であって、切断補助線周辺の部分拡大断面図を含んだ平面図を示す。
【図3】図1に示す包装材の外フィルムの説明図であって、切断補助線周辺の部分拡大断面図を含んだ平面図を示す。
【図4】同実施形態に係る包装材でおにぎりを包装する方法を説明するための斜視図を示す。
【図5】同実施形態に係る包装材でおにぎりを包装した状態の斜視図を示す。
【図6】同実施形態に係る包装材の製造設備の概念図を示す。
【図7】同実施形態に係る包装材の製造設備における第一切断補助線形成部(切断補助線形成装置)の説明図であって、(a)は、斜視図を示し、(b)は、ホーン及び受け材の部分拡大図を示す。
【図8】同実施形態に係る包装材の製造設備における第一切断補助線形成部(切断補助線形成装置)の説明図であって、(a)は、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態で、受け材を幅方向一方側に傾動させたときの部分拡大図を示し、(b)は、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態で、受け材を幅方向他方側に傾動させたときの部分拡大図を示す。
【図9】同実施形態に係る包装材の製造設備における第二切断補助線形成部(切断補助線形成装置)の説明図であって、(a)は、概略斜視図を示し、(b)は、ホーンと受け材とでフィルムを挟んだ状態の部分拡大図を示し、(c)は、第二長尺フィルムに隆起部が形成される状態を示す。
【図10】同実施形態に係る包装材の製造設備における第一切断補助線形成部(切断補助線形成装置)で隆起部が形成される理由を説明するための説明図であって、(a)は、受け材を図8(a)に示す態様にしたときに第一長尺フィルムに隆起部が形成される状態を示し、(b)は、受け材を図8(b)に示す態様にしたときに第一長尺フィルムに隆起部が形成される状態を示す。
【図11】本発明の他実施形態に係る切断補助線形成装置の概略斜視図を示す。
【図12】本発明の別の実施形態に係る切断補助線形成装置の概略斜視図を示す。
【図13】本発明のさらに別の実施形態に係る切断補助線形成装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の一実施形態に係る切断補助線形成装置及び切断補助線形成方法ついて添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、おにぎり用の包装材(以下、単に包装材という)の製造設備に採用する場合を一例に説明することとする。
【0049】
ここで切断補助線形成装置及び切断補助線形成方法の説明に先立ち、包装材について説明すると、かかる包装材は、図1(a)及び図1(b)に示す如く、幅方向に分離可能に構成された内フィルム50と、シート状食品Sを介して内フィルム50に重ね合わされる外フィルム51とを備え、シート状食品Sを取り囲むように内フィルム50の外周端部と外フィルム51の外周端部とが互いに溶着されている。なお、各図において、ドットを付した領域が溶着される領域、或いは溶着された領域を示している。
【0050】
前記内フィルム50は、図2に示す如く、一枚のフィルムで構成されており、幅方向の略中央を通って該幅方向と直交する方向(以下、この方向を長さ方向という)に真っ直ぐ延びる切断補助線500が形成されている。すなわち、内フィルム50は、長方形状のフィルムで構成されており、長手方向と直交する短手方向の略中央を通って該長手方向に延びる直線状の切断補助線500が形成されている。
【0051】
かかる切断補助線500は、溝状に形成されており、内フィルム50は、切断補助線500の形成された部位が薄肉になっている。すなわち、内フィルム50は、切断補助線500と対応した部位が当初の厚み(内フィルム50になるフィルムの厚み)よりも薄肉になっている。
【0052】
そして、本実施形態に係る内フィルム50は、切断補助線500の両側に略均等に盛り上がった隆起部501,501が形成されている。該内フィルム50の隆起部501,501は、切断補助線500と対応する部位(薄肉になった部位)とは反対に、当初の厚み(内フィルム50になるフィルムの厚み)よりも厚肉になっている。これにより、内フィルム50は、切断補助線500の深さが確保されるとともに、該切断補助線500の両側の強度が他の部分よりも強くなっている。
【0053】
前記外フィルム51は、図3に示す如く、一枚のフィルムで構成されており、幅方向に間隔をあけて長さ方向に延びる二条の切断補助線510,510が形成されている。すなわち、外フィルム51は、内フィルム50と対応するように長方形状のフィルムで構成されており、長手方向と直交する短手方向で間隔をあけて長手方向に延びる二条の切断補助線510,510が形成されている。
【0054】
かかる二条の切断補助線510,510は、何れも外フィルム51の一方の面上に曲線状に形成されている。具体的には、二条の切断補助線510,510は、外フィルム51の幅方向中央に延びる中心線CLを基準にして対称的に配置されており、外フィルム51の幅方向において互いに接近する部位と互いに離間した部位とを形成するように一定周期で起伏した波線状をなしている。本実施形態において、各切断補助線510,510は、一定周期で起伏する波線の一周期分になっており、外フィルム51の長さ方向の略中央と長さ方向の両端に頂点が位置するように形成されている。
【0055】
そして、外フィルム51に形成された切断補助線510についても、溝状に形成されている。これにより、外フィルム51は、切断補助線510の形成された部位が薄肉になっている。すなわち、外フィルム51は、切断補助線510と対応した部位が当初の厚み(外フィルム51になる包装材5用フィルムの厚み)よりも薄肉になっている。
【0056】
そして、本実施形態に係る外フィルム51は、内フィルム50と同様、切断補助線510の両側に該切断補助線510に沿って盛り上がった隆起部511,511が形成されているが、該外フィルム51の隆起部511,511は、切断補助線510の両側の隆起部511,511のうち、一方の隆起部511の盛り上がり(高さ)が他方の隆起部511の盛り上がり(高さ)よりも大きく(高く)なっている。これにより、外フィルム51は、切断補助線510の深さが確保されるとともに、該切断補助線510の両側の強度が他の部分よりも強くなっている。
【0057】
そして、本実施形態に係る包装材5は、外フィルム51に波線状の一周期分が切断補助線510として形成されるに伴い、各切断補助線510,510の両側に形成される隆起部511,511は、外フィルム51の長さ方向の半分で一方の隆起部(外フィルム51の幅方向の内側にある隆起部)511が他方の隆起部(外フィルム51の幅方向の外側にある隆起部)511よりも盛り上がりが大きく、残りの半分で他方の隆起部511が一方の隆起部511よりも盛り上がりが大きくなっている。
【0058】
すなわち、外フィルム51は、該外フィルム51の長さ方向の略中央にある切断補助線510の頂点を境に、長さ方向の一端側において一方の隆起部511が他方の隆起部511よりも高さ高く(厚みが厚く)、長さ方向の他端側において他方の隆起部511が一方の隆起部511よりも高さ高く(厚みが厚く)なっている。そして、各切断補助線510,510が外フィルム51の長さ方向に延びる中心線CLを基準にして対称的に配置されるのに伴い、各切断補助線510,510の両側に形成される隆起部511,511についても、外フィルム51の長さ方向に延びる中心線CLを基準にして、相手側の切断補助線510,510の両側に形成される隆起部511,511に対して対称的に形成されている。
【0059】
そして、本実施形態に係る包装材5は、内フィルム50に一条の切断補助線500が設けられ、外フィルム51に二条の切断補助線510,510が設けられているため、内フィルム50は、図2に示す如く、切断補助線500の両端部に対応するように内フィルム50の各端部にノッチ(切欠き)502が一つずつ設けられ、外フィルム51は、図3に示す如く、二条の切断補助線510,510の端部を介在させるようにして外フィルム51の各端部にノッチ(切り込み)512,512が二つずつ設けられている。
【0060】
これに伴い、内フィルム50及び外フィルム51は、図1(a)及び図1(b)に示す如く、海苔等のシート状食品Sを介して重ね合わされた状態で、外フィルム51のノッチ512,512間を除いてシート状食品Sを取り囲むように溶着される。これにより、本実施形態に係る包装材5は、外周の略全周に亘って内フィルム50と外フィルム51とが互いに溶着された溶着部(図においてドットを付した領域)が形成されている。
【0061】
本実施形態に係る包装材5は、以上の構成からなり、続いて、上記構成の包装材5によるおにぎりの包装方法と開封方法について説明する。
【0062】
まず、図4に示す如く、内フィルム50上におにぎりRを載置し、該おにぎりRを包み込むように包装材5全体を長さ方向に二つ折りにする。すなわち、内フィルム50の長さ方向の両端部同士が重なり合うように包装材5全体を長さ方向に二つ折りにする。このように包装材5を二つ折りにすることで、内フィルム50の長さ方向の両端部同士が重なり合うとともに、内フィルム50の幅方向の両端部のそれぞれが折り返されて長さ方向の一端側と他端側とが重なり合った状態になる。
【0063】
そして、図5に示す如く、包装材5全体を二つ折りすることによって重なり合った(対向した)内フィルム50の端部同士を溶着(シール)する。このとき、おにぎりRを包装した状態で内外が連通しないように、内フィルム50の長さ方向の両端部同士は、外フィルム51の各端部に設けられたノッチ512,512間を除いて溶着される。なお、内フィルム50の各ノッチ502は、該ノッチ502を画定するフィルムのエッジと切断補助線500とが連続するように形成されるが、内フィルム50の長さ方向の両端部同士を溶着する領域に切断補助線500が含まれると開封性が悪くなるため、内フィルム50の長さ方向における両端部同士の溶着は、可能な限り切断補助線500を含めないように行われる。
【0064】
そして、上述の如く、内フィルム50の端部同士を溶着すると、包装材5は、内フィルム50でおにぎりRとシート状食品Sとを分離した状態(隔離した状態)でおにぎりRを包装した状態になる。
【0065】
これに対し、おにぎりRを包装した包装材5を開封するには、外フィルム51の一端部におけるノッチ512,512間を持って包装材5を長さ方向に引っ張る。すなわち、上記構成の包装材5は、外フィルム51の長さ方向の一端側において、外フィルム51の幅方向内側に形成される隆起部511の盛り上がり(高さ)が外フィルム51の幅方向外側に形成される隆起部511の盛り上がり(高さ)よりも大きく(高く)、外フィルム51の長さ方向の他端側において、外フィルム51の幅方向外側に形成される隆起部511の盛り上がり(高さ)が外フィルム51の幅方向内側に形成される隆起部511の盛り上がり(高さ)よりも大きく(高く)なっているため、開封(外フィルム51の切断)開始時に外フィルム51が内側に裂けることのないように、外フィルム51の幅方向内側の隆起部511が高く形成されている一端側を引っ張る。
【0066】
そうすると、外フィルム51が二条の切断補助線510,510に沿って切断され、結果として二条の切断補助線510,510間の外フィルム51が切除される。すなわち、上述の如く、外フィルム51を一端側から切除するとき、該外フィルム51が幅方向内側に向けて裂けようとしても、大きく盛り上がった幅方向内側の隆起部511の存在により、外フィルム51が内側に裂けてしまうことが防止される。従って、外フィルム51の長さ方向の一端側に大きな開口が形成される。なお、外フィルム51の長さ方向の他端側は、幅方向外側の隆起部511の盛り上がりが大きくなっているが、一端側が既に大きく開口しているため、その切断に引きつられて他端側は切断補助線510に沿って綺麗に切断されることになる。その結果、外フィルム51は、長さ方向の全長に亘って切断補助線510,510間が切除された状態になる。
【0067】
そして、内フィルム50及び外フィルム51の幅方向の両端を持って包装材5を幅方向に引っ張る(ノッチ502の両側を離間させるように引っ張る)と、その引っ張り力が内フィルム50のノッチ502に集中する。そうすると、ノッチ502(切欠きを画定するエッジと切断補助線500との境界(交点))が起点となり、内フィルム50が、切断補助線500に沿って切り裂かれつつ短手方向で二分割され、おにぎりRとシート状食品Sとの間から引き抜かれることになる。
【0068】
本実施形態に係る包装材5は、外フィルム51に形成された二条の切断補助線510,510がそれぞれ波線状をなし、上述の如く、二条の切断補助線510,510間が切除されることでシート状食品Sの大部分が外部に露呈することになるため、外フィルム51とシート状食品Sとの重なりが少なくなり、内フィルム50が切断補助線500で切断されつつ二分割する(おにぎりRとシート状食品Sとの間から引き抜かれる)ときに、シート状食品Sに外フィルム51との接触抵抗が生じにくく、シート状食品Sが破れてしまうことが最大限防止される。
【0069】
次に、内フィルム50になるフィルム、及び外フィルム51になるフィルムに対して切断補助線500,510を形成する切断補助線形成装置を備えた包装材5の製造設備について図6を参照しつつ説明する。
【0070】
かかる製造設備1は、外フィルム51の連続体である長尺なフィルム(以下、この長尺フィルムを第一長尺フィルムという)F1を長手方向に搬送する搬送経路(以下、この搬送経路を第一搬送経路という)R1と、内フィルム50の連続体である長尺なフィルム(以下、この長尺フィルムを第二長尺フィルムという)F2を長手方向に搬送する搬送経路(以下、この搬送経路を第二搬送経路という)R2とを備えている。
【0071】
第一搬送経路R1及び第二搬送経路R2の何れも、長尺フィルムF1,F2の長手方向が内フィルム50及び外フィルム51の長さ方向と対応し、長尺フィルムF1,F2の長手方向と直交する短手方向が内フィルム50及び外フィルム51の幅方向と一致している。すなわち、第一搬送経路R1は、複数の外フィルム51が長さ方向で連続する第一長尺フィルムF1を長手方向(長さ方向)で搬送し、第二搬送経路R2は、複数の内フィルム50が長さ方向で連続する第二長尺フィルムF2を長手方向(長さ方向)で搬送するようになっている。
【0072】
そして、第一搬送経路R1上には、第一長尺フィルムF1に切断補助線510を形成する切断補助線形成装置(以下、第一切断補助線形成部という)10、第二長尺フィルムF2上に第一長尺フィルムF1を重ね合わせるフィルム重合部12、第二長尺フィルムF2に第一長尺フィルムF1を溶着するフィルム溶着部13、第二長尺フィルムF2が溶着された第一長尺フィルムF1を該第二長尺フィルムF2とともに所定サイズ(長さ)に切断し、枚葉状の包装材5にするフィルム切断部14が設けられている。
【0073】
そして、本実施形態に係る第一搬送経路R1は、第一長尺フィルムF1の搬送方向の上流側から、第一切断補助線形成部10、フィルム重合部12、フィルム溶着部13、フィルム切断部14の順でこれらが配設されている。
【0074】
これに対し、第二搬送経路R2上には、第二長尺フィルムF2に切断補助線500を形成する切断補助線形成装置(以下、第二切断補助線形成部という)20、第二長尺フィルムF2上にシート状食品Sを載置する食品載置部21、第一長尺フィルムF1上に第二長尺フィルムF2を重ね合わせるフィルム重合部22、第一長尺フィルムF1に第二長尺フィルムF2を溶着するフィルム溶着部23、第一長尺フィルムF1が溶着された第二長尺フィルムF2を該第一長尺フィルムF1とともに所定サイズ(長さ)に切断し、枚葉状の包装材5にするフィルム切断部24が設けられている。
【0075】
そして、本実施形態に係る第二搬送経路R2は、第二長尺フィルムF2の搬送方向の上流側から、第二切断補助線形成部20、食品載置部21、フィルム重合部22、フィルム溶着部23、フィルム切断部24の順でこれらが配設されている。
【0076】
すなわち、本実施形態に係る製造設備1は、第一搬送経路R1の第一切断補助線形成部10と第二搬送経路R2の第二切断補助線形成部20とがそれぞれ独立した経路となり、第一搬送経路R1の第一切断補助線形成部10よりも下流側にあるフィルム重合部12、フィルム溶着部13、フィルム切断部14と、第二搬送経路R2の食品載置部21(第二切断補助線形成部20)よりも下流側にあるフィルム重合部22、フィルム溶着部23、フィルム切断部24とが互いに重複した共通の構成になるように形成されている。
【0077】
第一切断補助線形成部10及び第二切断補助線形成部20は、それぞれ超音波によって長尺フィルム(第一長尺フィルムF1、第二長尺フィルムF2)に対して溝状の切断補助線500,510を形成するようになっている。すなわち、第一切断補助線形成部10は、第一長尺フィルムF1に対して外フィルム51用の切断補助線510を超音波で形成し、第二切断補助線形成部20は、第二長尺フィルムF2に対して内フィルム50用の切断補助線500を超音波で形成するようになっている。
【0078】
第一切断補助線形成部10は、図7(a)に示す如く、所定周波数の超音波が付与されるホーン100と、ホーン100に対向するように配置される受け材110とを備えている。
【0079】
前記ホーン100は、超音波発振器(図示しない)が接続されるホーン本体101と、ホーン本体101に連設された第一フィルム接触部102とを備えている。前記第一フィルム接触部102は、円柱状に形成されており、一端がホーン本体101に接続され、平坦な他端面(接触面)102aを第一長尺フィルムF1の一方の面に接触させるようになっている。
【0080】
これに対し、受け材110は、ホーン100と共に第一長尺フィルムF1を挟み込む先端部(以下、第二フィルム接触部という)112の一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成されている。本実施形態に係る受け材110は、第二フィルム接触部112が一方向に延びる仮想線SLを曲率中心とした円弧状又は円環状(本実施形態においては円環状)に形成されるとともに該第二フィルム接触部112の先端が前記仮想線SLを中心とした円弧状又は円環状(本実施形態においては円環状)の稜線Lを形成している。
【0081】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る受け材110は、円板状の受け材本体111と、該受け材本体111の外周全周から径方向外方に突出した第二フィルム接触部112とを備えている。そして、受け材110は、受け材本体111の中心(仮想線SL)を通るように該受け材本体111の両端に支持軸113,113が突設されている。
【0082】
これに伴い、本実施形態の第一切断補助線形成部10は、受け材110を支持する受け材支持体120を備えている。該受け材支持体120は、受け材本体111の両端に突設された支持軸113,113を支持する一対の軸支部121,121と、一対の軸支部121,121同士を連結する連結部122とで構成されており、全体がコの字をなしている。
【0083】
そして、受け材支持体120は、後述する回転体145の回転軸123及び支持軸113,113と直交する方向(前記稜線Lと同方向)に延びる軸(以下、傾動軸)136を介して回転体145に枢着されている。これにより、受け材支持体120(受け材支持体120に支持された受け材110)は、傾動軸146を支点にして第二フィルム接触部112の幅方向で傾動(回転)可能になっている。そして、前記回転体145は、板材で構成されており、その一方の面側に前記受け材支持体120が枢着され、他方の面(上部)に支持軸113,113と直交する方向に延びる回転軸123が延設されている。該回転軸123は、後述する受け材案内手段132の支持体132aに軸支されている。これにより、本実施形態に係る受け材110は、傾動軸146回りでの傾動に加え、傾動軸146と支持軸113,113とに直交する方向に延びる回転軸123回りでも回転可能になっている。
【0084】
本実施形態に係る第二フィルム接触部112は、図7(b)に示す如く、断面三角形状に形成されており、その頂点が連続して形成される稜線Lが一方向と直交する他方向に沿っている。本実施形態に係る第二フィルム接触部112は、幅方向(一方向)の両面が鈍角をなすよう形成されている。すなわち、本実施形態に係る第二フィルム接触部112は、一方向の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bの間隔が先端に向かうにつれて狭くなるように形成されている。本実施形態に係る第二フィルム接触部112は、上述の如く、一方向に延びる仮想線SLを曲率中心とする円環状に形成されているため、前記一対の外郭縁112a,112bのそれぞれが、傾斜面(テーパー面)で構成されており、本実施形態においては一対の外郭縁112a.112bの内角が鈍角に設定されている。そして、幅方向の両面(両外郭縁112a.112b)の延出量は、略同一に設定されている。これにより、本実施形態に係る第二フィルム接触部112は、断面略二等辺三角形になっている。
【0085】
そして、本実施形態に係る第一切断補助線形成部10において、ホーン100及び受け材110は、図8(a)及び図8(b)に示す如く、第一長尺フィルム(フィルム)F1を挟み込んだ状態で、受け材110の第二フィルム接触部(先端部)112の一方向の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか一方の外郭縁112a,112bとホーン100の接触面102aとの内角θ1,θ2が、一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか他方の外郭縁112a,112bと前記接触面102aとの内角θ1,θ2よりも小さくなるように配置され、第一長尺フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡が曲線状になるように、前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するように構成されている。
【0086】
図7(a)に戻り、本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の第二フィルム接触部112の曲線状の軌道に対して前記稜線Lが接線方向に延びるように、受け材110を一方向の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸123回りで回転させるようにも構成されている。
【0087】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、ホーン100及び受け材110に加え、第一長尺フィルムF1を搬送する搬送手段(図示しない)と、ホーン100及び受け材110を前記一方向(第一長尺フィルムF1の搬送方向と直交する方向)に移動させる移動手段130と、受け材110を一方向(第二フィルム接触部112の幅方向)に傾動させる傾動手段140とを備えている。
【0088】
また、本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、受け材110を前記回転軸123回りで回転させるための回転駆動手段150を備えている。
【0089】
本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、第一長尺フィルムF1の長手方向の搬送(移動)で第一長尺フィルムF1と該第一長尺フィルムF1を挟み込んだホーン100及び受け材110との前記他方向での相対移動を実現し、移動手段130によるホーン100及び受け材110の移動で第一長尺フィルムF1と該第一長尺フィルムF1を挟み込んだホーン100及び受け材110との前記一方向(第一長尺フィルムF1の短手方向)での相対移動を実現している。これにより、本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、第一長尺フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡が曲線状になるようになっている。
【0090】
そして、本実施形態において、上述の如く、外フィルム51の切断補助線510を波線状に形成しなければならないため、前記移動手段130は、第一長尺フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となるように、ホーン100及び受け材110を第二フィルム接触部112(受け材110の先端部)の幅方向と一致する前記一方向に所定の移動量で往復動させるようになっている。
【0091】
ここで移動手段130について説明すると、本実施形態に係る移動手段130は、ホーン100を一方向に案内するホーン案内手段131と、受け材110を一方向に案内する受け材案内手段132と、ホーン100及び受け材110を一方向に同期をとって往復動させる往復駆動手段133とを備えている。前記ホーン案内手段131及び受け材案内手段132は、同様に構成されており、ホーン100又は受け材110(回転体145)を支持する支持体131a,132aと、支持体131a,132aを一方向に案内するレール131b,132bとで構成されている。
【0092】
前記往復駆動手段133には、ホーン案内手段131の支持体131a及び受け材案内手段132の支持体132aを往復動させるリンク機構や、電動シリンダ、エアシリンダ等のアクチュエータを採用することができ、本実施形態においては、エアシリンダが採用されている。
【0093】
かかる往復駆動手段133は、ホーン案内手段131の支持体131a及び受け材案内手段132の支持体132aを一緒に移動させるものであってもよいが、本実施形態においては、ホーン案内手段131の支持体131aを一方向に移動(往復動)させるエアシリンダ133aと、受け材案内手段132の支持体132aを一方向に移動(往復動)させるエアシリンダ133bとが往復駆動手段133として設けられている。
【0094】
ホーン案内手段131の支持体131aを一方向に移動(往復動)させるエアシリンダ133aは、ロッドエンドがホーン案内手段131の支持体131aに連結され、シリンダエンドが該製造設備1を構築するフレーム(図示しない)に対して直接的又は間接的に連結されている。これに対し、受け材案内手段132の支持体132aを一方向に移動(往復動)させるエアシリンダ133bは、ロッドエンドが受け材案内手段132の支持体132aに連結され、シリンダエンドが該製造設備1を構築するフレーム(図示しない)に対して直接的又は間接的に連結されている。
【0095】
そして、本実施形態に係る往復駆動手段133は、独立したエアシリンダ133a,133bで構成されているため、両エアシリンダ133a,133bは、同期をとって伸縮するようになっている。これにより、ホーン100及び受け材110が同期をとって一方向に往復動するようになっている。なお、第一切断補助線形成部10は、上述の如く、受け材110が傾動軸146を支点に傾動し、また、回転軸123回りで回転しても、第二フィルム接触部112の一部をホーン100の第一フィルム接触部102と向かい合せた状態になるように配置される。すなわち、往復駆動手段133を構成する二つのエアシリンダ133a,133bは、ホーン100と受け材110とが第一長尺フィルムF1を挟み込んだ状態で、ホーン100からの超音波(振動)を受け材110の第二フィルム接触部112に伝搬すべく、常時、受け材110の稜線Lの一部がホーン100の接触面102aと対向した状態になるようにホーン100及び受け材110を配置するようになっている。
【0096】
前記傾動手段140は、傾動軸146を支点にして受け材支持体120を傾動(回転)させるリンク機構や、電動シリンダ、エアシリンダ等のアクチュエータで構成することができ、本実施形態においては、エアシリンダで構成されている。傾動手段としてのエアシリンダ140は、ロッドエンドが受け材支持体120に枢着され、シリンダエンドが回転体145に枢着されている。これにより、第一切断補助線形成部10は、傾動手段(エアシリンダ)130を伸縮させることで、受け材支持体120(受け材110)が傾動軸146を支点にして傾動するようになっている。
【0097】
なお、上述の如く受け材支持体120の上方側にある傾動軸146回りで受け材110を回転させるようにすると、受け材110の姿勢(傾き)によって接触面102aと第二フィルム接触部112の稜線Lとの距離に変化が生じるが、本実施形態においては、回転軸123を軸支する軸受部124が受け材案内手段132の支持体132aに設けられており、軸受部124にダンパ(又は、バネ等の付勢手段)が内装されている。これにより、第一長尺フィルムF1に対する圧接力が増加すると受け材110が上昇して第一長尺フィルムF1に対する圧接力が所定の圧接力で維持するとともに、接触面102aと第二フィルム接触部112の稜線Lとの距離を一定に維持するようになっている。
【0098】
このように本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、受け材110の傾動によって、受け材110の第二フィルム接触部(先端部)112の一方向の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか一方の外郭縁112a,112bとホーン100の接触面102aとの内角θ1が、一対の外郭縁112a,112bのうちの他方の外郭縁112a,112bと前記接触面102aとの内角θ2よりも小さくなるように受け材110の姿勢を変更させるようになっている。
【0099】
前記回転駆動手段150は、受け材110を回転軸123回りで往復回転させるリンク機構や、電動シリンダやエアシリンダ等のアクチュエータを採用することができ、本実施形態においては、エアシリンダが採用されている。かかるエアシリンダ150は、ロッドエンドが回転体145に枢着され、シリンダエンドが受け材案内手段132の支持体132a(支持体132aに延設された延出部135)に枢着されている。これにより、回転駆動手段(エアシリンダ)150は、伸縮することで受け材110(受け材支持体120)を回転軸123回りで往復回転させる(所定の回転角度毎に回転方向を切り替える)ようになっている。
【0100】
また、該回転駆動手段150は、往復駆動手段133(エアシリンダ133a,133b)と連動しており、該往復駆動手段133がホーン100及び受け材110を一方向に往復動させたとき、受け材110の向き(回転軸123回りでの回転角度)をホーン100及び受け材110の一方向の位置に対応させるようにして受け材110を回転させるようになっている。すなわち、回転駆動手段150は、受け材110の稜線Lが切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の第二フィルム接触部112の曲線状の軌道に対して接線方向に延びるように、受け材110を回転軸123回りで回転させるようになっている。
【0101】
そして、第一切断補助線形成部10は、ホーン100及び受け材110と第一長尺フィルムF1とが一方向及び他方向に相対移動するときに、第一長尺フィルムF1に対して前記一方向と直交する他方向(第二フィルム接触部112の稜線Lの延びる方向と一致する第一長尺フィルムF1の長手方向)に張力Tを作用させるようになっている。
【0102】
具体的には、本実施形態に係る第一切断補助線形成部10は、第一長尺フィルムF1を搬送する搬送手段として、ホーン100及び受け材110の上流側及び下流側に第一長尺フィルムF1を圧着搬送する図示しないローラ対が設けられている。そして、これらのローラ対は、第一長尺フィルムF1を搬送する搬送速度が異なっており、このローラ対による搬送速度によって第一長尺フィルムF1に張力Tを作用させるようになっている。すなわち、第一切断補助線形成部10の搬送手段は、ホーン100及び受け材110の上流側に配置されたローラ対が下流側に配置されたローラ対よりも第一長尺フィルムF1の搬送速度が遅く設定されており、これによって第一長尺フィルムF1に張力Tを作用させるようになっている。
【0103】
そして、本実施形態において、上述の如く、外フィルム51に対して二条の切断補助線510,510を形成しなければならないため、第一切断補助線形成部10は、図6に示す如く、ホーン100、受け材110、移動手段130(往復駆動手段133)、傾動手段140,回転駆動手段150が二組ずつ設けられている。
【0104】
第二切断補助線形成部20は、図9(a)及び図9(b)に示す如く、第一切断補助線形成部10と同様に、所定周波数の超音波が付与されるホーン200と、ホーン200に対向するように配置される受け材210とを備えており、第二長尺フィルムF2をホーン200と受け材210とで挟み込んだ状態で、ホーン200に超音波を付与することで第二長尺フィルムF2を溶かして該第二長尺フィルムF2上に溝状の切断補助線500を形成するようになっている。
【0105】
第二切断補助線形成部20のホーン200、及び受け材210は、第一切断補助線形成部10のホーン100及び受け材110と同一形状とされている。すなわち、前記ホーン200は、超音波発振器(図示しない)が接続されるホーン本体201と、ホーン本体101に連設された第一フィルム接触部202とを備えている。前記第一フィルム接触部202は、円柱状に形成されており、一端がホーン本体201に接続され、他端面を第二長尺フィルムF2の一方の面に接触させるようになっている。
【0106】
これに対し、受け材210は、ホーン200と共にフィルムを挟み込む先端部(後述する第二フィルム接触部212)の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成されている。本実施形態に係る受け材210は、第二フィルム接触部212が一方向に延びる仮想線SLを曲率中心とした円弧状又は円環状(本実施形態においては円環状)に形成されるとともに該第二フィルム接触部212の先端が前記仮想線SLを中心とした円弧状又は円環状(本実施形態においては円環状)の稜線Lを形成している。
【0107】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る受け材210は、円板状の受け材本体211と、該受け材本体211の外周全周から径方向外方に突出した第二フィルム接触部212とを備えている。そして、受け材210は、図9(a)に示す如く、受け材本体211の中心を通るように該受け材本体211の両端に支持軸213,213が突設されている。
【0108】
これに伴い、本実施形態の第二切断補助線形成部20は、受け材210を支持する受け材支持体220を備えている。該受け材支持体220は、受け材本体211の両端に突設された支持軸213,213を支持する一対の軸支部221,221と、一対の軸支部221,221同士を連結する連結部222とで構成されており、全体がコの字をなしている。
【0109】
本実施形態に係る第二フィルム接触部212は、断面三角柱状に形成されており、その頂点が連続して形成される稜線Lが一方向と直交する他方向に沿っている。本実施形態に係る第二フィルム接触部212は、図9(b)に示す如く、幅方向の両面が鈍角をなすよう形成されている。すなわち、本実施形態に係る第二フィルム接触部212は、受け材本体211に接続された一面以外の二つの面(幅方向の両面)が受け材本体211側から先端に向かうにつれて互いに接近した傾斜面で構成され、両傾斜面の内角が鈍角に設定されている。
【0110】
第二切断補助線形成部20は、ホーン200及び受け材210が定位置に固定されている。すなわち、第二切断補助線形成部20の受け材210は、稜線Lが第二長尺フィルムF2の長手方向と一致し、且つ第二長尺フィルムF2の短手方向の略中央に位置するように固定されている。これに伴い、ホーン200は、第一フィルム接触部202が受け材210の第二フィルム接触部212と対向するように固定されている。
【0111】
図6に戻り、第二切断補助線形成部20についても、第二長尺フィルムF2に対して前記一方向と直交する他方向(第二長尺フィルムF2の搬送方向)に張力Tを作用させつつ、ホーン200及び受け材210と第二長尺フィルムF2とを他方向に相対移動させるようになっている。
【0112】
具体的には、本実施形態に係る第二切断補助線形成部20にも、第二長尺フィルムF2を搬送する図示しない搬送手段が設けられている。かかる搬送手段は、ホーン200及び受け材210の上流側及び下流側に第二長尺フィルムF2を圧着搬送するローラ対で構成されている。そして、これらのローラ対は、第二長尺フィルムF2を搬送する搬送速度が異なっており、このローラ対による搬送速度差によって第二長尺フィルムF2に張力Tを作用させるようになっている。すなわち、第二切断補助線形成部20の搬送手段は、ホーン200及び受け材210の上流側に配置されたローラ対が下流側に配置されたローラ対よりも第二長尺フィルムF2の搬送速度が遅く設定されており、これによって第二長尺フィルムF2に張力Tを作用させるようになっている。
【0113】
そして、本実施形態において、上述の如く、内フィルム50に対して一条の切断補助線500が形成されるため、第二切断補助線形成部20は、ホーン200、受け材210が一組のみ設けられている。
【0114】
第二搬送経路R2上の食品載置部21は、第二長尺フィルムF2(該第二長尺フィルムF2)に形成された切断補助線500上にシート状食品Sを配置するようになっている。第一搬送経路R1及び第二搬送経路R2のフィルム重合部12,22、フィルム溶着部13,23、フィルム切断部14,24は、上述の如く、第一搬送経路R1と第二搬送経路R2との共通の構成であり、フィルム重合部12,22は、第一搬送経路R1上の食品載置部21の下流側で第一搬送経路R1及び第二搬送経路R2が重複することで、両経路上で搬送される第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2とがシート状食品Sを介して重なり合うようになっている。
【0115】
前記フィルム溶着部13,23は、重複した第一搬送経路R1及び第二搬送経路R2上で搬送される第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2との間(重なり合った第一及び第二長尺フィルムF2の間)に介在するシート状食品Sを取り囲むように、第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2を溶着するようになっている。前記フィルム切断部14,24は、第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2とが溶着された領域(シート状食品Sを取り囲んだ領域)を包装材5として切り離すようになっている。なお、ここでは特に言及しないが、外フィルム51及び内フィルム50に形成されるノッチ502,512は、長尺フィルムF1,F2同士を重ねる前にフィルム切断部14で切断される切断位置に対応して切り込み又は切欠きとして形成される。
【0116】
次に、本実施形態に係る包装材5を製造方法(切断補助線形成方法)について説明することとする。かかる製造方法に用いられる製造設備1は、上述の通りであり、第一搬送経路R1上で第一長尺フィルムF1を搬送するとともに、第二搬送経路R2上で第二長尺フィルムF2を搬送する。そして、第一切断補助線形成部10で第一長尺フィルムF1に対して二条の切断補助線510,510が形成され、第二切断補助線形成部20で第二長尺フィルムF2に対して一条の切断補助線500が形成される。
【0117】
本実施形態の第一切断補助線形成部10及び第二切断補助線形成部20は、各長尺フィルムF1,F2を長手方向に連続的に搬送しつつ切断補助線500,510を形成する。
【0118】
具体的には、第一切断補助線形成部10では、各組のホーン100及び受け材110が第一長尺フィルムF1を挟み込んだ状態で、第一長尺フィルムF1が長手方向に搬送される。そして、ホーン100に超音波を発生させることで、第一長尺フィルムF1を介して受け材110に超音波が伝わる結果、図8(a)及び図8(b)に示す如く、その振動エネルギーが熱になって第一長尺フィルムF1が受け材110の第二フィルム接触部112に沿って溶け、該第二フィルム接触部112で第一長尺フィルムFの溶けた部分が両側に押し退けられて周囲よりも盛り上がった部分が形成される一方、第二フィルム接触部112のある部分が薄肉になる。
【0119】
本実施形態においては、ホーン100及び受け材110は、第一長尺フィルムF1を挟み込んだ状態で、受け材110の第二フィルム接触部112の一方向の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか一方の外郭縁112a,112bとホーン100の平坦な接触面102aとの内角θ1,θ2が、一対の外郭縁112a,112bのうちの他方の外郭縁112a,112bと前記接触面102aとの内角θ1,θ2よりも小さくなるように配置されているため、上述の如く、第一長尺フィルムF1の溶けた部分は、内角θ1,θ2の小さな方よりも大きな方に多く押し出されることになり、薄肉になった部分の一方側の盛り上がりが他方の盛り上がりよりも大きくなる。
【0120】
そして、上述の如く、第一長尺フィルムF1の長手方向への搬送でホーン100及び受け材110と第一長尺フィルムF1とが一方向と直交する他方向に相対移動するのに併せて、移動手段130によるホーン100及び受け材110の一方向の移動でホーン100及び受け材110と第一長尺フィルムF1とが一方向に相対移動する。すなわち、移動手段130の往復駆動手段133(エアシリンダ133a,133b)の伸縮で、ホーン100及び受け材110が一方向の往路及び復路のそれぞれで移動速度を加速させた後に減速させるようにして所定量往復動する。これにより、一方向及び他方向での第一長尺フィルムF1とホーン100及び受け材110との相対的な移動で、第一長尺フィルムF1上での受け材110の先端部(第二フィルム接触部112)の移動軌跡が波線状となるため、第一長尺フィルムF1が受け材110の第二フィルム接触部112に沿って溶けた部分(薄肉になった部分)が第二フィルム接触部112の移動軌跡に対応して波線状に順々に形成されることになる。
【0121】
本実施形態に係る製造設備1(第一切断補助線形成部10)は、上述の如く、前記内角θ1,θ2の何れか一方が他方に対して小さくなるように受け材110を傾動させるが、ホーン100及び受け材110が所定量往復動するとき、受け材110の第二フィルム接触部112の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁112aと接触面102aとの内角θ1が他方の外郭縁112bと前記接触面102aとの内角θ2よりも小さくなる状態(図8(a))と、他方の外郭縁112bと接触面102aとの内角θ2が一方の外郭縁112aと前記接触面102aとの内角θ1よりも小さくなる状態(図8(b))とに切り替わるように、前記受け材110が姿勢変更する。これにより、波線状の移動軌跡の頂点を起点に二分の一周期毎に盛り上がりの異なる隆起部511,511(高低の異なる隆起部511,551)が交互に入れ替わって形成される。
【0122】
そして、このように受け材110が一方向に往復動するのに併せ、第一長尺フィルムF1上に形成する切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の第二フィルム接触部112の軌道に対して前記稜線Lが接線方向に延びるように、受け材110が一方向の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸123回りで回転する。すなわち、受け材110が一方向に往復動すると、その受け材110の往復動(移動)に対応して回転駆動手段(エアシリンダ)150が伸縮し、受け材110の稜線Lが切断補助線510の形成予定位置(波線状の軌道)に対して接線方向に延びるように受け材110が回転軸123回りで回転する。
【0123】
これにより、第一長尺フィルムF1と相対移動する第二フィルム接触部112が第一長尺フィルムF1の溶けた部分(両側に押しやられて盛り上がった部分)を稜線Lに対して斜め方向に押しやることが防止され、薄肉になった部分が不用意に間延びしてしまうことが防止される。
【0124】
すなわち、本実施形態に係る受け材110のように第二フィルム接触部112(稜線L)を円弧状又は円環状に形成すると、受け材110の第二フィルム接触部112(先端)の第一長尺フィルムF1に対する接触部分が稜線Lの延びる方向で幅を持つことになり、上述の如く、第一長尺フィルムF1と該第一長尺フィルムF1を挟み込んだホーン100及び受け材110とを前記一方向と直交する他方向に相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させると、超音波の付与で溶けた第一長尺フィルムF1が第二フィルム接触部112によって該稜線Lの延びる方向に対して交差方向に押しやられる可能性がある。
【0125】
しかしながら、本実施形態においては、第一長尺フィルムF1上に形成する切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の第二フィルム接触部112の軌道に対して前記稜線Lが接線方向に延びるように、受け材110を、一方向の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸123回りで回転させるため、第一長尺フィルムF1の溶けた部分が第二フィルム接触部112によって一方向に押しやられることがなく、薄肉になった部分が不用意に間延びしてしまうことが防止される。
【0126】
そして、上述の如く、受け材110の第二フィルム接触部112で第一長尺フィルムF1を溶かして薄肉部分を形成するに当り、該第一長尺フィルムF1に対して前記一方向と直交する他方向(搬送方向)に張力Tを作用させているため、第一長尺フィルムF1には、極細で且つ深さの深い溝(切断補助線)が形成される。すなわち、第一長尺フィルムF1の溶けた部分は、上述の如く、受け材110の第二フィルム接触部112の両側(幅方向の両側)に押し退けられるため、受け材110の第二フィルム接触部112の存在する部分と対応する部分が薄肉になる一方で、その薄肉部分の両側が盛り上がった隆起部511,511となるが、第一長尺フィルムF1に対して受け材110の第二フィルム接触部112の幅方向と直交する方向に張力Tを作用させておくことで、第一長尺フィルムF1は、図10(a)及び図10(b)に示す如く、張力Tを作用させる二つの作用点間(切断補助線510を形成する予定位置)で幅方向の両側が内側(作用点間側)に寄ろうとする。従って、受け材110の両側(薄肉になった部分の両側)に押し退けられた第一長尺フィルムF1の溶けた部分(隆起部511,511)が互いに接近し、該互いに接近した隆起部511,511間に細長く且つ深さの深い溝状の切断補助線510が形成される。
【0127】
これに対し、第二切断補助線形成部20では、図9(b)に示す如く、ホーン200及び受け材210が第二長尺フィルムF2を挟み込んだ状態で、第二長尺フィルムF2が長手方向に連続的に搬送される。その結果、第二長尺フィルムF2の溶けた部分が直線状に形成され、受け材210(第二フィルム接触部212)の両側(幅方向両側)に押し退けられて隆起した状態になる。そして、本実施形態においては、第二切断補助線形成部20においても、第二長尺フィルムF2に対して受け材210の第二フィルム接触部212の幅方向と直交する方向に張力Tを作用させているため、図9(c)に示す如く、受け材210の両側(薄肉になった部分の両側)に押し退けられた第二長尺フィルムF2の溶けた部分(隆起部501,501)が互いに接近することになる。これにより、第二長尺フィルムF2において、互いに接近した盛り上がりが均等な隆起部501,501間に細長く且つ深さの深い溝状の切断補助線500が直線状に形成される。なお、第二切断補助線形成部20では、直線状の切断補助線500を形成するため、第一切断補助線形成部10とは異なり、ホーン200及び受け材210は第二長尺フィルムF2の幅方向中央に対応するように固定された状態で維持し続ける。
【0128】
図6に戻り、第二長尺フィルムF2が第二切断補助線形成部20を通過して食品載置部21に到達すると、該第二長尺フィルムF2上にシート状食品Sが載置される。その後、フィルム重合部12において、第一搬送経路R1からの第一長尺フィルムF1と第二搬送経路R2からの第二長尺フィルムF2とが重ね合わされた後、フィルム溶着部13において、重ね合わされた第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2とがシート状食品Sを取り囲むように溶着される。
【0129】
その後、フィルム切断部14で、溶着されて一体となった第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2とが切断される。すなわち、第一長尺フィルムF1と第二長尺フィルムF2とが溶着された領域(シート状食品Sを取り囲んだ領域)が包装材5として切り離され、上記構成の包装材5が完成する。
【0130】
以上のように、本実施形態に係る切断補助線形成装置10(切断補助線形成方法)によれば、受け材110は、ホーン100と共に第一長尺フィルムF1を挟み込む第二フィルム接触部(先端部)112の一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成され、ホーン100及び受け材110は、第一長尺フィルムF1を挟み込んだ状態で、受け材110の第二フィルム接触部112の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか一方の外郭縁112a,112bと第一長尺フィルムF1の一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面102aとの内角θ1が、一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか他方の外郭縁112a,112bと前記接触面102aとの内角θ2よりも小さくなるように配置され、第一長尺フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡が曲線状になるように、前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するように構成されているので、切断補助線510を曲線状に形成できる上に、その両側に盛り上がりの異なる隆起部511,511を形成することができる。
【0131】
従って、本実施形態に係る切断補助線形成装置10及び切断補助線形成方法は、切断補助線500を境に区画される両側の領域のうちの一方側の領域に向けてフィルムF1が裂けてしまうことを防止できるようにした曲線状の切断補助線510をフィルムF1上に形成することができるといった優れた効果を奏し得る。
【0132】
また、本実施形態に係る切断補助線形成装置10及び切断補助線形成方法によれば、前記何れか一方の外郭縁112a,112bと接触面102aとの内角θ1,θ2を可変とすべく、受け材110が姿勢変更可能に設けられているので、各内角θ1,θ2(外郭縁112a,112bと接触面102aとのなす角度θ1,θ2)を変更することができ、受け材110の第二フィルム接触部112の両側に押し退けられるフィルム(溶けた樹脂)の量(切断補助線の両側に形成される隆起部511,551の盛り上がり(高さ))を変更することができる。すなわち、受け材110を姿勢変更して一方の外郭縁112aと接触面102aとの内角θ1を大きくすると他方の外郭縁112bと接触面102aとの内角θ2が小さくなり、他方の外郭縁112bと接触面102aとの内角θ2を大きくすると一方の外郭縁112aと接触面102aとの内角θ1が小さくなるため、受け材110の第二フィルム接触部112の両側に押し退けられるフィルムF1の溶けた部分の量(切断補助線510の両側に形成される隆起部511,511の盛り上がり(高さ))を変更することができる。
【0133】
また、本実施形態に係る切断補助線形成装置10及び切断補助線形成方法によれば、フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となるように、フィルムF1と該フィルムF1を挟み込んだホーン100及び受け材110とを前記他方向で相対移動させつつホーン100及び受け材110を前記一方向に所定の移動量で往復動させるようにしているので、フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡に対応した波線状(略一定周期で起伏した曲線状)の切断補助線510を形成することができる。
【0134】
特に、受け材110の第二フィルム接触部112の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁112aと接触面102aとの内角θ1が他方の外郭縁112bと前記接触面102aとの内角θ2よりも小さくなる状態と、他方の外郭縁112bと接触面102aとの内角θ2が一方の外郭縁112aと前記接触面102aとの内角θ1よりも小さくなる状態とに切り替わるように、前記受け材110が姿勢変更するようにしたので、波線状の移動軌跡の頂点を起点に二分の一周期毎に盛り上がり(高低)の異なる隆起部511,511を交互に入れ替えて形成することができる。
【0135】
また、受け材110の第二フィルム接触部112が一方向に延びる仮想線SLを曲率中心とした円弧状又は円環状に形成されるとともに該第二フィルム接触部112の先端が前記仮想線SLを曲率中心とした円弧状又は円環状の稜線Lを形成しているので、切断補助線510の形成に伴って受け材110の先端部が摩耗(消耗)したときに、受け材全体110を交換することなく、受け材110を仮想線SL(中心)回りで所定量回転させるだけで、第二フィルム接触部112の適切な形状の部分(適切に先細りした部分)をホーン100に対向させることができる。
【0136】
そして、上述の如く、第二フィルム接触部112を円弧状又は円環状に形成すると、受け材110の第二フィルム接触部112(先端:稜線L)のフィルムF1に対する接触部分が稜線Lの延びる方向で幅を持つことになり、上述の如く、フィルムF1と該フィルムF1を挟み込んだホーン100及び受け材110とを前記他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させると、フィルムF1の溶けた部分が受け材110の第二フィルム接触部112によって該稜線Lの延びる方向に対して交差方向に押しやられる可能性があるが、本実施形態においては、切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の第二フィルム接触部112の軌道に対して前記稜線Lが接線方向に延びるように、受け材110が一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸123回りで回転するため、フィルムF1の溶けた部分が第二フィルム接触部112に押しやられることがなく、適正な切断補助線510を形成することができる。
【0137】
そして、本実施形態において、フィルムF1に対して前記他方向に張力を作用させつつ、ホーン100及び受け材110とフィルムF1とを相対移動させるようにしているので、受け材110の第二フィルム接触部112の両側(幅方向の両側)に押し退けられたフィルムF1の溶けた部分が内側(作用点間側)に寄ろうとする結果、受け材110の両側(薄肉になった部分の両側)に押し退けられたフィルムF1の溶けた部分(隆起部511,511)が互いに接近することになる。これにより、互いに接近した隆起部511,511間に細長く且つ深さの深い溝状の切断補助線510を形成することができる。
【0138】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0139】
上記実施形態において、長尺フィルムF1,F2を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、枚葉状のフィルムを対象としても勿論よい。
【0140】
上記実施形態において、おにぎりRを包装する包装材5を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、パンや菓子類等のその他の食品や、食品以外の日用品、玩具等を包装する包装材5等を対象としても勿論よい。
【0141】
上記実施形態において、受け材110の先端部(第二フィルム接触部)512及び稜線Lを円環状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、受け材110の先端部(第二フィルム接触部)512及び稜線Lを一方向に延びる仮想線SLを曲率中心にして円弧状に形成してもよい。
【0142】
上記実施形態において、傾動軸146を支点に受け材110を傾動させることで、ホーン100及び受け材110が、第一長尺フィルムF1を挟み込んだ状態で、受け材110の第二フィルム接触部112の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか一方の外郭縁112a,112bと第一長尺フィルムF1の一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面102aとの内角θ1が、一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか他方の外郭縁112a,112bと前記接触面102aとの内角θ2よりも小さくなるように配置されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図11に示す如く、受け材110を固定する一方、ホーン100を傾動させるようにしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様に、受け材110の第二フィルム接触部112の幅を画定する一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか一方の外郭縁112a,112bと第一長尺フィルムF1の一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面102aとの内角θ1,θ2が、一対の外郭縁112a,112bのうちの何れか他方の外郭縁112a,112bと前記接触面102aとの内角θ1,θ2よりも小さくなるため、切断補助線510の両側に盛り上がり(高さ)の異なる隆起部511,511を形成することができる。また、ホーン100及び受け材110の両方を傾動させるようにしても勿論よい。
【0143】
この場合において、切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の第二フィルム接触部112の軌道に対して前記稜線Lが接線方向に延びるように、一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸123回りで受け材110を回転させるときには、ホーン100も同期を取って回転させなければならない。すなわち、受け材110が回転軸回りで回転すると、ホーン100の傾動支点となる傾動軸146と受け材110の稜線Lとが交差するため、ホーン100の傾動が稜線Lに沿ったものとならないため、ホーン100を回転軸回りで回転可能に設けるとともに該ホーン100を回転させるエアシリンダ等の回転駆動手段136を設ける必要があることは言うまでもない。
【0144】
上記実施形態において、フィルムF1上での受け材110の第二フィルム接触部112の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となることを前提に、前記受け材110のが、該受け材110の第二フィルム接触部112の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁112aと接触面102aとの内角θ1が他方の外郭縁112bと前記接触面102aとの内角θ2よりも小さくなる状態と、他方の外郭縁112bと接触面102aとの内角θ2が一方の外郭縁112aと前記接触面102aとの内角θ1よりも小さくなる状態とに切り替わるように、受け材110を姿勢変更するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、切断補助線510を形成する(フィルムF1を溶かす)ときに、受け材110を一方向(第二フィルム接触部112の幅方向)の何れか一方側に傾けた状態を維持させるようにしてもよい。このようにすれば、盛り上がりの異なる隆起部511,511を連続的に形成することができる。また、受け材110の第二フィルム接触部112の波線状の移動軌跡の曲率半径に応じて、外郭縁112a,112bと接触面102aとの内角θ1,θ2を随時変更させるようにしてもよい。このようにすれば、切断補助線510のカーブに応じた盛り上がり(高さ)の隆起部511,511を形成することもできる。
【0145】
また、上記実施形態において、受け材110の先端部(第二フィルム接触部)512及び稜線Lを円環状に形成することを前提に、切断補助線510の形成予定位置と対応する受け材110の先端部(第二フィルム接触部)512の軌道に対して前記稜線Lが接線方向に延びるように、受け材110を一方向の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸123回りで回転させるようにしたが、これに限定されるものではなく、稜線Lが他方向に延びた状態で受け材110を回転不能にしてもよい。但し、切断補助線510を極細で体裁よく形成するには、上記実施形態と同様にすることが好ましい。
【0146】
上記実施形態において、受け材110の先端の幅方向(一方向)と直交する他方向にフィルムF1に張力Tを作用させつつ切断補助線510を形成する(ホーン100に超音波を付与する)ようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルムに張力Tを加えることなく切断補助線510を形成するようにしてもよい。すなわち、受け材110の第二フィルム接触部112でフィルムF1に薄肉の部分を形成し、当該薄肉の部分を切断補助線としてもよい。但し、フィルムF1の切断安定性を高めるには、切断補助線(溝)510の深さを深くするとともに、隆起部511,551の盛り上がりを高める必要があるため、上記実施形態と同様にフィルムF1に張力Tを作用させることが好ましいことは言うまでもない。
【0147】
上記実施形態において、第一長尺フィルムF1と該第一長尺フィルムF1を挟み込んだホーン100及び受け材110とを一方向と直交する他方向で相対移動させるために、第一長尺フィルムF1を搬送するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ホーン100及び受け材110を他方向に移動させることで、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン100及び受け材110とを一方向と直交する他方向に移動させるようにしてもよいし、フィルムとともにホーン100及び受け材110を他方向に移動させることで、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン100及び受け材110とを一方向と直交する他方向に相対移動させるようにしてもよい。
【0148】
また、上記実施形態において、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン100及び受け材110とを一方向で相対移動させるために、ホーン100及び受け材110を一方向に移動させるようにしたが、これに限定されるものではなく、フィルムを一方向に移動させるようにしてもよいし、フィルムとともにホーン100及び受け材110を一方向に移動させるようにしてもよい。但し、加工の対象となるフィルムが長尺フィルムである場合、上記実施形態と同様にすることが好ましいことは言うまでもない。
【0149】
上記実施形態において、波線状の切断補助線510を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、曲線状の切断補助線510を形成するようにしてもよい。すなわち、ホーン100及び受け材110を一方向で往復動させることなく、一方向の一方側に移動させるようにしてもよい。
【0150】
上記実施形態において、波線状の切断補助線510を二条形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、一条であってもよいし、三条以上であってもよい。
【0151】
上記実施形態において、波線状をなす二条の切断補助線510,510を、間隔をあけて形成するようにしたが、例えば、波線状や曲線状をなす二条以上の切断補助線510,510を交差させた態様で形成するようにしてもよい。
【0152】
上記実施形態において、受け材本体111を円板状に形成し、第二フィルム接触部112を受け材本体111の外周から径方向外方に延設したが、これに限定されるものではなく、例えば、図12に示す如く、受け材本体111に対して円錐状の第二フィルム接触部112を設けるようにしてもよい。このようにすれば、第二フィルム接触部112の先端がフィルムに対して線状に接触することになるため、上記実施形態のように、受け材110を回転軸123回りで回転させる必要がない。この場合においても、図12に示す如く、ホーン100を傾動させるようにしてもよいし、受け材111を傾動させるようにしてもよい。
【0153】
上記実施形態において、第一長尺フィルムF1の長手方向に切断補助線510を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図13に示す如く、第一長尺フィルムF1の短手方向に延びる切断補助線510を形成するようにしてもよい。そして、この場合、上記実施形態と同様に切断補助線510を形成する方向(一方向と直交する方向)に張力Tを作用させるには、第一長尺フィルムF1の両端部を把持可能な一対の把持手段300,300を設け、両把持手段300,300を離間させるようにして第一長尺フィルムF1の短手方向に張力Tを作用させるようにしてもよい。
【0154】
上記実施形態の製造設備1として、図6において、第一搬送路R1、及び第二搬送路R2のそれぞれの受け材110、210を長尺フィルムF1,F2の上方に配置したものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、第一搬送路R1においてホーン100及び受け材110を天地逆転して配置してもよいし、第二搬送路R2においてホーン200及び受け材210を天地逆転して配置してもよい。すなわち、包装材5の内フィルム50に形成される切断補助線500は、内フィルム50の内側面又は外側面の何れか一方に形成し、また、包装材5の外フィルム51の切断補助線510,510は、外フィルム51の内側面又は外側面の何れか一方に形成すればよい。
【符号の説明】
【0155】
1…製造設備、5…包装材、10…第一切断補助線形成部(切断補助線形成装置)、12,22…フィルム重合部、13,23…フィルム溶着部、14,24…フィルム切断部、20…第二切断補助線形成部(切断補助線形成装置)、21…食品載置部、22…フィルム重合部、23…フィルム溶着部、24…フィルム切断部、50…内フィルム、51…外フィルム、100…ホーン、101…ホーン本体、102…第一フィルム接触部、102a…接触面、110…受け材、111…受け材本体、112…第二フィルム接触部、112a,112b…外郭縁、113…支持軸、120…受け材支持体、121…軸支部、122…連結部、123…回転軸、124…軸受部、130…移動手段、131…ホーン案内手段、131a…支持体、131b…レール、132…受け材案内手段、132a…支持体、132b…レール、133…往復駆動手段、133a,133b…エアシリンダ、135…延出部、140…エアシリンダ(傾動手段)、145…回転体、146…傾動軸、150…エアシリンダ(回転駆動手段)、200…ホーン、201…ホーン本体、202…第一フィルム接触部、210…受け材、211…受け材本体、212…第二フィルム接触部、213…支持軸、220…受け材支持体、221…軸支部、222…連結部、300…把持手段、500,510…切断補助線、501…隆起部、502,512…ノッチ、511,511…隆起部、CL…中心線、F1…第一長尺フィルム(フィルム)、F2…第二長尺フィルム(フィルム)、L…稜線、R1…第一搬送経路、R2…第二搬送経路、S…シート状食品、SL…仮想線、T…張力、θ1,θ2…内角(角度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定周波数の超音波が付与されるホーンと、被包装物を包装する包装材又は包装材の一構成となるフィルムをホーンとともに挟み込む受け材とを備え、ホーンに超音波を付与することでフィルムを溶かして該フィルム上に溝状の切断補助線を形成する切断補助線形成装置であって、受け材は、ホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成され、ホーン及び受け材は、少なくともフィルムを挟み込んだ状態で、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置され、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するように構成されていることを特徴とする切断補助線形成装置。
【請求項2】
前記何れか一方の外郭縁と接触面との内角を可変とすべく、前記ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方が姿勢変更可能に設けられている請求項1に記載の切断補助線形成装置。
【請求項3】
フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが前記他方向で相対移動しつつホーン及び受け材が前記一方向に所定の移動量で往復動するように構成されている請求項1又は2に記載の切断補助線形成装置。
【請求項4】
前記ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方は、受け材の先端部の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁と接触面との内角が他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態と、他方の外郭縁と接触面との内角が一方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態とに切り替わるように、姿勢変更するように構成されている請求項3に記載の切断補助線形成装置。
【請求項5】
受け材は、先端部が一方向に延びる仮想線を曲率中心とした円弧状又は円環状に形成されるとともに該先端部の先端が前記仮想線を曲率中心とした円弧状又は円環状の稜線を形成し、切断補助線の形成予定位置と対応する受け材の先端部の軌道に対して前記稜線が接線方向に延びるように、前記一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸回りで回転するように構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の切断補助線形成装置。
【請求項6】
フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とが前記一方向と直交する他方向で相対移動しつつ前記一方向にも相対移動するときに、前記フィルムに対して前記他方向に張力を作用させるように構成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の切断補助線形成装置。
【請求項7】
被包装物を包装する包装材又は包装材の一構成となるフィルムを、所定周波数の超音波が付与されるホーンと受け材とで挟み込んだ状態で、ホーンに超音波を付与することでフィルムを溶かして該フィルム上に溝状の切断補助線を形成する切断補助線形成方法であって、受け材は、ホーンと共にフィルムを挟み込む先端部の少なくとも一方向の幅が先端に向かうにつれて幅狭に形成され、受け材の先端部の一方向の幅を画定する一対の外郭縁のうちの何れか一方の外郭縁とフィルムの一方の面に接触させるホーンの平坦な接触面との内角が、一対の外郭縁のうちの何れか他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなるように配置したホーンと受け材とでフィルムを挟み込み、フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が曲線状になるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記一方向と直交する他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させることを特徴とする切断補助線形成方法。
【請求項8】
フィルム上での受け材の先端部の移動軌跡が一定周期で起伏する波線状となるように、フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記他方向で相対移動させつつホーン及び受け材を前記一方向に所定の移動量で往復動させる請求項7に記載の切断補助線形成方法。
【請求項9】
受け材の先端部の波線状の移動軌跡の頂点を起点にして二分の一周期毎に、一方の外郭縁と接触面との内角が他方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態と、他方の外郭縁と接触面との内角が一方の外郭縁と前記接触面との内角よりも小さくなる状態とに切り替わるように、前記ホーン及び受け材の少なくとも何れか一方の姿勢を変更させる請求項8に記載の切断補助線形成方法。
【請求項10】
先端部が一方向に延びる仮想線を中心とした円弧状又は円環状に形成されるとともに該先端部の先端が前記仮想線を中心とした円弧状又は円環状の稜線を形成した受け材を、切断補助線の形成予定位置と対応する受け材の先端部の軌道に対して前記稜線が接線方向に延びるように、前記一方向及び他方向の少なくとも何れか一方の移動に対応して前記一方向及び他方向と直交する方向に延びる回転軸回りで回転させる請求項7乃至9の何れか1項に記載の切断補助線形成方法。
【請求項11】
フィルムと該フィルムを挟み込んだホーン及び受け材とを前記一方向と直交する他方向で相対移動させつつ前記一方向にも相対移動させるときに、前記フィルムに対して前記他方向に張力を作用させる請求項7乃至10の何れか1項に記載の切断補助線形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−116422(P2011−116422A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276851(P2009−276851)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000241186)朋和産業株式会社 (73)
【Fターム(参考)】