説明

列車内表示装置管理システムおよび列車内表示装置管理方法

【課題】車両内に設置された表示装置の輝度の低下を防ぎ、表示装置のメンテナンス周期を長期化することが可能な列車内表示装置管理システムおよび列車内表示装置管理方法を提供すること。
【解決手段】列車内表示装置管理システムは、列車の編成の各車両内にそれぞれ複数台搭載され、内蔵するバックライトの輝度を前記バックライトに供給する電流値を切替えることにより明輝度と暗輝度とで切替えて表示を行う表示装置と、前記編成内に設けられ、前記バックライトの輝度値を含む前記各表示装置の状態情報を収集し管理する車上データ収集管理部と、前記状態情報に基づき、前記各表示装置毎に前記暗輝度の輝度値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には当該表示装置の暗輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御する解析判断部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車の車両内に設置された表示装置を管理する列車内表示装置管理システムおよび列車内表示装置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、列車の車両内では、運行情報等の案内や広告を表示するための表示装置が設置されており、このような表示装置として、例えば液晶パネルを使用した表示装置が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。また、表示装置は一般に車両内に複数台設置されることから、編成内には多数の表示装置が設置されるととなり、これらの表示装置の品質を一定に保ち、表示の質を確保することが必要となる。
【0003】
ところで、車両内で例えば液晶表示装置を使用する場合、液晶パネルの輝度は、バックライトの長寿命化および乗客の視認性の向上を目的として輝度の設定値を切替えて使用する場合があり、列車の走行位置や時刻によって例えば明輝度と暗輝度とを切替えることができる。ここで、明輝度は、暗輝度よりも輝度が高く、主に昼間に用いられる輝度であり、一方、暗輝度は、主に夜間やトンネル内で用いられる輝度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−70254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、液晶パネルは寿命があり、経年によって輝度が低下し画面表示が暗くなり視認性が低下するという問題点がある。このような症状は、特に暗輝度時に顕著に現れるため、明輝度時に表示されていた画面が暗輝度時には暗くて認識することが困難な状態となり、平均輝度半減時(すなわち、寿命)前にメンテナンスが必要になり、表示装置を寿命時間分使用することが困難であるという問題点がある。
【0006】
また、液晶パネルの輝度の低下は一律ではなく、個体毎にばらつきがあり、さらに経年によりばらつきが大きくなるため、個々の表示装置毎にメンテナンスを実施する必要があり大変な手間である。一般的に、液晶表示装置の構成機器のうち、バックライトの寿命が最も短く、バックライトのメンテナンス周期を長期化することが課題となっている。
【0007】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、車両内に設置された表示装置の輝度の低下を防ぎ、表示装置のメンテナンス周期を長期化することが可能な列車内表示装置管理システムおよび列車内表示装置管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る列車内表示装置管理システムは、列車の編成の各車両内にそれぞれ複数台搭載され、内蔵するバックライトの輝度を前記バックライトに供給する電流値を切替えることにより明輝度と暗輝度とで切替えて表示を行う表示装置と、前記編成内に設けられ、前記各表示装置と伝送路で接続されるとともに、前記各表示装置に内蔵される前記バックライトの輝度値を含む前記各表示装置の状態情報を収集し管理する車上データ収集管理部と、前記車上データ収集管理部から送信された前記状態情報に基づき、前記各表示装置毎に前記暗輝度の輝度値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には、当該表示装置の暗輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御する解析判断部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、車両内に設置された表示装置の輝度の低下を防ぎ、表示装置のメンテナンス周期を長期化することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施の形態1に係る列車内表示装置管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、車上搭載機器の配置例を示す図である。
【図3】図3は、表示装置の概略内部構成を示す図である。
【図4】図4は、表示装置の輝度特性を示す図である。
【図5】図5は、表示装置の輝度調整方法の一例を示す図である。
【図6】図6は、図5に対応したバックライトの電流値の調整方法を示す図である。
【図7】図7は、図5および図6に対応する電流I−輝度Kの関係を表す図である。
【図8】図8は、実施の形態2に係る列車内表示装置管理システムの概略構成を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態3における表示装置の概略内部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る列車内表示装置管理システムおよび列車内表示装置管理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る列車内表示装置管理システムの概略構成を示す図であり、図2は、車上搭載機器の配置例を示す図である。図1では、列車の編成D1上に構築された車上システム1−1、列車の編成D2上に構築された車上システム1−2、列車の編成D3上に構築された車上システム1−3、・・・、列車の編成Dn上に構築された車上システム1−n(nは任意の自然数)、および地上施設内に設けられた地上システム10が示されている。
【0013】
まず、車上システム1−1について説明する。図1に示すように、列車の編成D1は例えば3両の車両T1〜T3からなり、先頭車である車両T1には、データ収集管理部5、通信装置6、運転台表示部7、および表示装置11a、12a、21a、22a、31a、32aが搭載されている。また、車両T1に連結された車両T2には、表示装置11b、12b、21b、22b、31b、32bが搭載され、車両T2に連結された車両T3には、表示装置11c、12c、21c、22c、31c、32cが搭載されている。
【0014】
表示装置11a、12a、21a、22a、31a、32aは、それぞれ例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を使用した表示装置であり、運行情報等の案内や広告等を表示する。これらの表示装置は、車両T1内において例えば各ドアの鴨居部に2台ずつ設置される(図2参照)。
【0015】
同様に、表示装置11b、12b、21b、22b、31b、32bは、それぞれ例えば液晶ディスプレイ(LCD)を使用した表示装置であり、運行情報等の案内や広告等を表示する。これらの表示装置は、車両T2内において例えば各ドアの鴨居部に2台ずつ設置される(図2参照)。
【0016】
同様に、表示装置11c、12c、21c、22c、31c、32cは、それぞれ例えば液晶ディスプレイ(LCD)を使用した表示装置であり、運行情報等の案内や広告等を表示する。これらの表示装置は、車両T3内において例えば各ドアDの鴨居部に2台ずつ設置される(図2参照)。
【0017】
なお、各車両に搭載される表示装置の台数は図示例の6台に限定されず、また、編成D1を構成する車両数は図示例の3両に限定されない。
【0018】
表示装置11a、12a、21a、22a、31a、32aは車両内伝送路3aを介して互いに接続され、さらに、車両間にわたって配設された車両間伝送路2を介してデータ収集管理部5と接続されている。例えば表示装置11aは車両間伝送路2によりデータ収集管理部5と直接接続され、例えば表示装置12aは表示装置11aを介して車両間伝送路2によりデータ収集管理部5と接続されている。
【0019】
同様に、表示装置11b、12b、21b、22b、31b、32bは車両内伝送路3bを介して互いに接続され、さらに、車両間伝送路2を介してデータ収集管理部5と接続されている。
【0020】
同様に、表示装置11c、12c、21c、22c、31c、32cは車両内伝送路3cを介して互いに接続され、さらに、車両間伝送路2を介してデータ収集管理部5と接続されている。
【0021】
なお、これらの車両間伝送路2および車両内伝送路3a〜3cは、デジタル伝送路およびアナログ伝送路のいずれも使用可能である。
【0022】
ここで、上記各表示装置の内部構成について、例えば表示装置11aを例に説明する。なお、他の表示装置の内部構成についても同様である。図3は、表示装置11aの概略内部構成を示す図である。図3に示すように、表示装置11aは、主たる構成要素として、液晶パネル13、バックライト14、CPU15、輝度センサ16、記憶部17、および通信I/F18を備えている。
【0023】
CPU15は、この表示装置11aの各種制御、信号制御を司る表示制御部であり、その動作は記憶部17に格納された所定のプログラムに従って実行される。液晶パネル13は表示部であり、バックライト14は装置内に内蔵された光源である。CPU15は、液晶パネル13による表示の制御を行う。
【0024】
また、CPU15は、バックライト14の輝度を調整することができる。バックライト14は図示しない電源に接続されており、CPU15はこの電源からバックライト14に供給される電流を調整する機能を有し、この電流調整機能によりバックライトへの供給する電流を制御してその輝度を調整する。CPU15は、例えばバックライト14に接続されたインバータ(図示せず)を制御することにより、バックライト14に供給される電流を調整することができる。
【0025】
また、本実施の形態では、列車の走行位置や時刻によって例えば明輝度と暗輝度とを切り替える。明輝度は昼間や明るいところを走行しているときに使用され、暗輝度は夜間や暗いところ(トンネル内など)を走行しているときに使用される。CPU15は、図示しない車内輝度を測定するセンサの測定値を参照するなどして、バックライト14に対して明輝度と暗輝度とに切替えを行う。輝度センサ16は、バックライト14の輝度を計測し、その計測値はCPU15により記憶部17に保存される。通信I/F18は車両内伝送および車両間伝送用の伝送インタフェース機能を有する。
【0026】
CPU15は、表示装置11aの状態情報を収集し、この収集した状態情報を記憶部17に記憶する。ここで、表示装置11aの収集する状態情報は、例えば、表示装置11aの積算稼働時間、バックライト14の点灯時間、液晶パネル13の通電時間、およびバックライト14の現在の輝度値等である。稼働時間、バックライト点灯時間、通電時間は、図示しない計測部によりそれぞれ計測される。また、上述のように輝度値は輝度センサ16により計測される。本実施の形態では、暗輝度と明輝度とを切替えて表示を行うので、CPU15は、バックライト14の輝度値を示す情報に、暗輝度時のものかあるいは明輝度時のものかを識別する情報を付加して記録する。なお、記憶部17は、ROM、RAM等のメモリ等を総括的に示したものであり、例えば不揮発性メモリを含んでおり、CPU15は、収集した状態情報を例えばこの不揮発性メモリに記録する。
【0027】
表示装置11aは、不揮発性メモリに記録された状態情報を通信I/F18を介してデータ収集管理部5へ送信する。同様に、編成D1内の他の表示装置も状態情報を収集し不揮発性メモリに記録するとともに通信I/Fを介してデータ収集管理部5へ送信する。データ収集管理部5は、編成D1内の表示装置群から例えば定期的に送信される状態情報を一括して管理し、これらの状態情報を例えば運転台に設けられた表示部である運転台表示部7にて表示する(図2参照)。データ収集管理部5は、図示しないCPU、記憶部、通信インタフェース等を有し、所定のプログラムに従って動作することでその機能を実現する。
【0028】
通信装置6は、車両T1に搭載された車上−地上間無線通信手段であり、データ収集管理部5と伝送路で接続されている。データ収集管理部5は、この通信装置6を用いて、編成D1内に搭載された表示装置群の状態情報を例えば定期的に地上システム10へ送信する。
【0029】
以上、車上システム1−1の構成について説明したが、かかる構成は編成D2上の車上システム1−2、編成D3上の車上システム1−3、・・・、編成Dn上の車上システム1−nについても同様である。
【0030】
次に、地上システム10について説明する。地上システム10は、通信装置50、データ収集管理部51、および解析判断部52を備えている。
【0031】
通信装置50は、地上システム10に設けられた地上−車上間無線通信手段である。通信装置50は、例えば編成D1の通信装置6等と無線通信することができる。
【0032】
データ収集管理部51は、この通信装置6を用いて、車上システム1−1から送信された編成D1内の表示装置群の状態情報、車上システム1−2から送信された編成D2内の表示装置群の状態情報、・・・、および車上システム1−nから送信された編成Dn内の表示装置群の状態情報をそれぞれ受信し、編成D1〜Dnの全表示装置の状態情報を一括して管理する。また、データ収集管理部51は、通信装置50を用いて、例えば車上システム1−1に指令情報(例えば、バックライト14の輝度調整指令情報等)を送信することができる。図1では、地上システム10と車上システム1−1間のデータの授受をRC1で、地上システム10と車上システム1−2間のデータの授受をRC2で、・・・、地上システム10と車上システム1−n間のデータの授受をRCnでそれぞれ表している。
【0033】
解析判断部52は、データ収集管理部51の収集・管理する状態情報を集計し、解析し、解析結果をもとに所定の判断を行い、指令情報を生成する。解析判断部52は、後述するように、例えばバックライト14の輝度調整に関する判断を行う。なお、データ収集管理部51および解析判断部52は、CPU、記憶部、および通信インタフェース等を有し、所定のプログラムに従って動作するコンピュータ(図示せず)の機能として実現することができる。
【0034】
次に、表示装置11a等の表示装置の一般的な輝度特性について説明する。図4は、表示装置11aの輝度特性を示す図であり、横軸はバックライト点灯時間を、縦軸は表示装置11aの輝度値を表す。図4では、表示装置11aの輝度の時間変化をL1で表しており、バックライト点灯時間とともにその輝度値が単調減少しているのがわかる。なお、L1では、バックライト14に供給する電流値を一定に保っている。表示装置11aの輝度は、バックライト14や液晶パネル13の劣化などにより徐々に暗くなるが、輝度低下の要因のうち、バックライト14の寿命によるものがもっとも影響が大きい。そこで、L2に示すように、表示装置11aの状態情報をもとに輝度値が規定値よりも低下した時点(Tc)で、バックライト14に供給する電流値を増加させ、輝度をコントロールして例えば上昇させることにより、視認性の低下を防ぐことができる。
【0035】
次に、本実施の形態における表示装置の輝度調整方法について説明する。図5は、表示装置11aの輝度調整方法の一例を示す図、図6は、図5に対応したバックライト14の電流値の調整方法を示す図、図7は、図5および図6に対応する電流I−輝度Kの関係を表す図である。図5では、横軸は時間t、縦軸は輝度Kを表し、輝度Kは輝度センサ16により計測された表示装置11aの画面の輝度を表す。図6では、横軸は時間t、縦軸は電流Iを表し、電流Iはバックライト14に供給する電流値を表す。図7では、横軸は電流I、縦軸は輝度Kを表す。図5および図7において、視認不可輝度領域は輝度KがK_0以下の領域として定義され、この視認不可輝度領域は画面内容を視認することが不可となる輝度領域を表している。
【0036】
図5では、CPU15により切替制御される暗輝度と明輝度の双方の時間変化を示している。すなわち、時刻T0では、輝度KがKLであるものが暗輝度を表し、KHであるものが明輝度を表す。また、図7では、暗輝度時にバックライト14に供給する電流値と、明輝度時にバックライト14に供給する電流値の双方の時間変化を示している。すなわち、時刻T0では、電流IがILであるものが暗輝度を表し、IHであるものが明輝度を表し、CPU15は、このように電流値を切替えて明輝度と暗輝度との切替えを行う。KL,KH,IL,IHは初期設定値である。
【0037】
暗輝度は、T0〜T1間で、その輝度がKLからK_MINまで低下する。この間、CPU15は、バックライト14に供給する電流IをILに保っているが(図6参照)、バックライト14の経年劣化等によりその輝度は徐々に暗くなり、時刻T1でK_MINに達する。ここで、K_MINはK_0よりも所定値だけ高い閾値であり、画面表示の最低輝度値として設定される。本実施の形態では、暗輝度がK_MINに達すると、これ以上暗輝度が低下しないように、バックライト14に供給する電流を増加させ、例えば、暗輝度がK_MINを維持するように電流を調整する。すなわち、T1〜T3間では、電流IをILからI_MAXまで時間経過とともに増加させることにより(図6参照)、暗輝度をK_MINに維持する。より正確には、CPU15は、輝度センサ16の計測値を参照しながら、暗輝度をK_MINに維持するような電流Iを検出してこれを設定する。なお、T1〜T3間で、暗輝度がK_MINよりも高い値を維持するように電流を調整することも可能である。I_MAXは、バックライト14に供給可能な電流の最大値であり、時刻T3にて、電流IはI_MAXに達することから、これ以降は電流値の調整により輝度の低下を防ぐことはできない。
【0038】
なお、図5〜図7に示した輝度Kと電流Iとの関係は定性的な関係を示したものであり、例えばT1〜T3間で暗輝度をK_MINに保つためには電流IをILからI_MAXまで線形に増加させればよいということを示すものではなく、実際には、バックライト14の特性に依存して暗輝度をK_MINに維持するように電流Iを調整する必要がある。
【0039】
一方、明輝度は、T0〜T2間で、その輝度がKHからK_MINまで低下する。この間、CPU15は、バックライト14に供給する電流IをIHに保っているが(図6参照)、バックライト14の経年劣化等によりその輝度は徐々に暗くなり、時刻T2でK_MINに達する。なお、T2>T1であり、暗輝度が明輝度よりも先にK_MINに達し、したがって、暗輝度表示が明輝度表示よりも先に認識できなくなる。
【0040】
本実施の形態では、明輝度がK_MINに達すると、暗輝度の場合と同様に、これ以上明輝度が低下しないように、バックライト14に供給する電流を増加させ、例えば、暗輝度がK_MINを維持するように電流を調整する。すなわち、T2〜T3間では、電流IをIHからI_MAXまで増加させることにより(図6参照)、明輝度をK_MINに維持する。より正確には、CPU15は、輝度センサ16の計測値を参照しながら、明輝度をK_MINに維持するような電流Iを検出してこれを設定する。
【0041】
図7では、図5および図6の関係を電流I−輝度K平面で表している。暗輝度については、t=T0で(I,K)=(IL,KL)、t=T1で(I,K)=(IL,K_MIN)、t=T2で(I,K)=(IH,K_MIN)、t=T3で(I,K)=(I_MAX,K_MIN)と変化する。すなわち、T0〜T1では、電流IをILに保持し、T1〜T3では、輝度KをK_MINに保持するように電流Iを調整する。明輝度については、t=T0で(I,K)=(IH,KH)、t=T2で(I,K)=(IH,K_MIN)、t=T3で(I,K)=(I_MAX,K_MIN)と変化する。すなわち、T0〜T2では、電流IをIHに保持し、T2〜T3では、輝度KをK_MINに保持するように電流Iを調整する。
【0042】
従来は、暗輝度がK_MINに達した後は輝度がさらに低下し視認不可能となる。したがって、時刻T1がバックライト14のメンテナンス寿命となっていた。しかしながら、本実施の形態では、図5〜図7に示すような輝度制御を行うことにより、T1〜T2間でも暗輝度はK_MINを維持しているので、暗輝度画面は依然として視認可能である。また、この間では、暗輝度と明輝度とが異なり(図5参照)、明輝度と暗輝度とを切替えて表示することができる。T2〜T3間では、明輝度と暗輝度とが同じ輝度となるが、画面表示は視認可能である。よって、かかる電流制御により、メンテナンス寿命を従来のT1から、T3まで長期化することができる。
【0043】
次に、本実施の形態の動作について説明する。本実施の形態では、図5〜図7に示すような輝度の制御を地上システム10の解析判断部52の指令情報に基づいて行う。
【0044】
まず、車上システム1−1では、データ収集管理部5は、編成D1内の表示装置群の状態情報を収集した後、通信装置6を用いてこれらの状態情報を地上システム10へ送信する。なお、車上システム1−2〜1−nについても同様である。
【0045】
地上システム10では、データ収集管理部51は、通信装置50を介して車上システム1−1〜1−nからそれぞれ送信された状態情報を受信し、車上システム1−1〜1−nの全表示装置の状態情報を収集管理する。
【0046】
次に、解析判断部52は、データ収集管理部51の管理する状態情報について解析する。すなわち、解析判断部52は、各表示装置毎に最新の状態情報を解析し、バックライト14の明輝度および暗輝度が閾値K_MIN以下であるか否かを判定する。最新の状態情報データは、暗輝度時と明輝度時の輝度データを含むものであればよく、例えば最新の一日分の状態情報データとすることができる。解析判断部52は、予め設定されたK_MINの値を保持している。以下では、例えば車上システム1−1の表示装置11aを例に説明する。
【0047】
解析判断部52は、暗輝度および明輝度のいずれの輝度値もK_MINより大きいと判定した場合には、表示装置11aの輝度を制御するための指令情報を生成しないが、暗輝度または明輝度の輝度値がK_MIN以下であると判定した場合には、表示装置11aの輝度を制御するための指令情報を生成する。暗輝度時の輝度値がK_MIN以下になった場合には、解析判断部52は、表示装置11aの暗輝度をK_MINに維持するよう表示装置11aに制御させる指令情報を生成し、この指令情報をデータ収集管理部51に出力する。データ収集管理部51は、通信装置50を介してこの指令情報を車上システム1−1へ送信する。
【0048】
車上システム1−1では、データ収集管理部5は、通信装置6を介して地上システム10からの指令情報を受信した後、車両間伝送路2を介してこの指令情報を表示装置11aへ送信する。表示装置11aでは、CPU15は、この指令情報に従い、暗輝度時の輝度値をK_MINに維持するようにバックライト14に供給する電流を増加させる。K_MINの値は、例えば解析判断部52から送信された閾値データが記憶部17に保存されているとする。なお、CPU15による輝度制御の詳細については、図5〜図7を参照して既に説明したとおりである。また、明輝度時の輝度値がK_MIN以下になった場合も同様である。解析判断部52は、上記のような解析処理を周期的に行っている。なお、表示装置11a以外の表示装置についても同様である。
【0049】
このように、解析判断部52は、収集管理する状態情報に基づき、個々の表示装置の輝度を制御するための指令情報を生成して対応する車上システムへ送信し、個々の表示装置の輝度を遠隔で制御する。
【0050】
なお、表示装置の輝度の制御は、指定の単位(表示装置単位、車両単位、編成単位、全編成単位等)で行うことができる。表示装置単位での輝度の制御は上記のとおりである。
【0051】
車両単位での輝度の制御では、例えば車両内の全表示装置の暗輝度を所定のタイミングで一括して同じ輝度に制御し、車両内での輝度の統一を図る。例えば図1の車両T1内で表示装置11aの暗輝度が他の表示装置よりも先に閾値(K_MIN)以下となった場合に、解析判断部52は、表示装置11aの暗輝度が閾値(K_MIN)を維持するように制御指令を行うとともに、車両T1内の他のすべての表示装置の暗輝度が表示装置11aの暗輝度に合わせて閾値(K_MIN)となるように制御指令行うことができる。このように、車両T1内で、暗輝度が最初に閾値(K_MIN)以下となった表示装置に合わせて同車両内の他の表示装置の暗輝度も一括して閾値(K_MIN)に合わせることで、表示装置間で暗輝度表示時の明るさに差異がなくなり、見る者に違和感を与えることがない。この制御例では、輝度の統一化を図るタイミングは、時刻T1となる。
【0052】
なお、上記のような車両単位での輝度の制御を、号車よりも小さな単位、例えば並設された表示装置単位で行うこともできる。図2に示すように、例えば表示装置11a,12aはドアの上方にて2台を一組として並設されている。したがって、車両T1内の乗客は表示装置11a,12aの双方を同時または交互に見る可能性が高く、一方の表示装置の暗輝度が閾値(K_MIN)以下となった場合は、他方の表示装置の暗輝度もこれに合わせて閾値(K_MIN)となるように制御することができる。これにより、表示装置11a,12を見る者に違和感を与えない。
【0053】
また、車両単位での輝度の別の制御例として、解析判断部52は、車両T1内のいずれかの表示装置が最初に図5の時刻T2に達するまでは、個々の表示装置に対して図5〜図7の制御方法に従って輝度の制御を行い、いずれかの表示装置の明輝度が閾値(K_MIN)以下となった時に、他のすべての表示装置の明輝度および暗輝度を当該表示装置の輝度に合わせて閾値(K_MIN)となるように制御する。すなわち、解析判断部52は、時刻T2のタイミングで、車両T1内の全表示装置の輝度を閾値(K_MIN)に統一する輝度制御を行う。これにより、表示装置間で輝度表示時の明るさに差異がなくなり、見る者に違和感を与えることがない。なお、これと同様の輝度の制御を、例えば並設された表示装置単位で行うこともできる。
【0054】
編成単位または全編成単位での輝度の制御についても車両単位の場合と同様である。例えば、編成単位では、編成内の全表示装置の暗輝度を所定のタイミングで一括して同じ輝度に制御し、編成内での輝度の統一を図ることができる。その具体例は、車両単位の場合と同様である。また、全編成単位では、車上システム1−1〜1−n内の全表示装置の暗輝度を所定のタイミングで一括して同じ輝度に制御し、全編成内での輝度の統一を図ることができる。その具体例は、車両単位の場合と同様である。
【0055】
また、解析判断部52は、車上の個々の表示装置の状態情報をもとに、故障の判別や寿命診断を行うことができる。ここで、故障の判別は、例えば輝度値がK_0以下であるか否かにより判別することができる。また、寿命診断は、例えば図5のような輝度の経年グラフを作成することにより診断することができる。これにより、メンテナンス作業者は、例えば寿命診断情報に基づきメンテナンス時期が近づいていることを事前に認識してメンテナンスの準備をすることができる。
【0056】
また、解析判断部52は、閾値(K_MIN)を可変に設定することができ、この設定値を車上システム1−1〜1−nの各表示装置に送信する。閾値(K_MIN)は、表示装置の実際の運用を通じて初期設定値よりもより適当な値が判明することがあるので、解析判断部52は閾値(K_MIN)を可変に設定することが好ましい。例えば、解析判断部52は、集計した状態情報をもとに、車両単位、編成単位、または全編成単位で、暗輝度の平均値または最高値等の統計値を求め、このような統計値に基づいて閾値(K_MIN)の調整を実施することができる。例えば、閾値(K_MIN)を初期設定値よりも低く設定することができた場合には、バックライト14のメンテナンス周期の長期化が可能となる。また、解析判断部52は、閾値(K_MIN)を表示装置単位、車両単位、編成単位、または全編成単位で設定することができる。
【0057】
なお、上記では、CPU15は表示装置の状態情報を記録するとしたが、その他の機器の状態情報(積算稼働時間、通電時間など)を記録し、その他の機器の状態情報をもとに表示装置の使用時間を間接的に認識することで、表示装置の寿命診断やメンテナンス時期の判断を行うこともできる。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、バックライト14の暗輝度がK_MINに達した後は、暗輝度がK_MINを維持するように輝度制御を行うようにしたので、表示装置の輝度の低下を防ぎ、表示装置のメンテナンス周期を長期化することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、暗輝度または明輝度がK_MINに達した後はこの値を維持するように制御することより、輝度をK_MINよりも高い値に維持する場合に比べて寿命を長くし、電力消費も抑えることができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、地上システム10で全編成内の表示装置を一括して管理することができ、メンテナンスが容易になる。なお、本実施の形態のその他の効果は上記説明の中で個別に記載したとおりである。
【0061】
実施の形態2.
図8は、本実施の形態に係る列車内表示装置管理システムの概略構成を示す図である。本実施の形態では、解析判断部52等を備えた地上システム10を設ける代わりに、各編成内に解析判断部を設ける構成である。図8では、編成D1の車上システム1−1において、例えば車両T1内に解析判断部26が設けられている。解析判断部26は、実施の形態1で説明した解析判断部51と同じ機能を有する。解析判断部26は、データ収集管理部5に接続され、データ収集管理部5の収集・管理する状態情報を集計し、解析し、解析結果をもとに所定の判断を行い、指令情報を生成する。解析判断部26による具体的な制御内容は、実施の形態1と同様であるため省略するが、解析判断部26は、編成D1に関しては、解析判断部52と同じ制御処理を行う。換言すれば、実施の形態1では、解析判断部52等を備えた地上システム10を設けることにより、編成間にわたって表示装置の管理が可能となっている。なお、図8では、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
本実施の形態によれば、例えば車上システムと地上システムとの間で交信が困難な状況が発生しあるいは列車が交信が困難な場所(例えば、トンネル内や山間部等)を走行中であっても、自列車内に設けられた解析判断部26により、リアルタイムに各表示装置の輝度を管理し制御することができる。本実施の形態のその他の効果は、実施の形態1と同様である。
【0063】
実施の形態3.
実施の形態2では、解析判断部26を各編成(すなわち車上)に例えば1個設け、編成内の全表示装置の輝度制御を行うようにした。本実施の形態では、「解析判断部」を各表示装置ごとに設けて、各表示装置自身が明輝度および暗輝度の輝度制御を行う構成とする。すなわち、本実施の形態では、図8の構成において、解析判断部26を設ける代わりに、各表示装置ごとに「解析判断部」を設ける。
【0064】
図9は、本実施の形態における表示装置11aの概略内部構成を示す図である。図9に示すように、表示装置11aは、主たる構成要素として、液晶パネル13、バックライト14、CPU15、輝度センサ16、記憶部17、通信I/F18、および解析判断部27を備えている。
【0065】
液晶パネル13、バックライト14、CPU15、輝度センサ16、記憶部17、および通信I/F18の各機能については、図3と同様である。また、解析判断部27は、実施の形態2の解析判断部26と同様の機能を有するが、解析判断部26が編成内の全表示装置の状態情報を解析するのに対して、解析判断部27は自身が設けられている表示装置11aの状態情報のみを解析する。すなわち、解析判断部27は、表示装置11aの状態情報を解析し、その解析結果をもとにバックライト14の輝度調整に関する判断を行う。例えば、解析判断部52は、暗輝度の輝度値がK_MIN以下であると判定した場合には、表示装置11aの暗輝度をK_MINに維持するよう制御するための指令情報を生成し、この指令情報を直接CPU15に送る。なお、解析判断部26のその他の機能、処理等は実施の形態1,2と同様である。また、図9に示す構成は、編成内の他の表示装置についても同様である。
【0066】
本実施の形態によれば、車両間伝送路を介して表示装置と解析判断部との情報のやり取りが不要になり、車両間伝送負荷が低減されるという効果を奏する。
【0067】
なお、閾値(K_MIN)の設定値は、予め各表示装置内の解析判断部27で設定しておくか、または、データ収集管理部5に各表示装置へ閾値(K_MIN)を指示する機能を設けることにより、データ収集管理部5から閾値(K_MIN)の設定値を各表示装置に指示するようにしてもよい。また、データ収集管理部52は、閾値(K_MIN)を可変に設定し、この設定値を各表示装置に送信するとしてもよい。なお、データ収集管理部52は、実施の形態1と同様に、各表示装置に内蔵されるバックライト14の輝度値を含む各表示装置の状態情報を収集し管理する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、列車の車両内の表示装置のメンテナンス周期を長期化することができる列車内表示装置管理システムおよび列車内表示装置管理方法として有用である。
【符号の説明】
【0069】
1−1〜1−n 車上システム
2 車両間伝送路
3a-3c 車両内伝送路
5 データ収集管理部
6 通信装置
7 運転台表示部
10 地上システム
11a〜11c 表示装置
12a〜12c 表示装置
21a〜21c 表示装置
22a〜22c 表示装置
31a〜31c 表示装置
32a〜32c 表示装置
13 液晶パネル
14 バックライト
16 輝度センサ
17 記憶部
50 通信装置
51 データ収集管理部
52 解析判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の編成の各車両内にそれぞれ複数台搭載され、内蔵するバックライトの輝度を前記バックライトに供給する電流値を切替えることにより明輝度と暗輝度とで切替えて表示を行う表示装置と、
前記編成内に設けられ、前記各表示装置と伝送路で接続されるとともに、前記各表示装置に内蔵される前記バックライトの輝度値を含む前記各表示装置の状態情報を収集し管理する車上データ収集管理部と、
前記車上データ収集管理部から送信された前記状態情報に基づき、前記各表示装置毎に前記暗輝度の輝度値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には、当該表示装置の暗輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御する解析判断部と、
を備えることを特徴とする列車内表示装置管理システム。
【請求項2】
前記解析判断部は、前記車上データ収集管理部の収集した前記状態情報に基づき、前記各表示装置毎に前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かを判定し、前記明輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には、当該表示装置の明輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御することを特徴とする請求項1に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項3】
前記各表示装置は、
前記状態情報を記憶する記憶部と、
前記バックライトの輝度値を計測する輝度センサと、
前記バックライトに供給する電流を調整し前記バックライトの輝度を制御するとともに、少なくとも前記輝度センサにより計測された前記バックライトの輝度値を前記状態情報として前記記憶部に記録する表示制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項4】
前記解析判断部は、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下である場合に、当該表示装置の暗輝度を前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して当該表示装置へ送信することを特徴とする請求項3に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記指令情報に基づき、前記輝度センサにより計測された前記バックライトの輝度値を参照しながら、前記暗輝度が前記閾値を維持するように前記バックライトに供給する電流を制御することを特徴とする請求項4に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項6】
前記解析判断部は、前記車上データ収集管理部の収集した前記状態情報に基づき、前記各表示装置毎に前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かを判定し、前記明輝度の輝度値が前記閾値以下である場合に、当該表示装置の暗輝度を前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して当該表示装置へ送信することを特徴とする請求項4または5に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記指令情報に基づき、前記輝度センサにより計測された前記バックライトの輝度値を参照しながら、前記明輝度が前記閾値を維持するように前記バックライトに供給する電流を制御することを特徴とする請求項6に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項8】
前記解析判断部は、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かの判定を車両単位で行い、判定を行う車両内で最初にいずれかの表示装置の前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下であると判定された場合に、当該車両内のすべての表示装置の前記暗輝度を前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して当該車両内のすべての表示装置へ送信することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項9】
前記解析判断部は、前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かの判定を車両単位で行い、判定を行う車両内で最初にいずれかの表示装置の前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であると判定された場合に、当該車両内のすべての表示装置の前記暗輝度および明輝度を前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して当該車両内のすべての表示装置へ送信することを特徴とする請求項6または7に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項10】
前記解析判断部は、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かの判定を編成単位で行い、前記編成内で最初にいずれかの表示装置の前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下であると判定された場合に、前記編成内のすべての表示装置の前記暗輝度を前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して前記編成内のすべての表示装置へ送信することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項11】
前記解析判断部は、前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かの判定を編成単位で行い、前記編成内で最初にいずれかの表示装置の前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であると判定された場合に、前記編成内のすべての表示装置の前記暗輝度および明輝度を前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して前記編成内のすべての表示装置へ送信することを特徴とする請求項6または7に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項12】
前記各車両内では前記表示装置は2台を一組として並設されており、
前記解析判断部は、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かの判定を前記並設された2台の表示装置単位で行い、前記2台の表示装置のうち一方の表示装置の前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下であると判定された場合に、前記2台の表示装置のいずれの前記暗輝度も前記閾値に維持するように前記表示制御部に対して前記バックライトに供給する電流を制御させるための指令情報を生成し、この指令情報を前記車上データ収集管理部を介して前記2台の表示装置へ送信することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項13】
前記解析判断部は、地上に設けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項14】
前記編成に搭載され、前記車上データ収集管理部と接続された車上無線通信装置と、
前記地上に設けられ、前記解析判断部に接続されるとともに、前記車上無線通信装置との間でデータの授受を行う地上無線通信装置と、
前記解析判断部と前記地上無線通信装置との間に介在して、前記車上データ収集管理部から前記車上無線通信装置を介して送信された前記状態情報を前記地上無線通信装置を介して受信する地上データ収集管理部と、
を備え、
前記地上データ収集管理部は、前記解析判断部から出力された前記指令情報を前記地上無線通信装置を介して前記編成へ送信し、
前記車上データ収集管理部は、前記地上データ収集管理部から送信された前記指令情報を前記車上無線通信装置を介して受信した後、当該指令情報を該当する表示装置へ送信することを特徴とする請求項13に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項15】
前記地上データ収集管理部に対して前記状態情報を送信する前記編成が複数存在することを特徴とする請求項14に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項16】
前記解析判断部は、前記編成内に設けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項17】
前記解析判断部は前記閾値を設定し、設定された閾値データを前記車上データ収集管理部へ送信し、前記車上データ収集管理部は前記閾値データを前記各表示装置へ送信することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項18】
列車の編成の各車両内にそれぞれ複数台搭載され、内蔵するバックライトの輝度を前記バックライトに供給する電流値を切替えることにより明輝度と暗輝度とで切替えて表示を行う表示装置と、
前記編成内に設けられ、前記各表示装置と伝送路で接続されるとともに、前記各表示装置に内蔵される前記バックライトの輝度値を含む前記各表示装置の状態情報を収集し管理する車上データ収集管理部と、
前記各表示装置内に設けられ、当該表示装置の前記状態情報に基づき、前記暗輝度の輝度値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には、当該表示装置の暗輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御する解析判断部と、
を備えることを特徴とする列車内表示装置管理システム。
【請求項19】
前記解析判断部は、前記状態情報に基づき、前記明輝度の輝度値が前記閾値以下であるか否かを判定し、前記明輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には、当該表示装置の明輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御することを特徴とする請求項18に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項20】
前記車上データ収集管理部は前記閾値を設定し、設定された閾値データを前記各表示装置へ送信することを特徴とする請求項18または19に記載の列車内表示装置管理システム。
【請求項21】
列車の編成の各車両内にそれぞれ複数台搭載され内蔵するバックライトの輝度を前記バックライトに供給する電流値を切替えることにより明輝度と暗輝度とで切替えて表示を行う表示装置を管理する列車内表示装置管理方法であって、
前記編成内に設けられた車上データ収集管理部が、前記バックライトの輝度値を含む前記各表示装置の状態情報を収集するステップと、
前記車上データ収集部が、収集した前記状態情報を解析判断部へ送信するステップと、
前記解析判断部が、前記状態情報に基づき、前記各表示装置毎に前記暗輝度の輝度値が予め設定された所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記暗輝度の輝度値が前記閾値以下である場合には、当該表示装置の暗輝度が前記閾値を維持するように当該表示装置のバックライトに供給する電流を制御するステップと、
を含むことを特徴とする列車内表示装置管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−3063(P2012−3063A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138329(P2010−138329)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】