説明

列車運行管理方法および列車運行管理システム

【課題】中量輸送用交通システムにおいて、安価かつ簡易に運行管理情報を通信する通信機構を構築することができる列車運行管理方法および列車運行管理システムを提供する。
【解決手段】中量輸送用交通システムにおいて、携帯電話とされた通信端末24を有する車載制御装置20と、通信端末24と通信可能な情報処理部31を有する運行管理装置30とを備え、通信端末24から当該列車Cの在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報および列車故障情報を情報処理部31に送信する一方、通信端末24が情報処理部31から進行許可情報および内方駅情報を受信するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車運行管理方法および列車運行管理システムに関する。さらに詳しくは、例えば軽便鉄道および案内軌条式鉄道のような中量輸送用交通システムの車両運行管理に適する列車運行管理方法および列車運行管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄道においては、軌道上のどの位置に列車や車両が存在しているかを調べる在線検知を行うために、軌道全線に亘って軌道回路を設置し、これにより得られる在線位置情報を各駅の信号機器室に集め、この在線位置情報をネットワークを介して中央指令室に送信し、この中央指令室において各列車の運行管理を行うようにしている。
【0003】
そして、従来、そのような在線位置情報を含む運行管理情報の伝送は主に有線回線を介して行われるために、通信設備の設置および保守に多くの費用がかかるという問題がある。このため、例えば路面電車などの、総線路長が比較的短く(例えば、10〜30キロメートル)、駅間距離も短い(例えば、1キロメートル程度)軽便鉄道を新たに建設するような場合に、通常規模の鉄道におけると同様の通信システムないしは信号システムを用いるものとすれば、鉄道建設コスト全体における通信設備・信号設備の設置費用および保守費用が膨大なものとなってしまうという不都合を生じる。
【0004】
そこで、各種情報の通信システムとして無線回線を用いることが費用的には有利であるといえる。以下、従来提案の無線回線を利用した情報通信システムないしは信号システムについて述べる。
【0005】
図4に特許文献1記載の保守用車両の位置検知システムを示す。この位置検知システムA’においては、位置情報を記憶させたIDタグ101が軌道102の作業区間の開始地点と終了地点に設置され、絶縁走行する保守用車両103が線路作業する際に読取装置104によりIDタグ101の情報を読み取り、その情報を解析して無線通信機105を介して列車指令室106に送信するものとされる。列車指令室106は、保守用車両103からの位置情報に応じて信号機または分岐器等の切換を自動的に行う。
【0006】
また、図5に特許文献2記載の作業車制御システムを示す。この作業車制御システムA”においては、軌道111に位置情報を無線送信する位置情報発信機112が配置され、軌道111上を走行する作業車113が線路作業をしているときに車上処理装置114が位置情報発信機112からの位置情報を読み取るものとされる。この位置情報は、ハンディターミナル115により設定され、地上の連動装置116により許可された作業範囲と照合され、この判定結果により、車上処理装置114が非常制動をかけるなどの指示を行うものとされる。
【0007】
このようにして、在線位置情報その他の運行管理情報を地上施設と車上機器との間で通信する通信ネットワークを無線回線として構築することも可能である。
【0008】
ところが、この場合には、列車無線という特殊な回線を使用することになり、その開局の手続を行い、免許を取得する必要があるなど、機動的に通信機構の構築が行えないという難点がある。
【特許文献1】特開平10−315972号公報
【特許文献2】特開2000−211515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、特に軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムにおいて、安価かつ簡易に列車の安全な運行を確保できる列車運行管理方法および列車運行管理システムを提供することを主たる目的とし、安価かつ簡易に運行管理情報を通信する通信機構を構築することができる列車運行管理方法および列車運行管理システムを提供することをも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の列車運行管理方法は、携帯電話回線からなる通信回線を利用した軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムにおいて、列車が存在する駅区間を閉塞区間とする列車運行管理方法であって、通信端末を有する車載制御装置と、前記通信端末と通信可能な情報処理部を有する運行管理装置とを備え、前記通信端末から当該列車の在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報および列車故障情報を前記情報処理部に送信する一方、前記通信端末が前記情報処理部から進行許可情報および内方駅情報を受信することを特徴とする。
【0011】
本発明の列車運行管理方法においては、内方駅の駅区間が閉塞区間とされているにもかかわらず、当駅において列車が駅出発検知位置を通過した場合、当該列車を非常停止させるのが好ましい。その場合、非常停止させられた列車を当駅に戻すのがさらに好ましい。
【0012】
また、本発明の列車運行管理方法においては、通信端末と情報処理部との通信回線の接続が、所定時間に亘る接続処理によっても確立されない場合、前記車載制御装置が搭載されている列車を非常停止させるのが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の列車運行管理方法においては、駅間において非常停止させた列車を低速走行させて内方駅に移動させるのが好ましい。
【0014】
本発明の列車運行管理システムは、列車が存在する駅区間が閉塞区間とされる、携帯電話回線からなる通信回線を利用した軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムにおける列車運行管理システムであって、通信端末を有する車載制御装置と、前記通信端末と通信可能な情報処理部を有する運行管理装置とを備え、前記通信端末から当該列車の在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報および列車故障情報を前記情報処理部に送信する一方、前記通信端末が前記情報処理部から進行許可情報および内方駅情報を受信することを特徴とする。
【0015】
本発明の列車運行管理システムにおいては、地上子により駅情報および設置位置情報が前記車載制御装置に送信されるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の列車運行管理システムにおいては、内方駅区間が閉塞区間とされているにもかかわらず、列車または車両が駅区間境界位置を通過した場合、当該列車または車両が非常停止されるよう構成されてなるのが好ましい。
【0017】
さらに、本発明の列車運行管理システムにおいては、通信端末と情報処理部との通信回線の接続が、所定時間に亘る接続処理によっても確立されない場合、前記通信端末を有する車載制御装置が搭載されている列車または車両を非常停止させるよう構成されてなるのが好ましい。
【0018】
さらに、本発明の列車運行管理システムにおいては、地上子が無電源地上子とされてなるのが好ましい。
【0019】
さらに、本発明の列車運行管理システムにおいては、運行管理装置に各列車または車両の在線位置、駅区間の閉塞状況が表示されるようにされてなるのが好ましい。
【0020】
しかして、本発明の列車運行管理システムは、軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムに備えられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、通信回線が携帯電話回線とされているので、列車の運行管理システムを安価かつ簡易に構築することができるという優れた効果が得られる。
【0022】
また、本発明の好ましい形態によれば、車載制御装置と運行管理装置との通信回線の接続が、所定時間に亘る接続処理によっても確立されない場合、前記車載制御装置が搭載されている列車または車両を非常停止させるようにしているので、通信不能による衝突などの事態を回避することができるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0024】
図1に、本発明の一実施形態に係る列車運行管理方法に適用される列車運行管理システムの概略構成を示す。この列車運行管理システム(以下、単に管理システムという)Aは、例えば軽便鉄道(LRT;Light Rail Transit)および案内軌条式鉄道(AGT;Automated Guideway Transit)などの大量型の鉄道と少量型のバスの中間的な需要に対応する中量輸送用交通システムを走行する列車や車両(以下、単に列車という)に、衝突その他の事故が発生しないよう各列車の運行を管理するためのシステムとされる。ここで、軽便鉄道とは、総線路長が通常の鉄道よりも短く(例えば、10〜30キロメートル)、駅間隔も通常の鉄道よりも短く(例えば、1〜2キロメートル)、路面電車で使用されているような小型車両が道路と分離された専用軌道を走行することを基本とした鉄道をいう。また、案内軌条式鉄道とは、コンクリート専用軌道上をゴムタイヤ式の小型軽量車両が数両連結して走行する交通機関をいう。
【0025】
管理システムAは、具体的には、鉄道軌道B上の各地点に設置される地上子10と、各列車Cに搭載される車載制御装置20と、地上設備として設けられる運行管理装置30とを主要構成要素として備えてなるものとされる。
【0026】
地上子10は、本実施形態では、駅D外方(車両の進行方向と反対の方向)直近の、列車Cの駅Dへの進入を検知するための駅進入検知位置P1と、駅D内方(車両の進行方向)直近の、当該駅Dからの列車Cの出発を検知するための駅出発検知位置P2と、各駅D毎に設けられる軌道B上の区間(以下、駅区間と称する)Lの境界を示す駅区間境界位置P3の各位置に設置されるものとされる。
【0027】
この各地上子10は、当該地上子10が設置されている駅Dを特定する情報(例;駅名、駅番号。以下、駅情報という)および当該地上子10が各位置P1、P2、P3のいずれに設置されているかを特定する情報(以下、設置位置情報という)を記憶するものとされる。このような地上子10は、例えばATS−P(Automatic Train Stop P type)相当のいわゆるトランスポンダ式の無電源地上子とされ、車載制御装置20が発信する電力供給用の電波を受信し、これによる電力を用いて前掲の駅情報および設置位置情報を車載制御装置20に送信するものとされる。
【0028】
ここで、駅出発検知位置P2と駅区間境界位置P3との距離Mは、後に述べるように列車Cが非常制動されたときに停車するのに必要充分な距離とされる。
【0029】
なお、以下の説明においては、列車Cが進入、停止または出発しようとしている駅を当駅D1と称し、当駅D1に隣接する、列車C進行方向にある駅を内方駅D2と称し、当駅D1に隣接する、列車Cの進行方向後方にある駅を外方駅D3と称するものとする。また、これに対応して、当駅D1を含む駅区間を当駅区間L1と称し、内方駅D2を含む駅区間を内方駅区間L2と称し、外方駅D3を含む駅区間を外方駅区間L3と称するものとする。さらにまた、先行列車Cの存在のために後続列車Cの進入が禁止される駅区間を閉塞区間と称する。
【0030】
図2に、車載制御装置20の詳細を示す。
【0031】
車載制御装置20は、読取部21と、処理部22と、車上操作部23と、通信端末24と、アンテナ装置25とを備えてなるものとされる。
【0032】
読取部21は、地上子10に電力供給用の電波を送信する一方で、地上子10が発信する信号を受信し、この信号から前掲の駅情報および設置位置情報を読み取り、処理部22に転送する。
【0033】
処理部22は以下の(1)〜(6)の各項目の処理を実施する機能を有する。
【0034】
(1)予め入力され記録されている当該列車Cを特定するための列車識別情報(例;列車番号および種別)と乗務員を特定するための乗務員識別情報とを通信端末24に転送する。
【0035】
(2)読取部21に読み取られた地上子10の駅情報および設置位置情報を、列車Cの軌道B上の現在位置を示す在線位置情報として、車上操作部23および通信端末24に転送する。
【0036】
(3)車載制御装置20に故障が発生した場合に、その故障の内容を示す車載機器故障情報を列車操作部23および通信端末24に転送する。
【0037】
(4)運行管理装置30から通信端末24を介して受信した進行許可情報および内方駅情報を列車操作部23に転送する。ここで、進行許可情報とは、対象となる列車の位置を確認するための地上子識別情報と、対象となる列車を特定するための列車識別情報、ならびに当駅D1からの出発許可または当駅D1での停止要請などの各種指令を含むものとされる。また、内方駅情報とは、内方駅D2における故障車両の停車や駅閉鎖などの内方駅の利用可能性を示す情報とされる。
【0038】
(5)運行管理装置30からの進行許可情報として停止要請の指令を受信している場合、列車Cが当駅Dを誤通過または誤出発して駅出発検知位置P2を通過し、該位置P2に置かれた地上子10からの信号を受信すると、制動装置(不図示である)に対して列車Cの非常制動を指示する非常制動指示を出力する。
【0039】
(6)運行管理装置30との間の通信回線Eによる通信においては、所定時間(例えば、60秒)に亘る接続処理をするものとし、そしてそれによっても運行管理装置30との接続が確立されないときは、制動装置に対して前掲の非常制動指示を出力する。
【0040】
次に、車上操作部23を説明する。車上操作部23は、以下の(11)〜(14)の各項目の処理を実施する機能を有する。
【0041】
(11)処理部22からの各種情報、すなわち当該列車Cの在線位置情報、進行許可情報および内方駅情報を、乗務員に対して液晶表示装置などの表示装置(不図示である)により表示する。乗務員はその表示により状況を了解し、列車Cの運転操作を行う。
【0042】
(12)内方駅D2が故障車両の停車などによりが鎖錠されているときには、当駅D1の駅進入位置P1を通過する際に運行管理装置30から停止要請を内容とする進行許可情報を受信し、乗務員に対して前掲の表示装置により表示する。乗務員は、駅進入検知位置P1と駅出発検知位置P2との間に列車Cを停止させ、状況が変化して、出発許可を内容とする進行許可情報を受信するまで当駅D1に停車する。
【0043】
(13)列車Cが当駅D1を誤通過して駅出発検知位置P2を通過し、列車Cが非常制動されたときには、停車後、制動装置(不図示である)の機器開放を行う。機器解放後、乗務員は停止位置修正のための移動運転を行う。つまり、当駅D1に停車させるために後進させる。
【0044】
(14)列車Cが当駅D1の駅区間境界位置P3を通過した後に、車載制御装置20等に故障が発生した場合には、前掲の非常制動指示を出力し、停車後、制動装置の機器開放を行う。乗務員は機器解放後、次駅(内方駅)D2まで低速走行にて列車Cを移動させる。
【0045】
次に、通信端末24を説明する。
【0046】
通信端末24は、公共の携帯電話回線からなる通信回線E(図1参照)を介して運行管理装置30に、当該列車Cの在線位置情報(設置位置情報)、列車識別情報、乗務員識別情報および車載機器故障を含む列車Cの故障に関する列車故障情報を送信する一方、通信回線Eを介して運行管理装置30から進行許可情報および内方駅情報を受信するものとされる。
【0047】
このような通信端末24は、具体的には、ディジタル携帯電話回線であるCDMA(code division multiple access)方式やTDMA(time division multiple access)方式の通信により前掲の各種情報をデータ通信する機能を備えた機器とされる。また、通信方式は、アナログ通信方式であるFDMA(frequency division multiple access)方式とすることも可能である。
【0048】
次に、運行管理装置30を説明する。運行管理装置30は、図3に示すように、情報処理部31、表示部32および制御部33を含むコンピュータとされる。
【0049】
情報処理部31は、以下の(21)〜(23)の各項目の処理を実施する機能を有する。
【0050】
(21)通信回線Eを介して進行許可情報および内方駅情報を通信端末24に送信する。
【0051】
(22)通信端末24から通信回線Eを介して在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報、および車載機器故障を含む列車故障情報を受信し、表示部32に転送する。
【0052】
(23)車載制御装置20との通信回線Eを介する接続が、前掲の所定時間に亘る接続処理にもかかわらず確立されないときは、表示部32により車載制御装置20との通信に異常が発生した旨表示する。
【0053】
次に、表示部32を説明する。表示部32は、以下の(31)〜(33)の各項目の処理を実施する機能を有する。
【0054】
(31)軌道Bにおける各列車Cの配置を示す在線状況および各駅区間Lへの列車Cの進入可能性を示す閉塞状況を一覧可能に表示する。これによって、オペレータは軌道B全線の状況を監視する。
【0055】
(32)各列車Cにおける車載機器故障を含む列車故障情報を表示する。
【0056】
(33)軌道B上に設置される各機器(例;信号機、転轍機)の動作状況(例;正常、故障)に関する軌道用機器動作状況情報を表示する。
【0057】
次に、制御部33を説明する。
【0058】
制御部33は、運行調整などで列車Cを当駅D1に停車させる必要が生じた場合に、当駅D1の駅進入検知位置P1と駅出発検知位置P2との間に列車Cを停止させるように、停止要請を内容とする進行許可情報を当該列車Cの車載制御装置20に送信する。
【0059】
しかして、かかる構成の管理システムAにおいては、車載制御装置20が、各地上子10に記録されている駅情報、および設置位置情報を読み取ることによって、当該列車Cの在線位置情報を得るとともに、通信回線Eを介して運行管理装置30から受信する進行許可情報および内方駅情報を参照し、当該列車Cが閉塞区間に進入しようとしている場合には、列車Cを非常制動するなどして列車Cの閉塞区間への進入を阻止するので、衝突などの事故の発生を防止できる。
【0060】
また、通信回線Eとして公共の携帯電話回線が用いられるので、各列車Cの在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報、列車故障情報、軌道用機器故障情報、進行許可情報および内方駅情報などの運行管理情報を、列車無線という特殊な通信回線を利用することなく、簡易かつ安価な通信機構で無線通信することが可能となる。
【0061】
これによって、特に軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムにおいて、通常規模の鉄道と同様の大規模かつ高価な信号システムや列車運行管理システムを導入する必要がなく、鉄道建設費用を抑えることが可能となる。
【0062】
また、車載制御装置20と運行管理装置30との通信の際に、所定時間に亘る接続処理によっても接続が確立されなければ、列車Cを非常制動するものとされるので、通信不能による衝突などの事態を回避することができる。
【0063】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、種々改変が可能である。例えば、実施形態においては、地上子10は各駅近傍にのみ設けられるものとされたが、これに限らず、駅間の距離が長い場合などには、駅の中間位置に仮想駅を設定し、その仮想駅に基づいて前掲のように地上子10を設置し、軌道B上の駅区間を細分化することも可能である。
【0064】
また、運行管理装置30の制御部33が実行する処理は、コンピュータによる自動的な処理に替えて、パネルスイッチなどの操作部によるオペレータの操作により実施するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、軽便鉄道および案内軌条式鉄道のような中量輸送用交通システムの車両運行管理に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係る列車運行管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】車載制御装置の詳細を示すブロック図である。
【図3】運行管理装置の詳細を示すブロック図である。
【図4】従来の列車運行管理システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【図5】従来の列車運行管理システムの他の例の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0067】
A 列車運行管理システム
B 鉄道軌道
C 列車
D 駅
E 通信回線(携帯電話回線)
10 地上子
20 車載制御装置
21 読取部
22 処理部
23 車上操作部
24 通信端末
25 アンテナ装置
30 運行管理装置
31 情報処理部
32 表示部
33 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話回線からなる通信回線を利用した軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムにおいて、列車が存在する駅区間を閉塞区間とする列車運行管理方法であって、
通信端末を有する車載制御装置と、前記通信端末と通信可能な情報処理部を有する運行管理装置とを備え、
前記通信端末から当該列車の在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報および列車故障情報を前記情報処理部に送信する一方、前記通信端末が前記情報処理部から進行許可情報および内方駅情報を受信する
ことを特徴とする列車運行管理方法。
【請求項2】
内方駅の駅区間が閉塞区間とされているにもかかわらず、当駅において列車が駅出発検知位置を通過した場合、当該列車を非常停止させることを特徴とする請求項1記載の列車運行管理方法。
【請求項3】
非常停止させられた列車を当駅に戻すことを特徴とする請求項2記載の列車運行管理方法。
【請求項4】
通信端末と情報処理部との通信回線の接続が、所定時間に亘る接続処理によっても確立されない場合、前記車載制御装置が搭載されている列車を非常停止させることを特徴とする請求項1記載の列車運行管理方法。
【請求項5】
駅間において非常停止させた列車を低速走行させて内方駅に移動させることを特徴とする請求項4記載の列車運行管理方法。
【請求項6】
列車が存在する駅区間が閉塞区間とされる、携帯電話回線からなる通信回線を利用した軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システムにおける列車運行管理システムであって、
通信端末を有する車載制御装置と、前記通信端末と通信可能な情報処理部を有する運行管理装置とを備え、
前記通信端末から当該列車の在線位置情報、列車識別情報、乗務員識別情報および列車故障情報を前記情報処理部に送信する一方、前記通信端末が前記情報処理部から進行許可情報および内方駅情報を受信する
ことを特徴とする列車運行管理システム。
【請求項7】
地上子により駅情報および設置位置情報が前記車載制御装置に送信されることを特徴とする請求項6記載の列車運行管理システム。
【請求項8】
内方駅区間が閉塞区間とされているにもかかわらず、列車または車両が駅区間境界位置を通過した場合、当該列車または車両が非常停止されるよう構成されてなることを請求項6記載の列車運行管理システム。
【請求項9】
通信端末と情報処理部との通信回線の接続が、所定時間に亘る接続処理によっても確立されない場合、前記通信端末を有する車載制御装置が搭載されている列車または車両を非常停止させるよう構成されてなることを特徴とする請求項6記載の列車運行管理システム。
【請求項10】
地上子が無電源地上子とされてなることを特徴とする請求項7記載の列車運行管理システム。
【請求項11】
運行管理装置に各列車または車両の在線位置、駅区間の閉塞状況が表示されるようにされてなることを特徴とする請求項6記載の列車運行管理システム。
【請求項12】
請求項6ないし請求項11のいずれか一項に記載の列車運行管理システムが備えられてなることを特徴とする軽便鉄道および案内軌条式鉄道などの中量輸送用交通システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−161253(P2007−161253A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64593(P2007−64593)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【分割の表示】特願2001−289077(P2001−289077)の分割
【原出願日】平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】