説明

別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路設定方法

【課題】円弧状の移送経路を間欠移送される袋に同期して往動する充填ノズルを有する別置式包装処理装置。充填ノズルの往動経路の設定が容易に行えるようにする。
【解決手段】別置式包装処理装置は、水平面内で揺動かつ伸縮するメインアーム23と、その先端部に水平面内で回動可能に軸支されたサブアーム25を備え、サブアーム25に一対の充填ノズルが設置されている。充填ノズルを手動で袋5の停止位置V,VIに導き、そこを往動始点A1,A2とし、同じく停止位置VI,VIIに導き,そこを往動終点B1,B2とする。往動始点A1,A2を通る半径r,角度θ(それぞれ袋の移送経路の半径と移送角度に相当)の円弧を仮想往動経路33,34とする。仮想往動終点b1,b2と、往動終点B1,B2の座標位置の違いに基づき、仮想往動経路33,34を補正して往動経路35,36とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円弧状移送経路に沿って容器を移送するロータリー型容器移送装置に隣接配置され、包装処理部材により前記円弧状移送経路を移送される容器に所定の包装処理を行う別置式包装処理装置において、前記包装処理部材の往動経路を設定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装機の構成要素として、間欠移送式ロータリー型容器移送装置により水平面上を円弧状移送経路に沿って移送される容器に対し、包装処理部材を同期移動させながら所定の包装処理を施す包装処理装置が知られている。前記包装処理部材は前記円弧状移送経路上の初期位置(往動始点)から、移送される前記容器に同期して前記円弧状移送経路に沿って所定範囲移動(往動)し、往動終点で停止した後、往動始点に復帰移動(復動)する。そして、往動工程(停止時を含む)において前記容器に対し所定の包装処理を施す。
なお、円弧状移送経路を有する間欠移送式ロータリー型容器移送装置には、円形の移送経路(円弧状移送経路のみ)又はレーストラック形移送経路(両端に円弧状移送経路)を有するもの等がある。
【0003】
例えば特許文献1に記載されたびん詰め機(本発明の包装機に相当)では、円形移送経路に沿ってびんを間欠移送するテーブル(本発明のロータリー型容器移送装置に相当)の上方位置に液体充填装置(本発明の包装処理装置に相当)を設置している。この充填装置は、前記テーブルの中心(円形移送経路の中心でもある)に位置する支軸と、該支軸に固定された扇状のノズル支持部材と、該ノズル支持部材の周縁に円弧状に所定間隔で配置された複数個の液体充填ノズル(本発明の包装処理部材に相当)を有する。前記支軸の往復回動に伴い、前記充填ノズルがびんの円形(円弧状)移送経路に沿って、びんの移送と同期して間欠移動(往動)し、往動終点で停止後、初期位置(往動始点)に向けて復帰移動(復動)する。また、前記充填ノズルは往動始点で下降し、かつ往動終点で上昇する。前記支軸を往復回動させる機構、すなわち前記充填ノズルを円弧状移送経路に沿って往復動させる機構はテーブルの間欠駆動機構に組み込まれている。
【0004】
特許文献2に記載された包装機では、円形移送経路に沿って袋を間欠移送するテーブル(本発明のロータリー型容器移送装置に相当)の近傍に開口保持装置(本発明の包装処理装置に相当)を設置している。この開口保持装置は、前記円形移送経路の外側に同心円状に設置した円弧状ガイドレールと、該ガイドレールに沿って往復移動可能としたスライダと、該スライダに設置された一対の開口爪(本発明の包装処理部材に相当)及びその開閉機構を有する。前記スライダの往復移動に伴い、前記一対の開口爪が袋の円形(円弧状)移送経路に沿って、袋の移送と同期して間欠移動(往動)し、往動終点で停止後、初期位置(往動始点)に向けて復帰移動(復動)する。また、前記開口爪等は往動始点で下降して、往動開始直後に開き、往動終点で上昇し、往動始点に到達する直前に閉じる。前記スライダを往復移動及び昇降させる機構、すなわち前記開口爪を円弧状移送経路に沿って往復動及び昇降させる機構はテーブルの間欠駆動機構に組み込まれている。
【0005】
特許文献1に記載されたびん詰め機では支軸を中心とした往復回動、特許文献2に記載された包装機ではガイドレールに沿った往復移動というように、いずれも包装処理部材の往復動経路が構造的に定まっている。かつ包装処理部材を往復動させる駆動機構がロータリー型容器移送装置の駆動機構に組み込まれている。このため、包装処理部材を、ロータリー型容器移送装置による円弧状移送経路に沿った容器の移送に同期させて往動させ、かつ初期位置に復帰させることは機構的に比較的容易である。
【0006】
反面、特許文献1,2の装置には次のような問題がある。
(1)包装処理装置を、必要に応じてロータリー型容器移送装置から分離するということが自在にはできない。そのため、例えば特許文献1の装置において、充填液の交換に伴って充填ノズルを洗浄する場合、びん詰め機全体を停止させる必要があり、それによる生産性の低下が避けられない。
(2)包装処理部材は往動時と復動時に必ず同じ経路を通る。そのため、例えば特許文献1の装置において、充填ノズルが復動する際にびんの移送経路上を通り、ノズルから垂れた液体がびんに付着する可能性がある。
【0007】
(3)包装処理装置は、特定のロータリー型容器移送装置に対応させたもので、汎用性がない。例えば同じ包装処理装置を異なる半径の円弧状移送経路をもつロータリー型容器移送装置には適用できない。
(4)同様に、汎用性のなさの一種であるが、包装処理部材の往復動範囲は常に一定で変更がきかない。そのため、例えば特許文献1の装置において、充填する液体の性状や充填量に応じて充填時間を長くとりたい場合は、びんの移送速度を遅くするか停止時間を増やすしかなく、生産性の低下が避けられない。
【0008】
これに対し、駆動機構的にロータリー型容器移送装置から切り離された包装処理装置も存在する。しかし、この種の包装処理装置は、間欠移送式のロータリー型容器移送装置により移送される容器が停止したとき該容器に対し適用されるものか、直線状の移送経路を有するロータリー型容器移送装置により前記直線状移送経路を移送される容器に適用される(直線状移送経路上の容器の移送に同期して包装処理部材を移動させる)ものしか存在しない。前者の場合、包装処理装置は容器の停止位置でのみ作動し(例えば充填ノズルが停止位置で昇降)、容器の移送に同期して移動しない。後者は例えば特許文献3が例示できる。なお、特許文献3に記載された包装処理装置は、駆動機構的にはロータリー型容器移送装置から切り離されているが、容器の移送経路の内側に設置されており、その意味ではロータリー型容器移送装置から構造的に切り離すことはできない。
【0009】
【特許文献1】特公昭59−46874号公報
【特許文献2】特開2009−1322号公報
【特許文献3】特許第4190067号公報
【0010】
一方、出願人は、先に、円弧状移送経路に沿って容器を移送するロータリー型容器移送装置に隣接配置され、前記円弧状移送経路を移送される容器に所定の包装処理を行う別置式包装処理装置を提案した(特願2010−041182)。この別置式包装処理装置は、ロータリー型容器移送装置に対し隣接配置し又は同装置から分離することが自在に行える。また、包装処理部材に往動経路とは異なる復動経路をとらせることができ、さらに袋の移送が連続移送でも間欠移送でも対応できる。さらに場合によっては、袋の移送経路の径や同期移送角度(包装処理部材が袋の移送経路と同期して往動する移送経路上の角度θ、間欠移送式の場合通常1回の移送角度又はその倍数)が異なる種々のロータリー型容器移送装置に適用し得る汎用性を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記別置式包装処理装置をロータリー型容器移送装置に隣接配置する際、常に精度よく据え付けることができれば、容器の移送経路の半径や1回の間欠移送角度が同じである限り、包装処理部材の往動経路を一度設定しておけば、据え付けの都度調整する必要はないが、精度のよい据え付けは作業が繁雑となり時間も掛かる。
一方、ラフに据え付けるのであれば据え付け作業自体は簡単に行えるが、包装処理部材の往動経路が容器の移送経路に合わなくなるため、今度は据え付けの都度往動経路を調整する必要が出てくる。この調整作業は極めて繁雑な作業となり、包装工場レベルでは困難である。
さらに、前記別置式包装処理装置は、容器の移送形態(連続移送又は間欠移送、移送経路の半径や1回の間欠移送角度の相違)が異なる種々のロータリー型容器移送装置への汎用的な適用が可能であることが望ましいが、それを具体化するアイデアは存在しない。
【0012】
本発明は、前記別置式包装処理装置に関する上記問題点に鑑みてなされたもので、別置式包装処理装置の包装処理部材の往動経路の設定が容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、円弧状移送経路に沿って容器を移送するロータリー型容器移送装置に隣接配置され、包装処理部材により前記円弧状移送経路を移送される容器に所定の包装処理を行う別置式包装処理装置の前記包装処理部材の往動経路設定方法に関する。
この往動経路設定方法において、対象となる別置式包装処理装置は、次のような特徴的構成を有する。
【0014】
(1)請求項1に係る別置式包装処理装置
前記円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能でかつ伸縮可能に設置されたメインアームと、前記メインアームの先端部に水平面内で回動可能に軸支されたサブアームと、前記サブアームに所定間隔を置いて設置された複数個の包装処理部材と、前記メインアームを往復揺動させる駆動源と、前記メインアームを伸縮させる駆動源と、前記サブアームを軸回りに回動させる駆動源と、以上の駆動源を制御して、前記複数個の包装処理部材を前記円弧状移送経路を移送される複数個の容器に同期して往動経路上を往動させ、各包装処理部材が往動終点に達した後、往動始点に復動させる制御装置を備える。
この別置式包装処理装置は、包装処理部材をメインアームに対して昇降させる駆動源をさらに備えることができ、その場合、前記制御装置は包装処理部材が往復動行程の所定のタイミングで昇降するように前記駆動源を制御する。なお、この駆動源は、前記包装処理部材をサブアームを介してメインアームに対し昇降させる(直接的にはサブアームをメインアームに対して昇降させる)ものであってもよい。
この別置式包装処理装置は、ロータリー型容器移送装置が容器を連続移送するタイプでも、間欠移送するタイプでも適用できる。サブアーム上の複数の包装処理部材の相互の間隔が、移送経路上の容器の間隔に一致するのであれば、容器の移送経路の半径や1回の間欠移送角度等が異なるロータリー型容器移送装置にも適用できる。
【0015】
(2)請求項2に係る別置式包装処理装置
前記円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能に設置されたメインアームと、前記メインアームの先端部に水平面内で回動可能に軸支されたサブアームと、前記サブアームに設置された1個の包装処理部材と、前記メインアームを往復揺動させる駆動源と、前記サブアームを軸回りに回動させる駆動源と、以上の駆動源を制御して、前記包装処理部材を前記円弧状移送経路を移送される容器に同期して往動経路上を往動させ、包装処理部材が往動終点に達した後、往動始点に復動させる制御装置を備える。
この別置式包装処理装置は、包装処理部材をメインアームに対して昇降させる駆動源をさらに備えることができ、その場合、前記制御装置は包装処理部材が往復動行程の所定のタイミングで昇降するように前記駆動源を制御する。なお、この駆動源は、前記包装処理部材をサブアームを介してメインアームに対し昇降させる(直接的にはサブアームをメインアームに対して昇降させる)ものであってもよい。
この別置式包装処理装置は、ロータリー型容器移送装置が袋を連続移送するタイプでも、間欠移送するタイプでも適用できる。また、移送経路の半径や1回の間欠移送角度等が異なるロータリー型容器移送装置にも適用できるなど汎用性が高い。
【0016】
(3)請求項3に係る別置式包装処理装置
前記円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能でかつ伸縮可能に設置されたアームと、前記アームの先端部に設置された包装処理部材と、前記アームを往復揺動させる駆動源と、前記アームを伸縮させる駆動源と、以上の駆動源を制御して、前記包装処理部材を前記円弧状移送経路を移送される容器に同期して往動経路上を往動させ、包装処理部材が往動終点に達した後、往動始点に復動させる制御装置を備える。
この別置式包装処理装置は、包装処理部材をアームに対して昇降させる駆動源をさらに備えることができ、その場合、前記制御装置は包装処理部材が往復動行程の所定のタイミングで昇降するように前記駆動源を制御する。
この別置式包装処理装置は、ロータリー型容器移送装置が袋を連続移送するタイプでも、間欠移送するタイプでも適用できる。また、移送経路の半径や1回の間欠移送角度等が異なるロータリー型容器移送装置にも適用できるなど汎用性が高い。
【0017】
上記(1)の別置式包装処理装置において、包装処理部材の往動経路設定方法を項分けして示すと次のようになる。
(a)前記別置式包装処理装置を前記ロータリー型容器移送装置に隣接配置し、
(b)前記移送経路に対応する包装処理部材の仮想往動経路の径r及び同期往動角度θ(包装処理部材が移送される袋と同期して往動する仮想往動経路上の角度θ)を設定し、
(c)各包装処理部材を往動始点に手動にて移動させ、
(d)各駆動源から取得した位置情報に基づき、各往動始点の座標位置に対応する往動始点位置制御データ(メインアームの揺動角度Qiと長さLi及びサブアームの回動角度Ri)を算出し、前記往動始点位置制御データから各往動始点の座標位置を算出し、
(e)各包装処理部材を往動終点に手動にて移動させ、
(f)各駆動源から取得した位置情報に基づき、各往動終点の座標位置に対応する往動終点位置制御データ(メインアームの揺動角度Qtと長さLt及びサブアームの回動角度Rt)を算出し、該往動終点位置制御データから各往動終点の座標位置を算出し、
(g)各往動始点の座標位置に基づき、全ての往動始点を通り前記仮想往動経路の径rと同じ径を有する円弧の中心の座標位置を算出し、
(h)各往動始点の座標位置と前記円弧の中心の座標位置に基づき、前記円弧上を各往動始点から前記同期往動角度θだけ進んだ点を仮想往動終点としてその座標位置を算出し、前記円弧の各往動始点と仮想往動終点をつなぐ部分を仮想往動経路として設定し、
(i)各往動始点から所定の微少間隔を置いて仮想往動経路上に分布する仮想往動終点を含むn個の点の座標位置にそれぞれ対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qmと長さLm及びサブアームの回動角度Rm)を算出し、仮想往動終点に対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qnと長さLn及びサブアームの回動角度Rn)と、前記往動終点位置制御データ(メインアームの揺動角度Qtと長さLt及びサブアームの回動角度Rt)とのずれの大きさ(ΔQ,ΔL,ΔR)に応じて、仮想往動経路上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qmと長さLm及び前記サブアームの回動角度Rm)に対し、往動始点からの間隔に比例する補正値を付加し、
(j)これにより往動始点と往動終点を略円弧状につなぐ往動経路を設定する。
なお、上記方法において、mは1〜nの自然数であり、Qm、Lm、Rmは各仮想往動経路上の往動始点からm番目の点の座標位置に対応するアームの揺動角度Qと伸縮長さL及び前記サブアームの回動角度Rを意味する。
【0018】
上記(2)の別置式包装処理装置において、包装処理部材の往動経路設定方法を項分けして示すと次のようになる。
(a)前記別置式包装処理装置を前記ロータリー型容器移送装置に隣接配置し、
(b)前記移送経路に対応する包装処理部材の仮想往動経路の径r及び同期往動角度θを設定し、
(c)包装処理部材を往動始点に手動にて移動させ、
(d)各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動始点の座標位置に対応する往動始点位置制御データ(メインアームの揺動角度Qiとサブアームの回動角度Ri)を算出し、該往動始点位置制御データから往動始点の座標位置を算出し、
(e)包装処理部材を往動終点に手動にて移動させ、
(f)各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動終点の座標位置に対応する往動終点位置制御データ(メインアームの揺動角度Qtとサブアームの回動角度Rt)を算出し、該往動終点位置制御データから往動終点の座標位置を算出し、
(g)往動始点及び往動終点の座標位置に基づき、両点を通り前記仮想往動経路の径rと同じ径を有する円弧の中心の座標位置を算出し、
(h)往動始点の座標位置と前記円弧の中心の座標位置に基づき、前記円弧上を往動始点から同期往動角度θだけ進んだ点を仮想往動終点としてその座標位置を算出し、前記円弧の往動始点と仮想往動終点をつなぐ部分を仮想往動経路として設定し、
(i)往動始点から所定の微少間隔を置いて仮想往動経路上に分布する仮想往動終点を含むn個の点の座標位置にそれぞれ対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qm及びサブアームの回動角度Rm)を算出し、仮想往動終点に対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qn及びサブアームの回動角度Rn)と、前記往動終点位置制御データ(メインアームの揺動角度Qt及びサブアームの回動角度Rt)とのずれの大きさ(ΔQ,ΔR)に応じて、仮想往動経路上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qm及びサブアームの回動角度Rm)に対し、往動始点からの間隔に比例する補正値を付加し、
(j)これにより往動始点と往動終点を円弧状につなぐ往動経路を設定する。
なお、上記方法において、mは1〜nの自然数であり、Qm、Rmは各仮想往動経路上の往動始点からm番目の点に対応するメインアームの揺動角度Qとサブアームの回動角度Rを意味する。
【0019】
上記(3)の別置式包装処理装置において、包装処理部材の往動経路設定方法を項分けして示すと次のようになる。
(a)前記別置式包装処理装置を前記ロータリー型容器移送装置に隣接配置し、
(b)前記移送経路に対応する包装処理部材の仮想往動経路の径r及び同期往動角度θを設定し、
(c)包装処理部材を往動始点に手動にて移動させ、
(d)各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動始点の座標位置に対応する往動始点位置制御データ(アームの揺動角度Qi及び長さLi)を算出し、該往動始点位置制御データから往動始点の座標位置を算出し、
(e)包装処理部材を往動終点に手動にて移動させ、
(f)各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動終点の座標位置に対応する往動終点位置制御データ(アームの揺動角度Qtと長さLt)を算出し、該往動終点位置制御データから往動終点の座標位置を算出し、
(g)往動始点及び往動終点の座標位置に基づき、両点を通り前記仮想往動経路の径rと同じ径を有する円弧の中心の座標位置を算出し、
(h)往動始点の座標位置と前記円弧の中心の座標位置に基づき、前記円弧上を往動始点から前記同期往動角度θだけ進んだ点を仮想往動終点としてその座標位置を算出し、前記円弧の往動始点と仮想往動終点をつなぐ部分を仮想往動経路として設定し、
(i)往動始点から所定の微少間隔を置いて仮想往動経路上に分布する仮想往動終点を含むn個の点の座標位置にそれぞれ対応する位置制御データ(アームの揺動角度Qm及び長さLm)を算出し、仮想往動終点位置制御データ(アームの揺動角度Qn及び長さLn)と、前記往動終点位置制御データ(アームの揺動角度Qt及び長さLt)とのずれの大きさ(ΔQ,ΔL)に応じて、仮想往動経路上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データ(アームの揺動角度Qm及び長さLm)に対し、往動始点からの間隔に比例する補正値を付加し、
(j)これにより往動始点と往動終点を円弧状につなぐ往動経路を設定する。
なお、上記方法において、mは1〜nの自然数であり、Qm、Lmは各仮想往動経路上の往動始点からm番目の点に対応するメインアームの揺動角度Qと長さLを意味する。
【0020】
本発明でいうロータリー型容器移送装置には、円形の移送経路(円弧状移送経路のみ)又はレーストラック形移送経路(両端に円弧状移送経路)等、少なくとも一部に円弧状移送経路を有するロータリー型容器移送装置が含まれる。その移送方法も連続移送と間欠移送の両方が含まれる。
本発明でいう包装処理装置(包装処理部材)には、容器の包装処理に用いられる全ての包装処理装置(包装処理部材)が含まれる。例えば、液体充填装置(液体充填ノズル)、ガス充填装置(ガス吹き込みノズル)、キャッピング装置(キャッピングヘッド)等が挙げられる。
【0021】
本発明に係る別置式包装処理装置を構成する駆動源はサーボモータが望ましい。この場合、共通のサーボモータで2以上の作動を行わせてもよく(駆動源の共用)、各作動毎に異なるサーボモータを駆動源として用いてもよい(駆動源の独立)。
また、本発明に係る別置式包装処理装置において、包装処理部材の復動経路は往動経路と同一でも、異なっていてもよい。往動経路は容器の円弧状移送経路にほぼ沿ったものとなるが、復動経路は容器の円弧状移送経路を意図的に外すことができ、また直線状経路を選択することもできる。あるいは、包装処理部材を往動行程では容器の移送と同期して間欠移動させ、復動行程では連続移動で初期位置に復帰させるというモード変更も可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、包装処理部材を手動で往動始点及び往動終点に導くという簡単な操作で、包装処理部材の往動経路の設定が容易に行える別置式包装処理装置を得ることができる。従って、別置式包装処理装置の据え付け操作を余りシビアに行わなくても、また袋の移動が間欠移送でも連続移送でも、ロータリー型容器移送装置の容器の移送経路に沿った包装処理部材の往動経路を容易に得ることができる。
あるいはロータリー型容器移送装置の種類に関わらず(例えば容器の移送経路の半径や1回の移送角度が変わっても)、ロータリー型容器移送装置の容器の移送経路に沿った包装処理部材の往動経路を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、往動経路の設定に位置検出用センサや位置決め装置等も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る別置式包装処理装置を備えた包装機の全体斜視図である。
【図2】前記包装機の一部である別置式包装処理装置の平面図である。
【図3】前記別置式包装処理装置の側面図である。
【図4】別の別置式包装処理装置の平面図である。
【図5】さらに別の別置式包装処理装置の平面図である。
【図6】図2,3に記載した別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法を説明する図である。
【図7】図4に記載した別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法を説明する図である。
【図8】図5に記載した別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、図1〜図5を参照して、本発明に係る別置式包装処理装置について説明する。
図1は本発明に係る別置式包装処理装置(別置式液体充填装置1)を備えた袋詰め包装機の斜視図である。この袋詰め包装機は間欠回転式ロータリー型袋移送装置2を備え、その一部として一方向(図1において左回り)に間欠回転するテーブル3と、その周囲に複数対のグリッパー4,4が等間隔に配置されている。
【0025】
テーブル3の間欠回転に伴い、グリッパー4,4は水平面内で円形の移動経路に沿って間欠的に移動し、テーブル3(グリッパー4,4)が一回転する間に、グリッパー4,4への袋5(図2,3参照)の供給、グリッパー4,4に両側縁を挟持された袋5への液体の充填、袋5の開口部(袋口)のシール等の種々の包装処理工程が実施される。なお、グリッパー4,4の移動経路は袋5の移送経路でもあり、袋5は前記移送経路を1個ずつ等角度間隔で間欠的に移送される。
テーブル3の一回転は10回の停止と移動からなり、計10工程にわたり各種の包装処理工程が実施される。
【0026】
図1を参照してより具体的に説明すると、第1工程は給袋工程であり、グリッパー4,4の停止位置(1番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に袋5を供給するコンベアマガジン式給袋装置6が配置されている。供給される袋5は上縁が開口した袋で、グリッパー4,4により開口部(袋口)付近の両側縁を挟持され、開口部を上向きにして吊り下げられる。
第2工程は印字工程であり、グリッパー4,4の停止位置(2番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に挟持された袋5の袋面に日付等を印字する印字装置(図示省略)が配置されている。
【0027】
第3工程は印字検査工程であり、グリッパー4,4の停止位置(3番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に挟持された袋5に施された印字を検査する印字検査装置(図示省略)が配置されている。
第4工程は開口工程であり、グリッパー4,4の停止位置(4番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に挟持された袋5の袋口を開口する開口装置7が配置されている。この開口装置7は、互いに接離可能な一対の吸着部材(吸盤)を有する。
【0028】
第5〜7工程は液体充填工程である。この工程は1つの袋5がグリッパー4,4の5番目の停止位置から6番目の停止位置にかけて移送(間欠移送)され、同時にもう1つの袋がグリッパー4,4の6番目の停止位置から7番目の停止位置にかけて移送(間欠移送)される間、各袋5に対し連続して行われる。
別置式液体充填装置1は液体充填工程が行われる袋5の円弧状移送経路の外側に配置され、2つの充填ノズル8,9、各充填ノズル8,9に対応する配管11,12、流路切換弁13,14、容積計量式ポンプ15,16及び共通の液体貯留タンク17、制御装置(制御盤18のみ示す)等を備え、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2から構造上も駆動機構上も独立している。
【0029】
第8工程は第1シール工程であり、グリッパー4,4の停止位置(8番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に挟持された袋5の袋口に1回目の熱シールを行う第1シール装置19が配置されている。第1シール装置19は一対のシールバーを有する。
第9工程は第2シール工程であり、グリッパー4,4の停止位置(9番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に挟持された袋5の袋口に2回目の熱シールを行う第2シール装置21が配置されている。第2シール装置21は一対のシールバーを有する。
【0030】
第10工程はシール部冷却及び製品放出工程であり、グリッパー4,4の停止位置(10番目の停止位置)近傍に、該グリッパー4,4に挟持された袋5のシール部を冷却するシール部冷却装置22が配置されている。シール装部冷却装置22はシール部を挟持して冷却する一対の冷却バーを有する。
第10工程においてグリッパー4,4が開き、続いて前記冷却バーが開いて、製品となった袋5が落下し、ベルトコンベア等を介して機外に排出される。
なお、20は袋詰め包装機の制御盤である。
【0031】
続いて図2,3を参照して、別置式液体充填装置1についてより詳細に説明する。
別置式液体充填装置1は、袋5の円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能でかつ伸縮可能に設置されたメインアーム23と、メインアーム23の先端部に昇降可能に設置された鉛直な昇降軸24と、昇降軸24の上端に回動可能に軸支された略V字形のサブアーム25と、サブアーム25の両先端に所定間隔(円弧状移送経路の隣接する2つの停止位置の間隔)を置いて設置された一対の前記充填ノズル8,9を備える。また、メインアーム23を揺動させる駆動源、及びメインアーム23を伸縮させる駆動源が別置式液体充填装置1のボックス26内に収容され、昇降軸24をメインアーム23に対して昇降させる駆動源がメインアーム23の先端部に収納され、サブアーム25を回動させる駆動源がサブアーム25に設置したケース27内に収納されている。各駆動源は互いに独立したサーボモータからなる。
【0032】
各駆動源の作動により、メインアーム23は水平揺動及び伸縮可能であり、サブアーム25及び充填ノズル8,9は軸24(メインアーム23)に対して水平面内で回動し、かつメインアーム23に対して昇降する。
なお、昇降軸24を昇降させる代わりに、サブアーム25に各充填ノズル8,9を昇降自在に設置し、サブアーム25に設置した駆動源により各充填ノズル8,9を昇降させることもできる。また、昇降軸24の上端にサブアーム25を回動自在に設置する代わりに、サブアーム25を昇降軸24の上端に固定するとともに、昇降軸24をメインアーム23に回動自在に設置し、メインアーム23に設置した駆動源により昇降軸24を回動させ、これに伴ってサブアーム25を回動させることもできる。いずれにしても、サブアーム25がメインアーム23に対し水平面内で回動可能とされ、かつ各充填ノズル8,9がメインアーム23に対して昇降可能とされていればよい。
【0033】
別置式液体充填装置1は、以上説明した4つの駆動源(サーボモータ)を制御して、2つの充填ノズル8,9を、2つの袋5,5の円弧状移送経路に沿った往動経路上を前記2つの袋5,5の移送と同期して往動させ、往動終点に達した後、初期位置(往動始点)に復動させるとともに、往復動行程の所定のタイミングで下降及び上昇させる制御装置を備える。ここで、充填ノズル8の往動始点は、円弧状移送経路上の5番目の停止位置(図2にVで示す)に、往動終点は6番目の停止位置(図2にVIで示す)に設定される。また、充填ノズル9の初期位置(往動始点)は、円弧状移送経路上の6番目の停止位置(図2にVIで示す)に、往動終点は7番目の停止位置(図2にVIIで示す)に設定される。
【0034】
別置式液体充填装置1は、例えばサブアーム25の長さを変えたり、サブアーム25上での充填ノズル8,9の設置位置を変更して、一対の充填ノズル8,9の取付間隔を変更することにより、機種の異なる(例えば移送経路の半径や1回の間欠移送の移送角度が異なる)ロータリー型移送装置にも対応できる。
また、別置式液体充填装置1は、サブアーム25に片側2個ずつ計4個の充填ノズルを設置することにより、全工程において2個の袋に対し同時に包装操作を行ういわゆるW型袋詰め包装機(例えば特開2004−244085号公報参照)に対応させることができる。この場合のロータリー型袋移送装置は、2個の袋を同時に円形移送経路に沿って間欠的に移送するW型である。
【0035】
図2,3を参照しながら、充填ノズル8,9の往復動及び昇降作動を時系列的に説明すると、例えば以下のようになる。
(1)充填ノズル8,9が往動始点において上昇位置にある。ここで、袋口を開口した袋5,5が5,6番目の停止位置に移送されて停止する。
(2)充填ノズル8,9が下降し、その吐出口が袋5,5の袋底付近に達する(図3の仮想線参照)。
(3)流路切換弁13,14が切り換わり、容積計量式ポンプ15,16と充填ノズル8,9との間の流路が連通(容積計量式ポンプ15,16と液体貯留タンク17との間の流路が遮断)し、充填ノズル8,9から袋5,5に液体の充填が開始される。
【0036】
(4)袋5,5が次の停止位置へ向けて移送されるのに伴い、充填ノズル8,9が前記円弧状移送経路に沿った往動経路上を袋5,5と同期して移動(往動)し、袋5,5とともに往動終点に到達する。充填ノズル8,9は、往動経路上において往動行程の間及び往動終点に停止している間、袋内の液位の上昇に伴って上昇する。往動行程において、メインアーム23が水平揺動するとともに長さ方向に伸びた状態から縮んで再び伸び、一方、サブアーム25(及び充填ノズル8,9)がメインアーム23に対して回動(図2において左方向に)し、これらの動作が複合して、充填ノズル8,9は前記往動経路上を往動する。なお、図2には、充填ノズル8,9が往動始点位置にあるときのメインアーム23の揺動及び伸縮状態とサブアーム25の回動状態を実線で、充填ノズル8,9が往動行程の中間位置及び往動終点にきたときのメインアーム23の揺動及び伸縮状態とサブアーム25の回動状態を仮想線でそれぞれ図示している。
【0037】
(5)容積計量式ポンプ15,16による充填が終了し、流路切換弁13,14が切り換わり、容積計量式ポンプ15,16と充填ノズル8,9の間との間の流路が遮断(容積計量式ポンプ15,16と液体貯留タンク17との間の流路が連通)し、充填ノズル8,9が上昇し、袋5,5から抜け出る。なお、充填開始までの間に、液体貯留タンク17内の液体が容積計量式ポンプ15,16内に所定量引き込まれる。
(6)続いて袋5,5が次の工程に向けて移送され、その間に、充填ノズル8,9が往動始点に復帰(復動)する。復動経路は往動経路と同じでも、外れていてもよい。外れている場合、充填ノズル8,9から垂れる液体が袋5に付着することが防止できる。また、メインアーム23の伸縮なしに復動させることもできる。
【0038】
次に、図4を参照して別の別置式液体充填装置1Aについて説明する。なお、図4において、図1〜3に示す液体充填装置1の各構成部位と実質的に同等の部位には、同じ番号を付与している。
別置式液体充填装置1Aは、図1〜3に示す別置式液体充填装置1と同様、液体充填工程が行われる袋5の円弧状移送経路の外側に配置され、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2から構造上も駆動機構上も独立している。また、図4に図示されていないが、別置式液体充填装置1Aは、流路切換弁や容積計量式ポンプ、及び液体貯留タンク等を備えている。
【0039】
別置式液体充填装置1Aは、袋5の円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能に設置されたメインアーム23と、メインアーム23の先端部に昇降可能に設置された鉛直な昇降軸(別置式液体充填装置1の昇降軸24と同等の部材)、前記昇降軸の上端に回動可能に設置されたサブアーム25と、サブアーム25の先端に設置された充填ノズル8を備える。また、メインアーム23を揺動させる駆動源が別置式液体充填装置1Aのボックス26内に収容され、前記昇降軸をメインアーム23に対して昇降させる駆動源がメインアーム23の先端部に収納され、サブアーム25を前記昇降軸に対して回動させる駆動源がサブアーム25上部のケース27内に収納されている。各駆動源は互いに独立したサーボモータからなる。このように、別置式液体充填装置1Aは、メインアーム23が伸縮しない点及び充填ノズルが1つである点を除いて、基本構造は図1〜3に示す別置式液体充填装置1とほぼ同じである。
【0040】
各駆動源の作動により、メインアーム23は水平揺動可能であり、サブアーム25及び充填ノズル8はメインアーム23に対して水平面内で回動し、かつ昇降する。
なお、前記昇降軸を昇降させる代わりに、サブアーム25に充填ノズル8を昇降自在に設置し、サブアーム25に設置した駆動源により充填ノズル8を昇降させることもできる。また、昇降軸の上端にサブアーム25を回動自在に設置する代わりに、サブアーム25を昇降軸の上端に固定するとともに、昇降軸をメインアーム23に回動自在に設置し、メインアーム23に設置した駆動源により昇降軸を回動させ、これに伴ってサブアーム25を回動させることもできる。いずれにしても、サブアーム25がメインアーム23に対し水平面内で回動可能とされ、かつ充填ノズル8がメインアーム23に対して昇降可能とされていればよい。これらの点も、図1〜3に示す別置式液体充填装置1と同じである。
【0041】
別置式液体充填装置1Aは、以上説明した3つの駆動源(サーボモータ)を制御して、充填ノズル8を、前記円弧状移送経路に沿った往動経路上を袋5の移送と同期して往動させ、往動終点に達した後、初期位置に復動させるとともに、往復動行程の所定のタイミングで下降及び上昇させる制御装置を備える。ここで、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2が図1,2に示すものと同じであれば、充填ノズル8の初期位置(往動始点)は、前記円弧状移送経路上の5番目の停止位置(図4にVで示す)に、往動終点は6番目の停止位置(図4にVIで示す)に設定される。
【0042】
別置式液体充填装置1Aにおいて、充填ノズル8の往復動及び昇降作動は、図1〜3に示す別置式液体充填装置1のものとほぼ同様と考えてよい。図4において、充填ノズル8が往動始点にきたときのメインアーム23及びサブアーム25の状態を実線で、充填ノズル8が往動終点にきたときのメインアーム23及びサブアーム25の状態を仮想線で示す。
別置式液体充填装置1Aは、充填ノズル8が1つであるため、袋5が6番目の停止位置に停止している間に、充填ノズル8は往動始点に復帰(復動)する必要があり、充填時間及び復動時間が図1〜3に示す別置式液体充填装置1に比べて短くなる。その代わり、図1〜3に示す別置式液体充填装置1では充填工程に使われていた7番目の停止位置(図4にVIIで示す)を、例えばスチーム吹き込みなど、他の包装処理に利用することができる。
【0043】
次に、図5を参照して別の別置式液体充填装置1Bについて説明する。なお、図5において、図2,3に示す別置式液体充填装置1の各構成部位と実質的に同等の部位には、同じ番号を付与している。
別置式液体充填装置1Bは、図2,3に示す別置式液体充填装置1と同様、液体充填工程が行われる袋5の円弧状移送経路の外側に配置され、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2から構造上も駆動機構上も独立している。また、図5に図示されていないが、別置式液体充填装置1Bは、流路切換弁や容積計量式ポンプ、及び液体貯留タンク等を備えている。
【0044】
別置式液体充填装置1Bは、袋5の円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能でかつ伸縮可能に設置されたアーム23と、アーム23の先端部に昇降可能に設置された充填ノズル8を備える。また、アーム23を揺動させる駆動源、及びアーム23を伸縮させる駆動源が別置式液体充填装置1Bのボックス26内に収容され、充填ノズル8を昇降させる駆動源がアーム23の先端部に収容されている。各駆動源は互いに独立したサーボモータからなる。
【0045】
各駆動源の作動により、アーム23は水平揺動可能及び伸縮可能であり、充填ノズル8はアーム23に対して昇降する。
別置式液体充填装置1Bは、以上説明した3つの駆動源(サーボモータ)を制御して、充填ノズル8を、袋5の円弧状移送経路に沿った往動経路上を前記袋5の移送と同期して往動させ、往動終点に達した後、往動始点に復動させるとともに、往復動行程の所定のタイミングで下降及び上昇させる制御装置を備える。ここで、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2が図2に示すものと同じであれば、充填ノズル8の往動始点は、前記円弧状移送経路上の5番目の停止位置(図5にVで示す)に、往動終点は6番目の停止位置(図5にVIで示す)に設定される。
【0046】
別置式液体充填装置1Bにおいて、充填ノズル8の往復動及び昇降作動は、図4に示す別置式液体充填装置4のものとほぼ同様である。図5において、充填ノズル8が往動始点にきたときのアーム23の状態を実線で、充填ノズル8が往動終点にきたときのアーム23の状態を仮想線で示す。
別置式液体充填装置1Bでも、充填ノズル8が1つであるため、袋5が6番目の停止位置(充填ノズル8の往動終点)に停止している間に、往動工程の往動始点に復帰(復動)する必要があり、充填時間及び復動時間が図2に示す別置式液体充填装置1に比べて短くなる。その代わり、図2に示す別置式液体充填装置1では充填工程に使われていた7番目の停止位置(図5にVIIで示す)を、例えばスチーム吹き込みなど、他の包装処理に利用することができる。
【0047】
次に、以上説明した別置式液体充填装置1の充填ノズル8,9、及び別置式液体充填装置1A,1Bにおける充填ノズル8の往動経路の設定方法を説明する。
まず、図6は、別置式液体充填装置1における充填ノズル8,9の往動経路の設定方法を説明するための模式図である。図6において、袋5は一点鎖線で示す移送経路31(点Sを中心とする半径rの円弧)上を、角度θ毎に停止しながら左回りに間欠移送される。本例の場合、後述する仮想往動経路の半径及び往動角度が、この移送経路の半径r及び1回の間欠移送の角度θに等しく設定されるものとする。移送経路31上の5〜7番目の停止位置(V、VI、VII)に袋5が描かれている。
【0048】
別置式液体充填装置1の充填ノズル8,9の往動経路設定は、次のような手順で行われる。
(1)別置式液体充填装置の据付工程
別置式液体充填装置1を、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2に隣接して、該間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の袋の移送経路31の6番目の停止位置に略正対するように据え付ける。この据え付けにあたって特別な厳密さは要求されない。別置式液体充填装置1において、充填ノズル8,9の間隔は、移送経路31上の袋5,5の間隔と一致している必要がある。
なお、別置式液体充填装置1において、例えばメインアーム23とサブアーム25の可動範囲の中央位置(図6に2点鎖線で示す位置)が初期位置として設定され、この初期位置における位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qと伸縮長さL及びサブアーム25の回動角度R)が初期値(Q,L,R)として制御装置に登録されている。
【0049】
(2)移送経路情報の入力工程
オペレーターが、別置式液体充填装置1の制御盤18のタッチパネル上で、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の機種を選択する。別置式液体充填装置1の制御装置には各種ロータリー型袋移送装置の袋の移送経路に関する情報(移送経路の径、移送経路上での1回の間欠移送の角度等)が予め登録されており、この選択により、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の移送経路に関する前記情報が読み出され、それに基づいて、別置式液体充填装置1における後述する仮想往動経路の径r及び同期往動角度θが設定される。
タッチパネル上で機種選択をする代わりに、ロータリー型袋移送装置の機体に前記情報が格納されたQRコード(登録商標)等の2次元バーコード銘板を取り付け、これを別置式液体充填装置に取り付けられた2次元バーコードリーダーで読み取り、制御装置に登録することもできる。
【0050】
(3)ティーチングモード設定工程
オペレーターが、制御盤18のタッチパネル上で、別置式液体充填装置1をティーチングモードに設定する。これによりメインアーム23を揺動させる駆動源、メインアーム23を伸縮させる駆動源、及びサブアーム25を回動させる駆動源が自由状態に切り替わる。駆動源は例えばいずれもサーボモータである。
【0051】
(4)往動始点登録工程
オペレーターが、袋の移送経路上の5番目の停止位置と6番目の停止位置に、一対の充填ノズル8,9を手動操作で導いて位置決めする。この位置が充填ノズル8,9の往動始点A1,A2として設定される。この例では、往動始点A1,A2は、理想的な往動始点(移送経路31上の5,6番目の停止位置に描かれた袋5の中心位置)から若干ずれている。図6において、手動操作後(往動始点A1,A2の設定時)のメインアーム23とサブアーム25が、前記初期位置の左側に実線で示されている。32はサブアーム25の揺動支点軸である。Oはメインアーム23の揺動支点軸であり座標の原点位置とされる。
位置決め後、オペレーターが制御盤18のタッチパネルを操作することで、前記往動始点A1,A2の座標位置に対応する往動始点位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qiと伸縮長さLi及びサブアーム25の回動角度Ri)が、前記初期値(Q,L,R)を基準として、各駆動源(サーボモータ)から取得される位置情報に基づいて算出され、制御装置に登録される。また、前記往動始点位置制御データから、原点Oに対する2つの往動始点A1,A2の座標位置が算出される。
【0052】
(5)往動終点登録工程
オペレーターが、袋の移送経路上の6番目の停止位置と7番目の停止位置に、一対の充填ノズル8,9を手動操作で導いて位置決めする。この位置が充填ノズル8,9の実際の往動終点B1,B2として設定される。手動操作後(往動終点B1,B2の設定時)のメインアーム23とサブアーム25が、前記初期位置の右側に実線で示されている。
位置決め後、オペレーターが制御盤18のタッチパネルを操作することで、往動終点B1,B2の座標位置に対応する往動終点位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qtと伸縮長さLt及びサブアーム25の回動角度Rt)が、各駆動源(サーボモータ)から取得される位置情報に基づいて算出され、制御装置に登録される。
【0053】
(6)仮想往動経路設定工程
算出された往動始点A1,A2の座標位置と、当初設定された仮想往動経路の径rに基づき、仮想往動経路の中心Tの座標位置が算出され、さらに往動角度θから、充填ノズル8,9の仮想往動終点(往動始点A1,A2を前提とした理論上の往動終点)b1,b2の座標位置が制御装置により算出される。仮想往動終点b1,b2は、往動始点A1,A2を通る径rの円弧上に存在し、仮想往動終点b1は往動始点A2と同じ位置である。前記円弧上の往動始点A1から仮想往動終点b1までの経路が、充填ノズル8の仮想往動経路33として、往動始点A2から仮想往動終点b2までの経路が、充填ノズル9の仮想往動経路34として設定される。
この例では、往動始点A1,A2が前記理想的な往動始点と若干ずれていたため、仮想往動経路33,34の中心Tが移送経路31の中心Sとずれ、仮想往動終点b1,b2が理想的な往動終点(移送経路31上の6,7番目の停止位置に描かれた袋5の中心位置)からずれている。
【0054】
(7)往動経路算出工程
往動始点A1,A2から仮想往動終点b1,b2までの仮想往動経路33,34上に、一定の角度間隔で(例えば微少角度Δθ毎に)、各々n−1個の点が設定され、その座標位置が制御装置により算出される。各仮想往動経路33,34において、各仮想往動終点b1,b2が往動始点A1,A2からn番目の点となる。
次いで、仮想往動経路33上のm番目の点と仮想往動経路34のm番目の点を一組とし、仮想往動経路33上のm番目の点に充填ノズル8が位置し、仮想往動経路34上のm番目の点に充填ノズル9が位置すると想定して、その座標位置に対応する位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qmと長さLm及びサブアーム25の回動角度Rm)が制御装置により算出される。ここで、mは1〜nの自然数であり、Qm、Lm、Rmは各仮想往動経路33,34上の往動始点A1,A2からm番目の点に対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Qと伸縮長さL及びサブアームの回動角度R)を意味する。nは任意に設定できるが、例えば50〜10000程度の値が選ばれる。
次に、仮想往動終点b1,b2の座標位置に対応する位置制御データ(Qn,Ln,Rn)と、往動終点B1,B2の座標位置に対応する位置制御データ(Qt,Lt,Rt)とのずれの大きさ(ΔQ,ΔL,ΔR)に応じて、仮想往動経路33,34上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データ(Qm,Lm,Rm)の各々に対し、往動始点A1,A2からの角度間隔に比例する補正値が制御装置より付加される。具体的には、仮想往動経路33,34上の往動始点A1,A2からm(m:1〜n)番目の点の座標位置に対応する位置制御データ(Qm,Lm,Rm)に、それぞれΔQ×(m/n)、ΔL×(m/n)、ΔR×(m/n)が補正値として付加される。
仮想往動経路33,34上の往動始点A1,A2、各仮想往動経路33,34上のm番目の点、及び仮想往動終点b1,b2の各座標位置に対応する位置制御データを表1に、補正後の位置制御データを表2に示す。補正後の位置制御データは、オペレーターが手動で設定した往動始点A1,A2と往動終点B1,B2を、略円弧状につなぐ往動経路35,36上の各点に対応するものであり、これが実際の往動経路として設定される。
【0055】
【表1】

【0056】
(8)運転モード切替工程
オペレータが制御盤18のタッチパネル上で、別置式液体充填装置1をこれまでのティーチングモードから運転モードに切り換え設定する。これにより、制御装置により各駆動源が保持状態に維持されるとともに、充填ノズル8,9が登録された往動始点A1,A2に移動する。
【0057】
(9)運転開始工程
オペレータが間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の制御盤20を操作して運転開始を指示すると、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2が運転を開始する。同時に、別置式液体充填装置1の制御装置は、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2からの制御信号(往動及び復動速度、往動及び復動の開始タイミング等)と、設定された前記往動経路35,36上の各点に対応する前記位置制御データに基づいて各駆動機構を作動させ、充填ノズル8,9を、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2により間欠移送される袋5に同期し、前記往動経路35,36上を円弧補間して往動させる。復動経路は往動経路35,36と同一経路(逆方向)でもよく、別経路でもよい。なお、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2からの制御信号には、充填ノズル8,9の昇降タイミング等の制御信号も含まれる。
【0058】
次に、図7は、別置式液体充填装置1Aにおける充填ノズル8の往動経路の設定方法を説明するための模式図である。
図7において、袋5は一点鎖線で示す移送経路31(点Sを中心とする半径rの円弧)上を、角度θ毎に停止しながら左回りに間欠移送される。移送経路31上の5,6番目の停止位置(V、VI)に袋5が描かれている。
【0059】
別置式液体充填装置1Aの充填ノズル8の往動経路設定は、下記に例示するとおり、別置式液体充填装置1とほぼ同様の手順で行われる。
(1)別置式液体充填装置の据付工程
別置式液体充填装置1Aを、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2に隣接して、該間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の袋の移送経路の6番目の停止位置に略正対するように据え付ける。この据付に当たって特別な厳密さは要求されない。
なお、別置式液体充填装置1Aでも、例えばメインアーム23とサブアーム25の可動範囲の中央位置が初期位置として設定され、この初期位置における位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Q及びサブアーム25の回動角度R)が初期値(Q,R)として制御装置に登録されている。
【0060】
(2)移送経路情報の入力工程
オペレーターが、別置式液体充填装置1Aが適用される間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の機種を選択する。この選択により、間欠回転式ロータリー型袋移送装置2の移送経路に関する情報(移送経路の径、移送経路上での1回の間欠移送の角度等)が読み出され、それに基づいて、別置式液体充填装置1Aにおける後述する仮想往動経路の径r及び同期往動角度θが設定される。
【0061】
(3)ティーチングモード設定工程
オペレーターが、別置式液体充填装置1Aをティーチングモードに設定する。これによりメインアーム23を揺動させる駆動源、及びサブアーム25を回動させる駆動源が自由状態に切り替わる。駆動源は例えばいずれもサーボモータである。
【0062】
(4)往動始点登録工程
オペレーターが、移送経路31上の5番目の停止位置に、充填ノズル8を手動操作で導いて位置決めする。この位置が充填ノズル8の往動始点A1として設定される。図7において、32はサブアーム25の揺動支点軸である。Oはメインアーム23の揺動支点軸であり座標の原点位置とされる。
位置決め後、オペレーターの操作により、往動始点A1の座標位置に対応する往動始点位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qiとサブアーム25の回動角度Ri)が、各駆動源(サーボモータ)から取得される位置情報に基づいて算出され、制御装置に登録される。また、前記往動始点位置制御データから、原点Oに対する往動始点A1の座標位置が算出される。
【0063】
(5)往動終点登録工程
オペレーターが、移送経路31上の6番目の停止位置に、充填ノズル8を手動操作で導いて位置決めする。この位置が充填ノズル8の往動終点B1として設定される。
位置決め後、オペレーターの操作により、前記往動終点B1の座標位置に対応する位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qt及びサブアーム25の回動角度Rt)が、前記初期値(Q,R)を基準として、各駆動源(サーボモータ)から取得される位置情報に基づいて算出され、制御装置に登録される。また、前記位置制御データから、原点Oに対する往動終点B1の座標位置が算出される。
【0064】
(6)仮想往動経路設定工程
算出された往動始点A1及び往動終点B1の座標位置と、当初設定された仮想往動経路の径rに基づき、仮想往動経路の中心Tの座標位置が算出され、さらに前記往動角度θから、充填ノズル8の仮想往動終点(往動始点A1を前提とした理論上の往動終点)b1の座標位置が制御装置により算出される。前記円弧上の往動始点A1から仮想往動終点b1までの経路が、充填ノズル8の仮想往動経路33として設定される。
【0065】
(7)往動経路算出工程
往動始点A1から仮想往動終点b1までの仮想往動経路33上に、一定の角度間隔で(例えば微少角度Δθ毎に)、各々n−1個の点が設定され、その座標位置が制御装置により算出される。仮想往動経路33において、仮想往動終点b1が往動始点A1からn番目の点となる。
次いで、仮想往動経路33上のm番目の点に充填ノズル8が位置すると想定して、その座標位置に対応する位置制御データ(メインアーム23の揺動角度Qm及びサブアーム25の回動角度Rm)が制御装置により算出される。ここで、mは1〜nの自然数であり、Qm、Rmは仮想往動経路33上の往動始点A1からm番目の点に対応する位置制御データ(メインアームの揺動角度Q及びサブアームの回動角度R)を意味する。nは任意に設定できるが、例えば50〜10000程度の値が選ばれる。
次に、仮想往動終点b1の座標位置に対応する位置制御データ(Qn,Rn)と、往動終点B1の座標位置に対応する位置制御データ(Qt,Rt)とのずれの大きさ(ΔQ,ΔR)に応じて、仮想往動経路33上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データ(Qm,Rm)の各々に対し、往動始点A1からの角度間隔に比例する補正値が制御装置より付加される。具体的には、仮想往動経路33上の往動始点A1からm(m:1〜n)番目の点の座標位置に対応する位置制御データ(Qm,Rm)に、それぞれΔQ×(m/n)、ΔR×(m/n)が補正値として付加される。
補正後の位置制御データは、オペレーターが手動で設定した往動始点A1と往動終点B1をつなぐ往動経路35(仮想往動経路33の円弧と重なる)上の各点に対応するものであり、これが実際の往動経路として設定される。
【0066】
別置式液体充填装置1Aにおける充填ノズル8の往動経路の設定方法のうち、運転モード切替工程と運転開始工程は記述を省略する。
【0067】
次に、図8は、別置式液体充填装置1Bにおける充填ノズル8の往動経路の設定方法を説明するための模式図である。
図8において、袋5は一点鎖線で示す移送経路31(点Sを中心とする半径rの円弧)上を、角度θ毎に停止しながら左回りに間欠移送される。移送経路31上の5,6番目の停止位置(V、VI)に袋5が描かれている。図8において、A1は往動始点、b1は仮想往動終点、B1は往動終点、33は仮想往動経路(往動始点A1から仮想往動終点b1までの円弧)、35は往動経路(往動始点A1から往動終点B1までの円弧)である。
別置式液体充填装置1Bの充填ノズル8の往動経路設定は、別置式液体充填装置1Aと全く同様の手順(各点の位置制御データがアーム23の揺動角度Qと長さLからなる点でのみ異なる)で行われるので、詳細は省略する。
【符号の説明】
【0068】
1,1A,1B 液体充填装置
2 ロータリー型袋移送装置
4 グリッパー
5 袋
8,9 充填ノズル
23 メインアーム
24 昇降軸
25 サブアーム
33,34 仮想往動経路
35,36 往動経路
A1,A2 往動始点
b1,b2 仮想往動終点
B1,B2 往動終点
O 座標位置の原点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状移送経路に沿って容器を移送するロータリー型容器移送装置に隣接配置され、包装処理部材により前記円弧状移送経路を移送される容器に所定の包装処理を行う別置式包装処理装置の前記包装処理部材の往動経路設定方法において、前記別置式包装処理装置は、前記円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能でかつ伸縮可能に設置されたメインアームと、前記メインアームの先端部に水平面内で回動可能に軸支されたサブアームと、前記サブアームに所定間隔を置いて設置された複数個の包装処理部材と、前記メインアームを往復揺動させる駆動源と、前記メインアームを伸縮させる駆動源と、前記サブアームを軸回りに回動させる駆動源と、以上の駆動源を制御して、前記複数個の包装処理部材を前記円弧状移送経路を移送される複数個の容器に同期して往動経路上を往動させ、各包装処理部材が往動終点に達した後、往動始点に復動させる制御装置を備え、各包装処理部材が前記往動経路上で複数個の容器に同時に所定の包装処理を行うものであり、
前記別置式包装処理装置を前記ロータリー型容器移送装置に隣接配置し、
前記移送経路に対応する包装処理部材の仮想往動経路の径r及び同期往動角度θを設定し、
各包装処理部材を往動始点に手動にて移動させ、各駆動源から取得した位置情報に基づき、各往動始点の座標位置に対応する往動始点位置制御データであるメインアームの揺動角度Qiと長さLi及びサブアームの回動角度Riを算出し、前記往動始点位置制御データから各往動始点の座標位置を算出し、
各包装処理部材を往動終点に手動にて移動させ、各駆動源から取得した位置情報に基づき、各往動終点の座標位置に対応する往動終点位置制御データであるメインアームの揺動角度Qtと長さLt及びサブアームの回動角度Rtを算出し、該往動終点位置制御データから各往動終点の座標位置を算出し、
各往動始点の座標位置に基づき、全ての往動始点を通り前記仮想往動経路の径rと同じ径を有する円弧の中心の座標位置を算出し、
各往動始点の座標位置と前記円弧の中心の座標位置に基づき、前記円弧上を各往動始点から前記同期往動角度θだけ進んだ点を仮想往動終点としてその座標位置を算出し、前記円弧の各往動始点と仮想往動終点をつなぐ部分を仮想往動経路として設定し、
各往動始点から所定の微少間隔を置いて仮想往動経路上に分布する仮想往動終点を含むn個の点の座標位置にそれぞれ対応する位置制御データであるメインアームの揺動角度Qmと長さLm及びサブアームの回動角度Rmを算出し、仮想往動終点に対応する位置制御データであるメインアームの揺動角度Qnと長さLn及びサブアームの回動角度Rnと、往動終点位置制御データであるメインアームの揺動角度Qtと長さLt及びサブアームの回動角度Rtとのずれの大きさに応じて、仮想往動経路上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データであるメインアームの揺動角度Qmと長さLm及びサブアームの回動角度Rmに対し、往動始点からの間隔に比例する補正値を付加し、
これにより往動始点と往動終点を略円弧状につなぐ往動経路を設定することを特徴とする別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法。
ただし、mは1〜nの自然数であり、Qm、Lm、Rmは各仮想往動経路上の往動始点からm番目の点の座標位置に対応するメインアームの揺動角度Qと長さL及びサブアームの回動角度Rを意味する。
【請求項2】
円弧状移送経路に沿って容器を移送するロータリー型容器移送装置に隣接配置され、包装処理部材により前記円弧状移送経路を移送される容器に所定の包装処理を行う別置式包装処理装置の前記包装処理部材の往動経路設定方法において、前記別置式包装処理装置は、前記円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能に設置されたメインアームと、前記メインアームの先端部に水平面内で回動可能に軸支されたサブアームと、前記サブアームに設置された包装処理部材と、前記メインアームを往復揺動させる駆動源と、前記サブアームを軸回りに回動させる駆動源と、以上の駆動源を制御して、前記包装処理部材を前記円弧状移送経路を移送される容器に同期して往動経路上を往動させ、包装処理部材が往動終点に達した後、往動始点に復動させる制御装置を備え、包装処理部材が前記往動経路上で容器に所定の包装処理を行うものであり、
前記別置式包装処理装置を前記ロータリー型容器移送装置に隣接配置し、
前記移送経路に対応する包装処理部材の仮想往動経路の径r及び同期往動角度θを設定し、
包装処理部材を往動始点に手動にて移動させ、各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動始点の座標位置に対応する往動始点位置制御データであるメインアームの揺動角度Qiとサブアームの回動角度Riを算出し、該往動始点位置制御データから往動始点の座標位置を算出し、
包装処理部材を往動終点に手動にて移動させ、各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動終点の座標位置に対応する往動終点位置制御データであるメインアームの揺動角度Qtとサブアームの回動角度Rtを算出し、該往動終点位置制御データから往動終点の座標位置を算出し、
往動始点及び往動終点の座標位置に基づき、両点を通り前記仮想往動経路の径rと同じ径を有する円弧の中心の座標位置を算出し、
往動始点の座標位置と前記円弧の中心の座標位置に基づき、前記円弧上を往動始点から前記同期往動角度θだけ進んだ点を仮想往動終点としてその座標位置を算出し、前記円弧の往動始点と仮想往動終点をつなぐ部分を仮想往動経路として設定し、
往動始点から所定の微少間隔を置いて仮想往動経路上に分布する仮想往動終点を含むn個の点の座標位置にそれぞれ対応する位置制御データであるメインアームの揺動角度Qm及びサブアームの回動角度Rmを算出し、仮想往動終点に対応する位置制御データであるメインアームの揺動角度Qn及びサブアームの回動角度Rnと、往動終点位置制御データであるアームの揺動角度Qt及びサブアームの回動角度Rtとのずれの大きさに応じて、仮想往動経路上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データであるメインアームの揺動角度Qm及びサブアームの回動角度Rmに対し、往動始点からの間隔に比例する補正値を付加し、
これにより往動始点と往動終点を円弧状につなぐ往動経路を設定することを特徴とする別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法。
ただし、mは1〜nの自然数であり、Qm、Rmは各仮想往動経路上の往動始点からm番目の点に対応するメインアームの揺動角度Qとサブアームの回動角度Rを意味する。
【請求項3】
円弧状移送経路に沿って容器を移送するロータリー型容器移送装置に隣接配置され、包装処理部材により前記円弧状移送経路を移送される容器に所定の包装処理を行う別置式包装処理装置の前記包装処理部材の往動経路設定方法において、前記別置式包装処理装置は、前記円弧状移送経路の外側に揺動支点を有し、水平面内で揺動可能でかつ伸縮可能に設置されたアームと、前記アームの先端部に設置された包装処理部材と、前記アームを往復揺動させる駆動源と、前記アームを伸縮させる駆動源と、以上の駆動源を制御して、前記包装処理部材を前記円弧状移送経路を移送される容器に同期して往動経路上を往動させ、包装処理部材が往動終点に達した後、往動始点に復動させる制御装置を備え、包装処理部材が前記往動経路上で容器に所定の包装処理を行うものであり、
前記別置式包装処理装置を前記ロータリー型容器移送装置に隣接配置し、
前記移送経路に対応する包装処理部材の仮想往動経路の径r及び同期往動角度θを設定し、
包装処理部材を往動始点に手動にて移動させ、各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動始点の座標位置に対応する往動始点位置制御データであるアームの揺動角度Qiと長さLiを算出し、該往動始点位置制御データから往動始点の座標位置を算出し、
包装処理部材を往動終点に手動にて移動させ、各駆動源から取得した位置情報に基づき、往動終点の座標位置に対応する位置制御データであるアームの揺動角度Qtと長さLtを算出し、該往動終点位置制御データから往動終点の座標位置を算出し、
往動始点及び往動終点の座標位置に基づき、両点を通り前記仮想往動経路の径rと同じ径を有する円弧の中心の座標位置を算出し、
往動始点の座標位置と前記円弧の中心の座標位置に基づき、前記円弧上を往動始点から前記同期往動角度θだけ進んだ点を仮想往動終点としてその座標位置を算出し、前記円弧の往動始点と仮想往動終点をつなぐ部分を仮想往動経路として設定し、
往動始点から所定の微少間隔を置いて仮想往動経路上に分布する仮想往動終点を含むn個の点の座標位置にそれぞれ対応する位置制御データであるアームの揺動角度Qm及び長さLmを算出し、仮想往動終点に対応する位置制御データであるアームの揺動角度Qn及び長さLnと、往動終点位置制御データであるアームの揺動角度Qt及び長さLtとのずれの大きさに応じて、仮想往動経路上のn個の点の座標位置に対応する位置制御データであるアームの揺動角度Qm及び長さLmに対し、往動始点からの間隔に比例する補正値を付加し、
これにより往動始点と往動終点を円弧状につなぐ往動経路を設定することを特徴とする別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法。
ただし、mは1〜nの自然数であり、Qm、Lmは各仮想往動経路上の往動始点からm番目の点に対応するメインアームの揺動角度Q及び長さLを意味する。
【請求項4】
前記各駆動源がそれぞれ独立したサーボモータからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法。
【請求項5】
前記包装処理部材が液体充填ノズルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法。
【請求項6】
前記ロータリー型容器移送装置が前記容器を移送経路に沿って一定角度ずつ間欠的に移送する間欠移送式ロータリー型容器移送装置であり、前記径r及び角度θが、容器の移送経路の径及び1回の間欠移送の角度に等しいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載された別置式包装処理装置における包装処理部材の往動経路の設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−153375(P2012−153375A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11676(P2011−11676)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】