説明

利得制御回路、受信機および受信機に用いられる利得制御方法

【課題】 受信機において、高速なチャンネルの選局動作を実現しつつ、動作的に安定した状態で妨害波の影響を軽できるTOPの制御を実現する。
【解決手段】 チャンネル選局時に、RFアンプ14およびIFアンプ19に設定する利得を決定するための設定レベル(TOP)を変化させながら良好なC/N比が得られるTOPを検出し、このTOPでのビットエラーレート(BER)が所定値以下であれば当該TOPを固定してRFアンプ14およびIFアンプ19に対する利得を制御する。また、良好なC/N比が得られるTOPでのBERが所定値よりも大きければ、妨害波の有無を検出し、妨害波が検出された場合にはTOPを変化させながら良好なBERが得られるTOPを検出し、この良好なBERが得られるTOPによりRFアンプ14およびIFアンプ19に対する利得を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波放送、CATV放送、衛星放送などにおける主にデジタル変調された信号を受信し、受信した信号から映像信号を復調するのに用いられる利得制御回路、利得制御回路を有する受信機、および、受信機に用いられる利得制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上波、衛星波、ケーブルなどによるデジタル放送が実施されつつある。たとえば、地上デジタル放送の受信機においては、受信状態を悪化させる要因として、受信電界強度、C/N比(Carrier To Noise Ratio)の悪化、他のチャンネルによる強力な入力信号による劣化、マルチパス等による劣化さまざまな要因が挙げられる。
【0003】
デジタル放送波の受信においては、入力信号のレベル(入力レベル)が小さい場合、アンテナで受信したRF信号を増幅するRFアンプの利得、あるいは、RF信号を周波数変換したIF信号を増幅するIFアンプの利得を大きくすることで、C/N比、または、受信状態を改善することができる。しかしながら、所望のチャンネルの信号の帯域外に強力な別のチャンネルの信号(妨害波の信号)が存在すると、この妨害波の信号により入力信号が歪んでしまい受信状態が悪化する。従来の一般的なデジタル放送波の受信機においては、入力レベルに応じてRFアンプの利得とIFアンプの利得とを調整することにより、C/N比の改善性能と妨害波の抑止性能とを両立させている。
【0004】
たとえば、従来のデジタル放送波の受信機では、入力レベルが低い場合には、RFアンプの利得を最大値としておき、IFアンプの利得を調整することよって出力信号のレベルが調整され、入力レベルが高い場合には、IFアンプの利得を一定の値に固定しておき、RFアンプの利得を調整するによって出力レベルが調整される。このような調整方法では、ある入力レベルにおいて出力レベルの調整がIFアンプによる利得の調整からRFアンプによる利得の調整に切り替わる。この点は、一般的に、Take Over Point(TOP)と呼ばれている。通常、一般的な受信機では、上記TOPの値がCN比の性能と対妨害波性能のバランスを取って、固定値で設定されていることが多い。
【0005】
上記のようなTOPに関連する技術としては、常に受信状態が良くなる方向にTOPを変化させる方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、常にTOPを変化させているため適切ではないTOPに設定した場合、エラーが出るなどの不安定な動きをする可能性がある。
【0006】
また、電源オフ時やチャンネルサーチ時等のユーザが番組を視聴していない時間にTOPの最適値を検索してメモリに保存しておき、視聴時は最適TOP検索動作を行わずに、メモリに保存されているTOPにより調整を行うものが提案されている(特許文献2)。この特許文献2では、エラーが起きたときに最適TOP検索を行うことも提案されているが、地上デジタル放送においては最適なTOPは時間とともに変化する可能性がある。このため、特許文献2に記載されている技術では、必ずしもユーザがチャンネルを指定した時に必ずしも最適なTOPを選べるとは限らない。また、上記特許文献2の技術では、選局時及び番組視聴時にエラーが起きたときに最適TOP検索の機能が働くが、エラーがTOPの設定によらない原因の場合、検索されたTOPを設定することにより逆効果となる可能性もある。
【特許文献1】特開2001−102947号公報
【特許文献2】特開2006−50585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の一形態では、放送波から安定して良好な映像を得ることができる利得制御装置、利得制御装置を有する受信機、および、受信機に用いられる利得制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一形態としての利得制御装置は、変調された高周波信号を増幅する第1のアンプと、前記第1のアンプにより増幅された前記高周波信号を中間周波数の信号に変換する変換器と、前記変換器により得られた前記中間周波数の信号を増幅する第2のアンプとを有する受信機に用いられるものにおいて、搬送波に対する雑音比が最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第1の検索手段と、前記高周波信号に含まれている妨害波を検出する検出手段と、この検出手段により妨害波が検出された場合、ビットエラーレートが最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第2の検索手段と、前記第2の検索手段による設定レベルの検索が行われなった場合、前記第1の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御し、前記第2の検索手段により設定レベルが検索された場合、前記第2の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御する利得制御手段とを有する。
【0009】
この発明の一形態としての受信装置は、デジタル放送波を受信するものにおいて、変調された高周波信号を増幅する第1のアンプと、前記第1のアンプにより増幅された前記高周波信号を中間周波数の信号に変換する変換器と、前記変換器により得られた前記中間周波数の信号を増幅する第2のアンプと、搬送波に対する雑音比が最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第1の検索手段と、前記高周波信号に含まれている妨害波を検出する検出手段と、この検出手段により妨害波が検出された場合、ビットエラーレートが最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第2の検索手段と、前記第2の検索手段による設定レベルの検索が行われなった場合、前記第1の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御し、前記第2の検索手段により設定レベルが検索された場合、前記第2の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御する利得制御手段とを有する。
【0010】
この発明の一形態としての利得制御方法は、変調された高周波信号を増幅する第1のアンプと、前記第1のアンプにより増幅された前記高周波信号を中間周波数の信号に変換する変換器と、前記変換器により得られた前記中間周波数の信号を増幅する第2のアンプとを有する受信機に用いられる方法であって、搬送波に対する雑音比が最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索し、前記高周波信号に含まれている妨害波を検出し、前記妨害波が検出された場合、ビットエラーレートが最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索し、前記ビットエラーレートが最適となる設定レベルの検索が行われなった場合、前記検索された搬送波に対する雑音比が最適となる設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御し、前記ビットエラーレートが最適となる設定レベルが検索された場合、前記ビットエラーレートが最適となる設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御する。
【発明の効果】
【0011】
この発明の一形態によれば、放送波から安定して良好な映像を得ることができる利得制御装置、利得制御装置を有する受信機、および、受信機に用いられる利得制御方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るテレビジョン受像装置(TV:television)の構成例を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、TV2には、デジタル放送波を受信するためのアンテナ1が接続される。TV2は、制御部4、受信部5、トランスポートストリーム(transport stream(TS))処理部6、信号処理部7、表示部8、音声出力部(スピーカ)9などを有している。
【0013】
制御部4は、TV2全体の制御を司るものである。制御部4は、たとえば、CPU、RAM(ワーキングメモリ)、ROM(プログラムメモリ)、不揮発性メモリなどにより構成される。制御部4では、CPUがROMあるいは不揮発性メモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより種々の処理を実現している。
【0014】
受信部5は、アンテナ1で受信したデジタル放送波をデジタル信号に変換する処理を行うものである。受信部5は、前記制御部4との組合せでデジタル放送波を受信する受信機として機能する。受信部5は、デジタルチューナおよび復調器として機能する。受信部5は、制御部4による制御に基づいて、アンテナ1で受信したデジタル放送波から特定の放送局のデジタル放送波を選局し、デジタル信号に変換する。ここで、受信部5によりデジタル放送波から得られるデジタル信号は、MPEGトランスポートストリーム(TS)信号であるものとする。なお、受信部5の構成例については、後で詳細に説明する。
【0015】
トランスポートストリーム処理部6は、受信部5から供給されるTS信号のTS復号処理を行う。トランスポートストリーム処理部6によるTS復号処理では、受信部5で得られたTS信号からデジタル映像信号、デジタル音声信号、各種データ信号などをそれぞれ抽出する。これにより、トランスポートストリーム処理部6は、受信部5で選局された放送局が放送している番組のデジタル映像信号及びデジタル音声信号が得られる。トランスポートストリーム処理部6は、TS復号処理によって得られたデジタル映像信号及び音声信号を信号処理部7へ出力する。なお、トランスポートストリーム処理部6では、TS復号処理によって得られた各種データ信号を図示しないデータ処理部へ出力するようになっている。
【0016】
信号処理部7は、制御部4による制御に基づいて、トランスポートストリーム処理部6から供給されるデジタル映像信号に基づく映像を表示部8に表示させるとともに、デジタル音声信号に基づく音声を音声出力部9により出力させる処理を行う。また、信号処理部7では、デジタル映像信号に対する種々の画像処理などを行うようになっている。
表示部8は、信号処理部7から与えられる映像信号に基づく映像を表示する表示装置である。音声出力部9は、信号処理部7から与えられる音声信号に基づく音声を出力するスピーカである。
上述のような構成により、TV2では、デジタル放送波に含まれるデジタル映像信号に基づく映像を表示部8に表示することが可能となっている。
【0017】
図2は、受信部5の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、受信部5は、増幅回路12、広帯域の帯域通過フィルタ(BPF)13、可変利得RFアンプ(RFアンプ)14、ミキサ15、局部発振回路(OSC)16、中間周波数アンプ17、狭帯域の帯域通過フィルタ(BPF)18、可変利得IFアンプ(IFアンプ)19、AD変換部20、復調部21、誤り訂正部22、レベル検出部23、TOP設定部24、利得制御部25、利得制御部26などにより構成されている。例えば、増幅回路12、BPF13、RFアンプ14、ミキサ15、OSC16、中間周波数アンプ17、BPF18、IFアンプ19、AD変換部20、復調部21および誤り訂正部22は、チューナ回路として機能し、レベル検出部23、TOP設定部24、利得制御部25、利得制御部26および制御部4は利得制御回路(利得制御装置)として機能する。
【0018】
アンテナ1で受信したデジタル放送波は、デジタル変調された高周波信号(RF信号)として増幅回路12に入力される。増幅回路12は、アンテナ1からのRF信号を増幅させてBPF(Band Pass Filter)13に出力する。BPF13は、広帯域の帯域通過フィルタである。BPF18は、RF信号の帯域をある程度の帯域に制限する。BPF13は、増幅回路12からのRF信号の帯域を制限して可変利得RFアンプ14へ出力する。可変利得RFアンプ14は、利得制御部25からの直流電圧により利得が設定される。可変利得RFアンプ14は、利得制御部25により設定される利得によりRF信号を増幅させる回路である。可変利得RFアンプ14は、第1のアンプとして機能し、利得制御部25が指定する利得でBPF13からのRF信号を増幅させてミキサ15に出力する。
【0019】
ミキサ15は、変換器として機能し、可変利得RFアンプ14からのRF信号と局部発振回路16からの信号とを混合することによりIF周波数に周波数変換した中間周波数の信号(IF信号)を生成する。ミキサ15は、生成したIF信号を中間周波数アンプ17に出力する。中間周波数アンプ17は、ミキサ15からのIF信号を増幅してBPF18とレベル検出部23とに出力する。
【0020】
BPF18は、狭帯域の帯域通過フィルタである。BPF18は、IF信号の帯域を所望の帯域のみに制限する。BPF18は、IF信号の帯域を所望の帯域のみに制限して可変利得IFアンプ19に出力する。可変利得IFアンプ19は、第2のアンプとして機能し、利得制御部26からの直流電圧により利得が設定される。可変利得IFアンプ19は、利得制御部26により設定された利得によりIF信号を増幅させる回路である。可変利得IFアンプ19は、利得制御部26により設定される利得でBPF18からのIF信号を増幅させてAD変換部20に出力する。
【0021】
AD変換部20は、可変利得IFアンプ19からのIF信号をデジタルデータの信号に変換し、復調部21に出力する。復調部21は、AD変換部20からの信号を復調し、トランスポートストリーム(TS)信号に変換する。復調部21は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器、PSK(Phase Shift Keying)復調器などにより構成される。誤り訂正部22は、復調部21により復調されたTS信号における誤り訂正し、誤り訂正したTS信号をトランスポートストリーム処理部6に出力する。また、復調部21及び誤り訂正部22では、入力レベル、C/N比(Carrier To Noise Ratio)等の情報を制御部4に出力するようになっている。
【0022】
また、レベル検出部23は、中間周波数アンプ17から出力されるIF信号のレベルを検出する。レベル検出部23は、中間周波数アンプ17から出力されるIF信号のレベルを示す情報をTOP設定部24および制御部4に出力する。
TOP設定部24は、制御部4により決定される設定レベルとしてのTOPに基づくRFアンプ14およびIFアンプ19の利得を利得制御部25および利得制御部25に対して設定する。なお、TOP(Take Over Point)は、上記利得制御部25により可変利得RFアンプ14に設定する利得、利得制御部26により可変利得IFアンプ19に設定する利得を決定するための設定レベルである。上記TOPの設定については、後で詳細に説明する。
【0023】
利得制御部25は、可変利得RFアンプ14における利得を設定する。つまり、利得制御部25は、可変利得RFアンプ14の利得を調整することにより、ミキサ15に入力されるRF信号のレベルに調整する。利得制御部25では、TOP設定部24により設定されるTOPに基づく利得を可変利得RFアンプ14に対して設定する。利得制御部26は、可変利得IFアンプ19における利得を設定する。つまり、利得制御部26は、可変利得IFアンプ19の利得を調整することにより、AD変換部20に入力されるIF信号のレベルを調整する。利得制御部26では、TOP設定部24により設定されるTOPに基づく利得を可変利得IFアンプ19に対して設定する。
【0024】
次に、上記TOPについて説明する。
図3は、入力信号のレベルに応じて、可変利得RFアンプ(以下、RFアンプ)14に設定される利得(RFAGC)、可変利得IFアンプ(以下、IFアンプ)19に設定される利得(IFAGC)の設定例を示したものである。
【0025】
図3では、入力信号のレベル(以下、入力レベル)に対するRFAGC、IFAGCを示している。図3に示す設定例では、入力レベルが小さい場合(入力レベルがP1以上TOP未満の場合)、RFAGC(RFアンプ4の利得)は最大値に設定され、IFAGC(IFアンプ10の利得)は入力レベルが大きくなるのに応じて小さくなるように設定される。つまり、入力レベルがP1以上TOP未満である場合、AD変換部20に入力される信号のレベル(IFアンプ19の出力信号のレベル)は、RFアンプ14の利得が一定であるため、利得制御部26によりIFアンプ19に対して設定されるIFAGCにより調節される。
【0026】
また、入力レベルがTOP以上となった場合(入力レベルがTOP以上P2未満の場合)、IFAGCが一定の値に設定され、RFAGCが入力レベルが大きくなるのに応じて小さくなるように設定される。つまり、入力レベルがTOP以上P2未満の場合、AD変換部20に入力される信号のレベル(IFアンプ19の出力信号のレベル)は、IFアンプ19の利得が一定であるため、利得制御部25によりRFアンプ14に対して設定されるRFAGCにより調節される。
【0027】
なお、図3に示す設定例において、入力レベルがP1未満の場合にはRFAGCおよびIFAGCは共に最大値に設定され、入力レベルがP2以上の場合にはRFAGCおよびIFAGCは共に「0」に設定されるようになっている。
上記のように、AD変換部20に入力される信号のレベル(IFアンプ19の出力信号のレベル)の調整が、IFACGからRFAGCに切り換わる点をTOPと称している。
【0028】
次に、TOPに応じた入出力信号の特性について説明する。
図3には、TOPが変更されると、受信部5内における入出力信号の特性が変化する。たとえば、C/N比(CN)および妨害波の抑圧比などの特性が変化する。ここで、入力レベルは図3に点線で示すTOP(基準TOP)の近傍の値であると想定する。図3に示す点PbにTOPがシフトすると、入出力信号において、CNは改善されるが、妨害波の影響を受けやすくなる。これは、基準TOP近傍における入力レベルの変動に対して、RFアンプ14の利得を変更することによりレベルの調整が行われるためである。つまり、基準TOP近傍レベルの入力信号が入力された場合、基準TOPに比べてPb点のTOPではRFアンプ14での利得が増えるため、CNは改善されるが、受信部5内で信号がひずみやすくなるためである。
【0029】
また、図3に示す点PaにTOPがシフトすると、妨害波を抑圧する効果が高くなるが、CNは劣化する。これは、基準TOP近傍における入力レベルの変動に対して、IFアンプ19の利得を変更することによりレベルの調整が行われるためである。つまり、基準TOP近傍レベルの入力信号が入力された場合、基準TOPに比べてPa点のTOPではRFアンプ14の利得が一定値に制限されるため、CNが劣化する傾向となるが、妨害波による劣化を抑える効果が高くなると考えられる。
【0030】
上記のように、CNを改善するにはTOPをPb側に設定し、妨害波を抑圧するにはTOPをPa側に設定することが好ましい。つまり、最適なTOPは、入力信号の特性に応じてCN改善効果と妨害波の抑圧効果とのバランスを取って設定することが好ましいと考えられる。ただし、入力信号に妨害波が存在しない場合あるいは妨害波の影響が少ない場合、TOPはCNを改善するためにPb側に設定するのが好ましいと考えられる。
【0031】
次に、TOPの設定例について説明する。
図4は、TOPの変化に対するBER(Bit Error Rate)の例を示す図である。
ここで、妨害波の抑圧効果は、誤り訂正部22において測定されるBERに基づいて判定されるものとする。つまり、BERが最も良い値(エラーが最も少ない値)である場合、妨害波の影響が最も少ない(妨害波を最も抑止している)状態であると判定するものとする。
【0032】
図4に示す例では、TOPの変化ポイントとして5つのポイント(a〜eポイント)を示している。但し、TOPの変化ポイントは、図4に示すような5つのポイントに限らず、システムの形態に応じて、多くしても良いし、少なくしてもよい。図4に示す例では、TOPがcポイントの場合、BERが最も良好な値(エラーが最も少ない値)となっている。図4に示すように、各ポイント間の変化量をΔTOPとすれば、任意のポイントからΔTOP分だけ順次変更することにより各ポイントでのBERが検出できる。
【0033】
また、TOPの変化に対するBERの変化は、図4に示すような曲線となっている。このため、ΔTOP分を順次増加(あるいは減少)させた場合、BERの値が減少傾向から増加傾向に変化するポイントが最適なTOPと判定できる。たとえば、a〜eポイントのTOPでのBERをBERa〜eとすれば、BERb−BERa>0、BERc−BERb>0、BERd−BERc<0、BERe−BERd>0となるため、cポイントのTOPが最適なTOPと判定できる。
【0034】
なお、TOPの変化に対するCNの変化も、図4に示すような曲線となるものである。このため、CNが最適となるTOBも、BERが最適なTOPを判定する手法と同様な手法で実現することが可能である。
【0035】
次に、TOBの設定処理について説明する。
図5は、TOBの設定処理(チャンネル選局動作)を説明するためのフローチャートである。図5に示す処理は、チャンネルを選局する際に実行されるものであるものとする。
まず、チャンネル選局動作が開始されると、制御部4は、第1の検索処理として、CNが最適となるTOPを検索する処理(CNによる最適TOP検索処理)を実行する(ステップS11)。このCNによる最適TOP検索処理は、TOPを変化させつつ、CNが一番良好になるTOPを検索する処理である。このCNによる最適TOP検索処理については、後で詳細に説明する。
【0036】
CNによる最適TOP検索処理によりCNが最適となるTOPを検索すると、制御部4は、当該TOPをTOP設定部24に設定する(ステップS12)。TOPが設定されると、TOP設定部24は、当該TOPに応じた利得を利得制御部25、26に設定する。この状態において、制御部4は、誤り訂正部22により測定したBERが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS13)。ここでは、ステップS12で設定したTOPによるBERがエラーフリーの状態とみなすことができるか否かを判定している。つまり、上記ステップS13では、ステップS12で設定したTOPによるBERがエラーフリーとして許容できる値(所定値)以下であるか否かを判断している。
【0037】
上記判断によりBERが所定値以下であると判断した場合、制御部4は、第2の検索処理として、BERが最適となるTOPを検索する処理(BERによる最適TOP検索処理)を実行する(ステップS14)。このBERによる最適TOP検索処理は、TOPを変化させつつ、BERが一番良好になるTOPを検索する処理である。このBERによる最適TOP検索処理については、後で詳細に説明する。最適BER処理によりBERが最適となるTOPを検索すると、制御部4は、当該TOPをTOP設定部24に設定し(ステップS15)、処理を終了する。
【0038】
上述した処理手順では、BERが最適となるTOB検索処理よりも先にCNが最適となるTOB検索処理を実施するようになっている。これは、選局動作としてのTOPの設定を高速に実施するためである。CNの測定は、BERの測定に比べて高速に行うことができる。このため、本実施の形態では、先にCNによる最適TOPの検索処理を行い、この検索した最適TOPによるBERが所定値以下であれば当該TOPを設定するようにしている。この結果として、チャンネルの選局時間を短縮できる。
【0039】
次に、CNによる最適TOP検索処理について説明する。
図6は、CNによる最適TOP検索処理を説明するためのフローチャートである。
【0040】
CNが最良となるTOPを検索する処理(最適TOP検索処理)を開始すると、制御部4は、CNが最適となるTOPを検索する処理(最適TOP検索処理)を行う。ここで、TOPの変化ポイントは、図4に示すように、所定の間隔(ΔTOPSETP)で複数ポイントが存在するものとする。
【0041】
まず、制御部4は、ΔTOPSETPを1STEPとし(ステップS21)、現在のTOPにΔTOPSETPを加えたものを新たなTOP(TOP=TOP+ΔTOPSETP)として設定する。これは、TOPの値を各変化ポイントのうち次に大きな値のTOP(図4に示す例は右隣のポイントのTOP)に変更するものである。この状態において、制御部4は、復調部21によりCNを測定する(ステップS22)。新たに設定したTOPでCNを測定すると、制御部4は、新たなTOPで測定したCNと前回のTOPで測定したCNとを比較することにより、CNが改善したか否かを判断する(ステップS23)。
【0042】
上記ステップS23でCNが改善しなかったと判断した場合(ステップS23、NO)、制御部4は、−ΔTOPSETPを1STEPとし(ステップS24)、上記ステップS22へ進む。つまり、CNが改善しなかった場合、制御部4は、TOPの値を各変化ポイントのうち次に小さな値のTOP(図4に示す例では左隣のポイントのTOP)に変更してCNを測定するものである。上記ステップS21〜S24の処理は、CNが改善されるTOPの変化方向を判定する処理である。たとえば、図4に示す例では上記ステップS21〜S24の処理により、TOPPを右側へ移行させてCNを計測するか左側へ移行させてCNを測定するかを判定している。
【0043】
上記ステップS23でCNが改善したと判断した場合(ステップS23、YES)、制御部4は、さらに、現在のTOPにΔTOPSETPを加えたものを新たなTOP(TOP=TOP+ΔTOPSETP)とし、CNを測定する(ステップS25)。新たなTOPでCNを測定すると、制御部4は、新たなTOPで測定したCNと前回のTOPで測定したCNとを比較することにより、CNが改善したか否かを判断する(ステップS26)。
【0044】
上記ステップS26でCNが改善したと判断した場合(ステップS26、YES)、制御部4は、上記ステップS25、S26の処理を繰り返し実行する。上記ステップS26でCNが改善しなかったと判断した場合(ステップS26、NO)、制御部4は、TOP=TOP−ΔTOPSETPとすることにより、TOPを前回のTOPに設定し、処理を終了する。これは、順に改善していたCNが改善しなくなった直前のTOPが最もCNが良好となるTOPとするものである。上記ステップS25〜S27の処理は、CNが最も良好となるTOPを特定する処理である。すなわち、制御部4は、上記ステップS25〜S27の処理によりTOPを大きい順あるいは小さい順に変更してCNを改善していき、CNが悪化した直前のTOPを最適なTOPとして検出する。
以上のような最適TOP検索処理によれば、CNが最良となるTOPを効率よく検出することができ、CNによる最適TOPの検索を高速化できる。
【0045】
次に、BERによる最適TOP検索処理について説明する。
図7は、BERを最適TOP検索処理を説明するためのフローチャートである。
【0046】
まず、BERによる最適TOP検索を開始する場合、制御部4は、所望のチャンネル以外のチャンネルによる妨害波があるかどうかを判断する処理を行う(ステップS30)。ここで、妨害波の検出手段としての妨害波の判断方法について説明する。RFアンプ14から出力される信号は、狭帯域のBPF18を通る前であるため、所望のチャンネル以外の妨害波も含まれている可能性がある。つまり、レベル検出部23により検出される信号レベルは妨害波の信号入力レベルの情報も含んでいる。一方、AD変換部20に入力される信号(IFアンプ19から出力される信号)は、BPF18を通過した後の信号であるため、所望の周波数の信号(所望のチャンネルの信号)のみのレベル情報となる。したがって、レベル検出部23により検出される信号のレベルとAD変換部20に入力される信号のレベルを比較することにより、妨害波の有無を判断できる。
【0047】
上記ステップS30で妨害波がないと判断した場合(ステップS30、NO)、制御部4は、BERによる最適TOP検索は行わず終了する。これは、基本的にCNを減らす方向での最適TOPの検索は、妨害波に対してのみ有効であるためである。すなわち、妨害波による受信障害でない場合、制御部4は、TOPをCNによる最適TOP検索処理により検索したTOP(CNが最大となるTOP)に固定し、BERによる最適TOP検索は行わない。
【0048】
これに対して他のチャンネルによる妨害波が存在すると判断した場合(ステップS30、YES)、制御部4は、BERが最適となるTOPを検索する処理(最適TOP検索処理)を行う。ここで、TOPの動作点は、図4に示すように、所定の複数点であるものとし、隣接する各ポイント間の間隔がΔTOPSETPであるものとする。
【0049】
まず、制御部4は、ΔTOPSETPを1STEPとし(ステップS31)、現在のTOPにΔTOPSETPを加えたものを新たなTOP(TOP=TOP+ΔTOPSETP)として設定する。これは、TOPの値を各変化ポイントのうち次に大きな値のTOP(図4に示す例は右隣のポイントのTOP)に変更するものである。この状態において、制御部4は、誤り訂正部22によりBERを測定する(ステップS32)。新たに設定したTOPでBERを測定すると、制御部4は、新たなTOPで測定したBERと前回のTOPで測定したBERとを比較することにより、BERが改善したか否かを判断する(ステップS33)。
【0050】
上記ステップS33でBERが改善しなかったと判断した場合(ステップS33、NO)、制御部4は、−ΔTOPSETPを1STEPとし(ステップS34)、上記ステップS32へ進む。つまり、BERが改善しなかった場合、制御部4は、TOPの値を各変化ポイントのうち次に小さな値のTOP(図4に示す例では左隣のポイントのTOP)に変更してBERを測定するものである。
上記ステップS31〜S34の処理は、BERが改善されるTOPの変化方向を判定する処理である。たとえば、図4に示す例では上記ステップS31〜S34の処理により、TOPを右側へ移行させてBERを計測するか左側へ移行させてBERを測定するかが判定される。
【0051】
上記ステップS33でBERが改善したと判断した場合(ステップS33、YES)、制御部4は、さらに、現在のTOPにΔTOPSETPを加えたものを新たなTOP(TOP=TOP+ΔTOPSETP)とし、BERを測定する(ステップS35)。新たなTOPでBERを測定すると、制御部4は、新たなTOPで測定したBERと前回のTOPで測定したBERとを比較することにより、BERが改善したか否かを判断する(ステップS36)。
【0052】
上記ステップS36でBERが改善したと判断した場合(ステップS36、YES)、制御部4は、上記ステップS35、S36の処理を繰り返し実行する。上記ステップS36でBERが改善しなかったと判断した場合(ステップS36、NO)、制御部4は、TOP=TOP+ΔTOPSETPとすることにより、TOPを前回のTOPに設定し、処理を終了する。これは、改善してきたBERが改善しなくなった直前のTOPが最もBERが良好となるTOPとするものである。
上記ステップS35〜S37の処理は、BERが最も良好となるTOPを特定する処理である。すなわち、制御部4は、上記ステップS35〜S37の処理によりTOPを大きい順あるいは小さい順に変更してBERを改善していき、BERが悪化した直前のTOPを最適なTOPとして検出する。
以上のような最適TOP検索処理によれば、BERが最良となるTOPを効率よく検出することができ、BERによる最適TOPの検索を高速化できる。
【0053】
ここで、図4を参照しつつ、BERによる最適TOP検索の具体的な処理例について説明する。
たとえば、最適TOP検索が始まる前のTOPが図4に示すa点であると仮定する。この場合、制御部4は、TOPをΔTOPだけ右側に移動させてb点に変更する。このb点でのBERは、図4に示す例によれば、a点でのBERに対して改善している。このため、制御部4は、さらに、TOPをΔTOPだけ右側に移動させてc点に変更する。このc点でBERは、図4に示す例によれば、b点でのBERよりも改善している。このため、制御部4は、さらにTOPをΔTOPだけ右側に移動させてd点に変更する。このd点でのBERは、図4に示す例によれば、c点のBERよりも悪化している。このため、制御部4は、−ΔTOPだけ移動(ΔTOPだけ左側へ移行)させたc点がBERが最良となるTOPとして検出する。つまり、この場合、TOPは、a点、b点、c点、d点、c点と各ポイントを移動し、c点が最も良好なBERが得られるTOPとして検出される。
【0054】
また、最適TOP検索は始まる前のTOPが図4に示すd点であると仮定する。この場合、d点、e点、d点、c点、b点、c点と各ポイントを移動し、cポイントが最も良好なBERが得られるTOPとして検出される。
【0055】
上述の処理では、まず、チャンネル選局時にTOPを変化させながら良好なCNが得られるTOPを検出し、この検出した良好なCNが得られるTOPでのBERが許容範囲内であれば当該TOPを固定する。これにより、高速かつ安定した選局動作が可能となる。
また、選局時に良好なCNあるいはBERが得られるTOPを効率良く検索するためのアルゴリズムを導入することにより、高速な選局動作が可能となる。また、上記の処理では、チャンネル選局時に最適なTOPを検索する処理を行うため、予めTOPの最適値を保存するための不揮発性メモリなどの記憶装置が不要である。
【0056】
さらに、妨害波を検出する機能(回路)を追加することにより、妨害波の検出が可能になり、受信エラーの原因が妨害波によるものなのかどうかが判別可能となる。この結果として、妨害波が検出されない場合、妨害波の影響を軽減するためのBERによる最適TOP検索を行わないようにすることにより、不安定な動作を防ぐことが可能となる。
【0057】
以上のように、本実施の形態によれば、デジタル受信機において、高速な選局動作を実現しつつ、動作的に安定した状態で妨害波の影響を軽減することが可能なTOPの制御を実現できる。
【0058】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】TVの構成例を概略的に示すブロック図である。
【図2】受信部の構成例を示すブロック図である。
【図3】入力信号のレベルに応じて、RFアンプに設定される利得とIFアンプに設定される利得との設定例を示す図である。
【図4】TOPの変化に対するBERの例を示す図である。
【図5】TOBの設定処理(チャンネル選局動作)を説明するためのフローチャートである。
【図6】CNを最適TOP検索処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】BERを最適TOP検索処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1…アンテナ、2…TV、4…制御部、5…受信部、6…トランスポートストリーム処理部、7…信号処理部、8…表示部、9…音声出力部、12…増幅回路、13…帯域通過フィルタ(BPF)、14…可変利得RFアンプ、15…ミキサ、16…局部発振回路(OSC)、17…中間周波数アンプ、18…帯域通過フィルタ(BPF)、19…可変利得IFアンプ、20…AD変換部、21…復調部、22…誤り訂正部、23…レベル検出部、24…TOP設定部、25…利得制御部、26…利得制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調された高周波信号を増幅する第1のアンプと、前記第1のアンプにより増幅された前記高周波信号を中間周波数の信号に変換する変換器と、前記変換器により得られた前記中間周波数の信号を増幅する第2のアンプとを有する受信機に用いられる利得制御装置において、
搬送波に対する雑音比が最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第1の検索手段と、
前記高周波信号に含まれている妨害波を検出する検出手段と、
この検出手段により妨害波が検出された場合、ビットエラーレートが最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第2の検索手段と、
前記第2の検索手段による設定レベルの検索が行われなった場合、前記第1の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御し、前記第2の検索手段により設定レベルが検索された場合、前記第2の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御する利得制御手段と、
を具備することを特徴とする利得制御装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記第1の検索手段により検索された設定レベルでのビットエラーレートが所定の値よりも大きい場合に、前記高周波信号に含まれている妨害波の検出を行う、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の利得制御装置。
【請求項3】
前記第1の検索手段は、搬送波に対する雑音比が改善される方向で設定レベルを順に変更することにより前記搬送波に対する雑音比が最良となる設定レベルを決定する、
ことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の利得制御装置。
【請求項4】
前記第2の検索手段は、ビットエラーレートが改善される方向で設定レベルを順に変更することによりビットエラーレートが最良となる設定レベルを決定する、
ことを特徴とする前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の利得制御装置。
【請求項5】
デジタル放送波を受信する受信機において、
変調された高周波信号を増幅する第1のアンプと、
前記第1のアンプにより増幅された前記高周波信号を中間周波数の信号に変換する変換器と、
前記変換器により得られた前記中間周波数の信号を増幅する第2のアンプと、
搬送波に対する雑音比が最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第1の検索手段と、
前記高周波信号に含まれている妨害波を検出する検出手段と、
この検出手段により妨害波が検出された場合、ビットエラーレートが最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索する第2の検索手段と、
前記第2の検索手段による設定レベルの検索が行われなった場合、前記第1の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御し、前記第2の検索手段により設定レベルが検索された場合、前記第2の検索手段により検索された設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御する利得制御手段と、
を具備することを特徴とする受信機。
【請求項6】
変調された高周波信号を増幅する第1のアンプと、前記第1のアンプにより増幅された前記高周波信号を中間周波数の信号に変換する変換器と、前記変換器により得られた前記中間周波数の信号を増幅する第2のアンプとを有する受信機に用いられる利得制御方法であって、
搬送波に対する雑音比が最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索し、
前記高周波信号に含まれている妨害波を検出し、
前記妨害波が検出された場合、ビットエラーレートが最適となる前記第1のアンプおよび前記第2のアンプに対する利得の設定レベルを検索し、
前記ビットエラーレートが最適となる設定レベルの検索が行われなった場合、前記検索された搬送波に対する雑音比が最適となる設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御し、
前記ビットエラーレートが最適となる設定レベルが検索された場合、前記ビットエラーレートが最適となる設定レベルに基づいて前記第1のアンプおよび前記第2のアンプの利得を制御する、
ことを特徴とする利得制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−16912(P2009−16912A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173049(P2007−173049)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】