説明

利用料金算出装置、ゲートウェイシステム、利用料金算出方法及びプログラム

【課題】異なるネットワークに接続されたクライアント装置とサーバ装置とを接続するゲートウェイ装置に発生するNGNの利用料金から、サーバ装置に課する利用料金を適切に算出する。
【解決手段】ゲートウェイ情報読出部2が、ゲートウェイ装置から、NGNを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む送受信履歴情報を読み出す。そして、利用割合算出部5が、送受信履歴情報に基づいてゲートウェイ装置によるNGNの全利用量に対するサーバ装置毎のNGNの利用量の割合を算出し、利用料金算出部6は、利用料金入力部3が入力を受け付けた利用料金に利用割合算出部5が算出した割合を乗算することで、サーバ装置毎の利用料金を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から、前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する利用料金算出装置、ゲートウェイシステム、利用料金算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IPネットワークの普及に伴い、高い信頼性を有し、かつIPネットワークの自由度を有するネットワークであるNGN(Next Generation Network:次世代ネットワーク)による通信が提案されている。NGNに接続された機器同士は、SIP(Session Initiation Protocol:セッション確立プロトコル)に従って通信を行うことが規定されている。
【0003】
また、従来用いられているWebアプリケーションサーバ装置(以下、サーバ装置とする)は、主にHTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)に従って通信を行う。このような従来のサーバ装置が提供するサービスを、上述したNGNに接続された機器に提供することで、ユーザに便利な情報を提供することができると考えられる。
また、NGNでは、サードパーティ・ISP等の連携に関し、NGNとサーバ装置との接続インターフェースであるSNI(Server Network Interface:アプリケーションサーバ・網インターフェース)を公開している。そして、このSNIを介することで、サーバ装置は、クライアント装置にサービスを提供することができる。
【0004】
しかしながら、NGNが公開しているSNIは、VOD(Video On Demand:ビデオオンデマンド)等のマルチキャスト用に公開されたSIPインターフェースであり、HTTPによる通信を行う既存のサーバ装置との連携は想定されていない。つまり、既存のサーバ装置とNGNに接続された機器とは、互いに用いるプロトコルが異なるため、通信を行うことができないという問題がある。そのため、既存のサーバ装置がNGNに接続された機器とリアルタイムデータ通信を行う場合、管理者は、NGNが公開しているSNIとサーバ装置とをSIP連携させる必要がある。
【0005】
サーバ装置をSIP連携させるには、管理者がサーバ装置にSIPプロトコルスタックを実装する必要がある。したがって、管理者は、電話通信に対するスキル及びノウハウを有し、電話の接続方法やNGNインターフェース規定を理解する必要がある。
このように、2つの異なるプロトコルで通信を行う機器同士をリアルタイムデータ通信させることは、困難であるという問題があった。
【0006】
このような問題を解決する方法として、サーバ装置とクライアント装置との間に、SIPとHTTPとのプロトコルの相互変換を行うゲートウェイ装置を備える方法が考えられる。
なお、特許文献1に、プロトコルの異なる環境上に構築されるアプリケーションを相互連携する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−115737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、サーバ装置とクライアント装置との間にゲートウェイ装置を備える場合、他の装置に発生すべき利用料金がゲートウェイ装置に発生してしまうという問題がある。以下に、具体的な例を挙げる。
例えば、クライアント装置からサーバ装置にメッセージを送信する場合、NGNを介してメッセージを送信する装置はクライアント装置である。このとき、NGNが発側課金制である場合、NGNの利用料金はクライアント装置に発生する。
他方、サーバ装置からクライアント装置にメッセージを送信する場合、NGNを介してメッセージを送信する装置はゲートウェイ装置である。したがって、NGNの利用料金はサーバ装置に発生せず、ゲートウェイ装置に発生することとなる。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から、通信装置のそれぞれに課する利用料金を適切に算出する利用料金算出装置、ゲートウェイシステム、利用料金算出方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置であって、前記ゲートウェイ装置から、少なくとも前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報の入力を受け付ける伝送履歴入力部と、前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付ける利用料金入力部と、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のネットワークの利用量の割合を算出する利用割合算出部と、前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する利用料金算出部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明において、前記一のネットワークの利用量とは、ネットワークの接続時間のことであり、前記伝送履歴入力部が入力を受け付ける伝送履歴情報は、前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元、伝送開始時刻、及び伝送終了時刻を含み、前記利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報から、伝送開始時刻から伝送終了時刻までの時間である伝送時間を算出し、算出した伝送時間の総和に対する前記通信装置毎の伝送時間の割合を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明において、前記一のネットワークの利用量とは、データの伝送回数のことであり、前記利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報から、前記ゲートウェイ装置が伝送した全メッセージ数に対する前記通信装置毎の伝送メッセージ数の割合を算出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記一のネットワークの利用量とは、伝送データ量のことであり、前記伝送履歴入力部が入力を受け付ける伝送履歴情報は、前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元及びメッセージのデータ量を含み、前記利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報から、前記ゲートウェイ装置が伝送したメッセージのデータ量の総和に対する前記通信装置毎の伝送メッセージのデータ量の割合を算出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、一のプロトコルによって通信を行うクライアント装置と、他のプロトコルによって通信を行うサーバ装置とを接続するゲートウェイ装置と、前記ゲートウェイ装置に発生する一のプロトコルを用いるネットワークの利用料金に基づいて前記サーバ装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置とを備えるゲートウェイシステムであって、前記ゲートウェイ装置は、前記一のプロトコルを用いて自装置にアクセスするための複数の異なる識別情報であるゲートウェイアクセス情報のそれぞれに関連付けて、前記他のプロトコルを用いて前記サーバ装置にアクセスするための識別情報であるサーバアクセス情報を記憶する識別情報記憶部と、前記クライアント装置から前記一のプロトコルで規定されたヘッダを有するデータを受信するクライアント受信部と、前記識別情報記憶部から、前記クライアント受信部が受信したデータに含まれる前記ゲートウェイアクセス情報に関連付けられたサーバアクセス情報を読み出すサーバアクセス情報読出部と、前記サーバアクセス情報読出部が読み出したサーバアクセス情報を送信先とする前記他のプロトコルで規定されたヘッダを有し、前記クライアント受信部が受信したデータが示す情報をボディに含むデータを生成するサーバデータ生成部と、前記サーバデータ生成部が生成したデータを前記サーバ装置に送信するサーバ送信部と、前記一のプロトコルを用いて伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報を蓄積する伝送履歴情報蓄積部とを備え、前記利用料金算出装置は、前記ゲートウェイ装置の伝送履歴情報蓄積部から、前記伝送履歴情報の入力を受け付ける伝送履歴入力部と、前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のプロトコルを用いたネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付ける利用料金入力部と、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のプロトコルを用いたネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のプロトコルを用いたネットワークの利用量の割合を算出する利用割合算出部と、前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する利用料金算出部とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置を用いた利用料金算出方法であって、伝送履歴入力部は、前記ゲートウェイ装置から、少なくとも前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報の入力を受け付け、利用料金入力部は、前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付け、利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のネットワークの利用量の割合を算出し、利用料金算出部は、前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置を、前記ゲートウェイ装置から、少なくとも前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報の入力を受け付ける伝送履歴入力部、前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付ける利用料金入力部、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のネットワークの利用量の割合を算出する利用割合算出部、前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する利用料金算出部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明では、利用割合算出部が、伝送履歴情報に基づいてゲートウェイ装置100による一のネットワークの全利用量に対する通信装置毎の一のネットワークの利用量の割合を算出する。そして、利用料金算出部は、一のネットワークの利用料金に利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、通信装置毎の利用料金を算出する。
これにより、ゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から、それぞれの通信装置に課する利用料金を適切に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態によるゲートウェイ装置を介して、クライアント装置からサーバ装置へメッセージを伝送する処理の概略を示す図である。
【図2】SIP及びHTTPのレイヤ構造を示す図である。
【図3】第1の実施形態によるゲートウェイ装置を用いたサーバ装置の特定方法を示す図である。
【図4】第1の実施形態によるゲートウェイ装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】サーバ情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
【図6】送受信履歴記憶部が記憶するテーブルの構成を示す図である。
【図7】第1の実施形態によるゲートウェイ装置のSIPパケット受信時の動作を示すフローチャートである。
【図8】SIPメッセージからHTTPメッセージを生成する例を示す図である。
【図9】第1の実施形態によるゲートウェイ装置を介して、サーバ装置からクライアント装置へメッセージを伝送する処理の概略を示す図である。
【図10】第1の実施形態によるクライアント装置の特定方法を示す図である。
【図11】第1の実施形態によるゲートウェイ装置のHTTPパケット受信時の動作を示す第1のフローチャートである。
【図12】第1の実施形態によるゲートウェイ装置のHTTPパケット受信時の動作を示す第2のフローチャートである。
【図13】HTTPメッセージからSIPメッセージを生成する例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態による利用料金算出装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図15】利用料金算出装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図16】利用料金算出装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態によるゲートウェイシステムの構成を示す概略ブロック図である。
【図18】収容管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図19】方路情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
【図20】サーバ情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
【図21】収容管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図22】他の実施形態によるゲートウェイ装置を用いたサーバ装置の特定方法を示す第1の図である。
【図23】他の実施形態によるゲートウェイ装置を用いたサーバ装置の特定方法を示す第2の図である。
【図24】他の実施形態によるクライアント装置の特定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
まず、本発明による利用料金算出装置1の料金算出対象となるゲートウェイ装置100の動作を説明する。
図1は、第1の実施形態によるゲートウェイ装置を介して、クライアント装置からサーバ装置へメッセージを伝送する処理の概略を示す図である。
ゲートウェイ装置100は、SIPによって通信を行うクライアント装置200(通信装置)と、HTTPによって通信を行うサーバ装置300(通信装置)とを接続する。なお、図1には図示しないが、クライアント装置200は、UNI(User Network Interface:ユーザ・網インターフェース)及びP/I/S−CSCF(Proxy/Interrogating/Serving−Call Session Control Function:呼セッション制御機能)を介してゲートウェイ装置100に接続している。
UNIは、NGN(一のネットワーク)とクライアント装置200などのユーザ端末との間のインターフェースである。
P/I/S−CSCFは、SIPに基づいて、ユーザの登録やセッション設定の制御を行うSIPサーバである。
【0020】
ゲートウェイ装置100は、クライアント装置200から送信されたSIPメッセージを受信し、応答として処理の成功を示す「200 OK」を送信する。次に、ゲートウェイ装置100は、SIPメッセージに含まれる宛先情報を格納したSIPヘッダであるToやR−URI(Request−Uniform Resource Identifier:リクエスト統一資源ID)等から送信先のサーバ装置300を特定する。そして、ゲートウェイ装置100は、当該サーバ装置300に受信したSIPメッセージの内容をHTTPによって送信する。
このように、本実施形態では、ゲートウェイ装置100を介して通信を行うことで、クライアント装置200とサーバ装置300とのリアルタイムデータ通信を行う。
【0021】
図2は、SIP及びHTTPのレイヤ構造を示す図である。
ここで、SIP及びHTTPのレイヤ構造を説明する。
SIPによる通信は、下位のプロトコルとして、トランスポート層にUDP(User Datagram Protocol:ユーザデータグラムプロトコル)を用い、ネットワーク層にIP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)を用いる。したがって、ゲートウェイ装置100は、クライアント装置200からIPパケットを受信する。このとき、IPパケットのボディには、UDPセグメントが格納され、さらに当該UDPセグメントのボディには、SIPメッセージが格納される。以下、SIPメッセージが格納されたIPパケットを「SIPパケット」と呼ぶ。
【0022】
他方、HTTPによる通信は、下位のプロトコルとして、トランスポート層にTCP(Transmission Control Protocol:伝送制御プロトコル)を用い、ネットワーク層にIPを用いる。したがって、ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300からIPパケットを受信する。このとき、IPパケットのボディには、TCPセグメントが格納され、さらに当該TCPセグメントのボディには、HTTPメッセージが格納される。以下、HTTPメッセージが格納されたIPパケットを「HTTPパケット」と呼ぶ。
さらに、サーバ装置300がMMS(Multimedia Messaging Service:マルチメディアメッセージングサービス)による通信を行う場合、HTTPメッセージのボディには、MMSメッセージが格納される。
【0023】
なお、IPパケットは、送信先IPアドレス等を格納するIPヘッダとボディとで構成されている。また、UDPセグメントは、送信先ポート番号等を格納するUDPヘッダとボディとで構成されている。また、TCPセグメントは、送信先ポート番号等を格納するTCPヘッダとボディとで構成されている。
また、SIPメッセージは、実行するコマンドや送信元電話番号(UNI番号、SNI番号)、送信先電話番号(UNI番号、SNI番号)等を格納するSIPヘッダとボディとで構成されている。また、HTTPメッセージは、メッセージの送信先となるアプリケーションのURL等を格納するHTTPヘッダとボディとで構成されている。
また、MMSメッセージは、送信先アドレスや送信元アドレス等を格納するMMSヘッダとボディとで構成されている。
【0024】
図3は、第1の実施形態によるゲートウェイ装置を用いたサーバ装置の特定方法を示す図である。
ゲートウェイ装置100は、自装置にアクセスするための識別情報であるSNI番号に割り当てられた追加番号(ゲートウェイアクセス情報)の各々に、サーバ装置300のIPアドレス(サーバアクセス情報)を関連付けて記憶している。図3によれば、ゲートウェイ装置100は、自装置の追加番号「043bbbxxxx」に関連付けて、サーバ装置300−1のIPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」を記憶し、自装置の追加番号「043bbbyyyy」に関連付けて、サーバ装置300−2のIPアドレス「yyy.yyy.yyy.yyy」を記憶している。
【0025】
ここで、本実施形態による通信方法を用いて、クライアント装置200がサーバ装置300−1にSMS(Short Message Service:ショートメッセージサービス)メッセージを送信する例を説明する。
まず、クライアント装置200が属するUNIは、宛先番号を示すSIPヘッダに、サーバ装置300−1のIPアドレスに関連付けられた追加番号を指定したSMSメッセージを生成する。次に、UNIは、自装置のUNI番号を収容するP/I/S−CSCFを介してSMSメッセージを送信する。ここで、SMSメッセージの宛先番号を示すSIPヘッダには、ゲートウェイ装置100に割り当てられた追加番号が格納されているため、SMSメッセージはゲートウェイ装置100に送信される。
【0026】
ゲートウェイ装置100は、P/I/S−CSCFからSMSメッセージを受信すると、受信したSMSメッセージに基づいて、HTTPメッセージを生成する。次に、受信したSMSメッセージのToやR−URI等を読み取り、当該宛先番号を示すSIPヘッダに格納された追加番号に関連付けられたIPアドレスを読み出す。そして、ゲートウェイ装置100は、読み出したIPアドレスを送信先とし、生成したHTTPメッセージを格納したパケットを生成し、当該パケットをSMS受信通知として送信する。
ここで、SMSメッセージの宛先番号を示すSIPヘッダは、サーバ装置300−1のIPアドレスに関連付けられているため、ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300−1にSMS受信通知を送信する。
このような手順で、ゲートウェイ装置100は、SIPメッセージの送信先となるサーバ装置300を特定することができる。
【0027】
次に、本実施形態によるゲートウェイ装置100の構成を説明する。
図4は、第1の実施形態によるゲートウェイ装置の構成を示す概略ブロック図である。
ゲートウェイ装置100は、クライアント受信部110、サーバ送信部120、サーバ受信部130、クライアント送信部140、ルーティング部150、履歴管理部160を備える。
クライアント受信部110は、クライアント装置200からSIPメッセージを格納したパケットを受信し、当該パケットから復元したSIPメッセージをルーティング部150に出力する。
サーバ送信部120は、ルーティング部150からHTTPパケットを読み出し、当該HTTPパケットをサーバ装置300に送信する。
サーバ受信部130は、サーバ装置300からHTTPパケットを受信し、当該HTTPパケットから復元したHTTPメッセージをルーティング部150に出力する。
クライアント送信部140は、ルーティング部150からSIPパケットを読み出し、当該SIPパケットをクライアント装置200に送信する。
ルーティング部150は、クライアント受信部110から入力したSIPメッセージに基づいてHTTPパケットを生成し、当該HTTPパケットをサーバ送信部120に送信する。また、ルーティング部150は、サーバ受信部130から入力したHTTPメッセージに基づいてSIPパケットを生成し、当該SIPパケットをクライアント送信部140に送信する。
履歴管理部160は、自装置が送受信したメッセージの状態を管理する。
【0028】
クライアント受信部110は、SIP受信部111、SIP形式チェック部112、SIPレスポンス生成部113を備える。
SIP受信部111は、クライアント装置200からSIPパケットを受信し、当該SIPパケットをSIP形式チェック部112に出力する。
SIP形式チェック部112は、SIP受信部111が受信したSIPパケットからSIPメッセージを復元し、当該SIPメッセージがSIPフォーマットを満たすか否かを判定する。
SIPレスポンス生成部113は、SIP受信部111が受信したSIPメッセージに関するSIPレスポンスを生成し、クライアント装置200に送信する。SIPレスポンスとは、SIP受信部111が受信したSIPメッセージに対する処理結果として返送するSIPメッセージである。
【0029】
サーバ送信部120は、HTTP読出部121、HTTP送信部122を備える。
HTTP読出部121は、ルーティング部150からHTTPパケットを読み出す。
HTTP送信部122は、HTTP読出部121が読み出したHTTPパケットをサーバ装置300に送信する。
【0030】
サーバ受信部130は、HTTP受信部131、HTTP形式チェック部132、HTTPレスポンス生成部133を備える。
HTTP受信部131は、サーバ装置300からHTTPパケットを受信し、当該HTTPパケットをHTTP形式チェック部132に出力する。
HTTP形式チェック部132は、HTTP受信部131が受信したHTTPパケットからHTTPメッセージを復元し、当該HTTPメッセージがHTTPフォーマットを満たすか否かを判定する。
HTTPレスポンス生成部133は、受信したHTTPメッセージに関するHTTPレスポンスを生成し、サーバ装置300に送信する。HTTPレスポンスとは、HTTP受信部131が受信したHTTPメッセージに対する処理結果として返送するHTTPメッセージである。
【0031】
クライアント送信部140は、SIP読出部141、SIP送信部142を備える。
SIP読出部141は、ルーティング部150からSIPパケットを読み出す。
SIP送信部142は、SIP読出部141が読み出したSIPパケットをクライアント装置200に送信する。
【0032】
ルーティング部150は、サーバ情報記憶部151(識別情報記憶部)、入力キュー152、メッセージ生成部153(ゲートウェイアクセス情報読出部、クライアントデータ生成部)、パケット生成部154(サーバアクセス情報読出部、サーバデータ生成部)、サーバ利用判定部155、出力キュー156を備える。
図5は、サーバ情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
サーバ情報記憶部151は、サーバ装置300を特定するサーバID、当該サーバ装置300に割り当てる追加番号、当該サーバ装置300が所属する企業の企業名、通信料の請求先となる企業住所、サーバ装置300のIPアドレス、接続するポート番号、メッセージに対する処理を行うアプリケーションのURLを示す通知先URL、料金の支払の有無、及びサーバ装置300の利用可能時間帯を関連付けて記憶する。
【0033】
入力キュー152は、クライアント受信部110またはサーバ受信部130からメッセージを入力し、当該メッセージを入力順に蓄積する。
メッセージ生成部153は、入力キュー152からメッセージを取り出し、当該メッセージに基づいて他のプロトコルのメッセージを生成する。すなわち、メッセージ生成部153は、入力キュー152から取り出したメッセージがSIPメッセージであった場合、当該SIPメッセージに基づいてHTTPメッセージを生成する。他方、メッセージ生成部153は、入力キュー152から取り出したメッセージがHTTPメッセージであった場合、当該HTTPメッセージに基づいてSIPメッセージを生成する。なお、本明細書中で、「取り出す」とは、キューが最初に入力した情報を読み出し、当該キューから読み出した情報を削除する動作のことをいう。
【0034】
パケット生成部154は、サーバ情報記憶部151が記憶する追加番号、IPアドレス及びポート番号に基づいて、メッセージ生成部153が生成したメッセージを格納したパケットを生成する。
サーバ利用判定部155は、パケット生成部154からパケットを入力し、サーバ情報記憶部151が記憶する料金の支払の有無及び利用可能時間帯に基づいて、入力したパケットの送信先または送信元となるサーバ装置300が現在利用可能であるか否かを判定する。また、サーバ利用判定部155は、サーバ装置300が利用可能であると判定した場合に、入力したパケットを出力キュー156に出力する。
出力キュー156は、サーバ利用判定部155からパケットを入力し、当該パケットを入力順に蓄積する。
【0035】
履歴管理部160は、送受信履歴記憶部161、ID生成部162、履歴登録部163を備える。
送受信履歴記憶部161は、パケットの受信履歴を示す受信履歴テーブル、受信したパケットが示すコンテンツの情報を示すコンテンツ情報テーブル、送信したパケットの情報を示す送信情報テーブルを記憶する。
ID生成部162は、クライアント受信部110またはサーバ受信部130がパケットを受信すると、当該パケットに格納されたメッセージを特定するメッセージIDを生成する。
履歴登録部163は、クライアント受信部110、サーバ送信部120、サーバ受信部130、クライアント送信部140によってメッセージが処理される毎に、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルまたは送信情報テーブルに新たに当該メッセージの情報を登録する。
【0036】
図6は、送受信履歴記憶部が記憶するテーブルの構成を示す図である。
送受信履歴記憶部161のコンテンツ情報テーブルは、図6(a)に示すように、受信したメッセージに含まれるコンテンツを特定するコンテンツID、受信したメッセージに含まれるコンテンツの種別を示すコンテンツタイプ、及びメッセージサイズを関連付けて格納する。
送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルは、図6(b)に示すように、受信したメッセージを特定するメッセージID、受信したメッセージに含まれるコンテンツを特定するコンテンツID、送受信の種別、メッセージの受信日時、当該メッセージに対する送達確認要求の有無、当該メッセージに対する処理状態を示すステータスを関連付けて格納する。
なお、受信履歴テーブルの「送受信の種別」には、クライアント装置200からメッセージを受信する処理を示す「振り分け要求」、クライアント装置200から受信したメッセージをサーバ装置300に送信する処理を示す「振り分け通知」、サーバ装置300からメッセージを受信する処理を示す「SMS送信」、サーバ装置300から受信したメッセージをクライアント装置200に送信する処理を示す「SMS通知」、サーバ装置300に送達確認を送信する処理を示す「SMS送達確認」の何れかが格納される。
また、「送達要求の有無」は、MMSメッセージのMMSヘッダに含まれる情報である。なお、当該MMSメッセージは、サーバ装置300が送信するHTTPメッセージのボディに格納されるものである。
【0037】
送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルは、図6(c)に示すように、送信するメッセージを特定するメッセージID、メッセージIDに関連付けられた送信情報のシーケンス番号を示す送信ID、メッセージの送信元、メッセージの送信先、送受信の種別、当該メッセージに対する処理状態を示すステータス、メッセージの送信日時を関連付けて格納する。
【0038】
そして、このような構成を備えるゲートウェイ装置100において、SIP受信部111は、クライアント装置200からSIPパケットを受信する。次に、メッセージ生成部153は、クライアント受信部110が受信したSIPパケットに含まれる追加番号からサーバ装置300のIPアドレスを読み出す。次に、HTTP読出部121は、メッセージ生成部153が読み出したIPアドレスを送信先とするHTTPヘッダを有し、SIP受信部111が受信したSIPパケットが示す情報をボディに含むHTTPパケットを生成する。そして、HTTP送信部122は、HTTP読出部121が生成したHTTPパケットをサーバ装置300に送信する。
これにより、クライアント装置200はサーバ装置300とリアルタイムデータ通信を行うことができる。
【0039】
次に、本実施形態によるゲートウェイ装置100の動作を説明する。
図7は、第1の実施形態によるゲートウェイ装置のSIPパケット受信時の動作を示すフローチャートである。
まず、クライアント装置200がゲートウェイ装置100の追加番号を送信先としてSIPパケットを送信すると、クライアント受信部110のSIP受信部111は、クライアント装置200から当該SIPパケットの受信を開始する(ステップS101)。
SIP受信部111がSIPパケットを受信すると、履歴管理部160のID生成部162は、当該SIPパケットに含まれるメッセージを特定するメッセージIDを生成する(ステップS102)。次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161のコンテンツ情報テーブル及び受信履歴テーブルに、SIP受信部111が受信したSIPパケットに含まれるSIPメッセージの情報を登録する(ステップS103)。具体的には、履歴登録部163は、以下に示す処理を行うことで送受信履歴記憶部161にSIPメッセージの情報を登録する。
【0040】
まず、履歴登録部163は、SIP受信部111が受信したSIPパケットのペイロード部分からSIPヘッダを読み出す。次に、履歴登録部163は、読み出したSIPヘッダからコンテンツタイプ情報とメッセージサイズ情報を読み出す。そして、履歴登録部163は、コンテンツ情報テーブルのコンテンツIDに、一意な値を割当て、コンテンツ情報テーブルのコンテンツタイプ及びメッセージサイズに、SIPヘッダから読み出したコンテンツタイプ情報及びメッセージサイズ情報を格納する。
次に、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDにID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、コンテンツIDに、コンテンツ情報テーブルに登録したコンテンツIDを格納し、送受信種別に、「振り分け要求」を格納し、受信日時にサーバに有する時刻を格納し、ステータスに「処理中」を格納する。
【0041】
ステップS103で履歴登録部163が送受信履歴記憶部161にSIPメッセージの情報を登録し、SIP受信部111が一のSIPメッセージを示す一連のSIPパケットを全て受信すると、SIP形式チェック部112は、SIP受信部111が受信したSIPパケットからSIPメッセージを復元する(ステップS104)。次に、SIP形式チェック部112は、復元したSIPメッセージがSIPフォーマットを満たすか否かを判定する(ステップS105)。
【0042】
SIP形式チェック部112が、SIPフォーマットを満たしていないと判定した場合(ステップS105:NO)、SIPレスポンス生成部113は、要求にエラーがあることを示すSIPレスポンスを生成する(ステップS106)。そして、クライアント送信部140のSIP送信部142は、SIPレスポンス生成部113が生成したSIPレスポンスをクライアント装置200に送信する(ステップS107)。
【0043】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルにSIPメッセージの情報を登録する(ステップS108)。このとき、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDに、ステップS102でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「振り分け要求」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに、エラーを示す情報を格納する。
そして、履歴登録部163がSIPメッセージの情報を登録すると、ゲートウェイ装置100は、処理を終了する。
【0044】
他方、SIP形式チェック部112が、SIPフォーマットを満たしていると判定した場合(ステップS105:YES)、SIPレスポンス生成部113は、要求が正常に行われたことを示すSIPレスポンスを生成する(ステップS109)。そして、クライアント送信部140のSIP送信部142は、SIPレスポンス生成部113が生成したSIPレスポンスをクライアント装置200に送信する(ステップS110)。
【0045】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルにSIPメッセージの情報を登録する(ステップS111)。このとき、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDに、ステップS102でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「振り分け要求」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理済」を格納する。
【0046】
ステップS111で履歴登録部163がSIPメッセージの情報を登録すると、SIP形式チェック部112は、ステップS104で復元したSIPメッセージをルーティング部150の入力キュー152に登録する(ステップS112)。
次に、ルーティング部150のメッセージ生成部153は、入力キュー152からSIPメッセージを取り出し、当該SIPメッセージから送信先を示す追加番号を抽出する(ステップS113)。次に、メッセージ生成部153は、抽出した追加番号と、入力キュー152から取り出したSIPメッセージとに基づいて、サーバ装置300に送信するHTTPメッセージを生成する(ステップS114)。例えば、メッセージ生成部153が取り出したSIPメッセージがSMSメッセージであった場合、メッセージ生成部153は、SMSメッセージをMMSメッセージに変換し、当該MMSメッセージを格納したHTTPメッセージを生成する。
【0047】
図8は、SIPメッセージからHTTPメッセージを生成する例を示す図である。
ここで、SIPヘッダは、実行するコマンドを示すMESSAGE(本実施形態では、送信先のSIPアドレスが格納される)、送信元を示すFromやContact、送信先を示すToやR−URI等、リクエストのシーケンス番号を示すCseq、ボディに格納されるコンテンツの種別を示すContent−Typeを格納する。
また、HTTPヘッダは、メッセージの送信先となるアプリケーションのURLを示すPOST、及びボディに格納されるコンテンツの種別を示すContent−Typeを格納する。
【0048】
また、サーバ装置300へMMSメッセージを送信する場合、MMSメッセージは、HTTPメッセージのボディに格納される。このとき、MMSメッセージのMMSヘッダは、当該MMSメッセージの役割を示すX−Mms−Message−Type、当該MMSメッセージの属する処理を特定するX−Mms−Transaction−ID、MMSのバージョンを示すX−Mms−Version、送信元を示すFrom、送信先を示すTo、及びMMSボディに格納されるコンテンツの種別を示すContent−Typeを格納する。
【0049】
ここで、MMSメッセージを格納したHTTPメッセージを生成する例を説明する。まず、メッセージ生成部153は、図8に示すように、SIPメッセージのSIPヘッダからFromを抽出し、当該送信元情報をMMSメッセージのMMSヘッダのFromに格納する。また、メッセージ生成部153は、SIPメッセージのSIPヘッダのMESSAGEから追加番号を抽出し、当該追加番号をMMSメッセージのMMSヘッダのToに格納する。
次に、メッセージ生成部153は、SIPメッセージのボディに格納された情報を抽出し、当該情報をMMSメッセージのMMSボディに格納する。そして、メッセージ生成部153は、生成したMMSメッセージをHTTPメッセージのボディに格納する。次に、メッセージ生成部153は、ステップS113で抽出した追加番号に関連付けられた通知先URLをサーバ情報記憶部151から読み出し、HTTPメッセージのHTTPヘッダのPOSTに、当該通知先URLを格納する。
これにより、メッセージ生成部153は、HTTPメッセージを生成する
【0050】
ステップS114でメッセージ生成部153がHTTPメッセージを生成すると、パケット生成部154は、ステップS113でメッセージ生成部153が抽出した追加番号に関連付けられたIPアドレス及びポート番号をサーバ情報記憶部151から読み出す(ステップS115)。そして、パケット生成部154は、読み出したIPアドレス及びポート番号に基づいて、メッセージ生成部153が生成したHTTPメッセージからHTTPパケットを生成する(ステップS116)。具体的には、パケット生成部154は、当該HTTPパケットのTCPヘッダの送信先ポート番号に、読み出したポート番号を格納し、HTTPパケットのIPヘッダの送信先IPアドレスに、読み出したIPアドレスを格納する。
【0051】
次に、サーバ利用判定部155は、サーバ情報記憶部151が記憶する料金の支払の有無及び利用可能時間帯に基づいて、パケット生成部154が生成したHTTPパケットの送信先のサーバ装置300が利用可能であるか否かを判定する(ステップS117)。具体的には、サーバ利用判定部155は、パケット生成部154が読み出した追加番号に関連付けられた料金の支払の有無及び利用可能時間帯、着信者が通信を拒否している発着信番号情報をサーバ情報記憶部151から読み出す。そして、サーバ利用判定部155は、読み取った支払の有無が料金を支払っていないことを示す場合、当該サーバ装置300が利用不可能であると判定する。また、サーバ利用判定部155は、現在の時刻が読み取った利用可能時間帯の範囲外を示す場合、当該サーバ装置300が利用不可能であると判定する。また受信したSIPメッセージの発信者番号が着信者より通信拒否されている場合や非通知で発信された場合、当該サーバ装置300が利用不可能であると判定する。つまり、サーバ利用判定部155は、読み取った支払の有無が料金を支払っていることを示し、かつ現在の時刻が読み取った利用可能時間帯の範囲内を示し、かつ着信者によって発信者アドレスとの通信を拒否されてない場合に、当該サーバ装置300が利用可能であると判定する。
【0052】
サーバ利用判定部155が、サーバ装置300が利用不可能であると判定した場合(ステップS117:NO)、ゲートウェイ装置100は、処理を終了する。
他方、サーバ利用判定部155は、サーバ装置300が利用可能であると判定した場合(ステップS117:YES)、パケット生成部154が生成したHTTPパケットを出力キュー156に登録する(ステップS118)。
サーバ送信部120のHTTP読出部121は、ルーティング部150の出力キュー156からHTTPパケットを取り出す(ステップS119)。そして、サーバ送信部120のHTTP送信部122は、HTTP読出部121が取り出したHTTPパケットをサーバ装置300に送信する(ステップS120)。
【0053】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS121)。具体的には、履歴登録部163は、送信情報テーブルのメッセージIDに、ステップS102でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「振り分け通知」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理中」を格納する。
【0054】
履歴登録部163が、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにHTTPメッセージの情報を登録すると、サーバ受信部130のHTTP受信部131は、HTTP送信部122が送信したHTTPパケットに対するHTTPレスポンスの受信を待機する。そして、HTTP受信部131は、所定のタイムアウト時間の間にサーバ装置300からHTTPレスポンスを受信したか否かを判定する(ステップS122)。なお、タイムアウト時間とは、HTTP受信部131がレスポンスの受信の待機を終了して通信を切断するまでの時間のことである。
【0055】
HTTP受信部131がタイムアウト時間内にサーバ装置300からHTTPレスポンスを受信しなかった場合(ステップS122:NO)、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS123)。具体的には、履歴登録部163は、送信情報テーブルのメッセージIDに、ステップS102でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「振り分け通知」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスにタイムアウトを示す情報を格納する。そして、ゲートウェイ装置100は、処理を終了する。
【0056】
他方、HTTP受信部131がサーバ装置300からHTTPレスポンスを受信した場合(ステップS122:YES)、履歴管理部160の履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS124)。具体的には、履歴登録部163は、送信情報テーブルのメッセージIDに、ステップS102でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「振り分け通知」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理済」を格納する。
そして、履歴登録部163がHTTPメッセージの情報を登録すると、ゲートウェイ装置100は、処理を終了する。
上述した処理により、クライアント装置200は、ゲートウェイ装置100を介してサーバ装置300にデータを送信することができる。
【0057】
次に、サーバ装置300がクライアント装置200にデータを送信する場合を説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態によるゲートウェイ装置を介して、サーバ装置からクライアント装置へメッセージを伝送する処理の概略を示す図である。
ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300から送信されたHTTPメッセージを受信し、応答として処理の成功を示す「200 OK」を送信する。次に、ゲートウェイ装置100は、受信したHTTPメッセージの内容をSIPによってクライアント装置200に送信する。
【0058】
このとき、サーバ装置300とゲートウェイ装置100との間で送受信されるHTTPメッセージには、MMSメッセージが格納されている。そして、サーバ装置300からゲートウェイ装置100に送信されるMMSメッセージのタイプは、SMS送信要求を示す「M−Send.req」である。また、当該メッセージへの応答としてゲートウェイ装置100がサーバ装置300に送信するMMSメッセージのタイプは、送信要求レスポンスを示す「M−Send.conf」である。また、「M−Send.req」が送達確認を指定した場合、ゲートウェイ装置100は、クライアント装置200から応答を受信したときに、サーバ装置300に送達確認を示すMMSメッセージである「M−Derivery.ind」を送信する。
このような処理により、サーバ装置300はクライアント装置200にSMSメッセージを送信する。
【0059】
図10は、第1の実施形態によるクライアント装置の特定方法を示す図である。
ところで、NGNとクライアント装置200などのユーザ端末との間のインターフェースであるUNIは、複数のクライアント装置200に接続されるケースがある。このとき、サーバ装置は、同一のUNIに接続された複数のクライアント装置200の中から、メッセージの送信先となるクライアント装置200を特定する必要がある。
そこで、サーバ装置300は、クライアント装置200−1にアクセスする場合、クライアント装置200−1に割り当てられた追加番号を送信先とするパケットを生成し、ゲートウェイ装置100に送信する。
【0060】
ここで、本実施形態による通信方法を用いて、サーバ装置300がクライアント装置200−1にSMSメッセージを送信する例を説明する。
まず、サーバ装置300は、MMSメッセージの送信先を示すToに、クライアント装置200−1に割り当てられた追加番号を指定する。次に、サーバ装置は、ゲートウェイ装置100に当該MMSメッセージを送信する。
【0061】
ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300からMMSメッセージを受信すると、受信したMMSメッセージを読み取り、SIPメッセージを生成する。次に、受信したMMSのToを読み取り、読み出したToをR−URIとしたSIPパケットを生成し、当該SIPパケットをUNIに送信する。
このとき、SIPパケットのR−URIは、クライアント装置200−1に割り当てられた追加番号を示すため、UNIは、クライアント装置200−1にSIPパケットを転送する。
このような手順で、サーバ装置300は、MMSメッセージの送信先となるクライアント装置200を特定することができる。
【0062】
次に、ゲートウェイ装置100の動作を説明する。
図11は、第1の実施形態によるゲートウェイ装置のHTTPパケット受信時の動作を示す第1のフローチャートである。
図12は、第1の実施形態によるゲートウェイ装置のHTTPパケット受信時の動作を示す第2のフローチャートである。
サーバ装置300は、クライアント装置200に送信するMMSメッセージを格納したHTTPパケットを、ゲートウェイ装置100に送信する。なお、MMSメッセージのMMSヘッダには、送信元としてサーバ装置300のIPアドレスが格納され、送信先としてクライアント装置200のUNI番号または追加番号(クライアントアクセス情報)が格納されているものとする。
【0063】
サーバ装置300がHTTPパケットを送信すると、サーバ受信部130のHTTP受信部131は、サーバ装置300から当該HTTPパケットの受信を開始する(ステップS201)。
HTTP受信部131がHTTPパケットを受信すると、履歴管理部160のID生成部162は、当該HTTPパケットに含まれるメッセージを特定するメッセージIDを生成する(ステップS202)。次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161のコンテンツ情報テーブル及び受信履歴テーブルに、HTTP受信部131が受信したHTTPパケットに含まれるHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS203)。具体的には、履歴登録部163は、以下に示す処理を行うことで送受信履歴記憶部161にHTTPメッセージの情報を登録する。
【0064】
まず、履歴登録部163は、HTTP受信部131が受信したHTTPパケットのペイロード部分からHTTPヘッダを読み出す。次に、履歴登録部163は、読み出したHTTPヘッダからコンテンツタイプ情報とメッセージサイズ情報を読み出す。そして、履歴登録部163は、コンテンツ情報テーブルのコンテンツIDに、一意な値を割当て、コンテンツ情報テーブルのコンテンツタイプ及びメッセージサイズに、HTTPヘッダから読み出したコンテンツタイプ情報及びメッセージサイズ情報を格納する。
次に、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDにID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、コンテンツIDに、コンテンツ情報テーブルに登録したコンテンツIDを格納し、送受信種別に「SMS送信」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、送達確認に、HTTPパケットに含まれる送達確認の有無を示す情報を格納し、ステータスに「処理中」を格納する。
【0065】
ステップS203で履歴登録部163が送受信履歴記憶部161にHTTPメッセージの情報を登録し、HTTP受信部131が一のHTTPメッセージを示す一連のHTTPパケットを全て受信すると、HTTP形式チェック部132は、HTTP受信部131が受信したHTTPパケットからHTTPメッセージを復元する(ステップS204)。次に、HTTP形式チェック部132は、復元したHTTPメッセージがHTTPフォーマットを満たすか否かを判定する(ステップS205)。
【0066】
HTTP形式チェック部132が、HTTPフォーマットを満たしていないと判定した場合(ステップS205:NO)、HTTPレスポンス生成部133は、要求にエラーがあることを示すHTTPレスポンスを生成する(ステップS206)。そして、サーバ送信部120のHTTP送信部122は、HTTPレスポンス生成部133が生成したHTTPレスポンスをサーバ装置300に送信する(ステップS207)。
【0067】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS208)。このとき、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS送信」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに、エラーを示す情報を格納する。
そして、履歴登録部163がHTTPメッセージの情報を登録すると、ゲートウェイ装置100は、処理を終了する。
【0068】
他方、HTTP形式チェック部132が、HTTPフォーマットを満たしていると判定した場合(ステップS205:YES)、HTTPレスポンス生成部133は、要求が正常に行われたことを示すHTTPレスポンスを生成する(ステップS209)。そして、サーバ送信部120のHTTP送信部122は、HTTPレスポンス生成部133が生成したHTTPレスポンスをサーバ装置300に送信する(ステップS210)。
【0069】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS211)。このとき、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS送信」を格納し、送達確認の有無に、HTTPメッセージに格納されたMMSメッセージに含まれる送達確認要求の有無を示す情報を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理済」を格納する。
【0070】
ステップS211で履歴登録部163がHTTPメッセージの情報を登録すると、HTTP形式チェック部132は、ステップS205で復元したHTTPメッセージに格納されたMMSメッセージに含まれる、送達確認要求の有無を判定する(ステップS212)。
HTTP形式チェック部132が、MMSメッセージに含まれる送達確認要求が「有」を示すと判定した場合(ステップS212:YES)、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS213)。このとき、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS送達確認」を格納し、送達確認の有無に「有」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理中」を格納する。
【0071】
HTTP形式チェック部132が、MMSメッセージに含まれる送達確認要求が「無」を示すと判定した場合(ステップS212:NO)、または、ステップS213で履歴登録部163がHTTPメッセージの情報を登録した場合、HTTP形式チェック部132は、ステップS204で復元したHTTPメッセージをルーティング部150の入力キュー152に登録する(ステップS214)。次に、ルーティング部150のメッセージ生成部153は、入力キュー152からHTTPメッセージを取り出し、当該HTTPメッセージが格納するMMSヘッダから送信元を示すIPアドレスを抽出する(ステップS215)。
【0072】
次に、メッセージ生成部153は、抽出したIPアドレスに関連付けられた追加番号をサーバ情報記憶部151から読み出す(ステップS216)。そして、メッセージ生成部153は、読み出した追加番号と、入力キュー152から取り出したHTTPメッセージとに基づいて、クライアント装置200に送信するSIPメッセージを生成する(ステップS217)。
【0073】
図13は、HTTPメッセージからSIPメッセージを生成する例を示す図である。
ここで、HTTPメッセージからSIPメッセージを生成する例を説明する。まず、メッセージ生成部153は、図13に示すように、ステップS215で読み出したIPアドレスから変換された追加番号をSIPメッセージのFromに格納する。また、メッセージ生成部153は、MMSメッセージのMMSヘッダのToから宛先番号を抽出し、当該宛先番号をSIPメッセージのR−URI及びToに格納する。
次に、メッセージ生成部153は、MMSメッセージのボディに格納された情報を抽出し、当該情報をSIPメッセージのボディに格納する。
これにより、メッセージ生成部153は、SIPメッセージを生成する。
【0074】
ステップS214でメッセージ生成部153がSIPメッセージを生成すると、パケット生成部154は、当該SIPメッセージからSIPパケットを生成する(ステップS218)。具体的には、パケット生成部154は、当該SIPパケットのUDPヘッダの送信先ポート番号に、P/I/S−CSCFのポート番号を格納し、SIPパケットのIPヘッダの送信先IPアドレスに、P/I/S−CSCFのIPアドレスを格納する。
次に、サーバ利用判定部155は、サーバ情報記憶部151が記憶する料金の支払の有無及び利用可能時間帯に基づいて、HTTP受信部131が受信したHTTPパケットの送信元のサーバ装置300が利用可能であるか否かを判定する(ステップS219)。
【0075】
サーバ利用判定部155は、サーバ装置300が利用可能であると判定した場合(ステップS219:YES)、パケット生成部154が生成したHTTPパケットを出力キュー156に登録する(ステップS220)。
クライアント送信部140のSIP読出部141は、ルーティング部150の出力キュー156からSIPパケットを取り出す(ステップS221)。そして、SIP送信部142は、SIP読出部141が取り出したSIPパケットをクライアント装置200に送信する(ステップS222)。
【0076】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにSIPメッセージの情報を登録する(ステップS223)。具体的には、履歴登録部163は、送信情報テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS通知」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理中」を格納する。
【0077】
履歴登録部163が、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにSIPメッセージの情報を登録すると、クライアント受信部110のSIP受信部111は、SIP送信部142が送信したSIPパケットに対するSIPレスポンスの受信を待機する。そして、SIP受信部111は、所定のタイムアウト時間の間にクライアント装置200からSIPレスポンスを受信したか否かを判定する(ステップS224)。なお、タイムアウト時間とは、SIP受信部111がレスポンスの受信の待機を終了して通信を切断するまでの時間のことである。
【0078】
SIP受信部111がタイムアウト時間内にクライアント装置200からSIPレスポンスを受信しなかった場合(ステップS224:NO)、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにSIPメッセージの情報を登録する(ステップS225)。具体的には、履歴登録部163は、送信情報テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS通知」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスにタイムアウトを示す情報を格納する。
【0079】
他方、SIP受信部111がクライアント装置200からSIPレスポンスを受信した場合(ステップS224:YES)、履歴管理部160の履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにSIPメッセージの情報を登録する(ステップS126)。具体的には、履歴登録部163は、送信情報テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS通知」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理済」を格納する。
【0080】
ステップS219で、サーバ利用判定部155が、サーバ装置300が利用不可能であると判定した場合(ステップS219:NO)、またはステップS225もしくはステップS226で履歴登録部163が送受信履歴記憶部161の送信情報テーブルにSIPメッセージの情報を登録した場合、HTTP形式チェック部132は、ステップS212で送達確認要求が「有」を示すと判定したか否かを判定する(ステップS227)。
【0081】
HTTP形式チェック部132が、ステップS212で送達確認要求が「有」を示すと判定していた場合(ステップS227:YES)、HTTPレスポンス生成部133は、送達確認メッセージを生成する(ステップS228)。そして、HTTP送信部122は、HTTPレスポンス生成部133が生成した送達確認メッセージをサーバ装置300に送信する(ステップS229)。
【0082】
次に、履歴登録部163は、送受信履歴記憶部161の受信履歴テーブルにHTTPメッセージの情報を登録する(ステップS230)。このとき、履歴登録部163は、受信履歴テーブルのメッセージIDに、ステップS202でID生成部162が生成したメッセージIDを格納し、送受信種別に「SMS送達確認」を格納し、送達確認の有無に「有」を格納し、受信日時に現在時刻を格納し、ステータスに「処理済」を格納する。
そして、履歴登録部163がHTTPメッセージの情報を登録すると、ゲートウェイ装置100は、処理を終了する。
上述した処理により、サーバ装置300は、ゲートウェイ装置100を介してクライアント装置200にデータを送信することができる。
【0083】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ゲートウェイ装置100は、自装置の追加番号に関連付けてサーバ装置300のIPアドレスを記憶する。そして、クライアント装置200から受信したSIPメッセージに含まれる追加番号に基づいて、当該SIPメッセージの送信先のサーバ装置300を決定する。
そのため、クライアント装置200は、目的のサーバ装置300に関連付けられた追加番号を送信先とするSIPメッセージを送信することで、当該SIPメッセージに含まれる情報を、ゲートウェイ装置100を介して目的のサーバ装置300に伝送することができる。
【0084】
ゲートウェイ装置100が上述した動作を行うことで、ゲートウェイ装置100の履歴管理部160の送受信履歴記憶部161には、クライアント装置200またはサーバ装置300から受信したメッセージの送受信履歴情報が蓄積される。ここで、送受信履歴情報とは、コンテンツ情報テーブル、受信履歴テーブル、及び送信情報テーブルに格納されたそれぞれの情報のことを示す。
このとき、ゲートウェイ装置100がクライアント装置200またはサーバ装置300との通信に成功した場合、受信履歴テーブル及び送信情報テーブルには、同一のメッセージIDかつ同一の送受信種別に関連付けて、ステータスが「処理中」を示す送受信履歴情報と、ステータスが「処理済」またはエラー情報を示す送受信履歴情報とが蓄積される。
【0085】
次に、本発明による利用料金算出装置1の説明を行う。
図14は、本発明の一実施形態による利用料金算出装置の構成を示す概略ブロック図である。
利用料金算出装置1は、ゲートウェイ情報読出部2(伝送履歴入力部)、利用料金入力部3、送受信履歴抽出部4、利用割合算出部5、利用料金算出部6を備える。なお、利用料金算出装置1は、ゲートウェイ装置100に接続されている。
ゲートウェイ情報読出部2は、ゲートウェイ装置100から、サーバ情報記憶部151が記憶するサーバ情報、及び送受信履歴記憶部161に蓄積された送受信履歴情報を読み出す。
利用料金入力部3は、ゲートウェイ装置100の管理者から、ゲートウェイ装置100に請求されたNGNの利用料金情報の入力を受け付ける。
送受信履歴抽出部4は、ゲートウェイ情報読出部2が入力を受け付けた送受信履歴情報の中から、利用料金の算出に用いる送受信履歴情報を抽出する。
利用割合算出部5は、利用料金入力部3が入力を受け付けた利用料金情報と送受信履歴抽出部4が抽出した送受信履歴情報に基づいて、ゲートウェイ装置100によるNGNの全利用量に対するサーバ装置300毎のNGNの利用量の割合を算出する。
利用料金算出部6は、利用料金入力部3が入力を受け付けた利用料金に利用割合算出部5が算出した割合を乗算することで、サーバ装置300毎の利用料金を算出する。
【0086】
図15は、利用料金算出装置の動作を示す第1のフローチャートである。
次に、本発明による利用料金算出装置1の動作を説明する。ここでは、NGNが、発側課金制であり、かつ時間従量課金制である場合の利用料金算出方法を説明する。ここで、時間従量課金制とは、ネットワークを介した通信時間の長さに応じて課金を行う料金体系のことである。
まず、利用料金算出装置1のゲートウェイ情報読出部2は、ゲートウェイ装置100からサーバ情報記憶部151が記憶するサーバ情報、及び送受信履歴記憶部161が記憶する送受信履歴情報を読み出し、内部メモリに登録する(ステップS1)。つまり、ゲートウェイ情報読出部2の内部メモリには、図5に示す情報及び図6に示す情報が記録される。
次に、利用料金入力部3は、ゲートウェイ装置100の管理者から、ゲートウェイ装置100に請求されたNGNの利用料金を示す情報の入力を受け付ける(ステップS2)。
【0087】
次に、NGNが発側課金制である場合、送受信履歴抽出部4は、利用料金算出装置1の内部メモリから、送受信種別が「SMS通知」を示す送受信履歴情報を抽出する(ステップS3)。これは、送受信種別が「SMS通知」を示す送受信履歴情報が、ゲートウェイ装置100からクライアント装置200へメッセージを送信する際に登録されるためである。
次に、利用割合算出部5は、送受信履歴抽出部4が抽出した送受信履歴情報の中から、同一のメッセージIDを有するステータスが「処理中」を示す送受信履歴情報とステータスが「処理済」を示す送受信履歴情報との組を読み出す(ステップS4)。
【0088】
次に、利用割合算出部5は、ステータスが「処理中」を示す送受信履歴情報に関連付けられた受信日時と、ステータスが「処理済」を示す送受信履歴情報に関連付けられた受信日時との差であるNGNの接続時間を算出する。そして、利用割合算出部5は、当該接続時間を送受信履歴情報の送信元が示す追加番号に関連付けて内部メモリに記録する(ステップS5)。これにより、利用割合算出部5は、各メッセージの伝送に要したNGNの接続時間を算出することができる。
【0089】
次に、利用割合算出部5は、算出した接続時間の総和を算出する(ステップS6)。また、利用割合算出部5は、内部メモリにおいて同一の追加番号に関連付けられた接続時間の和を算出することにより、サーバ装置300毎の接続時間を算出する(ステップS7)。そして、利用割合算出部5は、ステップS7で算出したサーバ装置300毎の接続時間を、ステップS6で算出した接続時間の総和で除算する。これにより、利用割合算出部5は、接続時間の総和に対するサーバ装置300毎の接続時間の割合を算出することができる(ステップS8)。
【0090】
次に、利用料金算出部6は、利用料金入力部3が入力を受け付けた利用料金に、利用割合算出部5が算出した割合を乗算することで、サーバ装置300毎の利用料金を算出する(ステップS9)。そして、利用料金算出部6は、ゲートウェイ情報読出部2の内部メモリから、サーバ装置300に割り当てられた追加番号に関連付けられた企業名及び企業住所を読み出し、当該企業名及び企業住所と算出した利用料金とを関連付けた請求情報を生成し、表示装置や印刷装置などの他の装置(図示せず)に出力する(ステップS10)。
これにより、利用料金算出装置1は、ゲートウェイ装置100に発生するNGNの利用料金から、サーバ装置300のそれぞれに課する利用料金を適切に算出することができる。
【0091】
図16は、利用料金算出装置の動作を示す第2のフローチャートである。
次に、NGNが発側課金制であり、かつ回数従量課金制である場合の利用料金算出装置1の動作を説明する。ここで、回数従量課金制とは、メッセージの送信回数に応じて課金を行う料金体系のことである。
まず、利用料金算出装置1のゲートウェイ情報読出部2は、ゲートウェイ装置100からサーバ情報記憶部151が記憶するサーバ情報、及び送受信履歴記憶部161が記憶する送受信履歴情報を読み出し、内部メモリに登録する(ステップS11)。次に、利用料金入力部3は、ゲートウェイ装置100の管理者から、ゲートウェイ装置100に請求されたNGNの利用料金を示す情報の入力を受け付ける(ステップS12)。
【0092】
次に、NGNが発側課金制である場合、送受信履歴抽出部4は、利用料金算出装置1の内部メモリから、送受信種別が「SMS通知」を示し、かつステータスが「処理済」を示す送受信履歴情報を抽出する(ステップS13)。次に、利用割合算出部5は、送受信履歴抽出部4が抽出した送受信履歴情報の個数の総和を算出する(ステップS14)。また、利用割合算出部5は、送受信履歴抽出部4が抽出した送受信履歴情報のうち、同一の追加番号送受信履歴情報の個数を算出することにより、サーバ装置300毎の送信メッセージ数を算出する(ステップS15)。そして、利用割合算出部5は、ステップS15で算出したサーバ装置300毎の送信メッセージ数を、ステップS14で算出した送受信履歴情報数で除算する。これにより、利用割合算出部5は、ゲートウェイ装置100による全送信メッセージ数に対するサーバ装置300毎の送信メッセージ数の割合を算出することができる(ステップS16)。
【0093】
次に、利用料金算出部6は、利用料金入力部3が入力を受け付けた利用料金に、利用割合算出部5が算出した割合を乗算することで、サーバ装置300毎の利用料金を算出する(ステップS17)。そして、利用料金算出部6は、ゲートウェイ情報読出部2の内部メモリから、サーバ装置300に割り当てられた追加番号に関連付けられた企業名及び企業住所を読み出し、当該企業名及び企業住所と算出した利用料金とを関連付けた請求情報を生成し、表示装置や印刷装置などの他の装置(図示せず)に出力する(ステップS18)。
これにより、利用料金算出装置1は、ゲートウェイ装置100に発生するNGNの利用料金から、サーバ装置300のそれぞれに課する利用料金を適切に算出することができる。
なお、NGNが、発側課金制であり、かつデータ量従量課金制である場合の利用料金算出方法も上述した処理と同様に求めることができる。これは、一度のSMSで送信可能な送信メッセージのデータ量が限られているためである。なお、データ量従量課金制とは、メッセージのデータ量に応じて課金を行う料金体系のことである。
【0094】
なお、上述した処理では、NGNが発側課金の場合を説明したが、NGNが発側及び着側両者に課金する場合は、以下に示す方法により、上述した処理と同様に利用料金の算出を行うことができる。
すなわち、送受信履歴抽出部4は、送受信種別が「SMS通知」を示す送受信履歴情報に加え、送受信種別が「振り分け要求」を示す送受信履歴情報を抽出する。このとき、送受信種別が「振り分け要求」を示す送受信履歴情報は、図6(b)に示す受信履歴テーブルに格納される送受信履歴情報であるため、送信先の追加番号が記録されていない。そのため、利用割合算出部5は、送受信履歴抽出部4から、送受信種別が「振り分け要求」を示す送受信履歴情報と同一のメッセージIDを有し、かつ送受信種別が「振り分け通知」を示す送受信履歴情報を読み出す。そして、利用割合算出部5は、読み出した送受信履歴情報から送信先の追加番号を読み出し、送受信種別が「振り分け要求」を示す送受信履歴情報の送信先を、読み出した追加番号であるものとして扱う。これにより、利用料金算出装置1は、NGNが発側及び着側両者に課金する場合にも、利用料金の算出を行うことができる。
【0095】
また、NGNが、発側及び着側両者に課金し、かつデータ量従量課金制である場合、利用割合算出部5は、送受信履歴抽出部4から、送受信種別が「振り分け要求」を示す送受信履歴情報と同一のメッセージIDを有するコンテンツ情報を読み出す。ここで、コンテンツ情報とは、送受信履歴記憶部161のコンテンツ情報テーブルに格納されていた情報のことである(図6(a))。そして、利用割合算出部5は、読み出したコンテンツ情報からコンテンツサイズを読み出し、送受信種別が「振り分け要求」を示す送受信履歴情報のデータ量を、読み出したコンテンツサイズであるものとして扱う。また、送受信種別が「SMS送信」を示す送受信履歴情報のデータ量は、上述したように一律1300バイトとして扱う。そして、利用割合算出部5は、サーバ装置300毎の送信データ量を送信データ量の総和で除算する。
これにより、利用料金算出装置1は、NGNが発側及び着側両者に課金し、かつデータ量従量課金制である場合にも、利用料金の算出を行うことができる。
【0096】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について詳しく説明する。
第1の実施形態によるゲートウェイ装置100は、1つのNGNのSNIに接続される。そのため、サーバ装置300は、複数の異なるNGNのそれぞれに対してサービスを提供する場合、それぞれのNGNに接続するゲートウェイ装置100との通信を行う必要がある。ここでサーバ装置300は、メッセージの送信先であるクライアント装置200が、何れのNGNに属しているかを判定できない場合、デフォルトで指定された一のゲートウェイ装置100を介してメッセージを送信することとなる。このとき、サーバ装置300が送信したメッセージは、複数のNGNを跨いで伝送されることとなり、不必要にNGNのリソースを消費することとなる。
【0097】
図17は、第2の実施形態によるゲートウェイシステムの構成を示す概略ブロック図である。
そこで、第2の実施形態によるゲートウェイシステム10は、複数のゲートウェイ装置100と、メッセージに格納された送信先に基づいて何れのゲートウェイ装置100にメッセージを転送するかを判定する収容管理装置400とを備える。これにより、サーバ装置300が送信したメッセージは、ゲートウェイシステム10を介して適切なNGNに伝送されることとなり、不必要なリソースの消費を抑制することができる。
【0098】
図18は、収容管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
収容管理装置400は、メッセージ受信部401、形式チェック部402、レスポンス生成部403、レスポンス送信部404、方路情報記憶部405、方路決定部406、サーバ情報記憶部407、サーバ利用判定部408、メッセージ送信部409、レスポンス受信部410を備える。
メッセージ受信部401は、サーバ装置300からHTTPパケットを受信する。
形式チェック部402は、メッセージ受信部401が受信したHTTPパケットからHTTPメッセージを復元し、当該HTTPメッセージがHTTPフォーマットを満たすか否かを判定する。
レスポンス生成部403は、形式チェック部402による判定結果またはレスポンス受信部410が受信したHTTPレスポンスに基づいて、サーバ装置300に対するHTTPレスポンスを生成する。
レスポンス送信部404は、レスポンス生成部403が生成したHTTPレスポンスをサーバ装置300に送信する。
【0099】
図19は、方路情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
方路情報記憶部405は、クライアント装置200のUNI番号のパターンを示すアドレス情報と、HTTPパケットを転送するゲートウェイ装置100において、メッセージに対する処理を行うアプリケーションのURLを示す方路URL、HTTPパケットを転送するゲートウェイ装置100のIPアドレス、及びHTTPパケットを転送するゲートウェイ装置100のポート番号を関連付けて記憶する。
なお、図19に示す「Default」は、クライアント装置200のUNI番号が、アドレス情報が示すパターンに合致しなかった場合に参照する値である。
方路決定部406は、メッセージ受信部401が受信したHTTPパケットと方路情報記憶部405が記憶する情報とに基づいて、HTTPパケットを送信するゲートウェイ装置100を決定する。
【0100】
図20は、サーバ情報記憶部が記憶する情報を示す図である。
サーバ情報記憶部407は、サーバ装置300を特定するサーバID、当該サーバ装置300が所属する企業の企業名、通信料の請求先となる企業住所、料金の支払の有無、及びサーバ装置300の利用可能時間帯を関連付けて記憶する。
サーバ利用判定部408は、サーバ情報記憶部407が記憶する料金の支払の有無及び利用可能時間帯に基づいて、HTTPパケットの送信元であるサーバ装置300が現在利用可能であるか否かを判定する。
メッセージ送信部409は、方路決定部406が決定したゲートウェイ装置100にHTTPパケットを送信する。
レスポンス受信部410は、ゲートウェイ装置100からHTTPレスポンスを受信する。
【0101】
次に、収容管理装置400の動作を説明する。
図21は、収容管理装置の動作を示すフローチャートである。
サーバ装置300は、クライアント装置200に送信するMMSメッセージを格納したHTTPパケットを、収容管理装置400に送信する。なお、MMSメッセージのMMSヘッダには、送信元としてサーバ装置300のIPアドレスが格納され、送信先としてクライアント装置200の宛先番号または追加番号が格納されているものとする。
【0102】
サーバ装置300がHTTPパケットを送信すると、収容管理装置400のメッセージ受信部401は、サーバ装置300から当該HTTPパケットの受信を開始する(ステップS301)。
メッセージ受信部401が一のHTTPメッセージを示す一連のHTTPパケットを全て受信すると、形式チェック部402は、メッセージ受信部401が受信したHTTPパケットからHTTPメッセージを復元する(ステップS302)。次に、形式チェック部402は、復元したHTTPメッセージがHTTPフォーマットを満たすか否かを判定する(ステップS303)。
【0103】
HTTP形式チェック部132は、HTTPフォーマットを満たしていると判定した場合(ステップS303:YES)、復元したHTTPメッセージに格納されたMMSメッセージのMMSヘッダから送信先を示すUNI番号を抽出する(ステップS304)。
次に、方路決定部406は、方路情報記憶部405が記憶するアドレス情報のうち、抽出したUNI番号の先頭の数列に一致するものを抽出し、当該アドレス情報に関連付けられたIPアドレス及びポート番号を読み出す(ステップS305)。なお、方路情報記憶部405が記憶するアドレス情報のうち、抽出したUNI番号の先頭の数列に一致するものが存在しない場合、方路決定部406は、アドレス情報「Default」に関連付けられたIPアドレス及びポート番号を読み出す。
【0104】
次に、方路決定部406は、ステップS302で形式チェック部402が復元したHTTPメッセージからHTTPパケットを生成する(ステップS306)。このとき、方路決定部406は、HTTPパケットのTCPヘッダの送信先ポート番号に、読み出したポート番号を格納し、HTTPパケットのIPヘッダの送信先IPアドレスに、読み出したIPアドレスを格納する。
これにより、HTTPメッセージの送信先となるクライアント装置200が属するNGNに接続しているゲートウェイ装置に、当該HTTPメッセージを格納したHTTPパケットを転送することができる。
【0105】
次に、サーバ利用判定部408は、サーバ情報記憶部407が記憶する料金の支払の有無及び利用可能時間帯に基づいて、メッセージ受信部401が受信したHTTPパケットの送信元のサーバ装置300が利用可能であるか否かを判定する(ステップS307)。
サーバ利用判定部408が、サーバ装置300が利用可能であると判定した場合(ステップS307:YES)、メッセージ送信部409は、方路決定部406が生成したHTTPパケットをゲートウェイ装置100に送信する(ステップS308)。
【0106】
次に、レスポンス受信部410は、メッセージ送信部409が送信したHTTPパケットに対するHTTPレスポンスの受信を待機する。そして、レスポンス受信部410は、所定のタイムアウト時間の間にゲートウェイ装置100からHTTPレスポンスを受信したか否かを判定する(ステップS309)。なお、タイムアウト時間とは、SIP受信部111がレスポンスの受信の待機を終了して通信を切断するまでの時間のことである。
【0107】
レスポンス受信部410がゲートウェイ装置100からHTTPレスポンスを受信した場合(ステップS309:YES)、レスポンス送信部404は、受信したHTTPレスポンスをサーバ装置300へ送信する。
ステップS303で、SIP形式チェック部112が、SIPフォーマットを満たしていないと判定した場合(ステップS303:NO)、ステップS307で、サーバ利用判定部155が、サーバ装置300が利用不可能であると判定した場合(ステップS307:NO)、またはステップS309でレスポンス受信部410がタイムアウト時間の間にゲートウェイ装置100からHTTPレスポンスを受信していない場合(ステップS309:NO)、レスポンス生成部403は、発生したエラーを示すHTTPレスポンスを生成する(ステップS311)。そして、レスポンス送信部404は、レスポンス生成部403が生成したHTTPレスポンスをサーバ装置300に送信する(ステップS312)。
【0108】
なお、利用料金算出装置1は、各ゲートウェイ装置100に対して第1の実施形態で記載した処理を実行することにより、各ゲートウェイ装置100が接続するNGNの利用料金を算出する。
【0109】
このように、本実施形態によれば、ゲートウェイ情報読出部2が、ゲートウェイ装置100から、NGNを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む送受信履歴情報を読み出す。そして、利用割合算出部が、送受信履歴情報に基づいてゲートウェイ装置100によるNGNの全利用量に対するサーバ装置300毎のNGNの利用量の割合を算出し、利用料金算出部6は、利用料金入力部3が入力を受け付けた利用料金に利用割合算出部5が算出した割合を乗算することで、サーバ装置300毎の利用料金を算出する。
これにより、利用料金算出装置1は、異なるネットワークに接続されたクライアント装置200とサーバ装置300とを接続するゲートウェイ装置100に発生するNGNの利用料金から、サーバ装置300に課する利用料金を適切に算出することができる。
【0110】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1の実施形態では、ゲートウェイ装置100にアクセスするための複数の異なる識別情報として追加番号を用いる場合を説明したが、これに限られず、他の情報を用いても良い。以下に、他の情報を用いる例を示す。
【0111】
図22は、他の実施形態によるゲートウェイ装置を用いたサーバ装置の特定方法を示す第1の図である。
例えば、図22に示すように、ゲートウェイ装置100のサーバ情報記憶部151が、追加番号に代えて自装置に割り当てられたサブアドレス(ゲートウェイアクセス情報)を記憶する構成を有していても良い。ここで、サブアドレスとは、SNI番号に付与する番号であって、当該SNI番号が示す回線上に接続されている一の装置を特定する情報のことである。
図22によれば、ゲートウェイ装置100は、自装置のサブアドレス「1234」に関連付けて、サーバ装置300−1のIPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」を記憶し、自装置のサブアドレス「9876」に関連付けて、サーバ装置300−2のIPアドレス「yyy.yyy.yyy.yyy」を記憶している。
【0112】
ここで、クライアント装置200がサーバ装置300−1にSMSメッセージを送信する例を説明する。
まず、クライアント装置200が属するUNIは、ToやR−URI等に、ゲートウェイ装置100のSNI番号と、サーバ装置300−1のIPアドレスに関連付けられたサブアドレスとを指定したSMSメッセージを生成する。次に、UNIは、自装置のUNI番号を収容するP/I/S−CSCFを介してSMSメッセージを送信する。ここで、SMSメッセージの宛先情報を格納したToやR−URI等には、ゲートウェイ装置100に割り当てられたSNI番号が含まれるため、SMSメッセージはゲートウェイ装置100に送信される。
【0113】
ゲートウェイ装置100は、P/I/S−CSCFからSMSメッセージを受信すると、受信したSMSメッセージに基づいて、HTTPメッセージを生成する。次に、受信したSMSメッセージの宛先情報を格納したToやR−URI等を読み取り、当該SIPヘッダに含まれるサブアドレスに関連付けられたIPアドレスを読み出す。そして、ゲートウェイ装置100は、読み出したIPアドレスを送信先としたHTTPパケットを生成し、当該HTTPパケットをSMS受信通知として送信する。
ここで、SMSメッセージの宛先情報を格納したToやR−URI等に含まれるサブアドレスは、サーバ装置300−1のIPアドレスに関連付けられているため、ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300−1にSMS受信通知を送信する。
これにより、ゲートウェイ装置100は、SIPメッセージの送信先となるサーバ装置300を特定することができる。
【0114】
図23は、他の実施形態によるゲートウェイ装置を用いたサーバ装置の特定方法を示す第2の図である。
例えば、図23に示すように、ゲートウェイ装置100のサーバ情報記憶部151が、追加番号に代えて自装置に割り当てられたSNIドメインのサブドメイン(ゲートウェイアクセス情報)を記憶する構成を有していても良い。ここでは、予め、サーバ装置300毎に異なるサービス属性を示すサブドメインを割り当てておき、当該サブドメインによってサーバ装置300を識別するものとする。
図23によれば、ゲートウェイ装置100は、サブドメイン「abcd」に関連付けて、サーバ装置300−1のIPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」を記憶し、サブドメイン「xyz」に関連付けて、サーバ装置300−2のIPアドレス「yyy.yyy.yyy.yyy」を記憶している。
【0115】
ここで、クライアント装置200がサーバ装置300−1にSMSメッセージを送信する例を説明する。
まず、クライアント装置200が属するUNIは、R−URIに、サーバ装置300−1に割り当てられたホスト名(SNIドメイン+サブドメイン)を指定したSMSメッセージを生成する。次に、UNIは、自装置のUNI番号を収容するP/I/S−CSCFを介してSMSメッセージを送信する。ここで、SMSメッセージの宛先情報を格納したToやR−URI等は、ゲートウェイ装置100を示すため、SMSメッセージはゲートウェイ装置100に送信される。
【0116】
ゲートウェイ装置100は、P/I/S−CSCFからSMSメッセージを受信すると、受信したSMSメッセージに基づいて、HTTPメッセージを生成する。次に、受信したSMSメッセージの宛先情報を格納したToやR−URI等を読み取り、当該SIPヘッダに含まれるサブドメインに関連付けられたIPアドレスを読み出す。そして、ゲートウェイ装置100は、読み出したIPアドレスを送信先としたHTTPパケットを生成し、当該HTTPパケットをSMS受信通知として送信する。
ここで、SMSメッセージの宛先情報を格納したToやR−URI等に含まれるサブドメインは、サーバ装置300−1のIPアドレスに関連付けられているため、ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300−1にSMS受信通知を送信する。
これにより、ゲートウェイ装置100は、SIPメッセージの送信先となるサーバ装置300を特定することができる。
【0117】
図24は、他の実施形態によるクライアント装置の特定方法を示す図である。
なお、第1の実施形態では、UNIにクライアント装置200が複数接続される場合、クライアント装置200に割り当てられた追加番号によりクライアント装置200を特定する例を説明したが、これに限られない。例えば、サーバ装置300は、クライアント装置200−1にアクセスする際に、クライアント装置200−1に割り当てられたサブアドレスを送信先に含めるパケットを生成し、ゲートウェイ装置100に送信しても良い。
【0118】
ここで、サーバ装置300がクライアント装置200−1にSMSメッセージを送信する例を説明する。
まず、サーバ装置300は、MMSメッセージの送信先を示すToに、ゲートウェイ装置のSNI番号とクライアント装置200−1に割り当てられたサブアドレスとを指定する。次に、サーバ装置は、ゲートウェイ装置100に当該MMSメッセージを送信する。
【0119】
ゲートウェイ装置100は、サーバ装置300からMMSメッセージを受信すると、受信したMMSメッセージを読み取り、SIPメッセージを生成する。次に、受信したMMSのToを読み取り、読み出したToをR−URIとしたSIPパケットを生成し、当該SIPパケットをUNIに送信する。
このとき、SIPパケットのR−URIには、クライアント装置200−1に割り当てられたサブアドレスが含まれるため、UNIは、クライアント装置200−1にSIPパケットを転送する。
このような手順で、サーバ装置300は、MMSメッセージの送信先となるクライアント装置200を特定することができる。
【0120】
上述のゲートウェイ装置100、収容管理装置400は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0121】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0122】
1…利用料金算出装置 2…ゲートウェイ情報読出部 3…利用料金入力部 4…送受信履歴抽出部 5…利用割合算出部 6…利用料金算出部 10…ゲートウェイシステム 100、100−1、100−2…ゲートウェイ装置 110…クライアント受信部 111…SIP受信部 112…SIP形式チェック部 113…SIPレスポンス生成部 120…サーバ送信部 121…HTTP読出部 122…HTTP送信部 130…サーバ受信部 131…HTTP受信部 132…HTTP形式チェック部 133…HTTPレスポンス生成部 140…クライアント送信部 141…SIP読出部 142…SIP送信部 150…ルーティング部 151…サーバ情報記憶部 152…入力キュー 153…メッセージ生成部 154…パケット生成部 155…サーバ利用判定部 156…出力キュー 160…履歴管理部 161…送受信履歴記憶部 162…ID生成部 163…履歴登録部 200、200−1、200−2…クライアント装置 300、300−1、300−2…サーバ装置 400…収容管理装置 401…メッセージ受信部 402…形式チェック部 403…レスポンス生成部 404…レスポンス送信部 405…方路情報記憶部 406…方路決定部 407…サーバ情報記憶部 408…サーバ利用判定部 409…メッセージ送信部 410…レスポンス受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置であって、
前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付ける利用料金入力部と、
前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元を少なくとも含む、前記ゲートウェイ装置による伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のネットワークの利用量の割合を算出する利用割合算出部と、
前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する利用料金算出部と
を備えることを特徴とする利用料金算出装置。
【請求項2】
前記一のネットワークの利用量とは、ネットワークの接続時間のことであり、
前記伝送履歴入力部が入力を受け付ける伝送履歴情報は、前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元、通信開始時刻、及び通信終了時刻を含み、
前記利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報から、伝送開始時刻から伝送終了時刻までの時間である伝送時間を算出し、算出した通信時間の総和に対する前記通信装置毎の通信時間の割合を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の利用料金算出装置。
【請求項3】
前記一のネットワークの利用量とは、データの伝送回数のことであり、
前記利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報から、前記ゲートウェイ装置が伝送した全メッセージ数に対する前記通信装置毎の伝送メッセージ数の割合を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の利用料金算出装置。
【請求項4】
前記一のネットワークの利用量とは、伝送データ量のことであり、
前記伝送履歴入力部が入力を受け付ける伝送履歴情報は、前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元及びメッセージのデータ量を含み、
前記利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報から、前記ゲートウェイ装置が伝送したメッセージのデータ量の総和に対する前記通信装置毎の伝送メッセージのデータ量の割合を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の利用料金算出装置。
【請求項5】
一のプロトコルによって通信を行うクライアント装置と、他のプロトコルによって通信を行うサーバ装置とを接続するゲートウェイ装置と、前記ゲートウェイ装置に発生する一のプロトコルを用いるネットワークの利用料金に基づいて前記サーバ装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置とを備えるゲートウェイシステムであって、
前記ゲートウェイ装置は、
前記一のプロトコルを用いて自装置にアクセスするための複数の異なる識別情報であるゲートウェイアクセス情報のそれぞれに関連付けて、前記他のプロトコルを用いて前記サーバ装置にアクセスするための識別情報であるサーバアクセス情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記クライアント装置から前記一のプロトコルで規定されたヘッダを有するデータを受信するクライアント受信部と、
前記識別情報記憶部から、前記クライアント受信部が受信したデータに含まれる前記ゲートウェイアクセス情報に関連付けられたサーバアクセス情報を読み出すサーバアクセス情報読出部と、
前記サーバアクセス情報読出部が読み出したサーバアクセス情報を送信先とする前記他のプロトコルで規定されたヘッダを有し、前記クライアント受信部が受信したデータが示す情報をボディに含むデータを生成するサーバデータ生成部と、
前記サーバデータ生成部が生成したデータを前記サーバ装置に送信するサーバ送信部と、
前記一のプロトコルを用いて伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報を蓄積する伝送履歴情報蓄積部と
を備え、
前記利用料金算出装置は、
前記ゲートウェイ装置の伝送履歴情報蓄積部から、前記伝送履歴情報の入力を受け付ける伝送履歴入力部と、
前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のプロトコルを用いたネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付ける利用料金入力部と、
前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のプロトコルを用いたネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のプロトコルを用いたネットワークの利用量の割合を算出する利用割合算出部と、
前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する利用料金算出部と
を備えることを特徴とするゲートウェイシステム。
【請求項6】
異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置を用いた利用料金算出方法であって、
伝送履歴入力部は、前記ゲートウェイ装置から、少なくとも前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報の入力を受け付け、
利用料金入力部は、前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付け、
利用割合算出部は、前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のネットワークの利用量の割合を算出し、
利用料金算出部は、前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する
ことを特徴とする利用料金算出方法。
【請求項7】
異なるネットワークに接続された通信装置同士を接続するゲートウェイ装置に発生する一のネットワークの利用料金から前記通信装置のそれぞれに課する利用料金を算出する料金算出装置を、
前記ゲートウェイ装置から、少なくとも前記一のネットワークを介して伝送を行ったメッセージの送信元を含む伝送履歴情報の入力を受け付ける伝送履歴入力部、
前記ゲートウェイ装置に発生する前記一のネットワークの利用料金を示す情報の入力を受け付ける利用料金入力部、
前記伝送履歴入力部が入力を受け付けた伝送履歴情報に基づいて、前記ゲートウェイ装置による前記一のネットワークの全利用量に対する前記通信装置毎の前記一のネットワークの利用量の割合を算出する利用割合算出部、
前記利用料金入力部が入力を受け付けた利用料金に前記利用割合算出部が算出した割合を乗算することで、前記通信装置毎の利用料金を算出する利用料金算出部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−176775(P2011−176775A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41055(P2010−41055)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】