説明

制動部材を備えたベルト引張器

ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器(10,70,110)は、少くとも一部分においてばね収容キャビティ(16)を画定する支持ハウジング(12,84,130)を含む。第1摩擦軸受表面(56;96,98;164,166)を有する制動部材(24,72,112)が、少くとも部分的にばね収容キャビティ(16)内に配設される。支持ハウジング(12,84,130)に枢動自在に取り付けられたピボットアーム(14)は、第2摩擦軸受表面(58,114)を有する。ピボットアーム(14)と支持ハウジング(12,84,130)との間の相対移動を制動するために制動部材(24,72,112)の第1摩擦軸受表面(56;96,98;164,166)を偏倚させてピボットアーム(14)の第2摩擦軸受表面(58,114)に圧接させるように制動部材(24,72,112)をピボット部位を中心として枢動させるためのばね(18,118)が、ばね収容キャビティ(16)内に配設されてピボットアーム(14)と制動部材(24,72,112)に作動的に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ベルト引張器(ベルトテンショナ)に関し、特に、制動部材を備えたベルト引張器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジンによって、例えば水ポンプ、発電機、冷却剤を冷却するためのファン、パワーステアリングポンプ及びコンプレッサ等のいろいろな自動車アクセサリー組立体を駆動することは周知である。これは、自動車のエンジン軸によって作動される駆動プーリによって行われる。この駆動プーリは、無端駆動ベルトを駆動し、駆動プーリを介してアクセサリー組立体を作動させる。
【特許文献1】米国特許第6,206,797号
【特許文献2】米国特許出願第11/040,283号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの自動車アクセサリー駆動機においては、多くの場合、ベルトの張力(緊張度)を制御することが望ましい。この目的のために、従来から、そのような張力制御を行うためのベルト引張器のいろいろな構造が提案されている。それらの1つとして、摩擦力及び放散される振動エネルギーが引張器の負荷軽減サイクル中よりも負荷増大サイクル中の方が相当に高くなる非対称(不均斉)引張器がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一側面によれば、ベルトに緊張(張力)を付与するためのベルト引張器は、少くとも一部分においてばね収容キャビティを画定する支持ハウジングを含む。このばね収容キャビティ内に第1摩擦軸受表面を有する制動部材が少くとも部分的に(制動部材の少くとも一部分が)配設される。支持ハウジングに枢動自在に取り付けられたピボットアーム(以下、単に「アーム」とも称する)は、第2摩擦軸受表面を有する。ばねが、ばね収容キャビティ内に配設されてアームと制動部材に作動的に(作用するように)連結され、それによって、アームと支持ハウジングとの間の相対移動を制動(減衰)するために制動部材の第1摩擦軸受表面を偏倚させてアームの第2摩擦軸受表面に圧接させるように制動部材をピボット部位を中心として枢動させる。
【0005】
本発明の他の側面によれば、ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器は、少くとも一部分においてばね収容キャビティを画定する支持ハウジングを含む。制動部材が、少くとも部分的にばね収容キャビティ内に配設され、支持ハウジングに係合する。アームが、支持ハウジングに枢動自在に取り付けられる。ばねが、ばね収容キャビティ内に配設されてアームと制動部材とに作動的に連結され、それによって、アームと支持ハウジングとの間の相対移動を制動するために制動部材を偏倚させてばね収容キャビティ内に配置された摩擦軸受表面に圧接させる。制動部材とばねとは、単一の部位で連結される。
【0006】
本発明の更に他の側面によれば、ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器は、少くとも一部分においてばね収容キャビティを画定する支持ハウジングを含む。制動部材は、第1摩擦軸受表面を有し、ばね収容キャビティの外部に位置する枢動部位を形成するのに用いるためのピボット手段を含む。アームが、支持ハウジングに枢動自在に取り付けられる。ばねが、ばね収容キャビティ内に配設されてアームと制動部材に作動的に連結され、それによって、アームと支持ハウジングとの間の相対移動を制動するために制動部材の第1摩擦軸受表面を偏倚させて第2摩擦軸受表面に圧接させるように制動部材を前記ピボット部位を中心として枢動させる。
【0007】
本発明の更に他の側面によれば、少くとも一部分においてばね収容キャビティを画定する支持ハウジングと、支持ハウジングに枢動自在に連結されたアームを含む引張器を用いてベルトに緊張を付与する方法が提供される。この方法は、ばねを用いてアームを支持ハウジングに対して偏倚させる工程と、ばねを用いて制動部材をピボット部位を中心として枢動させることにより制動部材を偏倚させアームによって画定される摩擦軸受表面に圧接させる工程を含む。
【0008】
本発明の更に他の側面によれば、ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器は、第1ピボット手段を有する支持ハウジングを含み、支持ハウジングは、少くとも一部分においてばね収容キャビティを画定する。制動部材は、第1接触表面を有し、第1ピボット手段に係合してピボット部位を形成するための第2ピボット手段を含む。このばね収容キャビティ内に制動部材が少くとも部分的に配設される。アームが、支持ハウジングに枢動自在に取り付けられる。ばねが、ばね収容キャビティ内に配設されてアームと制動部材とに作動的に連結され、それによって、アームと支持ハウジングとの間の相対移動を制動するために制動部材の第1接触表面を偏倚させてばね収容キャビティ内の第2接触表面に圧接させるように制動部材をピボット部位を中心として枢動させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特徴及びその技術的利点は、特許請求の範囲および添付図を参照して述べる以下の好ましい実施形態の説明から一層明らかになろう。
【0010】
図1を参照すると、本発明のベルト引張器の一実施形態が示されている。このベルト引張器10は、支持ハウジング12と、支持ハウジングに回動又は枢動自在に取り付けられ、支持ハウジングとの間にばね収容キャビティ16を形成するピボットアーム14を含む。支持ハウジング12とピボットアーム14との間の相対移動を制動するための制動部材24が少くとも部分的に(制動部材の少くとも一部分が)ばね収容キャビティ16内に配設される。ばね収容キャビティ16内には、又、ピボットアーム14と制動部材24とに作動的に(ピボットアームと制動部材に作用するように)連結された螺旋状に巻かれた扁平ワイヤばね18が配設される。ばね18は、使用中、制動部材24に力を加える(作用する)とともに、ピボットアーム14を無負荷位置に向けて偏倚させる(付勢する)働きをする。ピボットアーム14は、該ピボットアームに対して相対的に回転自在の前側又は後側遊びプーリのようなプーリ20を担持する。プーリ20は、例えば自動車の伝動ベルトのようなベルトに係合するためのベルト係合表面22を有する。制動部材24と支持ハウジング12との間には、摩耗を減少し、異物がばね収容キャビティ16内に侵入するのを防止するシールを形成するためのブッシュ26が介設される。ある種のベルト引張器の特徴の更なる詳細は、米国特許第6,206,797号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されている。
【0011】
図2をも参照して説明すると、制動部材24は、貫通開口30を有するプレート(例えば、スチール等の金属で形成されたプレート)28を含む。開口30は、ピボットアーム14から下方に突出したアーバー(心軸)35、及び、支持ハウジング12のベース34から上方に突出しアーバー35に受容された調心部材32を受容することができる。開口30は、後述するように支持ハウジング12に対する制動部材24の回動又は枢動を可能にするのに十分な遊びをもってアーバー35及び調心部材32を受容するように寸法づけされる。図2にみられるように、プレート28の外周縁60から外方に突出した、ピボット手段40を有する突出部38が設けられている。ピボット手段40は、この例では、突出部38を貫通した穴として構成されているが、例えばフック形ピボット構造(図示せず)などの他のピボット構造であってもよい。ピボット手段40は、支持ハウジング12によって担持された対応するピボット手段42(この実施例では、支持ハウジング12の張出し部44から外方に突出した突起)と嵌合し、制動部材24のための、支持ハウジング12に対して固定された(不動とされた)回動又は枢動軸線Aを画定する。制動部材24には、ピボット手段40とは反対側に(例えば、約180°の角度を置いて)係合部片46が設けられている。制動部材24の係合部片46は、支持ハウジング12に形成されたキー溝50内又はその近傍でばね18のフック形外端48に係合する。キー溝50は、ばね端48が支持ハウジング12から外方に突出するのを可能にし、緊張付与動作(ベルトに緊張を付与する動作)中、制動部材24とばね端48の一定限の回動又は枢動を可能にする。
【0012】
制動部材24のプレート28の実質的に平面状の上面54から外方に摩擦部材52が突設されている。摩擦部材52は、ピボット手段40と係合部片46との間の中間にプレート28の外周縁60に沿って配置されている。ある種の実施形態においては、摩擦部材52は、係合部片46から約180°ないし360°の間、例えば、200°ないし300どの間の角度だけ離れたところに配置することができる。摩擦部材52は、ブレーキパッドを形成するのに用いられるような高摩擦材、例えば高密度ポリエチレンとナイロン6/3のような材料で形成することができるが、その他の材料で形成することもできる。摩擦部材52は、プレート28の外周縁60からずらされ、ピボットアーム14の内側表面(摩擦軸受表面)58に接触するように(図1参照)位置づけされた摩擦軸受表面56を有する。別の実施形態では、摩擦部材52の少くとも一部分がプレート28の外周縁60のところ又はその近くに配置され、その摩擦軸受表面56は、使用中、ピボットアーム14の内側表面58との接触面積を最大限にする輪郭を有する円弧形状とされる。再び図1に戻って説明すると、プレート28の外側部分64は、摩擦部材52の摩擦軸受表面56とピボットアーム14の内側表面58との間に接触関係が設定されるようにブッシュ26とピボットアーム14との間に受容される。プレート28をブッシュ26とピボットアーム14との間に挟むことにより、安定性(例えば、プレート28の平面から逸脱させようとする力に対する抵抗)を増大させることができる。ある種の実施形態においては、プレート28の外側部分64は、ピボットアーム14とブッシュ26との間に受容させなくてもよい。ある種の例では、支持ハウジング12及び、又はアーム14に、使用中、摩擦部材52の摩擦軸受表面56とピボットアーム14の内側表面58との間の接触を可能にするためにプレート28の外側部分64を受容する凹部62を設けることができる。
【0013】
制動部材24は、任意の適当な材料で形成することができる。プレート28を形成するための好適な材料は、スチール等の金属である。摩擦部材52を形成するための好適な材料は、高密度ポリエチレンとナイロン(例えば、ナイロン6/3)などのプラスチック材、有機材料、ゴム(例えば、EDPMゴム)、紙等である。又、ガラス繊維、又はガラスビード、金属繊維、フェノール樹脂系充填材等の充填材を用いることもできる。摩擦部材52は、接着材(例えば、フェノール樹脂系接着材)又は他の任意の適当な方法を用いてプレート28に取り付けることができる。プレート28は、スタンピング(型打ち)、カッティング(切削、裁断、打抜き)、エッチング、曲げ加工等の任意の適当な加工法によって形成することができる。場合によっては、摩擦部材52は、プラスチック材(例えば、プラスチックシート)をプレート28から突出した金属突起に被せ成形するか、又は取り付けることによって形成することができる。
【0014】
図3は、使用中の制動部材24の模式図である。図から分かるように、制動部材24のプレート28は、ピボット手段40,42を用いて支持ハウジング12連結されている。ピボット手段40,42は、制動部材24のための、支持ハウジング12に対して固定された、かつ、ばね収容キャビティ16の外部に位置する回動又は枢動軸線Aを画定する。制動部材24は、ばね18によって及ぼされる力Fと、プレート28とアーム14のアーバー35との間の遊嵌関係とにより矢印68の方向に枢動軸線Aの周りに枢動することができる。制動部材24のプレート28は、上述したように、ピボット手段40,42のある位置とは反対側の位置でばね18に連結されている。ある種の実施形態においては、ばね18は、ピボットアーム14が無負荷位置にあるときでさえも、摩擦部材52を矢印66の方向に偏倚させピボットアーム14の内側表面58(図2も参照)に圧接させるように、予負荷(予めの負荷)を与えられている。ばね18のこの予負荷は、ピボットアーム14の全回動範囲に亘って摩擦部材52の摩擦軸受表面56とピボットアーム14の内側表面58との間に継続的接触を維持することを可能にする。制動部材24は、摩擦部材52とピボットアーム14との間の継続的接触によりピボットアーム14の負荷時中(負荷を受けている間)も、無負荷時中(負荷を受けていない間)も、制動作用を与えることができる。ピボットアーム14がその無負荷位置から離れる方向に、(例えば、自動車のベルトとの接触により)支持ハウジング12に対して回動されると、ばね18は、更なる負荷を受け、摩擦部材52の摩擦軸受表面56とピボットアーム14の内側表面58との間の制動作用を増大させる。ピボットアーム14がその無負荷位置に向かって戻るように解放されると、ばね18が負荷を軽減され、摩擦部材52の摩擦軸受表面56とピボットアーム14の内側表面58との間の制動作用を減少させる。
【0015】
この制動部材24は追加の引張器制動源として用いることができることに留意されたい。例えば、この制動部材24は、前記米国特許第第6,206,797号に記載されているような他の引張器特徴によって与えれる制動作用に追加して制動作用を与えるものとして用いることもできる。ある種の実施形態においては、追加の制動作用を付与するために既存の引張器にこの制動部材24を後付けすることが望ましい場合がある。制動部材24は、引張器アームが一方向に枢動するときよりも、それとは反対の方向に枢動するときに該引張器アーム14により強い制動を与えることができるので(換言すれば、アームが一方向に枢動するときと、反対の方向に枢動するときとでアームに与えることができる制動力が異なるので)、非対称的(不均斉)な制動作用を有する引張器を構成することを可能にする。
【0016】
摩擦部材52によってピボットアーム14の内側表面58に及ぼされる通常の力は、ばね18によって供給される作動力とアーム14の回動又は枢動方向との関数であり、従って、非対称の制動作用をもたらすことが理解されよう。摩擦部材52の回動又は枢動軸線Aからの距離は、制動部材24の作動に影響を及ぼす。例えば、図3を参照して説明すると、摩擦部材52がプレート28に沿う図示の位置から枢動軸線Aから遠ざかって係合部片46に向かう方向に移動すると、制動部材24の自己付勢特性を増大させ、引張器10による制動作用の非対称(不均斉)の度合を増大させる。従って、ある種の実施例においては、摩擦部材52、ピボット手段40,係合部片46などの制動部材24の構成部品の配置位置は、所望の応用例に基づいて決めることができる。
【0017】
図4は、引張器10のヒステリシス曲線を示す。このヒステリシス曲線は、摩擦部材52/制動部材24構成体を追加したことによる入力(投入)制動作用、摩擦部材52/制動部材24構成体以外の源からの制動作用、及び、摩擦部材52/制動部材24構成体を追加したことによる出力制動作用を示す。
【0018】
図5を参照すると、変型制動部材72を備えたベルト引張器70が示されている。このベルト引張器70の制動部材72は、第1制動部分74と、第1制動部分74に継手78において枢動自在に連結された第2制動部分76を有する。継手78は、ヒンジ型連結部であるが、部分74と76を結合するのに要する部品数を少なくし、加工工程を省除することができる可撓性継手のような他の連結手段を用いることもできる。そのような可撓性継手は、所望方向への剛性を小さくするが、他方向への剛性を維持する薄肉化された断面とすることができる。第1制動部分74は、支持ハウジング84によって担持されたピボット手段(この例では、突起)82と協同して回動又は枢動軸線Aを画定するピボット手段(この例では、開口)80を有する。軸線Aは、支持ハウジング84に対して固定(不動)である。ピボット手段80は、第1制動部分74の、第2制動部分76に連結された端部88とは反対側の端部86の近くに配置される。第2制動部分76は、制動部材72をばね18に連結するのに用いられる連結部材90を含む。第1及び第2制動部分74,76は、それぞれ第1及び第2摩擦部材92,94を有し、摩擦部材92,94は、使用中、ピボットアーム14の内側表面58に接触する摩擦軸受表面96,98(図6及び7参照)を備えている。ある種の実施形態においては、摩擦軸受表面96,98は、点線で示されるように、摩擦部材92,94に接着材などによって取り付けられた例えばプラスチックなどのストリップ95によって形成することができる。
【0019】
図6及び7を参照して説明すると、作動中、第1制動部分74は、協同するピボット手段80と82によって画定される枢動軸線Aの周りに支持ハウジング84に対して枢動することができる。力Fが、ばね18(図5)との連結部90を介して第2制動部分76に印加されると、第2制動部分76が第1制動部分74に対して継手78(ヒンジ型連結部)において枢動し、第2摩擦部材94の摩擦軸受表面98が矢印100の方向に外方へ押圧されてピボットアーム14の内側表面58(点線で示される)に圧接される。第1制動部分74にも力が伝達され、それによって、第1摩擦部材92の摩擦軸受表面96を矢印102の方向に外方に押圧し、ピボットアーム14の内側表面58に圧接させる。第1及び第2制動部分74,76が、ばね18によって印加される、より高い偏倚力(例えば、自動車のベルトによってピボットアーム14に力が及ぼされることにより)をもってピボットアーム14の内側表面58に圧接されるので、摩擦軸受表面96,98は、より高い押圧力をピボットアーム14の内側表面58に印加し、制動力を増大させる。
【0020】
このようなダブル制動部分74および76を有する制動部材72は、使用中、ピボットアーム14の内側表面58に、より左右対称的な制動力を印加することができる。これにより、緊張付与操作中、引張器70の心狂い(ミスアラインメント)が起きるおそれを減少させることができる。この制動部材72は、又、例えば単一摩擦部材から成る、ある種の実施形態に比して、所与の負荷を受けたときのピボットアーム14の内側表面58との接触面積を増大させることができる。従って、比較的軽いばね負荷の下で引張器のピボットアームの制動力を増大させることができる。
【0021】
図8を参照すると、引張器の更に他の実施形態110が示されている。この実施形態の引張器110は、丸形ワイヤばね118を用いてピボットアーム14のアームアーバー116の外側表面(摩擦軸受表面)114に対して偏倚圧接される制動部材112を含む。丸形ワイヤばね118は、又、ピボットアーム14を支持ハウジング130に対して無負荷位置に向けて偏倚させるのにも用いられる。丸形ワイヤばね118を含むベルト引張器の一例は、2005年1月20日付で出願された、「ベルト引張器」と題する米国特許出願第11/040,283号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されている。制動部材112は、第1部材、即ち荷重担持部材120(例えば、スチールなどの金属製)と第2部材、即ち保護部材(例えば、プラスチック製)を含む多部片構成である。
【0022】
第1部材120は、プレート124と、この例では、支持ハウジング130によって担持された対応するピボット手段128(例えば、突起)と協同して支持ハウジング130に対して固定された(不動とされた)回動又は枢動軸線Aを画定する開口であるピボット手段126と、支持ハウジング130のベース136から突出したばね接触部材134を受容するためのスロット132を含む。ばね接触部材134は、ばね118に接触し、ばね118が唯一の接触部位を用いて制動部材112に力を印加することを可能にする(図10参照)。プレート124は、(例えば、ピボット手段126からほぼ約180°反対側に配置された)比較的可撓性の継手領域142によって第1部分138と第2部分140との2つの部分に分割されている。継手領域142は、第1部分138と第2部分140とを結合し、クランプのような態様に互いに近接する方向に内方へ動くことを可能にする。各部分138,140は、それぞれ、プレート124を貫通した中央開口148の縁のところに位置する環状(円弧状)突起144,146を有する。第1部材120の一端には、丸形ワイヤばね118の下端170に係合させるのに用いられる係合部片168が設けられている。
【0023】
第2部材122は、第1部材120と合致し組み合わされる。第2部材122は、ピボット手段150(例えば、第1部材のピボット手段である開口126と心合する開口)と、ばね接触部材134を受容するためのスロット132と心合するスロット152を含む。第1部材120と同様に、第2部材122も、(例えば、ピボット手段150からほぼ約180°反対側に配置された)比較的可撓性の継手領域158によって第1部分154と第2部分156との2つの部分に分割されている。各部分154,156は、それぞれ、第1部材120の対応する突起144,146と合致し組み合わされてアーム14のアームアーバー116に接触するための摩擦軸受表面164,166を形成する環状(円弧状)突起160,162を有する。
【0024】
図9を参照して説明すると、第1部材120と第2部材122が係合して制動部材112を構成する。ある種の実施形態では、第2部材122が、第1部材、即ち荷重担持部材120上に被せ成形される。あるいは別法として、第1部材120と第2部材122をそれぞれ別個に形成し、第2部材122を第1部材120に例えば接着材を用いて取り付けてもよい。場合によっては、第2部材122を省除して制動部材112を第1部材120だけで形成し、アームアーバー116に接触させるための突起144,146にプラスチック又はその他の適当な材料を被覆してもよい。そのような場合は、制動部材112と支持ハウジング130のベース136の間にブッシュを介設することができる。
【0025】
図10を参照して説明すると、ベルト引張器110が組み立てられた状態では、制動部材112は、支持ハウジング130のピボット手段128に枢動自在に係合しており、ばね118は、係合部片168の内側で単一の接触部位(ばねの下端)170で制動部材112に連結されている。ある種の実施形態においては、ばね118は、ピボットアーム14(図8参照)が無負荷位置にあるとき、可撓性の継手領域142,158(図9参照)における制動部材112の撓みにより摩擦軸受表面164,166を(支持ハウジング130の調心部材32に嵌合している)アームアーバー116に圧接させるように、予負荷を与えられている。図10にみられるように、各摩擦軸受表面164,166は、アームアーバー116に対する接触面積を最大限にするためにアーバー116の曲面に対応する形状を有するものとすることができる。ピボットアーム14が(例えば、自動車のベルトとの接触により)負荷を受け、無負荷位置から支持ハウジング130に対して回動されると、より大きい力Fが制動部材112に印加され、制動部材の摩擦軸受表面164,166をより大きい締めつけ(クランプ)力F及びFでもってアームアーバー116に圧接させ、それによって、ピボットアーム14と支持ハウジング130との間の相対移動を制動する。これによって得られる制動力は、ピボットアーム14が回動されるにことによるばねトルクの増大に比例する。
【0026】
制動部材112は、任意の適当な材料で形成することができる。第1部材120を形成するための好適な材料は、スチール等の金属である。第2部材122を形成するための好適な材料は、高密度ポリエチレンとナイロン(例えば、ナイロン6/3)などのプラスチック材、有機材料、ゴム(例えば、EDPMゴム)、紙等である。又、ガラス繊維、又はガラスビード、金属繊維、フェノール樹脂系充填材等の充填材を用いることもできる。第1部材120は、スタンピング(型打ち)、カッティング(切削、裁断、打抜き)、エッチング、曲げ加工等の任意の適当な加工法によって形成することができる。第2部材122は、射出成形、真空成形等の成形加工によって形成することができる。
【0027】
制動部材112は、使用中、ピボットアームのアーバー116の対向する側部に対向する制動力を印加することにより、アーバー116に対して、より対称的な制動力を印加することができる。それによって、緊張付与操作中、引張器110のミスアラインメント(心狂い)が起きるおそれを減少させることができる。この制動部材112は、又、例えば単一摩擦部材から成る、ある種の実施形態に比して、所与の負荷を受けたときのピボットアームアーバー116との接触面積を増大させることができる。従って、比較的軽いばね負荷の下で引張器のピボットアームの制動力を増大させることができる。ばね118は、制動部材112に力を印加し、それによって制動部材112を固定枢動軸線Aの周りに回動させる。
【0028】
図11を参照すると、本発明による引張器10、70又は110をそのプーリ182を伝動ベルト184に係合させて自動車エンジン180に取り付けた態様が示されている。引張器10、70又は110の支持ハウジング12、84又は130は、自動車エンジン180に固定され、先に述べたように、ピボットアーム14は、支持ハウジングに対して回動又は枢動自在である。引張器の制動部材(図11には示されていない)の枢動軸線Aは、支持ハウジング12、84又は130に対して固定されており、従って、自動車エンジン180に対しても固定である。従って、枢動軸線Aは、ピボットアーム14の枢動中、自動車エンジン180に対して動かない。
【0029】
先に述べたように、上述した引張器10、70又は110は、支持ハウジング12、84又は130に対するピボットアーム14の枢動に対し、非対称の制動作用を与えることができる。ある種の実施形態においては、ピボットアーム14が負荷軽減方向(即ち、ベルト184に向かって押圧する方向)に枢動するときより、負荷増大方向(即ち、ベルト184から離脱する方向)に枢動するときの方が制動作用が大きくなる。それによってベルト184望ましい、ベルト制御特性を発揮することができ、その結果として、ベルト184の寿命を延長することができる。
【0030】
以上、本発明のいろいろな実施形態を説明したが、これらの実施形態に対していろいろな改変を加えることができることを理解されたい。例えば、ばねと制動部材の上述した組み合わせ(扁平ワイヤばねと組み合わせて用いるように構成された制動部材112の使用など)以外の異なるばねと制動部材の組み合わせを用いることが可能である。従って、他のいろいろな実施形態も、請求項によって規定される本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、制動部材の一実施形態を含む本発明のベルト引張器の一実施形態の断面図である。
【図2】図2は、図1のベルト引張器の分解透視図である。
【図3】図3は、制動部材の作動を示す模式図である。
【図4】図4は、制動部材を備えたベルト引張器のヒステリシス曲線である。
【図5】図5は、ベルト引張器の別の実施形態の分解透視図である。
【図6】図6は、ダブル制動部分の一実施形態の平面図である。
【図7】図7は、図6と同様のダブル制動部分の一実施形態の平面図であるが、制動部分が外方に押し拡げられたところを示す。
【図8】図8は、多部片制動部材の実施形態を含む本発明のベルト引張器の別の実施形態の分解透視図である。
【図9】図9は、図8の多部片制動部材の透視図である。
【図10】図10は、図8の多部片制動部材を組み立てた図8のベルト引張器の断面図である。
【図11】図11は、制動部材を備えたベルト引張器を含むモータの透視図である。
【符号の説明】
【0032】
10 ベルト引張器、引張器
12 支持ハウジング
14 ピボットアーム、アーム
16 ばね収容キャビティ
20 プーリ
22 ベルト係合表面
24 制動部材
26 ブッシュ
28 プレート
30 貫通開口、開口
32 調心部材
34 ベース
35 アーバー
38 突出部
40,42 ピボット手段
44 張出し部
46 係合部片
48 フック形外端
50 キー溝
52 摩擦部材
54 上面
56 摩擦軸受表面
58 内側表面
60 外周縁
62 凹部
64 外側部分
70 ベルト引張器、引張器
72 制動部材
74,76 制動部分
78 継手
80 ピボット手段
84 支持ハウジング
88 端部
90 連結部、連結部材
92,94 摩擦部材
95 ストリップ
96,98 摩擦軸受表面
110 ベルト引張器、引張器
112 制動部材
116 アームアーバー
120 荷重担持部材
122 部材
124 プレート
126 ピボット手段
128 ピボット手段
130 支持ハウジング
132 スロット
134 ばね接触部材
136 ベース
138 第1部分
140 第2部分
142 継手領域
144,146 突起
148 中央開口
150 ピボット手段
152 スロット
154 第1部分
156 第2部分
158 継手領域
160,162 突起
164,166 摩擦軸受表面
168 係合部片
170 下端
180 自動車エンジン
182 プーリ
184 ベルト
A 枢動軸線、回動軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器であって、
少くとも一部分においてばね収容キャビティ(16)を画定する支持ハウジング(12,84,130)と、
前記ばね収容キャビティ(16)内に少くとも部分的に配設された、第1摩擦軸受表面(56;96,98;164,166)を有する制動部材(24,72,112)と、
前記支持ハウジング(12,84,130)に枢動自在に取り付けられた、第2摩擦軸受表面(58,114)を有するピボットアーム(14)と、
前記ピボットアーム(14)と支持ハウジング(12,84,130)との間の相対移動を制動するために前記制動部材(24,72,112)の第1摩擦軸受表面(56;96,98;164,166)を偏倚させてピボットアーム(14)の第2摩擦軸受表面(58,114)に圧接させるように該制動部材(24,72,112)をピボット部位を中心として枢動させるために、前記ばね収容キャビティ(16)内に配設されて前記ピボットアーム(14)と制動部材(24,72,112)に作動的に連結されたばね(18,118)と、
から成ることを特徴とするベルト引張器。
【請求項2】
ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器であって、
少くとも一部分においてばね収容キャビティ(16)を画定する支持ハウジング(12,84,130)と、
少くとも部分的に前記ばね収容キャビティ(16)内に配設され、前記支持ハウジング(12,84,130)に係合した制動部材(24,72,112)と、
前記支持ハウジング(12,84,130)に枢動自在に取り付けられたピボットアーム(14)と、
前記ピボットアーム(14)と支持ハウジング(12,84,130)との間の相対移動を制動するために該制動部材(24,72,112)を偏倚させて前記ばね収容キャビティ(16)内に配置された摩擦軸受表面(58,114/56;96,98;164,166)に圧接させるように、該ばね収容キャビティ(16)内に配設されて該ピボットアーム(14)と制動部材(24,73,112)とに作動的に連結されたばね(18,118)と、
から成り、前記制動部材(24,72,112)とばね(18,118)とは、単一の部位で連結されていることを特徴とするベルト引張器。
【請求項3】
ベルトに緊張を付与するためのベルト引張器であって、
少くとも一部分においてばね収容キャビティ(16)を画定する支持ハウジング(12,84,130)と、
第1摩擦軸受表面(56;96,98;164,166)を有し、前記ばね収容キャビティ(16)の外部に位置する枢動部位を形成するのに用いるためのピボット手段(40:80,126,150)を含む制動部材(24,72,112)と、
前記支持ハウジング(12,84,130)に枢動自在に取り付けられたピボットアーム(14)と、
前記ピボットアーム(14)と支持ハウジング(12,84,130)との間の相対移動を制動するために該制動部材(24,72,112)の第1摩擦軸受表面(56;96,98;164,166)を偏倚させて第2摩擦軸受表面(58,114)に圧接させるように該制動部材(24,72,112)を前記ピボット部位を中心として枢動させるために前記ばね収容キャビティ(16)内に配設されて該ピボットアーム(14)と制動部材(24,72,112)に作動的に連結されたばね(18,118)と、
から成ることを特徴とするベルト引張器。
【請求項4】
前記ばね(18,118)は、丸形ワイヤばね(118)又は扁平ワイヤばね(18)であり、前記制動部材(24,72,112)に単一の接触部位において連結されており、前記支持ハウジング(130)のベース(136)から外方に突起(134)が突設されており、該突起は、丸形ワイヤばね(118)に第2接触部位において接触しており、該制動部材(112)は、該第2接触部位において、該丸形ワイヤばね(118)に接触している前記突起(134)を受容するように寸法決めされた貫通スロット(132,152)を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載のベルト引張器。
【請求項5】
前記ばね(18,118)の第1端は、前記ピボットアーム(14)に連結され、該ばねの反対側の第2端は前記制動部材(24,72,130)だけに連結されていること、及び、又は、前記ばね(18,118)の第1端は、前記ピボットアーム(14)を前記支持ハウジング(12,84,130)に対して無負荷位置に向かう方向に偏倚させるように該ピボットアームに連結されていること、及び、又は、前記支持ハウジング(12,84,130)は、第1ピボット手段(42,82,128)を有し、前記制動部材(24,72,112)は、該第1ピボット手段と協同して枢動部位を画定する第2ピボット手段(40;80;126,150)を有し、該第2ピボット手段(40;80;126,150)は、前記制動部材(24,72,112)を貫通する開口であり、該第1ピボット手段(42,82,128)は、該開口に受容されるピンである請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルト引張器。
【請求項6】
前記ピボットアーム(14)は、前記摩擦軸受表面(58,114)を有している請求項2に記載のベルト引張器。
【請求項7】
前記ピボットアーム(14)の前記摩擦軸受表面(58,114)は、前記ばねキャビティ(16)の環状周面を構成する請求項1及び3〜6のいずれか1項に記載のベルト引張器。
【請求項8】
前記制動部材(72)は、摩擦軸受表面(96)を有する第1制動部分(74)と、
別の摩擦軸受表面(98)を有する第2制動部分(76)とから成り、該第2制動部分は、第1制動部分と第2制動部分とが互いに相対的に動くことができるように第1制動部分(74)に連結されており、
前記ばね(18)は、前記第1制動部分(74)の前記摩擦軸受表面(96)を偏倚させて前記ばね収容キャビティ(16)内の摩擦軸受表面(58)に圧接させ、かつ、前記制動部材(72)の前記別の摩擦軸受表面(98)を偏倚させて前記ばね収容キャビティ(16)内の別の摩擦軸受表面(58)に圧接させるように、該第1制動部分(74)を前記ピボット部位の周りに枢動させるべく前記制動部材(72)を偏倚させ、該別の摩擦軸受表面は、前記ばね収容キャビティ(16)内に配設された前記ピボットアーム(14)の内側表面(58)によって形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のベルト引張器。
【請求項9】
前記ピボットアーム(14)は、前記ばね収容キャビティ(16)内へ突入したアームアーバー(116)を含み、該アーバーは、摩擦軸受表面(114)を有し、前記制動部材(112)は、プレート(124)と、該プレートの幅広表面から突出し、摩擦軸受表面(164,166)を形成する摩擦部材(144,146;160,162)を有し、該プレート(124)の一部分は、前記両摩擦表面(114;164,166)を互いに接触させるように前記ピボットアーム(14)と支持ハウジング(130)との間に介設されており、ブッシュが少くとも部分的に前記ピボットアーム(14)と支持ハウジング(130)との間に介設されており、前記プレート(124)の前記一部分は、該ブッシュとピボットアーム(14)との間に介設されている請求項1〜8のいずれか1項に記載のベルト引張器。
【請求項10】
少くとも一部分においてばね収容キャビティ(16)を画定する支持ハウジング(12,84,130)と、該支持ハウジングに枢動自在に連結されたピボットアーム(14)を含むベルト引張器(10,70,110)を用いてベルトに緊張を付与する方法であって、
ばね(18,118)を用いて前記ピボットアーム(14)を前記支持ハウジング(12,84,130)に対して偏倚させる工程と、
前記ばね(18,118)を用いて制動部材(24,72,112)をピボット部位を中心として枢動させることにより該制動部材(24,72,112)を偏倚させ前記ピボットアーム(14)によって画定される摩擦軸受表面(58,114)に圧接させる工程とから成り、制動部材(24,72,112)をピボット部位を中心として枢動させる前記操作は、該制動部材を前記支持ハウジング(12,84,130)のピボット手段(42,82,128)を中心として枢動させることから成り、及び、又は、前記制動部材(24,72,112)が前記ピボット手段(42,82,128)を用いて枢動する回動軸線は、該支持ハウジング(12,84,130)に対して固定であり、及び、又は、前記ばね(18,118)は、単一の部位において前記制動部材(24,72,112)に連結されており、及び、又は、前記制動部材(72)の第1制動部分(74)は、該制動部材の第2制動部分(76)に対して相対的に移動することができ、該第1制動部分(74)と第2制動部分(76)とは継手によって連結されており、及び、又は、前記制動部材(24,72)を偏倚させ前記ばね収容キャビティ(16)内に配設された摩擦軸受表面(58)に圧接させる工程は、該制動部材(24,72)を偏倚させ該ばね収容キャビティ(16)の外周を画定する前記ピボットアーム(14)の内側表面(58)に圧接させることから成り、及び、又は、前記制動部材(112)を偏倚させ前記ばね収容キャビティ(16)内に配設された摩擦軸受表面(114)に圧接させる工程は、該制動部材(112)を偏倚させ該ばね収容キャビティ(16)内に突入した前記ピボットアーム(14)に突設されたアームアーバー(116)のに圧接させることから成ることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−544194(P2008−544194A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519252(P2008−519252)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/026343
【国際公開番号】WO2007/001325
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(390023766)デイコ プロダクツ,エルエルシー (18)
【Fターム(参考)】