説明

制御パラメータ調整装置および画像表示装置

【課題】回転操作を多くしなくても制御パラメータを大きく変更可能にする。自動変更の速度を操作者が選択可能にする。
【解決手段】操作者が操作部材(5)を押し込まずに回転させると、回転させた量に応じた度数だけ画像表示のための制御パラメータを変更する。操作者が操作部材(5)を押し込んだまま回転させると、回転させた量に応じた速度で画像表示のための制御パラメータを自動変更する。
【効果】画像表示のための制御パラメータを調整する操作を容易・迅速に出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御パラメータ調整装置および画像表示装置に関し、さらに詳しくは、回転操作を多くしなくても制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る制御パラメータ調整装置および回転操作を多くしなくても画像表示のための制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プッシュスイッチを短く押すと例えば1分だけ時刻を変更し、プッシュスイッチを長く押すと例えば1秒間に2分ずつの速度で時刻を自動変更する時計が周知である。
また、ロータリーエンコーダとプッシュスイッチとを用いて画像表示のための制御パラメータを設定する電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
他方、ロータリーエンコーダとプッシュスイッチの両方の機能を持ったスイッチが多数知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2006−119396号公報
【特許文献2】特開2005−197070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の時計では、プッシュスイッチを長押しすることで時刻を自動変更することが出来たので、プッシュスイッチを多数回押さなくても時刻を大きく変更することが出来た。
しかし、操作者が自動変更の速度を選ぶことが出来なかったため、ある場合には自動変更の速度が遅すぎて感じられたり、また、ある場合には速すぎて感じられたりする問題点があった。
【0004】
また、上記従来の電子機器では、ロータリーエンコーダの回転量に応じた度数だけ画像表示のための制御パラメータを変更しているので、制御パラメータを大きく変更するには回転操作を多くしなければならない問題点があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、回転操作を多くしなくても制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る制御パラメータ調整装置および回転操作を多くしなくても画像表示のための制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点では、本発明は、操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んだときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、前記第1位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ制御パラメータを変更すると共に前記第2位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記制御パラメータを自動変更する制御部とを具備したことを特徴とする制御パラメータ調整装置を提供する。
本発明において、制御パラメータとは、例えば、コントラスト,輝度,色相などの画像表示装置のための制御パラメータや、音量,左右バランス,トーンなどのオーディオ出力装置のための制御パラメータや、温度,風量,湿度などの空調装置のための制御パラメータなどが挙げられる。
上記第1の観点による制御パラメータ調整装置では、操作者が操作部材を押し込まずに回転させると、回転させた量に応じた度数だけ制御パラメータを変更することが出来る。そして、操作者が操作部材を押し込んだまま回転させると、回転させた量に応じた速度で制御パラメータを自動変更することが出来る。従って、後者の操作により、回転操作を多くしなくても制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。なお、前者の操作により微調整も可能である。
【0007】
第2の観点では、本発明は、操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んでいるときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、制御パラメータ自動変更モード以外の所定のモードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ自動変更モードになり、この制御パラメータ自動変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記制御パラメータを自動変更し、前記制御パラメータ自動変更モードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ逐次変更モードになり、この制御パラメータ逐次変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ制御パラメータを変更する制御部とを具備したことを特徴とする制御パラメータ調整装置を提供する。
上記第2の観点による制御パラメータ調整装置では、操作者が操作部材を押し放してから回転させると、回転させた量に応じた速度で制御パラメータを自動変更することが出来る。次に、操作者が操作部材を押し放してから回転させると、回転させた量に応じた度数だけ制御パラメータを変更することが出来る。従って、最初の操作により、回転操作を多くしなくても制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。そして、次の操作により微調整が可能になる。
【0008】
第3の観点では、本発明は、画像を表示する画像表示器と、操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んだときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、前記第1位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ前記画像表示器での画像表示のための制御パラメータを変更すると共に前記第2位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記制御パラメータを自動変更する制御部とを具備したことを特徴とする画像表示装置を提供する。
本発明において、画像表示のための制御パラメータとは、例えば、コントラスト,輝度,色相などが挙げられる。
上記第3の観点による画像表示装置では、操作者が操作部材を押し込まずに回転させると、回転させた量に応じた度数だけ画像表示のための制御パラメータを変更することが出来る。そして、操作者が操作部材を押し込んだまま回転させると、回転させた量に応じた速度で制御パラメータを自動変更することが出来る。従って、後者の操作により、回転操作を多くしなくても画像表示のための制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。なお、前者の操作により微調整も可能である。
【0009】
第4の観点では、本発明は、画像を表示する画像表示器と、操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んでいるときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、制御パラメータ自動変更モード以外の所定のモードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ自動変更モードになり、この制御パラメータ自動変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記画像表示器での画像表示のための制御パラメータを自動変更し、前記制御パラメータ自動変更モードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ逐次変更モードになり、この制御パラメータ逐次変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ前記画像表示のための制御パラメータを変更する制御部とを具備したことを特徴とする画像表示装置を提供する。
上記第4の観点による画像表示装置では、操作者が操作部材を押し放してから回転させると、回転させた量に応じた速度で画像表示のための制御パラメータを自動変更することが出来る。次に、操作者が操作部材を押し放してから回転させると、回転させた量に応じた度数だけ画像表示のための制御パラメータを変更することが出来る。従って、最初の操作により、回転操作を多くしなくても画像表示のための制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。そして、次の操作により微調整が可能になる。
【0010】
第5の観点では、本発明は、前記第3または第4の観点による画像表示装置において、前記画像表示器が液晶画像表示器であり、前記画像表示のための制御パラメータがバックライト輝度を含むことを特徴とする画像表示装置を提供する。
上記第5の観点による画像表示装置では、操作部材の回転量に応じた速度による自動変更により回転操作を多くしなくてもバックライト輝度を大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。また、操作部材の回転量に応じた度数による変更により微調整が可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の制御パラメータ調整装置および画像表示装置によれば、回転操作を多くしなくても自動変更により制御パラメータを大きく変更することが出来る。また、その自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1に係る液晶画像表示装置1を示す背面図である。また、図2は、同右側面図である。
この液晶画像表示装置1は、画像を表示する液晶画像表示器2と、液晶画像表示器2における画像表示を制御する制御部3と、プッシュスイッチ付きロータリーエンコーダ4を具備している。
【0014】
プッシュスイッチ付きロータリーエンコーダ4は、操作円板5と、操作円板5の回転軸6とを具備している。操作者が操作円板5を回転軸6の周りに回転操作すると、ロータリーエンコーダが回転検出信号を出力する。また、操作者が操作円板5を回転軸6の軸方向に押し込んでいるとプッシュスイッチがオンになり、放すとオフに戻る。図1は、操作者が操作円板5を押し込んでいないときの操作円板5の位置すなわち第1位置を示しており、プッシュスイッチはオフになっている。図2は、操作者が操作円板5を押し込んでいるときの操作円板5の位置すなわち第2位置を示しており、プッシュスイッチはオンになっている。
【0015】
図4は、液晶画像表示装置1の機能ブロック図である。
液晶画像表示器2は、液晶パネル2aと、バックライト2bとを含んでいる。
制御部3は、CPU3aを含んでいる。
プッシュスイッチ付きロータリーエンコーダ4は、ロータリーエンコーダ部4aと、プッシュスイッチ部4bとを含んでいる。
【0016】
図5および図6は、実施例1に係る液晶画像表示装置1における画像表示のための制御パラメータ設定処理を示すフロー図である。この制御パラメータ設定処理は、液晶画像表示装置1の電源オンと共に起動される。
ステップS1では、CPU3aは、画像表示のための制御パラメータ設定モード以外のモードにおいて、操作者が操作円板5を押し放し操作(押し込んでから放す操作)したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作がされるまで待機し、押し放し操作されたらステップS2へ進む。
【0017】
ステップS2では、CPU3aは、画像表示のための制御パラメータ設定モードに入り、制御パラメータを設定するための設定メニューを液晶画像表示器2の画面に表示する。設定メニューでは、[Back Light](=バックライト輝度),[Contrast](=コントラスト),[Brightness](=輝度)など複数の設定項目の選択肢や[EXIT](=設定終了)の選択肢が一覧表示され、デフォルトで決められた選択肢の一つにカーソルが位置している。
【0018】
ステップS3では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押さずに回転操作したかロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押さずに回転操作されたらステップS4へ進み、押さずに回転操作されなかったらステップS5へ進む。
【0019】
ステップS4では、CPU3aは、ロータリーエンコーダ部4aをチェックして回転量を検出し、回転量に応じてカーソルを移動する。操作者は、カーソルを所望の選択肢に合わせる。
【0020】
ステップS5では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し放し操作したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作がされなかったらステップS6へ進み、押し放し操作されたらステップS9へ進む。
【0021】
ステップS6では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押したまま回転操作したかプッシュスイッチ部4bおよびロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押したまま回転操作がされなかったらステップS7へ進み、押したまま回転操作されたら図6のステップR9へ進む。
【0022】
ステップS7では、CPU3aは、最後の操作から30秒経過したかチェックし、30秒経過してないならステップS3に戻り、30秒経過したならステップS8へ進む。
【0023】
ステップS8では、CPU3aは、設定メニューの表示を消して画像表示のための制御パラメータ設定モードに入る前のモードに戻し、ステップS1に戻る。
【0024】
ステップS9では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が何かチェックする。
ステップS10では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[EXIT]ならステップS8へ進み、[EXIT]でないならステップS20へ進む。
【0025】
ステップS20では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[Back Light]ならステップS21へ進み、[Back Light]でないならステップS40へ進む。
【0026】
ステップS21では、CPU3aは、設定メニューを消し、現在のバックライト輝度値を例えばバーグラフおよび数字で液晶画像表示器2の画面に表示する。例えば、バックライト輝度値を0度から100度まで調整可能であり、現在のバックライト輝度値が52度なら、一定長のバーグラフを100度に等分した片側の52度分の領域を黄色で表示し、残りの48度分の領域を青色で表示し、併せて、数字「52」を表示する。
【0027】
ステップS22では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し放し操作したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作がされたらステップS23へ進み、押し放し操作されてなかったらステップS24へ進む。
ステップS23では、CPU3aは、現在のバックライト輝度値の表示を消す。そして、ステップS2に戻る。
【0028】
ステップS24では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し込んだ状態で回転操作したかプッシュスイッチ部4bおよびロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押したままでの回転操作がされたらステップS25へ進み、押したままでの回転操作がされてなかったらステップS28へ進む。
【0029】
ステップS25では、CPU3aは、押したままで回転操作がされた回転量に応じた速度でバックライト輝度を自動変更する。なお、ここでの回転量は、操作円板5が押された位置から操作円板5が回転して止まっている位置までの回転量である。回転方向と変更の増減とは対応させておく。例えば、回転方向が時計回りで回転量が5゜なら1秒間に2度だけバックライト輝度を自動増加させる。また、回転方向が時計回りで回転量が10゜なら1秒間に4度だけバックライト輝度を自動増加させる。また、回転方向が時計回りで回転量が15゜なら1秒間に6度だけバックライト輝度を自動増加させる。なお、回転円板5の回転5゜毎にクリック感を生じさせる節動機構を持たせておくと、5゜ずつの回転操作が容易になる。そして、ステップS26に進む。
ステップS26では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し込んだ状態を継続しているかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押したままならステップS25に戻り(自動変更を継続する)、放されたらステップS32へ進む(自動変更は止まる)。
【0030】
ステップS28では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押さずに回転操作したかプッシュスイッチ部4bおよびロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押さずに回転操作がされたらステップS29へ進み、押さずに回転操作がされてなかったらステップS32へ進む。
ステップS29では、CPU3aは、押さずに回転操作がされた回転量に応じた度数だけバックライト輝度を変更する。ここでの回転量は、操作円板5が止まっている状態から回転し再び止まるまでを回転操作1回とするとき、1回の回転量である。また、回転方向と変更の増減とは対応させておく。例えば、回転方向が時計回りで回転量が5゜なら1度分だけバックライト輝度を増加させる。なお、回転円板5の回転5゜毎にクリック感(節動感)を生じさせる機構を持たせておくと、1度ずつ調整する操作が容易になる。そして、ステップS32へ進む。
【0031】
ステップS32では、CPU3aは、最後の操作から30秒経過したかチェックし、30秒経過してないならステップS22に戻り、30秒経過したならステップS33へ進む。
【0032】
ステップS33では、CPU3aは、現在のバックライト輝度値の表示を消して画像表示のための制御パラメータ設定モードに入る前のモードに戻し、ステップS1に戻る。
【0033】
ステップS40では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[Contrast]なら、コントラストに関してステップS21〜S32と同様の処理を行う(図示省略)。[Contrast]でないならステップS60へ進む。
【0034】
ステップS60では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[Brightness]なら、輝度に関してステップS21〜S32と同様の処理を行う(図示省略)。[Brightness]でないなら他の設定項目の処理(図示省略)へ進む。
【0035】
図6のステップR9では、CPU3aは、押し操作がされた時点でカーソルが合わされていた選択肢が何かチェックする。
ステップR10では、CPU3aは、カーソルが合わされていた選択肢が[EXIT]なら図5のステップS8へ進み、[EXIT]でないならステップR20へ進む。
【0036】
ステップR20では、CPU3aは、カーソルが合わされていた選択肢が[Back Light]ならステップR21へ進み、[Back Light]でないならステップR40へ進む。
【0037】
ステップR21では、CPU3aは、設定メニューを消し、現在のバックライト輝度値を例えばバーグラフおよび数字で液晶画像表示器2の画面に表示する。例えば、バックライト輝度値を0度から100度まで調整可能であり、現在のバックライト輝度値が52度なら、一定長のバーグラフを100度に等分した片側の52度分の領域を黄色で表示し、残りの48度分の領域を青色で表示し、併せて、数字「52」を表示する。そして、ステップR25へ進む。
【0038】
ステップR17では、CPU3aは、押したままで回転操作がされた回転量に応じた速度でバックライト輝度を自動変更する。なお、ここでの回転量は、操作円板5が押された位置から操作円板5が回転して止まっている位置までの回転量である。回転方向と変更の増減とは対応させておく。例えば、回転方向が時計回りで回転量が5゜なら1秒間に2度だけバックライト輝度を自動増加させる。また、回転方向が時計回りで回転量が10゜なら1秒間に4度だけバックライト輝度を自動増加させる。また、回転方向が時計回りで回転量が15゜なら1秒間に6度だけバックライト輝度を自動増加させる。
ステップR26では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し込んだ状態を継続しているかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押したままならステップR25に戻り(自動変更を継続する)、放されたら図5のステップS22に戻る(自動変更は止まる)。
【0039】
ステップR40では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[Contrast]なら、コントラストに関してステップR21〜S26と同様の処理を行う(図示省略)。[Contrast]でないならステップR60へ進む。
【0040】
ステップR60では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[Brightness]なら、輝度に関してステップR21〜R26と同様の処理を行う(図示省略)。[Brightness]でないなら他の設定項目の処理(図示省略)へ進む。
【0041】
実施例1の画像表示装置1によれば、操作者が操作部材5を押し込まずに回転させると、回転させた量に応じた度数だけ画像表示のための制御パラメータを変更することが出来る。そして、操作者が操作部材5を押し込んだまま回転させると、回転させた量に応じた速度で画像表示のための制御パラメータを自動変更することが出来る。従って、後者の操作により、回転操作を多くしなくても画像表示のための制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。なお、前者の操作により微調整も可能である。
【実施例2】
【0042】
図1から図4は、実施例2でも同じである。
【0043】
図7および図8は、実施例2に係る液晶画像表示装置1における画像表示のための制御パラメータ設定処理を示すフロー図である。この制御パラメータ設定処理は、液晶画像表示装置1の電源オンと共に起動される。
ステップS1では、CPU3aは、画像表示のための制御パラメータ設定モード以外のモードにおいて、操作者が操作円板5を押し放し操作(押し込んでから放す操作)したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作がされるまで待機し、押し放し操作されたらステップS2へ進む。
【0044】
ステップS2では、CPU3aは、画像表示のための制御パラメータ設定モードに入り、制御パラメータを設定するための設定メニューを液晶画像表示器2の画面に表示する。設定メニューでは、[Back Light](=バックライト輝度),[Contrast](=コントラスト),[Brightness](=輝度)など複数の設定項目の選択肢や[EXIT](=設定終了)の選択肢が一覧表示され、デフォルトで決められた選択肢の一つにカーソルが位置している。
【0045】
ステップS3では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押さずに回転操作したかロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押さずに回転操作されたらステップS4へ進み、押さずに回転操作されなかったらステップS5へ進む。
【0046】
ステップS4では、CPU3aは、ロータリーエンコーダ部4aをチェックして回転量を検出し、回転量に応じてカーソルを移動する。操作者は、カーソルを所望の選択肢に合わせる。
【0047】
ステップS5では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し放し操作したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作がされなかったらステップS7へ進み、押し放し操作されたらステップS9へ進む。
【0048】
ステップS7では、CPU3aは、最後の操作から30秒経過したかチェックし、30秒経過してないならステップS3に戻り、30秒経過したならステップS8へ進む。
【0049】
ステップS8では、CPU3aは、設定メニューの表示を消して画像表示のための制御パラメータ設定モードに入る前のモードに戻し、ステップS1に戻る。
【0050】
ステップS9では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が何かチェックする。
ステップS10では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[EXIT]ならステップS8へ進み、[EXIT]でないならステップS20へ進む。
【0051】
ステップS20では、CPU3aは、カーソルが合わされている選択肢が[Back Light]ならステップS21へ進み、[Back Light]でないならステップS40へ進む。
【0052】
ステップS21では、CPU3aは、設定メニューを消し、現在のバックライト輝度値を例えばバーグラフおよび数字で液晶画像表示器2の画面に表示する。例えば、バックライト輝度値を0度から100度まで調整可能であり、現在のバックライト輝度値が52度なら、一定長のバーグラフを100度に等分した片側の52度分の領域を黄色で表示し、残りの48度分の領域を青色で表示し、併せて、数字「52」を表示する。
【0053】
ステップS22では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し放し操作したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作がされたらステップS23へ進み、押し放し操作されてなかったらステップS24’へ進む。
ステップS23では、CPU3aは、現在のバックライト輝度値の表示を消す。そして、ステップS2に戻る。
【0054】
ステップS24’では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押さずに回転操作したかプッシュスイッチ部4bおよびロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押さずに回転操作がされたらステップS25’へ進み、押さずに回転操作がされてなかったらステップS32へ進む。
【0055】
ステップS25’では、CPU3aは、押さずに回転操作がされた回転量に応じた速度でバックライト輝度を自動変更する。なお、ここでの回転量は、最初に操作円板5が押されずに回転操作された位置から操作円板5が回転して止まっている位置までの回転量である。回転方向と変更の増減とは対応させておく。例えば、回転方向が時計回りで回転量が5゜なら1秒間に2度だけバックライト輝度を自動増加させる。また、回転方向が時計回りで回転量が10゜なら1秒間に4度だけバックライト輝度を自動増加させる。また、回転方向が時計回りで回転量が15゜なら1秒間に6度だけバックライト輝度を自動増加させる。なお、回転円板5の回転5゜毎にクリック感を生じさせる節動機構を持たせておくと、5゜ずつの回転操作が容易になる。そして、ステップS26’に進む。
ステップS26’では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し放し操作したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作されてないならステップS27へ進み(自動変更を継続する)、押し放し操作されたら図8のステップS28へ進む(自動変更は止まる)。
【0056】
ステップS27では、CPU3aは、最後の操作から30秒経過したかチェックし、30秒経過してないならステップS25に戻り、30秒経過したならステップS33へ進む
【0057】
図8のステップS28では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押さずに回転操作したかプッシュスイッチ部4bおよびロータリーエンコーダ部4aをチェックし、押さずに回転操作がされたらステップS29へ進み、押さずに回転操作がされてなかったらステップS30へ進む。
ステップS29では、CPU3aは、押さずに回転操作がされた回転量に応じた度数だけバックライト輝度を変更する。ここでの回転量は、操作円板5が止まっている状態から回転し再び止まるまでを回転操作1回とするとき、1回の回転量である。また、回転方向と変更の増減とは対応させておく。例えば、回転方向が時計回りで回転量が5゜なら1度分だけバックライト輝度を増加させる。なお、回転円板5の回転5゜毎にクリック感(節動感)を生じさせる機構を持たせておくと、1度ずつ調整する操作が容易になる。そして、ステップS30へ進む。
【0058】
ステップS30では、CPU3aは、操作者が操作円板5を押し放し操作したかプッシュスイッチ部4bをチェックし、押し放し操作されてないならステップS31へ進み、押し放し操作されたら図7のステップS23へ進む。
【0059】
ステップS31では、CPU3aは、最後の操作から30秒経過したかチェックし、30秒経過してないならステップS28に戻り、30秒経過したなら図7のステップS33へ進む。
【0060】
図7のステップS32では、CPU3aは、最後の操作から30秒経過したかチェックし、30秒経過してないならステップS22に戻り、30秒経過したならステップS33へ進む。
【0061】
ステップS33では、CPU3aは、現在のバックライト輝度値の表示を消して画像表示のための制御パラメータ設定モードに入る前のモードに戻し、ステップS1に戻る。
【0062】
実施例2の画像表示装置によれば、最初に操作者が操作部材5を押し込まずに回転させると、回転させた量に応じた速度で画像表示のための制御パラメータを自動変更することが出来る。次に、操作者が操作部材5を押し放し操作し、さらに操作部材5を押し込まずに回転させると、回転させた量に応じた度数だけ画像表示のための制御パラメータを変更することが出来る。従って、最初に、回転操作を多くしなくても画像表示のための制御パラメータを大きく変更することが出来ると共に自動変更の速度を操作者が選ぶことが出来る。その後、微調整が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の制御パラメータ調整装置および画像表示装置は、液晶画像表示装置におけるバックライト輝度の調整などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1に係る液晶画像表示装置を示す背面図(操作円板が第1位置のとき)である。
【図2】実施例1に係る液晶画像表示装置を示す右側面図である。
【図3】実施例1に係る液晶画像表示装置を示す背面図(操作円板が第2位置のとき)である。
【図4】実施例1に係る液晶画像表示装置を示す機能ブロック図である。
【図5】実施例1に係る液晶画像表示装置における画像表示のための制御パラメータ設定処理を示すフロー図である。
【図6】図5の続きのフロー図である。
【図7】実施例2に係る液晶画像表示装置における画像表示のための制御パラメータ設定処理を示すフロー図である。
【図8】図7の続きのフロー図である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像表示装置
2 液晶画像表示器
2a 液晶パネル
2b バックライト
3 制御部
3a CPU
4 プッシュスイッチ付きロータリーエンコーダ
5 操作円板
6 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んでいるときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、前記第1位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ制御パラメータを変更すると共に前記第2位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記制御パラメータを自動変更する制御部とを具備したことを特徴とする制御パラメータ調整装置。
【請求項2】
操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んでいるときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、制御パラメータ自動変更モード以外の所定のモードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ自動変更モードになり、この制御パラメータ自動変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記制御パラメータを自動変更し、前記制御パラメータ自動変更モードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ逐次変更モードになり、この制御パラメータ逐次変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ制御パラメータを変更する制御部とを具備したことを特徴とする制御パラメータ調整装置。
【請求項3】
画像を表示する画像表示器と、操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んでいるときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、前記第1位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ前記画像表示器での画像表示のための制御パラメータを変更すると共に前記第2位置で操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記画像表示のための制御パラメータを自動変更する制御部とを具備したことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
画像を表示する画像表示器と、操作者が操作部材を押し込んでいないときは操作部材が押込み方向の第1位置にあって該第1位置で操作者により操作部材を回転させることが出来ると共に操作者が操作部材を押し込んでいるときは操作部材が押込み方向の第2位置になり該第2位置でも操作者により操作部材を回転させることが出来るプッシュスイッチ付きロータリーエンコーダと、制御パラメータ自動変更モード以外の所定のモードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ自動変更モードになり、この制御パラメータ自動変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じて少なくとも2段階から選択される速度で前記画像表示器での画像表示のための制御パラメータを自動変更し、前記制御パラメータ自動変更モードのときに操作者に前記操作部材が押し放されると制御パラメータ逐次変更モードになり、この制御パラメータ逐次変更モードで操作者により操作部材が回転させられたときは回転量に応じた度数だけ前記画像表示のための制御パラメータを変更する制御部とを具備したことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の画像表示装置において、前記画像表示器が液晶画像表示器であり、前記画像表示のための制御パラメータがバックライト輝度を含むことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−79587(P2010−79587A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247002(P2008−247002)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】