制御可能なデータ転送能力を有する金庫
【課題】許可されたユーザには便利なデータ・アクセスを可能にしつつ、金庫内に格納されている電子データを不正アクセスから保護することができる金庫、および金庫の隠蔽場所を晒すことなく、外部データ源から金庫内部に位置するデバイスにデバイス・データを転送することを可能にするシステムを提供する。
【解決手段】データ転送ポートに結合された金庫コントローラを含む金庫を提供する。金庫コントローラは、有効コードが金庫コントローラによって受信されたときに、選択的にデバイス・データがデータ転送ポートを通過することを可能にするように構成されている。また、金庫の中にある内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムも提供する。このシステムは、一連の命令を実行するように構成された外部計算機と、金庫とを含む。金庫は、外部計算機に結合されているデータ転送ポートと、内部デバイスとを含む。また、金庫は、データ転送ポートに結合された金庫コントローラも含み、金庫コントローラは、有効コードが金庫コントローラによって受信されたときに、選択的に外部計算機と内部デバイスとの間における通信を可能にするように構成されている。
【解決手段】データ転送ポートに結合された金庫コントローラを含む金庫を提供する。金庫コントローラは、有効コードが金庫コントローラによって受信されたときに、選択的にデバイス・データがデータ転送ポートを通過することを可能にするように構成されている。また、金庫の中にある内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムも提供する。このシステムは、一連の命令を実行するように構成された外部計算機と、金庫とを含む。金庫は、外部計算機に結合されているデータ転送ポートと、内部デバイスとを含む。また、金庫は、データ転送ポートに結合された金庫コントローラも含み、金庫コントローラは、有効コードが金庫コントローラによって受信されたときに、選択的に外部計算機と内部デバイスとの間における通信を可能にするように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互引用)
本願は、2006年1月25日に出願した"Safe Having Data Transfer Capabilities with an External Computing Device"(外部計算機とのデータ転送能力を有する金庫)と題する米国仮特許出願第60/761,980号の優先権を主張する。米国仮特許出願第60/761,980号は、ここで引用したことにより、その全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般的には金庫に関し、更に特定すれば、1つ以上のデータ転送能力を有する金庫に関する。
【背景技術】
【0003】
今日の金庫の殆どは、外部接続がなくても動作するように設計されている。その結果、このような金庫に電子データを格納するためには、最初にデータをデータ記憶装置に送り、金庫を開き、データ記憶デバイスを金庫の中に入れなければならず、こうして金庫を再度施錠することができる。このような行為は、紙の文書またはその他の有形貴重品を格納するときには容認できると考えられるが、これらの行為は、電子データを保護しようとするときには、どうひいき目に見ても厄介であり、ユーザは、それに伴う不便さのために、彼らの電子データを保護しようとしない場合もある。
【0004】
コンピュータ・システムは、電子データの追加、修正、および/または削除の柔軟性および容易性を利用するように設計されている。したがって、ある人が電子データを金庫内に入れることによって、保護したいと思っても、今日の金庫の多くでは、データのプレースホルダ・バージョンをときどき格納するだけに留まる。何故なら、金庫を繰り返し開け閉めして、電子データの新しいコピーを保管する、または金庫内に格納されている記憶装置にアクセスすることは現実的でないからである。
【0005】
この状況を緩和するのに役立てるために、ある金庫は、通過ポートまたはケーブルを有し、金庫の内部にデータおよび電力を供給できるように設計されている。このタイプの金庫では、外部ハード・ドライブを金庫の中に入れて、通過ポートに接続し、金庫内部で固定することができる。次いで、外部コンピュータが通過ポートの外側に接続し、金庫のドアを開け閉めする必要なく、その中に格納されているハード・ドライブに自由にアクセスすることが可能となる。このような状況では、金庫内部に保護されている記憶装置へのデータ・バックアップは、はるかにやりやすくなる。何故なら、これらは外部コンピュータによって自動化することができ、ユーザによる繰り返しステップは不要となるからである。生憎、このタイプの金庫を魅力的にするように思われる便利さが、大きなセキュリティ上の危険となる可能性がある。このような金庫の外側に接近する者は誰でも、多くの異なる種類のコンピュータを通過ポートの外側に接続し、その中にあるデータを閲覧、削除、コピー、修正、または無断借用するために自由にアクセスすることができる。この状況は、紙で満たされた金庫に大きな覗き穴がある場合と類似しており、これによって、単に覗き穴を見おろせば、金庫の内容を明らかにするまたは盗むことができる。
【0006】
更に、既存の金庫は、金庫の外側に位置する外部データ源から金庫の内側に位置するデータ記憶装置までの、赤外線通信リンクを用いたデータ送信にも対応している。しかしながら、赤外線通信リンクの使用には、金庫の内側に位置する記憶装置にデータを送信するために用いるときに、多くの欠点がある。例えば、データを転送するために赤外線通信リンクを用いると、過度に時間がかかり、このため、金庫の内側に位置するデバイスに比較的大量のデータを転送するユーザにとっては不便である。加えて、赤外線通信リンクを用いるには、外部データ源と、データ記憶装置を含む金庫との間に直接の見通し線が必要となる。ユーザがデータを金庫内部にあるデータ記憶装置に転送しようとする度に、外部データ源からの赤外線通信を受信できる位置に金庫を置く必要がある。金庫は、通例、容易に接近できない隠蔽場所に置かれることを考えると、金庫を隠れた場所に保持したいという一般的な希望に反して、金庫を晒すことは都合が悪い場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、許可されたユーザには便利なデータ・アクセスを可能にしつつ、金庫内に格納されている電子データを不正アクセスから保護することができる金庫を有することができれば有益であろう。また、金庫の隠蔽場所を晒すことなく、外部データ源から金庫内部に位置するデバイスに便利にそして素早くデバイス・データを転送することを可能にするシステムを提供することができれば、有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
データ転送ポートと、このデータ転送ポートに結合された金庫コントローラとを有する金庫を提供する。金庫コントローラは、金庫コントローラが有効なコードを受信したときに、デバイス・データを選択的にデータ転送ポートを通過させることを可能にするように構成されている。
【0009】
また、金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムも提供する。このシステムは、コンピュータ読み取り可能媒体上に格納された一連の命令を実行する外部計算機を有し、一連の格納されている命令は、金庫アプリケーション・ソフトウェアを含む。金庫はこのシステムに含むことができ、外部計算機に接続するように構成されたデータ転送ポートと、内部デバイスとを有することができる。また、金庫は、データ転送ポートに結合された金庫コントローラも有することができ、金庫コントローラは、有効コードが金庫コントローラによって受信されたときに、外部計算機と内部デバイスとの間における通信を選択的に可能にするように構成されている。
【0010】
金庫においてデータ転送ポートを解放する方法も提供する。金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から金庫コントローラに有効コードを送信する。有効コードの受信に応答して、金庫コントローラによって金庫におけるデータ転送ポートを動作可能にすることにより、デバイス・データにデータ転送ポートを通過させる。
【0011】
金庫においてデータ転送ポートを解放する別の方法を提供する。金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から金庫コントローラに有効コードを送信する。有効コードをローカル入力デバイスから受信した信号と比較する。有効コードの少なくとも一部と、ローカル入力デバイスから受信した信号が一致した場合、金庫コントローラによってデータ転送ポートを動作可能にすることにより、デバイス・データにデータ転送ポートを通過させる。
【0012】
外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法を提供する。金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に、接続を確立する。内部デバイスに宛てたデータを有効コードと共にエンコードするために、外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。外部計算機から金庫コントローラにエンコード・データを伝達する。エンコード・データをデコードする。デコードした有効コードおよびデバイス・データの受信に基づいて、金庫内に格納されている内部デバイスにデバイス・データを受け渡す。
【0013】
更に、外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡すためのコンピュータ実行可能命令を収容したコンピュータ読み取り可能媒体も提供する。コンピュータ読み取り可能媒体は、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に、接続を確立する命令を含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は有効コードの受信に基づいて、金庫コントローラがデバイス・データを金庫の中にある内部デバイスに導出するように、外部計算機から金庫コントローラに有効コードおよびデバイス・データを伝達する命令も含む。
【0014】
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を行う方法システムを提供する。このシステムは、外部計算機と、データ転送ポートを有する金庫とを含む。データ転送ポートは、内部デバイスに接続されている。外部計算機は、デバイス・データをデータ転送ポートにワイヤレスで伝達するように構成されており、データ転送ポートは、デバイス・データを内部デバイスに伝達するように構成されている。
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を行う方法も提供する。この方法は、データ転送ポートを含む金庫を設けるステップと、内部デバイスをデータ転送ポートに接続するステップと、データ転送ポートと外部計算機との間においてデータをワイヤレスに通信するステップと、データ転送ポートと内部デバイスとの間においてデバイス・データを伝達させるステップとを含む。46。
内部デバイスとのデータ通信を行うシステムを提供する。このシステムは、内部デバイスを格納するために構成した内部区画を規定する金庫を含む。更に、このシステムは、金庫に結合されたデータ転送ポートを含む。このデータ転送ポートは、内部デバイスと外部計算機との間でデータ転送ポートを通じてデータをワイヤレスで伝達するように、外部計算機にワイヤレスで接続するように構成されている。
【0015】
本発明の前述のそしてその他の特徴および利点、ならびにこれらを達成する態様は、以下に続く本発明の詳細な説明を、添付図面と共に参照することによって、認められ、一層容易に理解されよう。
【0016】
尚、明確を主旨とするため、そして妥当と見なされる場合には、図面において対応する機構を示すために参照番号を繰り替えており、図面における種々の要素は、機構を見やすくするために、必ずしも同一の拡縮率で描かれている訳ではないことは認められよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図面を詳細に、そして特に図1を参照すると、本発明の実施形態による金庫が提示されており、参照番号30が付けられている。金庫30は、いずれの種類の金庫でもよく、限定ではなく、非防火金庫だけでなく、防火金庫、粉砕金庫(crush safe)、防水金庫、銃金庫、チェスト、およびファイル・キャビネット金庫が含まれる。金庫30が防火金庫である実施形態では、Sentryの米国特許第6,269,966号に示され記載されているように、金庫の蓋および底面は、二重壁吹込成形ユニットであり、内壁および外壁の間に防火絶縁体を含むとよい。米国特許第6,269,966号は、ここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。金庫30に用いることができる防火材料は、限定ではなく、絶縁鉱物ウール、珪酸ナトリウム膨張性材料、およびSentryの米国特許第4,645,613号に記載されている絶縁体の内1つ以上を含むことができる。米国特許第4,645,613号は、ここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。金庫30が防水金庫である実施形態では、Sentryの米国特許第6,752,092号に示されるように、金庫は、1つ以上のガスケット・シールを有し、これらを蓋と底面との間の界面に配置するとよい。米国特許第6,752,092号は、ここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。尚、防火および防水金庫の他の実施形態も、米国特許第6,269,966号、第6,752,092号、および第4,645,613号に示されている機構に加えてまたはこれらの代わりに、本発明と共に用いてもよいことは言うまでもない。
【0018】
金庫30は、データ転送ポート32と、このデータ転送ポート32に結合された金庫コントローラ34とを有する。データ転送ポート32は、金庫30の外側に位置する外部デバイスからデバイス・データ36を受信するように構成されている。デバイス・データ36の例には、限定ではなく、ハード・ドライブ・リード/ライト・コマンドおよび関連するデータ、記憶装置のデータ、写真のようなディジタル・カメラのデータ、MP3ファイルのようなディジタル音楽データ、連絡先リストやカレンダーのようなスマートフォン・データ、オペレーティング・システムのバックアップ・データ、および会計データを含むことができる。金庫コントローラ34は、有効なコード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36がデータ転送ポート32を通過して内部デバイスに達することを選択的に可能にするように構成されている。金庫コントローラ34は、マイクロプロセッサ、コンピュータ、特定用途集積回路(ASIC)、アナログ・コンポーネント、ディジタル・コンポーネント、あるいはこれらの内のいずれの数または組み合わせでもよい。有効コード38は、限定ではなく、パスワード、バイオメトリクス・シグネチャー、暗号鍵、暗号化コード、データ・フォーマット、適正にカプセル化したデータ、信号ビット、またはこれらのいずれの組み合わせでも含むことができる。
【0019】
簡略化のために、電力を必要とするこのような品目のいずれに対する電力接続も示さないこととする。しかしながら、金庫内部にあるデバイスに、例えば、その目的のために電力コードを金庫のドアまたは壁に空けた穴または切欠に通すことによって、金庫の壁を通る電力ポートに外部および内部接続部を設けることによって、または金庫に1つ以上のバッテリまたは交流電源を設けることによって、電力を供給すればよいことは言うまでもない。当業者には周知である金庫内部に合ったその他数多くの種類の給電構成も、手元にあるシステムおよび金庫に応じて、所望通りに選択することができる。
【0020】
データ転送ポート32は、いずれの種類の物理的コネクタまたはワイヤレス・コネクタ、または物理的ジャックまたは物理的ポート、更にはいずれの所望のプロトコルでも利用することができる。適したデータ転送ポート32の接続およびプロトコルの例の一部には、限定ではなく、イーサネット(登録商標)、RJ−45、シリアル、USB、firewire、より対線、光、光ケーブル、ワイヤレスRF、802.11、BLUETOOTH、CDMAセルラ、およびGSMセルラが含まれる。簡略化のために、データ転送ポート32は、一度に1つの接続形式およびプロトコルのみを提供するように記載するが、実施形態によっては、1種類よりも多いコネクタおよび/またはプロトコルを、データ転送ポート32と関連付けて有してもよいことは言うまでもない。更に、図示のデータ転送ポート32を通過する経路は、一方向に示されているが、データ転送ポート32はデータを双方向に通過させることができるにしてもよいことは言うまでもない。金庫30の動作の論述を簡略化するために、一方向の通信を例示しているが、双方向通信も可能にすることができ、金庫30の内側にある内部デバイスに接続したい多くの外部デバイスに必要であることは言うまでもない。
【0021】
金庫コントローラ34がデバイス・データ36をデータ転送ポート32を通じて内部デバイスに受け渡すことを可能にするためには、有効コード38を金庫コントローラ34が受信しなければならない。図2および図3は、有効コード38がどこから来ればよいかについて2つの選択肢を模式的に示す。図2の実施形態では、金庫30のデータ転送ポート32は、図1に示すように金庫コントローラ34に結合されたままであるが、ローカル入力デバイス40も金庫コントローラ34に結合されている。金庫コントローラ34に結合することができるローカル入力デバイス40の例には、限定ではなく、電子シグナリング能力を有するキー・ロック(key lock)、キー・パッド、遠隔制御センサ、磁気リーダのような電子キー・リーダ、バー・コード・リーダ、およびRFIDタグ・リーダ、ディジタル表示器を有する物理的または抵抗性組み合わせダイアル、機械的キー・ロック、認証トークン、例えば、スマート・カードまたはキー・フォブ(key fob)、そして指紋リーダまたは網膜スキャナのようなバイオメトリクス・リーダが含まれる。ユーザのローカル入力デバイス40との相互作用に応答して、信号42が金庫コントローラ34に送られる。これが所定の判断基準と一致した場合、この信号42は有効コード38であると見なされ、次いで、金庫コントローラ34は、デバイス・データ36をデータ転送ポート32を通じて所望の内部デバイスに受け渡すことが可能になる。
【0022】
図3に示す実施形態では、金庫30は、図1におけるように金庫コントローラ34に結合されたデータ転送ポート32と、金庫コントローラ34に結合された通信ポート44とを有する。また、通信ポート44は、先にデータ転送ポート32に関して論じた形式のコネクタおよび/またはプロトコルのいずれでも用いることができる。この実施形態では、データ転送ポート32は、先に論じたデバイス・データ36を受信する。通信ポート44は、通信データ46を受信する。通信データ46は、金庫コントローラ34が用いる命令またはその他の情報を含むことができる。図3の場合、通信ポート44は、有効コード38をその着信データの一部として含む、通信データ46を受信する。次いで、有効コード38によって、金庫コントローラ34はデータ転送ポート32を通じてデバイス・データ36を内部デバイスに受け渡すことが可能になる。
【0023】
図4および図5は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36がどのようにデータ転送ポート32を通過することができるかについての異なる実施形態を模式的に示す。データ転送ポート32は、外部側面48および内部側面50を有する。データ転送ポート32の外部側面48は、金庫30の外側から接近することができ、金庫30の外側に位置する外部計算機に結合することができる。図4の実施形態では、データ転送ポート32の内部側面50は金庫30の内側から接近することができ、金庫30の内側に位置する内部デバイスに結合することができる。また、データ転送ポート32は、金庫コントローラ34によって動作可能にすることができる活性化入力52も有する。金庫コントローラ34が有効コード38に応答して活性化入力52を動作可能にすると、デバイス・データ36Aはデータ転送ポート32を通過し、デバイス・データ36Bとなることができる。デバイス・データ36Bは、データ転送ポート32の内部側面50に結合されているいずれのデバイスにも利用可能である。
【0024】
図5に示す実施形態では、データ転送ポート32の内部側面50は金庫コントローラ34に結合されている。また、金庫コントローラ34は内部データ・ポート54も有し、内部データ・ポート54は、金庫30内部に位置する内部デバイスに結合することができる。データ転送ポート32の外部側面48は、金庫30の外側に位置する外部計算機に結合することができる。金庫コントローラ34が有効コード38を受信すると、デバイス・データ36Aはデータ転送ポート32および金庫コントローラ34を通過して内部データ・ポート54に至り、デバイス・データ36Bとなることができる。デバイス・データ36Bは、金庫コントローラ34に結合されているいずれの内部デバイスにも利用可能である。
【0025】
実施形態によっては、ここに定義するデータ転送ポート32および通信ポート44を同じ物理的ポートに組み合わせてもよい場合もある。図6および図7は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36がどのように合体データ転送および通信ポート56を通過することができるかについての異なる実施形態を模式的に示す。2つの異なる種類のデータ(デバイス・データ36および通信データ46)を1つのデータ転送ポート56上で送ることを可能にするために、実施形態によっては、デバイス・データ36および通信データ46を合わせてコード化データ58としてエンコードすることができる。先の論述を思い出すと、通信データ46は有効コード38を含むことができる。
【0026】
データ転送ポート56は、外部側面60および内部側面62を有する。データ転送ポート56の外部側面60は、金庫30の外側に位置する外部計算機に結合することができる。データ転送ポート56の内部側面62は、金庫コントローラ34に結合することができる。また、金庫コントローラ34は内部ポート64を有し、内部ポート64は金庫30の内側に位置する内部デバイスに結合することができる。金庫コントローラ34は、内部側面62を通じてデータ転送ポート56の外部側面60からのコード化データ58をデコードし、コード化データ58からあらゆるデバイス・データ36を抽出し、コード化データ58から有効コード38がデコードされた場合、デコードしたデバイス・データ36が内部ポート64を通過することを選択的に許容するように構成することができる。
【0027】
図7に示す実施形態は、図6の実施形態と同様に動作するが、有効コード38およびデバイス・データ36が異なるパケットにおいて、異なる時点に、データ転送ポート56に送られることを除く。金庫コントローラ34は、少なくとも1つの有効コード38の受信に続いて、デバイス・データ36をデータ転送ポート56の外部側面60から内部データ・ポート64に通過させるように構成することができる。
【0028】
他の実施形態では、本発明の範囲および主旨から逸脱することなく、他の符号化および/またはパケット化技法を用いてもよい。デバイス・データ36および通信データ46、38を同様に1つのデータ転送ポート56を通じて移動させるためには、種々のパケット化、多重化、およびエンコード技法を用いてもよく、本発明の範囲に該当する。また、金庫は、金庫コントローラ34には接続されないデータ転送ポート56を含んでもよく、この場合、有効コードを用いずに、エンコードまたは暗号化されたデバイス・データ36は外部計算機からデータ転送ポート56を通じて、金庫30内に位置する内部デバイスに達するようにすればよいことも言うまでもない。
【0029】
残りの実施形態における便宜上、合体データ転送ポート56を用いるが、他の実施形態は、別個の通信ポートを有する非合体データ転送ポートを有してもよく、更に他の実施形態は、いずれの通信ポートもない、非合体データ転送ポートを有してもよいことを念頭に入れておくべきであろう。このような実施形態については先に論じたが、再度、簡略化のために、残りの論述では合体データ転送ポート56を用いる。
【0030】
図8Aから図8Hは、金庫30の構造、およびデバイス・データがデータ転送ポート56を通過することを選択的に可能にするための前述のエレメントに、この構造がどのように関係し得るかについて模式的に示す。図8Aから図8Gの実施形態では、金庫30は、外部構造即ち筐体66を有する。筐体66が規定する進入開口68は、例えば、1つ以上の蝶番71によって外部構造66に移動可能にまたは枢動状に結合されているドア70による接近を許容するように開放し、またはこれを防止するように閉鎖することができる。図8Aから図8Gに関する模式図は、金庫30を上断面図で示す。また、金庫30は少なくとも1つのロック・メカニズム72も有し、ロック・メカニズム72は、外部構造66およびドア70に選択的に結合することができる。適したロック・メカニズム72の例には、限定ではなく、電子式ロック・アクチュエータが含まれる。ロック・メカニズム72は、実施形態によっては、金庫コントローラ34に動作的に結合してもよいが、例えば、手動ロックの場合、コントローラ34に結合する必要は全くない。
【0031】
図8Aの実施形態では、データ転送ポート56はドア70を通過する。実施形態によっては、データ転送ポート56が、雄または雌ケーブル・コネクタのような、ケーブル・コネクタを含む場合もある。ケーブル・コネクタは、実質的にドアと面一であっても、ドア内に埋め込まれていても、ドアから突出していても、あるいはケーブル・コネクタから金庫30までに及ぶ長さのケーブルを含んでもよい。別の実施形態では、データ転送ポート56は、光リレー、光ファイバ・ケーブル、および/またはフォトセンサのような、光コネクタを含むことができる。
【0032】
図8Bに示す実施形態は、図8Aの実施形態と同様であるが、データ転送ポート56が、ドア70を通過するのではなく、金庫30の外部構造66を通過することを除く。データ転送ポート56は、外部構造66の上面、底面、または側面を通過してもよい。
【0033】
図8Cから図8Gにおいて最良に見られるように、データ転送ポート56はアンテナ74を含むことができる。ケーブルの代わりにアンテナを用いることにより、便利な無線周波数(RF)通信が可能となり、特に多くの金庫が、人目につかない場所または隠れた場所に配置されていることが多いことを考慮すると、データのバックアップおよび/またはアクセスを一層容易にすることができる。アンテナ74をデータ転送ポート56に結合しておくことにより、アンテナ74のワイヤレス範囲内であればどこにある外部計算機によっても、データ転送ポート56および外部計算機との接続が可能となる。
【0034】
図8Cにおいて最良に見られるように、アンテナ74は、金庫30の領域の内側に配置することができる。図8Dの実施形態では、アンテナ74は、外部構造66を貫通するように示されており、これによって、アンテナ74からの送信および受信信号をより強くすることができる。何故なら、アンテナ74が金庫30によって完全に遮蔽されないからである。図8Eの実施形態は、図8Dに示す実施形態と同様であるが、アンテナ74が金庫30のドア70を貫通することを除く。図8Dまたは図8Eのいずれの実施形態においても、金庫30の外面を貫通するアンテナ74は、必ずしも短くなくてよいので、これによってアンテナ74を金庫30に近接し続けることができる。実施形態によっては、アンテナ74が十分に長いリードを有し、これをデータ転送ポート56に結合するため、アンテナ74を金庫30とは実質的に無関係に離れて配置し、金庫30による受信および送信の干渉を低減することができる場合もある。
【0035】
図8Fにおいて最良に見られるように、アンテナ74は外部構造66の内側に配置されている。図8Gの実施形態も同様であるが、アンテナ74がドア70の内側に配置され、盾面板がドア70に取り付けられている。これらの実施形態では、双方とも、アンテナ74が視界から遮られているため、金庫が電子的に何らかの外部デバイスに結合されていることを、盗人らしき者が口外するのをできることを防止する。アンテナ74を隠蔽することにより、アンテナが損傷することも防止することができる。
【0036】
図8Hに模式的に例示する実施形態は、完全に密閉された箱76で作られ、進入ドアがない金庫を示す。密閉箱76は、データ記憶装置78を内部に入れても、製作することができるであろう。密閉箱76の金庫は、データの視点からは、金庫30を動作させるのと全く同様に動作させることができるが、データ転送ポート56が何らかの方法で壊された場合に、誰かが金庫の内部に侵入する虞れがない。
【0037】
図8Iから図8Mは、金庫30の構造の実施形態、そしてそれが前述したエレメントとどのように関係し得るかについて模式的に示す。この場合、データ転送ポート56は金庫コントローラ34には接続されていないので、デバイス・データ36は外部計算機からデータ転送ポート56を通って金庫30内に位置する内部デバイスに達し、金庫コントローラ34と相互作用することも、有効コードを用いることもない。図8Iから図8Mの実施形態では、デバイス・データは、ワイヤレス通信を用いて、データ転送ポート56を通過する。これらの実施形態において、ワイヤレス接続またはワイヤレス通信という用語を用いる場合、赤外線通信を除外し、無線周波数(RF)通信、802.11、BLUETOOTH、CDMAセルラ、およびGSMセルラ等を含むと定義する。
【0038】
図8Iから図8Mに最良に見られるように、金庫30は進入開口68を規定する外部構造即ち筐体66を有する。進入開口68は、例えば、1つ以上の蝶番71によって外部構造66に移動可能にまたは枢動状に結合されているドア70による接近を許容するように開放し、またはこれを防止するように閉鎖することができる。図8Iから図8Mに関する模式図は、金庫30を上断面図で示す。また、金庫30は、少なくとも1つのロック・メカニズム72を有し、ロック・メカニズム72は選択的に外部構造66およびドア70を結合する。適したロック・メカニズム72の例には、限定ではなく、電子式ロック・アクチュエータが含まれる。ロック・メカニズム72は、実施形態によっては、金庫コントローラ34に動作的に結合してもよいが、例えば、手動ロックの場合、コントローラ34に結合する必要は全くない。
【0039】
図8Iから図8Mにおいて最良にみられるように、データ転送ポート56はアンテナ74を含むことができる。アンテナ74の使用によって、外部計算機と金庫30内に位置する内部デバイスとの間にワイヤレス接続が可能となり、赤外線通信を用いる場合よりも素早くデータのバックアップおよび/またはデータへのアクセスを行うことが可能になる。更に、外部デバイス、データ転送ポート、および金庫内に位置する内部デバイス間においてワイヤレス通信を用いることにより、ワイヤレスでデバイス・データを転送するときに、外部計算機がどこに配置されているかに関して柔軟性を高めることができる。何故なら、デバイス・データをアンテナ74に送る外部計算機は、赤外線接続の場合のように、直接見通し線内にある必要がないからである。多くの金庫が人目につかない場所または隠れた場所に配置されていることが多いことを考慮すると、これは、既存の赤外線通信システムの使用に対する大きな便益となる。アンテナ74をデータ転送ポート56に結合しておくことにより、アンテナ74のワイヤレス範囲内であればどこにある外部計算機によっても、データ転送ポート56および外部計算機とのワイヤレス接続が可能となる。したがって、ユーザは、デバイス・データを金庫の内側にある内部デバイスに転送するときに、金庫の至近場所にいる必要がなくなる。赤外線通信ではなく、ワイヤレス通信を用いてデバイス・データを金庫内に位置する内部デバイスに転送すると、ユーザには、広範囲に渡る柔軟性が得られる。
【0040】
図8Iにおいて最良に見られるように、アンテナ74は、金庫30の領域の内側に配置することができる。図8Jの実施形態では、アンテナ74は、外部構造66を貫通するように示されており、これによって、アンテナ74からの送信および受信信号をより強くすることができる。何故なら、アンテナ74が金庫30によって完全に遮蔽されないからである。図8Kの実施形態は、図8Jに示す実施形態と同様であるが、アンテナ74が金庫30のドア70を貫通することを除く。図8Jまたは図8Kのいずれの実施形態においても、金庫30の外面を貫通するアンテナ74は、必ずしも短くなくてよいので、これによってアンテナ74を金庫30に近接し続けることができる。実施形態によっては、アンテナ74が十分に長いリードを有し、これをデータ転送ポート56に結合するため、アンテナ74を金庫30とは実質的に無関係に離れて配置し、金庫30による受信および送信の干渉を低減することができる場合もある。
【0041】
図8Lにおいて最良に見られるように、アンテナ74は外部構造66の内側に配置されている。図8Mの実施形態も同様であるが、アンテナ74がドア70の内側に配置され、盾面板がドア70に取り付けられている。これらの実施形態は、双方とも、アンテナ74が視界から遮られているため、金庫が電子的に何らかの外部デバイスに結合されていることを、盗人らしき者が口外し得ることを防止する。アンテナ74を隠蔽することにより、アンテナが損傷することも防止することができる。
【0042】
図9は、金庫30内にある内部デバイス82とのデータ通信を制御するシステム80の実施形態を模式的に示す。適した内部デバイス82の例には、限定ではなく、外部ハード・ドライブ・ジップ・ドライブ、CD/DVDライタ、フラッシュ・メモリ、メモリ・リーダ、ディジタル・カメラ、およびMP3プレーヤが含まれる。
【0043】
金庫30の外側では、外部計算機84が金庫30のデータ転送ポート56に結合されている。外部計算機84は、コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されており、一連の格納されている命令は、少なくとも部分的に、金庫アプリケーション・ソフトウェア86を構成する。金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、外部計算機が、金庫30内にある内部デバイス82に適したデバイス・データをフォーマットすることを可能とし、金庫コントローラ34が、しかるべき通信データ(有効コードを含む)によって、外部計算機84に内部デバイス82と通信することを許可するようしている。また、金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、外部計算機84を、金庫88A、88B、および88Cのような1つよりも多い金庫に接続し、複数の金庫の中に格納されている種々の内部デバイスにアクセスできるように構成することもできる。実施形態の中には、金庫アプリケーション・ソフトウェア86が、金庫30に関する種々のパラメータを制御する能力を有することができる場合もある。
【0044】
金庫アプリケーション・ソフトウェア86を用いると、金庫30の開錠に関する種々の想定場面を実施することができる。金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、データ転送ポート56を通じてアクセス制御データを金庫コントローラ34に受け渡すことができ、実施形態によっては、金庫コントローラ34の不揮発性メモリに格納できる場合もある。このような想定場面の1つでは、以下で図10を参照して更に詳しく説明するが、金庫30を用いる種々の個人に別個の有効コードを有し、例えば、金庫30に入力する毎および/または各ユーザによる金庫30内のデバイスとのデータ・トランザクション毎に、ログを作成することができる。また、ある人が金庫30を開くことをもはや許可されていない場合、他のコードに影響を及ぼすことなく、その人の有効コードを金庫コントローラ34から除去することができる。別の想定場面では、ユーザがキー・ロック、キーパッド、遠隔制御センサ、電子キー・リーダ、バイオメトリクス入力デバイス、または電子カード・リーダを用いて、および/またはコンピュータ84によって、あるいはこれらの選択肢のいずれかの組み合わせによって、金庫30を開錠する能力を不能化することを含む。つまり、想定場面の一例では、金庫アプリケーション・ソフトウェア86の管理者が、金庫30上のあらゆるローカル入力デバイス40を不能化することによって、管理者以外のいずれの者でも、金庫30を開くことを禁止することができる。あるいは、金庫30がコンピュータ84に接続されていない場合、管理者は、金庫30上のローカル入力デバイス40の一部を不能化し、例えば、キーパッドのみを動作可能とし、キーパッドに対して1つの有効コードのみを設定して、管理者のみが金庫30に到達できるようにすることができる。次いで、管理者は、コンピュータ84から、または有効コードをキーパッドに入力することによって、金庫30を開くことができる。別の想定場面では、管理者は、最初に管理パスワードを入力し、次のコードは新しいユーザ・コードであることを金庫コントローラ34に伝えるコードを入力し、次いで新しいユーザ・コードを入力することによって、しかるべきコマンドを金庫コントローラ34に送り、管理者がキーパッドを用いてユーザ・コードを入力できるように、金庫アプリケーション・ソフトウェア86を構成することができる。同様に、ユーザ・コードを不能化することもできる。キーパッドを通じて入力される変更は、これらが入力されるに際にまたは後の日に、金庫コントローラ34によって金庫アプリケーション・ソフトウェア86に送られる。
【0045】
図10は、金庫アプリケーション・ソフトウェア86が生成するコンピュータ画面90の図であり、ユーザ開錠画面および管理者ユーザ・コード制御画面の双方である。通常の動作中、ユーザは彼または彼女のコードを「ユーザ・コード」ボックス92に入力し、次いで「金庫を開く」ボタン94をクリックすれば、金庫30を開くことができる。「金庫を開く」ボタン94は、実施形態に応じて、金庫が物理的に開錠されていること、データ転送ポートが解放されること、または双方を意味する。金庫アプリケーション・ソフトウェア86の別の実施形態では、3つの選択肢全てに対して明示的なボタンを有してもよい。「メッセージ」ボックス96は、金庫30が開錠されていること、または無効のコードが入力されたことの確認というような情報をユーザに提供するようにプログラムすることができる。
【0046】
この実施形態では、画面90を用いる管理者は、最初に彼または彼女のマネージャ・コードを「Mngrコード」ボックス98に入力する。次いで、管理者は「金庫を開く」ボタン100をクリックすることによって金庫30を開き、ユーザ・コードを「ユーザ・コード」ボックス92に入力し、「ユーザ・コードを読み取る」ボタン102をクリックして、その人のトランザクション履歴をこのコードと一緒に「メッセージ」ボックス96に表示させることができる。また、管理者は、「クリア」ボタン104をクリックすれば、「ユーザ・コード」ボックス92の中にあるユーザ・コードを有効コードのリストから除去することによって、このコードを有するユーザが金庫30にアクセスするのを禁止することができる。また、管理者は、新しいコードを「ユーザ・コード」ボックス92に入力し、「ユーザ・コードの設定」ボタン106をクリックすることによって、新しいユーザ・コードを設定することもできる。ユーザまたは管理者のいずれも、「中止」ボタン108をクリックすることにより画面90から離れることができる。画面90の最上部付近には、金庫アプリケーション・ソフトウェア86の別の画面を選択するためまたは金庫アプリケーション・ソフトウェア86を終了するための「ファイル」ボタン110があり、「接続」ボタン112は、ユーザまたは管理者に、金庫30、88A、88B、88C等(1つよりも多い金庫が外部計算機84に結合されている場合)のどれと通信するか選択させる。選択した金庫に利用可能な種々のパラメータの選択は、「オプション」ボタン114によって見ることができる。数個のオプションの中には、「メッセージ」ボックス96の中に表示するデータの種類、画面90の使用に関する情報を受信するために「ヘルプ」ボタン116を含むことができる。画面90の最下部には、現在の時刻および日付を示す2つのディスプレイ118がある。
【0047】
金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、図10を参照して先に説明した機能に加えて、既に述べたように、金庫30に関して更に多くの能力を有する。これらには、限定ではなく、金庫コントローラ34に、パスワード入力モジュール、センサ・モジュール、および金庫コントローラ34に結合することができるカメラのようなローカル入力デバイス40から金庫コントローラ34への全ての入力データを記録し、恐らくは後に外部計算機84に送るように命令することを含むことができる。
【0048】
金庫コントローラ34に、キーパッドを用いて金庫30に入力しようとして失敗した回数を追跡するように命令することができ、所定の時間期間内にある回数だけ試行に失敗した後に、キーパッドを一時的に不能化することができる。このようなデータは、スーパバイザにセキュリティの脅威を警報することができ、あるいはどのユーザが彼または彼女のコードの一部を忘れたのか示すこともできる。
【0049】
先に論じたように、外部計算機84と金庫30のデータ転送ポート56との間を通過するデータは、多くの種類の接続、電気的、ワイヤレス、および光によって、種々のプロトコルを用いて結合することができる。更に、データは、例えば、パケット化、エンコード、独自の暗号化方法または公開暗号化方法のいずれかによって暗号化することもできる。
【0050】
図11は、金庫においてデータ転送ポートを解放する方法を示す。この方法によると、ステップ120において、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。ステップ122において、計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。ステップ124において、しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から有効コードを金庫コントローラに送信する。ステップ126において、有効コードの受信に応答して、金庫コントローラによって金庫30におけるデータ転送ポートを動作可能にする(126)。
【0051】
図12は、金庫におけるデータ転送ポートを解放する別の方法を示す。この方法では、ステップ128において、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。ステップ130において、外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。ステップ132において、しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から有効コードを金庫コントローラに送信する。ステップ134において、有効コードを、ローカル入力デバイスから受信した信号と比較する。ステップ136において、有効コードとローカル入力デバイスから受信した信号の少なくとも一部が一致したなら、金庫コントローラによってデータ転送ポートを動作可能にする。
【0052】
図13は、外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法を示す。この方法では、ステップ138において、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。ステップ140において、外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力し、有効コードを有する内部デバイスに宛てたデバイス・データを、有効コードと共にエンコードする。先に論じたように、エンコードした有効コードは、デバイス・データと連続にすることができ、デバイス・データと共にパケット化されている可能性がある。ステップ142において、エンコードしたデータを外部計算機から金庫コントローラに伝達する。ステップ144において、金庫コントローラはエンコード・データをデコードする。ステップ146において、金庫の中に格納されている内部デバイスに、デバイス・データを受け渡す。
【0053】
図14は、金庫30の別の実施形態と、この実施形態ではラップトップ・コンピュータとして例示されている外部計算機84の斜視図である。この実施形態では、外部計算機84はUSB接続150を用いて、データ転送ポートを通じて金庫コントローラに結合する。別の実施形態では、既に説明したように、他の種類のポートやコネクタも用いることができる。
【0054】
図15は、金庫30の上面に取り付けた、即ち、位置付けたデータ転送ポート56を有する金庫30の別の実施形態の内側の斜視図である。内部デバイス82は、ここでは、ハード・ドライブとして例示されており、金庫30の内部に配置されている。
【0055】
データ転送ポートは、実施形態によっては、ハブのように作用することにより、多数の内部デバイスをそれに接続できるように構成されている場合もある。データ転送ポートが本質的にハブのように作用する設計になっていない場合、デバイス・データが金庫に流れ込む場所に応じて、データ転送ポートまたは金庫コントローラにハブを結合することもできる。ハブの機能が金庫コントローラ34から来るのか、またはハブを金庫コントローラに結合するのかには関係なく、ハブ・ポートの可用性は、実施形態によっては、金庫コントローラ34によって制御することができる。一方、金庫コントローラ34は、外部計算機84上で起動する金庫アプリケーション・プログラム86によって制御することができるので、ハブ・ポートの可用性も金庫アプリケーション・プログラム86によって制御することもできる。金庫アプリケーション・プログラム86は、個人がデータを格納し彼らのポートでデータにアクセスできるが、ハブ上の別のポートにはアクセスできないように構成することができる。
【0056】
図16は、金庫30の内側の一部の斜視図を示す。データ転送ポートは、ドア70の内部に配置されており、データ転送ポートの内部側面はコネクタ152によってハブ154に結合されている。ハブ154は、ドア70の内側に取り付けられている。ハブ154は、種々の内部デバイスを選択的に、外部計算機(この図には示されていない)によってデータ転送ポートを通じてアクセスすることを可能にする。例えば、2つの異なるフラッシュ・メモリ・デバイス156および158をハブ154に結合することができる。加えて、MP3プレーヤ160をハブ154に結合する。このような金庫の実施形態の一部では、種々の内部デバイスを保持するため、またはデバイスを接続するケーブルを敷設する際に便利なように、フック162を有することもできる。同様に、金庫の実施形態の一部では、内部デバイスおよびかかる品目に必要なあらゆるケーブルを格納し編成するために、1つ以上の可撓性または硬質のポケット164を設けることもできる。
【0057】
以上で論じた金庫の実施形態では、金庫内に位置する内部デバイスに対するデータの双方向転送を容易に行うことができ、金庫を開き、内部デバイスに接続し、再度金庫に施錠する必要性がなくなる。金庫の他の実施形態では、金庫のデータ転送能力を利用するように構成することができる、更に別の能力を含むこともできる。例えば、図17に模式的に示す実施形態における金庫30は、センサ・モジュール166、環境制御モジュール168、および金庫コントローラ34に結合することができるカメラ170を含む。また、図17の実施形態は、リアル・タイム・クロック172と、コントローラ54に結合されているローカル出力174とを有する。図17の実施形態はセンサ・モジュール166、環境制御モジュール168、カメラ170、リアル・タイム・クロック172、およびローカル出力174を含むが、他の実施形態では、これらの機構の内、1つのみ、またはいずれかの下位組み合わせ(sub-combination)を有しても、何も有していなくてもよいことは言うまでもない。
【0058】
ローカル出力174は、スピーカ、ブザー、および/またはサイレンのような、音響生成デバイス176を含むことができる。更にまたは代わりに、ローカル出力174は、ユーザが金庫30を動作させている間に補助するために金庫30上に配置するディスプレイ178も含むことができる。
【0059】
センサ・モジュール166は、限定ではなく、バッテリ充電レベル・センサ180、温度センサ182、湿度センサ184、動きセンサ186(加速度計のような)、ドア開放センサ188、金庫が施錠されているか否か検知するセンサ190、水が金庫30内に侵入しているか否か検知する水/水分センサ192を含むことができる。金庫コントローラ34は、バッテリ充電レベル、温度、湿度、動き、および水/水分センサ180、182、184、186、および192に対してそれぞれ閾値限度を設定し、閾値を交差したまたは限度超過状態が発生した場合には金庫アプリケーション・ソフトウェア86に警報することができる。あるいは、金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、金庫コントローラ34に、センサ180〜192のいずれの組み合わせをも読み出して、読み取り値を金庫アプリケーション・ソフトウェア86に転送するように命令することができる。
【0060】
動きセンサ180は、金庫30が盗まれているか否か検出するために用いることができ、検出した場合、可聴および/または可視警報を、しかるべきローカル出力174を用いて開始することができる。別の実施形態では、外部計算機84との通信接続を通じて、警報状態を開示することができる。金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、警報状態を受信すると、電子メール、呼び出し、ファックス、テキスト・メッセージ、および/またはインスタント・メッセージを送るように構成することができる。また、金庫アプリケーション・ソフトウェアは、所望の電話番号(陸線または移動体)に発行し、警報に関する自動メッセージを残しておくように構成することもできる。別の実施形態では、金庫30は、陸線、セルラ・リンク、あるいはその他の有線または無線接続を通じて接続し、一人以上の人に警報状態があることを警報するように構成することもできる。加えて、金庫30を外部計算機84に接続したままにしておける実施形態では、金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、金庫コントローラ34と通信チェック・シーケンスを設定し、データ接続が金庫30の移動によって分断されたか否か検出することができる。
【0061】
環境制御モジュール168は、金庫30の内側に温度および湿度を制御するために、それぞれ、温度制御デバイス194および湿度制御デバイス196を含むことができる。温度制御デバイス194および湿度制御デバイス196は、金庫コントローラ34によって制御され、一方金庫コントローラ34は、外部計算機84上の金庫アプリケーション・プログラム86によって制御することができる。
【0062】
カメラ170は、静止写真および/またはビデオを取り込むように構成することができる。カメラ170は、金庫30の内側に向けて、金庫30への進入をキャプチャし、金庫30に近づく人間を特定し、金庫30に入れたまたは金庫30から持ち出された物体および/または文書を特定することができる。カメラ画像は、リアル・タイムで外部計算機84に送信することができ、あるいは金庫コントローラ34に結合されているメモリに格納し、後に外部計算機に送信して遠隔地で見ること、および/または保存してディスプレイ178上でその場で見ることもできる。実施形態によっては、ディスプレイ178は、金庫30の一部とすることができる。
【0063】
また、カメラ170は、金庫30の外側に向けて、金庫30の壁を貫通して金庫コントローラ34に接続し、金庫30に接近するまたは接近しようとする人を一層特定し易くすることもできる。実施形態によっては、金庫コントローラ34は、カメラ170と金庫30との間の割り込みを認識し、ついで金庫30への進入、音響および警報を不可能にし、および/またはセル・フォンに発呼するまたはその他のワイヤレス接続を行うように構成することができる。また、カメラ170は、金庫30が置かれている部屋または区域の全体像を撮影するように向けられ、その部屋または区域で行われる活動を取り込むこともできる。
【0064】
リアル・タイム・クロック172は、種々の目的のために金庫コントローラ34(金庫の内部または外部)に結合することができる。種々の目的には、金庫30への接近を可能および不可能にするというように、毎日同じ時刻に所定の機能を実行するように金庫コントローラ34を設定することが含まれる。
【0065】
図18は、金庫30の実施形態を模式的に示し、この場合、金庫コントローラ34は家庭用またはその他の種類のセキュリティ・システムの制御パネル198に結合されている。金庫コントローラ34とセキュリティ・システム制御パネル198との間の結合200は、直接でも、データ転送ポートを通じてでも、別個の通信ポートを通じてでも可能である。結合200は、1本以上のワイヤ、光接続、および/またはRF接続によって行えばよい。RF接続の場合、セキュリティ・システム制御パネル198に、任意のRFセキュリティ・モジュール202を装備するとよい。あるいは、RFモジュールは、セキュリティ・システム制御パネル198の一体部分であってもよい。このセキュリティ・システム制御パネル198への接続は、外部計算機84へのデータ接続に追加される。この構成によって、金庫30は、セキュリティ・システムの監視および通知能力を利用することが可能になる。一例では、金庫が破壊された場合、対応する信号を金庫30からセキュリティ・システム制御パネル198に送ることができ、セキュリティ・システム制御パネル198によって設備の警報を発することができ、警報信号をセキュリティ監視局に中継することができ、金庫の内側にある1つ以上のワイヤレス接続、セキュリティ・システム制御パネル198、またはセキュリティ監視局によって、警官および/または金庫の所有者に警告することができる。外部計算機84も、有線またはワイヤレスのいずれかで金庫30に接続されている場合には、信号をセキュリティ監視局、警察、および/または所有者に送ることができる。セキュリティ監視局、警察、および/または所有者には、セル・フォン、テキスト・メッセージ、電子メール、または他のいずれの種類の通信システムによってでも警告することができる。
【0066】
以上種々の実施形態を参照したが、記載した発明概念の主旨および範囲内で、多数の変更が可能であることは言うまでもない。単なる一例として、ここに模式的に例示した金庫の多くは、単一の壁を有するものとして示されているが、金庫の他の実施形態は、Sentryの米国特許第6,269,966号に開示されている金庫のように、多数の壁を有することができる。図19は、二重壁の外部構造即ち筐体204と、二重壁のドアまたは扉206とを有する金庫30’を模式的に示す。外部構造204およびドア206の双方は、内壁205および外壁207を有し、これらの間に絶縁空間を定義することができる。この絶縁空間には、防火絶縁材料208のような、絶縁材料を充填することができる。金庫30’において用いることができる防火材料には、限定ではなく、絶縁性鉱物ウール、珪酸ナトリウム膨張性材料、およびSentryの米国特許第4,645,613号に記載されている絶縁体を含むことができる。金庫30’は、データ転送ポート56、およびデータ転送ポート56に結合されている金庫コントローラ34を有することができ、金庫コントローラ34は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときには、デバイス・データ36を選択的にデータ転送ポート56に通過させることができるように構成されている。
【0067】
個々に記載した発明概念の主旨および範囲内において行うことができる多数の変更の別の単なる一例として、金庫30が防水金庫30”である実施形態がある。金庫30”は、Sentryの米国特許第6,752,092号に示されるような機構を有することができる。図20は、金庫30”を模式的に示し、外部構造即ち筐体66とドア即ち蓋70との間の界面にガスケット210が配置されている。ガスケット210は、外部構造66またはドア70の少なくとも1つに結合することができ、扉70が閉じており、外部構造66に対して正しい位置で施錠されているときに、金庫30”の内部区画212に水が進入するのを完全にまたは実質的に防止するように構成されている。金庫30”は、データ転送ポート56と、データ転送ポート56に結合された金庫コントローラ34とを有することができ、金庫コントローラ34は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36を選択的にデータ転送ポート56に通過させることができるように構成されている。
【0068】
したがって、本発明は、記載した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲およびその均等物の文言で定義される最大の範囲を有することを意図している。
【0069】
特許請求の範囲、要約書、および図面も含む明細書に開示されている全ての特徴、ならびに開示されている方法またはプロセスにおける全てのステップは、このような特徴および/またはステップの一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、いかなる組み合わせにも組み合わせることができる。特許請求の範囲、要約書、および図面も含む明細書に開示されている各特徴は、特に明示的に述べられていない限り、同一、同等、または同様の目的を果たす代替的な特徴と置換することができる。つまり、特に明示的に述べられていない限り、開示した各特徴は、包括的な一連の同等または同様の特徴の一例に過ぎないものとする。
【0070】
請求項において、指定の機能を実行するための「手段」または指定の機能を実行するための「ステップ」を明示的に述べていない要素はいずれも、35U.S.C.§112に指定されている「手段」または「ステップ」句のように解釈しないこととする。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、金庫コントローラに結合されたデータ転送ポートを有する金庫の一実施形態を模式的に示す。
【図2】図2は、ローカル入力デバイスの一実施形態を有する図1の金庫を模式的に示す。
【図3】図3は、データ転送ポート、金庫コントローラ、および通信ポートを有する金庫の一実施形態を模式的に示す。
【図4】図4は、デバイス・データがデータ転送ポートを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図5】図5は、デバイス・データがデータ転送ポートを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図6】図6は、デバイス・データが、通信ポートおよびデータ転送ポートの組み合わせを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図7】図7は、デバイス・データが、通信ポートおよびデータ転送ポートの組み合わせを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図8−1】図8A〜8Gは、データ転送ポートの様々な実施形態と共に、金庫の例を模式的に示す。
【図8−2】8Hは、データ転送ポートの様々な実施形態と共に、金庫の例を模式的に示す。
【図8−3】図8I〜8Mは、金庫コントローラに接続されず、ワイヤレス接続能力を有するデータの転送ポートの様々な実施形態と共に、金庫の例を模式的に示す。
【図9】図9は、外部計算機と1つ以上の金庫の中にある1つ以上の内部デバイスとの間のデータ通信を制御するシステムの実施形態を模式的に示す。
【図10】図10は、図9の外部計算機上においてアプリケーション・ソフトウェアが生成するコンピュータ画面の図の一実施形態を示す。
【図11】図11は、金庫においてデータ転送ポートを解放する方法の実施形態を示す。
【図12】図12は、金庫においてデータ転送ポートを解放する方法の別の実施形態を示す。
【図13】図13は、外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法の実施形態を示す。
【図14】図14は、図9のシステムの実施形態の斜視図である。
【図15】図15は、金庫の外部構造を通過するデータ転送ポートを有する金庫の一実施形態の斜視図である。
【図16】図16は、種々の内部デバイスの例を示す、金庫のドアの内側の実施形態の斜視図を示す。
【図17】図17は、センサ・モジュールおよび環境制御モジュールを有する金庫の実施形態を模式的に示す。
【図18】図18は、セキュリティ・システムの制御パネルに結合された金庫の実施形態を模式的に示す。
【図19】図19は、二重壁構造を有する金庫の実施形態を模式的に示す。
【図20】図20は、防水である金庫の実施形態を模式的に示す。
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互引用)
本願は、2006年1月25日に出願した"Safe Having Data Transfer Capabilities with an External Computing Device"(外部計算機とのデータ転送能力を有する金庫)と題する米国仮特許出願第60/761,980号の優先権を主張する。米国仮特許出願第60/761,980号は、ここで引用したことにより、その全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般的には金庫に関し、更に特定すれば、1つ以上のデータ転送能力を有する金庫に関する。
【背景技術】
【0003】
今日の金庫の殆どは、外部接続がなくても動作するように設計されている。その結果、このような金庫に電子データを格納するためには、最初にデータをデータ記憶装置に送り、金庫を開き、データ記憶デバイスを金庫の中に入れなければならず、こうして金庫を再度施錠することができる。このような行為は、紙の文書またはその他の有形貴重品を格納するときには容認できると考えられるが、これらの行為は、電子データを保護しようとするときには、どうひいき目に見ても厄介であり、ユーザは、それに伴う不便さのために、彼らの電子データを保護しようとしない場合もある。
【0004】
コンピュータ・システムは、電子データの追加、修正、および/または削除の柔軟性および容易性を利用するように設計されている。したがって、ある人が電子データを金庫内に入れることによって、保護したいと思っても、今日の金庫の多くでは、データのプレースホルダ・バージョンをときどき格納するだけに留まる。何故なら、金庫を繰り返し開け閉めして、電子データの新しいコピーを保管する、または金庫内に格納されている記憶装置にアクセスすることは現実的でないからである。
【0005】
この状況を緩和するのに役立てるために、ある金庫は、通過ポートまたはケーブルを有し、金庫の内部にデータおよび電力を供給できるように設計されている。このタイプの金庫では、外部ハード・ドライブを金庫の中に入れて、通過ポートに接続し、金庫内部で固定することができる。次いで、外部コンピュータが通過ポートの外側に接続し、金庫のドアを開け閉めする必要なく、その中に格納されているハード・ドライブに自由にアクセスすることが可能となる。このような状況では、金庫内部に保護されている記憶装置へのデータ・バックアップは、はるかにやりやすくなる。何故なら、これらは外部コンピュータによって自動化することができ、ユーザによる繰り返しステップは不要となるからである。生憎、このタイプの金庫を魅力的にするように思われる便利さが、大きなセキュリティ上の危険となる可能性がある。このような金庫の外側に接近する者は誰でも、多くの異なる種類のコンピュータを通過ポートの外側に接続し、その中にあるデータを閲覧、削除、コピー、修正、または無断借用するために自由にアクセスすることができる。この状況は、紙で満たされた金庫に大きな覗き穴がある場合と類似しており、これによって、単に覗き穴を見おろせば、金庫の内容を明らかにするまたは盗むことができる。
【0006】
更に、既存の金庫は、金庫の外側に位置する外部データ源から金庫の内側に位置するデータ記憶装置までの、赤外線通信リンクを用いたデータ送信にも対応している。しかしながら、赤外線通信リンクの使用には、金庫の内側に位置する記憶装置にデータを送信するために用いるときに、多くの欠点がある。例えば、データを転送するために赤外線通信リンクを用いると、過度に時間がかかり、このため、金庫の内側に位置するデバイスに比較的大量のデータを転送するユーザにとっては不便である。加えて、赤外線通信リンクを用いるには、外部データ源と、データ記憶装置を含む金庫との間に直接の見通し線が必要となる。ユーザがデータを金庫内部にあるデータ記憶装置に転送しようとする度に、外部データ源からの赤外線通信を受信できる位置に金庫を置く必要がある。金庫は、通例、容易に接近できない隠蔽場所に置かれることを考えると、金庫を隠れた場所に保持したいという一般的な希望に反して、金庫を晒すことは都合が悪い場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、許可されたユーザには便利なデータ・アクセスを可能にしつつ、金庫内に格納されている電子データを不正アクセスから保護することができる金庫を有することができれば有益であろう。また、金庫の隠蔽場所を晒すことなく、外部データ源から金庫内部に位置するデバイスに便利にそして素早くデバイス・データを転送することを可能にするシステムを提供することができれば、有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
データ転送ポートと、このデータ転送ポートに結合された金庫コントローラとを有する金庫を提供する。金庫コントローラは、金庫コントローラが有効なコードを受信したときに、デバイス・データを選択的にデータ転送ポートを通過させることを可能にするように構成されている。
【0009】
また、金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムも提供する。このシステムは、コンピュータ読み取り可能媒体上に格納された一連の命令を実行する外部計算機を有し、一連の格納されている命令は、金庫アプリケーション・ソフトウェアを含む。金庫はこのシステムに含むことができ、外部計算機に接続するように構成されたデータ転送ポートと、内部デバイスとを有することができる。また、金庫は、データ転送ポートに結合された金庫コントローラも有することができ、金庫コントローラは、有効コードが金庫コントローラによって受信されたときに、外部計算機と内部デバイスとの間における通信を選択的に可能にするように構成されている。
【0010】
金庫においてデータ転送ポートを解放する方法も提供する。金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から金庫コントローラに有効コードを送信する。有効コードの受信に応答して、金庫コントローラによって金庫におけるデータ転送ポートを動作可能にすることにより、デバイス・データにデータ転送ポートを通過させる。
【0011】
金庫においてデータ転送ポートを解放する別の方法を提供する。金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から金庫コントローラに有効コードを送信する。有効コードをローカル入力デバイスから受信した信号と比較する。有効コードの少なくとも一部と、ローカル入力デバイスから受信した信号が一致した場合、金庫コントローラによってデータ転送ポートを動作可能にすることにより、デバイス・データにデータ転送ポートを通過させる。
【0012】
外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法を提供する。金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に、接続を確立する。内部デバイスに宛てたデータを有効コードと共にエンコードするために、外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。外部計算機から金庫コントローラにエンコード・データを伝達する。エンコード・データをデコードする。デコードした有効コードおよびデバイス・データの受信に基づいて、金庫内に格納されている内部デバイスにデバイス・データを受け渡す。
【0013】
更に、外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡すためのコンピュータ実行可能命令を収容したコンピュータ読み取り可能媒体も提供する。コンピュータ読み取り可能媒体は、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に、接続を確立する命令を含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は有効コードの受信に基づいて、金庫コントローラがデバイス・データを金庫の中にある内部デバイスに導出するように、外部計算機から金庫コントローラに有効コードおよびデバイス・データを伝達する命令も含む。
【0014】
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を行う方法システムを提供する。このシステムは、外部計算機と、データ転送ポートを有する金庫とを含む。データ転送ポートは、内部デバイスに接続されている。外部計算機は、デバイス・データをデータ転送ポートにワイヤレスで伝達するように構成されており、データ転送ポートは、デバイス・データを内部デバイスに伝達するように構成されている。
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を行う方法も提供する。この方法は、データ転送ポートを含む金庫を設けるステップと、内部デバイスをデータ転送ポートに接続するステップと、データ転送ポートと外部計算機との間においてデータをワイヤレスに通信するステップと、データ転送ポートと内部デバイスとの間においてデバイス・データを伝達させるステップとを含む。46。
内部デバイスとのデータ通信を行うシステムを提供する。このシステムは、内部デバイスを格納するために構成した内部区画を規定する金庫を含む。更に、このシステムは、金庫に結合されたデータ転送ポートを含む。このデータ転送ポートは、内部デバイスと外部計算機との間でデータ転送ポートを通じてデータをワイヤレスで伝達するように、外部計算機にワイヤレスで接続するように構成されている。
【0015】
本発明の前述のそしてその他の特徴および利点、ならびにこれらを達成する態様は、以下に続く本発明の詳細な説明を、添付図面と共に参照することによって、認められ、一層容易に理解されよう。
【0016】
尚、明確を主旨とするため、そして妥当と見なされる場合には、図面において対応する機構を示すために参照番号を繰り替えており、図面における種々の要素は、機構を見やすくするために、必ずしも同一の拡縮率で描かれている訳ではないことは認められよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図面を詳細に、そして特に図1を参照すると、本発明の実施形態による金庫が提示されており、参照番号30が付けられている。金庫30は、いずれの種類の金庫でもよく、限定ではなく、非防火金庫だけでなく、防火金庫、粉砕金庫(crush safe)、防水金庫、銃金庫、チェスト、およびファイル・キャビネット金庫が含まれる。金庫30が防火金庫である実施形態では、Sentryの米国特許第6,269,966号に示され記載されているように、金庫の蓋および底面は、二重壁吹込成形ユニットであり、内壁および外壁の間に防火絶縁体を含むとよい。米国特許第6,269,966号は、ここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。金庫30に用いることができる防火材料は、限定ではなく、絶縁鉱物ウール、珪酸ナトリウム膨張性材料、およびSentryの米国特許第4,645,613号に記載されている絶縁体の内1つ以上を含むことができる。米国特許第4,645,613号は、ここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。金庫30が防水金庫である実施形態では、Sentryの米国特許第6,752,092号に示されるように、金庫は、1つ以上のガスケット・シールを有し、これらを蓋と底面との間の界面に配置するとよい。米国特許第6,752,092号は、ここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。尚、防火および防水金庫の他の実施形態も、米国特許第6,269,966号、第6,752,092号、および第4,645,613号に示されている機構に加えてまたはこれらの代わりに、本発明と共に用いてもよいことは言うまでもない。
【0018】
金庫30は、データ転送ポート32と、このデータ転送ポート32に結合された金庫コントローラ34とを有する。データ転送ポート32は、金庫30の外側に位置する外部デバイスからデバイス・データ36を受信するように構成されている。デバイス・データ36の例には、限定ではなく、ハード・ドライブ・リード/ライト・コマンドおよび関連するデータ、記憶装置のデータ、写真のようなディジタル・カメラのデータ、MP3ファイルのようなディジタル音楽データ、連絡先リストやカレンダーのようなスマートフォン・データ、オペレーティング・システムのバックアップ・データ、および会計データを含むことができる。金庫コントローラ34は、有効なコード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36がデータ転送ポート32を通過して内部デバイスに達することを選択的に可能にするように構成されている。金庫コントローラ34は、マイクロプロセッサ、コンピュータ、特定用途集積回路(ASIC)、アナログ・コンポーネント、ディジタル・コンポーネント、あるいはこれらの内のいずれの数または組み合わせでもよい。有効コード38は、限定ではなく、パスワード、バイオメトリクス・シグネチャー、暗号鍵、暗号化コード、データ・フォーマット、適正にカプセル化したデータ、信号ビット、またはこれらのいずれの組み合わせでも含むことができる。
【0019】
簡略化のために、電力を必要とするこのような品目のいずれに対する電力接続も示さないこととする。しかしながら、金庫内部にあるデバイスに、例えば、その目的のために電力コードを金庫のドアまたは壁に空けた穴または切欠に通すことによって、金庫の壁を通る電力ポートに外部および内部接続部を設けることによって、または金庫に1つ以上のバッテリまたは交流電源を設けることによって、電力を供給すればよいことは言うまでもない。当業者には周知である金庫内部に合ったその他数多くの種類の給電構成も、手元にあるシステムおよび金庫に応じて、所望通りに選択することができる。
【0020】
データ転送ポート32は、いずれの種類の物理的コネクタまたはワイヤレス・コネクタ、または物理的ジャックまたは物理的ポート、更にはいずれの所望のプロトコルでも利用することができる。適したデータ転送ポート32の接続およびプロトコルの例の一部には、限定ではなく、イーサネット(登録商標)、RJ−45、シリアル、USB、firewire、より対線、光、光ケーブル、ワイヤレスRF、802.11、BLUETOOTH、CDMAセルラ、およびGSMセルラが含まれる。簡略化のために、データ転送ポート32は、一度に1つの接続形式およびプロトコルのみを提供するように記載するが、実施形態によっては、1種類よりも多いコネクタおよび/またはプロトコルを、データ転送ポート32と関連付けて有してもよいことは言うまでもない。更に、図示のデータ転送ポート32を通過する経路は、一方向に示されているが、データ転送ポート32はデータを双方向に通過させることができるにしてもよいことは言うまでもない。金庫30の動作の論述を簡略化するために、一方向の通信を例示しているが、双方向通信も可能にすることができ、金庫30の内側にある内部デバイスに接続したい多くの外部デバイスに必要であることは言うまでもない。
【0021】
金庫コントローラ34がデバイス・データ36をデータ転送ポート32を通じて内部デバイスに受け渡すことを可能にするためには、有効コード38を金庫コントローラ34が受信しなければならない。図2および図3は、有効コード38がどこから来ればよいかについて2つの選択肢を模式的に示す。図2の実施形態では、金庫30のデータ転送ポート32は、図1に示すように金庫コントローラ34に結合されたままであるが、ローカル入力デバイス40も金庫コントローラ34に結合されている。金庫コントローラ34に結合することができるローカル入力デバイス40の例には、限定ではなく、電子シグナリング能力を有するキー・ロック(key lock)、キー・パッド、遠隔制御センサ、磁気リーダのような電子キー・リーダ、バー・コード・リーダ、およびRFIDタグ・リーダ、ディジタル表示器を有する物理的または抵抗性組み合わせダイアル、機械的キー・ロック、認証トークン、例えば、スマート・カードまたはキー・フォブ(key fob)、そして指紋リーダまたは網膜スキャナのようなバイオメトリクス・リーダが含まれる。ユーザのローカル入力デバイス40との相互作用に応答して、信号42が金庫コントローラ34に送られる。これが所定の判断基準と一致した場合、この信号42は有効コード38であると見なされ、次いで、金庫コントローラ34は、デバイス・データ36をデータ転送ポート32を通じて所望の内部デバイスに受け渡すことが可能になる。
【0022】
図3に示す実施形態では、金庫30は、図1におけるように金庫コントローラ34に結合されたデータ転送ポート32と、金庫コントローラ34に結合された通信ポート44とを有する。また、通信ポート44は、先にデータ転送ポート32に関して論じた形式のコネクタおよび/またはプロトコルのいずれでも用いることができる。この実施形態では、データ転送ポート32は、先に論じたデバイス・データ36を受信する。通信ポート44は、通信データ46を受信する。通信データ46は、金庫コントローラ34が用いる命令またはその他の情報を含むことができる。図3の場合、通信ポート44は、有効コード38をその着信データの一部として含む、通信データ46を受信する。次いで、有効コード38によって、金庫コントローラ34はデータ転送ポート32を通じてデバイス・データ36を内部デバイスに受け渡すことが可能になる。
【0023】
図4および図5は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36がどのようにデータ転送ポート32を通過することができるかについての異なる実施形態を模式的に示す。データ転送ポート32は、外部側面48および内部側面50を有する。データ転送ポート32の外部側面48は、金庫30の外側から接近することができ、金庫30の外側に位置する外部計算機に結合することができる。図4の実施形態では、データ転送ポート32の内部側面50は金庫30の内側から接近することができ、金庫30の内側に位置する内部デバイスに結合することができる。また、データ転送ポート32は、金庫コントローラ34によって動作可能にすることができる活性化入力52も有する。金庫コントローラ34が有効コード38に応答して活性化入力52を動作可能にすると、デバイス・データ36Aはデータ転送ポート32を通過し、デバイス・データ36Bとなることができる。デバイス・データ36Bは、データ転送ポート32の内部側面50に結合されているいずれのデバイスにも利用可能である。
【0024】
図5に示す実施形態では、データ転送ポート32の内部側面50は金庫コントローラ34に結合されている。また、金庫コントローラ34は内部データ・ポート54も有し、内部データ・ポート54は、金庫30内部に位置する内部デバイスに結合することができる。データ転送ポート32の外部側面48は、金庫30の外側に位置する外部計算機に結合することができる。金庫コントローラ34が有効コード38を受信すると、デバイス・データ36Aはデータ転送ポート32および金庫コントローラ34を通過して内部データ・ポート54に至り、デバイス・データ36Bとなることができる。デバイス・データ36Bは、金庫コントローラ34に結合されているいずれの内部デバイスにも利用可能である。
【0025】
実施形態によっては、ここに定義するデータ転送ポート32および通信ポート44を同じ物理的ポートに組み合わせてもよい場合もある。図6および図7は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36がどのように合体データ転送および通信ポート56を通過することができるかについての異なる実施形態を模式的に示す。2つの異なる種類のデータ(デバイス・データ36および通信データ46)を1つのデータ転送ポート56上で送ることを可能にするために、実施形態によっては、デバイス・データ36および通信データ46を合わせてコード化データ58としてエンコードすることができる。先の論述を思い出すと、通信データ46は有効コード38を含むことができる。
【0026】
データ転送ポート56は、外部側面60および内部側面62を有する。データ転送ポート56の外部側面60は、金庫30の外側に位置する外部計算機に結合することができる。データ転送ポート56の内部側面62は、金庫コントローラ34に結合することができる。また、金庫コントローラ34は内部ポート64を有し、内部ポート64は金庫30の内側に位置する内部デバイスに結合することができる。金庫コントローラ34は、内部側面62を通じてデータ転送ポート56の外部側面60からのコード化データ58をデコードし、コード化データ58からあらゆるデバイス・データ36を抽出し、コード化データ58から有効コード38がデコードされた場合、デコードしたデバイス・データ36が内部ポート64を通過することを選択的に許容するように構成することができる。
【0027】
図7に示す実施形態は、図6の実施形態と同様に動作するが、有効コード38およびデバイス・データ36が異なるパケットにおいて、異なる時点に、データ転送ポート56に送られることを除く。金庫コントローラ34は、少なくとも1つの有効コード38の受信に続いて、デバイス・データ36をデータ転送ポート56の外部側面60から内部データ・ポート64に通過させるように構成することができる。
【0028】
他の実施形態では、本発明の範囲および主旨から逸脱することなく、他の符号化および/またはパケット化技法を用いてもよい。デバイス・データ36および通信データ46、38を同様に1つのデータ転送ポート56を通じて移動させるためには、種々のパケット化、多重化、およびエンコード技法を用いてもよく、本発明の範囲に該当する。また、金庫は、金庫コントローラ34には接続されないデータ転送ポート56を含んでもよく、この場合、有効コードを用いずに、エンコードまたは暗号化されたデバイス・データ36は外部計算機からデータ転送ポート56を通じて、金庫30内に位置する内部デバイスに達するようにすればよいことも言うまでもない。
【0029】
残りの実施形態における便宜上、合体データ転送ポート56を用いるが、他の実施形態は、別個の通信ポートを有する非合体データ転送ポートを有してもよく、更に他の実施形態は、いずれの通信ポートもない、非合体データ転送ポートを有してもよいことを念頭に入れておくべきであろう。このような実施形態については先に論じたが、再度、簡略化のために、残りの論述では合体データ転送ポート56を用いる。
【0030】
図8Aから図8Hは、金庫30の構造、およびデバイス・データがデータ転送ポート56を通過することを選択的に可能にするための前述のエレメントに、この構造がどのように関係し得るかについて模式的に示す。図8Aから図8Gの実施形態では、金庫30は、外部構造即ち筐体66を有する。筐体66が規定する進入開口68は、例えば、1つ以上の蝶番71によって外部構造66に移動可能にまたは枢動状に結合されているドア70による接近を許容するように開放し、またはこれを防止するように閉鎖することができる。図8Aから図8Gに関する模式図は、金庫30を上断面図で示す。また、金庫30は少なくとも1つのロック・メカニズム72も有し、ロック・メカニズム72は、外部構造66およびドア70に選択的に結合することができる。適したロック・メカニズム72の例には、限定ではなく、電子式ロック・アクチュエータが含まれる。ロック・メカニズム72は、実施形態によっては、金庫コントローラ34に動作的に結合してもよいが、例えば、手動ロックの場合、コントローラ34に結合する必要は全くない。
【0031】
図8Aの実施形態では、データ転送ポート56はドア70を通過する。実施形態によっては、データ転送ポート56が、雄または雌ケーブル・コネクタのような、ケーブル・コネクタを含む場合もある。ケーブル・コネクタは、実質的にドアと面一であっても、ドア内に埋め込まれていても、ドアから突出していても、あるいはケーブル・コネクタから金庫30までに及ぶ長さのケーブルを含んでもよい。別の実施形態では、データ転送ポート56は、光リレー、光ファイバ・ケーブル、および/またはフォトセンサのような、光コネクタを含むことができる。
【0032】
図8Bに示す実施形態は、図8Aの実施形態と同様であるが、データ転送ポート56が、ドア70を通過するのではなく、金庫30の外部構造66を通過することを除く。データ転送ポート56は、外部構造66の上面、底面、または側面を通過してもよい。
【0033】
図8Cから図8Gにおいて最良に見られるように、データ転送ポート56はアンテナ74を含むことができる。ケーブルの代わりにアンテナを用いることにより、便利な無線周波数(RF)通信が可能となり、特に多くの金庫が、人目につかない場所または隠れた場所に配置されていることが多いことを考慮すると、データのバックアップおよび/またはアクセスを一層容易にすることができる。アンテナ74をデータ転送ポート56に結合しておくことにより、アンテナ74のワイヤレス範囲内であればどこにある外部計算機によっても、データ転送ポート56および外部計算機との接続が可能となる。
【0034】
図8Cにおいて最良に見られるように、アンテナ74は、金庫30の領域の内側に配置することができる。図8Dの実施形態では、アンテナ74は、外部構造66を貫通するように示されており、これによって、アンテナ74からの送信および受信信号をより強くすることができる。何故なら、アンテナ74が金庫30によって完全に遮蔽されないからである。図8Eの実施形態は、図8Dに示す実施形態と同様であるが、アンテナ74が金庫30のドア70を貫通することを除く。図8Dまたは図8Eのいずれの実施形態においても、金庫30の外面を貫通するアンテナ74は、必ずしも短くなくてよいので、これによってアンテナ74を金庫30に近接し続けることができる。実施形態によっては、アンテナ74が十分に長いリードを有し、これをデータ転送ポート56に結合するため、アンテナ74を金庫30とは実質的に無関係に離れて配置し、金庫30による受信および送信の干渉を低減することができる場合もある。
【0035】
図8Fにおいて最良に見られるように、アンテナ74は外部構造66の内側に配置されている。図8Gの実施形態も同様であるが、アンテナ74がドア70の内側に配置され、盾面板がドア70に取り付けられている。これらの実施形態では、双方とも、アンテナ74が視界から遮られているため、金庫が電子的に何らかの外部デバイスに結合されていることを、盗人らしき者が口外するのをできることを防止する。アンテナ74を隠蔽することにより、アンテナが損傷することも防止することができる。
【0036】
図8Hに模式的に例示する実施形態は、完全に密閉された箱76で作られ、進入ドアがない金庫を示す。密閉箱76は、データ記憶装置78を内部に入れても、製作することができるであろう。密閉箱76の金庫は、データの視点からは、金庫30を動作させるのと全く同様に動作させることができるが、データ転送ポート56が何らかの方法で壊された場合に、誰かが金庫の内部に侵入する虞れがない。
【0037】
図8Iから図8Mは、金庫30の構造の実施形態、そしてそれが前述したエレメントとどのように関係し得るかについて模式的に示す。この場合、データ転送ポート56は金庫コントローラ34には接続されていないので、デバイス・データ36は外部計算機からデータ転送ポート56を通って金庫30内に位置する内部デバイスに達し、金庫コントローラ34と相互作用することも、有効コードを用いることもない。図8Iから図8Mの実施形態では、デバイス・データは、ワイヤレス通信を用いて、データ転送ポート56を通過する。これらの実施形態において、ワイヤレス接続またはワイヤレス通信という用語を用いる場合、赤外線通信を除外し、無線周波数(RF)通信、802.11、BLUETOOTH、CDMAセルラ、およびGSMセルラ等を含むと定義する。
【0038】
図8Iから図8Mに最良に見られるように、金庫30は進入開口68を規定する外部構造即ち筐体66を有する。進入開口68は、例えば、1つ以上の蝶番71によって外部構造66に移動可能にまたは枢動状に結合されているドア70による接近を許容するように開放し、またはこれを防止するように閉鎖することができる。図8Iから図8Mに関する模式図は、金庫30を上断面図で示す。また、金庫30は、少なくとも1つのロック・メカニズム72を有し、ロック・メカニズム72は選択的に外部構造66およびドア70を結合する。適したロック・メカニズム72の例には、限定ではなく、電子式ロック・アクチュエータが含まれる。ロック・メカニズム72は、実施形態によっては、金庫コントローラ34に動作的に結合してもよいが、例えば、手動ロックの場合、コントローラ34に結合する必要は全くない。
【0039】
図8Iから図8Mにおいて最良にみられるように、データ転送ポート56はアンテナ74を含むことができる。アンテナ74の使用によって、外部計算機と金庫30内に位置する内部デバイスとの間にワイヤレス接続が可能となり、赤外線通信を用いる場合よりも素早くデータのバックアップおよび/またはデータへのアクセスを行うことが可能になる。更に、外部デバイス、データ転送ポート、および金庫内に位置する内部デバイス間においてワイヤレス通信を用いることにより、ワイヤレスでデバイス・データを転送するときに、外部計算機がどこに配置されているかに関して柔軟性を高めることができる。何故なら、デバイス・データをアンテナ74に送る外部計算機は、赤外線接続の場合のように、直接見通し線内にある必要がないからである。多くの金庫が人目につかない場所または隠れた場所に配置されていることが多いことを考慮すると、これは、既存の赤外線通信システムの使用に対する大きな便益となる。アンテナ74をデータ転送ポート56に結合しておくことにより、アンテナ74のワイヤレス範囲内であればどこにある外部計算機によっても、データ転送ポート56および外部計算機とのワイヤレス接続が可能となる。したがって、ユーザは、デバイス・データを金庫の内側にある内部デバイスに転送するときに、金庫の至近場所にいる必要がなくなる。赤外線通信ではなく、ワイヤレス通信を用いてデバイス・データを金庫内に位置する内部デバイスに転送すると、ユーザには、広範囲に渡る柔軟性が得られる。
【0040】
図8Iにおいて最良に見られるように、アンテナ74は、金庫30の領域の内側に配置することができる。図8Jの実施形態では、アンテナ74は、外部構造66を貫通するように示されており、これによって、アンテナ74からの送信および受信信号をより強くすることができる。何故なら、アンテナ74が金庫30によって完全に遮蔽されないからである。図8Kの実施形態は、図8Jに示す実施形態と同様であるが、アンテナ74が金庫30のドア70を貫通することを除く。図8Jまたは図8Kのいずれの実施形態においても、金庫30の外面を貫通するアンテナ74は、必ずしも短くなくてよいので、これによってアンテナ74を金庫30に近接し続けることができる。実施形態によっては、アンテナ74が十分に長いリードを有し、これをデータ転送ポート56に結合するため、アンテナ74を金庫30とは実質的に無関係に離れて配置し、金庫30による受信および送信の干渉を低減することができる場合もある。
【0041】
図8Lにおいて最良に見られるように、アンテナ74は外部構造66の内側に配置されている。図8Mの実施形態も同様であるが、アンテナ74がドア70の内側に配置され、盾面板がドア70に取り付けられている。これらの実施形態は、双方とも、アンテナ74が視界から遮られているため、金庫が電子的に何らかの外部デバイスに結合されていることを、盗人らしき者が口外し得ることを防止する。アンテナ74を隠蔽することにより、アンテナが損傷することも防止することができる。
【0042】
図9は、金庫30内にある内部デバイス82とのデータ通信を制御するシステム80の実施形態を模式的に示す。適した内部デバイス82の例には、限定ではなく、外部ハード・ドライブ・ジップ・ドライブ、CD/DVDライタ、フラッシュ・メモリ、メモリ・リーダ、ディジタル・カメラ、およびMP3プレーヤが含まれる。
【0043】
金庫30の外側では、外部計算機84が金庫30のデータ転送ポート56に結合されている。外部計算機84は、コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されており、一連の格納されている命令は、少なくとも部分的に、金庫アプリケーション・ソフトウェア86を構成する。金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、外部計算機が、金庫30内にある内部デバイス82に適したデバイス・データをフォーマットすることを可能とし、金庫コントローラ34が、しかるべき通信データ(有効コードを含む)によって、外部計算機84に内部デバイス82と通信することを許可するようしている。また、金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、外部計算機84を、金庫88A、88B、および88Cのような1つよりも多い金庫に接続し、複数の金庫の中に格納されている種々の内部デバイスにアクセスできるように構成することもできる。実施形態の中には、金庫アプリケーション・ソフトウェア86が、金庫30に関する種々のパラメータを制御する能力を有することができる場合もある。
【0044】
金庫アプリケーション・ソフトウェア86を用いると、金庫30の開錠に関する種々の想定場面を実施することができる。金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、データ転送ポート56を通じてアクセス制御データを金庫コントローラ34に受け渡すことができ、実施形態によっては、金庫コントローラ34の不揮発性メモリに格納できる場合もある。このような想定場面の1つでは、以下で図10を参照して更に詳しく説明するが、金庫30を用いる種々の個人に別個の有効コードを有し、例えば、金庫30に入力する毎および/または各ユーザによる金庫30内のデバイスとのデータ・トランザクション毎に、ログを作成することができる。また、ある人が金庫30を開くことをもはや許可されていない場合、他のコードに影響を及ぼすことなく、その人の有効コードを金庫コントローラ34から除去することができる。別の想定場面では、ユーザがキー・ロック、キーパッド、遠隔制御センサ、電子キー・リーダ、バイオメトリクス入力デバイス、または電子カード・リーダを用いて、および/またはコンピュータ84によって、あるいはこれらの選択肢のいずれかの組み合わせによって、金庫30を開錠する能力を不能化することを含む。つまり、想定場面の一例では、金庫アプリケーション・ソフトウェア86の管理者が、金庫30上のあらゆるローカル入力デバイス40を不能化することによって、管理者以外のいずれの者でも、金庫30を開くことを禁止することができる。あるいは、金庫30がコンピュータ84に接続されていない場合、管理者は、金庫30上のローカル入力デバイス40の一部を不能化し、例えば、キーパッドのみを動作可能とし、キーパッドに対して1つの有効コードのみを設定して、管理者のみが金庫30に到達できるようにすることができる。次いで、管理者は、コンピュータ84から、または有効コードをキーパッドに入力することによって、金庫30を開くことができる。別の想定場面では、管理者は、最初に管理パスワードを入力し、次のコードは新しいユーザ・コードであることを金庫コントローラ34に伝えるコードを入力し、次いで新しいユーザ・コードを入力することによって、しかるべきコマンドを金庫コントローラ34に送り、管理者がキーパッドを用いてユーザ・コードを入力できるように、金庫アプリケーション・ソフトウェア86を構成することができる。同様に、ユーザ・コードを不能化することもできる。キーパッドを通じて入力される変更は、これらが入力されるに際にまたは後の日に、金庫コントローラ34によって金庫アプリケーション・ソフトウェア86に送られる。
【0045】
図10は、金庫アプリケーション・ソフトウェア86が生成するコンピュータ画面90の図であり、ユーザ開錠画面および管理者ユーザ・コード制御画面の双方である。通常の動作中、ユーザは彼または彼女のコードを「ユーザ・コード」ボックス92に入力し、次いで「金庫を開く」ボタン94をクリックすれば、金庫30を開くことができる。「金庫を開く」ボタン94は、実施形態に応じて、金庫が物理的に開錠されていること、データ転送ポートが解放されること、または双方を意味する。金庫アプリケーション・ソフトウェア86の別の実施形態では、3つの選択肢全てに対して明示的なボタンを有してもよい。「メッセージ」ボックス96は、金庫30が開錠されていること、または無効のコードが入力されたことの確認というような情報をユーザに提供するようにプログラムすることができる。
【0046】
この実施形態では、画面90を用いる管理者は、最初に彼または彼女のマネージャ・コードを「Mngrコード」ボックス98に入力する。次いで、管理者は「金庫を開く」ボタン100をクリックすることによって金庫30を開き、ユーザ・コードを「ユーザ・コード」ボックス92に入力し、「ユーザ・コードを読み取る」ボタン102をクリックして、その人のトランザクション履歴をこのコードと一緒に「メッセージ」ボックス96に表示させることができる。また、管理者は、「クリア」ボタン104をクリックすれば、「ユーザ・コード」ボックス92の中にあるユーザ・コードを有効コードのリストから除去することによって、このコードを有するユーザが金庫30にアクセスするのを禁止することができる。また、管理者は、新しいコードを「ユーザ・コード」ボックス92に入力し、「ユーザ・コードの設定」ボタン106をクリックすることによって、新しいユーザ・コードを設定することもできる。ユーザまたは管理者のいずれも、「中止」ボタン108をクリックすることにより画面90から離れることができる。画面90の最上部付近には、金庫アプリケーション・ソフトウェア86の別の画面を選択するためまたは金庫アプリケーション・ソフトウェア86を終了するための「ファイル」ボタン110があり、「接続」ボタン112は、ユーザまたは管理者に、金庫30、88A、88B、88C等(1つよりも多い金庫が外部計算機84に結合されている場合)のどれと通信するか選択させる。選択した金庫に利用可能な種々のパラメータの選択は、「オプション」ボタン114によって見ることができる。数個のオプションの中には、「メッセージ」ボックス96の中に表示するデータの種類、画面90の使用に関する情報を受信するために「ヘルプ」ボタン116を含むことができる。画面90の最下部には、現在の時刻および日付を示す2つのディスプレイ118がある。
【0047】
金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、図10を参照して先に説明した機能に加えて、既に述べたように、金庫30に関して更に多くの能力を有する。これらには、限定ではなく、金庫コントローラ34に、パスワード入力モジュール、センサ・モジュール、および金庫コントローラ34に結合することができるカメラのようなローカル入力デバイス40から金庫コントローラ34への全ての入力データを記録し、恐らくは後に外部計算機84に送るように命令することを含むことができる。
【0048】
金庫コントローラ34に、キーパッドを用いて金庫30に入力しようとして失敗した回数を追跡するように命令することができ、所定の時間期間内にある回数だけ試行に失敗した後に、キーパッドを一時的に不能化することができる。このようなデータは、スーパバイザにセキュリティの脅威を警報することができ、あるいはどのユーザが彼または彼女のコードの一部を忘れたのか示すこともできる。
【0049】
先に論じたように、外部計算機84と金庫30のデータ転送ポート56との間を通過するデータは、多くの種類の接続、電気的、ワイヤレス、および光によって、種々のプロトコルを用いて結合することができる。更に、データは、例えば、パケット化、エンコード、独自の暗号化方法または公開暗号化方法のいずれかによって暗号化することもできる。
【0050】
図11は、金庫においてデータ転送ポートを解放する方法を示す。この方法によると、ステップ120において、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。ステップ122において、計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。ステップ124において、しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から有効コードを金庫コントローラに送信する。ステップ126において、有効コードの受信に応答して、金庫コントローラによって金庫30におけるデータ転送ポートを動作可能にする(126)。
【0051】
図12は、金庫におけるデータ転送ポートを解放する別の方法を示す。この方法では、ステップ128において、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。ステップ130において、外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力する。ステップ132において、しかるべきデータの入力に応答して、外部計算機から有効コードを金庫コントローラに送信する。ステップ134において、有効コードを、ローカル入力デバイスから受信した信号と比較する。ステップ136において、有効コードとローカル入力デバイスから受信した信号の少なくとも一部が一致したなら、金庫コントローラによってデータ転送ポートを動作可能にする。
【0052】
図13は、外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法を示す。この方法では、ステップ138において、金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立する。ステップ140において、外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを入力し、有効コードを有する内部デバイスに宛てたデバイス・データを、有効コードと共にエンコードする。先に論じたように、エンコードした有効コードは、デバイス・データと連続にすることができ、デバイス・データと共にパケット化されている可能性がある。ステップ142において、エンコードしたデータを外部計算機から金庫コントローラに伝達する。ステップ144において、金庫コントローラはエンコード・データをデコードする。ステップ146において、金庫の中に格納されている内部デバイスに、デバイス・データを受け渡す。
【0053】
図14は、金庫30の別の実施形態と、この実施形態ではラップトップ・コンピュータとして例示されている外部計算機84の斜視図である。この実施形態では、外部計算機84はUSB接続150を用いて、データ転送ポートを通じて金庫コントローラに結合する。別の実施形態では、既に説明したように、他の種類のポートやコネクタも用いることができる。
【0054】
図15は、金庫30の上面に取り付けた、即ち、位置付けたデータ転送ポート56を有する金庫30の別の実施形態の内側の斜視図である。内部デバイス82は、ここでは、ハード・ドライブとして例示されており、金庫30の内部に配置されている。
【0055】
データ転送ポートは、実施形態によっては、ハブのように作用することにより、多数の内部デバイスをそれに接続できるように構成されている場合もある。データ転送ポートが本質的にハブのように作用する設計になっていない場合、デバイス・データが金庫に流れ込む場所に応じて、データ転送ポートまたは金庫コントローラにハブを結合することもできる。ハブの機能が金庫コントローラ34から来るのか、またはハブを金庫コントローラに結合するのかには関係なく、ハブ・ポートの可用性は、実施形態によっては、金庫コントローラ34によって制御することができる。一方、金庫コントローラ34は、外部計算機84上で起動する金庫アプリケーション・プログラム86によって制御することができるので、ハブ・ポートの可用性も金庫アプリケーション・プログラム86によって制御することもできる。金庫アプリケーション・プログラム86は、個人がデータを格納し彼らのポートでデータにアクセスできるが、ハブ上の別のポートにはアクセスできないように構成することができる。
【0056】
図16は、金庫30の内側の一部の斜視図を示す。データ転送ポートは、ドア70の内部に配置されており、データ転送ポートの内部側面はコネクタ152によってハブ154に結合されている。ハブ154は、ドア70の内側に取り付けられている。ハブ154は、種々の内部デバイスを選択的に、外部計算機(この図には示されていない)によってデータ転送ポートを通じてアクセスすることを可能にする。例えば、2つの異なるフラッシュ・メモリ・デバイス156および158をハブ154に結合することができる。加えて、MP3プレーヤ160をハブ154に結合する。このような金庫の実施形態の一部では、種々の内部デバイスを保持するため、またはデバイスを接続するケーブルを敷設する際に便利なように、フック162を有することもできる。同様に、金庫の実施形態の一部では、内部デバイスおよびかかる品目に必要なあらゆるケーブルを格納し編成するために、1つ以上の可撓性または硬質のポケット164を設けることもできる。
【0057】
以上で論じた金庫の実施形態では、金庫内に位置する内部デバイスに対するデータの双方向転送を容易に行うことができ、金庫を開き、内部デバイスに接続し、再度金庫に施錠する必要性がなくなる。金庫の他の実施形態では、金庫のデータ転送能力を利用するように構成することができる、更に別の能力を含むこともできる。例えば、図17に模式的に示す実施形態における金庫30は、センサ・モジュール166、環境制御モジュール168、および金庫コントローラ34に結合することができるカメラ170を含む。また、図17の実施形態は、リアル・タイム・クロック172と、コントローラ54に結合されているローカル出力174とを有する。図17の実施形態はセンサ・モジュール166、環境制御モジュール168、カメラ170、リアル・タイム・クロック172、およびローカル出力174を含むが、他の実施形態では、これらの機構の内、1つのみ、またはいずれかの下位組み合わせ(sub-combination)を有しても、何も有していなくてもよいことは言うまでもない。
【0058】
ローカル出力174は、スピーカ、ブザー、および/またはサイレンのような、音響生成デバイス176を含むことができる。更にまたは代わりに、ローカル出力174は、ユーザが金庫30を動作させている間に補助するために金庫30上に配置するディスプレイ178も含むことができる。
【0059】
センサ・モジュール166は、限定ではなく、バッテリ充電レベル・センサ180、温度センサ182、湿度センサ184、動きセンサ186(加速度計のような)、ドア開放センサ188、金庫が施錠されているか否か検知するセンサ190、水が金庫30内に侵入しているか否か検知する水/水分センサ192を含むことができる。金庫コントローラ34は、バッテリ充電レベル、温度、湿度、動き、および水/水分センサ180、182、184、186、および192に対してそれぞれ閾値限度を設定し、閾値を交差したまたは限度超過状態が発生した場合には金庫アプリケーション・ソフトウェア86に警報することができる。あるいは、金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、金庫コントローラ34に、センサ180〜192のいずれの組み合わせをも読み出して、読み取り値を金庫アプリケーション・ソフトウェア86に転送するように命令することができる。
【0060】
動きセンサ180は、金庫30が盗まれているか否か検出するために用いることができ、検出した場合、可聴および/または可視警報を、しかるべきローカル出力174を用いて開始することができる。別の実施形態では、外部計算機84との通信接続を通じて、警報状態を開示することができる。金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、警報状態を受信すると、電子メール、呼び出し、ファックス、テキスト・メッセージ、および/またはインスタント・メッセージを送るように構成することができる。また、金庫アプリケーション・ソフトウェアは、所望の電話番号(陸線または移動体)に発行し、警報に関する自動メッセージを残しておくように構成することもできる。別の実施形態では、金庫30は、陸線、セルラ・リンク、あるいはその他の有線または無線接続を通じて接続し、一人以上の人に警報状態があることを警報するように構成することもできる。加えて、金庫30を外部計算機84に接続したままにしておける実施形態では、金庫アプリケーション・ソフトウェア86は、金庫コントローラ34と通信チェック・シーケンスを設定し、データ接続が金庫30の移動によって分断されたか否か検出することができる。
【0061】
環境制御モジュール168は、金庫30の内側に温度および湿度を制御するために、それぞれ、温度制御デバイス194および湿度制御デバイス196を含むことができる。温度制御デバイス194および湿度制御デバイス196は、金庫コントローラ34によって制御され、一方金庫コントローラ34は、外部計算機84上の金庫アプリケーション・プログラム86によって制御することができる。
【0062】
カメラ170は、静止写真および/またはビデオを取り込むように構成することができる。カメラ170は、金庫30の内側に向けて、金庫30への進入をキャプチャし、金庫30に近づく人間を特定し、金庫30に入れたまたは金庫30から持ち出された物体および/または文書を特定することができる。カメラ画像は、リアル・タイムで外部計算機84に送信することができ、あるいは金庫コントローラ34に結合されているメモリに格納し、後に外部計算機に送信して遠隔地で見ること、および/または保存してディスプレイ178上でその場で見ることもできる。実施形態によっては、ディスプレイ178は、金庫30の一部とすることができる。
【0063】
また、カメラ170は、金庫30の外側に向けて、金庫30の壁を貫通して金庫コントローラ34に接続し、金庫30に接近するまたは接近しようとする人を一層特定し易くすることもできる。実施形態によっては、金庫コントローラ34は、カメラ170と金庫30との間の割り込みを認識し、ついで金庫30への進入、音響および警報を不可能にし、および/またはセル・フォンに発呼するまたはその他のワイヤレス接続を行うように構成することができる。また、カメラ170は、金庫30が置かれている部屋または区域の全体像を撮影するように向けられ、その部屋または区域で行われる活動を取り込むこともできる。
【0064】
リアル・タイム・クロック172は、種々の目的のために金庫コントローラ34(金庫の内部または外部)に結合することができる。種々の目的には、金庫30への接近を可能および不可能にするというように、毎日同じ時刻に所定の機能を実行するように金庫コントローラ34を設定することが含まれる。
【0065】
図18は、金庫30の実施形態を模式的に示し、この場合、金庫コントローラ34は家庭用またはその他の種類のセキュリティ・システムの制御パネル198に結合されている。金庫コントローラ34とセキュリティ・システム制御パネル198との間の結合200は、直接でも、データ転送ポートを通じてでも、別個の通信ポートを通じてでも可能である。結合200は、1本以上のワイヤ、光接続、および/またはRF接続によって行えばよい。RF接続の場合、セキュリティ・システム制御パネル198に、任意のRFセキュリティ・モジュール202を装備するとよい。あるいは、RFモジュールは、セキュリティ・システム制御パネル198の一体部分であってもよい。このセキュリティ・システム制御パネル198への接続は、外部計算機84へのデータ接続に追加される。この構成によって、金庫30は、セキュリティ・システムの監視および通知能力を利用することが可能になる。一例では、金庫が破壊された場合、対応する信号を金庫30からセキュリティ・システム制御パネル198に送ることができ、セキュリティ・システム制御パネル198によって設備の警報を発することができ、警報信号をセキュリティ監視局に中継することができ、金庫の内側にある1つ以上のワイヤレス接続、セキュリティ・システム制御パネル198、またはセキュリティ監視局によって、警官および/または金庫の所有者に警告することができる。外部計算機84も、有線またはワイヤレスのいずれかで金庫30に接続されている場合には、信号をセキュリティ監視局、警察、および/または所有者に送ることができる。セキュリティ監視局、警察、および/または所有者には、セル・フォン、テキスト・メッセージ、電子メール、または他のいずれの種類の通信システムによってでも警告することができる。
【0066】
以上種々の実施形態を参照したが、記載した発明概念の主旨および範囲内で、多数の変更が可能であることは言うまでもない。単なる一例として、ここに模式的に例示した金庫の多くは、単一の壁を有するものとして示されているが、金庫の他の実施形態は、Sentryの米国特許第6,269,966号に開示されている金庫のように、多数の壁を有することができる。図19は、二重壁の外部構造即ち筐体204と、二重壁のドアまたは扉206とを有する金庫30’を模式的に示す。外部構造204およびドア206の双方は、内壁205および外壁207を有し、これらの間に絶縁空間を定義することができる。この絶縁空間には、防火絶縁材料208のような、絶縁材料を充填することができる。金庫30’において用いることができる防火材料には、限定ではなく、絶縁性鉱物ウール、珪酸ナトリウム膨張性材料、およびSentryの米国特許第4,645,613号に記載されている絶縁体を含むことができる。金庫30’は、データ転送ポート56、およびデータ転送ポート56に結合されている金庫コントローラ34を有することができ、金庫コントローラ34は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときには、デバイス・データ36を選択的にデータ転送ポート56に通過させることができるように構成されている。
【0067】
個々に記載した発明概念の主旨および範囲内において行うことができる多数の変更の別の単なる一例として、金庫30が防水金庫30”である実施形態がある。金庫30”は、Sentryの米国特許第6,752,092号に示されるような機構を有することができる。図20は、金庫30”を模式的に示し、外部構造即ち筐体66とドア即ち蓋70との間の界面にガスケット210が配置されている。ガスケット210は、外部構造66またはドア70の少なくとも1つに結合することができ、扉70が閉じており、外部構造66に対して正しい位置で施錠されているときに、金庫30”の内部区画212に水が進入するのを完全にまたは実質的に防止するように構成されている。金庫30”は、データ転送ポート56と、データ転送ポート56に結合された金庫コントローラ34とを有することができ、金庫コントローラ34は、有効コード38が金庫コントローラ34によって受信されたときに、デバイス・データ36を選択的にデータ転送ポート56に通過させることができるように構成されている。
【0068】
したがって、本発明は、記載した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲およびその均等物の文言で定義される最大の範囲を有することを意図している。
【0069】
特許請求の範囲、要約書、および図面も含む明細書に開示されている全ての特徴、ならびに開示されている方法またはプロセスにおける全てのステップは、このような特徴および/またはステップの一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、いかなる組み合わせにも組み合わせることができる。特許請求の範囲、要約書、および図面も含む明細書に開示されている各特徴は、特に明示的に述べられていない限り、同一、同等、または同様の目的を果たす代替的な特徴と置換することができる。つまり、特に明示的に述べられていない限り、開示した各特徴は、包括的な一連の同等または同様の特徴の一例に過ぎないものとする。
【0070】
請求項において、指定の機能を実行するための「手段」または指定の機能を実行するための「ステップ」を明示的に述べていない要素はいずれも、35U.S.C.§112に指定されている「手段」または「ステップ」句のように解釈しないこととする。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、金庫コントローラに結合されたデータ転送ポートを有する金庫の一実施形態を模式的に示す。
【図2】図2は、ローカル入力デバイスの一実施形態を有する図1の金庫を模式的に示す。
【図3】図3は、データ転送ポート、金庫コントローラ、および通信ポートを有する金庫の一実施形態を模式的に示す。
【図4】図4は、デバイス・データがデータ転送ポートを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図5】図5は、デバイス・データがデータ転送ポートを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図6】図6は、デバイス・データが、通信ポートおよびデータ転送ポートの組み合わせを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図7】図7は、デバイス・データが、通信ポートおよびデータ転送ポートの組み合わせを通じて入力する金庫の実施形態に合わせたデータ経路の例を模式的に示す。
【図8−1】図8A〜8Gは、データ転送ポートの様々な実施形態と共に、金庫の例を模式的に示す。
【図8−2】8Hは、データ転送ポートの様々な実施形態と共に、金庫の例を模式的に示す。
【図8−3】図8I〜8Mは、金庫コントローラに接続されず、ワイヤレス接続能力を有するデータの転送ポートの様々な実施形態と共に、金庫の例を模式的に示す。
【図9】図9は、外部計算機と1つ以上の金庫の中にある1つ以上の内部デバイスとの間のデータ通信を制御するシステムの実施形態を模式的に示す。
【図10】図10は、図9の外部計算機上においてアプリケーション・ソフトウェアが生成するコンピュータ画面の図の一実施形態を示す。
【図11】図11は、金庫においてデータ転送ポートを解放する方法の実施形態を示す。
【図12】図12は、金庫においてデータ転送ポートを解放する方法の別の実施形態を示す。
【図13】図13は、外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法の実施形態を示す。
【図14】図14は、図9のシステムの実施形態の斜視図である。
【図15】図15は、金庫の外部構造を通過するデータ転送ポートを有する金庫の一実施形態の斜視図である。
【図16】図16は、種々の内部デバイスの例を示す、金庫のドアの内側の実施形態の斜視図を示す。
【図17】図17は、センサ・モジュールおよび環境制御モジュールを有する金庫の実施形態を模式的に示す。
【図18】図18は、セキュリティ・システムの制御パネルに結合された金庫の実施形態を模式的に示す。
【図19】図19は、二重壁構造を有する金庫の実施形態を模式的に示す。
【図20】図20は、防水である金庫の実施形態を模式的に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金庫であって、
データ転送ポートと、
前記データ転送ポートに結合された金庫コントローラと、
を備えており、前記金庫コントローラは、当該金庫コントローラが有効コードを受信したときに、データが選択的に前記データ転送ポートを通過させることができるように構成されている、金庫。
【請求項2】
請求項1記載の金庫であって、更に、前記金庫コントローラに結合された入力デバイスを備えており、前記有効コードを生成するために、前記入力デバイスを用いることができる、金庫。
【請求項3】
請求項2記載の金庫において、前記入力デバイスは、ローカル入力デバイスである、金庫。
【請求項4】
請求項2記載の金庫において、前記入力デバイスは、キーパッド、バイオメトリクス・リーダ、電子キー・リーダ、カード・リーダ、および遠隔制御センサから成る群から選択する、金庫。
【請求項5】
請求項1記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面、内部側面、および前記金庫コントローラに結合されている活性化入力を備えており、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記金庫コントローラは、前記活性化入力を動作可能にすることにより、前記データ転送ポートの外部側面および内部側面間においてデータを前方および後方に選択的に受け渡すことができるように構成されている、金庫。
【請求項6】
請求項1記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面および内部側面を備えており、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記データ転送ポートの内部側面は、前記金庫コントローラに結合されており、
前記金庫コントローラは、内部データ・ポートを備えており、
前記金庫コントローラは、前記データ転送ポートの外部側面と前記金庫コントローラの内部データ・ポートとの間においてデータを前方および後方に選択的に受け渡すことができるように構成されている、金庫。
【請求項7】
請求項1記載の金庫において、更に、前記金庫コントローラに結合された通信ポートを備えており、前記金庫コントローラは、前記通信ポート上で受信する通信データの少なくとも一部の中で前記有効コードを認識するように構成されている、金庫。
【請求項8】
請求項7記載の金庫において、前記データ転送ポートおよび前記通信ポートを同一の物理ポートに合体した、金庫。
【請求項9】
請求項7記載の金庫において、前記データ転送ポートは、通信ポートを備えており、前記データ転送ポートは、前記有効コードおよびデータを受信するように構成されている、金庫。
【請求項10】
請求項9記載の金庫において、前記有効コードおよびデータを一緒に符号化データとしてエンコードする、金庫。
【請求項11】
請求項10記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面および内部側面を有し、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記データ転送ポートの内部側面は、前記金庫コントローラに結合されており、
前記金庫コントローラは、内部データ・ポートを備えており、
前記金庫コントローラは、前記符号化データからあらゆるデータをも抽出するために前記符号化データをデコードし、前記符号化コードから前記有効コードをデコードしたとき、デコードしたデータを選択的に前記内部データ・ポートを通過させるように構成されている、金庫。
【請求項12】
請求項9記載の金庫において、前記有効コードおよびデータは、別個のデータ・パケット内にある、金庫。
【請求項13】
請求項12記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面および内部側面を有し、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記データ転送ポートの内部側面は、前記金庫コントローラに結合されており、
前記金庫コントローラは、内部データ・ポートを備えており、
前記金庫コントローラは、少なくとも1つの有効コード・パケットの受信に続いて、少なくとも1つのデータ・パケットを、前記外部側面から前記データ転送ポートの内部側面を通じて、前記内部データ・ポートを通して通過させるように構成されている、金庫。
【請求項14】
請求項1記載の金庫であって、更に、
進入開口を規定する外部構造と、
前記外部構造に移動可能に結合されているドアと、
前記外部構造を前記ドアに選択的に結合する少なくとも1つのロック・メカニズムと、
を備えており、
前記金庫コントローラは、前記ロック・メカニズムおよび前記データ転送ポートに結合されており、少なくとも部分的に前記データ転送ポート上で受信した通信に応答して、a)前記ドアを前記外部構造に固定する、またはb)前記進入開口への進入を制御するために前記ドアの前記外部構造に対する固定から解除するために、前記ロック・メカニズムを選択的に制御するように構成されている、金庫。
【請求項15】
請求項14記載の金庫において、前記データ転送ポートは、前記外部構造および前記ドアの少なくとも一方を貫通するケーブル・コネクタを備えている、金庫。
【請求項16】
請求項14記載の金庫において、前記データ転送ポートは、前記外部構造および前記ドアの少なくとも一方を貫通する光コネクタを備えている、金庫。
【請求項17】
請求項14記載の金庫において、前記データ転送ポートはアンテナを備えている、金庫。
【請求項18】
請求項17記載の金庫において、前記アンテナは前記金庫の外側に位置する、金庫。
【請求項19】
請求項17記載の金庫において、前記アンテナは、前記外部構造の内側に位置し、前記データ転送ポートの一部は前記金庫の内側で接近可能である、金庫。
【請求項20】
請求項17記載の金庫において、前記アンテナは前記ドアの内側に位置し、前記データ転送ポートの一部は、前記金庫の内側で接近可能である、金庫。
【請求項21】
請求項1記載の金庫において、前記金庫は防火金庫である、金庫。
【請求項22】
請求項1記載の金庫において、前記金庫は、非防火金庫、粉砕金庫、防水金庫、銃金庫、チェスト、およびファイル・キャビネット金庫から成る群から選択する、金庫。
【請求項23】
請求項1記載の金庫であって、更に、前記金庫コントローラに結合されたローカル出力を備えている、金庫。
【請求項24】
請求項1記載の金庫であって、更に、
外壁および内壁を含み、その間に第1空間を規定する外部構造と、
外壁および内壁を含み、その間に第2空間を規定するドアと、
前記第1および第2空間内に配置された防火絶縁材料と、
を備えている、金庫。
【請求項25】
請求項1記載の金庫であって、更に、
外部構造と、
前記外部構造に移動可能に結合されたドアと、
前記ドアおよび前記外部構造によって規定される内部空間が実質的に密閉され、前記ドアが前記外部構造に対抗して閉鎖されたときに、前記外部構造と前記ドアとの間への水の進入を防止するように、前記外部構造および前記ドアの一方に配されたガスケットと、
を備えている、金庫。
【請求項26】
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムであって、
コンピュータ読み取り可能媒体上に格納された一連の命令を実行するように構成された金庫アプリケーション・ソフトウェアと、
金庫であって、
i.外部計算機に接続するように構成されたデータ転送ポートと、
ii.前記データ転送ポートに結合された金庫コントローラと、
を備えている、金庫と、
を備えており、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記金庫コントローラが有効コードを受信したときに、前記金庫コントローラが、前記外部計算機と前記内部デバイスとの間における通信を許可するように、前記コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項27】
請求項26記載のシステムにおいて、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記有効コードを生成し、前記データ転送ポートを通じてそれを前記金庫コントローラに送るように構成されている、システム。
【請求項28】
請求項27記載のシステムにおいて、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記外部計算機のユーザからのしかるべきデータに応答して、前記有効コードを生成するように構成されている、システム。
【請求項29】
請求項26記載のシステムにおいて、
前記金庫は、更に、前記金庫コントローラに結合されている入力デバイスを備えており、
前記金庫コントローラは、前記入力デバイスからの入力信号に応答して、前記有効コードを生成するように構成されている、システム。
【請求項30】
請求項26記載のシステムにおいて、
前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記有効コードを生成するように構成されており、
前記金庫は、更に、前記金庫コントローラに結合され、ユーザ入力を前記金庫コントローラに受け渡すように構成された入力デバイスを備えており、
前記金庫コントローラは、前記ユーザ入力の少なくとも一部と前記有効コードが一致したときに、データが前記外部計算機から前記データ転送ポートを通過することを可能にするように構成されている、システム。
【請求項31】
請求項26記載のシステムにおいて、前記内部デバイスは、前記データ転送ポートに着脱可能に結合されている、システム。
【請求項32】
金庫においてデータ転送ポートを解放する方法であって、
前記金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立するステップと、
前記外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを受け入れるステップと、
前記しかるべきデータの入力に応答して、前記外部計算機から前記金庫コントローラに有効コードを送信するステップと、
前記有効コードの受信に応答して、前記金庫コントローラによって前記金庫における前記データ転送ポートを動作可能にするステップと、
を備えている、方法。
【請求項33】
金庫においてデータ転送ポートを解放する方法であって、
前記金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立するステップと、
前記計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを受け入れるステップと、
前記しかるべきデータの入力に応答して、前記外部計算機から前記金庫コントローラに有効コードを送信するステップと、
前記有効コードを入力デバイスから受信した信号と比較するステップと、
前記有効コードの少なくとも一部と、前記入力デバイスから受信した前記信号が一致した場合、前記金庫コントローラによって前記データ転送ポートを動作可能にするステップと、
を備えている、方法。
【請求項34】
外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法であって、
前記金庫の中にある金庫コントローラと前記外部計算機との間に、接続を確立するステップと、
前記内部デバイスに宛てたデータを有効コードと共にエンコードするために、前記外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを受け入れるステップと、
前記外部計算機から前記金庫コントローラに前記エンコード・データを伝達するステップと、
前記エンコード・データをデコードするステップと、
前記デコードした有効コードおよび前記データの受信に基づいて、前記金庫内に格納されている内部デバイスに前記データを受け渡すステップと、
を備えている、方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、前記有効コードを前記データと共にパケットにエンコードする、方法。
【請求項36】
請求項34記載の方法において、前記有効コードを前記データと順次エンコードする、方法。
【請求項37】
請求項34記載の方法において、暗号化を用いて前記データをエンコードする、方法。
【請求項38】
外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡すためのコンピュータ実行可能命令を収容したコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記命令は、
前記金庫の中にある金庫コントローラと前記外部計算機との間に、接続を確立する命令と、
有効コードの受信に基づいて、前記金庫コントローラが前記データを前記金庫の中にある内部デバイスに導出するように、前記外部計算機から前記金庫コントローラに有効コードおよびデータを伝達する命令と、
を備えている、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項39】
金庫の中に位置する内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムであって、
コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されている金庫アプリケーション・ソフトウェアと、
データ転送ポートを含む金庫であって、前記データ転送ポートは、外部計算機にワイヤレスで接続するように構成されている、金庫と、
を備えており、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記内部デバイスと前記外部計算機との間で、前記データ転送ポートを通じてデータをワイヤレスで伝達するように、前記コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項40】
請求項39記載のシステムにおいて、前記ワイヤレス通信は、無線周波数、802.11、BLUETOOTH、CDMAセルラ、およびGSMセルラ通信の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項41】
請求項39記載のシステムにおいて、前記データ転送ポートはアンテナを含む、システム。
【請求項42】
請求項41記載のシステムにおいて、前記アンテナは前記金庫の外側に位置する、システム。
【請求項43】
請求項41記載のシステムにおいて、前記アンテナは前記金庫に取り付けられた楯板の内側に位置する、システム。
【請求項44】
請求項41記載のシステムにおいて、前記内部デバイスは、前記データ転送ポートにワイヤレスで接続されている、システム。
【請求項45】
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を行う方法であって、
データ転送ポートを含む金庫を設けるステップと、
前記内部デバイスを前記データ転送ポートに接続させるステップと、
前記データ転送ポートと外部計算機との間においてデータのワイヤレス通信に備えるステップと、
前記データ転送ポートと前記内部デバイスとの間においてデータを伝達させるステップと、
を備えている、方法。
【請求項46】
内部デバイスとのデータ通信を行うシステムであって、
前記内部デバイスを格納するために構成した内部区画を規定する金庫と、
前記金庫に結合されたデータ転送ポートであって、前記内部デバイスと前記外部計算機との間で前記データ転送ポートを通じてデータをワイヤレスで伝達するように、外部計算機にワイヤレスで接続するように構成された、データ転送ポートと、
を備えている、システム。
【請求項1】
金庫であって、
データ転送ポートと、
前記データ転送ポートに結合された金庫コントローラと、
を備えており、前記金庫コントローラは、当該金庫コントローラが有効コードを受信したときに、データが選択的に前記データ転送ポートを通過させることができるように構成されている、金庫。
【請求項2】
請求項1記載の金庫であって、更に、前記金庫コントローラに結合された入力デバイスを備えており、前記有効コードを生成するために、前記入力デバイスを用いることができる、金庫。
【請求項3】
請求項2記載の金庫において、前記入力デバイスは、ローカル入力デバイスである、金庫。
【請求項4】
請求項2記載の金庫において、前記入力デバイスは、キーパッド、バイオメトリクス・リーダ、電子キー・リーダ、カード・リーダ、および遠隔制御センサから成る群から選択する、金庫。
【請求項5】
請求項1記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面、内部側面、および前記金庫コントローラに結合されている活性化入力を備えており、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記金庫コントローラは、前記活性化入力を動作可能にすることにより、前記データ転送ポートの外部側面および内部側面間においてデータを前方および後方に選択的に受け渡すことができるように構成されている、金庫。
【請求項6】
請求項1記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面および内部側面を備えており、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記データ転送ポートの内部側面は、前記金庫コントローラに結合されており、
前記金庫コントローラは、内部データ・ポートを備えており、
前記金庫コントローラは、前記データ転送ポートの外部側面と前記金庫コントローラの内部データ・ポートとの間においてデータを前方および後方に選択的に受け渡すことができるように構成されている、金庫。
【請求項7】
請求項1記載の金庫において、更に、前記金庫コントローラに結合された通信ポートを備えており、前記金庫コントローラは、前記通信ポート上で受信する通信データの少なくとも一部の中で前記有効コードを認識するように構成されている、金庫。
【請求項8】
請求項7記載の金庫において、前記データ転送ポートおよび前記通信ポートを同一の物理ポートに合体した、金庫。
【請求項9】
請求項7記載の金庫において、前記データ転送ポートは、通信ポートを備えており、前記データ転送ポートは、前記有効コードおよびデータを受信するように構成されている、金庫。
【請求項10】
請求項9記載の金庫において、前記有効コードおよびデータを一緒に符号化データとしてエンコードする、金庫。
【請求項11】
請求項10記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面および内部側面を有し、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記データ転送ポートの内部側面は、前記金庫コントローラに結合されており、
前記金庫コントローラは、内部データ・ポートを備えており、
前記金庫コントローラは、前記符号化データからあらゆるデータをも抽出するために前記符号化データをデコードし、前記符号化コードから前記有効コードをデコードしたとき、デコードしたデータを選択的に前記内部データ・ポートを通過させるように構成されている、金庫。
【請求項12】
請求項9記載の金庫において、前記有効コードおよびデータは、別個のデータ・パケット内にある、金庫。
【請求項13】
請求項12記載の金庫において、
前記データ転送ポートは、外部側面および内部側面を有し、前記外部側面は、前記金庫の外側から接近可能であり、前記内部側面は前記金庫の内部から接近可能であり、
前記データ転送ポートの内部側面は、前記金庫コントローラに結合されており、
前記金庫コントローラは、内部データ・ポートを備えており、
前記金庫コントローラは、少なくとも1つの有効コード・パケットの受信に続いて、少なくとも1つのデータ・パケットを、前記外部側面から前記データ転送ポートの内部側面を通じて、前記内部データ・ポートを通して通過させるように構成されている、金庫。
【請求項14】
請求項1記載の金庫であって、更に、
進入開口を規定する外部構造と、
前記外部構造に移動可能に結合されているドアと、
前記外部構造を前記ドアに選択的に結合する少なくとも1つのロック・メカニズムと、
を備えており、
前記金庫コントローラは、前記ロック・メカニズムおよび前記データ転送ポートに結合されており、少なくとも部分的に前記データ転送ポート上で受信した通信に応答して、a)前記ドアを前記外部構造に固定する、またはb)前記進入開口への進入を制御するために前記ドアの前記外部構造に対する固定から解除するために、前記ロック・メカニズムを選択的に制御するように構成されている、金庫。
【請求項15】
請求項14記載の金庫において、前記データ転送ポートは、前記外部構造および前記ドアの少なくとも一方を貫通するケーブル・コネクタを備えている、金庫。
【請求項16】
請求項14記載の金庫において、前記データ転送ポートは、前記外部構造および前記ドアの少なくとも一方を貫通する光コネクタを備えている、金庫。
【請求項17】
請求項14記載の金庫において、前記データ転送ポートはアンテナを備えている、金庫。
【請求項18】
請求項17記載の金庫において、前記アンテナは前記金庫の外側に位置する、金庫。
【請求項19】
請求項17記載の金庫において、前記アンテナは、前記外部構造の内側に位置し、前記データ転送ポートの一部は前記金庫の内側で接近可能である、金庫。
【請求項20】
請求項17記載の金庫において、前記アンテナは前記ドアの内側に位置し、前記データ転送ポートの一部は、前記金庫の内側で接近可能である、金庫。
【請求項21】
請求項1記載の金庫において、前記金庫は防火金庫である、金庫。
【請求項22】
請求項1記載の金庫において、前記金庫は、非防火金庫、粉砕金庫、防水金庫、銃金庫、チェスト、およびファイル・キャビネット金庫から成る群から選択する、金庫。
【請求項23】
請求項1記載の金庫であって、更に、前記金庫コントローラに結合されたローカル出力を備えている、金庫。
【請求項24】
請求項1記載の金庫であって、更に、
外壁および内壁を含み、その間に第1空間を規定する外部構造と、
外壁および内壁を含み、その間に第2空間を規定するドアと、
前記第1および第2空間内に配置された防火絶縁材料と、
を備えている、金庫。
【請求項25】
請求項1記載の金庫であって、更に、
外部構造と、
前記外部構造に移動可能に結合されたドアと、
前記ドアおよび前記外部構造によって規定される内部空間が実質的に密閉され、前記ドアが前記外部構造に対抗して閉鎖されたときに、前記外部構造と前記ドアとの間への水の進入を防止するように、前記外部構造および前記ドアの一方に配されたガスケットと、
を備えている、金庫。
【請求項26】
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムであって、
コンピュータ読み取り可能媒体上に格納された一連の命令を実行するように構成された金庫アプリケーション・ソフトウェアと、
金庫であって、
i.外部計算機に接続するように構成されたデータ転送ポートと、
ii.前記データ転送ポートに結合された金庫コントローラと、
を備えている、金庫と、
を備えており、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記金庫コントローラが有効コードを受信したときに、前記金庫コントローラが、前記外部計算機と前記内部デバイスとの間における通信を許可するように、前記コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項27】
請求項26記載のシステムにおいて、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記有効コードを生成し、前記データ転送ポートを通じてそれを前記金庫コントローラに送るように構成されている、システム。
【請求項28】
請求項27記載のシステムにおいて、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記外部計算機のユーザからのしかるべきデータに応答して、前記有効コードを生成するように構成されている、システム。
【請求項29】
請求項26記載のシステムにおいて、
前記金庫は、更に、前記金庫コントローラに結合されている入力デバイスを備えており、
前記金庫コントローラは、前記入力デバイスからの入力信号に応答して、前記有効コードを生成するように構成されている、システム。
【請求項30】
請求項26記載のシステムにおいて、
前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記有効コードを生成するように構成されており、
前記金庫は、更に、前記金庫コントローラに結合され、ユーザ入力を前記金庫コントローラに受け渡すように構成された入力デバイスを備えており、
前記金庫コントローラは、前記ユーザ入力の少なくとも一部と前記有効コードが一致したときに、データが前記外部計算機から前記データ転送ポートを通過することを可能にするように構成されている、システム。
【請求項31】
請求項26記載のシステムにおいて、前記内部デバイスは、前記データ転送ポートに着脱可能に結合されている、システム。
【請求項32】
金庫においてデータ転送ポートを解放する方法であって、
前記金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立するステップと、
前記外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを受け入れるステップと、
前記しかるべきデータの入力に応答して、前記外部計算機から前記金庫コントローラに有効コードを送信するステップと、
前記有効コードの受信に応答して、前記金庫コントローラによって前記金庫における前記データ転送ポートを動作可能にするステップと、
を備えている、方法。
【請求項33】
金庫においてデータ転送ポートを解放する方法であって、
前記金庫の中にある金庫コントローラと外部計算機との間に接続を確立するステップと、
前記計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを受け入れるステップと、
前記しかるべきデータの入力に応答して、前記外部計算機から前記金庫コントローラに有効コードを送信するステップと、
前記有効コードを入力デバイスから受信した信号と比較するステップと、
前記有効コードの少なくとも一部と、前記入力デバイスから受信した前記信号が一致した場合、前記金庫コントローラによって前記データ転送ポートを動作可能にするステップと、
を備えている、方法。
【請求項34】
外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡す方法であって、
前記金庫の中にある金庫コントローラと前記外部計算機との間に、接続を確立するステップと、
前記内部デバイスに宛てたデータを有効コードと共にエンコードするために、前記外部計算機上で起動する金庫アプリケーション・プログラムにしかるべきデータを受け入れるステップと、
前記外部計算機から前記金庫コントローラに前記エンコード・データを伝達するステップと、
前記エンコード・データをデコードするステップと、
前記デコードした有効コードおよび前記データの受信に基づいて、前記金庫内に格納されている内部デバイスに前記データを受け渡すステップと、
を備えている、方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、前記有効コードを前記データと共にパケットにエンコードする、方法。
【請求項36】
請求項34記載の方法において、前記有効コードを前記データと順次エンコードする、方法。
【請求項37】
請求項34記載の方法において、暗号化を用いて前記データをエンコードする、方法。
【請求項38】
外部計算機と金庫の内側にある内部デバイスとの間でデータを受け渡すためのコンピュータ実行可能命令を収容したコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記命令は、
前記金庫の中にある金庫コントローラと前記外部計算機との間に、接続を確立する命令と、
有効コードの受信に基づいて、前記金庫コントローラが前記データを前記金庫の中にある内部デバイスに導出するように、前記外部計算機から前記金庫コントローラに有効コードおよびデータを伝達する命令と、
を備えている、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項39】
金庫の中に位置する内部デバイスとのデータ通信を制御するシステムであって、
コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されている金庫アプリケーション・ソフトウェアと、
データ転送ポートを含む金庫であって、前記データ転送ポートは、外部計算機にワイヤレスで接続するように構成されている、金庫と、
を備えており、前記金庫アプリケーション・ソフトウェアは、前記内部デバイスと前記外部計算機との間で、前記データ転送ポートを通じてデータをワイヤレスで伝達するように、前記コンピュータ読み取り可能媒体上に格納されている一連の命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項40】
請求項39記載のシステムにおいて、前記ワイヤレス通信は、無線周波数、802.11、BLUETOOTH、CDMAセルラ、およびGSMセルラ通信の内少なくとも1つを含む、システム。
【請求項41】
請求項39記載のシステムにおいて、前記データ転送ポートはアンテナを含む、システム。
【請求項42】
請求項41記載のシステムにおいて、前記アンテナは前記金庫の外側に位置する、システム。
【請求項43】
請求項41記載のシステムにおいて、前記アンテナは前記金庫に取り付けられた楯板の内側に位置する、システム。
【請求項44】
請求項41記載のシステムにおいて、前記内部デバイスは、前記データ転送ポートにワイヤレスで接続されている、システム。
【請求項45】
金庫内に位置する内部デバイスとのデータ通信を行う方法であって、
データ転送ポートを含む金庫を設けるステップと、
前記内部デバイスを前記データ転送ポートに接続させるステップと、
前記データ転送ポートと外部計算機との間においてデータのワイヤレス通信に備えるステップと、
前記データ転送ポートと前記内部デバイスとの間においてデータを伝達させるステップと、
を備えている、方法。
【請求項46】
内部デバイスとのデータ通信を行うシステムであって、
前記内部デバイスを格納するために構成した内部区画を規定する金庫と、
前記金庫に結合されたデータ転送ポートであって、前記内部デバイスと前記外部計算機との間で前記データ転送ポートを通じてデータをワイヤレスで伝達するように、外部計算機にワイヤレスで接続するように構成された、データ転送ポートと、
を備えている、システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8−2】
【図8I】
【図8J】
【図8K】
【図8L】
【図8M】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8−2】
【図8I】
【図8J】
【図8K】
【図8L】
【図8M】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2009−524752(P2009−524752A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552416(P2008−552416)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/002083
【国際公開番号】WO2007/087417
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503127862)ジョン・ディー・ブラッシュ・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/002083
【国際公開番号】WO2007/087417
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503127862)ジョン・ディー・ブラッシュ・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]