説明

制御装置、記録装置、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】印刷コマンドを出力して記録装置に記録させる画像を示す画像データについて、記憶した画像データから所望の画像データを効率的に検索できるようにする。
【解決手段】画像データ記憶部22は、印刷コマンドを出力してレシートプリンター12に記録させる画像を示す画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて、この画像データに関する情報を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を記録する記録装置を制御する制御装置、記録装置、当該制御装置の制御方法、及び、当該制御装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗の売上データ等に基づいて電子ジャーナルデータを生成し、記憶する電子キャッシュレジスターが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に係る電子キャッシュレジスターは、後に取引の実態を把握に利用すること等を目的として電子ジャーナルデータを記憶する。また、これと同様のことを目的として、レシートを発行可能な記録装置に接続されると共に、この記録装置によってレシートに記録する画像を電子ジャーナルとしての画像データとして記憶する制御装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−52343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した制御装置では、取引の実態の把握等に利用することを目的として、上述した画像データを記憶するため、所望の画像データを検索できることが求められる。ここで、従来の制御装置では、画像データに当該画像データが生成されたときのタイムスタンプを付加し、このタイムスタンプを利用して画像データが検索できるのみであり、より効率的に所望の画像データを検索できるようにすることが求められていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、所望の画像データを効率的に検索できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録装置に印刷コマンドを出力して、前記記録装置に画像を記録させる制御装置であって、入力部と、前記入力部に入力された情報に基づき決済情報を生成し、前記決済情報に基づいて前記印刷コマンド、及び、画像データを生成する制御部と、前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて、前記画像データに関する情報を記憶する画像データ記憶部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、画像データと、この画像データに関する情報とが対応づけて記憶されるため、画像データに関する情報を利用して所望の画像データの効率的な検索が可能となる。ここで、決済情報とは、商品やサービスなどに係わる決済や取引に関する情報である。また、入力部とは、例えば、バーコードを読み取ることによって商品コードを取得するバーコードリーダー(スキャナー)や、購入した商品の金額を入力するためのキーボード等、決済情報の生成に必要な情報を制御部に出力する入力デバイスである。これを踏まえ、上記構成によれば、画像データを電子ジャーナルデータとして記憶することができ、さらに、記憶した電子ジャーナルデータの中から特定の電子ジャーナルデータを容易に検索することができる。
【0006】
ここで、上記発明の制御装置であって、前記画像データに関する情報は、少なくとも、前記画像データを生成したときの日時に関する情報、ログインユーザーに関する情報、及び、前記画像データの名称に関する情報、のいずれかの情報を含むようにしてもよい。
この構成によれば、画像データと対応づけて、少なくとも、前記画像データを生成したときの日時に関する情報、キーボード等からIDやパスワード等を入力してログインしたユーザーに関する情報、及び、前記画像データの名称に関する情報、のいずれかの情報が記憶されるため、これら情報を利用して所望の画像データの効率的な検索が可能となる。
【0007】
また、上記発明の制御装置であって、前記画像データに関する情報は、前記印刷コマンドを含むものであり、前記画像データは電子ジャーナルデータであるようにしてもよい。
この構成によれば、電子ジャーナルデータたる画像データと印刷コマンドとが対応づけて記憶されるため、印刷コマンドを記録装置に出力することにより、必要に応じて、当該印刷コマンドと対応する電子ジャーナルデータである画像データに係る画像を容易、かつ、確実に記録することができる。
また、この構成によれば、画像データに係る画像を表示パネル等の表示手段に表示したときの表示内容と、当該画像データと対応づけて記憶された印刷コマンドを記録装置に出力して記録装置に記録させた画像とを比較することによって、電子ジャーナルデータである画像データに対する改ざんの検出が可能となり、このことが画像データに対する改ざんの抑止力となる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、前記画像データ記憶部は、1の画像データ、及び、当該1の画像データに対応する前記画像データに関する情報について、1の画像データを静止画像圧縮形式データとし、当該1の画像データに対応する前記画像データに関する情報を前記静止画像圧縮形式データに付加される付加データとして、1つのファイルによって記憶するようにしてもよい。
この構成によれば、広く普及したJPEGファイルなどの静止画像圧縮形式ファイルの形式を利用して、適切に電子ジャーナルデータを画像データの形式とし、画像データに関する情報とを対応づけて適切に記憶することができる。
【0009】
また、上記発明の制御装置であって、前記記録装置は、画像を記録してレシートを発行するプリンターであり、前記制御部は、決済情報に基づいてレシートに記録すべき画像に係る画像データを生成し、前記画像データ記憶部は、前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて当該レシートの発行に関する情報を記憶するようにしてもよい。
この構成によれば、決済情報に基づいて生成される画像データと、当該レシートの発行に関する情報とが対応づけて記憶されるため、当該レシートの発行に関する情報を利用して、所望のレシートに係る画像データの効率的な検索が可能となる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、決済情報に基づいて生成された画像データ及び印刷コマンドに基づいて画像を記録する記録装置であって、前記画像データ及び前記印刷コマンドが入力された場合、前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけてこの画像データに関する情報を記憶する画像データ記憶部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、決済情報に係るものである画像データと、この画像データに関する情報とが対応づけて記憶されるため、画像データに関する情報を利用して所望の画像データの効率的な検索が可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録装置に印刷コマンドを出力して、前記記録装置に画像を記録させる制御装置を制御して、入力部に入力された情報に基づき決済情報を生成し、前記決済情報に基づき、前記印刷コマンドを生成すると共に、画像データを生成し、生成した前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて前記画像データに関する情報を記憶することを特徴とする。
この制御方法によれば、画像データと、この画像データに関する情報とが対応づけて記憶されるため、画像データに関する情報を利用して所望の画像データの効率的な検索が可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録装置に印刷コマンドを出力して、前記記録装置に画像を記録させる制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、入力部に入力された情報に基づき決済情報を生成し、前記決済情報に基づき、前記印刷コマンドを生成すると共に、画像データを生成し、生成した前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて前記画像データに関する情報を記憶するものとして機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行することにより、決済情報に係わる画像データと、この画像データに関する情報とが対応づけて記憶されるため、画像データに関する情報を利用して所望の画像データの効率的な検索が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所望の画像データを効率的に検索できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係るPOSシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】電子ジャーナルデータのデータ構造を模式的に示す図である。
【図3】検索用ウインドウの一例を模式的に示す図である。
【図4】電子ジャーナルデータが一覧表示された様子の一例を示す図である。
【図5】POSシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の機能的構成を示すブロック図である。
POSシステム1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に適用されるシステムであり、店舗に来店した顧客の代金の支払いに応じてレシートを発行する。
さらに、本実施形態に係るPOSシステム1は、発行したレシートに係る情報を電子ジャーナルデータとして記憶する機能を有している。具体的には、POSシステム1では、発行したレシートに記録される画像に係るデータを電子ジャーナルデータとして記憶する。ここで記憶した電子ジャーナルデータは、後に、例えば、店舗における取引の実態を把握する際に利用される。
ここで、本実施形態に係るPOSシステム1では、記憶した電子ジャーナルデータに基づいて取引の実態を正確、かつ、簡易に把握できるようにする、という観点から、要件1.表示パネル等の表示手段を利用してレシートに記録される画像をプレビューできること、要件2.レシートに記録される画像を紙等の記録媒体に記録できること、要件3.所望の電子ジャーナルデータを検索できること、という3つの要件を満たした状態で、電子ジャーナルデータを記憶できる構成となっている。特に、要件3については、従来のPOSシステムと比較し、効率的に電子ジャーナルデータを検索できるようになっている。
【0016】
POSシステム1は、図1に示すように、ホストコンピューター10(制御装置)と、このホストコンピューター10に接続されたPOSサーバー11と、ホストコンピューター10に接続されたレシートプリンター12(記録装置)とを備えている。なお、本実施形態では、発明の説明の明確化のため、ホストコンピューター10に1台のレシートプリンター12が接続された構成となっているが、複数台のレシートプリンターが接続され、これらレシートプリンターのそれぞれをホストコンピューター10が制御する構成であってもよい。
【0017】
POSサーバー11は、ネットワークを介してホストコンピューター10に通信可能に接続されており、店舗で販売している商品の商品コードや、名称、金額等のレシートの発行のために必要となる情報を示すデータをデータベースとして記憶する。ホストコンピューター10は、レシートの発行に際し、適宜POSサーバー11に記憶されたデータベースを参照し、必要な情報を取得する。
【0018】
ホストコンピューター10は、制御部15と、表示部16と、入力部17と、インターフェイス部18と、記憶部19と、を備えている。
制御部15は、ホストコンピューター10の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。また、制御部15は、現在の日時(日付、時刻)を計時する機能を有している。
図1に示すように、制御部15は、POSアプリケーション実行部20と、プリンタードライバー実行部21と、画像データ記憶部22と、画像ビューアー実行部23とを備えているが、これらについては後述する。
【0019】
表示部16は、液晶ディスプレーパネルや、有機ELパネル等の表示パネル25を備え、制御部15の制御の下、表示パネル25に各種情報を表示する。
入力部17は、キーボードや、マウス、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスに接続され、これら入力デバイスの出力信号を制御部15に出力する。バーコードリーダーは、商品の包装紙等に記録された商品コードが示されたバーコードの読み取りに利用され、カードリーダーは、クレジットカードや、会員カード等に記録された情報の読み取りに利用される。後述するPOSアプリケーション実行部_として機能する制御部_は、バーコードリーダーやカードリーダー等の入力デバイスから入力された情報、及び、POSサーバー11から取得した情報に基づいて、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報を生成し、この決済情報に基づいてレシートに記録すべき画像の画像データを生成する。
インターフェイス部18は、USBポートやパラレルプリンターポート等のポート26を介してレシートプリンター12に接続され、制御部15の制御の下、レシートプリンター12との間で通信規格に準拠した通信を行う。
記憶部19は、各種データを書き換え可能に記憶する部位であり、ハードディスクや、EEPROM等の記憶装置を備えている。記憶部19には、ユーザーIDデータ27、及び、電子ジャーナルファイル28が記憶されるが、これについては後述する。
【0020】
一方、レシートプリンター12は、ロール紙を収容し、このロール紙に画像を記録すると共に、所定の位置でロール紙を切断して、レシートを発行するプリンターである。本実施形態に係るレシートプリンター12は、インクジェット式のプリンターであるが、サーマルヘッド式のプリンター等の他の方式のプリンターであっても勿論よい。
レシートプリンター12は、プリンター側制御部30と、記録部31と、を備えている。
プリンター側制御部30は、レシートプリンター12の各部を中枢的に制御するものであり、制御部15と同様、CPU、ROM、RAM、その他の周辺回路を備えている。
記録部31は、アクチュエーターの動作によりロール紙にインクを吐出し、画像を記録する記録ヘッドや、この記録ヘッドが搭載され、記録ヘッドを走査させるキャリッジ、ロール紙を搬送する搬送ローラー、ロール紙を切断するカッター装置等のレシートを発行するために必要な構成要素を備え、プリンター側制御部30の制御の下、各構成要素が協働してレシートを発行する。
【0021】
本実施形態に係るPOSシステム1では、ホストコンピューター10に対し、権限のあるユーザーがログインしている状態でのみ、レシートの発行が可能な構成となっており、これによりセキュリティーの向上、及び、責任の所在の明確化が図られている。具体的には、POSシステム1が稼働する前に、ホストコンピューター10がユーザーのID及びパスワードの入力を要求する構成となっている。そして、ホストコンピューター10は、正しくユーザーのIDとパスワードが入力された場合にのみ、当該入力したユーザーのログインを許可し、かつ、POSシステム1を利用したレシートの発行を許可する構成となっている。
そして、ホストコンピューター10は、ログインされてからログアウトされるまでの間、ログインしたユーザーのIDを示すユーザーIDデータ27を記憶部19に記憶する。
【0022】
次いで、制御部15が備えるPOSアプリケーション実行部20、プリンタードライバー実行部21、画像データ記憶部22、及び、画像ビューアー実行部23について順に説明する。これらの各機能は、制御部15のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行する等、ソフトウェアとハードウェアとが協働して実現される。
【0023】
まず、POSアプリケーション実行部20について説明する。
POSアプリケーション実行部20は、予めホストコンピューター10にインストールされたPOSアプリケーションを実行することにより、発行するレシートの画像データを生成し、出力する。
具体的には、POSアプリケーション実行部20は、POSアプリケーションの機能により、キーボードや、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスから入力された情報、及び、POSサーバー11から取得した情報に基づいて、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報を生成し、この決済情報に基づいてレシートに記録すべき画像の画像データを生成する。
このPOSアプリケーション実行部20により生成された画像データは、ビットマップ形式のデータであり、データ上でドットマトリクス状に配置された各画素について、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色成分を階調値として保持したデータである。後述する画像ビューアー実行部23は、この画像データに基づいて、表示部16を制御して、当該画像データに係る画像を表示パネル25に表示(プレビュー)することができる。
なお、画像データは、レシートプリンター12が記録する画像の態様に応じて、2値画像データであってもよく、また、他の形式のデータであってもよい。すなわち、後述する画像ビューアー実行部23が、画像データに基づいて、表示部16の表示パネル25に画像データに係る画像を表示可能なであれば、画像データのデータ形式は何であってもよい。
本実施形態では、この画像データが電子ジャーナルデータに該当する。
【0024】
次いで、プリンタードライバー実行部21について説明する。
プリンタードライバー実行部21は、予めインストールされたプリンタードライバー(プログラム)を実行することにより、レシートプリンター12を制御する。より詳細には、レシートプリンター12を制御してレシートプリンター12によりレシートを発行する場合、プリンタードライバー実行部21は、POSアプリケーション実行部20が生成した画像データに対し、解像度変換処理、色補正処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の画像処理を行い、レシートプリンター12に記録すべき画像全体のラスターデータを生成する。ラスターデータは、レシートに記録される画像について、画像を構成する画素ごとに、レシートプリンター12が備える各色のインクの吐出量を階調値として保持したデータである。
次いで、プリンタードライバー実行部21は、生成したラスターデータに基づいて、レシートプリンター12のコマンド仕様に対応した印刷コマンドを生成し、生成した印刷コマンドをレシートプリンター12のプリンター側制御部30に出力する。この印刷コマンドは、レシートプリンター12に対して、レシートの発行に係る一連の動作を行わせるコマンドであり、例えば、画像の記録の開始を指示する記録開始コマンドや、記録ヘッドを走査させることを指示する走査コマンド、ラスターデータに基づいて記録ヘッドにインクを所定量だけ吐出させるインク吐出コマンド、ロール紙を搬送方向に所定量だけ送ることを指示する送りコマンド等のコマンドを含んでいる。
レシートプリンター12のプリンター側制御部30は、入力された印刷コマンドに基づいて記録部31を制御し、画像の記録、ロール紙の搬送、ロール紙の切断等のレシートの発行に必要な動作を実行し、レシートを発行する。
【0025】
次いで、画像データ記憶部22について説明する。ここで、画像データ記憶部22は、制御部15に含まれるものであり、記憶とデータ処理の機能を持つものとして説明していく。
画像データ記憶部22は、POSシステム1により、1のレシートが発行される度に、当該1のレシートに係る電子ジャーナルファイル28を生成し、生成した電子ジャーナルファイル28を記憶部19に記憶する。
【0026】
図2は、電子ジャーナルファイル28のデータ構造を模式的に示す図である。この電子ジャーナルファイル28は、上述したように、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報に基づいて生成された画像データを含むデータである。そして、上述したように、この電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが、電子ジャーナルデータに該当する。
電子ジャーナルファイル28は、JPEGデータに対してEXIF形式の付加情報が付加されて形成されたJPEGファイルであり、JPEGファイルの先頭を示すスタートマーカー40と、APP1データエリア41の始まりを示すAPP1マーカー42と、所定の圧縮方式により圧縮されたJPEGデータを格納するJPEGデータエリア43と、JPEGファイルの後尾を示すエンドマーカー44とが含まれている。
APP1データエリア41には、任意の情報を示すデータを格納可能なコメントセグメント46が形成されており、このコメントセグメント46には、印刷コマンドエリア47、日時情報エリア48、ユーザー情報エリア49、ファイル名情報エリア50、プリンター情報エリア51、及び、支払金額情報エリア52が形成されている。なお、コメントセグメント46に形成された各エリアに格納されるデータが、付加データに該当する。
【0027】
ここで、画像データ記憶部22が、電子ジャーナルファイル28を生成する際の動作について説明する。
POSアプリケーション実行部20によって、レシートの発行の指示と共に、画像データが出力されると、画像データ記憶部22は、当該画像データを取得し、所定の符号化方式により当該画像データを圧縮して圧縮画像データ(JPEGデータ)を生成し、JPEGデータエリア43に格納する。
次いで、画像データ記憶部22は、プリンタードライバー実行部21が生成した印刷コマンドを取得し、取得した印刷コマンドをデータとしてそのまま印刷コマンドエリア47に格納する。上述したように、印刷コマンドは、レシートプリンター12にレシートを発行させるコマンドであるため、印刷コマンドエリア47に格納された印刷コマンドをレシートプリンター12に出力することにより、レシートプリンター12にレシートを発行させることが可能である。
次いで、画像データ記憶部22は、現在の日時を取得し、日時を示す日時データを日時情報エリア48に格納する。この日時情報エリア48に記憶された日時データが示す情報が、画像データを生成したときの日時に関する情報に該当する。
次いで、画像データ記憶部22は、記憶部19からユーザーIDデータ27を取得し、取得したユーザーIDデータ27をユーザー情報エリア49に格納する。このユーザー情報エリア49に格納されたユーザーIDデータ27が示す情報が、ログインユーザーに関する情報に該当する。
【0028】
次いで、画像データ記憶部22は、所定の規則に従って、ファイル名データを生成し、生成したファイル名データをファイル名情報エリア50に格納する。ファイル名データとは、電子ジャーナルファイル28毎に、一意に付与されるファイル名を示すデータのことであり、本実施形態では、現在の日時を示す情報、及び、対応するレシートが本日何個目に発行されたレシートであるかを示す情報とを組み合わされて形成されたデータである。このファイル名情報エリア50に格納されたファイル名データが、画像データの名称に関する情報に該当する。
次いで、画像データ記憶部22は、レシートプリンター12に事前に一意に付与されたIDを示すプリンターIDデータを取得し、プリンター情報エリア51に格納する。
次いで、画像データ記憶部22は、対応するレシートに画像として記録すべき支払金額について、当該支払金額を示す支払金額データをPOSアプリケーション実行部20から取得し、取得した支払金額データを支払金額情報エリア52に格納する。
以上のようにして、画像データ記憶部22は、各エリアに適切にデータを格納した上でJPEGファイルたる電子ジャーナルファイル28を生成した後、生成した電子ジャーナルファイル28を記憶部19に記憶する。
なお、画像データ記憶部22は、生成した電子ジャーナルファイル28を印刷コマンド等と共にレシートプリンター12に送信し、プリンター側制御部30は、受信した印刷コマンド等に基づいて、レシートを発行すると共に、電子ジャーナルファイル28を記録部31に記録してもよい。
【0029】
次いで、画像ビューアー実行部23について説明する。
画像ビューアー実行部23は、事前にインストールされた画像ビューアーを実行することにより、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28から、所望のデータを検索する機能、特定の電子ジャーナルファイル28に基づいて、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートに記録された画像を表示パネル25に表示する機能、及び、特定の電子ジャーナルファイル28に基づいて、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートを再発行する機能を提供する。
まず、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28から、所望のデータを検索する機能について説明する。
当該機能を実行する際、ユーザーは、まず、キーボードや、マウス等の入力デバイスを操作して、検索用ウインドウ60の表示を指示する。
【0030】
図3は、検索用ウインドウ60の一例を模式的に示す図である。
図3に示すように、検索用ウインドウ60は、日付情報入力エリア61と、時刻情報入力エリア62と、ユーザーID入力エリア63と、ファイル名入力エリア64と、プリンターID入力エリア65と、支払金額情報入力エリア66とが形成されている。
日付情報入力エリア61には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが生成された日付を示す情報が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが生成された日付が判明している場合は、当該日付を示す情報を入力する。本実施形態では、画像データが生成された日付が明確に判明しない場合も多いことを考慮して、ある日付から他の日付までの間というように、日付に幅を持たせた状態で、日付を示す情報を入力可能である。
時刻情報入力エリア62には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが生成された時刻を示す情報が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが生成された時刻が判明している場合は、当該時刻を示す情報を入力する。本実施形態では、画像データが生成された時刻が明確に判明しない場合も多いことを考慮して、ある時刻から他の時刻までの間というように、時刻に幅を持たせた状態で、時刻を示す情報を入力可能である。
【0031】
ユーザーID入力エリア63には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートが発行されたときにログインしていたユーザーのIDが入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートが発行されたときにログインしていたユーザーのIDが判明している場合は、当該IDを示す情報を入力する。
ファイル名入力エリア64には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28のファイル名が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28のファイル名が判明している場合は、当該ファイル名を示す情報を入力する。本実施形態では、ファイル名が明確に判明しない場合が多いことも考慮して、ワイルドカードを利用したファイル名を入力可能な構成となっている。
プリンターID入力エリア65には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートを発行したレシートプリンター12のIDが入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートを発行したレシートプリンター12が判明している場合は、当該レシートプリンター12のIDを示す情報を入力する。
支払金額情報入力エリア66には、ユーザーが検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートにおける支払金額を示す情報が入力可能なエリアである。ユーザーは、検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28について、当該電子ジャーナルファイル28に係るレシートにおける支払金額が判明している場合は、当該支払金額を示す情報を入力する。本実施形態では、支払金額が明確に判明しない場合も多いことを考慮して、ある値から他の値までの間というように、支払金額に幅を持たせた状態で、支払金額を示す情報を入力可能である。
【0032】
画像ビューアー実行部23は、検索用ウインドウ60の任意のエリアに情報が入力された上で、検索の開始が指示された場合、検索処理を実行する。検索の開始の指示は、検索用ウインドウ60の検索開始ボタン67がクリックされることによって行われる。
検索処理とは、検索用ウインドウ60の各エリアに入力された情報と、電子ジャーナルファイル28のコメントセグメント46に形成された各エリアに格納されたデータと、の比較に基づいて、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28の中から、所望の電子ジャーナルファイル28を検索する処理である。
詳述すると、日付情報入力エリア61に日付を示す情報が入力された上で、検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28のそれぞれの日時情報エリア48を参照し、日付情報入力エリア61に入力された日付を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている電子ジャーナルファイル28を特定する。なお、電子ジャーナルファイル28について、「日付情報入力エリア61に入力された日付を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている」とは、例えば、日付情報入力エリア61に2010年1月1日を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル28の日時情報エリア48に格納された日時データが2010年1月1日を示していることを言い、また、日付情報入力エリア61に2010年1月1日から1月3日を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル28の日時情報エリア48に格納された日時データが2010年1月1日から1月3日に含まれる日付を示していることをいう。
検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが生成されたときの日付が判明している場合、ユーザーは、当該日付を日付情報入力エリア61に入力する。これにより、特定される電子ジャーナルファイル28が限定され、特定される対象となる電子ジャーナルファイル28が絞り込まれた状態となり、効率的な検索が可能となる。
【0033】
また、検索処理において、時刻情報入力エリア62に時刻を示す情報が入力された上で、検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28のそれぞれの日時情報エリア48を参照し、時刻情報入力エリア62に入力された時刻を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている電子ジャーナルファイル28を特定する。なお、電子ジャーナルファイル28について、「時刻情報入力エリア62に入力された時刻を示す情報に対応する日時データが日時情報エリア48に格納されている」とは、例えば、時刻情報入力エリア62に10時00分を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル28の日時情報エリア48に格納された日時データが10:00を示していることを言い、また、日付情報入力エリア61に10:00から11:00を示す情報が入力された場合において、電子ジャーナルファイル28の日時情報エリア48に格納された日時データが10:00から11:00に含まれる時刻を示していることをいう。
検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28に含まれる画像データが生成されたときの時刻が判明している場合、ユーザーは、当該時刻を時刻情報入力エリア62に入力する。これにより、特定される電子ジャーナルファイル28が限定され、特定される対象となる電子ジャーナルファイル28が絞り込まれた状態となり、効率的な検索が可能となる。
【0034】
同様にして、検索処理において、ユーザーID入力エリア63や、ファイル名入力エリア64、プリンターID入力エリア65、支払金額情報入力エリア66に対応する情報が入力された上で検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28のユーザー情報エリア49や、ファイル名情報エリア50、プリンター情報エリア51、支払金額情報エリア52を参照し、各入力エリアに格納された情報に対応するデータが、コメントセグメント46における対応するエリアに格納されている電子ジャーナルファイル28を特定する。
検索によって特定したい電子ジャーナルファイル28に係るレシートが発行されたときにログインしていたユーザーが判明している場合、ユーザーは、当該ユーザーのIDをユーザーID入力エリア63に入力する。これにより、特定される電子ジャーナルファイル28が限定され、特定される対象となる電子ジャーナルファイル28が絞り込まれた状態となり、効率的な検索が可能となる。このことは、ファイル名や、プリンターのID、支払金額が判明している場合についても同様である。
なお、検索用ウインドウ60の複数の入力エリアに同時に情報が入力された上で検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、AND検索を実行する。例えば、日付情報入力エリア61に2010年1月1日を示す情報が入力され、時刻情報入力エリア62に10:00を示す情報が入力され、かつ、支払金額情報入力エリア66に5000円を示す情報が入力された上で検索の開始が指示された場合、画像ビューアー実行部23は、コメントセグメント46の日時情報エリア48に2010年1月1日の10:00を示す日時データが格納され、かつ、支払金額情報エリア52に5000円を示す支払金額データが格納されている電子ジャーナルファイル28を特定する。
画像ビューアー実行部23は、検索処理によって電子ジャーナルファイル28を特定した後、特定した電子ジャーナルファイル28の一覧を表示パネル25に表示する。
【0035】
図4は、検索処理によって特定された電子ジャーナルファイル28の一覧が表示された様子の一例を示す図である。
図4に示すように、画像ビューアー実行部23は、検索処理によって特定した電子ジャーナルファイル28を一覧表示する。
具体的には、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル28毎に、コメントセグメント46の日時情報エリア48に格納された日時データが示す日付、当該日時データが示す時刻、ユーザー情報エリア49に格納されたユーザーIDデータが示すユーザーのID、ファイル名情報エリア50に格納されたファイル名データが示すファイル名、プリンター情報エリア51に格納されたプリンターIDデータが示すプリンターのID、及び、支払金額情報エリア52に格納された支払金額データが示す支払金額を対応づけて表示する。
さらに、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル28毎に、表示ボタン70と、印刷ボタン71とを表示する。これらボタンはユーザーによってクリック可能である。
【0036】
表示ボタン70は、電子ジャーナルファイル28に係るレシートの画像を表示パネル25に表示することを指示する場合にクリックされるボタンである。
表示ボタン70がクリックされると、画像ビューアー実行部23は、記憶部19から対応する電子ジャーナルファイル28を取得すると共に、取得した電子ジャーナルファイル28からJPEGデータエリア43に格納された圧縮画像データを取得する。次いで、画像ビューアー実行部23は、圧縮画像データに対し、所定の復号処理を施して圧縮画像データから画像データを復元し、当該画像データに基づいて、表示部16を制御して、当該画像データに係る画像を表示パネル25に表示させる。
【0037】
印刷ボタン71は、電子ジャーナルファイル28に係るレシートの再発行を指示する場合にクリックされるボタンである。
印刷ボタン71がクリックされると、画像ビューアー実行部23は、記憶部19から対応する電子ジャーナルファイル28を取得すると共に、取得した電子ジャーナルファイル28の印刷コマンドエリア47を参照し、印刷コマンドを取得する。次いで、画像ビューアー実行部23は、取得した印刷コマンドをレシートプリンター12のプリンター側制御部30に出力する。上述したように、画像ビューアー実行部23から印刷コマンドが入力された場合、レシートプリンター12のプリンター側制御部30は、レシートの発行に係る処理を実行し、レシートを発行する。
【0038】
このように、電子ジャーナルファイル28に係るレシートの再発行が指示された場合、最初にレシートを発行した際に生成された印刷コマンドを利用して、レシートの再発行が行われる。このため、印刷コマンドを新たに生成する場合と比較して、時間を短縮した上で、簡易、かつ、確実にレシートの再発行を実現することができ、さらに、最初に発行されたレシートを完全に再現した状態でレシートを再発行することができる。
また、上述したように、本実施形態では、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28の中から、所望の電子ジャーナルファイル28を検索可能な構成となっているが、検索に際し、電子ジャーナルファイル28に係るレシートが発行された日付や、時刻、レシートが発行されたときにログインしているユーザーのID、ファイル名、プリンターのID、レシートにおける支払金額等、様々な検索情報を利用して電子ジャーナルファイル28の検索が可能である。ここで、従来は、電子ジャーナルファイル28に対しタイムスタンプを付加し、当該タイムスタンプを利用した検索が可能であったが、従来と比較して、様々な条件、様々な観点から電子ジャーナルファイル28を検索でき、より効率的な検索が実現できる。
また、本実施形態では、電子ジャーナルファイル28は、JPEGファイルであるが、これにより以下の利点がある。すなわち、JPEGファイルは、広く普及したファイルフォーマットであるため、利便性、信頼性が高い。また、EXIF規格等の既存の規格を利用して、汎用性を維持した状態で付加データを付加できるため、拡張性がよく、かつ、使い勝手がよい。また、画像データを圧縮した上で記憶するため、電子ジャーナルファイル28を記憶部19に記憶する際の記憶効率がよい。JPEG形式でなくとも、これらの要望を満たす静止画像圧縮形式であれば、他の形式のものでもよい。
【0039】
また、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル28に基づいて、レシートに記録された画像を表示パネル25に表示(プレビュー)でき、また、レシートを再発行でき、また、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28の中から所望の電子ジャーナルファイル28を検索できる。すなわち、上述した、要件1.表示パネル等の表示手段を利用してレシートに記録された画像をプレビューできること、要件2.紙等の記録媒体に記録できること、要件3.所望のデータを検索できること、という3つの要件を満たした状態で、レシートに係るデータを記憶できる構成となっている。
また、電子ジャーナルファイル28のJPEGデータエリア43に格納された圧縮画像データに基づいて表示部16に表示された画像の内容と、印刷コマンドエリア47に格納された印刷コマンドを実行することにより、再発行されたレシートに記録された画像の内容とは、共に、同じレシートに対応する画像であり、一致するはずである。ここで、印刷コマンドを改ざんするためには、専門的かつレシートプリンター12特有の知識を要するため、改ざんが比較的困難であるものの、画像データはビットマップ形式のデータであるため改ざんが比較的容易である。これを踏まえ、画像データだけが改ざんされた場合、1の電子ジャーナルファイル28に基づいて表示部16に表示された画像の内容と、再発行されたレシートに記録された画像の内容とに不整合が生じる。これを利用し、1の電子ジャーナルファイル28に基づいて表示部16に表示された画像の内容と、再発行されたレシートに記録された画像の内容とを比較することによって、画像データに対して改ざんが行われたことを確実に検出でき、このことが改ざんの抑止力となる。
【0040】
図5は、POSシステム1の動作を示すフローチャートである。
図5において、(A)はPOSアプリケーション実行部20の動作を示し、(B)はプリンタードライバー実行部21の動作を示し、(C)は、画像データ記憶部22の動作を示し、(D)は画像ビューアー実行部23の動作を示している。
まず、POSアプリケーション実行部20は、レシートの発行が指示されたか否かを判別する(ステップSA1)。レシートの発行が指示された場合(ステップSA1:YES)、POSアプリケーション実行部20は、当該レシートに係る画像データを生成し、プリンタードライバー実行部21、及び、画像データ記憶部22に出力する(ステップSA2)。
POSアプリケーション実行部20から画像データが入力されたプリンタードライバー実行部21は、画像データに基づいて印刷コマンドを生成し、当該印刷コマンドをレシートプリンター12に出力すると共に、画像データ記憶部22に出力する(ステップSB1)。
画像データ記憶部22は、POSアプリケーション実行部20から入力された画像データ、及び、プリンタードライバー実行部21から入力された印刷コマンドに基づいて、上述した方法により電子ジャーナルファイル28を生成し、記憶部19に記憶する(ステップSC1)。
一方、画像ビューアー実行部23は、電子ジャーナルファイル28の検索、電子ジャーナルファイル28に係るレシートの画像の表示パネル25への表示、又は、電子ジャーナルファイル28に係るレシートの再発行が指示されたか否かを判別する(ステップSD1)。いずれかの指示が行われた場合(ステップSD1:YES)、画像ビューアー実行部23は、記憶部19に記憶された電子ジャーナルファイル28を参照し(ステップSD2)、上述したように指示に対応した処理を実行する(ステップSD3)。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、POSアプリケーション実行部20として機能する制御部15は、POSアプリケーションの機能により、キーボードや、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスから入力された情報、及び、POSサーバー11から取得した情報に基づいて、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報を生成し、この決済情報に基づいてレシートに記録すべき画像の画像データを生成する。そして、画像データ記憶部22は、レシートに記録された画像を示す画像データと、当該画像データに関する情報、具体的には、レシートが発行されたときの日時、レシートが発行されたときにログインしていたユーザーのID、電子ジャーナルファイル28のファイル名、レシートを発行したプリンターのID、及び、レシートにおける支払金額と、が対応づけてられた電子ジャーナルファイル28を生成し、記憶部19に記憶する。
これによれば、画像データに関する情報を利用して所望の画像データの効率的な検索が可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、画像データ記憶部22は、画像データと、画像データが生成されたときの日時、レシートが発行されたときにログインしていたユーザーのID、及び、電子ジャーナルファイル28のファイル名とが対応づけられた電子ジャーナルファイル28を生成し、記憶部19に記憶する。
これによれば、画像データが生成されたときの日時、レシートが発行されたときにログインしていたユーザーのID、及び、電子ジャーナルファイル28のファイル名を利用して、所望の画像データの効率的な検索が可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、画像データ記憶部22は、電子ジャーナルデータたる画像データと、当該画像データに係る画像をレシートプリンター12に記録させるために出力される印刷コマンドとが対応づけられた電子ジャーナルファイル28を生成し、記憶部19に記憶する。
これによれば、画像データと印刷コマンドとが対応づけて記憶されるため、印刷コマンドをレシートプリンター12に出力することにより、必要に応じて、電子ジャーナルデータに該当する画像データに係る画像を容易、かつ、確実に記録することができる。
また、これによれば、画像データに係る画像を表示パネル25に表示したときの表示内容と、当該画像データと対応づけて記憶された印刷コマンドをレシートプリンター12に出力してレシートプリンター12に記録させた画像の内容とを比較することによって、電子ジャーナルデータである画像データに対する改ざんの検出が可能となり、このことが画像データに対する改ざんの抑止力となる。
【0044】
また、本実施形態では、画像データ記憶部22は、画像データをJPEGデータとし、当該1の画像データに関する情報をJPEGデータに付加されるメタデータ(コメントセグメント46に格納された各データ)として、1つのJPEGファイルによって記憶する。
これによれば、広く普及したJPEGファイルを利用して、適切に画像データと、画像データに関する情報とを対応づけて適切に記憶することができる。
なお、本実施形態では、電子ジャーナルファイル28は、JPEGファイルであったが、上述のように、他の静止画像圧縮形式データであってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、レシートプリンター12は、ロール紙に画像を記録してレシートを発行するプリンターであり、画像データ記憶部22は、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、支払金額等の情報を含む決済情報に基づいて生成された画像データと、当該レシートの発行に関する情報とが対応づけられた電子ジャーナルファイル28を生成し、記憶部19に記憶する。
これによれば、レシートの発行に関する情報を利用して、所望のレシートに係る画像を示す画像データの効率的な検索が可能となる。
【0046】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ホストコンピューター10の制御部15がPOSアプリケーション実行部20、プリンタードライバー実行部21、画像ビューアー実行部23、及び、画像ビューアー実行部23を備える構成であったが、これらをレシートプリンター12のプリンター側制御部30が備え、レシートプリンター12単独で、上述の実施形態で説明した動作を実行可能な構成としてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…ホストコンピューター(制御装置)、12…レシートプリンター(記録装置)、15…制御部、17…入力部、22…画像データ記憶部、28…電子ジャーナルデータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置に印刷コマンドを出力して、前記記録装置に画像を記録させる制御装置であって、
入力部と、
前記入力部に入力された情報に基づき決済情報を生成し、前記決済情報に基づいて前記印刷コマンド及び画像データを生成する制御部と、
前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて、前記画像データに関する情報を記憶する画像データ記憶部と、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記画像データに関する情報は、少なくとも、前記画像データを生成したときの日時に関する情報、ログインユーザーに関する情報、及び、前記画像データの名称に関する情報、のいずれかの情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記画像データに関する情報は、前記印刷コマンドを含むものであり、前記画像データは電子ジャーナルデータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記画像データ記憶部は、
1の画像データ、及び、当該1の画像データに対応する前記画像データに関する情報について、
1の画像データを静止画像圧縮形式データとし、当該1の画像データに対応する前記画像データに関する情報を前記静止画像圧縮形式データに付加されるメタデータとして、1つのファイルによって記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記記録装置は、画像を記録してレシートを発行するプリンターであり、
前記制御部は、決済情報に基づいてレシートに記録すべき画像に係る画像データを生成し、
前記画像データ記憶部は、
前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて当該レシートの発行に関する情報を記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
決済情報に基づいて生成された画像データ及び印刷コマンドに基づいて画像を記録する記録装置であって、前記画像データ及び前記印刷コマンドが入力された場合、前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけてこの画像データに関する情報を記憶する画像データ記憶部を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録装置に印刷コマンドを出力して、前記記録装置に画像を記録させる制御装置を制御して、
入力部に入力された情報に基づき決済情報を生成し、前記決済情報に基づき、前記印刷コマンドを生成すると共に、画像データを生成し、
生成した前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて前記画像データに関する情報を記憶することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項8】
記録装置に印刷コマンドを出力して、前記記録装置に画像を記録させる制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
入力部に入力された情報に基づき決済情報を生成し、前記決済情報に基づき、前記印刷コマンドを生成すると共に、画像データを生成し、
生成した前記画像データを記憶すると共に、この画像データと対応づけて前記画像データに関する情報を記憶するものとして機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−176409(P2011−176409A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37080(P2010−37080)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】