説明

制御装置

【課題】 記録装置の容量割り当てを好適に行なう。
【解決手段】 番組送信者が記録装置の記録容量の割り当てを要求していることを示す信号を受信する受信回路と、前記信号に基づいて記録容量の割り当ての制御を行う制御回路と、配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置を制御する構成に関する。
【背景技術】
【0002】
番組を蓄積する構成が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2001−251576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願ではまったく新規な記録装置の制御方法を開示する。
【0004】
本願に記載した実施形態によって解決可能な課題の例としては、以下を挙げることができる。すなわち、サーバ型放送においては、一般にサーバ型放送を提供する番組送信者は、蓄積したいコンテンツが蓄積できるように、あらかじめ決められた容量の記憶領域を確保しておくことが必要であり、そのため、該番組送信者のサーバ型放送を利用するユーザとの間で、受信装置内でHDDの貸与契約を結び、該貸与した記憶領域(記憶容量)は、該番組送信者のみのコンテンツが蓄積可能で、使用されていないからと言って、受信装置が勝手に他の事業者に貸与したり、他の目的に使用したりすることはできなかった。
【0005】
従って、複数の事業者とHDDの貸与契約を結んで、コンテンツの蓄積を行なった場合、HDD全体では、容量に余裕があるのに、ある特定の番組送信者は蓄積容量が不足するといった問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
番組送信者が記録装置の記録容量の割り当てを要求していることを示す信号を受信する受信回路と、前記信号に基づいて記録容量の割り当ての制御を行う。
【0007】
所定の属性を有する番組を記録するための容量として割り当てられている容量を、該属性を有する番組の記録予約及び/もしくは該属性を有する番組の再生履歴を示す情報に基づいて変更する制御を行う。
【0008】
番組送信者に対し、固定的に割当てる記憶容量と、制御装置が動的に割当てる追加容量を割当てる制御を行なう。
【0009】
番組送信者の要求と視聴者情報に基づき一時的に追加容量の割当てを行なう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をサーバ型放送を受信可能なTV装置1.1に適用した場合についての実施の形態について説明する。
【0011】
まず、サーバ型放送を受信可能なTV装置1.1について図1を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明第1の実施形にかかるTV装置1.1を説明するブロック図である。
【0013】
1.101は、チューナ部であって、受信したTV放送の高周波TV信号を増幅、希望局の選局を行い、映像/音声番組、各種データが混合されたTSデータを復調する。
【0014】
データ分離部1.102は、前記TSデータを、映像/音声番組データと、後述する番組情報データ、データ放送データ(データ放送コンテンツ、サーバ型放送コンテンツ、各種メタデータ、制御文書、その他データ放送用データ)等に分離する。映像/音声番組データは、後述デコーダ部1.103へ、その他、番組情報データとデータ放送データは、内部バスs1.19を通して、メモリ部1.151へ出力する。
【0015】
1.103は、放送映像/音声データのデコーダ部であって、前記分離された、映像/音声番組データ、内部バスs1.29よりの映像データをデコードし、音声制御部1.121、グラフィック制御部1.133へ出力する。
【0016】
1.121は、音声制御部であって、前述デコーダ部1.103、内部バスs1.29よりの音声データを、切り替え、あるいは合成、又、音量、音質、臨場感などを制御し、後述音声出力部1.212へ出力する。
【0017】
1.122は音声出力部であって、前記音声制御部1.121より入力された音声信号を増幅し、スピーカより音声を出力する。
【0018】
1.131は、グラフィック制御部であって、データ放送画面、本TVシステム内のアプリケーション画面、メッセージ等のGUI画面等を後述システム制御部1.191の制御に基づき生成する。
【0019】
1.133は表示合成制御部であって、デコーダ部1.103よりの番組と、グラフィック制御部1.131で生成された画像データを、システム制御部1.991よりの制御に基づき、切替え、合成、拡大/縮小、その他各種変換、補正等を行い、後述表示器1.222へ出力する。
【0020】
表示合成制御部1.133は、複数のプレーンを用いて合成処理を行う。この複数のプレーンはデータ放送プレーンとアプリケーションプレーンの独立に描画、制御可能な2つのプレーンを含む。前記データ放送プレーンはさらに、動画プレーン、静止画プレーン、文字図形プレーン等の複数プレーンからなり、これらも独立に制御可能である。
【0021】
1.134は、表示器であって、前記画像制御部1.221よりの画像データを表示する表示器である。
【0022】
1.151は、メモリ部であって、前記1.102により分離されたデータ放送コンテンツ、サーバ型放送コンテンツ、番組情報データ、制御文書、その他データ放送データ等を一時的に保存するメモリ部である。該メモリは、システム制御部1.191がプログラム実行のために使用するワークメモリも含まれる。
【0023】
1.152は、データ蓄積部であり、ここではHDD装置を用いている。データ蓄積部1.152は前記受信したサーバ型放送コンテンツを、前記受信した制御文書、あるいは、視聴者、あるいは後述システム制御部1.191の指示により、蓄積、再生、削除等を行なう。
【0024】
また、その他、システム制御部が受信、蓄積、再生といった各種制御に使用するために、前記受信した番組情報、メタデータ、制御文書、その他データ放送データ、また、課金制御データ、視聴者の視聴履歴データ等々のデータが蓄積され、必要に応じて逐次保存、削除を行なう。後述蓄積管理テーブル等の制御データも保存される。該システム制御部の使用する領域は、サーバ型放送コンテンツとは別途管理される。
【0025】
1.161は、インタフェース部であって、録画装置、印刷装置等を接続し、TV装置1.1より制御により、各種コンテンツの録画・再生、印刷を行なうものである。
【0026】
1.171は、通信部であり、インターネットと接続され、放送局サーバ、課金サーバ等と接続し、受信装置の予約、蓄積情報、あるいは有料コンテンツの課金情報等の各種データの送受信等を行う際に使用される。
【0027】
1.181はリモコン制御部であって、赤外線を利用して、TV視聴者が操作するリモコン装置とデータの送受信を行い、該データをシステム制御部1.191に転送する。
【0028】
1.191は、システム制御部であって、TV装置1.1内各部を統括的に制御する。
【0029】
システム制御部はCPU、主記憶、バス制御部、プログラム格納部、パラメータ保存部、ID保存部、時計部、タイマ部を有しており、以下の制御を行う。
【0030】
TV受信においては、前述した、チューナ部1.101、データ分離部1.102の制御を行い、チャネル切り替えを行い所望の放送電波を受信し、後述TSデータを復調する。そして、該TSデータより前記、映像/音声番組データと、番組情報データ、データ放送データを分離し、
番組データはAVデコード部1.103へ出力すると共に、番組情報データ、データ放送データはs1.19を通してメモリ部1.151、データ蓄積部1.152へ格納する制御を行なう。
【0031】
格納した番組情報データ、データ放送データを解析し、課金制御等を含むアクセス制御、また、番組情報を抽出し、通常放送、サーバ型放送の番組表の構築等を行う。
【0032】
リモコン等によるユーザの指示、前記制御文書の指示に従い、コンテンツの予約、受信、蓄積、再生、課金等の制御を行なう。
【0033】
グラフィック制御部1.131を制御し、前記データ放送の表示、1.1TV装置内のアプリケーションの表示、メッセージ、操作パネル等の表示をさせる。
【0034】
又、表示合成制御部1.133を制御し、デコード部1.103よりの映像データと、1.131部とグラフィック部等よりの画像データの合成、補正等の各種情報表示等を行い、表示部1.134へ表示する。
【0035】
同様に、音声制御部1.121を制御し、音声の合成、出力制御を行い、音声出力部1.122への出力制御を行う。
【0036】
また、リモコン装置とのデータの送受信を制御し、該データに基づき、TV装置1.1内の制御を行う。
【0037】
S1.19は、内部バスであって、データ、並びに制御バスであり、前述してきたように、画像、音声データの転送、各部情報の転送に使用される、TV装置1.1内のバスである。
【0038】
次に、本発明で放送される放送データに関して説明する。
【0039】
図2は、放送局より送信される放送データ、いわゆるTSデータの内容を説明する図である。
【0040】
該放送データは、各国の放送体系、規格に基づいて作成、放送、受信、動作する。本実施形では、日本国内のデジタル放送の標準規格(ARIB(電波産業界)標準規格)に基づいたものとなっている。
本実施形の放送データは、〔1〕ヘッダ部、〔2〕番組データ部、〔3〕データ放送データ部の3つより構成される。
【0041】
〔1〕ヘッダ部は、いわゆるSI情報と言われる番組関連情報と、他の制御情報で構成されている。該SI情報内には、サーバ型放送として配信されるコンテンツの形式、タイトル、ジャンル、出演者情報、内容、コンテンツが含まれるデータのモジュール名、配信開始日時、蓄積先ディレクトリ、蓄積容量等のコンテンツ等の配信情報、また、再生時の有効期限、課金法等のアクセス制御情報が記述されている。該SI情報は必要に応じて更新される。
【0042】
〔2〕番組データは、いわゆる映像/音声ストリームとして伝送される番組部分のことであり、視聴者が視聴する番組である。本実施形では、この〔2〕番組データのない形式が有り得る。
【0043】
〔3〕データ放送データは、コンテンツ、前記コンテンツのメタデータ文書、各種制御文書等より構成される。
【0044】
コンテンツは、ヘッダ情報として、該コンテンツを蓄積するために必要な、モジュール名、蓄積先ディレクトリ、データサイズ等の情報、また、SI情報の一部が記述されている。
【0045】
メタデータは、SI情報に記述された情報、コンテンツに関わる詳細な情報、シーンごとの情報、が記述された文書であり、受信されるコンテンツとは、別時刻に配信されることもある。
【0046】
制御文書は、通常データ放送の表示、制御文書の他、サーバ型放送に関わる契約、蓄積予約、蓄積制御、再生制御、アクセス制御、課金制御等の各種制御文書より成っており、コンテンツ記述言語bmlで記述されたbml文書として記述される。
【0047】
これら放送データは、〔2〕番組データが番組の放送時間に沿って1回のみ伝送されるのに対し、〔3〕データ放送データは、同一データを何度か繰り返して伝送する、いわゆるデータカルーセル方式で伝送され、これらがパケット化され〔1〕ヘッダ部が加えられ放送用TSデータとなる。
【0048】
次に各番組送信者により蓄積されたコンテンツの管理に関して背説明する。
【0049】
図3は、本実施形においてデータ蓄積部1.152に蓄積されるコンテンツの管理構造を示した図である。
【0050】
蓄積されるコンテンツは、//チャネルA/カルーセル1/スポーツ/オリンピックと言うような、階層構造と名前で蓄積される。実際のコンテンツは、さらにこの下層にこのコンテンツを構成する各種モジュール、コンポーネントが蓄積される。最上位のディレクトリは番組送信者ごとに固有とし、これは番組送信者間のルールとして運用する。これにより、HDD内でどの番組送信者がどれだけの容量を使用しているかを管理する。尚、該階層構造、ファイル名は、番組送信者によって指定され、SI情報、あるいは、コンテンツのヘッダ情報として伝送される。
【0051】
図4は、本実施形で使用するデータ蓄積部1.152のサーバ型放送コンテンツの蓄積内容を管理する蓄積管理テーブルである。
【0052】
本実施形では、コンテンツの蓄積のためのHDD容量を、番組送信者に固定的に貸与される基本容量と、TV装置により番組送信者に一時的に貸与される一時割当て容量で管理する。
【0053】
基本容量は、ユーザが、ある番組送信者のサーバ型コンテンツを蓄積、利用するために、番組送信者にHDDを貸与し、コンテンツを利用する契約を行なった時点で、貸与され、該基本容量は契約を解除しない限り番組送信者が専用的に使用できる。
【0054】
HDD内で、サーバ型放送用に使用される全容量から各番組送信者に最初に貸与された基本容量を差し引いた容量が各番組送信者に一時割当て容量として貸与される共通容量になる。
【0055】
この共通容量から必要に応じ、番組送信者に一時割当て容量として貸与される。
【0056】
蓄積管理テーブルは上記内容、すなわち、契約したサーバ型放送の番組送信者と、契約(固定か可変か)、HDDの貸与容量、と現在の蓄積容量が一覧できるようになっている。
【0057】
蓄積管理テーブル内は、貸与容量として、該基本容量と、一時割当て容量、貸与合計容量が記載される。該貸与合計容量が、その時点で蓄積可能な総容量となる。
【0058】
また、現在の蓄積容量として、各コンテンツごとの蓄積先情報と容量、また各番組送信者ごとの合計蓄積容量、及び空き蓄積容量が記載される。
【0059】
このようにすることで、コンテンツの蓄積のために各番組送信者に貸与される基本容量と、一時割当て容量を実現、管理し、全く蓄積ができなくなる番組送信者がなく、かつ全体として記憶容量の不足を少なくし、蓄積装置の効率的運用ができるようにしている。
【0060】
図5は、蓄積予約管理テーブルであり、蓄積予約されたコンテンツのタイトル、ジャンル、配信日時、蓄積容量、有効期限、その他、前述SI情報に記述された情報が記述されている。
【0061】
コンテンツIDは、SI情報において、コンテンツを特定するためのserviceID、eventIDである。
【0062】
図6は、視聴実績管理テーブルであり、過去一定期間内に視聴された回数が番組送信者ごと、コンテンツジャンルごとに記述されている。
【0063】
図7は、視聴コンテンツリストであって、各コンテンツの視聴日、蓄積から消去までの日数が番組送信者ごと、ジャンルごとに記述されている。
【0064】
図8は、TV装置1.1のシステム制御部1.191の制御部別の構造を示した図であって、1.191aはOSを含む基本システム制御部であり他の制御部は該基本システ制御部の管理の元に、データ放送制御部1.191b、割当て制御部1.191c、HDD制御部1.191d 、その他の制御部1.191eが動作するようになっている。
【0065】
放送制御部1.191bは、前述bml文書で記述された制御文書に従い動作する、いわゆるBMLブラウザであり、前述各種制御文書に応じ、受信したデータ放送データの表示、サーバ型放送の契約、蓄積予約、蓄積、再生、アクセス制御等の際の、各種表示、要求、制御といった番組送信者よりの要求による制御を行う。
【0066】
サーバ型放送契約時は、契約画面を表示し、ユーザからの指示に基づき、契約内容を決定し、契約に基づく蓄積容量の確保要求、蓄積コンテンツの予約時は、配信コンテンツの提示、自分に割当てられた容量の調査要求、蓄積予約要求、蓄積コンテンツ蓄積時は、蓄積制御用制御文書に基づき、残容量の確認、割当て制御部への一時割当て要求、コンテンツの蓄積要求、消去要求等を行なう。
【0067】
1.191cは、割当て制御部であり、前述図4に示す蓄積管理テーブルの管理を行うと共に、番組送信者からの要求に伴って発生するデータ放送制御部1.191bよりの一時割当て要求と視聴実績、予約内容に基づき、割当ての許可、不許可の判断を行なう。
【0068】
1.191dは、HDD制御部であり、割当て制御部1.191cと共に図4に示す蓄積管理テーブルを管理し、データ放送制御部1.191b、割当て制御部1.191c等の要求に基づき、HDDの容量確保、書き込み、読み出しの制御を行なう。
【0069】
他の制御部1.191eは、上記以外のTV装置1.1の制御全般の制御が含まれる。
【0070】
1.191bよりの蓄積予約要求に応じた制御、蓄積予約管理テーブルの管理、蓄積予約状況に応じた放送制御部1.191b、割り当て制御部1.191c、その他の制御部1.191dへの制御、蓄積実行時の、チューナ部1.101への選局制御、その他、リモコンキー制御部の制御等の制御も該1.191eその他の制御部で行われる。
【0071】
では次に、図9を使用し、本実施形の動作を説明する。
【0072】
TV装置1.1において、サーバ型放送を受信する際、サーバ型放送のHDD領域貸与契約の種類として『固定容量』と『可変容量』が用意されている。
【0073】
ユーザがあるチャネルA(番組送信者Aに同じ)を視聴中、サーバ型放送の契約画面(BMLによるデータ放送画面)を選択すると、システム制御部1.191内の放送制御部1.191bは、番組送信者Aよりの契約時制御文書(番組送信者Aよりの制御プログラム)を起動し、『固定容量』と『可変容量』の選択画面が表示される。
【0074】
例としては、図10のような画面である。
【0075】
貸与契約として、ユーザが『可変容量契約』を選択すると、HDDの貸与容量として、基本容量VBASバイトと最大追加容量VADDバイトを選択することで、番組送信者にVBASバイトから(VBAS+VADD)バイトまでの範囲でHDDに蓄積可能となる。(st2101)
ここで『固定容量』を選択した場合、視聴者が該選択を行ったことを示す信号を検知した放送制御部1.191bは、契約時制御文書の要求に従い、基本容量VBASバイトのHDD確保要求を、割当て制御部1.191cに出す。
【0076】
割当て制御部1.191cは、図4の蓄積管理テーブルに番組送信者Aの契約内容を登録し、HDD内にチャネルA用ディレクトリを作成しVBASバイトの容量を確保するよう、HDD制御部1.191dに依頼し、番組送信者Aは、VBASバイトのみが使用可能となる。
【0077】
今、可変容量契約を行なったとすると、前述と同様、1.191b放送制御部の契約時制御文書は、視聴者が該選択を行ったことを示す信号を検知し、基本容量VBASバイトのHDD確保要求を割当て制御部1.191cに出す。(st2103)
割当て制御部1.191cは、図4の蓄積管理テーブルに番組送信者Aの契約内容を登録し、HDD内にチャネルA用ディレクトリを作成しVBASバイトの容量を確保するよう、HDD制御部1.191dに依頼する。(st2104)
このように契約した番組送信者に固定の容量を確保することで、全く蓄積ができなくなる番組送信者がないようにできるという効果を実現している。
【0078】
例として、図10の状態で、可変を選択した前後の蓄積管理テーブルは図11のようの黒枠のように、番組送信者AであるチャネルAに、新たに50Gが貸与、登録される。この状態では、一時貸与はされていないので0GBである。
【0079】
この後、契約時制御文書は、データ放送で受信した蓄積制御用制御文書(番組送信者Aによる蓄積制御プログラム)を蓄積するようHDD制御部1.191dに要求を出し、これを受けたHDD制御部1.191dは、チャネルA用のディレクトリ内に該制御文書を蓄積する。
【0080】
受信機は、どれだけの容量をどの番組送信者に貸与し、残容量はどの位かといったHDD管理情報をHDD容量管理テーブルで管理する。
【0081】
実際、HDD内のどの領域に書き込まれるかは、HDD制御部1.191dが管理し、放送制御部1.191b、割当て制御部1.191cよりの蓄積制御は、前述したように論理的なファイルの指定により行なう。
【0082】
その後、ユーザはサーバ型コンテンツのコンテンツ配信一覧を表示させ蓄積予約操作を行なう。(st2106)
コンテンツが予約されると、BMLコンテンツは、該コンテンツの蓄積予約要求を行う。(st2107)
その他の制御部1.191eは、上記蓄積予約要求を受けると、前述SI情報に記述された、タイトル、ジャンル、配信情報、容量といったコンテンツの情報を図5にしめす蓄積予約管理テーブルに登録する。(st2108)
他の複数の番組送信者に対しても、同様の契約、予約動作が行なわれる。その他の制御部191eは、上記蓄積予約管理テーブルを監視しており、蓄積予約時刻の直前時刻になると(st2111)、データ放送制御部1.191bで、蓄積制御用制御文書を起動する。 尚前記直前時刻に起動されるのは、後述、実際に蓄積が開始されるまでに選局等の動作、制御に時間が必要なためである。(st2112)
例としては、以下に述べる動作が何度か繰り返されて、それぞれ、図4に示す蓄積予約テーブル、図5に示す蓄積管理テーブル、図6に示す視聴実績管理テーブル、図7に示す視聴コンテンツリストの状態になっており、チャネルAのコンテンツ“XX”の蓄積予約時刻直前になった時点を想定する。
【0083】
データ放送制御部1.191bで起動した蓄積制御用制御文書は、蓄積予約を確認し、予約したコンテンツ“XX”の蓄積要求に先立ち、自分に割当てられているHDD容量の空き容量を調査し(st2113)、
現在の空き容量でコンテンツの蓄積が可能かどうか判断する。(st2114)蓄積可能であれば、HDD制御部1.191dに対し、蓄積要求を行なう。(st2151)
これを受けたHDD制御部1.191dは、要求番組送信者のHDD容量に蓄積予約コンテンツが蓄積できる容量が残っていることを再度確認し(st2152)、その他の制御部1.191eに要求番組送信者のチャネルに選局し、選局されると、予約されたコンテンツ“XX”を受信し、SI情報に記述されたディレクトリ、ファイル名で蓄積を行なう。尚、蓄積容量の再確認できなかった場合は、蓄積制御用制御文書に蓄積容量エラーを返す。その後、蓄積が完了すると、蓄積完了を蓄積制御用制御文書に返す。(st2152)
st2114において、HDD空き容量が少なく、該コンテンツ“XX”の蓄積を行なうのに容量が不足していることを検知すると(st2114)、現在の自分のチャネルに貸与されたHDD貸与一時容量を調査し(st2121)、一時割当て容量がVADDバイト(契約上の最大容量)に達しておらず、VADDバイトまで追加割り当てがあれば、前記コンテンツ“XX”の蓄積が可能であることがわかった場合(st2122)、放送制御部1.191bの蓄積制御用制御文書の指示により、割当て制御部1.191cに対し、不足分のHDD容量の一時割当て要求を行なう。(st2123)このようにすることで、番組送信者の要求に沿った割当て要求を行い、また、番組送信者の意向に従った蓄積を可能とする効果がある。
【0084】
この実施形態では、番組送信者Aの蓄積制御制御文書が、チャネルAで蓄積できる残容量は5GBであり、蓄積予約をしたいコンテンツ“XX”の容量は、12GBであるのでこのままでは7GB不足することを算出し、一方で、一時貸与容量はまだ、0GBであり、契約上の最大容量範囲(50GB)内の一時割当てで、蓄積可能であることを確認し、割当て制御部1.191cに7GBの一時割当て要求を出す。
【0085】
これを受けた割当て制御部1.191cは、一時割当ての要求のあった容量が、契約上正当かどうかを再確認し、また、一時割当てに使用さえる共通容量部の残容量が、要求された容量以上残っていることを確認し、以下のような手順により、HDD容量の一時割当てを許可するかどうか判断する。
【0086】
該判断は2段階で行なわれる。
【0087】
まず、第1段階として、蓄積要求のあったコンテンツが『蓄積に値するかどうか』を判断する。
【0088】
これには、前述図6に示す視聴実績管理テーブルより、蓄積予約されているコンテンツ“XX”のジャンルのコンテンツが、過去一定期間内(例えば3ヶ月以内)に何回視聴されたかを調査し、ある一定回数以上(例えば5回以上)であれば、視聴者にとって、この予約しようとしているコンテンツ“XX”は『蓄積するに値する』であると判断し(st2125)、次に、第2段階として、『蓄積するに値する』と判断されたコンテンツに対し、蓄積したコンテンツができるだけ早く削除され、共通容量として開放されるかどうかを判断する。これは、他の番組送信者から一時割当ての要求があった場合、できるだけ共通容量を残しておくためである。
【0089】
これは、図7に示す視聴コンテンツリストの“蓄積から消去されるまでの日数”の項より判断する。すなわち、蓄積予約のある番組送信者で蓄積、視聴されたコンテンツの平均日数が、有る値以下(例えば7日以下)であれば、『早く消去される』と判断する。(st2126)
この『蓄積に値する』、かつ、『早く消去される』と判断されたコンテンツに対し、共通容量よりの一時貸与が許可される。
【0090】
許可の場合、蓄積管理テーブルの番組送信者Aの項に対し、一時割当て容量を貸与するよう書き換え、1.191b放送制御部に許可を返す。この際、返却に関する情報も戻り値として一緒に返す。
【0091】
例では、図5に示す蓄積管理テーブルのコンテンツ“XX”のジャンルは『映画』であり、図6に示す視聴実績管理テーブルより、ユーザは過去3ヶ月以内に6回このジャンルを視聴しており、判断基準を5回以上とすると、該コンテンツ“XXは”『蓄積に値する』と判断し、次に、図7に示す視聴コンテンツリストより、チャネルAの蓄積から消去までの平均日数を算出すると、2.2日であり、判断基準を7日以内とすると、『早く消去される』と判断され、不足の7GBの一時割当て要求が許可され、図5に示す蓄積管理テーブルが、図12の黒枠のように書き換えられる。
【0092】
この後、番組送信者Aは蓄積容量の追加が許可された場合、蓄積管理テーブルより自分のHDD容量と空き容量を確認し、HDD制御部1.191dに対し蓄積要求を行なう。(st2151)
これを受けたHDD制御部1.191dは、要求番組送信者のHDD容量に蓄積予約コンテンツが蓄積できる容量が残っていることを再度確認し(st2152)、
その他の制御部1.191eに要求番組送信者のチャネルに選局し、選局されると、予約されたコンテンツ“XX”を受信し、SI情報に記述されたディレクトリ、ファイル名で蓄積を行なう。
【0093】
st2122で、VADDバイトまで追加割り当てが許可されても、前記コンテンツ“XX”の蓄積が不可能であることがわかった場合(st2122)、また、st2125、st2126で、追加割当てが却下された場合は、蓄積制御用制御文書自身が、図6に示す視聴実績管理テーブル、図7に示す視聴コンテンツリスト等より、現在までに自分の領域に蓄積されているコンテンツと、今回蓄積を行なおうとするコンテンツ“XX”のどちらを優先すべきかを判断し(st2131)、今回のコンテンツ“XX”が優先すると判断された場合は、自分の領域内の蓄積コンテンツを削除し、残HDD容量を増やし、蓄積予約したコンテンツの蓄積容量が確保されたことを確認し(st2132)、HDD制御部に蓄積要求を出し、これを受けたHDD制御部1.191cは、前述と同様、番組送信者Aの貸与容量に蓄積予約コンテンツが蓄積できる容量が残っていることを確認し(st2151)、蓄積を開始する。蓄積容量が確認できなかった場合は、BMLスクリプトに蓄積エラーを返す。その後、蓄積が完了すると、蓄積完了を蓄積制御用制御文書に返す。(st2152)
コンテンツ“XX”が優先しないと判断した場合、蓄積予約のキャンセルを1.191eその他の制御部に発行し、蓄積キャンセル処理を行なう。(st2141)
尚、これら、蓄積優先の判断、取りやめるかどうかの判断アルゴリズムは各番組送信者の蓄積制御制御文書による。
【0094】
このようにすることで、番組送信者の固定貸与の蓄積容量に不足した場合、共通容量より追加で貸与を受け、予約したコンテンツを蓄積することで、蓄積装置の効率的運用が可能となり、視聴者がより視聴したいコンテンツを蓄積でき、また、番組送信者の要求に沿った蓄積を可能とする効果がある。
【0095】
次に、一時割当て容量として貸与した容量の返却制御に関して説明する。
【0096】
共通容量の一部を番組送信者に貸与し続けると、共通容量が不足、あるいは、無くなることが予想されるので、使用を終了した一時貸与容量は、割当て制御部1.191cが他の番組送信者に割当てられるよう、返却させる必要がある。
【0097】
番組送信者の要求により蓄積されたコンテンツは、視聴後の視聴制御制御文書による自動消去、あるいはユーザ指示による消去、また、有効期限切れ未視聴コンテンツの視聴制御制御文書による消去等により消去され、これにより、その後蓄積可能な容量が増加する。
【0098】
この際、蓄積コンテンツが消去されて時点で、視聴制御制御文書、あるいは、蓄積制御制御文書により、一時貸与容量の返却が行なわれる。これは、割当て制御部1.191cに蓄積容量変更要求を発行することで行なわれ、これを受けた割当て制御部1.191cが、蓄積管理テーブルを変更することで、実現する。
【0099】
(他の実施形態1)
上記実施形態においては、蓄積予約時刻直前に、その他の制御部1.191eが、蓄積制御制御文書を起動し、該蓄積制御制御文書より、蓄積容量の追加割当て要求を行なった。
【0100】
他の実施形態として、コンテンツの蓄積予約要求時に、蓄積実行時、番組送信者のHDD不足時の追加割当て要求を同時に行い、割当て制御部1.191cが、コンテンツの蓄積予約時刻直前時刻になると、蓄積管理テーブルより該コンテンツの番組送信者のHDD残容量を調査し、容量があればコンテンツの蓄積を行ない、HDD容量が不足しており、追加割当てが許可できる場合、蓄積管理テーブルを書き換え、追加割当てを行い、コンテンツの蓄積を開始する構成を採用することもできる。
【0101】
不許可な場合は、番組送信者の蓄積制御制御文書を起動し、蓄積制御制御文書は、最良の実施形態と同様、自分の領域のコンテンツを削除し、今回のコンテンツを蓄積するかどうかを判断する。このような方法も可能である。
【0102】
(他の実施形態2)
上記実施形においては、蓄積予約は、予約するコンテンツの番組送信者のチャネルのデータ放送画面より行なったが、蓄積予約時の他の実施形態として、以下の構成も採用できる。すなわち、システム制御部1.191の他の制御部1.191eが予め、各チャネルのSI情報を収集し、配信予定のサーバ型コンテンツの番組情報を取得、TV装置1,1内のアプリケーションとして、サーバ型コンテンツガイドボタンを用意し、ユーザが、該ボタンを押下することにより、各番組送信者が配信するサーバ型コンテンツの一覧GUIを表示、ユーザは前記コンテンツ一覧GUIより、所望のコンテンツの蓄積予約を行なう構成である。
【0103】
(他の実施形態3)
上述の実施形態における、一時貸与された容量は、蓄積制御制御文書、視聴制御制御文書により、一時貸与容量が空いた時点で返却していた。
【0104】
これを割当て制御部1.191cによって制御する構成も採用できる。
【0105】
この場合、まず、上述した蓄積の制御と並行して、割当て制御部1.191cは、一時貸与をしている番組送信者に空き容量が発生していないかどうかを蓄積管理テーブルにより監視しており、空き容量が検出された場合、該番組送信者の蓄積制御制御文書を起動し、一時貸与している空き容量の返却を要求し、各番組送信者はこれに応じ、割当て制御部1.191cに対し、HDD容量の変更要求を行い、割当て制御部1.191cはこれを許可し、蓄積容量管理テーブルを書き換える。
【0106】
また、一時貸与の際、貸与の有効期限を設けて、割当て制御部1.191cと蓄積制御制御文書でこれを管理し、割当て制御部1.191cは、ある番組送信者の貸与容量が有効期限になると、該番組送信者の蓄積制御制御文書を起動し、一時貸与している空き容量の返却を要求し、これを受けた蓄積制御制御文書は、自分の領域内から優先順位の低いコンテンツを消去し、空き容量を作り、割当て制御部1.191cに、蓄積容量の変更要求を出す、という構成も採用できる。
【0107】
(他の実施形態4)
上述の『蓄積する価値がある』と判断する手法として、シリーズものでるかどうかを判断し、前回視聴していれば、そのジャンルの視聴回数に関係なく『蓄積する価値がある』と判断するような方法も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明実施形態のTV装置のブロック図
【図2】本発明実施形態で使用される放送データ構成の図
【図3】本発明実施形態、HDD内の管理構造の図
【図4】本発明実施形態、蓄積管理テーブルの図
【図5】本発明実施形態、蓄積予約管理テーブルの図
【図6】本発明実施形態、視聴実績管理テーブルの図
【図7】本発明実施形態、視聴コンテンツリストの図
【図8】本発明実施形態、システム制御部の構造の図
【図9】本発明実施形態、動作の流れを説明する図
【図10】本発明実施形態、契約画面の図
【図11】本発明実施形態、契約前後の蓄積管理テーブルの図
【図12】本発明実施形態、一時割当て許可後の蓄積管理テーブルの図
【符号の説明】
【0109】
1.1 TV装置
1.101 チューナ部
1.102 データ分離部部
1.103 AVでコード部
1.121 音声制御部
1.122 音声出力部
1.131 グラフィック制御部
1.133 表示合成制御部
1.134 表示部
1.151 メモリ部
1.152 データ保存部
1.161 インタフェース部
1.171 インターネット接続部
1.181 リモコン制御部
1.191 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組を記録する記録装置を制御する制御装置であって、
番組送信者が記録装置の記録容量の割り当てを要求していることを示す信号を受信する受信回路と、
前記信号に基づいて記録容量の割り当ての制御を行う制御回路と、
を有する制御装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記番組送信者が送信した番組の記録を予約した状態、および/もしくは、前記番組送信者が送信した番組を再生した履歴、の情報に基づいて前記記録容量の割り当てを許可するか許可しないかを選択する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記記憶容量の割り当ての制御が、すでに割り当てられている記憶容量とは別の記憶容量の割り当ての制御である請求項1もしくは2に記載の制御装置。
【請求項4】
番組を記録する記録装置を制御する制御装置であって、
所定の属性を有する番組を記録するための容量として割り当てられている容量を、該属性を有する番組の記録予約及び/もしくは該属性を有する番組の再生履歴を示す情報に基づいて変更する制御を行う制御手段と、を有する制御装置。
【請求項5】
番組を記録する記録装置を制御する制御装置であって、
番組送信者に対し、固定的に割当てるべき記憶容量と、動的に割当てるべき記憶容量と、をそれぞれ割り当てる制御を行なう制御回路を有することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
前記動的に割り当てるべき記憶容量を割り当てる制御を、前記番組送信者が送信した番組の記録を予約した状態、および/もしくは、前記番組送信者が送信した番組を再生した履歴、の情報に基づいて行う請求項5に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−165760(P2006−165760A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351171(P2004−351171)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】