説明

制振装置付き階段、及び建物

【課題】従来よりも制振効果が高い制振装置付き階段を提供する。
【解決手段】階段10の桁である下側階段梁28、及び上側階段梁34の側面に、各々ブラケット38を介してマスダンパである制振装置36を取り付ける。階段歩行による桁の振動が制振装置36によって効果的に吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制振装置付き階段、及び建物にかかり、特に、階段歩行による振動を効果的に抑えることのできる制振装置付き階段、及び建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の階段として、金属製の階段を用いる場合がある。金属製の階段は、強度は強いが、振動の減衰に劣り、特に長い階段では、振動が大きく、また振動が長く続く傾向にある。階段の振動を抑えるために、階段に制振装置を取り付ける場合がある(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開平6−158808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年では、蹴込み板が無く、力桁の上部に複数の踏板を配置したいわゆるスケルトン階段(透し階段)が戸建住宅で用いられているが、スケルトン階段は、意匠性は高いものの、特にアルミ製のものは振動し易い傾向にあり、従来の制振装置では十分に振動を抑えられない場合があった。
【0004】
また、階段が振動すると、階段の振動が建物の床や天井等に伝達され、床や天井等が共鳴してしまう場合がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、従来よりも制振効果が高い制振装置付き階段、及び制振装置付き階段を備えた建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者が種々の調査を行った結果、特に力桁で踏板を支持する構造の階段においては、踏板自身の振動よりも力桁の振動の方が大きい事が判明し、力桁で踏板を支持する構造の階段においては、力桁に制振装置を取り付けることで大きな制振効果が得られることが判明した。
【0007】
請求項1に記載の制振装置付き階段は上記事実に鑑みてなされたものであって、踏板を桁で支持する階段本体と、前記桁に取り付けられ、前記桁の振動を吸収する桁用制振装置と、を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の制振装置付き階段では、踏板及び階段歩行者の荷重が桁によって支持される。階段歩行者の歩行により桁が振動した場合、桁の振動が桁用制振装置によって吸収される。したがって、踏板を桁で支持する構成の階段において、歩行に伴う不快な振動が効果的に抑えられる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制振装置付き階段において、前記階段本体は、スケルトン階段である、ことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の制振装置付き階段では、スケルトン階段の桁の振動が、桁用制振装置によって吸収される。
【0011】
スケルトン階段には蹴込み板が無いため振動し易く、桁用制振装置をスケルトン階段の桁に取り付けることにより、桁用制振装置の効果を特に発揮することが出来る。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き階段において、前記複数の踏板が、1本の前記桁で支持されている、ことを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の制振装置付き階段では、階段歩行者の荷重が、踏板を介して1本の桁で支持される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の制振装置付き階段において、前記複数の踏板は、前記1本の桁で中央部が支持されている、ことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の制振装置付き階段では、踏板の中央部が1本の桁で支持されているため、踏板の端部を1本の桁で支持する場合(いわゆる片持ちの支持)に比較して、踏板が安定する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き階段において、前記複数の踏板は、2本の前記桁で支持されている、ことを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の制振装置付き階段では、階段歩行者の荷重が、踏板を介して2本の桁で支持される。また、荷重を2本の桁で支持するため(いわゆる両持ちの支持)、1本の桁で支持する場合に比較して踏板が安定する。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の制振装置付き階段において、前記制振装置は、前記2本の桁の互いに対向する内側面に取り付けられている、ことを特徴としている。
【0019】
制振装置を2本の桁の互いに対向する内側面に取り付けることで、制振装置が見え難くなり、階段の見栄えが向上する。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の制振装置付き階段において、前記制振装置は、ブラケットを介して前記桁に取り付けられている、ことを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の制振装置付き階段では、階段の振動がブラケットを介して制振装置に伝達される。制振装置は、ブラケットを介して桁に取り付けるので、制振装置の取り付けの自由度が増す。また、ブラケットを用いることで、制振装置の効果が最大限に発揮できるような向きに制振装置を取り付けることが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の制振装置付き階段において、前記桁用制振装置は、マスと弾性体とを有するマスダンパである、ことを特徴としている。
【0023】
請求項8に記載の制振装置では、桁が振動すると、マスダンパにおいて、弾性体で支持されたマスが振動し、その結果、桁の振動が抑えられる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の制振装置付き階段において、前記弾性体の上に前記マスが支持されている、ことを特徴としている。
【0025】
請求項9に記載の制振装置付き階段では、マスの荷重がマスの下に位置する弾性体によって支持されるため、マスを弾性体に安定して保持できる。また、弾性体の上にマスを支持する構成は、マスを上下に振動させ易く、上下振動に対して効果的である。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の制振装置付き階段において、前記弾性体と前記マスとの接続部分が水平に配置されている、ことを特徴としている。
【0027】
弾性体とマスとの接続部分を水平とすることで、マスの重量を支持している状態において接続部分に剪断力が作用せず、弾性体には圧縮力のみが作用するので、マスを安定して保持できる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の制振装置付き階段において、前記踏板に踏板用制振装置が取り付けられている、ことを特徴としている。
【0029】
階段歩行者の歩行により、踏板自身も振動する場合がある。請求項11に記載の制振装置付き階段では、踏板自身の振動を踏板用制振装置で抑えることができ、階段の振動を更に抑えることができる。
【0030】
請求項12に記載の建物は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の制振装置付き階段を備えた、ことを特徴としている。
【0031】
請求項12に記載の建物では、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の制振装置付き階段を備えているため、階段の歩行による建物の振動が抑えられる。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように請求項1に記載の制振装置付き階段によれば、階段歩行者の歩行による階段の振動を、従来よりも効果的に抑えることができる、という効果がある。
【0033】
請求項2に記載の制振装置付き階段によれば、スケルトン階段の振動を効果的に抑えることができる、という効果がある。
【0034】
請求項3に記載の制振装置付き階段によれば、桁が1本で済むため部品点数が低減できる。
【0035】
請求項4に記載の制振装置付き階段によれば、踏板の端部を支持する場合に比較して踏板が安定する。
【0036】
請求項5に記載の制振装置付き階段によれば、桁が1本の場合に比較して、踏板が安定する。
【0037】
請求項6に記載の制振装置付き階段によれば、制振装置が見え難くなり、階段の見栄えが向上する。
【0038】
請求項7に記載の制振装置付き階段によれば、制振装置の取り付けの自由度を増すことができる。また、制振装置の効果が最大限に発揮できるような向きに制振装置を取り付けることが可能となる。
【0039】
請求項8に記載の制振装置付き階段によれば、マスと弾性体という簡単な構成で制振装置を実現できる。
【0040】
請求項9に記載の制振装置付き階段によれば、マスの荷重マスを弾性体に安定して保持できる。また、上下振動に対して効果的である。
【0041】
請求項10に記載の制振装置付き階段によれば、マスを安定して保持できる。
【0042】
請求項11に記載の制振装置付き階段によれば、踏板自身の振動を抑えことで、階段の振動を更に抑えることができる。
【0043】
また、請求項12に記載の建物によれば、階段歩行者の歩行によって建物が振動することを抑えることができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1乃至図3にしたがって、本発明の制振装置付き階段の一実施形態を説明する。
【0045】
図1には、本実施形態に係る階段10を備えた建物12の要部が斜視図で示されている。この図に示されるように、建物12は、天井パネル14及び床パネル16並びに両者を繋ぐ柱18を躯体として備えている。なお、図1では、これらの天井パネル14、床パネル16、柱18をすべて二点鎖線で図示している。さらに、建物12には、外壁20側に一対の中柱22が立設されている。一対の中柱22は所定の間隔をあけて配置されている。
【0046】
本実施形態の階段10は、いわゆるスケルトン階段と呼ばれるものである。階段10は、下部階段24と上部階段26を備えている。
【0047】
図1、及び図2に示すように、下部階段24は、側面視で略「へ」の字状に屈曲された桁としての下側階段梁28を一対備えている。下側階段梁28は、下側水平部28Aと、当該下側水平部28Aの一端部から所定の傾斜角度で斜め下側へ屈曲された下側屈曲部28Bとを備えており、本実施形態では鋼製の角パイプを加工して形成されている。
【0048】
下側水平部28Aの他端部は、中柱22の高さ方向中間部にボルトで又は溶接により固定されている。また、下側屈曲部28Bの下端部は、図示しない床小梁にボルトで又は溶接により固定されている。
【0049】
さらに、下側水平部28Aの上面には踊場パネル30が取り付けられている。
【0050】
また、下部階段24では、一対の下側屈曲部28Bを掛け渡すように、所定の間隔で複数の踏板32が、台形の踏板取付部材33を介して下側屈曲部28Bの上面に取り付けられている。
【0051】
一方、上部階段26は、側面視で略「逆へ」の字状に屈曲された桁としての上側階段梁34を一対備えている。上側階段梁34は、傾斜した上側屈曲部34Bと、上側屈曲部34Bの下端から踊場パネル30の下側へ水平方向に延びる上側水平部(図示せず)とを備えており、本実施形態では下側階段梁28と同様に鋼製の角パイプを加工して形成されている。
【0052】
上側水平部は、一方の下側階段梁28の側面にボルトで又は溶接により固定されている。また、上側屈曲部34Bの上端部は、図示しない天井小梁にボルトで又は溶接により固定されている。
【0053】
上部階段26では、一対の上側屈曲部34Bを掛け渡すように、所定の間隔で複数の踏板32が、台形の踏板取付部材33を介して上側屈曲部34Bの上面に取り付けられている。
【0054】
なお、本実施形態では、下側階段梁28、及び上側階段梁34を角パイプで形成したため、台形の踏板取付部材33を介して踏板32を取り付けているが、下側階段梁28、及び上側階段梁34の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、複数の段部が形成されている、所謂ささら桁であっても良い。
【0055】
(制振装置)
図2、及び図3に示すように、下側階段梁28における下側屈曲部28Bの内側面には、各々ブラケット38を介して制振装置36が取り付けられている。また、図示はしないが、上側階段梁34における上側屈曲部34Bの内側面にも各々ブラケット38を介して制振装置36が取り付けられている。
【0056】
ブラケット38は、梁側面に取り付けるための梁取付部38Aと、この梁取付部38Aの端部から下方に延びる弾性体取付部38Bとを備えており、例えば、鋼製のアングル等を加工して形成されている。
【0057】
梁取付部38Aには、ボルト40を挿通するための孔(図示せず)が形成されている。また、上側階段梁34、及び下側階段梁28の側面にもボルト40を挿通させるための孔(図示せず)が夫々形成されており、梁取付部38Aの孔、及び梁の孔に挿通させたボルト40と、ボルト40に螺合させたナット42によりブラケット38を梁側面に固定している。なお、上側屈曲部34B、及び下側屈曲部28Bには、ボルト40を挿通させるための孔(図示せず)とは反対側の側面に、ナット42を締め付ける際に用いる工具を挿入するための孔44が形成されている。なお、この孔44は、通常は図示しない蓋で塞がれている。
【0058】
本実施形態では、1本のボルト40でブラケット38を梁側面に固定するようにしているため、ナット42を緩めれば、ボルト40を回転中心としてブラケット38を回転できる。本実施形態では、弾性体取付部38Bを水平にした状態でブラケット38が梁側面に固定されている。
【0059】
弾性体取付部38Bの上面には、制振装置36を構成する部材である弾性体46が接着により固着されている。本実施形態の弾性体46は、一定厚さの矩形のゴムであるが、形状はこれに限らず、また、所望のバネ定数を確保していれば金属ばね等であっても良い。
【0060】
弾性体46の上面には、後述するマス50を取り付けるための金属製のプレート48が固着されている。本実施形態のプレート48は長方形であり、長手方向両側には、マス50を取り付けるときに用いる一対の孔(図示せず)が形成されている。
【0061】
プレート48の上面には、制振装置36を構成する部材であるマス50が搭載されている。本実施形態のマス50は、略長方形とされた金属のブロックであるが、所望の質量があれば金属以外の材料で形成されていても良い。
【0062】
本実施形態の制振装置36は、質量であるマス50とバネである弾性体46を備えた、いわゆるマスダンパである。
【0063】
マス50の一方の長辺には、略V字状の切欠52が形成されており、切欠52の1辺には、ネジ孔(図示せず)が一対形成されている。プレート48の孔を挿通させたボルト54をこのネジ孔に捩じ込むことで、マス50がプレート48に固定されている。
【0064】
本実施形態では、弾性体46に固着されたプレート48にマス50を固定しているが、プレート48は必ずしも必要では無く、例えば、弾性体46に対してマス50を接着しても良い。
【0065】
制振装置36は、抑えたい振動の腹の部分に取り付けることが好ましく、本実施形態では、上側階段梁34の長手方向略中央部分、及び下側階段梁28の長手方向略中央部分に取り付けられている。また、本実施形態では、図1に示すように、下側階段梁28の下側水平部28Aにも、下側屈曲部28Bと同様にして制振装置36が取り付けられている。
【0066】
ここで、各制振装置36におけるマス50の重量、及び弾性体46のバネ定数は、抑えたい周波数の振動に合わせて設定されているのは勿論である。
【0067】
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0068】
歩行者が階段10を歩行した際に、上側階段梁34や下部階段24が振動した場合、この振動は、マスダンパである制振装置36によって吸収され、歩行に伴う不快な振動が抑えられる。また、階段10の振動が抑えられるので、階段歩行による建物12の振動、例えば、天井パネル14、床パネル16、外壁20等が振動することも抑えられる。
【0069】
本実施形態の階段10では、制振装置36を階段10の梁内側面に取り付けているため、階段外側から見て制振装置36が目立たず、見栄えが良い。
【0070】
本実施形態では、一定厚さの矩形のゴムである弾性体46を水平に配置しているが、ブラケット38を回転させて、弾性体46を傾斜させても良い。弾性体46は、制振効果が最も発揮できるように、梁の振動方向や、マス50の振動方向等に応じて最適な向きを決めれば良い。
【0071】
上記実施形態では、下側階段梁28、及び上側階段梁34が各々一対設けられていたが、図4、及び図5に示すように、1本の下側階段梁28、及び1本の上側階段梁34で踏板32を支持しても良い。1本の下側階段梁28、及び上側階段梁34で踏板32を支持する場合、安定性、及び強度の面から、踏板32の長手方向一端部で支持するよりも、図4に示すように踏板32の長手方向中央部を支持することが好ましい。
【0072】
[その他の実施形態]
図6(A),(B)には、図3に示したブラケット38とは異なる形状のブラケット56を用いた例が示されている。このブラケット56は、梁取付部56Aと、梁取付部56Aの端部から上方に延びる弾性体取付部56Bとを備えており、図3に示したブラケット38と同様に、鋼製のアングル等を加工して形成されている。
【0073】
上記実施形態では、下側階段梁28、及び上側階段梁34が各々角パイプから形成されていたが、下側階段梁28、及び上側階段梁34を構成する部材は角パイプに限らず、例えば、図6(C)に示すようなH形鋼であっても良く、チャンネル等の他の形状の材料で形成されていても良い。
【0074】
上記実施形態では、マス50に切欠52を形成していたが、図7(A)に示すように、切欠の形成されていないマス50を用い、前述したプレート48の代わりに、図7(A)に示すような側面視で略三角形のスペーサー58を用いてマス50を取り付けても良い。
【0075】
スペーサー58には、図示しない孔が形成されており、この孔を挿通させたボルト54をマス50のネジ孔に捩じ込むことでマス50をスペーサー58に固定している。なお、下側屈曲部28Bには、図7(B)に示すようなクランク状に屈曲したブラケット60がボルト60、及びナット62にて固定されており、このブラケット60の上面に弾性体46を介してスペーサー58が固着されている。
【0076】
上記実施形態では、マス50の正面から見たときの形状が長方形であったが、図8に示すように、菱形等の他の形状であっても良い。
【0077】
上記実施形態では、下側階段梁28、及び上側階段梁34の材質が鋼であったが、アルミニューム等の他の金属で形成されていても良く、木材等の金属以外の材料で形成されていても良い。
【0078】
アルミニュームで下側階段梁28、及び上側階段梁34を形成した場合、下側階段梁28、及び上側階段梁34は鋼の場合よりも振動し易くなるが、本発明の制振装置36を取り付けることで、階段歩行時の振動を十分に抑えることができる。
【0079】
上記実施形態では、桁としての下側階段梁28、及び上側階段梁34が各々直線形状であったが、本発明はこれに限らず、桁が螺旋状、即ち階段10がいわゆる螺旋階段であっても良い。
【0080】
上記実施形態では、桁である下側階段梁28、及び上側階段梁34に制振装置36を取り付けたが、桁の振動が抑えられても踏板32自身が振動して問題となるような場合には、踏板32の裏面にブラケット等を介して制振装置36を取り付けても良い。
【0081】
上記実施形態では、制振装置36がいわゆるマスダンパであったが、本発明はこれに限らず、制振装置36は、例えば、履歴ダンパ、粘弾性ダンパ、粘性ダンパ、摩擦ダンパ、電磁力ダンパ、慣性力ダンパ等の他の周知の構造の制振装置であっても良い。
【0082】
また、上記実施形態の階段12は、桁である下側階段梁28、上側階段梁34の上に踏板32を配置した構成であるが、踏板32の両端部を桁で支持する、いわゆる側桁階段であっても良い。この場合、桁に制振装置36を取り付ければ良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】建物の階段付近の斜視図である。
【図2】下部階段の側面図である。
【図3】(A)は制振装置の側面図であり、(B)は階段の制振装置取付部分の断面図である。
【図4】他の実施形態に係る階段の斜視図である。
【図5】他の実施形態に係る階段の断面図である。
【図6】(A)は他の実施形態に係る制振装置の側面図であり、(B)は図6(A)に示す階段の制振装置取付部分の断面図であり、(C)はH形鋼を用いた階段の制振装置取付部分の断面図である。
【図7】(A)はさらに他の実施形態に係る制振装置の側面図であり、(B)は図7(A)に示す階段の制振装置取付部分の断面図である。
【図8】さらに他の実施形態に係る制振装置の側面図である。
【符号の説明】
【0084】
10 階段
12 建物
28 下側階段梁(桁)
32 踏板
34 上側階段梁(桁)
36 制振装置
38 ブラケット
46 弾性体
50 マス
56 ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏板を桁で支持する階段本体と、
前記桁に取り付けられ、前記桁の振動を吸収する桁用制振装置と、
を有することを特徴とする制振装置付き階段。
【請求項2】
前記階段本体は、スケルトン階段である、ことを特徴とする請求項1に記載の制振装置付き階段。
【請求項3】
前記複数の踏板が、1本の前記桁で支持されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き階段。
【請求項4】
前記複数の踏板は、前記1本の桁で中央部が支持されている、ことを特徴とする請求項3に記載の制振装置付き階段。
【請求項5】
前記複数の踏板は、2本の前記桁で支持されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き階段。
【請求項6】
前記制振装置は、前記2本の桁の互いに対向する内側面に取り付けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の制振装置付き階段。
【請求項7】
前記制振装置は、ブラケットを介して前記桁に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の制振装置付き階段。
【請求項8】
前記桁用制振装置は、マスと弾性体とを有するマスダンパである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の制振装置付き階段。
【請求項9】
前記弾性体の上に前記マスが支持されている、ことを特徴とする請求項8に記載の制振装置付き階段。
【請求項10】
前記弾性体と前記マスとの接続部分が水平に配置されている、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の制振装置付き階段。
【請求項11】
前記踏板に踏板用制振装置が取り付けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の制振装置付き階段。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の制振装置付き階段を備えた、ことを特徴とした建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−303146(P2007−303146A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132351(P2006−132351)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】